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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186111
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】シート折り装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/16 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
B65H45/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094178
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】依田 暁登
【テーマコード(参考)】
3F108
【Fターム(参考)】
3F108AA01
3F108AB01
3F108AC01
3F108BA08
3F108CC03
3F108CC04
(57)【要約】
【課題】シートに内三つ折りを施すシート折り装置を提供する。
【解決手段】シート折り装置Cは、シートを搬送方向に案内する中央搬送路42の下方に隙間48を挟んで画定されるループ形成空間50内に、揺動フラッパー54を有する。揺動フラッパーは、折りローラー対34の上流側に配置される第2傾斜ガイド部52cに沿う閉じ位置から、第2傾斜ガイド部から搬送方向上流側に離反する開き位置に移動して、ループ形成空間内にシート受入れ部57を画定し、中央搬送路とシート受入れ部との間でシートを移動させる移動案内手段を構成する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを所定の搬送方向に案内する第1搬送路と、
前記第1搬送路の上流側に配置され、シートを搬送するための搬送ローラー対と、
前記第1搬送路の下流側に配置され、前記搬送ローラー対により搬送されるシートをニップして折る折りローラー対と、
前記搬送ローラー対と前記折りローラー対との間で前記第1搬送路からシートを案内するように分岐する第2搬送路とを備え、
前記搬送ローラー対は、シートの搬送方向下流端を先にして前記第1搬送路から前記第2搬送路へ送り、
前記折りローラー対は、前記搬送方向下流端を先にして前記第2搬送路内に送られたシートを第1折り位置でニップして折った後、搬送方向上流側へ戻し、
前記搬送ローラー対は更に、前記折りローラー対により前記搬送方向上流側に戻されたシートを、折られた前記第1折り位置を先にして前記第1搬送路から前記第2搬送路内へ送り、
前記折りローラー対は更に、折られた前記第1折り位置を先にして前記第2搬送路内に送られたシートを第2折り位置で前記折りローラー対によりニップして折るように、それぞれ動作可能である、シート折り装置。
【請求項2】
前記第2搬送路は、前記第1搬送路から下向きに画成される搬送空間からなり、
前記搬送ローラー対により搬送方向下流側へ搬送されるシートの前記搬送方向下流端、及び前記折りローラー対により折られて搬送方向上流側へ戻されたシートの前記第1折り位置は、前記第2搬送路の前記搬送空間内に垂れ下がる、請求項1に記載のシート折り装置。
【請求項3】
前記第1折り位置を折られた状態で前記搬送ローラー対にて前記搬送空間内に案内されたシートの前記折られた状態を保持する保持手段を有する、請求項2に記載のシート折り装置。
【請求項4】
前記搬送方向下流端を先にして前記第2搬送路内に送られたシートの前記第1折り位置を突き当てて、前記折りローラー対に向けて前記搬送方向上流側から移動し、遅くとも折りローラー対により前記第1折り位置で折られたシートが前記搬送方向上流側へ戻されると同時に、前記搬送方向上流側へ移動するように動作可能な突き部材を更に備える、請求項1に記載のシート折り装置。
【請求項5】
前記搬送ローラー対により搬送方向下流側へ搬送されるシートを、その搬送方向下流端を先にして前記第1搬送路から前記第2搬送路へ送る折りモードと、前記第2搬送路へ送らずに前記第1搬送路を通過させるスルーモードとに切換可能である、請求項1に記載のシート折り装置。
【請求項6】
前記第2搬送路は、前記第1搬送路と交差する向きにシートを案内するように設けられる、請求項1に記載のシート折り装置。
【請求項7】
前記保持手段は、前記第2搬送路でシートをガイドするガイド部材と、前記ガイド部材との間に狭い隙間を形成し、シートの前記折られた状態を前記隙間に挟んで保持する板状部材とを有し、
前記板状部材は、前記ガイド部材との間でシートの前記折られた状態を保持する閉じ位置と、前記ガイド部材との間にシートの先端またはシートの前記第1折り位置が垂下される前記搬送空間を画成する開き位置とに移動する、請求項3に記載のシート折り装置。
【請求項8】
前記搬送ローラー対にて前記第2搬送路内に搬送されたシートをスイッチバックさせて前記折りローラーに向けて搬送するスイッチバックローラー対を更に備える請求項6に記載のシート折り装置。
【請求項9】
シート上に画像形成する画像形成ユニットと、
前記画像形成ユニットから送られるシートを折り処理する請求項1乃至8のいずれかに記載のシート折り装置とを備える画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに折り処理を行うシート折り装置、及び、シートに折り処理を行うシート折り機構を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンター等の画像形成装置で画像形成されたシートに綴じ処理、折り処理、穿孔処理等の後処理を施すシート後処理装置が知られている。折り処理には、シートの中央位置での二つ折り、シートを2カ所で同一面側に折る内三つ折り、シートを交互に内折り外折りして三つ折りする所謂Z折り等がある。
【0003】
内三つ折りを施すシート後処理装置としては、例えば特許文献1に開示されているものがある。特許文献1に記載の装置は、シートの先端を第1の突き当て部材25aに突き当てて1回目の折り位置を決め、シートを湾曲させて、第1の折りローラー対22、23のニップ部で第1の折り位置を挟み込んで1回目の折りを行い、1回目の折りがなされたシートを第2の突き当て部材26aに突き当てることで2回目の折り位置を決め、その折り位置を含む湾曲部分を第2の折りローラー対23、24のニップ部に挟み込んで2回目の折りを行うことで、シートに内三つ折りを施している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-47755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の装置では、シートに内三つ折りを施すために、複数の折りローラー対と複数の突き当て部材とを備える必要がある。そのため、機構が複雑で、かつ装置が大型化するという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、簡素化された構造で、シートに内三つ折りを施すことができるシート折り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシート折り装置は、
シートを所定の搬送方向に案内する第1搬送路と、
前記第1搬送路の上流側に配置され、シートを搬送するための搬送ローラー対と、
前記第1搬送路の下流側に配置され、前記搬送ローラー対により搬送されるシートをニップして折る折りローラー対と、
前記搬送ローラー対と前記折りローラー対との間で前記第1搬送路からシートを案内するように分岐する第2搬送路とを備え、
前記搬送ローラー対は、シートの搬送方向下流端を先にして前記第1搬送路から前記第2搬送路へ送り、
前記折りローラー対は、前記搬送方向下流端を先にして前記第2搬送路内に送られたシートを第1折り位置でニップして折った後、搬送方向上流側へ戻し、
前記搬送ローラー対は更に、前記折りローラー対により前記搬送方向上流側に戻されたシートを、折られた前記第1折り位置を先にして前記第1搬送路から前記第2搬送路内へ送り、
