(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186175
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
B25F 5/02 20060101AFI20221208BHJP
B23Q 11/06 20060101ALN20221208BHJP
B23D 45/16 20060101ALN20221208BHJP
B24B 23/00 20060101ALN20221208BHJP
B24B 55/05 20060101ALN20221208BHJP
【FI】
B25F5/02
B23Q11/06
B23D45/16
B24B23/00 Z
B24B55/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094264
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】市毛 太祐
(72)【発明者】
【氏名】畠山 健太郎
【テーマコード(参考)】
3C040
3C047
3C064
3C158
【Fターム(参考)】
3C040AA01
3C040GG42
3C040LL05
3C047FF07
3C047JJ02
3C064AA08
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA12
3C064BA32
3C064BB80
3C064CA03
3C064CA05
3C064CA08
3C064CA29
3C064CA54
3C064CA60
3C064CA61
3C064CA62
3C064CB06
3C064CB11
3C064CB17
3C064CB32
3C064CB64
3C064CB74
3C064CB83
3C064CB91
3C158AA03
3C158AC03
3C158CB04
3C158CB06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】加工形態に応じて用意された各種ホイルガードを取付可能な構造にすることで、作業性を向上した電動グラインダを提供する。
【解決手段】グラインダでは、スピンドル61の径方向外側に、円筒状の取付筒部41が設けられており、取付筒部41は、取付筒部41の上部を構成する上側取付部46と、取付筒部41の下部を構成する下側取付部47と、を有している。また。取付筒部41は、形態の異なるツールレスホイルガード90及びクランプ式ホイルガードを取付可能に構成されている。ここで、ツールレスホイルガード90の取付筒部41への取付時には、ツールレスホイルガード90が上側取付部46に取付けられ、クランプ式ホイルガードの取付筒部41への取付時には、クランプ式ホイルガードが下側取付部47に取付けられる。これにより、加工形態に応じて、形態の異なるホイルガードを取付筒部41に取付けることができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機と、
前記原動機の駆動によって回転するスピンドルと、
前記スピンドルの軸方向の一方側端部に固定され、前記スピンドルと一体回転する回転具と、
前記スピンドルの径方向外側に設けられ、第1取付部及び第2取付部を含んで構成された筒状の取付部と、
を備え、
前記取付部は、形態の異なる第1カバー部材及び第2カバー部材を取付可能に構成されており、取付けられた第1カバー部材又は第2カバー部材によって前記回転具の一部を覆うと共に、
前記第1カバー部材の前記取付部への取付状態では、前記第1カバー部材が前記第1取付部に取付けられ、
前記第2カバー部材の前記取付部への取付状態では、前記第2カバー部材が前記第2取付部に取付けられる作業機。
【請求項2】
前記取付部の前記軸方向の一方側部分が前記第2取付部によって構成され、前記取付部の前記軸方向の他方側部分が前記第1取付部によって構成されている請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記第1取付部は、第1当接部を有し、前記第2取付部は、第2当接部を有しており、
前記第1カバー部材の前記取付部への取付状態では、前記第1カバー部材が前記第1当接部に前記軸方向の一方側から当接して、前記軸方向における前記第1カバー部材の位置が決定され、
前記第2カバー部材の前記取付部への取付状態では、前記第2カバー部材が前記第2当接部に前記軸方向の一方側から当接して、前記軸方向における前記第2カバー部材の位置が決定される請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記第1当接部が、前記第2当接部に対して前記スピンドルの径方向外側に配置されている請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記第2取付部における前記軸方向の一方側端部の外径が、前記第2取付部における前記軸方向の他方側端部の外径と比べて大きく設定されており、
前記第2当接部は、前記第2取付部における前記軸方向の他方側端部から径方向外側へ突出している請求項3又は請求項4に記載の作業機。
【請求項6】
前記第2取付部における前記軸方向の他方側部分には、径方向外側へ開放され且つ周方向に延在された取付溝部が形成されており、
前記取付溝部の前記軸方向の他方側面が、前記第2当接部を構成し、前記第2当接部の一部が、前記第2取付部における前記取付溝部よりも前記軸方向の一方側の外周面よりも径方向外側へ突出している請求項3~請求項5の何れか1項に記載の作業機。
【請求項7】
前記第1カバー部材は、前記取付溝部内に配置される係合部を有しており、
前記係合部が前記取付溝部と係合して、前記第1カバー部材における前記軸方向の一方側への移動が制限される請求項6に記載の作業機。
【請求項8】
