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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186385
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】車載用サブウーファーユニット
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20221208BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H04R1/02 102B
B60R11/02 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094569
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】田島 直樹
(72)【発明者】
【氏名】牛谷 善哉
(72)【発明者】
【氏名】三井 康年
(72)【発明者】
【氏名】福岡 拓実
(72)【発明者】
【氏名】藤本 健太
(72)【発明者】
【氏名】安達 政伸
【テーマコード(参考)】
3D020
5D017
【Fターム(参考)】
3D020BA10
3D020BB01
3D020BC22
3D020BD03
3D020BD07
5D017AE17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型化でき、且つ、車両内スペースを占拠してしまうことを抑制しつつ、十分なボックス容量を確保する車載用サブウーファーユニットを提供する。
【解決手段】車載用サブウーファーユニット100は、箱体110と、箱体に設けられたウーファー120とを備える。箱体は、箱体が有する内部空間を車体の構造部が有する内部空間に接続するための接続口113を有する。車載用サブウーファーユニットは、車体が有するラゲージスペースに配置され、且つ、車体が有するロアバックパネルに接続される。
【効果】これにより、車載用サブウーファーユニットをラゲージスペース内に収めつつ、車載用サブウーファーユニットの内部空間と、ロアバックパネルの内部空間とが一体化し、低音域の音を出力するのに十分なボックス容量を確保できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体と、
前記箱体に設けられたウーファーと
を備え、
前記箱体は、
当該箱体が有する内部空間を車体の構造部が有する内部空間に接続するための接続口を有する
ことを特徴とする車載用サブウーファーユニット。
【請求項2】
前記接続口は、
前記車体のロアバックパネルが有する開口部に接続されることにより、前記箱体が有する内部空間を前記ロアバックパネルが有する内部空間に接続する
ことを特徴とする請求項1に記載の車載用サブウーファーユニット。
【請求項3】
前記接続口は、
前記ロアバックパネルが有する前記開口部に合わせた開口形状を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の車載用サブウーファーユニット。
【請求項4】
前記箱体は、
前記車体において前記ロアバックパネルの前側に設けられているラゲージスペース内に設置される
ことを特徴とする請求項2または3に記載の車載用サブウーファーユニット。
【請求項5】
前記箱体は、
前記ラゲージスペースの余剰空間に収まる外形状を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の車載用サブウーファーユニット。
【請求項6】
前記接続口の周縁部に沿って設けられた緩衝部材を備える
ことを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の車載用サブウーファーユニット。
【請求項7】
前記箱体が有する内部空間の容量は、前記ロアバックパネルが有する内部空間の容量の2分の1以下である
ことを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の車載用サブウーファーユニット。
【請求項8】
前記箱体が有する内部空間の容量と、前記ロアバックパネルが有する内部空間の容量との合計容量が17リットル以上である
ことを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の車載用サブウーファーユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用サブウーファーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、シートクッション上に載置されるサブウーファー用のスピーカ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-330951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、十分なボックス容量を確保するためには、筐体を大型化する必要があり、車両内スペースをスピーカ装置が占拠してしまう虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニットは、箱体と、箱体に設けられたウーファーとを備え、箱体は、当該箱体が有する内部空間を車体の構造部が有する内部空間に接続するための接続口を有する。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態に係る車載用サブウーファーユニットによれば、車載用サブウーファーユニットを小型化でき、且つ、車両内スペースが車載用サブウーファーユニットに占拠されてしまうことを抑制しつつ、十分なボックス容量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る車載用サブウーファーユニットの斜め上方から視た外観斜視図