前記折りローラー対は更に、折られた前記第1折り位置を先にして前記第2搬送路内に送られたシートを第2折り位置で前記折りローラー対によりニップして折るように、それぞれ動作可能である、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の別の側面において、本発明の画像形成装置は、シート上に画像形成する画像形成ユニットと、画像形成ユニットから送られるシートを折り処理するための、上述した本発明のシート折り装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシート折り装置によれば、シートを第1折り位置及び第2折り位置の2カ所で同一面側に折る内三つ折りを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明を適用した画像形成システムの全体構成図。
図2】本発明によるシート折り装置の概略構成図。
図3】シート折り装置の制御構成を示すブロック図。
図4】シート折り装置により内三つ折り(C折り)されたシートの端面図。
図5】シート折り装置のC折り処理動作を説明するフローチャート。
図6図5に続くC折り処理動作を説明するフローチャート。
図7図6に続くC折り処理動作を説明するフローチャート。
図8図7に続くC折り処理動作を説明するフローチャート。
図9】(a)~(f)図は、C折り処理動作を工程順に示す断面図。
図10】(g)~(k)図は、図9に続くC折り処理動作を工程順に示す断面図。
図11】シート折り装置により三つ折り(Z折り)されたシートの端面図。
図12】(a)~(c)図は、Z折り処理動作を工程順に示す断面図。
図13】シート折り装置により二つ折りされたシートの端面図。
図14】(a)~(b)図は、二つ折り処理動作を工程順に示す断面図。
図15】(a)~(g)図は、本発明のシート折り装置の第2実施形態によるC折り処理動作を工程順に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
[画像形成システム]
図1は、本発明を適用した画像形成システムを正面側から見た全体構成を示している。同図の画像形成システムは、画像形成装置Aと、シート後処理装置Bと、それらの間に連結されたシート折り装置Cとからなる。画像形成装置Aで画像形成されたシートは、シート折り装置Cを通して搬送され、シート後処理装置Bで排出トレイに収納される。以下に、画像形成装置A、シート後処理装置B、及びシート折り装置Cについて説明する。
【0013】
[画像形成装置]
画像形成装置Aは、公知の静電印刷機構によりシート上に画像を形成する型式のものであり、装置ハウジング1内に給紙部2、画像形成部3、排紙部4及び制御部(図示せず)を備える。装置ハウジング1の上部には、スキャナーユニットからなる画像読取部5と、その上に自動原稿送り部6とが一体に設けられている。本実施形態の画像形成装置Aは、所謂胴内排紙型であり、図1中画像形成部3と排紙部4と画像読取部5との間に大きく画定される正面コ字状の排紙空間に、搬送中継ユニット7が配設されている。尚、画像形成装置Aには、上記静電印刷機構以外に、インクジェット画像形成方式、オフセット印刷方式、シルク印刷方式等、他の種々の画像形成機構を採用可能である。
【0014】
給紙部2は、それぞれ異なるシートサイズの複数の給紙カセット2a、2bが、装置ハウジング1に着脱自在に設けられている。画像形成するシートを収納した給紙部2は、前記制御部から指示されたサイズのシートを、対応する前記給紙カセットから給紙経路8に繰り出す。給紙経路8にはレジストローラー9が設けられ、該レジストローラーで先端を揃えたシートは、所定のタイミングで下流の画像形成部3に給送される。
【0015】
画像形成部3は、静電ドラム10と、その周囲に配置された印刷ヘッド、現像器、転写チャージャー等を有する。前記印刷ヘッドは、例えばレーザ発光器で構成され、静電ドラム10上に静電潜像を形成する。この静電潜像に、前記現像器がトナーインクを付着させてトナー像を形成し、これを前記転写チャージャーでシートに転写する。トナー像を転写したシートは、定着器11に搬送されて加熱・加圧され、トナー像を定着させた後、排紙部4の排紙経路12に搬出される。
【0016】
排紙経路12は、下流側が図1中上側の第1排紙経路13と下側の第2排紙経路14とに分岐している。第1排紙経路13及び第2排紙経路14は、それぞれ前記排紙空間に開口する上側の第1排紙口15と下側の第2排紙口16とに接続している。
【0017】
排紙部4には、図示しないシート循環経路を設けることができる。前記シート循環経路は、例えば定着器11の下流側で排紙経路12を給紙経路8にレジストローラー9の上流側で接続する。画像形成部3から排紙経路12に送り出した画像形成済みシートを、排紙経路12の排紙ローラーを逆転させて前記シート循環経路にスイッチバックさせ、その面を表裏反転させて再び画像形成部3に送ることにより、シートの両面に画像を形成することができる。
【0018】
搬送中継ユニット7は、図1に示すように正面視略L字状をなし、前記排紙空間の右端で上方に延出する第1中継部17と、前記排紙空間を左右略全幅に亘って装置ハウジング1の左側面位置まで延在する第2中継部18とを有する。第2中継部18の上面は、前記排紙空間内で概ね平坦なシート排出トレイ19を形成する。
【0019】
第1中継部17は、内部に第1中継パス20が設けられ、その第1シート入口21は、排紙部4の第1排紙口15に接続するように、第1シート出口22は、シート排出トレイ19の上方で前記排紙空間に開口するように配置される。第1中継パス20には、第1中継部17に内蔵するモーターにより駆動される搬出ローラーが、第1シート出口22付近に設けられている。排紙部4から第1排紙経路13を介して搬送された画像形成済みシートは、前記搬出ローラーにより、第1中継パス20を通過して前記排紙空間内のシート排出トレイ19に搬出される。
【0020】
第2中継部18は、内部に第2中継パス23が設けられ、その第2シート入口24は、排紙部4の第2排紙口16に接続するように配置される。第2中継パス23の第2シート出口25は、装置ハウジング1の左側面と略同一面上に開口し、後述するようにシート折り装置Cのシート搬入口に接続される。第2中継パス23には、第2中継部18に内蔵するモーターにより駆動されてシートを搬送する複数の搬送ローラーが設けられている。排紙部4から第2排紙経路14を介して搬送された画像形成済みシートは、前記搬送ローラーにより第2中継パス23を通過してシート折り装置Cに送り込まれる。
【0021】
画像読取部5は、原稿用紙を載置するプラテン26と、該プラテンに沿って移動する読取キャリッジ27と、例えばCCDデバイスからなる光学読取手段28とを備える。プラテン26上の原稿用紙は、読取キャリッジ27によりスキャニングして光学的に読み取られ、それにより生成された光学像が、光学読取手段28により画像データに光電変換される。自動原稿送り部6は、給紙トレイ29にセットされた原稿用紙を自動的にプラテン26に給送する。
【0022】
上述した構成により、画像形成装置Aは、原稿送り部5から送られる原稿を画像読取部4で読み取り、読み取った画像データに従って、給紙部3から送られたシートに画像形成部2で画像形成する。画像形成したシートは、シート折り装置Cによる折り処理及びシート後処理装置Bによる後処理を行わない場合、排紙部4から第1排紙経路13を介して搬送され、第1中継パス20を通過して前記排紙空間内のシート排出トレイ19に搬出される。画像形成したシートに前記折り処理及び/又は後処理を行う場合、該シートは、排紙部4から第2排紙経路14を介して搬送され、第2中継パス23を通過してシート折り装置Cに送り込まれる。
【0023】
[シート後処理装置]
シート後処理装置Bは、図1に示すように、ハウジング100内に、シート折り装置からのシートを搬送する第1搬送パス101と、該第1搬送パスから分岐した第2及び第3搬送パス102,103と、ステープルユニットST1等の後処理機器と、綴じ処理トレイ104とを備える。ハウジング100の一方の側面(図1の左側面)には、シート後処理装置Bから排出されるシートを積載収納する第1及び第2排紙トレイ105,106が上下に離隔して設けられている。シート後処理装置Bは、第1搬送パス101のシート搬入口107が、後述するシート折り装置Cのシート排出口と接続するように配置される。
