(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186204
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】制御プログラム、表示方法及び画像表示システム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/431 20110101AFI20221208BHJP
H04N 21/4728 20110101ALI20221208BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20221208BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20221208BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20221208BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20221208BHJP
【FI】
H04N21/431
H04N21/4728
H04N7/18 U
G06F13/00 610A
G06F3/0481
G06F3/0484 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094312
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】520429510
【氏名又は名称】株式会社Nossa
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100170748
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】福井 高志
【テーマコード(参考)】
5B084
5C054
5C164
5E555
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA12
5B084AA16
5B084AB07
5B084AB12
5B084AB19
5B084AB31
5B084BB04
5B084DC02
5B084DC03
5B084EA47
5C054CC05
5C054DA09
5C054FD07
5C054FE12
5C054HA00
5C164FA07
5C164MB01S
5C164PA38
5C164SA25S
5C164UB10S
5C164UB26S
5C164UB41S
5C164UB82S
5C164UB86S
5C164UB88P
5C164UD44P
5C164YA11
5E555AA25
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA83
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC08
5E555BD05
5E555CA02
5E555CA12
5E555CA18
5E555CB02
5E555CB12
5E555CB33
5E555CB74
5E555CC01
5E555CC05
5E555DA05
5E555DB04
5E555DB53
5E555DB56
5E555DC13
5E555DC26
5E555DC53
5E555DC73
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】広角カメラによって撮像された画像を複数のユーザが各自の端末で見ている場合に、各ユーザが画像の全く異なる位置を見ていたとしても、他のユーザが画像のどの辺りを見ているかをユーザに認識させることが可能な制御プログラム等を提供する。
【解決手段】制御プログラムは、広角カメラの撮像画像の表示処理をコンピュータに実行させる。撮像画像は複数の端末に表示される。制御プログラムは、撮像画像を第1端末の第1表示部に表示する処理と、第1画像の一部分の拡大画像を第1端末の第2表示部に表示する処理と、第2端末の第2表示部に表示されている拡大画像の範囲を示す第1範囲情報を第1端末の第1表示部に表示する処理とをコンピュータに実行させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広角カメラの撮像画像の表示処理をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、
前記撮像画像は複数の端末に表示され、
前記撮像画像を第1端末の第1表示部に表示する処理と、
前記第1端末の前記第1表示部に表示された前記撮像画像の一部分の拡大画像を前記第1端末の第2表示部に表示する処理と、
第2端末の第2表示部に表示されている前記拡大画像の範囲を示す第1範囲情報を前記第1端末の前記第1表示部に表示する処理とを前記コンピュータに実行させる、制御プログラム。
【請求項2】
前記第1端末において表示されている前記拡大画像を前記第2端末の前記第2表示部に表示させる第1表示共有機能を実現する、請求項1に記載の制御プログラム。
【請求項3】
前記第1端末の前記第2表示部に表示されている前記拡大画像の範囲を示す第2範囲情報が、前記第2端末の前記第1表示部に表示され、
前記第2端末において前記第2範囲情報が選択されると、前記第1表示共有機能を有効にする処理を前記コンピュータに実行させる、請求項2に記載の制御プログラム。
【請求項4】
前記第1端末の操作に基づいて前記第1表示共有機能を有効にする処理を前記コンピュータに実行させる、請求項2又は請求項3に記載の制御プログラム。
【請求項5】
前記第1端末の前記第2表示部に第1ポインタを表示する処理と、
前記第1端末の操作に基づいて前記第1ポインタの表示位置を変更する処理とを前記コンピュータに実行させ、
前記第1表示共有機能が有効になるのに応じて、前記第2端末の前記第2表示部のうち前記第1ポインタの表示位置に対応する位置に第2ポインタが表示される、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の制御プログラム。
【請求項6】
前記第2端末において表示されている前記拡大画像を、前記第1端末の前記第2表示部に表示させる第2表示共有機能を実現し、
前記第1端末において表示される前記拡大画像の範囲は、前記第2表示共有機能を有効にすることを伴わない第1操作、及び、前記第2表示共有機能を有効にする第2操作の各々によって変更され、
前記制御プログラムは、前記第1端末において表示される前記拡大画像範囲を、前記第1操作を受け付けた場合と、前記第2操作を受け付けた場合とで異なる態様で前記コンピュータに変更させる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の制御プログラム。
【請求項7】
前記第1端末から静止画像の撮像指示を受け付けるのに応じて、前記広角カメラは静止画像を撮像し、
前記撮像指示を受け付けた場合には、前記第2端末において表示されている前記拡大画像の範囲の変更指示の受付けが抑制される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の制御プログラム。
【請求項8】
第2カメラによって撮像された画像が前記複数の端末に表示され、
前記第2カメラの解像度は、前記広角カメラの解像度よりも高く、
前記広角カメラの第1撮像範囲と前記第2カメラの第2撮像範囲とは重なっており、
前記第2撮像範囲に含まれる前記拡大画像を前記第2表示部に表示させる場合には、前記第2カメラによって撮像された画像に基づいて生成された前記拡大画像を前記第2表示部に表示する処理を前記コンピュータに実行させる、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の制御プログラム。
【請求項9】
広角カメラの撮像画像を表示する表示方法であって、
前記撮像画像は複数の端末に表示され、
前記撮像画像を第1端末の第1表示部に表示するステップと、
前記第1端末の前記第1表示部に表示された前記撮像画像の一部分の拡大画像を前記第1端末の第2表示部に表示するステップと、
第2端末の第2表示部に表示されている前記拡大画像の範囲を示す範囲情報を前記第1端末の前記第1表示部に表示するステップとを含む、表示方法。
【請求項10】
広角カメラの撮像画像を複数の端末の各々に表示させる画像表示システムであって、
前記広角カメラと、
第1及び第2端末とを備え、
前記第1及び第2端末の各々は、第1及び第2表示領域を含むディスプレイを備え、
前記撮像画像は前記第1及び第2端末の各々に表示され、
前記第1端末の第1表示領域は、前記撮像画像を表示し、
前記第1端末の第2表示領域は、前記第1端末の第1表示領域に表示された前記撮像画像の一部分の拡大画像を表示し、
前記第1端末の第1表示領域は、第2端末の第2表示領域に表示されている前記拡大画像の範囲を示す範囲情報を表示する、画像表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御プログラム、表示方法及び画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開平9-198228号公報(特許文献1)は、共有ビュー表示方法を開示する。この共有ビュー表示方法においては、共同作業アプリケーションを使用して複数の参加者(自分を含む)が共有資料を参照している場合に、自分が参照している画面に他の参加者が参照している部分が明示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている方法においては、例えば、自分が参照している画面において画像の一部が拡大表示された場合に、自分が参照している画面中に他の参加者が参照している部分がなくなり、他の参加者が参照している部分を画面上に明示できなくなるという問題が生じ得る。このような問題は、特に、広角カメラによって撮像された画像が複数の端末において表示されている場合に顕著である。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、広角カメラによって撮像された画像を複数のユーザが各自の端末で見ている場合に、各ユーザが画像の全く異なる位置を見ていたとしても、他のユーザが画像のどの辺りを見ているかをユーザに認識させることが可能な制御プログラム、表示方法及び画像表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従う制御プログラムは、広角カメラの撮像画像の表示処理をコンピュータに実行させる。撮像画像は複数の端末に表示される。制御プログラムは、撮像画像を第1端末の第1表示部に表示する処理と、第1端末の第1表示部に表示された撮像画像の一部分の拡大画像を第1端末の第2表示部に表示する処理と、第2端末の第2表示部に表示されている拡大画像の範囲を示す第1範囲情報を第1端末の第1表示部に表示する処理とをコンピュータに実行させる。