図2】一実施形態に係る車載用サブウーファーユニットの斜め下方から視た外観斜視図
図3】一実施形態に係る車載用サブウーファーユニットの断面図
図4】一実施形態に係る車載用サブウーファーユニットおよびロアバックパネルの斜め上方から視た外観斜視図
図5】一実施形態に係る車載用サブウーファーユニットおよびロアバックパネルの斜め下方から視た外観斜視図
図6】一実施形態に係る車載用サブウーファーユニットおよびロアバックパネルの断面図
図7】一実施形態に係る車載用サブウーファーユニットの設置例を車外側から示す図
図8】一実施形態に係る車載用サブウーファーユニットの設置例を車内側から示す図
図9】一実施形態に係る車載用サブウーファーユニットの出力特性の一例を示す図
図10】一実施形態に係る車載用サブウーファーユニットの出力特性の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
【0009】
(車載用サブウーファーユニット100の構成)
図1は、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100の斜め上方から視た外観斜視図である。図2は、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100の斜め下方から視た外観斜視図である。図3は、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100の断面図である。
【0010】
図1図3に示す車載用サブウーファーユニット100は、各種車両(例えば、ガソリンエンジン自動車、ディーゼルエンジン自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車等)に搭載される。
【0011】
車載用サブウーファーユニット100は、車両に搭載されたオーディオ機器に接続され、オーディオ機器から供給される音信号に応じて、主に低音域の音を出力する。
【0012】
本実施形態では、車載用サブウーファーユニット100は、車体10が有するラゲージスペース13に配置され、且つ、車体10が有するロアバックパネル200に接続される。これにより、車載用サブウーファーユニット100は、当該車載用サブウーファーユニット100をラゲージスペース13内に収めつつ、当該車載用サブウーファーユニット100の内部空間(後述する内部空間111)と、ロアバックパネル200の内部空間(後述する内部空間200A)とが一体化し、低音域の音を出力するのに十分なボックス容量を確保できるようになっている。
【0013】
なお、本実施形態では、便宜上、車両の前後方向に対応する方向を前後方向(X軸方向)とし、車両の左右方向に対応する方向を左右方向(Y軸方向)とし、車両の上下方向に対応する方向を上下方向(Z軸方向)とする。
【0014】
図1図3に示すように、車載用サブウーファーユニット100は、箱体110およびウーファー120を備える。
【0015】
<箱体110>
箱体110は、閉塞した内部空間111(図3参照)を有する、樹脂製(例えば、PP(polypropylene)製)且つ箱状の部材である。箱体110は、上側ケース部110Aと下側ケース部110Bとに2分割可能に構成されている。箱体110は、上側(Z軸正側)となる上側ケース部110Aと、下側(Z軸負側)となる下側ケース部110Bとが互いに嵌め合わされた状態で、両者が複数のネジによってネジ止め固定されることにより、図1図3に示すように箱状となる。
【0016】
箱体110は、当該箱体110の設置場所に応じた外形状を有する。例えば、本実施形態では、箱体110は、車体10が有するラゲージスペース13に設置されるため、ラゲージスペース13の余剰空間13Aに収まる外形状を有するものとなっている。
【0017】
例えば、箱体110は、ラゲージスペース13の余剰空間13Aの空間形状に応じて、前後方向(X軸方向)を長手方向とし左右方向(Y軸方向)を短手方向とする、長手形状を有するものとなっている。
【0018】
また、例えば、箱体110は、ラゲージスペース13の余剰空間13Aの空間形状に応じて、上下方向(Z軸方向)の厚さが比較的薄くなっている。
【0019】
また、例えば、箱体110の右側(Y軸正側)の側壁部は、ラゲージスペース13内の設置物または構造部を回避できるように、内側に向かって凹んだ形状の凹部110Cを有するものとなっている。
【0020】
また、例えば、箱体110の左側(Y軸正側)の側壁部は、ラゲージスペース13の左側(Y軸正側)の内壁面に沿って一部が湾曲した形状を有するものとなっている。
【0021】
これにより、箱体110は、ラゲージスペース13の余剰空間13Aを有効利用でき、すなわち、ラゲージスペース13を設計変更することなく、可能な限り大きな容量を確保することができ、且つ、ラゲージスペース13に設置可能である。
【0022】
また、箱体110の後側(X軸負側)の側壁部には、複数の取り付け部116が、後方(X軸負方向)に向かって突出して設けられている。複数の取り付け部116の各々には、当該取り付け部116をロアバックパネル200の前面201Aに対してネジ止め固定するためのネジ117が、前後方向(X軸方向)に貫通して設けられている。
【0023】
また、箱体110(下側ケース部110B)の右側(Y軸正側)の側壁部には、一の取り付け部116が、右方(Y軸正方向)に向かって突出して設けられている。当該一の取り付け部116には、当該一の取り付け部116をラゲージスペース13の内底面に対してネジ止め固定するためのネジ117が、上下方向(Z軸方向)に貫通して設けられている。
【0024】
なお、本実施形態では、箱体110をラゲージスペース13の余剰空間13Aに収まる形状としたことにより、箱体110の内部空間111の内容量として、6.5[L]が確保されている。
【0025】
