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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186125
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】移動体システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20221208BHJP
   B62D 33/04 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G05D1/02 Y
G05D1/02 H
B62D33/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094198
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 佳洋
(72)【発明者】
【氏名】梅 子洵
(72)【発明者】
【氏名】小林 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】福留 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】浅井 智子
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG09
5H301KK02
(57)【要約】
【課題】サービスを提供可能な移動体システムを提供する。
【解決手段】自律走行機能を有する走行ユニット12と、物を載せるための収容部を有する台車ユニット14を備える移動体システム1を提供する。検出部74は、収容部に載せている物の量を検出する。制御部80は、検出部74により検出された物の量にもとづいて、走行ユニット12の動作を決定する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行機能を有する走行ユニットと、物を載せるための収容部を有する台車ユニットを備える移動体システムであって、
前記収容部に載せている物の量を検出する検出部と、
前記検出部により検出された物の量にもとづいて、前記走行ユニットの動作を決定する制御部と、
を備えることを特徴とする移動体システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記検出部により検出された物の量が所定量を下回ると、前記走行ユニットが目的地に移動する動作を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体システム。
【請求項3】
前記走行ユニットは、前記台車ユニットと連結可能に構成されており、
前記制御部は、前記走行ユニットが前記台車ユニットの位置まで移動して、前記台車ユニットと連結する動作を決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の移動体システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記走行ユニットが、物を載せた別の台車ユニットを前記台車ユニットの位置まで牽引する動作を決定する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の移動体システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記検出部により検出された物の量が所定量を上回ると、前記走行ユニットが目的地に移動する動作を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体システム。
【請求項6】
前記走行ユニットは、前記台車ユニットと連結可能に構成されており、
前記制御部は、前記走行ユニットが前記台車ユニットの位置まで移動して、前記台車ユニットと連結する動作を決定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の移動体システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記走行ユニットが、別の台車ユニットを前記台車ユニットの位置まで牽引する動作を決定する、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の移動体システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行ユニットと台車ユニットを備える移動体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動運転車両を用いて、荷物などの物を搬送するシステムが考案されている。特許文献1は、自律走行を行う車両であって、前輪を有する先頭部と、後輪を有する末尾部と、先頭部と末尾部との間に連結されることで先頭部と末尾部とを一体化させる積載部とを備える車両を開示する。先頭部および末尾部が停止した状態において、積載部は、車両の進行方向と交差する方向に、車両から分離可能に且つ車両と連結可能に構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-131039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたシステムでは、サーバ装置が配車リクエストを外部から受けると、派遣する自律走行車両を決定して、配車リクエストに応じた運行指令を生成する。自律走行機能を有する移動体を備えたシステムは、様々なシーンで有用なサービスを提供できることが期待される。
【0005】
