(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186233
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】微細気泡発生装置
(51)【国際特許分類】
B01F 23/20 20220101AFI20221208BHJP
B01F 25/40 20220101ALI20221208BHJP
B01F 25/50 20220101ALI20221208BHJP
A47K 3/00 20060101ALN20221208BHJP
【FI】
B01F3/04 Z
B01F5/06
B01F5/10
A47K3/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094355
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島津 智行
【テーマコード(参考)】
4G035
【Fターム(参考)】
4G035AB04
4G035AC26
4G035AC29
(57)【要約】
【課題】微細気泡発生装置において、より多くの微細気泡を発生させることができる技術を提供する。
【解決手段】微細気泡発生装置は、気体溶解水が流入する流入部と、気体溶解水が流出する流出部と、流入部と流出部との間に設けられている微細気泡生成部と、を備えており、微細気泡生成部は、上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する縮径流路と、上流から下流に向かうにつれて流路径が拡径する拡径流路と、を備えるベンチュリ部と、ベンチュリ部から流出する気体溶解水を微細気泡生成部から流出させるための流出流路と、流出流路の途中とベンチュリ部とを接続する還流流路と、を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細気泡発生装置であって、
気体溶解水が流入する流入部と、
前記気体溶解水が流出する流出部と、
前記流入部と前記流出部との間に設けられている微細気泡生成部と、を備えており、
前記微細気泡生成部は、
上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する縮径流路と、上流から下流に向かうにつれて流路径が拡径する拡径流路と、を備えるベンチュリ部と、
前記ベンチュリ部から流出する前記気体溶解水を前記微細気泡生成部から流出させるための流出流路と、
前記流出流路の途中と前記ベンチュリ部とを接続する還流流路と、
を備えている、微細気泡発生装置。
【請求項2】
前記ベンチュリ部は、さらに、
前記縮径流路の下流端と前記拡径流路の上流端とを接続し、流路径が一定の同径流路を備えており、
前記同径流路の前記流路径は、前記縮径流路の前記下流端の流路径と同じであり、
前記還流流路は、前記同径流路の下流端の近傍に接続されている、請求項1に記載の微細気泡発生装置。
【請求項3】
前記流出流路には、前記還流流路が接続する部分よりも下流側において、前記流出流路を流れる前記気体溶解水を前記還流流路に案内する案内壁部が設けられている、請求項1又は2に記載の微細気泡発生装置。
【請求項4】
前記微細気泡生成部は、さらに、
前記拡径流路の下流端の開口に対向しており、前記拡径流路から流出する水が衝突する衝突壁部と、前記衝突壁部から前記ベンチュリ部側に延び、前記ベンチュリ部の少なくとも一部を取り囲む側壁部と、を備え、
前記流出流路は、前記衝突壁部と前記拡径流路の前記下流端の前記開口との間に画定される第1の流出流路と、前記第1の流出流路よりも下流側の流路であり、前記ベンチュリ部と前記側壁部との間に画定される第2の流出流路と、を含み、
前記還流流路は、前記第2の流出流路の途中に接続されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、微細気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、気体溶解水が流入する流入部と、気体溶解水が流出する流出部と、流入部と流出部との間に設けられている微細気泡生成部と、を備える微細気泡発生装置が開示されている。微細気泡生成部は、上流から下流に向かうにつれて縮径する縮径流路と、縮径流路よりも下流に設けられており、上流から下流に向かうにつれて拡径する拡径流路と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の微細気泡発生装置では、気体が溶解している水(以下では、「気体溶解水」と記載することがある)は、縮径流路を通過することによって流速が上昇し、その結果減圧される。気体溶解水が減圧されることにより、気泡が発生する。次いで、気体溶解水は、拡径流路を通過することによって、徐々に増圧される。減圧によって気泡が発生した後の気体溶解水が増圧されると、気体溶解水に含まれる気泡が分裂して微細気泡になる。このように、特許文献1の微細気泡発生装置では、微細気泡生成部によって微細気泡が生成される。しかしながら、特許文献1の微細気泡発生装置では、微細気泡発生装置によって生成される微細気泡の量が不十分な状況が発生する、
【0005】
本明細書では、微細気泡を大量に生成することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される微細気泡発生装置は、気体溶解水が流入する流入部と、気体溶解水が流出する流出部と、前記流入部と前記流出部との間に設けられている微細気泡生成部と、を備えており、前記微細気泡生成部は、上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する縮径流路と、上流から下流に向かうにつれて流路径が拡径する拡径流路と、を備えるベンチュリ部と、前記ベンチュリ部から流出する気体溶解水を前記微細気泡生成部から流出させるための流出流路と、前記流出流路の途中と前記ベンチュリ部とを接続する還流流路と、を備えている。
【0007】