前記第1取付部の径方向外側には、前記第1カバー部材に係合可能に構成されたロック部材が設けられており、
前記ロック部材は、前記第2取付部よりも前記軸方向の他方側に配置されており、前記ロック部材が前記第1カバー部材に係合することで、前記取付部の周方向における前記第1カバー部材の移動が制限される請求項2~請求項7の何れか1項に記載の作業機。
【請求項9】
前記第2カバー部材は、
前記取付部に取付けられる被取付部と、
前記被取付部に設けられ、前記被取付部にクランプ力を付与して前記被取付部を前記取付部に固定させるクランプ機構と、
を含んで構成されている請求項1~請求項8の何れか1項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の電動グラインダ(作業機)では、円盤状の砥石(回転具)をスピンドルに取付けて、砥石を回転させることで、加工材に対する研磨加工や切断加工を施す。また、スピンドルの径方向外側には、パッキングランドが設けられている。パッキングランドには、ホイルガード(カバー部材)が取付けられており、ホイルガードによって、砥石の一部が、上側及び径方向外側から覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、電動グラインダでは、例えば、加工形態に応じて、各種のホイルガードが用意されている。このため、電動グラインダでは、各種のホイルガードを取付可能な構造にすることで、電動グラインダの作業性を向上することができる。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、作業性を向上することができる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、原動機と、前記原動機の駆動によって回転するスピンドルと、前記スピンドルの軸方向の一方側端部に固定され、前記スピンドルと一体回転する回転具と、前記スピンドルの径方向外側に設けられ、第1取付部及び第2取付部を含んで構成された筒状の取付部と、を備え、前記取付部は、形態の異なる第1カバー部材及び第2カバー部材を取付可能に構成されており、取付けられた第1カバー部材又は第2カバー部材によって前記回転具の一部を覆うと共に、前記第1カバー部材の前記取付部への取付状態では、前記第1カバー部材が第1取付部に取付けられ、前記第2カバー部材の前記取付部への取付状態では、前記第2カバー部材が第2取付部に取付けられる作業機である。
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記取付部の前記軸方向の一方側部分が前記第2取付部によって構成され、前記取付部の前記軸方向の他方側部分が前記第1取付部によって構成されている作業機である。
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1取付部は、第1当接部を有し、前記第2取付部は、第2当接部を有しており、前記第1カバー部材の前記取付部への取付状態では、前記第1カバー部材が前記第1当接部に前記軸方向の一方側から当接して、前記軸方向における前記第1カバー部材の位置が決定され、前記第2カバー部材の前記取付部への取付状態では、前記第2カバー部材が前記第2当接部に前記軸方向の一方側から当接して、前記軸方向における前記第2カバー部材の位置が決定される作業機である。
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1当接部が、前記第2当接部に対して前記スピンドルの径方向外側に配置されている作業機である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第2取付部における前記軸方向の一方側端部の外径が、前記第2取付部における前記軸方向の他方側端部の外径と比べて大きく設定されており、前記第2当接部は、前記第2取付部における前記軸方向の他方側端部から径方向外側へ突出している作業機である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第2取付部における前記軸方向の他方側部分には、径方向外側へ開放され且つ周方向に延在された取付溝部が形成されており、前記取付溝部の前記軸方向の他方側面が、前記第2当接部を構成し、前記第2当接部の一部が、前記第2取付部における前記取付溝部よりも前記軸方向の一方側の外周面よりも径方向外側へ突出している作業機である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1カバー部材は、前記取付溝部内に配置される係合部を有しており、前記係合部が前記取付溝部と係合して、前記第1カバー部材における前記軸方向の一方側への移動が制限される作業機である。
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1取付部の径方向外側には、前記第1カバー部材に係合可能に構成されたロック部材が設けられており、前記ロック部材は、前記第2取付部よりも前記軸方向の他方側に配置されており、前記ロック部材が前記第1カバー部材に係合することで、前記取付部の周方向における前記第1カバー部材の移動が制限される作業機である。
【0014】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第2カバー部材は、前記取付部に取付けられる被取付部と、前記被取付部に設けられ、前記被取付部にクランプ力を付与して前記被取付部を前記取付部に固定させるクランプ機構と、を含んで構成されている作業機である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施の形態に係るディスクグラインダを示す左側から見た側面図である。
【
図2】
図1に示されるディスクグラインダの内部を示す左側から見た側断面図である。
