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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186411
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】容器および包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
B65D81/34 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094619
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】下野 貴裕
【テーマコード(参考)】
3E013
【Fターム(参考)】
3E013BA30
3E013BB09
3E013BC04
3E013BE01
3E013BF04
3E013BF26
3E013BF37
3E013BG15
(57)【要約】
【課題】蓋に穴が形成されにくい容器および包装体を提供する。
【解決手段】容器20は内容物が配置される本体100と、本体100の外周に設けられ、蓋が接着されるシール面230を含むフランジ200と、フランジ200に設けられる突出構造300とを含む。フランジ200は複数の優先部Pを含む。突出構造300はシール面230に対して突出する複数のリブ310を含む。優先部Pは非優先部Qと比較して蒸気が通過する通蒸部が形成されやすい部分である。複数の優先部Pは少なくとも2つの第1種優先部PA、および、少なくとも1つの第2種優先部PBを含む。複数のリブ310はフランジ200における第1種優先部PAを含む部分に設けられ、フランジ200における第2種優先部PBを含む部分には設けられない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が配置される本体と、
前記本体の外周に設けられ、蓋が接着されるシール面を含むフランジと、
前記フランジに設けられる突出構造とを含み、
前記フランジは複数の優先部を含み、
前記突出構造は前記シール面に対して突出する複数のリブを含み、
前記優先部はフランジに非優先部が含まれるように構成される容器の前記非優先部と比較して蒸気が通過する通蒸部が形成されやすい部分であり、
前記複数の優先部は少なくとも2つの第1種優先部、および、少なくとも1つの第2種優先部を含み、
前記複数のリブは前記フランジにおける前記第1種優先部を含む部分に設けられ、前記フランジにおける前記第2種優先部を含む部分には設けられない
容器。
【請求項2】
前記複数の優先部に含まれる前記第2種優先部の数は1である
請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記リブの高さは0.1mm以上の範囲に含まれる
請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記リブの高さは0.2mm以上の範囲に含まれる
請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記リブの端部の高さは前記リブの先端に近づくにつれて低くなる
請求項1~4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
前記リブの高さは1.5mm以下の範囲に含まれる
請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記リブの高さは前記リブの頂部から前記フランジの外周部に近づくにつれて低くなる
請求項1~6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項8】
前記フランジは複数の辺および複数の節を含み、
前記複数の辺は第1辺、第2辺、第3辺、および、第4辺を含み、
前記複数の節は第1節、第2節、第3節、および、第4節を含み、
前記第1節は前記第1辺の第1端部と前記第3辺の第1端部とがつながる部分であり、
前記第2節は前記第1辺の第2端部と前記第4辺の第1端部とがつながる部分であり、
前記第3節は前記第2辺の第1端部と前記第3辺の第2端部とがつながる部分であり、
前記第4節は前記第2辺の第2端部と前記第4辺の第2端部とがつながる部分であり、
前記複数の優先部は3つの前記第1種優先部および1つの前記第2種優先部を含み、
前記第1節~前記第3節は前記フランジのうちの前記第1種優先部を含む部分であり、
前記第4節は前記フランジのうちの前記第2種優先部を含む部分であり、
前記複数のリブは第1リブ、第2リブ、および、第3リブを含み、
前記第1リブは前記第1節に設けられ、
前記第2リブは前記第2節に設けられ、
前記第3リブは前記第3節に設けられる
請求項1~7のいずれか一項に記載の容器。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の容器と、
前記フランジに接着される蓋とを含む
包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蒸気抜き構造を含む包装体、および、その容器に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気抜き構造を含む包装体は食品等の内容物を包装する。一例では、包装体は容器および袋を含む。容器には内容物が配置される。容器は袋に収容される。袋には袋を貫通しないように切込が形成される。
包装体が加熱された場合、内容物から蒸気が発生する。袋の内部の圧力が上昇する。圧力の上昇により切込から袋が破断し、蒸気が通過する通蒸部が袋に形成される。袋の内部の蒸気が通蒸部を介して袋の外部に流れる。特許文献1には従来の包装体の一例が示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4817583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の包装体では、包装体の加熱とは別の理由により切込から袋が破断し、袋に穴が形成されるおそれがある。別の理由の例として、包装体が持ち運ばれる場合に包装体に加えられる力が挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に関する容器は、内容物が配置される本体と、前記本体の外周に設けられ、蓋が接着されるシール面を含むフランジと、前記フランジに設けられる突出構造とを含み、前記フランジは複数の優先部を含み、前記突出構造は前記シール面に対して突出する複数のリブを含み、前記優先部はフランジに非優先部が含まれるように構成される容器の前記非優先部と比較して蒸気が通過する通蒸部が形成されやすい部分であり、前記複数の優先部は少なくとも2つの第1種優先部、および、少なくとも1つの第2種優先部を含み、前記複数のリブは前記フランジにおける前記第1種優先部を含む部分に設けられ、前記フランジにおける前記第2種優先部を含む部分には設けられない。
【0006】
本容器によれば、例えば次のような効果が得られる。容器の本体に内容物が配置され、容器のフランジに蓋が接着され、包装体が製造される。容器が蓋により閉鎖された状態である閉鎖状態の包装体が加熱された場合、内容物から発生した蒸気により包装体の内部の圧力が上昇する。圧力の上昇にともない蓋の一部がシール面から剥離する。蓋の一部が剥離することにより、フランジのうちの優先部を含む部分において通蒸部が形成される。
【0007】
通蒸部を形成するための切込が袋に形成される従来の包装体では、袋は通蒸部が形成されることが予定された部分である。本容器を含む包装体では、蓋およびフランジは通蒸部が形成されることが予定された部分である。従来の包装体と比較した場合、本容器を含む包装体は通蒸部が形成されることが予定された部分である蓋に穴が形成されにくい。
【0008】
フランジにリブが設けられるため、蓋を剥がし始める部分の目印としてリブを利用できる。包装体の利便性が向上する。フランジに複数のリブが設けられるため、複数のリブのうちの1つに対応する部分において通蒸部が形成された場合、他のリブを、蓋を剥がし始める部分の目印として利用できる。
【0009】
前記容器の一例では、前記複数の優先部に含まれる前記第2種優先部の数は1である。
本容器によれば、例えば次のような効果が得られる。蓋を剥がし始める部分の目印として利用できるリブの数が多くなる。包装体の利便性が向上する。
【0010】
前記容器の一例では、前記リブの高さは0.1mm以上の範囲に含まれる。
本容器によれば、例えば次のような効果が得られる。フランジに蓋が接着された状態において、手で蓋に触れた場合にリブを知覚しやすくなる。
【0011】
前記容器の一例では、前記リブの高さは0.2mm以上の範囲に含まれる。
本容器によれば、例えば次のような効果が得られる。フランジのうちの第1種優先部を含む部分のシール強度がフランジのうちの第2種優先部を含む部分のシール強度よりも高くなる。閉鎖状態の包装体が加熱された場合、フランジのうちの第2種優先部を含む部分において、フランジのうちの第1種優先部を含む部分よりも通蒸部が形成されやすくなる。包装体における通蒸部が形成される位置に関する安定性が高くなる。
