(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186252
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20221208BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20221208BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20221208BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G09F9/00 304Z
G02F1/1334
G02F1/1345
G02F1/13357
G09F9/00 346D
G09F9/00 334
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094380
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市原 一輝
(72)【発明者】
【氏名】麻野 直之
【テーマコード(参考)】
2H092
2H189
2H391
5G435
【Fターム(参考)】
2H092GA40
2H092GA50
2H092GA54
2H092HA02
2H092HA18
2H092JA24
2H092NA25
2H189AA04
2H189DA71
2H189HA16
2H391AA13
2H391AB04
2H391AB14
2H391AB23
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE12
5G435EE27
5G435EE30
5G435EE37
5G435EE47
5G435GG42
(57)【要約】
【課題】 ICチップの温度上昇を抑制することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態における表示装置は、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面と前記第2面を接続する第1側面とを有する第1基板と、第2側面を有し、前記第1面に対向する第2基板と、前記第1基板に実装されたICチップと、前記第2面に接し、前記ICチップから発せられた熱を放熱する第1放熱層と、を備える。前記第1基板は、前記第1側面を含み、前記第2基板の前記第2側面よりも延出する延出部を有し、前記ICチップは、前記延出部における前記第1面に位置し、前記第1放熱層は、前記第1基板の厚さ方向において前記ICチップと重なる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面と前記第2面を接続する第1側面とを有する第1基板と、
第2側面を有し、前記第1面に対向する第2基板と、
前記第1基板に実装されたICチップと、
前記第2面に接し、前記ICチップから発せられた熱を放熱する第1放熱層と、を備え、
前記第1基板は、前記第1側面を含み、前記第2基板の前記第2側面よりも延出する延出部を有し、
前記ICチップは、前記延出部における前記第1面に位置し、
前記第1放熱層は、前記第1基板の厚さ方向において前記ICチップと重なる、
表示装置。
【請求項2】
前記第1放熱層の面積は、前記第1基板に垂直な方向からの平面視で前記ICチップの面積より大きい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1放熱層の熱伝導率は、前記第1基板が有する基材の熱伝導率より高い、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1基板の前記第2面に対向する第1配線基板をさらに備え、
前記第1放熱層は、前記第2面と前記第1配線基板との間に位置し、
前記第1配線基板は、前記第1放熱層に接する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1放熱層は、前記第2面と前記第1配線基板とを接着する接着材である、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記延出部に実装され、前記第1配線基板と電気的に接続されたフレキシブル配線基板をさらに備える、
請求項4または5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記ICチップに接する第2放熱層をさらに備える、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2放熱層の厚さは、前記第1放熱層の厚さより厚い、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記延出部に対向する第2配線基板と、前記第2配線基板に実装された光源とを有する発光モジュールをさらに備え、
前記第2放熱層は、前記ICチップと前記第2配線基板との間に位置する、
請求項7または8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2放熱層は、前記第2配線基板と接する、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2放熱層は、前記ICチップと前記第2配線基板とを接着する接着材である、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1基板と前記第2基板との間に配置された高分子分散液晶層をさらに備える、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の表示装置として、液晶表示装置および有機EL表示装置等が広く用いられている。これらの表示装置は、例えば表示領域を有する表示パネルと、表示領域の外側において表示パネルに実装された1つあるいは複数のICチップと、を備えている。ICチップは、例えば表示領域に含まれる多数の画素を駆動する。
