(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186234
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20221208BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20221208BHJP
H01L 25/10 20060101ALI20221208BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H01L23/12 J
H01L25/04 C
H01L25/14 Z
H01L23/12 N
H01L23/36 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094356
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 良隆
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 和弘
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BB02
5F136DA01
5F136DA07
5F136DA27
5F136FA01
5F136FA02
5F136FA03
(57)【要約】
【課題】パワーモジュールの加熱を抑制しつつ接合部を局所的に加熱して接合できる構造の半導体装置を提供する。
【解決手段】回路パッケージ200の配線層202に備えられる金属配線202aの一部を構成する連結部202eを熱伝導部材203と直線上に配置する。そして、連結部202eを配線層202から露出させるようにし、連結部202eにレーザ照射などが行えるようにする。このような構成によれば、連結部202eおよび熱伝導部材203を介して接合部300となる部分に伝熱でき、溶融させることができる。したがって、レーザ照射をパワーモジュール100と回路パッケージ200との間に照射しなくても、接合部300となる部分を局所的に加熱することが可能となる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーモジュール(100)と回路パッケージ(200)とが接合部(300)を介して接合された半導体装置であって、
前記パワーモジュールは、
パワー半導体素子(101)と、
前記パワー半導体素子に少なくとも一部が接続された信号配線(113、114)と、
前記パワー半導体素子および前記信号配線を封止しつつ、前記信号配線の一部を露出させる第1モールド樹脂部(102)と、を有し、
前記回路パッケージは、
半導体素子(201)と、
前記半導体素子に電気的に接続される金属配線(202a、202c、202e)が絶縁層(202b)内に形成された配線層(202)と、
前記半導体素子と異なる位置に配置され、前記金属配線に含まれる連結部(202e)と接続された熱伝導部材(203)と、
前記半導体素子および前記熱伝導部材を封止する第2モールド樹脂部(204)と、
を有し、前記連結部もしくは前記熱伝導部材が前記接合部を介して前記信号配線に接合されており、
前記熱伝導部材は、前記半導体素子の厚み方向において前記第2モールド樹脂部を貫通して配置されており、
前記熱伝導部材と前記連結部(202e)は、前記半導体素子の厚み方向において直線上に並んで配置されている、半導体装置。
【請求項2】
前記熱伝導部材と前記連結部のうち前記接合部と接合される側の反対側の表面が露出させられている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記熱伝導部材と前記連結部のうち前記接合部と接合される側の反対側の表面には、該反対側の表面を構成する前記熱伝導部材もしくは前記連結部よりもレーザ光の吸収率が高いレーザ吸収膜(209)が備えられている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記熱伝導部材と前記連結部のうち前記接合部と接合される側の反対側の表面が絶縁材料(207)で覆われている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記熱伝導部材のうち、該熱伝導部材の中心軸を通りつつ前記半導体素子の厚み方向に対して直交する方向における最短寸法を横方向寸法として、該横方向寸法が0.5mm以上である、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記熱伝導部材は、前記半導体素子の厚み方向と同方向の寸法である厚みをLa、該熱伝導部材の中心軸を通りつつ前記半導体素子の厚み方向に対して直交する方向における最短寸法である横方向寸法をLbとして、La<Lbとなった扁平形状とされている、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記熱伝導部材は、Cu、Al、Agのいずれか1つにより構成されている、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記回路パッケージのうち前記熱伝導部材が配置された部分は、前記半導体素子が配置された部分よりも厚みが薄い、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項9】
前記熱伝導部材は、枠状部(203a)を有し、該枠状部内は中空部とされている、もしくはレーザ光が透過する材料で構成された内側部(203b)が配置されている、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記熱伝導部材は、枠状部(203a)と、該枠状部内に配置されると共にモールド樹脂部よりも熱伝導率が高い非金属材料で構成された内側部(203b)と、を有している、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項11】
前記パワーモジュールにおける前記第1モールド樹脂部には、前記回路パッケージが収容される凹部(102a)が形成されている、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項12】
前記熱伝導部材と前記第2モールド樹脂部との間には、前記熱伝導部材よりも熱伝導率が低く、前記第2モールド樹脂部よりも耐熱性が高い材料で構成された低熱伝導部(208)が備えられている、請求項1ないし11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項13】
パワーモジュール(100)と回路パッケージ(200)とを接合部(300)にて接合する半導体装置の製造方法であって、
パワー半導体素子(101)と、前記パワー半導体素子に少なくとも一部が接続された信号配線(113、114)と、前記パワー半導体素子および前記信号配線を封止しつつ、前記信号配線の一部を露出させる第1モールド樹脂部(102)と、を有する前記パワーモジュールを用意することと、
半導体素子(201)と、前記半導体素子に電気的に接続される金属配線(202a、202c、202e)が絶縁層(202b)内に形成された配線層(202)と、前記半導体素子と異なる位置に配置され、前記金属配線と接続された熱伝導部材(203)と、前記半導体素子および前記熱伝導部材を封止する第2モールド樹脂部(204)と、を有し、前記熱伝導部材が前記半導体素子の厚み方向において前記第2モールド樹脂部を貫通して配置されていると共に、前記金属配線のうち前記熱伝導部材と接続される連結部(202e)が前記半導体素子の厚み方向において前記熱伝導部材と直線上に並んで配置された前記回路パッケージを用意することと、
