(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186255
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】緩み検出装置及びそれを具備する門開閉設備
(51)【国際特許分類】
E02B 7/20 20060101AFI20221208BHJP
G01B 5/00 20060101ALI20221208BHJP
E02B 7/36 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
E02B7/20 108
G01B5/00 A
E02B7/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094384
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000196705
【氏名又は名称】西部電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】前田 徹
【テーマコード(参考)】
2D019
2F062
【Fターム(参考)】
2D019AA55
2D019BA03
2D019BA04
2D019BA21
2F062AA02
2F062CC27
2F062EE01
2F062EE62
2F062FF12
2F062GG51
2F062GG69
2F062HH15
(57)【要約】
【課題】門開閉設備への後付けが容易な緩み検出装置及びそれを具備する門開閉設備を提供する。
【解決手段】門体に連結された線状部材11の巻上げ及び巻下げにより門体を昇降させる門開閉設備に設けられ、線状部材11の緩みを検知する緩み検出装置13において、線状部材11に接触するローラ51と、ローラ51を回転自在に支持する可動体60と、可動体60をD方向に付勢してローラ51を線状部材11に押し付ける押圧手段54と、標準位置に配されていた可動体60が、線状部材11に緩みが生じてローラ51と共にD方向へ所定距離移動したのを検出して、異常の発生を検知する異常検出手段32とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
門体に連結された線状部材の巻上げ及び巻下げにより該門体を昇降させる門開閉設備に設けられ、前記線状部材の緩みを検知する緩み検出装置において、
前記線状部材に接触するローラと、
前記ローラを回転自在に支持する可動体と、
前記可動体をD方向に付勢して前記ローラを前記線状部材に押し付ける押圧手段と、
標準位置に配されていた前記可動体が、前記線状部材に緩みが生じて前記ローラと共に前記D方向へ所定距離移動したのを検出して、異常の発生を検知する異常検出手段とを備えることを特徴とする緩み検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の緩み検出装置において、前記可動体は、固定されたベース台に連結されたガイド部材に案内されて前記D方向に移動する移動部を具備し、該移動部は、該D方向に移動して、前記異常検出手段に非接触な状態から接触した状態に、あるいは、該異常検出手段に接触した状態から非接触な状態になることを特徴とする緩み検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の緩み検出装置において、前記押圧手段はスプリングであることを特徴とする緩み検出装置。
【請求項4】
門体に連結された線状部材の巻上げ及び巻下げにより該門体を昇降させる昇降装置と、前記線状部材の緩みを検知する緩み検出装置とを有する門開閉設備において、
前記緩み検出装置は、
前記線状部材に接触するローラと、
前記ローラを回転自在に支持する可動体と、
前記可動体をD方向に付勢して前記ローラを前記線状部材に押し付ける押圧手段と、
標準位置に配されていた前記可動体が、前記線状部材に緩みが生じて前記ローラと共に前記D方向へ所定距離移動したのを検出して、異常の発生を検知する異常検出手段とを備えることを特徴とする門開閉設備。
【請求項5】
請求項4記載の門開閉設備において、前記緩み検出装置は、前記昇降装置が固定された機械台に取り付けられていることを特徴とする門開閉設備。
【請求項6】