【0003】
他にも高分子分散液晶層(PDLC;Polymer Dispersed Liquid Crystal)を有する表示パネルを備えた表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。高分子分散液晶層は、光を散乱する散乱状態と光を透過する透過状態とを切り替えることできる。表示パネルを散乱状態に切り替えることで、表示装置は画像を表示することが可能となる。一方、表示パネルを透過状態に切り替えることで、ユーザは、表示パネルを透かして背景を視認することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示装置を駆動させると、ICチップを流れる電流等の影響によりICチップは発熱する。ICチップが過剰に温度上昇すると、ICチップの破損やICチップの性能が十分に発揮できない等の問題が発生するおそれがある。
【0006】
そこで、本開示は、ICチップの温度上昇を抑制することが可能な表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態における表示装置は、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面と前記第2面を接続する第1側面とを有する第1基板と、第2側面を有し、前記第1面に対向する第2基板と、前記第1基板に実装されたICチップと、前記第2面に接し、前記ICチップから発せられた熱を放熱する第1放熱層と、を備える。前記第1基板は、前記第1側面を含み、前記第2基板の前記第2側面よりも延出する延出部を有し、前記ICチップは、前記延出部における前記第1面に位置し、前記第1放熱層は、前記第1基板の厚さ方向において前記ICチップと重なる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態における表示装置の一構成例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における表示装置の一構成例を示す底面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した発光モジュールの一構成例を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における表示装置の一構成例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、
図5に示した表示装置の一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0010】
各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0011】
本実施形態においては、各図に示すように第1方向X、第2方向Yおよび第3方向Zを定義する。第1方向X、第2方向Yおよび第3方向Zは互いに直交するが、90°以外の角度で交差してもよい。また、本実施形態において、第3方向Zを上または上方と定義し、第3方向Zと反対側の方向を下または下方と定義する。
【0012】
「第1部材の上方の第2部材」および「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、第1部材から離れて位置していてもよい。以下、第1方向Xおよび第2方向Yで規定されるX-Y平面を見ることを平面視という。
【0013】
本実施形態においては、表示装置の一例として、高分子分散型液晶を適用した、背景を視認可能な透光性の液晶表示装置を開示する。なお、本実施形態は、他種の表示装置に対する、本実施形態にて開示される個々の技術的思想の適用を妨げるものではない。
【0014】
他種の表示装置としては、例えば、バックライトの光を利用して画像を表示する透過型の液晶表示装置、外光を利用して画像を表示する反射型の液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示素子またはLight Emitting Diode(LED)表示素子を有する自発光型の表示装置、電気泳動素子を有する電子ペーパ型の表示装置、Micro Electro Mechanical Systems(MEMS)を応用した表示装置、あるいはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などが想定される。
【0015】
図1は、本実施形態における表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。
図2は、本実施形態における表示装置DSPの一構成例を示す底面図である。
図1および
図2に示すように表示装置DSPは、高分子分散液晶層(以下、単に液晶層LCとする)を有する表示パネルPNLと、フレキシブル配線基板1と、ICチップ2と、第1配線基板3と、発光モジュール100とを備えている。表示装置DSPは、後述の第1カバー部材30と、第2カバー部材40とをさらに備えている。
