(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186332
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】情報提供装置及び情報提供システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20221208BHJP
G09B 9/04 20060101ALI20221208BHJP
G09B 9/052 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G09B9/04 A
G09B9/052
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094491
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 智春
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB20
5H181CC04
5H181CC27
5H181FF10
5H181LL20
5H181MB02
5H181MB12
5H181MC19
(57)【要約】
【課題】ドライバに対し十分な効果のある教育を実行すること。
【解決手段】実施形態に係る情報提供装置は、取得部と、判定部と、提供部と、を有する。取得部は、ドライバが運転する車両において撮影された画像を取得する。判定部は、画像を基に、ドライバに対する教育が必要であるか否かを判定する。提供部は、判定部によって教育が必要と判定された場合、ドライバが所属するグループに所属するユーザに対し、画像及び危険な挙動があった旨のメッセージを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバが運転する車両において撮影された画像を取得する取得部と、
前記画像を基に、前記ドライバに対する教育が必要であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって教育が必要と判定された場合、前記ドライバが所属するグループに所属するユーザに対し、前記画像及び危険な挙動があった旨のメッセージを提供する提供部と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記ドライバに対し、前記画像に対するリアクションを要求する要求部と、
前記要求部による要求に対する前記ドライバのリアクションを基にメッセージを作成する作成部と、
をさらに有し、
前記提供部は、前記作成部によって作成されたメッセージを提供することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記提供部は、前記ドライバと所定の属性が共通するユーザをメンバとするグループに対し、前記画像及び前記メッセージを提供することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記提供部は、所定の場所で車両を運転する頻度が所定値以上であるユーザをメンバとするグループに対し、前記画像及び前記メッセージを提供することを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記提供部は、前記判定部による判定結果に応じて計算される運転中の危険な挙動に関する指標が、改善されたことを示す所定の条件を満たす場合、前記ドライバが所属するグループに所属するユーザに対し、前記ドライバの運転の挙動が改善した旨のメッセージをさらに提供することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記判定部は、所定の判定基準により前記ドライバに対する教育が必要であるか否かを判定し、
前記提供部によって提供された前記画像及び前記メッセージに対する、前記グループに所属するユーザのリアクションを基に、前記判定基準を更新する更新部をさらに有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
車載装置と、情報提供装置と、端末と、を有する情報提供システムであって、
前記車載装置は、
ドライバが運転する車両において画像を撮影する撮影部を有し、
前記情報提供装置は、
前記車載装置から画像を取得する取得部と、
前記画像を基に、前記ドライバに対する教育が必要であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって教育が必要と判定された場合、前記ドライバが所属するグループに所属するユーザが所有する前記端末に対し、前記画像及び危険な挙動があった旨のメッセージを提供する提供部と、
を有し、
