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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186216
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】音響デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/00 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
H04R17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094326
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】江澤 敦
(72)【発明者】
【氏名】永井 慧大
【テーマコード(参考)】
5D004
【Fターム(参考)】
5D004AA01
5D004BB01
5D004CD03
5D004CD07
5D004DD01
5D004EE00
(57)【要約】
【課題】音圧を向上し得る音響デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】音響デバイスは1、一対の圧電素子10と、振動板30と、一対の支持部材40と、を備えている。振動板30は、互いに対向している一対の主面30a,30bを有していると共に、一対の圧電素子10の間に配置されている。一対の支持部材40は、一対の圧電素子10のうち対応する圧電素子10と振動板30とを連結している。一対の支持部材40それぞれは、第一部分41と、第二部分42と、第三部分43と、を有している。第一部分41は、対応する圧電素子10に連結されている。第二部分42は、振動板30に連結されている。第三部分43は、第一部分41と第二部分42との間に位置すると共に断面積が部分的に小さい。振動板30は、一対の圧電素子10のたわみ振動に伴い、各主面30a,30bに直交する方向に変位成分を有するように振動する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離間していると共に、たわみ振動する一対の圧電素子と、
互いに対向している一対の主面を有していると共に、前記主面に直交する方向から見て、前記一対の圧電素子の間に配置されている振動板と、
前記一対の圧電素子のうち対応する圧電素子と前記振動板とを連結している一対の支持部材と、を備え、
前記一対の支持部材それぞれは、前記対応する圧電素子に連結されている第一部分と、前記振動板に連結されている第二部分と、前記第一部分と前記第二部分との間に位置すると共に断面積が部分的に小さい第三部分と、を有しており、
前記振動板は、前記一対の圧電素子のたわみ振動に伴い、前記主面に直交する前記方向に変位成分を有するように振動する、音響デバイス。
【請求項2】
前記一対の支持部材それぞれは、前記振動板と一体に構成されている、請求項1に記載の音響デバイス。
【請求項3】
前記主面に直交する前記方向から見て、前記第三部分は、前記一対の圧電素子が互いに離間している方向と交差する方向での前記支持部材の両端を含んでいる、請求項2に記載の音響デバイス。
【請求項4】
前記一対の圧電素子と、前記振動板と、前記一対の支持部材とは、前記一対の圧電素子が互いに離間している方向に延在している仮想線上に位置している、請求項1に記載の音響デバイス。
【請求項5】
前記一対の圧電素子と、前記一対の支持部材とは、前記一対の圧電素子が互いに離間している方向に延在している仮想線上に位置しており、
前記振動板は、前記主面に直交する前記方向に、前記仮想線から離間している、請求項1に記載の音響デバイス。
【請求項6】
前記一対の支持部材は、前記一対の圧電素子が互いに離間している方向に延在している仮想線上に位置しており、
前記振動板は、前記主面に直交する前記方向のうち一の方向に、前記仮想線から離間しており、
前記一対の圧電素子は、前記主面に直交する前記方向のうち他の方向に、前記仮想線から離間している、請求項1に記載の音響デバイス。
【請求項7】
互いに対向している一対の主面を有している振動板と、
前記主面に直交する方向から見て前記振動板が間に位置するように互いに離間していると共に、前記振動板を支持している一対の支持部と、を備え、
前記一対の支持部それぞれは、
たわみ振動する圧電素子と、
前記圧電素子に連結されている第一部分と、前記第一部分と対向している第二部分と、前記第一部分と前記第二部分との間に位置すると共に断面積が部分的に小さい第三部分と、を有している支持部材と、を有しており、
前記振動板は、各前記圧電素子のたわみ振動に伴い、前記主面に直交する方向に変位成分を有するように振動する、音響デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音響デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電素子と、圧電素子が接合されている振動板と、を備えている音響デバイスが知られている。(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4-70100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の音響デバイスでは、圧電素子の伸縮によって、振動板が繰り返してたわむ。すなわち、従来の振動デバイスは、振動板のたわみ振動により、音圧を得ている。しかしながら、振動板のたわみ振動では、十分な音圧が得られないことがある。そこで、音圧を向上し得る振動デバイスが求められる。
