(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186182
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】半導体チップの製造方法および半導体チップの製造装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20221208BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/78 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094271
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】根本 拓
【テーマコード(参考)】
5F063
5F131
【Fターム(参考)】
5F063AA15
5F063AA35
5F063CC01
5F063DD80
5F063EE31
5F063FF01
5F063FF41
5F063FF51
5F131AA02
5F131AA12
5F131AA13
5F131AA15
5F131AA21
5F131AA22
5F131AA23
5F131BA52
5F131BA53
5F131BA54
5F131BB13
5F131CA32
5F131CA53
5F131DA13
5F131DA16
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131DA54
5F131DA62
5F131DB22
5F131DB62
5F131DB72
5F131EA05
5F131EA07
5F131EA14
5F131EA15
5F131EA22
5F131EA24
5F131EA25
5F131EB01
5F131EB11
5F131EB31
5F131EB36
5F131EB42
5F131EB46
5F131EC32
5F131EC33
5F131EC34
5F131EC35
5F131EC44
5F131EC52
5F131EC55
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC64
5F131EC66
5F131EC68
5F131EC72
5F131EC77
(57)【要約】 (修正有)
【課題】第2接着シート上に極力不要片を残さないようにする半導体チップの製造方法および半導体チップの製造装置を提供する。
【解決手段】半導体チップの製造装置EAは、分割予定ライン形成手段10と、第1接着シートAS1を貼付する工程を実施する第1貼付手段20と、分割ラインSLで区切られた半導体チップCPを形成するとともに、当該チップ採取領域WF3の外側に不要片UFを形成する工程を実施する分割手段40と、半導体ウエハWFの他方の面WF2側に第2接着シートAS2を貼付する第2貼付手段30と、第1接着シートAS1を剥離する第1接着シート剥離手段90とを備える。第2貼付工程では、チップ採取領域WF3を全て覆い、且つ、半導体ウエハWFの外縁に接しないように半導体ウエハWFの他方の面WF2側に第2接着シートAS2を貼付し、第1接着シート剥離工程では、第1接着シートAS1と共に不要片UFを除去する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハの内部に、相互に交差する改質部からなる分割予定ラインを形成する分割予定ライン形成工程と、
前記半導体ウエハの一方の面側に、当該半導体ウエハの外縁を全て覆うように第1接着シートを貼付する第1貼付工程と、
前記半導体ウエハに外力を付与し、前記分割予定ラインを切っ掛けとして分割ラインを形成し、当該半導体ウエハにおける所定のチップ採取領域の内側に前記分割ラインで区切られた半導体チップを形成するとともに、当該チップ採取領域の外側に不要片を形成する分割工程と、
前記半導体ウエハの他方の面側に第2接着シートを貼付する第2貼付工程と、
前記半導体ウエハから前記第1接着シートを剥離する第1接着シート剥離工程とを実施し、
前記第2貼付工程では、前記チップ採取領域を全て覆い、且つ、前記半導体ウエハの外縁に接しないように前記半導体ウエハの他方の面側に第2接着シートを貼付し、
前記第1接着シート剥離工程では、前記第1接着シートと共に前記不要片を除去することを特徴とする半導体チップの製造方法。
【請求項2】
半導体ウエハの一方の面に、相互に交差する凹溝からなる分割予定ラインを形成する分割予定ライン形成工程と、
前記半導体ウエハの一方の面側に、当該半導体ウエハの外縁を全て覆うように第1接着シートを貼付する第1貼付工程と、
前記半導体ウエハを薄くし、前記分割予定ラインを当該半導体ウエハの他方の面側に表出させて分割ラインを形成し、当該半導体ウエハにおける所定のチップ採取領域の内側に前記分割ラインで区切られた半導体チップを形成するとともに、当該チップ採取領域の外側に不要片を形成する分割工程と、
前記半導体ウエハの他方の面側に第2接着シートを貼付する第2貼付工程と、
前記半導体ウエハから前記第1接着シートを剥離する第1接着シート剥離工程とを実施し、
