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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186116
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】台車
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20221208BHJP
   B62D 53/04 20060101ALI20221208BHJP
   B60P 1/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
B65G61/00 522
B62D53/04 Z
B60P1/00 Z
B65G61/00 540
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094183
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 隆
(72)【発明者】
【氏名】梅 子洵
(72)【発明者】
【氏名】小林 弘幸
(57)【要約】
【課題】荷物の積み込み時間を短縮化することができる台車を提供する。
【解決手段】台車3は、荷物100を収容可能な空間D1を有し、駆動ユニット2に牽引されて移動可能な本体部30と、本体部30に設けられ、受け付けた荷物100を、空間内D1において本体部30が載地される載地面に対して3軸方向に搬送可能なソーティング機構31と、を備え、ソーティング機構31は、本体部30が駆動ユニット2に牽引されて移動している移動中に、受け付けた荷物100を空間D1内の所定位置へ搬送する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を収容可能な空間を有し、駆動ユニットに牽引されて移動可能な本体部と、
前記本体部に設けられ、受け付けた荷物を、前記空間内において前記本体部が載地される載地面に対して3軸方向に搬送可能なソーティング機構と、
を備え、
前記ソーティング機構は、
前記本体部が前記駆動ユニットに牽引されて移動している移動中に、前記受け付けた荷物を前記空間内の所定位置へ搬送する、
台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、台車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物流車同士で混雑情報をやり取りし、物流車の配送ルートが混雑することを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-188312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、物流業界では、配送ルートに合わせて物流車に積み込む荷物の積み込み順を考慮しながら配送者が荷物を積み込んでいるため、積み込み時間に多大な時間が生じていた。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、荷物の積み込み時間を短縮化することができる台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る台車は、荷物を収容可能な空間を有し、駆動ユニットに牽引されて移動可能な本体部と、前記本体部に設けられ、受け付けた荷物を、前記空間内において前記本体部が載地される載地面に対して3軸方向に搬送可能なソーティング機構と、を備え、前記ソーティング機構は、前記本体部が前記駆動ユニットに牽引されて移動している移動中に、前記受け付けた荷物を前記空間内の所定位置へ搬送する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、荷物の積み込み時間を短縮化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施の形態に係る配送システムの構成を概略的に示す図である。
図2図2は、一実施の形態に係る配送ユニットの概略構成図である。
図3図3は、一実施の形態に係る駆動ユニットの機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、一実施の形態に係る台車の機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、一実施の形態に係る通信端末の機能構成を示すブロック図である。
図6図6は、一実施の形態に係るサーバの機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、一実施の形態に係るソーティング機構の要部を示す概略構成図である。
図8図8は、一実施の形態に係るラックの概略構成図である。
図9図9は、一実施の形態に係るラックの一部を拡大した拡大図である。
