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特開2022-186236荷物搬送支援システム、荷物搬送支援方法、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186236
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】荷物搬送支援システム、荷物搬送支援方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20221208BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
B65G61/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094360
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】508272569
【氏名又は名称】株式会社ナビバード
(74)【代理人】
【識別番号】100125117
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 泰弘
(74)【代理人】
【識別番号】100086933
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】山中 和也
(72)【発明者】
【氏名】メーア オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】池側 妙子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】商品を購入者の自宅等へ従来よりも簡便な仕組みで搬送できるようにする。
【解決手段】代行業者用システム3は、消費者81によって指定された連絡先と荷物の識別子とを受け付け、この荷物の最終の宛先を指定するようにこの連絡先に対応する端末装置へ要求する。そして、この連絡先に対応する端末装置から宛先の指定を受け付け、さらに、この荷物が中継拠点に届き、この荷物の識別子が入力された後、この識別子に対応する連絡先の端末装置から受け付けた宛先へこの荷物を転送するのを支援するための支援処理を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
依頼者によって指定された連絡先と荷物を所定の中継拠点へ搬送する際に当該荷物に与えられる識別子とを受け付ける第一の受付手段と、
前記荷物の最終の宛先を指定するように前記連絡先に対応する端末装置へ要求する要求手段と、
前記連絡先に対応する端末装置から前記宛先の指定を受け付ける第二の受付手段と、
前記荷物が前記中継拠点に届いて当該荷物の前記識別子が入力された後、当該識別子に対応する前記連絡先の前記端末装置から受け付けられた前記宛先へ当該荷物を転送するのを支援するための支援処理を行う支援処理手段と、
を有することを特徴とする荷物搬送支援システム。
【請求項2】
前記荷物を前記中継拠点から前記宛先へ転送する送料を請求する請求手段、
を有し、
前記第一の受付手段は、前記連絡先および前記識別子とともに前記送料の請求先を受け付け、
前記請求手段は、前記請求先へ前記送料を請求し、
前記支援処理手段は、前記送料が決済された後、前記支援処理を行う、
請求項1に記載の荷物搬送支援システム。
【請求項3】
前記要求手段は、前記宛先を指定するためのウェブページを案内する電子メールを前記連絡先へ送信することによって前記宛先を指定するように要求し、
前記第二の受付手段は、前記ウェブページで入力された、前記荷物の受取人の名前および住所を含む情報を前記宛先として受け付ける、
請求項1または請求項2に記載の荷物搬送支援システム。
【請求項4】
前記荷物の受取人の名前および住所を含む会員情報を前記連絡先と対応付けて記憶する記憶手段、
を有し、
前記第二の受付手段は、前記端末装置が前記連絡先に基づいて認証された後、前記会員情報を前記宛先として使用する旨を当該端末装置から前記指定として受け付け、
前記支援処理手段は、前記記憶手段に記憶されている前記会員情報を前記宛先として前記支援処理を行う、
請求項1または請求項2に記載の荷物搬送支援システム。
【請求項5】
前記支援処理手段は、前記識別子とともに、当該識別子に対応する前記連絡先の前記端末装置から受け付けられた前記宛先をディスプレイに表示させる、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の荷物搬送支援システム。
【請求項6】
前記支援処理手段は、前記識別子をディスプレイに表示させ、かつ、当該識別子に対応する前記連絡先の前記端末装置から受け付けられた前記宛先を転送用の伝票にプリンタによって印刷する、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の荷物搬送支援システム。
【請求項7】
荷物を転送するのを支援するコンピュータによる荷物搬送支援方法であって、
前記コンピュータに、
依頼者によって指定された連絡先と荷物を所定の中継拠点へ搬送する際に当該荷物に与えられる識別子とを受け付ける第一の受付処理を実行させ、
前記荷物の最終の宛先を指定するように前記連絡先に対応する端末装置へ要求する要求処理を実行させ、
前記連絡先に対応する端末装置から前記宛先の指定を受け付ける第二の受付処理を実行させ、
前記荷物が前記中継拠点に届いて当該荷物の前記識別子が入力された後、当該識別子に対応する前記連絡先の前記端末装置から受け付けられた前記宛先へ当該荷物を転送するのを支援するための支援処理を実行させる、
ことを特徴とする荷物搬送支援方法。
【請求項8】
荷物を転送するのを支援するコンピュータに用いられるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
依頼者によって指定された連絡先と荷物を所定の中継拠点へ搬送する際に当該荷物に与えられる識別子とを受け付ける第一の受付処理を実行させ、
前記荷物の最終の宛先を指定するように前記連絡先に対応する端末装置へ要求する要求処理を実行させ、
前記連絡先に対応する端末装置から前記宛先の指定を受け付ける第二の受付処理を実行させ、
前記荷物が前記中継拠点に届いて当該荷物の前記識別子が入力された後、当該識別子に対応する前記連絡先の前記端末装置から受け付けられた前記宛先へ当該荷物を転送するのを支援するための支援処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物の搬送を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オンラインショップが普及し、様々な商品を消費者が購入することができるようになっている。また、消費者は、インターネットを介して、ある国または地域に居ながら他の国または地域のオンラインショップへアクセスし商品を購入することができる。このような、国境を跨いだショッピングのシステムにおいては、商品の搬送の問題をクリアしなければならない。
【0003】
