(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186248
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】プロジェクタ装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20221208BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20221208BHJP
G09G 3/02 20060101ALI20221208BHJP
H04N 9/31 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H04N5/74 H
G02B26/10 C
G02B26/10 A
G09G3/02 Q
H04N9/31 290
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094375
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】内山 龍
【テーマコード(参考)】
2H045
5C058
5C060
5C080
【Fターム(参考)】
2H045AB13
2H045AB72
2H045BA12
2H045BA13
2H045BA24
2H045CA82
2H045CA97
2H045CA98
5C058BA04
5C058BA29
5C058BA35
5C058EA05
5C058EA13
5C058EA27
5C058EA51
5C060GD01
5C060HC20
5C060HD07
5C060JA20
5C060JB06
5C080AA17
5C080CC02
5C080CC03
5C080DD01
5C080EE19
5C080FF14
5C080JJ02
5C080JJ07
(57)【要約】
【課題】複雑な構成とならずに投射映像の品質低下を防止することができるプロジェクタ装置を提供すること。
【解決手段】プロジェクタ装置100は、出射したレーザ光を、振動させたMEMSミラー120で反射することにより、スクリーン200上でレーザ光を走査して映像を投影しており、スクリーン200上の一部に設けられてレーザ光を反射する再帰反射ミラー210と、表示対象の映像信号を、レーザ光の走査に合わせて変調して変調信号を生成する走査処理部172と、変調信号に基づいて各色のレーザダイオード140、142、144を駆動するレーザ駆動部174と、再帰反射ミラー210によって反射されたレーザ光を検出して検出信号を出力する検出部150、152、154と、各検出部から出力される検出信号に基づいて、走査処理部172による変調タイミングを調整する変調タイミング調整部178とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源から出射したレーザ光を、振動させた反射ミラーで反射することにより、スクリーン上でレーザ光を走査して映像を投影するプロジェクタ装置であって、
前記スクリーン上の一部に設けられて前記レーザ光を反射する反射部材と、
表示対象の映像信号を、前記レーザ光の走査に合わせて変調して変調信号を生成する変調手段と、
前記変調信号に基づいて前記レーザ光源を駆動するレーザ駆動手段と、
前記反射部材によって反射された前記レーザ光を検出して検出信号を出力する検出手段と、
前記検出手段から出力される検出信号に基づいて、前記変調手段による変調タイミングを調整する変調タイミング調整手段と、
を備えることを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項2】
前記変調タイミング調整手段は、所定の温度環境下における前記検出信号と使用状態における前記検出信号との差分に基づいて前記変調タイミングを調整することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ装置。
【請求項3】
前記所定の温度環境は、常温時であることを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ装置。
【請求項4】
前記レーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、緑色のレーザ光を出射する第2のレーザ光源と、青色のレーザ光を出射する第3のレーザ光源とを有し、
前記変調タイミング調整手段は、前記第1、第2および第3のレーザ光源のそれぞれから出射される各レーザ光に対応して、個別に変調タイミングを調整することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のプロジェクタ装置。
【請求項5】
前記反射部材は、再帰反射ミラーであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のプロジェクタ装置。
【請求項6】
