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特開2022-186279内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186279
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01T 13/32 20060101AFI20221208BHJP
   H01T 13/54 20060101ALI20221208BHJP
   H01T 13/20 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H01T13/32
H01T13/54
H01T13/20 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094418
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 明光
【テーマコード(参考)】
5G059
【Fターム(参考)】
5G059AA10
5G059CC02
5G059EE23
(57)【要約】
【課題】生産性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】スパークプラグ1において、プラグカバー5は、放電ギャップGが配される副燃焼室50を覆うようハウジング2の先端部に設けられている。接地電極6は、突出方向へ向かうほど先端側へ向かうよう傾斜した接地傾斜面611を、基端側に有する。放電ギャップGは、中心電極4の先端部と接地傾斜面611とが互いに対向することにより形成されている。また、放電ギャップGは、ハウジング2の先端よりも基端側に形成されている。線分L1は、線分L2上に位置するか、又は線分L2よりも先端側に位置している。また、線分L3は線分L1よりも基端側に位置している。また、線分L4は、線分L3上に位置するか、又は線分L3よりも基端側に位置している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子から先端側に突出した中心電極(4)と、
上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(6)と、
上記放電ギャップが配される副燃焼室(50)を覆うよう上記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を有し、
上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる噴孔(51)が形成されており、
上記接地電極は、上記ハウジングに固定された固定端部(62)から上記副燃焼室内に突出しており、また、突出方向へ向かうほど先端側へ向かうよう傾斜した接地傾斜面(611)を、基端側に有し、
上記放電ギャップは、上記中心電極の先端部と上記接地電極の上記接地傾斜面とが互いに対向することにより形成されていると共に、上記ハウジングの先端よりも基端側に形成されており、
プラグ中心軸(PC)を含むと共に上記接地電極の突出方向に沿った断面において、上記中心電極に最も近い上記接地傾斜面上の点を点Aとし、上記接地傾斜面に最も近い上記中心電極上の点を点Bとし、上記プラグ中心軸を挟んで上記固定端部とは反対側の上記ハウジングの先端面(21)に最も近い上記接地電極の基端面(61)上の点を点Cとし、上記プラグ中心軸を挟んで上記固定端部とは反対側の上記ハウジングの先端面上の点であって、上記点Cに最も近い点を点Dとし、該点Dに最も近い上記中心電極上の点を点Eとし、上記点Cと上記点Dとを結ぶ線分を線分L1とし、上記点Aと上記点Dとを結ぶ線分を線分L2とし、上記点Bと上記点Dとを結ぶ線分を線分L3とし、上記点Eと上記点Dとを結ぶ線分を線分L4としたとき、
上記線分L1は、上記線分L2上に位置するか、又は上記線分L2よりも先端側に位置しており、
上記線分L3は上記線分L1よりも基端側に位置しており、
上記線分L4は、上記線分L3上に位置するか、又は上記線分L3よりも基端側に位置している、内燃機関用のスパークプラグ(1)。
【請求項2】
上記中心電極は、上記接地電極の上記固定端部と反対側の突出側端部(63)に近づくほど先端側に向かうように傾斜した中心傾斜面(41)を有し、該中心傾斜面は上記接地傾斜面に沿って傾斜している、請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
【請求項3】
上記線分L4は、上記線分L3上に位置している、請求項2に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
【請求項4】
上記中心傾斜面は、上記接地傾斜面と平行である、請求項2又は3に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
【請求項5】