図10図10は、一実施の形態に係る台車が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態に係る台車について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態により本開示が限定されるものではない。また、以下において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0010】
〔配送システムの概要〕
図1は、一実施の形態に係る配送システムの構成を概略的に示す図である。図1に示す配送システム1は、自律走行可能な駆動ユニット2および駆動ユニット2に牽引されて移動可能な台車3を備える配送ユニット4と、ユーザが保持する通信端末5と、配送システム1の各部を管理するサーバ6と、を備える。駆動ユニット2、台車3、通信端末5およびサーバ6は、いずれも通信機能を備えており、ネットワークNWを通じて相互に通信可能に構成されている。このネットワークNWは、例えばインターネット回線網、携帯電話回線網等から構成される。
【0011】
〔配送ユニットの概略構成〕
まず、配送ユニット4の概略構成について説明する。図2は、配送ユニット4の概略構成図である。配送ユニット4は、駆動ユニット2と、台車3と、を備える。
【0012】
なお、以下においては、配送ユニット4の各構成部の配置を説明する際に、前後方向と、左右方向と、上下方向と、を用いて説明する。前後方向とは、台車3の長手方向である。左右方向は、台車3の長手方向に対して直交する台車3の短手方向である。上下方向は、台車3の長手方向と短手方向に対して直交する方向であり、台車3の高さ方向と一致する。配送ユニット4が水平に載地された場合、前後方向および左右方向は、水平方向となり、上下方向は、鉛直方向となる。
【0013】
図2に示すように、駆動ユニット2は、略円柱状をなし、モータ等の駆動機構から供給された駆動力によって駆動輪20が駆動する。また、駆動ユニット2は、後述する各種センサ群の検出結果に基づいて、自律走行する。さらに、駆動ユニット2は、台車3と接続自在であり、台車3と接続し、台車3を牽引する。駆動ユニット2は、サーバ6から出力された指示情報、タスク情報および走行ルート等に従って、サーバ6によって指定された台車3と接続し、この接続した台車3をサーバ6によって指定された場所へ牽引して移動させる。
【0014】
図2に示すように、台車3は、略直方体をなす本体部30と、ソーティング機構31と、を備える。台車3は、本体部30が駆動ユニット2と接続可能であり、駆動ユニット2に牽引されて移動する。さらに、本体部30は、荷物100を収容可能な空間D1を有し、この空間D1内に複数の荷物100または複数の荷物100が収容されたラック41(Rack)或いはチェスト(Chest)等が収容される。また、ソーティング機構31は、開閉可能なシャッタ311aを有する受渡口311を有する。ソーティング機構31は、受渡口311を介して、ユーザまたはマイクロパレット(Micro-Palette)等の小型の物流モビリティからの荷物100を受け付ける。さらに、ソーティング機構31は、受渡口311において受け付けた荷物100を、本体部30が載地される載地面に対して3軸方向(前後方向、左右方向および上下方向)に搬送し、空間D1内の所定の場所または所定のラック41内の位置へ搬送する。なお、台車3は、機能(例えば運送機能、移動体型店舗機能)および積載量毎に複数の種類が存在する。
【0015】
このように構成された配送ユニット4は、駆動ユニット2がサーバ6によって指定された台車3と接続し、接続した台車3を指定された指定場所へ牽引して移動させる。その後、配送ユニット4は、指定場所に到着後、サーバ6から駆動ユニット2に別の台車3を牽引する指示情報が入力された場合、駆動ユニット2が台車3と接続解除し、サーバ6によって指定された場所へ移動する。
【0016】
〔駆動ユニットの機能構成〕
次に、駆動ユニット2の機能構成について説明する。図3は、駆動ユニット2の機能構成を示すブロック図である。図3に示す駆動ユニット2は、駆動部21と、センサ群22と、照明部23と、電池24と、連結部25と、通信部26と、記憶部27と、表示部28と、ECU(Electronic Control Unit)29と、を備える。
【0017】
駆動部21は、モータおよびギヤ等を用いて構成される。駆動部21は、ECU29の制御のもと、電池24から供給される電力に基づいて、駆動ユニット2の駆動輪20(図2を参照)に駆動力を供給する。
【0018】
