IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-駆動ユニット 図1
  • 特開-駆動ユニット 図2
  • 特開-駆動ユニット 図3
  • 特開-駆動ユニット 図4
  • 特開-駆動ユニット 図5
  • 特開-駆動ユニット 図6
  • 特開-駆動ユニット 図7
  • 特開-駆動ユニット 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186115
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】駆動ユニット
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20221208BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G05D1/02 Y
B65G61/00 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094182
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 紀尚
(72)【発明者】
【氏名】西村 隆
(72)【発明者】
【氏名】梅 子洵
(72)【発明者】
【氏名】戸松 伸之
(72)【発明者】
【氏名】山本 直樹
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301BB05
5H301CC10
5H301FF11
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG17
5H301KK02
(57)【要約】
【課題】個別用モビリティが配置されていない地域であっても、荷物を配達することができる駆動ユニットを提供する。
【解決手段】駆動ユニット2は、台車に収容された荷物をソーティング可能なソーティング機構28と、台車と接続した状態で荷物の配達先に到着後、荷物の配達先に関する配達情報に基づいて、ソーティング機構を制御して台車から荷物を取り出して配達先へ配達するように構成されたECU29を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つ以上の荷物を収容した台車に対して接続自在であり、前記台車を牽引して自律走行可能な駆動ユニットであって、
前記台車に収容された前記荷物をソーティング可能なソーティング機構と、
前記台車と接続した状態で前記荷物の配達先に到着後、前記荷物の配達先に関する配達情報に基づいて、前記ソーティング機構を制御して前記台車から前記荷物を取り出して前記配達先へ配達するように構成されたプロセッサと、
を備える、
駆動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駆動ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物流車同士で混雑情報をやり取りし、物流車の配送ルートが混雑することを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-188312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、物流業界では、シームレスな自動物流のため、荷物の配送拠点から配達先の利用者の家や宅配ボックス等へ配送する個別用モビリティが必要となるが、この個別用モビリティの稼働率が低い場合、個別用モビリティの費用がかさんでしまうという問題点があった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、個別用モビリティが配置されていない地域であっても、荷物を配達することができる駆動ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る駆動ユニットは、少なくとも1つ以上の荷物を収容した台車に対して接続自在であり、前記台車を牽引して自律走行可能な駆動ユニットであって、前記台車に収容された前記荷物をソーティング可能なソーティング機構と、前記台車と接続した状態で前記荷物の配達先に到着後、前記荷物の配達先に関する配達情報に基づいて、前記ソーティング機構を制御して前記台車から前記荷物を取り出して前記配達先へ配達するように構成されたプロセッサと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、荷物の積み込み時間を短縮化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施の形態に係る配送システムの構成を概略的に示す図である。
図2図2は、一実施の形態に係る配送ユニットの概略構成図である。
図3図3は、一実施の形態に係る駆動ユニットの機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、一実施の形態に係る台車の機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、一実施の形態に係る通信端末の機能構成を示すブロック図である。