前記第2貼付工程では、前記チップ採取領域を全て覆い、且つ、前記半導体ウエハの外縁に接しないように前記半導体ウエハの他方の面側に第2接着シートを貼付し、
前記第1接着シート剥離工程では、前記第1接着シートと共に前記不要片を除去することを特徴とする半導体チップの製造方法。
【請求項3】
前記半導体ウエハに貼付された前記第2接着シート上に、当該半導体ウエハの外縁形状よりも大きな外縁形状を備えた第3接着シートを貼付する第3貼付工程を実施することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体チップの製造方法。
【請求項4】
第2貼付工程では、前記半導体ウエハの外縁形状よりも大きな外縁形状を備えた第3接着シートが積層された前記第2接着シートが用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体チップの製造方法。
【請求項5】
半導体ウエハの内部に、相互に交差する改質部からなる分割予定ラインを形成する分割予定ライン形成工程と、
前記半導体ウエハの一方の面側に、当該半導体ウエハの外縁を全て覆うように第1接着シートを貼付する第1貼付工程と、
前記半導体ウエハに外力を付与し、前記分割予定ラインを切っ掛けとして分割ラインを形成し、当該半導体ウエハにおける所定のチップ採取領域の内側に前記分割ラインで区切られた半導体チップを形成するとともに、当該チップ採取領域の外側に不要片を形成する分割工程とが行われた当該半導体ウエハから、前記第1接着シートを剥離する半導体チップの製造装置において、
前記半導体ウエハから前記半導体チップを採取するチップ採取領域を全て覆い、且つ、前記半導体ウエハの外縁に接しないように、前記半導体ウエハの他方の面側に第2接着シートを貼付する第2貼付手段と、
前記半導体ウエハから前記第1接着シートと共に前記不要片を除去する不要片除去手段とを備えていることを特徴とする半導体チップの製造装置。
【請求項6】
半導体ウエハの一方の面に、相互に交差する凹溝からなる分割予定ラインを形成する分割予定ライン形成工程と、
前記半導体ウエハの一方の面側に、当該半導体ウエハの外縁を全て覆うように第1接着シートを貼付する第1貼付工程と、
前記半導体ウエハを薄くし、前記分割予定ラインを当該半導体ウエハの他方の面側に表出させて分割ラインを形成し、当該半導体ウエハにおける所定のチップ採取領域の内側に前記分割ラインで区切られた半導体チップを形成するとともに、当該チップ採取領域の外側に不要片を形成する分割工程とが行われた当該半導体ウエハから、前記第1接着シートを剥離する半導体チップの製造装置において、
前記半導体ウエハから前記半導体チップを採取するチップ採取領域を全て覆い、且つ、前記半導体ウエハの外縁に接しないように、前記半導体ウエハの他方の面側に第2接着シートを貼付する第2貼付手段と、
前記半導体ウエハから前記第1接着シートと共に前記不要片を除去する不要片除去手段とを備えていることを特徴とする半導体チップの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップの製造方法および半導体チップの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1接着シートに貼付された半導体チップに第2接着シートを貼付し、第1接着シートを剥離する半導体チップの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された電子部品の製造方法(半導体チップの製造方法)では、ウェハ固定用テープ5(第2接着シート)に貼付されたウェハ1(ウエハ)からフィルム3(第1接着シート)を剥離した後、当該第2接着シート上に電子部品8(半導体チップ)以外のウエハ部分(不要片)が残るため、ダイボンディング工程における半導体チップのピックアップ工程等において、当該不要片が第2接着シートから外れて半導体チップ上に積み重なったり、当該不要片の存在が妨げとなったりして半導体チップのピックアップ動作を阻害する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、第2接着シート上に極力不要片を残さないようにすることができる半導体チップの製造方法および半導体チップの製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1接着シートの剥離と共に不要片を除去するので、第2接着シート上に極力不要片を残さないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の半導体チップの製造方法を実施する半導体チップの製造装置の説明図および同装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な
図1中手前方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
