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特開2022-186237自動バレー駐車管理システム及び自動バレー駐車管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186237
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】自動バレー駐車管理システム及び自動バレー駐車管理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20221208BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20221208BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20221208BHJP
   E04H 6/10 20060101ALI20221208BHJP
   E04H 6/42 20060101ALI20221208BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20221208BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/00 X
G08G1/01 E
E04H6/10 A
E04H6/42 Z
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094361
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】百島 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】岡村 竜路
(72)【発明者】
【氏名】岡本 哲史
(72)【発明者】
【氏名】兼市 大輝
(72)【発明者】
【氏名】中通 実
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA21
5H181AA24
5H181AA27
5H181DD01
5H181DD05
5H181FF03
5H181FF23
5H181FF33
5H181KK01
5H181KK06
5H181KK10
5H181MC14
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】所定エリアにおいて提供される自動バレー駐車(AVP)サービスの利便性を向上させること。
【解決手段】AVPサービスのユーザが車両に乗車する、あるいは、車両から降車する乗降位置は、車両が駐車される駐車施設から離れている。ユーザリクエストは、ユーザによって指定される指定乗降位置及び指定利用日時を示す。ユーザリクエストに従ってユーザにAVPサービスを提供することができない場合、通知情報がユーザに提供される。通知情報は、車両の現在位置から指定乗降位置へのルート上の混雑状況と、指定乗降位置における混雑状況と、指定乗降位置においてユーザが車両に乗車するあるいは車両から降車することができるまでの待ち時間と、指定乗降位置における推奨利用時間帯と、指定乗降位置の代わりの代替乗降位置と、のうち少なくとも一つを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定エリアにおいて提供される自動バレー駐車サービスを管理する自動バレー駐車管理システムであって、
前記所定エリアは、
前記自動バレー駐車サービスに対応した車両が駐車される駐車施設と、
前記駐車施設から離れた位置であって、前記自動バレー駐車サービスのユーザが前記車両に乗車する、あるいは、前記車両から降車する乗降位置と
を含み、
前記自動バレー駐車管理システムは、
1又は複数のプロセッサと、
前記自動バレー駐車サービスのスケジュールを示すスケジュール情報と、前記所定エリア内の混雑状況を示す混雑状況情報とのうち少なくとも一方を含む参照情報を格納する1又は複数の記憶装置と
を備え、
前記1又は複数のプロセッサは、
前記ユーザによって指定される指定乗降位置及び指定利用日時を示すユーザリクエストを取得する処理と、
前記ユーザリクエストに従って前記ユーザに前記自動バレー駐車サービスを提供可能か否かを、前記参照情報に基づいて判定する判定処理と、
前記ユーザリクエストに従って前記ユーザに前記自動バレー駐車サービスを提供することができない場合、前記参照情報に基づいて通知情報を前記ユーザに提供する情報提供処理と
を実行するように構成され、
前記通知情報は、
前記車両の現在位置から前記指定乗降位置へのルート上の前記混雑状況と、
前記指定乗降位置における前記混雑状況と、
前記指定乗降位置において前記ユーザが前記車両に乗車するあるいは前記車両から降車することができるまでの待ち時間と、
前記指定乗降位置における推奨利用時間帯と、
前記指定乗降位置の代わりの代替乗降位置と
のうち少なくとも一つを含む
自動バレー駐車管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の自動バレー駐車管理システムであって、
前記ユーザリクエストは、前記ユーザによって指定される指定降車位置を示し、
前記参照情報は、前記混雑状況情報を含み、
前記通知情報は、
前記車両の前記現在位置から前記指定降車位置への前記ルート上の前記混雑状況と、
前記車両が前記ルート上の混雑箇所を回避してアクセス可能な代替降車位置と
のうち少なくとも一方を含む
自動バレー駐車管理システム。
【請求項3】
所定エリアにおいて提供される自動バレー駐車サービスを管理する自動バレー駐車管理システムであって、
前記所定エリアは、
前記自動バレー駐車サービスに対応した車両が駐車される駐車施設と、
前記駐車施設から離れた位置であって、前記自動バレー駐車サービスのユーザが前記車両から降車する降車位置と
を含み、
前記自動バレー駐車管理システムは、
1又は複数のプロセッサと、
前記自動バレー駐車サービスのスケジュールを示すスケジュール情報と、前記所定エリア内の混雑状況を示す混雑状況情報とのうち少なくとも一方を含む参照情報を格納する1又は複数の記憶装置と
を備え、
前記1又は複数のプロセッサは、
前記ユーザによって指定される指定降車位置を示すユーザリクエストを取得する処理と、
前記参照情報に基づいて通知情報を前記ユーザに提供する情報提供処理と
を実行するように構成され、
前記通知情報は、
前記車両の現在位置から前記指定降車位置へのルート上の前記混雑状況と、
前記指定降車位置における前記混雑状況と、
前記指定降車位置において前記ユーザが前記車両から降車することができるまでの待ち時間と、
前記指定降車位置における推奨利用時間帯と、
前記指定降車位置の代わりの代替降車位置と
のうち少なくとも一つを含む
自動バレー駐車管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の自動バレー駐車管理システムであって、
前記参照情報は、前記混雑状況情報を含み、
前記通知情報は、
前記車両の前記現在位置から前記指定降車位置への前記ルート上の前記混雑状況と、
前記車両が前記ルート上の混雑箇所を回避してアクセス可能な前記代替降車位置と
のうち少なくとも一方を含む
自動バレー駐車管理システム。
【請求項5】
所定エリアにおいて提供される自動バレー駐車サービスを管理する自動バレー駐車管理方法であって、
前記所定エリアは、
前記自動バレー駐車サービスに対応した車両が駐車される駐車施設と、
前記駐車施設から離れた位置であって、前記自動バレー駐車サービスのユーザが前記車両に乗車する、あるいは、前記車両から降車する乗降位置と
を含み、
前記自動バレー駐車管理方法は、コンピュータにより実行され、
前記自動バレー駐車サービスのスケジュールを示すスケジュール情報と、前記所定エリア内の混雑状況を示す混雑状況情報とのうち少なくとも一方を含む参照情報を取得する処理と、
前記ユーザによって指定される指定乗降位置及び指定利用日時を示すユーザリクエストを取得する処理と、
前記ユーザリクエストに従って前記ユーザに前記自動バレー駐車サービスを提供可能か否かを、前記参照情報に基づいて判定する判定処理と、