請求項5記載の門開閉設備において、前記緩み検出装置を構成する前記可動体、前記ローラ、前記押圧手段及び前記異常検出手段は、前記機械台の内側空間部に設けられ、前記緩み検出装置は、更に、前記可動体に連結された変位部材を具備し、前記変位部材は、前記可動体が前記標準位置に配された状態で前記機械台の表面に形成された貫通孔から突出し、その突出長が、該可動体の前記D方向への移動に伴って変化することを特徴とする門開閉設備。
【請求項7】
請求項4~6のいずれか1項記載の門開閉設備において、前記可動体は、固定されたベース台に連結されたガイド部材に案内されて前記D方向に移動する移動部を具備し、該移動部は、該D方向に移動して、前記異常検出手段に非接触な状態から接触した状態に、あるいは、該異常検出手段に接触した状態から非接触な状態になることを特徴とする門開閉設備。
【請求項8】
請求項4~7のいずれか1項記載の門開閉設備において、前記押圧手段はスプリングであることを特徴とする門開閉設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、門体が連結された線状部材の緩みを検出する緩み検出装置及びそれを具備する門開閉設備に関する。
【背景技術】
【0002】
チェーンやワイヤ等からなる線状部材で門体を吊り上げる水門開閉設備(門開閉設備の一例)は、線状部材の巻き上げによって門体を上昇させ、線状部材の巻き下げによって門体を下降させる。門体の下降を阻害する異常(例えば、下降中の門体への障害物の接触)が発生すると、線状部材に緩みが生じる。そのため、線状部材の緩みを検出すれば異常の発生を検知することができる。
【0003】
線状部材の緩みの検出には、特許文献1に開示されているように、線状部材の一端部に連結した緩み検出装置(特許文献1では、ロープ緩み検出装置)を用いる方法がある。従来の緩み検出装置は、例えば、
図10に示すように、線状部材の一端部に連結された棒材100が貫通した円筒状のカラ101と、棒材100に装着された状態でカラ101内に収められたばね部材102を備えている。
【0004】
カラ101の上端部には円環状のドグ103が固定され、カラ101の下方には円環状の板材からなるベース台104が設けられ、カラ101と同様に、ドグ103及びベース台104には、棒材100が貫通している。門体が下降中、門体の下降を阻害する障害物等により線状部材に緩みが生じると、ドグ103に対するばね部材102の付勢力により、ドグ103及びカラ101が棒材100と共に上昇する。
【0005】
ドグ103に接しているリミットスイッチ105は、ドグ103がカラ101と共に所定距離以上上昇すると、外部の制御部に信号を送信し、外部の制御部は門体の下降を停止させる等の処理を行う。
この種の緩み検出装置は、線状部材の一端部に連結されることから、線状部材の一端部を固定する位置に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、既設の水門開閉設備に緩み検出装置を取り付ける場合、固定されていた線状部材の一端部を取り外し、その線状部材の一端部を落下しないように仮固定した後、緩み検出装置を設置し、仮固定していた線状部材の一端部を緩み検出装置に連結する等の大掛かりな作業が求められる。この点、緩み検出装置は線状部材の一端部の固定位置に取り付ける必要があること(即ち、緩み検出装置の設置位置は限定されていること)、及び、既設の水門開閉装置は緩み検出装置の後付けを前提とした設計にはなっていないことを考慮すると、緩み検出装置の既設の水門開閉装置への後付けには技術的困難性と長期間の作業が必要となる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、門開閉設備への後付けが容易な緩み検出装置及びそれを具備する門開閉設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的に沿う第1の発明に係る緩み検出装置は、門体に連結された線状部材の巻上げ及び巻下げにより該門体を昇降させる門開閉設備に設けられ、前記線状部材の緩みを検知する緩み検出装置において、前記線状部材に接触するローラと、前記ローラを回転自在に支持する可動体と、前記可動体をD方向に付勢して前記ローラを前記線状部材に押し付ける押圧手段と、標準位置に配されていた前記可動体が、前記線状部材に緩みが生じて前記ローラと共に前記D方向へ所定距離移動したのを検出して、異常の発生を検知する異常検出手段とを備える。
【0009】