【
図3】
図1に示される砥石及びツールレスホイルガードをスピンドルから取外した状態のディスクグラインダの前端部を示す右斜め後方から見た斜視図である。
【
図4】
図3に示されるディスクグラインダの前端部の下側から見た下面図である。
【
図5】
図4に示されるロック部材のパッキングランドへの連結状態を示す後側から見た断面図(
図4の5-5線断面図)である。
【
図6】
図2に示されるツールレスホイルガードのパッキングランドへの取付状態を拡大して示す断面図である。
【
図7】
図1に示されるパッキングランドを一部破断した状態で示す左斜め後方から見た斜視断面図である。
【
図8】(A)は、
図1に示されるツールレスホイルガードを示す左斜め後方から見た斜視図であり、(B)は、(A)のツールレスホイルガードの上側から見た平面図である。
【
図9】(A)は、パッキングランドに取付けられるクランプ式ホイルガードを示す左斜め後方から見た斜視図であり、(B)は、(A)のクランプ式ホイルガードの上側から見た平面図である。
【
図10】
図9に示されるクランプ式ホイルガードをパッキングランドに取付けた状態を示す
図5に対応する断面図である。
【
図11】(A)は、パッキングランドに取付けられる他のクランプ式ホイルガードを示す左斜め後方から見た斜視図であり、(B)は、(A)のクランプ式ホイルガードの上側から見た平面図である。
【
図12】
図11に示されるクランプ式ホイルガードをパッキングランドに取付けた状態を示す
図5に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて、本実施形態に係る作業機としてのディスクグラインダ10(以下、単にグラインダ10という)について説明する。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、及び矢印LHは、それぞれグラインダ10の上側、前側、及び左側を示している。そして、以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、グラインダ10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。
【0018】
図1及び
図2に示されるように、グラインダ10は、前後方向に延在されており、前端部に取付けられた回転具としての砥石68を回転させて、加工材に対して切断加工や研磨加工等を施す作業機として構成されている。グラインダ10は、ハウジング20と、原動機としてのモータ50と、伝達機構60と、制御部70と、を含んで構成されている。また、グラインダ10は、ガード取付機構80(
図3参照)を有している。そして、砥石68を覆う第1カバー部材としてのツールレスホイルガード90又は第2カバー部材としてのクランプ式ホイルガード100(
図9参照)を、ガード取付機構80の取付筒部41に取付けるようになっている(
図1及び
図2は、ツールレスホイルガード90を取付けた例を示している)。すなわち、グラインダ10は、ツールレスホイルガード90及びクランプ式ホイルガード100を取付可能に構成されており、加工形態等に応じて、ツールレスホイルガード90又はクランプ式ホイルガード100を、グラインダ10に取付けるようになっている。以下、グラインダ10の各構成について説明する。
【0019】
(ハウジング20について)
ハウジング20は、グラインダ10の外郭を構成している。ハウジング20は、全体として前後方向に延在された中空柱状に形成されると共に、左側から見て略逆L字形状に形成されている。ハウジング20は、前後方向に延在された本体ハウジング22と、ハウジング20の前端部を構成するギヤハウジング24と、を含んで構成されている。
【0020】
(本体ハウジング22について)
本体ハウジング22は、前側へ開放された略有底円筒状に形成されている。本体ハウジング22は、左右方向に2分割されたハウジング部材によって構成されており、ハウジング部材を互いに締結することで、本体ハウジング22が形成されている。本体ハウジング22の前後方向中間部は、把持部として構成されており、加工材に対する加工時には、作業者が当該把持部を把持するようになっている。
【0021】
本体ハウジング22の前端部には、径方向外側へ張出されたハウジング連結部22Aが形成されており、ハウジング連結部22Aは、前側から見た正面視で略矩形状に形成されている。また、本体ハウジング22の左側部には、スイッチレバー26(
図1参照)が設けられている。スイッチレバー26は、前後方向にスライド可能に本体ハウジング22に連結されている。具体的には、スイッチレバー26は、
図1に示されるオン位置と、オン位置から後側へスライドしたオフ位置(図示省略)と、の間を、スライド可能に構成されている。そして、スイッチレバー26が、オフ位置からオン位置へスライドすることで、後述するモータ50が駆動して、グラインダ10が作動する。
【0022】
本体ハウジング22の後端部は、他の部分と比べて下側へ突出しており、この突出した部分が、突出部22Bとして構成されている。突出部22Bの前端部には、左右方向中央部において、照明部28が設けられている。照明部28は、LED等の光源を有しており、当該光源が後述する制御部70に電気的に接続されている。そして、光源が発光されることで、発光された光が前方側へ照射される構成になっている。
【0023】
本体ハウジング22の後端部には、バッテリ30を装着するためのバッテリ装着部22Cが設けられている。バッテリ装着部22Cは、後側及び上側へ開放された凹状に形成されている。バッテリ装着部22Cには、バッテリターミナル32が設けられており、バッテリターミナル32は、後述する制御部70に電気的に接続されている。そして、バッテリ装着部22Cには、バッテリ30が上側から着脱可能に装着されて、バッテリ30によって、後述するモータ50に電力が供給される構成になっている。
