IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

特開2022-186113荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラム
<>
  • 特開-荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラム 図1
  • 特開-荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラム 図2
  • 特開-荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラム 図3
  • 特開-荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186113
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20221208BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20221208BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20221208BHJP
【FI】
G06Q50/30
B65G61/00 542
B65G61/00 546
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094180
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 佳洋
(72)【発明者】
【氏名】小林 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】西村 隆
(72)【発明者】
【氏名】梅 子洵
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC41
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】専用の物流倉庫を介さずに荷物の配送を行うことが可能な荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラムを提供すること。
【解決手段】荷物配送システムは、プロセッサを有するセンタサーバと、予め設定された積み込み拠点で荷物が積み込まれる台車と、連結および切り離しが可能に構成された駆動ユニットと、を備え、プロセッサが、荷物に紐付いている荷物の重量および大きさに関する情報に基づいて、積み込み拠点における、台車への荷物の積み込み予定時刻を算出し、積み込み予定時刻に間に合うように、駆動ユニットを現在位置から積み込み拠点へと出発させる指示を、駆動ユニットに出力し、積み込み拠点において台車への荷物の積み込みが完了した場合、台車と連結された駆動ユニットを、積み込み拠点から荷物の配送先へと出発させる指示を、駆動ユニットに出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有するセンタサーバと、
予め設定された積み込み拠点で荷物が積み込まれる台車と、連結および切り離しが可能に構成された駆動ユニットと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記荷物に紐付いている前記荷物の重量および大きさに関する情報に基づいて、前記積み込み拠点における、前記台車への前記荷物の積み込み予定時刻を算出し、
前記積み込み予定時刻に間に合うように、前記駆動ユニットを現在位置から前記積み込み拠点へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、
前記積み込み拠点において前記台車への前記荷物の積み込みが完了した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを、前記積み込み拠点から前記荷物の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
荷物配送システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記荷物に紐付いている前記荷物の配送先に関する情報に基づいて、前記台車に積み込まれた荷物を前記配送先まで配送するための配送拠点と、複数の台車間で同じ方向または同じ行き先の荷物を積み替えるための積み替え拠点とを含む配送ルートを、前記台車ごとに決定し、
決定した前記配送ルートを、前記台車と連結された前記駆動ユニットに出力する、
請求項1に記載の荷物配送システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記荷物に紐付いている前記荷物の配送先に関する情報に基づいて、各台車がどの積み替え拠点でどの荷物を積み替えるのかに関する荷物積み替え情報を、前記台車ごとに決定し、
作成した前記荷物積み替え情報を、前記台車と連結された前記駆動ユニットに出力する、
請求項2に記載の荷物配送システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記荷物に紐付いている前記荷物の配送元および配送先に関する情報に基づいて、配送元から前記荷物を集荷して前記積み込み拠点まで配送させる集荷指示と、前記台車に積み込まれた荷物を前記配送先まで配送するための配送拠点に到着した荷物を前記配送先へと配送させる配送指示とを作成し、