前記ユーザリクエストに従って前記ユーザに前記自動バレー駐車サービスを提供することができない場合、前記参照情報に基づいて通知情報を前記ユーザに提供する情報提供処理と
を含み、
前記通知情報は、
前記車両の現在位置から前記指定乗降位置へのルート上の前記混雑状況と、
前記指定乗降位置における前記混雑状況と、
前記指定乗降位置において前記ユーザが前記自動バレー駐車サービスを利用可能になるまでの待ち時間と、
前記指定乗降位置における推奨利用時間帯と、
前記指定乗降位置の代わりの代替乗降位置と
のうち少なくとも一つを含む
自動バレー駐車管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、所定エリアにおいて提供される自動バレー駐車サービスを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2は、駐車施設における自動バレー駐車(AVP: Automated Valet Parking)に関連する技術を開示している。自動バレー駐車に対応した車両は、駐車施設内において自律走行可能である。ユーザは、駐車施設内に設けられた乗降スペースにおいて、車両から降りる、あるいは、車両に乗る。車両は、乗降スペースと割り当てられた駐車スペースとの間を自律的に走行する。すなわち、車両は、入庫処理及び出庫処理を自動的に行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-166767号公報
【特許文献2】特開2020-166631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
街等のある程度大きなエリアにおいて自動バレー駐車サービスを提供することを考える。その場合、自動バレー駐車サービスのユーザが車両に乗車あるいは車両から降車する乗降位置が、駐車施設からある程度離れているという状況が想定される。よって、エリア内の混雑状況等によっては、ユーザが希望する自動バレー駐車サービスを希望通りに提供できない可能性がある。
【0005】
本開示の1つの目的は、所定エリアにおいて提供される自動バレー駐車サービスの利便性を向上させることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点は、所定エリアにおいて提供される自動バレー駐車サービスを管理する自動バレー駐車管理システムに関連する。
所定エリアは、
自動バレー駐車サービスに対応した車両が駐車される駐車施設と、
駐車施設から離れた位置であって、自動バレー駐車サービスのユーザが車両に乗車する、あるいは、車両から降車する乗降位置と
を含む。
自動バレー駐車管理システムは、1又は複数のプロセッサと、1又は複数の記憶装置とを備える。
1又は複数の記憶装置は、参照情報を格納する。参照情報は、自動バレー駐車サービスのスケジュールを示すスケジュール情報と、所定エリア内の混雑状況を示す混雑状況情報とのうち少なくとも一方を含む。
1又は複数のプロセッサは、
ユーザによって指定される指定乗降位置及び指定利用日時を示すユーザリクエストを取得する処理と、
ユーザリクエストに従ってユーザに自動バレー駐車サービスを提供可能か否かを、参照情報に基づいて判定する判定処理と、
ユーザリクエストに従ってユーザに自動バレー駐車サービスを提供することができない場合、参照情報に基づいて通知情報をユーザに提供する情報提供処理と
を実行するように構成される。
通知情報は、
車両の現在位置から指定乗降位置へのルート上の混雑状況と、
指定乗降位置における混雑状況と、
指定乗降位置においてユーザが車両に乗車するあるいは車両から降車することができるまでの待ち時間と、
指定乗降位置における推奨利用時間帯と、
指定乗降位置の代わりの代替乗降位置と
のうち少なくとも一つを含む。
【0007】
第2の観点は、所定エリアにおいて提供される自動バレー駐車サービスを管理する自動バレー駐車管理システムに関連する。
所定エリアは、
自動バレー駐車サービスに対応した車両が駐車される駐車施設と、
駐車施設から離れた位置であって、自動バレー駐車サービスのユーザが車両から降車する降車位置と
を含む。
自動バレー駐車管理システムは、1又は複数のプロセッサと、1又は複数の記憶装置とを備える。
1又は複数の記憶装置は、参照情報を格納する。参照情報は、自動バレー駐車サービスのスケジュールを示すスケジュール情報と、所定エリア内の混雑状況を示す混雑状況情報とのうち少なくとも一方を含む。
1又は複数のプロセッサは、
ユーザによって指定される指定降車位置を示すユーザリクエストを取得する処理と、
参照情報に基づいて通知情報をユーザに提供する情報提供処理と
を実行するように構成される。
通知情報は、
車両の現在位置から指定降車位置へのルート上の混雑状況と、
指定降車位置における混雑状況と、
指定降車位置においてユーザが車両から降車することができるまでの待ち時間と、
指定降車位置における推奨利用時間帯と、
指定降車位置の代わりの代替降車位置と
のうち少なくとも一つを含む。
【0008】
第3の観点は、コンピュータにより実行され、所定エリアにおいて提供される自動バレー駐車サービスを管理する自動バレー駐車管理方法に関連する。
所定エリアは、
自動バレー駐車サービスに対応した車両が駐車される駐車施設と、
駐車施設から離れた位置であって、自動バレー駐車サービスのユーザが車両に乗車する、あるいは、車両から降車する乗降位置と
を含む。
自動バレー駐車管理方法は、参照情報を取得する処理を含む。参照情報は、自動バレー駐車サービスのスケジュールを示すスケジュール情報と、所定エリア内の混雑状況を示す混雑状況情報とのうち少なくとも一方を含む。
自動バレー駐車管理方法は、更に、
ユーザによって指定される指定乗降位置及び指定利用日時を示すユーザリクエストを取得する処理と、
ユーザリクエストに従ってユーザに自動バレー駐車サービスを提供可能か否かを、参照情報に基づいて判定する判定処理と、
ユーザリクエストに従ってユーザに自動バレー駐車サービスを提供することができない場合、参照情報に基づいて通知情報をユーザに提供する情報提供処理と
を含む。
通知情報は、
車両の現在位置から指定乗降位置へのルート上の混雑状況と、
指定乗降位置における混雑状況と、
指定乗降位置においてユーザが自動バレー駐車サービスを利用可能になるまでの待ち時間と、
指定乗降位置における推奨利用時間帯と、
指定乗降位置の代わりの代替乗降位置と
のうち少なくとも一つを含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、自動バレー駐車サービスに関するユーザリクエストに対する有用な通知情報がユーザに提供される。通知情報を受け取ったユーザは、ユーザリクエストの変更等を検討することができる。すなわち、ユーザが取り得る選択肢の幅が広がる。従って、自動バレー駐車サービスの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施の形態に係る自動バレー駐車サービスを説明するための概念図である。
図2】本開示の実施の形態に係る自動バレー駐車管理システムの概要を説明するための概念図である。
図3】本開示の実施の形態に係るスケジュール情報の一例を説明するための概念図である。
図4】本開示の実施の形態に係るスケジュール情報の他の例を説明するための概念図である。
図5】本開示の実施の形態に係る混雑状況情報の一例を説明するための概念図である。
図6】本開示の実施の形態に係るユーザ出発の場合の情報提供処理を説明するための概念図である。
図7】本開示の実施の形態に係るユーザ出発の場合の情報提供処理を説明するための概念図である。
図8】本開示の実施の形態に係るユーザ出発の場合の情報提供処理を説明するための概念図である。
図9】本開示の実施の形態に係るユーザ到着の場合の情報提供処理を説明するための概念図である。
図10】本開示の実施の形態に係るユーザ到着の場合の情報提供処理を説明するための概念図である。
図11】本開示の実施の形態に係るユーザ到着の場合の情報提供処理を説明するための概念図である。
図12】本開示の実施の形態に係る車両制御システムの構成例を示すブロック図である。
図13】本開示の実施の形態に係る運転環境情報の例を示すブロック図である。
