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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186105
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】建物ユニット連結構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/348 20060101AFI20221208BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
E04B1/348 U
E04B1/58 503H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094167
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高津 比呂人
(72)【発明者】
【氏名】高尾 全
(72)【発明者】
【氏名】新谷 祐介
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA04
2E125AA14
2E125AB01
2E125AB16
2E125AC15
2E125AC16
2E125BB18
2E125BC09
2E125BD01
2E125BE08
2E125BF04
2E125CA78
(57)【要約】
【課題】上下に隣接する建物ユニットの鋼管柱同士を接合しつつ、鋼管柱に対する鉄骨梁の固定度を高めることを目的とする。
【解決手段】建物ユニット連結構造は、第一鋼管柱30Aと、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに梁端部40Eが接合される上側鉄骨梁40Uと、を有する第一建物ユニット20Aと、第一鋼管柱30Aの上に配置される第二鋼管柱30Bと、第二鋼管柱30Bの柱脚部に梁端部40Eが接合される下側鉄骨梁40Lと、を有する第二建物ユニット20Bと、内部にセメント系充填材52が充填され、下部が第一鋼管柱30Aの柱頭部30U内に嵌め込まれるとともに、上部が第二鋼管柱30Bの柱脚部30L内に嵌め込まれ、第一鋼管柱30Aと第二鋼管柱30Bとを連結する連結鋼管50と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一鋼管柱と、前記第一鋼管柱の柱頭部に梁端部が接合される第一鉄骨梁と、を有する第一建物ユニットと、
前記第一鋼管柱の上に配置される第二鋼管柱と、前記第二鋼管柱の柱脚部に梁端部が接合される第二鉄骨梁と、を有する第二建物ユニットと、
内部にセメント系充填材が充填され、下部が前記第一鋼管柱の前記柱頭部内に嵌め込まれるとともに、上部が前記第二鋼管柱の前記柱脚部内に嵌め込まれ、前記第一鋼管柱と前記第二鋼管柱とを連結する連結鋼管と、
を備える建物ユニット連結構造。
【請求項2】
前記第一鉄骨梁の前記梁端部に設けられ、前記第一鋼管柱の前記柱頭部と接触する第一セメント系硬化体と、
前記第二鉄骨梁の前記梁端部に設けられ、前記第二鋼管柱の前記柱脚部と接触する第二セメント系硬化体と、
を備える請求項1に記載の建物ユニット連結構造。
【請求項3】
前記連結鋼管の下端は、前記第二鉄骨梁の下端よりも下側に位置し、
前記連結鋼管の上端は、前記第二鉄骨梁の上端よりも上側に位置する、
請求項1又は請求項2に記載の建物ユニット連結構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物ユニット連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上下の鋼管柱の内部に、コンクリートを充填して接合する鋼管柱の接合構造が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62-264235号公報
【特許文献2】特開平5-295800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現場において、箱状の複数の建物ユニットを積み上げることにより、建物を構築するユニット工法(ユニット建築)が知られている。
【0005】
建物ユニットは、例えば、四隅に立てられた複数の鋼管柱と、隣り合う鋼管柱にそれぞれ架設された複数の鉄骨梁とを備え、現場において積み上げられる。そして、上下に隣接する箱状ユニットの鋼管柱同士が接合される。
【0006】
この種のユニット工法では、現場において、上下に隣接する箱状ユニットの鋼管柱同士を接合しつつ、鋼管柱に対する鉄骨梁の固定度を高めたいとの要望がある。
【0007】
本発明は、上記の事実を考慮し、上下に隣接する建物ユニットの鋼管柱同士を接合しつつ、鋼管柱に対する鉄骨梁の固定度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の建物ユニット連結構造は、第一鋼管柱と、前記第一鋼管柱の柱頭部に梁端部が接合される第一鉄骨梁と、を有する第一建物ユニットと、前記第一鋼管柱の上に配置される第二鋼管柱と、前記第二鋼管柱の柱脚部に梁端部が接合される第二鉄骨梁と、を有する第二建物ユニットと、内部にセメント系充填材が充填され、下部が前記第一鋼管柱の前記柱頭部内に嵌め込まれるとともに、上部が前記第二鋼管柱の前記柱脚部内に嵌め込まれ、前記第一鋼管柱と前記第二鋼管柱とを連結する連結鋼管と、を備える。
