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特開2022-186301洗浄方法、アルカリイオン水洗濯装置、及び、ランドリーシステム
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  • 特開-洗浄方法、アルカリイオン水洗濯装置、及び、ランドリーシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186301
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】洗浄方法、アルカリイオン水洗濯装置、及び、ランドリーシステム
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/08 20060101AFI20221208BHJP
   D06F 31/00 20060101ALI20221208BHJP
   D06F 33/36 20200101ALI20221208BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
D06F39/08 301A
D06F31/00
D06F33/36
C11D17/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094452
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】517103290
【氏名又は名称】株式会社wash-plus
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】高梨 健太郎
【テーマコード(参考)】
3B166
3B167
3B168
4H003
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AA11
3B166AB43
3B166AC21
3B166AE03
3B166AE11
3B166AE12
3B166BA52
3B166CA01
3B166CB01
3B166CB11
3B166DA23
3B166DC03
3B166DC22
3B166DC47
3B166DC48
3B166FB01
3B166HA03
3B166HA12
3B166JM02
3B166JM03
3B167AA01
3B167AA11
3B167AB43
3B167AC21
3B167AE03
3B167AE11
3B167AE12
3B167BA52
3B167FB01
3B167HA03
3B167HA12
3B167JA02
3B167JA55
3B167JC02
3B167JC03
3B167JC22
3B167KA13
3B167LA23
3B167LC09
3B167LE04
3B167LF15
3B167LG04
3B168AA01
3B168AA11
3B168AB43
3B168AC21
3B168AE03
3B168AE11
3B168AE12
3B168BA52
3B168FA12
3B168JM02
3B168JM03
4H003BA12
4H003DA01
4H003DC02
4H003ED02
4H003FA28
(57)【要約】
【課題】洗剤を用いずに衣類を洗浄することができ、かつ黄ばみの発生を防止することができるアルカリイオン水洗濯装置を提供する。
【解決手段】容器2に溜められたアルカリイオン水を洗濯槽11に供給可能な洗濯機1を備え、洗濯機1は、予洗い及び本洗いを行うことが可能であり、当該予洗い時にはアルカリイオン水を洗濯槽11に供給せず、当該本洗い時にはアルカリイオン水を洗濯槽11に供給することで、洗剤を用いずに衣類を洗浄することができ、かつ黄ばみの発生を防止することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道水にて衣類の洗浄を行う第1洗浄工程と、
前記第1洗浄工程を行った前記衣類に対しアルカリイオン水にて洗浄を行う第2洗浄工程とを有する
ことを特徴とする洗浄方法。
【請求項2】
前記第1洗浄工程は、1分間以上行うものとする
ことを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
【請求項3】
アルカリイオン水を洗濯槽に供給可能な洗濯機を備え、
前記洗濯機は、水道水にて衣類の洗浄を行う第1洗浄工程、及び、前記第1洗浄工程を行った前記衣類に対し前記アルカリイオン水にて洗浄を行う第2洗浄工程を行うことが可能である
ことを特徴とするアルカリイオン水洗濯装置。
【請求項4】