図14】本開示の実施の形態に係る自動バレー駐車管理システムの構成例を示すブロック図である。
図15】本開示の実施の形態に係る情報提供処理に関連する処理の第1の例を示すフローチャートである。
図16】本開示の実施の形態に係る情報提供処理に関連する処理の第2の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本開示の実施の形態を説明する。
【0012】
1.自動バレー駐車サービス
図1は、本実施の形態に係る自動バレー駐車サービスを説明するための概念図である。自動バレー駐車サービスを、以下、「AVP(Automated Valet Parking)サービス」と呼ぶ。AVPサービスは、自動運転技術を利用して車両を自動的に駐車するサービスである。
【0013】
サービスエリアARは、AVPサービスが提供される所定のエリアである。本実施の形態では、サービスエリアARとして、比較的大きなエリアを想定する。例えば、サービスエリアARは、スマートシティ等の1つの街である。
【0014】
車両1は、AVPサービスに対応した車両である。車両1は、少なくともサービスエリアAR内において自動運転可能である。車両1は、サービスエリアAR外においても自動運転可能であってもよい。車両1は、自己位置認識機能、周辺状況認識機能、及び自動運転機能を有しており、指定された目的地まで自律的に走行することができる。車両1は、更に、ドライバによるマニュアル運転が可能であってもよい。
【0015】
乗降位置2は、AVPサービスのユーザが車両1に乗車する、あるいは、車両1から降車する位置である。言い換えれば、乗降位置2は、車両1がユーザをピックアップ(pick up)あるいはドロップオフ(drop off)するための位置である。AVPサービスのユーザは、サービスエリアAR内の任意の位置を乗降位置2として指定することができる。例えば、乗降位置2は、ユーザの自宅前の位置である。他の例として、乗降位置2は、多数のユーザが利用する共用の発着場であってもよい。共用の発着場としては、建物の車寄せ、AVPステーション、等が例示される。典型的には、共用の発着場は、サービスエリアAR内に複数存在する。
【0016】
駐車施設3は、車両1が駐車される施設である。典型的には、サービスエリアAR内に複数の駐車施設3が存在する。駐車施設3には、AVPサービスに対応した車両1以外の一般車両が駐車されてもよい。駐車施設3は、駐車スペース(駐車場)、ゲート、管理施設、等を含んでいる。AVPサービスのユーザは、AVPサービスに対応した車両1を駐車施設3に直接持ち込んでもよい。その場合、駐車施設3の中においてAVPサービスが実施されてもよい。駐車施設3の中におけるAVPサービスのために、駐車施設3は、ユーザが車両1に乗車する、あるいは、車両1から降車する乗降スペースを備えていてもよい。あるいは、ユーザは、車両1を駐車施設3内の駐車スペースに自身で駐車してもよい。
【0017】
乗降位置2は、駐車施設3に含まれている必要はない。乗降位置2と駐車施設3は一定距離以上離れていてもよい。つまり、ユーザは、駐車施設3からある程度離れた乗降位置2を指定することができる。以下の説明においては、乗降位置2が駐車施設3から一定距離以上離れている場合を考える。
【0018】
ユーザが出発する際、車両1は、駐車施設3から自律的に出庫し、乗降位置2(乗車位置)まで自律的に走行する。ユーザは、乗降位置2において車両1に乗車する。その後、車両1は、自動運転あるいは手動運転により、乗降位置2から目的地に向かって走行する。目的地は、サービスエリアAR内であってもよいし、サービスエリアAR外であってもよい。
【0019】
一方、ユーザが到着する際、車両1は、自動運転あるいは手動運転により、乗降位置2(降車位置)に向かって走行する。ユーザは、乗降位置2において車両1から降車する。その後、車両1は、乗降位置2から駐車施設3まで自律的に走行し、駐車施設3に自律的に入庫する。
【0020】
尚、サービスエリアAR内には、車両1以外の様々なモビリティ(移動体)4も存在する。モビリティ4としては、バス、ライドシェア車両、AVPサービスに対応していない一般車両、物流ロボット、等が挙げられる。
【0021】
2.自動バレー駐車管理システム
2-1.概要
図2は、本実施の形態に係る自動バレー駐車管理システム100の概要を説明するための概念図である。自動バレー駐車管理システム100を、以下、「AVP管理システム100」と呼ぶ。AVP管理システム100は、AVPサービスを管理する。AVPサービスの管理は、AVPサービスのユーザの管理、AVPサービスのスケジュールの管理、駐車施設3の利用状況の管理、車両1の管理、車両1への指示、ユーザへの情報提供、等を含む。AVP管理システム100は、例えば、管理サーバである。AVP管理システム100は、分散システムであってもよい。
【0022】
AVP管理システム100は、サービスエリアARの地図情報MAPを有している。地図情報MAPは、サービスエリアAR内の道路、乗降位置2(共用の発着場)、駐車施設3、ランドマーク、等の配置を示す。また、地図情報MAPは、各駐車施設3の内部の地図情報、すなわち、駐車スペースの配置等も含む。
【0023】
AVP管理システム100は、AVPサービスに対応した車両1と通信可能である。AVP管理システム100は、車両1から位置情報を含む各種情報を収集する。また、AVP管理システム100は、車両1に入庫や出庫を指示する。
【0024】
AVP管理システム100は、ユーザ端末200と通信可能である。ユーザ端末200は、AVPサービスのユーザによって操作される端末装置である。典型的には、ユーザ端末200は、ユーザによって所有されている。ユーザ端末200としては、スマートフォン、タブレット、パソコン、等が例示される。
【0025】
以下、あるユーザXがAVPサービスを利用する場合を考える。車両1Xは、ユーザXが利用する車両1である。ユーザXのユーザ情報は、自動バレー駐車管理システム100に予め登録されているとする。
【0026】
ユーザXは、ユーザ端末200を用いて「ユーザリクエストREQ」を入力する。ユーザリクエストREQは、ユーザXによって指定(希望)される乗降位置2である「指定乗降位置2X」を少なくとも含む。指定乗降位置2Xは、駐車施設3からある程度離れている。ユーザリクエストREQは、更に、ユーザXによって指定(希望)される利用日時である「指定利用日時」を含んでいてもよい。ユーザXが出発する場合、指定乗降位置2Xは指定乗車位置であり、指定利用日時は指定乗車日時である。ユーザXが到着する場合、指定乗降位置2Xは指定降車位置であり、指定利用日時は指定降車日時である。ユーザXが到着する場合、ユーザリクエストREQは、更に、ユーザXによって指定(希望)される駐車施設3を示していてもよい。
【0027】
ユーザ端末200は、AVP管理システム100と通信を行い、AVP管理システム100にユーザリクエストREQを送る。AVP管理システム100は、ユーザ端末200から送られるユーザリクエストREQを取得し、AVPサービスの予約情報として保持する。
【0028】
ユーザXが出発する場合の基本的な処理は、次の通りである。典型的には、ユーザリクエストREQは、指定乗降位置2X(指定乗車位置)と指定利用日時(指定乗車日時)を示す。指定利用日時が近づくと、AVP管理システム100は、ユーザリクエストREQと地図情報MAPに基づいて、車両1Xに対する出庫指示を生成する。出庫指示は、目的地である指定乗降位置2Xの情報を含み、指定乗降位置2Xまで走行するよう車両1Xに指示する。出庫指示は、指定乗降位置2Xまでの走行ルートを含んでいてもよい。AVP管理システム100は、車両1Xと通信を行い、出庫指示を車両1Xに送信する。車両1Xは、出庫指示に従って出庫処理を行う。具体的には、車両1Xは、駐車施設3から自律的に出庫し、指定乗降位置2Xまで自律的に走行する。ユーザXは、指定乗降位置2Xにおいて車両1Xに乗車する。車両1Xは、出庫処理の完了をAVP管理システム100に通知する。その後、車両1Xは、自動運転あるいは手動運転により、指定乗降位置2Xから目的地に向かって走行する。
【0029】
