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特開2022-186145情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186145
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/07 20060101AFI20221208BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20221208BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G06F11/07 157
G06Q10/08
G06F11/07 140Q
G06F13/00 351N
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094225
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石橋 和哉
(72)【発明者】
【氏名】横山 裕助
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 友治
(72)【発明者】
【氏名】阿部 哲也
【テーマコード(参考)】
5B042
5B089
5L049
【Fターム(参考)】
5B042GB07
5B042JJ20
5B042JJ29
5B042MA08
5B042MA14
5B042MC35
5B042MC40
5B089JA35
5B089JB16
5B089JB17
5B089KA12
5B089MC06
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】複数の設備で構成されるシステムに異常が発生した場合でも、早期に異常を検知可能な情報処理システム、情報処理装置、方法を提供する。
【解決手段】処理対象に対する第1処理を実行する第1設備と、第1処理が実行された後の処理対象に第2処理を実行する第2設備と、を含む複数の設備を管理する情報処理装置は、第2処理にかかる処理時間上限を示す処理管理情報を保持し、第1処理の実行状況を示す第1処理情報と、第2処理の実行状況を示す第2処理情報と、を取得し、第1処理情報及び第2処理情報と、処理管理情報が示す処理時間上限と、に基づいて、第1処理が完了した後かつ第2処理が完了する前に異常が発生したかを判定する、情報処理装置。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象に対する第1処理を実行する第1設備と、前記第1処理が実行された後の処理対象に第2処理を実行する第2設備と、を含む複数の設備を管理する情報処理装置であって、
プロセッサとメモリとを有し、
前記メモリは、前記第2処理にかかる処理時間上限を示す処理管理情報を保持し、
前記プロセッサは、
前記第1処理の実行状況を示す第1処理情報と、前記第2処理の実行状況を示す第2処理情報と、を取得し、
前記第1処理情報及び前記第2処理情報と、前記処理管理情報が示す処理時間上限と、に基づいて、前記第1処理が完了した後かつ前記第2処理が完了する前に異常が発生したかを判定する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第2処理情報は、前記第2処理が開始した時刻、及び前記第2処理が完了したかを示し、
前記プロセッサは、
前記第2処理が開始した時刻と、第2前記処理管理情報が示す処理時間上限と、に基づいて、前記第2処理の完了予定時刻を算出し、
前記処理管理情報を参照して、前記第2処理の完了予定時刻が到来したときに、前記第2処理が完了したかに基づいて、前記第1処理が完了した後かつ前記第2処理が完了する前に異常が発生したかを判定する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記複数の設備は、前記第1処理が実行された処理対象に第3処理を実行する第3設備を含み、
前記第2設備は、前記第3処理が実行された処理対象に前記第2処理を実行し、
前記メモリは、
前記処理管理情報は、前記第3処理にかかる処理時間上限を示し、
前記第1処理情報は、前記第1処理の完了時刻を示し、
前記処理管理情報は、前記第2処理が完了したかを示し、
前記プロセッサは、
前記処理管理情報を参照して、前記第1処理の完了時刻に、前記処理管理情報が示す前記第2処理にかかる処理上限時間と前記第3処理にかかる処理上限時間とを加えた時刻に、前記第2処理が完了したかに基づいて、前記第1処理が完了した後かつ前記第2処理が完了する前に異常が発生したかを判定する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記複数の設備は、前記第1処理が実行された処理対象に第3処理を実行する第3設備を含み、
前記第2設備は、前記第3処理が実行された処理対象に前記第2処理を実行し、
前記メモリは、
前記処理管理情報は、前記第3処理にかかる処理時間上限を示し、
前記第1処理情報は、前記第1処理の完了時刻を示し、
前記処理管理情報は、前記第2処理が開始したかを示し、
前記プロセッサは、
前記処理管理情報を参照して、前記第1処理の完了時刻に、前記処理管理情報が示す前記第3処理にかかる処理上限時間を加えた時刻に、前記第2処理が開始したかに基づいて、前記第1処理が完了した後かつ前記第2処理が完了する前に異常が発生したかを判定する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第1設備は、複数の前記処理対象に対して前記第1処理を実行し、
前記第2設備は、前記複数の処理対象に対して前記第2処理を実行し、
前記処理管理情報は、前記複数の処理対象それぞれに対して、前記第2処理にかかる処理時間上限を示し、
前記第2処理情報は、前記複数の処理対象それぞれに対して前記第2処理が開始した時刻及び前記第2処理が完了したかを示し、
前記プロセッサは、
前記複数の処理対象に含まれる第1処理対象に対する前記第2処理が開始した時刻と、前記処理管理情報が示す前記第1処理対象の処理時間上限と、に基づいて、前記第1処理対象に対する前記第2処理の完了予定時刻を算出し、
前記処理管理情報を参照して、前記第1処理対象に対する前記第2処理の完了予定時刻が到来したときに、前記第1処理対象に対する前記第2処理が完了したかに基づいて、前記第1処理が完了した後かつ前記第1処理対象に対する前記第2処理が完了する前に異常が発生したかを判定する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記第1処理情報は、前記複数の処理対象に対して前記第1処理が実行された順序を示し、
前記第2処理情報は、前記複数の処理対象に対して前記第2処理が実行された順序を示し、
前記プロセッサは、前記第1処理情報が示す前記複数の処理対象に対して前記第1処理が実行された順序と、前記第1処理情報が示す前記複数の処理対象に対して前記第1処理が実行された順序と、を比較して、前記第1処理が完了した後かつ前記第2処理が完了する前に異常が発生したかを判定する、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第1設備は、複数の前記処理対象に対して前記第1処理を実行し、
前記第2設備は、前記複数の処理対象に対して前記第2処理を実行し、
前記処理管理情報は、前記複数の処理対象それぞれに対して前記第2処理にかかる処理時間上限を示し、
前記複数の設備は、前記第1処理が実行された前記複数の処理対象それぞれに第3処理を実行する第3設備を含み、
前記第2設備は、前記第3処理が実行された前記複数の処理対象それぞれに前記第2処理を実行し、
前記メモリは、
前記処理管理情報は、
前記複数の処理それぞれに対して前記第2処理にかかる処理時間上限と、前記第3処理にかかる処理時間上限と、を示し、
前記第1処理情報は、前記複数の処理対象それぞれに対する前記第1処理の完了時刻を示し、
前記処理管理情報は、前記第2処理が完了したかを示し、
前記プロセッサは、
前記処理管理情報を参照して、前記複数の処理に含まれる第1処理対象に対する前記第1処理の完了時刻に、前記処理管理情報が示す前記第1処理対象に対する前記第2処理にかかる処理上限時間と、前記処理管理情報が示す前記第3処理にかかる処理上限時間と、を加えた時刻に、前記第1処理対象に対する前記第2処理が完了したかに基づいて、前記第1処理が完了した後かつ前記第1処理対象に対する前記第2処理が完了する前に異常が発生したかを判定する、情報処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
表示装置に接続され、
前記プロセッサは、
前記第1処理が完了した後かつ前記第2処理が完了する前に異常が発生したと判定した場合、
前記第1処理が完了した後かつ前記第2処理が完了する前に異常が発生したことを示す情報と、前記第1処理情報が示す前記第1処理の実行状況を示す情報と、前記第2処理情報が示す前記第2処理の実行状況を示す情報と、を前記表示装置に表示する、情報処理装置。
【請求項9】
処理対象に対する第1処理を実行する第1設備と、前記第1処理が実行された後の処理対象に第2処理を実行する第2設備と、を含む複数の設備と、
前記複数の設備を管理する情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記第2処理にかかる処理時間上限を示す処理管理情報を保持し、
前記第1処理の実行状況を示す第1処理情報と、前記第2処理の実行状況を示す第2処理情報と、を取得し、
前記第1処理情報及び前記第2処理情報と、前記処理管理情報が示す処理時間上限と、に基づいて、前記第1処理が完了した後かつ前記第2処理が完了する前に異常が発生したかを判定する、情報処理システム。
【請求項10】
処理対象に対する第1処理を実行する第1設備と、前記第1処理が実行された後の処理対象に第2処理を実行する第2設備と、を含む複数の設備を管理する情報処理装置による情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、プロセッサとメモリとを有し、
前記メモリは、前記第2処理にかかる処理時間上限を示す処理管理情報を保持し、
前記情報処理方法は、
前記プロセッサが、前記第1処理の実行状況を示す第1処理情報と、前記第2処理の実行状況を示す第2処理情報と、を取得し、