図6図6は、一実施の形態に係るサーバの機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、一実施の形態に係る駆動ユニットのソーティング機構の要部を示す概略構成図である。
図8図8は、一実施の形態に係る駆動ユニットが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態に係る駆動ユニットについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態により本開示が限定されるものではない。また、以下において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0010】
〔配送システムの概要〕
図1は、一実施の形態に係る配送システムの構成を概略的に示す図である。図1に示す配送システム1は、自律走行可能な駆動ユニット2および駆動ユニット2に牽引されて移動可能な台車3を備える配送ユニット4と、ユーザが保持する通信端末5と、配送システム1の各部を管理するサーバ6と、を備える。駆動ユニット2、台車3、通信端末5およびサーバ6は、いずれも通信機能を備えており、ネットワークNWを通じて相互に通信可能に構成されている。このネットワークNWは、例えばインターネット回線網、携帯電話回線網等から構成される。
【0011】
〔配送ユニットの概略構成〕
まず、配送ユニット4の概略構成について説明する。図2は、配送ユニット4の概略構成図である。配送ユニット4は、駆動ユニット2と、台車3と、を備える。
【0012】
なお、以下においては、配送ユニット4の各構成部の配置を説明する際に、前後方向と、左右方向と、上下方向と、を用いて説明する。前後方向とは、台車3の長手方向である。左右方向は、台車3の長手方向に対して直交する台車3の短手方向である。上下方向は、台車3の長手方向と短手方向に対して直交する方向であり、台車3の高さ方向と一致する。配送ユニット4が水平に載地された場合、前後方向および左右方向は、水平方向となり、上下方向は、鉛直方向となる。
【0013】
駆動ユニット2は、図2に示すように、略円柱状をなし、モータ等の駆動機構から供給された駆動力によって駆動輪20が駆動する。また、駆動ユニット2は、後述する各種センサ群の検出結果に基づいて、自律走行する。さらに、駆動ユニット2は、台車3と接続自在であり、台車3と接続し、台車3を牽引する。駆動ユニット2は、サーバ6から入力された指示情報および走行ルート等に従って、サーバ6によって指定された台車3と接続し、この接続した台車3をサーバ6によって指定された場所へ牽引して移動させる。
【0014】
台車3は、図2に示すように、略直方体をなす本体部30と、ソーティング機構31と、を備える。台車3は、本体部30が駆動ユニット2と接続可能であり、駆動ユニット2に牽引されて移動する。さらに、本体部30は、荷物100を収容可能な空間D1を有し、この空間D1内に複数の荷物100または複数の荷物100が収容されたラック41(Rack)或いはチェスト(Chest)等が収容される。また、ソーティング機構31は、開閉可能なシャッタ311aを有する受渡口311を有する。ソーティング機構31は、受渡口311を介して、ユーザまたはマイクロパレット(Micro-Palette)等の小型の物流モビリティからの荷物100を受け付ける。さらに、ソーティング機構31は、受渡口311において受け付けた荷物100を、本体部30が載地される載地面に対して3軸方向(前後方向、左右方向および上下方向)に搬送し、空間D1内の所定の場所または所定のラック41内の位置へ搬送する。なお、台車3は、機能(例えば運送機能、移動体型店舗機能)および積載量毎に複数の種類が存在する。
【0015】
このように構成された配送ユニット4は、駆動ユニット2がサーバ6によって指定された台車3と接続し、接続した台車3を指定された指定場所へ牽引して移動させる。その後、配送ユニット4は、指定場所に到着後、サーバ6から駆動ユニット2に別の台車3を牽引する指示情報が入力された場合、駆動ユニット2が台車3と接続解除し、サーバ6によって指定された場所へ移動する。
【0016】
〔駆動ユニットの機能構成〕
次に、駆動ユニット2の機能構成について説明する。図3は、駆動ユニット2の機能構成を示すブロック図である。図3に示す駆動ユニット2は、駆動部21と、センサ群22と、照明部23と、電池24と、連結部25と、通信部26と、記憶部27と、ソーティング機構28と、ECU(Electronic Control Unit)29と、を備える。
【0017】
駆動部21は、モータおよびギヤ等を用いて構成される。駆動部21は、ECU29の制御のもと、電池24から供給される電力に基づいて、駆動ユニット2の駆動輪20(図2を参照)に駆動力を供給する。
【0018】