上記の構成によると、微細気泡発生装置に流入する気体溶解水は、微細気泡生成部のベンチュリ部の縮径流路に流入する。気体溶解水は、縮径流路を通過することによって流速が上昇し、その結果減圧される。気体溶解水が減圧されることにより、気泡が発生する。次いで、気体溶解水は、拡径流路を通過することによって、徐々に増圧される。減圧によって気泡が発生した後の気体溶解水が増圧されると、気体溶解水に含まれる気泡が分裂して微細気泡になる。そして、微細気泡を含む気体溶解水は、流出流路を経由して、微細気泡生成部から流出する。ベンチュリ部では、ベンチュリ部内を気体溶解水が流れることによって、負圧が発生している(ベンチュリ効果)。そして、還流流路は、流出流路の途中とベンチュリ部とを接続している。このため、ベンチュリ部で発生している負圧によって、流出流路を流れる気体溶解水の一部が還流流路に吸込まれる。そして、還流流路に吸込まれた気体溶解水は、ベンチュリ部に再流入する。気体溶解水が、再度、ベンチュリ部を通過することによって、気体溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になるとともに、微細気泡の量が多くなる。従って、微細気泡を大量に生成することができる。
【0008】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ベンチュリ部は、さらに、縮径流路の下流端と拡径流路の上流端とを接続し、流路径が一定の同径流路を備えていてもよい。同径流路の流路径は、縮径流路の下流端の流路径と同じであってもよい。還流流路は、同径流路の下流端の近傍に接続されていてもよい。
【0009】
ベンチュリ部では、同径流路の下流端の近傍における気体溶解水の流速が最速となる。このため、同径流路の下流端の近傍において、最も大きな負圧が発生する。上記の構成によると、還流流路が、同径流路の下流端の近傍に接続されている。このため、流出流路から還流流路に吸込まれる気体溶解水の量を多くすることができる。従って、ベンチュリ部に再流入する気体溶解水の量が多くなり、その結果、より多くの微細気泡を生成することができる。
【0010】
1つまたはそれ以上の実施形態において、流出流路には、還流流路が接続する部分よりも下流側において、流出流路を流れる気体溶解水を還流流路に案内する案内壁部が設けられていてもよい。
【0011】
上記の構成によると、流出流路を流れる気体溶解水が案内壁部によって、還流流路に吸込まれやすくなる。このため、流出流路から還流流路に吸込まれる気体溶解水の量を多くすることができる。従って、ベンチュリ部に再流入する気体溶解水の量が多くなり、その結果、より多くの微細気泡を生成することができる。
【0012】
1つまたはそれ以上の実施形態において、微細気泡生成部は、さらに、拡径流路の下流端の開口に対向しており、拡径流路から流出する水が衝突する衝突壁部と、衝突壁部からベンチュリ部側に延び、ベンチュリ部の少なくとも一部を取り囲む側壁部と、を備えてもよい。流出流路は、衝突壁部と拡径流路の下流端の開口との間に画定される第1の流出流路と、第1の流出流路よりも下流側の流路であり、ベンチュリ部と側壁部との間に画定される第2の流出流路と、を含んでいてもよい。還流流路は、第2の流出流路の途中に接続されていてもよい。
【0013】
上記の構成によると、拡径流路から流出する気体溶解水は、衝突壁部に衝突する。気体溶解水が衝突壁部に衝突することによって、気体溶解水内の微細気泡が分裂して、より微細な気泡になるとともに、微細気泡の量が多くなる。また、還流流路が、第1の流出流路よりも下流側における第2の流出流路の途中に接続されているために、還流流路に吸込まれ、ベンチュリ部に再流入する気体溶解水は、拡径流路から流出することによって、再度、衝突壁部に衝突する。これにより、気体溶解水内の微細気泡が分裂して、さらに微細な気泡になるとともに、微細気泡の量がより多くなる。
【0014】
また、上記の構成によると、ベンチュリ部内を第1方向に流れ、ベンチュリ部から流出する気体溶解水は、衝突壁部に衝突した後に、側壁部とベンチュリ部との間に画定される第2の流出流路を第1方向とは逆方向の第2方向に流れるようになる。このような構成によると、微細気泡生成部が側壁部を備えていない構成と比較して、微細気泡生成部の第1方向に沿った長さを短くすることができ、微細気泡発生装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施例に係る給湯システム2の構成を模式的に示す図である。
【
図2】実施例に係る微細気泡発生装置46の斜視図である。
【
図3】実施例に係る微細気泡発生装置46の断面図である。
【
図4】実施例に係る微細気泡発生装置46の本体ケース100を取外した状態の側面図である。
【
図5】実施例に係る微細気泡生成部110を第2方向側から見た分解図である。
【
図6】実施例に係る微細気泡生成部110を第1方向側から見た分解図である。
【
図7】実施例に係る第1の本体部120を第2方向側から見た図である。
【
図8】実施例に係る第1の本体部120を第1方向側から見た図である。
【
図9】実施例に係る第2の本体部122を第2方向側から見た図である。
【
図10】実施例に係る第2の本体部122を第1方向側から見た図である。
【
図11】実施例に係る第3の本体部124を第2方向側から見た図である。
【
図12】実施例に係る第2の本体部122及び第3の本体部124を第2方向側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例)
(給湯システム2の構成;
図1)
図1に示す給湯システム2は、上水道などの給水源4から供給される水を加熱して、所望の温度まで加熱された水を、台所等に設置されたカラン6や、浴室に配置された浴槽8に供給することができる。また、給湯システム2は、浴槽8の水の追い焚きを行うことができる。
【0017】
給湯システム2は、第1の熱源機10と、第2の熱源機12と、燃焼室14と、を備えている。第1の熱源機10は、カラン6への給湯や浴槽8への湯はりのために使用される熱源機である。第2の熱源機12は、浴槽8の追い焚きのために使用される熱源機である。燃焼室14の内部は、仕切り壁部16によって、第1の燃焼室18と第2の燃焼室20に区画されている。第1の燃焼室18には、第1の熱源機10が収容されており、第2の燃焼室20には、第2の熱源機12が収容されている。
【0018】
第1の熱源機10は、第1のバーナ22と、第1の熱交換器24と、を備えている。第2の熱源機12は、第2のバーナ26と、第2の熱交換器28と、を備えている。
【0019】