前記回路パッケージを前記パワーモジュールに搭載したのち、前記回路パッケージのうち前記パワーモジュールと反対側となる表面側からレーザ照射もしくは加熱用の治具(600)の物理的接触により、前記連結部および前記熱伝導部材を通じて伝熱させることで、前記回路パッケージと前記パワーモジュールとの間に配置された前記接合部を構成する接合材料(301、302)を溶融させたのち固化させて、前記パワーモジュールと前記回路パッケージとを前記接合部にて接合することと、を含む、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子をモールド樹脂で封止した回路パッケージと、パワー半導体素子をモールド樹脂で封止したパワーモジュールとを電気的に接続して構成される半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に、BGA(Ball Grid Array)パッケージなどの回路パッケージを実装する際に、レーザ照射を用いることで、回路パッケージの裏面とプリント基板との間のはんだを局所的に加熱し、これらを接合する方法が提案されている。具体的には、レーザ照射器から照射されるレーザ光がBGAパッケージとプリント基板との間に導かれるように、これらの接合部の間にミラーユニットを配置し、接合部を局所的に加熱できる構造とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回路パッケージをパワーモジュールに対して電気的に接続する場合、パワーモジュールのうちの回路パッケージの実装位置に信号配線を露出させておき、はんだなどの接合材料を介して回路パッケージを信号配線に接合する。具体的には、パワーモジュールのモールド樹脂部に回路パッケージが配置される凹部を備えておき、凹部の底面から露出するように信号配線をモジュール樹脂部にインサート成形しておく。そして、凹部内に回路パッケージを配置し、はんだ等の接合部材を介して、回路パッケージの金属配線を信号配線に電気的に接続する。
【0005】
しかしながら、例えばパワーモジュールの耐熱温度が150~200℃ではんだの溶融温度が230℃と、パワーモジュールの耐熱温度が接合部材の溶融温度よりも低いことから、半導体装置全体を加熱することができない。このため、レーザ等を用いて接合部材のみを局所的に加熱し、パワーモジュールが耐熱温度以上にならないようにすることが必要になる。
【0006】
一方、接合部材のみを局所的に加熱する方法として、特許文献1のようにミラーユニットを回路パッケージとパワーモジュールとの接合部の間に配置し、接合部をレーザ照射するという手法が考えられる。ところが、回路パッケージをパワーモジュールに電気的に接続する構造においては、これらの接合部にレーザ照射が行われるようにミラーユニットを配置することができない。例えば、レーザ照射後にミラーを横方向にスライドさせる必要があるため、回路パッケージの周囲に背の高い部品を配置することができず、回路パッケージを収容する凹部の壁面などを備えることができない。また、パワーモジュールと回路パッケージの間の隙間を狙ってレーザ照射する必要であるが、加工工程が煩雑になる。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、回路パッケージをパワーモジュールに対して電気的に接続する構造において、パワーモジュールの加熱を抑制しつつ接合部を局所的に加熱して接合できる半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、パワーモジュール(100)と回路パッケージ(200)とが接合部(300)を介して接合された半導体装置であって、パワーモジュールは、パワー半導体素子(101)と、パワー半導体素子に少なくとも一部が接続された信号配線(113、114)と、パワー半導体素子および信号配線を封止しつつ、信号配線の一部を露出させる第1モールド樹脂部(102)と、を有している。また、回路パッケージは、半導体素子(201)と、半導体素子に電気的に接続される金属配線(202a、202c、202e)が絶縁層(202b)内に形成された配線層(202)と、半導体素子と異なる位置に配置され、金属配線に含まれる連結部(202e)と接続された熱伝導部材(203)と、半導体素子および熱伝導部材を封止する第2モールド樹脂部(204)と、を有し、連結部もしくは熱伝導部材が接合部を介して信号配線に接合されている。そして、熱伝導部材は、半導体素子の厚み方向において第2モールド樹脂部を貫通して配置されており、熱伝導部材と連結部は、半導体素子の厚み方向において直線上に並んで配置されている。
【0009】
このように、回路パッケージの配線層に備えられる金属配線のうち熱伝導部材と接続される連結部について、熱伝導部材と直線上に並んで配置している。この部分にレーザ照射や加熱用の治具の物理的接触を行って加熱すれば、金属配線および熱伝導部材を介して接合部となる部分に伝熱でき、これらを溶融させることができる。したがって、レーザをパワーモジュールと回路パッケージとの間に照射しなくても、接合部となる部分を局所的に加熱することが可能な構造の半導体装置にできる。
【0010】
請求項13に記載の発明は、パワーモジュール(100)と回路パッケージ(200)とを接合部(300)にて接合する半導体装置の製造方法であって、パワー半導体素子(101)と、パワー半導体素子に少なくとも一部が接続された信号配線(113、114)と、パワー半導体素子および信号配線を封止しつつ、信号配線の一部を露出させる第1モールド樹脂部(102)と、を有するパワーモジュールを用意することと、半導体素子(201)と、半導体素子に電気的に接続される金属配線(202a、202c、202e)が絶縁層(202b)内に形成された配線層(202)と、半導体素子と異なる位置に配置され、金属配線と接続された熱伝導部材(203)と、半導体素子および熱伝導部材を封止する第2モールド樹脂部(204)と、を有し、熱伝導部材が半導体素子の厚み方向において第2モールド樹脂部を貫通して配置されていると共に、金属配線のうち熱伝導部材と接続される部分が半導体素子の厚み方向において熱伝導部材と直線上に並んで配置された回路パッケージを用意することと、回路パッケージをパワーモジュールに搭載したのち、回路パッケージのうちパワーモジュールと反対側となる表面側からレーザ照射もしくは加熱用の治具(600)の物理的接触により、金属配線のうち熱伝導部材と接続される連結部および熱伝導部材を通じて伝熱させることで、回路パッケージとパワーモジュールとの間に配置された接合部を構成する接合材料(301、302)を溶融させたのち固化させて、パワーモジュールと回路パッケージとを接合部にて接合することと、を含んでいる。
【0011】
このように、回路パッケージの配線層に備えられる金属配線のうち熱伝導部材と接続される連結部について、半導体素子の厚み方向において熱伝導部材と直線上に並んで配置している。この連結部にレーザ照射もしくは加熱用の治具の物理的接触を行えば、金属配線および熱伝導部材を介して接合部となる部分に伝熱でき、これらを溶融させることができる。したがって、レーザをパワーモジュールと回路パッケージとの間に照射しなくても、接合部となる部分を局所的に加熱することが可能となる。
【0012】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
【
図3】レーザ照射による接合の様子を示した断面図である。
【
図4】
図1に示す半導体装置の製造工程を示した図である。
【
図5】レーザ照射中におけるレーザ照射部と接合部の温度とレーザ照射時間との関係を示した図である。