本発明の半導体チップの製造装置EAは、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」ともいう)WFの内部に、相互に交差する改質部からなる分割予定ラインPLを形成する分割予定ライン形成工程を実施する分割予定ライン形成手段10と、ウエハWFの一方の面WF1側に、当該ウエハWFの外縁を全て覆うように第1接着シートAS1を貼付する第1貼付工程を実施する第1貼付手段20と、ウエハWF等を上下反転させるウエハ反転工程を実施するウエハ反転手段30と、ウエハWFに外力を付与し、分割予定ラインPLを切っ掛けとして分割ラインSLを形成し、当該ウエハWFにおける所定のチップ採取領域WF3(
図1(B)中太い実線で囲んだ領域)の内側に分割ラインSLで区切られた半導体チップ(以下、単に「チップ」ともいう)CPを形成するとともに、当該チップ採取領域WF3の外側に不要片UFを形成する分割工程を実施する分割手段40と、ウエハWFの他方の面WF2側に第2接着シートAS2を貼付する第2貼付工程を実施する第2貼付手段50と、ウエハWFの外側にフレーム部材としてのリングフレームRFを配置するフレーム配置工程を実施するフレーム配置手段60と、ウエハWFに貼付された第2接着シートAS2上に、当該ウエハWFの外縁形状よりも大きな外縁形状を備えた第3接着シートAS3を貼付する第3貼付工程を実施する第3貼付手段70と、一体物UPを上下反転させる一体物反転工程を実施する一体物反転手段80と、ウエハWFから第1接着シートAS1と共に不要片UFを除去する第1接着シート剥離工程を実施する第1接着シート剥離手段90とを備え、ウエハWFを搬送するウエハ搬送工程を実施するウエハ搬送手段TMの近傍に配置されている。
【0011】
分割予定ライン形成手段10は、複数のアームによって構成され、その作業範囲内において、作業部である先端アーム11Aで支持したものを何れの位置、何れの角度にでも変位可能な駆動機器としての所謂多関節ロボット11と、多関節ロボット11の先端アーム11Aが嵌り込み、当該多関節ロボット11に保持されるレーザ保持部12Aを有するレーザ用ブラケット12と、レーザ用ブラケット12に支持され、ウエハWFにレーザLSを照射し、分割予定ラインPLを形成するレーザ照射機13とを備えている。
【0012】
第1貼付手段20は、第1剥離シートRL1に帯状の第1接着シート基材BS1が仮着された第1原反RS1を支持する支持ローラ21と、第1接着シート基材BS1に閉ループ状の第1切込CU1を形成し、当該第1切込CU1の内側および外側に第1接着シートAS1および第1不要シートUS1を形成する切断手段22と、第1原反RS1を案内するガイドローラ23と、剥離縁24Aで第1剥離シートRL1を折り返し、当該第1剥離シートRL1から第1接着シートAS1を剥離する剥離手段としての剥離板24と、貼付対象物に第1接着シートAS1を押圧して貼付する押圧手段としての押圧ローラ25と、駆動機器としての回動モータ26Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ26Bとで第1剥離シートRL1および不要シートUS1を挟み込む駆動ローラ26と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、半導体チップの製造装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ26Bとの間に存在する第1剥離シートRL1および不要シートUS1に常に所定の張力を付与し、当該第1剥離シートRL1および不要シートUS1を回収する回収手段としての回収ローラ27とを備えている。
切断手段22は、駆動機器としての回動モータ22Aの出力軸22Bに支持され、外周面に切断部材としての平ループ状の切断刃22Dが支持されたダイカットローラ22Cと、ダイカットローラ22Cと同期回転するアンビルローラ22Eとを備えている。
【0013】
ウエハ反転手段30は、駆動機器としてのリニアモータ31のスライダ31Aに支持された駆動機器としての回動モータ32と、その出力軸32Aに支持され、保持対象物を保持する一対のチャックアーム33Aを有する駆動機器(保持手段)としてのチャックモータ33とを備えている。
【0014】
分割手段40は、駆動機器としてのXYテーブル41と、当該XYテーブル41の出力台41Aに支持された駆動機器としての直動モータ42と、直動モータ42の出力軸42Aに支持された駆動機器としての回動モータ43と、支持板44Aを介して回動モータ43の出力軸43Aに支持された砥石やエンドミル等の研削部材44とを備え、当該研削部材44でウエハWFを他方の面WF2側から研削することで、当該ウエハWFを所定の厚みにまで研削するとともに、ウエハWFを研削する際の振動を外力として分割予定ラインPLを切っ掛けとして分割ラインSLを形成する構成となっている。
【0015】
第2貼付手段50は、チップ採取領域WF3を全て覆い、且つ、ウエハWFの外縁に接しないように、ウエハWFの他方の面WF2側に第2接着シートAS2を貼付する構成となっている。なお、第2貼付手段50は、第1貼付手段20と同等の構成であり、第1貼付手段20の構成説明における付番の十の位の2を5に変更するとともに、AS1、BS1、CU1、RL1、RS1およびUS1をそれぞれAS2、BS2、CU2、RL2、RS2およびUS2に変更し、各構成の「第1」を「第2」に読み替えることで説明ができるので図示のみとし、その詳細な構成説明は省略する。