前記プロセッサが、前記第1処理情報及び前記第2処理情報と、前記処理管理情報が示す処理時間上限と、に基づいて、前記第1処理が完了した後かつ前記第2処理が完了する前に異常が発生したかを判定する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のゾーンコンベアを直列的に並べることでコンベア装置を形成し、1又は複数のゾーンコンベアの組ごとに、それらを所轄するゾーンコントローラと、被搬送物の有無を検知する在荷センサとを配する技術がある。在荷センサを光電センサとし、ゾーンコントローラに自己が所轄するゾーンで発生した異常を検知する異常検知機能を設ける。例えば、特許文献1に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-199359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の電子商取引(Electronic Commerce)の需要拡大などを背景に、物流センタ(物流倉庫)におけるオペレーションの自動化や省力化を実現する物流センタの高度化のニーズが高まっている。
【0005】
物流センタのさらなる高度化のためには、物流センタ内のマテリアルハンドリング(マテハン)設備で構成されるシステム全体を統合的に制御することが求められる。ここで、物流センタごとにマテハン設備の構成を含むシステム仕様が異なり、またマテハン設備ごとに、動作や応答(動作状況や動作完了の報告を含む)の仕様が異なる。このように多様な仕様をもつ複数のマテハン設備においても、異常が発生した場合には、リアルタイムに異常を特定し、異常発生箇所を特定可能とすることで、設備管理業務を効率化できる。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、例えば物流センタ等において、複数の設備で構成されるシステムに異常が発生した場合でも、早期に異常を検知可能な情報処理システム、情報処理装置、方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の一態様は以下の構成を採用する。処理対象に対する第1処理を実行する第1設備と、前記第1処理が実行された後の処理対象に第2処理を実行する第2設備と、を含む複数の設備を管理する情報処理装置であって、プロセッサとメモリとを有し、前記メモリは、前記第2処理にかかる処理時間上限を示す処理管理情報を保持し、前記プロセッサは、前記第1処理の実行状況を示す第1処理情報と、前記第2処理の実行状況を示す第2処理情報と、を取得し、前記第1処理情報及び前記第2処理情報と、前記処理管理情報が示す処理時間上限と、に基づいて、前記第1処理が完了した後かつ前記第2処理が完了する前に異常が発生したかを判定する、情報処理装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、例えば物流センタ等において、複数の設備で構成されるシステムに異常が発生した場合でも、早期に異常を検知できる。
【0009】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】実施例1における物流システムの構成例を示すブロック図である。
図1B】実施例1における情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図1C】実施例1における計算機の構成例を示すブロック図である。
図1D】実施例1における第1搬送装置の構成例を示すブロック図である。
図1E】実施例1におけるロボットの構成例を示すブロック図である。
図1F】実施例1における第2搬送装置の構成例を示すブロック図である。
図1G】実施例1における検品装置の構成例を示すブロック図である。
図2】実施例1における物流システムのレイアウトの一例を示す説明図である。
図3】実施例1における地図情報の一例である。
図4】実施例1における設備情報の一例である。
図5A】実施例1における処理管理情報の一例である。
図5B】実施例1における処理管理情報の一例である。
図6A】実施例1における設備から送信される通信データ形式の一例である。
図6B】実施例1における設備から送信される通信データ形式の一例である。
図7】実施例1における処理対象情報の一例である。
図8】実施例1における異常検知処理の一例を示すフローチャートである。
図9】実施例1における処理ログ情報の一例である。
図10】実施例1における処理ログ情報の別例である。
図11】実施例1における処理ログ情報の別例である。
図12】実施例1における処理ログ情報の別例である。
図13】実施例1における処理ログ情報の別例である。
図14】実施例1における処理ログ情報の別例である。
図15A】実施例1における異常検知画面の一例である。
図15B】実施例1における異常検知画面の一例である。
図16】実施例1におけるログ情報表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。実施例は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0012】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0013】
各種情報の例として、「テーブル」、「リスト」、「キュー」等の表現にて説明することがあるが、各種情報はこれら以外のデータ構造で表現されてもよい。例えば、「XXテーブル」、「XXリスト」、「XXキュー」等の各種情報は、「XX情報」としてもよい。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0014】
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0015】
実施例において、プログラムを実行して行う処理について説明する場合がある。ここで、計算機は、プロセッサ(例えばCPU(Control Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit))によりプログラムを実行し、記憶資源(例えばメモリ)やインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら、プログラムで定められた処理を行う。そのため、プログラムを実行して行う処理の主体を、プロセッサとしてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路を含んでいてもよい。ここで、専用回路とは、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等である。
【0016】
プログラムは、プログラムソースから計算機にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な不揮発性の記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、実施例において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【実施例0017】
図1Aは、物流システムの構成例を示すブロック図である。物流システムは、例えば、情報処理装置100、計算機200、第1搬送装置300、ロボット400、第2搬送装置500、及び検品装置600を含む。計算機200、ロボット400、第2搬送装置500、及び検品装置600は、それぞれ情報処理装置100にインターネット等のネットワークで接続され、第1搬送装置300は計算機200にネットワークで接続される(ロボット400、第2搬送装置500、及び検品装置600も計算機200に接続されていてもよい)。
【0018】
なお、物流システムの構成は、物流システムが行う処理の目的に応じて、適宜変更可能である。また、例えば、物流システムにおいて、第1搬送装置300が複数あってもよい等、一部の設備が追加または削除された構成であってもよい。また、ある第1搬送装置300-1の充電が必要となる場合に、第1搬送装置300-1と同様の処理が可能な別の搬送装置(新しい第1搬送装置300-2)が処理を途中で代替するようなシステムであってもよい。また、物流分野以外(例えば製造分野)にも適用可能であり、本実施例で説明する物流システムは、情報処理システムまたは計算機システムと呼ばれてもよい。同様に、本実施例で説明する物流システムで実施される方法について、情報処理方法と呼ばれてもよい
【0019】
情報処理装置100、計算機200、第1搬送装置300、ロボット400、第2搬送装置500、及び検品装置600の間の通信には、有線、及び無線を問わず一般的な公衆回線網、例えば、「多数同時接続」、「超低遅延」を可能とした第5世代移動通信システム、いわゆる5G(5th Generation)を用いることができる。
【0020】
情報処理装置100は、計算機200、第1搬送装置300、ロボット400、第2搬送装置500、及び検品装置600を管理し、第1搬送装置300、ロボット400、第2搬送装置500、及び検品装置600等の設備に異常が発生したかを検知する。計算機200は、第1搬送装置300を制御する。
【0021】
なお、情報処理装置100と計算機200とが一体化していてもよい。また、情報処理装置100及び計算機200に接続される設備(搬送装置やロボット等の物流装置を設備とも呼ぶ)の種類及び数は任意であってもよい。また、本実施形態では、情報処理装置100が物流設備の異常を検知する例を説明するが、異常検知の対象は物流設備に限らず任意の装置であってもよい。
【0022】
第1搬送装置300は、アイテムが搭載されたパレットを搬送する。ロボット400は、パレットに搭載されたアイテムをピックしてプレースする。第2搬送装置500は、アイテムを搬送する。検品装置600は、アイテムを検品する。本実施例において、パレットはアイテムを搭載するものとして説明されているが、アイテムを収納する容器(例えば棚、収納容器等)であってもよい。また、アイテムは、商品または部品であってもよく、物品と呼ばれてもよい。
【0023】
図1Bは、情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、例えば、演算装置101、メモリ102、補助記憶装置103、入力装置104、出力装置105、及び通信インタフェース106を有する計算機によって構成される。
【0024】
演算装置101は、プロセッサを含み、補助記憶装置103に格納されメモリ102にロードされたプログラムを実行する。メモリ102は、不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)及び揮発性の記憶素子であるRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS(Basic Input/Output System))などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、演算装置101が実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。
【0025】