前記端末は、前記提供部によって提供された前記画像及び前記メッセージを表示する表示部を有することを特徴とする情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置及び情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転が可能な車両のドライバごとに教育内容を生成しておき、識別したドライバに対し当該ドライバに対応した教育内容に基づく教育を実行する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、企業内で事故防止教育を実施する際、社有車に設置されたドライブレコーダから取得できる交通違反映像やヒヤリハット映像が教材として利用される場合がある。その場合、取得された映像は、安全教育の促進のために管理者へレポートされたり、ドライバへメール等を利用して通知されたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、ドライバに対し十分な効果のある教育が実行できない場合があるという問題がある。
【0006】
例えば、従来の技術では、ドライバ個人に危険な運転の映像を見せて教育を行ったとしても、ドライバが危険な運転を自分事としてとらえられない場合がある。その場合、十分な効果のある教育は困難である。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ドライバに対し十分な効果のある教育を実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報提供装置は、取得部と、判定部と、提供部と、を有する。取得部は、ドライバが運転する車両において撮影された画像を取得する。判定部は、画像を基に、ドライバに対する教育が必要であるか否かを判定する。提供部は、判定部によって教育が必要と判定された場合、ドライバが所属するグループに所属するユーザに対し、画像及び危険な挙動があった旨のメッセージを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ドライバに対し十分な効果のある教育を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報提供システムについて説明する図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、運転スコアDBの例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報提供装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する情報提供装置及び情報提供システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報提供システムの構成及び処理について説明する。
図1は、実施形態に係る情報提供システムについて説明する図である。
【0013】
図1に示すように、情報提供システム1は、情報提供装置10、車両V、車載装置20及び端末30a、端末30b及び端末30cを有する。例えば、車両Vは自動車である。また、端末30a、端末30b及び端末30cを区別せずに端末30と表記する場合がある。
【0014】
例えば車載装置20は、車両Vの内部に備え付けられたドライブレコーダである。また、例えば情報提供装置10はサーバである。また、例えば端末30は、パーソナルコンピュータ及びスマートフォン等である。
【0015】
また、車載装置20及び端末30は、ネットワークNを介して情報提供装置10とデータ通信可能に接続されている。例えば、ネットワークNはインターネットである。
【0016】
図1を用いて、情報提供システム1の処理の流れを説明する。
図1に示すように、まず、車載装置20は危険画像を撮影する(ステップS11)。
【0017】
例えば、車載装置20は、車両V又は車載装置20に備えられたGセンサが感知したG値が一定値以上である場合に、カメラを用いて車両Vの周囲又は内部の画像を撮影する。なお、画像には、静止画及び動画像が含まれるものとする。
【0018】
車載装置20は、撮影した危険画像を情報提供装置10に提供する(ステップS12)。また、車載装置20は、画像とともに、車両Vを運転しているドライバの識別情報及びセンサ値等を情報提供装置10に提供してもよい。
【0019】
ここで、車載装置20は、車両Vを運転するユーザ(以降、ドライバ)のユーザID等の識別情報を、当該ユーザによる入力及び端末からの読み取り等により取得するものとする。
【0020】
ここでは車両Vのドライバは、端末30aを所有しているものとする。情報提供装置10は、危険画像に対するリアクションを端末30aに要求する(ステップS13)。
【0021】
ステップS13は、ドライバが運転を終了した後に実行されてもよい。例えば、情報提供装置10は、日中に撮影された危険画像に対して、その日の夜又は翌日以降にリアクションを要求することができる。
【0022】
ドライバは、端末30aを介してリアクションを提供する(ステップS14)。リアクションは、自由記述によるコメントであってもよいし、画像撮影時の運転について危険と思ったか否かをアンケート形式により回答するものであってもよい。