センサ群22は、自動運転を実現するためのセンサ、駆動ユニット2の進行方向を含む周辺を撮像する撮像装置、駆動ユニット2の位置情報を検出するためのGPS(Global Positioning System)センサおよび電池24の残量を検出するセンサを用いて構成される。具体的には、センサ群22は、3D-LiDAR、ミリ波センサ、赤外線センサ、車速センサ、角速度、GPSセンサ、ジャイロセンサおよび加速度センサ等を用いて構成される。さらに、センサ群22は、駆動ユニット2の周辺を撮像する光学系および光学系が結像した被写体像を受光することによって画像データを生成するCCD(Charge Coupled Device)センサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等を備える撮像装置を用いて構成される。さらに、センサ群22は、電池24の残量(SOC)、温度、SOH(State of Health)、電圧値および電流値の各々を検出するテスタおよび温度センサ等を用いて構成される。センサ群22は、各種検出した検出結果をECU29へ出力する。
【0019】
照明部23は、駆動ユニット2における左右の駆動輪20の形状に沿うように円環状に設けられる(例えば図2を参照)。照明部23は、ECU29の制御のもと、所定の波長帯域の光を発光する。照明部23は、LED(Light Emitting Diode)光源を用いて構成される。照明部23は、ECU29の制御のもと、所定の波長帯域の光、例えば赤、青、緑および橙色等のいずれかを発光することによって、照明器具、方向指示器およびハザードランプのいずれか1つ以上として機能する。さらに、照明部23は、ECU29の制御のもと、駆動輪20の形状に沿って、所定の領域毎に波長が異なる光を発光可能である。
【0020】
電池24は、例えばニッケル水素電池またはリチウムイオン電池等の充電可能な二次電池を用いて構成される。電池24は、駆動部21を駆動するための高電圧の直流電力を蓄える。電池24は、図示しない充電口を介して図示しない充電装置と電気的に接続可能であり、この充電装置から供給される外部電力が充電される。
【0021】
連結部25は、ECU29の制御のもと、台車3と接続する。具体的には、連結部25は、後述する台車3に設けられた接続部と接続することによって台車3と連結する。連結部25は、例えば1軸カプラまたは2軸カプラ等を用いて構成される。なお、連結部25は、台車3と接続可能であれば、例えば電磁石等によって構成してもよい。
【0022】
通信部26は、ECU29の制御のもと、ネットワークNWを通じてサーバ6へ各種データ等を送信するとともに、サーバ6から各種データを受信する。例えば、通信部26は、ECU29の制御のもと、サーバ6から指定された台車3を牽引する牽引情報、台車3の停止位置および台車3の牽引先情報を含む指示情報を取得し、取得した指示情報をECU29へ出力する。通信部26は、各種情報を送受信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0023】
記憶部27は、駆動ユニット2に関する各種情報を記憶する。記憶部27は、ECU29から入力された駆動ユニット2のCANデータやECU29が実行する各種のプログラム等を記憶する。記憶部27は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、Flashメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いて構成される。また、記憶部27は、駆動ユニット2が実行するプログラム記憶部271と、駆動ユニット2を識別する駆動ユニット情報を記憶する駆動ユニット情報記憶部272と、を有する。ここで、駆動ユニット情報には、駆動ユニット2を識別する識別情報(例えばユニットID)、駆動ユニット2の車種、電池残量および牽引可能な積載量等が含まれる。
【0024】
ソーティング機構28は、ECU29のもと、台車3に収容された荷物100を取り出し、この取り出した荷物100を指定場所へ搬送する。ソーティング機構28の詳細は、後述する。
【0025】
ECU29は、メモリと、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはCPU(Central Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。ECU29は、駆動ユニット2の各部を制御する。例えば、ECU29は、センサ群22の検出結果等を用いて、サーバ6から入力された指示情報に応じた指定場所に向けて、駆動部21を制御することによって駆動ユニット2を自律走行させる。また、ECU29は、台車3と接続した状態で荷物100の配達先に到着後、荷物100の配達先に関する配達情報に基づいて、ソーティング機構28を制御して台車3から荷物100を取り出して配達先へ配達する。具体的には、ECU29は、荷物100の配達先に関する配達情報に基づいて、配達先に個別用モビリティが配置されていない場合、連結部25による台車3との接続状態を解除し、ソーティング機構28および駆動部21を制御して台車3から荷物100を取り出して配達先へ配達する。ここで、配達情報には、荷物100の受取人情報、差出人情報、受取人の住所、荷物100の種別情報(取扱注意品(例えばガラスや電子機器等)であるか否かの有無)、荷物100の包装の強度情報、受取人の住所における個別用モビリティの配置の有無、および受取人の置き配の指定の有無等が含まれる。なお、一実施の形態では、ECU29がプロセッサとして機能する。