【0009】
請求項1に係る建物ユニット連結構造によれば、第一建物ユニットは、第一鋼管柱と、第一鋼管柱の柱頭部に梁端部が接合される第一鉄骨梁とを有する。また、第二建物ユニットは、第一鋼管柱の上に配置される第二鋼管柱と、第二鋼管柱の柱脚部に梁端部が接合される第二鉄骨梁とを有する。
【0010】
連結鋼管は、内部にセメント系充填材が充填される。この連結鋼管の下部は、第一鋼管柱の柱頭部内に嵌め込まれる。また、連結鋼管の上部は、第二鋼管柱の柱脚部内に嵌め込まれる。この連結鋼管によって、第一鋼管柱と第二鋼管柱とが連結される。
【0011】
ここで、前述したように、連結鋼管の下部は、第一鋼管柱の柱頭部内に嵌め込まれる。この第一鋼管柱の柱頭部には、第一鉄骨梁の梁端部が接合される。これにより、水平力作用時に、第一鉄骨梁の梁端部から第一鋼管柱の柱頭部に圧縮力が作用した場合に、当該柱頭部の変形が抑制される。つまり、第一鋼管柱の柱頭部に対する第一鉄骨梁の梁端部の固定度が高められる。
【0012】
これと同様に、連結鋼管の上部は、第二鋼管柱の柱脚部内に嵌め込まれる。この第二鋼管柱の柱脚部には、第二鉄骨梁の梁端部が接合される。これにより、水平力作用時に、第二鉄骨梁の梁端部から第二鋼管柱の柱脚部に圧縮力が作用した場合に、当該柱脚部の変形が抑制される。つまり、第二鋼管柱の柱脚部に対する第二鉄骨梁の梁端部の固定度が高められる。
【0013】
このように本発明では、上下に隣接する第一建物ユニットの第一鋼管柱と第二建物ユニットの第二鋼管柱を接合することができる。また、本発明では、第一鋼管柱の柱頭部に対する第一鉄骨梁の梁端部の固定度を高めることができるとともに、第二鋼管柱の柱脚部に対する第二鉄骨梁の梁端部の固定度を高めることができる。
【0014】
請求項2に記載の建物ユニット連結構造は、請求項1に記載の建物ユニット連結構造において、前記第一鉄骨梁の前記梁端部に設けられ、前記第一鋼管柱の前記柱頭部と接触する第一セメント系硬化体と、前記第二鉄骨梁の前記梁端部に設けられ、前記第二鋼管柱の前記柱脚部と接触する第二セメント系硬化体と、を備える。
【0015】
請求項2に係る建物ユニット連結構造によれば、第一鉄骨梁の梁端部には、第一セメント系硬化体が設けられる。第一セメント系硬化体は、第一鋼管柱の柱頭部と接触する。これにより、水平力作用時に、第一鉄骨梁の梁端部から第一セメント系硬化体を介して、第一鋼管柱の柱頭部に圧縮力が分散して作用する。
【0016】
したがって、第一鋼管柱の柱頭部の変形がさらに抑制される。つまり、第一鋼管柱の柱頭部に対する第一鉄骨梁の梁端部の固定度がさらに高められる。
【0017】
これと同様に、第二鉄骨梁の梁端部には、第二セメント系硬化体が設けられる。第二セメント系硬化体は、第二鋼管柱の柱脚部と接触する。これにより、水平力作用時に、第二鉄骨梁の梁端部から第二セメント系硬化体を介して、第二鋼管柱の柱脚部に圧縮力が分散して作用する。
【0018】
したがって、第一鋼管柱の柱頭部の変形がさらに抑制される。つまり、第一鋼管柱の柱頭部に対する第一鉄骨梁の梁端部の固定度がさらに高められる。
【0019】
請求項3に記載の建物ユニット連結構造は、請求項1又は請求項2に記載の建物ユニット連結構造において、前記連結鋼管の下端は、前記第二鉄骨梁の下端よりも下側に位置し、前記連結鋼管の上端は、前記第二鉄骨梁の上端よりも上側に位置する。
【0020】
請求項3に係る建物ユニット連結構造によれば、連結鋼管の下端は、第二鉄骨梁の下端よりも下側に位置する。これにより、水平力作用時に、第一鉄骨梁から第一鋼管柱の柱頭部に作用した圧縮力を、連結鋼管の下部の全体で受けることができる。したがって、第一鋼管柱の柱頭部の変形をより確実に抑制することができる。
【0021】
また、連結鋼管の上端は、第二鉄骨梁の上端よりも上側に位置する。これにより、水平力作用時に、第二鉄骨梁の梁端部から第二鋼管柱の柱脚部に作用した圧縮力を、連結鋼管の上部の全体で受けることができる。したがって、第二鋼管の柱脚部の変形をより確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、上下に隣接する建物ユニットの鋼管柱同士を接合しつつ、鋼管柱に対する鉄骨梁の固定度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一実施形態に係る建物ユニット連結構造が適用された第一建物ユニット及び第二建物ユニットを分解した分解斜視図である。
図2図1に示される第一鋼管柱と第二鋼管柱との連結部を示す立面図である。
図3図2に示される第一鋼管柱、第二鋼管柱、及び連結鋼管を分解した分解立面図である。
図4図2の4-4線断面図である。
図5】一実施形態に係る建物ユニット連結構造の変形例が適用された第一鋼管柱と第二鋼管柱との連結部を示す図2に対応する立面図である。
図6図5に示される第一鋼管柱、第二鋼管柱、及び連結鋼管を分解した分解立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、一実施形態について説明する。
【0025】