【0024】
第1排紙トレイ105は、ハウジング100の前記側面に開口する第2搬送パス102の排紙口108の下方に配置されている。シート折り装置Cから送られたシートは、シート後処理装置BにおいてステープルユニットST1による針綴じ処理及び/又は他の後処理を行わない場合、第1搬送パス101から第2搬送パス102に搬送され、そのまま排紙口108から第1排紙トレイ105に排出される。
【0025】
第3搬送パス103の排紙口109は、綴じ処理トレイ104の紙載面を臨むように、該綴じ処理トレイの上方に配置されている。シート折り装置Cから送られたシートは、ステープルユニットST1による針綴じ処理を行う場合、第1搬送パス101から第3搬送パス103に搬送され、その排紙口109から綴じ処理トレイ104の紙載面に排出される。綴じ処理トレイ104に集積された複数のシートは、ステープルユニットST1によってシート束に針綴じ処理された後、該綴じ処理トレイから搬送され、その下流端から下方の第2排紙トレイ106に排出される。
【0026】
[シート折り装置の全体構成]
シート折り装置Cは、図2に示すように、ハウジング31の内部に、画像形成装置A側のシート搬入口32aからシート後処理装置B側のシート排出口32bまで至る搬送経路32が形成されている。搬送経路32には、シート搬送方向に沿って上流側にレジストローラー対33、下流側に折りローラー対34、及び前記両ローラー対の間に突き板35が配設されている。シート折り装置Cは、上述したように、画像形成装置Aに設置された搬送中継ユニット7の第2シート出口25にシート搬入口32aを、シート後処理装置Bのシート搬入口107にシート排出口32bをそれぞれ接続させるように配置される。
【0027】
更に、搬送経路32のシート排出口32b付近には、任意により増し折り機構36を設けることができる。シート折り装置Cのような折り処理機構において、搬送されるシートを折り目位置で確実に折り合わせるために、折り処理後の下流側で、シートを折り目位置で加圧する増し折り機構を設けることは、従来より当業者によく知られている。
【0028】
[レジストローラー対]
レジストローラー対33は、図中搬送経路32を挟んで配置された上側の駆動ローラー33aと下側の従動ローラー33bとからなる。従動ローラー33bは、例えば適当なばね手段(図示せず)によってローラー面が駆動ローラー33aのローラー面に圧接され、それにより従動ローラー33bは、駆動ローラー33aが後述するレジストモーターによって回転すると、それに追従して回転する。
【0029】
画像形成装置Aの搬送中継ユニット7から第2シート出口25付近の排出ローラー対37によって送り出されたシートは、その先端を、回転停止しているレジストローラー対33の前記ローラー面の圧接部であるニップ部38に突き当てることによって先端位置を揃える。このように先端位置を整合させて斜行を矯正したシートは、所定のタイミングでレジストローラー対33を駆動することにより、搬送経路32を折りローラー対34に向けて搬送される。
【0030】
別の実施形態において、レジストローラー対33は、画像形成装置Aからシート折り装置Cへシートを排出する排出ローラー(図1の排出ローラー対37に相当)で代替することができる。これにより、シート折り装置Cの部品点数を減らして製造コストを低減し、装置全体をシート搬送方向に小型化することができる。この場合、排出ローラー対37には、上述したように搬送経路32に搬入されるシートの先端位置を揃える機能を持たせることが好ましい。
【0031】
[折りローラー対]
折りローラー対34は、図中搬送経路32を挟んで配置された上側の上折りローラー34aと下側の下折りローラー34bとからなる。両ローラー34a、34bは、後述するようにレジストローラー対33から送られるシートの先端及び折り目をニップして折り処理するために、例えば適当なばね手段(図示せず)によって互いにローラー面が圧接されると共に、そのように圧接した状態で、後述する共通の折りローラー駆動モーターによって同期してシート搬送方向に回転する。折りローラー対34は、前記ローラー面の圧接部であるニップ部39が、レジストローラー対33のニップ部38よりも下方に位置するように、上下に或る高さずらして配置される。
【0032】
[搬送経路]
搬送経路32は、図2に示すように、シート搬送方向に沿ってシート搬入口32aからレジストローラー対33に至るシート搬入路41と、該レジストローラー対から折りローラー対34に至る中央搬送路42と、該折りローラー対からシート搬出口32bに至るシート搬出路43とから構成される。
【0033】
シート搬入路41は、搬入されるシートの先端をレジストローラー対33のニップ部38に案内するように、シート搬送方向に沿って上下に対向配置された上搬入ガイド41aと下搬入ガイド41bとを有する。上搬入ガイド41aは、上述したようにレジストローラー対33のニップ部38にシートの先端を突き当てさせて先端位置を揃える際に、上流側から排出ローラー対37に送り出されるシートが、シート搬入路41内でループ状に撓み得る空間を確保するために、レジストローラー対33付近から入口側に向けて上方へ大きく拡大している。
【0034】
中央搬送路42は、図2に示すように、レジストローラー対33で先端揃えしたシートを折りローラー対34のニップ部39に案内するように、シート搬送方向に沿って上下に対向配置された上搬送ガイド45と下搬送ガイド46とを有する。シートは、上下搬送ガイド45,46によってその厚み方向の両側から、本実施形態では上下から規制された状態で、中央搬送路42を搬送される。
【0035】
上述したように、レジストローラー対33のニップ部38を折りローラー対34のニップ部39よりも上方へ高さをずらして配置したので、上搬送ガイド45は、ニップ部38から下流側へ水平に延びる第1水平部分45aと、ニップ部39から上流側へ水平に延びる第2水平部分45bと、それらを結ぶように上流側から下流側へ下向きに傾斜した傾斜部分45cとを有する。
【0036】
図2に示すように、傾斜部分45cは、第2水平部分45bの上流端から図中右側斜め上方へ直線状に形成されている。傾斜部分45cと第2水平部分45bとは直線的に交差し、その接続部分は、中央搬送路42の概ね下向きに凸状の比較的大きい鈍角の角部から形成されている。傾斜部分45cと第1水平部分45aとの接続部分は、概ね上向きに凸状の比較的大きい鈍角の角部から形成されている。
【0037】
別の実施形態では、傾斜部分45cと第2水平部分45bとの接続部分は、中央搬送路42の概ね下向きに凸の湾曲部で形成し、両者を湾曲させて接続することができる。傾斜部分45cと第1水平部分45aとの接続部分も、同様に湾曲させて接続することができる。
【0038】
本実施形態では、同図に示すように、第1水平部分45a及び傾斜部分45cと第2水平部分45bの上流側部分とが、1つの連続する第1上搬送ガイド部材で形成され、第2水平部分45bの下流側部分は、別の1つの第2上搬送ガイド部材で形成されている。前記第1及び第2上搬送ガイド部材は、中央搬送路42におけるシートの搬送上支障を生じないように、実質的に連続して配設されている。また、前記第1上搬送ガイド部材は、複数の実質的に連続するガイド部材で形成することができ、前記第1上搬送ガイド部材と第2上搬送ガイド部材の境目も、図2に示す位置以外に様々に設定することができる。
【0039】
下搬送ガイド46は、レジストローラー対33からシート搬送方向に沿って下流側へ所定の位置まで延びる第1下ガイド部分46aと、折りローラー対34からシート搬送方向に沿って上流側へ所定の位置まで延びる第2下ガイド部分46bとを有する。第1及び第2下ガイド部分46a,46bは、それらの間にシート搬送方向に沿って大きい隙間48を画定するように離隔してハウジング31側に固定されている。第1及び第2下ガイド部分46a,46b間の隙間48は、後述するように折りローラー対34のニップ部39に向けて水平に進退可能な突き板35によって、選択的に開閉される。