前記反射ミラーは、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)ミラーであることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のプロジェクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像をスクリーンに投射するプロジェクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ブランキング期間の最後の走査線の端部を反射光が走査したときに受光する枠体の所定位置に配置された受光素子の出力に基づいて、走査ミラーの駆動信号の周波数を共振周波数に合わせた後に、駆動信号の位相を制御するようにした光走査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、走査ミラーの搖動の位相を一定に保つようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示された光走査装置では、枠体の一部に取り付けられた受光素子から出力される検出信号を信号線を介して取り込む必要があるため、そのための配線の引き回しが必要になって構成が複雑になるという問題があった。例えば、走査ミラーやレーザ光源、光走査装置などを基板上に形成しようとしても、枠体に取り付ける受光素子は同じ基板上に配置できないため、これらの間の配線が必要になる。
【0005】
また、レーザ光源としてRGB3色のレーザダイオードを用いる場合を想定すると、走査ミラーの駆動信号の位相を制御しただけでは、環境温度変化に伴って各色ごとにずれた位相を制御することはできず、投射映像の形状や色が不自然になって映像品質が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、複雑な構成とならずに投射映像の品質低下を防止することができるプロジェクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明のプロジェクタ装置は、レーザ光源から出射したレーザ光を、振動させた反射ミラーで反射することにより、スクリーン上でレーザ光を走査して映像を投影するプロジェクタ装置であって、スクリーン上の一部に設けられてレーザ光を反射する反射部材と、表示対象の映像信号を、レーザ光の走査に合わせて変調して変調信号を生成する変調手段と、変調信号に基づいてレーザ光源を駆動するレーザ駆動手段と、反射部材によって反射されたレーザ光を検出して検出信号を出力する検出手段と、検出手段から出力される検出信号に基づいて、変調手段による変調タイミングを調整する変調タイミング調整手段とを備えている。
【0008】
環境温度の変化に起因してレーザ光の走査位置と映像信号の変調タイミングとがずれた場合であっても、スクリーンの一部で反射したレーザ光を検出することにより、そのずれた分を調整することができ、投射映像の形状や色が不自然になって映像品質が低下することを防止することができる。また、スクリーン側に受光素子を設ける必要がないため、このような受光素子を用いた場合の配線の引き回しが不要であって、構成を簡素化することができる。
【0009】
また、上述した変調タイミング調整手段は、所定の温度環境下における検出信号と使用状態における検出信号との差分に基づいて変調タイミングを調整することが望ましい。特に、上述した所定の温度環境は、常温時であることが望ましい。これにより、変調タイミングのずれがない(あるいは少ない)温度環境(具体的には常温時)から温度が変化した場合の変調タイミングのずれを調整することが可能となる。
【0010】
また、上述したレーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、緑色のレーザ光を出射する第2のレーザ光源と、青色のレーザ光を出射する第3のレーザ光源とを有し、変調タイミング調整手段は、第1、第2および第3のレーザ光源のそれぞれから出射される各レーザ光に対応して、個別に変調タイミングを調整することが望ましい。これにより、RGBのそれぞれのレーザ光を重ねあわせて任意の色の映像を表示する場合に、各色のレーザ光の変調タイミングのずれによって混色が不十分になることを防止することができ、映像の自然な色の再現による映像品質の低下防止が可能となる。
【0011】
また、上述した反射部材は、再帰反射ミラーであることが望ましい。これにより、反射部材から検出手段に向けて確実に光を反射させることができる。
【0012】
また、上述した反射ミラーは、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)ミラーであることが望ましい。これにより、MEMSミラーを用いてプロジェクタ装置を構成した場合の映像の品質向上や構成の簡素化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態のプロジェクタ装置の構成を示す図である。
【
図2】常温時に各光検出部の検出結果を記録する動作手順を示す流れ図である。
【
図3】温度環境が変化した使用時に変調タイミングを変更する動作手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した一実施形態のプロジェクタ装置について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、一実施形態のプロジェクタ装置の構成を示す図である。
図1に示すプロジェクタ装置100は、スクリーン200に映像を投影するためのものであり、オプティカル・エンジン(OE)110と制御部160を備えている。
【0016】
オプティカル・エンジン110は、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)ミラー120、反射ミラー130、ダイクロイックミラー132、134、赤色レーザダイオード(R-LD)140、緑色レーザダイオード(G-LD)142、青色レーザダイオード(B-LD)144、赤色光検出部(R-PD)150、緑色光検出部(G-PD)152、青色光検出部(B-PD)154を含んでいる。
