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特開2022-186181シート貼付装置およびシート貼付方法
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  • 特開-シート貼付装置およびシート貼付方法 図1
  • 特開-シート貼付装置およびシート貼付方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186181
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】シート貼付装置およびシート貼付方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094270
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】根本 拓
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA12
5F131AA13
5F131AA15
5F131AA21
5F131AA22
5F131AA23
5F131BA53
5F131CA07
5F131DA13
5F131DA33
5F131DA42
5F131DA54
5F131DA62
5F131EA07
5F131EA14
5F131EA15
5F131EA22
5F131EA24
5F131EA25
5F131EB01
5F131EB11
5F131EB31
5F131EB36
5F131EB42
5F131EB46
5F131EC32
5F131EC33
5F131EC34
5F131EC35
5F131EC44
5F131EC52
5F131EC55
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC64
5F131EC66
5F131EC68
5F131EC69
5F131EC72
5F131EC77
5F131KA12
5F131KA14
5F131KA33
5F131KA72
5F131KB04
5F131KB12
5F131KB32
(57)【要約】
【課題】被着体の反りを極力低減させるように接着シートを貼付することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供すること。
【解決手段】被着体WKに対する貼付方向が第1貼付方向DR1となるように、被着体WKの一方の面WK1側に第1接着シートAS1を貼付する第1貼付手段20と、被着体WKに対する貼付方向が第2貼付方向DR2となるように、被着体WKに貼付された第1接着シートAS1上に第2接着シートAS2を貼付する第2貼付手段30とを備えたシート貼付装置EAにおいて、第2貼付方向DR2が第1貼付方向DR1と一致しないように貼付方向を調整する方向調整手段40をさらに備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体に対する貼付方向が第1貼付方向となるように、当該被着体の一方の面側に第1接着シートを貼付する第1貼付手段と、
前記被着体に対する貼付方向が第2貼付方向となるように、当該被着体に貼付された前記第1接着シート上に第2接着シートを貼付する第2貼付手段とを備えたシート貼付装置において、
前記第2貼付方向が前記第1貼付方向と一致しないように貼付方向を調整する方向調整手段をさらに備えていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記被着体の他方の面側には、当該被着体に対する貼付方向が第3貼付方向となるように第3接着シートが貼付されており、
前記方向調整手段は、前記第1貼付方向および前記第2貼付方向が前記第3貼付方向と一致しないように貼付方向を調整することを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
【請求項3】
前記被着体に対する剥離方向が所定の剥離方向となるように、当該被着体から前記第3接着シートを剥離するシート剥離手段を備え、
前記方向調整手段は、前記第1貼付方向、前記第2貼付方向および前記第3貼付方向のいずれとも一致しないように、前記剥離方向を調整することを特徴とする請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項4】
被着体に対する貼付方向が第1貼付方向となるように、当該被着体の一方の面側に第1接着シートを貼付する第1貼付工程と、
前記被着体に対する貼付方向が第2貼付方向となるように、当該被着体に貼付された前記第1接着シート上に第2接着シートを貼付する第2貼付工程とを実施するシート貼付方法において、