【0012】
前記容器の一例では、前記リブの端部の高さは前記リブの先端に近づくにつれて低くなる。
本容器によれば、例えば次のような効果が得られる。蓋がリブの端部の周囲のシール面に強く接着される。閉鎖状態の包装体において、内容物が包装体の内部から包装体の外部に漏れにくくなる。
【0013】
前記容器の一例では、前記リブの高さは1.5mm以下の範囲に含まれる。
本容器によれば、例えば次のような効果が得られる。蓋がリブの周囲のシール面に強く接着される。閉鎖状態の包装体において、内容物が包装体の内部から包装体の外部に漏れにくくなる。
【0014】
前記容器の一例では、前記リブの高さは前記リブの頂部から前記フランジの外周部に近づくにつれて低くなる。
本容器によれば、例えば次のような効果が得られる。フランジのうちの第1種優先部を含む部分に対応する蓋の一部から蓋を剥がす場合、蓋がフランジから剥がれやすくなる。
【0015】
前記容器の一例では、前記フランジは複数の辺および複数の節を含み、前記複数の辺は第1辺、第2辺、第3辺、および、第4辺を含み、前記複数の節は第1節、第2節、第3節、および、第4節を含み、前記第1節は前記第1辺の第1端部と前記第3辺の第1端部とがつながる部分であり、前記第2節は前記第1辺の第2端部と前記第4辺の第1端部とがつながる部分であり、前記第3節は前記第2辺の第1端部と前記第3辺の第2端部とがつながる部分であり、前記第4節は前記第2辺の第2端部と前記第4辺の第2端部とがつながる部分であり、前記複数の優先部は3つの前記第1種優先部および1つの前記第2種優先部を含み、前記第1節~前記第3節は前記フランジのうちの前記第1種優先部を含む部分であり、前記第4節は前記フランジのうちの前記第2種優先部を含む部分であり、前記複数のリブは第1リブ、第2リブ、および、第3リブを含み、前記第1リブは前記第1節に設けられ、前記第2リブは前記第2節に設けられ、前記第3リブは前記第3節に設けられる。
【0016】
本容器によれば、例えば次のような効果が得られる。フランジの節にリブが設けられるため、蓋のうちの節に対応する部分から蓋を剥がし始める場合の目印としてリブを利用できる。
【0017】
本発明に関する包装体は前記容器と、前記フランジに接着される蓋とを含む。
本包装体によれば、例えば次のような効果が得られる。従来の包装体と比較した場合、本容器は通蒸部が形成されることが予定された部分である蓋に穴が形成されにくい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に関する容器および包装体によれば、蓋に穴が形成されにくい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態の包装体の平面図。
図2】容器の平面図。
図3】横方向に平行な容器の断面図。
図4】縦方向に平行な容器の断面図。
図5】通蒸状態における節の平面図。
図6図5の6-6線に沿う断面図。
図7】節の平面図。
図8】リブの第1断面を示す断面図。
図9】リブの第2断面を示す断面図。
図10】第2実施形態のリブの第1断面を示す断面図。
図11】第3実施形態のリブの第1断面を示す断面図。
図12】第4実施形態のリブの第1断面を示す断面図。
図13】第5実施形態のリブの第1断面を示す断面図。
図14】第6実施形態の節の平面図。
図15】第8実施形態の節の平面図。
図16】第9実施形態の節の平面図。
図17】測定試験の結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
図1を参照する。包装体10は容器20および蓋30を含む。包装体10は内容物11を包装する。容器20は内容物11を配置できるように構成される。蓋30は容器20に接着される。内容物11の例として、食品が挙げられる。食品の例として、冷凍食品が挙げられる。包装体10は蒸気抜き構造を含む。蒸気抜き構造は包装体10の加熱により内容物11から発生した蒸気を包装体10の外部に排出できるように構成される。
【0021】
包装体10は例えば閉鎖状態を取り得る。包装体10の閉鎖状態では、例えば次のような様子が見受けられる。蓋30が容器20に接着されている。容器20が蓋30により閉じられている。容器20に内容物11が配置されている場合、内容物11を容器20から取り出すことができない。
【0022】
包装体10は例えば通蒸状態を取り得る。閉鎖状態の包装体10が加熱されることにより、包装体10の状態が閉鎖状態から通蒸状態に遷移する。包装体10の通蒸状態では、例えば次のような様子が見受けられる。容器20に接着された蓋30の一部が容器20から剥離している。蓋30が剥離した部分に通蒸部40(図5参照)が形成されている。
【0023】
包装体10は例えば開封状態を取り得る。内容物11を容器20から取り出せる程度に蓋30が容器20から剥がされることにより、包装体10の状態が閉鎖状態または通蒸状態から開封状態に遷移する。包装体10の開封状態では、例えば次のような様子が見受けられる。蓋30が容器20から剥離している。容器20が開放されている。容器20に内容物11が配置されている場合、内容物11を容器20から取り出すことができる。
【0024】
包装体10に関する説明では、X1方向、X2方向、Y1方向、Y2方向、Z1方向、および、Z2方向が参照される。
X1方向およびX2方向はX軸に平行である。X1方向はX2方向とは反対の方向である。X方向はX1方向およびX2方向を総称する。包装体10の横方向はX方向に平行である。
Y1方向およびY2方向はY軸に平行である。Y1方向はY2方向とは反対の方向である。Y方向はY1方向およびY2方向を総称する。包装体10の縦方向はY方向に平行である。
Z1方向およびZ2方向はZ軸に平行である。Z1方向はZ2方向とは反対の方向である。Z方向はZ1方向およびZ2方向を総称する。包装体10の高さ方向はZ方向に平行である。包装体10の径方向はZ方向に直交する。
X方向およびY方向により定められる平面を「第1基準面」と称する。X方向およびZ方向により定められる平面を「第2基準面」と称する。Y方向およびZ方向により定められる平面を「第3基準面」と称する。
【0025】
図2図4を参照する。容器20の構成は任意に選択できる。容器20の構成は例示される構成に限定されない。容器20の素材として、例えば熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂の例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート樹脂が挙げられる。
【0026】
容器20は本体100を含む。本体100の構成は任意に選択できる。本体100の構成は例示される構成に限定されない。本体100の形状は非円形である。図示される例では、本体100の形状は四角形である。本体100は底部110、側部120、および、開口部130を含む。本体100の内部には配置空間101が形成される。底部110の内表面110Aおよび側部120の内表面120Aは配置空間101を規定する。開口部130は側部120の端部に設けられる。開口部130は配置空間101を容器20の外部に開放する。内容物11は開口部130を介して配置空間101に出し入れされる。
【0027】
底部110は第1基準面に平行である。底部110は内容物11を配置できるように構成される。底部110は第1端部111、第2端部112、第3端部113、および、第4端部114を含む。第1端部111および第2端部112はX方向に関する端部である。第3端部113および第4端部114はY方向に関する端部である。
【0028】
第1端部111はX方向に関する容器20の中心に対してX1方向に位置する。第2端部112はX方向に関する容器20の中心に対してX2方向に位置する。第3端部113はY方向に関する容器20の中心に対してY1方向に位置する。第4端部114はY方向に関する容器20の中心に対してY2方向に位置する。
【0029】
側部120は第1側部構成部121、第2側部構成部122、第3側部構成部123、および、第4側部構成部124を含む。第1側部構成部121はX方向に関する容器20の中心に対してX1方向に位置する。第2側部構成部122はX方向に関する容器20の中心に対してX2方向に位置する。第3側部構成部123はY方向に関する容器20の中心に対してY1方向に位置する。第4側部構成部124はY方向に関する容器20の中心に対してY2方向に位置する。
【0030】
第1側部構成部121は第3基準面に対して傾斜する。第1側部構成部121はZ1方向に進むにつれてX1方向に進むように傾斜する。第2側部構成部122は第3基準面に対して傾斜する。第2側部構成部122はZ1方向に進むにつれてX2方向に進むように傾斜する。X方向に関する第1側部構成部121と第2側部構成部122との距離はZ1方向に進むにつれて長くなる。
【0031】