【0040】
下搬送ガイド46の隙間48の下方には、図2に示すように、比較的大きなループ形成空間50が設けられている。突き板35が図示する位置に退避して、隙間48が開かれているとき、中央搬送路42内のシートは、隙間48からループ形成空間50に垂れ下がらせることができる。突き板35が前記図示する位置から折りローラー対34のニップ部39に向けて、進出して隙間48が閉じられると、レジストローラー対33から中央搬送路42に送り出されたシートは、ループ形成空間50に垂れ下がることなく、中央搬送路42に沿って折りローラー対34に向けて搬送することができる。
【0041】
第1下ガイド部分46aは、レジストローラー対33から下流側へ水平に、概ね上搬送ガイド45の第1水平部分45aに対向して延びる第1水平ガイド部51aと、そこから下流側へ下向きに傾斜する傾斜ガイド部51bとを有する。傾斜ガイド部51bは、概ね前記上搬送ガイドの傾斜部分45cに途中まで対向して略平行に設けられ、その下流端によって、隙間48開放時におけるシートの垂れ下がり開始位置が画定される。図示するように、傾斜ガイド部51bの前記下流端が、折りローラー対34のニップ部39よりも上方に位置するように設けられている。
【0042】
第2下ガイド部分46bは、折りローラー対34から上流側へ水平に延びる第2水平ガイド部52aと、該第2水平ガイド部から上流側へ下向きに傾斜する第1傾斜ガイド部52bと、該第1傾斜ガイド部から更に上流側へ、より下向きに傾斜する第2傾斜ガイド部52cとを有する。第2水平ガイド部52aと第1傾斜ガイド部52bと第2傾斜ガイド部52cとは、一体に形成することができる。
【0043】
第2水平ガイド部52aは、上搬送ガイド45の第2水平部分45bと協働して、シートを厚み方向即ち上下方向に両側から規制しつつ、シートの先端を折りローラー対34のニップ部39に案内する。第1傾斜ガイド部52bは、比較的短く形成され、ループ形成空間50内に存在するシートを折りローラー対34のニップ部39へ案内し易くするように、該ループ形成空間から第2水平ガイド部52aに向けて傾斜している。第2傾斜ガイド部52cは、第1傾斜ガイド部52bの下端から下方へ比較的長く、本実施形態では、ループ形成空間50内のシートを第1傾斜ガイド部52bへ案内し易くするように傾斜している。第2傾斜ガイド部52cの傾斜を第1傾斜ガイド部52bよりも大きくすることによって、ループ形成空間50の寸法を十分に確保しつつ、ループ形成空間50に垂れ下がったシートを折りローラー対34側から隔離している。
【0044】
中央搬送路42は、言い換えれば、レジストローラー対33からシートを送り出す第1経路部と、中央搬送路42を下方のループ形成空間50に選択的に開放可能な第2経路部と、シートを折りローラー対34のニップ部39に案内する第3経路部とからなる。前記第1~第3経路部は、シートの上面側が、前記第1及び第2上搬送ガイド部材からなる上搬送ガイド45によってシート搬送方向に実質的に連続している。シートの下面側は、前記第1経路部が、固定された第1下ガイド部分46aで形成され、前記第3経路部が、固定された第2下ガイド部分46bで形成されているのに対し、前記第2経路部は、突き板35の移動により開閉される隙間48で構成されている。
【0045】
前記第1経路部は、別の実施形態では、第1傾斜ガイド部51bを省略して、水平なガイド部分のみで形成することができる。図2において、上搬送ガイド45は、傾斜部分45cから第2水平部分45bに移行する位置が前記第2経路部の隙間48の範囲で設定されているが、これに限定されるものではない。
【0046】
シート搬出路43は、折り処理されたシートをシート搬出口32bに案内するように、シート搬送方向に沿って上下に対向配置された上搬出ガイド43aと下搬出ガイド43bとを有する。シート搬出口32bの手前には、例えばシート搬送方向に直交するシート幅方向に下搬出ガイド43b上を移動して、折り処理されたシートの折り目を増し折りする複数の転動体を有する増し折り機構36が設けられている。
【0047】
[突き板]
突き板35は、図2に示すように、中央搬送路42のシート幅方向に延在する平板部材から形成されている。突き板35は、折りローラー対34のニップ部39と略同じ高さ位置に水平に配置されている。更に突き板35は、図2中実線で示す第1下ガイド部分46aの下方の退避位置と、その搬送方向下流端が中央搬送路42を、隙間48を閉じるように進出するガイド位置と、更に下流側へ折りローラー対34のニップ部39の直近まで進出する突き位置との間を水平に移動可能に設けられている。
【0048】
突き板35が前記退避位置にあるとき、図示するように、下搬送ガイド46の隙間48が完全に開いて、中央搬送路42は、前記第2経路部が下方のループ形成空間50に開放される。従って、中央搬送路42内のシートは、後述するように中央搬送路42からループ形成空間50内に垂れ下がることができる。
【0049】
前記ガイド位置において、突き板35は、下搬送ガイド46の隙間48を完全に閉じると同時に、上搬送ガイド45と上下に対向して下搬送ガイド46の一部を形成する。これにより、中央搬送路42内のシートは、ループ形成空間50に垂れ下がることなく前記第2経路部を案内されて、前記第1経路部から第3経路部へ搬送される。
【0050】
前記突き位置において、突き板35は、前記第3経路部で上搬送ガイド45の第2水平部分45bと第2下ガイド部分46bの第2水平ガイド部52aとの間に進入する。この突き位置は、突き板35が、その先端でシートの折り目を折りローラー対34のニップ部39に送り込むための位置である。
【0051】
後述するように、突き板35の前記退避位置、ガイド位置及び突き位置間における移動は、図3の駆動機構の突き板駆動モーターMT3を駆動することによって行われる。同図に示すように、突き板駆動モーターMT3により正逆回転するピニオンと突き板35側のラックとからなるラックアンドピニオン機構49を介して、突き板35は前記位置間を水平に移動する。突き板駆動モーターMT3の駆動は、同図に示す制御部120によって制御される。尚、突き板35の水平移動は、ラックアンドピニオン機構49に限定されるものでなく、突き板駆動モーターMT3の回転運動を突き板35の直線運動に変換し得る公知の様々な変換機構、例えばベルトプーリー機構等を用いることができる。
【0052】
[揺動フラッパー]
図2に示すように、中央搬送路42の隙間48の下方には、揺動フラッパー54が設けられている。揺動フラッパー54は、レジストローラー対33及び折りローラー対34と協働して、中央搬送路42とループ形成空間50との間で移動するシートを案内するシート移動案内手段の一部を構成する。
【0053】
揺動フラッパー54は、図示するように、ループ形成空間50で第2下ガイド部分46bの第2傾斜ガイド部52cに沿ってその下端付近から上端近くまで直線状に延びる板状部材55からなる。板状部材55は、その下端が支軸56を中心に回動可能に取り付けられている。それにより、揺動フラッパー54は、図2に示す閉じ位置と、後述するように板状部材55を搬送方向上流側に回転させた開き位置(図示せず)との間で揺動させることができる。
【0054】
前記閉じ位置では、板状部材55と第2傾斜ガイド部52cの傾斜面との間に狭い隙間が画定される。前記開き位置では、板状部材55が扇形に開かれて、ループ形成空間50内で第2傾斜ガイド部52cの傾斜面との間に断面三角形の空間が画定される。前記開き位置は、板状部材55の上端が、第1下ガイド部分46aの下流端即ち隙間48の上流端との関係で、垂直方向にはそれらから下方へ離隔されて十分な隙間を画定しつつ、搬送方向には、それら付近に位置するように設定することが好ましい。
【0055】
支軸56は、図3に示すように、フラッパー駆動モーターMT5に駆動可能に接続されている。後述するように、制御部120によりフラッパー駆動モーターMT5を駆動制御することによって、揺動フラッパー54は、前記閉じ位置と開き位置との間で移動させることができる。