【
図6】金属配線のうちの露出部を絶縁材料で覆って封止した場合の断面図である。
【
図7】第2実施形態にかかる半導体装置の部分断面図である。
【
図8】レーザ照射による接合の様子を示した断面図である。
【
図9】第3実施形態にかかる半導体装置に備えられた熱伝導部材の近傍の断面図である。
【
図10】熱伝導部材の横方向寸法が厚み以下となる場合の熱伝導部材の近傍の断面図である。
【
図11】
図10に示す構造の場合のレーザ照射時の温度分布図である。
【
図12】
図9に示す構造の場合のレーザ照射時の温度分布図である。
【
図13】第3実施形態の変形例で説明する半導体装置に備えられた熱伝導部材の近傍の断面図である。
【
図14】第4実施形態にかかる半導体装置に備えられた熱伝導部材の近傍の断面図である。
【
図15】第4実施形態の変形例で説明する半導体装置に備えられた熱伝導部材の近傍の断面図であり、レーザ照射の様子と接合後の様子を示した図である。
【
図16】第4実施形態の変形例で説明する半導体装置に備えられた熱伝導部材の近傍の断面図であり、レーザ照射の様子と接合後の様子を示した図である。
【
図17】第4実施形態の変形例で説明する半導体装置に備えられた熱伝導部材の近傍の断面図であり、レーザ照射の様子と接合後の様子を示した図である。
【
図18】第5実施形態で説明する半導体装置に備えられる回路パッケージの製造工程を示した断面図である。
【
図19】第5実施形態の変形例で説明する半導体装置に備えられる回路パッケージの製造工程を示した断面図である。
【
図20】第6実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
【
図21】第6実施形態の変形例で説明する半導体装置の断面図である。
【
図22A】第7実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
【
図22B】第7実施形態の他の構造にかかる半導体装置の断面図である。
【
図23A】第7実施形態の変形例で説明する半導体装置の断面図である。
【
図23B】第7実施形態の変形例で説明する半導体装置の断面図である。
【
図24】第8実施形態にかかる半導体装置に備えられた熱伝導部材の近傍の断面図である。
【
図25A】低熱伝導部を備えていない場合における熱伝導部材の近傍の温度分布図である。
【
図25B】低熱伝導部を備えている場合における熱伝導部材の近傍の温度分布図である。
【
図26】第9実施形態にかかる半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図27】第10実施形態にかかる半導体装置の製造工程中の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の半導体装置1は、パワーモジュール100に対して回路パッケージ200を実装して構成される。
【0016】
パワーモジュール100は、例えばパワー半導体素子101などをインサート成形により第1モールド樹脂部に相当するモールド樹脂部102に一体化したものである。例えば、パワー半導体素子101は、インバータ回路における上アームおよび下アームを構成するスイッチング素子を構成するMOSFETやIGBTなどである。ここでは、パワー半導体素子101を、制御端子へのゲート電圧の印加に基づいて、パワー半導体素子101が形成された半導体チップの表裏面に電流を流す縦型素子で構成した場合を例に挙げて図示してある。
【0017】
パワー半導体素子101の表面側には、はんだなどの接合部103を介して金属ブロックで構成されたスペーサ104が接合されている。また、スペーサ104におけるパワー半導体素子101の反対側には、はんだなどの接合部105を介して金属製のヒートシンク106が配置されている。一方、パワー半導体素子101の裏面側には、はんだなどの接合部107を介して金属製のヒートシンク108が配置されている。
【0018】
また、本実施形態の半導体装置1では、2つのパワー半導体素子101を並べて配置してあり、一方のパワー半導体素子101と他方のパワー半導体素子101とが直列接続されることで、上アームおよび下アームが構成されている。そして、2つのパワー半導体素子101を含む直列接続回路のうちの高電位点と中点電位点および低電位点それぞれから、
図2に示す第1端子109、第2端子110および第3端子111が引き出されている。
【0019】
なお、2つのパワー半導体素子101は、各パワー半導体素子101に対応して備えられたヒートシンク106、108に接続されている。そして、各ヒートシンク106、108が第1端子109、第2端子110および第3端子111のいずれかと接続されている。例えば、2つのパワー半導体素子101は、表面同士、裏面同士が同方向を向くように配置される。その場合、一方のパワー半導体素子101が接続されるヒートシンク108に第1端子109が接続され、他方のパワー半導体素子101が接続されるヒートシンク106に第3端子111が接続される。そして、一方のパワー半導体素子101が接続されるヒートシンク106と他方のパワー半導体素子101が接続されるヒートシンク108とに第2端子110が接続される。
【0020】
さらに、パワー半導体素子101の表面のうちスペーサ104と異なる位置に配置された図示しない複数のパッドそれぞれに、はんだなどの接続部を介して信号配線113が接続されている。この信号配線113は、パワー半導体素子101への信号入出力用であり、ここでは各パワー半導体素子101に対して5本ずつ備えられ、例えばゲート電圧の制御用やセンス用などとされる。
【0021】
また、信号配線113から離れた位置に、図示しない外部基板への信号入出力用の信号配線114が配置されている。
【0022】
モールド樹脂部102は、ヒートシンク106の一面およびヒートシンク108の一面を露出させつつ、パワー半導体素子101やスペーサ104などを覆って封止している。モールド樹脂部102には、信号配線113の一端および信号配線114の一端と対応する位置に凹部102aが形成され、凹部102aの底面において信号配線113の一端や信号配線114の一端が露出している。また、信号配線114の他端は、信号配線113と反対側に伸び、モールド樹脂部102の外側まで引き出されることで、図示しない外部基板などと電気的に接続可能とされている。
【0023】
モールド樹脂部102に形成された凹部102aは、後述する回路パッケージ200が収容可能な寸法とされている。例えば、凹部102aは、2つのパワー半導体素子101の並ぶ方向、
図2で言えればヒートシンク106が並ぶ方向を長手方向とする長方形状とされている。そして、
図1に示すように、長方形状とされた凹部102aの一方の長辺において信号配線113が引き出され、他方の長辺において信号配線114が引き出されている。また、凹部102aの底面において、はんだ等の接合部300を介して、信号配線113や信号配線114と回路パッケージ200とが電気的に接続されている。
【0024】
なお、凹部102aの深さについては任意であるが、ここでは接合部300の高さよりも高くされることで、接合部300が凹部102a内に入り込む構造とされている。このため、レーザ照射などを回路パッケージ200と凹部102aの底面との間に照射しようとしても、凹部102aの周囲の壁面102bなどによって遮られて届かないようになっている。
【0025】
回路パッケージ200は、半導体素子201を含む電気回路、例えばパワー半導体素子101の駆動回路をパッケージ化したものである。本実施形態の場合、回路パッケージ200は、半導体素子201、配線層202、熱伝導部材203、モールド樹脂部204および電子部品205を備えた構成とされている。