作成した前記集荷指示および前記配送指示を、前記台車および前記駆動ユニットとは別の小型配送装置に出力する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の荷物配送システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記積み込み拠点に前記荷物を積み込み可能な台車がない場合、他の積み込み拠点に位置または移動中の駆動ユニットであって、前記荷物を積み込み可能な台車と連結されている駆動ユニットを、現在位置から前記積み込み拠点へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の荷物配送システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記荷物に紐付いている前記荷物の重量および大きさに関する情報に加えて、前記台車に設けられた重量センサの値を更に考慮して、前記積み込み予定時刻を算出する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の荷物配送システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記荷物の重量および大きさに関する情報を含む配送予約情報を、前記荷物を発送するユーザが所持する端末から取得する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の荷物配送システム。
【請求項8】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
荷物に紐付いている紐付いている前記荷物の重量および大きさに関する情報に基づいて、予め設定された積み込み拠点における、台車への前記荷物の積み込み予定時刻を算出し、
前記積み込み予定時刻に間に合うように、前記台車と連結および切り離しが可能な駆動ユニットを、現在位置から前記積み込み拠点へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、
前記積み込み拠点において前記台車への前記荷物の積み込みが完了した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを、前記積み込み拠点から前記荷物の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
荷物配送装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記荷物に紐付いている前記荷物の配送先に関する情報に基づいて、前記台車に積み込まれた荷物を前記配送先まで配送するための配送拠点と、複数の台車間で同じ方向または同じ行き先の荷物を積み替えるための積み替え拠点とを含む配送ルートを、前記台車ごとに決定し、
決定した前記配送ルートを、前記台車と連結された前記駆動ユニットに出力する、
請求項8に記載の荷物配送装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記荷物に紐付いている前記荷物の配送先に関する情報に基づいて、各台車がどの積み替え拠点でどの荷物を積み替えるのかに関する荷物積み替え情報を、前記台車ごとに決定し、
作成した前記荷物積み替え情報を、前記台車と連結された前記駆動ユニットに出力する、
請求項9に記載の荷物配送装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記荷物に紐付いている前記荷物の配送元および配送先に関する情報に基づいて、配送元から前記荷物を集荷して前記積み込み拠点まで配送させる集荷指示と、前記台車に積み込まれた荷物を前記配送先まで配送するための配送拠点に到着した荷物を前記配送先へと配送させる配送指示とを作成し、
作成した前記集荷指示および前記配送指示を、前記台車および前記駆動ユニットとは別の小型配送装置に出力する、
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の荷物配送装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記積み込み拠点に前記荷物を積み込み可能な台車がない場合、他の積み込み拠点に位置または移動中の駆動ユニットであって、前記荷物を積み込み可能な台車と連結されている駆動ユニットを、現在位置から前記積み込み拠点へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の荷物配送装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記荷物に紐付いている前記荷物の重量および大きさに関する情報に加えて、前記台車に設けられた重量センサの値を更に考慮して、前記積み込み予定時刻を算出する、
請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の荷物配送装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記荷物の重量および大きさに関する情報を含む配送予約情報を、前記荷物を発送するユーザが所持する端末から取得する、
請求項8から請求項13のいずれか一項に記載の荷物配送装置。
【請求項15】
プロセッサに、
荷物に紐付いている紐付いている前記荷物の重量および大きさに関する情報に基づいて、予め設定された積み込み拠点における、台車への前記荷物の積み込み予定時刻を算出し、
前記積み込み予定時刻に間に合うように、前記台車と連結および切り離しが可能な駆動ユニットを、現在位置から前記積み込み拠点へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、