センサ群22は、自動運転を実現するためのセンサ、駆動ユニット2の進行方向を含む周辺を撮像する撮像装置、駆動ユニット2の位置情報を検出するためのGPS(Global Positioning System)センサおよび電池24の残量を検出するセンサを用いて構成される。具体的には、センサ群22は、3D-LiDAR、ミリ波センサ、赤外線センサ、車速センサ、角速度、GPSセンサ、ジャイロセンサおよび加速度センサ等を用いて構成される。さらに、センサ群22は、駆動ユニット2の周辺を撮像する光学系および光学系が結像した被写体像を受光することによって画像データを生成するCCD(Charge Coupled Device)センサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等を備える撮像装置を用いて構成される。さらに、センサ群22は、電池24の残量(SOC)、温度、SOH(State of Health)、電圧値および電流値の各々を検出するテスタおよび温度センサ等を用いて構成される。センサ群22は、各種検出した検出結果をECU29へ出力する。
【0019】
照明部23は、駆動ユニット2における左右の駆動輪20の形状に沿うように円環状に設けられる(例えば図2を参照)。照明部23は、ECU29の制御のもと、所定の波長帯域の光を発光する。照明部23は、LED(Light Emitting Diode)光源を用いて構成される。照明部23は、ECU29の制御のもと、所定の波長帯域の光、例えば赤、青、緑および橙色等のいずれかを発光することによって、照明器具、方向指示器およびハザードランプのいずれか1つ以上として機能する。さらに、照明部23は、ECU29の制御のもと、駆動輪20の形状に沿って、所定の領域毎に波長が異なる光を発光可能である。
【0020】
電池24は、例えばニッケル水素電池またはリチウムイオン電池等の充電可能な二次電池を用いて構成される。電池24は、駆動部21を駆動するための高電圧の直流電力を蓄える。電池24は、図示しない充電口を介して図示しない充電装置と電気的に接続可能であり、この充電装置から供給される外部電力が充電される。
【0021】
連結部25は、ECU29の制御のもと、台車3と接続する。具体的には、連結部25は、後述する台車3に設けられた接続部と接続することによって台車3と連結する。連結部25は、例えば1軸カプラまたは2軸カプラ等を用いて構成される。なお、連結部25は、台車3と接続可能であれば、例えば電磁石等によって構成してもよい。
【0022】
通信部26は、ECU29の制御のもと、ネットワークNWを通じてサーバ6へ各種データ等を送信するとともに、サーバ6から各種データを受信する。例えば、通信部26は、ECU29の制御のもと、サーバ6から指定された台車3を牽引する牽引情報、台車3の停止位置および台車3の牽引先情報を含む指示情報を取得し、取得した指示情報をECU29へ出力する。通信部26は、各種情報を送受信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0023】
記憶部27は、駆動ユニット2に関する各種情報を記憶する。記憶部27は、ECU29から入力された駆動ユニット2のCANデータやECU29が実行する各種のプログラム等を記憶する。記憶部27は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、Flashメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いて構成される。また、記憶部27は、駆動ユニット2が実行するプログラム記憶部271と、駆動ユニット2を識別する駆動ユニット情報を記憶する駆動ユニット情報記憶部272と、を有する。ここで、駆動ユニット情報には、駆動ユニット2を識別する識別情報(例えばユニットID)、駆動ユニット2の車種、電池残量および牽引可能な積載量等が含まれる。
【0024】
表示部28は、ECU29の制御のもと、画像、映像および文字情報を表示する。表示部28は、液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示ディスプレイを用いて構成される。
【0025】
ECU29は、メモリと、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはCPU(Central Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。ECU29は、駆動ユニット2の各部を制御する。例えば、ECU29は、センサ群22の検出結果等を用いて、サーバ6から入力された指示情報に応じた指定場所に向けて、駆動部21を制御することによって駆動ユニット2を自律走行させる。
【0026】
〔台車の機能構成〕
次に、台車3の機能構成について説明する。図4は、台車3の機能構成を示すブロック図である。図4に示す台車3は、ソーティング機構31と、取得部32と、接続部33と、通信部34と、センサ群35と、電池36と、記憶部37と、ECU38と、を備える。
【0027】
ソーティング機構31は、本体部30が載地される載地面に対して3軸方向に移動可能であり、ECU38の制御のもと、受渡口311を介してユーザまたは小型の物流モビリティからの荷物100を受け取る。さらに、ソーティング機構31は、受け取った荷物100を本体部30の空間D1内に収容された後述するラック41等に搬送させる。なお、ソーティング機構31およびラック41の詳細な構成については、後述する。