【0024】
(ギヤハウジング24について)
ギヤハウジング24は、左右方向から見て、略三角形を成す中空状に形成されると共に、下側へ開放されている。ギヤハウジング24の後端部には、ハウジング被連結部24Aが形成されており、ハウジング被連結部24Aは、本体ハウジング22のハウジング連結部22Aに対応する略矩形筒状に形成されている。そして、ハウジング連結部22Aがハウジング被連結部24Aに嵌入されて、ハウジング被連結部24Aの外周部が、ハウジング連結部22Aに締結固定されている。
【0025】
ギヤハウジング24の下側には、パッキングランド40が設けられている。パッキングランド40は、上下方向を軸方向とする略段付き円筒状に形成されて、ギヤハウジング24に固定されている。また、パッキングランド40は、後述するツールレスホイルガード90又はクランプ式ホイルガード100を取付けるためのガード取付機構80の一部を構成している。ガード取付機構80については、後述する。
【0026】
(モータ50について)
モータ50は、ブラシレスモータとして構成されて、本体ハウジング22の前部に収容されている。モータ50は、回転軸51と、ロータ52と、ステータ53と、を含んで構成されている。
【0027】
回転軸51は、前後方向を軸方向として配置されている。回転軸51の後端部は、本体ハウジング22に固定された第1モータ軸受55によって回転可能に支持されており、回転軸51の前端側部分が、ギヤハウジング24に固定された第2モータ軸受56によって回転可能に支持されている。ロータ52は、回転軸51の径方向外側に配置されて、回転軸51と一体回転可能に構成されている。ステータ53は、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ロータ52の径方向外側において本体ハウジング22に支持されている。モータ50は、後述する制御部70によって駆動するように構成されている。
【0028】
回転軸51の前端側部分には、第2モータ軸受56の後側において、ファン57が一体回転可能に設けられている。ファン57は、軸流ファンとして構成されており、ファン57によって発生された空気流によって、本体ハウジング22に形成された吸気口22D(
図1参照)から冷却風を本体ハウジング22内に流入させる構成になっている。また、回転軸51の前端部は、ギヤハウジング24内に配置されており、回転軸51の前端部には、ピニオン58が固定されている。
【0029】
(伝達機構60について)
伝達機構60は、スピンドル61を有しており、スピンドル61は、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されると共に、ギヤハウジング24内に収容されている。スピンドル61の上端部は、ギヤハウジング24に固定された軸受62によって回転可能に支持されており、スピンドル61の上下方向中間部が、パッキングランド40に固定された軸受63によって回転可能に支持されている。
【0030】
スピンドル61の上端部には、ベベルギヤ64が一体回転可能に設けられており、ベベルギヤ64は、ピニオン58に噛合されている。これにより、モータ50が駆動することで、モータ50の回転がスピンドル61に伝達されて、スピンドル61が回転する構成になっている。軸受63の下方におけるスピンドル61の外周には、スリーブ69が設けられている。
【0031】
スピンドル61の下端部(軸方向一方側端部)は、ネジ部61Aとして構成されており、ネジ部61Aの外周部には、雄ネジが形成されている。ネジ部61Aは、本体ハウジング22よりも下側に配置されると共に、砥石68を取付ける部位として構成されている。砥石68は、上下方向を厚み方向とする略円盤状に形成されている。具体的には、砥石68の中央部には、取付孔が形成されており、砥石68の取付孔をネジ部61Aに外挿する。また、砥石68の上側において、ワッシャ65をネジ部61Aに装着させると共に、砥石68の下側において、ナット66をネジ部61Aに螺合させて、ナット66及びワッシャ65によって、砥石68を上下方向に挟み込む。ワッシャ65は、パッキングランド40の下側に配置されており、パッキングランド40とワッシャ65との間にスペーサ67が配置されて、ワッシャ65の上側への移動が制限されている。スペーサ67とスリーブ69の間には皿バネ69Aが複数枚(実施例においては2枚)配置され、ナット66を締め付けることで皿バネ69Aがたわみ、ナット66にスピンドル61の軸方向と同方向の力が加わる。これによって、スピンドル61がブレーキにより減速する際に、ナット66の緩みを抑制することができる。
【0032】
(制御部70について)
制御部70は、前後方向を厚み方向とする略矩形偏平状に形成されており、本体ハウジング22の後端部に収容されている。制御部70には、前述したバッテリターミナル32及びモータ50が電気的に接続されており、バッテリ30からの電力が、モータ50に供給されるようになっている。
【0033】
制御部70の前側には、モータ50の後側において、スイッチ72が設けられており、スイッチ72は、本体ハウジング22に固定されている。スイッチ72は、制御部70に電気的に接続されており、前述したスイッチレバー26がオフ位置からオン位置へ操作されることで、スイッチ72が、オンされて、オン信号を制御部70へ出力するようになっている。具体的には、スイッチレバー26とスイッチ72とは、スライドバー74によって連結されており、スイッチレバー26がスライドされることで、スライドバー74によってスイッチ72のスイッチ部72Aを押圧するようになっている。これにより、スイッチ72がオンされて、制御部70によってモータ50が駆動する構成になっている。なお、スライドバー74は、本体ハウジング22内において、前後方向に延在されており、
図2では、スライドバー74の後端部のみが図示されている。
【0034】