箱体110の後側(X軸負側)の側壁部には、接続口113が設けれている。接続口113は、箱体110の内部空間111と繋がっている。接続口113は、車体10のロアバックパネル200の前面201Aに形成されている開口部202に接続される。これにより、接続口113は、箱体110が有する内部空間111を、ロアバックパネル200が有する内部空間200Aに接続することができる。なお、本実施形態では、接続口113は、ロアバックパネル200の開口部202の形状に応じて、横長の長方形状を有するが、接続口113の形状はこれに限らない。
【0026】
箱体110における接続口113の周縁部には、当該周縁部に沿った環状の緩衝部材114が設けられている。緩衝部材114は、接続口113の周縁部と、ロアバックパネル200の開口部202の周縁部との間に挟み込まれることにより、開口部202の周縁部に密着し、接続口113と開口部202との接続部分の密閉度を高めることができる。
【0027】
<ウーファー120>
ウーファー120は、主に低音域の音を出力する大口径のスピーカである。ウーファー120は、箱体110の底面に対し、下方(Z軸負方向)を向くように設けられる。具体的には、図2および図3に示すように、箱体110の下側ケース部110Bの底面には、上方に向かって凹んだ形状のスピーカ配置部112が形成されている。また、スピーカ配置部112の天井面には、円形状のスピーカ開口部112A(図3参照)が形成されている。ウーファー120は、振動板121が下方を向いた状態で、スピーカ開口部112Aの下側から、スピーカ開口部112A内には嵌め込まれる。そして、ウーファー120は、フレーム部122において、複数のネジによってスピーカ配置部112の天井面に対してネジ止め固定される。
【0028】
ウーファー120は、箱体110の上側ケース部110Aの表面に設置されたコネクタ115を介して、ケーブル(図示省略)に接続され、さらに当該ケーブルを介して、車両に搭載されたオーディオ機器に接続される。これにより、ウーファー120は、オーディオ機器から供給される音信号によって駆動される。
【0029】
ウーファー120は、例えば、大口径且つ円盤状の振動板121、振動板121を取り囲む金属製且つ枠状のフレーム部122、マグネット(図示省略)、ボイスコイル(図示省略)等を備えて構成されており、音信号に応じて振動板121が振動することによって、音信号に応じた音を出力する。本実施形態では、ウーファー120として、低音域の音の出力に好適な直径(一例として、200mm)を有するものを用いている。
【0030】
(車載用サブウーファーユニット100の接続例)
図4は、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100およびロアバックパネル200の斜め上方から視た外観斜視図である。図5は、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100およびロアバックパネル200の斜め下方から視た外観斜視図である。図6は、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100およびロアバックパネル200の断面図である。
【0031】
図4および図5に示すように、ロアバックパネル200は、車両の車体10の一部を構成する構造部であり、左右方向(Y軸方向)を長手方向とする長手形状を有する金属製且つパネル状の部材である。
【0032】
図4図6に示すように、ロアバックパネル200の上部には、当該ロアバックパネル200の左端部から右端部に至るまで左右方向(Y軸方向)に延在する筒状の筒状部201が形成されている。これにより、ロアバックパネル200の上部には、左右方向(Y軸方向)に延在する大容量の内部空間200Aが形成されている。図6に示すように、内部空間200AのXZ平面による断面形状は、概ね矩形状である。
【0033】
図4図6に示すように、車載用サブウーファーユニット100は、箱体110の後側(X軸負側)の側壁部に設けられている接続口113の周縁部が、ロアバックパネル200の筒状部201の前面201Aの左端部に形成されている開口部202の周縁部に突き当てられることにより、ロアバックパネル200の前面201Aに接続される。
【0034】
そして、車載用サブウーファーユニット100は、箱体110の後側(X軸負側)の側壁部から後方に突出して設けられている取り付け部116の各々を貫通する複数のネジ117の各々によって、ロアバックパネル200の前面201Aに対してネジ止め固定される。
【0035】
この際、接続口113の周縁部に設けられている緩衝部材114が、開口部202の周縁部に押し当てられて、開口部202の周縁部に密着することにより、接続口113と開口部202との接続部分の密閉度が高められる。
【0036】
これにより、車載用サブウーファーユニット100は、図6に示すように、接続口113を通じて、箱体110の内部空間111とロアバックパネル200の内部空間200Aとを一体化させて、低音域の音を出力するのに十分なボックス容量を確保できるようになっている。
【0037】
すなわち、車載用サブウーファーユニット100は、箱体110をラゲージスペース13の余剰空間13Aに収まるように小型化する一方で、ロアバックパネル200の内部空間200Aをボックス容量の一部として利用することで、低音域の音を出力するのに十分なボックス容量の不足分を、ロアバックパネル200の内部空間200Aによって補うことができる。
【0038】
このため、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100によれば、車載用サブウーファーユニット100を小型化でき、且つ、車両内スペースが車載用サブウーファーユニットに占拠されてしまうことを抑制しつつ、十分なボックス容量を確保することができる。
【0039】
例えば、本実施形態では、箱体110の内部空間111の内容量として、6.5[L]が確保されている。また、本実施形態では、ロアバックパネル200の内部空間200Aの内容量として、13.0[L]が確保されている。これにより、本実施形態では、箱体110を小型化しつつ、低音域の音の出力に好適な大容量である19.5[L]のボックス容量を確保できるようになっている。