【0016】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、シールSEとを有している。第1基板SUB1および第2基板SUB2は、X-Y平面と平行な平板形状である。第1基板SUB1および第2基板SUB2は、平面視において重畳している。第1基板SUB1および第2基板SUB2は、シールSEによって接着されている。液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に配置され、シールSEによって封止されている。
【0017】
図1において拡大して模式的に示すように、液晶層LCは、ポリマー31と、液晶分子32とを含んでいる。一例では、ポリマー31は、液晶性ポリマーである。ポリマー31は、第1方向Xに沿って延出した筋状に形成され、第2方向Yに並んでいる。
【0018】
液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第1方向Xに沿うように配向される。ポリマー31および液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。
【0019】
一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層LCにしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。液晶層LCに電圧が印加されていない状態では、ポリマー31および液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに平行であり、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内でほとんど散乱されることなく透過する(透過状態)。液晶層LCに電圧が印加された状態では、ポリマー31および液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに交差し、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内で散乱される(散乱状態)。
【0020】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAを額縁状に囲む周辺の周辺領域PAとを有している。シールSEは、周辺領域PAに位置している。表示領域DAは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配列された画素PXを含んでいる。
【0021】
図1において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線Gおよび信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。
【0022】
画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。共通電極CEは、複数の画素電極PEに対して共通に設けられている。液晶層LC(特に、液晶分子32)は、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動される。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極との間、および、画素電極PEと同電位の電極との間に形成される。
【0023】
図3において説明するが、走査線G、信号線S、スイッチング素子SW、および画素電極PEは第1基板SUB1に設けられ、共通電極CEは第2基板SUB2に設けられている。第1基板SUB1において、走査線Gおよび信号線Sは、フレキシブル配線基板1あるいはICチップ2と電気的に接続されている。
【0024】
第1基板SUB1は、第1方向Xに沿って延出した一対の側面E11,E12と、第2方向Yに沿って延出した一対の側面E13,E14とを有している。
図1および
図2に示す例では、側面E11,E12は長辺に沿って形成された側面であり、側面E13,E14は短辺に沿って形成された側面である。
【0025】
第2基板SUB2は、第1方向Xに沿って延出した一対の側面E21,E22と、第2方向Yに沿って延出した一対の側面E23,E24とを有している。
図1および
図2に示す例では、側面E21,E22は長辺に沿って形成された側面であり、側面E23,E24は短辺に沿って形成された側面である。
【0026】
図1および
図2に示す例では、平面視において、側面E12およびE22、側面E13およびE23、および、側面E14およびE24はそれぞれ重畳しているが、重畳していなくてもよい。
【0027】
第1基板SUB1は、第2基板SUB2の側面E21よりも延出した延出部Ex1を有している。他の観点からは、延出部Ex1は第2基板SUB2と重畳していない。延出部Ex1には、側面E11が含まれる。側面E21は、平面視において側面E11と表示領域DAとの間に位置している。なお、第1基板SUB1および第2基板SUB2の形状は矩形状に限られない。
【0028】
フレキシブル配線基板1およびICチップ2は、延出部Ex1に実装されている。フレキシブル配線基板1およびICチップ2の各々は、第1方向Xに並んでいる。フレキシブル配線基板1は例えばフレキシブルプリント回路基板であり、
図1および
図2に示す例では第1配線基板3に向けて折り曲げられている。ICチップ2は、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバ等を内蔵している。例えば、1つのICチップ2に対して、1つのフレキシブル配線基板1が電気的に接続されている。フレキシブル配線基板1およびICチップ2は、表示パネルPNLからの信号を読み出す場合もあるが、主として表示パネルPNLに信号を供給する信号源として機能する。