補助記憶装置103は、例えば、磁気記憶装置(HDD(Hard Disk Drive))、フラッシュメモリ(SSD(Solid State Drive))等の大容量かつ不揮発性の記憶装置であり、演算装置101が実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを格納する。すなわち、プログラムは、補助記憶装置103から読み出されて、メモリ102にロードされて、演算装置101によって実行される。
【0026】
入力装置104は、キーボードやマウスなどの、オペレータからの入力を受け付けるための装置である。出力装置105は、ディスプレイ装置やプリンタなどの、プログラムの実行結果をオペレータが視認可能な形式で出力する装置である。
【0027】
通信インタフェース106は、所定のプロトコルに従って、他の装置との通信を制御するネットワークインタフェース装置である。また、通信インタフェース106は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルインターフェースを含む。
【0028】
演算装置101が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介して情報処理装置100に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置103に格納される。このため、情報処理装置100は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインタフェースを有するとよい。これは物流システムに含まれる他の装置についても同様である。
【0029】
情報処理装置100は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、同一の計算機上で別個のスレッドで動作してもよく、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。これは物流システムに含まれる他の装置についても同様である。
【0030】
補助記憶装置103は、例えば、統合制御プログラム111、データ変換プログラム112、及びデータ入出力プログラム113を保持する。統合制御プログラム111は、情報処理装置100に接続された設備から受信した通信データに基づいて、各設備の異常を検知したり、異常の検知結果を示す画面を出力装置105に表示したり、異常が発生した場合の障害対応を指示したりする。データ変換プログラム112は、情報処理装置100に接続された設備から受信した通信データを翻訳(変換)し、通信データの形式を統一する。データ入出力プログラム113は、情報処理装置100に接続された設備とのデータの入出力を実行する。
【0031】
例えば、演算装置101は、メモリ102にロードされた統合制御プログラム111に従って動作することで、統合制御部として機能し、メモリ102にロードされたデータ変換プログラム112に従って動作することで、データ変換部として機能する。補助記憶装置103に含まれる他のプログラムについても、プログラムと機能部の関係は同様である。また、物流システムに含まれる他の装置が有する補助記憶装置に含まれる後述するプログラムについても、プログラムと機能部の関係は同様である。
【0032】
なお、本実施例では、プログラムの実行主体は、プロセッサ、(それぞれプロセッサ又は専用回路を含む)処理装置、演算装置101、制御装置、演算処理装置、及び制御部のいずれであってもよいし、プログラム及びプログラムに用いられるデータは、メモリ102、補助記憶装置103、メモリ102及び補助記憶装置103を含む記憶装置、メモリ102又は補助記憶装置103の記憶領域の一部である記憶部のいずれであってもよい。
【0033】
補助記憶装置103は、例えば、地図情報121、レイアウト情報122、設備情報123、処理管理情報124、処理ログ情報125、処理対象情報126、及び通信データ形式管理情報127を保持する。
【0034】
地図情報121は、各設備が配置されている位置を示す。レイアウト情報122は、各設備の間で実行される処理の順序を示す。設備情報123は、各設備を識別するID、各設備が配置される位置、各設備の状態(例えば、待機、移動中、充電中、又は故障等)、各設備が有するハードウェアやソフトウェアの情報等の詳細情報を示す。
【0035】
処理管理情報124は、処理を実行する設備、処理の具体的な内容、及び処理にかかる時間の上限等の処理に関する詳細情報を示す。処理ログ情報125は、統合制御プログラム111が、各設備から受信した通信データに基づいて生成した処理の実行状況や異常検知結果を含むログを示す。処理対象情報126は、処理対象に関する情報である。通信データ形式管理情報127は、各設備が送信する通信データの通信形式を示す情報を保持する。なお、各設備が送信する通信データの形式が共通化されていれば、補助記憶装置103は、通信データ形式管理情報127を保持しなくてもよい。
【0036】
図1Cは、計算機200の構成例を示すブロック図である。計算機200は、例えば、演算装置201、メモリ202、補助記憶装置203、入力装置204、出力装置205、及び通信インタフェース206を有する計算機によって構成される。演算装置201、メモリ202、補助記憶装置203、入力装置204、出力装置205、及び通信インタフェース206のハードウェアとしての説明は、それぞれ、情報処理装置100は、例えば、演算装置101、メモリ102、補助記憶装置103、入力装置104、出力装置105、及び通信インタフェース106のハードウェアとしての説明と同様であるため説明を省略する。
【0037】
補助記憶装置203は、制御プログラム211及びデータ入出力プログラム212を保持する。制御プログラム211は、第1搬送装置300を制御する。データ入出力プログラム212は、計算機200に接続された装置とのデータ入出力を実行する。
【0038】
補助記憶装置203は、経路情報221、設備情報222、及び地図情報223を保持する。経路情報221は、第1搬送装置300が移動可能な経路を示す。また、経路情報221は、計算機200が第1搬送装置300により指示する移動経路であってもよく、第1搬送装置300は当該指示された経路情報221にしたがって移動してもよい。設備情報222は、各設備を識別するID、各設備が配置される位置、各設備の状態(例えば、待機、移動中、充電中、又は故障等)、各設備が有するハードウェアやソフトウェアの情報等の詳細情報を示す。地図情報223は、各設備が配置されている位置を示す。
【0039】
図1Dは、第1搬送装置300の構成例を示すブロック図である。第1搬送装置300は、例えば、制御装置301、補助記憶装置303、通信インタフェース306、センサ307、及び駆動装置308を含む。例えば、第1搬送装置300は、計算機200により指定された位置まで、搬送対象(例えばパレット)を自動搬送できる無人搬送ロボット(無人搬送車)であってもよい。
【0040】
制御装置301は、例えば、プロセッサとメモリとを含み、第1搬送装置300の動作履歴を管理したり、駆動装置308を制御したりする。制御装置301のメモリは、例えば、自己位置推定プログラム311、通信プログラム312、計測プログラム313、及び走行制御プログラム314を保持する。
【0041】
自己位置推定プログラム311は、例えば床面に付されたマークの情報に基づいて、第1搬送装置300の位置を推定する。通信プログラム312は第1搬送装置300に接続された装置との通信を実行する。計測プログラム313は、第1搬送装置300の位置、動作、及び周囲環境等に関する情報を、センサ307を用いて計測する。走行制御プログラム314は、第1搬送装置300の走行を制御する。
【0042】
補助記憶装置303及び通信インタフェース306のハードウェアとしての説明は、それぞれ、補助記憶装置103及び通信インタフェース106のハードウェアとしての説明と同様であるため、説明を省略する。
【0043】
補助記憶装置303は、例えば、経路情報321、設備情報322、地図情報323、走行実績情報324、及び計測情報325を保持する。経路情報321は、第1搬送装置300が移動可能な経路を示す。経路情報321は、計算機200により第1搬送装置300が指示された移動経路であってもよく、第1搬送装置300は当該経路情報321にしたがって移動してもよい。設備情報322は、第1搬送装置300を識別するID、第1搬送装置300が配置される位置、第1搬送装置300の状態(例えば、待機、移動中、充電中、又は故障等)、第1搬送装置300が有するハードウェアやソフトウェアの情報等の詳細情報を示す。
【0044】
地図情報323は、各設備が配置されている位置を示す。走行実績情報324は、自己位置推定プログラム311が推定した位置の遷移に基づいて生成された第1搬送装置300の走行実績を示す。計測情報325は、計測プログラム313が計測した値を示す。
【0045】
センサ307は、例えば、第1搬送装置300が搭載するパレットを識別するためのセンサや、第1搬送装置300がパレットを搭載しているかや、パレットの重量を検出するための重量センサや、第1搬送装置300の移動経路にある障害物を検知する等のために周囲環境を計測するセンサや、第1搬送装置300が移動した距離及び方向を検出するために駆動輪332に設けられたセンサや、床面に設置された自己位置特定用のマークを検出するカメラなどの自己位置特定用センサや、第1搬送装置300に搭載されたパレットの幅又は高さが所定の幅又は高さを超えていることを検出するためのセンサ等を含んでいてもよい。駆動装置308は、第1搬送装置300を駆動させる機構や部品を含む。駆動装置308は、台車331、駆動輪332、補助輪333を含む。
【0046】
図1Eは、ロボット400の構成例を示すブロック図である。ロボット400は、例えば、制御装置401、補助記憶装置403、通信インタフェース406、センサ407、及び駆動装置408を含む。制御装置401は、補助記憶装置403、通信インタフェース406、センサ407、及び駆動装置408のハードウェアとしての説明は、それぞれ、制御装置301、補助記憶装置303、通信インタフェース306、センサ307、及び駆動装置308のハードウェアとしての説明と同様であるため説明を省略する。センサ407は、ロボット400の姿勢を検出するセンサや、処理対象のアイテムを検出する等の周囲環境を検出するセンサや、床面に設置された自己位置特定用のマークを検出するカメラなどの自己位置特定用センサを含んでいてもよい。駆動装置408は、ロボット400を駆動させる機構や部品を含んでいる。例えば、ロボット400は、処理対象のアイテムをピックアンドプレースする処理を行うためにロボットハンド、ロボットアーム(マニピュレータ)を備えており、駆動装置408は、それらを駆動させる機構を含んでいてもよい。
【0047】