【0005】
本発明の各態様は、音圧を向上し得る音響デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る音響デバイスは、一対の圧電素子と、振動板と、一対の支持部材と、を備えている。一対の圧電素子は、互いに離間していると共に、たわみ振動する。振動板は、互いに対向している一対の主面を有していると共に、主面に直交する方向から見て、一対の圧電素子の間に配置されている。一対の支持部材は、一対の圧電素子のうち対応する圧電素子と振動板とを連結している。一対の支持部材それぞれは、第一部分と、第二部分と、第三部分と、を有している。第一部分は、対応する圧電素子に連結されている。第二部分は、振動板に連結されている。第三部分は、第一部分と第二部分との間に位置すると共に断面積が部分的に小さい。振動板は、一対の圧電素子のたわみ振動に伴い、主面に直交する方向に変位成分を有するように振動する。
【0007】
上記一つの態様によれば、振動板は、対応する支持部材によって、各圧電素子に連結されている。各支持部材は、断面積が部分的に小さい第三部分を有している。一対の圧電素子のたわみ振動に伴って振動板が振動するとき、第三部分は、たわみ振動に応じた曲げ変形を生じやすい。これにより、一対の圧電素子のたわみ振動に伴って振動板が振動するとき、振動板の主面に直交する方向への変位が阻害され難く、主面に直交する方向の変位成分が増加し得る。よって、上記一つの態様は、音圧を向上し得る。
【0008】
上記一つの態様では、一対の支持部材それぞれは、振動板と一体に構成されていてもよい。
各支持部材が振動板と一体である構成は、各支持部材が振動板と別体である構成と比べて、音響デバイスを構成する部品点数を削減し、音響デバイスの低コスト化及び製造過程の簡素化を図る。
【0009】
上記一つの態様では、主面に直交する方向から見て、第三部分は、一対の圧電素子が互いに離間している方向と交差する方向での支持部材の両端を含んでいてもよい。
第三部分が支持部材の両端を含んでいる構成では、第三部分が支持部材の両端を含まない構成と比べて、第三部分の形成が容易である。
【0010】
上記一つの態様では、一対の圧電素子と、振動板と、一対の支持部材とは、一対の圧電素子が互いに離間している方向に延在している仮想線上に位置していてもよい。
一対の圧電素子と、振動板と、一対の支持部材とが、上記仮想線上に位置している構成は、各圧電素子のたわみ振動を、各支持部材を通して振動板に効率よく伝達する。したがって、本構成は、音圧をより一層向上し得る。
【0011】
上記一つの態様では、一対の圧電素子と、一対の支持部材とは、一対の圧電素子が互いに離間している方向に延在している仮想線上に位置していてもよい。振動板は、主面に直交する方向に、仮想線から離間していてもよい。
一対の圧電素子と、一対の支持部材とが上記仮想線上に位置している構成は、各圧電素子のたわみ振動を、各支持部材に効率よく伝達する。したがって、本構成は、音圧をより一層向上し得る。
振動板が、主面に直交する方向に、各圧電素子及び各支持部材が位置している仮想線から離間している構成は、主面に直交する方向から見たときの音響デバイスのサイズを低減し得る。
【0012】
上記一つの態様では、一対の支持部材は、一対の圧電素子が互いに離間している方向に延在している仮想線上に位置していてもよい。振動板は、主面に直交する方向のうち一の方向に、仮想線から離間していてもよい。一対の圧電素子は、主面に直交する方向のうち他の方向に、仮想線から離間していてもよい。
振動板は、主面に直交する方向のうち一の方向に、上記仮想線から離間しており、各圧電素子は、主面に直交する方向のうち他の方向に、上記仮想線から離間している。振動板と各圧電素子とは、主面に直交する方向での、対応する支持部材の両側にそれぞれ配置される。したがって、主面に直交する方向から見たときの音響デバイスのサイズが低減され得る。
【0013】
本発明の別の態様に係る音響デバイスは、振動板と、一対の支持部とを備えている。振動板は、互いに対向している一対の主面を有している。一対の支持部は、主面に直交する方向から見て振動板が間に位置するように互いに離間していると共に、振動板を支持している。一対の支持部それぞれは、圧電素子と、支持部材とを有している。圧電素子は、たわみ振動する。支持部材は、圧電素子に連結されている第一部分と、第一部分と対向している第二部分と、第一部分と第二部分との間に位置すると共に断面積が部分的に小さい第三部分と、を有している支持部材と、を有しており、振動板は、各圧電素子のたわみ振動に伴い、主面に直交する方向に変位成分を有するように振動する、音響デバイス。
【0014】
上記別の態様によれば、振動板は、圧電素子を有している対応する支持部に連結されている。支持部は、断面積が部分的に小さい第三部分を有している。一対の圧電素子のたわみ振動に伴って振動板が振動するとき、第三部分は、たわみ振動に応じた曲げ変形を生じやすい。これにより、一対の圧電素子のたわみ振動に伴って振動板が振動するとき、振動板の主面に直交する方向への変位が阻害され難く、主面に直交する方向の変位成分が増加し得る。よって、上記一つの態様は、音圧を向上し得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明の各態様は、音圧を向上し得る音響デバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、第一実施形態に係る音響デバイスの断面構成を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る圧電素子の断面構成を示す図である。