前記積み込み拠点において前記台車への前記荷物の積み込みが完了した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを、前記積み込み拠点から前記荷物の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
ことを実行させる荷物配送プログラム。
【請求項16】
前記プロセッサに、
前記荷物に紐付いている前記荷物の配送先に関する情報に基づいて、前記台車に積み込まれた荷物を前記配送先まで配送するための配送拠点と、複数の台車間で同じ方向または同じ行き先の荷物を積み替えるための積み替え拠点とを含む配送ルートを、前記台車ごとに決定し、
決定した前記配送ルートを、前記台車と連結された前記駆動ユニットに出力する、
ことを実行させる請求項15に記載の荷物配送プログラム。
【請求項17】
前記プロセッサに、
前記荷物に紐付いている前記荷物の配送先に関する情報に基づいて、各台車がどの積み替え拠点でどの荷物を積み替えるのかに関する荷物積み替え情報を、前記台車ごとに決定し、
作成した前記荷物積み替え情報を、前記台車と連結された前記駆動ユニットに出力する、
ことを実行させる請求項16に記載の荷物配送プログラム。
【請求項18】
前記プロセッサに、
前記荷物に紐付いている前記荷物の配送元および配送先に関する情報に基づいて、配送元から前記荷物を集荷して前記積み込み拠点まで配送させる集荷指示と、前記台車に積み込まれた荷物を前記配送先まで配送するための配送拠点に到着した荷物を前記配送先へと配送させる配送指示とを作成し、
作成した前記集荷指示および前記配送指示を、前記台車および前記駆動ユニットとは別の小型配送装置に出力する、
ことを実行させる請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の荷物配送プログラム。
【請求項19】
前記プロセッサに、前記積み込み拠点に前記荷物を積み込み可能な台車がない場合、他の積み込み拠点に位置または移動中の駆動ユニットであって、前記荷物を積み込み可能な台車と連結されている駆動ユニットを、現在位置から前記積み込み拠点へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、
ことを実行させる請求項15から請求項18のいずれか一項に記載の荷物配送プログラム。
【請求項20】
前記プロセッサに、前記荷物に紐付いている前記荷物の重量および大きさに関する情報に加えて、前記台車に設けられた重量センサの値を更に考慮して、前記積み込み予定時刻を算出する、
ことを実行させる請求項15から請求項19のいずれか一項に記載の荷物配送プログラム。
【請求項21】
前記プロセッサに、前記荷物の重量および大きさに関する情報を含む配送予約情報を、前記荷物を発送するユーザが所持する端末から取得する、
ことを実行させる請求項15から請求項20のいずれか一項に記載の荷物配送プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自律走行可能な移動体を用いて荷物をユーザに配送する配送システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-152533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
専用の物流倉庫を介さずに荷物の配送を行うことが可能な技術が求められている。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、専用の物流倉庫を介さずに荷物の配送を行うことが可能な荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る荷物配送システムは、プロセッサを有するセンタサーバと、予め設定された積み込み拠点で荷物が積み込まれる台車と、連結および切り離しが可能に構成された駆動ユニットと、を備え、前記プロセッサが、前記荷物に紐付いている前記荷物の重量および大きさに関する情報に基づいて、前記積み込み拠点における、前記台車への前記荷物の積み込み予定時刻を算出し、前記積み込み予定時刻に間に合うように、前記駆動ユニットを現在位置から前記積み込み拠点へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、前記積み込み拠点において前記台車への前記荷物の積み込みが完了した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを、前記積み込み拠点から前記荷物の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する。
【0007】
本開示に係る荷物配送装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、荷物に紐付いている紐付いている前記荷物の重量および大きさに関する情報に基づいて、予め設定された積み込み拠点における、台車への前記荷物の積み込み予定時刻を算出し、前記積み込み予定時刻に間に合うように、前記台車と連結および切り離しが可能な駆動ユニットを、現在位置から前記積み込み拠点へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、前記積み込み拠点において前記台車への前記荷物の積み込みが完了した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを、前記積み込み拠点から前記荷物の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する。