そこで本発明の目的は、新しい移動体システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の移動体システムは、自律走行機能を有する走行ユニットと、物を載せるための収容部を有する台車ユニットを備える移動体システムであって、前記収容部に載せている物の量を検出する検出部と、前記検出部により検出された物の量にもとづいて、前記走行ユニットの動作を決定する制御部と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを読み取り可能に記録した記録媒体、データ構造などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例の移動体システムの概要を示す図である。
図2】実施例の移動体の斜視図を示す図である。
図3】走行ユニットと台車ユニットとが分離した状態を示す図である。
図4】本体部に設けられたドアの例を示す図である。
図5】移動体の構成を説明するための図である。
図6】移動体システムの機能ブロックを示す図である。
図7】台車ユニットの例を示す図である。
図8】サーバ装置における処理のフローチャートを示す図である。
図9】収容部の状態の一例を示す図である。
図10】収容部の状態の別の例を示す図である。
図11】台車ユニットの例を示す図である。
図12】サーバ装置における処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、実施例の移動体システム1の概要を示す。移動体システム1は、走行ユニット12と、物を載せることができる台車ユニット14と、サーバ装置6とを備える。走行ユニット12は自律走行機能を有し、一方、台車ユニット14は自律走行機能を有しない。走行ユニット12および台車ユニット14のそれぞれは無線通信機能を有し、基地局である無線局4経由で、インターネットなどのネットワーク2を介してサーバ装置6に通信可能に接続する。走行ユニット12と台車ユニット14は、ネットワーク2を介して通信できるが、ネットワーク2を介さずに直接通信できてもよい。
【0010】
移動体システム1において、走行ユニット12と台車ユニット14は連結分離可能に構成され、走行ユニット12と台車ユニット14とが連結されることで、移動体10が構成される。なお、自動走行機能を有する走行ユニット12を、単体で移動体と呼んでもよい。
【0011】
走行ユニット12と台車ユニット14とが連結分離可能に構成されることで、走行ユニット12は、台車ユニット14を目的地まで牽引すると、台車ユニット14を切り離して、別のタスクを実行できる。たとえば別のタスクが、別の台車ユニット14を別の目的地まで牽引するタスクである場合、当該走行ユニット12は、当該別の台車ユニット14が配置されている位置まで移動して、当該別の台車ユニット14と連結し、当該別の目的地まで牽引して、当該別の台車ユニット14を切り離す。このように走行ユニット12と台車ユニット14とが連結分離可能に構成されることで、走行ユニット12は、異なる台車ユニット14に関するタスクを次々に実行することが可能となる。
【0012】
切り離された台車ユニット14は、その場所でサービスを提供する。実施例において、台車ユニット14は、たとえば商品を販売する店舗サービスを提供し、またはゴミを収集するゴミ収集サービスを提供する。台車ユニット14が提供する各種サービスについては後述する。台車ユニット14は、サービスの提供が終了すると、走行ユニット12に連結されて、走行ユニット12により特定の場所まで牽引されてよい。移動体システム1において、移動体10を構成する走行ユニット12と台車ユニット14の組み合わせは固定されておらず、走行ユニット12と台車ユニット14の組み合わせは、サーバ装置6により適宜決定されてよい。
【0013】
サーバ装置6は、複数の走行ユニット12および複数の台車ユニット14の位置および状態を管理する。走行ユニット12の状態は、タスクを実行中であるか否かを示す状態を含み、台車ユニット14の状態は、サービスを提供中であるか否かを示す状態を含む。サーバ装置6は、複数の走行ユニット12および複数の台車ユニット14の位置および状態にもとづいて、各走行ユニット12の動作(タスク)を決定する。走行ユニット12は、サーバ装置6から送信される動作指示にもとづいて動作する。
【0014】
図2は、実施例の移動体10の斜視図を示す。移動体10は、走行ユニット12が台車ユニット14に連結することで構成される。台車ユニット14は、物を載せるための収容部8を有する。移動体10の全長は2m(メートル)から3m程度、全幅は0.5mから1.8m程度、全高は1.5mから2.5m程度であってよい。
【0015】
図3は、走行ユニット12と台車ユニット14とが分離した状態を示す。台車ユニット14は、収容部8を形成する本体部40を備える。収容部8は、前輪42および後輪44が設けられる基部40aと、基部40aに対向して設けられる天井部40bと、前壁部40cおよび後壁部40dによって画成され、車幅方向に貫通した空間として構成される。前壁部40cおよび後壁部40dには、互いに対向する複数の突条部40eが形成され、棚板などを取付可能になっている。たとえば複数の突条部40eに棚板を配置し、棚板に商品を載せることで、台車ユニット14を、店舗サービスを提供する移動店舗として機能させることができる。なお台車ユニット14が走行ユニット12から切り離された状態では、台車ユニット14の脚部46が地面に接地して、移動不能とされ、台車ユニット14の位置が固定される。
【0016】
収容部8の両側面には、空間を仕切るための開閉ドアが設けられてもよい。
図4は、本体部40に設けられたドア60の例を示す。ドア60は、ヒンジを天井部40bの両側部に設けた跳ね上げ式ドアであってよい。ドア60を閉じることで、収容部8と外部空間とを仕切ることができるため、たとえば移動中に収容部8に載せた物が、外に落ちることを防止できる。またサービス提供時には、ドア60を開けることで日陰を作ることができる。ドア60は、その全部または一部を透明素材または半透明素材で形成されて、閉めた状態で、外側から内側の様子を確認できるようにしてもよい。
【0017】
図5は、移動体10の構成を説明するための図である。走行ユニット12は、車輪20、本体部22、オブジェクト検出センサ24、連結装置26、処理装置30、通信部32、駆動装置34および電源装置36を有する。台車ユニット14は、本体部40、前輪42、後輪44、脚部46、被連結部48、電源装置50、処理装置52、通信部54および物体センサ56を有する。