(ガード取付機構80について)
図3~
図6に示されるように、ガード取付機構80は、前述したパッキングランド40と、ロック部材82と、ロック付勢バネ85と、を含んで構成されている。
【0035】
(パッキングランド40について)
図7にも示されるように、パッキングランド40は、取付部としての取付筒部41を有しており、取付筒部41は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。取付筒部41の上部の内径は、取付筒部41の下部の内径よりも小さく設定されており、前述した軸受63が取付筒部41の上部に嵌入されている。取付筒部41の上端部には、径方向外側へ張り出された張出部42が形成されている。張出部42には、下側へ開放された上側溝部43が形成されており、上側溝部43は、取付筒部41の周方向に延在されている。さらに、パッキングランド40の上端部には、張出部42から取付筒部41の径方向外側へ突出したフランジ44が形成されており、フランジ44がギヤハウジング24に締結固定されている。
【0036】
そして、後述するツールレスホイルガード90又はクランプ式ホイルガード100が、取付筒部41の径方向外側に装着される構成になっている。すなわち、取付筒部41は、ツールレスホイルガード90及びクランプ式ホイルガード100を取付可能に構成されており、加工形態等に応じて、ツールレスホイルガード90又はクランプ式ホイルガード100を、取付筒部41に取付けるようになっている。
【0037】
取付筒部41の外周面には、張出部42よりも下側において、取付溝部45が形成されている。取付溝部45は、取付筒部41の径方向外側へ開放された凹状に形成され、取付筒部41の周方向に延在されると共に、取付筒部41の全周に亘って形成されている。
【0038】
そして、上側溝部43の頂面が、第1当接部としての第1当接面43Aとして構成され、取付溝部45の上面が、第2当接部としての第2当接面45Aとして構成されている。さらに、取付筒部41の外周面における取付溝部45より上側の部分は、上側取付面41A(広義には、第1取付面として把握される要素である)として構成され、取付筒部41の外周面における取付溝部45より下側の部分は、下側取付面41B(広義には、第2取付面として把握される要素である)として構成されており、下側取付面41Bが、上側取付面41Aよりも取付筒部41の径方向内側に配置されている。すなわち、第2当接面45Aは、下側取付面41Bよりも径方向外側へ突出している。
【0039】
上側取付面41Aは、上側へ向かうに従い取付筒部41の径方向外側へ若干傾斜している。また、取付溝部45の底面45Bは、下側取付面41Bよりも取付筒部41の径方向内側に配置されており、底面45B及び下側取付面41Bは、取付溝部45の下面45Cによって段差状(クランク状)に接続されている。
【0040】
そして、取付筒部41の上部が、第1取付部としての上側取付部46(
図6参照)として構成されており、上側取付部46は、上側取付面41A及び第1当接面43Aを有している。また、取付筒部41の下部が、第2取付部としての下側取付部47(
図6参照)として構成されており、下側取付部47は、下側取付面41B及び取付溝部45を有している。これにより、下側取付部47では、下側取付部47の下端の外径(下側取付面41Bの外径)が、下側取付部47の上端の外径(取付溝部45の底面45Bの外径)よりも大きく設定されている。
【0041】
また、後述するツールレスホイルガード90の取付筒部41への取付状態では、ツールレスホイルガード90が上側取付部46に取付けられ、後述するクランプ式ホイルガード100の取付筒部41への取付状態では、クランプ式ホイルガード100が下側取付部47に取付けられる。すなわち、上側取付部46は、ツールレスホイルガード90用の取付部として構成され、下側取付部47は、クランプ式ホイルガード100用の取付部として構成されている。なお、ここでいう「取付けられる」とは、上下方向を軸としたホイルガードの軸周り回転が固定された状態を指す。すなわち、ツールレスホイルガード90は上側取付部46にて回転方向の移動が規制され、クランプ式ホイルガード100は下側取付部47にて回転方向の移動が規制される。
【0042】
また、張出部42の後端側部分は、形成されておらず、後述するロック部材82が配置可能に構成されている。さらに、上側取付面41Aの後端部には、後側へ開放された凹部48(
図3及び
図4参照)が形成されている。また、下側取付部47には、複数(本実施の形態では、4箇所)の切欠部49が形成されており、切欠部49は、取付筒部41の径方向外側へ開放された凹状に形成されると共に、上下方向に貫通している。これにより、取付溝部45と切欠部49とが連通されて、取付溝部45が切欠部49の部位において下側へ開放されている。4箇所の切欠部49は、取付筒部41の周方向において、所定の間隔を空けて配置されている。
【0043】
(ロック部材82について)
図3~
図6に示されるように、ロック部材82は、上下方向を厚み方向とし且つ左右方向に延在された略長尺ブロック状に形成されている。ロック部材82は、取付筒部41の後側に配置されると共に、パッキングランド40に連結されている。具体的には、ロック部材82の長手方向中間部が、円筒状のカラー83によって上下方向を軸方向として回転可能に支持されており、カラー83は、ネジ84によってパッキングランド40と共にギヤハウジング24に固定されている(
図5参照)。さらに、ロック部材82は、第2当接面45Aよりも上側に配置されており、後述するクランプ式ホイルガード100の取付時には、クランプ式ホイルガード100がロック部材82に干渉しない設定になっている(
図5、
図6、及び
図10参照)。ロック部材82は上側取付部46に設けられている。
【0044】