【0008】
本開示に係る荷物配送プログラムは、プロセッサに、荷物に紐付いている紐付いている前記荷物の重量および大きさに関する情報に基づいて、予め設定された積み込み拠点における、台車への前記荷物の積み込み予定時刻を算出し、前記積み込み予定時刻に間に合うように、前記台車と連結および切り離しが可能な駆動ユニットを、現在位置から前記積み込み拠点へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力し、前記積み込み拠点において前記台車への前記荷物の積み込みが完了した場合、前記台車と連結された前記駆動ユニットを、前記積み込み拠点から前記荷物の配送先へと出発させる指示を、前記駆動ユニットに出力する、ことを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、専用の物流倉庫を介さずに荷物の配送を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る荷物配送システムの全体構成を示す概略図である。
図2図2は、実施形態に係る荷物配送システムの各構成要素の詳細を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る荷物配送システムにおいて、荷物の積み込み拠点、積み替え拠点および配送拠点の一例を示す概略図である。
図4図4は、実施形態に係る荷物配送システムが実行する荷物配送方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態に係る荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラムについて、図面を参照しながら説明する。なお、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
(荷物配送システム)
実施形態に係る荷物配送装置を含む荷物配送システムの構成について、図1図3を参照しながら説明する。荷物配送システム1は、自律走行可能な移動体を用いて、例えばユーザの荷物を、配送元(例えばユーザ宅)から配送先(例えば別のユーザ宅)まで配送するためのものである。
【0013】
荷物配送システム1は、図1に示すように、センタサーバ10と、駆動ユニット21および台車22からなる移動体20と、端末30と、を有している。実施形態に係る荷物配送装置は、荷物配送システム1のうちのセンタサーバ10の機能によって実現される。また、センタサーバ10、移動体20および端末30は、いずれも通信機能を備えており、ネットワークNWを通じて相互に通信可能に構成されている。このネットワークNWは、例えばインターネット回線網、携帯電話回線網等から構成される。以下、荷物配送システム1の各構成要素について説明する。
【0014】
(センタサーバ)
センタサーバ10は、駆動ユニット21を遠隔で制御し、予め設定された拠点間で荷物を配送するためのものである。センタサーバ10は、例えば駆動ユニット21や台車22を管理する管理会社(例えばディーラ等)や、配送会社等に設けられている。また、センタサーバ10は、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータによって実現される。
【0015】
センタサーバ10は、図2に示すように、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、を備えている。制御部11は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等からなるプロセッサと、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等からなるメモリ(主記憶部)と、を備えている。
【0016】
制御部11は、記憶部13に格納されたプログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等を制御することにより、所定の目的に合致した機能を実現する。制御部11は、記憶部13に格納されたプログラムの実行を通じて、駆動ユニット制御部111として機能する。
【0017】
駆動ユニット制御部111は、駆動ユニット21を予め設定された拠点に派遣するとともに、ユーザから集荷した荷物を積み込んだ台車22と連結された駆動ユニット21を、拠点間で自律的に移動させることにより、荷物を配送する。
【0018】
本実施形態では、例えば図3に示すように、配送元から配送先までの配送ルート上に、積み込み拠点と、積み替え拠点と、配送拠点とからなる三つの拠点を設定する。積み込み拠点は、台車22にユーザから集荷した荷物を積み込むための拠点である。また、積み替え拠点は、複数の台車22間で、例えば同じ方向または同じ行き先の荷物を積み替えるための拠点である。また、配送拠点は、台車22に積み込まれた荷物を、ユーザによって指定された配送先まで配送するための拠点である。
【0019】
なお、図3に示した積み込み拠点、積み替え拠点および配送拠点は一例であり、各拠点の数等は同図に示したものに限定されない。また、積み替え拠点は、複数の台車22間で荷物を積み替える必要がある場合にのみ設定され、例えば荷物の積み替えが不要である場合(例えば台車22に積み込まれた荷物の行き先が全て同じ場合等)は、積み込み拠点および配送拠点のみが設定されてもよい。
【0020】