図3図3は、第一実施形態に係る音響デバイスの断面構成を示す図である。
図4図4は、第二実施形態に係る音響デバイスの断面構成を示す図である。
図5図5は、第三実施形態に係る音響デバイスの断面構成を示す図である。
図6図6は、第四実施形態に係る音響デバイスの断面構成を示す図である。
図7図7は、第四実施形態に係る振動板の上面図である。
図8図8は、変形例に係る支持部材の断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0018】
(第一実施形態)
図1図3を参照して、第一実施形態に係る音響デバイス1の構成を説明する。図1は、第一実施形態に係る音響デバイス1の断面構成を示す図である。図2は、本実施形態に係る圧電素子10の断面構成を示す図である。図3は、第一実施形態に係る音響デバイス1の断面構成を示す図である。
【0019】
音響デバイス1は、図1に示されるように、基材Bに配置される。音響デバイス1は、基材Bに対して振動することで、音圧を出力する。音響デバイス1は、たとえば、スピーカ又はブザーに用いられる。音響デバイス1は、一対の圧電素子10を備えている。
【0020】
一対の圧電素子10は、互いに離間していると共に、たわみ振動する。圧電素子10は、たとえば、バイモルフ型の圧電素子である。圧電素子10は、図2に示されるように、圧電素体11と、複数の外部電極13,14,15と、を有している。本実施形態では、圧電素子10は、三つの外部電極13,14,15を有している。
【0021】
圧電素体11は、直方体形状を呈している。直方体形状には、たとえば、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。圧電素体11は、互いに対向している一対の主面11a,11bと、一対の主面11a,11bを互いに接続している4つの側面11cと、を有している。
【0022】
各主面11a,11bは、一対の長辺と一対の短辺とを有する長方形状を呈している。主面11aの長辺方向での圧電素体11の長さは、たとえば、10mm以上70mm以下である。主面11aの短辺方向での圧電素体11の長さは、たとえば、10mm以上50mm以下である。一対の主面11a,11bの対向方向での圧電素体11の長さは、たとえば、0.2mm以上1.0mm以下である。
【0023】
圧電素体11は、積層された複数の圧電体層12a,12b,12c,12dを含んでいる。複数の圧電体層12a,12b,12c,12dは、この順に積層されている。複数の圧電体層12a,12b,12c,12dの積層方向は、一対の主面11a,11bの対向方向と一致している。以下では、複数の圧電体層12a,12b,12c,12dの積層方向を、積層方向と称する。圧電体層12aは、主面11aを有している。圧電体層12dは、主面11bを有している。圧電体層12b,12cは、圧電体層12aと圧電体層12dとの間に位置している。本実施形態では、各圧電体層12a,12b,12c,12dの厚みは同等である。同等には、製造誤差の範囲が含まれている。
【0024】
各圧電体層12a,12b,12c,12dは、圧電材料からなる。本実施形態では、各圧電体層12a,12b,12c,12dは、圧電セラミック材料からなる。圧電セラミック材料には、たとえば、PZT[Pb(Zr、Ti)O]、PT(PbTiO)、PLZT[(Pb,La)(Zr、Ti)O]、又はチタン酸バリウム(BaTiO)が用いられる。各圧電体層12a,12b,12c,12dは、たとえば、上述した圧電セラミック材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の圧電素体11では、各圧電体層12a,12b,12c,12dは、各圧電体層12a,12b,12c,12dの間の境界が認識できない程度に一体化されている。
【0025】
圧電素子10において、各外部電極13,14,15は、主面11a上に配置されている。外部電極13,14,15は、主面11aの一方の短辺側において、外部電極13、外部電極14、外部電極15の順で当該一方の短辺に沿って並んでいる。外部電極13と外部電極14とは、主面11aの短辺方向で隣り合っている。外部電極14と外部電極15とは、主面11aの短辺方向で隣り合っている。主面11aの短辺方向において、外部電極14と外部電極15との間の距離は、外部電極13と外部電極14との間の距離よりも長い。各外部電極13,14,15は、積層方向から見て、主面11aの全ての縁から離間している。
【0026】
各外部電極13,14は、積層方向から見て、長方形状を呈している。本実施形態では、長方形状の各角が丸められている。外部電極15は、積層方向から見て、正方形状を呈している。正方形状には、たとえば、各角が面取りされている形状、及び、各角が丸められている形状が含まれる。本実施形態では、正方形状の各角が丸められている。各外部電極13,14,15は、導電性材料からなる。導電性材料には、たとえば、Ag、Pd、Pt、又はAg-Pd合金が用いられる。各外部電極13,14,15は、たとえば、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。
【0027】
圧電素子10は、圧電素体11内に配置されている複数の内部電極16,17,18を備えている。各内部電極16,17,18は、導電性材料からなる。導電性材料には、たとえば、Ag、Pd、Pt、又はAg-Pd合金が用いられる。各内部電極16,17,18は、たとえば、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。本実施形態では、各内部電極16,17,18の外形形状は、長方形状を呈している。