前記第2貼付方向が前記第1貼付方向と一致しないように貼付方向を調整する方向調整工程をさらに実施することを特徴とするシート貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置およびシート貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被着体に複数の接着シートを貼付する被着体処理装置(シート貼付装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-68326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたシート貼付装置では、被着体WK(被着体)に破損防止シートAS2(第1接着シート)を貼付した後、当該第1接着シートの上に第1接着シートAS1(第2接着シート)を貼付するため、第2接着シートの貼付方向(第2貼付方向)と第1接着シートの貼付方向(第1貼付方向)とが一致することとなる。このように、複数の接着シートが貼付方向を一致させて被着体に貼付されると、それら複数の接着シートの残留応力が合算され、被着体に反りが発生し易くなるという不都合を発生する。このような不都合は、被着体が薄い物の場合に顕著に現れる。
【0005】
本発明の目的は、被着体の反りを極力低減させるように接着シートを貼付することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、先に貼付した接着シートの貼付方向と一致しないように、後から貼付する接着シートの貼付方向を調整するので、複数の接着シートの残留応力が合算されることが軽減され、被着体の反りを極力低減させるように接着シートを貼付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の説明図および同装置の動作説明図。
図2】シート貼付装置の説明図および同装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1中手前方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
本発明のシート貼付装置EAは、被着体WKを搬送する被着体搬送工程を実施する被着体搬送手段10と、被着体WKに対する貼付方向が第1貼付方向DR1となるように、当該被着体WKの一方の面WK1側に第1接着シートAS1を貼付する第1貼付工程を実施する第1貼付手段20と、被着体WKに対する貼付方向が第2貼付方向DR2となるように、当該被着体WKに貼付された第1接着シートAS1上に第2接着シートAS2を貼付する第2貼付工程を実施する第2貼付手段30と、第2貼付方向DR2が第1貼付方向DR1と一致しないように貼付方向を調整する方向調整工程を実施する方向調整手段40とを備えている。
なお、本実施形態では、被着体WKの他方の面WK2側には、当該被着体WKに対する貼付方向が第3貼付方向DR3となるように第3接着シートAS3が貼付されており、シート貼付装置EAは、第3貼付方向DR3を認識する貼付方向認識工程を実施する貼付方向認識手段50と、被着体WKを上下反転させる反転工程を実施する反転手段60と、被着体WKに対する剥離方向が所定の剥離方向DR4となるように、当該被着体WWから第3接着シートAS3を剥離するシート剥離工程を実施するシート剥離手段70とを備えている。
ここで、被着体WKの外縁には、図1(A)中AAを付した図に示すように、V型のノッチVNが形成されており、ノッチVNの両山部VNT間の中心とノッチVNの谷VNBとを結ぶノッチ中央ラインNLと平行な方向が第3貼付方向DR3となっている。
【0011】
被着体搬送手段10は、X軸方向に移動するスライダ11Aを有する駆動機器としてのリニアモータ11を備えている。
【0012】
第1貼付手段20は、第1剥離シートRL1に帯状の第1接着シート基材BS1が仮着された第1原反RS1を支持する支持ローラ21と、第1原反RS1を案内するガイドローラ22と、第1接着シート基材BS1に閉ループ状の第1切込CU1を形成し、当該第1切込CU1の内側および外側に第1接着シートAS1および第1不要シートUS1を形成する切断手段23と、剥離縁24Aで第1剥離シートRL1を折り返し、当該第1剥離シートRL1から第1接着シートAS1を剥離する剥離手段としての剥離板24と、貼付対象物に第1接着シートAS1を押圧して貼付する押圧手段としての押圧ローラ25と、駆動機器としての回動モータ26Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ26Bとで第1剥離シートRL1および不要シートUS1を挟み込む駆動ローラ26と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、シート貼付装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ26Bとの間に存在する第1剥離シートRL1および不要シートUS1に常に所定の張力を付与し、当該第1剥離シートRL1および不要シートUS1を回収する回収手段としての回収ローラ27とを備えている。
切断手段23は、駆動機器としての回動モータ23Aの出力軸23Bに支持され、外周面に切断部材としての平ループ状の切断刃23Dが支持されたダイカットローラ23Cと、ダイカットローラ23Cと同期回転するアンビルローラ23Eとを備えている。
【0013】
第2貼付手段30は、第1貼付手段20と同等の構成であり、第1貼付手段20の構成説明における付番の十の位の2を3に変更するとともに、AS1、BS1、CU1、RL1、RS1およびUS1をそれぞれAS2、BS2、CU2、RL2、RS2およびUS2に変更し、各構成の「第1」を「第2」に読み替えることで説明ができるので図示のみとし、その詳細な構成説明は省略する。