(建物)
図1には、ユニット工法によって構築される建物(ユニット建物)10が示されている。建物10は、複数の建物ユニット20を備えている。複数の建物ユニット20は、箱状(直方体状)に形成されている。また、複数の建物ユニット20は、現場において水平方向に配列されるとともに、複数段に積み上げられる。これらの建物ユニット20によって、建物10が構築されている。
【0026】
(建物ユニット)
複数の建物ユニット20は、例えば、同じ形状、及び同じ大きさとされている。各建物ユニット20は、複数の鋼管柱(鋼管隅柱)30と、複数の上側鉄骨梁40Uと、複数の下側鉄骨梁40Lとを有している。これらの鋼管柱30、上側鉄骨梁40U、及び下側鉄骨梁40Lは、箱状の建物ユニット20の各辺に沿って配置されており、工場等において予め接合されている。
【0027】
複数(4本)の鋼管柱30は、角形鋼管によって形成されている。また、鋼管柱30は、建物ユニット20の四隅にそれぞれ立てられている。
【0028】
複数の上側鉄骨梁40Uは、隣り合う鋼管柱30の柱頭部30U(図2参照)にそれぞれ架設されている。これらの上側鉄骨梁40Uは、建物ユニット20の上端側の平面架構を構成している。この平面架構には、天井パネル(天井材)22が取り付けられる。なお、天井パネル22は、省略可能である。
【0029】
複数の下側鉄骨梁40Lは、隣り合う鋼管柱30の柱脚部30L(図2参照)にそれぞれ架設されている。また、複数の下側鉄骨梁40Lは、建物ユニット20の下端側の平面架構を構成している。この平面架構には、床パネル(床材)24が取り付けられる。なお、床パネル24は、省略可能である。
【0030】
隣り合う一対の鋼管柱30には、上側鉄骨梁40U及び下側鉄骨梁40Lが架設されている。これらの一対の鋼管柱30、上側鉄骨梁40U、及び下側鉄骨梁40Lは、建物ユニット20の周囲の立面架構を構成している。この立面架構には、壁パネル(壁材)26、又は図示しない窓(サッシュ)が取り付けられる。なお、壁パネル(壁材)26、及び窓(サッシュ)は、省略可能である。
【0031】
建物ユニット20は、他の建物ユニット20の上に積み上げられる。なお、以下では、説明の便宜上、一段目の建物ユニット20を第一建物ユニット20Aとし、二段目に配置された建物ユニット20を第二建物ユニット20Bとする。また、第一建物ユニット20Aの鋼管柱30を第一鋼管柱30Aとし、第二建物ユニット20Bの鋼管柱30が第二鋼管柱30Bとする。
【0032】
また、第一建物ユニット20Aの上側鉄骨梁40Uは、第一鉄骨梁の一例である。また、第二建物ユニット20Bの下側鉄骨梁40Lは、第二鉄骨梁の一例である。
【0033】
(建物ユニット連結構造)
第二建物ユニット20Bの複数の第二鋼管柱30Bは、第一建物ユニット20Aの複数の第一鋼管柱30Aの上にそれぞれ配置される。複数の第一鋼管柱30Aと、複数の第二鋼管柱30Bとは、連結鋼管50を介してそれぞれ連結される。以下、第一建物ユニット20Aの第一鋼管柱30Aと、第二建物ユニット20Bの第二鋼管柱30Bとの連結構造について詳説する。
【0034】
図2には、図1に点線で示される領域Rに対応する立面図が示されている。図2に示されるように、水平方向に配列された第一建物ユニット20Aは、各々の第一鋼管柱30Aを隣接させた状態で配置されている。
【0035】
また、第一建物ユニット20Aの第一鋼管柱30Aの上には、第二建物ユニット20Bの第二鋼管柱30Bが配置されている。さらに、第一建物ユニット20Aの上側鉄骨梁40Uの上には、第二建物ユニット20Bの下側鉄骨梁40Lが配置されている。
【0036】
(連結鋼管)
図2及び図3に示されるように、第一鋼管柱30A及び第二鋼管柱30Bの断面形状は、同じとされている。また、第一鋼管柱30A及び第二鋼管柱30Bの断面サイズは、同じとされている。この第一鋼管柱30Aと第二鋼管柱30Bとは、連結鋼管50を介して軸力Nを伝達可能に連結されている。
【0037】
具体的には、連結鋼管50は、角形鋼管によって形成されている。この連結鋼管50の断面形状は、第一鋼管柱30A及び第二鋼管柱30Bの断面形状と同じとされている。また、連結鋼管50の断面サイズは、第一鋼管柱30A及び第二鋼管柱30Bの断面サイズよりも若干小さくされている。この連結鋼管50の下部は、第一鋼管柱30Aの柱頭部30U内に嵌め込まれている。一方、連結鋼管50の上部は、第二鋼管柱30Bの柱脚部30L内に嵌め込まれている。
【0038】
連結鋼管50の内部には、セメント系充填材52が充填されている。セメント系充填材52は、例えば、硬化したコンクリート、硬化したモルタル、又は硬化したグラウト等によって形成されている。また、セメント系充填材52は、連結鋼管50の下端50Aから上端50Bに渡って充填されている。この連結鋼管50によって、第一鋼管柱30Aの柱頭部30U及び第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lが補強されている。
【0039】
なお、セメント系充填材52は、例えば、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに連結鋼管50の下部を嵌め込んだ状態で、連結鋼管50の内部に充填しても良い。また、セメント系充填材52は、例えば、工場又は現場サイト等において、連結鋼管50の内部に充填しても良い。