【0026】
半導体素子201は、例えば半導体チップに対してパワー半導体素子101の駆動制御を行うための各種素子を形成したものである。半導体素子201のうちの配線層202側の一面には複数のパッド201aが備えられており、配線層202の所望部位と電気的に接続されるようになっている。
【0027】
配線層202は、半導体素子201や電子部品205に電気的に接続される金属配線202aを備えている。配線層202とモールド樹脂部204によって回路パッケージ200の外形形状が形作られており、ここでは配線層202は凹部102aと対応する長方形状とされている。そして、本実施形態では、半導体素子201およびモールド樹脂部204が凹部102aの底面側、配線層202が凹部102aの外側を向くように回路パッケージ200が凹部102a内に配置されている。また、配線層202のうち半導体素子201やモールド樹脂部204と反対側の一面に電子部品205が配置されている。そして、図には接続状態が現れていないが、この一面から露出している金属配線202aと電子部品205とがはんだなどの接合部206を介して電気的に接続されている。
【0028】
本実施形態の場合、
図3に示すように、配線層202は、絶縁層202bや所望パターンの金属配線層202cなどが繰り返し積層された多層構造とされている。各層の金属配線層202cの所望部位が互いに接続されることで金属配線202aを構成している。また、配線層202のうち熱伝導部材203と対応する位置には、各絶縁層202bに開口部202dが形成されていると共に、金属配線層202cやめっき層などが埋め込まれて構成された連結部202eが形成されている。この連結部202eと金属配線層202cとによって金属配線202aが構成されている。そして、各層の連結部202eが一列に連結されており、各層の連結部202eと熱伝導部材203とが直線上に並んで接続された状態になっている。また、連結部202eのうち熱伝導部材203と反対側の一面は、絶縁層202bから露出した状態になっている。
【0029】
各連結部202eの形状については任意であり、後述する熱伝導部材203の形状に合わせて形成されていれば良いが、例えば半導体素子201の表面に対する法線方向から見た上面形状が円形、四角形などの多角形とされる。連結部202eが円形とされる場合、その直径が0.5mm以上されていると好ましい。また、連結部202eが多角形とされる場合、多角形の内側に直径0.5mmの円が内包される寸法以上とされると好ましい。なお、
図2では、各連結部202eの上面形状を四角形とした場合を示してある。
【0030】
熱伝導部材203は、半導体素子201の厚み方向においてモールド樹脂部204を貫通して配置されている。熱伝導部材203は、モールド樹脂部204の構成材料よりも熱伝導率の高い材料で、かつ、導体となる材料で構成されており、連結部202eと共に接合部300に伝熱する役割を果たすと共に通電可能とされている。本実施形態では、熱伝導部材203をCu(銅)、Al(アルミニウム)、Ag(銀)などの金属のみによって構成しているが、金属以外の材質が含まれていても良い。
【0031】
熱伝導部材203の形状については任意であるが、例えば半導体素子201の表面に対する法線方向から見た上面形状が円柱形、四角柱などの多角柱形状とされている。熱伝導部材203の横方向寸法、つまり熱伝導部材203の中心軸を通りつつ半導体素子201の厚み方向に直交する方向における最短寸法についても任意であるが、0.5mm以上とされていると好ましい。熱伝導部材203が円柱形とされる場合、その直径が0.5mm以上されていると好ましい。また、熱伝導部材203が多角柱形とされる場合、多角柱の内側に直径0.5mmの円柱が内包される寸法以上とされると好ましい。
【0032】
また、熱伝導部材203は、モールド樹脂部204のうちの配線層202側の一面からその反対側、つまり凹部102aの底面側の一面に至るように形成されている。熱伝導部材203の厚みは任意であるが、本実施形態ではモールド樹脂部204と同じ厚みとされており、例えば0.5mmとされている。そして、熱伝導部材203のうち配線層202側の一面が連結部202eに接続されている。さらに、熱伝導部材203のうち凹部102aの底面側の一面が接合部300に接続されることで、信号配線113や信号配線114と電気的に接続されている。
【0033】
モールド樹脂部204は、第2モールド樹脂部に相当し、配線層202の一画面側に配置された半導体素子201を覆って樹脂封止するものであり、例えばエポキシ樹脂などによって構成される。モールド樹脂部204は、半導体素子201を覆って保護しており、0.2~1mm程度の厚みとされるが、ここでは0.5mmの厚みとされていて、全域同じ厚みとされている。また、モールド樹脂部204は、半導体素子201の厚み方向から見て、配線層202と同一寸法同一形状とされており、ここでは長方形状とされている。そして、モールド樹脂部204のうちの長辺に沿って複数個の熱伝導部材203が並べられてインサート成形されている。換言すれば、
図1の断面において、モールド樹脂部204のうちの半導体素子201を挟んだ両側、つまり信号配線113と対応する位置と信号配線114と対応する位置それぞれに、熱伝導部材203が埋め込まれている。
【0034】
電子部品205は、チップコンデンサなどの受動部品や半導体素子201とは別の半導体部品などである。
図1および
図2では、電子部品205がチップコンデンサである場合を示しているが、勿論、他の部品であっても良い。また、本実施形態の場合には、回路パッケージ200に電子部品205を備えているが、電子部品205が備えられていなくても良い。
【0035】
以上のようして、パワーモジュール100および回路パッケージ200が構成されている。そして、このように構成されたパワーモジュール100と回路パッケージ200とが接合部300を介して電気的に接続されることで、本実施形態の半導体装置1が構成されている。
【0036】
続いて、本実施形態の半導体装置1の製造方法について、
図4などを参照して説明する。
【0037】
まず、
図4(a)に示すように、上記のように構成したパワーモジュール100を用意する。すなわち、モールド樹脂部102に、パワー半導体素子101、スペーサ104、ヒートシンク106、ヒートシンク108、信号配線113、信号配線114などがインサート成形されたものを用意する。インサート成形時に、モールド樹脂部102に凹部102aが形成されるようにしておいても良いが、研削などによって成形後に凹部102aを形成しても良い。そして、信号配線113および信号配線114の上に接合部300の一部となるはんだペーストなどの接合材料301を塗布する。ここでは、接合材料301をはんだペーストとしているが、ペーストではないはんだ、焼結材、はんだ以外の導電性ペーストなどであっても良い。
【0038】
続いて、
図4(b)に示すように、上記のように構成した回路パッケージ200を用意する。すなわち、配線層202の一面に半導体素子201および熱伝導部材203が配置され、これらがモールド樹脂部204によって覆われており、かつ、配線層202の他面側に電子部品205が実装されたものを用意する。モールド樹脂部204から露出した熱伝導部材203の表面には、接合部300の一部となるはんだバンプなどの接合材料302を配置しておく。
【0039】
そして、図中矢印で示したように、パワーモジュール100におけるモールド樹脂部102の凹部102a内に回路パッケージ200を移動させ、回路パッケージ200をパワーモジュール100に搭載する。その後、