【0007】
この制御プログラムがコンピュータによって実行されると、第2端末において表示されている拡大画像の範囲を示す第1範囲情報が、第1端末の第1表示部に表示される。したがって、この制御プログラムによれば、第1端末のユーザは、第1表示部に表示された第1範囲情報を参照することによって、第2端末のユーザが撮像画像のどの辺りを見ているかを認識することができる。
【0008】
上記制御プログラムは、第1端末において表示されている拡大画像を第2端末の第2表示部に表示させる第1表示共有機能を実現してもよい。
【0009】
この制御プログラムによれば、拡大画像のうち第1端末のユーザが見ている範囲を第2端末のユーザに容易に見せることができる。
【0010】
上記制御プログラムにおいて、第1端末の第2表示部に表示されている拡大画像の範囲を示す第2範囲情報が、第2端末の第1表示部に表示され、制御プログラムは、第2端末において第2範囲情報が選択されると、第1表示共有機能を有効にする処理をコンピュータに実行させてもよい。
【0011】
この制御プログラムは、第2範囲情報が選択されると、第1表示共有機能を有効にする処理をコンピュータに実行させる。したがって、この制御プログラムによれば、撮像画像のうち第1端末のユーザが見ている範囲を第2端末のユーザに即座に見せることができる。
【0012】
上記制御プログラムは、第1端末の操作に基づいて第1表示共有機能を有効にする処理をコンピュータに実行させてもよい。
【0013】
この制御プログラムによれば、撮像画像のうち第1端末のユーザが見ている範囲を第2端末のユーザに即座に見せることができる。
【0014】
上記制御プログラムは、第1端末の第2表示部に第1ポインタを表示する処理と、第1端末の操作に基づいて第1ポインタの表示位置を変更する処理とをコンピュータに実行させ、第1表示共有機能が有効になるのに応じて、第2端末の第2表示部のうち第1ポインタの表示位置に対応する位置に第2ポインタが表示されてもよい。
【0015】
この制御プログラムがコンピュータによって実行されると、第1表示共有機能が有効になるのに応じて、第2端末の第2表示部のうち第1ポインタの表示位置に対応する位置に第2ポインタが表示される。したがって、この制御プログラムによれば、第1端末のユーザは、第2端末のユーザへの各種説明のために第1ポインタを利用することができる。
【0016】
上記制御プログラムは、第2端末において表示されている拡大画像を、第1端末の第2表示部に表示させる第2表示共有機能を実現し、第1端末において表示される拡大画像の範囲は、第2表示共有機能を有効にすることを伴わない第1操作、及び、第2表示共有機能を有効にする第2操作の各々によって変更され、上記制御プログラムは、第1端末において表示される拡大画像の範囲を、第1操作を受け付けた場合と、第2操作を受け付けた場合とで異なる態様でコンピュータに変更させてもよい。
【0017】
上記制御プログラムがコンピュータによって実行されると、第1端末において表示される拡大画像の範囲が、第1操作を受け付けた場合と、第2操作を受け付けた場合とで異なる態様で変化する。したがって、この制御プログラムによれば、第1端末において表示される拡大画像の範囲が、第1操作によって変化したのか、第2操作(第2表示共有機能を有効にする操作)によって変化したのかをユーザに直感的に認識させることができる。
【0018】
上記制御プログラムにおいて、第1端末から静止画像の撮像指示を受け付けるのに応じて、広角カメラは静止画像を撮像し、撮像指示を受け付けた場合には、第2端末において表示されている拡大画像の範囲の変更指示の受付けが抑制されてもよい。
【0019】
この制御プログラムによれば、広角カメラによる静止画撮像中に、第2端末において表示されている拡大画像の範囲の変更を抑制することができる。
【0020】
第2カメラによって撮像された画像が複数の端末に表示され、第2カメラの解像度は、広角カメラの解像度よりも高く、広角カメラの第1撮像範囲と第2カメラの第2撮像範囲とは重なっており、上記制御プログラムは、第2撮像範囲に含まれる拡大画像を第2表示部に表示させる場合に、第2カメラによって撮像された画像に基づいて生成された第2画像を第2表示部に表示する処理をコンピュータに実行させてもよい。
【0021】
この制御プログラムがコンピュータによって実行されると、第2撮像範囲に含まれる拡大画像を第2表示部に表示させる場合に、第2カメラによって撮像された画像に基づいて生成された拡大画像が第2表示部に表示される。したがって、この制御プログラムによれば、第2カメラの解像度が広角カメラの解像度よりも高いため、第2撮像範囲に含まれる拡大画像を第2表示部に表示させる場合に、より解像度の高い画像を第2表示部に表示させることができる。
【0022】
本発明の他の局面に従う表示方法は、広角カメラの撮像画像を表示する方法である。撮像画像は複数の端末に表示される。表示方法は、撮像画像を第1端末の第1表示部に表示するステップと、第1端末の第1表示部に表示された撮像画像の一部分の拡大画像を第1端末の第2表示部に表示するステップと、第2端末の第2表示部に表示されている拡大画像の範囲を示す範囲情報を第1端末の第1表示部に表示するステップとを含む。
【0023】
この表示方法においては、第2端末において表示されている拡大画像の範囲を示す範囲情報が、第1端末の第1表示部に表示される。したがって、この表示方法によれば、第1端末のユーザは、第1表示部に表示された範囲情報を参照することによって、第2端末のユーザが撮像画像のどの辺りを見ているかを認識することができる。
【0024】
本発明の他の局面に従う画像表示システムは、広角カメラの撮像画像を複数の端末の各々に表示させる。画像表示システムは、広角カメラと、第1及び第2端末とを備える。第1及び第2端末の各々は、第1及び第2表示領域を含むディスプレイを備える。撮像画像は第1及び第2端末の各々に表示される。第1端末の第1表示領域は、撮像画像を表示する。第1端末の第2表示領域は、第1端末の第1表示領域に表示された撮像画像の一部分の拡大画像を表示する。第1端末の第1表示領域は、第2端末の第2表示領域に表示されている拡大画像の範囲を示す範囲情報を表示する。
【0025】
この画像表示システムにおいては、第2端末において表示されている拡大画像の範囲を示す範囲情報が、第1端末の第1表示領域に表示される。したがって、この画像表示システムによれば、第1端末のユーザは、第1表示領域に表示された範囲情報を参照することによって、第2端末のユーザが撮像画像のどの辺りを見ているかを認識することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、広角カメラによって撮像された画像を複数のユーザが各自の端末で見ている場合に、各ユーザが画像の全く異なる位置を見ていたとしても、他のユーザが画像のどの辺りを見ているかをユーザに認識させることが可能な制御プログラム、表示方法及び画像表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。
【
図2】サーバの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3】各端末の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図4】端末において表示される画面の一例を示す図である。
【
図5】第1画像及び第2画像の表示手順を示すフローチャートである。
【
図7】第1表示共有機能について説明するための模式図である。
【
図8】第1表示共有機能に関する動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第1表示共有機能に関する動作の他の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第2表示共有機能に関する動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】特殊態様による第2画像範囲の変更について説明するための図である。
【
図12】表示共有機能を解除した後の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図13】静止画撮像に起因する動作について説明するための図である。
【
図14】静止画撮像動作の一例を示すフローチャートである。
【
図15】変形例の端末における第2画像の表示例を説明するための図である。
【
図16】変形例における動作の一例を示すフローチャートである。
【
図17】変形例における第1端末と第2端末との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0029】
[1.構成]
<1-1.システムの概要>
図1は、本実施の形態に従うシステム10の概略構成を模式的に示すブロック図である。
図1に示されるように、システム10は、広角カメラ300と、サーバ100と、複数の端末200(例えば、第1端末200A及び第2端末200B)とを含んでいる。システム10においては、広角カメラ300によって撮像された画像(撮像画像)が複数の端末200の各々に配信される。
【0030】
広角カメラ300は、標準レンズを有するカメラよりも広い画角の画像を撮像するように構成されている。広角カメラ300は、例えば、広角レンズを有するカメラ、又は、いわゆる全方位カメラ(360度カメラ)によって構成される。全方位カメラは、例えば、複数の魚眼レンズを含み、カメラの周囲360度全体を撮像するように構成されている。広角カメラ300は、無線通信機能を有している。