図1Fは、第2搬送装置500の構成例を示すブロック図である。第2搬送装置500は、例えば、制御装置501、補助記憶装置503、通信インタフェース506、センサ507、及び駆動装置508を含む。制御装置501、補助記憶装置503、通信インタフェース506、センサ507、及び駆動装置508のハードウェアとしての説明は、それぞれ、制御装置301、補助記憶装置303、通信インタフェース306、センサ307、及び駆動装置308のハードウェアとしての説明と同様であるため説明を省略する。例えば、第2搬送装置500は、搬送対象(例えばアイテム)を搬送可能なコンベアであってもよく、駆動装置はコンベアを駆動させる機構を含んでいてもよい。
【0048】
図1Gは、検品装置600の構成例を示すブロック図である。検品装置600は、例えば、制御装置601、補助記憶装置603、通信インタフェース606、センサ607、及び駆動装置608を含む。制御装置601、補助記憶装置603、通信インタフェース606、センサ607、及び駆動装置608のハードウェアとしての説明は、それぞれ、制御装置301、補助記憶装置303、通信インタフェース306、センサ307、及び駆動装置308のハードウェアとしての説明と同様であるため説明を省略する。センサ307は、例えば第2搬送装置500で搬送されたアイテムの通過を検知するセンサや、アイテムの状態(正常または異常)を検知するセンサや、アイテムの種類または個体を識別するセンサであってもよい。
【0049】
図2は、物流システムのレイアウトの一例を示す説明図である。A地点にある架台にパレットAが配置され、計算機200の制御により第1搬送装置300(車両)がA地点でパレットAを搭載して、処理IDが#1の処理が実行される。処理IDが#1の処理は、A地点に配置された第1搬送装置300がB地点へと移動することでパレットAをA地点からB地点へと搬送する処理である。例えば、第1搬送装置300は、A地点で架台の下に入り、A地点の架台上にあるパレットAを持ち上げてB地点まで搬送し、B地点でパレットを下げることより、B地点にある架台にパレットAを配置する。
【0050】
B地点周辺にはロボット400が配置されており、処理IDが#1の処理が終了すると(パレットAがB地点へと搬送されると)、処理IDが#2の処理が実行される。処理IDが#2の処理は、B地点に配置されたロボット400がパレットAに搭載されたアイテム(例えば箱)をそれぞれピックし、C地点に配置された第2搬送装置500(コンベア)へとプレースする処理である。
【0051】
処理IDが#2の処理が終了すると、処理IDが#3の処理が実行される。処理IDが#3の処理は、C地点に配置された第2搬送装置500が各アイテムをD地点まで搬送する処理である。D地点には、検品装置600が配置されている。処理IDが#3の処理が終了すると、処理IDが#4の処理が実行される。処理IDが#4の処理は、D地点に配置された検品装置600が、アイテムを検品する処理である。そして、その後の処理へと進む。
【0052】
情報処理装置100の統合制御プログラム111は、例えば、第1搬送装置300の処理状況と、ロボット400の処理状況と、を照合する。具体的には、例えば、統合制御プログラム111は、第1搬送装置300が搭載したパレットに含まれるアイテムと、ロボットがピックしてプレースしているアイテムと、が同じであるか、または処理されたアイテムの数量等を照合してもよい。また、統合制御プログラム111は、例えば、ロボット400の処理状況と、検品装置600の処理状況と、を照合する。具体的には、例えば、統合制御プログラム111は、ロボット400がピックしてプレースしたアイテムと、検品装置600が検品したアイテムと、が同じであるか、または処理されたアイテムの数量等を照合する。
【0053】
処理IDが#2の処理において、ロボット400は、各アイテムを識別可能であってもよい。この場合、処理IDが#4の処理(または#4以降の処理)において、情報処理装置100の統合制御プログラム111は、検品装置600にアイテムが到着した順序の整合性(つまりロボット400がピックしてプレースした順でアイテムが到着したか)を確認してもよい。つまり、例えば、検品装置600に当該特定の順序でアイテムが到着しなかった場合には、情報処理装置100の統合制御プログラム111は、ロボット400、第2搬送装置500、及び検品装置600の少なくとも1つの処理に異常が発生したと判定する。なお、ロボット400は特定の順序でアイテムをピックしてプレースしてもよい。なお、上記した例では、情報処理装置100は、検品装置600にアイテムが到達した順序の整合性を確認しているが、検品装置600がアイテムを処理した順序の整合性を確認してもよい。
【0054】
また、処理IDが#2の処理において、ロボット400が各アイテムを個別に識別せずに、各アイテムの種類を識別し、また各アイテムの個数を確認してもよい。また、処理IDが#2の処理において、ロボット400が各アイテムを個別に識別せずに、アイテムの個数を確認してもよい。他の設備も同様であってもよい。
【0055】
また、例えば、各アイテムそれぞれに固有の識別子が電子タグ(ICタグ)等に記録され、当該電子タグがアイテムに付与されていてもよい。そして、各設備で各アイテムを処理する際に当該電子タグから当該アイテムの識別子をリーダーで読み取り、情報処理装置100に通信データを送信する。例えば、通信データに含まれる処理内容及び進捗情報を示す情報に、読み取ったアイテムの識別子(処理対象のアイテムの識別子)と、当該処理を開始したことまたは完了したこと、並びに当該処理の開始時刻または完了時刻を含めてもよい。情報処理装置100の統合制御プログラム111は、各設備からの通信データから、各設備が処理したアイテムの順序を特定し、設備間で順序の整合性があるかを確認してもよい。このとき、情報処理装置100の統合制御プログラム111は、設備間で順序の整合性がない場合、異常が発生したと判定してもよい。なお、電子タグは一例であって、バーコードまたは画像解析等の他の方法によって、各アイテムが識別されてもよい。
【0056】
例えば、処理IDが#4以降の処理において、情報処理装置100の統合制御プログラム111は、検品装置600にアイテムが到着した(又は検品装置600がアイテムを処理した)順序の整合性を確認しなくてもよい。つまり、例えば、検品装置600にどのような順序でアイテムが到着しても(又は検品装置600がどのような順序でアイテムを処理しても)、情報処理装置100の統合制御プログラム111は、アイテムの個数が正しい場合またはアイテムの種類と個数が正しい場合、異常を検知しなくてもよい。
【0057】
なお、レイアウト情報122は、図2に示すレイアウトの情報を保持する。具体的には、例えば、レイアウト情報122は、各設備及びパレットが配置されている地点の座標、第1搬送装置300のような移動可能な設備の位置、搬送領域及び可動範囲、並びにロボット400のように可動式の部材を有する設備の可動式の部材の位置及び可動範囲等の情報、処理の流れや内容を示す情報、システム全体構成の情報等を有していてもよい。
【0058】
図3は、地図情報121の一例である。地図情報121は、地図上の各座標に配置されている装置を示す情報を保持する。各設備が例えば定期的に位置情報を(計算機200のみに接続されている設備は計算機200を介して)情報処理装置100に送信し、データ入出力プログラム113が当該位置情報に従って、地図情報121を更新する。但し、移動しない設備については予め位置が定められており、位置情報の送信は不要であってもよい。地図情報223及び地図情報323は、地図情報121と同様の構造を有する。但し、地図情報323は、第1搬送装置300の位置情報及び移動しない設備の位置情報のみを有していてもよい。
【0059】
図4は、設備情報123の一例である。設備情報123は、例えば、レコード番号欄1231、設備名欄1232、設備ID欄1233、位置欄1234、電源欄1235、状態欄1236、動作状況欄1237、及び通信データ形式欄1238を含む。
【0060】
レコード番号欄1231は、設備情報123のレコードを識別する番号を保持する。設備名欄1212は、設備の名称を示す情報を保持する。設備ID欄1233は、各設備を識別するID(識別情報)を保持する。
【0061】
位置欄1234は、各設備が配置されている位置を示す情報を保持する。位置欄1234が示す各設備の位置は、地図情報121が示す各設備の位置と同じである。第1搬送装置300のように移動可能な設備は、移動に応じて位置欄1234の値が変化する。例えば、第1搬送装置300は、自身に備えられたセンサ307(カメラ)を用いて、設備が配置される各エリアの床面の所定の位置に付与されている情報(例えばマーク)を読み取る。当該情報には、当該エリアの位置を示す情報が含まれており、第1搬送装置300は当該情報から自己の位置を特定可能である。なお、自己位置の特定方法は、他の手段によるものであってもよい。
【0062】
電源欄1235は、各設備の電源に関する情報を保持する。例えば、第1搬送装置300はバッテリによって動作するため、電源欄1235はバッテリ残量に関する情報を保持する。例えば、第1搬送装置300のバッテリが所定の残量以下となったときに、第1搬送装置300は、(計算機200の指示又は第1搬送装置300の判断で)充電ステーションへバッテリを充電しに行ってもよい。但し、充電ステーションの空き状況(予約状況)、搬送スケジュール、各搬送装置のバッテリ残量などに基づいて、各搬送装置のバッテリ充電に関するスケジュールが決められてもよい。また、ロボット400のように電源に接続して動作する設備については、電源欄1235は電源への接続状態を保持する。
【0063】
状態欄1236は、各設備の状態(正常又は異常)を示す情報を保持する。動作状況欄1237は、各設備の動作状態を示す情報を保持する。例えば、第1搬送装置300の場合、動作状況欄1237には、「待機」、「移動中」、「充電中」、又は「故障」等の状態を示す情報を保持する。
【0064】
情報処理装置100が、例えば、ある搬送処理を実行する搬送装置を決める際、搬送効率などを考慮して、搬送装置が選択される。このとき、例えば、情報処理装置100は、状態欄1236の値が「待機」である搬送装置から優先的に次の搬送タスクを割り当ててもよい。ただし、情報処理装置100は、状態欄1236の値が「移動中」である搬送装置であっても、現在実行中の処理が完了して、他の搬送装置と比較して早く、次の搬送タスクを処理できると判定した場合には、「移動中」の搬送装置を選択する可能性がある。
【0065】
通信データ形式欄1238は、各設備の通信データ形式を示す情報を保持する。例えば、標準化(デジュール標準、フォーラム標準、又はデファクト標準)によってデータ形式やデータが示す意味(単位や定義)が統一されていたり、特定のメーカーの設備のみが利用されたりする場合は、通信データ形式欄1238の値は、全て同じである。しかし、設備によって、データ形式が同じでない場合は、情報処理装置100がデータを解釈するため、又はそのデータを活用するために、通信データ形式欄1238によってデータ形式を特定することができる。