第3側部構成部123は第2基準面に対して傾斜する。第3側部構成部123はZ1方向に進むにつれてY1方向に進むように傾斜する。第4側部構成部124は第2基準面に対して傾斜する。第4側部構成部124はZ1方向に進むにつれてY2方向に進むように傾斜する。Y方向に関する第3側部構成部123と第4側部構成部124との距離はZ1方向に進むにつれて長くなる。
【0032】
第1側部構成部121は第1端部121Aおよび第2端部121Bを含む。第1端部121Aおよび第2端部121BはZ方向に関する端部である。第1端部121AはZ方向に関する第1側部構成部121の中心に対してZ1方向に位置する。第2端部121BはZ方向に関する第1側部構成部121の中心に対してZ2方向に位置する。第2端部121Bは底部110の第1端部111につながる。
【0033】
第2側部構成部122は第1端部122Aおよび第2端部122Bを含む。第1端部122Aおよび第2端部122BはZ方向に関する端部である。第1端部122AはZ方向に関する第2側部構成部122の中心に対してZ1方向に位置する。第2端部122BはZ方向に関する第2側部構成部122の中心に対してZ2方向に位置する。第2端部122Bは底部110の第2端部112につながる。
【0034】
第3側部構成部123は第1端部123Aおよび第2端部123Bを含む。第1端部123Aおよび第2端部123BはZ方向に関する端部である。第1端部123AはZ方向に関する第3側部構成部123の中心に対してZ1方向に位置する。第2端部123BはZ方向に関する第3側部構成部123の中心に対してZ2方向に位置する。第2端部123Bは底部110の第3端部113につながる。
【0035】
第4側部構成部124は第1端部124Aおよび第2端部124Bを含む。第1端部124Aおよび第2端部124BはZ方向に関する端部である。第1端部124AはZ方向に関する第4側部構成部124の中心に対してZ1方向に位置する。第2端部124BはZ方向に関する第4側部構成部124の中心に対してZ2方向に位置する。第2端部124Bは底部110の第4端部114につながる。
【0036】
開口部130は第1側部構成部121の第1端部121A、第2側部構成部122の第1端部122A、第3側部構成部123の第1端部123A、および、第4側部構成部124の第1端部124Aを含む。
【0037】
容器20はフランジ200を含む。フランジ200の構成は任意に選択できる。フランジ200の構成は例示される構成に限定されない。フランジ200は本体100の外周に設けられる。一例では、フランジ200は開口部130の外周に設けられる。フランジ200の形状は本体100の形状に対応する環である。図示される例では、フランジ200は複数の辺210を含む。複数の辺210は第1辺210A、第2辺210B、第3辺210C、および、第4辺210Dを含む。第1辺210A~第4辺210Dの長さは等しい。
【0038】
辺210は第1端部211、第2端部212、および、中間部213を含む。第1端部211はX方向またはY方向に関する一方の端部である。第1端部211は円弧の部分および直線の部分を含む。第2端部212はX方向またはY方向に関する他方の端部である。第2端部212は円弧の部分および直線の部分を含む。
【0039】
第1端部211の円弧の部分は隣接する辺210の第1端部211の円弧の部分、または、隣接する辺210の第2端部212の円弧の部分につながる。第2端部212の円弧の部分は隣接する辺210の第1端部211の円弧の部分、または、隣接する辺210の第2端部212の円弧の部分につながる。
【0040】
中間部213は第1端部211と第2端部212との間に位置する。中間部213は直線の部分を含む。中間部213の中心線はX方向またはY方向に平行である。中間部213は第1端部211の直線の部分および第2端部212の直線の部分につながる。
【0041】
第1辺210AはX方向に関する容器20の中心に対してX1方向に位置する。第1辺210Aの第1端部211はY方向に関する第1辺210Aの中心に対してY1方向に位置する。第1辺210Aの第2端部212はY方向に関する第1辺210Aの中心に対してY2方向に位置する。第1辺210Aの中間部213の中心線はY方向に平行である。
【0042】
第2辺210BはX方向に関する容器20の中心に対してX2方向に位置する。第2辺210Bの第1端部211はY方向に関する第2辺210Bの中心に対してY1方向に位置する。第2辺210Bの第2端部212はY方向に関する第2辺210Bの中心に対してY2方向に位置する。第2辺210Bの中間部213の中心線はY方向に平行である。
【0043】
第3辺210CはY方向に関する容器20の中心に対してY1方向に位置する。第3辺210Cの第1端部211はX方向に関する第3辺210Cの中心に対してX1方向に位置する。第3辺210Cの第2端部212はX方向に関する第3辺210Cの中心に対してX2方向に位置する。第3辺210Cの中間部213の中心線はX方向に平行である。
【0044】
第4辺210DはY方向に関する容器20の中心に対してY2方向に位置する。第4辺210Dの第1端部211はX方向に関する第4辺210Dの中心に対してX1方向に位置する。第4辺210Dの第2端部212はX方向に関する第4辺210Dの中心に対してX2方向に位置する。第4辺210Dの中間部213の中心線はX方向に平行である。
【0045】
フランジ200は複数の節220を含む。節220は隣接する辺210同士がつながる部分である。図示される例では、複数の節220は第1節221、第2節222、第3節223、および、第4節224を含む。
【0046】
第1節221は第1辺210Aの第1端部211と第3辺210Cの第1端部211とを含む。第1辺210Aの第1端部211と第3辺210Cの第1端部211とは第1節221においてつながる。第1節221はフランジ200の角に相当する。第1節221における円弧の中心は開口部130の空間上に定められる。
【0047】
第2節222は第1辺210Aの第2端部212と第4辺210Dの第1端部211とを含む。第1辺210Aの第2端部212と第4辺210Dの第1端部211とは第2節222においてつながる。第2節222はフランジ200の角に相当する。第2節222における円弧の中心は開口部130の空間上に定められる。
【0048】
第3節223は第2辺210Bの第1端部211と第3辺210Cの第2端部212とを含む。第2辺210Bの第1端部211と第3辺210Cの第2端部212とは第3節223においてつながる。第3節223はフランジ200の角に相当する。第3節223における円弧の中心は開口部130の空間上に定められる。
【0049】
第4節224は第2辺210Bの第2端部212と第4辺210Dの第2端部212とを含む。第2辺210Bの第2端部212と第4辺210Dの第2端部212とは第4節224においてつながる。第4節224はフランジ200の角に相当する。第4節224における円弧の中心は開口部130の空間上に定められる。
【0050】
フランジ200はシール面230を含む。シール面230は蓋30が接着される面である。一例では、シール面230は平面である。蓋30は例えばヒートシールによりシール面230に接着される。蓋30がシール面230に接着された状態では、開口部130は蓋30により閉じられる。包装体10の状態は閉鎖状態である。
【0051】
フランジ200は内周部201および外周部202を含む。内周部201はフランジ200における開口部130寄りの部分である。内周部201は内周縁201Aを含む。内周縁201Aは開口部130寄りに位置するフランジ200の縁である。外周部202はフランジ200における外周寄りの部分である。外周部202は外周縁202Aを含む。外周縁202Aはフランジ200の外周寄りに位置するフランジ200の縁である。シール面230は内周縁201Aと外周縁202Aとの間に設けられる。一例では、フランジ200の幅は内周縁201Aと外周縁202Aとの距離により示される。
【0052】
フランジ200は側部240を含む。側部240は外周縁202Aにつながる。側部240は外周縁202Aに対してZ2方向に位置する。側部240はフランジ200の外周縁202Aを1周するように構成される。
【0053】
蓋30は樹脂製のシートである。蓋30は複数のフィルムを含む。複数のフィルムは積層される。一例では、蓋30は外層、中間層、および、内層を含む。外層は例えば、透明性およびガスバリア性に優れたフィルムにより構成される。中間層は例えば、ガスバリア性に優れたフィルムにより構成される。内層は例えば、イージーピールフィルムにより構成される。
【0054】
容器20は突出構造300を含む。突出構造300の構成は任意に選択できる。突出構造300の構成は例示される構成に限定されない。突出構造300はフランジ200に設けられる。突出構造300は少なくとも1つのリブ310を含む。図示される例では、突出構造300は複数のリブ310を含む。
【0055】
リブ310の構成は任意に選択できる。リブ310の構成は例示される構成に限定されない。複数のリブ310は第1リブ310A、第2リブ310B、および、第3リブ310Cを含む。リブ310は第1リブ310A~第3リブ310Cを総称する。リブ310はフランジ200の節220に設けられる。リブ310の形状はフランジ200の形状に倣う。リブ310はシール面230に対して突出する。
