(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186356
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/271 20210101AFI20221208BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20221208BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20221208BHJP
H01M 50/233 20210101ALI20221208BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20221208BHJP
【FI】
H01M50/271 B
H01M50/204 101
H01M50/249
H01M50/233
H01G11/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094525
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】河合 卓磨
(72)【発明者】
【氏名】小西 敦之
(72)【発明者】
【氏名】岩嶋 泰行
(72)【発明者】
【氏名】前田 晃希
【テーマコード(参考)】
5E078
5H040
【Fターム(参考)】
5E078AA10
5E078AB01
5E078EA11
5E078HA04
5E078HA05
5E078HA23
5H040AA07
5H040AA14
5H040AA33
5H040AS04
5H040AS05
5H040AS06
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040CC05
5H040CC20
5H040CC35
5H040CC36
5H040CC38
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】外装体が有する2つの接続部を強固に固定することができる蓄電装置を提供する。
【解決手段】蓄電素子400と、蓄電素子400が収容される外装体100とを備える蓄電装置1であって、外装体100は、第一方向に重ねられて互いに接続される接続部であって、第一方向と交差する第二方向に延設される第一接続部111及び第二接続部121と、第一接続部111及び第二接続部121の間に配置されるガスケット140と、第一接続部111とで第二接続部121を挟む位置に配置され、第二方向に延設される第二補強部材300と、第二接続部121とで第二補強部材300を挟む位置に配置され、第二接続部121に向けて第二補強部材300を押圧して、第一接続部111及び第二接続部121を固定する固定部131aと、を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子と、前記蓄電素子が収容される外装体とを備える蓄電装置であって、
前記外装体は、
第一方向に重ねられて互いに接続される接続部であって、前記第一方向と交差する第二方向に延設される第一接続部及び第二接続部と、
前記第一接続部及び前記第二接続部の間に配置されるガスケットと、
前記第一接続部とで前記第二接続部を挟む位置に配置され、前記第二方向に延設される補強部材と、
前記第二接続部とで前記補強部材を挟む位置に配置され、前記第二接続部に向けて前記補強部材を押圧して、前記第一接続部及び前記第二接続部を固定する固定部と、を有する
蓄電装置。
【請求項2】
前記ガスケットは、前記第一接続部及び前記第二接続部の間で、前記第一接続部及び前記第二接続部に圧縮された状態で配置される
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第一接続部及び前記第二接続部の少なくとも一方には、前記第一方向に凹んだ凹部であって、前記ガスケットが収容される凹部が形成されている
請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第二接続部は、前記第一接続部及び前記補強部材の少なくとも一方よりも剛性が低い
請求項1~3のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記外装体は、複数の前記固定部を有し、
前記補強部材は、前記複数の固定部に亘って、前記第二方向に延設されて配置される
請求項1~4のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記補強部材は、前記第二接続部に向けて突出する凸部を有する
請求項1~5のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記補強部材は、
前記第一接続部とで前記第二接続部を挟む位置に配置される補強部材本体と、
前記補強部材本体から前記第一方向に突出する突出部と、を有する
請求項1~6のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子と外装体とを備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電素子と、蓄電素子が収容される外装体とを備える蓄電装置が知られている。例えば、特許文献1には、バッテリ(蓄電素子)と、バッテリが収容されるアッパケース及びロアケース(外装体)とを備えるバッテリパック(蓄電装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のような構成の蓄電装置では、外装体が有する互いに接続される2つの接続部を強固に固定することができない場合がある。具体的には、上記従来の蓄電装置では、外装体の2つの接続部(アッパケースのフランジ及びロアケースのフランジ)が固定されるが、当該2つの接続部の間にはガスケット(シール部材)が配置される。このため、当該2つの接続部を固定する際に、ガスケットによって一方の接続部に対して他方の接続部が浮き上がる(反る)場合があり、このような場合、当該2つの接続部を強固に固定することができないおそれがある。当該2つの接続部を強固に固定できないと、外装体内の気密性を確保できない等の不具合が生じ得る。
【0005】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目してなされたものであり、外装体が有する2つの接続部を強固に固定することができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子が収容される外装体とを備える蓄電装置であって、前記外装体は、第一方向に重ねられて互いに接続される接続部であって、前記第一方向と交差する第二方向に延設される第一接続部及び第二接続部と、前記第一接続部及び前記第二接続部の間に配置されるガスケットと、前記第一接続部とで前記第二接続部を挟む位置に配置され、前記第二方向に延設される補強部材と、前記第二接続部とで前記補強部材を挟む位置に配置され、前記第二接続部に向けて前記補強部材を押圧して、前記第一接続部及び前記第二接続部を固定する固定部と、を有する。
【0007】
これによれば、蓄電装置において、外装体は、第一接続部及び第二接続部の間に配置されるガスケットと、第一接続部とで第二接続部を挟む補強部材と、第二接続部に向けて補強部材を押圧して第一接続部及び第二接続部を固定する固定部と、を有している。このように、外装体において、第一接続部とで第二接続部を挟む位置に補強部材を配置し、固定部で、第二接続部に向けて補強部材を押圧して、第一接続部及び第二接続部を固定することにより、補強部材が、第一接続部に向けて第二接続部を押圧する。これにより、外装体において、第一接続部及び第二接続部の間にガスケットが配置された場合でも、第一接続部に対して第二接続部が浮き上がる(反る)のを抑制することができるため、第一接続部及び第二接続部を強固に固定することができる。
【0008】
また、前記ガスケットは、前記第一接続部及び前記第二接続部の間で、前記第一接続部及び前記第二接続部に圧縮された状態で配置されることにしてもよい。
【0009】
これによれば、外装体において、ガスケットが、第一接続部及び第二接続部に圧縮された状態で配置されるため、ガスケットの反発力によって、第一接続部に対して第二接続部が浮き上がりやすくなる。このため、第一接続部とで第二接続部を挟む位置に補強部材を配置して、補強部材で第一接続部に向けて第二接続部を押圧する。これにより、ガスケットが圧縮された状態で配置されていても、第一接続部に対して第二接続部が浮き上がるのを抑制することができるため、第一接続部及び第二接続部を強固に固定することができる。