【0016】
フレーム配置手段60は、駆動機器としてのリニアモータ61のスライダ61Aに支持された駆動機器としての直動モータ62と、吸着アーム63Aを介して直動モータ62の出力軸62Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な吸着パッド63と、リングフレームRFを収容するリングフレームストッカ64とを備えている。
【0017】
第3貼付手段70は、第1貼付手段20と同等の構成であり、第1貼付手段20の構成説明における付番の十の位の2を7に変更するとともに、AS1、BS1、CU1、RL1、RS1およびUS1をそれぞれAS3、BS3、CU3、RL3、RS3およびUS3に変更し、各構成の「第1」を「第3」に読み替えることで説明ができるので図示のみとし、その詳細な構成説明は省略する。その際、第3貼付手段70は、ウエハWFおよびリングフレームRFに第3接着シートAS3を貼付して一体物UPを形成するようになっている。
【0018】
一体物反転手段80は、ウエハ反転手段30と同等の構成であり、ウエハ反転手段30の構成説明における付番の十の位の3を8に変更することで説明ができるので図示のみとし、その詳細な構成説明は省略する。
【0019】
第1接着シート剥離手段90は、保持手段としての帯状の剥離用テープPTを支持する支持ローラ91と、剥離用テープPTを案内するガイドローラ92と、駆動機器としての直動モータ93の出力軸93Aに回転可能に支持された剥離ローラ94と、駆動機器としての回動モータ95Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ95Bとで剥離用テープPTを挟み込む駆動ローラ95と、図示しない駆動機器によって駆動し、半導体チップの製造装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ95Bとの間に存在する剥離用テープPTに常に所定の張力を付与し、当該剥離用テープPTを回収する回収手段としての回収ローラ96とを備え、ウエハWFから第1接着シートAS1と共に不要片UFを除去する不要片除去手段を構成している。
【0020】
ウエハ搬送手段TMは、X軸方向に移動するスライダTM1Aを有する駆動機器としてのリニアモータTM1と、スライダTM1Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能な保持面TM2Aを有する支持テーブルTM2とを備えている。なお、支持テーブルTM2には切欠部TM2Bが形成されている。
【0021】
以上の半導体チップの製造装置EAの動作を説明する。
先ず、
図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置された半導体チップの製造装置EAに対し、当該半導体チップの製造装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように第1、第2、第3原反RS1、RS2、RS3をセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、第1、第2、第3貼付手段20、50、70が回動モータ22A、26A、52A、56Aおよび72A、76Aを駆動し、ダイカットローラ22C、52C、72Cを回転させて第1、第2、第3シート基材BS1、BS2、BS3に第1、第2、第3切込CU1、CU2、CU3を形成しつつ、第1、第2、第3原反RS1、RS2、RS3を繰り出す。第1、第2、第3切込CU1、CU2、CU3によって形成された先頭の第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3の繰出方向先端部が、剥離板24、54、74の剥離縁24A、54A、74Aで所定長さ剥離されると、第1、第2、第3貼付手段20、50、70が回動モータ22A、26A、52A、56Aおよび72A、76Aの駆動を停止する。次いで、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、
図1(A)に示すように、ウエハWFを支持テーブルTM2上に載置すると、ウエハ搬送手段TMが図示しない減圧手段を駆動し、保持面TM2AでのウエハWFの吸着保持を開始する。
【0022】
その後、ウエハ搬送手段TMがリニアモータTM1を駆動し、支持テーブルTM2を左方へ移動させ、ウエハWFが分割予定ライン形成手段10の作業範囲に到達すると、リニアモータTM1の駆動を停止し、この停止後、分割予定ライン形成手段10が多関節ロボット11およびレーザ照射機13を駆動し、
図1(A)中二点鎖線および