【0056】
第1リブ310Aは第1節221に設けられる。第1リブ310Aは第1節221の形状に倣う。第1リブ310Aは第1節221のシール面230に対してZ1方向に突出する。第1節221のシール面230は第1辺210Aの第1端部211のシール面230、および、第3辺210Cの第1端部211のシール面230を含む。
【0057】
第2リブ310Bは第2節222に設けられる。第2リブ310Bは第2節222の形状に倣う。第2リブ310Bは第2節222のシール面230に対してZ1方向に突出する。第2節222のシール面230は第2辺210Bの第1端部211のシール面230、および、第3辺210Cの第2端部212のシール面230を含む。
【0058】
第3リブ310Cは第3節223に設けられる。第3リブ310Cは第3節223の形状に倣う。第3リブ310Cは第3節223のシール面230に対してZ1方向に突出する。第3節223のシール面230は第1辺210Aの第2端部212のシール面230、および、第3辺210Cの第1端部211のシール面230を含む。
【0059】
図5および図6を参照する。図5は通蒸部40が形成された節220の平面を示す。図6図5の6-6線に沿う断面を示す。閉鎖状態の包装体10が加熱された場合、内容物11から発生した蒸気により包装体10の内部である配置空間101の圧力が上昇する。圧力の上昇にともない蓋30の一部がシール面230から剥離する。蓋30の一部が剥離することにより包装体10に通蒸部40が形成される。包装体10の状態が閉鎖状態から通蒸状態に遷移する。
【0060】
通蒸部40は剥離部30A、剥離面230A、および、通路41を含む。剥離部30Aは蓋30のうちのシール面230から剥離した部分である。剥離面230Aはシール面230のうちの剥離部30Aに対向する部分である。通路41は剥離部30Aと剥離面230Aとの間に形成される空間である。通路41は包装体10の内部と包装体10の外部とをつなげる。
【0061】
包装体10の状態が通蒸状態であり、包装体10の内部の圧力が包装体10の外部の圧力よりも高い場合、配置空間101から包装体10の外部に蒸気が流れる。包装体10の外部に蒸気が流れることにより、包装体10の内部の圧力に関する増加速度が低下する、または、包装体10の内部の圧力が低下する。
【0062】
図2を参照する。フランジ200は複数の優先部Pを含む。フランジ200の優先部Pはフランジに非優先部が含まれるように構成される容器の非優先部と比較して通蒸部40が形成されやすい部分である。図示される例では、フランジ200は複数の優先部Pおよび複数の非優先部Qを含む。容器20は「フランジに非優先部が含まれるように構成される容器」の一例に該当する。辺210の中間部213はフランジ200における非優先部Qを含む部分に相当する。
【0063】
フランジ200の優先部Pはフランジ200の非優先部Qと比較して通蒸部40が形成されやすい部分である。これは、優先部Pが、包装体10の内部の圧力が上昇した場合に非優先部Qと比較して応力が集中しやすい形状を有することによる。
【0064】
一例では、優先部Pの種類は第1種優先部PAおよび第2種優先部PBに分類される。第1種優先部PAはリブ310が設けられる優先部Pである。第2種優先部PBはリブ310が設けられない優先部Pである。
【0065】
複数の優先部Pは少なくとも2つの第1種優先部PA、および、少なくとも1つの第2種優先部PBを含む。複数の優先部Pの全数をNとする。Nは3以上の整数である。複数の優先部Pに含まれる第1種優先部PAの数をNAとする。NAは2以上の整数である。複数の優先部Pに含まれる第2種優先部PBの数をNBとする。NBは1以上の整数である。
【0066】
複数の優先部Pの全数Nは例えばフランジ200の形状に応じて定められる。フランジ200の形状は「N≧3」を満たす範囲において任意に選択できる。フランジ200の形状は例えば、多角形の本体100に対応する環、楕円の本体100に対応する環、または、その他の形状の本体100に対応する環から選択できる。円は楕円の一例である。
【0067】
フランジ200の形状が多角形の本体100に対応する環である場合、Nはフランジ200に設けられる角の数に等しい。フランジ200の形状が円ではない楕円の本体100に対応する環である場合、Nは例えば4である。フランジ200の形状が円の本体100に対応する環である場合、フランジ200全体を複数の優先部Pの集合とみなすことができる。Nの数は任意に定められる。
【0068】
図示される例では、フランジ200の形状は四角形の本体100に対応する環である。節220はフランジ200の角に相当する。節220はフランジ200における優先部Pを含む部分に相当する。フランジ200に設けられる角の数は4である。複数の優先部Pの全数Nは4である。複数の優先部Pに含まれる第1種優先部PAの数NAは3である。複数の優先部Pに含まれる第2種優先部PBの数NBは1である。
【0069】
リブ310はフランジ200における第1種優先部PAを含む部分に設けられる。リブ310はフランジ200のシール面230に対して突出する。リブ310はフランジ200における第2種優先部PBを含む部分には設けられない。リブ310はフランジ200における非優先部Qを含む部分には設けられない。
【0070】
第1節221はフランジ200における第1種優先部PAを含む部分に相当する。第2節222はフランジ200における第1種優先部PAを含む部分に相当する。第3節223はフランジ200における第1種優先部PAを含む部分に相当する。第4節224はフランジ200における第2種優先部PBを含む部分に相当する。
【0071】
第1辺210Aの中間部213はフランジ200における非優先部Qを含む部分に相当する。第2辺210Bの中間部213はフランジ200における非優先部Qを含む部分に相当する。第3辺210Cの中間部213はフランジ200における非優先部Qを含む部分に相当する。第4辺210Dの中間部213はフランジ200における非優先部Qを含む部分に相当する。
【0072】
図7を参照する。リブ310はフランジ200の形状に倣うように構成される。第1リブ310Aと第2リブ310Bとの関係はX軸を対称軸とする線対称である。第1リブ310Aと第3リブ310Cとの関係はY軸を対称軸とする線対称である。図7には、第1リブ310A~第3リブ310Cを代表して第1リブ310Aが示される。
【0073】
リブ310は第1端部311、第2端部312、および、中間部313を含む。第1端部311は節220においてつながる2つの辺210の一方に位置する。第2端部312は節220においてつながる2つの辺210の他方に位置する。中間部313は節220においてつながる2つの辺210の両方に位置する。
【0074】
リブ310の延長方向に関するリブ310の範囲はリブ310の第1先端311Aからリブ310の第2先端312Aまでの範囲である。第1端部311はリブ310の第1先端311Aを含む。第1先端311Aは節220においてつながる2つの辺210の一方に位置する。第2端部312はリブ310の第2先端312Aを含む。第2先端312Aは節220においてつながる2つの辺210の他方に位置する。
【0075】
図8を参照する。図8は包装体10の高さ方向および径方向に平行なフランジ200およびリブ310の断面(以下「第1断面」という)を示す。第1断面においてZ方向に平行な線分を「基準線LZ」と称する。
【0076】
リブ310の高さは例えば、リブ310の根元に位置するシール面230を基準に定められる。シール面230におけるリブ310の高さは0である。リブ310の高さはシール面230に対してZ1方向に進むにつれて高くなる。
【0077】
第1断面では、フランジ200の表面は線分LF11、線分LF12、および、線分LF13により示される。線分LF11はフランジ200の内周部201の表面であるシール面230を示す。線分LF12はフランジ200の外周部202の表面であるシール面230を示す。線分LF13はフランジ200の側部240の表面を示す。
【0078】
リブ310は頂部321、内側部322、および、外側部323を含む。第1断面では、リブ310の表面は線分LR11および線分LR12により示される。線分LR11は頂部321の一部の表面および内側部322の表面を示す。線分LR11はZ方向に平行である。線分LR12は頂部321の一部の表面および外側部323の表面を示す。線分LR12はZ方向に対して傾斜する。
【0079】
頂部321は角を含む山型である。頂部321は頂部先端321Aを含む。頂部先端321Aは頂部321の山型の先端に相当する。頂部先端321Aは第1断面に示されるリブ310において高さが最も高い部分である。頂部321の表面は線分LR11の一部および線分LR12の一部により示される。頂部先端321Aは線分LR11と線分LR12との交点に相当する。
【0080】