そこで、特許文献1に記載されるような技術が提案されている。この技術は、ECの海外への提供を支援するための方法であって、第1のECサイトにアクセスした海外ユーザーの配送先住所の所在国を判定するステップと、前記海外ユーザーのユーザー端末のウェブブラウザを、前記第1のECサイトから、前記第1のECサイトの第1の商品情報を扱う、前記第1のECサイトを提供するサーバとは異なる支援サーバにより提供されるウェブサイトに転送させるステップとを含み、前記転送は、前記第1のECサイトのウェブページの上部に配置されたバナーの一部分を前記海外ユーザーがクリック又はタップすることによって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6132379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載される技術によると、第1のECサイトごとに、配送先住所の所在国を判定する仕組みおよび支援サーバにより提供されるウェブサイトなどを用意しなければならない。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑み、商品を購入者の自宅等へ従来よりも簡便な仕組みで搬送できるようにすることを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る荷物搬送支援システムは、依頼者によって指定された連絡先と荷物を所定の中継拠点へ搬送する際に当該荷物に与えられる識別子とを受け付ける第一の受付手段と、前記荷物の最終の宛先を指定するように前記連絡先に対応する端末装置へ要求する要求手段と、前記連絡先に対応する端末装置から前記宛先の指定を受け付ける第二の受付手段と、前記荷物が前記中継拠点に届いて当該荷物の前記識別子が入力された後、当該識別子に対応する前記連絡先の前記端末装置から受け付けられた前記宛先へ当該荷物を転送するのを支援するための支援処理を行う支援処理手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、商品を購入者の自宅等へ従来よりも簡便な仕組みで搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】商品搬送支援システムの全体的な構成の例を示す図である。
図2】消費者が商品を購入してから受け取るまでの流れの例を示す図である。
図3】消費者用端末装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図4】販売業者用端末装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図5】代行業者用システムのハードウェア構成の例を示す図である。
図6】代行業者用システムの機能的構成の例を示す図である。
図7】会員データの例を示す図である。
図8】荷物データの例を示す図である。
図9】荷物の例を示す図である。
図10】伝票の例を示す図である。
図11】依頼ページの例を示す図である。
図12】電子メール本文の例を示す図である。
図13】電子メール本文の例を示す図である。
図14】搬送仲介支援プログラムによる全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
図15】転送支援処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、商品搬送支援システム5の全体的な構成の例を示す図である。図2は、消費者81が商品を購入してから受け取るまでの流れの例を示す図である。図3は、消費者用端末装置1のハードウェア構成の例を示す図である。図4は、販売業者用端末装置2のハードウェア構成の例を示す図である。図5は、代行業者用システム3のハードウェア構成の例を示す図である。図6は、代行業者用システム3の機能的構成の例を示す図である。
【0011】
図1に示す商品搬送支援システム5は、商品搬送支援サービスを提供する。商品搬送支援サービスは、消費者81が販売業者82から購入した商品を、代行業者83を介して販売業者82から消費者81の自宅などへ搬送するのを支援するサービスである。商品搬送支援システム5は、消費者用端末装置1、販売業者用端末装置2、代行業者用システム3、および通信回線4などによって構成される。
【0012】
消費者用端末装置1、販売業者用端末装置2、および代行業者用システム3は、通信回線4を介して通信することができる。通信回線4として、インターネット、公衆回線、またはWi-Fiなどが用いられる。
【0013】
販売業者82は、日本国内において商品を消費者81へ販売する事業者であって、物理的に実在する店舗で販売する事業者であっても、オンラインショップで販売する事業者あってもよい。以下、それぞれの消費者81を「消費者81A」、「消費者81B」、「消費者81C」、…と区別して記載し、それぞれの販売業者82を「販売業者82A」、「販売業者82B」、「販売業者82C」、…と区別して記載することがある。
【0014】
代行業者83は、消費者81が販売業者82から購入した商品を預り、消費者81へ届けるサービスを提供する。つまり、商品の受渡しの仲介を行う。また、代行業者83は、業務の1つとして、日本国内から海外への荷物の輸出に関する手続を行っている。したがって、消費者81が販売業者82から購入した商品の届け先が海外であっても、輸出のための手続をスムーズに行うことができる。仲介の対象である商品は、代行業者83の中継拠点に集約され、中継拠点から各商品の届け先へ搬送される。
【0015】
例えば、図2(A)のように、消費者81Aは、日本に滞在中、販売業者82Aの店舗で商品を購入し、商品搬送支援サービスによる海外の自宅への搬送を販売業者82Aへ要求する(#101)。この商品は、販売業者82Aから代行業者83の中継拠点へ運送業者によって搬送され(#102)、中継拠点から消費者81Aの自宅へ運送業者によって搬送される(#103)。
【0016】
または、図2(B)のように、消費者81Bは、海外の自宅に居ながら販売業者82Bのオンラインショップで商品を購入し、商品搬送支援サービスによる自宅への搬送を販売業者82Bへ要求する(#121)。この商品は、販売業者82Aの発送拠点(例えば、倉庫または店舗)から代行業者83の中継拠点へ運送業者によって搬送され(#122)、中継拠点から消費者81Aの自宅へ運送業者によって搬送される(#123)。
【0017】
消費者用端末装置1は、消費者81が商品を購入する際に使用する端末装置である。以下、消費者81A、81B、81C、…それぞれの消費者用端末装置1を「消費者用端末装置1A」、「消費者用端末装置1B」、「消費者用端末装置1C」、…と区別して記載することがある。
【0018】
販売業者用端末装置2は、販売業者82が商品を消費者81へ代行業者83を介して発送する際に使用する端末装置である。以下、販売業者82A、82B、82C、…それぞれの販売業者用端末装置2を「販売業者用端末装置2A」、「販売業者用端末装置2B」、「販売業者用端末装置2C」、…と区別して記載することがある。
【0019】
代行業者用システム3は、代行業者83が商品を販売業者82から消費者81へ転送するために使用するシステムである。
【0020】