【0031】
システム10において、広角カメラ300は、被写体が存在する現場に配置される。例えば、システム10が不動産の内覧に用いられる場合には、広角カメラ300が対象の不動産の内部に配置される。また、例えば、システム10が建設現場の状況確認に用いられる場合には、広角カメラ300が建設現場に配置される。広角カメラ300によって生成された画像データは、インターネットを介してサーバ100に送信される。
【0032】
サーバ100は、広角カメラ300から受信した画像データを複数の端末200の各々に配信する。各端末200は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット又はスマートフォンによって構成される。各端末200においては、配信された画像データに基づいて生成された画像が表示される。各端末200は、例えば、サーバ100を介して通信するように構成されている。例えば、各端末200のユーザは、サーバ100を介して通話することができる。システム10によれば、各端末200のユーザは、例えば、広角カメラ300によって撮像された共通の画像を確認しながら会議を行なうことができる。以下、システム10について詳細に説明する。
【0033】
<1-2.サーバの構成>
図2は、サーバ100の構成を模式的に示すブロック図である。本実施の形態において、サーバ100は、例えば、汎用コンピュータによって実現される。
図2に示されるように、サーバ100は、制御部110と、通信I/F(interface)130と、記憶部120とを含んでいる。各構成は、バスを介して電気的に接続されている。
【0034】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112及びROM(Read Only Memory)113等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。
【0035】
通信I/F130は、インターネットを通じて、各端末200(
図1)及び広角カメラ300と通信するように構成されている。通信I/F130は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール又は無線LANモジュールで構成される。
【0036】
記憶部120は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部120は、例えば、制御プログラム121を記憶している。制御プログラム121がCPU111によって実行されることによって、サーバ100における各種機能が実現される。
【0037】
<1-3.端末の構成>
図3は、各端末200の構成を模式的に示すブロック図である。上述のように、端末200は、例えば、PC、タブレット又はスマートフォンによって構成される。
図3に示されるように、端末200は、制御部210と、通信I/F230と、ディスプレイ250と、受付部240と、記憶部220とを含む。端末200において、各構成はバスを介して電気的に接続されている。
【0038】
制御部210は、CPU211、RAM212及びROM213等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。通信I/F230は、インターネットを介して、例えば、サーバ100と通信するように構成されている。通信I/F230は、例えば、有線LANモジュール又は無線LANモジュールで構成される。
【0039】
ディスプレイ250は、画像を表示するように構成されている。ディスプレイ250は、例えば、液晶モニタや有機EL(Electro Luminescence)モニタ等のモニタで構成される。受付部240は、ユーザからの入力を受け付けるように構成されている。受付部240は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス及びマイクの一部又は全部で構成される。
【0040】
記憶部220は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部220は、例えば、制御プログラム221を記憶するように構成されている。制御プログラム221がCPU211によって実行されることによって、端末200における各種機能が実現される。
【0041】
[2.動作]
<2-1.通常の画面表示>
図4は、端末200において表示される画面の一例を示す図である。
図4に示されるように、端末200のディスプレイ250には、第1表示部(第1表示領域)251及び第2表示部(第2表示領域)252が含まれる。ディスプレイ250において、第1表示部251及び第2表示部252は縦方向に並んで配置されており、第1表示部251は第2表示部252の上方に配置されている。なお、第1表示部251及び第2表示部252の配置は必ずしもこれに限定されない。例えば、第1表示部251と第2表示部252とが横方向に並んで配置されてもよい。すなわち、ディスプレイ250における第1表示部251及び第2表示部252の配置は問題ではなく、ディスプレイ250が2つの表示部を有していればよい。また、第1表示部251と第2表示部252とは必ずしも同時に表示されている必要はない。例えば、第1表示部251における表示と第2表示部252における表示とが切り替えて表示可能な構成であってもよい。
【0042】
システム10において、端末200のディスプレイ250には、サーバ100から配信された画像(広角カメラ300によって撮像された画像)が表示される。具体的には、広角カメラ300によって撮像された画像の全体を示す第1画像が第1表示部251に表示され、第1画像の一部分の拡大画像である第2画像が第2表示部252に表示される。例えば、広角カメラ300が全方位カメラである場合には、広角カメラ300の周囲全体を撮像したパノラマ画像が第1表示部251に表示される。なお、第1画像は、必ずしも広角カメラ300によって撮像された画像の全体を示す必要はない。例えば、第1画像は、広角カメラ300によって撮像された画像の一部を切り取った画像であってもよい。
【0043】
システム10に含まれる各端末200の第1表示部251には、例えば、共通の第1画像が表示される。一方、第2表示部252に表示される第2画像の第1画像における範囲(以下、単に「第2画像範囲」とも称する。)は、例えば、ユーザによる受付部240の操作によって変更することができる。例えば、第1端末200Aのユーザは第1端末200Aにおける第2画像範囲を変更可能であり、第2端末200Bのユーザは第2端末200Bにおける第2画像範囲を変更可能である。したがって、各ユーザの操作次第で、各端末200の第2表示部252には、第1画像における異なる範囲の拡大画像(第2画像)が表示される。
【0044】
第1表示部251においては、1又は複数の枠260が表示される。この例において、枠260Aは、自端末200の第2画像範囲を示している。また、枠260B-260Dは、それぞれAさん-Cさんの端末200の第2画像範囲を示している。各枠260は、各端末200の第2表示部252に表示されている第2画像の第1画像における範囲を示す範囲情報である。
【0045】
本実施の形態において、他端末200の第2画像範囲を示す枠260(例えば、枠260B-260D)は、第1表示部251に表示されていればよい。したがって、他端末200の第2画像範囲を示す枠260(例えば、枠260B-260D)は、第2表示部252に表示されてもよいし、表示されていなくてもよい。
【0046】
好適には、第1表示部251において、自端末200の第2画像範囲を示す枠260(例えば、枠260A)は常に表示される。一方、他端末200の第2画像範囲を示す枠260(例えば、枠260B-260D)に関しては、第1表示部251に表示させない設定が可能である。例えば、広角カメラ300によって撮像された画像を同時に閲覧している参加者のリスト(不図示)がディスプレイ250に表示され、該参加者のリストから第2画像範囲を示す枠260を第1表示部251に表示する参加者または表示させない参加者を選択可能としてもよい。また、第2表示部252においては、他端末200の第2画像範囲を示す枠260が表示されないことが好ましい。ユーザは第2画像を注視しており、第2画像に余計な情報が重畳されると第2画像が見づらくなるためである。第2表示部252に、他端末200の第2画像範囲を示す枠260を表示可能にする場合は、第2表示部252上の枠260の表示有無を切り替え可能とすることが好ましい。または、広角カメラ300によって撮像された画像を同時に閲覧している参加者のリスト(不図示)がディスプレイ250に表示され、該参加者のリストから、第2画像範囲を第2表示部252に表示する枠260を表示する参加者または、表示させない参加者を選択可能としてもよい。
【0047】
システム10においては、各端末200の第2画像範囲を示す枠260(範囲情報)が、端末200の第1表示部251に表示される。したがって、システム10によれば、端末200のユーザは、第1表示部251に表示された各枠260を参照することによって、他の端末200のユーザが第1画像のどの辺りを見ているかを認識することができる。特に、広角カメラ300が全方位カメラである場合には、各端末200において表示される第2画像の第1画像における位置が全く異なる位置になりやすい。このような場合に、他の端末200のユーザがどこを見ているのかを認識することは困難である。したがって、広角カメラ300が全方位カメラである場合には、各端末200の第2画像範囲を示す枠260を端末200の第1表示部251に表示することが特に有効である。各端末200における画像の表示動作は、例えば、
図5,6のフローチャートに示される処理によって実現される。
【0048】
図5は、第1画像及び第2画像の表示手順を示すフローチャートである。左側のフローチャートに示される処理は端末200の制御部210によって実行され、右側のフローチャートに示される処理はサーバ100の制御部110によって実行される。
【0049】