内側部322は頂部321とフランジ200の内周部201との間に位置する。内側部322は内側先端322Aを含む。内側先端322Aは内側部322と内周部201のシール面230との境界に位置する。内側部322の表面は線分LR11の一部により示される。内側部322はZ方向に平行である。
【0081】
Z方向に対する内側部322の傾きを示す角度を「内側角度TA」と称する。内側角度TAは例えば、内側先端322Aを通過する基準線LZと線分LR11とのなす角度である。線分LR11が基準線LZに重なる場合、内側角度TAは0°である。図示される例では、内側角度TAは0°である。
【0082】
外側部323は頂部321とフランジ200の外周部202との間に位置する。外側部323は外側先端323Aを含む。外側先端323Aは外側部323と外周部202のシール面230との境界に位置する。外側部323の表面は線分LR12の一部により示される。外側部323はZ方向に対して傾斜する。外側部323は頂部321が容器20の中心に近づくように傾斜する。リブ310の高さは頂部321から外側先端323Aに進むにつれて低くなる。
【0083】
Z方向に対する外側部323の傾きを示す角度を「外側角度TB」と称する。外側角度TBは例えば、外側先端323Aを通過する基準線LZと線分LR12とのなす角度である。線分LR12が基準線LZに重なる状態では、外側角度TBは0°である。図示される例では、外側角度TBは0°超かつ90°未満の範囲に含まれる。
【0084】
一例では、リブ310の幅は第1断面における内側先端322Aと外側先端323Aとの距離により示される。第1端部311の幅について例示する。第1例では、第1端部311の幅はリブ310の延長方向において変化する。第2例では、第1端部311の幅はリブ310の延長方向において一定である。第2端部312の幅について例示する。第1例では、第2端部312の幅はリブ310の延長方向において変化する。第2例では、第2端部312の幅はリブ310の延長方向において一定である。中間部313の幅について例示する。第1例では、中間部313の幅はリブ310の延長方向において一定である。第2例では、中間部313の幅はリブ310の延長方向において変化する。
【0085】
図7を参照する。第1端部311の頂部先端321Aはフランジ200の中間部213の中心線に平行である。第1端部311の外側先端323Aはフランジ200の中間部213の中心線に対して傾斜する。第2端部312の頂部先端321Aはフランジ200の中間部213の中心線に平行である。第2端部312の外側先端323Aはフランジ200の中間部213の中心線に対して傾斜する。中間部313の頂部先端321Aは円弧の部分および直線の部分を含む。中間部313の外側先端323Aは円弧の部分および直線の部分を含む。
【0086】
第1端部311の幅はリブ310の延長方向において中間部313から第1先端311Aに向けて進むにつれて狭くなる。第2端部312の幅はリブ310の延長方向において中間部313から第2先端312Aに向けて進むにつれて狭くなる。中間部313の幅はリブ310の延長方向においておおよそ一定である。
【0087】
図9を参照する。図9は高さ方向に平行、かつ、リブ310の延長方向に沿うフランジ200およびリブ310の断面(以下「第2断面」という)を示す。
第2断面では、フランジ200の表面は線分LF21および線分LF22により示される。線分LF21は節220においてつながる2つの辺210の一方の中間部213の表面であるシール面230を示す。線分LF22は節220においてつながる2つの辺210の他方の中間部213の表面であるシール面230を示す。第2断面では、リブ310の表面は線分LR21、線分LR22、および、線分LR23により示される。線分LR21は第1端部311の表面を示す。線分LR22は第2端部312の表面を示す。線分LR23は中間部313の表面を示す。
【0088】
中間部313の高さは一定である。第1端部311の高さは中間部313から第1先端311Aに向けて進むにつれて低くなる。第2端部312の高さは中間部313から第2先端312Aに向けて進むにつれて低くなる。
【0089】
図5および図6を参照する。包装体10は例えば次のように使用される。閉鎖状態の包装体10が加熱手段にセットされる。加熱手段の例として、電子レンジが挙げられる。閉鎖状態の包装体10が加熱された場合、フランジ200のうちの優先部Pを含む複数の節220のいずれかにおいて通蒸部40が形成される。包装体10の状態が閉鎖状態から通蒸状態に遷移する。包装体10の通蒸状態の例として、第1通蒸状態および第2通蒸状態が挙げられる。
【0090】
包装体10の第1通蒸状態では、例えば次のような様子が見受けられる。第1種優先部PAを含む複数の節220には、通蒸部40は形成されない。第2種優先部PBを含む節220において通蒸部40が形成される。包装体10の内部の蒸気が、第2種優先部PBを含む節220に形成された通蒸部40を介して包装体10の外部に流れる。
【0091】
包装体10の第2通蒸状態では、例えば次のような様子が見受けられる。第1種優先部PAを含む複数の節220のうちの1つにおいて通蒸部40が形成される。第1種優先部PAを含む複数の節220のうちの他の2つには、通蒸部40は形成されない。第2種優先部PBを含む節220には、通蒸部40は形成されない。包装体10の内部の蒸気が、第1種優先部PAを含む節220に形成された通蒸部40を介して包装体10の外部に流れる。
【0092】
包装体10の加熱が終了した後、包装体10が加熱手段から取り出される。第1種優先部PAを含む節220のうち、通蒸部40が形成されていない節220に対応する蓋30の一部が蓋30を剥がし始める部分として選択される。これは主に、通蒸部40が形成された節220が、その節220以外の節220よりも熱いことによる。蓋30が容器20から剥がされる。包装体10の状態が通蒸状態から開放状態に遷移する。内容物11が容器20から取り出される。
【0093】
(効果)
包装体10および容器20により得られる効果について例示する。
【0094】
包装体10の一例では、フランジ200は複数の優先部Pを含む。
包装体10の上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。閉鎖状態の包装体10が加熱された場合、フランジ200のうちの優先部Pを含む複数の節220のいずれかにおいて通蒸部40が形成される。包装体10では、蓋30およびフランジ200は通蒸部40が形成されることが予定された部分である。従来の包装体と比較した場合、容器20を含む包装体10は、通蒸部40が形成されることが予定された部分である蓋30に穴が形成されにくい。
【0095】
包装体10の一例では、容器20は突出構造300を含む。突出構造300はシール面230に対して突出する複数のリブ310を含む。複数のリブ310はフランジ200のうちの第1種優先部PAを含む節220に設けられる。複数のリブ310はフランジ200のうちの第2種優先部PBを含む節220には設けられない。
【0096】
包装体10の上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。フランジ200にリブ310が設けられるため、蓋30を剥がし始める部分の目印としてリブ310を利用できる。包装体10の利便性が向上する。フランジ200に複数のリブ310が設けられるため、複数のリブ310のうちの1つに対応する節220において通蒸部40が形成された場合、他のリブ310を、蓋30を剥がし始める部分の目印として利用できる。フランジ200の節220にリブ310が設けられるため、蓋30のうちの節220に対応する部分から蓋30を剥がし始める場合の目印としてリブ310を利用できる。
【0097】
包装体10の一例では、複数の優先部Pに含まれる第2種優先部PBの数は1である。
包装体10の上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。蓋30を剥がし始める部分の目印として利用できるリブ310の数が多くなる。包装体10の利便性が向上する。
【0098】
包装体10の一例では、リブ310の第1端部311の高さは第1先端311Aに近づくにつれて低くなる。
包装体10の上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。蓋30が第1端部311の周囲のシール面230に強く接着される。閉鎖状態の包装体10において、内容物11が包装体10の内部から包装体10の外部に漏れにくくなる。
【0099】
包装体10の一例では、リブ310の第2端部312の高さは第2先端312Aに近づくにつれて低くなる。
包装体10の上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。蓋30が第2端部312の周囲のシール面230に強く接着される。閉鎖状態の包装体10において、内容物11が包装体10の内部から包装体10の外部に漏れにくくなる。
【0100】
包装体10の一例では、リブ310の高さはリブ310の頂部321からフランジ200の外周部202に近づくにつれて低くなる。