消費者用端末装置1として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、またはタブレットコンピュータなどが用いられる。同様に、販売業者用端末装置2として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、またはタブレットコンピュータなどが用いられる。代行業者用システム3として、ウェブサーバの機能を有する装置またはシステムが用いられる。例えば、いわゆるサーバ機またはクラウドサーバなどが用いられる。以下、消費者用端末装置1および販売業者用端末装置2として、ラップトップ型のパーソナルコンピュータが用いられ、代行業者用システム3としてサーバ機が用いられる場合を例に説明する。
【0021】
消費者用端末装置1は、図3に示すように、プロセッサ11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、補助記憶装置14、ディスプレイ15、ネットワークコントローラ16、キーボード17、およびポインティングデバイス18などによって構成される。
【0022】
ROM13または補助記憶装置14には、オペレーティングシステムのほかウェブブラウザおよびメーラ(電子メール用ソフトウェア)などのプログラムがインストールされている。補助記憶装置14として、ハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)が用いられる。
【0023】
RAM12は、消費者用端末装置1のメインメモリである。RAM12には、適宜、ROM13または補助記憶装置14からプログラムがロードされる。
【0024】
プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)であって、RAM12にロードされたプログラムを実行する。
【0025】
ディスプレイ15は、コマンドまたは情報を入力するための画面およびプロセッサ11による処理の実行結果を示す画面などを表示する。
【0026】
ネットワークコントローラ16は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルで販売業者用端末装置2および代行業者用システム3などと通信する。ネットワークコントローラ16として、NIC(Network Interface Card)またはWi-Fi用通信装置などが用いられる。
【0027】
キーボード17およびポインティングデバイス18は、コマンドまたは情報を入力するために用いられる。
【0028】
販売業者用端末装置2は、図4に示すように、プロセッサ21、RAM22、ROM23、補助記憶装置24、ディスプレイ25、ネットワークコントローラ26、キーボード27、およびポインティングデバイス28などによって構成される。
【0029】
プロセッサ21ないしポインティングデバイス28は、それぞれ、消費者用端末装置1のプロセッサ11ないしポインティングデバイス18と基本的に同様に機能する。ただし、ディスプレイ25は、コマンドまたは情報を入力するための画面およびプロセッサ21による処理の実行結果を示す画面などを表示する。ネットワークコントローラ26は、消費者用端末装置1および代行業者用システム3などと通信する。
【0030】
代行業者用システム3は、図5に示すように、コンピュータ本体31、ディスプレイ32、キーボード33、およびポインティングデバイス34などによって構成される。コンピュータ本体31は、プロセッサ31a、RAM31b、ROM31c、補助記憶装置31d、ネットワークコントローラ31e、および入出力インタフェース31fなどによって構成される。
【0031】
ROM31cまたは補助記憶装置31dには、オペレーティングシステムのほか搬送仲介支援プログラム30(図6参照)がインストールされている。搬送仲介支援プログラム30は、RAM31bにロードされ、プロセッサ31aによって実行される。ネットワークコントローラ31eは、消費者用端末装置1および販売業者用端末装置2などと通信する。
【0032】
入出力インタフェース31fは、USB(Universal Serial Bus)などの規格に対応した入出力ボードであって、ディスプレイ32、キーボード33、およびポインティングデバイス34が接続される。
【0033】
ディスプレイ32は、コマンドまたは情報を入力するための画面およびプロセッサ31aによる処理の実行結果を示す画面などを表示する。キーボード33およびポインティングデバイス34は、コマンドまたは情報を入力するために用いられる。通信回線を介してタブレットコンピュータまたはスマートフォンによって代行業者用システム3へコマンドまたは情報を入力できるようにしてもよい。
【0034】
搬送仲介支援プログラム30によると、商品を販売業者82から消費者81へ搬送する手続を従来よりも容易に行うことができる。以下、この仕組みについて説明する。
【0035】
搬送仲介支援プログラム30を実行することによって、代行業者用システム3には、図6に示す依頼ページデータ送信部301、荷物データ生成部302、到着受付処理部303、預物通知部304、会員登録部305、ユーザ認証部306、宛先追記部307、送料決済部308、出庫処理部309、受取確認部310、状態回答部311、会員データ記憶部351、および荷物データ記憶部352などの機能が実現される。
【0036】
図7は、会員データ6Aの例を示す図である。図8は、荷物データ6Bの例を示す図である。図9は、荷物90の例を示す図である。図10は、伝票91の例を示す図である。図11は、依頼ページ71の例を示す図である。
【0037】
代行業者用システム3の会員データ記憶部351(図6参照)には、図7のように、商品搬送支援サービスの会員ごとの会員データ6Aが記憶される。
【0038】
会員データ6Aには、会員に関する次の情報として、会員の電子メールアドレス、パスワード、氏名、地域、郵便番号、住所、および電話番号などが示される。なお、「電子メールアドレス」は、会員が商品搬送支援サービスを受けるために使用する電子メールアドレスであって、会員の識別子としても用いられる。
【0039】
消費者81が会員になると、消費者81の会員データ6Aが生成され会員データ記憶部351に記憶される。この際の処理の手順については、後述する。
【0040】
荷物データ記憶部352は、図8に示すように、荷物ごとの荷物データ6Bが記憶される。荷物データ6Bを荷物データ記憶部352に記憶させる方法および荷物データ6Bに示される情報については、後述する。
【0041】
消費者81は、販売業者82で商品を購入し、商品搬送支援サービスによって商品を搬送するように販売業者82へ要求する。
【0042】
商品を購入する方法は、従来の方法で構わない。例えば、消費者81が販売業者82のオンラインショップへアクセスし、クレジット決済または電子マネー決済で商品を購入する。この場合は、消費者81は、オンラインショップへ日本国内からアクセスしても海外からアクセスしても構わない。
【0043】
または、消費者81が販売業者82のデパート、スーパーマーケット、量販店、または小売店などの実在の店舗へ行き、クレジット決済、電子マネー決済、または現金払いで商品を購入する。そのほか、消費者81が電話、ファクシミリ、または電子メールなどによって販売業者82へ希望の商品を伝え、クレジット決済、電子マネー決済、または銀行振込などによって決済することによって、購入してもよい。
【0044】