積み込み拠点、積み替え拠点および配送拠点は、予め固定の場所に設定されてもよく、あるいは予め設定された複数の拠点候補の中から、積み込み拠点、積み替え拠点および配送拠点をその都度選定してもよい。また、積み込み拠点、積み替え拠点および配送拠点は、移動体20が一時的に駐車可能な最小限のスペースがあればよい。また、積み込み拠点、積み替え拠点および配送拠点としては、例えば公営または私営の駐車場、公園、公共施設の敷地内にある広場、マンションの敷地内にある広場等が挙げられる。また、各拠点における荷物の積み込み、積み替え、積み下ろし等は、例えば配送会社スタッフが人手で行ってもよく、あるいは専用のロボット等を用いて行ってもよい。
【0021】
配送元からの荷物の集荷は、例えば荷物を発送するユーザが、積み込み拠点に荷物を直接持ってくるか、あるいは配送会社スタッフがユーザ宅に赴いて荷物を預かる方法によって行うことができる。また、配送先への荷物の配送は、例えば荷物を受け取るユーザが、配送拠点まで荷物を受け取りにくるか、あるいは配送会社スタッフがユーザ宅に赴いて荷物を届ける方法によって行うことができる。
【0022】
駆動ユニット制御部111は、具体的には、荷物を発送するユーザが所持する端末30から配送予約情報を取得する。この「配送予約情報」は、端末30の配送予約部311において作成される情報であり、例えば配送予約者(ユーザ名またはユーザID)、配送予約受付日時、配送予約番号、荷物名、荷物の重量、荷物の大きさ、荷物の数量、配送元(例えばユーザ宅の住所等)、配送先、配送指定日時、集荷希望日時等の情報が含まれる。
【0023】
続いて、駆動ユニット制御部111は、ユーザの荷物を積み込む台車22を決定する。駆動ユニット制御部111は、例えば積み込み拠点で待機している空の台車22や、ユーザの荷物と配送先が同じまたは配送先が同じ方向の荷物が積まれている台車22を、ユーザの荷物を積み込む台車22として決定する。
【0024】
続いて、駆動ユニット制御部111は、決定した台車22への荷物の積み込み予定時刻を算出する。駆動ユニット制御部111は、例えば当該台車22に積み込む荷物に紐付いている、荷物の重量および大きさに関する情報に基づいて、積み込み拠点において、台車22への荷物の積み込みが完了する時刻である積み込み予定時刻を算出する。
【0025】
続いて、駆動ユニット制御部111は、例えば荷物に紐付いている、荷物の重量および大きさに関する情報に基づいて、配送拠点と積み替え拠点とを含む配送ルートを、台車22ごとに決定する。例えば図3に示すように、二台の台車22(第一の台車、第二の台車)を用いて荷物の配送を行う場合を考える。この場合、駆動ユニット制御部111は、「積み込み拠点1(東京)→積み替え拠点(神奈川)→配送拠点2(愛知)」からなる配送ルートを、第一の台車の配送ルートとして決定する。また、駆動ユニット制御部111は、「積み込み拠点2(静岡)→積み替え拠点(神奈川)→配送拠点1(福島)」からなる配送ルートを、第二の台車の配送ルートとして決定する。
【0026】
続いて、駆動ユニット制御部111は、積み込み予定時刻に間に合うように、駆動ユニット21を現在位置から積み込み拠点へと出発させる出発指示を、当該駆動ユニット21に出力する。この場合、駆動ユニット制御部111は、まず積み込み拠点に派遣する駆動ユニット21を決定する。駆動ユニット21の決定方法は特に限定されず、例えば当該積み込み拠点に一番近い場所にいる駆動ユニット21、あるいはバッテリ217の残量(以下、「バッテリ残量」という)に余裕のある(例えばバッテリ残量が所定の閾値以上)駆動ユニット21を、積み込み拠点に派遣する駆動ユニット21として決定することができる。
【0027】
続いて、駆動ユニット制御部111は、決定した駆動ユニット21の出発時刻を算出する。この「出発時刻」は、駆動ユニット21が現在位置から積み込み拠点へと出発する時刻のことを示している。なお、センタサーバ10は、駆動ユニット21から、当該駆動ユニット21の現在位置に関する情報(以下、「位置情報」という)が常時または定期的に取得している。そのため、センタサーバ10は、駆動ユニット21の現在位置を把握している。
【0028】
駆動ユニット制御部111は、駆動ユニット21の現在位置から積み込み拠点までの距離と、駆動ユニット21の移動速度(例えば平均移動速度)とに基づいて、駆動ユニット21の現在位置から積み込み拠点までの移動時間を算出する。そして、積み込み予定時刻から移動時間を差し引くことにより、駆動ユニット21の出発時刻を算出する。そして、駆動ユニット制御部111は、駆動ユニット21を現在位置から積み込み拠点へと出発させる出発指示を、当該駆動ユニット21に送信(出力)する。この「出発指示」には、例えば駆動ユニット21の出発時刻、駆動ユニット21を向かわせる積み込み拠点に関する情報(例えば積み込み拠点の住所等)、積み込み拠点までの走行ルート、配送拠点と積み替え拠点とを含む配送ルート等の情報が含まれる。これにより、駆動ユニット制御部111は、出発時刻に積み込み拠点に向けて駆動ユニット21を出発させる。
【0029】
駆動ユニット制御部111は、積み込み拠点において、台車22への荷物の積み込みが完了した場合、台車22と連結された駆動ユニット21を、積み込み拠点から積み替え拠点(または配送拠点)へと出発させる出発指示を、当該駆動ユニット21に送信する。この「出発指示」には、駆動ユニット21を向かわせる積み替え拠点(または配送拠点)に関する情報(例えば積み替え拠点(または配送拠点)の住所等)、配送拠点と積み替え拠点とを含む配送ルート等の情報が含まれる。これにより、駆動ユニット制御部111は、積み込み拠点から積み替え拠点(または配送拠点)に向けて、台車22と連結された駆動ユニット21を出発させる。なお、駆動ユニット21と台車22との連結は、例えば配送会社スタッフが人手で行ってもよく、あるいは専用のロボット等を用いて行ってもよい。