包装体10の上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。第1種優先部PAを含む節220に対応する蓋30の一部から蓋30を剥がす場合、蓋30がフランジ200から剥がれやすくなる。蓋30に破れが生じにくくなる。蓋30が剥がされたシール面230に毛羽立ちが形成されにくくなる。
【0101】
(第2実施形態)
第2実施形態の包装体10は第1実施形態の包装体10を前提に構成される。第2実施形態の包装体10の構成は、主に以下に示される点において前提の実施形態の包装体10の構成と相違する。
【0102】
図10を参照する。図10は第2実施形態の容器20に関する第1断面を示す。内側部322はZ方向に対して傾斜する。第2断面では、内側部322の表面を示す線分LR11はZ方向に対して傾斜する。内側部322は頂部321が容器20の中心から離れるように傾斜する。リブ310の高さは頂部321から内側先端322Aに進むにつれて低くなる。内側角度TAは0°超かつ90°未満の範囲に含まれる。外側角度TBは0°超かつ90°未満の範囲に含まれる。内側角度TAは外側角度TBよりも小さい。
【0103】
(第3実施形態)
第3実施形態の包装体10は第1実施形態の包装体10を前提に構成される。第3実施形態の包装体10の構成は、主に以下に示される点において前提の実施形態の包装体10の構成と相違する。
【0104】
図11を参照する。図11は第3実施形態の容器20に関する第1断面を示す。第1断面では、リブ310の表面は線分LR11、線分LR12、および、曲線LR13により示される。曲線LR13は頂部321の表面を示す。曲線LR13は円弧である。円弧の中心は線分LR11と線分LR12との間に定められる。頂部321は曲面を含む山型である。
【0105】
(第4実施形態)
第4実施形態の包装体10は第2実施形態の包装体10を前提に構成される。第4実施形態の包装体10の構成は、主に以下に示される点において前提の実施形態の包装体10の構成と相違する。
【0106】
図12を参照する。図12は第4実施形態の容器20に関する第1断面を示す。第1断面では、リブ310の表面は線分LR11、線分LR12、および、曲線LR13により示される。曲線LR13は頂部321の表面を示す。曲線LR13は円弧である。円弧の中心は線分LR11と線分LR12との間に定められる。頂部321は曲面を含む山型である。
【0107】
(第5実施形態)
第5実施形態の包装体10は第1実施形態の包装体10を前提に構成される。第5実施形態の包装体10の構成は、主に以下に示される点において前提の実施形態の包装体10の構成と相違する。
【0108】
図13を参照する。図13は第5実施形態の容器20に関する第1断面を示す。第1断面では、リブ310の表面は線分LR11、線分LR12、および、線分LR14により示される。線分LR14は頂部321の表面を示す。線分LR14は径方向に平行である。頂部321は平面である。頂部先端321Aは頂部321の平面に含まれる。内側角度TAは0°である。外側角度TBは0°である。
【0109】
(第6実施形態)
第6実施形態の包装体10は第1実施形態の包装体10を前提に構成される。第6実施形態の包装体10の構成は、主に以下に示される点において前提の実施形態の包装体10の構成と相違する。
【0110】
図14を参照する。図14は第6実施形態の容器20に関する節220の平面を示す。第1端部311の頂部先端321Aはフランジ200の中間部213の中心線に対して傾斜する。第1端部311の頂部先端321Aは中間部313から第1先端311Aに向けて進むにつれて内周縁201Aから離れるように傾斜する。第2端部312の頂部先端321Aはフランジ200の中間部213の中心線に対して傾斜する。第2端部312の頂部先端321Aは中間部313から第2先端312Aに向けて進むにつれて内周縁201Aから離れるように傾斜する。
【0111】
(第7実施形態)
第7実施形態の包装体10は第1~第6実施形態のいずれかの包装体10を前提に構成される。第7実施形態では、包装体10の辺210および突出構造300に関する種々の形態が提示される。
【0112】
辺210の長さは任意に選択できる。第1例では、第1辺210A~第4辺210Dの長さは等しい。第2例では、第1辺210A~第4辺210Dのうちの3つの辺210の長さは等しい。第3例では、第1辺210A~第4辺210Dのうちの2つの辺210の長さは等しい。第4例では、第1辺210A~第4辺210Dは2つの組を含む。第1組に含まれる辺210の長さは等しい。第2組に含まれる辺210の長さは等しく、第1組に含まれる辺210の長さとは異なる。第5例では、第1辺210A~第4辺210Dの長さは異なる。
【0113】
辺210の形状は任意に選択できる。第1例では、第1辺210A~第4辺210Dのうちの少なくとも1つ辺210の形状は曲線状の部分を含む形状である。第2例では、第1辺210A~第4辺210Dは2つの組を含む。第1組に含まれる辺210の形状は同じである。第1組に含まれる辺210はX方向において対向する、Y方向において対向する、または、節220においてつながる。第2組に含まれる辺210の形状は同じである。第2組に含まれる辺210の形状は第1組に含まれる辺210の形状とは異なる。第2組に含まれる辺210はX方向において対向する、Y方向において対向する、または、節220においてつながる。
【0114】
突出構造300に含まれる複数のリブ310の形状は任意に選択できる。第1例では、複数のリブ310の形状は同じである。第2例では、複数のリブ310は形状に応じて2つ以上のグループに分類される。同一のグループに含まれるリブ310の形状は同じである。異なるグループ間では、リブ310の形状は異なる。各グループにおけるリブ310の形状は例えば、前提の実施形態のいずれかから選択される。
【0115】
(第8実施形態)
第8実施形態の包装体10は第1~第7実施形態のいずれかの包装体10を前提に構成される。第8実施形態の包装体10の構成は、主に以下に示される点において前提の実施形態の包装体10の構成と相違する。
【0116】
図15を参照する。図15は容器20の平面を示す。本体100の形状はオーバルである。フランジ200の形状は本体100の形状に対応する環である。フランジ200は任意の数の辺210に区分できる。一例では、フランジ200は4つの辺210に区分できる。4つの辺210は第1辺210A~第4辺210Dを含む。第1辺210Aおよび第2辺210Bの形状は直線状である。第3辺210Cおよび第4辺210Dの形状は円弧である。第1辺210Aおよび第2辺210Bの長さは等しい。第3辺210Cおよび第4辺210Dの長さは等しい。
【0117】
フランジ200は複数の節220を含む。複数の節220は第1節221、第2節222、第3節223、および、第4節224を含む。節220はフランジ200における優先部Pを含む部分に相当する。節220の構成は前提の実施形態における節220の構成に準じる。複数の優先部Pの全数Nは4である。複数の優先部Pに含まれる第1種優先部PAの数NAは3である。複数の優先部Pに含まれる第2種優先部PBの数NBは1である。
【0118】
第1節221はフランジ200における第1種優先部PAを含む部分に相当する。第2節222はフランジ200における第1種優先部PAを含む部分に相当する。第3節223はフランジ200における第1種優先部PAを含む部分に相当する。第4節224はフランジ200における第2種優先部PBを含む部分に相当する。
【0119】
リブ310はフランジ200の形状に倣うように構成される。リブ310の第1端部311、第2端部312、および、中間部313は節220においてつながる直線状の辺210および円弧の辺210のうち、円弧の辺210に位置する。第1端部311、第2端部312、および、中間部313の形状は円弧である。第1断面におけるリブ310の形状は前提の実施形態におけるリブ310の形状に準じる。第2断面におけるリブ310の形状は前提の実施形態におけるリブ310の形状に準じる。
【0120】
(第9実施形態)
第9実施形態の包装体10は第1~第7実施形態のいずれかの包装体10を前提に構成される。第9実施形態の包装体10の構成は、主に以下に示される点において前提の実施形態の包装体10の構成と相違する。
【0121】
図16を参照する。図16は容器20の平面を示す。本体100の形状は円形である。フランジ200の形状は本体100の形状に対応する環である。第9実施形態の容器20は「フランジに非優先部が含まれるように構成される容器」に該当しない。第1実施形態の容器20は「フランジに非優先部が含まれるように構成される容器」の一例に該当する。第9実施形態の容器20の優先部Pは、例えば第1実施形態の容器20の非優先部Qと比較して通蒸部40が形成されやすい部分である。通蒸部40の形成されやすさについては例えば、包装体10の加熱を開始してから通蒸部40が形成されるまでの時間により評価することができる。
【0122】
フランジ200は任意の数の辺210に区分できる。一例では、フランジ200は4つの辺210に区分できる。4つの辺210は第1辺210A~第4辺210Dを含む。第1辺210A~第4辺210Dは長さが等しい円弧である。第1辺210A~第4辺210Dはフランジ200における優先部Pを含む部分に相当する。