【0026】
〔台車の機能構成〕
次に、台車3の機能構成について説明する。図4は、台車3の機能構成を示すブロック図である。図4に示す台車3は、ソーティング機構31と、取得部32と、接続部33と、通信部34と、センサ群35と、電池36と、記憶部37と、ECU38と、を備える。
【0027】
ソーティング機構31は、本体部30が載地される載地面に対して3軸方向に移動可能であり、ECU38の制御のもと、受渡口311を介してユーザまたは小型の物流モビリティからの荷物100を受け取る。さらに、ソーティング機構31は、受け取った荷物100を本体部30の空間D1内に収容された後述するラック41等に搬送させる。
【0028】
取得部32は、荷物100に貼付された荷物情報を取得し、この取得した荷物情報をECU38へ出力する。ここで、荷物情報とは、差出人、配送先の住所および受取人等の情報が格納された一次元コード、二次元コード(例えばQRコード(登録商標))またはICタグである。取得部32は、一次元コード、二次元コードまたはICタグ等を読み取り可能なリーダ、例えば撮像装置やICタグリーダ等を用いて構成される。
【0029】
接続部33は、駆動ユニット2の連結部25と接続可能であり、ECU38の制御のもと、駆動ユニット2の連結部25と接続する。
【0030】
通信部34は、ECU38の制御のもと、ネットワークNWを通じてサーバ6へ各種データ、例えば荷物情報や位置情報等を送信するとともに、サーバ6から各種データを受信する。例えば、通信部34は、ECU38の制御のもと、サーバ6から入力された荷物100の荷物情報を取得し、取得した荷物情報をECU38へ出力する。通信部34は、各種情報を送受信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0031】
センサ群35は、駆動ユニット2に牽引される際の走行を実現するための各種センサ、台車3の進行方向を含む周辺を撮像する撮像装置、台車3の位置情報を検出するためのGPSセンサおよび電池36の残量を検出するセンサを用いて構成される。具体的には、センサ群35は、3D-LiDAR、ミリ波センサ、赤外線センサ、車速センサ、角速度、GPSセンサ、ジャイロセンサおよび加速度センサ等を用いて構成される。
【0032】
電池36は、燃料電池およびニッケル水素電池またはリチウムイオン電池等の充電可能な二次電池を用いて構成される。電池36は、台車3を駆動するための電力を出力する。例えば、電池36は、図示しないFCタンクから供給される水素を用いて電力を発生させる。
【0033】
記憶部37は、台車3に関する各種情報を記憶する。記憶部37は、ECU38から入力された台車3のCANデータやECU38が実行する各種のプログラム等を記憶する。記憶部37は、DRAM、ROM、Flashメモリ、HDD、SSD等を用いて構成される。また、記憶部37は、台車3が実行するプログラム記憶部371と、台車3を識別する台車情報を記憶する台車情報記憶部372と、を有する。ここで、台車情報には、台車3を識別する識別情報(例えば台車ID)、台車3の種別、台車3の積載可能な積載量、台車3の形状および台車3の使用用途(例えば配送または店舗)等が含まれる。
【0034】
ECU38は、メモリと、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。ECU38は、台車3を構成する各部を制御する。
【0035】
〔通信端末の機能構成〕
次に、通信端末5の機能構成について説明する。図5は、通信端末5の機能構成を示すブロック図である。
【0036】
図5に示す通信端末5は、第1の通信部51と、第2の通信部52と、表示部53と、入力部54と、位置取得部55と、撮像部56と、第3の通信部57と、記憶部58と、端末制御部59と、を備える。
【0037】
第1の通信部51は、端末制御部59の制御のもと、台車3から各種情報を受信し、受信した各種情報を端末制御部59へ出力する。第1の通信部51は、例えばBluetooth(登録商標)等を行うことができる通信モジュールを用いて構成される。
【0038】
第2の通信部52は、端末制御部59の制御のもと、台車3またはサーバ6から各種情報を受信し、受信した各種情報を端末制御部59へ出力する。第2の通信部52は、Wi-Fi(登録商標)等を行うことができる通信モジュールを用いて構成される。
【0039】
表示部53は、端末制御部59の制御のもと、各種情報を表示する。表示部53は、液晶または有機EL等の表示パネルを用いて構成される。
【0040】
入力部54は、ユーザの各種操作の入力を受け付け、受け付けた各種操作に応じた信号を端末制御部59へ出力する。入力部54は、タッチパネル、スイッチ、ボタン等を用いて構成される。
【0041】