【0028】
取得部32は、荷物100に貼付された荷物情報を取得し、この取得した荷物情報をECU38へ出力する。ここで、荷物情報とは、差出人、配送先の住所および受取人等の情報が格納された一次元コード、二次元コード(例えばQRコード(登録商標))またはICタグである。取得部32は、一次元コード、二次元コードまたはICタグ等を読み取り可能なリーダ、例えば撮像装置やICタグリーダ等を用いて構成される。
【0029】
接続部33は、駆動ユニット2の連結部25と接続可能であり、ECU38の制御のもと、駆動ユニット2の連結部25と接続する。
【0030】
通信部34は、ECU38の制御のもと、ネットワークNWを通じてサーバ6へ各種データ、例えば荷物情報や位置情報等を送信するとともに、サーバ6から各種データを受信する。例えば、通信部34は、ECU38の制御のもと、サーバ6から入力された荷物100の荷物情報を取得し、取得した荷物情報をECU38へ出力する。通信部34は、各種情報を送受信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0031】
センサ群35は、駆動ユニット2に牽引される際の走行を実現するための各種センサ、台車3の進行方向を含む周辺を撮像する撮像装置、台車3の位置情報を検出するためのGPSセンサおよび電池36の残量を検出するセンサを用いて構成される。具体的には、センサ群35は、3D-LiDAR、ミリ波センサ、赤外線センサ、車速センサ、角速度、GPSセンサ、ジャイロセンサおよび加速度センサ等を用いて構成される。
【0032】
電池36は、燃料電池およびニッケル水素電池またはリチウムイオン電池等の充電可能な二次電池を用いて構成される。電池36は、台車3を駆動するための電力を出力する。例えば、電池36は、図示しないFCタンクから供給される水素を用いて電力を発生させる。
【0033】
記憶部37は、台車3に関する各種情報を記憶する。記憶部37は、ECU38から入力された台車3のCANデータやECU38が実行する各種のプログラム等を記憶する。記憶部37は、DRAM、ROM、Flashメモリ、HDD、SSD等を用いて構成される。また、記憶部37は、台車3が実行するプログラム記憶部371と、台車3を識別する台車情報を記憶する台車情報記憶部372と、を有する。ここで、台車情報には、台車3を識別する識別情報(例えば台車ID)、台車3の種別、台車3の積載可能な積載量、台車3の形状および台車3の使用用途(例えば配送または店舗)等が含まれる。
【0034】
ECU38は、メモリと、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。ECU38は、本体部30が駆動ユニット2に牽引されて移動している場合、受け付けた荷物100を空間D1内の所定位置へ搬送する。具体的には、ECU38は、本体部30が駆動ユニット2に牽引されて移動している移動中に、受け付けた荷物100を空間D1内の所定位置へ搬送する。例えば、ECU38は、取得部32によって取得された荷物情報に基づいて、ソーティング機構31を制御して受け付けた荷物100を台車3の空間D1内の所定位置へ搬送する。
【0035】
〔通信端末の機能構成〕
次に、通信端末5の機能構成について説明する。図5は、通信端末5の機能構成を示すブロック図である。
【0036】
図5に示す通信端末5は、第1の通信部51と、第2の通信部52と、表示部53と、入力部54と、位置取得部55と、撮像部56と、第3の通信部57と、記憶部58と、端末制御部59と、を備える。
【0037】
第1の通信部51は、端末制御部59の制御のもと、台車3から各種情報を受信し、受信した各種情報を端末制御部59へ出力する。第1の通信部51は、例えばBluetooth(登録商標)等を行うことができる通信モジュールを用いて構成される。
【0038】
第2の通信部52は、端末制御部59の制御のもと、台車3またはサーバ6から各種情報を受信し、受信した各種情報を端末制御部59へ出力する。第2の通信部52は、Wi-Fi(登録商標)等を行うことができる通信モジュールを用いて構成される。
【0039】
表示部53は、端末制御部59の制御のもと、各種情報を表示する。表示部53は、液晶または有機EL等の表示パネルを用いて構成される。
【0040】
入力部54は、ユーザの各種操作の入力を受け付け、受け付けた各種操作に応じた信号を端末制御部59へ出力する。入力部54は、タッチパネル、スイッチ、ボタン等を用いて構成される。
【0041】
位置取得部55は、通信端末5の位置を取得し、この取得した位置を端末制御部59へ出力する。位置取得部55は、GPSセンサ等を用いて実現される。
【0042】
撮像部56は、端末制御部59の制御のもと、被写体を撮像することによって画像データを生成し、この画像データを端末制御部59へ出力する。撮像部56は、1または複数の光学系と、この光学系が結像した被写体像を撮像することによって画像データを生成するCCDまたはCMOSのイメージセンサを用いて実現される。