上記接地電極の先端は、上記ハウジングの先端よりも基端側に位置している、請求項1~4のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
【請求項6】
筒状の絶縁碍子(3)と、該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子から先端側に突出した中心電極(4)と、上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(6)と、上記放電ギャップが配される副燃焼室(50)を覆うよう上記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を有し、上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる噴孔(51)が形成されており、上記接地電極は、上記ハウジングに固定された固定端部(62)から上記副燃焼室内に突出しており、また、突出方向へ向かうほど先端側へ向かうよう傾斜した接地傾斜面(611)を、基端側に有し、上記放電ギャップは、上記中心電極の先端部と上記接地電極の上記接地傾斜面とが互いに対向することにより形成されていると共に、上記ハウジングの先端よりも基端側に形成されている内燃機関用のスパークプラグ(1)を製造する方法であって、
上記接地電極を上記ハウジングに固定すると共に、上記放電ギャップの長さを所望の長さに調整した後、上記プラグカバーを上記ハウジングの先端部に固定し、
上記プラグカバーを設ける前において、上記ハウジングの先端よりも先端側、かつ上記接地電極の突出側から見て、上記放電ギャップの全体を直接視認できる、内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、放電ギャップが配される副燃焼室を備えたスパークプラグが知られている。当該スパークプラグは、接地電極がハウジングの先端部に固定されており、放電ギャップを形成した後に、副燃焼室を覆うプラグカバーをハウジングに接合することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-184435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のスパークプラグにおいて、放電ギャップは、中心電極と接地電極とがプラグ軸方向に互いに対向することにより形成されていると共に、ハウジングの先端よりも基端側に形成されている。そのため、プラグカバーをハウジングに固定する前において、放電ギャップを直接視認しにくい。それゆえ、放電ギャップを所望の長さに調整しにくく、生産性が低くなりやすい。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、生産性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子から先端側に突出した中心電極(4)と、
上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(6)と、
上記放電ギャップが配される副燃焼室(50)を覆うよう上記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を有し、
上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる噴孔(51)が形成されており、
上記接地電極は、上記ハウジングに固定された固定端部(62)から上記副燃焼室内に突出しており、また、突出方向へ向かうほど先端側へ向かうよう傾斜した接地傾斜面(611)を、基端側に有し、
上記放電ギャップは、上記中心電極の先端部と上記接地電極の上記接地傾斜面とが互いに対向することにより形成されていると共に、上記ハウジングの先端よりも基端側に形成されており、
プラグ中心軸(PC)を含むと共に上記接地電極の突出方向に沿った断面において、上記中心電極に最も近い上記接地傾斜面上の点を点Aとし、上記接地傾斜面に最も近い上記中心電極上の点を点Bとし、上記プラグ中心軸を挟んで上記固定端部とは反対側の上記ハウジングの先端面(21)に最も近い上記接地電極の基端面(61)上の点を点Cとし、上記プラグ中心軸を挟んで上記固定端部とは反対側の上記ハウジングの先端面上の点であって、上記点Cに最も近い点を点Dとし、該点Dに最も近い上記中心電極上の点を点Eとし、上記点Cと上記点Dとを結ぶ線分を線分L1とし、上記点Aと上記点Dとを結ぶ線分を線分L2とし、上記点Bと上記点Dとを結ぶ線分を線分L3とし、上記点Eと上記点Dとを結ぶ線分を線分L4としたとき、
上記線分L1は、上記線分L2上に位置するか、又は上記線分L2よりも先端側に位置しており、
上記線分L3は上記線分L1よりも基端側に位置しており、
上記線分L4は、上記線分L3上に位置するか、又は上記線分L3よりも基端側に位置している、内燃機関用のスパークプラグ(1)にある。
【0007】