【0029】
図1および
図2に示す例では、表示装置DSPは複数(例えば4つ)のフレキシブル配線基板1を備えているが、単一のフレキシブル配線基板1を備えてもよい。また、表示装置DSPは複数(例えば4つ)のICチップ2を備えているが、単一のICチップ2を備えてもよい。
【0030】
第1配線基板3は、例えばプリント回路基板である。第1配線基板3は、例えばフレキシブル配線基板1より剛性が高い。他の観点からは、第1配線基板3の厚さは、例えばフレキシブル配線基板1の厚さより厚い。すなわち、第1配線基板3は、フレキシブル配線基板1より折り曲げにくい。
図2に示すように第1配線基板3は、コネクタ4を有している。フレキシブル配線基板1は、コネクタ4を介して第1配線基板3と接続されている。他の観点からは、フレキシブル配線基板1は、第1基板SUB1を第1配線基板3と電気的に接続している。
【0031】
さらに、第1配線基板3は、コネクタ5を介して図示しない制御部と接続されている。制御部から出力される各種信号や電源電圧は、第1配線基板3、フレキシブル配線基板1を介して、表示パネルPNLに出力される。第1配線基板3は、第1基板SUB1の側面E11より突出した位置に側面E31を有している。側面E11は、平面視において側面E21と側面E31との間に位置している。
【0032】
発光モジュール100の詳細については後述するが、発光モジュール100は、表示パネルPNLの側面(あるいは端部)に沿って設けられている。
図1に示す例では、発光モジュール100は、延出部Ex1に設けられている。発光モジュール100は、第2配線基板101を有している。第2配線基板101は、各種信号や電源電圧を入力するためにコネクタ6を介して外部と電気的に接続されている。第1配線基板3および第2配線基板101は、表示パネルPNLより第1方向Xおよび第1方向Xの反対方向に延出した部分を有してもよい。
【0033】
図3は、
図1および
図2に示した表示パネルPNLの一構成例を示す断面図である。第1基板SUB1は、透明基板10と、絶縁膜11,12と、容量電極13と、スイッチング素子SWと、画素電極PEと、配向膜AL1とを有している。透明基板10は、主面10A(第2面)と、主面10Aの反対側の主面10B(第1面)とを有している。
【0034】
スイッチング素子SWは、主面10B側に設けられている。絶縁膜11は、主面10Bに設けられ、スイッチング素子SWを覆っている。なお、
図1に示した走査線Gおよび信号線Sは、透明基板10と絶縁膜11との間に設けられているが、ここでは図示を省略している。容量電極13は、絶縁膜11および絶縁膜12との間に設けられている。
【0035】
画素電極PEは、絶縁膜12と配向膜AL1との間において、画素PX毎に設けられている。つまり、容量電極13は、透明基板10と画素電極PEとの間に設けられている。画素電極PEは、容量電極13の開口部OPを介してスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、絶縁膜12を挟んで、容量電極13と重畳し、画素PXの容量CSを形成している。配向膜AL1は、画素電極PEを覆っている。
【0036】
第2基板SUB2は、第1基板SUB1に対向している。第2基板SUB2は、透明基板20と、共通電極CEと、配向膜AL2とを有している。透明基板20は、主面20Aと、主面20Aの反対側の主面20Bとを有している。透明基板20の主面20Aは、透明基板10の主面10Bと向かい合っている。
【0037】
共通電極CEは、主面20Aに設けられている。配向膜AL2は、共通電極CEを覆っている。液晶層LCは、主面10Bと主面20Aとの間に位置し、配向膜AL1および配向膜AL2に接している。なお、第2基板SUB2において、スイッチング素子SW、走査線G、および信号線Sの直上にそれぞれ遮光層が設けられてもよい。また、透明基板20と共通電極CEとの間、あるいは、共通電極CEと配向膜AL2との間に、透明な絶縁膜が設けられてもよい。
【0038】
共通電極CEは、複数の画素PXに亘って配置され、第3方向Zにおいて、複数の画素電極PEと対向している。共通電極CEは、容量電極13とは同電位である。液晶層LCは、画素電極PEと共通電極CEとの間に位置している。
【0039】
例えば、透明基板10は第1基板SUB1の基材に相当し、透明基板20は第2基板SUB2の基材に相当する。透明基板10,20は、例えばガラス基板であるが、プラスチック基板等の絶縁基板であってもよい。絶縁膜11は、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物等の透明な無機絶縁膜、およびアクリル樹脂等の透明な有機絶縁膜を含んでいる。絶縁膜12は、例えばシリコン窒化物等の透明な無機絶縁膜である。容量電極13、画素電極PE、および共通電極CEは、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料によって形成された透明電極である。
【0040】
図4は、
図1に示した発光モジュール100の一構成例を示す斜視図である。発光モジュール100は、第2配線基板101と、接着層102と、複数の光源110と、導光体(例えば、プリズムレンズ)120とを有している。複数の光源110は、第2配線基板101に実装されている。
【0041】
複数の光源110は、第2方向Yにおいて導光体120と対向している。複数の光源110は、第1方向Xに沿って間隔をおいて並び、第2配線基板101に電気的に接続されている。