ユーザ到着の場合の基本的な処理は、次の通りである。ユーザリクエストREQは、少なくとも指定乗降位置2X(指定降車位置)を示す。車両1Xは、自動運転あるいは手動運転により、指定乗降位置2Xに向かって走行する。ユーザXは、指定乗降位置2Xにおいて車両1Xから降車する。AVP管理システム100は、車両1Xを駐車するための駐車施設3を複数の候補の中から選択する。ユーザリクエストREQがユーザXによって指定(希望)される駐車施設3も示している場合、AVP管理システム100は、ユーザXによって指定される駐車施設3を予め確保しておいてもよい。ユーザリクエストREQが指定利用日時(指定降車日時)も示す場合、AVP管理システム100は、その指定利用日時を考慮して、空いている駐車施設3を予め確保してもよい。AVP管理システム100は、地図情報MAPに基づいて、車両1Xに対する入庫指示を生成する。入庫指示は、目的地である駐車施設3の情報を含み、駐車施設3まで走行するよう車両1Xに指示する。入庫指示は、駐車施設3までの走行ルートを含んでいてもよい。AVP管理システム100は、車両1Xと通信を行い、入庫指示を車両1Xに送信する。車両1Xは、入庫指示に従って入庫処理を行う。具体的には、車両1Xは、指定乗降位置2Xから駐車施設3まで自律的に走行し、駐車施設3に自律的に入庫する。そして、車両1Xは、入庫処理の完了をAVP管理システム100に通知する。
【0030】
2-2.情報提供処理
本実施の形態に係るAVP管理システム100は、更に、ユーザXに情報を提供する「情報提供処理」を行う。特に、AVP管理システム100は、上記のユーザリクエストREQに対する有用な情報をユーザXに提供(通知)する。ユーザXに提供される情報を、以下、「通知情報INF」と呼ぶ。典型的には、AVP管理システム100は、ユーザ端末200を介して、通知情報INFをユーザXに通知する。より詳細には、AVP管理システム100は、ユーザ端末200と通信を行い、ユーザ端末200に通知情報INFを送信する。ユーザ端末200は、表示装置を有しており、AVP管理システム100から受け取る通知情報INFを表示装置に表示する。これにより、ユーザXに通知情報INFが通知される。
【0031】
AVP管理システム100は、「参照情報REF」に基づいて通知情報INFを生成する。参照情報REFは、以下に説明される「スケジュール情報SKD」と「混雑状況情報CGS」のうち少なくとも一方を含む。
【0032】
2-2-1.スケジュール情報
スケジュール情報SKDは、AVPサービスのスケジュールを示す情報である。例えば、スケジュール情報SKDは、AVPサービスの予約状況を示す。他の例として、スケジュール情報SKDは、AVPサービスの利用予測を含んでいてもよい。
【0033】
図3は、スケジュール情報SKDの一例を説明するための概念図である。スケジュール情報SKDは、AVPサービスの予約毎のエントリを含んでいる。各エントリは、ユーザID、乗車か降車かを示す情報、指定利用日時、指定乗降位置、利用する車両1、車両1が駐車されている駐車施設3あるいは車両1を駐車する予定の駐車施設3、等を含む。AVP管理システム100は、各ユーザから受け取るユーザリクエストREQに基づいてスケジュール情報SKDを管理する。また、AVP管理システム100は、各車両1から受け取る入庫処理あるいは出庫処理の完了通知に基づいてスケジュール情報SKDを更新する。
【0034】
また、AVP管理システム100は、カレンダーシステムが管理するデータベースDB(図2参照)にアクセス可能である。カレンダーシステムは、サービスエリアAR内の住人のスケジュールを管理する。サービスエリアAR内で希望する住人は、自身のスケジュール(行動予定)をカレンダーシステムに登録することができる。そのスケジュールは、AVPサービスの利用予定を含んでいてもよい。AVP管理システム100は、カレンダーシステムと連携して、カレンダーシステムが管理するデータベースDBにアクセスすることによってスケジュール情報SKDを生成、更新してもよい。
【0035】
図4は、スケジュール情報SKDの他の例を説明するための概念図である。図4において、横軸は時間を表し、縦軸はある乗降位置2におけるAVPサービスの利用数を表す。AVPサービスの利用数は、予約数あるいは予測数である。つまり、図4に示される例では、スケジュール情報SKDは、乗降位置2毎のAVPサービスの予約状況あるいは利用予測を時系列的に示す。乗降位置2毎のAVPサービスの予約状況は、各ユーザから受け取るユーザリクエストREQに基づいて得られる。乗降位置2毎のAVPサービスの利用予測は、過去の統計情報から得られる。
【0036】
2-2-2.混雑状況情報
混雑状況情報CGSは、サービスエリアAR内の混雑状況を示す情報である。特に、混雑状況情報CGSは、サービスエリアAR内の移動体の混雑状況を示す。移動体は、車両1、モビリティ4(図1参照)、人間、等を含む。
【0037】
図5は、混雑状況情報CGSの一例を説明するための概念図である。図5に示される例では、混雑状況情報CGSは、サービスエリアAR内の混雑状況をヒートマップ形式で表している。
【0038】
例えば、車両1は、自身の位置を示す位置情報を取得する。モビリティ4も、自身の位置を示す位置情報を取得してもよい。AVP管理システム100は、車両1やモビリティ4と通信を行い、車両1やモビリティ4から位置情報を収集する。AVP管理システム100は、収集した位置情報に基づいて、車両1やモビリティ4に関する混雑状況情報CGSを生成、更新することができる。
【0039】
他の例として、車両1は、車載カメラを用いて、車両1の周囲の状況を示す画像情報を取得する。モビリティ4も、カメラを用いて、モビリティ4の周囲の状況を示す画像情報を取得してもよい。AVP管理システム100は、車両1やモビリティ4と通信を行い、車両1やモビリティ4から位置情報と共に画像情報を収集する。AVP管理システム100は、収集した画像情報を解析することによって、混雑状況情報CGSの生成、更新を行うことができる。
【0040】
更に他の例として、サービスエリアAR内に多数のインフラカメラ5(図2参照)が設置されていてもよい。インフラカメラ5は、周辺の状況を撮像し、画像情報をAVP管理システム100に送信する。AVP管理システム100は、インフラカメラ5から収集した画像情報を解析することによって、混雑状況情報CGSの生成、更新を行うことができる。
【0041】
2-2-3.出発の場合の情報提供処理
以下、ユーザXが出発する場合の情報提供処理の例を説明する。ユーザリクエストREQは、指定乗降位置2X(指定乗車位置)と指定利用日時(指定乗車日時)を示す。
【0042】
図6に示されるように、車両1Xは、駐車施設3から指定乗降位置2Xまで移動する。そのとき、駐車施設3から指定乗降位置2Xへの走行ルートRT上において移動体の混雑が発生している可能性がある。走行ルートRT上において移動体の混雑が発生している場合、車両1Xは、指定利用日時までに指定乗降位置2Xに到達できない可能性がある。つまり、ユーザリクエストREQに従ってユーザXにAVPサービスを提供できない可能性がある。
【0043】
図7は、指定乗降位置2Xが混雑している場合を示している。図7に示される例では、指定乗降位置2Xは、共用の乗降場である。ラッシュアワー等において、多数のユーザが同じ乗降場でAVPサービスを利用するという状況が考えらえる。つまり、ユーザXの指定利用日時と同一の時間帯に、多数のユーザが同じ乗降場を利用するという状況が考えられる。共用の乗降場のキャパシティは限られているため、たとえ車両1Xがその乗降場の近傍まで到達したとしても、ユーザXの順番が回ってくるまでには更に時間がかかる可能性がある。その場合、ユーザXは指定利用日時に車両1Xに乗車することができない可能性がある。つまり、ユーザリクエストREQに従ってユーザXにAVPサービスを提供できない可能性がある。
【0044】
そこで、例えば、AVP管理システム100は、ユーザリクエストREQに従ってユーザXにAVPサービスを提供可能か否かを判定する「判定処理」を実行する。この判定処理は、上述の参照情報REF、すなわち、スケジュール情報SKDと混雑状況情報CGSの少なくとも一方に基づいて行われる。
【0045】