ただし、いずれの場合も、消費者81は、消費者81自身の電子メールアドレスを販売業者82に対して伝達しなければならない。しかし、住所、氏名、および電話番号などは伝達する必要がない。また、販売業者82は、商品の代金だけでなく、販売業者82から代行業者83への送料および代行業者83から消費者81への送料のうちの少なくとも一方を消費者81に負担してもらってもよい。これらの送料は、商品の代金とともに、上述のような方法によって両者間で決済すればよい。以下、送料には、商品の梱包、伝票の作成、インボイスの作成、または税関手続などの手数料が適宜、含まれるものとする。
【0045】
消費者81と販売業者82との間で商品の代金が決済され、代行業者83による商品の搬送の希望および消費者81の電子メールアドレスを伝達され、必要に応じて送料が決済されると、販売業者82のスタッフは、次の作業を行う。
【0046】
販売業者82のスタッフは、商品を段ボール箱などの梱包材に梱包する。さらに、所定の事項を伝票91に記入し、図9のように、梱包材の外側の面に貼り付ける。以下、商品が梱包され伝票91が貼り付けられた梱包材を「荷物90」と記載する。
【0047】
ところで、伝票91は、荷物90を販売業者82から代行業者83の中継拠点へ搬送する搬送業者が配布するものであって、通常、図10(A)のように、ユニークなコードが予め書き込まれている。このコードは、一般に「追跡コード」または「配送コード」などと呼ばれる。また、後述するように、代行業者83の中継拠点から消費者81の自宅などへ搬送される際にも、別の追跡コードが荷物90に対して与えられる。
【0048】
そこで、以下、販売業者82から代行業者83の中継拠点への搬送の際に使用される追跡コードを「第一の追跡コード」と記載し、代行業者83の中継拠点から消費者81の自宅への搬送の際に使用される追跡コードを「第二の追跡コード」と記載する。説明の簡単のため、特定の1つの搬送業者が代行業者83と提携し販売業者82から代行業者83の中継拠点への搬送を請け負っており、同一の搬送業者または他の1つの搬送業者が代行業者83と提携し代行業者83から消費者81への搬送を請け負っている場合を例に説明する。
【0049】
販売業者82のスタッフは、第一の追跡コード以外の事項を伝票91に記入する。具体的には、宛先の情報として代行業者83の中継地点の名称および住所などを記入し、依頼主として販売業者82の名称および住所などを記入する。
【0050】
そして、販売業者82のスタッフは、荷物90を搬送業者へ渡す。すると、伝票91に記載された情報に基づいて、荷物90が搬送業者によって代行業者83の中継拠点へ届けられる。
【0051】
なお、ある1つの販売業者82にとって、代行業者83の中継拠点へ荷物90を搬送する際に伝票91に記載する内容は、一部の事項を除いて常に同一である。具体的には、依頼主は常に販売業者82であり、宛先は常に代行業者83の中継拠点である。そこで、販売業者82は、図10(B)のような、依頼主として販売業者82自身の住所等が予め印刷され宛先として代行業者83の中継拠点の住所等が予め印刷された伝票を予め多数、用意しておき、このような伝票を伝票91として使用してもよい。
【0052】
さらに、販売業者82のスタッフは、販売業者用端末装置2のウェブブラウザを起動し、所定のURL(Uniform Resource Locator)をウェブブラウザに入力する。または、そのURLのブックマークを指定する。すると、ウェブブラウザは、そのURLに基づいてウェブページを代行業者用システム3へ要求する。
【0053】
代行業者用システム3において、依頼ページデータ送信部301は、販売業者用端末装置2からの要求に従って、そのURLに対応するウェブページを表示するためのウェブページデータ6Cを販売業者用端末装置2へ送信する。
【0054】
販売業者用端末装置2においてウェブページデータ6Cが受信されると、販売業者用端末装置2のウェブブラウザは、ウェブページデータ6Cに基づいて、図11のような依頼ページ71をウェブページとしてディスプレイ25に表示させる。
【0055】
販売業者82のスタッフは、荷物90の伝票91の追跡コード(第一の追跡コード)を依頼ページ71のテキストボックス711に入力し、消費者81から伝達された電子メールアドレスをテキストボックス712に入力する。以下、この電子メールを「消費者電子メールアドレス」と記載する。
【0056】
代行業者83から消費者81への荷物90の搬送の送料の支払の手続を販売業者82が行う場合は、販売業者82のスタッフは、さらに、チェックボックス713をオンに切り換え、販売業者82の電子メールアドレスをテキストボックス714に入力する。例えば、この送料を、荷物90の商品の代金とともに消費者81と販売業者82との間で決済している場合、および、この送料を販売業者82が負担する場合に、入力する。一方、この手続を消費者81が行う場合は、チェックボックス713をオフにしたまま、テキストボックス714を空欄にしておく。以下、テキストボックス714に入力された電子メールアドレスを「送料支払者電子メールアドレス」と記載する。
【0057】
代行業者83から消費者81への荷物90の搬送の状況を販売業者82が確認したい場合は、販売業者82のスタッフは、さらに、テキストボックス716に販売業者82の電子メールアドレスを入力する。以下、テキストボックス716に入力された電子メールアドレスを「確認用電子メールアドレス」と記載する。
【0058】
また、追加ボタン715が押されるごとに、テキストボックス711、712、714、チェックボックス713の組が1つずつ、依頼ページ71に追加される。荷物90が複数ある場合は、販売業者82のスタッフは、テキストボックス711、712、714、チェックボックス713を追加して、それぞれの荷物90の第一の追跡コードおよび購入者(消費者81)の電子メールアドレスを入力し、さらに、支払の手続を販売業者82が行う場合はチェックボックス713をオンに切り換え、販売業者82の電子メールアドレスをテキストボックス714に入力すればよい。
【0059】
そして、販売業者82のスタッフは、送信ボタン717を押す。すると、販売業者用端末装置2のウェブブラウザは、転送依頼データ6Dを代行業者用システム3へ送信する。
【0060】
転送依頼データ6Dには、入力された1組または複数組の第一の追跡コード、消費者電子メールアドレス、および送料支払者電子メールアドレスが示される。なお、テキストボックス714が空欄である組の転送依頼データ6Dには、送料支払者電子メールアドレスとして、テキストボックス712に入力された電子メールアドレス(つまり、消費者電子メールアドレスと同じ電子メールアドレス)が示される。一方、空欄でない組の転送依頼データ6Dには、テキストボックス714に入力された電子メールアドレスが送料支払者電子メールアドレスとして示される。さらに、テキストボックス716に電子メールアドレスが入力された場合は、この電子メールアドレスが確認用電子メールアドレスとして示される。
【0061】
代行業者用システム3において、荷物データ生成部302は、転送依頼データ6Dを受信すると、その転送依頼データ6Dに係る荷物90の荷物データ6Bを生成し、荷物データ記憶部352(図7参照)に記憶させる。なお、複数の荷物90それぞれの第一の追跡コードおよび消費者電子メールアドレスが転送依頼データ6Dに示される場合は、それぞれの荷物90について1つずつ荷物データ6Bを生成し記憶させる。
【0062】