【0042】
光源110は、赤色LED、緑色LED、青色LEDのLEDが連続的に並ぶ。また、光源110はそれぞれ異なる3色のLEDが連続的に並ぶ配置に限らず、例えば白色光を出射する白色光源のみが連続的に並ぶものであってもよい。
【0043】
導光体120は、例えば樹脂製であり、透明な棒状に形成され第1方向Xに沿って延出している。導光体120は、例えば各光源110に対応する複数の曲面を有し、光源110から照射される光の第1方向Xにおける幅を制御する。導光体120は、接着層102により第2配線基板101に接着されている。導光体120は、複数の導光体から構成されてもよい。なお、発光モジュール100が備える光源110の個数および導光体120の個数は、図示した例に限られない。
【0044】
図5は、本実施形態における表示装置DSPの一構成例を示す断面図である。
図6は、
図5に示した表示装置DSPの一部を示す平面図である。
図6においては、主に延出部Ex1等を図示し、発光モジュール100の図示は省略している。
【0045】
上述の通り、表示装置DSPは、表示パネルPNLと、フレキシブル配線基板1と、ICチップ2と、第1配線基板3と、発光モジュール100とを備えている。なお、表示パネルPNLについては、主要部のみを簡略化して図示している。
【0046】
表示装置DSPは、第1カバー部材30と、第2カバー部材40と、第2基板SUB2と第1カバー部材30とを接着する接着層AD1と、第1基板SUB1と第2カバー部材40とを接着する接着層AD2とをさらに備えている。
図5に示す例では、第1カバー部材30および第2カバー部材40は、第3方向Zにおいて表示領域DAと重なっているが、延出部Ex1と重なっていない。第1配線基板3は、第3方向Zにおいて延出部Ex1と重なっているが、表示領域DAと重なっていない。
【0047】
図1を用いて説明したように第1基板SUB1において、透明基板10は、側面E11(第1側面)を有している。側面E11は、主面10Aと主面10Bを接続している。第2基板SUB2において、透明基板20は、側面E21(第2側面)を有している。側面E21は、主面20Aと主面20Bを接続している。側面E11は、第2方向Yの反対方向に透明基板20の側面E21より突出している。側面E11,E21は、第1方向Xおよび第3方向Zによって規定されるX-Z平面とほぼ平行な面である。
【0048】
第1カバー部材30は、主面30Aと、主面30Aの反対側の主面30Bと、主面30Aと主面30Bを接続する側面30Cとを有している。主面30A,30Bは、X-Y平面とほぼ平行な面である。主面30Aは、透明基板20の主面20Bに対向している。側面30Cは、X-Z平面とほぼ平行な面である。側面30Cは、第2方向Yにおいて発光モジュール100側に位置している。
図5に示す例では、側面30Cは側面E21の直上に位置しているが、第2方向Yにずれてもよい。
【0049】
第2カバー部材40は、主面40Aと、主面40Aの反対側の主面40Bと、主面40Aと主面40Bを接続する側面40Cとを有している。主面40A,40Bは、X-Y平面とほぼ平行な面である。主面40Bは、透明基板10の主面10Aに対向している。側面40Cは、X-Z平面とほぼ平行な面である。側面40Cは、第2方向Yにおいて発光モジュール100側に位置している。側面40Cは、第1配線基板3に対向している。
【0050】
側面40Cは、第2方向Yにおいて側面30Cより表示領域DAの側に位置している。
図5に示す例では、側面40Cは、第3方向Zにおいて側面30Cの直下に位置せず、側面E21(側面30C)と表示領域DAとの間の周辺領域PA1と重なっている。他の観点からは、側面40Cは、第2方向Yにおいて側面30Cと表示領域DAとの間に位置している。
図5に示す例では、側面40Cは、第2方向Yにおいて側面30Cから距離L1離れている。一方、
図5に示す例では、第2カバー部材40における側面40Cの反対側の側面は、側面30Cの反対側の側面の直下に位置している。
【0051】
接着層AD1は、透明基板20の主面20Bと第1カバー部材30の主面30Aとを接着している。接着層AD1は、第2方向Yにおいて、側面30C側の端部AD1aを有している。接着層AD1は側面30Cの直下まで形成されていないが、側面30Cの直下まで形成されてもよい。
【0052】
接着層AD2は、透明基板10の主面10Aと第2カバー部材40の主面40Bとを接着している。接着層AD2は、第2方向Yにおいて、側面40C側の端部AD2aを有している。接着層AD2は側面40Cの直上まで形成されていないが、側面40Cの直上まで形成されてもよい。
【0053】
接着層AD1,AD2は、第3方向Zにおいて、表示領域DAと重なっている。他の観点からは、表示領域DAにおける液晶層LCは、第3方向Zにおいて、接着層AD1と接着層AD2との間に位置している。接着層AD1,AD2は、例えば紫外線のほとんどを遮蔽することができる。ここで遮蔽には、紫外線を反射すること、および吸収すること等が含まれる。表示領域DAを覆うように接着層AD1,AD2を形成することで、外光に含まれる紫外線の液晶層LCへの影響を抑制できる。
【0054】
端部AD1a,AD2aは、第3方向Zにおいて、周辺領域PA1と重なっている。端部AD2aは、端部AD1aより表示領域DAの側に位置している。
図5に示す例では、端部AD2aは、第2方向Yにおいて端部AD1aと表示領域DAとの間であって、側面40Cと表示領域DAとの間に位置している。接着層AD1,AD2は、例えばOptical Clear Adhesive(OCA)等で形成される。
【0055】