例えば、図6で示されたような走行ルートRT上の移動体の混雑状況は、混雑状況情報CGSに基づいて把握することができる。AVP管理システム100は、車両1Xの位置情報、指定乗降位置2X、地図情報MAP、及び混雑状況情報CGSに基づいて、車両1Xが指定乗降位置2Xに到達する時刻を予測する。そして、AVP管理システム100は、予測到達時刻と指定利用日時とを比較して、判定処理を行う。
【0046】
他の例として、図7で示されたような指定乗降位置2Xにおける混雑状況は、指定乗降位置2Xに関するスケジュール情報SKD(図3図4参照)、あるいは、指定乗降位置2Xに関する混雑状況情報CGSに基づいて把握することができる。つまり、AVP管理システム100は、参照情報REFに基づいて、指定乗降位置2Xにおける混雑状況を把握することができる。AVP管理システム100は、指定乗降位置2Xにおける混雑状況に基づいて、ユーザXが車両1Xに乗車することができるようになる時刻を予測する。そして、AVP管理システム100は、予測乗車時刻と指定利用日時とを比較して、判定処理を行う。
【0047】
情報提供処理において、AVP管理システム100は、ユーザ端末200を介して、通知情報INFをユーザXに通知する。
【0048】
例えば、通知情報INFは、判定処理の結果、つまり、ユーザXが希望するAVPサービスの利用可否を示す。判定処理の結果が否定的であった場合、ユーザXは、ユーザリクエストREQの変更を検討することができる。つまり、ユーザXは、指定乗降位置2X及び指定利用日時のうち少なくとも一方の変更を検討することができる。あるいは、ユーザXは、車両1Xが駐車されている駐車施設3に直接向かって、車両1Xに直接乗り込むことを検討することができる。
【0049】
判定処理の結果が否定的であった場合、AVP管理システム100は、参照情報REFに基づいて、以下に例示されるような通知情報INFをユーザXに通知してもよい。あるいは、判定処理の結果にかかわらず、AVP管理システム100は、以下に例示されるような通知情報INFをユーザXに通知してもよい。
【0050】
例えば、通知情報INFは、車両1Xの現在位置から指定乗降位置2Xへの走行ルートRT上の混雑状況を含んでいてもよい。AVP管理システム100は、車両1Xの位置情報、指定乗降位置2X、地図情報MAP、及び混雑状況情報CGSに基づいて、走行ルートRT上の混雑状況を取得する。この通知情報INFを受け取ったユーザXは、車両1Xが混雑箇所を回避することができるように指定乗降位置2Xを変更することを検討することができる。あるいは、ユーザXは、車両1Xが駐車されている駐車施設3に直接向かって、車両1Xに直接乗り込むことを検討することができる。
【0051】
他の例として、通知情報INFは、指定乗降位置2Xにおける混雑状況を含んでいてもよい。AVP管理システム100は、指定乗降位置2Xに関するスケジュール情報SKD、あるいは、指定乗降位置2Xに関する混雑状況情報CGSに基づいて、指定乗降位置2Xにおける混雑状況を取得する。この通知情報INFを受け取ったユーザXは、指定乗降位置2Xを変更することを検討することができる。あるいは、ユーザXは、車両1Xが駐車されている駐車施設3に直接向かって、車両1Xに直接乗り込むことを検討することができる。
【0052】
更に他の例として、通知情報INFは、指定乗降位置2XにおいてユーザXが車両1Xに乗車することができるまでの待ち時間を含んでいてもよい。AVP管理システム100は、車両1Xの位置情報、指定乗降位置2X、地図情報MAP、及び混雑状況情報CGSに基づいて、車両1Xが指定乗降位置2Xに到達する時刻を予測する。あるいは、AVP管理システム100は、指定乗降位置2Xにおける混雑状況に基づいて、ユーザXが車両1Xに乗車することができるようになる時刻を予測する。AVP管理システム100は、予測到達時刻あるいは予測乗車時刻に基づいて待ち時間を算出する。この通知情報INFを受け取ったユーザXは、ユーザリクエストREQの変更を検討することができる。あるいは、ユーザXは、車両1Xが駐車されている駐車施設3に直接向かって、車両1Xに直接乗り込むことを検討することができる。
【0053】
更に他の例として、通知情報INFは、指定乗降位置2Xにおける推奨利用時間帯を含んでいてもよい。例えば、推奨利用時間帯は、指定乗降位置2Xが比較的空いている時間帯である。AVP管理システム100は、図4で示されたようなスケジュール情報SKDに基づいて、指定乗降位置2XにおけるAVPサービスの予約状況あるいは利用予測を把握し、推奨利用時間帯を決定する。この通知情報INFを受け取ったユーザXは、指定利用日時を推奨利用時間帯に含まれる時刻に変更することを検討することができる。
【0054】
更に他の例として、通知情報INFは、指定乗降位置2Xの代わりの「代替乗降位置2S(代替乗車位置)」を含んでいてもよい。図8は、代替乗降位置2Sを概念的に示している。例えば、車両1の現在位置から指定乗降位置2Xへの走行ルートRT上に混雑箇所が存在する場合、代替乗降位置2Sは、車両1がその混雑箇所を回避してアクセス可能な乗降位置2である。AVP管理システム100は、車両1Xの位置情報、指定乗降位置2X、地図情報MAP、及び混雑状況情報CGSに基づいて、そのような代替乗降位置2Sを探索することができる。他の例として、指定乗降位置2Xが混雑している場合、代替乗降位置2Sは、指定乗降位置2Xよりも空いている乗降位置2である。AVP管理システム100は、スケジュール情報SKDあるいは混雑状況情報CGSに基づいて、そのような代替乗降位置2Sを探索することができる。いずれの場合であっても、元の指定乗降位置2Xがそのまま用いられる場合と比較して、ユーザXが車両1Xにより早く乗車することができるように代替乗降位置2Sが決定されると好適である。この通知情報INFを受け取ったユーザXは、指定乗降位置2Xを代替乗降位置2Sに変更することを検討することができる。
【0055】
2-2-4.到着の場合の情報提供処理
以下、ユーザXが到着する場合の情報提供処理の例を説明する。ユーザリクエストREQは、少なくとも指定乗降位置2X(指定降車位置)を示す。ユーザリクエストREQは、更に、指定利用日時(指定降車日時)を示してもよい。
【0056】
ユーザXは、車両1Xに乗車中であり、指定乗降位置2Xにおいて車両1Xから降車する予定である。図9に示されるように、車両1Xは、自動運転あるいは手動運転により、サービスエリアAR内の指定乗降位置2Xに向かって走行する。そのとき、車両1Xの現在位置から指定乗降位置2Xへの走行ルートRT上において移動体の混雑が発生している可能性がある。走行ルートRT上において移動体の混雑が発生している場合、車両1Xが指定乗降位置2Xに到達するまでに時間がかかる。時間がかかるのであれば、ユーザXは、自動バレー駐車サービスを利用する代わりに、自分で車両1Xを駐車することを望む可能性がある。つまり、図10に示されるように、ユーザXは、指定乗降位置2Xの代わりに駐車施設3に直接向かって、自分で車両1Xを駐車施設3に駐車することを望む可能性がある。
【0057】
また、既出の図7で示されたように、指定乗降位置2Xが混雑している場合も考えられる。その場合、ユーザXの順番が回ってくるまでには更に時間がかかる可能性がある。時間がかかるのであれば、ユーザXは、自動バレー駐車サービスを利用する代わりに、自分で車両1Xを駐車することを望む可能性がある。つまり、図10に示されるように、ユーザXは、指定乗降位置2Xの代わりに駐車施設3に直接向かって、自分で車両1Xを駐車施設3に駐車することを望む可能性がある。
【0058】
情報提供処理において、AVP管理システム100は、ユーザ端末200を介して、通知情報INFをユーザXに通知する。具体的には、AVP管理システム100は、参照情報REFに基づいて、以下に例示されるような通知情報INFをユーザXに通知する。
【0059】
例えば、通知情報INFは、車両1Xの現在位置から指定乗降位置2Xへの走行ルートRT上の混雑状況を含んでいてもよい。AVP管理システム100は、車両1Xの位置情報、指定乗降位置2X、地図情報MAP、及び混雑状況情報CGSに基づいて、走行ルートRT上の混雑状況を取得する。この通知情報INFを受け取ったユーザXは、車両1Xが混雑箇所を回避することができるように指定乗降位置2Xを変更することを検討することができる。あるいは、ユーザXは、駐車施設3に直接向かって、自分で車両1Xを駐車施設3に駐車することを検討することができる。