位置取得部55は、通信端末5の位置を取得し、この取得した位置を端末制御部59へ出力する。位置取得部55は、GPSセンサ等を用いて実現される。
【0042】
撮像部56は、端末制御部59の制御のもと、被写体を撮像することによって画像データを生成し、この画像データを端末制御部59へ出力する。撮像部56は、1または複数の光学系と、この光学系が結像した被写体像を撮像することによって画像データを生成するCCDまたはCMOSのイメージセンサを用いて実現される。
【0043】
第3の通信部57は、端末制御部59の制御のもと、ネットワークNWを介してサーバ6と通信を行い、ユーザが入力部54を介して設定した荷物100に関する荷物情報をサーバ6へ出力する。第3の通信部57は、携帯電話回線による通信規格、例えば第4世代移動通信システム(4G(4th Generation Mobile Communication System))および第5世代移動通信システム(5G(5th Generation Mobile Communication System))等を行うことができる通信モジュールを用いて構成される。
【0044】
記憶部58は、通信端末5に関する各種情報および通信端末5が実行する各種のプログラムを記憶する。記憶部58は、DRAM、ROM、Flashメモリ、SSD、メモリカード等を用いて実現される。
【0045】
端末制御部59は、メモリと、CPU等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。端末制御部59は、通信端末5の各部を制御する。
【0046】
〔サーバの機能構成〕
次に、サーバ6の機能構成について説明する。図6は、サーバ6の機能構成を示すブロック図である。図6に示すサーバ6は、通信部61と、入力部62と、表示部63と、記憶部64と、駆動ユニット情報データベース65(以下、「駆動ユニット情報DB65」という)、台車情報データベース66(以下、「台車情報DB66」という)、配送情報データベース67(以下、「配達情報DB67」という)、ユーザ情報データベース68(以下、「ユーザ情報DB68」という)と、サーバ制御部69と、を備える。
【0047】
通信部61は、サーバ制御部69の制御のもと、ネットワークNWを介して駆動ユニット2、台車3および通信端末5と通信を行う。通信部61は、通信モジュール等を用いて構成される。
【0048】
入力部62は、キーボード、マウスおよびタッチパネル等を用いて構成される。入力部62は、オペレータによる操作の入力を受け付け、受け付けた操作に応じた操作情報をサーバ制御部69へ出力する。
【0049】
表示部63は、有機ELディスプレイおよび液晶ディスプレイ等を用いて構成される。表示部63は、サーバ制御部69の制御のもと、各種情報を表示する。
【0050】
記憶部64は、サーバ6に関する各種情報を記憶する。また、記憶部64は、サーバ6が実行する各種のプログラムを記憶するプログラム記憶部641を有する。記憶部64は、DRAM、ROM、Flashメモリ、SSD、HDD、メモリカード等を用いて実現される。
【0051】
駆動ユニット情報DB65は、複数の駆動ユニット2の各々の識別情報と、位置情報と、電池情報と、駆動ユニット状態情報と、を対応付けた駆動ユニット情報を記憶する。ここで、駆動ユニット状態情報とは、現在のタスクの有無、例えば、台車3を牽引しているか否かの有無、指定場所へ向けての移動中であるか否かの有無、照明として点灯しているか否かの有無等である。駆動ユニット情報DB65は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0052】
台車情報DB66は、複数の台車3の各々の識別情報と、位置情報と、電池情報と、台車状態情報と、を対応付けた台車情報を記憶する。ここで、台車状態情報とは、本体部30に収容した複数の荷物100の荷物情報、各荷物100の収容場所を示す収容場所情報、本体部30に収容可能な荷物100の空き状況、駆動ユニット2による牽引状態の有無、および現在の使用状態(例えば店舗として使用)等である。台車情報DB66は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0053】
配達情報DB67は、複数の荷物100の各々の配送先に関する配達情報を記憶する。ここで、配達情報には、荷物100の受取人情報、差出人情報、受取人の住所、荷物100の種別情報(取扱注意品(例えばガラスや電子機器等)であるか否かの有無)、荷物100の包装の強度情報、受取人の住所における個別用モビリティの配置の有無、および受取人の置き配の指定の有無等が含まれる。配達情報DB67は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0054】
ユーザ情報DB68は、ユーザの氏名情報と、ユーザの連絡先情報と、ユーザが配送を依頼した荷物100の荷物情報と、を対応付けたユーザ情報を記憶する。ユーザ情報DB68は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0055】