【0014】
方向調整手段40は、スライダ11Aに支持された駆動機器としての回動モータ41と、その出力軸41Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能な保持面42Aを有する支持テーブル42とを備えている。なお、支持テーブル42には切欠部42Bが形成されている。
本実施形態では、方向調整手段40は、第1貼付方向DR1および第2貼付方向DR2が第3貼付方向DR3と一致しないように貼付方向を調整するようになっている。また、方向調整手段40は、第1貼付方DR1、第2貼付方向CR2および第3貼付方向DR3のいずれとも一致しないように、剥離方向DR4を調整するようになっている。
【0015】
貼付方向認識手段50は、カメラや投影機等の撮像手段や、光学センサや超音波センサ等の各種センサ等で構成された検知機器51を備えている。貼付方向認識手段50は、ノッチVNの形状や位置等を検知することで、ノッチVNの両山部VNTの位置とノッチVNの谷VNBの位置からノッチ中央ラインNLを認識し、第3貼付方向DR3を認識するようになっている。
【0016】
反転手段60は、駆動機器としてのリニアモータ61のスライダ61Aに支持された駆動機器としての回動モータ62と、その出力軸62Aに支持され、一体物UPを保持する一対のチャックアーム63Aを有する駆動機器(保持手段)としてのチャックモータ63とを備えている。
【0017】
シート剥離手段70は、保持手段としての帯状の剥離用テープPTを支持する支持ローラ71と、剥離用テープPTを案内するガイドローラ72と、駆動機器としての直動モータ73の出力軸73Aに回転可能に支持された剥離ローラ74と、駆動機器としての回動モータ75Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ75Bとで剥離用テープPTを挟み込む駆動ローラ75と、図示しない駆動機器によって駆動し、シート貼付装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ75Bとの間に存在する剥離用テープPTに常に所定の張力を付与し、当該剥離用テープPTを回収する回収手段としての回収ローラ76とを備えている。
【0018】
以上のシート貼付装置EAの動作を説明する。
先ず、図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EAに対し、当該シート貼付装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように第1、第2原反RS1、RS2をセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、第1、第2貼付手段20、30が回動モータ23A、26Aおよび33A、36Aを駆動し、ダイカットローラ23C、33Cを回転させて第1、第2シート基材BS1、BS2に第1、第2切込CU1、CU2を形成しつつ、第1、第2原反RS1、RS2を繰り出す。第1、第2切込CU1、CU2によって形成された先頭の第1、第2接着シートAS1、AS2の繰出方向先端部が、剥離板24、34の剥離縁24A、34Aで所定長さ剥離されると、第1、第2貼付手段20、30が回動モータ23A、26Aおよび33A、36Aの駆動を停止する。次いで、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、図1(B)に示すように、被着体WKを支持テーブル42上に載置すると、方向調整手段40が図示しない減圧手段を駆動し、保持面42Aでの被着体WKの吸着保持を開始する。その後、貼付方向認識手段50が検知機器51を駆動し、ノッチVNの形状、方向、位置等を検知してノッチ中央ラインNLの方向から第3貼付方向D3を認識した後、方向調整手段40が貼付方向認識手段50の認識結果を基にして回動モータ41を駆動し、図1(C)に示すように、ノッチ中央ラインNLがX軸と平行となるように支持テーブル42を回転させる。次に、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、図1(A)、(C)に示すように、フレーム部材としてのリングフレームRFを支持テーブル42上に載置すると、方向調整手段40が図示しない減圧手段を駆動し、保持面42AでのリングフレームRFの吸着保持を開始する。
【0019】