前記洗濯機は、
前記第1洗浄工程の有無を選択可能なスイッチと、
前記スイッチの信号に基づき、前記洗濯槽への前記アルカリイオン水の供給の有無を制御することで、前記第1洗浄工程の有無を制御する制御部とを備える
ことを特徴とする請求項3に記載のアルカリイオン水洗濯装置。
【請求項5】
前記洗濯機は、
前記洗濯槽の水中のpHを測定可能な測定部と、
前記測定部のpH測定値に基づき、前記洗濯槽への前記アルカリイオン水の供給の有無を制御することで、前記第1洗浄工程の有無を制御する制御部とを備える
ことを特徴とする請求項3に記載のアルカリイオン水洗濯装置。
【請求項6】
アルカリイオン水を洗濯槽に供給可能なランドリー機器を備え、
前記ランドリー機器は、水道水にて衣類の洗浄を行う第1洗浄工程、及び、前記第1洗浄工程を行った前記衣類に対し前記アルカリイオン水にて洗浄を行う第2洗浄工程を行うことが可能である
ことを特徴とするランドリーシステム。
【請求項7】
前記ランドリー機器は、前記第1洗浄工程の有無を選択可能であり、前記第1洗浄工程を行わず前記第2洗浄工程を行う場合と、前記第1洗浄工程及び前記第2洗浄工程を行う場合とで、支払料金を変更する
ことを特徴とする請求項6に記載のランドリーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類の洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、アルカリイオン水を用いて衣類の洗浄を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のようにアルカリイオン水を用いた場合、洗剤を用いずに衣類を洗浄することが可能となるといった効果を奏する一方、洗浄後の衣類に黄ばみが発生することがある。
【0005】
上述の課題に鑑み、本発明では、洗剤を用いずに衣類を洗浄することができ、かつ黄ばみの発生を防止することができる、洗浄方法、アルカリイオン水洗濯装置、及び、ランドリーシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点における洗浄方法によれば、
水道水にて衣類の洗浄を行う第1洗浄工程と、
前記第1洗浄工程を行った前記衣類に対しアルカリイオン水にて洗浄を行う第2洗浄工程とを有する
ことを特徴とする。
【0007】
より好ましくは、
前記第1洗浄工程は、1分間以上行うものとする
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点におけるアルカリイオン水洗濯装置によれば、
アルカリイオン水を洗濯槽に供給可能な洗濯機を備え、
前記洗濯機は、水道水にて衣類の洗浄を行う第1洗浄工程、及び、前記第1洗浄工程を行った前記衣類に対し前記アルカリイオン水にて洗浄を行う第2洗浄工程を行うことが可能である
ことを特徴とする。
【0009】
より好ましくは、
前記洗濯機は、
前記第1洗浄工程の有無を選択可能なスイッチと、
前記スイッチの信号に基づき、前記洗濯槽への前記アルカリイオン水の供給の有無を制御することで、前記第1洗浄工程の有無を制御する制御部とを備える
ことを特徴とする。
【0010】
より好ましくは、
前記洗濯機は、
前記洗濯槽の水中のpHを測定可能な測定部と、
前記測定部のpH測定値に基づき、前記洗濯槽への前記アルカリイオン水の供給の有無を制御することで、前記第1洗浄工程の有無を制御する制御部とを備える
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の観点におけるランドリーシステムによれば、
アルカリイオン水を洗濯槽に供給可能なランドリー機器を備え、
前記ランドリー機器は、水道水にて衣類の洗浄を行う第1洗浄工程、及び、前記第1洗浄工程を行った前記衣類に対し前記アルカリイオン水にて洗浄を行う第2洗浄工程を行うことが可能である
ことを特徴とする。
【0012】
より好ましくは、
前記ランドリー機器は、前記第1洗浄工程の有無を選択可能であり、前記第1洗浄工程を行わず前記第2洗浄工程を行う場合と、前記第1洗浄工程及び前記第2洗浄工程を行う場合とで、支払料金を変更する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る洗浄方法、アルカリイオン水洗濯装置、及び、ランドリーシステムによれば、洗剤を用いずに衣類を洗浄することができ、かつ黄ばみの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例1に係るアルカリイオン水洗濯装置の構成を説明する概略図である。
図2】本発明の実施例2に係るアルカリイオン水洗濯装置の構成を説明する概略図である。