サーバ制御部69は、メモリと、CPU、FPGA(Field-Programmable Gate Array)およびGPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。サーバ制御部69は、サーバ6を構成する各部を制御する。
【0056】
〔ソーティング機構の構成〕
次に、駆動ユニット2が備えるソーティング機構28の詳細について説明する。図7は、ソーティング機構28の要部を示す概略構成図である。
【0057】
図7に示すソーティング機構28は、駆動ユニット2に畳まれた状態で収容可能なロボットアーム等を用いて構成される。具体的には、ソーティング機構28は、荷物100を把持することによって台車3から荷物100を取り出し可能なグリッパー281と、グリッパー281を回転可能に支持するアームおよびモータ等を含む支持部282と、支持部282を回転可能に保持し、グリッパー281および支持部282を収容可能な収容部283と、を備える。
【0058】
ソーティング機構28は、ECU29の制御のもと、支持部282およびグリッパー281が駆動することによって台車3内に収容された荷物100を取り出し、この取り出した荷物100を所定の場所に配達する。
【0059】
〔駆動ユニットの処理〕
次に、駆動ユニット2が実行する処理について説明する。図8は、駆動ユニット2が実行する処理の概要を示すフローチャートである。なお、以下においては、駆動ユニット2が台車3と接続し、牽引して移動している状態について説明する。
【0060】
図8に示すように、ECU29は、センサ群22からの駆動ユニット2の位置情報とサーバ6から入力された配達情報と、に基づいて、駆動ユニット2が配送先に到着したか否かを判断する(ステップS101)。ECU29によって駆動ユニット2が配達先に到着したと判断された場合(ステップS101:Yes)、駆動ユニット2は、後述するステップS102へ移行する。これに対して、ECU29によって駆動ユニット2が配達先に到着していないと判断された場合(ステップS101:No)、駆動ユニット2は、この判断を続ける。
【0061】
ステップS102において、ECU29は、通信部26を介してサーバ6から配達情報を取得する。
【0062】
続いて、ECU29は、配達情報に基づいて、配達先に物流モビリティが配置されているか否かあるか否かを判断する(ステップ103)。ECU29によって配達先に物流モビリティが配置されていると判断された場合(ステップS103:Yes)、駆動ユニット2は、後述するステップS111へ移行する。これに対して、ECU29によって配達先に物流モビリティが配置されていないと判断された場合(ステップS103:No)、駆動ユニット2は、後述するステップS104へ移行する。
【0063】
ステップS104において、ECU29は、配達情報に基づいて、配達先の荷物100が受取人によって置き配が指定されているか否かを判定する。具体的には、ECU29は、配達情報に含まれる受取人によって置き配を指定する置き配指定情報が含まれているか否かを判定し、置き配指定情報が含まれている場合、置き配が指定されていると判断する。ECU29によって配達先の荷物100が受取人によって置き配が指定されていると判断された場合(ステップS104:Yes)、駆動ユニット2は、後述するステップS105へ移行する。これに対して、ECU29によって配達先の荷物100が受取人によって置き配が指定されていないと判断された場合(ステップS104:No)、駆動ユニット2は、後述するステップS110へ移行する。
【0064】
ステップS105において、ECU29は、配達情報に基づいて、荷物100の包装が所定の強度以上であるか否かを判断する。具体的には、ECU29は、配達情報に含まれる包装情報に基づいて、荷物100の包装が所定の距離、例えば置き配等によって配達可能な強度以上に包装されているか否かを判断する。ECU29によって荷物100の包装が所定の強度以上であると判断された場合(ステップS105:Yes)、駆動ユニット2は、後述するステップS106へ移行する。これに対して、ECU29によって荷物100の包装が所定の強度以上でないと判断された場合(ステップS105:No)、駆動ユニット2は、後述するステップS110へ移行する。
【0065】
ステップS106において、ECU29は、配達情報に基づいて、荷物100が取扱注意品であるか否かを判断する。ECU29によって荷物100が取扱注意品であると判断された場合(ステップS106:Yes)、駆動ユニット2は、後述するステップS110へ移行する。これに対して、ECU29によって荷物100が取扱注意品でないと判断された場合(ステップS106:No)、駆動ユニット2は、後述するステップS107へ移行する。
【0066】
ステップS107において、ECU29は、連結部25を制御して駆動ユニット2と台車3との接続情報を解除する。これにより、駆動ユニット2は、台車3側へ移動することができる。
【0067】
続いて、ECU29は、駆動部21およびソーティング機構28を制御することによって、台車3に向けて駆動ユニット2を移動させてソーティング機構28に台車3内に収容された荷物100を取り出させる(ステップS108)。この場合、台車3は、受渡口311に荷物100を配置する。この結果、駆動ユニット2は、台車3から容易に荷物100を受け取ることができる。