そして、方向調整手段40が回動モータ41を駆動し、図2(A)に示すように、ノッチ中央ラインNLがX軸に対して30°傾斜するように支持テーブル42を時計回転方向に回転させた後、被着体搬送手段10がリニアモータ11を駆動し、支持テーブル42を左方に移動させる。次いで、被着体WKが第1貼付手段20に対する所定の位置に到達すると、当該第1貼付手段20が回動モータ23A、26Aを駆動し、第1シート基材BS1に新たな第1切込CU1を形成しつつ、支持テーブル42の移動速度に合わせて第1原反RS1を繰り出し、図1(A)および図2(A)中二点鎖線で示すように、押圧ローラ25によって第1接着シートAS1を被着体WKに貼付する。これにより、第1接着シートAS1は、第3貼付方向DR3と一致しない第1貼付方向DR1で被着体WKに貼付される。その後、先頭の第1接着シートAS1に続く次の第1接着シートAS1の繰出方向先端部が、剥離板24の剥離縁24Aで所定長さ剥離されると、第1貼付手段20が回動モータ23A、26Aの駆動を停止する。次に、支持テーブル42が押圧ローラ25の下方から抜け出ると、方向調整手段40が回動モータ41を駆動し、図2(B)に示すように、ノッチ中央ラインNLがX軸に対して60°傾斜するように支持テーブル42を時計回転方向に回転させる。その後も支持テーブル42の左方への移動が続行され、リングフレームRFが第2貼付手段30に対する所定の位置に到達すると、当該第2貼付手段30が回動モータ33A、36Aを駆動し、第2シート基材BS2に新たな第2切込CU2を形成しつつ、支持テーブル42の移動速度に合わせて第2原反RS2を繰り出し、図1(A)および図2(B)中二点鎖線で示すように、押圧ローラ35によって第2シートAS2をリングフレームRFおよび第1接着シートAS1に貼付し、一体物UPを形成する。これにより、第2接着シートAS2は、第1貼付方向DR1および第3貼付方向DR3のいずれとも一致しない第2貼付方向DR2で被着体WKに貼付される。そして、先頭の第2接着シートAS2に続く次の第2接着シートAS2の繰出方向先端部が、剥離板34の剥離縁34Aで所定長さ剥離されると、第2貼付手段20が回動モータ33A、36Aの駆動を停止する。
【0020】
次いで、支持テーブル42が押圧ローラ35の下方から抜け出ると、方向調整手段40が回動モータ41を駆動し、当該回動モータ41に対する初期位置に支持テーブル42を復帰させる。その後も支持テーブル42の左方への移動が続行され、チャックアーム63Aの前方に切欠部42Bが到達すると、被着体搬送手段10がリニアモータ11の駆動を停止した後、反転手段60がチャックモータ63を駆動し、図2(C)中二点鎖線で示すように、チャックアーム63Aで一体物UPを保持する。その後、方向調整手段40が図示しない減圧手段の駆動を停止し、保持面42Aでの一体物UPの吸着保持を解除すると、反転手段60がリニアモータ61および回動モータ62を駆動し、図2(C)中二点鎖線で示すように、チャックアーム63Aで保持した一体物UPを所定高さにまで持ち上げ、当該一体物UPを上下反転させる。次に、反転手段60がリニアモータ61を駆動し、第2接着シートAS2を保持面42A側にして一体物UPを当該保持面42A上に載置すると、方向調整手段40が図示しない減圧手段を駆動し、保持面42Aでの一体物UPの吸着保持を開始した後、反転手段60がチャックモータ63を駆動し、チャックアーム63Aを初期位置に復帰させる。
【0021】
そして、被着体搬送手段10がリニアモータ11を駆動し、支持テーブル42を左方へ移動させ、図1(A)中二点鎖線で示すように、一体物UPにおける第3接着シートAS3の左端部が剥離ローラ74の最下端部直下に到達すると、リニアモータ11の駆動を停止する。次いで、方向調整手段40が回動モータ41を駆動し、図2(D)に示すように、ノッチ中央ラインNLがX軸に対して45°傾斜するように支持テーブル42を時計回転方向に回転させる。その後、シート剥離手段70が直動モータ73を駆動し、剥離ローラ74を下降させて剥離用テープPTを第3接着シートAS3の左端部に貼付すると、被着体搬送手段10およびシート剥離手段70がリニアモータ11および回動モータ75Aを駆動し、支持テーブル42を左方へ移動させる移動速度に合わせて剥離用テープPTを回収ローラ76方向へ送り、図2(D)中二点鎖線および図2(E)に示すように、被着体WKから第3接着シートAS3を剥離する。これにより、第3接着シートAS3は、第1貼付方向DR1、第2貼付方向DR2および第3貼付方向DR3のいずれとも一致しない所定の剥離方向DR4で被着体WKから剥離される。次に、第3接着シートAS3全体が被着体WKから剥離されると、シート剥離手段70が直動モータ73を駆動し、剥離ローラ74を初期位置に復帰させた後、回動モータ75Aの駆動を停止する。そして、支持テーブル42が剥離ローラ74の下方から抜け出ると、被着体搬送手段10がリニアモータ11の駆動を停止するとともに、方向調整手段40が回動モータ41を駆動し、当該回動モータ41に対する初期位置に支持テーブル42を復帰させる。次いで、方向調整手段40が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面42Aでの一体物UPの吸着保持を解除した後、使用者または図示しない搬送手段が一体物UPを次工程に搬送すると、被着体搬送手段10がリニアモータ11を駆動し、支持テーブル42を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0022】
以上のような実施形態によれば、先に貼付した接着シート(第1接着シートAS1)の貼付方向(第1貼付方向DR1)と一致しないように、後から貼付する接着シート(第2接着シートAS2)の貼付方向(第2貼付方向DR2)を調整するので、複数の接着シートの残留応力が合算されることが軽減され、被着体WKの反りを極力低減させるように接着シートを貼付することができる。