【0018】
走行ユニット12において、車輪20は、左右に一対設けられ、本体部22に回転可能に支持される。一対の車輪20には、駆動装置34がそれぞれ設けられる。駆動装置34はモータを含み、処理装置30が生成する駆動指示に応じて、車輪20を回転させる。一対の車輪20が互いに独立に回転することで、一対の車輪20の回転数の差により、走行ユニット12が左右に曲がることができる。なお本体部22には、一対の車輪20に加えて、1つ以上の補助車輪(不図示)が設けられてよい。
【0019】
本体部22は、車体フレームと内部構造を覆うカバーとにより構成される。オブジェクト検出センサ24は本体部22に設けられ、進行方向の物体を検出する。オブジェクト検出センサ24は、カメラ、ミリ波レーダ、赤外線レーザ、音波センサなどであってよく、またはそれらの組合せであってよい。オブジェクト検出センサ24は、本体部22の前部のみならず、本体部22の様々な位置に設けられて、後方または横方向の物体を検出してよい。オブジェクト検出センサ24は、検出結果を処理装置30に供給する。
【0020】
連結装置26は、本体部22の後部に設けられ、台車ユニット14の被連結部48(図3参照)に連結される。処理装置30は、走行ユニット12と台車ユニット14とが接近した状態で、車輪20の駆動を制御して連結装置26と被連結部48とを接続し、ロック機構を作動させることで、連結装置26を被連結部48に連結させる。連結装置26は、被連結部48に連結すると、連結完了を示す信号を処理装置30に送出する。連結装置26と被連結部48とを連結するロック機構は、たとえば鉤状の引っ掛け部を備えて機械的に連結する構造を有してよいが、電磁的に連結する構造を有してもよい。処理装置30は、ロック機構を解除することで、連結装置26と被連結部48とを分離する。
【0021】
電源装置36は、充電可能な電池であり、走行ユニット12に搭載した各構成に電力を供給する。電源装置36は、台車ユニット14の電源装置50と電力の送受が可能であってよい。処理装置30は、電源装置36の残存電力量を監視する。
【0022】
処理装置30は、走行ユニット12の自律走行を制御する。処理装置30は、オブジェクト検出センサ24の検出結果および走行ユニット12の位置情報をもとに、駆動装置34を駆動して、走行ユニット12の自律走行を実現する。通信部32はネットワーク2に接続して、サーバ装置6および/または台車ユニット14と通信する。なお走行ユニット12と台車ユニット14との距離が近い場合、走行ユニット12の通信部32と台車ユニット14の通信部54は、ネットワーク2を介さずに直接通信してよい。
【0023】
台車ユニット14において、一対の前輪42および一対の後輪44が本体部40の基部40aに回転可能に支持される。台車ユニット14は、前輪42および後輪44を駆動する駆動装置を有しない。被連結部48は、本体部40の前部に設けられ、走行ユニット12の連結装置26に連結される。連結装置26と被連結部48とが連結すると、被連結部48は、連結完了を示す信号を処理装置52に送出してよい。
【0024】
一対の脚部46は、本体部40の前部に設けられ、地面に対して進退可能に構成される。脚部46は、地面に対して進行して接地すると、台車ユニット14の移動を制限するストッパとして機能する。そのため台車ユニット14が走行ユニット12から切り離された状態では、脚部46は地面に対して進行して接地し、ストッパとなる。一方、台車ユニット14が走行ユニット12に連結されると、脚部46は後退して、接地していない状態となる。たとえば処理装置52が、被連結部48から連結完了を示す信号を取得すると、脚部46を後退させて、地面から離してよい。
【0025】
電源装置50は、水素、ガソリン、電気などの少なくともいずれかを電力源とし、台車ユニット14に搭載した各構成に電力を供給する。図3には、本体部40前方の3つのスロットに挿入された3つの水素タンクが示されている。処理装置52は、電源装置50の残存電力量を監視する。
【0026】
実施例の台車ユニット14は、収容部8に物を載せて使用される。後述するように、載せる物は、提供するサービスに応じた様々な種類の物であってよいが、物体センサ56は、収容部8に載せている物の量を検出するための情報を取得する。たとえば物体センサ56は、重さセンサであって、収容部8に載せている物の重さを計測してよい。また物体センサ56は、画像センサであって、収容部8に載せている物を撮影した画像を取得してよい。このように物体センサ56は、収容部8に存在する物の量を検出するための情報を取得し、処理装置52に供給する。
【0027】
通信部54はネットワーク2に接続して、サーバ装置6および/または走行ユニット12と通信する。なお走行ユニット12と台車ユニット14との距離が近い場合、台車ユニット14の通信部54と走行ユニット12の通信部32は、ネットワーク2を介さずに直接通信してよい。
【0028】
図6は、移動体システム1の機能ブロックを示す図である。実施例の移動体システム1は、走行ユニット12、台車ユニット14およびサーバ装置6を備える。図6において走行ユニット12および台車ユニット14は、それぞれ1台ずつ示されているが、移動体システム1には、複数の走行ユニット12および複数の台車ユニット14が存在してよい。
【0029】
走行ユニット12において、位置情報取得部28は、衛星測位システムを用いて走行ユニット12の現在位置情報を取得し、取得した現在位置情報を処理装置30に供給する。位置情報取得部28は、GPS(Global Positioning System)受信機であってよい。処理装置30は、走行ユニット12の現在位置情報を、走行ユニット12の識別情報(走行ユニットID)とともに、通信部32からサーバ装置6に送信する。現在位置情報の送信は、周期的に行われることが好ましい。
【0030】