【0028】
各内部電極16,17,18は、この順に積層されている。すなわち、各内部電極16,17,18は、積層方向において、異なる層に配置されている。内部電極16,17,18は、互いに積層方向に間隔を有して対向している。各内部電極16,17,18は、圧電素体11の表面には露出していない。すなわち、各内部電極16,17,18は、各側面11cには露出していない。各内部電極16,17,18は、積層方向から見て、主面11a,11bの全ての縁から離間している。
【0029】
内部電極16は、圧電体層12aと圧電体層12bとの間に位置している。内部電極17は、圧電体層12bと圧電体層12cとの間に位置している。内部電極18は、圧電体層12cと圧電体層12dとの間に位置している。
【0030】
外部電極13は、内部電極16と複数の接続導体21とに複数のビア導体24を通して電気的に接続されている。複数の接続導体21は、それぞれ、内部電極17,18と同じ層に位置している。具体的には、各接続導体21は、各内部電極17,18に形成された開口内に位置している。各開口は、積層方向から見て、外部電極13に対応する位置に形成されている。すなわち、各接続導体21は、積層方向から見て、各内部電極17,18に囲まれている。各接続導体21は、各内部電極17,18から離間している。
【0031】
各接続導体21は、積層方向において外部電極13と対向しており、積層方向から見て外部電極13と重なる位置に配置されている。各接続導体21は、積層方向において内部電極16と対向しており、積層方向から見て内部電極16と重なる位置に配置されている。複数のビア導体24は、それぞれ、外部電極13と内部電極16と複数の接続導体21との間に位置しており、積層方向から見て外部電極13と重なる位置に配置されている。複数のビア導体24は、それぞれ、積層方向において、対応する圧電体層12a,12b,12cを貫通している。
【0032】
外部電極14は、内部電極18と複数の接続導体22とに複数のビア導体25を通して電気的に接続されている。複数の接続導体22は、それぞれ、内部電極16,17と同じ層に位置している。具体的には、各接続導体22は、各内部電極16,17に形成された開口内に位置している。各開口は、積層方向から見て、外部電極14に対応する位置に形成されている。すなわち、各接続導体22は、積層方向から見て、各内部電極16,17に囲まれている。各接続導体22は、各内部電極16,17から離間している。内部電極17と同じ層に位置している接続導体21と接続導体22は、同じ開口内に隣り合って配置され、互いに離間している。
【0033】
各接続導体22は、積層方向において外部電極14と対向しており、積層方向から見て外部電極14と重なる位置に配置されている。各接続導体22は、積層方向において内部電極18と対向しており、積層方向から見て内部電極18と重なる位置に配置されている。複数のビア導体25は、それぞれ、外部電極14と内部電極18と複数の接続導体22との間に位置しており、積層方向から見て外部電極14と重なる位置に配置されている。複数のビア導体25は、それぞれ、積層方向において、対応する圧電体層12a,12b,12cを貫通している。
【0034】
外部電極15は、内部電極17と複数の接続導体23とに複数のビア導体26を通して電気的に接続されている。複数の接続導体23は、それぞれ、内部電極16,18と同じ層に位置している。具体的には、各接続導体23は、各内部電極16,18に形成された開口内に位置している。各開口は、積層方向から見て、外部電極15に対応する位置に形成されている。すなわち、各接続導体23の全縁は、積層方向から見て、各内部電極16,18に囲まれている。各開口は、積層方向から見て、外部電極15に対応する位置に形成されている。
【0035】
各接続導体23は、積層方向において外部電極15と対向しており、積層方向から見て外部電極15と重なる位置に配置されている。各接続導体23は、積層方向において内部電極17と対向しており、積層方向から見て内部電極17と重なる位置に配置されている。複数のビア導体26は、それぞれ、外部電極15と内部電極17と複数の接続導体23との間に位置しており、積層方向から見て外部電極15と重なる位置に配置されている。複数のビア導体26は、それぞれ、積層方向において、対応する圧電体層12a,12b,12cを貫通している。
【0036】
各接続導体21,22は、積層方向から見て、長方形状を呈している。本実施形態では、長方形状の各角が丸められている。各接続導体23は、積層方向から見て、正方形状を呈している。本実施形態では、正方形状の各角が丸められている。
【0037】
接続導体21,22,23及びビア導体24,25,26は、導電性材料からなる。導電性材料には、たとえば、Ag、Pd、Pt、又はAg-Pd合金が用いられる。接続導体21,22,23及びビア導体24,25,26は、たとえば、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。ビア導体24,25,26は、対応する圧電体層12a,12b,12cを形成するためのセラミックグリーンシートに形成された貫通孔に充填された導電性ペーストが焼結することにより形成される。
【0038】
圧電素体11の主面11bには、内部電極16,17,18と電気的に接続されている導体は、配置されていない。本実施形態では、主面11bを積層方向から見たとき、主面11bの全体が露出している。主面11a,11bは、自然面である。自然面とは、焼成により成長した結晶粒の表面により構成される面である。