【0023】
また、リアクションは、画像に対してドライバが抱いた感情(驚いた、悲しい、怒った等)に対応するアイコンを選択させるものであってもよい。
【0024】
そして、情報提供装置10は、ドライバのリアクションに基づく情報と危険画像をドライバ以外のユーザを含む複数のユーザに提供する(ステップS15)。
【0025】
ドライバのリアクションに基づく情報は、例えばドライバが画像に対して発したコメント、又は画像撮影時の運転を危険と考えているか否かである。また、情報提供装置10は、画像が撮影された日時及び場所に関する情報を提供することができる。
【0026】
ここで、情報提供装置10から情報及び画像を提供されるユーザは、あらかじめ作成されたグループに所属するユーザである。
【0027】
例えば、情報提供システム1が企業において運用される場合、グループは業務における部署等の単位で作成されてもよい。
【0028】
また、グループは所定の共通する属性を持つユーザ単位で作成されてもよい。例えば、グループには、交差点等の特定の場所で車両を運転する頻度が一定値以上であるユーザ、又は共通の地区に居住するユーザが所属する。
【0029】
また、グループは、同僚、家族、友人といった業務及び運転とは関係のない任意の単位で作成されたものであってもよい。
【0030】
情報提供システム1によれば、ドライバの危険な挙動に関する画像がグループに所属するユーザにも提供される。これにより、ドライバが他のユーザの反応を見ることで、危険な挙動を自分事と考え、教育の効果が向上すると考えられる。
【0031】
図2を用いて情報提供装置10の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
【0032】
図2に示すように、情報提供装置10は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。
【0033】
通信部11は、データの通信のためのインタフェースである。例えば、通信部11はNIC(Network Interface Card)である。
【0034】
通信部11は他の装置との間でデータの送受信を行うことができる。例えば、通信部11は、ネットワークNを介して車載装置20及び端末30との間でデータの送受信を行う。
【0035】
情報提供装置10の制御部13及び記憶部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポート等を有するコンピュータや各種の回路により実現される。
【0036】
記憶部12は、運転スコアDB121、グループDB122、通知DB123及び画像DB124を記憶する。
【0037】
図3は、運転スコアDBの例を示す図である。
図3に示すように、運転スコアDB121には、「ユーザ」及び「運転スコア」が含まれる。
【0038】
「ユーザ」は、ユーザを識別するための情報(例えばユーザID)である。
【0039】
「運転スコア」は、運転中の危険な挙動に関する指標である。「運転スコア」は各ユーザがドライバとして車両を運転した際の挙動に応じて加減される。
【0040】
例えば、「運転スコア」は、運転中に危険な挙動があった場合は減点され、燃料消費を抑えたエコ運転等の優良な挙動があった場合は加点される。
【0041】
例えば、
図3には、ユーザ「U01」の「運転スコア」が「1」であることが示されている。また、例えば、
図3には、ユーザ「U03」の「運転スコア」が「-1」であることが示されている。
【0042】
図4は、グループDBの例を示す図である。グループDB122は、情報提供装置10が画像及びメッセージを提供するグループごとの所属するユーザが記憶されている。グループDB122には、「グループ」、「説明」及び「所属ユーザ」が含まれる。
【0043】
「グループ」は、グループを識別するための情報(例えばグループID)である。
【0044】
「説明」は、グループを説明するための文字列である。
【0045】
「所属ユーザ」は、グループに所属するユーザのユーザIDである。
【0046】
例えば、
図4には、「営業部所属」と説明されるグループ「G01」に、ユーザIDが「U01」、「U02」、「U03」、「U04」である4人のユーザが所属していることが示されている。
【0047】
また、例えば、
図4には、「X交差点利用」と説明されるグループ「G02」に、ユーザIDが「U01」、「U02」、「U05」である3人のユーザが所属していることが示されている。
【0048】
また、ユーザ「U01」のように、ユーザは複数のグループに重複して所属していてもよい。
【0049】
図5は、通知DBの例を示す図である。通知DB123は、情報提供装置10がドライバに対するリアクションの要求、及びグループのユーザに対するメッセージの提供を行う際に参照される。
図5に示すように、通知DB123には、「カテゴリ」と「メッセージ」が含まれる。
