(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186104
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】ガスコンロ
(51)【国際特許分類】
F24C 3/12 20060101AFI20221208BHJP
F23N 5/00 20060101ALI20221208BHJP
F23N 3/08 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
F24C3/12 E
F23N5/00 D
F23N5/00 T
F23N3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094162
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】柴山 総一郎
【テーマコード(参考)】
3K003
【Fターム(参考)】
3K003EA03
3K003FB04
3K003FC04
3K003GA03
3K003HA03
3K003HA04
3K003JA09
3K003KA06
3K003KB02
3K003MA09
3K003NA04
(57)【要約】
【課題】コンロバーナの点消火を頻繁に繰り返すことなく低温調理を実行することができるようにしたガスコンロを提供する。
【解決手段】コンロバーナ2のバーナヘッド22は、周方向複数の区分けヘッド領域22aに区分けされる。各区分けヘッド領域の外周面に、炎口23
1の上方に位置する空気吹出口23
2が形成される。空気吹出口23
2に区分けヘッド領域22a毎に個別に空気を供給可能な給気手段26を備える。低温調理制御では、区分けヘッド領域22a毎に個別に、給気手段26による空気吹出口23
2への空気の供給と供給停止との切換制御を実行する。具体的には、空気吹出口23
2に給気手段26から空気を供給している区分けヘッド領域22aを給気区分けヘッド領域として、燃料ガス供給量を所定量に維持したまま、給気区分けヘッド領域の個数を変化させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のバーナヘッドを有するコンロバーナと、コンロバーナへの燃料ガスの供給量を調節するガス量調節手段と、制御手段と、低温調理モードを指示する低温調理指示手段とを備えるガスコンロであって、
コンロバーナは、バーナヘッドの外周面に形成された多数の第1炎口と、第1炎口の上流側に連なる第1混合管とを有する第1バーナ部を備え、第1バーナ部にガス量調節手段から燃料ガスが供給されるようにしたものにおいて、
バーナヘッドは、周方向複数の区分けヘッド領域に区分けされて、各区分けヘッド領域の外周面に、第1炎口の上方に位置する空気吹出口が形成され、
ガスコンロは、空気吹出口に区分けヘッド領域毎に個別に空気を供給可能な給気手段を備え、
制御手段は、低温調理指示手段によって低温調理モードが指示されると低温調理制御を実行するように構成され、低温調理制御では、区分けヘッド領域毎に個別に、給気手段による空気吹出口への空気の供給と供給停止との切換制御、或いは、給気手段による空気吹出口への空気供給量の増減制御を実行することを特徴とするガスコンロ。
【請求項2】
前記空気吹出口に前記給気手段から空気を供給している前記区分けヘッド領域を給気区分けヘッド領域として、前記低温調理制御では、前記第1バーナ部への燃料ガス供給量を所定量に維持したまま、給気区分けヘッド領域の個数を変化させることを特徴とする請求項1記載のガスコンロ。
【請求項3】
請求項2記載のガスコンロであって、前記低温調理制御で、前記複数の区分けヘッド領域のうちの一部を前記給気区分けヘッド領域とする状態では、給気区分けヘッド領域の周方向位置を経時的に変化させることを特徴とするガスコンロ。
【請求項4】