第1の熱源機10の第1の熱交換器24の上流端は、給水路30の下流端に接続している。給水路30の上流端には、給水源4から水が供給される。第1の熱交換器24の下流端は、給湯路32の上流端に接続している。給水路30と給湯路32は、バイパス路34によって接続されている。給水路30とバイパス路34の接続箇所には、バイパスサーボ36が設けられている。バイパスサーボ36は、給水路30から第1の熱源機10に送られる水の流量と、給水路30からバイパス路34へ送られる水の流量の割合を調整する。バイパス路34と給湯路32の接続箇所において、給水路30、及び、バイパス路34を経由する低温水と、給水路30、第1の熱源機10、及び、給湯路32を経由する高温水とが混合される。バイパスサーボ36よりも上流側の給水路30には、水量センサ38と、水量サーボ40が設けられている。水量センサ38は、給水路30を流れる水の流量を検出する。水量サーボ40は、給水路30を流れる水の流量を調整する。バイパス路34との接続箇所よりも上流側の給湯路32には、熱交換器出口サーミスタ42が設けられている。
【0020】
バイパス路34の接続箇所よりも下流側の給湯路32には、湯はり路50の上流端が接続している。給湯路32と湯はり路50との接続箇所には、給湯サーミスタ44が設けられている。給湯路32とバイパス路34との接続箇所と、給湯路32と湯はり路50との接続箇所と、の間には、微細気泡発生装置46が設けられている。微細気泡発生装置46については、後で詳しく説明する。なお、以下では、給湯路32のうち微細気泡発生装置46よりも上流側の水路を第1の給湯路32aと記載し、給湯路32のうち微細気泡発生装置46よりも下流側の水路を第2の給湯路32bと記載することがある。
【0021】
湯はり路50の下流端は、追い焚き往路60の上流端、及び、第1の浴槽循環路62の下流端に接続している。追い焚き往路60の下流端は、第2の熱交換器28の上流端に接続している。第1の浴槽循環路62の上流端は、浴槽8に接続している。湯はり路50には、湯はり制御弁52と、逆止弁54と、が設けられている。湯はり制御弁52は、湯はり路50を開閉する。逆止弁54は、湯はり路50の上流側から下流側へ向かう水の流れを許容し、湯はり路50の下流側から上流側へ向かう水の流れを禁止する。湯はり路50、追い焚き往路60、及び、第1の浴槽循環路62の接続箇所には、浴槽戻りサーミスタ64が設けられている。追い焚き往路60には、循環ポンプ66が設けられている。
【0022】
第2の熱源機12の第2の熱交換器28の下流端は、第2の浴槽循環路68の上流端に接続している。第2の浴槽循環路68の下流端は、浴槽8に接続している。第2の浴槽循環路68には、浴槽往きサーミスタ70が設けられている。
【0023】
給湯システム2がカラン6への給湯を行う際には、湯はり制御弁52が閉じている状態で、第1の熱源機10の第1のバーナ22が燃焼する。この場合、給水源4から給水路30に供給される水は、第1の熱交換器24での熱交換によって加熱された後、給湯路32からカラン6へ供給される。第1の熱源機10の第1のバーナ22の燃焼量や、バイパスサーボ36の開度を調整することで、給湯路32を流れる水の温度を所望の温度に調整することができる。
【0024】
給湯システム2が浴槽8への湯はりを行う際には、湯はり制御弁52が開いた状態で、第1の熱源機10の第1のバーナ22が燃焼する。この場合、給水源4から給水路30に供給される水は、第1の熱交換器24での熱交換によって加熱された後、給湯路32から湯はり路50に流入する。この際に、第1の熱源機10の第1のバーナ22の燃焼量の調整や、バイパスサーボ36の開度の調整によって、水の温度は所望の温度に調整される。湯はり路50へ流入した水は、第1の浴槽循環路62を経由して、浴槽8へ流入するとともに、追い焚き往路60、第2の浴槽循環路68を経由して、浴槽8へ流入する。
【0025】
給湯システム2が浴槽8の追い焚きを行う際には、湯はり制御弁52が閉じている状態で、循環ポンプ66が駆動し、第2の熱源機12の第2のバーナ26が燃焼する。この場合、浴槽8の水は、第1の浴槽循環路62に流入し、追い焚き往路60を経由して、第2の熱源機12へ送られる。第2の熱源機12へ送られた水は、第2の熱交換器28での熱交換によって加熱された後、第2の浴槽循環路68へ流入する。この際に、第2の熱源機12の第2のバーナ26の燃焼量の調整によって、水の温度は所望の温度に調整される。第2の浴槽循環路68へ流入した水は、浴槽8へ戻される。
【0026】
(微細気泡発生装置46の構成;
図2~
図12)
続いて、
図2~
図12を参照して、給湯路32に設けられている微細気泡発生装置46について説明する。
図2に示すように、微細気泡発生装置46は、本体ケース100と、流入部102と、流出部104と、を備えている。本体ケース100は円筒形状を有している。
図3に示すように、流入部102は、ネジ(図示省略)によって、本体ケース100の第1の端部100aに固定されている。流入部102には、流入口102aが形成されている。流入部102は、第1の給湯路32a(
図1参照)の下流端に接続している。流出部104は、ネジ(図示省略)によって、本体ケース100の第2の端部100bに固定されている。流出部104には、流出口104aが形成されている。流出部104は、第2の給湯路32b(
図1参照)の上流端に接続している。以下では、第1の給湯路32aから流入部102に水が流入する方向を「第1方向」と記載し、第1方向とは反対の方向を「第2方向」と記載する。即ち、
図3の右方向、左方向が、それぞれ、「第1方向」、「第2方向」である。
【0027】
本体ケース100には、2個の微細気泡生成部110が収容されている。2個の微細気泡生成部110は、微細気泡発生装置46の中心軸Aに沿って設けられている。以下では、微細気泡発生装置46の中心軸Aを、単に「中心軸A」と記載することがある。
【0028】
(微細気泡生成部110の構成;
図3~
図12)
続いて、
図3~
図12を参照して、微細気泡生成部110について説明する。
図5、
図6に示すように、微細気泡生成部110は、第1の本体部120と、第2の本体部122と、第3の本体部124と、を備えている。第1の本体部120、第2の本体部122、及び、第3の本体部124は、中心軸Aに沿って設けられている。第1の本体部120、第2の本体部122、及び、第3の本体部124は、第1の本体部120、第2の本体部122、第3の本体部124の順に第2方向から第1方向に設けられている。
【0029】
図5、
図6に示すように、第1の本体部120は、第1のフランジ部130と、円筒部132と、5個の流路部134a~134eと、外周部136と、を備えている。