荷物90の荷物データ6Bには、次の情報が示される。「荷物コード」は、荷物90を識別するためのユニークなコードであって新たに発行されたものである。「第一の追跡コード」、「消費者電子メールアドレス」、および「送料支払者電子メールアドレス」は、転送依頼データ6Dに示される、その荷物90の第一の追跡コード、消費者電子メールアドレス、および送料支払者電子メールアドレスである。
【0063】
「確認用電子メールアドレス」は、転送依頼データ6Dに示される確認用電子メールアドレスである。ただし、転送依頼データ6Dに確認用電子メールアドレスが示されない場合は、荷物データ6Bに確認用電子メールアドレスとして「なし」が示される。
【0064】
荷物データ6Bが生成された時点において、「入庫日時」、「転送料金」、「第二の追跡コード」、「出庫日時」、「到着日時」、「氏名」、「地域名」、「郵便番号」、「住所」、「電話番号」、および「サイズ」は、いずれもNullであり、「料金支払フラグ」および「準備完了フラグ」は、いずれも「0」である。
【0065】
その後、荷物90が代行業者83の中継拠点に到着すると、代行業者83のスタッフは、キーボード33またはポインティングデバイス34を操作することによって荷物受入画面をディスプレイ32に表示させ、荷物90の伝票91に記載される追跡コード(第一の追跡コード)および荷物90のサイズ(縦×横×高さ)を代行業者用システム3に入力する。なお、タブレットコンピュータまたはスマートフォンのタッチパネルを操作することによって情報などを入力したり、タブレットコンピュータまたはスマートフォンのディスプレイに画面を表示させたりしてもよい。
【0066】
荷物受入画面に第一の追跡コードおよびサイズが入力されると、到着受付処理部303および預物通知部304によって次のように処理が行われる。
【0067】
到着受付処理部303は、入力された第一の追跡コードを示す荷物データ6Bを荷物データ記憶部352(図8参照)から検索し、その荷物データ6Bの「入庫日時」を現在の時刻に更新する。さらに、その荷物データ6Bに、入力されたサイズを書き込む。
【0068】
図12は、電子メール本文72の例を示す図である。図13は、電子メール本文73の例を示す図である。
【0069】
預物通知部304(図6参照)は、荷物データ6Bが到着受付処理部303によって更新されると、預物通知メールデータ6Eを生成し、その荷物データ6Bに示される消費者電子メールアドレスに宛てて預物通知メールデータ6Eを電子メールとして送信する。
【0070】
預物通知メールデータ6Eには、電子メール本文72が示される。電子メール本文72には、図12のように、代行業者83が荷物90を預かっている旨を知らせるメッセージおよび荷物90を受け取るための手続の方法を知らせるメッセージのほか、荷物90の追跡コード(第一の追跡コード)、第一のURL、および第二のURLなどが含まれる。
【0071】
消費者用端末装置1のメーラは、預物通知メールデータ6Eを受信すると、預物通知メールデータ6Eに基づいて電子メール本文72をディスプレイ15に表示させる。消費者81は、未だ商品搬送支援サービスの会員でなければ第一のURLを選択し、既に会員であれば第二のURLを選択する。
【0072】
第一のURLが選択されると、消費者用端末装置1のウェブブラウザは、第一のURLに基づいてウェブページを代行業者用システム3へ要求する。すると、代行業者用システム3において、会員登録部305によって会員登録の処理が次のように行われる。
【0073】
会員登録部305は、消費者用端末装置1からの要求に従って、第一のURLに対応するウェブページを表示するためのウェブページデータ6Fを消費者用端末装置1へ送信する。
【0074】
消費者用端末装置1においてウェブページデータ6Fが受信されると、消費者用端末装置1のウェブブラウザは、ウェブページデータ6Fに基づいて登録ページをウェブページとしてディスプレイ15に表示させる。
【0075】
消費者81は、自分の氏名、電子メールアドレス、および電話番号ならびに自宅の地域名、郵便番号、および住所のほか、パスワードとして使用する文字列を登録ページに入力する。
【0076】
すると、消費者用端末装置1のウェブブラウザは、入力された電子メールアドレス、文字列(パスワード)、氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号を示す登録依頼データ6Gを代行業者用システム3へ送信する。
【0077】
会員登録部305は、登録依頼データ6Gを受信すると、会員データ6Aを新たに生成し、会員データ記憶部351(図7参照)に記憶させる。これにより、会員登録が完了する。会員データ6Aには、受信した登録依頼データ6Gに示される電子メールアドレス、パスワード、氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号が示される。この電子メールアドレスが会員データ6Aにおいて主キーとして使用される。
【0078】
なお、登録ページにおいて、少なくとも電子メールアドレスおよびパスワードが入力されれば会員データ6Aを登録できるようにしてもよい。そして、残りの情報は、後で会員データ6Aに追加できるようにすればよい。
【0079】
一方、第二のURLが選択されると、消費者用端末装置1のウェブブラウザは、第二のURLに基づいてウェブページを代行業者用システム3へ要求する。すると、代行業者用システム3において、ユーザ認証部306によってユーザ認証の処理が次のように行われる。
【0080】
ユーザ認証部306は、消費者用端末装置1からの要求に従って、第二のURLに対応するウェブページを表示するためのウェブページデータ6Hを消費者用端末装置1へ送信する。
【0081】
消費者用端末装置1においてウェブページデータ6Hが受信されると、消費者用端末装置1のウェブブラウザは、ウェブページデータ6Hに基づいてユーザ認証ページをウェブページとしてディスプレイ25に表示させる。消費者81は、自分の電子メールアドレスおよびパスワードをそれぞれユーザ認証ページに入力する。
【0082】
すると、消費者用端末装置1のウェブブラウザは、入力された電子メールアドレスおよびパスワードを示す認証依頼データ6Jを代行業者用システム3へ送信する。
【0083】
ユーザ認証部306は、認証依頼データ6Jを受信すると、その認証依頼データ6Jに示される電子メールアドレスを示す会員データ6Aを会員データ記憶部351(図7参照)から検索する。そして、その会員データ6Aに示されるパスワードとその認証依頼データ6Jに示されるパスワードとが一致すれば、消費者81が正規のユーザであると判別し、一致しなければ正規のユーザでないと判別する。検索できなかった場合も、正規のユーザでないと判別する。消費者81は、正規のユーザであると判別されると、商品搬送支援サービスのウェブサイトへログインする。
【0084】
なお、会員登録部305によって会員登録が行われた後、消費者81は、第二のURLを選択してユーザ認証ページへアクセスする。または、ユーザ認証部306は、会員登録後、ウェブページデータ6Hを消費者用端末装置1へ送信することによってユーザ認証ページへ自動的にアクセスされるようにしてもよい。そして、消費者81は、上述の操作を行うことによって商品搬送支援サービスのウェブサイトへログインする。
【0085】
消費者81が商品搬送支援サービスのウェブサイトへログインすると、ユーザ認証部306から宛先追記部307へ、ログインした消費者81の電子メールアドレスが与えられる。