【0017】
MEMSミラー120は、例えば、単結晶シリコン上に金属のコイルを形成し、その内側にMEMS加工技術によりミラー部を形成し、基板の下に磁石を配置することにより構成されている。
【0018】
反射ミラー130は、赤色レーザダイオード140から出射した赤色レーザ光をMEMSミラー120の方向に反射する。ダイクロイックミラー132は、緑色レーザダイオード142から出射した緑色レーザ光をMEMSミラー120の方向に反射するとともに、反射ミラー130によって反射された赤色レーザ光をMEMSミラー120の方向に透過させる。ダイクロイックミラー134は、青色レーザダイオード144から出射した青色レーザ光をMEMSミラー120の方向に反射するとともに、ダイクロイックミラー132によって反射あるいは透過した赤色レーザ光と緑色レーザ光をMEMSミラー120の方向に透過させる。
【0019】
ダイクロイックミラー134で反射あるいは透過した赤緑青各色のレーザ光がMEMSミラー120内のミラー部に入射され、このミラー部を水平方向および垂直方向に振動させることにより、ミラー部で反射したレーザ光をスクリーン200上で走査することができる。
【0020】
本実施形態では、スクリーン200の投影面の一部であって複数箇所に反射部材としての再帰反射ミラー210が設けられている。MEMSミラー120で反射されたレーザ光の走査位置が各再帰反射ミラー210に到達すると、各再帰反射ミラー210で反射されたレーザ光が、MEMSミラー120の近傍に設けられた赤色光検出部150、緑色光検出部152、青色光検出部154に入射される。
【0021】
赤色光検出部150は、入射される光に含まれる赤色成分を検出する。緑色光検出部152は、入射される光に含まれる緑色成分を検出する。青色光検出部154は、入射される光に含まれる青色成分を検出する。
【0022】
また、制御部160は、映像信号受信部170、走査処理部172、レーザ駆動部174、MEMSミラー駆動部176、変調タイミング調整部178、温度センサ(T)180を含んでいる。
【0023】
映像信号受信部170は、外部機器から入力される所定形式の映像信号を受信してRGB形式の映像信号を出力する。この映像信号の内容は、本実施形態では特に限定されない。例えば、ディスク再生装置から出力される映画などの映像信号であってもよいし、インターネットを介して配信される動画の映像信号であってもよい。あるいは、動画に限らず静止画であってもよい。
【0024】
走査処理部172は、映像信号受信部170から出力される映像信号に基づいて各色に対応する変調処理を行う。スクリーン200上でレーザ光を走査する場合に、MEMSミラー120の振動状態に対応させて各画素毎に各色のレーザ光を出射する必要があり、各色毎にレーザ光を出射させるタイミングや出力レベルを指定する信号を生成する必要がある。このため、走査処理部172は、MEMSミラー120のミラー部の振動状態を制御するとともに、この振動状態に対応するように、各色のレーザ光を出射するための変調処理を各色毎に行って変調信号を出力する。
【0025】
MEMSミラー駆動部176は、走査処理部172の制御に応じてMEMSミラー120を駆動する。例えば、MEMSミラー120のミラー部は、スクリーン200上の水平方向に共振周波数で振動し、垂直方向にこの共振周波数よりも低い周波数で振動するように駆動される。
【0026】
レーザ駆動部174は、走査処理部172から出力される各色毎の変調信号に基づいて、赤色レーザダイオード140、緑色レーザダイオード142、青色レーザダイオード144のそれぞれを駆動する。
【0027】
変調タイミング調整部178は、赤色光検出部150、緑色光検出部152、青色光検出部154の各検出結果に基づいて、走査処理部172の変調処理を行う際の変調タイミングを変更する。
【0028】
温度センサ180は、プロジェクタ装置100、特にオプティカル・エンジン110の温度を検出する。
【0029】
所定の温度環境下(例えば常温時)において各画素毎に各色のレーザ光が出射されるように調整がなされていても、高温環境下では各レーザダイオード140、142、144やMEMSミラー120の温度が上昇することによって各レーザ光の出射タイミングがずれてしまい、各画素毎の混色が不十分になり、投射映像の形状や色に影響がでる。変調タイミング調整部178による変調タイミングの変更は、このような影響を除去するために行われる。
【0030】
上述した赤色レーザダイオード140、緑色レーザダイオード142、青色レーザダイオード144がレーザ光源に、走査処理部172が変調手段に、レーザ駆動部174がレーザ駆動手段に、赤色光検出部150、緑色光検出部152、青色光検出部154が検出手段に、変調タイミング調整部178が変調タイミング調整手段にそれぞれ対応する。
【0031】
本実施形態のプロジェクタ装置100はこのような構成を有しており、次に、温度環境が常温時から外れた場合の変調タイミングの調整動作について説明する。
【0032】
本実施形態のプロジェクタ装置100では、変調タイミング調整部178は、常温時に赤色光検出部150、緑色光検出部152、青色光検出部154のそれぞれから出力される検出結果(出力波形)を予め内部メモリ等に記録しておいて、高温環境下などの使用時に赤色光検出部150、緑色光検出部152、青色光検出部154のそれぞれから出力される検出結果との差分を色毎に算出し、この差分を減じる方向に各色の変調タイミングをずらす指示を走査処理部172に対して行う。