【0066】
例えば、情報処理装置100が各設備のセンサ情報等を定期的に受信して、当該センサ情報に基づいて設備情報を更新する。但し、レコードID、設備名、設備ID及び通信データ形式については、例えば、情報処理装置100のユーザからの入力等によって予め定められている。設備情報222及び設備情報322は、設備情報123と同様の構造を有する。設備情報222及び設備情報322は、計算機200が制御対象の設備のみの情報を保持してもよいし、計算機200に接続された設備のみの情報を保持してもよいし、物流システムに含まれる一部又は全部の設備の情報を保持してもよい。設備情報222が計算機200による制御対象の設備以外の情報も含む場合、計算機200が制御対象の設備を特定するため、計算機200が制御する対象の設備か否かを示す情報を保持してもよい。また、設備情報322は、自身の設備(第1搬送装置300)の情報のみの情報を保持してもよい。
【0067】
図5A及び図5Bは、処理管理情報124の一例である。図5Aは、処理管理情報124のうち処理グループIDが#Aの処理グループに含まれる処理に関するレコードの一例であり、図5Bは、処理管理情報124のうち処理グループIDが#Bの処理グループに含まれる処理に関するレコードの一例である。図面スペースの都合上、処理管理情報124を図5A図5Bに分割して記載しているものである。
【0068】
処理管理情報124の情報は、後述する確認欄12412の値を除いて情報処理装置100のユーザ等によって予め定められている。処理管理情報124は、情報処理装置100のユーザからの入力等によって予め定められている。処理管理情報124は、例えば、処理グループID欄1241、処理ID欄1242、設備欄1243、処理欄1244、処理対象(前)欄1245、処理対象(後)欄1246、個数欄1247、処理単位変更欄1248、処理時間目安欄1249、処理時間上限欄12410、計算基準時刻欄12411、及び確認欄12412を含む。
【0069】
処理グループID欄1241は、1以上の処理からなる処理グループを識別するIDを保持する。処理グループは、例えば、1以上の連続した処理であり、ある処理において異常が検知された場合、当該処理グループに属する当該処理以降の処理が停止されたり、当該処理グループで異常発生したことを管理者または管理端末(例えば出力装置205)に通知したり、当該処理グループに対して異常に関する分析(例えば異常箇所や異常発生原因の特定または推測)や異常に対する対策(代替設備による処理の引継ぎ等の障害処理)が行われてもよい。また、当該処理グループに属する処理(又は当該処理グループに属する当該処理以降の処理)が全て異常である判定されてもよい。情報処理装置100の補助記憶装置103に、上述したような異常が検知された場合の処理について、異常の種類や異常発生箇所により行われる処理を定めた管理情報(不図示)が格納されており、情報処理装置100の統合制御プログラム111は、異常検知したときに当該管理情報にしたがい所定の処理を行ってもよい。処理ID欄1242は、各処理を識別するIDを保持する。設備欄1243は設備を示す情報を保持する。処理欄1244は、当該処理IDに対応する処理を示す情報を保持する。
【0070】
処理対象(前)欄1245は、当該処理IDに対応する処理が行われる直前の処理対象を示す情報を保持する。処理対象(後)欄1246は、当該処理IDに対応する処理が行われた直後の処理対象を示す情報を保持する。
【0071】
例えば、処理IDが#1の処理では、第1搬送装置300がパレットAを(パレットAに搭載されたアイテムをピックすることなくパレットAのまま)A地点からB地点へと搬送するため、処理対象(前)及び処理対象(後)はいずれもパレットAである。一方、処理IDが#2の処理では、ロボット400がパレットAに対してアイテム1、アイテム2、及びアイテム3をそれぞれピックしてプレースするため、処理対象(前)はパレットAであり、処理対象(後)はアイテム1、アイテム2、及びアイテム3である。
【0072】
個数欄1247は、処理対象(後)の数を示す情報を保持する。処理単位変更欄1248は、処理対象(前)と処理対象(後)とで処理対象の個数の変更があるかを示す情報を保持する。処理時間目安欄1249は、当該処理にかかる時間の目安を示す情報を保持する。
【0073】
処理時間上限欄12410は、当該処理にかかる時間の上限を示す情報を保持する。例えば、処理IDが#2の処理では「1アイテムあたり30秒(合計90秒)」が処理時間上限であるが、これはいずれかのアイテムの処理時間が30秒を超えた場合、又は全てのアイテムの合計処理時間が90秒を超えた場合に異常が検知されてもよいし、いずれの場合にも異常が検知されてもよい。処理時間上限欄12410は、時間ではなく絶対時刻で示されていてもよい。なお、アイテムごとに処理時間上限が異なってもよい。また、1アイテムあたりの処理時間上限が設定されている場合、1アイテムあたりの処理時間上限を処理対象のアイテムの個数分足し合わせた時間を、当該処理におけるアイテムの合計処理時間として設定してもよい。
【0074】
計算基準時刻欄12411は、処理時間を計算するための基準時刻を示す情報を保持する。例えば、処理IDが#2の処理の処理時間は、#2の処理の開始時刻から処理時間の計測を開始する。また、例えば、処理IDが#4の処理のように、直前の処理(処理IDが#3の処理)が異常検知対象ではない場合には、統合制御プログラム111は、計算基準時刻から、処理IDが#3の処理の処理時間上限と、処理IDが#4の処理の処理時間上限と、を加えた時刻に基づいて、処理IDが#3の処理及び処理IDが#4の処理の少なくとも一方において異常が発生しているかを判定する。
【0075】
確認欄12412は、当該処理において異常を検知するか否かを示す情報を保持する。確認欄12412に「〇」が格納されている処理は異常検知の対象である。例えば、異常を検知するための機構を有しない設備(例えば、各処理の開始または完了の応答をしない設備、各処理の処理開始時刻、処理完了時刻の計測が実行されない設備、当該設備での処理時間が計測の対象にもならない設備であってもよい)の確認欄12412の値はnull値となる。なお、各処理および各設備の全てまたは一部に対して、異常を検知する対象としてもよい。
【0076】
図6A及び図6Bは設備から送信される通信データ形式の一例である。図6AはF00Aという通信データ形式を、図6BはF00Bという通信データ形式を示す。これらの通信データ形式を示す情報は、通信データ形式管理情報127に格納されている。
【0077】
F00Aは、通信データ形式1271、送信元の設備ID1272、宛先1273、処理内容及び進捗情報1274、処理個数1275、及び時刻1276を含む。通信データ形式1271は、通信データ形式を示す。設備ID1272は、当該通信データの送信元の設備IDを示す。宛先1273は、当該通信データの宛先を示す。処理内容及び進捗情報1274は、例えば、設備が実行した処理の内容及び進捗、具体的には処理を開始したこと及び完了したこと、並びに処理の開始時刻及び完了時刻を示す。処理個数1275は、処理済みの処理対象の個数を示す。時刻1276は、当該通信データの送信時刻を示す。
【0078】
F00Bは、通信データ形式12711、送信元の設備ID12712、宛先12713、時刻12714、処理内容及び進捗情報12715、及び処理個数12716を含む。通信データ形式12711、送信元の設備ID12712、宛先12713、時刻12714、処理内容及び進捗情報12715、及び処理個数12716は、それぞれ、通信データ形式1271、送信元の設備ID1272、宛先1273、時刻1276、処理内容及び進捗情報1274、及び処理個数1275と同様である。
【0079】
其々の通信データ形式により、通信データにおける情報の順番だけでなく、情報の内容も変わる可能性がある。例えば、処理完了を示す情報(処理完了応答)が、通信データ形式により変わる可能性もある。そのため、通信データ形式管理情報127は、通信データ形式ごとに、統合制御プログラム111が解釈可能なデータ形式に変換するための対応関係を保持してもよい。例えば、ある通信データ形式(F00A)で、通信データ形式管理情報1274が「001」が「処理開始」を示し、「002」が「処理完了」を示すといった対応関係を保持しつつ、別の通信データ形式(F00B)で、通信データ形式管理情報12715が「010」が「処理開始」を示し、「015」が「処理完了」を示すといった対応関係を保持してもよい。通信データ形式管理情報127は、この例に限らず、様々な通信データ形式を、統合制御プログラム111が解釈可能なデータに変換するために必要な情報を保持する。
【0080】
図7は、処理対象情報126の一例である。処理対象情報126は、例えば、情報処理装置100のユーザ等によって予め定められている。処理対象情報126は、例えば、処理対象番号欄1261、パレット欄1262、アイテム欄1263、個数欄1264、処理グループID欄1265、及び作業日時欄1266を含む。
【0081】
処理対象番号欄1261は、処理対象を識別する番号を保持する。パレット欄1262は、処理対象がパレットを含む場合のパレットを示す情報を保持する。アイテム欄1263は、処理対象がアイテムを含む場合のアイテムを示す情報を保持する。
【0082】
個数欄1264は、処理対象となるアイテムの個数を示す。処理グループID欄1265は、当該処理対象が処理される処理が属する処理グループIDを保持する。作業日時欄1266は、作業日時を示す情報であり、当該処理対象が処理される納期、又は当該処理対象を購入する顧客の要望処理日時(例えば、ある商品については早く出荷したい事情等があるときに要望される)等により決められてもよい。作業日時欄1266の値は、情報処理装置100のユーザによって設定されてもよいし、情報処理装置100と連携する外部の装置から受信してもよい。作業日時の早い順に、処理の順番が決められてもよい。
【0083】
処理対象情報126の処理対象番号が「1」の場合、すなわちパレット欄1262の値が「パレットA」、アイテム欄1263の値が「アイテム1、アイテム2、アイテム3」、及び個数欄1264の値が「3」、処理グループID欄1265の値が「#A」である場合、これらの情報を基に、図5Aの処理管理情報124の例に示すように、処理グループID欄1241が「#A」であるID#1~#4の情報において、処理対象(前)欄1245、処理対象(後)欄1246、及び個数欄1247の値が入力または更新される。
【0084】