図1(B)に示すように、ウエハWFに分割予定ラインPLを形成する。次に、ウエハ搬送手段TMがリニアモータTM1を駆動し、支持テーブルTM2を左方へ移動させてウエハWFが第1貼付手段20に対する所定の位置に到達すると、当該第1貼付手段20が回動モータ22A、26Aを駆動し、支持テーブルTM2の移動速度に合わせて第1原反RS1を繰り出して第1シート基材BS1に新たな第1切込CU1を形成しつつ、
図1(A)中二点鎖線で示すように、ウエハWFの一方の面WF1側に、当該ウエハWFの外縁を全て覆うように第1接着シートAS1を貼付する。そして、先頭の第1接着シートAS1に続く次の第1接着シートAS1の繰出方向先端部が、剥離板24の剥離縁24Aで所定長さ剥離されると、第1貼付手段20が回動モータ22A、26Aの駆動を停止する。その後も支持テーブルTM2の左方への移動が続行され、チャックアーム33Aの前方に切欠部TM2Bが到達すると、ウエハ搬送手段TMがリニアモータTM1の駆動を停止した後、ウエハ反転手段30がチャックモータ33を駆動し、
図1(C)中二点鎖線で示すように、チャックアーム33AでウエハWF等を保持する。次いで、ウエハ搬送手段TMが図示しない減圧手段の駆動を停止し、保持面TM2AでのウエハWFの吸着保持を解除すると、ウエハ反転手段30がリニアモータ31および回動モータ32を駆動し、
図2(C)中二点鎖線で示すように、チャックアーム33Aで保持したウエハWF等を所定高さにまで持ち上げ、当該ウエハWF等を上下反転させる。その後、ウエハ反転手段30がリニアモータ31を駆動し、第1接着シートAS1を保持面TM2A側にしてウエハWF等を当該保持面TM2A上に載置した後、ウエハ搬送手段TMが図示しない減圧手段を駆動し、保持面TM2AでのウエハWF等の吸着保持を開始すると、ウエハ反転手段30がチャックモータ33を駆動し、チャックアーム33Aを初期位置に復帰させる。
【0023】
次に、ウエハ搬送手段TMがリニアモータTM1を駆動し、支持テーブルTM2を左方へ移動させ、ウエハWFが分割手段40の作業範囲に到達すると、リニアモータTM1の駆動を停止し、この停止後、分割手段40がXYテーブル41、直動モータ42および回動モータ43を駆動し、
図1(A)中二点鎖線で示すように、ウエハWFが所定の厚みとなるように研削部材44で当該ウエハWFを研削する。なお、この研削の際の振動が外力となり、この外力によって改質部が崩壊することで分割予定ラインPLが分割ラインSLとなり、ウエハWFは、
図1(B)中破線で示すように、当該分割ラインSLによってチップCPと不要片UFとに区分けされる。ウエハWFが所定の厚みにまで研削されると、分割手段40がXYテーブル41、直動モータ42および回動モータ43の駆動を停止した後、XYテーブル41および直動モータ42を駆動し、研削部材44を初期位置に復帰させる。そして、ウエハ搬送手段TMがリニアモータTM1を駆動し、支持テーブルTM2を左方へ移動させてウエハWFが第2貼付手段50に対する所定の位置に到達すると、当該第2貼付手段50が第1貼付手段20と同等の動作を行って、
図1(A)中二点鎖線および
図1(B)に示すように、チップ採取領域WF3を全て覆い、且つ、ウエハWFの外縁に接しないように、ウエハWFの他方の面WF2側に第2接着シートAS2を貼付する。
【0024】
その後もウエハ搬送手段TMのリニアモータTM1の駆動による支持テーブルTM2の左方への移動が続行され、Y軸方向から観た正面視において、ウエハWFの左右方向の中心位置が吸着アーム63Aの左右方向の中心位置に到達すると、ウエハ搬送手段TMがリニアモータTM1の駆動を停止する。次いで、フレーム配置手段60がリニアモータ61A、直動モータ62および図示しない減圧手段を駆動し、リングフレームストッカ64内のリングフレームRFを吸着保持して
図1(D)中二点鎖線で示すように、当該リングフレームRFを保持面TM2A上に配置した後、ウエハ搬送手段TMが図示しない減圧手段を駆動し、保持面TM2AでのリングフレームRFの吸着保持を開始する。その後、フレーム配置手段60が図示しない減圧手段の駆動を停止し、吸着パッド63でのリングフレームRFの吸着保持を解除した後、リニアモータ61Aおよび直動モータ62を駆動し、吸着パッド63を初期位置に復帰させると、ウエハ搬送手段TMがリニアモータTM1を駆動し、支持テーブルTM2を左方へ移動させる。次に、支持テーブルTM2が第3貼付手段70に対する所定の位置に到達すると、当該第3貼付手段70が第1貼付手段20と同等の動作を行って、
図1(A)中二点鎖線で示すように、リングフレームRFおよび第2接着シートAS2上に第3接着シートAS3を貼付し、一体物UPを形成する。
【0025】
その後も支持テーブルTM2の左方への移動が続行され、チャックアーム83Aの前方に切欠部TM2Bが到達すると、ウエハ搬送手段TMがリニアモータTM1の駆動を停止した後、ウエハ反転手段30と同等の動作を行って一体物UPを上下反転させる。そして、ウエハ搬送手段TMがリニアモータTM1を駆動し、支持テーブルTM2を左方へ移動させ、一体物UPにおける第1接着シートAS1の左端部が剥離ローラ94の最下端部直下に到達すると、リニアモータTM1の駆動を停止する。次いで、第1接着シート剥離手段90が直動モータ93を駆動し、剥離ローラ94を下降させて剥離用テープPTを第1接着シートAS1の左端部に貼付すると、ウエハ搬送手段TMおよび第1接着シート剥離手段90がリニアモータTM1および回動モータ95Aを駆動し、支持テーブルTM2を左方へ移動させる移動速度に合わせて剥離用テープPTを回収ローラ96方向へ送り、