図4(c)に示すように、回路パッケージ200のうちパワーモジュール100と反対側となる表面側からレーザ照射を行う。このレーザ照射を用いた局所加熱によって、接合材料301および接合材料302を溶融させたのち、自然冷却などで固化させることで、接合部300を介してパワーモジュール100と回路パッケージ200とを電気的に接続する。
【0040】
このとき、レーザ照射による局所加熱については、
図3に示すように回路パッケージ200のうちの連結部202eに対してレーザ照射することで行う。このようにすると、
図3中に矢印で示したように、直線上に並んで接続された各層の連結部202eと熱伝導部材203を通じて伝熱され、接合材料301および接合材料302を溶融することが可能となる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態では、回路パッケージ200の配線層202に備えられる金属配線202aの一部を構成する連結部202eを熱伝導部材203と直線上に配置している。そして、連結部202eを配線層202から露出させるようにしている。このため、連結部202eにレーザ照射を行えば連結部202eおよび熱伝導部材203を介して接合材料301および接合材料302に伝熱でき、これらを溶融させることができる。したがって、レーザをパワーモジュール100と回路パッケージ200との間に照射しなくても、接合部300となる部分を局所的に加熱することが可能となる。このため、パワーモジュール100の耐熱温度が150~200℃と低くても、パワーモジュール100を耐熱温度以上に上昇させることなく、接合材料301および接合材料302を融点温度の230℃以上にできる。
【0042】
参考として、レーザ照射中に、レーザ照射部となる連結部202eのうちの配線層202からの露出箇所と接合部300となる部分の温度を測定したところ、
図5に示す結果となった。この図に示すように、レーザ照射部が300℃を超えて350℃程度まで上昇すると、接合部300となる部分の温度も230℃を超えていることが判る。つまり、連結部202eに対してレーザ照射を行えば、連結部202eおよび熱伝導部材203を通じて接合部300となる部分を融点温度以上に加熱できている。したがって、本実施形態のように、連結部202eおよび熱伝導部材203を直線上に並べて配置し、接合部300と反対側からレーザ照射を行うことで、パワーモジュール100の加熱を抑制しつつ、接合部300を局所的に加熱して接合できる。
【0043】
また、本実施形態の半導体装置1においては、以下の効果を得ることもできる。
【0044】
(1)上記したように、連結部202eおよび熱伝導部材203の横方向寸法については任意であるが、好ましくは、円形とする場合には直径が0.5mm以上、多角形とする場合には内側に直径0.5mmの円が内包できる寸法となるようにしている。
【0045】
レーザ照射を行う場合、レーザ径が0.5mmであるのが一般的であるが、連結部202eおよび熱伝導部材203の寸法がレーザ径よりも小さいと、レーザが配線層202のうち連結部202e以外の部分にも照射されることになる。その場合、レーザ照射が行われた連結部202e以外の部分が高温になり、熱損傷を発生させる可能性がある。このため、連結部202eおよび熱伝導部材203を上記した寸法とすることで、連結部202eからはみ出してレーザ照射が行われることを抑制でき、熱損傷の発生を抑制することが可能となる。
【0046】
(2)また、熱伝導部材203をCu、Al、Agなどの金属によって構成している。これらの金属は熱伝導率が高く、連結部202eに対してレーザ照射が行われた際に、その熱を効率的に接合部300に伝えることが可能となる。
【0047】
(3)なお、連結部202eに対しては、レーザ照射が行われる場所となるため、絶縁層202bから露出させられた状態にしてあるが、レーザ照射後には、
図6に示すように、露出面を絶縁材料207で覆って封止することも可能である。このように連結部202eの露出面を絶縁材料207で封止しておけば、連結部202eを含めた金属配線202aを外部から絶縁することが可能となり、半導体装置1の信頼性をより高めることが可能となる。
【0048】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して回路パッケージ200の表裏の向きを変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0049】
図7に示すように、本実施形態では、回路パッケージ200は、配線層202が凹部102aの底面側、半導体素子201およびモールド樹脂部204が凹部102aの外側を向くように凹部102a内に配置されている。つまり、回路パッケージ200を凹部102a内に配置した際に、熱伝導部材203が露出し、連結部202e側が接合部300を介して信号配線113や信号配線114に接合される形態となっている。
【0050】
このような構成においても、
図8に示すように、各層の連結部202eと熱伝導部材203とが直線上に並んで接続された状態になる。このため、熱伝導部材203に対してレーザ照射が行われると、熱伝導部材203および連結部202eを通じて接合部300となる部分が局所的に加熱される。これにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
なお、この場合にも、熱伝導部材203については、レーザ照射が行われる場所となるため、絶縁層202bから露出させられた状態にしてあるが、レーザ照射後には、露出面を覆うように図示しない絶縁材料で覆って封止できる。このように熱伝導部材203の露出面を絶縁材料で封止しておけば、熱伝導部材203などを外部から絶縁することが可能となり、半導体装置1の信頼性をより高めることが可能となる。
【0052】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1、第2実施形態に対して回路パッケージ200に備えられる熱伝導部材203の寸法を規定するものであり、その他については第1、第2実施形態と同様であるため、第1、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、ここでは第1実施形態の構成に対して熱伝導部材203の寸法を規定する場合について説明するが、第2実施形態の構成についても同様である。
【0053】
本実施形態では、
図9に示すように熱伝導部材203を扁平形状とし、半導体素子201やモールド樹脂部204の厚み方向と同方向の寸法となる厚みをLa、厚み方向に直交する横方向寸法をLbとして、La<Lbとなるようにしている。例えば、上記したようにモールド樹脂部204の厚みLaを0.5mmとした場合、横方向寸法Lbを1.0mm以上にしている。なお、ここでいう横方向寸法Lbとは、熱伝導部材203の中心軸を通りつつ半導体素子201の厚み方向に直交する方向における熱伝導部材203の最短寸法を意味している。熱伝導部材203が円柱形の場合であれば直径、正多角柱の場合であれば相対する二辺の距離が横方向寸法Lbとなる。
【0054】
図10に示すように、横方向寸法Lbが厚みLa以下となっている場合、レーザ照射が行われる連結部202e側から厚み方向に進むにつれて熱拡散して広がりながら伝熱される。具体的には、熱伝導経路は、図中に示したように、45°の角度で熱拡散する。このため、
図11に示すように、熱伝導部材203の周囲のモールド樹脂部204が高温化し、特にモールド樹脂部204のうち最も連結部202e側の位置で最大温度となる。シミュレーションによると、接合部300をはんだの溶融温度となる230℃まで加熱するには、レーザ径φ0.5mmでのレーザ照射を6.8W、1sec行う必要がある。その場合、モールド樹脂部204のうち最も連結部202e側の位置の温度が385℃まで上昇することが確認された。したがって、横方向寸法Lbが厚みLa以下となっている場合には、モールド樹脂部204の熱損傷が懸念される。