【0060】
他の例として、通知情報INFは、指定乗降位置2Xにおける混雑状況を含んでいてもよい。AVP管理システム100は、指定乗降位置2Xに関するスケジュール情報SKD、あるいは、指定乗降位置2Xに関する混雑状況情報CGSに基づいて、指定乗降位置2Xにおける混雑状況を取得する。この通知情報INFを受け取ったユーザXは、指定乗降位置2Xを変更することを検討することができる。あるいは、ユーザXは、駐車施設3に直接向かって、自分で車両1Xを駐車施設3に駐車することを検討することができる。
【0061】
更に他の例として、通知情報INFは、指定乗降位置2XにおいてユーザXが車両1Xから降車することができるまでの待ち時間を含んでいてもよい。AVP管理システム100は、車両1Xの位置情報、指定乗降位置2X、地図情報MAP、及び混雑状況情報CGSに基づいて、車両1Xが指定乗降位置2Xに到達する時刻を予測する。あるいは、AVP管理システム100は、指定乗降位置2Xにおける混雑状況に基づいて、ユーザXが車両1Xから降車することができるようになる時刻を予測する。AVP管理システム100は、予測到達時刻あるいは予測降車時刻に基づいて待ち時間を算出する。この通知情報INFを受け取ったユーザXは、ユーザリクエストREQの変更を検討することができる。あるいは、ユーザXは、駐車施設3に直接向かって、自分で車両1Xを駐車施設3に駐車することを検討することができる。
【0062】
更に他の例として、通知情報INFは、指定乗降位置2Xにおける推奨利用時間帯を含んでいてもよい。例えば、推奨利用時間帯は、指定乗降位置2Xが比較的空いている時間帯である。AVP管理システム100は、図4で示されたようなスケジュール情報SKDに基づいて、指定乗降位置2XにおけるAVPサービスの予約状況あるいは利用予測を把握し、推奨利用時間帯を決定する。この通知情報INFを受け取ったユーザXは、指定利用日時を推奨利用時間帯に含まれる時刻に変更することを検討することができる。
【0063】
更に他の例として、通知情報INFは、指定乗降位置2Xの代わりの「代替乗降位置2S(代替降車位置)」を含んでいてもよい。図11は、代替乗降位置2Sを概念的に示している。例えば、車両1の現在位置から指定乗降位置2Xへの走行ルートRT上に混雑箇所が存在する場合、代替乗降位置2Sは、車両1がその混雑箇所を回避してアクセス可能な乗降位置2である。AVP管理システム100は、車両1Xの位置情報、指定乗降位置2X、地図情報MAP、及び混雑状況情報CGSに基づいて、そのような代替乗降位置2Sを探索することができる。他の例として、指定乗降位置2Xが混雑している場合、代替乗降位置2Sは、指定乗降位置2Xよりも空いている乗降位置2である。AVP管理システム100は、スケジュール情報SKDあるいは混雑状況情報CGSに基づいて、そのような代替乗降位置2Sを探索することができる。いずれの場合であっても、元の指定乗降位置2Xがそのまま用いられる場合と比較して、ユーザXが車両1Xからより早く降車することができるように代替乗降位置2Sが決定されると好適である。この通知情報INFを受け取ったユーザXは、指定乗降位置2Xを代替乗降位置2Sに変更することを検討することができる。
【0064】
ユーザリクエストREQが指定乗降位置2X(指定降車位置)及び指定利用日時(指定降車日時)を示す場合、AVP管理システム100は、上述の「判定処理」を行ってもよい。つまり、AVP管理システム100は、ユーザリクエストREQに従ってユーザXにAVPサービスを提供可能か否かを判定してもよい。上述の通り、判定処理は、参照情報REF、すなわち、スケジュール情報SKDと混雑状況情報CGSの少なくとも一方に基づいて行われる。
【0065】
判定処理の結果が否定的であった場合、AVP管理システム100は、上述の通知情報INFをユーザXに通知してもよい。
【0066】
更に他の例として、通知情報INFは、判定処理の結果、つまり、ユーザXが希望するAVPサービスの利用可否を示してもよい。判定処理の結果が否定的であった場合、ユーザXは、ユーザリクエストREQの変更を検討することができる。あるいは、ユーザXは、駐車施設3に直接向かって、自分で車両1Xを駐車施設3に駐車することを検討することができる。
【0067】
2-3.効果
以上に説明されたように、本実施の形態によれば、AVPサービスに関するユーザXからのユーザリクエストREQに対する有用な通知情報INFがユーザXに提供される。通知情報INFを受け取ったユーザXは、ユーザリクエストREQの変更等を検討することができる。すなわち、ユーザXが取り得る選択肢の幅が広がる。従って、AVPサービスの利便性が向上する。
【0068】
ユーザXがユーザリクエストREQを変更した場合、指定乗降位置2Xにおける混雑がより早く緩和されることが期待される。つまり、各乗降位置2の利用が空間的あるいは時間的に平滑化されることが期待される。このことは、AVPサービスの効率が向上することを意味し、好適である。
【0069】
指定利用日時において指定乗降位置2Xが混雑している場合、ユーザリクエストREQの変更に対してインセンティブが与えられてもよい。例えば、ユーザリクエストREQの変更に応じてくれたユーザXには特典が与えられる。これにより、各乗降位置2の利用の平滑化が更に促進されることが期待される。その結果、AVPサービスの効率が更に向上する。
【0070】
3.車両制御システム
3-1.構成例
図12は、本実施の形態に係る車両制御システム10の構成例を示すブロック図である。車両制御システム10は、車両1を制御する。典型的には、車両制御システム10は、車両1に搭載されている。あるいは、車両制御システム10の少なくとも一部は、車両1の外部の遠隔運転システムに含まれ、車両1を遠隔制御してもよい。つまり、車両制御システム10は、車両1と外部装置とに分散的に配置されてもよい。
【0071】
車両制御システム10は、センサ群20、通信装置30、走行装置40、及び制御装置50を含んでいる。
【0072】
センサ群20は、車両1の状態を検出する車両状態センサを含む。車両状態センサは、速度センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、舵角センサ、等を含んでいる。また、センサ群20は、車両1の周辺の状況を認識(検出)する認識センサを含んでいる。認識センサとしては、カメラ、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)、レーダ、等が例示される。更に、センサ群20は、車両1の位置及び方位を検出する位置センサを含む。位置センサとしては、GPS(Global Positioning System)センサが例示される。
【0073】
通信装置30は、車両1の外部と通信を行う。例えば、通信装置30は、AVP管理システム100と通信を行う。
【0074】
走行装置40は、操舵装置、駆動装置、及び制動装置を含んでいる。操舵装置は、車輪を転舵する。例えば、操舵装置は、パワーステアリング(EPS: Electric Power Steering)装置を含んでいる。駆動装置は、駆動力を発生させる動力源である。駆動装置としては、エンジン、電動機、インホイールモータ、等が例示される。制動装置は、制動力を発生させる。
【0075】
制御装置50は、車両1を制御する。制御装置50は、1又は複数のプロセッサ51(以下、単にプロセッサ51と呼ぶ)と1又は複数の記憶装置52(以下、単に記憶装置52と呼ぶ)を含んでいる。プロセッサ51は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ51は、CPU(Central Processing Unit)を含んでいる。記憶装置52は、各種情報を格納する。記憶装置52としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、等が例示される。プロセッサ51がコンピュータプログラムである制御プログラムを実行することにより、プロセッサ51(制御装置50)による各種処理が実現される。制御プログラムは、記憶装置52に格納されている、あるいは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている。制御装置50は、1又は複数のECU(Electronic Control Unit)を含んでいてもよい。