【0023】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、第1貼付手段は、被着体に対する貼付方向が第1貼付方向となるように、当該被着体の一方の面側に第1接着シートを貼付するものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0024】
被着体搬送手段10は、第1貼付手段20に対して被着体WKを搬送するものと、第2貼付手段30に対して被着体WKを搬送するものと、反転手段60に対して被着体WKを搬送するものと、シート剥離手段70に対して被着体WKを搬送するものとがそれぞれ別々のもので構成されていてもよいし、それらのうちの何れかが共通のもので構成されていてもよい。
被着体搬送手段10は、被着体WKを移動させることなくまたは移動させつつ第1、第2貼付手段20、30を移動させ、当該被着体WKに第1、第2接着シートAS1、AS2を貼付してもよいし、被着体WKを移動させることなくまたは移動させつつシート剥離手段70を移動させ、当該被着体WKから第3接着シートAS3を剥離してもよいし、本発明の本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、備わっていない場合、他の装置で被着体WKを搬送すればよい。
【0025】
第1、第2貼付手段20、30は、切断手段23、33を採用することなく、帯状の第1、第2剥離シートRL1、RL2に仮着された帯状の第1、第2接着シート基材BS1、BS2に予め閉ループ状の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が第1、第2接着シートAS1、AS2とされた第1、第2原反RS1、RS2を繰り出し、当該第1、第2接着シートAS1、AS2を被着体WK等に貼付してもよいし、第1、第2接着シートAS1、AS2を被着体WK等に貼付する際、繰り出す第1、第2原反RS1、RS2の速度や張力を制御して当該第1、第2接着シートAS1、AS2に所定の張力が付与されるようにしたり、張力が付与されないようにしたりする貼付張力の制御を行ってもよいし、巻回されることなく、例えばファンフォールド折りにされた第1、第2原反RS1、RS2から第1、第2接着シートAS1、AS2を剥離して被着体WK等に貼付してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして第1、第2剥離シートRL1、RL2を回収する回収手段を採用してもよいし、第1、第2剥離シートRL1、RL2から第1、第2不要シートUS1、US2を剥離して回収する不要シート回収手段を備えていてもよい。回収手段を採用しなくてもよいし、第1、第2剥離シートRL1、RL2に仮着されていない第1、第2接着シートAS1、AS2を繰り出して貼付してもよい。
切断手段23、33は、例えば、第1、第2シート基材BS1、BS2に離間接近する切断部材としての所謂平刃を採用してもよいし、ダイカットローラ23C、33Cに対して着脱可能または着脱不能な切断刃23D、33Dを採用してもよいし、帯状の第1、第2接着シート基材BS1、BS2に短寸幅方向全体の切込を形成し、その切込で仕切られた領域を第1、第2接着シートAS1、AS2とするものでもよい。
【0026】
方向調整手段40は、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤、粘着剤、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被着体WK等を保持する構成でもよいし、支持テーブル42を時計回転方向または反時計回転方向のいずれの方向に回転させて第1貼付方向DR1、第2貼付方向DR2または剥離方向DR4を調整してもよいし、被着体WKを回転させることなくまたは回転させ、第1貼付手段20、第2貼付手段30またはシート剥離手段70を回転させ、第1貼付方向DR1、第2貼付方向DR2または剥離方向DR4を調整してもよいし、ノッチ中央ラインNLに対し、例えば、3度、90度、120度といった角度で傾斜するように第1貼付方向DR1を調整し、当該第1貼付方向DR1が第3貼付方向DR3と一致しないようしてもよいし、ノッチ中央ラインNLに対し、例えば、13度、76度、125度といった角度で傾斜するように第2貼付方向DR2を調整し、当該第2貼付方向DR1が第1貼付方向D1および第3貼付方向DR3のいずれとも一致しないようしてもよいし、ノッチ中央ラインNLに対し、例えば、25度、40度、145度といった角度で傾斜するように剥離方向DR4を調整し、当該剥離方向DR4が第1貼付方向DR1、第2貼付方向DR2および第3貼付方向DR3のいずれとも一致しないようにしてもよく、第1、第2、第3貼付方向DR1、DR2、DR3および剥離方向DR4を、どのような角度差をもって一致しないように調整してもよいし、ノッチ中央ラインNLを基準とすることなく、被着体WKに設けられた図形、文字、溝、凹凸、オリエンテーションフラット等の被着体WKの他の部位を基準として第1、第2、貼付方向DR1、DR2および剥離方向DR4を調整してもよい。
【0027】