本発明の他の態様は、筒状の絶縁碍子(3)と、該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子から先端側に突出した中心電極(4)と、上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(6)と、上記放電ギャップが配される副燃焼室(50)を覆うよう上記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を有し、上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる噴孔(51)が形成されており、上記接地電極は、上記ハウジングに固定された固定端部(62)から上記副燃焼室内に突出しており、また、突出方向へ向かうほど先端側へ向かうよう傾斜した接地傾斜面(611)を、基端側に有し、上記放電ギャップは、上記中心電極の先端部と上記接地電極の上記接地傾斜面とが互いに対向することにより形成されていると共に、上記ハウジングの先端よりも基端側に形成されている内燃機関用のスパークプラグ(1)を製造する方法であって、
上記接地電極を上記ハウジングに固定すると共に、上記放電ギャップの長さを所望の長さに調整した後、上記プラグカバーを上記ハウジングの先端部に固定し、
上記プラグカバーを設ける前において、上記ハウジングの先端よりも先端側、かつ上記接地電極の突出側から見て、上記放電ギャップの全体を直接視認できる、内燃機関用のスパークプラグの製造方法にある。
【発明の効果】
【0008】
上記スパークプラグは、上記線分L1~L4が、それぞれ上記位置となるように、構成されている。それゆえ、プラグカバーを設ける前において、ハウジングの先端よりも先端側、かつ接地電極の突出側から見て、放電ギャップの全体を直接視認しやすい。それゆえ、放電ギャップを調整しやすい。それゆえ、所望の長さを有する放電ギャップを容易に形成することができる。その結果、スパークプラグの生産性を向上させることができる。
【0009】
上記スパークプラグの製造方法において、プラグカバーを設ける前のスパークプラグは、ハウジングの先端よりも先端側、かつ接地電極の突出側から見て、放電ギャップの全体を直接視認できる。それゆえ、放電ギャップを調整しやすい。その結果、スパークプラグを効率的に製造することができる。
【0010】
以上のごとく、上記態様によれば、生産性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1における、スパークプラグの先端部付近のプラグ軸方向に沿った断面図であって、図2のI-I線矢視断面相当図。
図2図1のII-II線矢視断面相当図。
図3】実施形態1における、線分L1~L4を示す断面図。
図4】実施形態1における、組付け治具を中心電極に当接させる様子を示す断面図。
図5】実施形態1における、接地電極を内壁面に溶接する様子を示す断面図。
図6】実施形態1における、線分L5及び線分L6を示す断面図。
図7】実施形態1における、プラグカバーをハウジングに当接させる様子を示す断面図。
図8】実施形態1における、スパークプラグを設置した内燃機関の断面図。
図9】実施形態2における、スパークプラグの先端部付近のプラグ軸方向に沿った断面図。
図10】実施形態3における、スパークプラグの先端部付近のプラグ軸方向に沿った断面図。
図11】実施形態4における、スパークプラグの先端部付近のプラグ軸方向に沿った断面図。
図12】実施形態5における、スパークプラグの先端部付近のプラグ軸方向に沿った断面図であって、図13のXII-XII線矢視断面相当図。
図13図12のXIII-XIII線矢視断面相当図。
図14】実施形態6における、スパークプラグの先端部のプラグ軸方向に直交する断面を先端側から見た図。
図15】実施形態7における、スパークプラグの先端部付近のプラグ軸方向に沿った断面図であって、図16のXV-XV線矢視断面相当図。
図16図15のXVI-XVI線矢視断面相当図。
図17】実施形態8における、スパークプラグの先端部付近のプラグ軸方向に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法に係る実施形態について、図1図8を参照して説明する。
本形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、図1図2に示すごとく、筒状の絶縁碍子3と、中心電極4と、筒状のハウジング2と、接地電極6と、プラグカバー5と、を有する。中心電極4は、絶縁碍子3の内周側に保持されると共に絶縁碍子3から先端側に突出している。ハウジング2は、絶縁碍子3を内周側に保持する。接地電極6は、中心電極4との間に放電ギャップGを形成する。プラグカバー5は、放電ギャップGが配される副燃焼室50を覆うようハウジング2の先端部に設けられている。プラグカバー5には、副燃焼室50と外部とを連通させる噴孔51が形成されている。
【0013】
接地電極6は、ハウジング2に固定された固定端部62から副燃焼室50内に突出している。また、接地電極6は、突出方向へ向かうほど先端側へ向かうよう傾斜した接地傾斜面611を、基端側に有する。