【0040】
第一鋼管柱30Aの柱頭部30U内には、第一軸力伝達プレート32Aが設けられている。第一軸力伝達プレート32Aは、平面視にて、矩形状に形成されている。また、第一軸力伝達プレート32Aは、第一鋼管柱30Aの柱頭部30U内に嵌め込まれている。この第一軸力伝達プレート32Aの外周部は、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uの内周面に溶接等によって接合されている。
【0041】
第一軸力伝達プレート32Aは、上側鉄骨梁40Uの下端40Aよりも下側に配置されている。この第一軸力伝達プレート32Aの上に、連結鋼管50の下端50Aが載置されている。これにより、連結鋼管50から第一軸力伝達プレート32Aを介して、第一鋼管柱30Aに軸力Nが伝達される。また、連結鋼管50の下端50Aは、上側鉄骨梁40Uの下端40Aよりも下側に配置されている。
【0042】
第二鋼管柱30Bの柱脚部30L内には、第二軸力伝達プレート32Bが設けられている。第二軸力伝達プレート32Bは、平面視にて、矩形状に形成されている。また、第二軸力伝達プレート32Bは、第二鋼管柱30Bの柱脚部30L内に嵌め込まれている。この第二軸力伝達プレート32Bの外周部は、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lの内周面に溶接等によって接合されている。
【0043】
第二軸力伝達プレート32Bは、下側鉄骨梁40Lの上端40Bよりも上側に配置されている。この第二軸力伝達プレート32Bは、連結鋼管50の上端50Bに載置されている。つまり、第二軸力伝達プレート32Bは、連結鋼管50を介して第一軸力伝達プレート32Aに支持されている。
【0044】
これにより、第二鋼管柱30Bから第二軸力伝達プレート32Bを介して連結鋼管50に軸力Nが伝達される。また、連結鋼管50の上端50Bは、下側鉄骨梁40Lの上端40Bよりも上側に配置されている。
【0045】
なお、第二軸力伝達プレート32Bが連結鋼管50を介して第一軸力伝達プレート32Aに支持された状態で、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uと第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lとの間には、隙間が形成される。これと同様に、第二軸力伝達プレート32Bが連結鋼管50を介して第一軸力伝達プレート32Aに支持された状態で、上側鉄骨梁40Uと下側鉄骨梁40Lとの間には、隙間が形成される。
【0046】
(第一セメント系硬化体)
図2に示されるように、第一建物ユニット20Aの上側鉄骨梁40Uは、H形鋼によって形成されている。この上側鉄骨梁40Uは、上下方向に互いに対向する上側フランジ42及び下側フランジ44と、上側フランジ42及び下側フランジ44を接続するウェブ46とを有している。
【0047】
上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eには、一対の第一セメント系硬化体60Aが設けられている。一対の第一セメント系硬化体60Aは、例えば、硬化したコンクリート、硬化したモルタル、又は硬化したグラウト等によって形成されている。また、各第一セメント系硬化体60Aは、直方体状(ブロック状)に形成されている。
【0048】
図4に示されるように、一対の第一セメント系硬化体60Aは、上側鉄骨梁40Uのウェブ46の両側に配置されている。また、各第一セメント系硬化体60Aは、上側鉄骨梁40Uの上側フランジ42と下側フランジ44との間に配置されている。
【0049】
ウェブ46、及び一対の第一セメント系硬化体60Aには、貫通孔46H,60Hがそれぞれ形成されている。これらの貫通孔46H,60Hに挿入された通しボルト70の両端部にナット72を締め込むことにより、一対の第一セメント系硬化体60Aがウェブ46に固定されている。この一対の第一セメント系硬化体60Aによって、上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eが補強されている。
【0050】
図2に示されるように、第一セメント系硬化体60Aの側面60Sは、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uの側面30Sに接触(面接触)されている。これにより、水平力作用時に、上側鉄骨梁40Uから第一セメント系硬化体60Aの側面60Sを介して、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uの側面30Sに圧縮力Pが伝達される。
【0051】
(第二セメント系硬化体)
図2に示されるように、第二建物ユニット20Bの下側鉄骨梁40Lは、H形鋼によって形成されている。この下側鉄骨梁40Lは、上下方向に互いに対向する上側フランジ42及び下側フランジ44と、上側フランジ42及び下側フランジ44を接続するウェブ46とを有している。
【0052】