【0055】
一方、本実施形態では、熱伝導部材203を扁平形状とし、横方向寸法Lbが厚みLaより大きくなるようにしている。このような寸法にすると、レーザ照射される連結部202e側から厚み方向に進むにつれて熱拡散しても、それが熱伝導部材203の内部で収まるようにできる。シミュレーションによると、接合部300を溶融温度となる230℃まで加熱するには、レーザ径φ0.5mmでのレーザ照射を5.7W、1sec行う必要がある。しかしながら、このようなレーザ照射を行っても、
図12に示すように、モールド樹脂部204のうち最大温度となる連結部202e側の位置でも274℃までしか上昇していなかった。したがって、本実施形態のような寸法関係とすることで、モールド樹脂部204の熱損傷を抑制することが可能となる。
【0056】
(第3実施形態の変形例)
第3実施形態では、熱伝導部材203を円柱形もしくは多角柱で構成する場合を示しているが、円錐台や角錐台としても良い。その場合、
図13に示すように、断面形状が台形状となる円錐台もしくは角錐台の横方向寸法Lbのうち上底側の寸法を厚みLa以上とし、下底側の寸法を上底側の寸法に対して熱拡散の範囲を加味した寸法以上にすれば良い。
【0057】
なお、第3実施形態のように熱伝導部材203を円柱形もしくは多角柱で構成する場合と変形例で示すように円錐台もしくは角錐台とする場合、いずれも、熱拡散の範囲よりも熱伝導部材203の横方向寸法Lbを大きくのが望ましい。しかしながら、厚み方向に進むほど温度が低下することから、必ずしも熱拡散の範囲よりも熱伝導部材203の横方向寸法Lbを大きく必要はない。例えば、
図12の例で言えば、厚みLaを0.5mmとし、横方向寸法Lbを1.0mmとしているが、この場合でも最大温度が274℃であった。このため、横方向寸法Lbが厚みLa以上であれば、モールド樹脂部204の高温化を抑制する効果は得られる。
【0058】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1~第3実施形態に対して熱伝導部材203の構造を変更したものであり、その他については第1~第3実施形態と同様であるため、第1~第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、ここでは第1実施形態の構成に対して熱伝導部材203の構造を変更する場合について説明するが、第2、第3実施形態の構成についても同様である。
【0059】
図14に示すように、熱伝導部材203を複数の材料で構成している。具体的には、熱伝導部材203を外縁に配置される枠状部203aとその内側に配置される内側部203bとによって構成し、それぞれを異なる材料で構成するようにしている。枠状部203aについては中空部を有する円筒状もしくは多角筒状、内側部203bについては枠状部203aの中空部内に配置された円柱状もしくは多角形柱状とされている。
【0060】
ここでは、枠状部203aをモールド樹脂部204よりも熱伝導率が高く、かつ、導体となる材料となるCu、Al、Ag等の金属で構成している。また、内側部203bをモールド樹脂部204よりも熱伝導率が高い非金属材料、例えばグラファイト、Siなどで構成している。グラファイトやSiは、金属と比較して熱容量が低い非金属材料であるため、効率よく接合部300となる部分に伝熱を行うことができる。
【0061】
このように、熱伝導部材203を枠状部203aと内側部203bとによって構成し、これらを異なる材料で構成することもできる。そして、少なくとも一方を導体とすることで金属配線202aと接合部300との間の導通を図りつつ、他方をより熱伝導率の高い材料で構成することで、さらに効率よく接合部300となる部分に伝熱を行うことができる。
【0062】
(第4実施形態の変形例)
第4実施形態では、枠状部203aを金属、内側部203bをグラファイトやSiなどで構成したが、
図15に示すように、内側部203bをレーザ光が透過する硝子、樹脂などの材料で構成することもできる。このような材料で内側部203bを構成すると、熱容量を下げることができる。また、
図15の状態1のように熱伝導部材203を信号配線113もしくは信号配線114に配置したのち、レーザ照射を行う際に、接合部300となる部分に直接レーザ照射を行うことも可能となる。このため、より効率よく接合材料301や接合材料302を加熱でき、状態2に示す接合部300を形成できる。
【0063】
また、
図16に示すように、熱伝導部材203を枠状部203aのみで構成することもできる。その場合、
図16の状態1のように枠状部203aの中空部を通じてレーザ照射を行うことができ、より効率よく接合部300となる部分を加熱できる。さらに、糸はんだ等を接合材料303として用いて、回路パッケージ200の上方で接合材料303を溶かし、中空部を通じて流し込むことで接合部300を形成することもできる。また、
図16の状態2のように、枠状部203aの中空部内に充填されるように接合部300を形成すれば、電気伝導性、強度の面で優れた構造にできる。好ましくは、回路パッケージ200の上方において接合部300が盛り上がるようにすれば、より強度を高めることが可能となる。
【0064】
また、
図17に示すように、熱伝導部材203を枠状部203aのみで構成する場合、信号配線113や信号配線114に枠状部203aの中空部内に入り込む突起部113a、114aを形成しておくこともできる。この場合、回路パッケージ200を凹部102a内に収容したときに、突起部113a、114aが枠状部203aの中空部内に入り込むことで、回路パッケージ200の位置決めを行うことができる。これにより、接合中の位置ずれを抑制することが可能となる。この場合にも、
図17の状態1のように枠状部203aの中空部を通じてレーザ照射を行ったり、状態2のように接合部300を枠状部203aの中空部内に、好ましくは盛り上がるように充填したりすることで、上記と同様の効果が得られる。
【0065】
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態では、第1~第4実施形態で説明した半導体装置1における回路パッケージ200の製造方法について説明する。
【0066】
本実施形態では、回路パッケージ200について、例えばファンアウト型ウェハレベルパッケージにおけるチップファーストの製造方法のように半導体素子201を構成する半導体チップを配線層202より先に準備する方法によって製造する。
【0067】
まず、
図18の工程1に示すように、まず、SUSなどで構成される支持板400を用意し、支持板400の一面に対して両面テープなどの仮固定テープ401を貼り付ける。そして、仮固定テープ401の所定位置に半導体素子201を貼り付ける。このとき、半導体素子201のうち金属配線202aと接続されるパッド201a側が仮固定テープ401側に向けられるようにしている。さらに、半導体素子201を挟んだ両側に、熱伝導部材203を配置する。熱伝導部材203については、予め、切削や圧延などの機械加工を行った薄板材を作成しておき、エッチングして所望形状とすることで形作ることができる。そして、形作った熱伝導部材203の1つ1つを半導体素子201を中心とした所定位置に配置して仮固定テープ401に貼り付ける。
【0068】