前記コンロバーナは、前記第1バーナ部に加えて、前記空気吹出口から成る第2炎口と、前記各区分けヘッド領域の第2炎口の上流側に連なる各第2混合管とを有する第2バーナ部を備え、第2バーナ部は、各第2混合管に一次空気として前記給気手段からの空気が供給される強制給気式バーナで構成され、更に、第1バーナ部のみに燃料ガスを供給して第1バーナ部のみを燃焼させる単独燃焼状態と、第2バーナ部にも燃料ガスを供給して第1と第2の両バーナ部を燃焼させる同時燃焼状態との切換を行う切換手段を備え、前記低温調理制御では、切換手段により単独燃焼状態に切換えることを特徴とする請求項1~3の何れか1項記載のガスコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状のバーナヘッドを有するコンロバーナと、コンロバーナへの燃料ガスの供給量を調節するガス量調節手段と、制御手段と、低温調理モードを指示する低温調理指示手段とを備えるガスコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のガスコンロとして、例えば特許文献1により、低温調理指示手段によって被加熱物を100℃程度や100℃よりも低い温度で加熱する低温調理モードが指示されると、低温調理制御を実行するように制御手段を構成したものが知られている。ここで、低温調理制御では、コンロバーナの点消火を頻繁に繰り返すようにしている。
【0003】
然し、このように、低温調理中にコンロバーナの点消火が頻繁に繰り返されると、使用者に違和感を与えてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、コンロバーナの点消火を頻繁に繰り返すことなく低温調理を実行することができるようにしたガスコンロを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、環状のバーナヘッドを有するコンロバーナと、コンロバーナへの燃料ガスの供給量を調節するガス量調節手段と、制御手段と、低温調理モードを指示する低温調理指示手段とを備えるガスコンロであって、コンロバーナは、バーナヘッドの外周面に形成された多数の第1炎口と、第1炎口の上流側に連なる第1混合管とを有する第1バーナ部を備え、第1バーナ部にガス量調節手段から燃料ガスが供給されるようにしたものにおいて、バーナヘッドは、周方向複数の区分けヘッド領域に区分けされて、各区分けヘッド領域の外周面に、第1炎口の上方に位置する空気吹出口が形成され、ガスコンロは、空気吹出口に区分けヘッド領域毎に個別に空気を供給可能な給気手段を備え、制御手段は、低温調理指示手段によって低温調理モードが指示されると低温調理制御を実行するように構成され、低温調理制御では、区分けヘッド領域毎に個別に、給気手段による空気吹出口への空気の供給と供給停止との切換制御、或いは、給気手段による空気吹出口への空気供給量の増減制御を実行することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、低温調理制御において、バーナヘッドの第1炎口に形成される燃焼炎の上方に空気吹出口を介して給気手段からの空気が噴出することになり、燃焼炎から被加熱物に伝わる熱量をこの空気によって減少させることができる。従って、コンロバーナ(第1バーナ部)の点消火を頻繁に繰り返さなくても、低温調理を実行することができ、使用者に違和感を与えることを抑制できる。更に、区分けヘッド領域毎に個別に、給気手段による空気吹出口への空気の供給と供給停止との切換制御、或いは、給気手段による空気吹出口への空気供給量の増減制御を実行することで、被加熱物に伝わる熱量を細かく調節することができる。
【0008】
例えば、空気吹出口に給気手段から空気を供給している区分けヘッド領域を給気区分けヘッド領域として、低温調理制御では、第1バーナ部への燃料ガス供給量を所定量に維持したまま、給気区分けヘッド領域の個数を変化させる。これによれば、第1バーナ部への燃料ガス供給量を変化させずに、被加熱物に伝わる熱量を段階的に切換えることが可能になり、調理性が向上する。
【0009】