【0123】
フランジ200は複数の節220を含む。複数の節220は第1節221、第2節222、第3節223、および、第4節224を含む。節220はフランジ200における優先部Pを含む部分に相当する。節220の構成は前提の実施形態における節220の構成に準じる。複数の優先部Pの全数Nは例えば節220の数に応じて4に定められる。複数の優先部Pに含まれる第1種優先部PAの数NAは3である。複数の優先部Pに含まれる第2種優先部PBの数NBは1である。
【0124】
第1節221はフランジ200における第1種優先部PAを含む部分に相当する。第2節222はフランジ200における第1種優先部PAを含む部分に相当する。第3節223はフランジ200における第1種優先部PAを含む部分に相当する。第4節224はフランジ200における第2種優先部PBを含む部分に相当する。
【0125】
リブ310はフランジ200の形状に倣うように構成される。第1端部311は節220においてつながる2つの辺210の一方に位置する。第1端部311の形状は円弧である。第2端部312は節220においてつながる2つの辺210の他方に円弧する。第2端部312の形状は円弧である。中間部313は節220においてつながる2つの辺210の両方に位置する。中間部313の形状は円弧である。第1断面におけるリブ310の形状は前提の実施形態におけるリブ310の形状に準じる。第2断面におけるリブ310の形状は前提の実施形態におけるリブ310の形状に準じる。
【0126】
(第10実施形態)
第10実施形態の包装体10は第1~第9実施形態のいずれかの包装体10を前提に構成される。第10実施形態の包装体10の構成は、主に以下に示される点において前提の実施形態の包装体10の構成と相違する。
【0127】
リブ310は例えば、リブ310の勾配に関する第1勾配構造または第2勾配構造を含む。第1勾配構造はリブ310の少なくとも一部に勾配が設けられる構造である。第2勾配構造はリブ310に勾配が設けられない構造である。前提の実施形態のリブ310は第1勾配構造を含む。
【0128】
一例では、第1勾配構造は第1端部311に設けられる勾配、第2端部312に設けられる勾配、内側部322に設けられる勾配、および、外側部323に設けられる勾配のうちの少なくとも1つを含む。
【0129】
(第11実施形態)
第11実施形態の包装体10は第1~第10実施形態のいずれかの包装体10を前提に構成される。包装体10はリブ310の高さに関する第1高さ構造を含む。第1高さ構造では、リブ310の高さは0.1mm以上の範囲に含まれる。リブ310の高さとして、例えば頂部先端321Aの最大高さが選択される。
【0130】
包装体10が第1高さ構造を含む場合、例えば次のような効果が得られる。
フランジ200に蓋30が接着された状態において、手で蓋30に触れた場合にリブ310を知覚しやすくなる。
【0131】
包装体10が第1勾配構造および第1高さ構造を含む場合、例えば次のような効果が得られる。
フランジ200のうちの第1種優先部PAを含む節220のシール強度がフランジ200のうちの第2種優先部PBを含む節220のシール強度よりも高くなる。閉鎖状態の包装体10が加熱された場合、フランジ200のうちの第2種優先部PBを含む節220において、フランジ200のうちの第1種優先部PAを含む節220よりも通蒸部40が形成されやすくなる。包装体10における通蒸部40が形成される位置に関する安定性が高くなる。
【0132】
包装体10が第1勾配構造および第1高さ構造を含み、かつ、複数の優先部Pに含まれる第2種優先部PBの数NBが1である場合、例えば次のような効果が得られる。
フランジ200において通蒸部40が形成される部位が、第2種優先部PBを含む1つの節220に特定される。包装体10の利便性が向上する。
【0133】
(第12実施形態)
第12実施形態の包装体10は第1~第10実施形態のいずれかの包装体10を前提に構成される。包装体10はリブ310の高さに関する第2高さ構造を含む。第2高さ構造では、リブ310の高さは0.2mm以上の範囲に含まれる。リブ310の高さとして、例えば頂部先端321Aの最大高さが選択される。
【0134】
包装体10が第2高さ構造を含む場合、例えば次のような効果が得られる。
フランジ200に蓋30が接着された状態において、手で蓋30に触れた場合にリブ310を知覚しやすくなる。
【0135】
フランジ200のうちの第1種優先部PAを含む節220のシール強度がフランジ200のうちの第2種優先部PBを含む節220のシール強度よりも高くなる。第1種優先部PAを含む節220のシール強度と第2種優先部PBを含む節220のシール強度との差は、包装体10が第1勾配構造および第1高さ構造を含む場合よりも大きくなる。閉鎖状態の包装体10が加熱された場合、フランジ200のうちの第2種優先部PBを含む節220において、フランジ200のうちの第1種優先部PAを含む節220よりも通蒸部40が形成されやすくなる。包装体10における通蒸部40が形成される位置に関する安定性が高くなる。
【0136】
包装体10が第2高さ構造を含み、かつ、複数の優先部Pに含まれる第2種優先部PBの数NBが1である場合、例えば次のような効果が得られる。
フランジ200において通蒸部40が形成される部位が、第2種優先部PBを含む1つの節220に特定される。包装体10の利便性が向上する。
【0137】
(第13実施形態)
第13実施形態の包装体10は第1~第10実施形態のいずれかの包装体10を前提に構成される。包装体10はリブ310の高さに関する第3高さ構造を含む。第3高さ構造では、リブ310の高さは0.4mm以上の範囲に含まれる。リブ310の高さとして、例えば頂部先端321Aの最大高さが選択される。
【0138】
包装体10が第3高さ構造を含む場合、例えば次のような効果が得られる。
フランジ200に蓋30が接着された状態において、手で蓋30に触れた場合にリブ310を知覚しやすくなる。
【0139】
フランジ200のうちの第1種優先部PAを含む節220のシール強度がフランジ200のうちの第2種優先部PBを含む節220のシール強度よりも高くなる。第1種優先部PAを含む節220のシール強度と第2種優先部PBを含む節220のシール強度との差は、包装体10が第1勾配構造および第1高さ構造を含む場合よりも大きくなる。閉鎖状態の包装体10が加熱された場合、フランジ200のうちの第2種優先部PBを含む節220において、フランジ200のうちの第1種優先部PAを含む節220よりも通蒸部40が形成されやすくなる。包装体10における通蒸部40が形成される位置に関する安定性が高くなる。フランジ200のうちの第1種優先部PAを含む節220において、包装体10の加熱にともなう蓋30の剥離が生じにくくなる。
【0140】
包装体10が第3高さ構造を含み、かつ、複数の優先部Pに含まれる第2種優先部PBの数NBが1である場合、例えば次のような効果が得られる。
フランジ200において通蒸部40が形成される部位が、第2種優先部PBを含む1つの節220に特定される。包装体10の利便性が向上する。
【0141】
(第14実施形態)
第14実施形態の包装体10は第1~第13実施形態のいずれかの包装体10を前提に構成される。包装体10はリブ310の高さに関する第4高さ構造を含む。第4高さ構造では、リブ310の高さは1.5mm以下の範囲に含まれる。リブ310の高さとして、例えば頂部先端321Aの最大高さが選択される。
【0142】
包装体10が第1勾配構造および第4高さ構造を含み、第1勾配構造がリブ310の第1端部311の勾配および第2端部312の勾配を含む場合、例えば次のような効果が得られる。
蓋30が第1端部311の周囲のシール面230および第2端部312の周囲のシール面230に強く接着される。閉鎖状態の包装体10において、内容物11が包装体10の内部から包装体10の外部に漏れにくくなる。
【0143】
包装体10が第1勾配構造および第4高さ構造を含み、第1勾配構造がリブ310の外側部323の勾配を含む場合、例えば次のような効果が得られる。
第1種優先部PAを含む節220に対応する蓋30の一部から蓋30を剥がす場合、蓋30がフランジ200から剥がれやすくなる。蓋30に破れが生じにくくなる。蓋30が剥がされたシール面230に毛羽立ちが形成されにくくなる。
【0144】
(第15実施形態)
第15実施形態の包装体10は第1~第13実施形態のいずれかの包装体10を前提に構成される。包装体10はリブ310の高さに関する第5高さ構造を含む。第5高さ構造では、リブ310の高さは0.1mm以下の範囲に含まれる。リブ310の高さとして、例えば頂部先端321Aの最大高さが選択される。
【0145】
包装体10が第5高さ構造を含む場合、例えば次のような効果が得られる。
蓋30がリブ310の周囲のシール面230に強く接着される。閉鎖状態の包装体10において、内容物11が包装体10の内部から包装体10の外部に漏れにくくなる。
【0146】
(実施例)