図5の右側のフローチャートを参照して、サーバ100の制御部110は、通信I/F130を介して広角カメラ300からの画像データ(動画像データ)の受信を開始する(ステップS100)。制御部110は、各端末200への画像データの配信を開始するように通信I/F130を制御する(ステップS110)。制御部110は、広角カメラ300からの画像データの受信が停止されたか否かを判定する(ステップS120)。
【0050】
画像データの受信が停止されていないと判定されると(ステップS120においてNO)、制御部110は、各端末200への画像データの配信を継続する。一方、画像データの受信が停止されたと判定されると(ステップS120においてYES)、このフローチャートに示される処理は終了する。
【0051】
図5の左側のフローチャートを参照して、端末200の制御部210は、サーバ100からの画像データの受信が開始されたか否かを判定する(ステップS160)。画像データの受信が開始されていないと判定されると(ステップS160においてNO)、制御部210は、画像データの受信が開始されるまで待機する。
【0052】
一方、画像データの受信が開始されたと判定されると(ステップS160においてYES)、制御部210は、受信された画像データに基づいて第1及び第2画像を生成する(ステップS170)。第2画像は、例えば、受付部240を介してユーザによって選択された第2画像範囲に基づいて生成される。
【0053】
制御部210は、生成された第1及び第2画像を第1表示部251及び第2表示部252にそれぞれ表示するようにディスプレイ250を制御する(ステップS180)。これにより、端末200の第1表示部251に第1画像が表示され、端末200の第2表示部252に第2画像が表示される。
【0054】
図6は、枠260の表示手順を示すフローチャートである。左側のフローチャートに示される処理は端末200の制御部210によって実行され、中央のフローチャートに示される処理はサーバ100の制御部110によって実行され、右側のフローチャートに示される処理は他の端末200の制御部210によって実行される。
【0055】
図6の右側のフローチャートを参照して、他の端末200の制御部210は、第2画像範囲の変更指示があったか否かを判定する(ステップS200)。例えば、他の端末200の制御部210は、第2画像範囲を変更するためのタッチパネル(受付部240の一例)の操作があったか否かを判定する。
【0056】
第2画像範囲の変更指示がないと判定されると(ステップS200においてNO)、他の端末200の制御部210は、第2画像範囲の変更指示を受け付けるまで待機する。一方、第2画像範囲の変更指示があったと判定されると(ステップS200においてYES)、他の端末200の制御部210は、他の端末200における第2画像の範囲情報をサーバ100に送信するように通信I/F230を制御する(ステップS210)。第2画像の範囲情報は、例えば、第1画像内の第2画像の座標情報、及び、第2画像のデジタルズームにおける倍率情報を含んでもよい。
【0057】
図6の中央のフローチャートを参照して、サーバ100の制御部110は、他端末200から第2画像の範囲情報を受信したか否かを判定する(ステップS220)。第2画像の範囲情報を受信していないと判定されると(ステップS220においてNO)、制御部110は、第2画像の範囲情報を受信するまで待機する。一方、第2画像の範囲情報を受信したと判定されると(ステップS220においてYES)、制御部110は、受信された第2画像の範囲情報を端末200に送信するように通信I/F130を制御する(ステップS230)。
【0058】
図6の左側のフローチャートを参照して、端末200の制御部210は、他端末200における第2画像の範囲情報を受信したか否かを判定する(ステップS240)。他端末200における第2画像の範囲情報を受信していないと判定されると(ステップS240においてNO)、端末200の制御部210は、他端末200における第2画像の範囲情報を受信するまで待機する。他端末200における第2画像の範囲情報を受信したと判定されると(ステップS240においてYES)、端末200の制御部210は、他端末200における第2画像範囲を示す枠260の第1表示部251における重畳位置を更新するようにディスプレイ250を制御する(ステップS250)。このような処理により、例えば、
図4における枠260B-260Dが、端末200の第1表示部251において第1画像に重畳表示される。
【0059】
<2-2.表示共有機能>
本実施の形態に従うシステム10においては、各端末200がホスト又は一般参加者として会議に参加することができる。例えば、第1端末200A(
図1)のユーザはホストとして会議に参加することができ、第2端末200Bのユーザは一般参加者として会議に参加することができる。この場合に、第1端末200Aの第2表示部252に表示されている第2画像を他の端末200(例えば、第2端末200B)の第2表示部252に表示させる機能を第1表示共有機能と称し、他の端末200(例えば、第2端末200B)の第2表示部252に表示されている第2画像を第1端末200Aの第2表示部252に表示させる機能を第2表示共有機能と称する。
【0060】
システム10においては、例えば、第1表示共有機能を有効化することによって、第1画像のうち第1端末200Aのユーザが第2画像として見ている範囲を第2端末200Bのユーザに容易に見せることができる。また、例えば、第2表示共有機能を有効化することによって、第1画像のうち第2端末200Bのユーザが第2画像として見ている範囲を第1端末200Aのユーザが容易に見ることができる。第1表示共有機能について次に説明する。
【0061】
(2-2-1.第1表示共有機能)
図7は、第1表示共有機能について説明するための模式図である。
図7を参照して、第1端末200Aにおいて、第1表示部251には広角カメラ300によって撮像された全範囲を示す第1画像(123456789)が表示されており、第2表示部252には第1画像の一部分の拡大画像である第2画像(123)が表示されている。第1端末200Aの第1表示部251には、さらに、枠260E,260Fが表示されている。枠260Eは第1端末200Aにおける第2画像範囲を示し、枠260Fは第2端末200Bにおける第2画像範囲を示す。
【0062】
第1端末200Aの第2表示部252には、さらに、ポインタ270と共有ボタン280とが表示されている。ポインタ270の表示位置は、受付部240の操作によって変更される。第1端末200Aの共有ボタン280は、第1表示共有機能を有効化するためのボタンである。
【0063】
また、第2端末200Bにおいて、第1表示部251には広角カメラ300によって撮像された全範囲を示す第1画像(123456789)が表示されており、第2表示部252には第1画像の一部分の拡大画像である第2画像(678)が表示されている。第2端末200Bの第1表示部251には、さらに、枠260G,260Hが表示されている。枠260Gは第1端末200Aにおける第2画像範囲を示し、枠260Hは第2端末200Bにおける第2画像範囲を示す。
【0064】
第2端末200Bの第2表示部252には、さらに、ポインタ275と共有ボタン280とが表示されている。第2端末200Bの共有ボタン280は、第2表示共有機能を有効化するためのボタンである。
【0065】
このような状態で、例えば、第1端末200Aにおいて共有ボタン280が選択される、又は、第2端末200Bにおいて枠260Gが選択されると、第1表示共有機能が有効化される。例えば、受付部240がタッチパネルで構成される場合には、第1端末200Aにおける共有ボタン280、又は、第2端末200Bにおける枠260Gがタッチされることによって、第1表示共有機能が有効化される。
【0066】
この例において、第1表示共有機能が有効化されると、第2端末200Bの第2表示部252には、第1端末200Aにおける第2画像範囲と同じ範囲の画像が表示される。すなわち、この例においては、第2端末200Bの第2表示部252に「123」という画像が表示される。このように、システム10によれば、第1表示共有機能を利用することによって、第1画像のうち第1端末200Aのユーザが第2画像として見ている範囲を第2端末200Bのユーザに即座に見せることができる。なお、第2端末200Bの第1表示部251に表示される枠260Iは、第2端末200Bにおける現在の第2画像範囲を示す。枠260Jは、第1表示共有機能が有効化される前における第2画像範囲を示す。
【0067】
また、この例においては、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置も第2端末200Bに共有される。すなわち、第1表示共有機能が有効化されると、第2端末200Bにおいて表示されるポインタ270は、第1端末200Aにおいて表示されるポインタ270に追従して移動する。したがって、システム10によれば、第1端末200Aのユーザは、第2端末200Bのユーザへの各種説明のためにポインタ270を利用することができる。なお、表示共有機能が有効化された後に、第2端末200Bのポインタ275が、第1端末200Aの第2表示部252に表示されてもよい。これにより、第1端末200A及び第2端末200Bの各々のユーザが各端末200に紐づいたポインタを使用して議論をすることができる。
【0068】
図8は、第1表示共有機能に関する動作の一例を示すフローチャートである。左側のフローチャートに示される処理は第1端末200Aの制御部210によって実行され、中央のフローチャートに示される処理はサーバ100の制御部110によって実行され、右側のフローチャートに示される処理は第2端末200Bの制御部210によって実行される。
【0069】
図8の左側のフローチャートを参照して、第1端末200Aの制御部210は、第1端末200Aにおいて共有ボタン280が選択されたか否かを判定する(ステップS300)。共有ボタン280が選択されていないと判定されると(ステップS300においてNO)、第1端末200Aの制御部210は、共有ボタン280が選択されるまで待機する。
【0070】
一方、共有ボタン280が選択されたと判定されると(ステップS300においてYES)、第1端末200Aの制御部210は、第1表示共有機能を有効化する(ステップS310)。第1端末200Aの制御部210は、共有指示をサーバ100へ送信するように第1端末200Aの通信I/F230を制御する(ステップS320)。また、ステップS320において、第1端末200Aの制御部210は、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置情報をサーバ100へ送信するように第1端末200Aの通信I/F230を制御する。