【0010】
また、前記第一接続部及び前記第二接続部の少なくとも一方には、前記第一方向に凹んだ凹部であって、前記ガスケットが収容される凹部が形成されていることにしてもよい。
【0011】
これによれば、外装体において、第一接続部及び第二接続部の少なくとも一方には、ガスケットが収容される凹部が形成されているため、第一接続部及び第二接続部を接続する際に、ガスケットを容易に配置することができる。また、当該凹部内にガスケットが収容されることにより、ガスケットの位置がずれるのを抑制することができる。
【0012】
また、前記第二接続部は、前記第一接続部及び前記補強部材の少なくとも一方よりも剛性が低いことにしてもよい。
【0013】
これによれば、外装体において、第二接続部が、第一接続部及び補強部材の少なくとも一方よりも剛性が低い。例えば、第二接続部が第一接続部よりも剛性が低い場合には、第一接続部よりも第二接続部が反りやすいため、第一接続部に対して第二接続部が浮き上がりやすくなる。このため、補強部材で第一接続部に向けて第二接続部を押圧することにより、第一接続部に対して第二接続部が浮き上がるのを抑制することができる。また、第二接続部が補強部材よりも剛性が低い場合には、第二接続部が第一接続部に対して浮き上がった場合に、第二接続部よりも剛性が高い補強部材によって第二接続部の浮き上がりを効果的に抑制することができる。これらにより、外装体において、第一接続部及び第二接続部を強固に固定することができる。
【0014】
また、前記外装体は、複数の前記固定部を有し、前記補強部材は、前記複数の固定部に亘って、前記第二方向に延設されて配置されることにしてもよい。
【0015】
これによれば、補強部材が、外装体が有する複数の固定部に亘って延設されることにより、補強部材が、当該複数の固定部に亘って、第一接続部に向けて第二接続部を押圧することができる。これにより、補強部材が、第一接続部に対して第二接続部が浮き上がるのをより抑制することができるため、第一接続部及び第二接続部をより強固に固定することができる。
【0016】
また、前記補強部材は、前記第二接続部に向けて突出する凸部を有することにしてもよい。
【0017】
これによれば、補強部材が、第二接続部に向けて突出する凸部を有していることにより、当該凸部が第二接続部を押圧するため、補強部材が、第一接続部に向けて第二接続部をより強固に押圧することができる。これにより、補強部材が、第一接続部に対して第二接続部が浮き上がるのをより抑制し、第一接続部及び第二接続部をより強固に固定することができる。
【0018】
また、前記補強部材は、前記第一接続部とで前記第二接続部を挟む位置に配置される補強部材本体と、前記補強部材本体から前記第一方向に突出する突出部と、を有することにしてもよい。
【0019】
これによれば、補強部材が、第一接続部とで第二接続部を挟む補強部材本体から突出する突出部を有していることにより、突出部によって補強部材本体を補強することができる。これにより、補強部材が、第一接続部に対して第二接続部が浮き上がるのをより抑制し、第一接続部及び第二接続部をより強固に固定することができる。
【0020】
なお、本発明は、蓄電装置として実現することができるだけでなく、外装体としても実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明における蓄電装置によれば、外装体が有する2つの接続部を強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る蓄電ユニットが有する各構成要素を分解して示す分解斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る蓄電ユニットが有する各構成要素を分解して示す分解斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る蓄電素子を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。
【
図5】実施の形態に係る第二補強部材の構成を示す斜視図及び断面図である。
【
図6】実施の形態に係る第一外装体、第二外装体、固定部材、ガスケット及び第一補強部材と、第二補強部材との位置関係を示す斜視図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。さらに、各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0024】
以下の説明及び図面中において、蓄電装置の外装体の長手方向、第一蓄電素子及び第二蓄電素子等の複数の蓄電素子の配列方向、蓄電ユニットと制御ユニットとの並び方向、蓄電素子の容器の短側面の対向方向、または、1つの蓄電素子における一対の電極端子の並び方向を、X軸方向と定義する。蓄電素子とバスバーとの並び方向、または、蓄電素子の容器の本体と蓋との並び方向を、Y軸方向と定義する。外装体の本体と蓋との並び方向、蓄電素子と拘束体との並び方向、蓄電素子とスペーサとの並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、蓄電素子の電極体の極板の積層方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0025】
また、以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。また、以下では、Z軸方向を第一方向とも呼び、X軸方向及びY軸方向を第二方向とも呼ぶ場合がある。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0026】
(実施の形態)
[1 蓄電装置1の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電装置1の概略構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。
図2及び
図3は、本実施の形態に係る蓄電ユニット10が有する各構成要素を分解して示す分解斜視図である。なお、
図3は、
図2に示した蓄電ユニット10が有する第一外装体110に固定された各構成要素を分解して示している。
【0027】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置1は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。また、蓄電装置1は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0028】
図1~
図3に示すように、蓄電装置1は、蓄電ユニット10と、制御ユニット20とを備えている。以下では、蓄電装置1のうちの蓄電素子400を有する部分を蓄電ユニット10と称し、蓄電素子400を制御する制御機器を有する部分を制御ユニット20と称する。蓄電ユニット10は、外装体100と、第一補強部材200とを有し、外装体100の内方には、蓄電素子400、スペーサ500、拘束体600、バスバーフレーム700、バスバー800、導電部材900、及び、制御ユニット20等が収容されている。外装体100には、一対(正極側及び負極側)の外部端子21及び22と、コネクタ23とが配置されている。各構成要素について、以下に詳細に説明する。
【0029】
[1.1 外装体100の説明]
外装体100は、蓄電装置1の外装体を構成する箱形(略直方体形状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体100は、蓄電素子400等の外方に配置され、これら蓄電素子400等を所定の位置で固定し、衝撃等から保護する。外装体100は、第一外装体110と、第二外装体120と、固定部材130と、ガスケット140と、第二補強部材300とを有している。
【0030】
第一外装体110は、外装体100の本体を構成する扁平な矩形状の部材であり、蓄電素子400等が載置されて固定される。第二外装体120は、外装体100の蓋体を構成する有底矩形筒状の部材であり、第一外装体110のZ軸プラス方向に配置され、かつ、第一外装体110と接続されて蓄電素子400等を覆う。つまり、第二外装体120には、Z軸マイナス方向側に開口が形成されており、第一外装体110は、第二外装体120の当該開口を塞ぐように配置される。