【0050】
「カテゴリ」は、メッセージがドライバに対するリアクションの要求のためのもの(リアクション要求)であるか、又はグループのユーザに対するメッセージの提供のためのもの(話題提供)であるかを示す。
【0051】
「メッセージ」は、情報提供装置10が提供するメッセージ、又はメッセージの雛形である。
【0052】
例えば、
図5には、カテゴリが「リアクション要求」である「[user]さん、[time]の[place]での運転が危険と判定されました。何かコメントをお願いします。」というメッセージが示されている。
【0053】
ここで、「[user]」、「[time]」及び「[place]」は変数であり、それぞれユーザの氏名、画像の撮影日時及び画像の撮影場所等に置き換えられてもよい。
【0054】
例えば、情報提供装置10は、「[user]」、「[time]」及び「[place]」をそれぞれ「A」、「2021年5月1日」を「X交差点」に置き換え、「Aさん、2021年5月1日のX交差点での運転が危険と判定されました。何かコメントをお願いします。」というメッセージを作成することができる。
【0055】
画像DB124には、車載装置20から提供された画像が格納される。画像DB124において、画像は、ドライバ、撮影日時、撮影場所等と対応付けられていてもよい。
【0056】
制御部13は、取得部131、判定部132、更新部133、要求部134、作成部135及び提供部136を有する。
【0057】
取得部131は、ドライバが運転する車両Vにおいて撮影された画像を取得する。また、取得部131は、画像とともにGセンサ等のセンサ値、画像の撮影日時、撮影場所等を取得することができる。
【0058】
取得部131は、車載装置20から画像を取得する。なお、車載装置20は、ドライバが運転する車両Vにおいて画像を撮影する撮影部(例えばカメラ)を有する。
【0059】
判定部132は、画像を基に、ドライバに対する教育が必要であるか否かを判定する。判定部132は、画像撮影時にドライバが危険な挙動をしていると判断できる場合に、ドライバに対する教育が必要であると判定する。
【0060】
なお、危険な挙動には、急ブレーキ、急加速、信号無視、ヒヤリハット、ながら運転、居眠り運転、ふらつき等が含まれる。
【0061】
判定部132は、取得部131によって取得された画像の解析、又は画像とともに取得したセンサ値等の情報を基に判定を行ってもよい。例えば、判定部132は、画像撮影時のG値のセンサが閾値以上である場合にドライバに対する教育が必要であるか否かを判定する。
【0062】
更新部133は、判定部132がドライバに対する教育が必要であるか否かを判定する際の判定基準を更新する。なお、更新部133は、前述の運転スコアを含む各種情報の更新を行ってもよい。
【0063】
例えば、判定部132は、所定の判定基準によりドライバに対する教育が必要であるか否かを判定する。そして、更新部133は、後述する提供部136によって提供された画像及びメッセージに対する、グループに所属するユーザのリアクションを基に、判定基準を更新する。
【0064】
このように、グループに所属するユーザが話題を提供された際のフィードバックを判定基準に反映させることで、教育効果をより高めることができる。
【0065】
また、判定部132は、機械学習モデルを使って判定を行ってもよい。この場合、更新部133は、ユーザのリアクションを教師データとして機械学習モデルの訓練を行ってもよい。
【0066】
要求部134は、ドライバに対し、画像に対するリアクションを要求する。要求部134は、通知DB123からカテゴリが「リアクション要求」であるメッセージの雛形を取得し、雛形の各変数を置き換えたメッセージをドライバが所有する端末30に送信する。
【0067】
例えば、取得部131によって取得された画像について、ドライバの氏名が「A」、撮影日時が「2021年5月1日」、撮影場所が「X交差点」である場合、要求部134は、「Aさん、2021年5月1日のX交差点での運転が危険と判定されました。何かコメントをお願いします。」というメッセージを端末30に送信する。
【0068】
なお、情報提供装置10は、リアクションの要求等のメッセージを、メール又はチャットサービスを利用して送信することができる。
【0069】
作成部135は、要求部134による要求に対するドライバのリアクションを基にメッセージを作成する。これにより、情報提供装置10はドライバの心情を含めたメッセージを提供できるため、より教育効果が高められる。
【0070】
例えば、作成部135は、ドライバが画像に関して危険な挙動を行っていたと認識しているか否かに応じたメッセージを作成する。
【0071】
作成部135は、通知DB123からカテゴリが「リアクション要求」であるメッセージの雛形を取得し、雛形の各変数を置き換えたメッセージを作成する。
【0072】
提供部136は、作成部135によって作成されたメッセージを提供する。
【0073】