【0033】
図2は、常温時に各光検出部の検出結果を記録する動作手順を示す流れ図である。変調タイミング調整部178は、温度センサ180によって検出された温度が常温か否かを判定する(ステップ100)。常温でない場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、常温の場合にはステップ100の判定において肯定判断が行われる。
【0034】
次に、走査処理部172は、MEMSミラー駆動部176とレーザ駆動部174に指示を送って所定の映像(例えば白色の映像)を表示させる(ステップ102)。その後、変調タイミング調整部178は、赤色光検出部150、緑色光検出部152、青色光検出部154のそれぞれから出力される検出結果(出力波形)を取得し(ステップ104)、内部メモリ等に記録する(ステップ106)。
【0035】
図3は、温度環境が変化した使用時に変調タイミングを変更する動作手順を示す流れ図である。この動作手順は、プロジェクタ装置100の使用時に、定期的に実施することが望ましい。
【0036】
変調タイミング調整部178は、温度センサ180によって検出された温度が常温から外れたか否かを判定する(ステップ200)。外れていない場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、常温から外れた場合(例えば、所定の基準温度を超えた高温時)にはステップ200の判定において肯定判断が行われる。
【0037】
次に、操作処理部172は、MEMSミラー駆動部176とレーザ駆動部174に指示を送って所定の映像(例えば白色の映像)を表示させる(ステップ202)。また、変調タイミング調整部178は、赤色光検出部150、緑色光検出部152、青色光検出部154のそれぞれから出力される検出結果(出力波形)を取得し(ステップ204)、内部メモリ等に記録しておいた常温時の検出結果との差分を各色毎に算出し(ステップ206)、各色の差分が所定値以下か否かを判定する(ステップ208)。全ての色の差分が所定値以下でない場合には否定判断が行われる。次に、変調タイミング調整部178は、差分を減じる方向に走査処理部172における各色毎の変調タイミングを変更する(ステップ208)。その後、ステップ204に戻って検出結果の取得動作以降が繰り返される。そして、全ての色の差分が所定値以下になるとステップ208の判定において肯定判断が行われ、変調タイミング変更に関する一連の動作が終了する。
【0038】
このように、本実施形態のプロジェクタ装置100では、環境温度の変化に起因してレーザ光の走査位置と映像信号の変調タイミングとがずれた場合であっても、スクリーン200の一部で反射したレーザ光を検出することにより、そのずれた分を調整することができ、投射映像の形状や色が不自然になって映像品質が低下することを防止することができる。また、スクリーン200側に受光素子を設ける必要がないため、このような受光素子を用いた場合の配線の引き回しが不要であって、構成を簡素化することができる。
【0039】
また、所定の温度環境下(特に常温時)における検出信号と使用状態における検出信号との差分に基づいて変調タイミングを調整しており、変調タイミングのずれがない(あるいは少ない)温度環境(常温時)から温度が変化した場合の変調タイミングのずれを調整することが可能となる。
【0040】
また、RGBのそれぞれのレーザ光を重ねあわせて任意の色の映像を表示する場合に、各色のレーザ光の変調タイミングのずれによって混色が不十分になることを防止することができ、映像の自然な色の再現による映像品質の低下防止が可能となる。
【0041】
また、反射部材として再帰反射ミラー210を用いることにより、反射部材から赤色光検出部150、緑色光検出部152、青色光検出部154のそれぞれに向けて確実に光を反射させることができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、反射部材として再帰反射ミラー210を用いたが、それ以外の反射ミラーを用いるようにしてもよい。また、使用する反射部材(再帰反射ミラー210)の数は必ずしも複数ではなく1個であってもよい。また、白色の映像を表示して変調タイミングの調整を行ったが、白色以外の映像を用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
上述したように、本発明によれば、環境温度の変化に起因してレーザ光の走査位置と映像信号の変調タイミングとがずれた場合であっても、スクリーンの一部で反射したレーザ光を検出することにより、そのずれた分を調整することができ、投射映像の形状や色が不自然になって映像品質が低下することを防止することができる。また、スクリーン側に受光素子を設ける必要がないため、このような受光素子を用いた場合の配線の引き回しが不要であって、構成を簡素化することができる。
【符号の説明】
【0044】
100 プロジェクタ装置
110 オプティカル・エンジン(OE)
120 MEMSミラー
130 反射ミラー
132、134 ダイクロイックミラー
140 赤色レーザダイオード(R-LD)
142 緑色レーザダイオード(G-LD)
144 青色レーザダイオード(B-LD)
150 赤色光検出部
152 緑色光検出部
154 青色光検出部
160 制御部
170 映像信号受信部
172 走査処理部
174 レーザ駆動部
176 MEMSミラー駆動部
178 変調タイミング調整部
180 温度センサ(T)
200 スクリーン
210 再帰反射ミラー