【0031】
第一外装体110は、例えば、安全性(耐圧壊性)確保の観点等から、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鋼板等の金属部材、または、絶縁塗装等の絶縁処理が施された当該金属部材等の高剛性の部材で形成されている。第二外装体120は、例えば、軽量化の観点等から、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の樹脂部材(絶縁部材)で形成されている。なお、第一外装体110は、第二外装体120と同様の樹脂部材で形成されていてもよいが、剛性の高い部材で形成されているのが好ましい。
【0032】
第一外装体110は、第一接続部111と、取付台113、114及び115と、外装体凸部116とを有している。第二外装体120は、第二接続部121を有している。
【0033】
第一接続部111は、第一外装体110の外周部分に配置される、上面視で(Z軸方向から見て)角環状の部位(フランジ部)であり、第二外装体120の第二接続部121と対向する位置に配置され、第二接続部121に重ねられて第二接続部121に接続される。同様に、第二接続部121は、第二外装体120の外周部分に配置される上面視で角環状の部位(フランジ部)であり、第一接続部111と対向する位置に配置され、第一接続部111に重ねられて第一接続部111に接続される。つまり、第一接続部111及び第二接続部121は、Z軸方向(第一方向)に重ねられて互いに接続される接続部であって、Y軸方向及びX軸方向(第一方向と交差する第二方向)に延設されて配置されている。
【0034】
取付台113及び114は、拘束体600が取り付けられる部材である。具体的には、取付台113は、第一外装体110のY軸マイナス方向の端部に配置され、拘束体600の後述する第一拘束体610のY軸マイナス方向側の部位が取り付けられる。取付台114は、第一外装体110のY軸プラス方向の端部に配置され、第一拘束体610のY軸プラス方向側の部位が取り付けられる。さらに具体的には、取付台113及び114は、ボルト部を有しており、当該ボルト部がナットと螺合することにより、取付台113及び114に拘束体600(第一拘束体610)が取り付けられる。
【0035】
取付台115は、導電部材900が取り付けられる部材である。具体的には、取付台115は、第一外装体110のX軸方向中央部かつY軸プラス方向の端部に配置され、導電部材900の後述する取付部913及び923が取り付けられる。さらに具体的には、取付台115は、ボルト部を有しており、当該ボルト部がナットと螺合することにより、取付台115に導電部材900(取付部913及び923)が取り付けられる。
【0036】
外装体凸部116は、蓄電素子400に向けて突出する凸部である。具体的には、外装体凸部116は、第一外装体110のY軸方向中央部に配置され、Z軸プラス方向に向けて突出する上面視矩形状かつ膨出状の凸部(膨出部)である。X軸方向に並ぶ4つの蓄電素子400に対応して、X軸方向に4つの外装体凸部116が並んで配置されている。それぞれの外装体凸部116は、蓄電素子400の後述する長側面411aの中央部に対向する位置に配置されて、蓄電素子400の当該中央部を押圧する。
【0037】
第二外装体120内にて、蓄電素子400の電圧または温度等の情報を伝達する制御用電線(通信線、制御線、通信ケーブル、制御ケーブルともいう)が、制御ユニット20と接続されることにより、制御ユニット20との間で、蓄電素子400の電圧または温度等の情報が伝達される。また、制御ユニット20がコネクタ23と電気的に接続され、これにより、外部との間で当該情報が伝達される。
【0038】
ガスケット140は、第一外装体110及び第二外装体120の間に配置されるガスケットである。具体的には、ガスケット140は、第一接続部111及び第二接続部121の間に配置される上面視で矩形環状のOリングである。さらに具体的には、ガスケット140は、第一接続部111及び第二接続部121の間で、第一接続部111及び第二接続部121に圧縮された状態で配置される。ガスケット140は、例えば、ゴム(天然ゴム、合成ゴム)、または、PC、PP、PE等の第二外装体120に使用可能ないずれかの樹脂材料等で形成されている。
【0039】
第二補強部材300は、第一外装体110とで第二外装体120を挟む位置に配置され、第一外装体110及び第二外装体120の外周部分に沿って延設される部材である。つまり、第二補強部材300は、第一接続部111とで第二接続部121を挟む位置に配置され、X軸方向またはY軸方向(第二方向)に延設される。本実施の形態では、Y軸方向両側の第一接続部111及び第二接続部121に対して、X軸方向(第二方向)に延設される2つの第二補強部材301が配置される。X軸方向両側の第一接続部111及び第二接続部121に対して、Y軸方向(第二方向)に延設される2つの第二補強部材302が配置される。これにより、4つの第二補強部材300(2つの第二補強部材301及び2つの第二補強部材302)が、第一外装体110及び第二外装体120の外周部分のほぼ全体に亘って配置される。言い換えると、第二補強部材300は、複数の固定部材130に亘って、延設されて配置される。
【0040】
第二補強部材300は、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鋼板等の金属部材、または、絶縁塗装等の絶縁処理が施された当該金属部材等の高剛性の部材で形成されている。上述の通り、第一接続部111は、例えば金属製(高剛性)のフランジ部であり、第二接続部121は、例えば樹脂製(低剛性)のフランジ部である。このため、第二接続部121は、第一接続部111及び第二補強部材300の少なくとも一方よりも剛性が低い。本実施の形態では、第二接続部121は、第一接続部111及び第二補強部材300の双方よりも剛性が低い。つまり、第一接続部111及び第二補強部材300の少なくとも一方(本実施の形態では、第一接続部111及び第二補強部材300の双方)は、第二接続部121よりも剛性が高い。第二補強部材300の構成の詳細な説明については、後述する。
【0041】
なお、剛性が高い(または低い)とは、外力に対して強い(または弱い)ことを意味し、例えば、曲げやねじりの力に対して寸法変化が小さい(または大きい)状態であるとして定義できる。例えば、第二接続部121が第一接続部111よりも剛性が低いとは、第一接続部111及び第二接続部121について同じ大きさの領域の中央部分を同じ力で押したときに、第二接続部121の方が寸法変化(撓み量)が大きい場合をいう。または、同じ寸法変化を生じさせるために必要な力が、第二接続部121の方が第一接続部111よりも小さい場合であるとも言える。なお、剛性の定義は、上記に限定されることなく、当業者であれば通常解釈できる範囲内の定義であればよい。
【0042】
第二接続部121は、第一接続部111及び第二補強部材300の少なくとも一方よりも、全体として剛性が低ければよい。つまり、第二接続部121は、第一接続部111及び第二補強部材300の少なくとも一方よりも、材質的に剛性が低くても(剛性が低い素材で形成されていても)よいし、構造的に剛性が低くても(剛性が低い形状で構成されていても)よい。
【0043】
固定部材130は、第一固定部材131と、第二固定部材132とを有している。第一固定部材131及び第二固定部材132は、互いに接続(接合)されて、第一外装体110と第二外装体120とを接続(接合)する部材である。具体的には、第一接続部111に、複数の第二固定部材132が略等間隔で並んで配置され、第二接続部121の第二固定部材132と対応する位置に、複数の第一固定部材131が並んで配置される。これにより、第一固定部材131及び第二固定部材132は、第一接続部111及び第二接続部121を、第二補強部材300とともに接続(接合)する。
【0044】
本実施の形態では、第一固定部材131は、ボルトであり、第二固定部材132は、当該ボルトが螺合するナットである。また、第一接続部111には貫通孔111aが形成され、第二接続部121には貫通孔121aが形成され、第二補強部材300には貫通孔311が形成されている。これら貫通孔311、121a及び111aに、第一固定部材131の雄ネジ部が挿入されて、当該雄ネジ部が第二固定部材132の雌ネジ部と螺合される。これにより、第一固定部材131及び第二固定部材132は、第一接続部111及び第二補強部材300で第二接続部121を挟んだ状態で、第二接続部121に向けて第二補強部材300を押圧して、第一接続部111及び第二接続部121を接続(固定)する。
