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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186374
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】制振装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/06 20060101AFI20221208BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20221208BHJP
   F16F 1/06 20060101ALI20221208BHJP
   F16F 7/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
F16F15/06 G
F16F15/08 D
F16F1/06 Z
F16F7/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094554
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000124096
【氏名又は名称】株式会社パイオラックス
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】青沼 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 敦士
【テーマコード(参考)】
3J048
3J059
3J066
【Fターム(参考)】
3J048AD14
3J048BC03
3J048BD08
3J048BE12
3J048EA36
3J059AD01
3J059BA01
3J059BB01
3J059BD01
3J059BD04
3J059BD09
3J059GA01
3J066AA03
3J066AA24
3J066AA26
3J066BD01
3J066BD05
(57)【要約】
【課題】安定して制振機能を発揮できる制振装置を提供する。
【解決手段】制振装置10は、第1部材および第2部材の一方に固定する固定部材20と、固定部材20に対して進退可能な軸部材と、軸部材に設けられる押圧部と、押圧部を固定部材に押圧させるバネ部材と、を備える。固定部材20は、台座部と、台座部から立設し、軸部材の径方向外側に配置される外壁部と、を有する。バネ部材は、押圧部を外壁部に押し当てて軸部材の進退時に押圧部と外壁部を摺動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材および第2部材の間に介在して前記第1部材に対する前記第2部材の振動を抑制する制振装置であって、
前記第1部材および前記第2部材の一方に固定する固定部材と、
前記固定部材に対して進退可能な軸部材と、
前記軸部材に設けられる押圧部と、
前記押圧部を前記固定部材に押圧させるバネ部材と、を備え、
前記固定部材は、
台座部と、
前記台座部から立設し、前記軸部材の径方向外側に配置される外壁部と、を有し、
前記バネ部材は、前記押圧部を前記外壁部に押し当てて前記軸部材の進退時に前記押圧部と前記外壁部を摺動させることを特徴とする制振装置。
【請求項2】
前記固定部材は、前記バネ部材の一端部を支持する第1バネ支持部を有し、
前記外壁部は、前記軸部材に向かって内向きに張り出す第1当接部を有し、
前記軸部材は、
軸部と、
前記軸部から径方向外向きに張り出す張出部と、
前記バネ部材の他端部を支持する第2バネ支持部と、
前記押圧部をなし、径方向外向きに張り出して前記第1当接部に周方向に当接する第2当接部と、を有し、
前記バネ部材は、前記軸部材および前記固定部材を軸方向および周方向に付勢することを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
【請求項3】
前記軸部材は、前記張出部から前記台座部に向かって延出する内壁部を有し、
前記第2当接部は、前記内壁部に形成されて軸方向に沿って延びることを特徴とする請求項2に記載の制振装置。
【請求項4】
前記内壁部は、軸方向に沿って切り欠くように延在するスリットを有することを特徴とする請求項3に記載の制振装置。
【請求項5】
前記軸部材は、
軸部と、
前記軸部から径方向外向きに張り出す張出部と、を有し、
前記張出部は、前記バネ部材を収容する収容部を有し、