【0030】
ここで、駆動ユニット制御部111は、積み込み予定時刻を算出する際に、荷物に紐付いている荷物の重量および大きさに関する情報に加えて、台車22に設けられた重量センサの測定値を更に考慮して、積み込み予定時刻を算出してもよい。この場合、台車22は、荷物が積み込まれた際に、ネットワークNWを通じて、重量センサの測定値を常時または定期的にセンタサーバ10に送信する。このように、台車22で測定した荷物の重量を考慮することにより、積み込み予定時刻をより精度よく算出することができる。
【0031】
また、駆動ユニット制御部111は、例えば荷物に紐付いている荷物の配送先に関する情報に基づいて、各台車22がどの積み替え拠点でどの荷物を積み替えるのかに関する荷物積み替え情報を、台車22ごとに決定し、作成した荷物積み替え情報を、配送ルートとともに、台車22と連結された駆動ユニット21に送信してもよい。例えば図3に示すように、二台の台車22(第一の台車、第二の台車)を用いて荷物の配送を行う場合を考える。この場合、駆動ユニット制御部111は、「積み替え拠点で福島行荷物を第二の台車に渡し、愛地行荷物を第二の台車から受け取る」旨を、第一の台車の荷物積み替え情報として作成する。また、駆動ユニット制御部111は、「積み替え拠点で愛知行荷物を第一の台車に渡し、福島行荷物を第一の台車から受け取る」旨を、第二の台車の荷物積み替え情報として作成する。このように、各台車22がどの積み替え拠点でどの荷物を積み替えるのかに関する荷物積み替え情報を駆動ユニット21に送信することにより、同じ方向または同じ行き先の荷物を積んでいる複数の台車22間で荷物を積み替えることができる。
【0032】
また、駆動ユニット制御部111は、積み込み拠点に荷物を積み込み可能な台車22がない場合、他の積み込み拠点に位置している、または他の積み込み拠点に移動中の駆動ユニット21であって、荷物を積み込み可能な(荷物を積み込む余裕のある)台車22と連結されている駆動ユニット21を、現在位置から積み込み拠点へと出発させる出発指示を、当該駆動ユニット21に出力してもよい。この「出発指示」には、例えば駆動ユニット21を向かわせる積み込み拠点に関する情報(例えば積み込み拠点の住所等)、積み込み拠点までの走行ルート等の情報が含まれる。このように、積み込み拠点に荷物を積み込み可能な台車22がない場合に、当該積み込み拠点以外の場所から、荷物を積み込み可能な台車22を調達することにより、ユーザの荷物を、配送先まで確実に配送することができる。
【0033】
また、駆動ユニット制御部111は、図3に示すように、配送元(ユーザ宅)から荷物の集荷および配送先への荷物の配送を、移動体20とは別の小型配送装置40によって行ってもよい。この場合、駆動ユニット制御部111は、例えば荷物に紐付いている荷物の配送元および配送先に関する情報に基づいて、荷物の集荷指示および配送指示を作成する。この「集荷指示」は、配送元から荷物を集荷して積み込み拠点まで配送させる旨の指示である。また、「配送指示」は、配送拠点に到着した荷物を配送先へと配送させる旨の指示である。
【0034】
続いて、駆動ユニット制御部111は、作成した集荷指示および配送指示を、ネットワークNWを通じて、移動体20とは別の小型配送装置40に出力することにより、当該小型配送装置40によって荷物の集荷および配送を行う。なお、小型配送装置40は、移動体20と同様に、内部に荷物を積み込むことが可能であり、かつ自律走行が可能な電動ユニットである。このように、小型配送装置40を利用して荷物の集荷および配送を行うことにより、ユーザが積み込み拠点まで荷物を持ち込んだり、あるいはユーザが配送拠点まで荷物を取りに行ったりする手間を軽減することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0035】
通信部12は、例えばLAN(Local Area Network)インターフェースボード、無線通信のための無線通信回路等から構成される。通信部12は、公衆通信網であるインターネット等のネットワークNWに接続されている。そして、通信部12は、当該ネットワークNWに接続することにより、駆動ユニット21および端末30との間で通信を行う。
【0036】
記憶部13は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)およびリムーバブルメディア等の記録媒体から構成される。リムーバブルメディアとしては、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)のようなディスク記録媒体が挙げられる。記憶部13には、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、各種プログラム、各種テーブル、各種データベース等が格納可能である。
【0037】
記憶部13には、ユーザ情報131と、配送履歴情報132とが格納されている。
【0038】
ユーザ情報131は、移動体20を利用した荷物配送サービスを利用するユーザに関する情報である。このユーザ情報131には、例えばユーザ名(またはユーザID等)、ユーザの住所、電話番号等の、ユーザを特定するための情報等が含まれる。
【0039】
配送履歴情報132は、ユーザの荷物の配送履歴に関する情報である。この配送履歴情報132には、例えば配送ごとまたはユーザごとの、配送予約者(ユーザ名またはユーザID)、配送予約受付日時、配送予約番号、荷物名、荷物の重量、荷物の大きさ、荷物の数量、配送元(例えばユーザ宅の住所等)、配送先、配送指定日時、集荷希望日時等の情報が含まれる。
【0040】
(移動体)