例えば、提供部136は、判定部132によって教育が必要と判定された場合、ドライバが所属するグループに所属するユーザに対し、画像及び危険な挙動があった旨のメッセージを提供する。
【0074】
ここで、端末30は、提供部136によって提供された画像及びメッセージを表示する表示部を有する。
【0075】
端末30の表示部は、画像及びメッセージを話題提供画面に表示する。
図6は、話題提供画面の例を示す図である。
【0076】
図6に示すように、話題提供画面は、複数のユーザ及びボットが参加するチャットUIを含む。ボットは、情報提供装置10から提供されたメッセージを発信するための疑似的なユーザである。
【0077】
図6の例では、まずボットが「皆さんこんにちは。実は、AさんがX交差点を走った時、とても危なかったんです…ヒヤヒヤしました。」というメッセージを送信する(発話511)。このメッセージは、作成部135が通知DB123の雛形を基に作成したものである。
【0078】
そして、ボットは、「その時の映像を、見てみてください。」というメッセージとともに、画像を提示する(発話512)。ここで提示される画像は、取得部131が車載装置20から取得した画像である。
【0079】
ここで「Aさん」と表記されているユーザはドライバである。また、「Bさん」及び「Cさん」と表記されているユーザはドライバと同じグループに所属するユーザである。
【0080】
発話513、発話514、発話515では、ユーザ同士が画像に関する会話を行っている。このとき、ドライバである「Aさん」は、「Bさん」及び「Cさん」から、実際に挙動が危険であったことを指摘されたり、画像の撮影場所に関する情報を受け取ったりすることができる。
【0081】
その後、「Cさん」による発話515以降、いずれのユーザからも発話がなく一定時間が経過した場合、発話516のように、ボットは「みなさんも、交差点に進入する時は信号をよく見るようにしてくださいね。」というメッセージを送信し、会話の終了を示唆する。
【0082】
なお、例えば発話512以降いずれのユーザからも発話がなく一定時間が経過した場合にも、ボットは会話の終了を示唆するメッセージを送信する。
【0083】
なお、更新部133は、
図6に示すような会話の履歴を基に、判定部132による判定基準を更新してもよい。
【0084】
更新部133は、会話に現れたキーワードを集計した結果を基に判定基準を更新することができる。
【0085】
例えば会話の中に「気を付ける」、「危ない」といった、危険と判定したことを肯定する単語が多く現れている場合、更新部133は、判定基準がユーザの感覚に近いものであると判断し、判定基準を更新しない。
【0086】
一方、会話の中に「安全」、「危険ではない」といった危険と判定したことを否定する単語が多く現れている場合、更新部133は、判定基準がユーザの感覚からかい離していると判断し、ユーザの感覚に合わせて判定基準を更新する。
【0087】
また、グループのメンバによる会話の盛り上がりを基に、映像の見せ方、グループの分類の基準等を見直すことができる。
【0088】
また、提供部136は、ドライバのリアクションに応じてメッセージを変化させてもよい。
【0089】
例えば、ドライバが画像撮影時の運転について危険と思った旨のリアクションをした場合、提供部136は、「Aさん、この前X交差点を走っている時危なかったんですよね?その時の映像がこちらなんです。」のようにリアクションの内容をメッセージに含めるようにしてもよい。
【0090】
逆に、例えばドライバが画像撮影時の運転について危険と思わなかった旨のリアクションをした場合、提供部136は、「Aさんがこの前X交差点を走っていたときの映像です。Aさんは危険と思わなかったそうですが、皆さんのご意見をお聞かせください。」のように、グループのメンバの意見を求めるようなメッセージを送信してもよい。
【0091】
これにより、危険な挙動に関する議論が活発になり、さらに教育効果を高めることができる。
【0092】
提供部136は、ドライバと所定の属性が共通するユーザをメンバとするグループに対し、画像及びメッセージを提供する。
【0093】
これにより、情報提供装置10は、特に教育効果が高いと考えられるユーザに対して話題を提供することができる。
【0094】
例えば、提供部136は、所定の場所で車両を運転する頻度が所定値以上であるユーザをメンバとするグループに対し、画像及びメッセージを提供する。例えば、
図4のグループDB122におけるグループ「G02」は、「X交差点」の利用頻度が高いユーザのグループである。
【0095】
これにより、情報提供装置10は、同じ場所で車両を運転するユーザに対してより実用的な情報を提供できるため、教育効果を高めることができる。
【0096】
図6の例では、危険な挙動に関する話題がグループに提供されていた。一方で、提供部136は、判定部132による判定結果に応じて計算される運転中の危険な挙動に関する指標(例えば運転スコア)が、改善されたことを示す所定の条件を満たす場合、ドライバが所属するグループに所属するユーザに対し、ドライバの運転の挙動が改善した旨のメッセージをさらに提供する。