【0014】
放電ギャップGは、中心電極4の先端部と接地電極6の接地傾斜面611とが互いに対向することにより形成されている。また、放電ギャップGは、ハウジング2の先端よりも基端側に形成されている。
【0015】
図3に示すごとく、プラグ中心軸PCを含むと共に接地電極6の突出方向に沿った断面において、中心電極4に最も近い接地傾斜面611上の点を点Aとし、接地傾斜面611に最も近い中心電極4上の点を点Bとする。また、プラグ中心軸PCを含むと共に接地電極6の突出方向に沿った断面において、プラグ中心軸PCを挟んで固定端部62とは反対側のハウジング2の先端面21に最も近い接地電極6の基端面61上の点を点Cとする。また、プラグ中心軸PCを含むと共に接地電極6の突出方向に沿った断面において、プラグ中心軸PCを挟んで固定端部62とは反対側のハウジング2の先端面21上の点であって、点Cに最も近い点を点Dとし、点Dに最も近い中心電極4上の点を点Eとする。
【0016】
点Cと点Dとを結ぶ線分を線分L1とし、点Aと点Dとを結ぶ線分を線分L2とする。また、点Bと点Dとを結ぶ線分を線分L3とし、点Eと点Dとを結ぶ線分を線分L4とする。このとき、線分L1は、線分L2上に位置するか、又は線分L2よりも先端側に位置している。また、線分L3は線分L1よりも基端側に位置している。また、線分L4は、線分L3上に位置するか、又は線分L3よりも基端側に位置している。
【0017】
本形態のスパークプラグ1は、例えば、自動車等の内燃機関における着火手段として用いることができる。スパークプラグ1は、図8に示すごとく、ハウジング2の外周面に形成したネジ部23を、シリンダヘッド71のプラグホール711の雌ネジ部に螺合して、内燃機関10に取り付けられる。
【0018】
内燃機関10は、シリンダ70内を往復運動するピストン74を備える。主燃焼室101は、ピストン74の往復運動によって、容積変化する。内燃機関10には、吸気ポート721及び排気ポート731が形成されており、それぞれ吸気弁72又は排気弁73が備えられている。
【0019】
そして、スパークプラグ1の軸方向Zの一端が、内燃機関10の主燃焼室101に配置される。スパークプラグ1の軸方向Zにおいて、主燃焼室101に露出する側を先端側、その反対側を基端側というものとする。また、スパークプラグ1の軸方向Zを、適宜、プラグ軸方向Z、或いは単に、Z方向ともいう。なお、プラグ中心軸PCは、スパークプラグ1の中心軸PCを意味するものとする。また、本形態のスパークプラグ1において、プラグ中心軸PCは、図1図2に示すごとく、中心電極4の中心軸でもある。
【0020】
本形態において、プラグカバー5は、ハウジング2の先端部に溶接等によって接合されている。図8に示すごとく、スパークプラグ1が内燃機関10に取り付けられた状態において、プラグカバー5は、副燃焼室50を主燃焼室101と区画している。プラグカバー5に形成された噴孔51は、副燃焼室50と主燃焼室101とを連通させている。
【0021】
また、本形態において、副燃焼室50に配される放電ギャップGは、図1に示すごとく、中心電極4の先端面42と接地電極6の接地傾斜面611とが互いに対向することにより形成されている。先端面42と接地傾斜面611とは、それぞれ平坦な面となっている。
【0022】
図2に示すごとく、Z方向から見たとき、中心電極4の先端面42と接地傾斜面611とは、互いに重なっている。詳細には、Z方向から見たとき、先端面42の全体と接地傾斜面611の一部とが、互いに重なっている。
【0023】
また、本形態において、点Bと点Eとは、図3に示すごとく、それぞれ中心電極4の先端面42上にある。
【0024】
また、図1に示すごとく、中心電極4の先端部には、他の部分よりも外径が小さい小径部43が形成されている。先端面42は、小径部43に形成されている。放電ギャップGは、例えば、中心電極4の先端面42をZ方向に投影した領域と、先端面42を接地傾斜面611に直交する方向に投影した領域とを合わせた領域であって、先端面42と接地傾斜面611との間の領域である。
【0025】
また、本形態において、接地電極6は、略四角柱形状をなしている。接地電極6は、突出方向へ向かうほど先端側へ向かうよう傾斜している。また、接地電極6は、4つの平坦な側面を備えており、そのうちの一つが基端面61となっている。つまり、接地電極6の基端面61は、その全体が平坦な面となっている。また、本形態において、接地電極6の基端面61は、その全体が接地傾斜面611となっている。
【0026】
本形態において、接地電極6は、ハウジング2の内壁面22に固定されている。また、接地電極6の先端は、ハウジング2の先端よりも基端側に位置している。
【0027】
次に、本形態のスパークプラグ1の製造方法について説明する。
本形態においては、図4図7に示すごとく、接地電極6をハウジング2に固定すると共に、放電ギャップGの長さを所望の長さに調整した後、プラグカバー5をハウジング2の先端部に固定する。図6図7に示すごとく、プラグカバー5を設ける前において、ハウジング2の先端よりも先端側、かつ接地電極6の突出側から見て、放電ギャップGの全体を直接視認できる。