【0043】
第3の通信部57は、端末制御部59の制御のもと、ネットワークNWを介してサーバ6と通信を行い、ユーザが入力部54を介して設定した荷物100に関する荷物情報をサーバ6へ出力する。第3の通信部57は、携帯電話回線による通信規格、例えば第4世代移動通信システム(4G(4th Generation Mobile Communication System))および第5世代移動通信システム(5G(5th Generation Mobile Communication System))等を行うことができる通信モジュールを用いて構成される。
【0044】
記憶部58は、通信端末5に関する各種情報および通信端末5が実行する各種のプログラムを記憶する。記憶部58は、DRAM、ROM、Flashメモリ、SSD、メモリカード等を用いて実現される。
【0045】
端末制御部59は、メモリと、CPU等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。端末制御部59は、通信端末5の各部を制御する。
【0046】
〔サーバの機能構成〕
次に、サーバ6の機能構成について説明する。図6は、サーバ6の機能構成を示すブロック図である。図6に示すサーバ6は、通信部61と、入力部62と、表示部63と、記憶部64と、駆動ユニット情報データベース65(以下、「駆動ユニット情報DB65」という)、台車情報データベース66(以下、「台車情報DB66」という)、荷物履歴情報データベース67(以下、「荷物履歴情報DB67」という)、ユーザ情報データベース68(以下、「ユーザ情報DB68」という)と、サーバ制御部69と、を備える。
【0047】
通信部61は、サーバ制御部69の制御のもと、ネットワークNWを介して駆動ユニット2、台車3および通信端末5と通信を行う。通信部61は、通信モジュール等を用いて構成される。
【0048】
入力部62は、キーボード、マウスおよびタッチパネル等を用いて構成される。入力部62は、オペレータによる操作の入力を受け付け、受け付けた操作に応じた操作情報をサーバ制御部69へ出力する。
【0049】
表示部63は、有機ELディスプレイおよび液晶ディスプレイ等を用いて構成される。表示部63は、サーバ制御部69の制御のもと、各種情報を表示する。
【0050】
記憶部64は、サーバ6に関する各種情報を記憶する。また、記憶部64は、サーバ6が実行する各種のプログラムを記憶するプログラム記憶部641を有する。記憶部64は、DRAM、ROM、Flashメモリ、SSD、HDD、メモリカード等を用いて実現される。
【0051】
駆動ユニット情報DB65は、複数の駆動ユニット2の各々の識別情報と、位置情報と、電池情報と、駆動ユニット状態情報と、を対応付けた駆動ユニット情報を記憶する。ここで、駆動ユニット状態情報とは、現在のタスクの有無、例えば、台車3を牽引しているか否かの有無、指定場所へ向けての移動中であるか否かの有無、照明として点灯しているか否かの有無等である。駆動ユニット情報DB65は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0052】
台車情報DB66は、複数の台車3の各々の識別情報と、位置情報と、電池情報と、台車状態情報と、を対応付けた台車情報を記憶する。ここで、台車状態情報とは、本体部30に収容した複数の荷物100の荷物情報、各荷物100の収容場所を示す収容場所情報、本体部30に収容可能な荷物100の空き状況、駆動ユニット2による牽引状態の有無、および現在の使用状態(例えば店舗として使用)等である。台車情報DB66は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0053】
荷物履歴情報DB67は、複数の荷物100の各々の配送状況情報と、荷物100が収容された台車3を識別する識別情報と、台車3の収容場所情報と、台車3内における荷物100の移動履歴に関する移動履歴情報と、荷物100の荷物情報と、を対応付けた荷物履歴情報を記憶する。荷物履歴情報DB67は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0054】
ユーザ情報DB68は、ユーザの氏名情報と、ユーザの連絡先情報と、ユーザが配送を依頼した荷物100の荷物情報と、を対応付けたユーザ情報を記憶する。ユーザ情報DB68は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。
【0055】
サーバ制御部69は、メモリと、CPU、FPGA(Field-Programmable Gate Array)およびGPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。サーバ制御部69は、サーバ6を構成する各部を制御する。