【0045】
[1.2 第一補強部材200の説明]
第一補強部材200は、Z軸方向(第一方向)において蓄電素子400と並び、かつ、外装体100に沿って配置される板状の部材である。第一補強部材200は、外装体100の外面に取り付けられている。具体的には、第一補強部材200は、蓄電素子400及び第一外装体110のZ軸マイナス方向に、第一外装体110に沿ってX軸方向に延設されて配置される矩形状かつ波板状の部材である。そして、第一補強部材200は、第一外装体110のZ軸マイナス方向側の外面に当接し、かつ、当該外面に取り付けられる。第一補強部材200は、板状部材を波板状に折り曲げることで形成してもよいし、鋳造(ダイカスト)等で形成してもよい。
【0046】
本実施の形態では、第一補強部材200は、X軸方向両端部において、固定部材130(第一固定部材131及び第二固定部材132)によって、第二接続部121及び第二補強部材300とともに、第一接続部111に取り付けられる。具体的には、第一補強部材200は、X軸方向両端部に、貫通孔211が形成された補強部材接続部210を有している。そして、第二補強部材300の貫通孔311、第二接続部121の貫通孔121a、第一接続部111の貫通孔111a及び補強部材接続部210の貫通孔211に、第一固定部材131の雄ネジ部が挿入されて、当該雄ネジ部が第二固定部材132の雌ネジ部と螺合される。これにより、第一補強部材200は、第二外装体120及び第二補強部材300とともに、第一外装体110に取り付けられる。
【0047】
なお、X軸方向両端部及びY軸方向両端部(X軸方向及びY軸方向の角部)に配置される固定部材130に対応する位置には、第二補強部材300は配置されていない。このため、当該角部においては、第一補強部材200は、第二接続部121とともに第一接続部111に取り付けられる。つまり、当該角部においては、第一補強部材200は、第二外装体120とともに第一外装体110に取り付けられる。
【0048】
[1.3 外装体100内の各構成要素の説明]
蓄電素子400は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子400は、扁平な直方体形状(角形)を有しており、本実施の形態では、8個の蓄電素子400が横置き(横倒し)にされた状態で(蓄電素子400の後述する長側面411aがZ軸方向に向いた状態で)、Z軸方向及びX軸方向に配列されている。具体的には、2つの第一蓄電素子401がZ軸方向に積層(平積み)され、2つの第二蓄電素子402がZ軸方向に積層(平積み)され、2つの第三蓄電素子403がZ軸方向に積層(平積み)され、2つの第四蓄電素子404がZ軸方向に積層(平積み)されている。そして、2つの第一蓄電素子401、2つの第二蓄電素子402、2つの第三蓄電素子403、及び、2つの第四蓄電素子404が、X軸マイナス方向からX軸プラス方向に向けて、X軸方向に並んで配列されている。
【0049】
なお、蓄電素子400の個数は特に限定されず、何個の蓄電素子400がZ軸方向に配置(積層)されていてもよいし、何個の蓄電素子400がX軸方向に配置(配列)されていてもよい。蓄電素子400の形状は、上記角形には限定されず、それ以外の多角柱形状、円柱形状、楕円柱形状、長円柱形状等であってもよい。蓄電素子400は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子400は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。蓄電素子400は、固体電解質を用いた電池であってもよい。蓄電素子400は、パウチタイプの蓄電素子であってもよい。蓄電素子400の構成の詳細な説明については、後述する。
【0050】
スペーサ500は、蓄電素子400に隣接して配置される矩形状かつ平板状のスペーサである。スペーサ500は、蓄電素子400の長側面411aに対向して、蓄電素子400のZ軸プラス方向またはZ軸マイナス方向に配置される。スペーサ500は、第二外装体120に使用可能ないずれかの樹脂材料等の絶縁部材、または、ダンマ材等の断熱性が高い部材等で形成されている。
【0051】
本実施の形態では、スペーサ500として、中間スペーサ510と、一対のエンドスペーサ520とが配置されている。中間スペーサ510は、2つの蓄電素子400の間に配置されるスペーサ500であり、エンドスペーサ520は、蓄電素子400と第一外装体110または拘束体600との間に配置されるスペーサ500である。つまり、中間スペーサ510及び一対のエンドスペーサ520が、蓄電素子400をZ軸方向で挟むように配置されて、蓄電素子400同士の間、及び、蓄電素子400と第一外装体110及び拘束体600との間を電気的に絶縁する。本実施の形態では、X軸方向に並んで第一蓄電素子401~第四蓄電素子404が配置されているため、第一蓄電素子401~第四蓄電素子404のそれぞれに対して、中間スペーサ510及び一対のエンドスペーサ520が配置されている。なお、スペーサ500に代えて、または、スペーサ500に加えて、蓄電素子400の側面に、絶縁シートが配置されていてもよい。
【0052】
Z軸プラス方向側に配置されるエンドスペーサ520のそれぞれには、Y軸マイナス方向の端部に、X軸方向に並ぶ2つの突起521が形成されている。突起521は、後述の拘束体600の第一拘束体610に形成された円形状の貫通孔611及び第二拘束体620に形成された円形状の貫通孔621に挿入される、Z軸プラス方向に突出した円柱状の突起である。これにより、スペーサ500(及び蓄電素子400)に対して拘束体600の位置決めを行うことができる。
【0053】
拘束体600は、第一外装体110とで、Z軸方向において第一蓄電素子401及び第二蓄電素子402等の複数の蓄電素子400を挟む部材である。具体的には、第一外装体110及び拘束体600は、互いに接合されて、複数の蓄電素子400を挟み込む。これにより、第一外装体110及び拘束体600は、Z軸方向において複数の蓄電素子400を拘束する(複数の蓄電素子400にZ軸方向における拘束力を付与する)。つまり、第一外装体110は、第一蓄電素子401~第四蓄電素子404を跨ぐようにX軸方向に延設されて配置されており、拘束体600は、第一蓄電素子401~第四蓄電素子404のそれぞれを第一外装体110とで個別に拘束する。拘束体600は、第一外装体110に使用可能な金属部材等で形成されている。
【0054】
拘束体600は、第一拘束体610と、第二拘束体620とを有している。第一拘束体610は、第二拘束体620のZ軸プラス方向に配置され、第一外装体110に接合される、X軸方向から見て逆U字状の板状部材である。第二拘束体620は、蓄電素子400及びスペーサ500(エンドスペーサ520)のZ軸プラス方向において、これらのZ軸プラス方向側の側面のほぼ全面を覆うように配置される板状部材である。なお、第一拘束体610及び第二拘束体620には、強度向上等のために、Y軸方向に延びる凸部(膨出部)が形成されているが、凸部(膨出部)の位置、形状及び個数は特に限定されず、また、凸部(膨出部)が形成されていない構成でもよい。さらに、第一拘束体610及び第二拘束体620は、一体に形成されていてもよいし、拘束体600は第二拘束体620を有していなくてもよい。
【0055】
第一蓄電素子401~第四蓄電素子404は互いに離間して配置されており、X軸方向に並ぶ拘束体600についても、互いに離間して配置されている。このため、例えば、第一蓄電素子401と第二蓄電素子402との間で熱が伝わるのを抑制することができるため、第一蓄電素子401及び第二蓄電素子402が互いに熱影響を及ぼすのを抑制することができる。第一蓄電素子401と第二蓄電素子402との間の隙間に断熱材を配置してもよく、これによって、第一蓄電素子401及び第二蓄電素子402が互いに熱影響を及ぼすのをさらに抑制することができる。
【0056】
バスバーフレーム700は、バスバー800と他の部材との電気的な絶縁、及び、バスバー800の位置規制を行うことができる扁平な矩形状の絶縁部材である。バスバーフレーム700は、例えば、第二外装体120に使用可能ないずれかの樹脂材料等で形成されている。バスバーフレーム700は、複数の蓄電素子400のY軸マイナス方向に配置され、複数の蓄電素子400に対して位置決めされることにより、バスバー800が、複数の蓄電素子400に対して位置決めされて、当該複数の蓄電素子400が有する電極端子に接合される。