前記目的に沿う第2の発明に係る門開閉設備は、門体に連結された線状部材の巻上げ及び巻下げにより該門体を昇降させる昇降装置と、前記線状部材の緩みを検知する緩み検出装置とを有する門開閉設備において、前記緩み検出装置が、前記線状部材に接触するローラと、前記ローラを回転自在に支持する可動体と、前記可動体をD方向に付勢して前記ローラを前記線状部材に押し付ける押圧手段と、標準位置に配されていた前記可動体が、前記線状部材に緩みが生じて前記ローラと共に前記D方向へ所定距離移動したのを検出して、異常の発生を検知する異常検出手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明に係る緩み検出装置は、線状部材に接触するローラと、ローラを回転自在に支持する可動体と、可動体をD方向に付勢してローラを線状部材に押し付ける押圧手段と、標準位置に配されていた可動体が、線状部材に緩みが生じてローラと共にD方向へ所定距離移動したのを検出して、異常の発生を検知する異常検出手段とを備えるので、ローラを線状部材に押し付けるように設けることができればよく、設置場所の自由度が高い。従って、当該緩み検出装置は、門開閉設備に対し容易に後付け可能である。
第2の発明に係る門開閉設備も、当該緩み検出装置を備えることから、緩み検出装置の後付けが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る門開閉設備の説明図である。
【
図3】可動体が標準位置に配されている状態の緩み検出装置を示す説明図である。
【
図5】可動体が標準位置に配されている状態の緩み検出装置を示す説明図である。
【
図6】可動体が標準位置に配されている状態の緩み検出装置を示す説明図である。
【
図7】可動体が標準位置からD方向に移動した状態の緩み検出装置を示す説明図である。
【
図8】可動体が標準位置からD方向に移動した状態の緩み検出装置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、
図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る門開閉設備10は、門体Pに連結された線状部材11の巻上げ及び巻下げにより門体Pを昇降させる昇降装置12と、線状部材11の緩みを検知する緩み検出装置13とを有する設備である。以下、詳細に説明する。
【0013】
門開閉設備10は、
図1、
図2に示すように、河川に設けられた基礎Sに固定された機械台14と、機械台14に固定された昇降装置12と、機械台14に取り付けられた緩み検出装置13と、線状部材11が掛けられたスプロケット15、16を備えている。
昇降装置12は、
図1に示すように、機械台14に載置されて固定された筺体18と、筺体18に取り付けられたモータ19と、筺体18内に設けられ、モータ19の回転力が複数のギア等から構成される動力伝達手段20を介して与えられて回転するスプロケット21を有している。
【0014】
線状部材11は、チェーンであり、
図2に示すように、機械台14に固定された取付具22に一端部が連結され、他端部が、スプロケット21の下方に位置するカウンターウエイトCに連結されている。門体Pは取付具22(線状部材11の一端部)の下方に昇降可能に設けられ、門体Pの上部には線状部材11が掛けられたスプロケットQが取り付けられている。線状部材11は、スプロケットQに掛けられた部分から他端部に向けて順に、スプロケット15、16、21に掛けられ、スプロケット15、16間に水平領域11aを有している。緩み検出装置13は水平領域11aの上側に接している。
【0015】
筺体18内に設けられたスプロケット21は、モータ19によって時計回りに回転駆動させられて、線状部材11を巻き上げ、門体Pを上昇させ、モータ19によって反時計回りに回転駆動させられて、線状部材11を巻き下げ、門体Pを下降させる。なお、昇降装置12は、動力伝達手段20に連結可能な手動ハンドル23を具備している。作業員は、モータ19が停電等で作動しない際に、手動ハンドル23を動力伝達手段20に連結し回転することで、門体Pを上昇させることができる。
【0016】
機械台14は、
図1、
図3に示すように、昇降装置12が載置された上板部25及び側壁部25aを有し、上板部25の下側には、側壁部25aで囲まれた内側空間部26が設けられている(即ち、機械台14は、内側空間部26が設けられている)。スプロケット15、16及び緩み検出装置13は内側空間部26に配されている。
【0017】
緩み検出装置13は、
図3、