【0068】
その後、ECU29は、配送情報に基づいて、駆動部21およびソーティング機構28を制御することによって、荷物100を指定場所へ配達する(ステップS109)。これにより、駆動ユニット2は、荷物100の置き配を行うことができる。ステップS109の後、駆動ユニット2は、本処理を終了する。
【0069】
ステップS110において、ECU29は、通信部26を介して受取人の通信端末5またはサーバ6へ荷物100を持ち帰るため、受取人へ荷物100の再配達を依頼する再配達依頼情報を出力する。これにより、受取人等のユーザは、荷物100が配達されなかったことを把握することができる。ステップS110の後、駆動ユニット2は、本処理を終了する。
【0070】
ステップS111において、ECU29は、物流モビリティが台車3から荷物100を取り出したか否かを判断する。ECU29によって物流モビリティが台車3から荷物100を取り出したと判断された場合(ステップS111:Yes)、駆動ユニット2は、本処理を終了する。これに対して、ECU29によって物流モビリティが台車3から荷物100を取り出していないと判断された場合(ステップS111:No)、駆動ユニット2は、物流モビリティが台車3から荷物100を取り出すまで待機する。
【0071】
以上説明した一実施の形態によれば、駆動ユニット2が荷物100の配達先に到着後、ECU29が荷物100の配達先に関する配達情報に基づいて、ソーティング機構28および駆動部21を制御して台車3から荷物100を取り出して配達先へ配達するため、個別用モビリティが配置されていない地域であっても、荷物100を配達することができる。
【0072】
また、一実施の形態によれば、受取人によって荷物100の置き配が指定されている場合、ECU29がソーティング機構28および駆動部21を制御して台車3から荷物100を取り出して配達先へ配達するため、個別用モビリティが配置されていない地域であっても、荷物100を配達することができる。
【0073】
また、一実施の形態によれば、荷物100が取扱注意品でない場合、ECU29がソーティング機構28および駆動部21を制御して台車3から荷物100を取り出して配達先へ配達するため、荷物100をきめ細かく取り扱うことができる。
【0074】
また、一実施の形態によれば、荷物100の包装が所定の強度以上の場合、ECU29がソーティング機構28および駆動部21を制御して台車3から荷物100を取り出して配達先へ配達するため、荷物100をきめ細かく取り扱うことができる。
【0075】
また、一実施の形態によれば、駆動ユニット2の移動先に個別用モビリティが配置されていない場合であっても、ECU29が荷物100の配達先に関する配達情報に基づいて、ソーティング機構28および駆動部21を制御して台車3から荷物100を取り出して配達先へ配達するため、個別用モビリティが配置されていない地域であっても、荷物100を配達することができる。
【0076】
なお、一実施の形態では、配達先に個別用モビリティが配置されている場合であっても、個別用モビリティの稼働状況に応じて、荷物100の配達先への配達指定時刻に余裕がある場合、個別用モビリティに代えて、駆動ユニット2が配達するようにしてもよい。これにより、個別用モビリティが配置されている地域であっても、個別用モビリティの稼働状況に応じて、荷物100を滞りなく配達することができる。
【0077】
また、一実施の形態では、駆動ユニット2が台車3に収容された荷物100を配達していたが、荷物100以外にも、駆動ユニット2が台車3に設けられた水素タンクまたは電池パック等を取り出して交換または配達するようにしてもよい。これにより、台車3および駆動ユニット2の走行距離を延長することができる。
【0078】
(その他の実施の形態)
また、一実施の形態では、上述してきた「部」を、「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御回路に読み替えることができる。
【0079】
また、一実施の形態に係る配送システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0080】
また、一実施の形態に係る配送システムに実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0081】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0082】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 配送システム
2 駆動ユニット
3 台車
4 配送ユニット
5 通信端末
6 サーバ
20 駆動輪
21 駆動部
22 センサ群
23 照明部
24 電池
25 連結部
26 通信部
27 記憶部
28 ソーティング機構
29 ECU
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8