【0057】
バスバー800は、複数の蓄電素子400のY軸マイナス方向に配置され、当該複数の蓄電素子400及び導電部材900に接続(接合)される平板状の部材である。バスバー800は、バスバー810、820及び830を有している。バスバー810は、隣り合う蓄電素子400が有する後述の電極端子420同士を接続する。バスバー820及び830は、蓄電素子400の電極端子420と導電部材900の後述する接続部912及び922とを接続して、蓄電素子400と正極側及び負極側の外部端子21及び22とを電気的に接続する。
【0058】
本実施の形態では、バスバー800と蓄電素子400の電極端子420とは、溶接によって接続(接合)されるが、ボルト締結等によって接続(接合)されてもよい。バスバー800と導電部材900の接続部912及び922とは、ボルト締結によって接続(接合)されるが、溶接等によって接続(接合)されてもよい。バスバー800は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル等の金属製の導電部材若しくはそれらの組み合わせ、または、金属以外の導電性の部材で形成されている。本実施の形態では、バスバー800は、蓄電素子400を2個ずつ並列に接続して4セットの蓄電素子群を構成し、当該4セットの蓄電素子群を直列に接続するが、バスバー800は、8個の蓄電素子400を全て直列に接続してもよいし、その他の構成であってもよい。
【0059】
導電部材900は、バスバー800及び制御ユニット20に接続されて、蓄電素子400と外部端子21及び22とを電気的に接続する導電性の部材である。つまり、導電部材900は、蓄電素子400の主電流(充放電電流)経路上に配置される導電部材(電源線、電力線、主回路ケーブル、電源ケーブル、電力ケーブルともいう)である。導電部材900は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル等の金属製の導電部材若しくはそれらの組み合わせ、または、金属以外の導電性の部材で形成されている。導電部材900は、導電部材910と、導電部材920とを有している。導電部材910は、接続部911及び912と、取付部913とを有している。導電部材920は、接続部921及び922と、取付部923とを有している。
【0060】
上述の通り、接続部912は、バスバー820に接続される部位であり、接続部922は、バスバー830に接続される部位である。取付部913及び923は、上述の通り、第一外装体110の取付台115に取り付けられる部位である。本実施の形態では、導電部材910は、接続部911から取付部913に亘って板状部材が延設され、かつ、取付部913から接続部912に亘って電線が延設された構成を有している。導電部材920は、接続部921から取付部923に亘って板状部材が延設され、かつ、取付部923から接続部922に亘って電線が延設された構成を有している。
【0061】
[1.4 その他の構成要素の説明]
制御ユニット20は、蓄電ユニット10内の蓄電素子400を制御する制御機器(図示せず)を有する装置であり、具体的には、蓄電素子400を制御するBMS(Battery Management System)である。制御ユニット20内に配置される当該制御機器は、蓄電素子400の主電流経路に接続されて蓄電素子400を制御する機器であり、例えば、蓄電素子400の充放電を制御する回路基板、ヒューズ、リレー、FET(Field Effect Transistor)等の半導体スイッチ、シャント抵抗等である。制御ユニット20は、外装体100に収容されている。
【0062】
外装体100には、X軸プラス方向の端部に、正極側及び負極側の一対のモジュール端子(総端子)である外部端子21及び22が配置されている。外部端子21及び22は、接続部911及び921を介して、蓄電ユニット10の蓄電素子400と電気的に接続される。蓄電装置1は、この外部端子21及び22を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。例えば、外部端子21は、正極側の外部端子である正極外部端子であり、外部端子22は、負極側の外部端子である負極外部端子である。外部端子21及び22は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属製の導電部材で形成されている。
【0063】
[2 蓄電素子400の構成の説明]
次に、蓄電素子400の構成について、さらに詳細に説明する。なお、蓄電ユニット10が備える8個の蓄電素子400(2つの第一蓄電素子401、2つの第二蓄電素子402、2つの第三蓄電素子403、及び、2つの第四蓄電素子404)は、全て同様の構成を有するため、以下では、1つの蓄電素子400の構成についての説明を行う。
【0064】
図4は、本実施の形態に係る蓄電素子400を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。具体的には、
図4は、
図3に示した蓄電素子400を縦置きにした(立てた)状態で、各部を分解した図を示している。
【0065】
図4に示すように、蓄電素子400は、容器410と、一対(正極側及び負極側)の電極端子420と、一対(正極側及び負極側)のガスケット430と、を備えている。また、容器410の内方には、一対(正極側及び負極側)のガスケット440と、一対(正極側及び負極側)の集電体450と、電極体460とが収容されている。なお、容器410の内方には、電解液(非水電解質)が封入されているが、図示は省略している。当該電解液としては、蓄電素子400の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。上記の構成要素の他、電極体460の側方または下方等に配置されるスペーサ、電極体460等を包み込む絶縁フィルム、または、容器410の外面を覆う絶縁シート等が配置されていてもよい。
【0066】
容器410は、開口が形成された容器本体411と、容器本体411の当該開口を閉塞する容器蓋体412と、を有する直方体形状(角形または箱形)のケースである。このような構成により、容器410は、電極体460等を容器本体411の内部に収容後、容器本体411と容器蓋体412とが溶接等されることにより、内部を密封することができる構造となっている。容器本体411及び容器蓋体412の材質は特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能な金属であるのが好ましい。
【0067】
容器本体411は、容器410の本体を構成する矩形筒状で底を備える部材であり、Y軸マイナス方向側に開口が形成されている。つまり、容器本体411は、Z軸方向両側の側面に一対の矩形状かつ平面状の(平坦な)長側面411aを有し、X軸方向両側の側面に一対の矩形状かつ平面状の(平坦な)短側面411bを有し、Y軸プラス方向側に矩形状かつ平面状の(平坦な)底面411cを有している。容器蓋体412は、容器410の蓋体を構成する矩形状の板状部材であり、容器本体411のY軸マイナス方向側にX軸方向に延設されて配置されている。容器蓋体412には、容器410内方の圧力が上昇した場合に当該圧力を開放するガス排出弁412a、及び、容器410の内方に電解液を注液するための注液部(図示せず)等が設けられている。このように、容器410は、Y軸方向(第二方向)に並んで配置され、互いに接合される容器本体411及び容器蓋体412を有している。また、上述の通り、第一蓄電素子401~第四蓄電素子404は、容器蓋体412の長手方向であるX軸方向に並んで配置されている。
【0068】
電極体460は、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属からなる集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。負極板は、銅または銅合金等の金属からなる集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。正極活物質層及び負極活物質層に用いられる活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。本実施の形態では、電極体460は、極板(正極板及び負極板)がX軸方向に延びる巻回軸(X軸方向に平行な仮想軸)まわりに巻回されて形成された巻回型(いわゆる縦巻き型)の電極体である。