図4に示すように、それぞれ上端部が上板部25にボルト27によって固定されて鉛直に配された4本のロッド28と、各ロッド28の下端部にボルト30により固定されて水平に配された板状のベース台29(即ち、ベース台29は固定されている)と、ベース台29上に支持部材31によって取り付けられた異常検出手段の一例であるリミットスイッチ32を備えている。なお、本実施の形態では、上板部25が、4本のロッド28が固定された装置取付板33を有して構成されている。
【0018】
平面視して略5角形のベース台29には、ストレート管(ガイド部材の一例)34、35が間隔を開けてそれぞれ立設状態で固定されている。ストレート管34、35は下部にベース台29に連結されたフランジ部36、37をそれぞれ有している。ストレート管34には、ストレート管34を貫通した状態で棒材38が昇降自在に取り付けられ、ストレート管35には、ストレート管35を貫通した状態で棒材39が昇降自在に取り付けられている。
【0019】
ベース台29には、
図3に示すように、貫通孔40、41が形成され、棒材38は下部が貫通孔40を貫通してベース台29から下側に突出し、棒材39は下部が貫通孔41を貫通してベース台29から下側に突出している。棒材38の下部及び棒材39の下部には、
図3、
図4、
図5に示すように、平面視して略4角形の板材42がそれぞれボルト43、44によって固定されている。板材42はベース台29の直下で水平に配されている。
【0020】
棒材38の上部には水平配置された円板45がボルト46により装着され、棒材39の上部には円板45より小さい水平配置された円板47がボルト48により装着されている。円板47の直径は、ストレート管35の直径より長く、棒材39がストレート管35から脱落するのを防止する。
板材42の下方には、
図3、
図5、
図6に示すように、板材42の下面に固定された対となるローラ支持具49、50に回転自在に支持されたローラ51が設けられている。なお、
図5では、スプリング54の記載を省略している。
【0021】
ローラ51は、線状部材11の水平領域11aの上位置に配されて、線状部材11の水平領域11aに接触している。ローラ51の軸心は、水平に配され、平面視して、線状部材11の水平領域11aの長手方向に対して直交している。
本実施の形態では、ローラ51を回転自在に支持する可動体60が、
図3に示すように、棒材38、39、板材42、円板45、47、ローラ支持具49、50等によって構成されている。
【0022】
また、ベース台29には、ローラ51の上方に貫通孔52が形成され、ベース台29の貫通孔52の外周の外側に、貫通孔52と軸心を一致させて軸心が鉛直に配された筒状のカラ53が載置されている。カラ53の内側には、カラ53と軸心を一致させて軸心が鉛直に配された状態で貫通孔52を貫通して下端部がベース台29から下方に突出したスプリング(押圧手段の一例)54の大半が収容されている。カラ53は、螺子部材55、56によりベース台29に固定された板状のスプリングホルダ57とベース台29とによって、上下から挟まれて固定されている。
【0023】
カラ53、スプリング54及びスプリングホルダ57は、
図3、
図4に示すように、ストレート管34、35の間に配されている。スプリング54は、
図3、
図6に示すように、上端部がスプリングホルダ57に接触し、下端部が板材42に接触し、板材42(可動体60)を鉛直方向下向きに付勢して、ローラ51を線状部材11の水平領域11aに押し付けている。ここで、スプリングホルダ57とスプリング54の間にスペーサを設ける等して、スプリング54によってローラ51を線状部材11の水平領域11aに押し付ける力の大きさを調整できるようにしてもよい。なお、本実施の形態では、鉛直方向がD方向である。
【0024】
リミットスイッチ32は、
図3、
図4に示すように、基側部を中心に回動自在に設けられたアーム58を有し、アーム58の先側部には円板45の下位置に配されたローラ59が回転自在に取り付けられている。本実施の形態では、緩み検出装置13を構成する可動体60、ローラ51、スプリング54、リミットスイッチ32が機械台14の内側空間部26に設けられている。
線状部材11の水平領域11aには、門体P及び線状部材11の重量等により張力が生じている。可動体60及びローラ51は、線状部材11の水平領域11aの張力とスプリング54の弾性力とが釣り合った位置に配される。
【0025】
門体Pの下降を阻害する異常が発生していない状態で、円板45は、