【0040】
なお、ロアバックパネル200には、車載用サブウーファーユニット100が接続される開口部202とは別に、比較的小さな複数の開口部が形成されている場合がある。この場合、これら複数の開口部から音が漏れ出してしまわないように、これら複数の開口部は、シール材、ゴムプラグ等によって塞がれることが好ましい。
【0041】
また、ロアバックパネル200の開口部202は、既存の開口部を用いてもよく、新たに形成されてもよい。後者の場合、ロアバックパネル200の開口部202の開口形状は、箱体110の接続口113の開口形状に合わせて形成されてもよい。また、前者の場合、箱体110の接続口113の開口形状は、ロアバックパネル200の開口部202の開口形状に合わせて形成されてもよい。
【0042】
また、箱体110は、内部空間111の内容量が6.5[L]のものに限らず、例えば、内部空間111の内容量が4.0[L]のものを用いてもよい。この場合、箱体110をロアバックパネル200に接続することにより、箱体110をさらに小型化しつつ、低音域の音の出力に好適な大容量である17.0[L]のボックス容量を確保できる。
【0043】
(車載用サブウーファーユニット100の設置例)
図7は、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100の設置例を車外側から示す図である。図8は、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100の設置例を車内側から示す図である。
【0044】
図7に示すように、ロアバックパネル200は、車体10の後部ドア開口部11の下側(Z軸負側)において、車体10の左端部から右端部に至るまで、左右方向(Y軸方向)に延在して設けられている。
【0045】
また、図7および図8に示すように、車体10におけるロアバックパネル200の前側(X軸正側)且つ後部シート12の後側(X軸負側)には、ラゲージスペース13が設けられている。ラゲージスペース13には、例えば、スペアタイヤ、工具等が収納される。
【0046】
また、図7および図8に示すように、ラゲージスペース13の左端部には、余剰空間13Aが生じている。余剰空間13Aとは、車載用サブウーファーユニット100の設置の阻害要因となる部品および構造部等を有しない空間である。
【0047】
また、図7および図8に示すように、ラゲージスペース13上には、平板状のラゲージトレイ14が載置される。ラゲージトレイ14は、ラゲージスペース13を覆い隠すとともに、ラゲージスペース13の上部を平坦化することができる。
【0048】
図7および図8に示すように、車載用サブウーファーユニット100は、ウーファー120が下向きとなるようにラゲージスペース13の余剰空間13Aに配置され、ロアバックパネル200に接続される。車載用サブウーファーユニット100の箱体110は、余剰空間13Aの空間形状に応じて、余剰空間13Aに収まる外形状を有するものに形成されている。このため、車載用サブウーファーユニット100は、ラゲージスペース13の内部構造を設計変更することなく、ラゲージスペース13内に設置可能である。
【0049】
また、図7および図8に示すように、車載用サブウーファーユニット100は、ラゲージトレイ14の下側の余剰空間13Aに収まるため、ラゲージトレイ14の平坦状を阻害することなく、且つ、ラゲージトレイ14の上側の車両内スペースを占拠することなく、ラゲージスペース13に設置可能である。さらに、車載用サブウーファーユニット100は、ラゲージトレイ14によって外部から視認されないように、ラゲージスペース13に設置可能である。
【0050】
(出力音の特性の一例)
図9および図10は、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100の出力音の特性の一例を示す図である。図9は、車載用サブウーファーユニット100をロアバックパネル200に接続しなかった場合の出力音の周波数-音圧特性を示す。図10は、車載用サブウーファーユニット100をロアバックパネル200に接続した場合の出力音の周波数-音圧特性を示す。
【0051】
一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、オーディオ機器から音信号が供給されたとき、箱体110の底面に設置されているウーファー120から、箱体110の下方(Z軸負方向)に向けて低音域の音を出力することができる。
【0052】
このとき、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、箱体110の内部空間111にロアバックパネル200の内部空間200Aを接続し、十分なボックス容量(例えば、19.5[L])を確保することにより、箱体110を大型化することなく、低音域の音の音圧を高めることができるとともに、低音域の音の発生時の不要な残響音を抑制することができる。
【0053】
例えば、図9および図10に示すように、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、ロアバックパネル200に接続された場合、ロアバックパネル200に接続されなかった場合と比較して、100Hz以下の低音域の音の音圧を、十分に向上できる。
【0054】
以上説明したように、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、箱体110と、箱体110に設けられたウーファー120とを備え、箱体110は、当該箱体110が有する内部空間111を車体の構造部が有する内部空間に接続するための接続口113を有する。
【0055】
これにより、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、箱体110を小型化できるため、車両内スペースが車載用サブウーファーユニット100に占拠されてしまうことを抑制することができる。また、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、接続口113を通じて、箱体110の内部空間111と車体の構造部が有する内部空間とを一体化させることで、低音域の音を出力するのに十分なボックス容量を確保することができる。