マップ保持部38は、道路位置を示すマップ情報を保持する。処理装置30は、サーバ装置6から送信される動作指示にもとづいて、走行ユニット12における各構成を制御する。動作指示には、少なくとも目的地(行き先)を示す情報が含まれており、処理装置30は、マップ保持部38に保持されたマップ情報と、位置情報取得部28から供給される現在位置情報とを用いて、動作指示に含まれる目的地に向かう走行ルートを導出する。処理装置30は、導出した走行ルートに沿って走行するように、駆動装置34を制御する。なお走行ルートは、サーバ装置6により導出されて、動作指示に含まれていてもよい。目的地までの走行中、処理装置30は、オブジェクト検出センサ24による検出データをもとに、走行ユニット12の周囲に存在するオブジェクトに関する情報を取得する。処理装置30は、周囲のオブジェクトとの衝突を回避するように進行方向および走行速度を決定し、駆動装置34を駆動する。
【0031】
台車ユニット14において、位置情報取得部58は、衛星測位システムを用いて台車ユニット14の現在位置情報を取得し、取得した現在位置情報を処理装置52に供給する。位置情報取得部58は、GPS受信機であってよい。処理装置52は、台車ユニット14の現在位置情報を、台車ユニット14の識別情報(台車ユニットID)とともに、通信部54からサーバ装置6に送信する。現在位置情報の送信は、周期的に行われることが好ましい。
【0032】
サーバ装置6は、通信部70および処理装置72を備え、処理装置72は、検出部74および制御部80を有する。制御部80は、判定部82、動作決定部84、動作指示生成部86およびユニット管理部88を含む。
【0033】
通信部70は、複数の走行ユニット12および複数の台車ユニット14から、現在位置情報を受信する。ユニット管理部88は、複数の走行ユニット12および複数の台車ユニット14から送信される現在位置情報をもとに、複数の走行ユニット12および複数の台車ユニット14の現在位置を管理する。
【0034】
図6において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0035】
(実施例1)
実施例1では、台車ユニット14が店舗サービスを提供する。
図7は、商品を販売する台車ユニット14の例を示す。走行ユニット12は、サーバ装置6から送信される動作指示に含まれる販売位置まで台車ユニット14を牽引し、当該販売位置で台車ユニット14を切り離す。台車ユニット14が走行ユニット12から切り離される前、処理装置52は、脚部46を地面に接地させ、台車ユニット14の動きを制限する。台車ユニット14は、人の集まりやすい場所、たとえばオフィス街の一角に配置されてよい。
【0036】
図7に示す台車ユニット14は、収容部8に設けた商品棚に、商品である花を載せている。図7は、販売開始前の状態を示す。収容部8には、花の鮮度を維持するための温度調整機能が設けられてもよい。本体部40には電子決済端末(図示せず)が設けられ、ユーザは電子決済を行うことで、商品を購入して持ち帰ることができる。この例では、1つの台車ユニット14のみを示しているが、様々な種類の商品を載せた複数の台車ユニット14が、同じ空間に並べて配置されてよい。台車ユニット14に載せられる商品は、花以外に、たとえば衣服、食品、飲料、本などであってもよい。様々な種類の商品を載せた複数の台車ユニット14が同じ空間に配置されることで、一時的なショッピングセンターを構築でき、ユーザは、欲しい物を探して購入することができる。
【0037】
物体センサ56は、収容部8に載せている物(商品)の量を検出するための情報を取得する。図7に示す例で、物体センサ56は、収容部8内を撮影した画像情報を取得する画像センサであるが、商品棚に載せられた物(商品)の重さ情報を取得する重さセンサであってもよい。物体センサ56が取得したセンサ情報は処理装置52に供給され、店舗サービスの提供中、処理装置52は、物体センサ56が取得したセンサ情報を、台車ユニットIDとともに、周期的に通信部54からサーバ装置6に送信する。なお処理装置52が、物の残量が変化したこと、つまり商品棚に載せられた物がユーザにより持ち帰られたことを検出する機能を有していれば、そのタイミングで、物体センサ56が取得したセンサ情報を通信部54からサーバ装置6に送信してもよい。
【0038】
台車ユニット14において、全ての商品がユーザにより購入されると、当該台車ユニット14は、販売位置に存在する意味がない。そのため商品の残量が少なくなると、当該台車ユニット14は、その販売位置から動かされて、代わりに、商品を満載した別の台車ユニット14が、その販売位置に配置されることが好ましい。
【0039】
図8は、サーバ装置6における処理のフローチャートを示す。サーバ装置6において、通信部70は、台車ユニット14において物体センサ56が取得したセンサ情報を受信する(S10)。検出部74は、物体センサ56が取得したセンサ情報から、収容部8に載せている物の量(残量)を検出する(S12)。検出する物の量は、物の数であってもよいし、物の重さであってもよい。
【0040】
物体センサ56が取得したセンサ情報が、収容部8を撮影した画像情報である場合について説明する。検出部74は、画像認識機能を有し、画像情報から、商品の数を検出する。たとえば図7に示す販売開始時の収容部8を撮影した画像情報から、検出部74は、商品の数が28個であることを検出する。
【0041】
判定部82は、検出部74が検出した商品の量が、所定量を下回るか否かを判定する(S14)。ここで閾値となる所定量は、たとえば6個であってよい。販売開始時において、収容部8には28個の商品が載せられており、したがって判定部82は、販売開始時、商品の量が所定量を下回っていないことを判定する(S14のN)。
【0042】
図9は、収容部8の状態の一例を示す。この例では、販売開始後、複数の商品が購入されて、購入された商品が商品棚から取り除かれている。検出部74は、図9に示す収容部8を撮影した画像情報から、残っている商品の数が12個であることを検出する(S12)。このとき判定部82は、商品の量が所定量を下回っていないことを判定する(S14のN)。
【0043】
図10は、収容部8の状態の別の例を示す。この例では、図9に示す状態から、さらに複数の商品が購入されている。検出部74は、図10に示す収容部8を撮影した画像情報から、残っている商品の数が5個であることを検出する(S12)。このとき判定部82は、商品の量が所定量(6個)を下回ったことを判定する(S14のY)。