同様に、処理対象情報126の処理対象番号が「2」の場合、すなわちパレット欄1262の値が「パレットB」、アイテム欄1263の値が「アイテム4、アイテム5」、及び個数欄1264の値が「2」、処理グループID欄1265の値が「#A」である場合、これらの情報を基に、処理管理情報124において、処理グループID欄1241が「#A」であるID#1~#4の情報において、処理対象(前)欄1245、処理対象(後)欄1246、及び個数欄1247の値が入力または更新される。例えば、処理管理情報124の処理ID「#2」の処理対象(後)欄1246、また処理ID「#3」及び「#4」の処理対象(前)欄1245及び処理対象(後)欄1246は、処理対象情報126の処理対象番号が「2」のアイテム欄1263の値にあわせて「アイテム4、アイテム5」と入力または更新される。その他、処理管理情報124において、アイテムの個数等により変わる値(例えば、処理時間目安欄1249における合計値や、処理時間上限欄12410における合計値)は更新されるが、処理対象となるパレットやアイテム、アイテムの個数が変わっても、処理管理情報124において変わらない内容は変更されない。
【0085】
また、同様に、処理対象番号が「3」の場合、すなわちアイテム欄1263の値が「アイテム6、アイテム7、アイテム8」、及び個数欄1264の値が「3」、処理グループID欄1265の値が「#B」である場合、これらの情報を基に、図5Bの処理管理情報124において、処理グループID欄1241が「#B」であるID#10~#12の情報において、処理対象(前)欄1245、処理対象(後)欄1246、及び個数欄1247の値が入力または更新される。例えば、処理管理情報124の処理ID「#10」の処理対象(前)欄1245及び処理対象(後)欄1246、また処理ID「#11」の処理対象(前)欄1245は、処理対象情報126の処理対象番号が「3」のアイテム欄1263の値にあわせて「アイテム6、アイテム7、アイテム8」と入力または更新される。その他、処理管理情報124において、アイテムの個数等により変わる値(例えば、処理時間目安欄1249における合計値や、処理時間上限欄12410における合計値)は更新されるが、処理対象となるアイテム、アイテムの個数が変わっても、処理管理情報124において変わらない内容は変更されない。
【0086】
このように、統合制御プログラム111が、処理する統合処理対象番号ごとに処理管理情報124を自動で更新することができる。なお、統合制御プログラム111は、処理管理情報124の更新をする代わりに、統合処理対象番号ごとに処理管理情報124を作成してもよい。
【0087】
図8は、異常検知処理の一例を示すフローチャートである。この異常検知処理は定期的に実行されてもよいし、例えば情報処理装置100のユーザの指示に従って不定期で実行されてもよい。データ入出力プログラム113は、各設備から(直接又は計算機200を介して)処理の実行状況を示す情報(通信データ)を取得する(S801)。例えば、処理が開始したことを示す情報、処理が終了したことを示す情報、処理したパレット又はアイテムの個数を示す情報、設備がアイテムを識別可能な場合にはどのアイテムを処理したかを示す情報等はいずれも、処理の実行状況を示す情報の一例である。なお、データ変換プログラム112は、通信データ形式管理情報127を参照して、取得した通信データを情報処理装置100で利用可能な形式に変換する。各設備から取得した処理の実行状況を示す情報(情報処理装置100で利用可能な形式であるデータ)は、処理ログ情報125に記録される。
【0088】
統合制御プログラム111は、取得した各処理の実行状況を示す情報と処理管理情報124とを参照して、各処理の処理開始時刻及び処理完了時刻と、各処理にかかる上限時間と、から、当該処理及び後に続く処理が開始するはずの時刻(開始予定時刻)及び完了しているはずの時刻(完了予定時刻)を算出する(S802)。
【0089】
統合制御プログラム111は、ステップS801で取得した各処理の実行状況と、現在時刻(例えば情報処理装置100が現在時刻を保持している)又は通信データが示す時刻と、を参照して、各処理がステップS802で算出した開始予定時刻までに開始しているか、及び各処理がステップS802で算出した完了予定時刻までに完了しているか、を判定する(S803)。
【0090】
統合制御プログラム111は各処理がステップS802で算出した開始予定時刻までに開始している、及び各処理がステップS802で算出した完了予定時刻までに完了している、と判定した場合(S803:YES)、正常な状態、つまり処理が正常に実行されていると判定して、処理ログ情報125を更新して(S804)、異常検知処理を終了する。
【0091】
統合制御プログラム111は各処理がステップS802で算出した開始予定時刻までに開始していない、及び/又は各処理がステップS802で算出した完了予定時刻までに完了していない、と判定した場合(S803:NO)、異常が発生したと判定し、異常発生箇所を特定して、所定の障害処理(例えば後述する異常検知通知画面を出力装置105に表示する、及び異常に関連する設備に対する障害処理等)を行い、処理ログ情報を更新して(S805)、異常検知処理を終了する。
【0092】
図9は、処理ログ情報125の一例である。図9の処理ログ情報125は、各処理IDの処理を開始または完了したときに、設備から通信データが送信される例を示す。また、図9の処理ログ情報125は、ステップS803において全ての処理が正常に完了したと判定された例を示す。
【0093】
処理ログ情報125は、例えば、処理ID欄1251、設備欄1252、処理開始時刻欄1253、処理完了時刻欄1254、進捗状況欄1255、及びチェック結果欄1256を含む。処理ID欄1251は、処理IDを保持する。統合制御プログラム111は、通信データに含まれる送信元の設備ID、並びに通信データに含まれる処理内容及び進捗情報が示す処理対象を、処理管理情報124の設備欄1243、処理対象(前)欄1245、及び処理対象(後)欄1246と、を比較することで、当該通信データの送信元の設備が実行している処理の処理IDを特定し、特定した処理IDを処理ID欄1251に格納する。なお、統合制御プログラム111は、通信データに含まれる送信元の設備IDを、処理管理情報124の設備欄1243と比較することで、当該通信データの送信元の設備が実行している処理の処理IDを特定し、特定した処理IDを処理ID欄1251に格納してもよい。設備欄1252は、設備を示す情報を保持する。統合制御プログラム111は、通信データに含まれる送信元の設備IDを、設備欄1252に格納する。
【0094】
処理開始時刻欄1253は当該処理IDの処理が開始した時刻を示す情報を保持する。統合制御プログラム111は、通信データに含まれる処理内容及び進捗情報が示す処理の開始時刻を、処理開始時刻欄1253に格納する。処理完了時刻欄1254は当該処理IDの処理が完了した時刻を示す情報を保持する。統合制御プログラム111は、通信データに含まれる処理内容及び進捗情報が示す処理の完了時刻を、処理完了時刻欄1254に格納する。
【0095】
進捗状況欄1255は、処理の進捗状況(処理が完了したか否か)を示す情報を保持する。統合制御プログラム111は、通信データに含まれる処理内容及び進捗情報が示す処理の開始状況及び完了状況に従って、進捗状況欄1255の値を決定する。チェック結果欄1256は、処理が正常に実行されたか、異常が発生したかを示す情報を保持する。図9の例では、チェック結果欄1276に異常が発生したことを示す値がない。
【0096】
図9の例では、処理IDが#1の処理が2020/09/01 15:00:00に開始して(処理IDが#1の処理の計算基準時刻)、2020/09/01 15:01:40に完了しているため計算基準時刻からの処理時間は100秒である。当該処理が完了しているため、統合制御プログラム111は、進捗状況欄1255に「完了」を格納する。
【0097】
そして、図5Aの処理管理情報124によれば、処理IDが#1の処理の処理時間上限は120秒であり、上記処理時間(100秒)は120秒を超えないため、統合制御プログラム111は、チェック結果欄1256に「正常(異常なし)」を格納する。なお、例えば、処理IDが#1の処理のように最初に実行される処理については、所定時刻になっても処理が開始しない場合には、統合制御プログラム111は、処理時間上限に関わらず、異常が発生したと判定してもよい。
【0098】
また、処理IDが#2の処理が2020/09/01 15:02:00に開始して(処理IDが#2の処理の計算基準時刻)、2020/09/1 15:03:00に完了しているため計算基準時刻からの処理時間は60秒である。当該処理が完了しているため、統合制御プログラム111は、進捗状況欄1255に「完了」を格納する。
【0099】
そして、図5Aの処理管理情報124によれば、処理IDが#2の処理の処理時間上限は90秒であり(図9の例では、各アイテムに対する処理が完了するたびに通信データが送信されるのではなく、処理ID単位の処理が完了すると通信データが送信されるため、1アイテムあたりの処理時間上限はチェックされない)、上記処理時間(60秒)は90秒を超えないため、統合制御プログラム111は、チェック結果欄1256に「正常(異常なし)」を格納する。
【0100】
処理IDが#3の処理については、図5Aの処理管理情報124の確認欄12412の値がnull値であるため、異常検知の対象とはならず、処理開始時刻欄1253、処理完了時刻欄1254、進捗状況欄1255、及びチェック結果欄1256の値はnull値のままである。
【0101】
また、処理IDが#4の処理開始時刻は、2020/09/01 15:02:30に開始している。処理IDが#2の処理において一部のアイテムに対する処理が完了すれば残りのアイテムに対する処理が完了していなくても、処理IDが#4における当該一部のアイテムに対する処理を開始可能であるため、処理IDが#2の処理完了時刻よりも処理IDが#4の処理開始時刻が早くなっている。
【0102】
また、処理IDが#4の処理は、2020/09/01 15:03:11に完了しているため、統合制御プログラム111は、進捗状況欄1255に「完了」を格納する。
【0103】
そして、図5Aの処理管理情報124によれば、処理IDが#4の処理の直前に実行され異常検知対象でない処理IDが#3の処理の処理上限時間は15秒であり、処理IDが#4の処理の処理時間上限は9秒であり(図9の例では、各アイテムに対する処理が完了するたびに通信データが送信されるのではなく、処理ID単位の処理が完了すると通信データが送信されるため、1アイテムあたりの処理時間上限はチェックされない)、計算基準時刻である処理IDが#2の処理の処理完了時刻である2020/09/1 15:03:00に、処理IDが#3の処理と処理IDが#4の処理との処理上限時間の合計である24秒を加えた、2020/09/1 15:03:24よりも前に処理IDが#4の処理が終了しているため、統合制御プログラム111は、正常な状態と判定し、チェック結果欄1256に「正常(異常なし)」を格納する。
【0104】
また、例えば、統合制御プログラム111は、処理対象情報126を参照して、各処理が属する処理グループIDに対応する作業日時欄1266が示す日時までに、当該処理が終了していないと判定した場合には、異常が発生したと検知してもよい。