図3に示すように、ローラ59に非接触である。これに対し、門体Pの下降を阻害する異常が発生して線状部材11の水平領域11aに緩みが生じると、門体Pの下降を阻害する異常が発生していない状態に比べて、線状部材11の水平領域11aの張力は小さくなり、スプリング54が、
図7、
図8に示すように、伸びて、可動体60及びローラ51が下がり、円板45がローラ59に接触する。
【0026】
ここで、門体Pの下降を阻害する異常が発生していない状態での可動体60の位置(本実施の形態では高さ位置)を標準位置として、リミットスイッチ32は、標準位置に配されていた可動体60が、線状部材11の水平領域11aに緩みが生じてローラ51と共に鉛直方向下向き(即ち、D方向)へ所定距離移動したのをアーム58の回動量により検出して、異常の発生を検知することとなる。
【0027】
本実施の形態において、ストレート管34に案内されてD方向に移動する移動部が、棒材38及び円板45によって構成されている。よって、門体Pの下降を阻害する異常が発生すると、移動部は、D方向に移動して、ローラ59(リミットスイッチ32)に非接触な状態から接触した状態になる。
【0028】
このように、線状部材11にローラ51が接触した可動体60のD方向への移動により異常の発生を検知する緩み検出装置13は、ローラ51を線状部材11に接触させることができればよく、設置場所の自由度が高いという利点がある。
更に、機械台14は、通常、人が接近できる場所に設置されていることから、緩み検出装置13を機械台に取り付けられる設計とすることで、緩み検出装置13の設置を容易に行うことが可能となる。
【0029】
また、機械台14の上板部25(即ち、表面、表面部)には、
図3に示すように、貫通孔61が形成され、貫通孔61には、ベース台29から下方に突出した下端部が板材42に連結された棒状の変位部材62が挿通されている。変位部材62は、可動体60が標準位置に配された状態で、上端部が、貫通孔61から上板部25の上方に突出している。変位部材62の貫通孔61からの突出長は、可動体60のD方向への移動に伴って変化する。よって、人は、変位部材62の貫通孔61からの突出長の視認により、線状部材11の水平領域11aに緩みが生じていること、ひいては、異常が発生していることを、知得することができる。
【0030】
ここまで説明した門開閉設備10は、緩み検出装置13が機械台14に取り付けられて、線状部材11の水平領域11aに接しているが、これに限定されないのは言うまでも無い。例えば、
図9に示すように、基礎Sに取り付けられて、線状部材11の鉛直領域11bに接する緩み検出装置70を設けることができる。なお、
図9においては、門開閉設備10と同様の構成に同じ符号を付している。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、押圧手段はスプリングに限定されず、皿バネや油圧シリンダ等であってもよい。
また、移動部は、門体Pの下降を阻害する異常が発生することにより、D方向に移動して、異常検出手段に接触した状態から非接触な状態になるものであってもよい。この場合、緩み検出装置は、異常検出手段が移動部に非接触となって異常の発生を検知するように設計される。
【0032】
異常検出手段はリミットスイッチである必要はない。例えば、光電センサを異常検出手段として採用することができる。
緩み検出装置は、機械台に取り付けられなくてもよく、また、線状部材はワイヤであってもよい。
更に、変位部材は設けなくてもよい。
また、緩み検出装置は、一端部が門体に直接接続された線状部材の緩み検知にも使用できる。
【符号の説明】
【0033】
10:門開閉設備、11:線状部材、11a:水平領域、11b:鉛直領域、12:昇降装置、13:緩み検出装置、14:機械台、15、16:スプロケット、18:筺体、19:モータ、20:動力伝達手段、21:スプロケット、22:取付具、23:手動ハンドル、25:上板部、25a:側壁部、26:内側空間部、27:ボルト、28:ロッド、29:ベース台、30:ボルト、31:支持部材、32:リミットスイッチ、33:装置取付板、34、35:ストレート管、36、37:フランジ部、38、39:棒材、40、41:貫通孔、42:板材、43、44:ボルト、45:円板、46:ボルト、47:円板、48:ボルト、49、50:ローラ支持具、51:ローラ、52:貫通孔、53:カラ、54:スプリング、55、56:螺子部材、57:スプリングホルダ、58:アーム、59:ローラ、60:可動体、61:貫通孔、62:変位部材、70:緩み検出装置、C:カウンターウエイト、P:門体、Q:スプロケット、S:基礎