図3】本発明の実施例3に係るアルカリイオン水洗濯装置の構成を説明する概略図である。
図4】本発明の実施例4に係るアルカリイオン水洗濯装置の構成を説明する概略図である。
図5】予洗いによる試験時間毎のでんぷん除去率を示す試験結果(グラフ)である。
図6】予洗いによる試験時間毎のでんぷん除去率を示す試験結果(表)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願発明者は、米、小麦粉、米粉等が付着している衣類をアルカリイオン水に浸漬すると黄ばみ(着色)が発生すること、及び、それを解決するための手段を発見した。なお、黄ばみの原因は、でんぷんが主なものと考えられるが、別の理由も考えられる。
【0016】
以下では、本発明に係るアルカリイオン水洗濯装置、コインランドリー、及び、洗浄方法について、実施例により具体的に説明する。
【0017】
[実施例1]
図1に示すように、本実施例に係るアルカリイオン水洗濯装置は、主たる構成として、洗濯機1及び容器2を備えている。このうち容器2は、キャップ(図示略)を着脱することが可能な開口部21を有し、その内部にアルカリイオン水が溜められている。ただし、このアルカリイオン水は、洗濯使用時と比較して例えば100倍程度に濃縮されているものとする。
【0018】
洗濯機1は、洗濯する衣類を投入する洗濯槽11、洗濯槽11に水道水を供給する第1給水管P1、及び、第1給水管P1に設けられた第1制御弁12等を含む、従来の洗濯機の構成に加え、容器取付口13、第2給水管P2、第2制御弁14、及び、制御部15を備えている。
【0019】
容器取付口13は、容器2の開口部21を着脱可能なものである。容器2は、容器取付口13に開口部21が取り付けられた状態において、例えば開口部21が下方側を向くようにする等、容器2内のアルカリイオン水が容器取付口13側へ流入するように設置されるものとする。
【0020】
第2給水管P2は、容器取付口13と第1給水管P1とを連通するものである。ただし、第1給水管P1のうち、第1制御弁12よりも下流側(すなわち洗濯槽11側)に接続している。これにより、第1給水管P1内を通過する水道水に容器2内からのアルカリイオン水を混ぜてから洗濯槽15に供給することが可能となる。また第2給水管P2には、第2制御弁14が設けられている。
【0021】
第1制御弁12及び第2制御弁14は、制御部15により開閉制御される弁である。制御部15が第1制御弁12及び第2制御弁14を開閉制御することにより、水道水及びアルカリイオン水の供給を制御することができる。また制御部15は、洗濯機1の洗い、脱水、及び、すすぎ等の制御も行うものとする。
【0022】
洗濯機1による洗いは、予洗い(第1洗浄工程)、及び、当該予洗い後に実施される本洗い(第2洗浄工程)を含むものとする。以下では、この予洗いと本洗いについてそれぞれ説明する。
【0023】
予洗いは、制御部15により第1制御弁12を開状態、第2制御弁14を閉状態として、常温の水道水(お湯にする必要はない)のみを用いて洗濯槽11内の衣類を洗浄するものである。なお、予洗いの時間は1~1.5分間とするのが好ましい。この予洗いにより、衣類に付着した米、小麦粉、米粉等を落とすことができる。また、予洗い完了後には、一度脱水を行う。
【0024】
図5,6は、予洗いによる試験時間毎のでんぷん除去率を示す試験結果である。なおこの試験は、10粒の米粒を綿白布上に置いた自然添着布と、この自然添着状態のものに米粒の厚さで50%圧縮を行った圧縮添着布の2種類に対し行い、洗濯機については、ドラム式と縦型の2種類を用いて行った。
【0025】
図5,6を見ればわかるように、自然添着布の場合は、ドラム式であっても縦型であっても1分の予洗いで米粒(米でんぷん)をほぼ除去することができ、圧縮添着布の場合は、1.5分の予洗いで米粒(米でんぷん)をほぼ除去することができる。
【0026】
本洗いは、予洗い及びその後の脱水を行った衣類に対し、制御部15により第1制御弁12を開状態、第2制御弁14を開状態として、水道水とアルカリイオン水との混合水(水道水により薄めたアルカリイオン水)を用いて洗濯槽11内の衣類を洗浄するものである。なお、予洗い及び本洗いにおいて洗剤は投入しない。また、本洗い完了後には脱水を行い、その後、すすぎを行う。
【0027】
なお、洗濯機1は、容器取付口13を設けるのではなく、従来の洗濯機の洗剤投入口のように、予めアルカリイオン水を溜めておくアルカリイオン水投入口を設け、本洗い時に当該アルカリイオン水投入口から洗濯槽11にアルカリイオン水が供給されるように制御部15が制御するものとしてもよい。
【0028】