ロック部材82の左側部分には、ロック部82Aが設けられている。ロック部82Aは、略矩形ブロック状に形成されて、ロック部材82から前側へ突出している。ロック部82Aは、取付筒部41における凹部48の後側に配置されており、ロック部82Aの先端部が、凹部48内に配置されている。ロック部材82の右端部は、操作部82Bとして構成されており、操作部82Bは、前側へ屈曲されている。
【0045】
(ロック付勢バネ85について)
図3~
図5に示されるように、ロック付勢バネ85は、トーションバネとして構成されている。ロック付勢バネ85は、円筒状のカラー86を介して、パッキングランド40に取付けられており、カラー86は、ネジ84によってパッキングランド40と共にギヤハウジング24に固定されている(
図5参照)。ロック付勢バネ85の一端部は、パッキングランド40に係止され、ロック付勢バネ85の他端部は、ロック部材82の左端部に係止されており、ロック付勢バネ85によってロック部材82の左端部を前側へ付勢している。これにより、ロック部材82が、ロック位置(
図4において実線にて示される位置)に保持されている。そして、作業者が、操作部82Bを前側へ押圧操作することで、ロック部材82が、カラー83の軸回りに回転して、ロック位置からロック解除位置(
図4において2点鎖線にて示される位置)に配置されるようになっている。
【0046】
(ツールレスホイルガード90及びクランプ式ホイルガード100について)
次に、取付筒部41に取付けられるツールレスホイルガード90及びクランプ式ホイルガード100について説明する。
【0047】
(ツールレスホイルガード90について)
図8(A)及び(B)に示されるように、ツールレスホイルガード90は、被取付部92と、ガード部94と、を含んで構成されている。被取付部92は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。被取付部92の内径は、パッキングランド40における取付筒部41の上側取付面41Aの外径よりも若干大きく設定されている。そして、ツールレスホイルガード90の取付筒部41への取付状態では、被取付部92が取付筒部41に下側から外挿されて、取付筒部41が上側取付面41Aの部位において被取付部92と篏合される。また、被取付部92の上端面が、第1当接面43Aに下側から当接する(
図6参照)。これにより、ツールレスホイルガード90の上下方向の位置が決定されている。
【0048】
被取付部92には、取付筒部41の切欠部49に対応する4箇所の係合部としての突起部92Aが形成されており、突起部92Aは、径方向内側に突出している。そして、ツールレスホイルガード90の取付筒部41への取付時には、突起部92Aを切欠部49に下側から挿入し、取付溝部45内に配置すると共に、ツールレスホイルガード90を回転させることで、突起部92Aが、取付溝部45内において切欠部49とずれた位置に配置される。また、この状態では、突起部92Aが、取付溝部45の下面45Cの上側に隣接配置される(
図6参照)。これにより、突起部92Aによって、ツールレスホイルガード90の下側への移動が制限される設定になっている。
【0049】
また、被取付部92には、複数(本実施の形態では、7箇所)の係合孔92Bが形成されている。係合孔92Bは、被取付部92の径方向から見て、矩形状に形成されており、被取付部92の周方向に所定の間隔を空けて並んで配置されている。そして、ツールレスホイルガード90の取付筒部41への取付状態では、ロック部材82のロック部82Aが、何れかの係合孔92B内に挿入されて、ロック部82Aと係合孔92Bとが、被取付部92の周方向に係合する(
図4参照)。これにより、ツールレスホイルガード90の取付筒部41に対する相対回転が制限される構成になっている。すなわち、ツールレスホイルガード90は上側取付部46にて回転しないように固定されている。
【0050】
ガード部94は、上下方向を板厚方向とする略半円板状の上側ガード部94Aと、上側ガード部94Aの外周部から下側へ延出された外周ガード部94Bと、を含んで構成されており、上側ガード部94Aが被取付部92の下端部から径方向外側へ延出している。ツールレスホイルガード90の取付筒部41への取付状態では、上側ガード部94Aが、砥石68の上側に配置され、外周ガード部94Bが、砥石68の径方向外側に配置されている。また、この状態では、ガード部94が、主として、砥石68の後部側を覆うように、係合孔92Bの位置が設定されている(
図1参照)。そして、作業者によって、ロック部材82をロック位置からロック解除位置へ回転させて、ロック部82Aと係合孔92Bとの係合を解除することで、被取付部92の周方向におけるツールレスホイルガード90の位置を変更可能に構成されている。
【0051】
(クランプ式ホイルガード100について)
図9(A)及び(B)に示されるように、クランプ式ホイルガード100は、ツールレスホイルガード90と同様に、被取付部102と、ガード部104と、を含んで構成されている。クランプ式ホイルガード100では、被取付部102が、前後方向に2分割された被取付部102A及び被取付部102Bによって構成されており、被取付部102Aにガード部104が一体に形成されている。被取付部102A及び被取付部102Bは、一対のクランプ機構106によって連結されている。クランプ機構106は、被取付部102Aの長手方向両端部に設けられた一対のナット107と、被取付部102A及び被取付部102Bの端部に架け渡された一対のネジ108と、を含んで構成されており、ネジ108がナット107に螺合されている。また、被取付部102の上下寸法は、ツールレスホイルガード90の被取付部92の上下寸法よりも小さく設定されている。
【0052】
上述したように、ガード部104は、一方の被取付部102Aに一体に形成されている。ガード部104は、ツールレスホイルガード90のガード部94と同様に、上下方向を板厚方向とする略半円板状の上側ガード部104Aと、上側ガード部104Aの外周部から下側へ延出された外周ガード部104Bと、を含んで構成されている。