図5に示す例では、透明基板10、透明基板20、第1カバー部材30、および第2カバー部材40の各々の第3方向Zに沿った厚さはほぼ同等である。第1カバー部材30および第2カバー部材40は、例えばガラス基板であるが、プラスチック基板等の絶縁基板であってもよい。
【0056】
発光モジュール100は、第3方向Zにおいて延出部Ex1と重なっている。第2配線基板101は、延出部Ex1において、透明基板10の主面10Bに対向する主面101Aを有している。光源110は、主面101A側に実装されている。
【0057】
光源110および導光体120は、第3方向Zにおいて、延出部Ex1と第2配線基板101との間に設けられている。
図5に示す例において光源110および導光体120は、側面E21に沿って設けられている。導光体120は、第2方向Yにおいて、光源110と側面E21との間、および、光源110と側面30Cとの間に設けられている。
【0058】
導光体120は、接着層102により第2配線基板101に接着されるとともに、接着層103により延出部Ex1に接着されている。接着層102,103は例えば両面テープ等で形成される。接着層102,103は、例えば反射層と、反射層の両面に形成された粘着層とで構成されている。
【0059】
次に、光源110から出射される光について説明する。光源110は、側面30Cおよび側面E21の少なくとも1つに向けて光を照射する。
図5に示す例では、光源110は、側面30Cおよび側面E21に向けて光を照射している。光源110から出射された光は、導光体120において適度に拡散され、側面E21から透明基板20に入射するとともに、側面30Cから第1カバー部材30に入射する。
【0060】
透明基板20および第1カバー部材30に入射した光は、繰り返し反射されながら、表示パネルPNLの内部を伝播する。電圧が印加されていない液晶層LCに入射した光は、ほとんど散乱されることなく液晶層LCを透過する。
【0061】
また、電圧が印加された液晶層LCに入射した光は、液晶層LCで散乱される。表示装置DSPは、画像を主面30B側から観察可能であるとともに、主面40A側からも観察可能である。また、表示装置DSPが主面30B側から観察された場合であっても、主面40A側から観察された場合であっても、表示装置DSPを介して、表示装置DSPの背景を観察可能である。
【0062】
第1配線基板3は、主面10Aに対向する主面3Bと、主面3Bと反対側の主面3Aと、一対の側面E31,E32とを有している。主面3Aには、フレキシブル配線基板1が接続されるコネクタ4が設けられている。主面3A,3Bは、X-Y平面とほぼ平行な面である。一対の側面E31,E32は、X-Z平面とほぼ平行な面である。一対の側面E31,E32は、主面3Aと主面3Bを接続している。
【0063】
図5に示す例においてコネクタ4は、第1配線基板3の主面3Aの第2方向Yの中央部より側面E32側に位置している。コネクタ4は、例えば第3方向Zにおいて、導光体120と重なっている。ただし、主面3Aにおけるコネクタ4の位置は、図示した例に限られない。
【0064】
第1配線基板3は、透明基板10の側面E11より突出している。他の観点からは、側面E31は、第2方向Yの反対方向に透明基板10の側面E11より突出している。側面E32は側面E31の反対側に位置し、第2カバー部材40の側面40Cに対向している。第1配線基板3は、第2方向Yにおいて第2カバー部材40と並び、
図5に示す例では第2カバー部材40の左方に位置している。
【0065】
第1配線基板3の側面E32は、第3方向Zにおいて、周辺領域PA1と重なっている。他の観点からは、側面E32は、第2方向Yにおいて、側面40Cと側面30Cとの間に位置している。
図5に示す例では、第1配線基板3は、第3方向Zにおいて、透明基板10だけでなく、第1カバー部材30および透明基板20と重なっている。
【0066】
図5に示す例では、ICチップ2は、延出部Ex1における主面10Bに位置している。ICチップ2は、透明基板10の主面10Aに対向する面の反対側に位置する上面2Bを有している。上面2Bは、第2配線基板101の主面101Aに対向している。表示装置DSPは、第1放熱層HR1と、第2放熱層HR2とをさらに備えている。第1放熱層HR1および第2放熱層HR2の各々は、主にICチップ2から発せられた熱を放熱する。
【0067】
第1放熱層HR1は、透明基板10の主面10Aと第1配線基板3の主面3Bとの間に位置し、
図5の例では主面10Aおよび主面3Bの各々に接している。第1放熱層HR1は、第1基板SUB1の厚さ方向(第3方向Z)においてICチップ2と重なっている。
【0068】
第2放熱層HR2は、ICチップ2の上面2Bと第2配線基板101の主面101Aとの間に位置し、
図5の例では上面2Bおよび主面101Aの各々に接している。第2放熱層HR2は、第3方向ZにおいてICチップ2と重なっている。第2放熱層HR2の第3方向Zの厚さは、例えば第1放熱層HR1の第3方向Zの厚さより厚い。
【0069】
図6は、第1基板SUB1の延出部Ex1に垂直な方向から透明基板10の主面10B側を見ている。
図6に示す例では、第1放熱層HR1には斜線を付し、第2放熱層HR2にはドットを付している。第1放熱層HR1の面積は、例えば平面視でICチップ2の面積より大きい。他の観点からは、第1放熱層HR1は、ICチップ2を覆うように透明基板10の主面10A側に形成されている。
【0070】
図5および
図6の例では、第1放熱層HR1の第2方向Yの幅W1はICチップ2の第2方向Yの幅W10より大きく、第1放熱層HR1の第1方向Xの幅は透明基板10の第1方向Xの幅とほぼ等しい。ICチップ2は、第2方向Yにおいて、第1放熱層HR1の幅W1の範囲内に位置している。