【0056】
[シート折り装置の制御構成]
図3は、シート折り装置Cの制御構成を概念的に示している。シート折り装置Cは、CPUを含む制御基板からなる制御部120を備えている。制御部120には、同図に示すように、搬送経路32に沿って設けられた第1~第3検出センサーS1~S3が接続されている。
【0057】
第1検出センサーS1は、シート搬入路41のレジストローラー対33の手前に配置され、画像形成装置Aからシート搬入口32aを介して搬入されたシートの先端を検出する。第2検出センサーS2は、中央搬送路42の折りローラー対34の手前に配置され、レジストローラー対33から折りローラー対34に搬送されるシートの先端を検出する。第3検出センサーS3は、前記退避位置にある突き板35の直ぐ下側に配置され、その搬送方向上流端に設けられたフラグの位置を検出する。第1~第3検出センサーS1~S3の検出結果は、リアルタイムで制御部120に出力される。
【0058】
更に制御部120は、シート後処理装置Bを介して画像形成装置Aの制御部121に接続されている。制御部121は、画像形成装置Aの設定パネルDに設けられた入力部及び表示部(図示せず)に接続されている。例えばユーザーが設定パネルD上で設定するシートの種類や、シート折り装置Cで実行される折り処理モード等の情報は、制御部121からシート後処理装置Bを介して制御部120に送信される。
【0059】
制御部120は、レジストローラー駆動モーターMT1、折りローラー駆動モーターMT2、突き板駆動モーターMT3、増し折り駆動モーターMT4、及びフラッパー駆動モーターMT5に接続されている。第1~第3検出センサーS1~S3から入力する検出結果、及び画像形成装置Aの制御部121から受信する上記各種情報に基づいて、各駆動モーターMT1~MT5の駆動を制御し、搬送経路32におけるシートの搬送、及びシート折り装置Cの折り処理動作を制御実行する。
【0060】
また、制御部120は、シート折り装置Cにおいて実行されているシートの搬送、折り処理等の情報をリアルタイムで、シート後処理装置Bを介して画像形成装置Aの制御部121に送信することができる。制御部121は、制御部120から受信した情報に、シート折り装置Cにおけるシートの搬送不良や折り処理不良等の好ましくない又は注意若しくは警告すべき情報が含まれている場合、それをユーザーに、例えば設定パネルDの前記表示部を用いて報知することができる。
【0061】
[シート折り装置の処理動作]
本実施形態のシート折り装置Cは、シートをシート搬送方向に沿って内側即ち同一面側に三つ折りする内三つ折り(所謂C折り)と、シートをシート搬送方向に沿って交互に内折り外折りする三つ折り(所謂Z折り)と、シートをシート搬送方向に沿って半分に折る二つ折りを行うのに適している。更にシート折り装置Cには、上述した3つの折り方を選択して折り処理を行う折り処理モードと、シートを折り処理しない折り無しモードとを、予め設定することができる。
【0062】
ユーザーは、画像形成装置Aにおいてシートの画像形成を開始する前に、画像形成したシートを折り処理するか否かを決定し、折り処理する場合は、更に前記3つの折り方のいずれにするかを決定し、それに対応する折り処理モードを設定パネルDの前記入力部で選択して入力する。折り処理モードの入力は、折り処理の対象となるシートのシート情報として、画像形成装置Aの制御部121に記憶される。
【0063】
[C折り処理]
図4は、シート折り装置Cにより内三つ折り(C折り)したシートSH1の一例をシート幅方向から示している。同図において、シートSH1には、シート搬送方向(図中右側から左側)の先端(下流端)201から上流側へ所定長さの位置に第1の折り目202が形成され、そこから下流側に折り返して所定長さの位置に第2の折り目203が形成されている。
【0064】
以下に、図5図8のフローチャートと、図9及び図10とを用いて、C折り処理の動作を説明する。図9及び図10は、図5図8に示すフローに沿って、C折り処理動作を工程順に具体的に示すシート折り装置Cの断面図である。
【0065】
先ず、制御部120は、レジストローラー対33が回転停止した状態で、第1検出センサーS1が、シート搬入路41に搬入されたシートの先端を検出してオンになる(ステップST1のY)と、内蔵するカウンター(図示せず)がカウントを開始して所定時間が経過するのを待つ。回転停止したレジストローラー対33のニップ部38に、画像形成装置Aからシート折り装置Cに搬入されたシートの先端を当接させて整合させ、位置を揃えることによってシートスキュー(斜行)が矯正される。図9(a)は、このようにしてシートの先端を位置揃えした状態を示している。
【0066】
前記所定時間が経過した後、制御部120は、レジストローラー駆動モーターMT1を正転駆動して(ステップST2)、レジストローラー対33を回転させる。レジストローラー対33によってシートは、搬送経路32に沿って下流側へ搬送される。
【0067】
これと同時に、揺動フラッパー54の開動作を実行する(ステップST3)。この開動作は、フラッパー駆動モーターMT5に正転駆動して、揺動フラッパー54を図2の前記閉じ位置から搬送方向上流側へ、図9(b)に示す前記開き位置に揺動させることによって行う。これにより、ループ形成空間50内で前記開き位置の揺動フラッパー54と第2下ガイド部分46bの第2傾斜ガイド部52cとの間には、図示するように三角形の空間からなるシート受入れ部57が画定される。
【0068】
このとき、突き板35は前記退避位置にあるので、隙間48は開いた状態にある。従って、レジストローラー対33により下流側へ搬送されるシートは、同図に示すように、中央搬送路42から隙間48を抜けて、その先端(下流端)からシート受入れ部57内に突入する。
【0069】
制御部120は、レジストローラー駆動モーターMT1の正転駆動を開始してから、その駆動量が第1設定量に達する(ステップST4のY)と、突き板35の突き動作を実行する(ステップST5)。この突き動作は、突き板駆動モーターMT3を正転駆動して、図9(c)に示すように、突き板35をその先端が折りローラー対34のニップ部39直前の前記突き位置に達するまで移動させる。これにより、突き板35に突き当てられたシートの所定位置は、折りローラー対34にニップされ得る位置に案内される。
【0070】
この過程で、突き板35に案内されたシートの前記所定位置を第2検出センサーS2が検出してオンになる(ステップST6のY)と、制御部120は、折りローラー駆動モーターMT2を正転駆動する(ステップST7)。これによって、シートは、図9(d)に示すように、前記所定位置が折りローラー対34にニップされて折られ、シート搬出路43を下流へ送られる。このように折りローラー対34に折られたシートの前記所定位置が、図4の内三つ折りされたシートSH1の第1の折り目202となる。
【0071】
次に、制御部120は、折りローラー駆動モーターMT2の正転駆動を開始してから、その駆動量が第2設定量に達する(ステップST8のY)と、突き板35の部分退避動作を実行する(図6、ステップST9)。前記第2設定量は、折りローラー対34にニップされたシートの前記所定位置が、ニップ部39を通過するのに要する折りローラー駆動モーターMT2の駆動量である。
【0072】
突き板35の前記部分退避動作は、突き板駆動モーターMT3を一定量逆転駆動して、突き板35を折りローラー対34のニップ部39直前の前記突き位置から上流側へ離れる方向に移動させる。ここで、突き板駆動モーターMT3の逆転駆動量は、図9(d)に示すように、突き板35を、その先端が第2検出センサーS2よりも上流で、第2下ガイド部分46bの第2傾斜ガイド部52Cとの間にシートが円滑に移動できる隙間を確保できる位置で停止させるように設定される。
【0073】
制御部120は、レジストローラー駆動モーターMT1及び折りローラー駆動モーターMT2を更に正転駆動し、折りローラー駆動モーターMT2の駆動量が第3設定量に到達する(ステップST10のY)と、両駆動モーターMT1、MT2の回転を停止させ、かつ直ぐに逆転駆動する(ステップST11)。これによりレジストローラー対33及び折りローラー対34が逆転することによって、シートは、図9(e)に示すように、搬送方向上流側へ逆送される。