【0039】
圧電素体11の各側面11cにも、内部電極16,17,18と電気的に接続されている導体は、配置されていない。本実施形態では、各側面11cを積層方向に交差する方向から見たとき、各側面11cの全体が露出している。本実施形態では、各側面11cも、自然面である。
【0040】
圧電体層12bにおいて、外部電極13に接続されている内部電極16と外部電極15に接続されている内部電極17とに挟まれている領域は、圧電的に活性な第一活性領域19を構成する。圧電体層12cにおいて、外部電極14に接続されている内部電極18と外部電極15に接続されている内部電極17とに挟まれている領域は、圧電的に活性な第二活性領域20を構成する。
【0041】
第一活性領域19及び第二活性領域20は、たとえば、外部電極15をグラウンドに接続した状態で、外部電極13及び外部電極14に互いに極性が異なる電圧を印加することにより、互いに同じ向きに分極されている。第一活性領域19は、たとえば内部電極16から内部電極17に向かう方向に分極され、第二活性領域20は、たとえば内部電極17から内部電極18に向かう方向に分極されている。
【0042】
圧電素子10の駆動時には、たとえば、外部電極13,14には互いに極性が同じ電圧が印加され、外部電極15には外部電極13,14とは互いに極性が異なる電圧が印加される。これにより、第一活性領域19及び第二活性領域20のうちの一方には、分極方向と同じ向きの電圧が印加されて、積層方向と交差する方向に伸長し、他方には分極方向と逆向きの電圧が印加されて、積層方向と交差する方向に収縮する。圧電素子10は、第一活性領域19及び第二活性領域20のうちの一方の伸長と、他方の収縮と、によって、積層方向にたわみ振動する。外部電極13,14と、外部電極15とに交流電圧が印加されると、外部電極13,14に印加される電圧の極性と、外部電極15に印加される電圧の極性とが交互に反転するため、圧電素子10は、積層方向にたわみ振動する。
【0043】
図1に示されるように、音響デバイス1は、振動板30と、一対の支持部材40と、を備えている。振動板30は、互いに対向している一対の主面30a,30bを有していると共に、各主面30a,30bに直交する方向から見て、一対の圧電素子10の間に配置されている。以下では、各主面30a,30bに直交する方向を、第一方向D1とする。第一方向D1は、音響デバイス1の上下方向と一致している。主面30aは、振動板30の上側に位置しており、主面30bは、振動板30の下側に位置している。本実施形態では、第一方向D1は、積層方向と一致している。圧電素子10は、主面11aが上側に位置しており、主面11bが下側に位置している。一対の支持部材40は、一対の圧電素子10のうち対応する圧電素子10と振動板30とを連結している。
【0044】
本実施形態では、一対の圧電素子10と、一対の支持部材40と、振動板30とは、一対の圧電素子10が互いに離間している方向に延在している仮想線L上に位置している。以下では、一対の圧電素子10が互いに離間している方向を、第二方向D2とする。
【0045】
振動板30は、たとえば、板形状を呈している。振動板30は、図1に示されるように、第二方向D2において、互いに対向していると共に、一対の主面30a,30bを連結している一対の側面30cを有している。振動板30は、一対の側面30cと仮想線Lとが交差するように位置している。振動板30は、たとえば、金属又は樹脂からなる。振動板30は、一例として、アルミニウムからなる。振動板30は、たとえば、ステンレス鋼(一例として、SUS304)、又は、Ni-Fe合金(一例として、42アロイ)からなってもよい。振動板30は、たとえば、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂)、ポリカーボネイト樹脂、ポリアセタール樹脂、又は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂からなってもよい。
【0046】
第一方向D1における主面30aと主面30bとの間の距離は、たとえば、0.1mm以上2mm以下である。当該距離は、振動板30の厚みである。第二方向D2における、一方の側面30cと他方の側面30cとの間の距離は、たとえば、30mm以上200mm以下である。第一方向D1から見て、第二方向D2と直交する方向における、各主面30a,30bの一方の縁と、各主面30a,30bの他方の縁との間の距離は、たとえば、10mm以上100mm以下である。以下では、第一方向D1から見て、第二方向D2と直交する方向を、第三方向D3とする。
【0047】
一対の支持部材40それぞれは、対応する圧電素子10に連結されている第一部分41と、振動板30に連結されている第二部分42と、第一部分41と第二部分42との間に位置する第三部分43と、を有している。第一部分41は、第三部分43を挟んで第二部分42と互いに対向している。
【0048】
各支持部材40は、たとえば、直方体形状を呈している。各支持部材40は、第一方向D1で互いに対向している一対の主面40a,40bと、第二方向D2で互いに対向していると共に、一対の主面40a,40bを連結している一対の側面41a,42aとを有している。主面40aは、各支持部材40の上側に位置しており、主面40bは、各支持部材40の下側に位置している。各支持部材40は、一対の側面41a,42aと仮想線Lとが交差するように位置している。第二方向D2において、第一部分41の側面41aは、対応する圧電素子10の側面11cに連結されている。各圧電素子10は、当該側面11cと仮想線Lとが交差するように位置している。第二方向D2において、第二部分42の側面42aは、振動板30の側面30cに連結されている。各支持部材40は、たとえば、金属又は樹脂からなる。各支持部材40は、一例として、アルミニウムからなる。各支持部材40は、たとえば、ステンレス鋼(一例として、SUS304)、又は、Ni-Fe合金(一例として、42アロイ)からなってもよい。各支持部材40は、たとえば、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂)、ポリカーボネイト樹脂、ポリアセタール樹脂、又は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂からなってもよい。
【0049】
第一方向D1において、主面40aと主面40bとの間の距離は、たとえば、1mm以上10mm以下である。当該距離は、各支持部材40の第一部分41及び第二部分42での厚みである。第二方向D2における、側面41aと側面42aとの間の距離は、たとえば、10mm以上40mm以下である。第三方向D3における、各主面40a,40bの一方の縁と各主面40a,40bの他方の縁との間の距離は、たとえば、10mm以上100mm以下である。
【0050】
本実施形態では、各圧電素子10の第三方向D3の長さと、振動板30の第三方向D3の長さと、各支持部材40の第三方向D3の長さとは、等しい。振動板30は、第三方向D3において互いに対向している一対の側面(不図示)を含んでいる。各支持部材40は、第三方向D3において互いに対向している一対の側面(不図示)を含んでいる。振動板30の各当該側面、各支持部材40の各当該側面、及び、圧電素体11の短辺方向で互いに対向している各側面11cは、それぞれ同一の仮想平面(不図示)に含まれている。
【0051】
本実施形態では、各圧電素子10の厚みと、振動板30の厚みと、各支持部材40の厚みとは、等しい。一対の主面11a,11bと、一対の主面30a,30bと、一対の主面40a,40bとは、それぞれ同一の仮想平面(不図示)に含まれている。
【0052】
第三部分43は、第三方向D3での支持部材40の両端を含む一対の溝43a,43bを有している。主面40aは、溝43aを構成している面を含んでいる。主面40bは、溝43bを構成している面を含んでいる。各溝43a,43bは、各支持部材40の第三方向D3において互いに対向している一対の側面の一方から他方まで延在している。一対の溝43a,43bは、主面40a及び主面40bから等距離に位置している仮想平面Pに対して面対称に位置している。各支持部材40において、一対の溝43a,43bは、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向でのそれぞれの位置が一致するように形成されている。
【0053】
本実施形態では、一対の溝43a,43bを画成している面は、仮想平面Pに対して面対称な形状を呈している。各溝43a,43bは、各支持部材40の厚さ方向に形成されている。主面40aは、溝43aを構成する湾曲面43cを含んでいる。主面40bは、溝43bを構成する湾曲面43dを含んでいる。各湾曲面43c,43dは、たとえば、第三方向D3から見て、半円状の円弧を呈している。
【0054】
第三部分43は、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向と直交する断面の断面積が部分的に小さい。以下では、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向と直交する断面を、断面とする。当該断面の断面積を、断面積とする。本実施形態では、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向は、第二方向D2と一致している。第三部分43は、一対の溝43a,43bの位置において、部分的に断面積が小さい。第三部分43の断面積は、各溝43a,43bの形状に応じて変化する。第三部分43の断面積は、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向における断面の位置に応じて変化する。具体的には、第三部分43の断面積は、第一方向D1において、湾曲面43cと湾曲面43dとの間の距離に応じて変化する。当該距離は、第三部分43の厚みである。第三部分43の厚みの最小値は、たとえば、0.1mm以上3mm以下である。第一方向D1における、第三部分43の厚みが最小になる位置は、たとえば、各側面41aを基準に、5mm以上20mm以下、離間している。各支持部材40は、第三部分43においてたわみ変形する。
【0055】
図3を参照して、一対の圧電素子10のたわみ振動と、各支持部材40の振動と、振動板30の振動とを説明する。振動板30及び各支持部材40は、一対の圧電素子10のたわみ振動に伴い振動する。図3は、振動板30が第一方向D1において上方に変位したときを示している。
【0056】
図3では、各圧電素子10は、基材Bに対して、支持部材40と連結されている側の端が第一方向D1における上方に傾くようにたわみ変形している。各圧電素子10では、第一活性領域19は収縮しており、第二活性領域20は伸長している。各圧電素子10は、基材Bに対して、支持部材40と連結されている側の端が第一方向D1において傾くようにたわみ振動する。
【0057】
図3では、各支持部材40は、各圧電素子10に対して、第二部分42が第二方向D2の振動板30側に傾くようにたわみ変形している。第三部分43では、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向において、溝43aの幅は伸張しており、溝43bの幅は、収縮している。一対の圧電素子10のたわみ振動に伴い、各支持部材40は、各圧電素子10に対して、第二部分42が第二方向D2の振動板30側に傾くようにたわみ振動する。