【0069】
ここで、電極体460の極板(正極板及び負極板)は、Z軸方向に積層されているため、Z軸方向を積層方向とも呼ぶ。つまり、電極体460は、極板が積層方向に積層されて形成されている。なお、電極体460は、極板が巻回されることで、Z軸方向に並ぶ一対の平坦部461と、Y軸方向に並ぶ一対の湾曲部462と、を有しているが、上記の積層方向は、平坦部461における極板の積層方向である。平坦部461は、一対の湾曲部462の端部同士を繋ぐ平坦な部位であり、湾曲部462は、Y軸方向に突出するように半円形状等に湾曲した部位である。平坦部461の平坦面の向く方向、または、一対の平坦部461の対向方向を、上記積層方向と定義することもできる。このため、複数の第一蓄電素子401は、当該積層方向に並んでいると言える。他の蓄電素子400についても同様である。第一蓄電素子401~第四蓄電素子404が配列されるX軸方向を、配列方向とも呼ぶ。つまり、第一蓄電素子401~第四蓄電素子404は、当該積層方向と交差する配列方向に配列されている。
【0070】
また、電極体460は、正極板と負極板とがX軸方向に互いにずらして巻回されているため、正極板及び負極板は、それぞれのずらされた方向の端部に、活物質が形成(塗工)されず基材層が露出した部分(活物質層非形成部)を有している。つまり、電極体460は、X軸方向の両端部に、平坦部461及び湾曲部462からX軸方向両側に突出し、かつ、正極板及び負極板の活物質層非形成部が積層されて集電体450と接続される端部463を有している。
【0071】
なお、電極体460は、Y軸方向に延びる巻回軸まわりに極板が巻回されて形成されたいわゆる横巻き型の電極体、複数の平板状の極板が積層されて形成された積層型(スタック型)の電極体、または、極板を蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体等、どのような形態の電極体でもよい。横巻き型の電極体の場合、湾曲部、及び、集電体との接続部(タブ)以外の平坦な部位が平坦部であり、積層型(スタック型)及び蛇腹型の電極体の場合、集電体との接続部(タブ)以外の平坦な部位が平坦部である。
【0072】
電極端子420は、蓄電素子400の端子(正極端子及び負極端子)であり、Y軸マイナス方向に突出するように容器蓋体412に配置されている。電極端子420は、集電体450を介して、電極体460の正極板及び負極板に電気的に接続されている。電極端子420は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属等の導電部材で形成されている。
【0073】
集電体450は、電極端子420と電極体460の端部463とに電気的に接続される導電性の部材(正極集電体及び負極集電体)である。集電体450は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金等で形成されている。ガスケット430及び440は、容器蓋体412と電極端子420及び集電体450との間に配置された、平板状の電気的絶縁性を有する封止部材である。ガスケット430及び440は、例えば、第二外装体120に使用可能ないずれかの電気的絶縁性の樹脂材料等で形成されている。
【0074】
[3 第二補強部材300の構成の説明]
次に、第二補強部材300の構成について、さらに詳細に説明する。
図5は、本実施の形態に係る第二補強部材300の構成を示す斜視図及び断面図である。具体的には、
図5の(a)は、
図2に示した第二補強部材300を拡大して示す拡大斜視図である。
図5の(b)は、
図5の(a)の第二補強部材300を、Vb-Vb線を通りYZ平面に平行な面で切断した場合の断面を示す断面図であり、
図5の(c)は、
図5の(a)の第二補強部材300を、Vc-Vc線を通りYZ平面に平行な面で切断した場合の断面を示す断面図である。
【0075】
図6は、本実施の形態に係る第一外装体110、第二外装体120、固定部材130、ガスケット140及び第一補強部材200と、第二補強部材300との位置関係を示す斜視図及び断面図である。具体的には、
図6の(a)は、
図1に示した蓄電装置1における破線で囲ったVIaの部分を拡大して示す拡大斜視図である。
図6の(b)は、
図6の(a)の構成を、VIb-VIb線を通りYZ平面に平行な面で切断した場合の断面を示す断面図であり、
図6の(c)は、
図6の(a)の構成を、VIc-VIc線を通りYZ平面に平行な面で切断した場合の断面を示す断面図である。
【0076】
上述及び
図5に示すように、第二補強部材300として、Y軸方向に並び、かつ、X軸方向に延設される2つの第二補強部材301と、X軸方向に並び、かつ、Y軸方向に延設される2つの第二補強部材302とが配置されている。第二補強部材301は、四角環状の第一接続部111及び第二接続部121のX軸方向に延びる辺の一端部から他端部に亘って、連続的に直線状に延設されている。第二補強部材302は、四角環状の第一接続部111及び第二接続部121のY軸方向に延びる辺の一端部から他端部に亘って、連続的に直線状に延設されている。
【0077】
ここで、2つの第二補強部材301は、XZ平面に対して面対称な形状(またはZ軸まわりに180°回転させた回転対称の形状)を有している。2つの第二補強部材302は、YZ平面に対して面対称な形状(またはZ軸まわりに180°回転させた回転対称の形状)を有している。第二補強部材302は、第二補強部材301をZ軸まわりに90°回転させ、かつ、長さを短くしたような形状となっている。このように、4つの第二補強部材300は、配置位置及び長さは異なるものの基本的な構成は同じであるため、以下では、Y軸マイナス方向側の第二補強部材301を第二補強部材300として説明し、その他の第二補強部材300についての説明は省略する。つまり、以下では、第二補強部材300の延設方向(第二方向)をX軸方向として説明するが、第二補強部材302においては、第二補強部材300の延設方向(第二方向)はY軸方向である。
【0078】
図5に示すように、第二補強部材300は、補強部材本体310と、補強部材突出部320とを有するL字状の部材である。補強部材本体310は、第二補強部材300の本体を構成する、X軸方向(第二方向)に延設されるXY平面に平行な平板状の部位であり、第一接続部111とで第二接続部121を挟む位置に配置される。補強部材突出部320は、補強部材本体310からZ軸方向(第一方向)に突出する突出部である。具体的には、補強部材突出部320は、補強部材本体310のY軸方向の端縁からZ軸マイナス方向に突出して配置され、X軸方向(第二方向)に延設されるXZ平面に平行な平板状の部位である。本実施の形態では、補強部材突出部320は、X軸方向(第二方向)において、断続的に形成されているが、連続的に延設されて形成されていてもよい。
【0079】
補強部材本体310には、上述した貫通孔311と、補強部材凸部312とが形成されている。貫通孔311は、補強部材本体310をZ軸方向に貫通する円形状の貫通孔であり、固定部材130に対応する位置に、X軸方向(第二方向)に並んで複数の貫通孔311が配置されている。なお、X軸方向(第二方向)における最も端部の固定部材130に対応する位置には、貫通孔311は配置されていないが、当該最も端部の固定部材130に対応する位置にも、貫通孔311が配置されていてもよい。つまり、第二補強部材300は、X軸方向(第二方向)における最も端部の固定部材130に対応する位置までは延びていないが、当該最も端部の固定部材130に対応する位置まで延びていてもよい。
【0080】
補強部材凸部312は、第二接続部121に向けて突出する凸部である。具体的には、補強部材凸部312は、補強部材本体310のZ軸プラス方向側の面がZ軸マイナス方向に凹み、かつ、補強部材本体310のZ軸マイナス方向側の面がZ軸マイナス方向に突出するように膨出した凸部(膨出部)である。補強部材凸部312は、X軸方向(第二方向)において貫通孔311と隣り合う位置に配置され、かつ、X軸方向(第二方向)に延設された、上面視で長円形状の凸部である。つまり、複数の貫通孔311と複数の補強部材凸部312とが、X軸方向(第二方向)に交互に並んで配置されている。本実施の形態では、補強部材凸部312は、X軸方向(第二方向)から見て、台形状を有している。つまり、補強部材凸部312は、Z軸マイナス方向側の面が平面となっている。
【0081】
以上のような構成において、