【0044】
動作決定部84は、商品残量が所定量を下回ると、走行ユニット12の動作を決定する(S16)。ここで動作決定部84は、商品残量が所定量を下回った台車ユニット14を回収する動作を決定する。この回収動作は、走行ユニット12が当該台車ユニット14の位置まで移動して、当該台車ユニット14と連結し、所定の回収場所まで牽引する動作である。牽引先となる所定の回収場所は、たとえば、商品を補充するための場所であってよい。
【0045】
ユニット管理部88は、当該台車ユニット14の周辺に存在する走行ユニット12のうち、動作(タスク)を割り当てられていない走行ユニット12を特定する(S18)。ユニット管理部88は、特定した走行ユニット12の走行ユニットIDと、回収対象である台車ユニット14の現在位置情報とを動作指示生成部86に通知する。動作指示生成部86は、台車ユニット14の位置まで移動して、当該台車ユニット14と連結し、所定の回収場所まで牽引する動作指示を生成する。動作指示生成部86は、回収対象である台車ユニット14の現在位置情報を含む動作指示を、通知された走行ユニットIDの走行ユニット12に、通信部70から送信する(S20)。
【0046】
当該走行ユニットIDをもつ走行ユニット12において、通信部32が動作指示を受信する。処理装置30は、動作指示にもとづいて、マップ保持部38に保持されたマップ情報と、位置情報取得部28から供給される走行ユニット12の現在位置情報とを用いて、動作指示に含まれる目的地(台車ユニット14の現在位置)に向かう走行ルートを導出する。目的地までの走行中、処理装置30は、オブジェクト検出センサ24による検出データにもとづいて、周囲のオブジェクトとの衝突を回避するように走行ルートに沿った進行方向および走行速度を決定して、駆動装置34の駆動を制御する。
【0047】
走行ユニット12が、回収対象である台車ユニット14の位置まで移動すると、処理装置30は、走行ユニット12と台車ユニット14とが接近した状態で、車輪20の駆動を制御して連結装置26と被連結部48とを接続し、ロック機構を作動させることで、連結装置26を被連結部48に連結させる。連結装置26は、被連結部48に連結すると、連結完了を示す信号を処理装置30に送出する。
【0048】
台車ユニット14において、被連結部48が連結装置26に連結されると、被連結部48は、連結完了を示す信号を処理装置52に送出する。処理装置52は、被連結部48から連結完了を示す信号を取得すると、脚部46を後退させて、地面から離す。
【0049】
その後、走行ユニット12の処理装置30は、マップ保持部38に保持されたマップ情報と、位置情報取得部28から供給される走行ユニット12の現在位置情報とを用いて、動作指示に含まれる目的地(台車ユニット14の回収場所)に向かう走行ルートを導出する。処理装置30は、走行ルートに沿って走行するように、駆動装置34の駆動を制御する。走行ユニット12が、台車ユニット14の回収場所まで移動すると、処理装置30は、台車ユニット14に、目的地に到着したことを通知する。台車ユニット14において処理装置52は、この通知を受けて、脚部46を接地させる。
【0050】
その後、処理装置30は、連結装置26と被連結部48とを連結するロック機構を解除する。処理装置30は、サーバ装置6から送信された動作指示にしたがった動作(タスク)を完了すると、タスク完了をサーバ装置6に通知する。サーバ装置6において、ユニット管理部88は、この通知を受けて、当該走行ユニット12を、動作(タスク)を割り当てられていない走行ユニットとして管理する。
【0051】
上記した実施例1では、S16において、動作決定部84が、走行ユニット12が台車ユニット14の位置まで移動して、当該台車ユニット14と連結し、所定の回収場所まで牽引する回収動作を決定した。別の例では、走行ユニット12が、商品を載せた別の台車ユニット14を、回収対象である台車ユニット14の位置まで牽引して、その位置で台車ユニット14を交換する動作を行わせてよい。
【0052】
つまり別の例では、S18において、ユニット管理部88が、回収対象である台車ユニット14の周辺に存在する走行ユニット12のうち、動作(タスク)を割り当てられていない走行ユニット12であって、商品を載せた台車ユニット14に連結している走行ユニット12を特定する。ユニット管理部88は、特定した走行ユニット12の走行ユニットIDと、回収対象である台車ユニット14の現在位置情報とを動作指示生成部86に通知する。S20において、動作指示生成部86は、商品を載せた台車ユニット14を、回収対象である台車ユニット14の位置まで牽引して切り離し、その後、回収対象である台車ユニット14と連結して、所定の回収場所まで牽引する動作指示を生成する。動作指示生成部86は、回収対象である台車ユニット14の現在位置情報を含む動作指示を、通知された走行ユニットIDの走行ユニット12に、通信部70から送信する。
【0053】
当該走行ユニットIDをもつ走行ユニット12において、通信部32が動作指示を受信する。処理装置30は、動作指示にもとづいて、マップ保持部38に保持されたマップ情報と、位置情報取得部28から供給される走行ユニット12の現在位置情報とを用いて、動作指示に含まれる目的地(回収対象である台車ユニット14の現在位置)に向かう走行ルートを導出する。処理装置30は、走行ルートに沿って走行するように、駆動装置34の駆動を制御する。
【0054】
走行ユニット12が、回収対象である台車ユニット14の位置まで移動すると、処理装置30は、商品を載せた台車ユニット14に、目的地に到着したことを通知する。商品を載せた台車ユニット14において処理装置52は、この通知を受けて、脚部46を接地させる。
【0055】
その後、処理装置30は、連結装置26と、商品を載せた台車ユニット14の被連結部48とを連結するロック機構を解除する。それから処理装置30は、走行ユニット12を、回収対象である台車ユニット14に接近させ、連結装置26と被連結部48とを接続し、ロック機構を作動させることで、連結装置26を被連結部48に連結させる。連結装置26は、被連結部48に連結すると、連結完了を示す信号を処理装置30に送出する。