下側鉄骨梁40Lの梁端部40Eには、一対の第二セメント系硬化体60Bが設けられている。一対の第二セメント系硬化体60Bは、例えば、硬化したコンクリート、硬化したモルタル、又は硬化したグラウト等によって形成されている。また、各第二セメント系硬化体60Bは、直方体状(ブロック状)に形成されている。
【0053】
図4に示されるように、一対の第二セメント系硬化体60Bは、下側鉄骨梁40Lのウェブ46の両側に配置されている。また、各第二セメント系硬化体60Bは、下側鉄骨梁40Lの上側フランジ42と下側フランジ44との間に配置されている。
【0054】
ウェブ46、及び一対の第二セメント系硬化体60Bには、貫通孔46H,60Hがそれぞれ形成されている。これらの貫通孔46H,60Hに挿入された通しボルト70の両端部にナット72を締め込むことにより、一対の第二セメント系硬化体60Bがウェブ46に固定されている。この一対の第二セメント系硬化体60Bによって、下側鉄骨梁40Lの梁端部40Eが補強されている。
【0055】
図2に示されるように、第二セメント系硬化体60Bの側面60Sは、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uの側面30Sに接触(面接触)されている。これにより、水平力作用時に、下側鉄骨梁40Lから第二セメント系硬化体60Bの側面60Sを介して、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uの側面30Sに圧縮力Pが伝達される。
【0056】
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0057】
図2に示されるように、第一建物ユニット20Aの第一鋼管柱30Aと、第二建物ユニット20Bの第二鋼管柱30Bとは、連結鋼管50を介して軸力(鉛直荷重)Nを伝達可能に連結されている。
【0058】
具体的には、連結鋼管50の下部は、第一鋼管柱30Aの柱頭部30U内に嵌め込まれている。また、連結鋼管50の下端50Aは、第一軸力伝達プレート32Aの上に載置されている。一方、連結鋼管50の上部は、第二鋼管柱30Bの柱脚部30L内に嵌め込まれている。これにより、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uと第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lとが連結鋼管50を介して連結される。
【0059】
また、連結鋼管50の内部には、セメント系充填材52が充填されている。この連結鋼管50の上端50Bには、第二軸力伝達プレート32Bが載置されている。つまり、第二軸力伝達プレート32Bは、連結鋼管50を介して第二軸力伝達プレート32Bに支持されている。
【0060】
これにより、第二鋼管柱30Bの軸力Nが、第二軸力伝達プレート32Bから連結鋼管50、及びセメント系充填材52に伝達される。連結鋼管50、及びセメント系充填材52に伝達された軸力Nは、第一軸力伝達プレート32Aを介して第二鋼管柱30Bに伝達される。
【0061】
このように本実施形態では、連結鋼管50及びセメント系充填材52を介して、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uと第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lとを、軸力Nを伝達可能に連結することができる。
【0062】
また、本実施形態では、第一鋼管柱30Aの柱頭部30U及び第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lに連結鋼管50を嵌め込むことにより、第一鋼管柱30Aと第二鋼管柱30Bとを容易に連結することができる。したがって、第一建物ユニット20A及び第二建物ユニット20Bの施工性が向上する。
【0063】
なお、連結鋼管50は、第一建物ユニット20Aの設置前に、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに予め嵌め込んでも良い。また、連結鋼管50は、第一建物ユニット20Aの設置後に、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに嵌め込んでも良い。
【0064】
また、本実施形態では、第二軸力伝達プレート32Bが連結鋼管50を介して第二軸力伝達プレート32Bに支持された状態で、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uと第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lとの間に隙間が形成される。この隙間によって、第一鋼管柱30A及び第二鋼管柱30Bの施工誤差等を吸収することができる。
【0065】
さらに、本実施形態では、第二軸力伝達プレート32Bが連結鋼管50を介して第一軸力伝達プレート32Aに支持された状態で、上側鉄骨梁40Uと下側鉄骨梁40Lとの間に隙間が形成される。この隙間によって、上側鉄骨梁40U及び下側鉄骨梁40Lの施工誤差等を吸収することができる。したがって、第一建物ユニット20A及び第二建物ユニット20Bの施工性がさらに向上する。
【0066】
(第一鋼管柱の柱頭部と上側鉄骨梁の梁端部との接合構造)