移動体20は、駆動ユニット21と、台車22とにより構成されている。台車22は、図1に示すように、箱状に構成されており、内部に荷物を積み込むことが可能に構成されている。また、台車22には、荷物を積み込むためのラックが複数(例えば二つ)設置されている。また、台車22には、例えば台車22に積み込まれた荷物の重量を測定する重量センサや、当該重量センサの測定値をセンタサーバ10等に送信するための通信機能が設けられていてもよい。
【0041】
駆動ユニット21は、センタサーバ10による制御のもとで、自律走行(自動走行)が可能な電動ユニットである。また、駆動ユニット21は、例えば連結アタッチメントを備えており、荷物が積み込まれる台車22と連結および切り離しが可能に構成されている。そして、駆動ユニット21は、台車22と連結された状態、あるいは台車22と切り離された状態で、センタサーバ10によって指示された場所(例えば積み込み拠点、積み替え拠点、配送拠点等)へと自律的に移動する。
【0042】
駆動ユニット21は、図2に示すように、制御部211と、通信部212と、記憶部213と、カメラ214と、測位部215と、センサ群216と、バッテリ217と、を備えている。制御部211、通信部212および記憶部213は、ハードウェアとしては制御部11、通信部12および記憶部13と同様である。
【0043】
通信部212は、ネットワークNWを介した無線通信により、センタサーバ10との間で通信を行う。記憶部213には、例えばカメラ214で撮影された画像、測位部215によって検出された駆動ユニット21の位置情報、センサ群216によって検出されたセンサ情報、駆動ユニット21のバッテリ残量等の情報が、必要に応じて格納される。
【0044】
カメラ214は、自律走行を実現するためのものであり、例えばCCD(Charge Coupled Device)、CIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を内蔵する撮像装置によって構成される。このカメラ214は、例えば駆動ユニット21の所定の位置に複数設置される。カメラ214は、撮影した画像を、必要に応じてセンタサーバ10に送信する。
【0045】
測位部215は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して、駆動ユニット21の位置情報を検出する。位置情報の検出方法は、GPS衛星を利用した方法に限定されず、例えばLiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)と3次元デジタル地図とを組み合わせた方法等を利用してもよい。測位部215は、検出した位置情報を、センタサーバ10に常時または定期的に送信する。
【0046】
センサ群216は、自律走行を実現するための複数のセンサであり、例えば3D-LiDAR、ミリ波センサ、赤外線センサ、加速度センサ、GPSセンサ、車速センサ等によって構成される。センサ群216は、検出したセンサデータを、必要に応じてセンタサーバ10に送信する。
【0047】
バッテリ217は、駆動ユニット21の動力源(モータ)に対して電力を供給するためのものである。制御部211は、このバッテリ217のバッテリ残量を、必要に応じてセンタサーバ10に送信する。
【0048】
(端末)
端末30は、荷物を発送するユーザが所持するスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブルコンピュータ等によって実現される。
【0049】
端末30は、図2に示すように、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、操作・表示部34と、を備えている。制御部31、通信部32および記憶部33は、ハードウェアとしては制御部11、通信部12および記憶部13と同様である。制御部31は、記憶部33に格納されたプログラムの実行を通じて、配送予約部311として機能する。
【0050】
配送予約部311は、例えばユーザによる操作・表示部34の操作に基づいて、配送予約情報を作成し、作成した配送予約情報をセンタサーバ10に送信する。
【0051】
通信部32は、ネットワークNWを介した無線通信により、センタサーバ10との間で通信を行う。記憶部33には、例えばユーザの配送履歴情報や、ユーザが荷物の配送予約を行うためのアプリケーションソフト(荷物配送アプリ)等が、必要に応じて格納される。
【0052】
操作・表示部34は、例えばタッチパネルディスプレイ等により構成されており、ユーザの手指やペン等による操作を受け付ける入力機能と、制御部31の制御に基づいて各種情報を表示する表示機能と、を有している。操作・表示部34は、制御部31の制御に基づいて、例えば端末30にインストールされた荷物配送アプリの画面等を表示する。
【0053】
(荷物配送方法)
実施形態に係る荷物配送システム1が実行する荷物配送方法の処理手順の一例について、図4を参照しながら説明する。
【0054】
まず、端末30の配送予約部311は、配送予約情報をセンタサーバ10に送信する(ステップS1)。続いて、センタサーバ10の駆動ユニット制御部111は、ユーザの荷物を積み込む台車22を決定する(ステップS2)。続いて、駆動ユニット制御部111は、例えば荷物に紐付いている、荷物の重量および大きさに関する情報に基づいて、ステップS2で決定した台車22への荷物の積み込み予定時刻を算出する(ステップS3)。
【0055】
続いて、駆動ユニット制御部111は、ステップS2で決定した台車22について、例えば荷物に紐付いている、荷物の重量および大きさに関する情報に基づいて、配送拠点と積み替え拠点とを含む配送ルートを決定する(ステップS4)。続いて、駆動ユニット制御部111は、積み込み拠点に派遣する駆動ユニット21を決定する(ステップS5)。