図3に示すように、円筒部132は、第1方向に向かうにつれて、直径が縮径している。第1のフランジ部130は、円筒部132の第2方向側の端部から、中心軸Aの径方向外側に延びている。第1のフランジ部130の外径は、本体ケース100の内径と同じである。
【0030】
図7、
図8に示すように、5個の流路部134a~134eは、中心軸Aの円周方向に沿って等間隔に配置されている。以下では、流路部134a~134eを総称して、単に「流路部134」と記載することがある。
図3に示すように、流路部134は、円筒部132の第1方向側の端部から第1方向側に延びている。流路部134は、中心軸Aに平行に延びている。流路部134a~134eには、縮径流路138a~138eと、同径流路140a~140eと、が設けられている。以下では、縮径流路138a~138e、同径流路140a~140eを総称して、それぞれ、単に「縮径流路138」、「同径流路140」と記載することがある。縮径流路138の流路径は、第1方向側に向かうにつれて流路径が縮径している。流路部134に流入した水は、縮径流路138を第1方向側に流れていく。従って、縮径流路138の流路径は、上流から下流に向かうにつれて縮径している。縮径流路138の第2方向側の端部の流路径は、流入部102の流入口102aの流路径よりも小さい。同径流路140の第2方向側の端部(即ち上流端)は、縮径流路138の第1方向側の端部(即ち下流端)に接続されている。また、同径流路140の第1方向側の端部(即ち下流端)は、後述する拡径流路156の第2方向側の端部(即ち上流端部)に接続されている。同径流路140の流路径は、中心軸Aと平行な方向において一定である。同径流路140の流路径は、縮径流路138の第1方向側の端部(即ち下流端)の流路径と同じである。本実施例では、5個の縮径流路138a~138eが同じ形状を有しているが、5個の縮径流路138a~138eのうちの少なくとも1個が異なる形状を有していてもよい。また、本実施例では、5個の同径流路140a~140eが同じ形状を有しているが、5個の同径流路140a~140eのうちの少なくとも1個が異なる形状を有していてもよい。
【0031】
図3に示すように、外周部136は、円筒部132の第1方向側の端部から第1方向側に延びている。
図8に示すように、外周部136は、中心軸Aの径方向外側において、同径流路140を囲んでいる。外周部136の外形は、5個の円弧形状によって構成されている。当該円弧形状の直径は、同径流路140の直径よりも大きい。
図3に示すように、外周部136の第1方向側の端部は、同径流路140の第1方向側の端部よりも第1方向側に位置している。
【0032】
図5、
図6に示すように、第2の本体部122は、内側ケース部150と、5個の第2のフランジ部152a~152eと、を備えている。以下では、5個の第2のフランジ部152a~152eを総称して、単に「第2のフランジ部152」と記載することがある。
図6に示すように、内側ケース部150の外形は、5個の円弧形状によって構成されている。内側ケース部150には、接続流路154と、5個の拡径流路156a~156eが設けられている。以下では、5個の拡径流路156a~156eを総称して、単に「拡径流路156」と記載することがある。接続流路154は、内側ケース部150の中心部分に設けられており、中心軸Aに沿って延びている。
図3に示すように、接続流路154の流路径は一定である。
図9に示すように、拡径流路156は、接続流路154の径方向外側に設けられている。拡径流路156は、中心軸Aの円周方向に沿って等間隔に配置されている。
図3に示すように、5個の拡径流路156a~156eは、それぞれ、第1の本体部120の5個の同径流路140a~140eよりも第1方向側に、5個の同径流路140a~140eのそれぞれに対応して配置されている。拡径流路156の流路径は、第1方向に向かうにつれて大きくなっている。なお、第2の本体部122に流入した水は、拡径流路156を第1方向側に流れていく。従って、拡径流路156の流路径は、上流から下流に向かうにつれて拡径している。拡径流路156の第2方向側の端部の流路径は、同径流路140の流路径よりも大きい。中心軸A方向において、拡径流路156の第2方向側の端部の位置と、同径流路140の流路径の第1方向側の位置と一致している。そして、拡径流路156の第2方向側の端部において、拡径流路156と同径流路140との間には隙間が形成されている。また、拡径流路156の第2方向側の端部(即ち第2の本体部122の第2方向側の端部122a)は、第1の本体部120の外周部136よりも径方向内側に設けられている。中心軸A方向において、第2の本体部122の端部122aは、第1の本体部120の内側端部120aよりも第1方向側に位置している。第1の本体部120の内側端部120aは、外周部136よりも径方向内側に設けられている。このため、中心軸A方向において、第2の本体部122の端部122aと、第1の本体部120の内側端部120aと、の間には隙間が形成されている。また、拡径流路156の第1方向側の端部(即ち下流端)の流路径は、第1の本体部120の縮径流路138の第2方向側の端部(即ち上流端)の流路径と同じである。本実施例では、縮径流路138、同径流路140、及び、拡径流路156によって、ベンチュリ部が構成されている。このため、以下では、縮径流路138、同径流路140、及び、拡径流路156をまとめて、「ベンチュリ部」と記載することがある。なお、本実施例では、5個の拡径流路156a~156eが同じ形状を有しているが、5個の拡径流路156a~156eのうちの少なくとも1個が異なる形状を有していてもよい。
【0033】
図6に示すように、第2のフランジ部152は、内側ケース部150の第2方向側の端部から径方向外側に延びている。
図9に示すように、5個の第2のフランジ部152a~152eは、それぞれ、5個の拡径流路156a~156eの径方向外側に設けられている。
図6、
図9に示すように、内側ケース部150の第2方向側の端部には、貫通孔158a~158eが設けられている。以下では、5個の貫通孔158a~158eを総称して、単に「貫通孔158」と記載することがある。5個の貫通孔158a~158eは、それぞれ、5個の拡径流路156a~156eと5個の第2のフランジ部152a~152eとの間に設けられている。
図3に示すように、貫通孔158の第1方向側の端部は、第2のフランジ部152の第1方向側の端部よりも第1方向側に位置している。
【0034】
図5、