【0074】
これと同時に、制御部120は、揺動フラッパー54の閉動作を実行する(ステップST12)。この閉動作は、フラッパー駆動モーターMT5に逆転駆動して、揺動フラッパー54を図9(d)に示す前記開き位置から搬送方向下流側へ、図9(e)(図2)に示す前記閉じ位置に揺動させることによって行う。前記閉じ位置において、揺動フラッパー54と第2下ガイド部分46bの第2傾斜ガイド部52cとの間に画定される前記隙間は、例えば1mm程度である。
【0075】
図9(e)において、突き板35は、その先端が第2検出センサーS2の上流の位置で停止しているので、シートは、レジストローラー対33及び折りローラー対34の逆転によって、折られた前記所定位置よりも後端側が、中央搬送路42を搬送方向上流側へ逆送されるのに対し、前記所定位置よりも先端側は、突き板35と第2下ガイド部分46bの第1傾斜ガイド部52bとの隙間からループ形成空間50内へ、前記閉じ位置にある揺動フラッパー54の搬送方向上流側に垂下する。
【0076】
この後、逆送されるシートの前記所定位置を第2検出センサーS2が検出してオフになる(ステップST13のY)と、制御部120は、図9(f)に示すように、折りローラー駆動モーターMT2を停止させる(ステップST14)。更に制御部120は、突き板35の完全退避動作(ステップST15)と、揺動フラッパー54の開動作(ステップST16)とを実行する。
【0077】
ステップST15では、突き板駆動モーターMT3を逆転駆動して、突き板35を搬送方向上流側へ移動させる。制御部120は、突き板35の前記フラグを第3検出センサーS3が検出すると、突き板駆動モーターMT3の逆転駆動を停止させる。これにより、突き板35は、図10(g)に示すように、前記退避位置に移動する。
【0078】
ステップST16では、揺動フラッパー54は、フラッパー駆動モーターMT5の駆動によって、図9(f)の前記閉じ位置から図10(g)に示す前記開き位置へ移動する。このとき、シートの前記所定位置即ち第1の折り目202よりも先端側の部分は、前記開き位置の揺動フラッパー54の上端を搬送方向に跨がって、部分的にそれよりも搬送方向上流側に位置することになる。
【0079】
制御部120は、ステップST13でシートの前記所定位置を第2検出センサーS2が検出した時点からの、レジストローラー駆動モーターMT1の駆動量が第4設定量に達する(図7、ステップST17のY)と、レジストローラー駆動モーターMT1の逆転駆動を、停止させ、かつ直ぐに正転駆動する(ステップST18)。これによって、シートは、再びレジストローラー対33により搬送方向に搬送され、図10(g)に示すように隙間48から垂下して、第1の折り目202から、揺動フラッパー54と第2下ガイド部分46bの第2傾斜ガイド部52c間のシート受入れ部57内に突入する。
【0080】
シートは、レジストローラー対33により搬送方向に更に搬送されることによって、図10(h)に示すように、第1の折り目202がシート受入れ部57の奥へと進入する。これに伴って、シートの第1の折り目202よりも先端側の部分も、前記開き位置にある揺動フラッパー54の上端を越えて、シート受入れ部57内へ案内される。
【0081】
次に制御部120は、ステップST18でレジストローラー駆動モーターMT1を正転駆動してからその駆動量が第5設定量に達する(ステップST19のY)と、揺動フラッパー54の閉動作(ステップST20)と、突き板35の突き動作(ステップST21)とを実行する。
【0082】
ステップST20では、フラッパー駆動モーターMT5を駆動して揺動フラッパー54を前記閉じ位置に移動させることによって、図10(i)に示すように、シート受入れ部57に進入したシートの部分は、第1の折り目202で折り重ねられた状態で、揺動フラッパー54と第2傾斜ガイド部52c間の狭い前記隙間に挟まれて保持される。このとき、前記隙間に収まりきらずに揺動フラッパー54の上端から飛び出たシートの先端側部分は、第2傾斜ガイド部52cが搬送方向下流側へ上向きに傾斜していることによって、第1の折り目202よりも後端側のシート部分と第2傾斜ガイド部52cの傾斜面上で重なり合うように保持することができる。
【0083】
ステップST21では、突き板駆動モーターMT3の駆動によって、突き板35は、その先端をシートの第2の所定位置に突き当てた状態で、折りローラー対34のニップ部39直前の前記突き位置まで移動する。これにより、シートの前記第2の所定位置は、折りローラー対34にニップされ得る位置に案内される。このとき、シートは、前記第2の所定位置よりも先端側の部分が、第1の折り目202で内側に折り重ねられた状態で、中央搬送路42を下流側へ搬送される。
【0084】
この過程で、突き板35に案内されたシートの前記第2の所定位置を第2検出センサーS2が検出してオンになる(ステップST22のY)と、制御部120は、折りローラー駆動モーターMT2を正転駆動する(ステップST23)。これによって、シートは、図10(i)に示すように、前記第2の所定位置が折りローラー対34にニップされて折られ、シート搬出路43を搬送方向下流側へ送られる。このように折りローラー対34に折られたシートの前記第2の所定位置が、図4の内三つ折りされたシートSH1の第2の折り目203となる。
【0085】
次に、ステップST23で折りローラー駆動モーターMT2の正転駆動を開始してから、その駆動量が前記第2設定量に達する(ステップST24のY)と、制御部120は、突き板35の完全退避動作を実行する(図8、ステップST25)。ステップST24の前記第2設定量は、ステップST8と同様に、折りローラー対34にニップされたシートの前記第2の所定位置が、ニップ部39を通過するのに要する折りローラー駆動モーターMT2の駆動量である。
【0086】
ステップST25では、突き板駆動モーターMT3を逆転駆動して、突き板35を搬送方向上流側へ移動させる。制御部120は、突き板35の前記フラグを第3検出センサーS3が検出すると、突き板駆動モーターMT3の逆転駆動を停止させる。これにより、突き板35は、図10(j)に示すように、前記退避位置に移動する。
【0087】
更にレジストローラー駆動モーターMT1及び折りローラー駆動モーターMT2を正転駆動してレジストローラー対33及び折りローラー対34を回転させることによって、図10(k)に示すように、前記第2の所定位置(第2の折り目203)で折られたシートを下流側へ搬送する。このように搬送されるシートの後端を第2検出センサーS2が検出してオフになる(ステップST26のY)と、制御部120は、折りローラー駆動モーターMT2を更に一定量駆動した後(ステップST27のY)、レジストローラー駆動モーターMT1及び折りローラー駆動モーターMT2を停止する(ステップST28)。
【0088】
このようにして、第1及び第2の折り目202、203でC折りされたシートは、シート搬出路43を通過してシート折り装置Cからシート後処理装置Bへと搬送される。ステップST27の前記一定量は、第2検出センサーS2により検出されたシートの後端が、その後折りローラー対34を搬送方向下流側に通過するのに要する折りローラー駆動モーターMT2の駆動量である。これにより、レジストローラー対33及び折りローラー対34は、C折りされたシートを折りローラー対34から下流へ搬送した後、停止する。
【0089】
[Z折り処理]
図11は、シート折り装置CによりZ折りしたシートSH2の一例をシート幅方向から示している。同図において、シートSH2には、シート搬送方向にその後端(上流端)304から所定長さの位置で下側に折り返されて、シートの先端(下流端)301側に重ねるように第1の折り目302が形成され、そこから先端301までのシート部分が略半分に折り重ねられて、第2の折り目303が形成されている。
【0090】