【0028】
つまり、図6に示すごとく、プラグカバー5を設ける前のスパークプラグ1を、例えば、点Fの位置から見たとき、放電ギャップGの全体を直接視認できる。なお、点Fは、ハウジング2の先端よりも先端側、かつ接地電極6の突出側にある点である。
【0029】
プラグ中心軸PCを含むと共に接地電極6の突出方向に沿った断面において、点Aと点Fとを結ぶ線分を線分L5とする。また、点Bと点Fとを結ぶ線分を線分L6とする。このとき、線分L5と線分L6とは、それぞれ、接地電極6、中心電極4、ハウジング2のいずれも通過しない。
【0030】
また、プラグカバー5及び接地電極6を固定する前のハウジング2に、接地電極6を固定するにあたっては、図4図5に示すごとく、接地電極6の固定端部62と反対側の突出側端部63を組付け治具11にて保持する。そして、図5に示すごとく、接地電極6の固定端部62をハウジング2の内壁面22に当接させて溶接する。
【0031】
組付け治具11は、接地電極6を基端側と先端側とから挟持する基端側支持部111と先端側支持部112とを有する。固定端部62を内壁面22に溶接する際には、基端側支持部111の基端面113を、中心電極4の先端に当接させる。
【0032】
本形態において、基端側支持部111の基端面113は、平坦な面となっている。また、基端側支持部111の先端面も、平坦な面となっている。基端側支持部111の先端面は、Z方向に対して傾斜している。先端側支持部112の基端面は、基端側支持部111の先端面と略平行となっている。
【0033】
本形態において、基端側支持部111と先端側支持部112とは、接地電極6の突出側端部63を、接地電極6の厚み方向に挟持する。このとき、基端側支持部111の先端面と接地電極6の接地傾斜面611とは、互いに当接している。先端側支持部112の基端面と接地電極6の先端面とは、互いに当接している。これにより、接地電極6は、Z方向に対して所定の角度にて傾斜することとなる。
【0034】
また、図4に示す、基端側支持部111のZ方向における長さD1は、図7に示す、放電ギャップGのZ方向における長さD2と同等となっている。
【0035】
また、組付け治具11は、図4図5に示すごとく、治具本体部114に、基端側支持部111と先端側支持部112とが配設されている。基端側支持部111は、治具本体部114の基端部に固定され、該基端部から、治具本体部114の軸方向に対して直交する方向に突出している。基端側支持部111は、治具本体部114から離れるほど、Z方向の幅が小さくなっている。また、先端側支持部112は、基端側支持部111の先端側において、治具本体部114に対してスライド可能な状態で、取り付けられている。これにより、先端側支持部112と基端側支持部111との間に、接地電極6の突出側端部63を挟持することができる。
【0036】
次に、本形態の製造方法について、詳細に説明する。接地電極6の組付けにおいては、接地電極6を保持した組付け治具11を、図4の矢印Mに示すごとく、中心電極4の先端部に向けて移動させる。そして、図5に示すごとく、基端側支持部111の基端面113と中心電極4の先端面42とを、Z方向に互いに当接させると共に、接地電極6の固定端部62とハウジング2の内壁面22とを互いに当接させる。このとき、中心電極4の先端面42と接地電極6の接地傾斜面611とは、基端側支持部111を挟んで、Z方向に互いに対向している。
【0037】
次いで、接地電極6の固定端部62を、レーザー溶接によって内壁面22に接合する。具体的には、固定端部62と内壁面22とが互いに当接する当接部に向けてレーザー光Lを照射することにより、接地電極6を内壁面22に溶接する。溶接後、組付け治具11を接地電極6から取り外す。
【0038】
次いで、図6に示すごとく、プラグカバー5を設ける前のスパークプラグ1を、例えば、ハウジング2の先端よりも先端側、かつ接地電極6の突出側からカメラで撮影する。つまり、スパークプラグ1の外部から、放電ギャップGをカメラで撮影する。そして、その撮影した画像に基づいて、放電ギャップGの長さを確認する。放電ギャップGの長さを確認後、必要に応じて、ハウジング2に固定された接地電極6をわずかに変形させ、放電ギャップGが適切な距離となるように微調整を行う。
【0039】
次いで、プラグカバー5を、図7の矢印Mに示すごとく、ハウジング2の先端部に向けて移動させ、プラグカバー5の基端部とハウジング2の先端部とをZ方向に互いに当接させる。そして、ハウジング2の先端部とプラグカバー5の基端部とを互いに溶接する。これにより、図1図2に示すごとく、本形態のスパークプラグ1を得ることができる。
【0040】
次に、本形態の作用効果を説明する。
上記スパークプラグ1は、線分L1~L4が、それぞれ上記位置となるように、構成されている。それゆえ、プラグカバー5を設ける前において、ハウジング2の先端よりも先端側、かつ接地電極6の突出側から見て、放電ギャップGの全体を直接視認しやすい。それゆえ、放電ギャップGを調整しやすい。それゆえ、所望の長さを有する放電ギャップGを容易に形成することができる。その結果、スパークプラグ1の生産性を向上させることができる。