図6に示すように、第3の本体部124は、底壁部170と、底壁部170の外縁から第2方向側に延びる円筒部172と、底壁部170の第1方向側の面から第1方向側に延びる延伸部174と、を備えている。底壁部170は、円板形状を有している。
図3に示すように、底壁部170は、第2の本体部122の拡径流路156の第1方向側の端部(即ち下流端)の開口に対向している。底壁部170の外径は、本体ケース100の内径よりも小さい。円筒部172の外径は、底壁部170の外径と同じである。円筒部172は、第2の本体部122の径方向外側に設けられている。
【0035】
底壁部170の第2方向側の面には、第2方向に突出する突出部176a~176cが設けられている。
図11に示すように、突出部176a~176cは、中心軸Aの径方向において、突出部176a、突出部176b、突出部176cの順に径方向外側方向に設けられている。突出部176a~176cは、それぞれ、4個の円弧形状によって構成されている。
図3に示すように、突出部176a~176cの第2方向側の端部は、内側ケース部150の第1方向側の端部よりも第1方向側に位置している。
図5、
図11に示すように、円筒部172の第2方向側の端部には、5個の切欠部178a~178eが設けられている。5個の切欠部178a~178eは、中心軸Aの円周方向に沿って等間隔に配置されている。以下では、5個の切欠部178a~178eを総称して、単に「切欠部178」と記載することがある。
図12に示すように、5個の切欠部178a~178eは、それぞれ、5個の第2のフランジ部152a~152eに対応する位置に設けられている。第2のフランジ部152が切欠部178に入り込んだ状態では、円筒部172の第2方向側の端部と、円周方向において隣り合う2個の第2のフランジ部152と、の間に、開口部188が形成されている。
【0036】
図5、
図6、
図11、
図12に示すように、円筒部172の外周壁部172aには、4個の第1の水受部180と、4個の第2の水受部182と、が接続されている。なお、
図11、
図12では、理解を容易にするために、4個の第1の水受部180を灰色で記している。第1の水受部180、及び、第2の水受部182は、外周壁部172aから径方向外側に延びている。
図4に示すように、第1の水受部180は、円周方向において、円筒部172の外周面に沿って延びる円周壁部180aと、円周壁部180aの円周方向の端部から第2方向側に延びる軸方向延伸部180bと、を備えている。軸方向延伸部180bは、第2方向側に向かうにつれて、円周壁部180aの中心部から遠ざかる方向に傾斜している。第1の水受部180は、第2の水受部182よりも第1方向側に設けられている。第2の水受部182は、円周方向において隣り合う第1の水受部180の間に設けられている。第2の水受部182は、円周方向において、円筒部172の外周面に沿って延びる円周壁部182aと、円周壁部182aの円周方向の端部から第1方向側に延びる軸方向延伸部182bと、を備えている。軸方向延伸部182bは、第1方向側に向かうにつれて、円周壁部182aの中心部から遠ざかる方向に傾斜している。
図3に示すように、第1の水受部180、及び、第2の水受部182は、本体ケース100の内周壁部100cに接触している。
【0037】
図6に示すように、延伸部174は、円柱部184と、4個の径方向延伸部186と、を備えている。円柱部184の中心軸は、中心軸Aと一致する。
図3に示すように、円柱部184の外径は、底壁部170の外径よりも小さい。径方向延伸部186は、円柱部184から径方向外側に放射状に延びている。4個の径方向延伸部186は、中心軸Aの円周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0038】
なお、第2方向側の微細気泡生成部110と、第1方向側の微細気泡生成部110と、は、同一の形状および構成を有しているが、中心軸A方向に見た場合における、縮径流路138等の円周方向の位置が異なるように配置されている。
【0039】
続いて、
図3、
図4を参照して、微細気泡発生装置46によって生成される微細気泡について説明する。なお、
図3、
図4の実線の矢印は、水の流れる方向を示している。本実施例の微細気泡発生装置46は、上水道等の給水源4から供給される水に含まれる空気を利用して、微細気泡を生成する。上水道から供給される水には空気(酸素、二酸化炭素、窒素等)が溶解している。以下では、空気が溶解している水を、「空気溶解水」と記載する。また、以下では、ユーザによってカラン6が操作される状況を想定して説明する。
図1に示すように、ユーザによってカラン6が操作されると、湯はり制御弁52が閉じている状態で、第1の熱源機10の第1のバーナ22が燃焼する。給水源4から給水路30に供給される空気溶解水は、第1の熱交換器24での熱交換によって加熱された後、第1の給湯路32aを経由して、微細気泡発生装置46に流入する。
【0040】
微細気泡発生装置46によって生成される微細気泡について説明する前に、微細気泡発生装置46が第1の給湯路32aに設けられている理由について説明する。水に溶解可能な空気の量を示す溶存空気量は、水の温度が高いほど小さくなる。そして、水に溶解している空気の量が溶存空気量に近いほど、気泡が発生しやすい。後で詳しく説明するが、微細気泡発生装置46では、空気溶解水に気泡を発生させ、当該気泡を微細にすることによって、微細気泡を生成している。このため、空気溶解水に生成される気泡が多いほど、微細気泡の量を多くすることができる。このような理由により、本実施例では、第1の熱源機10によって加熱された水が流れる第1の給湯路32aに微細気泡発生装置46を設けている。
【0041】
図3に示すように、微細気泡発生装置46へ流入した空気溶解水は、流入部102の流入口102aを経由して、2個の微細気泡生成部110のうちの第2方向側の微細気泡生成部110に流入する。微細気泡生成部110に流入した空気溶解水は、流路部134の縮径流路138に流入する。縮径流路138に流入した空気溶解水は、縮径流路138を通過することによって流速が上昇し、その結果減圧される。空気溶解水が減圧されることにより、気泡が発生する。縮径流路138を通過した空気溶解水は、同径流路140に流入する。同径流路140に流入した水の流速は、同径流路140を通過することによって安定する。そして、同径流路140を通過した空気溶解水は、第2の本体部122の内側ケース部150の拡径流路156に流入する。拡径流路156に流入した空気溶解水は、拡径流路156を通過することによって、流速が減少し、その結果増圧される。減圧によって気泡が発生した後の空気溶解水が増圧されると、空気溶解水に含まれる気泡が分裂して微細気泡になる。拡径流路156を通過した水は、第3の本体部124の底壁部170に向かって流出する。即ち、拡径流路156を通過した水は、内側ケース部150の第1方向側の端部と底壁部170との間に画定される第1の流出流路OP1に流出する。第1の流出流路OP1に流出した空気溶解水は、底壁部170、及び、突出部176a~176cに衝突する。空気溶解水が底壁部170、及び、突出部176a~176cに衝突することによって、空気溶解水内の微細気泡が分裂して、より微細な気泡になるとともに、微細気泡の量が多くなる。