【0071】
第1端末200Aの制御部210は、第1表示共有機能が解除されたか否かを判定する(ステップS330)。第1共有機能の解除指示は、例えば、第1端末200Aの受付部240を介して受け付けられる。第1表示共有機能が解除されていないと判定されると(ステップS330においてNO)、第1端末200Aの制御部210は、ポインタ270の表示位置情報及び共有指示のサーバ100への送信を継続する。一方、第1表示共有機能が解除されたと判定されると(ステップS330においてYES)、処理はステップS300に戻る。
【0072】
図8の中央のフローチャートを参照して、サーバ100の制御部110は、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置情報、及び、共有指示等(以下、単に「共有指示等」とも称する。)を第1端末200Aから受信したか否かを判定する(ステップS340)。共有指示等を受信していないと判定されると(ステップS340においてNO)、制御部110は、共有指示等を受信するまで待機する。
【0073】
一方、共有指示等を受信したと判定されると(ステップS340においてYES)、制御部110は、第1端末200Aにおける第2画像の範囲情報、及び、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置情報を第2端末200Bへ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS350)。なお、各端末200における第2画像の範囲情報は、
図6に示される処理を通じてサーバ100に集められている。また、ステップS350においては、第1表示共有機能が有効化される直前の第2端末200Bにおける第2画像の範囲情報が、サーバ100の記憶部120に記憶されていない場合に、記憶部120に記憶される。詳細については後述するが、第1表示共有機能が有効化される直前の第2端末200Bにおける第2画像の範囲情報は、第1表示共有機能が解除された後に、第2端末200Bにおける第2画像範囲を第1表示共有機能が有効化される直前の状態に戻すために利用される。
【0074】
図8の右側のフローチャートを参照して、第2端末200Bの制御部210は、第1端末200Aにおける第2画像の範囲情報、及び、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置情報をサーバ100から受信したか否かを判定する(ステップS370)。第1端末200Aにおける第2画像の範囲情報等を受信していないと判定されると(ステップS370においてNO)、第2端末200Bの制御部210は、第1端末200Aにおける第2画像の範囲情報等を受信するまで待機する。
【0075】
一方、第1端末200Aにおける第2画像の範囲情報等を受信したと判定されると(ステップS370においてYES)、第2端末200Bの制御部210は、第2画像の生成に用いる範囲情報を変更する(ステップS380)。その結果、
図5のステップS170において、第2端末200Bの制御部210は、第1端末200Aにおける第2画像の範囲情報に基づいて第2画像を生成する。
図5のステップS180において、第2端末200Bの制御部210は、生成された第2画像を第2表示部252に表示するようにディスプレイ250を制御する。これにより、第1端末200Aにおいて第2表示部252に表示されている第2画像が第2端末200Bの第2表示部252にも表示される。
【0076】
また、第2端末200Bの制御部210は、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置情報に基づいて、第2端末200Bにおけるポインタ270の表示位置を決定する。すなわち、第2端末200Bの第2表示部252のうち、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置に対応する位置に、第2端末200Bにおけるポインタ270が表示される。そして、第2端末200Bにおいて表示されるポインタ270の位置は、第1端末200Aにおいて表示されるポインタ270の位置を追従する。
【0077】
この例においては、第1表示共有機能が有効化された場合に、第1端末200Aにおいて第2表示部252に表示されている第2画像が第2端末200Bの第2表示部252に継続的に表示される。しかしながら、必ずしも、第1端末200Aにおいて第2表示部252に表示されている第2画像が第2端末200Bの第2表示部252に継続的に表示される必要はない。例えば、第1表示共有機能が有効化された場合に、第1端末200Aにおいて第2表示部252に表示されている第2画像が第2端末200Bの第2表示部252に一旦表示されるが、その後は第2端末200Bにおける第2画像範囲が第2端末200Bのユーザの操作に従って自由に変更されてもよい。このように、第1表示共有機能が有効化された場合も、第2端末200Bのユーザが気になる部分を自由に表示させることができる。
【0078】
図9は、第1表示共有機能に関する動作の他の一例を示すフローチャートである。左側のフローチャートに示される処理は第1端末200Aの制御部210によって実行され、中央のフローチャートに示される処理はサーバ100の制御部110によって実行され、右側のフローチャートに示される処理は第2端末200Bの制御部210によって実行される。
【0079】
図9の右側のフローチャートを参照して、第2端末200Bの制御部210は、第2端末200Bの第1表示部251に表示されている複数の枠(範囲情報)260のうち、第1端末200Aに対応する枠260が選択されたか否かを判定する(ステップS400)。第1端末200Aに対応する枠260が選択されていないと判定されると(ステップS400においてNO)、第2端末200Bの制御部210は、第1端末200Aに対応する枠260が選択されるまで待機する。
【0080】
第1端末200Aに対応する枠260が選択されたと判定されると(ステップS400においてYES)、第2端末200Bの制御部210は、第1表示共有機能の有効化に関するリクエストをサーバ100へ送信するように通信I/F230を制御する(ステップS405)。その後、第2端末200Bの制御部210は、第1端末200Aにおける第2画像の範囲情報、及び、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置情報をサーバ100から受信したか否かを判定する(ステップS410)。
【0081】
第1端末200Aにおける第2画像の範囲情報等を受信していないと判定されると(ステップS410においてNO)、第2端末200Bの制御部210は、第1端末200Aにおける第2画像の範囲情報等を受信するまで待機する。一方、第1端末200Aにおける第2画像の範囲情報等を受信したと判定されると、第2端末200Bの制御部210は、第2画像の生成に用いる範囲情報を変更する(ステップS415)。また、第2端末200Bの制御部210は、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置情報に基づいて、第2端末200Bにおけるポインタ270の表示位置を決定する。
【0082】
図9の中央のフローチャートを参照して、サーバ100の制御部110は、第1表示共有機能の有効化に関するリクエストを第2端末200Bから受信したか否かを判定する(ステップS420)。第1表示共有機能の有効化に関するリクエストを受信していないと判定されると(ステップS420においてNO)、制御部110は、第1表示共有機能の有効化に関するリクエストを受信するまで待機する。
【0083】
一方、第1表示共有機能の有効化に関するリクエストを受信したと判定されると(ステップS420においてYES)、制御部110は、第1表示共有機能の有効化に関するリクエストを第1端末200Aへ送信するように通信I/F230を制御する(ステップS425)。その後、制御部110は、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置情報及び共有指示を第1端末200Aから受信したか否かを判定する(ステップS430)。共有指示等を受信していないと判定されると(ステップS430においてNO)、制御部110は、共有指示等を受信するまで待機する。
【0084】
一方、共有指示等を受信したと判定されると(ステップS430においてYES)、制御部110は、第1端末200Aにおける第2画像の範囲情報、及び、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置情報を第2端末200Bへ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS440)。また、ステップS440においては、第1表示共有機能が有効化される直前の第2端末200Bにおける第2画像の範囲情報が、サーバ100の記憶部120に記憶されていない場合に、記憶部120に記憶される。
【0085】
図9の左側のフローチャートを参照して、第1端末200Aの制御部210は、第1表示共有機能の有効化に関するリクエストをサーバ100から受信したか否かを判定する(ステップS445)。第1表示共有機能の有効化に関するリクエストを受信していないと判定されると(ステップS445においてNO)、第1端末200Aの制御部210は、第1表示共有機能の有効化に関するリクエストを受信するまで待機する。
【0086】
一方、第1表示共有機能の有効化に関するリクエストを受信したと判定されると(ステップS445においてYES)、第1端末200Aの制御部210は、第1表示共有機能を有効化する(ステップS450)。第1端末200Aの制御部210は、共有指示をサーバ100へ送信するように第1端末200Aの通信I/F230を制御する(ステップS455)。また、ステップS455において、第1端末200Aの制御部210は、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置情報をサーバ100へ送信するように第1端末200Aの通信I/F230を制御する。