【0086】
すると、宛先追記部307は、与えられた電子メールアドレスを消費者電子メールアドレスとして示す荷物データ6Bを荷物データ記憶部352(図8参照)から検索し、与えられた電子メールアドレスを示す会員データ6Aを会員データ記憶部351(図7参照)から検索する。そして、その荷物データ6Bに、その会員データ6Aに示される氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号を書き込む。つまり、ログインした会員データ6Aの氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号を書き込む。なお、ログイン後に氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号を消費者81が入力できるようにしてもよい。そして、入力されたこれらの情報を会員データ6Aおよび荷物データ6Bの両方に書き込んでもよい。
【0087】
宛先追記部307は、消費者用端末装置1のウェブブラウザを介して氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号を消費者81に提示してもよい。そして、消費者81が承認した場合に、その荷物データ6Bに書き込んでもよい。また、消費者81が氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号を修正した場合は、修正された氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号を、その会員データ6Aに示される氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号の代わりに書き込んでもよい。
【0088】
送料決済部308は、宛先追記部307によって荷物データ6Bに氏名などが書き込まれると、代行業者83から消費者81への荷物90の搬送の送料を決済するための処理を次のように行う。
【0089】
送料決済部308は、その荷物データ6Bに示されるサイズおよび地域名などに基づいて、その荷物90の搬送の送料を所定の計算式に基づいて算出し、その荷物データ6Bに転送料金として書き込む。
【0090】
送料決済部308は、送料請求メールデータ6Kを生成し、その荷物データ6Bに示される送料支払者電子メールアドレスに宛てて送信する。上述の通り、この送料の支払の手続は、消費者81および販売業者82のいずれかであり、送料支払者電子メールアドレスは、消費者81および販売業者82のいずれかの電子メールアドレスである。
【0091】
送料請求メールデータ6Kには、電子メール本文73が示される。電子メール本文73には、図13のように、代行業者83から消費者81への荷物90の搬送の送料の決済(支払)を要求するメッセージ、送料(転送料金)、および決済用のウェブサイトのURLなどが含まれる。このURLの末尾には、その荷物データ6Bに示される荷物コードが含まれる。決済用のウェブサイトは、例えば、クレジットカード決済のウェブサイトまたは電子マネー決済のウェブサイトなど公知のウェブサイトが用いられる。
【0092】
消費者用端末装置1のメーラは、送料請求メールデータ6Kを受信すると、送料請求メールデータ6Kに基づいて電子メール本文73をディスプレイ15に表示させる。消費者81が電子メール本文73の中のURLを選択すると、消費者用端末装置1のウェブブラウザは、そのURLに基づいて決済用のウェブサイトへアクセスする。そして、消費者81が送料の決済の手続を行うと、消費者用端末装置1のウェブブラウザまたは決済用のウェブサイトから代行業者用システム3へ、そのURLに含まれる荷物コードを示す決済完了データ6Lを送信する。
【0093】
同様に、販売業者用端末装置2のメーラは、送料請求メールデータ6Kを受信すると、送料請求メールデータ6Kに基づいて電子メール本文73をディスプレイ25に表示させる。販売業者82のスタッフが電子メール本文73の中のURLを選択すると、販売業者用端末装置2のウェブブラウザは、そのURLに基づいて決済用のウェブサイトへアクセスする。そして、販売業者82のスタッフが送料の決済の手続を行うと、販売業者用端末装置2のウェブブラウザまたは決済用のウェブサイトから代行業者用システム3へ決済完了データ6Lを送信する。
【0094】
送料決済部308は、決済完了データ6Lを受信すると、受信した決済完了データ6Lに示される荷物コードを示す荷物データ6Bを荷物データ記憶部352(図8参照)の中から検索し、その荷物データ6Bの料金支払フラグを「1」に更新する。
【0095】
荷物データ6Bの料金支払フラグが「1」に更新されると、その荷物データ6Bに対応する荷物90を転送するための処理が出庫処理部309によって次のように行われる。
【0096】
出庫処理部309は、送料の決済が完了した旨のメッセージを、その荷物データ6Bに示される荷物コード、氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号などとともにディスプレイ32またはタブレットコンピュータに表示させる。
【0097】
代行業者83のスタッフは、表示された内容を確認し、その荷物コードの荷物90をその住所へ搬送するための準備を行う。具体的には、倉庫の中から、その荷物90をその荷物コードに基づいて探し出す。ユニークな第二の追跡コードが印刷された新たな伝票に、表示された氏名および住所などを宛先として記入し、代行業者83の社名および住所などを依頼主として記入し、その荷物90に貼り付ける。宛先が海外である場合は、さらに、その荷物90の中身(商品)を必要に応じて確認したり、インボイスを作成したり、輸出のための作業を行う。これらの作業は、その荷物90が中継拠点へ到着した後、直ちに行ってもよい。
【0098】
なお、代行業者用システム3がプリンタを有し、このプリンタが代行業者83の中継拠点に設けられている場合は、出庫処理部309は、荷物コードをディスプレイ32などによって表示し、さらに、宛先の氏名および住所ならびに代行業者83の社名および住所などが伝票に印刷されるように、このプリンタを制御してもよい。第二の追跡コードを運送業者に発行してもらい、この第二の追跡コードもさらに印刷されるように、このプリンタを制御してもよい。さらに、インボイスも印刷されるようにこのプリンタを制御してもよい。
【0099】
準備が完了したら、代行業者83のスタッフは、その荷物90を最終目的地へ届けてもらうために運送業者に渡す。そして、出庫画面をディスプレイ32またはタブレットコンピュータに表示させ、その荷物90の荷物コードおよび第二の追跡コードを入力する。なお、荷物コードなどを入力した後に、荷物90を渡してもよい。
【0100】
すると、出庫処理部309は、次の処理を行う。入力された荷物コードを示す荷物データ6Bに、現在の日時を出庫日時として書き込む。さらに、入力された第二の追跡コードをその荷物データ6Bに書き込む。そして、出荷通知メールデータ6Mを生成し、その荷物データ6Bに示される消費者電子メールアドレスに宛てて電子メールとして送信する。
【0101】
出荷通知メールデータ6Mには、電子メール本文が示される。電子メール本文には、荷物90が出庫された旨のメッセージのほか、荷物データ6Bに示される氏名、住所、および第二の追跡コードなどが含まれる。