【0058】
図3では、振動板30は、一対の圧電素子10及び各支持部材40のたわみ変形に伴い、第一方向D1における上方に変位している。第二方向D2における振動板30の両端を含む領域は、当該両端を含む領域の間に位置している中央の領域に対して、第一方向D1における下方の変位成分を含んでいない。本実施形態における第一方向D1の変位成分は、当該両端を含む領域及び当該中央の領域において等しい。振動板30は、一対の圧電素子10のたわみ振動に伴い、第一方向D1に変位成分を有するように振動する。
【0059】
本実施形態に係る音響デバイス1によれば、振動板30は、対応する支持部材40によって、各圧電素子10に連結されている。各支持部材40は、断面積が部分的に小さい第三部分43を有している。一対の圧電素子10のたわみ振動に伴って振動板30が振動するとき、第三部分43は、たわみ振動に応じた曲げ変形を生じやすい。これにより、一対の圧電素子10のたわみ振動に伴って振動板30が振動するとき、振動板30の第一方向D1への変位が阻害され難く、第一方向D1の変位成分が増加し得る。よって、音響デバイス1は、音圧を向上し得る。
【0060】
本実施形態に係る音響デバイス1では、一対の圧電素子10と、振動板30と、一対の支持部材40とは、第二方向D2に延在している仮想線L上に位置している。
したがって、音響デバイス1は、各圧電素子10のたわみ振動を、各支持部材40を通して振動板30に効率よく伝達する。この結果、本構成は、音圧をより一層向上し得る。
【0061】
本実施形態に係る音響デバイス1では、各溝43a,43bは、各湾曲面43c,43dによって画成されている。
各溝43a,43bが各湾曲面43c,43dによって画成されているため、各支持部材40が第三部分43においてたわみ変形するとき、第三部分43に発生する応力が分散される。よって、音響デバイス1では、第三部分43は、塑性変形し難い。
【0062】
(第二実施形態)
図4を参照して、第二実施形態に係る音響デバイス1の構成を説明する。図4は、第二実施形態に係る音響デバイス1の断面構成を示す図である。第二実施形態は、概ね、第一実施形態と類似又は同じである。第二実施形態は、各支持部材40の形状、及び、振動板30が仮想線L上に位置しない点において、第一実施形態と相違する。
【0063】
本実施形態では、一対の圧電素子10と、一対の支持部材40とは、第二方向D2に延在している仮想線L上に位置しており、振動板30は、仮想線Lから第一方向D1に離間している。振動板30は、仮想線Lから第一方向D1における上方に離間している。
【0064】
各支持部材40は、第一方向D1で主面40bと互いに対向している主面40aと、第一方向D1で主面40bと互いに対向している主面40cと、を有している。主面40bと主面40cとの間の長さは、主面40bと主面40aとの間の長さより大きい。すなわち、主面40cは、主面40bに対して、主面40aよりも離間している。
【0065】
各支持部材40は、主面40aと主面40bとを連結している側面41aと、主面40aと主面40cとを連結している側面42aと、を有している。各支持部材40は、一対の側面41a,42aと仮想線Lとが交差するように位置している。第二方向D2において、第一部分41の側面41aは、対応する圧電素子10の側面11cに連結されている。各圧電素子10は、当該側面11cと仮想線Lとが交差するように位置している。第一方向D1において、第二部分42の主面40cは、振動板30の主面30bに連結されている。第二部分42の側面42aは、振動板30の側面30cに連結されない。第一方向D1において、主面40aと主面40cとの間の距離は、たとえば、0.1mm以上2mm以下である。当該距離は、各支持部材40の第二部分42での厚みである。
【0066】
本実施形態では、第二方向D2における一方の側面30cと他方の側面30cとの間の距離は、第二方向D2における一方の支持部材40の側面42aと他方の支持部材40の側面42aとの間の距離よりも大きい。すなわち、振動板30の第二方向D2での長さは、一対の支持部材40の第二方向D2での間隔よりも大きい。
【0067】
本実施形態に係る音響デバイス1では、一対の圧電素子10と、一対の支持部材40とは、第二方向D2に延在している仮想線L上に位置している。振動板30は、第一方向D1に、仮想線Lから離間している。
各圧電素子10及び各支持部材40が仮想線L上に位置している音響デバイス1は、圧電素子10のたわみ振動を、各支持部材40に効率よく伝達する。したがって、本構成は、音圧をより一層向上し得る。
振動板30が、第一方向D1に、各圧電素子10及び各支持部材40が位置している仮想線Lから離間している構成は、第一方向D1から見たときの音響デバイス1のサイズを低減し得る。
【0068】
(第三実施形態)
図5を参照して、第三実施形態に係る音響デバイス1の構成を説明する。図5は、第三実施形態に係る音響デバイス1の断面構成を示す図である。第三実施形態は、概ね、第二実施形態と類似又は同じである。第三実施形態は、各圧電素子10が仮想線L上に位置しない点において、第二実施形態と相違する。
【0069】
本実施形態では、一対の支持部材40は、第二方向D2に延在している仮想線L上に位置している。振動板30は、第一方向D1のうち一の方向に、仮想線Lから離間しており、一対の圧電素子10は、第一方向D1のうち他の方向に、仮想線Lから離間している。振動板30は、第一方向D1において仮想線Lの上方に離間している。各圧電素子10は、第一方向D1において仮想線Lの下方に離間している。