前記収容部は、同軸に形成される一対の貫通孔を有し、
一対の前記押圧部は、前記バネ部材によってそれぞれ付勢され、一対の前記貫通孔からそれぞれ径方向外向きに突出することを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動を減衰する制振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ハッチバック、ワゴン、バン等の自動車には、後部の荷室を開閉するためのバックドアが備えられている。このバックドアの縁部が荷室開口の周縁部にゴム状のストッパ等を介して当接して、バックドアが荷室開口を閉じている。しかし、走行時やアイドリング中の振動等により、バックドアが車体と共振して不快音が生じる場合がある。
【0003】
特許文献1には、底部材と天井部材との間に、圧縮コイルスプリングと超粘性弾性体とを並列に配置した振動緩和ユニットが開示されている。底部材および天井部材はいずれも有底円筒状に形成され、底部材の円筒が天井部材の円筒に摺動可能に挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-205333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される振動緩和ユニットでは、底部材の円筒が天井部材の円筒に摺動するが、摩耗等によって安定した摺動を得られないおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、安定して制振機能を発揮できる制振装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、第1部材および第2部材の間に介在して第1部材に対する第2部材の振動を抑制する制振装置であって、第1部材および第2部材の一方に固定する固定部材と、固定部材に対して進退可能な軸部材と、軸部材に設けられる押圧部と、押圧部を固定部材に押圧させるバネ部材と、を備える。固定部材は、台座部と、台座部から立設し、軸部材の径方向外側に配置される外壁部と、を有する。バネ部材は、押圧部を外壁部に押し当てて軸部材の進退時に押圧部と外壁部を摺動させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、安定して制振機能を発揮できる制振装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施例の制振装置の斜視図である。
図2】制振装置の分解図である。
図3図3(a)は、固定部材の側面図であり、図3(b)は、固定部材の上面図である。
図4図3(b)に示す固定部材の線分A-A断面斜視図である。
図5】軸部材の斜視図である。
図6図6(a)は、軸部材の側面図であり、図6(b)は、軸部材の下面図である。
図7】制振装置の断面図である。
図8図7に示す制振装置の線分B-B断面図である。
図9】バネ部材および軸部材を固定部材に組み付ける工程について説明するための図である。
図10】バネ部材および軸部材を固定部材に組み付ける工程について説明するための図であって、軸部材が回転途中の状態を示す図である。
図11】バネ部材および軸部材が固定部材に組み付けられた状態を示す図である。
図12】第2実施例の制振装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、第1実施例の制振装置10の斜視図である。図1(a)は斜め上方から見た制振装置10であり、図1(b)は斜め下方から見た制振装置10である。制振装置10は、車両のドアおよびバックドア等の開閉体に固定され、開閉体を閉じた状態で、車体側のパネルに当接する。制振装置10は、開閉体を閉じたときの衝撃を吸収し、開閉体を閉じた状態での開閉体の振動を抑え、開閉体の共振により不快音が発生することを抑える。
【0011】
なお、制振装置10は、車体側のパネル等の固定体に固定されて、開閉体に当接する態様であってあってもよい。つまり、制振装置10は、開閉体および固定体の一方に固定され、開閉体および固定体の他方に当接可能である。また、制振装置10は、開閉体に固定される態様に限られず、固定体に設けられてよい。いずれにしても、制振装置10は、第1部材および第2部材に介在して第1部材に対する第2部材の振動を抑制する。第1部材および第2部材の一方が開閉体であり、他方が固定体である。
【0012】