【0053】
そして、
図10に示されるように、クランプ式ホイルガード100の取付筒部41への取付状態では、被取付部102が、取付筒部41の下側取付部47の径方向外側に配置されて、ネジ108によって被取付部102を締め付けることで、被取付部102にクランプ力(締付力)が発生して、当該クランプ力によってクランプ式ホイルガード100が下側取付部47(取付筒部41)に固定されている。詳細には、被取付部102A及び被取付部102Bがネジ108によって互いに近接するように相対移動することで、下側取付部47を挟み込む力が発生し、被取付部102A及び被取付部102Bの内面が下側取付部47の外面を押圧することで、この押圧箇所に強い摩擦力が発生する。この摩擦力によって、クランプ式ホイルガード100が下側取付部47に対して回転しないように固定される。すなわち、クランプ式ホイルガード100が下側取付部47にて回転しないように固定される。また、被取付部102は、上側へ向かうに従い、径方向内側へ傾斜しており、クランプ式ホイルガード100の取付筒部41への取付状態では、被取付部102の上端面が、第2当接面45Aに当接している。これにより、クランプ式ホイルガード100の上下位置が設定されている。
【0054】
(作用効果)
次に、ツールレスホイルガード90及びクランプ式ホイルガード100の取付筒部41への取付手順を説明しつつ、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0055】
ツールレスホイルガード90の取付筒部41への取付時には、砥石68をスピンドル61から取外した状態にする。また、ロック部材82の操作部82Bを前側へ押圧操作して、ロック部材82をロック位置からロック解除位置へ回転させる。そして、ツールレスホイルガード90の被取付部92を取付筒部41の下側且つ同軸上に配置させると共に、ツールレスホイルガード90の突起部92Aを、取付筒部41の切欠部49に合わせた位置にする。この状態で、ツールレスホイルガード90を上側へ変位させて、取付筒部41を被取付部92内に挿入させる。具体的には、突起部92Aを、切欠部49内に下側から挿入して、取付筒部41の取付溝部45内に配置させると共に、被取付部92の上端を第1当接面43Aに当接させる。これにより、ツールレスホイルガード90の上下方向の位置が決定される。そして、ツールレスホイルガード90を取付筒部41の周方向に回転させて、突起部92Aを取付溝部45の下面45Cの上側に隣接配置させると共に、ガード部94をスピンドル61に対して後方側に配置させる。さらに、ツールレスホイルガード90の何れかの係合孔92Bをロック部材82のロック部82Aの前側に配置させる。
【0056】
この状態で、ロック部材82に対する押圧操作を解除する。これにより、ロック付勢バネ85の付勢力によって、ロック部材82がロック位置に回転される。このときには、ロック部82Aを係合孔92B内に挿入させて、取付筒部41の周方向において、係合孔92Bとロック部82Aとを係合させる。以上により、ツールレスホイルガード90の取付が完了する。
【0057】
クランプ式ホイルガード100の取付筒部41への取付時には、上述と同様に、砥石68をスピンドル61から取外した状態にする。そして、クランプ式ホイルガード100の被取付部102を取付筒部41の下側且つ同軸上に配置させる。この状態で、クランプ式ホイルガード100を上側へ変位させて、被取付部102を取付筒部41に外挿させると共に、被取付部102の上端を第2当接面45Aに当接させる。これにより、クランプ式ホイルガード100の上下方向の位置が決定される。そして、ネジ108によって被取付部102を締め付けることで、被取付部102にクランプ力(締付力)が発生して、当該クランプ力によってクランプ式ホイルガード100が取付筒部41に固定される。以上により、ツールレスホイルガード90の取付が完了する。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態のグラインダ10では、スピンドル61の径方向外側に、円筒状の取付筒部41が設けられており、取付筒部41は、取付筒部41の上部を構成する上側取付部46と、取付筒部41の下部を構成する下側取付部47と、を有している。また。取付筒部41は、形態の異なるツールレスホイルガード90及びクランプ式ホイルガード100を取付可能に構成されている。ここで、ツールレスホイルガード90の取付筒部41への取付時には、ツールレスホイルガード90が上側取付部46に取付けられ、クランプ式ホイルガード100の取付筒部41への取付時には、クランプ式ホイルガード100が下側取付部47に取付けられる。これにより、ツールレスホイルガード90の取付時には、ツールレスホイルガード90の被取付部92を取付筒部41の上下方向全体に外挿させることで、ツールレスホイルガード90を取付筒部41に取付けることができ、クランプ式ホイルガード100の取付時には、クランプ式ホイルガード100の被取付部102を取付筒部41の下部に外挿させることで、クランプ式ホイルガード100を取付筒部41に取付けることができる。これにより、加工形態に応じて、形態の異なるホイルガードを取付筒部41に取付けることができる。したがって、グラインダ10の作業性を向上することができる。
【0059】
また、上側取付部46は、第1当接面43Aを有しており、ツールレスホイルガード90の取付筒部41への取付状態では、被取付部92の上端が第1当接面43Aに当接して、ツールレスホイルガード90の上下位置が決定される。さらに、下側取付部47は、第2当接面45Aを有しており、クランプ式ホイルガード100の取付筒部41への取付状態では、被取付部102の上端が第2当接面45Aに当接して、クランプ式ホイルガード100の上下位置が決定される。これにより、ツールレスホイルガード90及びクランプ式ホイルガード100の上下位置を決定しつつ、ツールレスホイルガード90及びクランプ式ホイルガード100を取付筒部41に取付けることができる。したがって、ツールレスホイルガード90及びクランプ式ホイルガード100の取付性を向上することができる。