【0070】
各支持部材40は、一対の側面41a,42aと仮想線Lとが交差するように位置している。第一方向D1において、第一部分41における主面40bは、対応する圧電素子10の主面11aに連結されている。第一部分41の側面41aは、対応する圧電素子10の側面11cに連結されない。第一方向D1において、第二部分42の主面40cは、振動板30の主面30bに連結されている。
【0071】
本実施形態に係る音響デバイス1では、一対の支持部材40は、第二方向D2に延在している仮想線L上に位置している。振動板30は、第一方向D1のうち一の方向に、仮想線Lから離間している。一対の圧電素子10は、第一方向D1のうち他の方向に、仮想線Lから離間している。
振動板30は、第一方向D1のうち一の方向に、仮想線Lから離間しており、各圧電素子10は、第一方向D1のうち他の方向に、仮想線Lから離間している。振動板30と各圧電素子10とは、第一方向D1での、対応する支持部材40の両側にそれぞれ配置される。したがって、第一方向D1から見たときの音響デバイス1のサイズが低減され得る。
【0072】
(第四実施形態)
図6及び図7を参照して、第四実施形態に係る音響デバイス1の構成を説明する。図6は、第四実施形態に係る音響デバイス1の断面構成を示す図である。図7は、第四実施形態に係る振動板30の上面図である。第四実施形態は、概ね、第一実施形態と類似又は同じである。第四実施形態は、一対の支持部材40それぞれが振動板30と一体に構成されている点において、第一実施形態と相違する。
【0073】
図6に示されるように、本実施形態では、一対の支持部材40それぞれが振動板30と一体に構成されている。主面30a及び主面40aは、同一の主面を構成している。主面30b及び主面40bは、同一の主面を構成している。各側面30c及び各側面41aは、同一の側面を構成している。各側面30c及び各側面41aの当該同一の側面は、対応する圧電素子10の側面11cに連結されている。各支持部材40は、側面42aを有していない。
【0074】
図7に示されるように、本実施形態では、振動板30の第三方向D3において互いに対向している一対の側面、及び、各支持部材40の第三方向D3において互いに対向している一対の側面は、同一の側面30dを構成している。第三部分43は、支持部材40の第三方向D3での両端を含む一対の溝43a,43bを有している。各溝43a,43bは、各支持部材40の第三方向D3において互いに対向している一対の側面30dの一方から他方の側面30dまで延在している。
【0075】
本実施形態に係る音響デバイス1では、一対の支持部材40それぞれは、振動板30と一体に構成されている。
各支持部材40が振動板30と一体である構成は、各支持部材40が振動板30と別体である構成と比べて、音響デバイス1を構成する部品点数を削減し、音響デバイス1の低コスト化及び製造過程の簡素化を図る。
【0076】
本実施形態に係る音響デバイス1では、第一方向D1から見て、第三部分43は、第三方向D3での支持部材40の両端を含んでいる。
第三部分43が支持部材40の両端を含んでいる構成では、第三部分43が支持部材40の両端を含まない構成と比べて、第三部分43の形成が容易である。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0078】
(変形例)
図8は、変形例に係る各支持部材40の断面構成を示す拡大図である。図8は、第三部分43の拡大図である。
第三部分43は、溝43bを有さなくてもよい。図8の(a)に示される変形例では、第三部分43は、第三方向D3での両端を含む溝43aのみを有している。
各主面40a,40bは、第三部分43において、各溝43a,43bを構成する各湾曲面43c,43dを含まなくてもよい。図8の(b)に示される変形例では、各主面40a,40bは、第三部分43において、第三方向D3から見て、各溝43aを開口している一対の側面43eと、各溝43aの第一方向D1における底面を構成している底面43fと、一対の側面43eと底面43fとを互いに連結している一対の湾曲面43gと、を含んでいる。
各主面40a,40bは、第三部分43において、一対の側面43eと底面43fとを互いに連結している湾曲面43gを含まなくてもよい。図8の(c)に示される変形例では、各主面40a,40bは、第三部分43において、一対の側面43eと底面43fとを互いに連結している側面43hを含んでいる。
一対の溝43a,43bは、支持部材40の第三方向D3での端に達していなくてもよい。
第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向における、一対の溝43aの幅は、互いに異なっていてもよい。各支持部材40の厚さ方向における、一対の溝43aの深さは、互いに異なっていてもよい。
【0079】
圧電素子10は、複数の内部電極16,17,18を備えない単板の圧電素子であってもよい。複数の内部電極16,17,18を備えない圧電素子10では、一対の主面11a,11bに外部電極が電気的に接続されてもよい。すなわち、圧電素子10は、ユニモルフ構造の振動子を構成してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…音響デバイス、10…圧電素子、30…振動板、30a,30b…主面、40…支持部材、41…第一部分、42…第二部分、43…第三部分、L…仮想線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8