また、低温調理制御で、複数の区分けヘッド領域のうちの一部を給気区分けヘッド領域とする状態では、給気区分けヘッド領域の周方向位置を経時的に変化させることが望ましい。これによれば、被加熱物に伝わる熱量が給気区分けヘッド領域に合致する部分で低下して、各時点での被加熱物の加熱分布が不均一になっても、トータル時間での被加熱物の加熱分布は均一になり、加熱ムラを解消することができる。
【0010】
更に、本発明において、コンロバーナは、第1バーナ部に加えて、空気吹出口から成る第2炎口と、各区分けヘッド領域の第2炎口の上流側に連なる各第2混合管とを有する第2バーナ部を備え、第2バーナ部は、各第2混合管に一次空気として上記給気手段からの空気が供給される強制給気式バーナで構成されるものとしてもよい。この場合、第1バーナ部のみに燃料ガスを供給して第1バーナ部のみを燃焼させる単独燃焼状態と、第2バーナ部にも燃料ガスを供給して第1と第2の両バーナ部を燃焼させる同時燃焼状態との切換を行う切換手段を設け、低温調理制御では、切換手段により単独燃焼状態に切換えるようにすればよい。これによれば、同時燃焼状態にすることで、被加熱物の加熱量を増大させて、ターンダウン比を大きくすることができ、実行可能な調理の幅が広がる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態のガスコンロの要部の斜視図。
【
図3】実施形態のガスコンロに設けられるコンロバーナの斜視図。
【
図4】
図3のIV-IV線で切断したコンロバーナの切断平面図。
【
図5】
図4のV-V線で切断したコンロバーナの切断正面図。
【
図6】(a)コンロバーナの下ボディ部材を取り外した状態の斜め下方から見た斜視図、(b)下ボディ部材の斜め上方から見た斜視図。
【
図7】実施形態のガスコンロで実行する低温調理制御の内容を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1、
図2を参照して、本発明の実施形態のガスコンロは、図示省略したコンロ本体の上面を覆う天板1に開設したバーナ用開口11に臨むコンロバーナ2を備えている。コンロバーナ2は、上部がバーナ用開口11に挿通されるバーナボディ21と、バーナボディ21上の環状のバーナヘッド22とを有している。天板1上には、バーナ用開口11を囲うようにして五徳12が載置されると共に、バーナ用開口11とこれに挿通されるバーナボディ21の部分との間の隙間を上方から覆うカバーリング13が載置されている。
【0013】
図3乃至
図6も参照して、コンロバーナ2は、バーナヘッド22の外周面に形成された多数の第1炎口23
1と、第1炎口23
1の上流側に連なる第1混合管24
1とを有する第1バーナ部2
1を備えている。また、バーナヘッド22は、周方向に♯1~♯4の4個の区分けヘッド領域22aに区分けされている。各区分けヘッド領域22aの外周面には、第1炎口23
1の上方に位置する複数の開口から成る第2炎口23
2が形成されている。そして、コンロバーナ2は、第1バーナ部2
1に加えて、第2炎口23
2と、♯1~♯4の各区分けヘッド領域22aの第2炎口23
2の上流側に連なる♯1~♯4の各第2混合管24
2とを有する第2バーナ部2
2を備えている。
【0014】
より具体的に説明すれば、バーナボディ21は、バーナ用開口11に挿通される外側筒体211aと内側筒体211bとを有する上ボディ部材211と、♯1~♯4の4つの第2混合管242が一体に形成された下ボディ部材212とで構成され、下ボディ部材212の上面中央部に上ボディ部材211が装着されている。バーナヘッド22は、内周に、上ボディ部材211の内側筒体211bに嵌合する筒部221aを垂設した環状の下ヘッド部材221と、内周に、下ボディ部材212の中央部に形成した貫通孔212aに嵌合する筒部222aを垂設した環状の上ヘッド部材222とで構成されている。
【0015】