【0105】
図10は、処理ログ情報125の別例である。図10の処理ログ情報125は、各処理IDの処理を開始または完了したときに、設備から通信データが送信される例を示す。また、図10の処理ログ情報125は、ステップS803において処理IDが#2の処理で異常が検知された例を示す。
【0106】
図10の例では、処理IDが#1の処理が開始してから、処理IDが#2の処理が開始するまでは、図9の例と同様であるため、説明を省略する。処理IDが#2の処理が2020/09/01 15:02:00(処理IDが#2の処理の計算基準時刻)に開始して、未だ当該処理が終了しておらず、例えば、統合制御プログラム111が取得した現在時刻が2020/09/01 15:03:31であるとする。
【0107】
従って、統合制御プログラム111は、処理IDが#2の処理の進捗状況欄1255に「実行中(未完了)」を格納する。そして、図5Aの処理管理情報124によれば、処理IDが#2の処理の処理時間上限は90秒であるため(図9の例では、各アイテムに対する処理が完了するたびに通信データが送信されるのではなく、処理ID単位の処理が完了すると通信データが送信されるため、1アイテムあたりの処理時間上限はチェックされない)、処理IDが#2の処理の処理時間が90秒を超えた時点で(即ち処理IDが#2が開始してから91秒が経過した時点で)、統合制御プログラム111は、異常が発生した(異常を検知した)と判定してステップS805の処理を実行し、チェック結果欄1256に「異常検知(検知日時:2020/09/01 15:03:31)」を格納する。
【0108】
処理IDが#3の処理については、図5Aの処理管理情報124の確認欄12412の値がnull値であるため、異常検知の対象とはならず、処理開始時刻欄1253、処理完了時刻欄1254、進捗状況欄1255、及びチェック結果欄1256の値はnull値のままである。
【0109】
また、処理IDが#2の処理において一部のアイテムは正常に処理されたため、処理IDが#4の処理は開始しているものの、処理IDが#2の処理において残りのアイテムに対する処理は完了していないため処理IDが#4の処理も完了することはない。従って、統合制御プログラム111は、処理IDが#4の処理の進捗状況欄1255に「実行中(未完了)」を格納し、チェック結果欄1256の値はnull値のままである。
【0110】
なお、図10の例では、統合制御プログラム111は、処理IDが#2の処理の完了予定時刻になっても当該処理が完了していないため、異常を検知したが、例えば、処理IDが#4の処理の計算基準時刻から、処理時間上限の時間経過しても、処理IDが#4の処理が開始または完了しない場合にも、異常が発生したと判定してもよい。
【0111】
図11は、処理ログ情報125の別例である。図11の処理ログ情報125は、各処理IDの処理を開始または完了したときに、設備から通信データが送信される例を示す。また、図10の処理ログ情報125は、ステップS803において処理IDが#3の処理及び処理IDが#4の処理の少なくとも一方で異常が検知された例を示す。
【0112】
図11の例では、処理IDが#1の処理が開始してから、処理ID#4の処理が開始するまでは、図9の例と同様であるため、説明を省略する。処理IDが#4は2020/09/01 15:02:30に開始したものの、未だ当該処理が終了しておらず、例えば、統合制御プログラム111が取得した現在時刻が2020/09/01 15:03:25であるとする。
【0113】
従って、統合制御プログラム111は、処理IDが#4の処理の進捗状況欄1255に「実行中(未完了)」を格納する。そして、図5Aの処理管理情報124と図11の処理ログ情報125によれば、計算基準時刻である処理IDが#2の処理完了時刻が2020/09/01 15:03:00であり、処理IDが#3の処理時間上限は15秒であり、処理IDが#4の処理の処理時間上限は9秒であるため(図9の例では、各アイテムに対する処理が完了するたびに通信データが送信されるのではなく、処理ID単位の処理が完了すると通信データが送信されるため、1アイテムあたりの処理時間上限はチェックされない)、処理IDが#2の処理完了時刻が2020/09/01 15:03:00に15秒と9秒とを加えた2020/09/01 15:03:24までに、処理IDが#4の処理が完了していなければ、統合制御プログラムは異常が発生したと判定してステップS805の処理を実行し、処理IDが#4の処理に対応するチェック結果欄1256に「異常検知(検知日時:2020/09/01 15:03:25)」を格納する。
【0114】
なお、処理IDが#3の処理においては、処理管理情報124の確認欄12412の値がnullであり、統合制御プログラム111は、処理IDが#2の処理の異常を検知せず、処理IDが#4の処理の異常を検知したため、処理IDが#3の処理及び処理IDが#4の処理の少なくとも一方で異常が発生したと判定することができる。
【0115】
上記した処理により、情報処理装置100は、複数の設備によって実行される連続した処理における、処理開始時間、処理完了時間、及び処理時間上限等に基づいて、当該複数の設備のいずれかに発生した異常および異常発生箇所を高精度に、かつ迅速に検知することができる。特に、第2搬送装置500のように、処理開始時刻や処理完了時刻を特定できない設備が含まれる場合であっても、情報処理装置100は、第2搬送装置500による処理及び次の処理の少なくとも一方において異常が発生したことを検知することができる。
【0116】
図12は、処理ログ情報125の別例である。図12の処理ログ情報125は、各処理対象の処理が開始または終了するたびに設備から通信データが送信される例を示す(例えば設備が処理対象の違いを認識可能な例)。また、図12の処理ログ情報125は、ステップS803において全ての処理が正常に完了したと判定された例を示す。図9との相違点を説明する。
【0117】
各処理対象の開始または処理が終了したときに設備から通信データが送信される場合の処理ログ情報125は、処理対象欄1257をさらに含む。処理対象欄1257は、当該処理において処理される処理対象(後)を示す情報を保持する。なお、処理対象(前)または処理対象(後)のいずれかがアイテムである場合は、アイテム単位で情報を保持してもよい。処理開始時刻欄1253は、当該処理対象に対する処理が開始した時刻を示す情報を保持する。処理完了時刻欄1254は、当該処理対象に対する処理が完了した時刻を示す情報を保持する。進捗状況欄1255は、当該処理対象に対する処理の進捗状況を示す情報を保持する。チェック結果欄1256は、当該処理対象に対する処理が正常に実行されたかを示す情報を保持する。
【0118】
処理IDが#1の処理については、処理対象欄1257に「パレットA」という値が格納されている点を除いて図9の例と同様である。処理IDが#2の処理については、アイテム1に対する処理が2020/09/01 15:02:00に開始して、2020/09/1 15:02:20に完了し、アイテム2に対する処理が2020/09/01 15:02:20に開始して、2020/09/1 15:02:40に完了し、アイテム3に対する処理が2020/09/01 15:02:40に開始して、2020/09/1 15:03:00に完了しているため、統合制御プログラム111は、進捗状況欄1255にそれぞれ「完了」を格納する。
【0119】
また、いずれも計算基準時刻からの処理時間は20秒であり、図5Aの処理管理情報124の処理時間上限欄12410が示す1アイテムあたり30秒をそれぞれ超えないため、統合制御プログラム111は、正常な状態と判定し、チェック結果欄1256にそれぞれ「正常(異常なし)」を格納する。
【0120】
処理IDが#3の処理については、図5Aの処理管理情報124の確認欄12412の値がnull値であるため、異常検知の対象とはならず、統合制御プログラム111は、処理対象欄1257に、処理管理情報124の処理対象(後)欄1246が示すアイテム1、アイテム2、及びアイテム3を示す情報を格納するが、処理開始時刻欄1253、処理完了時刻欄1254、進捗状況欄1255、及びチェック結果欄1256の値はnull値のままである。
【0121】
処理IDが#4のアイテム1に対する処理は2020/09/01 15:02:30に開始し、アイテム2に対する処理は2020/09/01 15:02:50に開始し、アイテム3に対する処理は2020/09/01 15:03:10に開始する。
【0122】
また、処理IDが#4のアイテム1に対する処理は2020/09/01 15:02:31に完了し、アイテム2に対する処理は2020/09/01 15:02:51に完了し、アイテム3に対する処理は2020/09/01 15:03:11に完了しているため、統合制御プログラム111は、当該処理のそれぞれの処理対象に対応する進捗状況欄1255に「完了」を格納する。
【0123】
また、図5Aの処理管理情報124の計算基準時刻欄12411によれば処理IDが#4の処理の計算基準時刻は、処理IDが#2の処理完了時刻である。従って、処理IDが#4のアイテム1に対する処理の計算基準時刻は、処理IDが#2のアイテム1に対する処理の処理完了時刻である2020/09/01/ 15:02:20である。そして、当該計算基準時刻に、処理IDが#3の処理の処理時間上限である15秒と、処理IDが#4の処理の処理時間上限である3秒(1アイテムあたりの時間)とを加えると、2020/09/01/ 15:02:38であり、この時刻よりも前である2020/09/01 15:02:31に処理IDが#4のアイテム1に対する処理が完了しているため、統合制御プログラム111は、正常な状態と判定し、処理IDが#4のアイテム1に対応するチェック結果欄1256に「正常(異常なし)」を格納する。
【0124】
同様に、統合制御プログラム111は、処理IDが#4のアイテム2及び処理IDが#4のアイテム3にチェック結果欄1256にも「正常(異常なし)」を格納する。
【0125】
図13は、処理ログ情報125の別例である。図13の処理ログ情報125は、各処理対象の処理が開始または終了するたびに設備から通信データが送信される例を示す(例えば設備が処理対象の違いを認識可能な例)。また、図13の処理ログ情報125は、ステップS803において処理IDが#2の処理におけるアイテム2に対する処理で異常が検知された例を示す。
【0126】
図13の例では、処理IDが#1の処理が開始してから、処理IDが#2の処理におけるアイテム2に対する処理が開始するまでは、図12の例と同様であるため、説明を省略する。処理IDが#2のアイテム2に対する処理が2020/09/01 15:02:20に開始して、未だ当該処理が終了しておらず、例えば、統合制御プログラム111が取得した現在時刻が2020/09/01 15:02:51であるとする。