【0076】
3-2.運転環境情報
プロセッサ51は、センサ群20を用いて、車両1の運転環境を示す運転環境情報70を取得する。運転環境情報70は、記憶装置52に格納される。
【0077】
図13は、運転環境情報70の例を示すブロック図である。運転環境情報70は、車両状態情報71、周辺状況情報72、位置情報73、及び地図情報MAPを含んでいる。
【0078】
車両状態情報71は、車両状態センサによって検出される車両状態(車速等)を示す。プロセッサ51は、車両状態センサから車両状態情報71を取得する。
【0079】
周辺状況情報72は、認識センサによる認識結果を示す。例えば、周辺状況情報72は、カメラによって撮像される画像を含む。周辺状況情報72は、車両1の周辺の物体に関する物体情報を含んでいてもよい。車両1の周辺の物体としては、歩行者、他車両(先行車両、駐車車両、等)、標識、白線、路側構造物、等が例示される。物体情報は、車両1に対する物体の相対位置及び相対速度を示す。プロセッサ51は、認識センサによる認識結果に基づいて周辺状況情報72を取得する。
【0080】
位置情報73は、車両1の位置を示す情報である。プロセッサ51は、位置センサによる検出結果から位置情報73を取得する。また、プロセッサ51は、周辺状況情報72と地図情報MAPを利用した周知の自己位置推定処理(Localization)により、高精度な位置情報73を取得してもよい。
【0081】
地図情報MAPは、一般的なナビゲーション地図を含む。更に、地図情報MAPは、サービスエリアAR内の道路、乗降位置2(共用の発着場)、駐車施設3、ランドマーク、等の配置を含んでいる。また、地図情報MAPは、各駐車施設3の内部の地図情報、すなわち、駐車スペースの配置等も含んでいる。例えば、プロセッサ51は、外部システムから地図情報MAPを取得する。地図情報MAPは、AVP管理システム100から提供されてもよい。
【0082】
3-3.通信処理
プロセッサ51は、通信装置30を介してAVP管理システム100と通信を行う。プロセッサ51は、運転環境情報70の少なくとも一部を定期的にAVP管理システム100に送信する。例えば、プロセッサ51は、位置情報73を定期的にAVP管理システム100に送信する。プロセッサ51は、周辺状況情報72をAVP管理システム100に送信してもよい。
【0083】
また、プロセッサ51は、通信装置30を介して、上述の入庫指示及び出庫指示をAVP管理システム100から受信する。入庫指示は、目的地である駐車施設3の情報を含み、駐車施設3まで走行するよう指示する。入庫指示は、駐車施設3までの走行ルートを含んでいてもよい。出庫指示は、目的地である指定乗降位置2Xの情報を含み、指定乗降位置2Xまで走行するよう指示する。出庫指示は、指定乗降位置2Xまでの走行ルートを含んでいてもよい。
【0084】
3-4.車両走行制御、自動運転制御
プロセッサ51は、車両1の走行を制御する「車両走行制御」を実行する。車両走行制御は、操舵制御、加速制御、及び減速制御を含む。プロセッサ51は、走行装置40(操舵装置、駆動装置、制動装置)を制御することによって車両走行制御を実行する。
【0085】
更に、プロセッサ51は、上述の運転環境情報70に基づいて、車両1の自動運転を制御する「自動運転制御」を実行する。具体的には、プロセッサ51は、運転環境情報70に基づいて、車両1の走行プランを生成する。走行プランは、目的地までの大まかな目標経路や、目標動作を含む。目標動作としては、現在の走行車線を維持する、車線変更を行う、障害物を回避する、等が例示される。更に、プロセッサ51は、運転環境情報70に基づいて、車両1が走行プランに従って走行するために必要な目標トラジェクトリ(目標軌道)を生成する。目標トラジェクトリは、目標位置及び目標速度を含んでいる。そして、プロセッサ51は、車両1が目標トラジェクトリに追従するように、上記の車両走行制御を行う。
【0086】
入庫指示に応答して、プロセッサ51は、車両1が目的地である駐車施設3まで走行して駐車施設3に入庫するように自動運転制御を行う(入庫処理)。また、出庫指示に応答して、プロセッサ51は、車両1が目的地である指定乗降位置2Xまで走行するように自動運転制御を行う(出庫処理)。
【0087】
手動運転の場合、プロセッサ51は、ドライバによる運転操作に従って車両走行制御を行う。
【0088】
4.AVP管理システム
4-1.構成例
図14は、本実施の形態に係るAVP管理システム100の構成例を示すブロック図である。AVP管理システム100は、例えば、管理サーバである。AVP管理システム100は、分散システムであってもよい。AVP管理システム100は、通信装置110、1又は複数のプロセッサ120(以下、単にプロセッサ120と呼ぶ)、及び1又は複数の記憶装置130(以下、単に記憶装置130と呼ぶ)を含んでいる。
【0089】
通信装置110は、外部との通信を行う。例えば、通信装置110は、ユーザ端末200と通信を行う。また、通信装置110は、車両1と通信を行う。また、通信装置110は、モビリティ4と通信を行う。また、通信装置110は、インフラカメラ5と通信を行う。
【0090】
プロセッサ120は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ120は、CPUを含んでいる。プロセッサ120がコンピュータプログラムである自動バレー駐車管理プログラムPROGを実行することによって、AVP管理システム100の機能が実現される。自動バレー駐車管理プログラムPROGは、記憶装置130に格納される。自動バレー駐車管理プログラムPROGは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。自動バレー駐車管理プログラムPROGは、ネットワーク経由で提供されてもよい。
【0091】
記憶装置130は、各種情報を格納する。記憶装置130としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD、SSD、等が例示される。
【0092】
地図情報MAPは、サービスエリアAR内の道路、乗降位置2(共用の発着場)、駐車施設3、ランドマーク、等の配置を示す。また、地図情報MAPは、各駐車施設3の内部の地図情報、すなわち、駐車スペースの配置等も含む。地図情報MAPは、あらかじめ記憶装置130に格納される。
【0093】
4-2.情報取得処理
プロセッサ120は、通信装置110を介して車両1と通信を行い、車両1から送られる位置情報73を取得する。位置情報73は、車両1の位置を示す。位置情報73は、記憶装置130に格納される。
【0094】
プロセッサ120は、通信装置110を介してユーザ端末200と通信を行い、ユーザ端末200から送られるユーザリクエストREQを取得する。ユーザリクエストREQは、ユーザXによって指定(希望)される指定乗降位置2Xを少なくとも含む。更に、ユーザリクエストREQは、ユーザXによって指定(希望)される指定利用日時を含んでいてもよい。ユーザリクエストREQは、ユーザXによって指定(希望)される駐車施設3を含んでいてもよい。ユーザリクエストREQは、記憶装置130に格納される。
【0095】
プロセッサ120は、AVPサービスのスケジュールを示すスケジュール情報SKDを取得する。例えば、スケジュール情報SKDは、AVPサービスの予約状況を示す(図3参照)。AVPサービスの予約状況は、各ユーザから受け取るユーザリクエストREQに基づいて得られる。プロセッサ120は、各ユーザから受け取るユーザリクエストREQに基づいて、スケジュール情報SKDの生成及び更新を行う。あるいは、プロセッサ120は、カレンダーシステムが管理するデータベースDBにアクセスして、スケジュール情報SKDの生成及び更新を行ってもよい。スケジュール情報SKDは、乗降位置2毎のAVPサービスの予約状況あるいは利用予測を時系列的に示してもよい(図4参照)。乗降位置2毎のAVPサービスの予約状況は、各ユーザから受け取るユーザリクエストREQに基づいて得られる。乗降位置2枚のAVPサービスの利用予測は、過去の統計情報から得られる。スケジュール情報SKDは、記憶装置130に格納される。