【0042】
空気溶解水がベンチュリ部を流れることによって、ベンチュリ部には負圧が発生する。特に、同径流路140の第1方向側の端部(即ち下流端)の近傍において、大きな負圧が発生している。上述のように、拡径流路156の第2方向側の端部において、拡径流路156と同径流路140との間には隙間が形成されている。また、中心軸A方向において、第2の本体部122の端部122aと第1の本体部120の内側端部120aとの間には隙間が形成されている。そして、同径流路140の第1方向側の端部の近傍と第1の流出流路OP1とは、接続流路154、第1の本体部120の第1方向側の内側端部120aと第2の本体部122の第2方向側の端部122aとの間の隙間、及び、拡径流路156と同径流路140との間の隙間を介して、連通している。以下では、接続流路154と、第1の本体部120の第1方向側の内側端部120aと第2の本体部122の第2方向側の端部122aとの間の隙間、及び、拡径流路156と同径流路140との間の隙間を総称して、「第1の還流流路160」と記載することがある。同径流路140の第1方向側の端部の近傍に発生する負圧によって、底壁部170、及び、突出部176a~176cに衝突した空気溶解水の一部が、第1の還流流路160(詳細には接続流路154)に吸込まれる。そして、第1の還流流路160に吸込まれた空気溶解水は、第1の還流流路160を経由して、拡径流路156に再流入する。拡径流路156に再流入した空気溶解水は、拡径流路156を通過することによって、再度流速が減少し、その結果増圧される。これにより、空気溶解水に含まれる気泡が分裂してさらに微細な微細気泡になる。また、拡径流路156を再度、通過した空気溶解水は、再度、底壁部170、及び、突出部176a~176cに衝突する。これによっても、空気溶解水に含まれる気泡が分裂してさらに微細な微細気泡になる。なお、同径流路140の第1方向側の端部(即ち下流端)の近傍は、同径流路140の中心軸A方向における中央部よりも第1方向側(即ち下流側)、及び、拡径流路156の中心軸A方向における中央部よりも第2方向側(即ち上流側)を意味している。また、同径流路140の第1方向側の端部の近傍の中でも、同径流路140の第1方向側の端部(即ち下流端)、及び、拡径流路156の第2方向側の端部(即ち上流端)においてより大きな負圧が発生している。このため、同径流路140の第1方向側の端部(即ち下流端)、及び、拡径流路156の第2方向側の端部(即ち上流端)に、第1の還流流路160を接続することで、より多くの空気溶解水が第1の還流流路160(詳細には接続流路154)に吸込まれるようになる。
【0043】
また、底壁部170、及び、突出部176a~176cに衝突した空気溶解水の一部は、第2の本体部122の内側ケース部150の外壁部と第3の本体部124の円筒部172の内壁部との間に画定される第2の流出流路OP2に流れ込む。第2の流出流路OP2に流れ込んだ水は、第2の流出流路OP2内を第1方向側から第2方向側に流れて、内側ケース部150の第2方向側の端部に到達する。
【0044】
図3、
図12に示すように、内側ケース部150の第2方向側の端部には、第2のフランジ部152が設けられている。内側ケース部150の第2方向側の端部のうち、第2のフランジ部152が設けられる部分に到達する空気溶解水が第2のフランジ部152に接触することによって、空気溶解水の流れがせき止められる。第2のフランジ部152の第1方向側(即ち上流側)には、貫通孔158が設けられている。即ち、貫通孔158は、第2の流出流路OP2の途中に設けられている。上述のように、拡径流路156の第2方向側の端部において、拡径流路156と同径流路140との間には隙間が形成されている。また、中心軸A方向において、第2の本体部122の端部122aと第1の本体部120の内側端部120aとの間には隙間が形成されている。そして、拡径流路156と同径流路140との間に形成された隙間と、第2の本体部122の端部122aと第1の本体部120の内側端部120aとの間に形成された隙間と、は連通している。このため、同径流路140の第1方向側の端部(即ち下流端)の近傍と第2の流出流路OP2の途中とは、貫通孔158、第1の本体部120の第1方向側の内側端部120aと第2の本体部122の第2方向側の端部122aとの間の隙間、及び、拡径流路156と同径流路140との間の隙間を介して、連通している。以下では、貫通孔158、第1の本体部120の第1方向側の内側端部120aと第2の本体部122の第2方向側の端部122aとの間の隙間、及び、拡径流路156と同径流路140との間の隙間を総称して、「第2の還流流路162」と記載することがある。上述のように、同径流路140の第1方向側の端部(即ち下流端)の近傍には、大きな負圧が発生している。このため、第2のフランジ部152にせき止められた空気溶解水の一部は、同径流路140の第1方向側の端部の近傍に発生する負圧によって、第2の還流流路162(詳細には貫通孔158)に吸込まれる。そして、第2の還流流路162に吸込まれた空気溶解水は、第2の還流流路162を経由して、拡径流路156に再流入する。第1の還流流路160を経由して、拡径流路156に再流入した空気溶解水と同様に、第2の還流流路162を経由して、拡径流路156に再流入した空気溶解水内の微細気泡もより微細化される。
【0045】
また、内側ケース部150の第2方向側の端部のうち、開口部188(
図12参照)が形成されている部分に到達する空気溶解水は、開口部188を通過して、円筒部172の外側に流出する。そして、円筒部172の外側に流出した空気溶解水は、円筒部172の外周壁部172aと本体ケース100の内周壁部100cとの間に画定される第3の流出流路OP3に流れ込む。
【0046】