制振装置10は、第1部材および第2部材の一方に固定する固定部材20と、第1部材および第2部材の他方に当接可能なカバー22とを備える。固定部材20は、例えば、車両のドアに設けられた取付孔に挿入されて固定される。
【0013】
図2は、制振装置10の分解図である。制振装置10は、固定部材20、カバー22、制振部材24、バネ部材26および軸部材28を備える。
【0014】
カバー22は、ゴム材料でカップ状に形成され、制振部材24、バネ部材26および軸部材28を覆う。カバー22は、固定部材20に取り付けられる。
【0015】
制振部材24は、粘弾性材料により円筒状に形成され、例えば、エチレンプロピレンジエンゴムと4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体で形成されることが好ましい。もちろん、制振部材24は、別の粘弾性材料で形成されてもよい。制振部材24は、バネ部材26の内側に配置される。
【0016】
バネ部材26は、コイルバネであって、軸部材28を固定部材20から離れる方向に付勢し、軸部材28が押し込まれたときに反力を発生する。バネ部材26の一端部26aは、固定部材20に支持され、他端部26bは、軸部材28に支持される。バネ部材26の一端部26aおよび他端部26bは、バネ径よりも径方向外向きに突き出ている。軸部材28は、固定部材20に対して進退可能に設けられる。
【0017】
図3(a)は、固定部材20の側面図であり、図3(b)は、固定部材20の上面図である。図4は、図3(b)に示す固定部材20の線分A-A断面斜視図である。
【0018】
固定部材20は、取付部50、外壁部52、フランジ部56、台座部58および第1バネ支持部64を有する。
【0019】
取付部50は、固定部材20の下部に位置し、筒状に形成されて楕円形の断面を有する。取付部50は、側面に一対の弾性爪部54を有する。弾性爪部54は、撓み可能であり、例えば、車両のドアに設けられた取付孔の縁に係止する。なお、ドアへの固定方法は、弾性爪部54の形状に限られず、パネルに固定できれば他の形状であってよい。例えば、台座部58の下面をパネルに接着や溶着してもよい。
【0020】
台座部58は、取付部50および外壁部52の間に円盤状に形成される。図3(b)に示すように、台座部58には、軸孔部60が形成される。軸孔部60は、鍵孔状に形成あれ、円形の部分と、円形外周の一部から突き出た方形部分とにより構成される。軸孔部60には、軸部材28が挿通される。
【0021】
フランジ部56は、台座部58の外周縁に形成され、取付部50および外壁部52よりも径方向外向きに張り出す。フランジ部56は、カバー22を留めることができる。
【0022】
外壁部52は、台座部58から立設し、円筒状に形成される。なお、外壁部52は、円筒状に限らず、複数の壁が周方向に離間して環状に配置された形状であってもよい。いずれにしても、外壁部52は、軸部材28の径方向外側に配置される。外壁部52は、図3(b)に示すように、内側に径方向外向きに張り出す一対の第1当接部62を有する。図4に示すように、第1当接部62は、軸部材28の中心軸に向かって内向きに張り出し、台座部58から外壁部52の先端に亘って軸方向に延在した段差を形成する。
【0023】
図4に示すように、第1バネ支持部64は、外壁部52の内周面から径方向内向きに突出して形成され、台座部58と隙間を形成する。バネ部材26の一端部26aが第1バネ支持部64と台座部58の隙間に入り込んで、第1バネ支持部64は、バネ部材26の一端部26aを支持する。第1バネ支持部64は、バネ部材26の一端部26aを受け止める第1受け部66を、外壁部52の内周側に有する。
【0024】
図5は、軸部材28の斜視図である。また、図6(a)は、軸部材28の側面図であり、図6(b)は、軸部材28の下面図である。
【0025】
軸部材28は、軸部30、内壁部32、突部34、第2バネ支持部36、スリット38、段差部40、傾斜面42、第2当接部44および張出部46を有する。
【0026】
軸部30は、棒状に形成され、固定部材20の外壁部52および軸孔部60に挿通される。軸部30の下端側には突部34が形成される。突部34は、軸部30の外周面の一部から突出する。突部34は、固定部材20の軸孔部60の縁に引っ掛かり、軸部材28が軸孔部60から抜けるのを止める。
【0027】
張出部46は、軸部30の上端から径方向外向きに張り出して円盤状に形成される。内壁部32は、張出部46から下方に位置する台座部58に向かって延出して、円筒状に形成される。内壁部32は、円筒状に限らず、複数の壁が周方向に離間して環状に配置されてもよい。内壁部32は、固定部材20の外壁部52の内側に挿入される。