【0102】
消費者用端末装置1のメーラは、出荷通知メールデータ6Mを受信すると、電子メール本文をディスプレイ15に表示させる。
【0103】
ところで、運送業者は、荷物の搬送の状況を、インターネットを介してウェブサイトによって発信している。
【0104】
代行業者用システム3の受取確認部310は、代行業者83の中継拠点を出発した荷物90が消費者81の自宅などで受け取られたか否かを次のように確認する。
【0105】
受取確認部310は、定期的に(例えば、10分ごとに)、出庫日時が示されるが到着日時が示されない荷物データ6Bを荷物データ記憶部352から検索する。その荷物データ6Bに示される第二の追跡コードを運送業者のウェブサイトへ送信することによって、現在の状況を問い合わせる。
【0106】
そして、受取確認部310は、搬送が完了した日時を示す回答を運送業者のウェブサイトから受信すると、その日時を到着日時としてその荷物データ6Bに書き込む。
【0107】
販売業者82のスタッフは、荷物90の状況を次のように確認することができる。状況を確認したい荷物90の第一の追跡コードおよび販売業者82の電子メールアドレスを示す電子メールを販売業者用端末装置2のメーラで代行業者83の所定の電子メールアドレスに宛てて送信する。
【0108】
すると、状態回答部311は、その電子メールに示される第一の追跡コードを示し、かつ、その電子メールに示される電子メールアドレスを確認用電子メールアドレスとして示す荷物データ6Bを、荷物データ記憶部352から検索する。そして、その荷物データ6Bに示される荷物コード、第二の追跡コード、入庫日時、出庫日時、および到着日時を示す電子メールを、確認用電子メールアドレスへ送信(返信)する。
【0109】
販売業者用端末装置2のメーラは、代行業者用システム3から受信した電子メールをディスプレイ25に表示させる。そして、販売業者82のスタッフは、電子メールを読んで荷物90の状況を確認する。
【0110】
図14は、搬送仲介支援プログラム30による全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。図15は、転送支援処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0111】
次に、代行業者用システム3における全体的な処理の流れを、フローチャートを参照しながら説明する。
【0112】
搬送仲介支援プログラム30によると、図14に示す手順で代行業者用システム3において処理が行われる。
【0113】
代行業者用システム3は、販売業者用端末装置2から依頼ページ71のリクエストを受けると(図14の#131でYes)、代行業者用システム3は、販売業者用端末装置2へウェブページデータ6Cを送信する(#132)。
【0114】
または、販売業者用端末装置2から転送依頼データ6Dを受信すると(#133でYes)、荷物90を販売業者82から受け付けて消費者81の自宅などへ転送する支援のための処理を行う(#134)。この処理は、図15に示す手順で行われる。ここで、図2(B)に示すように、消費者81Bが販売業者82Bのオンラインショップで商品を購入し、この商品が梱包された荷物90を消費者81Bの自宅へ搬送してもらう場合を例に、この処理の流れを説明する。
【0115】
代行業者用システム3は、この荷物90の転送依頼データ6Dを販売業者用端末装置2Bから受信すると、荷物データ6Bを生成し荷物データ記憶部352(図8参照)よって記憶する(図15の#151)。この荷物データ6Bには、この転送依頼データ6Dに示される第一の追跡コード、消費者電子メールアドレス、および送料支払者電子メールアドレスなどが示される。
【0116】
また、この転送依頼データ6Dに確認用電子メールアドレスが示される場合は、この荷物データ6Bにもこの確認用電子メールアドレスが示される。
【0117】
この荷物90が販売業者82Bから代行業者83の中継拠点に届き、この荷物90の第一の追跡コードおよびサイズが代行業者83のスタッフによって代行業者用システム3に入力されると(#152)、代行業者用システム3は、現在の日時を入庫時刻としてこの荷物データ6Bに書き込み、サイズも書き込む(#153)。さらに、この荷物データ6Bに示される消費者電子メールアドレスすなわち消費者81Bの電子メールアドレスへ、預物通知メールデータ6Eを送信する(#154)。
【0118】
預物通知メールデータ6Eは、消費者81Bの消費者用端末装置1すなわち消費者用端末装置1Bによって受信される。
【0119】
代行業者用システム3は、消費者用端末装置1Bから第一のURLに対応するウェブページすなわち登録ページ(会員登録用のウェブページ)を要求されると(#155でYes)、ウェブページデータ6Fを消費者用端末装置1Bへ送信する(#156)。そして、消費者用端末装置1Bから登録依頼データ6Gを受信すると(#157)、会員データ6Aを新たに生成し、会員データ記憶部351(図7参照)に記憶させる(#158)。これにより、消費者81Bの会員登録が完了する。
【0120】
代行業者用システム3は、消費者用端末装置1Bから第二のURLに対応するウェブページすなわちユーザ認証ページを要求されると、または、消費者81Bの会員登録が完了すると、ウェブページデータ6Hを消費者用端末装置1Bへ送信する(#159)。消費者用端末装置1Bから認証依頼データ6Jを受信すると(#160)、認証の処理を行う(#161)。すなわち、消費者81Bが正規のユーザであるか否かを判別する。そして、正規のユーザであると判別すると(#162でYes)、商品搬送支援サービスのウェブサイトへログインさせる(#163)。
【0121】
消費者81Bをログインさせると、代行業者用システム3は、消費者81Bの会員データ6Aに示される氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号をこの荷物データ6Bに書き込む(#164)。これにより、この荷物90の宛先が荷物データ6Bに設定される。なお、消費者81Bによって新たに指定された氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号を書き込んでもよい。
【0122】
さらに、代行業者用システム3は、この宛先への送料をこの宛先およびこの荷物90のサイズなどに基づいて決定し、この荷物データ6Bに転送料金として書き込む(#165)。そして、送料請求メールデータ6Kを生成し、この荷物データ6Bに示される送料支払者電子メールアドレスへ宛てて送信する(#166)。送料支払者電子メールアドレスは、消費者81Bおよび販売業者82Bのいずれかの電子メールアドレスである。
【0123】
代行業者用システム3は、消費者81Bまたは販売業者82Bがこの送料を支払った旨の通知を受信すると(#167)、この荷物データ6Bの送料支払フラグを「1」に更新する(#168)。そして、送料の決済が完了した旨のメッセージを、この荷物データ6Bに示される荷物コード、氏名、地域名、郵便番号、住所、および電話番号などとともにディスプレイ32またはタブレットコンピュータに表示させることによって、代行業者83のスタッフに知らせる(#169)。
【0124】
代行業者83のスタッフは、表示された内容を確認し、この荷物90を消費者81Bの自宅などへ搬送するための準備を行い、この荷物90を運送業者に渡す。そして、この荷物90の荷物コードおよび第二の追跡コードを入力する。