貼付方向認識手段50は、例えば、被着体WKに設けられた図形、文字、溝、凹凸、オリエンテーションフラット等を検知することで第3貼付方向DR3を認識してもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0028】
反転手段60は、一体物UPにおけるリングフレームRF、第1接着シートAS1、第2接着シートAS2、第3接着シートAS3および被着体WKのうち少なくとも1つを保持し、被着体WKを上下反転させてもよいし、一体物UPを上昇させることなく、支持テーブル42を移動させておいて当該一体物UPを上下反転させてもよいし、一体物UPを上下反転させることなく被着体WKから第3接着シートAS3を剥離できる場合や、被着体WKから第3接着シートAS3を剥離しない場合や、被着体WKに第3接着シートAS3が貼付されていない場合等、一体物UPを上下反転する必要がなければ、本発明のシート貼付装置EAに備わっていなくてもよい。
【0029】
シート剥離手段70は、支持テーブル42の移動を停止させることなく、剥離用テープPTを第3接着シートAS3に貼付してもよいし、剥離ローラ74を昇降させることなく、剥離用テープPTを第3接着シートAS3に貼付してもよいし、支持テーブル42を移動させることなくまたは移動させつつ、自身が移動して被着体WKから第3接着シートAS3を剥離してもよいし、保持手段として、帯状または枚葉の剥離用シートPTを採用してもよいし、駆動機器としての直動モータの出力軸に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段によって吸着保持が可能な保持部材で第3接着シートAS3を保持し、当該保持部材で保持した第3接着シートAS3を被着体WKから離間させて剥離する構成等どのような構成でもよいし、被着体搬送手段10に支持されていてもよいし、紫外線、赤外線、可視光線、X線またはガンマ線等のエネルギー線で接着力が低下する第3接着シートAS3を採用し、当該第3接着シートAS3にエネルギー線を照射するエネルギー線照射手段でエネルギー線を照射してから当該第3接着シートAS3を被着体WKから剥離してもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0030】
被着体WKは、他方の面WK2側に第3接着シートAS3が貼付されていなくてもよいし、他方の面WK2側に第3接着シートAS3が貼付されている場合、第3貼付方向DR3は、ノッチ中央ラインNLと平行な方向でなくてもよく、例えば、ノッチ中央ラインNLに対して6度、85度、163度といった角度で傾斜していてもよいし、ノッチ中央ラインNLを基準とすることなく、例えば、被着体WKに設けられた図形、文字、溝、凹凸、オリエンテーションフラット等の被着体WKの他の部位を基準として第3貼付方向DR3が定められていてもよい。
被着体WKは、ノッチVNが形成されていなくてもよい。
フレーム部材は、環状でもよいし、円形、楕円形、三角形や四角形以上の多角形、環状でない(閉ループ状でない)フレーム部材等何でもよいし、なくてもよい。
【0031】
本発明における第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3および被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3および被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3は、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3が採用された場合は、当該第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3を加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3は、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3は、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3のうちの少なくとも1つの接着シートは、例えば、両面接着シートからなる第1のシート材と、接着剤層のない1層または複数層からなる第2のシート材とで構成されていてもよい。この場合、そのような接着シートを被着体WK等の貼付対象物に貼付する第1、第2、第3貼付手段20、50、70は、貼付対象物に第1のシート材を貼付した後、当該第1のシート材上に第2のシート材を積層して貼付する構成とすることができる。
接着シートは、接着剤層がなく、例えば静電気、クーロン力、ファンデルワールス力、磁力等によって貼付対象物に接着するものでもよい。
【0032】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や樹脂等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
EA…シート貼付装置
20…第1貼付手段
30…第2貼付手段
40…方向調整手段
AS1…第1接着シート
AS2…第2接着シート
AS3…第3接着シート
DR1…第1貼付方向
DR2…第2貼付方向
DR3…第3貼付方向
DR4…剥離方向
WK…被着体
WK1…一方の面
WK2…他方の面
図1
図2