これにより本実施例では、洗剤を用いずに衣類を洗浄することができ、かつ黄ばみの発生を防止することができる。
【0029】
[実施例2]
本実施例に係るアルカリイオン水洗濯装置は、実施例1に係るアルカリイオン水洗濯装置の構成に加え、米、小麦粉、米粉等が付着していない衣類にも最適に対応するものである。以下では、実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と重複する部分については極力省略する。
【0030】
図2に示すように、本実施例に係るアルカリイオン水洗濯装置は、少なくとも、ユーザにより予洗いの有無を選択可能な選択スイッチ16を外面(例えば上面(蓋部以外))に備えている。また、本実施例に係るアルカリイオン水洗濯装置は、実施例1の制御部15に代えて制御部15Aを備えている。
【0031】
制御部15Aには、選択スイッチ16からの信号が入力される。そして制御部15Aは、当該信号に基づき、第1制御弁12及び第2制御弁14を開閉制御するものである。また制御部15Aは、洗濯機1の洗い、脱水、及び、すすぎ等の制御も行うものとする。
【0032】
すなわち、選択スイッチ16により予洗い無しが選択されると、制御部15Aは第1制御弁12を開状態、第2制御弁14を開状態として、水道水とアルカリイオン水とを混合した水を用いて洗濯槽11内の衣類を洗う。すなわち本実施例では、選択スイッチ16により予洗い無しが選択されると、予洗い(及びその後の脱水)を行わずに本洗いを行う。
【0033】
一方、選択スイッチ16により予洗い有りが選択されると、制御部15Aは、まず第1制御弁12を開状態、第2制御弁14を閉状態として、水道水のみを用いて洗濯槽11内の衣類を洗う。その後、一度脱水を行い、第1制御弁12を開状態、第2制御弁14を開状態として、水道水とアルカリイオン水との混合水(水道水で薄めたアルカリイオン水)を用いて洗濯槽11内の衣類を洗う。すなわち本実施例では、選択スイッチ16により予洗い有りが選択されると、予洗い及び脱水を行ってから本洗いを行う。
【0034】
これにより本実施例では、実施例1の作用効果に加え、さらに、米、小麦粉、米粉等が付着していない衣類に対しては、ユーザの判断で予洗いを省略することができ、経済的及び時間的節約が可能となる。
【0035】
[実施例3]
本実施例に係るアルカリイオン水洗濯装置は、実施例1に係るアルカリイオン水洗濯装置の構成に加え、予洗いの有無を自動的に切り替えるものである。以下では、実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と重複する部分については極力省略する。
【0036】
図3に示すように、本実施例に係るアルカリイオン水洗濯装置は、洗濯槽11内の任意の位置に測定部17を備えている。測定部17は、洗濯槽11内の水中のpHを測定するものである。また、本実施例に係るアルカリイオン水洗濯装置は、実施例1の制御部15に代えて制御部15Bを備えている。
【0037】
制御部15Bには、測定部17によるpH測定値が入力される。そして制御部15Bは、当該pH測定値に基づき、第1制御弁12及び第2制御弁14を開閉制御するものである。また制御部15Bは、洗濯機1の洗い、脱水、及び、すすぎ等の制御も行うものとする。
【0038】
制御部15Bは、まず第1制御弁12を開状態、第2制御弁14を閉状態として、水道水のみを用いて洗濯槽11内を攪拌する(実施例1等で説明した予洗いの時間か、それ以下の時間)。次に、攪拌したままの状態において、測定部17から入力したpH測定値が所定値以上の場合、予洗いを行う必要があると判断する。一方、所定値未満の場合、予洗いを行う必要がないと判断する。
【0039】
予洗いを行う必要がないと判断すると、制御部15Bは、第1制御弁12を(開状態から)閉状態とし、第2制御弁14を開状態として、既に洗濯槽11内に溜まっている水道水に直接アルカリイオン水を供給し、洗濯槽11内の衣類を洗う。すなわち本洗いを行う。
【0040】
一方、予洗いを行う必要があると判断すると、制御部15Bは、実施例1等で説明した予洗いの時間(1分~1.5分間)が経過するまで、そのまま攪拌を続ける。これが予洗いに相当する。あるいは、制御部15Bによる予洗いの有無の判断の時点ですでに予洗いの時間分攪拌している場合は、すでに予洗いが完了していると見做す。
【0041】
いずれにしても、予洗いを行う必要があると判断した場合は、上述のように予洗いに等しい攪拌を終えた後、一度脱水を行い、次に、制御部15Bは、第1制御弁12を開状態、第2制御弁14を開状態として、水道水とアルカリイオン水との混合水(水道水で薄めたアルカリイオン水)を用いて洗濯槽11内の衣類を洗う。すなわち予洗い、脱水、本洗いを行う。