【0087】
第1端末200Aの制御部210は、第1表示共有機能が解除されたか否かを判定する(ステップS460)。第1表示共有機能が解除されていないと判定されると(ステップS460においてNO)、第1端末200Aの制御部210は、ポインタ270の表示位置情報及び共有指示のサーバ100への送信を継続する。一方、第1表示共有機能が解除されたと判定されると(ステップS460においてYES)、処理はステップS445に戻る。このように、第1表示共有機能の有効化は、ホストである第1端末200Aから行なうこともできるし、一般参加者である第2端末200Bから行なうこともできる。
【0088】
なお、ホスト以外の端末200(例えば、第2端末200B)において、第1表示共有機能を受け入れない設定が可能であってもよい。第1表示共有機能を受け入れない設定が有効になっている場合には、第1端末200Aにおいて第1共有機能が有効化されても、該端末200の第2表示部252が強制的に切り替わることはない。したがって、該端末200のユーザは、第2表示部252に表示されている第2画像を集中して見ることができる。また、ホスト以外の端末200(例えば、第2端末200B)において、第1表示共有機能のうちポインタ270の表示位置の共有を受け入れない設定が可能であってもよい。この場合には、該端末200のユーザは、第1表示共有機能が有効化されても、自己の意図する位置にポインタ270を移動させることができる。
【0089】
(2-2-2.第2表示共有機能)
上述のように、第2表示共有機能は、一般参加者である第2端末200B(他端末200)の第2表示部252に表示されている第2画像をホストである第1端末200Aの第2表示部252に表示させる機能である。第2表示共有機能の有効化は、例えば、ホストである第1端末200Aから行なうことができる。
【0090】
図10は、第2表示共有機能に関する動作の一例を示すフローチャートである。左側のフローチャートに示される処理は第1端末200Aの制御部210によって実行され、右側のフローチャートに示される処理はサーバ100の制御部110によって実行される。
【0091】
図10の左側のフローチャートを参照して、第1端末200Aの制御部210は、第1端末200Aの第1表示部251に表示されている複数の枠(範囲情報)260のうち、他の端末200(例えば、第2端末200B)に対応する枠260が選択されたか否かを判定する(ステップS500)。例えば、受付部240がタッチパネルで構成されている場合には、第1端末200Aの制御部210は、第1表示部251において、他の端末200に対応する枠260がタッチされたか否かを判定する。
【0092】
他の端末200に対応する枠260が選択されていないと判定されると(ステップS500においてNO)、第1端末200Aの制御部210は、他の端末200に対応する枠260が選択されるまで待機する。一方、他の端末200に対応する枠260が選択されたと判定されると(ステップS500においてYES)、第1端末200Aの制御部210は、第2表示共有機能を有効化する(ステップS505)。第1端末200Aの制御部210は、共有指示をサーバ100へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS510)。ここで、共有指示は、特定の他の端末200を示す情報を含む。
【0093】
その後、第1端末200Aの制御部210は、他の端末200における第2画像の範囲情報をサーバ100から受信したか否かを判定する(ステップS515)。他の端末200における第2画像の範囲情報を受信していないと判定されると(ステップS515においてNO)、第1端末200Aの制御部210は、他の端末200における第2画像の範囲情報を受信するまで待機する。
【0094】
一方、他の端末200における第2画像の範囲情報を受信したと判定されると(ステップS515においてYES)、第1端末200Aの制御部210は、第2画像の生成に用いる範囲情報を特殊な態様で変更する(ステップS520)。これにより、他の端末200において表示されている第2画像が第1端末200Aの第2表示部252に表示される。
【0095】
例えば、受付部240がタッチパネルである場合に、第2画像範囲の変更は、タッチパネルを介したスライド操作を受け付けることによっても行なわれる。この場合は、第2画像範囲がスライド操作のスライド量に応じて変更される。このような変更が、通常態様での第2画像範囲の変更である。次に、ステップS520で行なわれる特殊態様での第2画像範囲の変更について説明する。
【0096】
図11は、特殊態様による第2画像範囲の変更について説明するための図である。
図11を参照して、第1端末200Aにおいては、第1表示部251に「123456789」が表示されている。枠260Kは、第1端末200Aの第2画像範囲を示し、「123」を囲む位置に重畳表示されている。枠260Lは、第2端末200Bの第2画像範囲を示し、「678」を囲む位置に重畳表示されている。第2表示部252には、「123」が表示されている。
【0097】
この状態で、ユーザによって枠260L(「678」を囲む枠260)が選択された場合、第1端末200Aの第2表示部252における表示内容は「123」から「678」へと直接的には切り替わらない。第1端末200Aの第2表示部252における表示内容は、例えば、「123」、「123」から「123456789」へのズームアウトアクション、「123456789」から「678」へのズームインアクション、「678」と変化する。このような特殊な態様を経て、第1端末200Aの第2表示部252における表示内容は、「123」から「678」へと切り替わる。
【0098】
なお、このような切替りは、第2画像範囲の特殊な変更態様の一例である。例えば、第2画像範囲の特殊な変更態様の例としては、通常態様と比較して第2画像範囲を異なる速度で移動させること、通常態様と比較して第2画像の色を変えること、特殊なメッセージを表示した上で第2画像範囲を変更すること等が挙げられる。このように、第2表示共有機能が有効化された場合に特殊な態様で第2画像範囲を変更することによって、タッチパネルを介したスライド操作によって第2画像範囲が変化したのか、第2表示共有機能を有効にする操作によって第2画像範囲が変化したのかをユーザに直感的に認識させることができる。第2表示共有機能(第1表示共有機能)が有効化された場合は、自動的に第2画像の範囲が変更されるため、ユーザは第2画像の範囲がどこに変更されたのか直感的に認識することが困難となる場合がある。特殊な変更態様の一例では通常態様と比べて第2画像範囲の移動する速度を遅くすることで、ユーザは直感的に第2画像範囲がどこに移動しているのかを認識しやすくなる。また、特殊な変更態様の一例では、第2表示部252における表示内容の倍率を変化させつつ、第2画像範囲を移動させることでユーザは直感的に第2画像範囲がどこに移動しているのかを認識しやすくなる。
【0099】
再び
図10の左側のフローチャートを参照して、ステップS520において第2画像を生成に用いる範囲情報が変更されると、第1端末200Aの制御部210は、第2表示共有機能が解除されたか否かを判定する(ステップS525)。第2表示共有機能が解除されていないと判定されると(ステップS525においてNO)、第1端末200Aの制御部210は、共有指示のサーバ100への送信を継続する。一方、第1表示共有機能が解除されたと判定されると(ステップS525においてYES)、処理はステップS500に戻る。
【0100】
図10の右側のフローチャートを参照して、サーバ100の制御部110は、共有指示を第1端末200Aから受信したか否かを判定する(ステップS560)。共有指示を受信していないと判定されると(ステップS560においてNO)、制御部110は、共有指示を受信するまで待機する。
【0101】
一方、共有指示を受信したと判定されると(ステップS560においてYES)、制御部110は、他端末200における第2画像の範囲情報を第1端末200Aへ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS570)。また、ステップS570においては、第2表示共有機能が有効化される直前の第1端末200Aにおける第2画像の範囲情報が、サーバ100の記憶部120に記憶されていない場合に、記憶部120に記憶される。これらの処理を通じて、一般参加者である他端末200(例えば、第2端末200B)の第2表示部252に表示されている第2画像がホストである第1端末200Aの第2表示部252に表示される。
【0102】
なお、ホストの端末200(例えば、第1端末200A)において、第2表示共有機能を受け入れない設定が可能であってもよい。第2表示共有機能を受け入れない設定が有効になっている場合には、第2端末200Bにおいて第2共有機能が有効化されても、該端末200の第2表示部252が強制的に切り替わることはない。したがって、該端末200のユーザは、第2表示部252に表示されている第2画像を集中して見ることができる。
【0103】
<2-3.表示共有機能解除後の動作>
図12は、表示共有機能を解除した後の動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、第1表示共有機能が解除された場合、及び、第2表示共有機能が解除された場合の両方において実行される。左側のフローチャートに示される処理は端末200の制御部210によって実行され、右側のフローチャートに示される処理はサーバ100の制御部110によって実行される。
【0104】
図12の左側のフローチャートを参照して、端末200の制御部210は、第1又は第2表示共有機能を解除する指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS600)。第1又は第2表示共有機能を解除する指示を受け付けていないと判定されると(ステップS600においてNO)、制御部210は、第1又は第2表示共有機能を解除する指示を受け付けるまで待機する。
【0105】