以下に、図12(a)~(c)を用いて、シート折り装置CによるZ折り処理の動作を説明する。図12(a)~(c)は、Z折り処理動作を工程順に具体的に示すシート折り装置Cの断面図である。Z折り処理動作中、シート折り装置Cの揺動フラッパー54は、前記閉じ位置に保持されている。
【0091】
上述したC折りの場合と同様に、制御部120は、レジストローラー対33が回転停止した状態で、第1検出センサーS1が、シート搬入路41に搬入されたシートの先端を検出してオンになると、前記カウンターにより所定時間の経過を待つ。これにより、画像形成装置Aからシート折り装置Cに搬入されたシートの先端を、回転停止したレジストローラー対33のニップ部38に当接整合させ、位置揃えすることによってシートスキュー(斜行)を矯正する。
【0092】
次に、図12(a)に示すように、突き板35を前記退避位置から前記ガイド位置に移動させ、中央搬送路42の隙間48を閉じた状態で、レジストローラー駆動モーターMT1を正転駆動してレジストローラー対33を回転させる。これによって、シートは、搬送経路32を折りローラー対34に向けて搬送される。搬送されるシートの先端を第2検出センサーS2が折りローラー対34の直ぐ上流側で検出してオンになると、制御部120は、折りローラー駆動モーターMT2を正転駆動して折りローラー対34を搬送方向に回転させる。これによって、シートの先端は、同図に示すように、折りローラー対34にニップされる。
【0093】
折りローラー対34がシートの先端をニップすると、制御部120は、折りローラー駆動モーターMT2を停止させる。これによって、折りローラー対34は、シートの先端をニップした状態で停止する。更に制御部120は、突き板駆動モーターMT3を逆転駆動して、図12(b)に示すように、突き板35を前記ガイド位置から前記退避位置に移動させる。これにより中央搬送路42の隙間48が開いた状態で、揺動フラッパー54が閉じ位置にある状態でレジストローラー対33が搬送方向に回転し続けているので、シートは、レジストローラー対33と折りローラー対34間で撓み、同図に示すように、隙間48からループ形成空間50内にループ状に湾曲して垂れ下がり、該シートに折り目を形成するための折りループFLが形成される。
【0094】
その後、レジストローラー対33によるシートの搬送量が所定量に達すると、制御部120は、突き板35を前記退避位置から前記突き位置に向けて移動させる。突き板35の移動開始は、第1の折り目302が形成されるシートの折り位置に突き板35の先端が到達するタイミングに合わせて設定される。このように突き板35が前記突き位置に移動することによって、シートの前記折り位置は、突き板35の先端が突き当てられた状態で、図12(c)に示すように、折りローラー対34のニップ部39にニップされ得る位置に案内される。
【0095】
突き板35が前記突き位置に到達すると、制御部120は、折りローラー駆動モーターMT2を正転駆動して折りローラー対34を搬送方向に回転させる。これによって、シートは、前記折り位置が折りローラー対34にニップされて、第1の折り目302が形成される。
【0096】
その後もレジストローラー対33及び折りローラー対34を継続して回転させることによって、第1の折り目302が形成されたシートは、折りローラー対34から搬送方向下流へ搬送される。これによって、折りローラー対34よりも上流側のシートの折りループFLは、上搬送ガイド45と第2下ガイド部分46bとにより上下から絞られて、シート搬送方向に延びた薄いループ形状になる。最終的に、折りループFLは、その頂部(上流端)が折りローラー対34にニップされて上下から二つ折りに屈曲され、第2の折り目303が形成される。このようにZ折りが施されたシートは、折りローラー対34によって更に下流側へ搬送される。
【0097】
[二つ折り処理]
図13は、シート折り装置Cにより二つ折りしたシートSH3の一例をシート幅方向から示している。同図において、シートSH3には、シート搬送方向の先端401と後端(上流端)402とを重ね合わせるように略半分に折り重ねられて、折り目403が形成されている。
【0098】
以下に、図14(a)、(b)を用いて、シート折り装置Cによる二つ折り処理の動作を説明する。図14(a)、(b)は、二つ折り処理動作を工程順に具体的に示すシート折り装置Cの断面図である。二つ折り処理動作中、シート折り装置Cの揺動フラッパー54は、前記閉じ位置から前記開き位置に移動させて保持されている。
【0099】
上述したC折り、Z折りの場合と同様に、制御部120は、レジストローラー対33が回転停止した状態で、第1検出センサーS1が、シート搬入路41に搬入されたシートの先端を検出してオンになると、前記カウンターにより所定時間の経過を待つ。これにより、画像形成装置Aからシート折り装置Cに搬入されたシートの先端を、回転停止したレジストローラー対33のニップ部38に当接整合させ、位置揃えすることによってシートスキュー(斜行)を矯正する。
【0100】
次に、図14(a)に示すように、突き板35が前記退避位置にある状態で、レジストローラー駆動モーターMT1を正転駆動してレジストローラー対33を回転させる。これと同時に、フラッパー駆動モーターMT5を駆動して、揺動フラッパー54を前記閉じ位置から開き位置に移動させる。中央搬送路42の隙間48が開いた状態にあるので、シートは、その先端から隙間48を通して垂下され、同図に示すように、揺動フラッパー54と第2下ガイド部分46bの第2傾斜ガイド部52c間のシート受入れ部57内に突入する。
【0101】
レジストローラー対33によるシートの搬送量が所定量に達すると、制御部120は、突き板35を前記退避位置から前記突き位置に向けて移動させる。突き板35の移動開始は、折り目403が形成されるシートの折り位置に突き板35の先端が到達するタイミングに合わせて設定される。このように突き板35が前記突き位置に移動することによって、シートの前記折り位置は、突き板35の先端が突き当てられた状態で、図14(b)に示すように、折りローラー対34のニップ部39にニップされ得る位置に案内される。
【0102】
突き板35が前記突き位置に到達すると、制御部120は、折りローラー駆動モーターMT2を正転駆動して折りローラー対34を搬送方向に回転させる。これによって、シートは、前記折り位置が折りローラー対34にニップされて、折り目403が形成される。その後もレジストローラー対33及び折りローラー対34を継続して回転させることによって、二つ折りされたシートは、更に搬送方向下流へ搬送される。
【0103】
[第2実施形態]
図15(a)~(g)は、本発明の第2実施形態であるシート折り装置C2及びそのC折り処理動作を工程順に示す断面図である。シート折り装置C2は、図2のシート折り装置Cから揺動フラッパー54、第2下ガイド部分46bの第2傾斜ガイド部52c、及びループ形成空間50が省略されている。それらの代わりに、レジストローラー対33及び折りローラー対34と協働して、中央搬送路42と隙間48の下方空間との間で移動するシートを案内するシート移動案内手段の一部として、スイッチバックローラー対211と、フラッパー212とが設けられている。
【0104】
スイッチバックローラー対211は、隙間48の略中央下方にシート搬送方向に沿って並置された上流側ローラー211aと下流側ローラー211bとからなり、適当なばね手段で互いのローラー面が圧接されている。スイッチバックローラー対211は、図示しないスイッチバックモータMT6によって同期して正逆両方向に回転する。スイッチバックモータMT6の駆動は、図2のシート折り装置Cと同様に、制御部120によって制御される。
【0105】
隙間48の下方には、シートガイド213が、第1下ガイド部分46aの下流端と上流側ローラー211aとの間に、第2下ガイド部分46bの第1傾斜ガイド部52bと搬送方向に対向するように設けられている。シートガイド213は、スイッチバックローラー対211のニップ部に向けて搬送方向下流側へ下向きに傾斜しているのに対し、第1傾斜ガイド部52bは、同様にスイッチバックローラー対211のニップ部に向けて搬送方向上流側へ下向きに傾斜している。シートガイド213は、その上端と第1下ガイド部分46aの下流端との間に、突き板35を水平移動させるための空隙を画定するように配置される。