図6に示すように、第二補強部材300は、固定部材130の第一固定部材131及び第二固定部材132によって、第一外装体110の第一接続部111及び第二外装体120の第二接続部121(及び第一補強部材200)と固定される。この構成について、さらに詳細に説明する。
【0082】
第二接続部121は、貫通孔121a内にカラー121bを有し、貫通孔121aよりも内側(
図6ではY軸プラス方向側)に接続部凹部121cを有している。カラー121bは、第二接続部121が有するそれぞれの貫通孔121a内に、インサート成形等によって配置される円筒形状の部材である。カラー121bは、第一外装体110に使用可能な金属部材等で形成されている。本実施の形態では、カラー121bは、第二接続部121における貫通孔121aの周囲の部位よりも、Z軸方向における厚みが厚く形成されて、当該周囲の部位よりもZ軸プラス方向に突出して配置されている。
【0083】
接続部凹部121cは、Z軸方向(第一方向)に凹んだ凹部であって、ガスケット140が収容される。つまり、接続部凹部121cは、ガスケット140が収容可能なように、Z軸プラス方向に向けて断面矩形状に凹み、かつ、ガスケット140に対応して、X軸方向(第二方向)に延設されて形成された溝部である。本実施の形態では、第二接続部121は、根元部分(
図6ではY軸プラス方向側の部位)の高さが高くなる段差形状を有しており、当該根元部分に接続部凹部121cが形成されている。
【0084】
第一固定部材131は、固定部131aと、雄ネジ部131bとを有している。固定部131aは、第一固定部材131のZ軸プラス方向の端部に配置される、ボルトの頭部である。雄ネジ部131bは、固定部131aからZ軸マイナス方向に延びる、雄ネジが形成された円柱状の部位である。つまり、X軸方向(第二方向)に複数の固定部131a及び雄ネジ部131bが並んで配置され、第二補強部材300は、当該複数の固定部131a及び雄ネジ部131bに亘って、X軸方向(第二方向)に延設されて配置される。
【0085】
そして、それぞれの雄ネジ部131bが、補強部材本体310の貫通孔311と、第二接続部121の貫通孔121a内のカラー121bに形成された貫通孔と、第一接続部111の貫通孔111aとに挿入されて、第二固定部材132の雌ネジ部と螺合される。これにより、固定部131aは、第二接続部121とで第二補強部材300の補強部材本体310を挟む位置に、補強部材本体310に当接した状態で配置される。そして、固定部131aは、第二接続部121に向けて第二補強部材300を押圧して、第一接続部111及び第二接続部121を固定する。
【0086】
この際、補強部材本体310における貫通孔311の周囲の部位は、カラー121bに当接した状態で、カラー121bを押圧する(
図6の(b)参照)。補強部材凸部312は、第二接続部121のカラー121b以外の部位に当接した状態で、当該カラー121b以外の部位を押圧する(
図6の(c)参照)。補強部材突出部320は、Y軸方向において、第一接続部111、第二接続部121及び第一補強部材200に当接する。ガスケット140は、第二接続部121の接続部凹部121c内に配置されて、第一接続部111及び第二接続部121に圧縮される。
【0087】
[4 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1によれば、外装体100は、第一接続部111及び第二接続部121の間に配置されるガスケット140と、第一接続部111とで第二接続部121を挟む第二補強部材300と、を有している。そして、外装体100は、さらに、第二接続部121に向けて第二補強部材300を押圧して第一接続部111及び第二接続部121を固定する固定部131aを有している。このように、外装体100において、第一接続部111とで第二接続部121を挟む位置に第二補強部材300を配置し、固定部131aで、第二接続部121に向けて第二補強部材300を押圧して、第一接続部111及び第二接続部121を固定する。これにより、第二補強部材300が、第一接続部111に向けて第二接続部121を押圧する。したがって、外装体100において、第一接続部111及び第二接続部121の間にガスケット140が配置された場合でも、第一接続部111に対して第二接続部121が浮き上がる(反る)のを抑制することができる。このため、第一接続部111及び第二接続部121を強固に固定することができる。
【0088】
特に、第一接続部111及び第二接続部121は、材質が異なる等により、ヒートシールまたは溶接等では十分な固定ができない(気密性が確保できない)場合がある。しかし、この場合でも、第二補強部材300を設けることにより、第一接続部111及び第二接続部121を強固に固定することができる。また、第二補強部材300により、外装体100の接続部(第一接続部111及び第二接続部121)自体の補強も行うことができる。
【0089】
また、外装体100において、ガスケット140が、第一接続部111及び第二接続部121に圧縮された状態で配置されるため、ガスケット140の反発力によって、第一接続部111に対して第二接続部121が浮き上がりやすくなる。このため、第一接続部111とで第二接続部121を挟む位置に第二補強部材300を配置して、第二補強部材300で第一接続部111に向けて第二接続部121を押圧する。これにより、ガスケット140が圧縮された状態で配置されていても、第一接続部111に対して第二接続部121が浮き上がるのを抑制することができるため、第一接続部111及び第二接続部121を強固に固定することができる。
【0090】
また、第二接続部121に、ガスケット140が収容される接続部凹部121cが形成されているため、第一接続部111及び第二接続部121を接続する際に、ガスケット140を容易に配置することができる。また、接続部凹部121c内にガスケット140が収容されることにより、ガスケット140の位置がずれるのを抑制することができる。
【0091】
また、第二接続部121は、第一接続部111及び第二補強部材300の少なくとも一方よりも剛性が低い。例えば、第二接続部121が第一接続部111よりも剛性が低い場合には、第一接続部111よりも第二接続部121が反りやすいため、第一接続部111に対して第二接続部121が浮き上がりやすくなる。このため、第二補強部材300で第一接続部111に向けて第二接続部121を押圧することにより、第一接続部111に対して第二接続部121が浮き上がるのを抑制することができる。また、第二接続部121が第二補強部材300よりも剛性が低い場合には、第二接続部121が第一接続部111に対して浮き上がった場合に、第二接続部121よりも剛性が高い第二補強部材300によって第二接続部121の浮き上がりを効果的に抑制することができる。これらにより、外装体100において、第一接続部111及び第二接続部121を強固に固定することができる。
【0092】
また、第二補強部材300が、外装体100が有する複数の固定部131aに亘って延設されることにより、第二補強部材300が、当該複数の固定部131aに亘って、第一接続部111に向けて第二接続部121を押圧することができる。これにより、第二補強部材300が、第一接続部111に対して第二接続部121が浮き上がるのをより抑制することができるため、第一接続部111及び第二接続部121をより強固に固定することができる。
【0093】
また、第二補強部材300が、第二接続部121に向けて突出する補強部材凸部312を有していることにより、補強部材凸部312が第二接続部121を押圧するため、第二補強部材300が、第一接続部111に向けて第二接続部121をより強固に押圧することができる。これにより、第二補強部材300が、第一接続部111に対して第二接続部121が浮き上がるのをより抑制し、第一接続部111及び第二接続部121をより強固に固定することができる。
【0094】
また、第二補強部材300が、第一接続部111とで第二接続部121を挟む補強部材本体310から突出する補強部材突出部320を有していることにより、補強部材突出部320によって補強部材本体310を補強することができる。これにより、第二補強部材300が、第一接続部111に対して第二接続部121が浮き上がるのをより抑制し、第一接続部111及び第二接続部121をより強固に固定することができる。特に、補強部材突出部320は、第二接続部121の方向に突出して、第一接続部111及び第二接続部121の側方に配置されるため、補強部材突出部320によって、第一接続部111及び第二接続部121に対する第二補強部材300の位置決めを行うこともできる。