図4に示すように、第3の流出流路OP3に流れ込んだ空気溶解水は、第2の水受部182の円周壁部182aの第2方向側の面に衝突する。空気溶解水が円周壁部182aに衝突することによって、空気溶解水内の微細気泡が分裂して、より微細な気泡になるとともに、微細気泡の量が多くなる。そして、空気溶解水は、第2の水受部182の第2方向側の面を伝って、第2方向側から第1方向側に流れ、第1の水受部180の円周壁部180aの第2方向側の面に衝突する。空気溶解水が円周壁部180aに衝突することによって、空気溶解水内の微細気泡が分裂して、より微細な気泡になるとともに、微細気泡の量が多くなる。第1の水受部180に衝突した空気溶解水は、第1の水受部180の第2方向側の面を伝って、第1方向側から第2方向側に流れるようになり、第2の水受部182の円周壁部182aの第1方向側の面に衝突する。空気溶解水が円周壁部182aに衝突することによって、空気溶解水内の微細気泡が分裂して、より微細な気泡になるとともに、微細気泡の量が多くなる。円周壁部182aに衝突した空気溶解水は、第2方向側から第1方向側に流れるようになり、第2方向側の微細気泡生成部110から流出して、第1方向側の微細気泡生成部110に流入する。
【0047】
上述のように、空気溶解水は、第1の流出流路OP1、第2の流出流路OP2、及び、第3の流出流路OP3を流れることによって、微細気泡生成部110から流出する。以下では、第1の流出流路OP1、第2の流出流路OP2、及び、第3の流出流路OP3をまとめて、単に、「流出流路」と記載することがある。そして、流出流路の途中と同径流路140の第1方向側の端部とを接続する第1の還流流路160、及び、第2の還流流路162によって、流出流路を流れる空気溶解水の一部が、拡径流路156に再流入する。空気溶解水が、拡径流路156に再流入することによって、空気溶解水内の微細気泡がより微細化され、大量の微細気泡が生成される。
【0048】
上記のようにして、空気溶解水は、合計2個の微細気泡生成部110を通過する。これにより、空気溶解水内の微細気泡が微細化され、大量の微細気泡が生成される。
【0049】
上記の構成によると、
図3に示すように、微細気泡発生装置46は、空気溶解水が流入する流入部102と、空気溶解水が流出する流出部104と、流入部102と流出部104との間に設けられている微細気泡生成部110と、を備えている。微細気泡生成部110は、上流から下流に向かうにつれて流路径が縮径する縮径流路138と、縮径流路138よりも下流に設けられており、上流から下流に向かうにつれて流路径が拡径する拡径流路156と、を備えるベンチュリ部と、ベンチュリ部よりも下流に設けられており、微細気泡生成部110から空気溶解水を流出させるための流出流路(即ち第1の流出流路OP1、第2の流出流路OP2、及び、第3の流出流路OP3)と、流出流路の途中とベンチュリ部とを接続する第1の還流流路160、及び、第2の還流流路162と、を備えている。微細気泡発生装置46に流入する空気溶解水は、微細気泡生成部110のベンチュリ部の縮径流路138に流入する。空気溶解水は、縮径流路138を通過することによって流速が上昇し、その結果減圧される。空気溶解水が減圧されることにより、気泡が発生する。次いで、空気溶解水は、拡径流路156を通過することによって、徐々に増圧される。減圧によって気泡が発生した後の空気溶解水が増圧されると、空気溶解水に含まれる気泡が分裂して微細気泡になる。そして、微細気泡を含む空気溶解水は、流出流路を経由して、微細気泡生成部110から流出する。ベンチュリ部では、ベンチュリ部内を空気溶解水が流れることによって、負圧が発生している(ベンチュリ効果)。そして、第1の還流流路160、及び、第2の還流流路162は、流出流路の途中とベンチュリ部とを接続している。このため、ベンチュリ部で発生している負圧によって、流出流路を流れる空気溶解水の一部が第1の還流流路160、及び、第2の還流流路162に吸込まれる。そして、第1の還流流路160、及び、第2の還流流路162に吸込まれた空気溶解水は、ベンチュリ部に再流入する。空気溶解水が、再度、ベンチュリ部を通過することによって、空気溶解水内の微細気泡がより微細な気泡になるとともに、微細気泡の量が多くなる。従って、従って、微細気泡を大量に生成することができる。
【0050】
また、
図3に示すように、ベンチュリ部は、さらに、縮径流路138の第1方向側の端部(即ち下流端)と拡径流路156の第2方向側の端部(即ち上流端)とを接続し、流路径が一定の同径流路140を備えている。同径流路140の流路径は、縮径流路138の第1方向側の端部(即ち下流端)の流路径と同じである。第1の還流流路160、及び、第2の還流流路162は、同径流路140の第1方向側の端部の近傍(即ち下流端の近傍)に接続されている。ベンチュリ部では、同径流路140の第1方向側の端部の近傍における空気溶解水の流速が最速となる。このため、同径流路140の第1方向側の端部(即ち下流端)の近傍において、最も大きな負圧が発生する。上記の構成によると、第1の還流流路160、及び、第2の還流流路162が、同径流路140の第1方向側の端部の近傍に接続されている。このため、流出流路から第1の還流流路160、及び、第2の還流流路162に吸込まれる空気溶解水の量を多くすることができる。従って、ベンチュリ部に再流入する空気溶解水の量が多くなり、その結果、より多くの微細気泡を生成することができる。
【0051】
1つまたはそれ以上の実施形態において、
図3に示すように、流出流路には、第2の還流流路162が接続する部分よりも下流側において、流出流路を流れる空気溶解水を第2の還流流路162に案内する第2のフランジ部152が設けられている。上記の構成によると、流出流路を流れる空気溶解水が第2のフランジ部152によって、第2の還流流路162に吸込まれやすくなる。このため、流出流路から第2の還流流路162に吸込まれる空気溶解水の量を多くすることができる。従って、ベンチュリ部に再流入する空気溶解水の量が多くなり、その結果、より多くの微細気泡を生成することができる。
【0052】
また、