【0096】
また、プロセッサ120は、サービスエリアAR内の混雑状況を示す混雑状況情報CGSを取得する(図5参照)。特に、混雑状況情報CGSは、サービスエリアAR内の移動体の混雑状況を示す。移動体は、車両1、モビリティ4、人間、等を含む。例えば、プロセッサ120は、通信装置110を介して車両1から位置情報73を収集し、収集した位置情報73に基づいて混雑状況情報CGSの生成、更新を行う。他の例として、プロセッサ120は、通信装置110を介して車両1から周辺状況情報72(画像情報)を収集し、収集した画像情報に基づいて混雑状況情報CGSの生成、更新を行ってもよい。モビリティ4から車両1の場合と同様の情報を収集し、混雑状況情報CGSの生成、更新を行うこともできる。更に他の例として、プロセッサ120は、通信装置110を介してインフラカメラ5から画像情報を収集し、収集した画像情報に基づいて混雑状況情報CGSの生成、更新を行ってもよい。混雑状況情報CGSは、記憶装置130に格納される。
【0097】
参照情報REFは、スケジュール情報SKDと混雑状況情報CGSのうち少なくとも一つを含む。
【0098】
4-3.指示処理
プロセッサ120は、ユーザリクエストREQと地図情報MAPに基づいて、車両1Xに対する出庫指示を生成する。出庫指示は、目的地である指定乗降位置2Xの情報を含み、指定乗降位置2Xまで走行するよう車両1Xに指示する。出庫指示は、指定乗降位置2Xまでの走行ルートを含んでいてもよい。プロセッサ120は、通信装置110を介して車両1Xと通信を行い、出庫指示を車両1Xに送信する。
【0099】
また、プロセッサ120は、地図情報MAPに基づいて、車両1Xに対する入庫指示を生成する。入庫指示は、目的地である駐車施設3の情報を含み、駐車施設3まで走行するよう車両1Xに指示する。入庫指示は、駐車施設3までの走行ルートを含んでいてもよい。プロセッサ120は、通信装置110を介して車両1Xと通信を行い、入庫指示を車両1Xに送信する。
【0100】
尚、プロセッサ120は、車両1Xを駐車するための駐車施設3を複数の候補の中から選択する。ユーザリクエストREQがユーザXによって指定される駐車施設3も示している場合、プロセッサ120は、ユーザXによって指定される駐車施設3を予め確保しておいてもよい。ユーザリクエストREQが指定利用日時(指定降車日時)も示す場合、プロセッサ120は、その指定利用日時を考慮して、空いている駐車施設3を予め確保してもよい。
【0101】
4-4.情報提供処理
プロセッサ120は、ユーザXに情報を提供する情報提供処理を行う。より詳細には、プロセッサ120は、参照情報REFに基づいて通知情報INFを生成する。そして、プロセッサ120は、通信装置110を介してユーザ端末200と通信を行い、ユーザ端末200に通知情報INFを送信する。ユーザ端末200は、表示装置を有しており、受け取った通知情報INFを表示装置に表示する。これにより、ユーザXに通知情報INFが通知される。
【0102】
4-4-1.第1の例
図15は、情報提供処理に関連する処理の第1の例を示すフローチャートである。
【0103】
ステップS100において、プロセッサ120は、通信装置110を介してユーザ端末200からユーザリクエストREQを取得する。
【0104】
ステップS300において、プロセッサ120は、ユーザリクエストREQと参照情報REFに基づいて情報提供処理を行う。通知情報INFの例としては、上述のセクション2-2-3及びセクション2-2-4で説明したものが挙げられる。通知情報INFは、以下に例示される情報のうち少なくとも一つを含む。
(a)ユーザXが希望するAVPサービスの利用可否
(b)車両1Xの現在位置から指定乗降位置2Xへの走行ルートRT上の混雑状況
(c)指定乗降位置2Xにおける混雑状況
(d)指定乗降位置2XにおいてユーザXが車両1Xに乗車する、あるいは、車両1Xから降車することができるまでの待ち時間
(e)指定乗降位置2Xにおける推奨利用時間帯
(f)指定乗降位置2Xの代わりの代替乗降位置2S
【0105】
4-4-2.第2の例
図16は、情報提供処理に関連する処理の第2の例を示すフローチャートである。ステップS100は、第1の例の場合と同様である。
【0106】
ステップS200において、プロセッサ120は、ユーザリクエストREQに従ってユーザXにAVPサービスを提供可能か否かを判定する「判定処理」を行う。この判定処理は、上述の参照情報REF、すなわち、スケジュール情報SKDと混雑状況情報CGSの少なくとも一方に基づいて行われる。
【0107】
例えば、走行ルートRT上の混雑状況は、走行ルートRTに関する混雑状況情報CGSに基づいて把握することができる。プロセッサ120は、車両1Xの位置情報、指定乗降位置2X、地図情報MAP、及び混雑状況情報CGSに基づいて、車両1Xが指定乗降位置2Xに到達する時刻を予測する。そして、プロセッサ120は、予測到達時刻と指定利用日時とを比較して、判定処理を行う。
【0108】
他の例として、指定乗降位置2Xにおける混雑状況は、指定乗降位置2Xに関するスケジュール情報SKD、あるいは、指定乗降位置2Xに関する混雑状況情報CGSに基づいて把握することができる。プロセッサ120は、参照情報REFに基づいて、指定乗降位置2Xにおける混雑状況を把握する。更に、プロセッサ120は、指定乗降位置2Xにおける混雑状況に基づいて、ユーザXが車両1Xに乗車する、あるいは、車両1Xから降車することができるようになる時刻を予測する。そして、AVP管理システム100は、予測乗車/降車時刻と指定利用日時とを比較して、判定処理を行う。
【0109】
ユーザリクエストREQに従ってユーザXにAVPサービスを提供することができる場合、すなわち、判定処理の結果が肯定的である場合(ステップS200;Yes)、処理は、ステップS310に進む。一方、ユーザリクエストREQに従ってユーザXにAVPサービスを提供することができない場合、すなわち、判定処理の結果が否定的である場合(ステップS200;No)、処理は、ステップS320に進む。
【0110】
ステップS310において、プロセッサ120は、第1情報提供処理を行う。具体的には、プロセッサ120は、ユーザXが希望するAVPサービスが利用可能である旨を示す通知情報INFを生成する。そして、プロセッサ120は、通信装置110を介してユーザ端末200と通信を行い、ユーザ端末200に通知情報INFを送信する。
【0111】
ステップS320において、プロセッサ120は、第2情報提供処理を行う。この場合の通知情報INFは、上述のステップS300の場合の通知情報INFと同様である。プロセッサ120は、通信装置110を介してユーザ端末200と通信を行い、ユーザ端末200に通知情報INFを送信する。
【0112】
以上に説明された情報提供処理により、ユーザリクエストREQに対する有用な通知情報INFがユーザXに提供される。通知情報INFを受け取ったユーザXは、ユーザリクエストREQの変更等を検討することができる。すなわち、ユーザXが取り得る選択肢の幅が広がる。従って、AVPサービスの利便性が向上する。
【符号の説明】
【0113】
1 車両
2 乗降位置
2S 代替乗降位置
2X 指定乗降位置
3 駐車施設
4 モビリティ
5 インフラカメラ
10 車両制御システム
20 センサ群
30 通信装置
40 走行装置
50 制御装置
70 運転環境情報
71 車両状態情報
72 周辺状況情報
73 位置情報
100 自動バレー駐車(AVP)管理システム
110 通信装置
120 プロセッサ
130 記憶装置
200 ユーザ端末
AR サービスエリア
CGS 混雑状況情報
INF 通知情報
MAP 地図情報
PROG 自動バレー駐車(AVP)管理プログラム
REF 参照情報
REQ ユーザリクエスト
SKD スケジュール情報
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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図15
図16