【0041】
また、放電ギャップGは、ハウジング2の先端よりも基端側に形成されている。それゆえ、放電ギャップGと噴孔51との間の距離が長くなりやすい。それゆえ、噴孔51から充分離れた位置から火炎が広がり、充分に内圧が高い状態で、火炎ジェットが噴孔51から主燃焼室に噴出することが期待できる。その結果、火炎ジェットが強化されることにより、内燃機関の出力及び燃費の向上が期待できる。
【0042】
接地電極6の先端は、ハウジング2の先端よりも基端側に位置している。それゆえ、放電ギャップGと噴孔51との間の距離が一層長くなりやすい。その結果、火炎ジェットを一層強化することができる。
【0043】
上記スパークプラグ1の製造方法において、プラグカバー5を設ける前のスパークプラグ1は、ハウジング2の先端よりも先端側、かつ接地電極6の突出側から見て、放電ギャップGの全体を直接視認できる。それゆえ、放電ギャップGを調整しやすい。その結果、スパークプラグ1を効率的に製造することができる。
【0044】
本形態のスパークプラグ1の製造方法においては、接地電極6をハウジング2に固定した後、プラグカバー5をハウジング2に固定する。ここで、プラグカバー5を設ける前のスパークプラグ1は、ハウジング2の先端よりも先端側、かつ接地電極6の突出側から見て、放電ギャップGの全体を直接視認できる。つまり、スパークプラグ1の外部から、放電ギャップGの全体を直接視認できる。それゆえ、放電ギャップGの長さが所望の長さとなっているか否かの確認を容易に行うことができる。それゆえ、接地電極6をハウジング2に固定した後、放電ギャップGを調整しやすい。つまり、スパークプラグ1における各部品の寸法のばらつき、又は組み付け時のばらつき等があったとしても、ハウジング2に固定された接地電極6をわずかに変形させることにより、放電ギャップGが適切な距離となるように微調整しやすい。その結果、スパークプラグ1を効率的に製造することができる。
【0045】
以上のごとく、本形態によれば、生産性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法を提供することができる。
【0046】
(実施形態2)
本形態は、図9に示すごとく、実施形態1に対し、中心電極4の先端部の形状を変更した形態である。
すなわち、中心電極4は、接地電極6の固定端部62と反対側の突出側端部63に近づくほど先端側に向かうように傾斜した中心傾斜面41を有する。中心傾斜面41は接地傾斜面611に沿って傾斜している。本形態においては、中心電極4の先端面42の全体が中心傾斜面41となっている。
【0047】
本形態において、線分L4は、図9に示すごとく、線分L3上に位置している。
【0048】
また、中心傾斜面41は、接地傾斜面611と平行である。ここで、平行とは、厳密な意味での平行に限らず、例えば、厳密な意味での平行から5°以内のわずかな角度差がある場合を含むものとする。
【0049】
本形態において、中心電極4の中心傾斜面41と接地電極6の接地傾斜面611とは、それぞれ平坦な面となっている。そして、それぞれの平坦な面同士が、互いに平行に対向配置されることにより、放電ギャップGが形成されている。
その他は、実施形態1と同様である。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0050】
中心電極4は中心傾斜面41を有する。そして、中心傾斜面41は接地傾斜面611に沿って傾斜している。それゆえ、中心電極4側の放電の起点位置を分散させやすい。そのため、中心電極4が局部的に摩耗することを抑制し、放電ギャップGの距離が拡大することを抑制することができる。その結果、スパークプラグ1の寿命を延ばすことができる。
【0051】
線分L4は、線分L3上に位置している。それゆえ、中心傾斜面41と接地傾斜面611とが、互いに略平行となりやすい。それゆえ、中心電極4側の放電の起点位置を一層分散させやすい。その結果、スパークプラグ1の寿命を一層延ばすことができる。
【0052】
中心傾斜面41は、接地傾斜面611と平行である。それゆえ、中心電極4側の放電の起点位置を、より一層分散させやすい。その結果、スパークプラグ1の寿命を、より一層延ばすことができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0053】
(実施形態3)
本形態は、図10に示すごとく、実施形態1に対し、接地電極6の形状を変更した形態である。
【0054】
本形態において、接地電極6は、図10に示すごとく、固定端部62を含む固定側部64と、接地傾斜面611を備えた傾斜部65とを有する。固定側部64は、プラグ径方向に沿って形成されている。傾斜部65は、突出側端部63に近づくほど先端側に向かうようにZ方向に対して傾斜している。なお、プラグ径方向とは、スパークプラグ1の中心軸PCに直交する平面上において、スパークプラグ1の中心軸PCを中心とする円の半径方向を意味する。