【0028】
内壁部32の下端には、段差部40および傾斜面42が形成される。段差部40は、軸部材28を固定部材20に組み付ける際に、固定部材20の第1当接部62に当たって初期位置を定める位置決めに用いられる。傾斜面42は、軸部材28を固定部材20に組み付ける際に軸部材28を回転させるガイド面として機能する。
【0029】
内壁部32の外周面には、一対の第2当接部44が切り欠くように形成される。第2当接部44は、径方向外向きに張り出す段差を形成し、固定部材20の第1当接部62に周方向に当接可能である。第2当接部44は、内壁部32の外周面に下端から上端に亘って形成されて軸方向に沿って延びる。
【0030】
内壁部32は、軸方向に沿って切り欠くように延在するスリット38を有する。これにより、内壁部32が径方向に撓みやすくなり、固定部材20への組み付けが容易になる。
【0031】
スリット38の上端側に第2バネ支持部36が形成される。第2バネ支持部36は、内壁部32の内周面から突出して、張出部46と隙間を形成する。第2バネ支持部36は、隙間を形成してバネ部材26の他端部26bを入り込ませて支持する。第2バネ支持部36は、バネ部材26の他端部26bを受け止める第2受け部48を含む。スリット38は、バネ部材26の他端部26bを第2バネ支持部36を案内するためのガイドとしても機能する。
【0032】
図7は、制振装置10の断面図である。断面の位置は、図4と同じである。図7に示す制振装置10は、最も伸長した状態であり、この状態から軸部材28が退行できる。
【0033】
カバー22の周状凹部22aがフランジ部56に嵌合して、カバー22が取り付けられる。制振部材24は、軸部30の外側に配置され、バネ部材26の内側に配置される。制振部材24の上端は、軸部材28の張出部46に当接し、下端は固定部材20の台座部58に当接する。これにより、制振部材24が固定部材20と軸部材28の間に介在して軸部材28の進退動作に対して制振機能を発揮できる。
【0034】
バネ部材26は、制振部材24が固定部材20と軸部材28の間に介在し、軸部材28を固定部材20の台座部58から離れる方向に付勢する。つまり、バネ部材26は、固定部材20と軸部材28を軸方向に付勢する。バネ部材26の一端部26aは、第1バネ支持部64と台座部58の隙間で支持されており、外壁部52の内周面に当接する。なお、不図示であるがバネ部材26の他端部26bも、第2バネ支持部36に支持されて内壁部32の内周面に当接する。
【0035】
軸部30は、外壁部52および軸孔部60に挿入される。軸部材28の内壁部32は、固定部材20の外壁部52の内側に部分的に挿入された状態にあり、内壁部32が外壁部52に挿入された状態を維持して軸部材28が進退する。
【0036】
図8は、図7に示す制振装置10の線分B-B断面図である。なお、図8ではカバー22を省いて示す。第1当接部62および第2当接部44が周方向に当接している。
【0037】
バネ部材26の一端部26aは、外壁部52の内周に形成された第1受け部66に当接して固定部材20にトルクを付与する。バネ部材26の他端部26bは、内壁部32の内周に形成された第2受け部48に当接して、軸部材28にトルクを付与する。これによって、バネ部材26は、軸部材28および固定部材20を周方向に付勢し、第2当接部44を第1当接部62に押圧させる。バネ部材26は、軸部材28および固定部材20を軸方向に付勢するだけでなく、軸部材28および固定部材20を周方向に付勢する。これによって、簡素な構成で制振装置10を構成できる。
【0038】
第2当接部44は、第1当接部62に押圧する押圧部をなす。つまり、軸部材28は、バネ部材26によって付勢されて外壁部52の第1当接部62に押圧する。バネ部材26は、第2当接部44(押圧部)を外壁部52に押し当て、軸部材28の進退時に第2当接部44と外壁部52の第1当接部62とを摺動させる。第2当接部44がバネ部材26によって第1当接部62に安定して押圧され、軸部材28の進退時に摺動して制振性能を向上できる。また、バネ力によって第1当接部62および第2当接部44を押圧させることで、摺動によって互いの当接面が摩耗しても当接した状態を維持できる。
【0039】
図9は、バネ部材26および軸部材28を固定部材20に組み付ける工程について説明するための図である。なお、制振部材24は省略して示す。組み付け工程では、バネ部材26が、軸部材28に組み付けられており、他端部26bが第2バネ支持部36に支持される。次に、軸部30が軸孔部60に差し込まれる。