【0042】
なお、上述でも触れたが、攪拌を予洗いの時間分行うとした場合、制御部15Bが予洗いを行う必要が無いと判断した時点で、すでに予洗いを行っているに等しい状態となってしまっていることになるが、予洗い完了後の脱水は行わず本洗いに移行するので、その分の工程を省くことはできる。
【0043】
[実施例4]
図4に示すように、本実施例に係るランドリーシステムは、コインランドリー店舗内に設けられた複数のランドリー機器30を備えている。
【0044】
図4に示すランドリー機器30には、洗濯槽31に水道水を供給するための第3給水管P3、及び、第3給水管P3に設けられた第3制御弁32等が設けられており、ランドリー機器としての基本機能である貨幣処理、第3制御弁32の開閉制御等を実行するランドリー機器制御部33が設けられている。なお、図4に示すとおり、第3給水管P3は、1本の給水管が各ランドリー機器30に向けて分岐した形状となっている。
【0045】
これにより、ランドリー機器制御部70aにより第3制御弁32が開状態となることで、水道水が洗濯槽31に供給される一方、第3制御弁32が閉状態となることで、洗濯槽31への水の給水が停止されるようになっている。
【0046】
そして、本実施例に係るランドリーシステムは、ランドリー機器30の洗濯槽31にアルカリイオン水を供給するための第4給水管P4、及び、第4給水管P4に設けられた第4制御弁34、容器取付口35、及び、容器36が設けられている。
【0047】
上述のうち、容器取付口35及び容器36については、実施例1で説明した容器取付口13及び容器2とそれぞれ同様である。
【0048】
ランドリー機器30は、予洗いの有無を切り替え可能となっている。切り替える方法としては、実施例2のように選択スイッチを設け、ユーザが操作することによるものであってもよいし、あるいは、実施例3のように測定部を設け、洗濯槽31の水中のpH測定値に基づき判断するものとしてもよい。いずれにしても、この切り替えはランドリー機器制御部33により第4制御弁34を操作することで実現される。またランドリー機器制御部33は、洗い、脱水、及び、すすぎ等の制御も行うものとする。
【0049】
予洗い無しの場合、ランドリー機器制御部33は第3制御弁32を開状態、第4制御弁34を開状態として、水道水とアルカリイオン水とを混合した水を用いて洗濯槽31内の衣類を洗う。すなわち予洗いを行わずに本洗いを行う。
【0050】
一方、予洗い有りの場合、ランドリー機器制御部33は、まず第3制御弁32を開状態、第4制御弁34を閉状態として、水道水のみを用いて洗濯槽11内の衣類を洗う。その後、一度脱水を行い、第3制御弁32を開状態、第4制御弁34を開状態として、水道水とアルカリイオン水との混合水(水道水で薄めたアルカリイオン水)を用いて洗濯槽31内の衣類を洗う。すなわち予洗い及び脱水を行ってから本洗いを行う。
【0051】
また、ランドリー機器制御部33による貨幣処理においては、予洗い有りと予洗い無しとの場合でユーザの支払料金を変更するようにしてもよい。
【0052】
また、図5に示すように、本実施例は、コインランドリー店舗に設けられ、当該店舗外の管理サーバ41、ユーザの携帯端末42、及び、各ランドリー機器制御部33と通信を行う制御システム40を備えるようにしてもよい。
【0053】
制御システム40には、複数のユーザの携帯端末42からの情報が登録されている。これは、ユーザがランドリー機器30を初めて使用する場合、専用アプリケーションソフトウェア(以下、専用アプリ)を携帯端末42にダウンロードし、当該携帯端末42を用いてユーザ情報(氏名、住所、携帯電話番号、支払情報(クレジットカード情報、プリペイドカード情報)等)を制御システム40に登録しておくことで実現される。
【0054】
ユーザが、支払を現金ではなくクレジットカードやプリペイドカードで行う際には、ランドリー機器制御部33からの予洗い有り無しの情報に基づき、その支払額を変更するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、洗濯機やランドリー機器として好適である。
【符号の説明】
【0056】
1 洗濯機
2,36 容器
11 洗濯槽
12 第1制御弁
13,35 容器取付口
14 第2制御弁
15,15A,15B 制御部
16 選択スイッチ
17 測定部
21 開口部
30 ランドリー機器
31 洗濯槽
32 第3制御弁
33 ランドリー機器制御部
34 第4制御弁
40 制御システム
41 管理サーバ
42 携帯端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6