図1(A)中二点鎖線に示すように、ウエハWFから第1接着シートAS1を剥離する。この際、ウエハWFの外縁に位置する不要片UF(チップ採取領域WF3の外側に位置する不要片UF)は、大部分が第2接着シートAS2に接着することなく第1接着シートAS1に接着しているので、第1接着シートAS1と共にウエハWFから除去されることとなる。本実施形態では、不要片UFのうち
図1(B)中網掛けした不要片UFを第1接着シートAS1と共にウエハWFから除去することができた。その後、ウエハWFから第1接着シートAS1全体が剥離されると、第1接着シート剥離手段90が直動モータ93を駆動し、剥離ローラ94を初期位置に復帰させた後、回動モータ95Aの駆動を停止する。次に、支持テーブルTM2が剥離ローラ94の下方から抜け出ると、ウエハ搬送手段TMがリニアモータTM1の駆動を停止した後、図示しない減圧手段の駆動を停止し、保持面TM2Aでの一体物UPの吸着保持を解除する。そして、使用者または図示しない搬送手段が一体物UPを次工程に搬送すると、ウエハ搬送手段TMがリニアモータTM1を駆動し、支持テーブルTM2を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0026】
以上のような実施形態によれば、第1接着シートAS1の剥離と共に不要片UFを除去するので、第2接着シートAS2上に極力不要片UFを残さないようにすることができる。
【0027】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、第1貼付工程は、半導体ウエハの一方の面側に、当該半導体ウエハの外縁を全て覆うように第1接着シートを貼付する工程であればどんな工程でもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0028】
分割予定ライン形成手段10は、多関節ロボット11をフレーム配置手段60と共有し、当該多関節ロボット11で吸着アーム63Aを保持してリングフレームRFを搬送してもよいし、レーザ光、電磁波、振動、熱、薬品、化学物質等の付与によって、ウエハWFの特性、特質、性質、材質、組成、構成、寸法等を変更することで、ウエハWFを脆弱化、粉砕化、液化または空洞化して分割予定ラインPLを形成してもよく、分割予定ラインPLは、外力の付与によって分割ラインSLとなる切っ掛けとなるものであればどのようなものでもよい。
分割予定ライン形成手段10は、ウエハWFの一方の面WF1に、相互に交差する凹溝からなる分割予定ラインPLを形成してもよい。この場合、分割予定ライン形成手段10は、ウエハWFの特性、特質、性質、材質、組成、構成等を考慮して、レーザ光、電磁波、熱、薬品、化学物質等を付与したり、切削ブレードや切断刃等の凹溝形成手段を用いたりして、ウエハWFの一方の面WF1に凹溝からなる分割予定ラインPLを形成することができ、この際の分割手段40は、ウエハWFを薄くし、分割予定ラインPLを当該ウエハWFの他方の面WF2側に表出させて分割ラインSLを形成し、当該ウエハWFにおける所定のチップ採取領域WK3の内側に分割ラインSLで区切られたチップCPを形成するとともに、当該チップ採取領域WK3の外側に不要片UFを形成すればよい。なお、ウエハWFを薄くする際、公知の研削装置を用いたり、公知の切断装置を用いたり、公知のスライス装置を用いたり等、どのような装置を用いてもよい。
【0029】
第1、第2、第3貼付手段20、50、70は、切断手段22、52、72を採用することなく、帯状の第1、第2、第3剥離シートRL1、RL2、RL3に仮着された帯状の第1、第2、第3接着シート基材BS1、BS2、BS3に予め閉ループ状の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3とされた第1、第2、第3原反RS1、RS2、RS3を繰り出し、当該第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3をウエハWF等に貼付してもよいし、第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3をウエハWF等に貼付する際、繰り出す第1、第2、第3原反RS1、RS2、RS3の速度や張力を制御して当該第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3に所定の張力が付与されるようにしたり、張力が付与されないようにしたりする貼付張力の制御を行ってもよいし、巻回されることなく、例えばファンフォールド折りにされた第1、第2、第3原反RS1、RS2、RS3から第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3を剥離してウエハWF等に貼付してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして第1、第2、第3剥離シートRL1、RL2、RL3等を回収する回収手段を採用してもよいし、第1、第2、第3剥離シートRL1、RL2、RL3から第1、第2、第3不要シートUS1、US2、US3を剥離して回収する不要シート回収手段を備えていてもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、第1、第2、第3離シートRL1、RL2、RL3に仮着されていない第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3を繰り出して貼付してもよい。