図6に示すよう第1放熱層HR1の面積は、例えば平面視で4つのICチップ2の合計面積より大きい。
【0071】
第2放熱層HR2の面積は、平面視でICチップ2の面積とほぼ等しい。
図5および
図6の例では、第2放熱層HR2の第2方向Yの幅W2はICチップ2の第2方向Yの幅W10とほぼ同等であり、第2放熱層HR2の第1方向Xの幅はICチップ2の第1方向Xの幅とほぼ同等である。他の観点からは、第2放熱層HR2は、平面視でICチップ2におおよそ一致し、上面2B全体に接している。
【0072】
第1放熱層HR1は例えば接着材であり、透明基板10の主面10Aと第1配線基板3の主面3Bとを接着している。第2放熱層HR2は例えば接着材であり、ICチップ2の上面2Bと第2配線基板101の主面101Aとを接着している。
【0073】
第1放熱層HR1が接着材である場合、主面10Aと第1放熱層HR1との間、および第1放熱層HR1と主面3Bとの間には隙間が生じにくい。第2放熱層HR2が接着材である場合、上面2Bと第2放熱層HR2との間および第2放熱層HR2と主面101Aとの間には隙間が生じにくい。
【0074】
表示装置DSPの駆動に伴うICチップ2からの発熱は、例えば、
図5に示す矢印のようにICチップ2の周囲に伝わる。ICチップ2から発せられた熱は、第3方向Zの反対方向において、透明基板10を介して第1放熱層HR1に伝わる。第1放熱層HR1に伝熱されると、熱は第1放熱層HR1に拡散するとともに、第1放熱層HR1から第1配線基板3および外部に放熱される。
【0075】
第1放熱層HR1は第3方向ZにおいてICチップ2と重なるように設けられているため、ICチップ2から透明基板10へ伝わった熱を効率よく第1放熱層HR1へ伝えることができる。一方、第1配線基板3と第2カバー部材40との間には隙間が形成されているため、第1配線基板3に伝わった熱は、第2カバー部材40へは伝わりにくい。
【0076】
ICチップ2から発せられた熱の一部は、第3方向Zにおいて、第2放熱層HR2に伝わる。第2放熱層HR2に伝熱されると、熱は第2放熱層HR2に拡散するとともに、第2放熱層HR2から第2配線基板101および外部に放熱される。
【0077】
第1放熱層HR1および第2放熱層HR2は、例えば熱伝導性に優れた両面テープで形成される。この場合、第1放熱層HR1および第2放熱層HR2は、図示しない粘着層を有している。第1放熱層HR1および第2放熱層HR2は、例えばグラファイトのシート等の熱伝導率の高い材料で形成される。第1放熱層HR1および第2放熱層HR2は、例えば、シリコン系、アクリル系の樹脂材料等で形成されてもよい。
【0078】
第1放熱層HR1および第2放熱層HR2の各々は、同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。第2放熱層HR2は、例えば第1放熱層HR1より厚い両面テープで形成されてもよいし、第1放熱層HR1を形成する両面テープを2つ以上積層することで形成されてもよい。
【0079】
第1放熱層HR1の熱伝導率は、第1基板SUB1が有する基材の熱伝導率より高いことが望ましい。より具体的には、第1放熱層HR1の熱伝導率は、第1基板SUB1の基材に相当する透明基板10の熱伝導率より高いことが望ましい。これにより、透明基板10の熱を効率よく第1放熱層HR1へ伝えることができる。
【0080】
さらに、第1放熱層HR1が接着材である場合、第1放熱層HR1が主面10Aに密着することで透明基板10の熱を効率よく第1放熱層HR1へ伝えることができる。第2放熱層HR2が接着材である場合、第2放熱層HR2が上面2Bに密着することでICチップ2の熱を効率よく第2放熱層HR2へ伝えることができる。
【0081】
第1放熱層HR1は第1配線基板3の側面E32の直上まで形成されていないが、第3方向Zにおいて導光体120と重なる位置まで形成されてもよいし、側面E32の直上まで形成されてもよい。例えば、第1放熱層HR1の面積は、平面視で延出部Ex1の面積とほぼ等しくてもよい。
【0082】
フレキシブル配線基板1は、第1端部1aと、第1端部1aの反対側の第2端部1bとを有している。第1端部1aは第1基板SUB1の延出部Ex1に接続され、第2端部1bは第1配線基板3に設けられたコネクタ4に接続されている。
【0083】
フレキシブル配線基板1は、第1端部1aと第2端部1bとの間において、第1端部1a側から、第1曲げ部1Aと、厚肉部1Bと、第2曲げ部1Cと、第1部分1Dと、第3曲げ部1Eと、第2部分1Fと、をさらに有している。フレキシブル配線基板1は、第1曲げ部1Aにより、第1配線基板3を跨ぐように透明基板10の主面10Aの側に折り曲げられている。延出部Ex1および第1配線基板3は、第3方向Zにおいてフレキシブル配線基板1の間に位置している。
【0084】
厚肉部1Bは、第1曲げ部1Aと第2端部1bとの間に位置している。厚肉部1Bは、第3方向Zにおいて第1配線基板3と重なっている。厚肉部1Bの厚さD2は、例えば厚肉部1B以外の部分(第1曲げ部1A、第2曲げ部1C、第1部分1D、第3曲げ部1E、および第2部分1F)の厚さD1より厚い(D2>D1)。
【0085】
他の観点からは、厚肉部1Bは厚肉部1B以外の部分より剛性が高く、折り曲げにくい。厚肉部1Bは、例えばポリイミド等で形成された基材の両面に配線が形成されている。厚肉部1Bの第1方向Xの幅は、例えば第1曲げ部1Aの第1方向Xの幅とほぼ等しく、第2曲げ部1C、第1部分1D、第3曲げ部1E、および第2部分1Fの第1方向Xの幅より小さい。
【0086】