【0056】
続いて、駆動ユニット制御部111は、例えば駆動ユニット21の現在位置から積み込み拠点までの距離、駆動ユニット21の移動速度(例えば平均移動速度)、積み込み予定時刻に基づいて、駆動ユニット21の出発時刻を算出する(ステップS6)。続いて、駆動ユニット制御部111は、駆動ユニット21によってけん引する台車22の配送ルートと、当該駆動ユニット21の出発時刻とを含む出発指示を、駆動ユニット21に送信する(ステップS7)。これを受けて、駆動ユニット21は、出発時刻に、積み込み拠点の台車22に向けて出発する(ステップS8)。
【0057】
続いて、駆動ユニット制御部111は、台車22への荷物の積み込みが完了したか否かを判定する(ステップS9)。台車22への荷物の積み込みが完了したと判定した場合(ステップS9でYes)、駆動ユニット制御部111は、出発指示を駆動ユニット21に送信する(ステップS10)。これを受けて、駆動ユニット21は、配送ルートに従って荷物の配送を開始し(ステップS11)、本処理は完了する。なお、ステップS9において、台車22への荷物の積み込みが完了していないと判定した場合(ステップS9でNo)、駆動ユニット制御部111は、ステップS9の判定処理に戻る。
【0058】
以上説明したように、実施形態に係る荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラムによれば、駆動ユニット21および台車22からなる移動体20を利用して、必要に応じて途中で荷物を積み替えながら、複数の拠点間で荷物を配送することができる。従って、専用の物流倉庫を介さずに荷物の配送を行うことができ、最短ルートで効率的に荷物を配送することができる。
【0059】
更なる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、以上のように表わしかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【0060】
例えば、実施形態に係る荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラムでは、図4に示すように、ユーザが所持する端末30からセンタサーバ10へと配送予約情報が送信されることが前提となっていたが、配送予約情報に相当する情報が荷物に紐付いていればよく、端末30からセンタサーバ10への配送予約情報の送信は必須ではない。
【0061】
また、実施形態に係る荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラムでは、図3に示すように、積み込み拠点と配送拠点との間に一つの積み替え拠点が設定される例について説明したが、積み込み拠点と配送拠点との間に複数の積み替え拠点を設定し、それぞれの積み替え拠点で荷物を順次積み替える構成としてもよい。
【0062】
また、実施形態に係る荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラムでは、積み替え拠点において、例えば複数の台車22同士のドアを連結し、仮設倉庫を構築してもよい。この場合、上方向に開くドアを各台車22に設け、積み替え拠点に到着した台車22同士のドアを連結し、仮設倉庫を構築する。このように、複数の台車22のドアを利用して仮設倉庫を構築することにより、外の天候にかかわらず、荷物の積み替えをスムーズに行うことができる。
【0063】
また、実施形態に係る荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラムでは、駆動ユニット21を管理会社(例えばディーラ等)で管理してもよいし、あるいは配送会社にレンタルしてもよい。また、台車22についても、管理会社で管理してもよく、配送会社にレンタルしてもよく、あるいは一人または複数のユーザにレンタルしてもよい。
【0064】
また、実施形態に係る荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラムでは、荷物の運搬量に応じて、台車22のサイズを変更してもよい。この場合、台車22に積み込まれる荷物の量に応じて、当該台車22を構成する部品を組み替えて、台車22の積載可能容量を変化させる。このように、荷物の運搬量に応じて台車22のサイズを変更することにより、スペース効率を上げることができる。また、台車22の構成を簡易化および部品を共通化することにより、台車22のメンテナンス性を向上させることができる。
【0065】
また、実施形態に係る荷物配送システム、荷物配送装置および荷物配送プログラムでは、駆動ユニット21にカートリッジ式のFC(Fuel Cell)タンクを設けてもよい。このように、駆動ユニット21にFCタンクを設けることにより、当該FCタンクを入れ替えるだけで電力の供給が可能となり、充電の待ち時間を減らすことができる。
【符号の説明】
【0066】
1 荷物配送システム
10 センタサーバ
11 制御部
111 駆動ユニット制御部
12 通信部
13 記憶部
131 ユーザ情報
132 配送履歴情報
20 移動体
21 駆動ユニット
211 制御部
212 通信部
213 記憶部
214 カメラ
215 測位部
216 センサ群
217 バッテリ
22 台車
30 端末
31 制御部
311 配送予約部
32 通信部
33 記憶部
34 操作・表示部
40 小型配送装置
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4