【0056】
回収対象である台車ユニット14において、被連結部48が連結装置26に連結されると、被連結部48は、連結完了を示す信号を処理装置52に送出する。処理装置52は、被連結部48から連結完了を示す信号を取得すると、脚部46を後退させて、地面から離す。
【0057】
その後、走行ユニット12の処理装置30は、マップ保持部38に保持されたマップ情報と、位置情報取得部28から供給される走行ユニット12の現在位置情報とを用いて、動作指示に含まれる目的地(台車ユニット14の回収場所)に向かう走行ルートを導出する。処理装置30は、走行ルートに沿って走行するように、駆動装置34の駆動を制御する。走行ユニット12が、台車ユニット14の回収場所まで移動すると、処理装置30は、台車ユニット14に、目的地に到着したことを通知する。台車ユニット14において処理装置52は、この通知を受けて、脚部46を接地させる。
【0058】
その後、処理装置30は、連結装置26と被連結部48とを連結するロック機構を解除する。処理装置30は、サーバ装置6から送信された動作指示にしたがった動作(タスク)を完了すると、タスク完了をサーバ装置6に通知する。サーバ装置6において、ユニット管理部88は、この通知を受けて、当該走行ユニット12を、動作(タスク)を割り当てられていない走行ユニットとして管理する。
【0059】
S18において、ユニット管理部88が、回収対象である台車ユニット14の周辺に存在する走行ユニット12のうち、動作(タスク)を割り当てられていない走行ユニット12であって、商品を載せた台車ユニット14に連結している走行ユニットを特定できない場合について説明する。このときユニット管理部88は、その旨を動作指示生成部86に通知するとともに、回収対象である台車ユニット14の周辺に存在する走行ユニット12のうち、動作(タスク)を割り当てられていない走行ユニット12の走行ユニットIDを動作指示生成部86に通知する。
【0060】
この通知を受けて動作指示生成部86は、商品を載せた台車ユニット14に連結して、回収対象である台車ユニット14の位置まで牽引して、商品を載せた台車ユニット14を切り離し、その後、回収対象である台車ユニット14と連結して、所定の回収場所まで牽引する動作指示を生成する。動作指示生成部86は、商品を載せた台車ユニット14の現在位置情報と、回収対象である台車ユニット14の現在位置情報とを含む動作指示を、通知された走行ユニットIDの走行ユニット12に、通信部70から送信してよい。
【0061】
実施例1では、サーバ装置6における制御部80が、台車ユニット14における商品残量が所定量を下回ったことを契機として、当該台車ユニット14を回収する動作指示を生成して、走行ユニット12に送信している。別の例では、制御部80が、台車ユニット14における商品残量を監視して、売れ行きが好調であるか否かを判断してもよい。たとえば、同じ商品を載せた複数の台車ユニット14が、異なる場所に配置されているとき、制御部80は、売れ行きの悪い台車ユニット14を、売れ行きの良い台車ユニット14が配置された位置に移動する動作指示を生成して、走行ユニット12に送信してもよい。
【0062】
実施例1では、収容部8に載せる商品が花である場合について説明したが、衣服、帽子、靴、手袋などの商品であってもよい。このとき台車ユニット14の本体部40が、ユーザがAR(Augmented Reality)で試着できるバーチャル試着システムを搭載してもよい。また実施例1では、ユーザが、購入した商品を持ち帰ることを前提とするが、たとえば走行ユニット12が、ユーザが購入した商品を、ユーザの自宅まで運ぶようにしてもよい。
【0063】
また実施例1では、収容部8に載せる物が、販売を目的とする商品である場合について説明したが、販売を目的としない水、食料などの救援物資などであってもよい。なお台車ユニット14は電源装置50を搭載しているため、たとえば災害が発生した地域に台車ユニット14を配置することで、電源装置50の電力が利用されてもよい。
【0064】
また実施例1では、台車ユニット14がオフィス街の一角に配置される例を示したが、たとえば限界集落で生鮮食品を販売するために利用されてもよい。また台車ユニット14は、自動販売機を収容部8に載せて、イベント開催場所に配置されてもよい。
【0065】
(実施例2)
実施例2では、台車ユニット14がゴミ収集サービスを提供する。
図11は、ゴミを収集する台車ユニット14の例を示す。走行ユニット12は、サーバ装置6から送信される動作指示に含まれるゴミ収集位置まで台車ユニット14を牽引し、当該ゴミ収集位置で台車ユニット14を切り離す。台車ユニット14が走行ユニット12から切り離される前、処理装置52は、脚部46を地面に接地させ、台車ユニット14の動きを制限する。台車ユニット14は、ゴミの出やすい場所、たとえば公園の一角に配置されてよい。
【0066】
図11に示す台車ユニット14は、収容部8に、ゴミを投入するための複数のゴミ箱90を載せている。物体センサ56は、ゴミ箱90に投入される物(ゴミ)の量を検出するための情報を取得する。図11に示す例で、物体センサ56は、収容部8に配置されたゴミ箱90内を撮影した画像情報を取得する画像センサであるが、ゴミ箱90に投入された物(ゴミ)の重さ情報を取得する重さセンサであってもよい。物体センサ56が取得したセンサ情報は処理装置52に供給され、ゴミ収集サービスの提供中、処理装置52は、物体センサ56が取得したセンサ情報を、台車ユニットIDとともに、周期的に通信部54からサーバ装置6に送信する。なお処理装置52が、物の量が変化したこと、つまりゴミ箱90にゴミが投入されたことを検出する機能を有していれば、そのタイミングで、物体センサ56が取得したセンサ情報を通信部54からサーバ装置6に送信してもよい。
【0067】
台車ユニット14において、ゴミ箱90がゴミで満杯になると、当該台車ユニット14は、ゴミ収集位置に存在する意味がない。そのためゴミの蓄積量が多くなると、当該台車ユニット14は、そのゴミ収集位置から動かされて、代わりに、空のゴミ箱90を搭載した別の台車ユニット14が、そのゴミ収集位置に配置されることが好ましい。