【0097】
これにより、教育効果が高まったことをユーザに示すことができ、さらにユーザがそのことについて会話を行うことで、教育効果が高まった状態を維持することができる。
【0098】
この場合、例えば提供部136は、
図5に示す通知DB123の「皆さん、最近は危険な運転が発生していません。これからもこの調子でお願いします。」というメッセージを提供する。
【0099】
また、例えば
図6の会話が行われてから、「Aさん」の運転スコアが一定期間減点されなかった場合、提供部136は、「あれ以来、Aさんの危険挙動が減りました。良かったですね。」というメッセージを表示する。
【0100】
なお、例えば運転スコアDB121の「運転スコア」は、判定部132によって教育が必要と判定されたときに減点され、運転の終了後エコ運転等の優良な運転をしたと判定された場合に加点される。
【0101】
なお、車載装置20が情報提供装置10と同等の機能を有していてもよい。例えば、車載装置20は、十分な計算機リソースを有する場合、危険画像を情報提供装置10に提供することなく、メッセージとともに直接端末30に送信する。この場合、情報提供システム1は、車載装置20と端末30とにより実現される。
【0102】
図7は、実施形態に係る情報提供装置の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、まず、情報提供装置10は、車載装置20から画像を取得する(ステップS101)。このとき、情報提供装置10は、画像とともにセンサ値等の情報を取得してもよい。
【0103】
次に、情報提供装置10は、取得した画像及びその他の情報から、ドライバに教育が必要であるか否かを判定する(ステップS102)。例えば、情報提供装置10は、ドライバによって危険な挙動が行われているか否かによって、教育が必要であるか否かを判定する。
【0104】
情報提供装置10は、教育が必要でないと判定した場合(ステップS102、No)、処理を終了する。
【0105】
情報提供装置10は、教育が必要であると判定した場合(ステップS102、Yes)、ドライバの運転スコアを更新(減点)する(ステップS103)。
【0106】
ここで、情報提供装置10は、ドライバに対して画像に対するリアクションを要求する(ステップS104)。
【0107】
また、情報提供装置10は、ドライバのリアクションを基に話題(ユーザに提供されるメッセージ)を作成する(ステップS105)。
【0108】
そして、情報提供装置10は、画像と話題を特定のグループのユーザに提供する(ステップS106)。
【0109】
上述してきたように、情報提供装置10は、取得部131と、判定部132と、提供部136と、を有する。取得部131は、ドライバが運転する車両において撮影された画像を取得する。判定部132は、画像を基に、ドライバに対する教育が必要であるか否かを判定する。提供部136は、判定部132によって教育が必要と判定された場合、ドライバが所属するグループに所属するユーザに対し、画像及び危険な挙動があった旨のメッセージを提供する。
【0110】
このように、情報提供装置10は、車載装置20から取得した画像を、ドライバ自身だけに提供するのではなく、グループに所属するユーザに対して提供する。
【0111】
これにより、ドライバがグループのメンバからの発話を基に危険な挙動を顧みることができる。また、グループのメンバが同様の危険な挙動を行うことが防止される。
【0112】
このように、本実施形態によれば、ドライバに対し十分な効果のある教育が実行できる。
【0113】
なお、情報提供装置10の各機能は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポート等を有するコンピュータや各種の回路により実現される。
【0114】
また、情報提供装置10は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
【0115】
コンピュータのCPUは、例えばROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、収集部231と、抽出部232と、計算部233及び通知部234として機能する。
【0116】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細及び代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0117】
N ネットワーク
V 車両
1 情報提供システム
10 情報提供装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 車載装置
30、30a、30b、30c 端末
121 運転スコアDB
122 グループDB
123 通知DB
124 画像DB
131 取得部
132 判定部
133 更新部
134 要求部
135 作成部
136 提供部