第2曲げ部1Cは厚肉部1Bと第2端部1bとの間に位置し、第1部分1Dは第2曲げ部1Cと第2端部1bとの間に位置している。第3曲げ部1Eは第1部分1Dと第2端部1bとの間に位置し、第2部分1Fは第3曲げ部1Eと第2端部1bとの間に位置している。第2曲げ部1Cは、第2方向Yにおいて第1曲げ部1Aより表示領域DA側に位置している。第3曲げ部1Eは、第2方向Yにおいて、第1曲げ部1Aと第2曲げ部1Cとの間に位置している。
【0087】
フレキシブル配線基板1は第2曲げ部1Cにより折り曲げられ、第1部分1Dは第3方向Zにおいて厚肉部1Bと第1配線基板3との間に位置している。さらに、フレキシブル配線基板1は第3曲げ部1Eにより折り曲げられ、第2部分1Fは第3方向Zにおいて第1部分1Dと第1配線基板3との間に位置している。フレキシブル配線基板1は、第2方向Yおよび第3方向Zで規定されるY-Z平面を見る断面視でS字形状に折り曲げられている。
【0088】
表示装置DSPは、厚肉部1Bと第1部分1Dとを接着する接着層7Aと、第1部分1Dと第2部分1Fとを接着する接着層7Bとをさらに備えている。接着層7A,7Bは、例えば両面テープ等で形成される。第1配線基板3の下方においては、第3方向Zに沿って、厚肉部1B、接着層7A、第1部分1D、接着層7B、第2部分1Fがこの順で並んでいる。
【0089】
図5に示す例では、接着層7A,7Bの第2方向Yの幅はほぼ等しいが、接着層7Aの第2方向Yの幅が接着層7Bの第2方向Yの幅より広くてもよいし、接着層7Aの第2方向Yの幅が接着層7Bの第2方向Yの幅より狭くてもよい。
【0090】
図5に示す例では、接着層7A,7Bの第3方向Zの厚さはほぼ等しいが、接着層7Aの第3方向Zの厚さが接着層7Bの第3方向Zの厚さより厚くてもよいし、接着層7Aの第3方向Zの厚さが接着層7Bの第3方向Zの厚さより薄くてもよい。接着層7Aは、第3方向Zにおいて接着層7Bと重なっているが、接着層7Bと重ならず、第2方向Yにずれてもよい。
【0091】
接着層7A,7Bは、フレキシブル配線基板1の第3方向Zへの広がりを抑制している。
図5に示す例では、接着層7A,7Bが設けられているが、厚肉部1Bと第1部分1Dとの間に接着層7Aのみが設けられてもよいし、第1部分1Dと第2部分1Fとの間に接着層7Bのみが設けられてもよいし、接着層7A,7Bの各々が設けられなくともよい。
【0092】
以上説明したように本実施形態であれば、ICチップ2の温度上昇を抑制することが可能な表示装置DSPを提供することができる。つまり、ICチップ2から発せられた熱を第1放熱層HR1および第2放熱層HR2に伝えることにより、ICチップ2の温度上昇を抑制できる。温度上昇を抑制することで、ICチップ2および第1基板SUB1等の動作不良、変形等を防止し、表示装置DSPの信頼性を向上させることができる。
【0093】
透明基板10の主面10Aを有効に活用し、平面視で第1放熱層HR1の面積をICチップ2の面積より大きくすることで、ICチップ2の面積より広い範囲において第1放熱層HR1により放熱することができる。第1放熱層HR1だけでなく、第2放熱層HR2を表示装置DSPが備えることで、ICチップ2の発熱を第1配線基板3だけでなく、第2配線基板101へ伝え、ICチップ2の温度上昇をより抑制することができる。
【0094】
例えば、第1放熱層HR1は透明基板10と第1配線基板3とを接着するため、第1放熱層HR1とは別に接着材を設ける場合と比べ、製造コストの抑制等に寄与することができる。その他にも、本実施形態からは上述した種々の効果を得ることができる。
【0095】
第1放熱層HR1および第2放熱層HR2は、放熱効果を考慮して適宜形状および面積を変更できる。第1放熱層HR1および第2放熱層HR2の第3方向Zの厚さは、適宜変更できる。例えば、第2放熱層HR2の第3方向Zの厚さは、第1放熱層HR1の第3方向Zの厚さと同程度であっても良い。第2放熱層HR2の面積は、例えば平面視でICチップ2の面積より大きくてもよいし、小さくてもよい。第2放熱層HR2は、ICチップ2の上面2Bに接している場合に限らず、例えばICチップ2の側面等の一部に接触する場合においても放熱効果を発揮できる。第1放熱層HR1および第2放熱層HR2は、両面テープ以外にも熱伝導性に優れた接着剤等で形成されてもよい。
【0096】
本実施形態において、第1放熱層HR1および第2放熱層HR2の各々が設けられているが、透明基板10と第1配線基板3との間に第1放熱層HR1のみが設けられてもよいし、ICチップ2と第2配線基板101との間に第2放熱層HR2のみが設けられてもよい。第2放熱層HR2と第2配線基板101との間には、隙間が形成されてもよい。
【0097】
フレキシブル配線基板1は、厚肉部1Bと第2端部1bとの間に第2曲げ部1Cおよび第3曲げ部1Eを有していたが、厚肉部1Bと第2端部1bとの間に1つのみ曲げ部を有してもよいし、3つ以上の曲げ部を有してもよい。表示装置DSPは、第2部分1Fと第1配線基板3の主面3Aとを接着する接着層をさらに備えてもよい。
【0098】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0099】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0100】
DSP…表示装置、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、1…フレキシブル配線基板、2…ICチップ、10A…主面(第2面)、10B…主面(第1面)、Ex1…延出部、E11…側面(第1側面)、E21…側面(第2側面)、HR1…第1放熱層。