【0106】
フラッパー212は、上搬送ガイド45に揺動可能に設けられている。フラッパー212は、制御部120により制御される適当な駆動手段(図示せず)によって、中央搬送路42を通過するシートの搬送を妨げないホーム位置と、中央搬送路42内に部分的に突入して、搬送されるシートの向きをスイッチバックローラー対211のニップ部に変向させる作用位置との間で揺動する。
【0107】
以下に、第2実施形態のシート折り装置C2によるシートのC折り処理の動作を説明する。先ず、第1検出センサーS1が、シート搬入路41に搬入されたシートの先端を検出してオンになると、制御部120は、図15(a)に示すように、突き板35が前記退避位置に位置し、かつフラッパー212を前記作用位置に移動させた状態で、レジストローラー駆動モーターMT1及びスイッチバックモータMT6を正転駆動して、レジストローラー対33及びスイッチバックローラー対211を正回転させる。
【0108】
これによって、中央搬送路42を搬送されるシートは、その先端がフラッパー212に案内され、スイッチバックローラー対211にニップされてその下方へ搬送される。隙間48の下方には、シートガイド213と第1傾斜ガイド部52bとの間及びスイッチバックローラー対211の下方に、中央搬送路42との間でシートを案内するためのスイッチバック路が画定される。
【0109】
制御部120は、第1検出センサーS1がシートの先端を検出してからレジストローラー駆動モーターMT1を所定量駆動させた時点で、図15(b)に示すように、フラッパー212を前記ホーム位置に退避させ、突き板駆動モーターMT3を正転駆動して、突き板35を前記突き位置に移動させる。これと同時に、制御部120は、スイッチバックモータMT6を逆転駆動してスイッチバックローラー対211を逆回転させ、前記スイッチバック路内に位置するシートの先端部分を中央搬送路42側へスイッチバックする。
【0110】
シートの所定位置を第2検出センサーS2が検出すると、制御部120は、折りローラー駆動モーターMT2を正転駆動する。突き板35の移動によって、シートは、突き板35に突き当てられた所定位置が折りローラー対34のニップ部39に案内される。シートは、レジストローラー対33及びスイッチバックローラー対211の回転により折りローラー対34に向けて搬送されることによって、前記所定位置は、折りローラー対34にニップされ、シートの先端側に第1の折り目が形成される。
【0111】
次に、制御部120は、折りローラー駆動モーターMT2を正転駆動した時点から所定の設定量駆動させた後に、スイッチバックモータMT6を停止すると共に、レジストローラー駆動モーターMT1及び折りローラー駆動モーターMT2を逆転駆動する。これによりスイッチバックローラー対211が停止し、かつレジストローラー対33及び折りローラー対34が逆回転することによって、図15(c)に示すように、第1の折りが施されたシートは、突き板35のガイド面に沿って搬送方向上流へ搬送される。
【0112】
図15(d)に示すように、レジストローラー対33及び折りローラー対34の逆回転によって搬送方向上流へ送られたシートの所定位置(第1の折り目)がシート検出センサーS2により検出されると、その後シートが一定量搬送された時点で、制御部120は、突き板35を前記退避位置に移動させ、かつフラッパー212を前記作用位置に移動させる。更に制御部120は、折りローラー駆動モーターMT2を停止させ、レジストローラー駆動モーターMT1及びスイッチバックモータMT6を正転駆動する。
【0113】
次に、制御部120は、図15(e)に示すように、突き板35を前記退避位置に移動させ、フラッパー212を前記作用位置に移動させた状態で、折りローラー駆動モーターMT2を停止させたまま、レジストローラー駆動モーターMT1及びスイッチバックモータMT6の正転駆動によって、レジストローラー対33及びスイッチバックローラー対211を正回転させる。これにより、シートは、前記第1の折り目を先頭にフラッパー212の案内面に沿って隙間48から下方に搬送される。
【0114】
制御部120は、レジストローラー駆動モーターMT1の駆動を逆転から正転に切り換えた時点からその駆動量が所定量に達した時点で、フラッパー212を前記ホーム位置に退避させ、かつ突き板駆動モーターMT3を正転駆動して、突き板35を前記突き位置に移動させる。これと同時に、スイッチバックモータMT6を逆転駆動してスイッチバックローラー対211を逆回転させ、前記スイッチバック路内に位置するシートの先端部分を中央搬送路42側へスイッチバックする。
【0115】
これによって、突き板35は、図15(f)に示すように、シートの第2の所定位置を突いて折りローラー対34のニップ部に案内する。シートの前記第2の所定位置が第2検出センサーS2により検出されると、制御部120は、折りローラー駆動モーターMT2を正転駆動する。これにより、シートの前記第2の所定位置は、折りローラー対34にニップされて、第2の折り目が形成される。
【0116】
このとき、シートは、図15(g)に示すように、先に前記第1の折り目が形成された重なった状態の先端側に、後端側が重ねられて三重になった状態で、折りローラー対34によって下流へ搬送される。このようにC折りされたシートは、折りローラー対34から更に下流へ搬送される。最後に制御部120は、C折りされたシートの後端を第2検出センサーS2が検出してオフになると、折りローラー駆動モーターMT2を一定量駆動した後、レジストローラー駆動モーターMT1及び折りローラー駆動モーターMT2を停止させる。
【0117】
シート折り装置C、C2は、上述したいずれの折り処理を行う場合も、シートの厚さ即ち坪量の大小による折り位置のずれを防止するために、シートの坪量に応じて折りローラー対102による折り動作のタイミングを変更する機能を持たせることができる。例えば、シートの坪量が、予め設定した所定値又はそれよりも大きい場合、突き板35の突き動作のタイミングを、シートの坪量が前記所定値未満の場合よりも遅らせることで、シートの坪量によらず、折り位置を安定させることができる。
【0118】
具体的には、画像形成装置Aの制御部121に各シートの坪量情報を予め記憶させておき、ユーザーによって折り処理モードと共に、画像形成されるシート種が選択入力されたとき、該シート種に対応した前記坪量情報をシート折り装置Cの制御部120へ送信入力する。制御部120は、前記入力した坪量情報に基づいて必要な場合には、レジストローラー対33、折りローラー対34、突き板35等の動作タイミングを調節する。
【0119】
以上、本発明を好適な実施形態に関連して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その技術的範囲において、様々な変更又は変形を加えて実施し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0120】
A 画像形成装置
B シート後処理装置
C シート折り装置
31 ハウジング
32 搬送経路
33 レジストローラー対
34 折りローラー対
35 突き板
38,39 ニップ部
41 シート搬入路
42 中央搬送路
43 シート搬出路
45 上搬送ガイド
45a 第1水平部分
45b 第2水平部分
45c 傾斜部分
46 下搬送ガイド
46a 第1下ガイド部分
46b 第2下ガイド部分
48 隙間
50 ループ形成空間
51a 第1水平ガイド部
51b 傾斜ガイド部
52a 第2水平ガイド部
52b 第1傾斜ガイド部
52c 第2傾斜ガイド部
54 揺動フラッパー
57 シート受入れ部
120 制御部
121 画像形成装置の制御部
201 シート先端
202 第1の折り目
203 第2の折り目
211 スイッチバックローラー対
212 フラッパー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12
図13
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図15