図3に示すように、微細気泡生成部110は、さらに、拡径流路156の第1方向側の端部(即ち下流端)の開口に対向しており、拡径流路156から流出する水が衝突する底壁部170と、底壁部170からベンチュリ部側(第2方向側)に延び、ベンチュリ部の少なくとも一部を取り囲む円筒部172と、を備えている。流出流路は、底壁部170と拡径流路156の第1方向側の端部(即ち下流端)の開口との間に画定される第1の流出流路OP1と、第1の流出流路OP1よりも下流側の流路であり、ベンチュリ部と円筒部172との間に画定される第2の流出流路OP2と、を含んでいる。第2の還流流路162は、第2の流出流路OP2の途中に接続されている。上記の構成によると、拡径流路156から流出する空気溶解水は、底壁部170に衝突する。空気溶解水が底壁部170に衝突することによって、空気溶解水内の微細気泡が分裂して、より微細な気泡になるとともに、微細気泡の量が多くなる。また、第2の還流流路162が、第1の流出流路OP1よりも下流側における第2の流出流路OP2の途中に接続されているために、第2の還流流路162に吸込まれ、ベンチュリ部に再流入する空気溶解水は、拡径流路156から流出することによって、再度、底壁部170に衝突する。これにより、空気溶解水内の微細気泡が分裂して、さらに微細な気泡になるとともに、微細気泡の量がより多くなる。
【0053】
また、上記の構成では、ベンチュリ部内を第1方向に流れ、ベンチュリ部から流出する空気溶解水は、底壁部170に衝突した後に、円筒部172とベンチュリ部との間に画定される第2の流出流路OP2を第1方向とは逆方向の第2方向に流れるようになる。このような構成によると、微細気泡生成部110が円筒部172を備えていない構成と比較して、微細気泡生成部110の第1方向に沿った長さを短くすることができ、微細気泡発生装置46を小型化することができる。
【0054】
(対応関係)
第1の還流流路160、及び、第2の還流流路162が、「還流流路」の一例である。第2のフランジ部152が、「案内壁部」の一例である。底壁部170が、「衝突壁部」の一例である。円筒部172が、「側壁部」の一例である。
【0055】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0056】
(第1変形例)微細気泡発生装置46が設けられている位置は第1の給湯路32aに限定されない。微細気泡発生装置46は、給水路30、湯はり路50、追い焚き往路60、第1の浴槽循環路62、第2の浴槽循環路68に設けられていてもよい。
【0057】
(第2変形例)上記の給湯システム2では、上水道等の給水源4から供給される水に含まれる空気を利用して、微細気泡を生成する。変形例では、給湯システム2は、外部から取り込んだ空気を水に溶解させる空気溶解水生成装置を備えていてもよい。そして、空気溶解水生成装置によって生成された空気溶解水が、微細気泡発生装置46に供給されてもよい。また、別の変形例では、微細気泡生成部110の同径流路140に、外部から空気を導入する空気導入通路が設けられていてもよい。また、空気に代えて、炭酸ガス、水素、酸素等の気体が水に溶解していてもよい。
【0058】
(第3変形例)微細気泡発生装置46は、1個の微細気泡生成部110を備えていてもよいし、3個以上の微細気泡生成部110を備えていてもよい。
【0059】
(第4変形例)第1の還流流路160、及び、第2の還流流路162がベンチュリ部に接続される位置は、同径流路140の第1方向側の端部の近傍に限定されない。例えば、第1の還流流路160、及び、第2の還流流路162が、縮径流路138に接続されていてもよいし、同径流路140の第1方向側の端部の近傍よりも上流側の同径流路140に接続されていてもよいし、拡径流路156に接続されてもよい。
【0060】
(第5変形例)ベンチュリ部は、同径流路140を備えていなくてもよい。
【0061】
(第6変形例)微細気泡生成部110は、第2のフランジ部152を備えていなくてもよい。即ち、「案内壁部」を省略可能である。
【0062】
(第7変形例)微細気泡生成部110は、底壁部170、及び、円筒部172を備えていなくてもよい。即ち、「衝突壁部」、及び、「側壁部」を省略可能である。本変形例では、ベンチュリ部(詳細には拡径流路156)から流出する空気溶解水は、第1方向に流れていく。
【0063】
(第8変形例)微細気泡生成部110は、円筒部172を備えていなくてもよい。即ち、「側壁部」を省略可能である。本変形例では、ベンチュリ部(詳細には拡径流路156)から流出する空気溶解水は、底壁部170に衝突した後に、第1方向に流れていく。本変形例では、底壁部170よりも下流側(即ち第1方向側)の流出流路の途中に、第2の還流流路162が接続されているとよい。
【0064】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0065】
2 :給湯システム
4 :給水源
6 :カラン
8 :浴槽
10 :第1の熱源機
12 :第2の熱源機
14 :燃焼室
16 :仕切り壁部
18 :第1の燃焼室
20 :第2の燃焼室
22 :第1のバーナ
24 :第1の熱交換器
26 :第2のバーナ
28 :第2の熱交換器
30 :給水路
32 :給湯路
32a :第1の給湯路
32b :第2の給湯路
34 :バイパス路
36 :バイパスサーボ
38 :水量センサ
40 :水量サーボ
42 :熱交換器出口サーミスタ
44 :給湯サーミスタ
46 :微細気泡発生装置
50 :湯はり路
52 :湯はり制御弁
54 :逆止弁
60 :追い焚き往路
62 :第1の浴槽循環路
64 :浴槽戻りサーミスタ
66 :循環ポンプ
68 :第2の浴槽循環路
70 :浴槽往きサーミスタ
100 :本体ケース
100a :第1の端部
100b :第2の端部
100c :内周壁部
102 :流入部
102a :流入口
104 :流出部
104a :流出口
110 :微細気泡生成部
120 :第1の本体部
120a :内側端部
122 :第2の本体部
122a :第2方向側の端部
124 :第3の本体部
130 :第1のフランジ部
132 :円筒部
134a~134e:流路部
136 :外周部
138a~138e:縮径流路
140a~140e:同径流路
150 :内側ケース部
152a~152e:第2のフランジ部
154 :接続流路
156a~156e:拡径流路
158a~158e:貫通孔
160 :第1の還流流路
162 :第2の還流流路
170 :底壁部
172 :円筒部
172a :外周壁部
174 :延伸部
176a :突出部
176b :突出部
176c :突出部
178a~178e:切欠部
180 :第1の水受部
180a:円周壁部
180b:軸方向延伸部
182 :第2の水受部
182a:円周壁部
182b:軸方向延伸部
184 :円柱部
186 :径方向延伸部
188 :開口部
A :中心軸
OP1 :第1の流出流路
OP2 :第2の流出流路
OP3 :第3の流出流路