【0095】
[5 変形例の説明]
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0096】
例えば、上記実施の形態では、外装体100は、第二外装体120が、Z軸マイナス方向側に開口が形成された有底矩形筒状の部材であり、第一外装体110が、第二外装体120の当該開口を塞ぐ扁平な矩形状の部材であることとした。しかし、第一外装体110が、Z軸プラス方向側に開口が形成された有底矩形筒状の部材であり、第二外装体120が、第一外装体110の当該開口を塞ぐ扁平な矩形状の蓋であってもよいし、その他どのような形状であってもよい。
【0097】
上記実施の形態では、第一外装体110は、蓄電素子400のZ軸マイナス方向に配置され、拘束体600は、蓄電素子400のZ軸プラス方向に配置されて、互いに接合されることとした。しかし、第一外装体110が、蓄電素子400のZ軸プラス方向に配置され、拘束体600が、蓄電素子400のZ軸マイナス方向に配置されて、互いに接合されることにしてもよい。つまり、蓄電装置1において、上下が逆になったような構成を有していてもよい。この場合、第二補強部材300は、第二外装体120(第二接続部121)の下方(Z軸マイナス方向)に配置されることとなる。
【0098】
上記実施の形態では、第一外装体110は、拘束体600が取り付けられて蓄電素子400を拘束することとした。しかし、第一外装体110には、拘束体600は取り付けられず、拘束体600は、他の部材に取り付けられて蓄電素子400を拘束することにしてもよい。
【0099】
上記実施の形態では、第一接続部111及び第二接続部121は、Z軸方向で重ねられることとしたが、X軸方向またはY軸方向で重ねられてもよい。つまり、X軸方向またはY軸方向を第一方向の一例としてもよい。
【0100】
上記実施の形態では、第一固定部材131は、ボルトであり、第二固定部材132は、当該ボルトが螺合するナットであることとした。しかし、第二固定部材132がボルトであり、第一固定部材131が、当該ボルトが螺合するナットであってもよい。この場合、第一固定部材131(ナット)が、第二接続部121とで第二補強部材300を挟む位置に配置される固定部の一例となる。また、第一外装体110と第二外装体120とを接続(固定)する手法は、その他の手法でもよく、例えば、リベットによる接合、かしめ接合、クリップによる挟み込み等であってもよい。この場合、リベットの頭部分、かしめ部分、または、クリップの上側の部分等の第二補強部材300の上方に配置される部分が、当該固定部の一例となる。また、第二固定部材132、または、第二固定部材132に相当する部位は、第一接続部111と一体に形成されていてもよい。
【0101】
上記実施の形態では、第二補強部材300は、第一接続部111及び第二接続部121の1辺の一端部から他端部に亘って、連続的に直線状に延びる板状の部材であることとした。しかし、第二補強部材300は、複数の部材に分割されて、当該一端部から他端部に亘って断続的に形成されていてもよい。ただし、第二補強部材300を1つの部材で形成した方が、複数の部材で構成するよりも、蓄電装置1を製造する上で、部品点数が少なくなり、これにより公差が少なくなるため、好ましい。また、第二補強部材300は、当該一端部から他端部までの全体ではなく一部にしか配置されていなくてもよいし、直線状ではなく湾曲状に延びていてもよいし、板状ではなく棒状等の部材でもよい。
【0102】
上記実施の形態では、補強部材突出部320は、補強部材本体310のY軸方向の端縁からZ軸マイナス方向に突出していることとした。しかし、補強部材突出部320は、Z軸プラス方向に突出していてもよいし、補強部材本体310のY軸方向の中央部等、端縁以外の部位から突出していてもよい。
【0103】
上記実施の形態では、複数の補強部材凸部312が複数の貫通孔311と交互に並んで配置されていることとした。しかし、補強部材凸部312の配置位置は特に限定されず、個数も複数ではなく1つの補強部材凸部312しか配置されていなくてもよい。また、補強部材凸部312は、第二方向から見て台形状を有していることとしたが、第二方向から見て矩形状または三角形状等の多角形状、半円形状、半楕円形状、半長円形状等、どのような形状を有していてもよい。
【0104】
上記実施の形態では、補強部材凸部312は、補強部材本体310のZ軸プラス方向側の面が凹み、Z軸マイナス方向側の面が突出した、上面視で長円形状の膨出部であることとした。しかし、補強部材凸部312は、補強部材本体310のZ軸プラス方向側の面は凹んでおらず、Z軸マイナス方向側の面が突出した形状の凸部でもよいし、上面視で楕円形状、円形状、矩形状、その他の多角形状等の長円形状以外の形状を有していてもよい。また、補強部材凸部312は、Z軸マイナス方向に突出した凸部ではなく、Z軸プラス方向に突出した凸部でもよい。
【0105】
上記実施の形態では、第二補強部材300は、補強部材本体310と補強部材突出部320とを有し、補強部材本体310に、複数の貫通孔311及び複数の補強部材凸部312が形成されていることとした。しかし、第二補強部材300は、補強部材突出部320及び補強部材凸部312の少なくとも一方を有していなくてもよい。また、補強部材本体310には、1つの貫通孔311しか形成されていなくてもよい。つまり、第二補強部材300は、複数の固定部材130(固定部131a)に亘って延設されるのではなく、1つの固定部材130(固定部131a)に対して配置されることにしてもよい。
【0106】
上記実施の形態では、第二外装体120の第二接続部121に、ガスケット140が収容される接続部凹部121cが形成されていることとした。しかし、第一外装体110の第一接続部111にガスケット140が収容される凹部が形成されていてもよい。つまり、第一接続部111及び第二接続部121の少なくとも一方に、ガスケット140が収容される凹部が形成されていればよい。または、第一接続部111及び第二接続部121の双方ともに当該凹部が形成されることなく(凹部内にガスケット140が収容されることなく)、ガスケット140が、第一接続部111及び第二接続部121の間に配置されることにしてもよい。
【0107】
上記実施の形態では、ガスケット140は、第一接続部111及び第二接続部121に圧縮された状態で配置されることとしたが、ガスケット140の一部または全部が圧縮されていなくてもよい。
【0108】
第二接続部121は、第一接続部111及び第二補強部材300の少なくとも一方よりも剛性が低いこととしたが、第一接続部111及び第二補強部材300と同じ剛性でもよいし、第一接続部111及び第二補強部材300の双方よりも剛性が高くてもよい。つまり、第二接続部121は、樹脂ではなく、金属製の部材で形成されていてもよい。
【0109】
上記実施の形態では、全ての第二補強部材300が上記構成を有していることとしたが、いずれかの第二補強部材300が異なる構成を有していてもよい。固定部材130及びその周囲の構成においても同様に、いずれかの固定部材130及びその周囲の構成が上記と異なる構成を有していてもよい。
【0110】
蓄電装置1は、上述した全ての構成要素を備えている必要はない。例えば、蓄電装置1は、制御ユニット20、第一補強部材200、スペーサ500、または、拘束体600等を備えていなくてもよい。
【0111】
上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0112】
本発明は、蓄電装置1として実現することができるだけでなく、外装体100としても実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。
【符号の説明】
【0114】
1 蓄電装置
10 蓄電ユニット
20 制御ユニット
21、22 外部端子
800、810、820、830 バスバー
100 外装体
110 第一外装体
111 第一接続部
111a、121a、211、311、611、621 貫通孔
120 第二外装体
121 第二接続部
121b カラー
121c 接続部凹部
130 固定部材
131 第一固定部材
131a 固定部
131b 雄ネジ部
132 第二固定部材
140 ガスケット
200 第一補強部材
210 補強部材接続部
300、301、302 第二補強部材
310 補強部材本体
312 補強部材凸部
320 補強部材突出部
400 蓄電素子
410 容器
420 電極端子
500 スペーサ
600 拘束体