次に、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uと上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eと接合構造の作用について説明する。
【0067】
図2に示されるように、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uには、上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eが接合されている。この第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uには、連結鋼管50の下部が嵌め込まれている。
【0068】
これにより、水平力作用時に、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eから圧縮力Pが作用した場合に、当該柱頭部30Uが潰れる等の変形が抑制される。つまり、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに対する上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eの固定度が高められる。
【0069】
また、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに伝達される圧縮力Pは、連結鋼管50を介してセメント系充填材52に分散して伝達される。これにより、セメント系充填材52の局所的な破壊等が抑制される。したがって、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに対する上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eの固定度がさらに高められる。
【0070】
さらに、連結鋼管50の下端50Aは、上側鉄骨梁40Uの下端40Aよりも下側に位置している。これにより、水平力作用時に、上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eから第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに作用する圧縮力Pを、連結鋼管50の下部の全体で受けることができる。したがって、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uの潰れ等の変形をより確実に抑制することができる。
【0071】
また、セメント系充填材52は、熱容量が大きい。したがって、連結鋼管50にセメント系充填材52を充填することにより、連結鋼管50、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uの耐火性能が高められる。この結果、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uの耐火被覆を省略し、又は耐火被覆を低減することができる。
【0072】
さらに、上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eには、一対の第一セメント系硬化体60Aが設けられている。一対の第一セメント系硬化体60Aの側面60Sは、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uの側面30Sに接触されている。
【0073】
これにより、水平力作用時に、上側鉄骨梁40Uから第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに作用する圧縮力Pが、一対の第一セメント系硬化体60Aの側面60Sを介して、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uの側面30Sに分散して伝達される。したがって、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uの変形がさらに抑制される。
【0074】
また、一対の第一セメント系硬化体60Aによって上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eのウェブ46を両側から挟み込むことにより、ウェブ46の座屈が抑制される。
【0075】
さらに、一対の第一セメント系硬化体60Aは、熱容量が大きい。したがって、一対の第一セメント系硬化体60Aを上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eに設けることにより、当該梁端部40Eの耐火被覆を省略し、又は耐火被覆を低減することができる。
【0076】
しかも、図3に示されるように、一対の第一セメント系硬化体60Aは、通しボルト70及びナット72によって上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eに容易に取り付けることができる。したがって、上側鉄骨梁40Uの施工性が向上する。
【0077】
(第二鋼管柱の柱脚部と下側鉄骨梁の梁端部との接合構造)