下ヘッド部材221の下面外周部には、上ボディ部材211の外側筒体211aの上端に着座する環状壁221bが垂設されている。この環状壁221bには、その下端面から上方に窪む第1炎口231となる溝が周方向の間隔を存して多数形成されている。第1炎口231は、下ヘッド部材221の筒部221a及び上ボディ部材211の内側筒体211bと上ボディ部材211の外側筒体211aとの間に画成される空間に連通しており、この空間に連通するように上ボディ部材211と一体の第1混合管241が設けられている。
【0016】
また、上ヘッド部材222の下面外周部には、下ヘッド部材221の上面外周部に着座する環状壁222bが垂設されている。この環状壁222bには、その下端面から上方に窪む第2炎口23
2となる溝が周方向の間隔を存して多数形成されている。更に、上ヘッド部材222の下面には、
図6(a)に示す如く、第2炎口23
2に連なる、上ヘッド部材222の筒部222aと下ヘッド部材221の筒部221aとの間の空間を♯1~♯4の4個の区分けヘッド領域22aに対応して周方向4部分に区分けする放射状の4個の仕切壁222cが垂設されている。また、下ボディ部材212の上面には、
図6(b)に示す如く、貫通孔212aを囲うようにして、♯1~♯4の4個の第2混合管24
2に夫々連なる円弧状の4個の流出口24
2aが設けられている。そして、仕切壁222cで区分けされた各空間部分の下端部に各流出口24
2aを嵌合させ、♯1~♯4の各区分けヘッド領域22aの第2炎口23
2の上流側に♯1~♯4の各第2混合管24
2が接続されるようにしている。
【0017】
各第2混合管242の内部中間には、燃料ガスを噴射するガスノズル25が設けられている。また、♯1~♯4の各第2混合管242の上流端の流入口には、給気手段たる♯1~♯4の各ファン26が接続されている。そして、第2バーナ部22は、各第2混合管242に一次空気として各ファン26からの空気を供給する強制給気式バーナで構成されることになる。尚、ガスノズル25は、各第2混合管242に外部から装着されるノズルホルダ251に保持されている。各第2混合管242の外面に露出するノズルホルダ251の外端部には、燃料ガスの流入口252が開設されている。
【0018】
図4を参照して、第1混合管24
1の上流端の流入口に臨む図外のガスノズル、即ち、第1バーナ部2
1には、共通ガス供給路3から分岐した第1バーナ用ガス供給路3
1を介して燃料ガスが供給され、各第2混合管24
2内のガスノズル25、即ち、第2バーナ部2
2には、共通ガス供給路3から分岐した第2バーナ用ガス供給路3
2を介して燃料ガスが供給される。共通ガス供給路3には、安全弁31と、ガス量調節手段たる流量調節弁32とが介設されている。また、第2バーナ用ガス供給路3
2には、第1バーナ部2
1のみに燃料ガスを供給して第1バーナ部2
1のみを燃焼させる単独燃焼状態と、第2バーナ部2
2にも燃料ガスを供給して第1と第2の両バーナ部2
1,2
2を燃焼させる同時燃焼状態との切換を行う切換手段たる第2バーナ用電磁弁33が介設されている。
【0019】
また、コンロバーナ2には、第1バーナ部21に点火するための点火電極27と、第1バーナ部21の燃焼炎を検知する熱電対28とが付設されている。更に、コンロバーナ2の上方に載置される被加熱物、即ち、五徳12に載置される被加熱物(調理容器)の温度を検出する温度検出手段たる鍋底温度センサ29がバーナヘッド22で囲われる空間を通して上方に突出するように設けられている。
【0020】
上述した安全弁31、流量調節弁32、第2バーナ用電磁弁33、ファン26及び点火電極27に高電圧を印加する図示省略したイグナイタは、制御手段たるマイクロコンピュータから成るコントローラ4により制御される。コントローラ4には、図示省略した操作パネルに設けられる点消火操作部41、火力調節操作部42及び調理モード選択部43からの信号と、鍋底温度センサ29からの信号と、熱電対28からの信号とが入力される。コントローラ4は、点消火操作部41から点火指令信号が入力されると、安全弁31を開弁させると共にイグナイタをオンして、第1バーナ部21に点火する。その後、熱電対28からの信号に基づいて失火が検知されたときや、点消火操作部41から消火指令信号が入力されたときは、安全弁31を閉弁させる。