【0068】
図12は、サーバ装置6における処理のフローチャートを示す。サーバ装置6において、通信部70は、台車ユニット14において物体センサ56が取得したセンサ情報を受信する(S30)。検出部74は、物体センサ56が取得したセンサ情報から、収容部8に載せている物の量(蓄積量)を検出する(S32)。検出する物の量は、物の体積であってもよいし、物の重さであってもよい。
【0069】
物体センサ56が取得したセンサ情報が、収容部8を撮影した画像情報である場合について説明する。検出部74は、画像認識機能を有し、画像情報から、ゴミの量を検出する。ここで検出部74は、画像情報から、ゴミ箱90の空いている容積を検出することで、ゴミ箱90に投入されたゴミの量を検出してもよい。
【0070】
判定部82は、検出部74が検出したゴミの量が、所定量を上回るか否かを判定する((S34)。ここで閾値となる所定量は、たとえばゴミの投入口の高さまで蓄積されたゴミの量であってよい。ゴミが蓄積された高さが、ゴミの投入口の高さ以下である場合、判定部82は、ゴミの蓄積量が所定量を上回っていないことを判定する(S34のN)。
【0071】
一方、ゴミが蓄積された高さが、ゴミの投入口の高さに到達すると、判定部82は、ゴミの蓄積量が所定量を上回ったことを判定する(S34のY)。動作決定部84は、ゴミの蓄積量が所定量を上回ると、走行ユニット12の動作を決定する(S36)。ここで動作決定部84は、ゴミ蓄積量が所定量を上回った台車ユニット14を回収する動作を決定する。この回収動作は、走行ユニット12が当該台車ユニット14の位置まで移動して、当該台車ユニット14と連結し、所定の回収場所まで牽引する動作である。牽引先となる所定の回収場所は、たとえば、ゴミを処理するための施設であってよい。
【0072】
ユニット管理部88は、当該台車ユニット14の周辺に存在する走行ユニット12のうち、動作(タスク)を割り当てられていない走行ユニット12を特定する(S38)。ユニット管理部88は、特定した走行ユニット12の走行ユニットIDと、回収対象である台車ユニット14の現在位置情報とを動作指示生成部86に通知する。動作指示生成部86は、台車ユニット14の位置まで移動して、当該台車ユニット14と連結し、所定の回収場所まで牽引する動作指示を生成する。動作指示生成部86は、回収対象である台車ユニット14の現在位置情報を含む動作指示を、通知された走行ユニットIDの走行ユニット12に、通信部70から送信する(S40)。
【0073】
当該走行ユニットIDをもつ走行ユニット12において、通信部32が動作指示を受信する。処理装置30は、動作指示にもとづいて、マップ保持部38に保持されたマップ情報と、位置情報取得部28から供給される走行ユニット12の現在位置情報とを用いて、動作指示に含まれる目的地(台車ユニット14の現在位置)に向かう走行ルートを導出する。処理装置30は、走行ルートに沿って走行するように、駆動装置34の駆動を制御する。
【0074】
走行ユニット12が、回収対象である台車ユニット14の位置まで移動すると、処理装置30は、走行ユニット12と台車ユニット14とが接近した状態で、車輪20の駆動を制御して連結装置26と被連結部48とを接続し、ロック機構を作動させることで、連結装置26を被連結部48に連結させる。連結装置26は、被連結部48に連結すると、連結完了を示す信号を処理装置30に送出する。
【0075】
台車ユニット14において、被連結部48が連結装置26に連結されると、被連結部48は、連結完了を示す信号を処理装置52に送出する。処理装置52は、被連結部48から連結完了を示す信号を取得すると、脚部46を後退させて、地面から離す。
【0076】
その後、走行ユニット12の処理装置30は、マップ保持部38に保持されたマップ情報と、位置情報取得部28から供給される走行ユニット12の現在位置情報とを用いて、動作指示に含まれる目的地(台車ユニット14の回収場所)に向かう走行ルートを導出する。処理装置30は、走行ルートに沿って走行するように、駆動装置34の駆動を制御する。走行ユニット12が、台車ユニット14の回収場所まで移動すると、処理装置30は、台車ユニット14に、目的地に到着したことを通知する。台車ユニット14において処理装置52は、この通知を受けて、脚部46を接地させる。
【0077】
その後、処理装置30は、連結装置26と被連結部48とを連結するロック機構を解除する。処理装置30は、サーバ装置6から送信された動作指示にしたがった動作(タスク)を完了すると、タスク完了をサーバ装置6に通知する。サーバ装置6において、ユニット管理部88は、この通知を受けて、当該走行ユニット12を、動作(タスク)を割り当てられていない走行ユニットとして管理する。
【0078】
上記した実施例2では、S36において、動作決定部84が、走行ユニット12が台車ユニット14の位置まで移動して、当該台車ユニット14と連結し、所定の回収場所まで牽引する回収動作を決定した。別の例では、走行ユニット12が、空のゴミ箱90を載せた別の台車ユニット14を、回収対象である台車ユニット14の位置まで牽引して、その位置で台車ユニット14を交換する動作を行わせてよい。
【0079】
つまり別の例では、S38において、ユニット管理部88が、回収対象である台車ユニット14の周辺に存在する走行ユニット12のうち、動作(タスク)を割り当てられていない走行ユニット12であって、空のゴミ箱90を載せた台車ユニット14に連結している走行ユニットを特定する。ユニット管理部88は、特定した走行ユニット12の走行ユニットIDと、回収対象である台車ユニット14の現在位置情報とを動作指示生成部86に通知する。S40において、動作指示生成部86は、空のゴミ箱90を載せた台車ユニット14を、回収対象である台車ユニット14の位置まで牽引して切り離し、その後、回収対象である台車ユニット14と連結して、所定の回収場所まで牽引する動作指示を生成する。動作指示生成部86は、回収対象である台車ユニット14の現在位置情報を含む動作指示を、通知された走行ユニットIDの走行ユニット12に、通信部70から送信する。