一方、第1又は第2表示共有機能を解除する指示を受け付けたと判定されると(ステップS600においてYES)、制御部210は、表示共有機能を解除する旨を示す信号をサーバ100に送信するように通信I/F230を制御する(ステップS610)。
【0106】
その後、制御部210は、表示共有機能が有効化される直前における第2画像の範囲情報をサーバ100から受信したか否かを判定する(ステップS620)。表示共有機能が有効化される直前における第2画像の範囲情報を受信していないと判定されると(ステップS620においてNO)、制御部210は、表示共有機能が有効化される直前における第2画像の範囲情報を受信するまで待機する。
【0107】
一方、表示共有機能が有効化される直前における第2画像の範囲情報を受信したと判定されると(ステップS620においてYES)、制御部210は、第2画像の生成に用いる範囲情報を受信した範囲情報に変更する(ステップS630)。これにより、端末200の第2表示部252に表示される第2画像の範囲が、表示共有機能が有効化される直前の状態に戻る。
【0108】
図12の右側のフローチャートを参照して、サーバ100の制御部110は、表示共有機能を解除する旨を端末200から受信したか否かを判定する(ステップS660)。表示共有機能を解除する旨を受信していないと判定されると(ステップS660においてNO)、制御部110は、表示共有機能を解除する旨を受信するまで待機する。
【0109】
一方、表示共有機能を解除する旨を受信したと判定されると(ステップS660においてYES)、制御部110は、表示共有機能が有効化される直前の該端末200における第2画像の範囲情報を端末200へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS670)。なお、表示共有機能が有効化される直前の該端末200における第2画像の範囲情報は、例えば、サーバ100の記憶部120に記憶されている。
【0110】
これらの処理を通じて、端末200において表示共有機能が解除された場合に、端末200の第2表示部252に表示される第2画像の範囲が、表示共有機能が有効化される直前の状態に戻る。したがって、システム10によれば、表示共有機能が有効化される前にどこを見ていたかユーザが分からなくなるという事態を避けることができる。
【0111】
<2-4.静止画撮像動作>
システム10においては、基本的に、広角カメラ300によって動画像が連続的に撮像される。広角カメラ300によって撮像された動画像は、各端末200に配信される。また、システム10においては、静止画撮像機能も準備されている。端末200から静止画撮像指示を受け付けると、広角カメラ300によって静止画像が撮像される。広角カメラ300においては、静止画の解像度が動画の解像度よりも高い。したがって、静止画撮像の負荷は高く、静止画撮像中には動画撮像が一時的に中断される。
【0112】
図13は、システム10における静止画撮像に起因する動作について説明するための図である。
図13を参照して、例えば、端末200のディスプレイ250には、第1表示部251及び第2表示部252の他に、チャット欄253を表示させることができる。第2表示部252には、静止画撮像ボタン291が表示される。静止画撮像ボタン291が選択されると、静止画撮像が開始される。
【0113】
例えば、第1端末200Aにおいて静止画撮像ボタン291が選択されると、第2端末200Bの第2表示部252にはメッセージ292が表示される。メッセージ292は、広角カメラ300による静止画撮像中に表示される。メッセージ292が表示されている間は、第2端末200Bにおいて、第2画像範囲の変更指示が受け付けられない。すなわち、メッセージ292が表示されている間は、第2画像範囲が固定となる。メッセージ292が表示されるため、静止画撮像中であることが原因で第2画像範囲が固定になっていることを各ユーザに認識させることができる。広角カメラ300による静止画撮像が終了すると、メッセージ292の表示は停止される。メッセージ292の表示が停止されると、再び、第2画像範囲の変更指示が受け付けられる。また、広角カメラ300による静止画撮像が終了すると、広角カメラ300によって生成された静止画像データが各端末200にチャット欄253を通じて送信される。これにより、各ユーザは、高解像度の静止画像データを取得することができる。
【0114】
図14は、静止画撮像動作の一例を示すフローチャートである。左側のフローチャートに示される処理は第1端末200Aの制御部210によって実行され、中央のフローチャートに示される処理はサーバ100の制御部110によって実行され、右側のフローチャートに示される処理は第2端末200Bの制御部210によって実行される。
【0115】
図14の左側のフローチャートを参照して、第1端末200Aの制御部210は、ユーザから静止画撮像指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS700)。第1端末200Aの制御部210は、例えば、静止画撮像ボタン291が選択されたか否かを判定する。静止画撮像指示を受け付けていないと判定されると(ステップS700においてNO)、第1端末200Aの制御部210は、静止画撮像指示を受け付けるまで待機する。
【0116】
一方、静止画撮像指示を受け付けたと判定されると(ステップS700においてYES)、第1端末200Aの制御部210は、静止画撮像指示を示す信号をサーバ100へ送信するように通信I/F230を制御する(ステップS705)。
【0117】
図14の中央のフローチャートを参照して、サーバ100の制御部110は、静止画撮像指示を示す信号を受信したか否かを判定する(ステップS710)。静止画撮像指示を示す信号を受信していないと判定されると(ステップS710においてNO)、制御部110は、静止画撮像指示を示す信号を受信するまで待機する。
【0118】
一方、静止画撮像指示を示す信号を受信したと判定されると(ステップS710においてYES)、制御部110は、静止画撮像指示を示す信号を広角カメラ300へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS715)。制御部110は、静止画撮像中である旨を示す信号を第2端末200Bへ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS720)。
【0119】
その後、制御部110は、広角カメラ300による静止画撮像が完了したか否かを判定する(ステップS725)。制御部110は、例えば、広角カメラ300から静止画像データを受信したか否かによって、静止画撮像が完了したか否かを判定する。静止画撮像が完了していないと判定されると(ステップS725においてNO)、制御部110は、静止画撮像が完了するまで待機する。
【0120】
一方、静止画撮像が完了したと判定されると(ステップS725においてYES)、制御部110は、静止画撮像が完了した旨を示す信号を第2端末200Bへ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS730)。また、ステップS730においては、広角カメラ300によって生成された静止画像データがあわせて第2端末200Bへ送信されてもよい。
【0121】
図14の右側のフローチャートを参照して、第2端末200Bの制御部210は、静止画撮像中である旨を示す信号をサーバ100から受信したか否かを判定する(ステップS735)。静止画撮像中である旨を示す信号を受信していないと判定されると(ステップS735においてNO)、第2端末200Bの制御部210は、静止画撮像中である旨を示す信号を受信するまで待機する。
【0122】
一方、静止画撮像中である旨を示す信号を受信したと判定されると(ステップS735においてYES)、第2端末200Bの制御部210は、第2端末200Bにおける第2画像範囲の変更指示の受付けを抑制する(ステップS740)。例えば、第2端末200Bの制御部210は、メッセージ292を表示するようにディスプレイ250を制御すると共に、第2画像範囲の変更指示の受付けを停止する。また、例えば、第2端末200Bの制御部210は、第2画像範囲の変更速度を遅くすることによって変更指示の受付けを抑制してもよい。また、例えば、第2端末200Bの制御部210は、第2画像範囲の拡大縮小は許可するが第2画像範囲の移動は禁止することによって変更指示の受付けを抑制してもよい。
【0123】
その後、第2端末200Bの制御部210は、静止画撮像が完了した旨を示す信号をサーバ100から受信したか否かを判定する(ステップS745)。静止画撮像が完了した旨を示す信号を受信していないと判定されると(ステップS745においてNO)、第2端末200Bの制御部210は、静止画撮像が完了した旨を示す信号を受信するまで待機する。
【0124】
一方、静止画撮像が完了した旨を示す信号を受信したと判定されると(ステップS745においてYES)、第2端末200Bの制御部210は、第2画像範囲の変更指示の受付け抑制を解除する(ステップS750)。例えば、第2端末200Bの制御部210は、メッセージ292の表示を停止するようにディスプレイ250を制御すると共に、第2画像範囲の変更指示の受付けを再開する。また、ステップS745において、静止画撮像が完了した旨を示す信号と共に静止画像データが受信された場合には、ステップS750において、制御部210は、受信された静止画像データをチャット欄253に表示するようにディスプレイ250を制御してもよい。これにより、各ユーザは、高解像度の静止画像データを取得することができる。
【0125】
[3.特徴]
以上のように、本実施の形態に従う制御プログラム221がコンピュータ(CPU211)によって実行されると、第2端末200Bにおいて表示されている第2画像の第1画像における範囲を示す範囲情報(枠260)が、第1端末200Aの第1表示部251に表示される。したがって、制御プログラム221によれば、第1端末200Aのユーザは、第1表示部251に表示された範囲情報を参照することによって、第2端末200Bのユーザが第1画像のどの辺りを見ているかを認識することができる。
【0126】
[4.変形例]
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。