【0021】
調理モード選択部43で手動調理モードが選択されているときは、火力調節操作部42からの信号に基づいて流量調節弁32を制御する。火力調節操作部42で所定の中間火力以上の火力が指示されたときは、第2バーナ用電磁弁33を開弁させて第1と第2の両バーナ部21,22を燃焼させる同時燃焼状態に切換え、更に、各ファン26を駆動して、第2バーナ部22への燃料ガス供給量に対応する量の空気が供給されるようにする。また、調理モード選択部43で後述する低温調理モード以外の自動調理モードが選択されたときは、鍋底温度センサ29で検出した被加熱物の温度が調理モードに対応する所定の設定温度範囲に収まるように流量調節弁32、第2バーナ用電磁弁33及び各ファン26の制御を行う。
【0022】
ここで、調理モード選択部43では、自動調理モードの一つとして、被加熱物を100℃程度や100℃よりも低い温度で加熱する低温調理モードを選択することができるようになっている。従って、調理モード選択部43は、低温調理モードを指示する低温調理指示手段としても機能することになる。コントローラ4は、調理モード選択部43からの信号で低温調理モードが指示されると低温調理制御を実行する。低温調理制御では、第1バーナ部21のみを燃焼させる単独燃焼状態にすると共に、区分けヘッド領域22a毎に個別に、ファン26による第2炎口232への空気の供給と供給停止との切換制御を実行する。ここで、第2炎口232に空気を供給すると、第1炎口231に形成される燃焼炎の上方に第2炎口232から空気が噴出することになり、燃焼炎から被加熱物に伝わる熱量をこの空気によって減少させることができる。従って、第1バーナ部21の点消火を頻繁に繰り返さなくても、低温調理を実行することができ、使用者に違和感を与えることを抑制できる。
【0023】
以下、
図7を参照して、低温調理制御について詳述する。低温調理制御では、先ず、STEP1において、第2バーナ用電磁弁33を閉弁させ、第1バーナ部2
1のみに燃料ガスを供給して第1バーナ部2
1のみを燃焼させる単独燃焼状態にすると共に、STEP2において、第1バーナ部2
1への燃料ガス供給量Qgが所定量、例えば、失火を生じない最小量になるように流量調節弁32を制御する。次に、第2炎口23
2にファン26から空気を供給している区分けヘッド領域22aを給気区分けヘッド領域として、鍋底温度センサ29の検出温度に基づいて出される指示火力(被加熱物の加熱量)に応じて給気区分けヘッド領域の個数を変化させる制御を行う。以下、この制御について詳述する。
【0024】
低温調理制御において出される指示火力は、最大の「4」から最小の「1」までの4段階に分かれている。ここで、第1バーナ部21への燃料ガス供給量を上記所定量に維持したままでも、給気区分けヘッド領域の個数の増減に応じて被加熱物の加熱量が増減することになる。そして、指示火力が「4」であれば、STEP3を経てSTEP4に進んで、給気区分けヘッド領域の個数を1とし、指示火力が「3」であれば、STEP3,5を経てSTEP6に進んで、給気区分けヘッド領域の個数を2とし、指示火力が「2」であれば、STEP3,5,7を経てSTEP8に進んで、給気区分けヘッド領域の個数を3とし、指示火力が「1」であれば、STEP3,5,7を経てSTEP9に進んで、給気区分けヘッド領域の個数を4とする。
【0025】
尚、
図7には示していないが、♯1~♯4の4個の区分けヘッド領域22aのうちの一部を給気区分けヘッド領域とする状態、即ち、給気区分けヘッド領域の個数を3以下にする状態では、給気区分けヘッド領域の周方向位置を経時的に変化させる。具体的には、給気区分けヘッド領域の個数を1にする状態では、給気区分けヘッド領域を例えば♯1の区分けヘッド領域22aにすることと、♯2の区分けヘッド領域22aにすることと、♯3の区分けヘッド領域22aにすることと、♯4の区分けヘッド領域22aにすることと、再び♯1の区分けヘッド領域22aにすることとを一定時間間隔で繰り返す。