次に、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lと下側鉄骨梁40Lの梁端部40Eと接合構造の作用について説明する。
【0078】
図2に示されるように、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lには、下側鉄骨梁40Lの梁端部40Eが接合されている。この第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lには、連結鋼管50の下部が嵌め込まれている。
【0079】
これにより、水平力作用時に、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lに下側鉄骨梁40Lの梁端部40Eから圧縮力Pが作用した場合に、当該柱脚部30Lが潰れる等の変形が抑制される。つまり、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lに対する下側鉄骨梁40Lの梁端部40Eの固定度が高められる。
【0080】
また、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lに伝達される圧縮力Pは、連結鋼管50を介してセメント系充填材52に分散して伝達される。これにより、セメント系充填材52の局所的な破壊等が抑制される。したがって、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lに対する下側鉄骨梁40Lの梁端部40Eの固定度がさらに高められる。
【0081】
さらに、連結鋼管50の上端50Bは、下側鉄骨梁40Lの上端40Bよりも上側に位置している。これにより、水平力作用時に、下側鉄骨梁40Lの梁端部40Eから第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lに作用する圧縮力Pを、連結鋼管50の上部の全体で受けることができる。したがって、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lの潰れ等の変形をより確実に抑制することができる。
【0082】
また、セメント系充填材52は、前述したように、熱容量が大きい。したがって、連結鋼管50にセメント系充填材52を充填することにより、連結鋼管50、及び第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lの耐火性能が高められる。この結果、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lの耐火被覆を省略し、又は耐火被覆を低減することができる。
【0083】
さらに、下側鉄骨梁40Lの梁端部40Eには、一対の第二セメント系硬化体60Bが設けられている。一対の第二セメント系硬化体60Bの側面60Sは、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lの側面30Sに接触されている。
【0084】
これにより、水平力作用時に、下側鉄骨梁40Lから第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lに作用する圧縮力Pが、一対の第二セメント系硬化体60Bの側面60Sを介して、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lの側面30Sに分散して伝達される。したがって、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lの変形がさらに抑制される。
【0085】
また、一対の第二セメント系硬化体60Bによって下側鉄骨梁40Lの梁端部40Eのウェブ46を両側から挟み込むことにより、ウェブ46の座屈が抑制される。
【0086】
さらに、一対の第二セメント系硬化体60Bは、熱容量が大きい。したがって、一対の第二セメント系硬化体60Bを下側鉄骨梁40Lの梁端部40Eに設けることにより、当該梁端部40Eの耐火被覆を省略し、又は耐火被覆を低減することができる。
【0087】
しかも、図3に示されるように、一対の第二セメント系硬化体60Bは、通しボルト70及びナット72によって下側鉄骨梁40Lの梁端部40Eに容易に取り付けることができる。したがって、下側鉄骨梁40Lの施工性が向上する。
【0088】
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0089】
上記実施形態では、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lに第二軸力伝達プレート32Bが設けられている。しかし、第二軸力伝達プレート32Bを省略し、第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lを載置しても良い。この場合、第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lから第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに軸力が伝達される。つまり、連結鋼管50によって、第一鋼管柱30Aと第二鋼管柱30Bとが、軸力を伝達可能に連結される。