【0127】
<4-1>
上記実施の形態においては、表示共有機能が有効化される直前の各端末200における第2画像の範囲情報がサーバ100の記憶部120に記憶された。しかしながら、表示共有機能が有効化される直前の各端末200における第2画像の範囲情報は、必ずしもサーバ100の記憶部120に記憶されてなくてもよい。表示共有機能が有効化される直前の各端末200における第2画像の範囲情報は、例えば、各端末200の記憶部220に記憶されてもよい。この場合には、表示共有機能が解除された後に、各端末200の記憶部220に記憶されている第2画像の範囲情報を参照することによって、各端末200の第2画像範囲を表示共有機能の有効化前に戻してもよい。
【0128】
<4-2>
第1端末200Aにおいて第1表示共有機能を有効化した場合に、第2端末200Bにおいては
図11に示されるような特殊な態様で第2表示部252の表示画像が変化してもよい。
【0129】
<4-3>
上記実施の形態においては、第1端末200Aにおけるポインタ270の表示位置が他の端末200に共有されてもよいとされた。同じような仕組みで、例えば、第1端末200Aにおいて第2画像上に入力されたメモ書きが、他の端末200に共有されてもよい。
【0130】
<4-4>
上記実施の形態において、第2表示共有機能が有効化された場合に、第2端末200Bにおけるポインタ270の位置情報が第1端末200Aに共有されてもよい。
【0131】
<4-5>
上記実施の形態においては、第1及び第2画像の生成が各端末200で行なわれた。しかしながら、第1及び第2画像は、必ずしも各端末200で生成されなくてもよい。第1及び第2画像は、例えば、サーバ100で生成されてもよい。この場合には、サーバ100で生成された第1及び第2画像が各端末200に送信される。
【0132】
<4-6>
上記実施の形態において、表示共有機能は、一方の端末200が他方の端末200へ第2画像の範囲情報を送信することによって実現された。一方の端末200における表示の他方の端末200への共有方法としては、一方の端末200における表示画面を示す情報を他方の端末200へ送信する方法(画面共有)もある。上記実施の形態における表示共有機能は、例えば、画面共有によって実現されてもよい。
【0133】
<4-7>
システム10は、第2カメラをさらに備えていてもよい。この第2カメラの解像度は、例えば、広角カメラ300の解像度よりも高い。システム10において、第2カメラによって撮像された画像が各端末200に配信されてもよい。例えば、広角カメラ300の撮像範囲(第1撮像範囲)は、第2カメラの撮像範囲(第2撮像範囲)よりも広く、第2撮像範囲を包含していてもよい。第2撮像範囲に含まれる画像を端末200の第2表示部252に表示する場合に、第2カメラによって撮像された画像に基づいて生成された第2画像が、第2表示部252に表示されてもよい。
【0134】
図15は、変形例の端末200における第2画像の表示例を説明するための図である。
図15に示されるように、第1表示部251には広角カメラ300によって撮像された第1画像(123456789)が表示されており、第2表示部252には第1画像の拡大画像(123)が表示されている。第1表示部251においては、「123」を囲む位置に枠260Oが重畳表示されており、「5」を囲む位置に枠260Pが重畳表示されている。枠260Oは、第2画像範囲を示す。一方、枠260Pは、第2カメラによって撮像されている範囲を示す。枠260Pによって囲まれている範囲は、広角カメラ300及び第2カメラの両方によって撮像されている。
【0135】
端末200において枠260Pが選択されると、第2カメラによって撮像された画像が第2表示部252に表示される。この変形例によれば、第2カメラの解像度が広角カメラ300の解像度よりも高いため、第2撮像範囲に含まれる第2画像を第2表示部252に表示させる場合に、より解像度の高い画像を第2表示部252に表示させることができる。なお、この場合に、第2表示部252に表示させる画像は、広角カメラ300によって撮像された画像に、第2カメラによって撮像された画像を重畳させた画像であってもよい。
【0136】
図16は、変形例における動作の一例を示すフローチャートである。左側のフローチャートに示される処理は端末200の制御部210によって実行され、右側のフローチャートに示される処理はサーバ100の制御部110によって実行される。
【0137】
図16の右側のフローチャートを参照して、サーバ100の制御部110は、通信I/F130を介して広角カメラ300及び第2カメラからの画像データ(動画像データ)の受信を開始する(ステップS800)。制御部110は、各端末200への画像データの配信を開始するように通信I/F130を制御する(ステップS810)。制御部110は、広角カメラ300及び第2カメラからの画像データの受信が停止されたか否かを判定する(ステップS820)。
【0138】
画像データの受信が停止されていないと判定されると(ステップS820においてNO)、制御部110は、各端末200への画像データの配信を継続する。一方、画像データの受信が停止されたと判定されると(ステップS820においてYES)、このフローチャートに示される処理は終了する。
【0139】
図16の左側のフローチャートを参照して、端末200の制御部210は、サーバ100からの画像データの受信が開始されたか否かを判定する(ステップS860)。画像データの受信が開始されていないと判定されると(ステップS860においてNO)、制御部210は、画像データの受信が開始されるまで待機する。
【0140】
一方、画像データの受信が開始されたと判定されると(ステップS860においてYES)、制御部210は、第2画像範囲が第2カメラの撮像範囲内であるか否かを判定する(ステップS865)。第2画像範囲が第2カメラの撮像範囲内であると判定されると(ステップS865においてYES)、制御部210は、第2カメラの撮像画像に基づいて第2画像を生成する(ステップS870)。一方、第2画像範囲が第2カメラの撮像範囲内でないと判定されると(ステップS865においてNO)、制御部210は、広角カメラ300の撮像画像に基づいて第2画像を生成する(ステップS875)。なお、ステップS870,S875のいずれにおいても、広角カメラ300の撮像画像に基づいて第1画像が生成される。
【0141】
その後、制御部210は、生成された第1及び第2画像を第1表示部251及び第2表示部252にそれぞれ表示するようにディスプレイ250を制御する(ステップS880)。これにより、端末200の第1表示部251に第1画像が表示され、端末200の第2表示部252に第2画像が表示される。特に、第2画像範囲が第2カメラの撮像範囲内である場合には、第2表示部252に高解像度の画像が表示される。すなわち、第2カメラの解像度が広角カメラ300の解像度よりも高いため、第2撮像範囲に含まれる第2画像を第2表示部252に表示させる場合に、より解像度の高い画像を第2表示部252に表示させることができる。
【0142】
<4-8>
また、上記実施の形態においては、広角カメラ300によって撮像された画像がサーバ100を介して各端末200へ配信された。しかしながら、広角カメラ300によって撮像された画像の配信パターンはこれに限定されない。例えば、第1端末200Aに外付けの広角カメラ300が取り付けられ、広角カメラ300によって撮像された画像が、第1端末200Aからインターネットを介して第2端末200Bへ送信されてもよい。広角カメラ300によって撮像された画像が各端末200において表示されれば、広角カメラ300によって撮像された画像がどのようなルートで配信されてもよい。
【0143】
図17は、変形例における第1端末200Aと第2端末200Bとの関係を示す図である。
図17に示されるように、第1端末200Aには、外付けの広角カメラ300が取り付けられている。広角カメラ300によって撮像された画像は、第1端末200Aに取り込まれる。第1端末200Aは、インターネットを介して第2端末200Bと通信可能である。広角カメラ300によって撮像された画像は、第1端末200Aからインターネットを介して第2端末200Bへ送信される。これにより、第1端末200Aのユーザは、広角カメラ300によって撮像された画像を第2端末200Bのユーザへ簡単に配信することができる。なお、広角カメラ300は、必ずしも外付けでなくてもよい。すなわち、広角カメラ300は、例えば、第1端末200Aに内蔵されていてもよい。
【0144】
<4-9>
また、上記実施の形態において、次に説明するような方法で表示共有が行なわれてもよい。再び
図7を参照して、共有ボタン280がタッチされると、広角カメラ300によって撮像された画像を同時に閲覧している参加者のリスト(不図示)がディスプレイ250に表示されてもよい。例えば、該参加者のリストから表示共有する相手が選択されることによって第1表示共有機能が有効化され、選択された相手の端末200に対して表示共有が行なわれてもよい。
【0145】
また、ディスプレイ250の上下左右のいずれかの端部に参加者のリストが常時表示されていてもよい。例えば、該参加者のリストから表示共有する相手が選択されるのに応じて、第1表示共有機能を有効化するか、第2表示共有機能を有効化するかを選択するための選択肢がディスプレイ250に表示されてもよい。例えば、第1表示共有機能の有効化が選択されると、自分の第2画像が相手に共有される。一方、第2表示共有機能の有効化が選択されると、相手の第2画像が自分に共有される。このような選択を可能とすることによって、システム10の使い勝手を向上させることができる。
【符号の説明】
【0146】
10 システム、100 サーバ、110,210 制御部、111,211 CPU、112,212 RAM、113,213 ROM、120,220 記憶部、121,221 制御プログラム、130,230 通信I/F、200 端末、200A 第1端末、200B 第2端末、240 受付部、250 ディスプレイ、251 第1表示部、252 第2表示部、253 チャット欄、260,260A-260Q 枠、270,275 ポインタ、280 共有ボタン、291 静止画撮像ボタン、292 メッセージ、293 静止画像、300 広角カメラ。