【0056】
〔ソーティング機構の構成〕
次に、台車3が備えるソーティング機構31の詳細について説明する。図7は、ソーティング機構31の要部を示す概略構成図である。
【0057】
図7に示すソーティング機構31は、台車3の本体部30の空間D1内の中央に設けられたフレーム部310と、荷物100を受取可能な受渡口311と、フレーム部310内に設けられ、台車3の本体部30が載地される載地面に対して3軸方向に搬送可能な搬送機構312と、を備える。
【0058】
フレーム部310は、台車3の本体部30における中央に設けられる。フレーム部310は、直方体をなし、搬送機構312が上下に移動可能な空間D2を有する。
【0059】
受渡口311は、フレーム部310の側面に設けられ、荷物100が台車3に対して出し入れされる。受渡口311は、ユーザまたは小型の物流モビリティからの荷物100が受け渡し可能な開口が形成されている。また、受渡口311は、施錠可能なシャッタ311a(図2を参照)を有し、ECU38の制御のもと、シャッタ311aが開閉する。なお、シャッタ311aは、施錠可能であれば、外開き可能な透明なドア等であってもよい。
【0060】
搬送機構312は、第1の搬送部312aと、第2の搬送部312bと、第3の搬送部312cと、を有する。第1の搬送部312aは、受渡口311において受け取った荷物100を本体部30の幅方向に搬送することによって台車3内に荷物100を出し入れする。第2の搬送部312bは、荷物100を台車3の上下方向に搬送する。第3の搬送部312cは、荷物100を台車3の前後方向に移動することによって本体部30の空間D1内に収容されたラック41の所定の位置に搬送する。第1の搬送部312a、第2の搬送部312bおよび第3の搬送部312cは、ベルトコンベア、モータ、ローラおよびプーリ等を用いて構成される。
【0061】
このように構成されたソーティング機構31は、ECU38の制御のもと、受渡口311においてユーザまたは物流モビリティから受け取った荷物100を搬送機構312が3軸方向(幅方向、上下方向および前後方向)に移動させて台車3に収容されたラック41における所定の位置に搬送する。
【0062】
〔ラックの構成〕
次に、ラック41の構成について説明する。図8は、ラック41の概略構成図である。図9は、ラック41の一部を拡大した拡大図である。
【0063】
図8および図9に示すように、ラック41は、互いに異なる大きさの荷物100を鉛直方向に沿って収容可能であり、台車3の空間D1内に収容される。具体的には、ラック41は、ソーティング機構31を挟んで台車3の空間D1内の前後に収容される。ラック41は、第1の直線部411と、コーナ部412と、第2の直線部413と、を有する。第1の直線部411、コーナ部412および第2の直線部413の各々は、取り替え可能であり、例えば延伸材または3Dプリンタ等を用いて形成される。また、第1の直線部411は、ラック41として組み立てられた際にラック41内で荷物100を支持可能であり、かつ、第1の直線部411における位置を変更可能な複数の支持部411aを有する(図9を参照)。また、支持部411aは、ラック41の内側に向けて付勢され、回転可能な突起部411bを有する。
【0064】
このように構成されたラック41は、複数の支持部411aの突起部411bによって荷物100が支持される。さらに、突起部411bは、荷物100を支持したり、荷物100の収容時に第1の直線部411に収容されたりすることで、ソーティング機構31によって荷物100を水平移動させることができる。さらに、支持部411aは、第1の直線部411上における位置を変更することができるため、互いに形状および大きさが異なる荷物100にも対応することができる。この結果、複数の形状の荷物100を無駄なく簡単に、積載効率を高めることができる。
【0065】
〔台車の処理〕
次に、台車3が実行する処理について説明する。図10は、台車3が実行する処理の概要を示すフローチャートである。なお、以下においては、台車3が駆動ユニット2に既に接続されている状態について説明する。
【0066】
図10に示すように、ECU38は、台車3におけるソーティング機構31の受渡口311が荷物100を受け取ったか否かを判断する(ステップS101)。具体的には、ECU38は、取得部32が荷物100に貼付された荷物情報を取得したか否かを判断し、取得部32が荷物100に貼付された荷物情報を取得した場合、台車3におけるソーティング機構31の受渡口311が荷物100を受け取ったと判断する。ECU38が台車3におけるソーティング機構31の受渡口311が荷物100を受け取ったと判断した場合(ステップS101:Yes)、台車3は、後述するステップS102へ移行する。これに対して、ECU38が台車3におけるソーティング機構31の受渡口311が荷物100を受け取っていないと判断した場合(ステップS101:No)、台車3は、本処理を終了する。
【0067】