【0056】
また、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100において、接続口113は、車体10のロアバックパネル200が有する開口部202に接続されることにより、箱体110が有する内部空間111をロアバックパネル200が有する内部空間200Aに接続する。
【0057】
これにより、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、接続口113を通じて、箱体110の内部空間111とロアバックパネル200が有する内部空間200Aとを一体化させることで、低音域の音を出力するのに十分なボックス容量を確保することができる。
【0058】
また、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100において、接続口113は、ロアバックパネル200が有する開口部202に合わせた開口形状を有する。
【0059】
これにより、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、箱体110の内部空間111とロアバックパネル200が有する内部空間200Aとを効率的に一体化することができる。
【0060】
また、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100において、箱体110は、車体10においてロアバックパネル200の前側に設けられているラゲージスペース13内に設置される。
【0061】
これにより、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、ラゲージスペース13以外の車両内スペース(例えば、乗員の居住スペース、荷物室等)を占拠しないように、且つ、目立たないように車体10に設置することができる。
【0062】
また、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100において、箱体110は、ラゲージスペース13の余剰空間13Aに収まる外形状を有する。
【0063】
これにより、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、ラゲージスペース13の内部構造を設計変更することなく、ラゲージスペース13に設置することができるため、設置に係るコストアップを抑制することができる。
【0064】
また、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、ラゲージスペース13からはみ出すことなく、ラゲージスペース13に設置することができるため、ラゲージスペース13以外の車両内スペース(例えば、乗員の居住スペース、荷物室等)を占拠することはない。
【0065】
また、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、接続口113の周縁部に沿って設けられた緩衝部材114を備える。
【0066】
これにより、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、接続口113を密着させることができ、接続口113からロアバックパネル200に伝わる振動を抑制する、接続口113からの音漏れ抑制する、等の効果を奏する。
【0067】
また、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100において、箱体110が有する内部空間111の容量は、ロアバックパネル200が有する内部空間200Aの容量の2分の1以下である。
【0068】
これにより、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、箱体110を小型化できる一方で、内部空間200Aを利用することで、低音域の音を十分に出力するために好適なボックス容量を確保することができる。
【0069】
また、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、箱体110が有する内部空間111の容量と、ロアバックパネル200が有する内部空間200Aの容量との合計容量が17リットル以上である。
【0070】
これにより、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、箱体110を小型化できる一方で、内部空間200Aを利用することで、低音域の音を十分に出力するために好適なボックス容量を確保することができる。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0072】
例えば、一実施形態に係る車載用サブウーファーユニット100は、車体のロアバックに限らず、少なくとも内部空間を有するものであれば、車体のその他の構造部に接続されてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10 車体
11 後部ドア開口部
12 後部シート
13 ラゲージスペース
13A 余剰空間
14 ラゲージトレイ
100 車載用サブウーファーユニット
110 箱体
110A 上側ケース部
110B 下側ケース部
110C 凹部
111 内部空間
112 スピーカ配置部
112A スピーカ開口部
113 接続口
114 緩衝部材
115 コネクタ
116 取り付け部
117 ネジ
120 ウーファー
121 振動板
122 フレーム部
200 ロアバックパネル(構造部)
200A 内部空間
201 筒状部
201A 前面
202 開口部
図1
図2
図3
図4
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図10