【0090】
また、図5及び図6に示される変形例では、隣接する一対の連結鋼管50が軸力伝達プレート80を介して連結されている。軸力伝達プレート80は、平面視にて、矩形状に形成されている。
【0091】
軸力伝達プレート80は、一対の連結鋼管50の材軸方向の中間部に設けられている。具体的には、軸力伝達プレート80は、外ダイアフラムのように、一対の連結鋼管50の材軸方向の中間部を横切っている。この軸力伝達プレート80の外周部は、一対の連結鋼管50から外側へ張り出している。
【0092】
軸力伝達プレート80の外周部は、隣接する一対の第一鋼管柱30Aの上端に係合されている。この状態で、一対の連結鋼管50の下部が、一対の第一鋼管柱30Aの柱頭部30U内にそれぞれ嵌め込まれている。また、一対の連結鋼管50の上部は、隣接する一対の第二鋼管柱30Bの柱脚部30L内にそれぞれ嵌め込まれている。
【0093】
一対の第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lは、軸力伝達プレート80を介して一対の第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに載置されている。換言すると、一対の第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lは、軸力伝達プレート80を介して一対の第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uに支持されている。これにより、一対の第二鋼管柱30Bの軸力Nが、軸力伝達プレート80を介して一対の第一鋼管柱30Aに伝達される。
【0094】
このように第一鋼管柱30Aの柱頭部30Uと第二鋼管柱30Bの柱脚部30Lとの間に、軸力伝達プレート80を介在させても良い。
【0095】
また、本変形例では、一対の連結鋼管50が、軸力伝達プレート80を介して連結されている。これにより、一対の連結鋼管50を介して一対の第一鋼管柱30Aが連結されるとともに、一対の連結鋼管50を介して一対の第二鋼管柱30Bが連結される。
【0096】
そのため、本変形例では、水平力に対して、一対の第一鋼管柱30Aが一体に抵抗するとともに、一対の第二鋼管柱30Bが一体に抵抗する。したがって、建物10の耐震性能が向上する。
【0097】
なお、本変形例では、軸力伝達プレート80を介して一対の連結鋼管50が連結されている。しかし、軸力伝達プレート80は、1本の連結鋼管50の材軸方向の中間部に設けることも可能である。
【0098】
また、本変形例では、第一軸力伝達プレート32A及び第二軸力伝達プレート32Bが省略されている。しかし、第一鋼管柱30Aに第一軸力伝達プレート32Aを設けるとともに、第二鋼管柱30Bに第二軸力伝達プレート32Bを設け、これらの第一軸力伝達プレート32A、第二軸力伝達プレート32B、及び連結鋼管50を介して軸力Nを伝達しても良い。この場合、軸力伝達プレート80は、軸力を伝達せず、一対の連結鋼管50を連結する連結プレートとなる。
【0099】
次に、上記実施形態では、セメント系充填材52が、硬化したコンクリート、硬化したモルタル、又は硬化したグラウト等によって形成されている。しかし、セメント系充填材52は、例えば、硬化した鋼繊維補強コンクリート等の繊維補強コンクリートによって形成されても良い。この場合、第一鋼管柱30A及び第二鋼管柱30Bの剛性及び靭性が向上するとともに、耐火性能が向上する。
【0100】
また、上記実施形態では、上側鉄骨梁40Uの梁端部40Eに一対の第一セメント系硬化体60Aが設けられている。しかし、一対の第一セメント系硬化体60Aは、必要に応じて設ければ良く、適宜省略可能である。これと同様に、一対の第二セメント系硬化体60Bは、必要に応じて設ければ良く、適宜省略可能である。
【0101】
また、上記実施形態では、第一鋼管柱30A、第二鋼管柱30B、及び連結鋼管50が、角形鋼管によって形成されている。しかし、第一鋼管柱、第二鋼管柱、及び連結鋼管は、丸形鋼管によって形成されても良い。
【0102】
また、上記実施形態では、第一鉄骨梁及び第二鉄骨梁の一例としての上側鉄骨梁40U及び下側鉄骨梁40Lが、H形鋼によって形成されている。しかし、第一鉄骨梁及び第二鉄骨梁は、H形鋼に限らず、I形鋼、C形鋼等の形鋼や、角形鋼管等の鋼管鋼等であっても良い。
【0103】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0104】
20A 第一建物ユニット
20B 第二建物ユニット
30A 第一鋼管柱
30U 柱頭部(第一鋼管柱の柱頭部)
30B 第二鋼管柱
30L 柱脚部(第一鋼管柱の柱脚部)
40U 上側鉄骨梁(第一鉄骨梁)
40A 下端(第一鉄骨梁の下端)
40E 梁端部(第一鉄骨梁の梁端部)
40L 下側鉄骨梁(第二鉄骨梁)
40B 上端(第二鉄骨梁の上端)
40E 梁端部(第二鉄骨梁の梁端部)
50 連結鋼管
50A 下端(連結鋼管の下端)
50B 上端(連結鋼管の上端)
52 セメント系充填材
60A 第一セメント系硬化体
60B 第二セメント系硬化体
N 軸力

図1
図2
図3
図4
図5
図6