次に、工程2に示すように、仮固定テープ401に貼り付けたままの状態で半導体素子201および熱伝導部材203をモールド樹脂部204で封止する。そして、工程3に示すように、支持板400および仮固定テープ401からモールド樹脂部204で覆った半導体素子201および熱伝導部材203を剥離させる。例えば、仮固定テープ401を両面テープで構成する場合、加熱することにより、容易にモールド樹脂部204で覆った半導体素子201および熱伝導部材203を剥離させられる。
【0069】
続いて、工程4に示すように、モールド樹脂部204と半導体素子201および熱伝導部材203のうち仮固定テープ401に貼り付けられていた一面側に配線層202を形成する。配線層202の形成方法については、どのような手法を用いても良いが、例えば多層プリント基板などの形成方法を適用できる。すなわち、絶縁層202bを形成したのち、エッチングによる開口部202dの形成や、金属層の成膜およびパターニングとメッキ処理による金属配線202aおよび連結部202eの形成を繰り返し行う。これにより、配線層202が形成される。
【0070】
そして、工程5に示すように、配線層202と反対側においてモールド樹脂部204の一面を研削し、熱伝導部材203を露出させる。このようにして、回路パッケージ200を製造することができる。
【0071】
(第5実施形態の変形例)
第5実施形態では、チップファーストの製造方法で回路パッケージ200を製造する場合を例に挙げているが、ファンアウト型ウェハレベルパッケージにおけるチップラストもしくはBGAパッケージ等で適用される方法とすることもできる。
【0072】
まず、
図19の工程1に示すように、まず、SUSなどで構成される支持板400を用意し、支持板400の一面に対して両面テープなどの仮固定テープ401を貼り付ける。そして、仮固定テープ401の一面側に配線層202を形成する。配線層202の形成方法については、第5実施形態で説明した手法などを適用すれば良い。
【0073】
次に、工程2に示すように、配線層202の所定位置に半導体素子201を実装する。つまり、半導体素子201のパッド201a側を配線層202に向け、パッド201aと金属配線202aとを接続する。また、第5実施形態のようにして熱伝導部材203を用意し、連結部202eと熱伝導部材203とを接続する。これらの接続については、はんだ、メタルポストとはんだの組み合わせ、焼結材、導電性接着剤などの接合材202fを用いて行えば良い。
【0074】
続いて、工程3に示すように、配線層202上に配置した半導体素子201および熱伝導部材203をモールド樹脂部204で封止する。そして、工程4に示すように、支持板400および仮固定テープ401からモールド樹脂部204で覆った半導体素子201および熱伝導部材203と共に配線層202を剥離させる。
【0075】
その後、工程5に示すように、配線層202と反対側においてモールド樹脂部204の一面を研削し、熱伝導部材203を露出させる。このようにしても、回路パッケージ200を製造することができる。
【0076】
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。本実施形態は、第1~第5実施形態に対して接合、絶縁信頼性をより高める構造を提供するものであり、その他については第1~第5実施形態と同様であるため、第1~第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、ここでは第1実施形態の構造に対して本実施形態を適用する場合を例に挙げて説明する。
【0077】
図20に示すように、本実施形態の半導体装置1は、接合部300を覆うアンダーフィル500を備えている。アンダーフィル500は、パワーモジュール100と回路パッケージ200との接合後に、凹部102a内に有機樹脂を充填することによって形成される。アンダーフィル500の高さについては任意であるが、パワーモジュール100と回路パッケージ200との間の隙間を全域埋めるようにし、少なくとも接合部300の高さより高くなるようにしている。
【0078】
このように、アンダーフィル500を備え、接合部300を覆うことで、接合部300を外部から隔離することが可能となり、パワーモジュール100と回路パッケージ200との間の接合、絶縁信頼性をより高めることが可能となる。
【0079】
(第6実施形態の変形例)
第6実施形態では、アンダーフィル500を備えるようにしたが、
図21に示すように、凹部102a内をポッティング部501で覆うようにしても良い。例えば、パワーモジュール100と回路パッケージ200との接合後に、凹部102a内に有機樹脂を充填して回路パッケージ200の全体を覆うことでポッティング部501が形成される。この場合、凹部102aの深さを回路パッケージ200の厚み、つまり電子部品205が備えられていない場合にはモールド樹脂部204と配線層202の厚みの合計、電子部品205が備えられている場合にはそれを加えた厚み分以上とする。このようにすれば、凹部102a内に回路パッケージ200の全体を収容でき、回路パッケージ200の全体をポッティング部501で覆うことができる。このようにしても、第6実施形態と同様の効果が得られる。
【0080】
(第7実施形態)
第7実施形態について説明する。本実施形態は、第1~第6実施形態に対して回路パッケージ200の構成を変更したものであり、その他については第1~第6実施形態と同様であるため、第1~第6実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、ここでは第2実施形態の構造に対して本実施形態を適用する場合を例に挙げて説明する。
【0081】
図22Aに示すように、本実施形態の半導体装置1では、第2実施形態に対して、回路パッケージ200のうち熱伝導部材203が配置される部分を半導体素子201が配置される部分よりも厚みが薄くなるようにしている。具体的には、回路パッケージ200のうち半導体素子201が配置された部分を内側部として、内側部よりも外側に位置する外側部について、回路パッケージ200の端部に至るまで内側部よりも厚みを薄くした凹部200aとしている。このような構造は、例えば第5実施形態のような製造方法によって回路パッケージ200を製造したのち、外側部に対して切削などによる加工を行うことで構成される。薄くする範囲は、各熱伝導部材203と対応する部分のみとすることもできるが、長方形状とされる回路パッケージ200の長辺それぞれに沿うライン状の範囲とすると加工が容易である。また、切削加工によらず、モールド樹脂部204を成型する際の成形型を予め外側部が薄くなる形状としておいても良い。
【0082】
このように、回路パッケージ200のうち熱伝導部材203が配置される部分を内側部よりも厚みを薄くしている。このような構成にすると、接合部300を介してパワーモジュール100と回路パッケージ200とを接合する際に、加熱が行われるときの熱伝導経路を短くできる。したがって、より効率よく接合部300となる部分に熱を伝えられると共に、その周囲のモールド樹脂部204の熱損傷も抑制することが可能となる。
【0083】
なお、ここでは第2実施形態の構造に対して本実施形態を適用した場合を示したが、勿論、第1実施形態などの構造に対して本実施形態を適用することもできる。その場合も、
図22Bに示すように、回路パッケージ200のうち半導体素子201が配置された内側部よりも外側に位置する外側部について、回路パッケージ200の端部に至るまで内側部よりも厚みを薄くした凹部200aを設ければ良い。
【0084】
(第7実施形態の変形例)
第7実施形態では、回路パッケージ200の外側部について、回路パッケージ200の端部に至るまで凹部200aとしているが、凹部200aの範囲について変更可能である。具体的には、
図23Aおよび