【0060】
また、第1当接面43Aが、第2当接面45Aに対してスピンドル61の径方向外側に配置されている。これにより、ツールレスホイルガード90の取付筒部41への取付時には、被取付部92の上端が、第2当接面45Aに引っ掛かることを抑制することができる。したがって、ツールレスホイルガード90の取付筒部41への取付性を確保しつつ、第2当接面45Aを取付筒部41に形成することができる。
【0061】
また、取付筒部41には、取付溝部45が形成されており、取付溝部45の上面が、第2当接面45Aとして構成されている。これにより、簡易な構成で、第2当接面45Aを形成することができる。
【0062】
また、第2当接面45Aは、下側取付部47を構成する下側取付面41Bよりも径方向外側に突出している。これにより、クランプ式ホイルガード100の被取付部102の上端部と第2当接面45Aとの当接面積を大きく設定することができる。したがって、被取付部102の上端部と第2当接面45Aとの当接状態を良好に維持することができる。
【0063】
また、ツールレスホイルガード90は、取付溝部45に挿入可能な突起部92Aを有しており、ツールレスホイルガード90の取付状態では、突起部92Aが取付溝部45の下面45Cと係合して、ツールレスホイルガード90の下側への移動が制限されている。これにより、第2当接面45Aを形成するための取付溝部45を活用して、ツールレスホイルガード90の下側への移動を制限することができる。
【0064】
また、ロック部材82が、上側取付部46に対して取付筒部41の径方向外側に配置されると共に、第2当接面45A(下側取付部47)よりも上側に配置されている。これにより、クランプ式ホイルガード100の取付筒部41への取付時には、クランプ式ホイルガード100の被取付部102とロック部材82とが干渉することを抑制できる。したがって、クランプ式ホイルガード100の取付筒部41への取付を可能にしつつ、ツールレスホイルガード90を固定するためのロック部材82をパッキングランド40に設けることができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、取付筒部41の下側取付部47に、取付溝部45が形成されており、下側取付部47の外周面が、取付溝部45の底面45B及び下側取付面41Bによって構成される共に、底面45B及び下側取付面41Bが、段差状に連結されている。これに代えて、例えば、取付溝部45の下面45Cを省略して、下側取付部47の外周面を、下側へ向かうに従い径方向外側へ傾斜するようにテーパ状に形成してもよい。
【0066】
また、本実施の形態では、クランプ式ホイルガード100が、下側取付部47に取付けられる例として説明したが、下側取付部47に取付けられるクランプ式ホイルガードの形態は、これに限らない。以下、
図11及び
図12を用いて、クランプ形態の異なる第2カバー部材としてのクランプ式ホイルガード110について説明する。
【0067】
図11に示されるように、クランプ式ホイルガード110では、クランプ式ホイルガード100と同様に、半円筒状の被取付部112と、ガード部114と、が一体に形成されている。また、ガード部114は、上下方向を板厚方向とする略半円板状の上側ガード部114Aと、上側ガード部114Aの外周部から下側へ延出された外周ガード部114Bと、を含んで構成されている。
【0068】
また、クランプ式ホイルガード110は、クランプ機構116を有しており、クランプ機構116は、クランプ部材117と、ナット118と、ネジ119と、を含んで構成されている。クランプ部材117は、一部開放された略円筒状(リング形帯状)に形成されており、クランプ部材117の径方向内側に被取付部112が配置されている。ナット118は、クランプ部材117の一端部に固定されており、ネジ119は、クランプ部材117の両端部に架け渡されると共に、ナット118に螺合されている。
【0069】
そして、
図12に示されるように、クランプ式ホイルガード110の取付筒部41への取付状態では、クランプ部材117及び被取付部112が、取付筒部41の下側取付部47の径方向外側に配置されて、ネジ119によってクランプ部材117を締め付けることで、クランプ部材117にクランプ力(締付力)が発生して、当該クランプ力によってクランプ式ホイルガード110が取付筒部41に固定される。また、クランプ式ホイルガード110の取付筒部41への取付状態では、クランプ部材117及び被取付部112の上端面が、第2当接面45Aに当接している。これにより、クランプ式ホイルガード100の上下位置が設定されている。さらに、クランプ部材117及び被取付部112の内周面には、径方向内側へ突出した突起部120が形成されており、突起部120が取付溝部45内に配置されると共に、取付溝部45の下面45Cと係合して、クランプ式ホイルガード110の下側への移動が制限されている。
【符号の説明】
【0070】
10 ディスクグラインダ(作業機)
41 取付筒部(取付部)
43A 第1当接面(第1当接部)
45 取付溝部
45A 第2当接面(第2当接部)
46 上側取付部(第1取付部)
47 下側取付部(第2取付部)
50 モータ(原動機)
61 スピンドル
68 砥石(回転具)
82 ロック部材
90 ツールレスホイルガード(第1カバー部材)
92A 突起部(係合部)
100 クランプ式ホイルガード(第2カバー部材)
102 被取付部
106 クランプ機構
110 クランプ式ホイルガード(第2カバー部材)
112 被取付部
116 クランプ機構