切断手段22、52、72は、例えば、第1、第2、第3シート基材BS1、BS2、BS3に離間接近する切断部材としての所謂平刃を採用してもよいし、ダイカットローラ22C、52C、72Cに対して着脱可能または着脱不能な切断刃22E、52E、72Eを採用してもよいし、帯状の第1、第2、第3接着シート基材BS1、BS2、BS3に短寸幅方向全体の切込を形成し、その切込で仕切られた領域を第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3とするものでもよいし、本発明の半導体チップの製造装置EAに備わっていなくてもよい。
第1貼付工程は、分割予定ライン形成工程の前段で実施してもよい。
第2貼付手段50は、ウエハWFの外縁形状よりも大きな外縁形状を備えた第3接着シートAS3が積層された第2接着シートAS2が用いられてもよい。
第3貼付手段70は、本発明の半導体チップの製造装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0030】
ウエハ反転手段30は、多関節ロボット11を分割予定ライン形成手段10と共有し、当該多関節ロボット11でチャックモータ33を保持してウエハWF等を上下反転させてもよいし、一体物反転手段80が兼用する構成でもよく、これらの場合、第1接着シートAS1を貼付した後、多関節ロボット11の作業範囲や一体物反転手段80の作業範囲内に支持テーブルTM2を移動させればよい。
ウエハ反転手段30は、第1接着シートAS1およびウエハWFのうち少なくとも1つを保持し、ウエハWF等を上下反転させてもよいし、ウエハWF等を上昇させることなく、支持テーブルTM2を移動させておいて当該ウエハWF等を上下反転させてもよいし、ウエハWF等を上下反転させることなく、分割手段40が下側からウエハWFを研削したり、第2、第3貼付手段50、70がウエハWF等に第2、第3接着シートAS2、AS3を貼付したりできる場合、本発明の半導体チップの製造装置EAに備わっていなくてもよい。
【0031】
分割手段40は、ウエハWFを研磨する力を外力としたり、ウエハWFを切断する力を外力としたりして分割予定ラインPLを切っ掛けとして分割ラインSLを形成してもよいし、ウエハWFを研削したり研磨したり切断したりすることなく、超音波振動装置やバイブレータ等の振動装置による外力を付与することで、分割予定ラインPLを切っ掛けとして分割ラインSLを形成してもよいし、分割予定ラインPLの全てを分割ラインSLとしてもよいし、分割予定ラインPLの一部を分割ラインSLとしてもよい。
【0032】
フレーム配置手段60は、多関節ロボット11を分割予定ライン形成手段10と共有し、当該多関節ロボット11で吸着アーム63Aを保持してリングフレームRFを搬送してもよいし、支持テーブルTM2の前方やその他の場所にリングフレームストッカ64を配置してもよいし、本発明の半導体チップの製造装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0033】
一体物反転手段80は、多関節ロボット11を分割予定ライン形成手段10と共有し、当該多関節ロボット11でチャックモータ83を保持して一体物UPを上下反転させてもよいし、ウエハ反転手段30が兼用する構成でもよい。これらの場合、第3接着シートAS3を貼付した後、多関節ロボット11の作業範囲やウエハ反転手段30の作業範囲内に支持テーブルTM2を移動させればよい。
一体物反転手段80は、リングフレームRF、第1接着シートAS1、第2接着シートAS2、第3接着シートAS3およびウエハWFのうち少なくとも1つを保持し、一体物UPを上下反転させてもよいし、一体物UPを上昇させることなく、支持テーブルTM2を移動させておいて当該一体物UPを上下反転させてもよいし、一体物UPを上下反転させることなく、第1接着シート剥離手段90がウエハWFから第1接着シートAS1を剥離できる場合、本発明の半導体チップの製造装置EAに備わっていなくてもよい。
【0034】