【0080】
当該走行ユニットIDをもつ走行ユニット12において、通信部32が動作指示を受信する。処理装置30は、動作指示にもとづいて、マップ保持部38に保持されたマップ情報と、位置情報取得部28から供給される走行ユニット12の現在位置情報とを用いて、動作指示に含まれる目的地(回収対象である台車ユニット14の現在位置)に向かう走行ルートを導出する。処理装置30は、走行ルートに沿って走行するように、駆動装置34の駆動を制御する。
【0081】
走行ユニット12が、回収対象である台車ユニット14の位置まで移動すると、処理装置30は、空のゴミ箱90を載せた台車ユニット14に、目的地に到着したことを通知する。空のゴミ箱90を載せた台車ユニット14において処理装置52は、この通知を受けて、脚部46を接地させる。
【0082】
その後、処理装置30は、連結装置26と、空のゴミ箱90を載せた台車ユニット14の被連結部48とを連結するロック機構を解除する。それから処理装置30は、走行ユニット12を、回収対象である台車ユニット14に接近させ、連結装置26と被連結部48とを接続し、ロック機構を作動させることで、連結装置26を被連結部48に連結させる。連結装置26は、被連結部48に連結すると、連結完了を示す信号を処理装置30に送出する。
【0083】
回収対象である台車ユニット14において、被連結部48が連結装置26に連結されると、被連結部48は、連結完了を示す信号を処理装置52に送出する。処理装置52は、被連結部48から連結完了を示す信号を取得すると、脚部46を後退させて、地面から離す。
【0084】
その後、走行ユニット12の処理装置30は、マップ保持部38に保持されたマップ情報と、位置情報取得部28から供給される走行ユニット12の現在位置情報とを用いて、動作指示に含まれる目的地(台車ユニット14の回収場所)に向かう走行ルートを導出する。処理装置30は、走行ルートに沿って走行するように、駆動装置34の駆動を制御する。走行ユニット12が、台車ユニット14の回収場所まで移動すると、処理装置30は、台車ユニット14に、目的地に到着したことを通知する。台車ユニット14において処理装置52は、この通知を受けて、脚部46を接地させる。
【0085】
その後、処理装置30は、連結装置26と被連結部48とを連結するロック機構を解除する。処理装置30は、サーバ装置6から送信された動作指示にしたがった動作(タスク)を完了すると、タスク完了をサーバ装置6に通知する。サーバ装置6において、ユニット管理部88は、この通知を受けて、当該走行ユニット12を、動作(タスク)を割り当てられていない走行ユニットとして管理する。
【0086】
S38において、ユニット管理部88が、回収対象である台車ユニット14の周辺に存在する走行ユニット12のうち、動作(タスク)を割り当てられていない走行ユニット12であって、空のゴミ箱90を載せた台車ユニット14に連結している走行ユニットを特定できない場合について説明する。このときユニット管理部88は、その旨を動作指示生成部86に通知するとともに、回収対象である台車ユニット14の周辺に存在する走行ユニット12のうち、動作(タスク)を割り当てられていない走行ユニット12の走行ユニットIDを動作指示生成部86に通知する。
【0087】
この通知を受けて動作指示生成部86は、空のゴミ箱90を載せた台車ユニット14に連結して、回収対象である台車ユニット14の位置まで牽引して、空のゴミ箱90を載せた台車ユニット14を切り離し、その後、回収対象である台車ユニット14と連結して、所定の回収場所まで牽引する動作指示を生成する。動作指示生成部86は、空のゴミ箱90を載せた台車ユニット14の現在位置情報と、回収対象である台車ユニット14の現在位置情報とを含む動作指示を、通知された走行ユニットIDの走行ユニット12に、通信部70から送信してよい。
【0088】
実施例2では、収容部8に載せる物がゴミである場合について説明したが、載せる物は、リサイクル対象となる家電製品であってもよい。また実施例2では、台車ユニット14が公園の一角に配置される例を示したが、イベント開催場所に配置されてもよい。
【0089】
以上、本発明をいくつかの実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。実施例では、走行ユニット12と台車ユニット14とが連結分離可能に構成されていることを前提としたが、走行ユニット12と台車ユニット14とは分離不能に構成されていてもよい。
【0090】
実施例では、サーバ装置6が、処理装置72を備えているが、変形例では、サーバ装置6における処理装置72の機能を、走行ユニット12が備えてもよい。
【0091】
実施例1では、台車ユニット14が店舗サービスを提供したが、たとえば台車ユニット14がプロジェクタを搭載して、プロジェクションマッピングサービスを提供してもよい。また台車ユニット14が3Dプリンタを搭載して、3Dプリンタのレンタルサービスを提供してもよい。また台車ユニット14が市役所機能を搭載して、過疎地域に住んでいるユーザに、市役所サービスを提供してもよい。また台車ユニット14を、引っ越しサービスに利用してもよい。
【符号の説明】
【0092】
1・・・移動体システム、6・・・サーバ装置、8・・・収容部、10・・・移動体、12・・・走行ユニット、14・・・台車ユニット、26・・・連結装置、30・・・処理装置、34・・・駆動装置、46・・・脚部、48・・・被連結部、52・・・処理装置、56・・・物体センサ、72・・・処理装置、74・・・検出部、80・・・制御部、82・・・判定部、84・・・動作決定部、86・・・動作指示生成部、88・・・ユニット管理部。
図1
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図3
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図5
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図12