【0125】
代行業者用システム3は、これらの入力を受け付けると(#170)、出荷通知メールデータ6Mを消費者81Bの電子メールアドレス(消費者電子メールアドレス)へ送信するとともに(#171)、この荷物データ6Bに、現在の日時を出庫日時として書き込み、さらに、入力された第二の追跡コードを書き込む(#172)。
【0126】
これにより、この荷物90を販売業者82Bから受け付けて消費者81Bの自宅などへ転送する支援のための処理が完了する。
【0127】
図14に戻って、代行業者用システム3は、出庫日時が示されるが到着日時が示されない荷物データ6Bを定期的に検索し、そのような荷物データ6Bが見つかったら(#135でYes)、その荷物データ6Bに示される第二の追跡コードを運送業者のウェブサイトへ送信することによって現在の状況を問い合わせ、搬送が完了した日時を示す回答を運送業者のウェブサイトから受信すると、その日時を到着日時としてその荷物データ6Bに書き込む(#136)。
【0128】
または、代行業者用システム3は、荷物90の状況の問合せを販売業者用端末装置2から受信すると(#137でYes)、その荷物90の荷物データ6Bに示される第二の追跡コード、入庫日時、出庫日時、および到着日時をその販売業者用端末装置2へ回答する(#138)。
【0129】
代行業者用システム3は、商品搬送支援サービスの提供を継続している間(#139でYes)、ステップ#132、#134、#136、#138の各処理を適宜、実行する。
【0130】
本実施形態によると、配送先住所の所在国を判定する仕組みおよび支援サーバにより提供されるウェブサイトを販売業者82ごとに独自に用意する必要がない。したがって、消費者81が販売業者82から購入した商品を従来よりも簡便な仕組みで搬送することができる。
【0131】
また、互いの母国語が異なり意思疎通が難しい場合であっても、消費者81は、商品の搬送のための、販売業者82のスタッフとのコミュニケーションを、自分の電子メールアドレスの伝達だけで済ませることができる。搬送先の氏名、住所、および電話番号などを伝達する必要がない。販売業者82のスタッフにとっても、商品を梱包して荷物90として代行業者83へ搬送し、消費者81の電子メールアドレスを荷物90の第一の追跡コードとともに代行業者83へ伝達するだけでよいので、搬送のための負担が従来よりも軽減される。消費者81にとって買物しやすくなるので、販売業者82の売上が向上する。
【0132】
本実施形態では、消費者81は、自分のための商品を購入し、商品を荷物90として自分に搬送してもらうために商品搬送支援サービスを使用する場合を例に説明したが、友人または家族などの他者へ搬送してもらうために使用することもできる。例えば、消費者81は、販売業者82で商品を購入した際に、他者の電子メールアドレスを販売業者82へ伝えればよい。そうすれば、後で他者が自分の自宅などを宛先として指定することができる。または、消費者81自身の電子メールアドレスを伝えるが、代行業者用システム3から荷物90の宛先の問合せがあった際に、他者の自宅などを指定すればよい。
【0133】
また、消費者81は、販売業者82から購入した商品以外の物品を他者に搬送してもらうためにも商品搬送支援サービスを使用することもできる。この場合は、消費者81は、販売業者82のスタッフの代わりに自ら、梱包材に物品を梱包し、伝票91を用意して貼り付けることによって、荷物90を準備すればよい。そして、荷物90を代行業者用システム3の中継拠点へ運送業者に搬送してもらうとともに、依頼ページ71を介して自分または他者の電子メールアドレスとともに第一の追跡コードを代行業者83へ伝えればよい。
【0134】
例えば、オークションの出品者が、落札された商品を代行業者83の中継拠点へ送るとともに、落札者の電子メールアドレスを消費者電子メールアドレスとして登録してもよい。または、宿泊施設の事業者が、宿泊者の忘れ物を代行業者83の中継拠点へ送るとともに、宿泊者の電子メールアドレスを消費者電子メールアドレスとして登録してもよい。いわゆるBtoB、BtoC、CtoC、およびCtoBのいずれの形態の取引においても、商品搬送支援システム5を使用することができる。
【0135】
本実施形態では、販売業者82のスタッフは、複数の荷物90それぞれの第一の追跡コード、消費者電子メールアドレス、および送料支払者電子メールアドレスを依頼ページ71(図11参照)へ入力したが、これらの情報を記載したCSVファイルを表計算ソフトまたはテキストエディタなどで作成し、販売業者用端末装置2へインポートしてもよい。この場合に、販売業者用端末装置2は、このCSVファイルを代行業者用システム3へ送信する。代行業者用システム3は、このCSVファイルを受信すると、このCSVファイルに基づいて荷物90それぞれの荷物データ6Bを生成する。
【0136】
本実施形態では、電子メール本文72、73(図12図13参照)などが日本語で記載される場合を例に説明したが、英語、ドイツ語、または中国語など他の言語で記載されてもよい。または、複数の言語で記載されていてもよい。
【0137】
本実施形態では、消費者用端末装置1および販売業者用端末装置2において、汎用のウェブブラウザおよびメーラが使用される場合を例に説明したが、専用のアプリケーションが使用されてもよい。
【0138】
本実施形態では、代行業者83は、電子メールによって消費者81および販売業者82へ各種の案内を送信したが、SNS(Social Networking Service)のメッセンジャまたはSMS(Short Message Service)のショートメールなどによって送信してもよい。この場合は、電子メールアドレスの代わりにSNSのアカウント名または携帯電話の番号を用いればよい。
【0139】
本実施形態では、代行業者83の中継拠点からの搬送の送料を荷物90のサイズおよび宛先に基づいて決定したが、さらに重量に基づいて決定してもよい。この場合は、荷物90のサイズだけでなく重量が代行業者83のスタッフによって入力され荷物データ6Bに書き込まれるようにすればよい。
【0140】
本実施形態では、代行業者83の中継拠点に荷物90が到着してから、消費者81に荷物90の宛先(最終目的地)を指定させたが、到着する前に指定させてもよい。
【0141】
本実施形態では、日本から海外または国内に荷物を送る場合を例に説明したが、海外から日本または海外へ荷物を送る場合にも、商品搬送支援システム5を使用することができる。
【0142】
その他、商品搬送支援システム5、消費者用端末装置1、販売業者用端末装置2、代行業者用システム3の全体または各部の構成、処理の内容、処理の順序、データの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0143】
3 代行業者用システム(荷物搬送支援システム)
302 荷物データ生成部(第一の受付手段)
304 預物通知部(要求手段)
305 会員登録部(第二の受付手段)
306 ユーザ認証部(第二の受付手段)
308 送料決済部(請求手段)
309 出庫処理部(支援処理手段)
351 会員データ記憶部(記憶手段)
6A 会員データ
6B 荷物データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15