第1接着シート剥離手段90は、支持テーブルTM2の移動を停止させることなく、剥離用テープPTを第1接着シートAS1に貼付してもよいし、剥離ローラ94を昇降させることなく、剥離用テープPTを第1接着シートAS1に貼付してもよいし、支持テーブルTM2を移動させることなくまたは移動させつつ、自身が移動してウエハWFから第1接着シートAS1を剥離してもよいし、保持手段として、帯状または枚葉の剥離用シートPTを採用してもよいし、駆動機器としての直動モータの出力軸に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段によって吸着保持が可能な保持部材で第1接着シートAS1を保持したり、チャックモータ等で第1接着シートAS1を保持したりして、保持した第1接着シートAS1をウエハWFから剥離してもよいし、支持テーブルTM2に支持されていてもよいし、紫外線、赤外線、可視光線、X線またはガンマ線等のエネルギー線で接着力が低下する第1接着シートAS1を採用し、当該第1接着シートAS1にエネルギー線を照射するエネルギー線照射手段でエネルギー線を照射してから当該第1接着シートAS1をウエハWFから剥離してもよいし、不要片UFのうち
図1(B)中網掛けした不要片UFの一部を第1接着シートAS1とともにウエハWFから除去してもよいし、網掛けした不要片UFおよびその他の不要片UFを第1接着シートAS1とともにウエハWFから除去してもよいし、不要片UF全てを第1接着シートAS1とともにウエハWFから除去してもよい。
【0035】
ウエハ搬送手段TMは、第1貼付手段20、ウエハ反転手段30、分割手段40、第2貼付手段50、フレーム配置手段60、第3貼付手段70、一体物反転手段80および第1接着シート剥離手段90に対し、それぞれ個別にウエハWFを搬送したり相対移動させたりする構成でもよいし、それらのうちの何れかが共通のもので構成されていてもよい。
ウエハ搬送手段TMは、ウエハWFを移動させることなくまたは移動させつつ第1、第2、第3貼付手段20、50、70を移動させ、当該ウエハWFに第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3を貼付してもよいし、ウエハWFを移動させることなくまたは移動させつつ第1接着シート剥離手段90を移動させ、当該ウエハWFから第1接着シートAS1を剥離してもよいし、本発明の本発明の半導体チップの製造装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、備わっていない場合、他の装置でウエハWFを搬送すればよい。
【0036】
半導体チップの製造装置EAは、分割予定ライン形成工程と、第1貼付工程と、分割工程とが行われたウエハWFから、第1接着シートAS1を剥離するものとする場合、第2貼付手段50と、不要片除去手段とで構成されてもよい。
【0037】
第1接着シートAS1は、ウエハWFの外縁形状と同じ外縁形状でもよいし、ウエハWFの外縁形状よりも大きな外縁形状でもよい。
第2接着シートAS2は、チップ採取領域WF3と同じ外縁形状でもよいし、チップ採取領域WF3を相似拡大させた外縁形状でもよい。
フレーム部材は、環状でもよいし、円形、楕円形、三角形や四角形以上の多角形、環状でない(閉ループ状でない)フレーム部材等何でもよいし、なくてもよい。
【0038】
本発明における第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3、剥離用テープPTおよびウエハWFの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3、剥離用テープPTおよびウエハWFは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3および剥離用テープPTは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3または剥離用テープPTが採用された場合は、当該第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3または剥離用テープPTを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3および剥離用テープPTは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、ウエハWFとしては、例えば、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよい。なお、第1、第2、第3接着シートAS1、AS2、AS3は、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0039】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や樹脂等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
EA…半導体チップの製造装置
10…分割予定ライン形成手段
20…第1貼付手段
40…分割手段
50…第2貼付手段
70…第3貼付手段
90…第1接着シート剥離手段(不要片除去手段)
AS1…第1接着シート
AS2…第2接着シート
AS3…第3接着シート
CP…半導体チップ
PL…分割予定ライン
SL…分割ライン
UF…不要片
WF…半導体ウエハ
WF1…一方の面
WF2…他方の面
WF3…チップ採取領域