【0040】
図9(a)および図9(b)は、軸部30を軸孔部60に差し込んだ状態を示し、図9(a)に示すように、突部34が軸孔部60の方形部分の位置に重なっている。
【0041】
軸部材28は、バネ部材26に回転トルクのセット荷重を付与するため、固定部材20に回転させて組み付けられる。図9(a)では、バネ部材26の一端部26aが第1バネ支持部64にまだ支持されていない。
【0042】
図9(b)では、内方の張り出す第1当接部62の上端に内壁部32の下端が乗り上げていることを示す。このとき、段差部40が第1当接部62に当接し、軸部材28は一方向にのみ回転するようになっている。軸部30が軸孔部60に差し込まれた後、傾斜面42が第1当接部62に乗り上げるように軸部材28が軸回転させられる。
【0043】
図10は、バネ部材26および軸部材28を固定部材20に組み付ける工程について説明するための図であって、軸部材28が回転途中の状態を示す。軸部材28は、図10(a)の矢印方向に回転させられている。
【0044】
図10(a)では、内壁部32の下端が第1当接部62の上端に乗り上げた状態が示される。傾斜面42によって容易に乗り上げが可能になる。図10(b)には、バネ部材26の一端部26aが第1バネ支持部64の下側に入り込み、第1受け部66に当接する。
【0045】
図11は、バネ部材26および軸部材28が固定部材20に組み付けられた状態を示す。図10(a)に示す軸部材28がさらに回転させられると、図11に示すように第2当接部44が第1当接部62に当接する。また、バネ部材26に回転トルクのセット荷重が付与される。このように、軸部材28を固定部材20に挿入する工程と、回転させる工程によってバネ部材26に回転トルクを付与できる。内壁部32に形成されたスリット38によって、内壁部32が撓みやすく、内壁部32を回転させて第2当接部44を第1当接部62に当接させやすい。
【0046】
図12は、第2実施例の制振装置100の断面図である。第2実施例の制振装置100は、固定部材120、カバー122、制振部材124、第1バネ部材126、軸部材128、第2バネ部材72および一対の押圧部70を備えており、図7に示す制振装置10と比べて、外壁部52に摺動させる第2バネ部材72および押圧部70が主に異なっている。
【0047】
固定部材120は、取付部50、外壁部52、弾性爪部54、台座部58および軸孔部60を有する。カバー122は、外壁部52の下端に取り付けられる。制振部材124は、外壁部52の内側で、第1バネ部材126の外側に配置される。第1バネ部材126は、軸部材128を固定部材120から離れる方向に付勢する。
【0048】
軸部材128は、軸部30および張出部146を有する。軸部30は、外壁部52および軸孔部60に挿通される。張出部146は、第2バネ部材72を収容する収容部74と、収容部74を外部に連通させる一対の貫通孔76とを有する。一対の貫通孔76は同軸に形成される。
【0049】
一対の押圧部70は、第2バネ部材72によってそれぞれ付勢され、一対の貫通孔76からそれぞれ径方向外向きに突出する。これにより、軸部材128が進退する時に一対の押圧部70が外壁部52の内周面に摺動するため、制振機能を向上させることができる。また、第2バネ部材72を収容することで、一対の押圧部70を付勢する構成を簡素にできる。
【0050】
本発明は上述の各実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施例に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施例も本発明の範囲に含まれうる。
【符号の説明】
【0051】
10 制振装置、 20 固定部材、 22 カバー、 24 制振部材、 26 バネ部材、 26b 他端部、 26a 一端部、 28 軸部材、 30 軸部、 32 内壁部、 34 突部、 36 第2バネ支持部、 38 スリット、 40 段差部、 42 傾斜面、 44 第2当接部、 46 張出部、 50 取付部、 52 外壁部、 54 弾性爪部、 56 フランジ部、 58 台座部、 60 軸孔部、 62 第1当接部、 64 第1バネ支持部、 70 押圧部、 72 第2バネ部材、 74 収容部、 76 貫通孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12