【0127】
従って、統合制御プログラム111は、処理IDが#2の処理の進捗状況欄1255に「実行中(未完了)」を格納する。そして、図5Aの処理管理情報124によれば、処理IDが#2の処理の処理時間上限は1アイテムあたり30秒であるため、計算基準時刻である処理IDが#2のアイテム2に対する処理が開始してから30秒を超えた時点で(即ちアイテム2に対する処理が開始してから31秒が経過した時点で)、統合制御プログラム111は、異常が発生した(異常を検知した)と判定してステップS805の処理を実行し、処理IDが#2の処理のアイテム2に対応するチェック結果欄1256に「異常検知(検知日時:2020/09/01 15:02:51)」を格納する。
【0128】
処理IDが#2のアイテム2に対する処理が完了していないため、処理IDが#2のアイテム3に対する処理が開始されず、処理IDが#2のアイテム3に対応する処理開始時刻欄1253、処理完了時刻欄1254、進捗状況欄1255、及びチェック結果欄1256にはいずれもnull値が格納されたままである。処理IDが#3の処理に対応する処理開始時刻欄1253、処理完了時刻欄1254、進捗状況欄1255、及びチェック結果欄1256は、図12と同様である。
【0129】
処理IDが#2のアイテム1に対する処理は正常に実行されたため、処理IDが#4の処理のアイテム1に対する処理も開始した上で正常に実行され、処理IDが#4の処理のアイテム1に対応する処理開始時刻欄1253、処理完了時刻欄1254、進捗状況欄1255、及びチェック結果欄1256には、図12と同様の値が格納されている。
【0130】
しかし、処理IDが#2のアイテム2に対する処理において異常が発生してアイテム2に対する処理が完了せず、アイテム3に対する処理は開始しなかったため、処理IDが#4の処理のアイテム2及びアイテム3に対する処理は実行されず、処理IDが#4の処理のアイテム2及びアイテム3に対応する処理開始時刻欄1253、処理完了時刻欄1254、進捗状況欄1255、及びチェック結果欄1256には、null値が格納されている。
【0131】
図14は、処理ログ情報125の別例である。図14の処理ログ情報125は、各処理対象の処理が開始または終了するたびに設備から通信データが送信される例を示す(例えば設備が処理対象の違いを認識可能な例)。また、図14の処理ログ情報125は、ステップS803において処理IDが#3の処理、及び処理IDが#4の処理におけるアイテム2に対する処理の少なくとも一方で異常が検知された例を示す。
【0132】
処理IDが#1の処理が開始してから、処理IDが#2のアイテム3に対する処理が開始するまでは、図12と同様であるため説明を省略する。処理IDが#2のアイテム3に対する処理は開始したものの完了はしておらず、統合制御プログラム111が取得した現在時刻が2020/09/01 15:02:56であるとする。処理IDが#2のアイテム3に対する処理の計算基準時刻は、2020/09/01 15:02:40であり、処理時間上限は30秒(1アイテムあたり)であり、2020/09/01 15:02:40に30秒を加えた2020/09/01 15:03:10は到来していないため、進捗状況欄1255には「実行中」が格納され、チェック結果欄1256の値はnull値である。
【0133】
処理IDが#3の処理に対応する処理開始時刻欄1253、処理完了時刻欄1254、進捗状況欄1255、及びチェック結果欄1256は、図12と同様である。処理IDが#4のアイテム1に対する処理に対応する処理開始時刻欄1253、処理完了時刻欄1254、進捗状況欄1255、及びチェック結果欄1256は、図12と同様である。
【0134】
処理IDが#4の処理のアイテム2に対する処理はまだ開始していないが、処理IDが#2の処理のアイテムに対する処理完了時刻である2020/09/01 15:02:40であり、本来は(正常な状態であれば)、この時刻に処理IDが#3の処理時間上限である15秒を加えた2020/09/01 15:02:55には処理IDが#4の処理のアイテム2に対する処理が開始していなければならない。そのため、統合制御プログラム111は、異常が発生した(異常を検知した)と判定してステップS805の処理を実行し、処理IDが#4のアイテム2に対応するチェック結果欄1256に「異常検知(検知日時:2020/09/01 15:02:56)」を格納する。これにより、統合制御プログラム111は、処理IDが#3の処理、及び処理IDが#4のアイテム2に対する処理の少なくとも一方に異常が発生したと判定することができる。
【0135】
上記した処理により、情報処理装置100は、複数の設備によって実行される連続した処理における、処理開始時間、処理完了時間、及び処理時間上限等に基づいて、当該複数の設備のいずれかに発生した異常および異常発生箇所を、アイテム単位で高精度に、かつ迅速に検知することができる。
【0136】
なお、上記した例では、異常検知対象の各設備が処理開始時刻及び処理完了時刻を情報処理装置100に送信しているが、例えば処理完了時刻のみを情報処理装置100に送信してもよく、この場合、情報処理装置100は、計算基準時刻がある処理の処理完了時刻である処理に対して異常が発生しているかを判定することができる。
【0137】
また、図5A及び図5Bの処理管理情報124は一例である。ある処理の計算基準時刻12411を、その処理より前の処理の処理開始時刻または処理完了時刻と設定し、当該処理が開始または完了する処理時間上限12410を設定することで、前の処理と次の処理の間に異常が発生した場合でも検知可能である。また、ある処理の計算基準時刻12411を、当該処理の処理開始時刻と設定し、当該処理が完了する処理時間上限12410を設定することで、当該処理において異常が発生した場合でも検知可能である。この例のように、各処理に対して、計算基準時刻12411や処理時間上限12410は異常検知の目的に応じて適宜設定されてもよく、例えば複数の計算基準時刻12411や処理時間上限12410の組合せが設定されてもよい。この場合、統合制御プログラム111は、各処理に対して設定された1つまたは複数の計算基準時刻12411や処理時間上限12410の組合せについて、それぞれ異常検知処理を行う。もし異常検知された場合、複数の異常検知結果を基に、より高精度かつ迅速に、異常検知および異常発生箇所の特定が可能となる。また、本実施例の異常検知処理により、設備や処理の管理業務を効率化できる。
【0138】
図15A及び図15Bは、異常検知画面の一例である。異常検知画面1500は、例えば、異常検知レポート表示領域1501、ログ情報ボタン1502、地図情報表示領域1503、及びレイアウト情報表示領域1504を含む。異常検知レポート表示領域1501には、例えば、処理ログ情報125に含まれる異常検知日時、異常が発生した処理及び処理対象、処理の開始予定時刻までに処理が開始しなかったか又は完了予定時刻までに処理が完了しなかったかを示す情報、異常が発生したと判定された設備(異常発生が疑われる設備)、並びに異常に対する障害対応を示す情報(もし情報処理装置100の指示以外で、異常に対する障害対応が行われた場合等は、情報処理装置100は実行された対応を示す情報を、例えば入力装置104を介して取得してもよい)等が表示される。
【0139】
ログ情報ボタン1502が選択されると、後述するログ情報表示画面に遷移する。地図情報表示領域1503には、統合制御プログラム111が地図情報121に異常が発生したと判定された設備(異常が発生したと推測される設備であってもよい)を示す情報を加えた情報が表示される。レイアウト情報表示領域1504には、統合制御プログラム111がレイアウト情報122に、異常が発生したと判定された設備を示す情報や、異常が発生したゆえに障害処理(例えば停止)をした設備を示す情報(もし情報処理装置100の指示(障害処理)以外で、設備を停止させた場合には、情報処理装置100は停止した設備を示す情報を例えば入力装置104を介して取得してもよい)などを加えた情報が表示される。
【0140】
図16は、ログ情報表示画面の一例である。ログ情報表示画面1600は、例えば、ログ表示領域1601を含む。ログ表示領域1601には、例えば、処理ログ情報125が表示される。異常に対する障害対応が行われた場合や、異常が発生したゆえに障害処理(例えば停止)した設備がある場合等は、統合制御プログラム111はこれらの情報をログ表示領域1601に反映してもよい。また、ログ表示領域1601における、異常検知や障害対応に関する表示を情報処理装置100のユーザが認識しやすくするために、これらの表示が強調表示されるとよい(例えば図中の太字表記)。
【0141】
なお、本発明の一態様は、以下の構成を採用してもよい。情報処理システムは、複数の物品に第一処理を実行する第一設備と、前記第一処理が実行された前記複数の物品に第二処理を実行する第二設備とを含み、前記複数の物品に対する前記第二処理にかかる処理時間に関する情報を記憶する記憶装置と、前記複数の物品に対する前記第一処理の実行状況に関する第一処理情報と、前記複数の物品に対する前記第二処理の実行状況に関する第二処理情報と、を取得するデータ入出力装置と、前記複数の物品についての処理に関し、前記第一処理が完了した後で前記第二処理が完了する前に異常が発生した場合、少なくとも前記第一処理情報と、前記第二処理情報と、前記第二処理にかかる処理時間に関する情報とに基づいて、前記第一処理が完了した後で前記第二処理が完了する前に異常が発生したことを検知する処理装置とを備える。
【0142】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0143】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0144】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0145】
100 情報処理装置、101 演算装置、102 メモリ、103 補助記憶装置、104 入力装置、105 出力装置、106 通信インタフェース、111 統合制御プログラム、113 データ入出力プログラム、121 地図情報、122 レイアウト情報、123 設備情報、124 処理管理情報、125 処理ログ情報、126 処理対象情報、200 計算機、300 第1搬送装置、400 ロボット、500 第2搬送装置、600 検品装置
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
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図5B
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図6B
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図16