また、給気区分けヘッド領域の個数を2にする状態では、給気区分けヘッド領域を例えば♯1及び♯3の区分けヘッド領域22aにすることと、♯2及び♯4の区分けヘッド領域22aにすることとを一定時間間隔で繰り返す。更に、給気区分けヘッド領域の個数を3にする状態では、給気区分けヘッド領域を例えば♯1,♯2及び♯3の区分けヘッド領域22aにすることと、♯2,♯3及び♯4の区分けヘッド領域22aにすることと、♯3,♯4及び♯1の区分けヘッド領域22aにすることと、♯4,♯1及び♯2の区分けヘッド領域22aにすることと、再び♯1,♯2及び♯3の区分けヘッド領域22aにすることとを繰り返す。このように、給気区分けヘッド領域の周方向位置を経時的に変化させれば、各時点での被加熱物の加熱分布が不均一になっても、トータル時間での被加熱物の加熱分布は均一になり、加熱ムラを解消することができる。
【0026】
上記如く給気区分けヘッド領域の個数を変化させる制御を開始した後は、STEP10で消火指令が出されたか否かを判別し、消火指令が出されるまでは、STEP3に戻って、給気区分けヘッド領域の個数を変化させる制御を継続して行う。尚、消火指令は、点消火操作部41の操作や、低温調理の設定時間の経過で出される。そして、消火指令が出されたときは、STEP11に進み、安全弁31を閉弁させて、第1バーナ部21を消火する。
【0027】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、低温調理制御において、区分けヘッド領域22a毎に個別に、ファン26による第2炎口232への空気の供給と供給停止との切換制御を行っているが、ファン26による第2炎口232への空気供給量の増減制御を行うことも可能である。また、上記実施形態では、第2炎口232に♯1~♯4の各区分けヘッド領域22a毎に個別に空気を供給可能な給気手段を♯1~♯4の4個のファン26で構成しているが、1個のファンと、♯1~♯4の各第2混合管242に連なるファンの下流側の各分岐送風路に介設したバタフライ弁等の弁とで給気手段を構成することも可能である。
【0028】
更に、上記実施形態では、コンロバーナ2として、第1バーナ部21に加えて第2バーナ部22を備え、第1バーナ部21のみを燃焼させる単独燃焼状態と、第1と第2の両バーナ部21,22を燃焼させる同時燃焼状態とに切換自在としたものを用いているが、第2バーナ部22を設けずに、第1炎口241の上方に位置する空気吹出口(上記実施形態の第2炎口242に相当)からファン26により送気される空気のみを噴出させるようにしたコンロバーナを用いることも可能である。但し、上記実施形態の如く第1と第2の両バーナ部21,22を備えるコンロバーナ2を用いれば、同時燃焼状態にすることで、被加熱物の加熱量を増大させて、ターンダウン比を大きくすることができる。従って、実行可能な調理の幅が広がり、有利である。
【0029】
また、上記実施形態では、共通ガス供給路3にガス量調節手段たる流量調節弁32を開設しているが、第1バーナ用ガス供給路31に、第1バーナ部21への燃料ガス供給量を調節するガス量調節手段を設けると共に、第2バーナ用ガス供給路32に第2バーナ部22への燃料ガス供給量を調節するガス量調節手段を設けてもよい。更に、火力調節操作部42で所定の中間火力未満の火力が指示されたときに、低温調理モードが指示されたと判断して、上述した低温調理制御を行うようにしてもよい。この場合、火力調節操作部42が低温調理指示手段として機能することになる。また、上記実施形態において、バーナヘッド22の区分けヘッド領域22aの数は4個であるが、4個以外であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
2…コンロバーナ、21…第1バーナ部、22…第2バーナ部、22…バーナヘッド、231…第1炎口、232…第2炎口(空気吹出口)、241…第1混合管、242…第2混合管、26…ファン(給気手段)、32…流量調節弁(ガス量調節手段)、33…第2バーナ用電磁弁(切換手段)、4…コントローラ(制御手段)、43…調理モード選択部(低温調理指示手段)。