その他の構成及び作用効果は、実施形態1と同様である。
【0055】
(実施形態4)
【0056】
本形態は、図11に示すごとく、実施形態1に対し、接地電極6の形状を変更した形態である。
【0057】
本形態において、接地電極6は、図11に示すごとく、プラグ径方向に沿うように、ハウジング2に固定されている。
【0058】
接地電極6における突出側端部63付近の部分は、接地電極6の突出方向へ向かうほどZ方向における厚みが小さくなっている。そして、接地電極6の先細り形状となった部分に、接地傾斜面611が形成されている。
その他の構成及び作用効果は、実施形態1と同様である。
【0059】
(実施形態5)
本形態は、図12図13に示すごとく、接地電極6がハウジング2の平坦面221に固定された形態である。
すなわち、内壁面22は平坦面221を有する。そして、接地電極6は平坦面221に固定されている。
【0060】
ハウジング2は、図12に示すごとく、内壁面22の一部がプラグ径方向における内側に突出することにより形成された支承部24を有する。支承部24は環状に形成されている。支承部24は、絶縁碍子3をZ方向に支承している。
【0061】
本形態において、平坦面221は、Z方向に沿って形成されている。平坦面221は、ハウジング2の先端から支承部24にわたって形成されている。
【0062】
Z方向における平坦面221の長さD3は、Z方向における固定端部62の接合面の長さD4以上である。また、接地電極6の長手方向に直交する接地電極6の幅方向において、平坦面221の幅D5は、図13に示すごとく、接地電極6の幅D6以上である。
その他は、実施形態1と同様である。
【0063】
接地電極6の固定端部62は平坦面221に固定されている。それゆえ、固定端部62における内壁面22に接合される接合面を平坦な面とすることができる。それゆえ、内壁面22に固定する前の接地電極6を効率的に製造することができる。つまり、例えば、金属からなる線材等を、切断面が平坦な面となるように、所定の長さに切断することにより、接地電極6を製造することができる。その結果、スパークプラグ1の生産性を向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0064】
(実施形態6)
本形態は、図14に示すごとく、実施形態5に対し、ハウジング2の平坦面221がプラグ径方向の内側に突出した形態である。
【0065】
本形態において、ハウジング2は、図14に示すごとく、内壁面22の一部がプラグ径方向における内側に突出することにより形成された凸部25を有する。凸部25には、プラグ径方向における内側を向く平坦面221が形成されている。接地電極6の固定端部62は、凸部25に形成された平坦面221に溶接されている。
【0066】
また、凸部25は、ハウジング2の先端から支承部24にわたって形成されている(図示略)。
その他の構成及び作用効果は、実施形態5と同様である。
【0067】
(実施形態7)
本形態は、図15図16に示すごとく、接地電極6が凹部形成面261に固定された形態である。
【0068】
ハウジング2は、図15図16に示すごとく、内壁面22の一部をプラグ径方向の外側に後退させることにより凹設した固定凹部26を有する。固定凹部26は、プラグ軸方向Zにおける放電ギャップGの先端よりも基端側の位置からハウジング2の先端にわたって形成されている。また、固定凹部26は先端側に開口している。接地電極6は、固定凹部26を形成する凹部形成面261に固定されている。
【0069】
凹部形成面261は、図15図16に示すごとく、接地電極6とプラグ周方向に対向する2つの周方向対向面262と、接地電極6とプラグ径方向に対向する1つの径方向対向面263とを有する。本形態において、周方向対向面262と径方向対向面263とは、それぞれ平坦面221でもある。なお、プラグ周方向は、プラグ中心軸PCを中心とする円周に沿った方向である。
【0070】
本形態において、接地電極6と、2つの周方向対向面262のそれぞれとは、互いに接合されている。また、接地電極6と径方向対向面263とも、互いに接合されている。
【0071】
本形態において、ハウジング2に対し接地電極6を接合するにあたっては、固定端部62を固定凹部26に嵌合した後、溶接を行う。
その他は、実施形態5と同様である。
【0072】
接地電極6は、凹部形成面261に固定されている。それゆえ、ハウジング2に対する接地電極6の接合面積を広くすることができる。その結果、ハウジング2と接地電極6との接合部の強度を高めることができる。
【0073】
また、ハウジング2に対する接地電極6の接合面積が広くなることにより、接地電極6の熱がハウジング2に効率的に伝わりやすい。それゆえ、接地電極6の過熱を抑制することができる。その結果、プレイグニッションを抑制することができる。