ステップS102において、ECU38は、取得部32から取得部32によって取得された荷物情報を取得する。この場合、ECU38は、通信部34を介してサーバ6に荷物情報を出力する。
【0068】
その後、ECU38は、センサ群35からの検出結果に基づいて、台車3が移動を開始したか否かを判断する(ステップS103)。ECU38によって台車3が移動を開始したと判断された場合(ステップS103:Yes)、台車3は、後述するステップS104へ移行する。これに対して、ECU38によって台車3が移動を開始していないと判断された場合(ステップS103:No)、台車3は、移動が開始されるまで、この判断を続ける。
【0069】
ステップS104において、ECU38は、取得部32から取得した荷物情報に基づいて、ソーティング機構31を制御することによって、台車3が移動中に、受け付けた荷物100を所定位置に搬送する。具体的には、ECU38は、荷物情報に基づいて、ソーティング機構31を制御することによって、配達先において受け取った荷物100を容易に取り出し可能な位置に搬送する。例えば、ECU38は、ソーティング機構31を制御することによってラック41内への搬送が最小回数となるラック41内の位置へ受け取った荷物100を搬送する。これにより、ユーザまたは小型の物流モビリティからの荷物100の積み込みを受渡口311の一箇所で行うことができるため、荷物100の積み込み時間を短縮化することができる。
【0070】
続いて、ECU38は、受け付けた荷物100の台車3における空間D1内の移動履歴を示す移動履歴情報を、通信部34を介してサーバ6へ出力する(ステップS105)。この場合、ECU38は、荷物100が台車3内で移動する毎に移動履歴情報をサーバ6へ出力する。この場合、ユーザは、通信端末5を介してサーバ6から移動履歴情報を取得することによって、台車3に預けた荷物100の台車3内における現在の収容位置を把握することができる。ステップS105の後、台車3は、本処理を終了する。
【0071】
以上説明した一実施の形態によれば、台車3が駆動ユニット2に牽引されて移動している場合、ソーティング機構31が受け付けた荷物100を台車3の空間D1内の所定位置へ搬送するため、荷物100の積み込み時間を短縮化することができる。
【0072】
また、一実施の形態によれば、ECU38が取得部32によって取得された荷物情報に基づいて、ソーティング機構31を制御して受け付けた荷物100を台車3の空間D1内の所定位置へ搬送するため、荷物100の積み込み時間を短縮化することができる。
【0073】
また、一実施の形態によれば、ECU38がサーバ6からの情報または通信端末5からの情報に基づいて、受渡口311に設けられた扉の開閉を制御するため、セキュリティを高めることができる。
【0074】
また、一実施の形態によれば、ECU38が台車3の空間D1内における受け付けた荷物100の移動履歴を、受取人の通信端末5へ出力するため、受取人が台車3内における荷物100の位置を容易に把握することができる。
【0075】
また、一実施の形態によれば、ラック41が第1の直線部411と、コーナ部412と、第2の直線部413とを用いて構成することによって、一部のパーツが破損した場合であっても、この破損したパーツのみを取り替えることができるため、ラック41の改修を容易に行うことができるうえ、環境負荷を低減することができる。
【0076】
(その他の実施の形態)
また、一実施の形態では、上述してきた「部」を、「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御回路に読み替えることができる。
【0077】
また、一実施の形態に係る配送システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0078】
また、一実施の形態に係る配送システムに実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0079】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0080】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 配送システム
2 駆動ユニット
3 台車
4 配送ユニット
5 通信端末
6 サーバ
30 本体部
31 ソーティング機構
32 取得部
33 接続部
34 通信部
35 センサ群
36 電池
37 記憶部
38 ECU
41 ラック
100 荷物
310 フレーム部
311 受渡口
311a シャッタ
312 搬送機構
312a 第1の搬送部
312b 第2の搬送部
312c 第3の搬送部
371 プログラム記憶部
372 車情報記憶部
411 第1の直線部
411a 支持部
411b 突起部
412 コーナ部
413 第2の直線部
D1,D2 空間
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10