図23Bに示すように、凹部200aが回路パッケージ200の端部より内側に収まるようにしても良い。このようにしても、接合部300を介してパワーモジュール100と回路パッケージ200とを接合する際に、加熱が行われるときの熱伝導経路を短くできる。このため、第7実施形態と同様の効果が得られる。
【0085】
(第8実施形態)
第8実施形態について説明する。本実施形態は、第1~第7実施形態に対してモールド樹脂部204の熱損傷の更なる抑制を可能とするものであり、その他については第1~第7実施形態と同様であるため、第1~第7実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0086】
図24に示すように、本実施形態の半導体装置1では、回路パッケージ200における熱伝導部材203とモールド樹脂部204との間に熱伝導部材203よりも熱伝導率が低い低熱伝導部208を備えている。低熱伝導部208は、例えばポリイミドなどの熱伝導率が低く、モールド樹脂部204よりも耐熱性の高い材料などで構成される。
【0087】
このように、熱伝導部材203とモールド樹脂部204との間に低熱伝導部208を備えることで、熱伝導部材203からモールド樹脂部204への伝熱が抑制される。したがって、モールド樹脂部204の熱損傷を抑制することが可能となる。
【0088】
参考として、低熱伝導部208を備えていない場合と備えた場合それぞれについて、シミュレーションにより熱伝導部材203の近傍の温度を調べた。
図25Aおよび
図25Bはそれらの結果を示している。
図25Aに示すように低熱伝導部208を備えていないとモールド樹脂部204の最大温度が274℃になったところ、
図25Bに示すように低熱伝導部208を備えているとモールド樹脂部204の最大温度が246℃となった。このシミュレーション結果からも、低熱伝導部208を備えることによりモールド樹脂部204の熱損傷を抑制できることが判る。
【0089】
このような低熱伝導部208については、どのような手法によって熱伝導部材203とモールド樹脂部204との間に配置されるようにしても良い。例えば、熱伝導部材203をモールド樹脂部204で封止する前に、液体状の樹脂をスピンコートすることで熱伝導部材203の側面に塗布するようにすれば、簡単な手法で低熱伝導部208を形成できる。このような手法で低熱伝導部208を形成する場合、例えば第5実施形態の変形例で示したような手法で回路パッケージ200を製造するのであれば、熱伝導部材203の側面から配線層202の表面に至るまで低熱伝導部208が形成される。このため、熱伝導部材203と配線層202との接合性を高めることも可能となる。
【0090】
(第9実施形態)
第9実施形態について説明する。本実施形態は、第1~第8実施形態に対して加熱表面の構成を変更したものであり、その他については第1~第8実施形態と同様であるため、第1~第8実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、ここでは第1実施形態に対して本実施形態の構成を適用する場合について説明するが、第2~第8実施形態についても適用可能である。
【0091】
図26に示すように、本実施形態の半導体装置1では、回路パッケージ200における加熱表面に、レーザ光の吸収率の高い材質のレーザ吸収膜209を備えるようにしている。具体的には、連結部202eのうち熱伝導部材203や接合部300と反対側の表面に、連結部202eを構成する金属よりもレーザ光の吸収率の高い材質でレーザ吸収膜209を形成している。ここでいうレーザ光は、加熱用のレーザ照射に用いられるレーザ光のことである。例えば連結部202eをCu、Al、Agで構成する場合であれば、レーザ吸収膜209をNi(ニッケル)等で構成することができる。レーザ吸収膜209については、めっき処理などにより形成できる。
【0092】
このように、レーザ吸収膜209を備えるようにすると、溶融により接合部300を形成する際の加熱をレーザ照射によって行う場合に、レーザ吸収効率を高めることが可能となる。したがって、より少ないレーザエネルギーでも接合材料301および接合材料302を溶融させられ、モールド樹脂部204の最高温度を低下させられるため、モールド樹脂部204の熱損傷を更に抑制できる。
【0093】
なお、ここでは第1実施形態のように連結部202e側からレーザ照射を行う場合を例に挙げているが、第2実施形態のように、熱伝導部材203側からレーザ照射を行う場合もある。その場合には、熱伝導部材203のうちの加熱表面に熱伝導部材203よりもレーザ光の吸収率が高い材質のレーザ吸収膜209を備えるようにすれば良い。
【0094】
(第10実施形態)
第10実施形態について説明する。本実施形態は、第1~第8実施形態に対して加熱方法を変更したものであり、その他については第1~第8実施形態と同様であるため、第1~第8実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、ここでは第1実施形態に対して本実施形態の加熱方法を適用する場合について説明するが、第2~第8実施形態についても適用可能である。
【0095】
第1~第8実施形態では、接合部300を形成するための加熱方法としてレーザ照射を例に挙げている。しかしながら、
図27に示すように、加熱用のこて等の治具600を用意し、治具600を連結部202eの加熱表面に押し当てて、物理的接触による加熱によって接合部300を形成しても良い。
【0096】
(他の実施形態)
本開示は、上記した実施形態に準拠して記述されたが、当該実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0097】
例えば、半導体装置1として、半導体素子201を2つ備え、それに対応した数のヒートシンク106、ヒートシンク108、信号配線113などを備えた構成を例に挙げて説明した。しかしながら、これらはパワーモジュール100と回路パッケージ200とを接合して構成する半導体装置1の一例を示したに過ぎず、パワーモジュール100に備えられる半導体素子201や他の構成要素の数、レイアウトなどについては任意である。
【0098】
また、レーザ照射の際のレーザ径は一般的には0.5mm以上であるが、それよりも小さなレーザ径のレーザ照射を行うことも勿論可能である。ただし、加熱表面を構成する連結部202eもしくは熱伝導部材203の横方向寸法Lbを0.5mm以上とすれば、一般的なレーザ照射による加熱を行えるため汎用性を高められる。
【0099】
また、上記各実施形態では、パワーモジュール100に凹部102aを形成し、この凹部102a内に回路パッケージ200を備える場合を例に挙げて説明した。凹部102a内に回路パッケージ200を備える場合、パワーモジュール100と回路パッケージ200との隙間を狙ってレーザ照射を行うことが困難であるため、本開示が特に有効である。しかしながら、パワーモジュール100に凹部102aが形成されていない場合であっても、回路パッケージ200の上方からレーザ照射や物理的接触による加熱を行えば良いため、加熱工程を簡素化することが可能となる。また、凹部102aの有無に依らず、パワーモジュール100と回路パッケージ200との間の隙間を狙ってレーザ照射を行ってはんだを溶融させる場合、すべてのはんだを溶融するのが長時間になるため、直ぐに凝固しないようワークを加熱する機構が必要になる。
【0100】
なお、ここで他の実施形態として上げた他にも、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0101】
100 パワーモジュール
101 半導体素子
113、114 第1、第2信号配線
102、204 モールド樹脂部
200 回路パッケージ
202 配線層
202a 金属配線
202e 連結部
203 熱伝導部材
300 接合部