また、ハウジング2に対する接地電極6の、プラグ周方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0074】
また、固定凹部26は先端側に開口している。それゆえ、固定凹部26の先端側から、接地電極6の固定端部62を、Z方向に沿って挿入配置することができる。それゆえ、接地電極6を所望の位置に配置しやすい。その結果、生産性を向上させることができる。
【0075】
また、ハウジング2におけるネジ部23のネジ切り始めに対して固定凹部26を所定の位置に形成することにより、接地電極6に対する噴孔51の位置、及びネジ部23のネジ切り始めに対する噴孔51の位置を定めやすい。つまり、例えば、プラグカバー5の基端部に凸部を設けておく。また、噴孔51に対する当該凸部の形成位置を定めておく。そして、ハウジング2に対しプラグカバー5を固定する際、この凸部を、先端側に開口した固定凹部26に嵌合する。これにより、ネジ部23のネジ切り始め及び接地電極6に対する噴孔51の位置を容易に定めることができる。それゆえ、噴孔51を介して副燃焼室50に導入された気流が、接地電極6によって阻害されにくいように、噴孔51を配置しやすい。また、噴孔51の外側開口部511が主燃焼室の気流の上流側を向くように、噴孔51を配置しやすい。それゆえ、副燃焼室50内の気流を強化しやすい。それゆえ、放電によって形成された初期火炎は、気流によって、副燃焼室50における、より基端側に運ばれやすい。それゆえ、副燃焼室50における、より基端側から火炎が成長しやすい。その結果、主燃焼室に噴出する火炎ジェットを強化させることができる。
その他、実施形態5と同様の作用効果を有する。
【0076】
(実施形態8)
本形態は、図17に示すごとく、接地電極6が、ハウジング2に形成された挿通孔27に挿通固定された形態である。
【0077】
本形態において、ハウジング2には、図17に示すごとく、接地電極6を挿通させる挿通孔27が形成されている。挿通孔27は、ハウジング2のネジ部23から内壁面22にわたって形成されている。挿通孔27は、接地電極6を挿通固定する前において、外部と副燃焼室50とを連通させるように形成されている。
【0078】
挿通孔27は、プラグ中心軸PCに近づくほど先端側に向かうように、Z方向に対して傾斜して開口している。接地電極6は、挿通孔27の内周面に接合されている。
その他は、実施形態1と同様である。
【0079】
接地電極6は、挿通孔27に挿通固定されている。それゆえ、開口方向が所定の方向となるように挿通孔27を形成することにより、接地電極6を所望の位置に固定しやすい。つまり、接地電極6の傾斜角度及び中心電極4に対する位置が、所望と角度又は位置となるように、接地電極6をハウジング2に対し安定して固定しやすい。その結果、生産性を向上させることができる。
【0080】
また、接地電極6は挿通孔27の内周面に固定されている。それゆえ、ハウジング2に対する接地電極6の接合面積を広くすることができる。その結果、ハウジング2と接地電極6との接合部の強度を高めることができる。また、ハウジング2に対する接地電極6の接合面積が広くなることにより、プレイグニッションを抑制することができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0081】
上記実施形態1~8において、プラグカバー5には、4つの噴孔51が形成されている。ただし、噴孔は、プラグカバーに5つ以上形成することもできる。また、プラグカバーに形成された噴孔の数は、3つ以下とすることもできる。
【0082】
上記実施形態1~8において、噴孔51は、Z方向から見たとき、噴孔51の中心軸(図示略)がプラグ径方向に沿うように形成されている。ただし、噴孔は、Z方向から見たとき、噴孔とプラグ中心軸とを通過するプラグ径方向に延びる仮想直線(図示略)に対して、噴孔の中心軸が傾斜するように形成することもできる。つまり、噴孔を介して副燃焼室に気流が導入されることによって、副燃焼室にスワール流が生じるように、噴孔を形成することもできる。
【0083】
また、放電ギャップを形成する中心電極の先端部と接地電極とのそれぞれに、チップを接合することもできる。つまり、中心電極の先端部に接合されたチップと接地電極に接合されたチップとの間に、放電ギャップを形成することもできる。チップは、例えば、イリジウムや白金等の貴金属、又はこれらを主成分とする合金とすることができる。
【0084】
上記実施形態1、2、5~8において、接地電極6は、略四角柱形状をなしている。ただし、接地電極は、例えば、略円柱形状とすることもできる。
【0085】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0086】
1…スパークプラグ、2…ハウジング、21…先端面、3…絶縁碍子、4…中心電極、5…プラグカバー、50…副燃焼室、51…噴孔、6…接地電極、61…基端面、611…接地傾斜面、62…固定端部、G…放電ギャップ、PC…プラグ中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17