図17を参照する。図17は包装体10の特性を測定する測定試験の結果の一例を示す。測定試験における測定項目は以下の第1~第5測定項目である。
【0147】
第1測定項目は閉鎖状態の包装体10に関する密封性に関する項目である。閉鎖状態の包装体10から内容物11が漏れる現象を「リーク」と称する。図中の「リークチェック」の欄は第1測定項目に対応する。
第2測定項目は閉鎖状態における節220のシール強度に関する項目である。図中の「シール強度」の欄は第2測定項目に対応する。
第3項目は加熱された包装体10において通蒸部40が形成される位置に関する項目である。図中の「通蒸部位チェック」の欄は第3測定項目に対応する。
第4項目は蓋30が開封された状態におけるフランジ200および蓋30の状態に関する項目である。図中の「開封試験」の欄は第4測定項目に対応する。
第5項目は閉鎖状態の包装体10を落下した場合における蓋30の状態に関する項目である。図中の「落下試験」の欄は第5測定項目に対応する。
【0148】
測定試験では、第1実施形態の包装体10の構成に準じる包装体10を試料として用いた。容器20の素材はPPF(フィラー入りポリプロピレン)である。容器20の横方向の長さとして、例えばフランジ200の第1辺210Aの外周縁202Aとフランジ200の第2辺210Bの外周縁202Aとの距離が選択される。試料における容器20の横方向の長さは185mmである。容器20の縦方向の長さとして、例えばフランジ200の第3辺210Cの外周縁202Aとフランジ200の第4辺210Dの外周縁202Aとの距離が選択される。試料における容器20の縦方向の長さは185mmである。容器20の深さとして、例えばフランジ200のシール面230を含む平面と本体100の底部110との距離が選択される。試料における容器20の深さは50mmである。フランジ200の幅として、例えばフランジ200の中間部213の幅が選択される。試料におけるフランジ200の幅は6.5mmである。リブ310の幅として、例えばリブ310の中間部313の幅が選択される。試料におけるリブ310の幅は3mmである。
【0149】
蓋30の外層はPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムである。蓋30の中間層はバリアナイロンフィルムである。蓋30の内層はイージーピールフィルムである。外層と中間層との間には、インク層が設けられる。外層、中間層、および、内層はドライラミネートにより貼り合わせられる。インク層と中間層とは第1接着層により接着される。中間層と内層とは第2接着層により接着される。外層の厚さは12μmである。中間層の厚さは15μmである。内層の厚さは30μmである。
【0150】
試料に関する因子は2種類である。2種類の因子の内容はリブ310の高さおよびリブ310の勾配の有無である。
図中の「リブ高さ」の欄はリブ310の高さを示す。リブ310の高さとして、例えば頂部先端321Aの最大高さが選択される。
図中の「リブ勾配」はリブ310の勾配の有無を示す。図中の「リブ勾配」の欄における「無」はリブ310の勾配が無い状態を示す。これは、リブ310が第2勾配構造を含む場合に相当する。図中の「リブ勾配」の欄における「有」はリブ310の勾配が有る状態を示す。具体的には、リブ310が第1勾配構造を含み、第1勾配構造が第1端部311に設けられる勾配、第2端部312に設けられる勾配、内側部322に設けられる勾配、および、外側部323に設けられる勾配を含む場合である。
【0151】
第1測定項目に関する試験を「第1測定試験」と称する。第2測定項目に関する試験を「第2測定試験」と称する。第3測定項目に関する試験を「第3測定試験」と称する。第4測定項目に関する試験を「第4測定試験」と称する。第5測定項目に関する試験を「第5測定試験」と称する。
【0152】
各測定試験におけるリブ310の高さに関する水準は7水準である。7水準の内容は0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.7mm、1.2mm、1.5mm、1.6mmである。各測定試験におけるリブ310の勾配の有無に関する水準は2水準である。2水準の内容は有、無である。各測定試験では、2種類の因子の組み合わせに基づく14種類の試料を用いた。
【0153】
第1測定試験では、次の条件に従って製造した試料を用いた。内容物11として浸透液を選択した。容器20に一定量の浸透液を入れた。ヒートシールにより蓋30を容器20に接着した。ヒートシールに関する条件として、次の条件を選択した。加熱温度は170℃である。圧力は0.3MPaである。加熱時間は1.5秒である。
【0154】
第1測定試験では、浸透液がフランジ200と蓋30との境界に到達するように閉鎖状態の包装体10を傾けた状態において、リークが生じたか否かを目視により確認した。図中の「リークチェック」の欄における「無」は次の状態が確認された場合である。閉鎖状態の包装体10にリークが生じていない。図中の「リークチェック」の欄における「有」は次の状態が確認された場合である。閉鎖状態の包装体10にリークが生じた。
【0155】
第2測定試験では、次の条件に従って製造した試料を用いた。容器20に内容物11を配置しない。ヒートシールにより蓋30を容器20に接着した。ヒートシールに関する条件として、次の条件を選択した。加熱温度は170℃である。圧力は0.3MPaである。加熱時間は1.5秒である。
【0156】
第2測定試験では、剥離試験機により各節220におけるシール強度を測定した。剥離試験では、次の条件を選択した。蓋30の引張速度は300mm/minである。蓋30の剥離角度は90°である。
【0157】
第3測定試験では、次の条件に従って製造した試料を用いた。内容物11として食品を選択した。食品としてチルドパスタを選択した。内容物11の重量は200gである。ヒートシールにより蓋30を容器20に接着した。ヒートシールに関する条件として、次の条件を選択した。加熱温度は170℃である。圧力は0.3MPaである。加熱時間は1.5秒である。
【0158】
第3測定試験では、加熱手段により閉鎖状態の包装体10を加熱した。加熱手段として電子レンジを選択した。加熱に関する条件として、次の条件を選択した。電子レンジの出力は1600Wである。加熱時間は1minである。
【0159】
包装体10の加熱の終了後、蓋30の剥離の状態を目視により確認した。図中の「通蒸部位チェック」における「A1」は次の状態が確認された場合である。第2種優先部PBを含む節220において通蒸部40が形成されている。第1種優先部PAを含む節220において蓋30が剥離していない。図中の「通蒸部位チェック」の欄における「A2」は次の状態が確認された場合である。第2種優先部PBを含む節220において通蒸部40が形成されている。第1種優先部PAを含む節220の少なくとも1つにおいて蓋30が剥離している。第1種優先部PAを含む節220の全部において通蒸部40が形成されていない。図中の「通蒸部位チェック」の欄における「A3」は次の状態が確認された場合である。第1種優先部PAを含む節220の少なくとも1つに通蒸部40が形成されている。
【0160】
第4測定試験では、第3測定試験と同じ条件に従って製造した試料を用いた。第3測定試験と同じ条件で電閉鎖状態の包装体10を加熱した。第2種優先部PBを含む節220において通蒸部40が形成された試料を試験に用いた。
【0161】
第4測定試験では、加熱後の包装体10の蓋30を手で剥がした。蓋30の開封に関する条件として、次の条件を選択した。蓋30を剥がし始める部位は第2種優先部PBを含む節220に対して対角線上に位置する節220である。蓋30を剥がし始めるタイミングに関する水準は2水準である。2水準の内容は包装体10の加熱の終了直後、および、包装体10の加熱の終了から5分経過後である。
【0162】
フランジ200から剥がされた蓋30の状態、ならびに、蓋30が剥がされたシール面230の状態を目視により確認した。図中の「開封試験」の欄における「B1」は次の状態が確認された場合である。フランジ200から剥がされた蓋30に破れた部分が無い。蓋30が剥がされたシール面230に毛羽立ちが無い。図中の「開封試験」の欄における「B2」は次の状態が確認された場合である。フランジ200から剥がされた蓋30に破れた部分が無い。蓋30が剥がされたシール面230に毛羽立ちが有る。図中の「開封試験」の欄における「B3」は次の状態が確認された場合である。フランジ200から剥がされた蓋30に破れた部分が有る。
【0163】
第5測定試験では、第3測定試験と同じ条件に従って製造した試料を用いた。高さ方向に重ねた複数の包装体10を、対象面に対して上方に一定距離だけ離れた初期位置にセットし、初期位置から垂直に落下させた。包装体10の落下に関する条件として、次の条件を選択した。高さ方向に重ねる包装体10の数は2である。初期位置における包装体10の容器20の底部110は対象面に平行である。初期位置において下方に位置する包装体10の容器20の底部110と対象面との距離は80cmである。
【0164】
落下した包装体10の蓋30における破れの有無を目視により確認した。図中の「落下試験」の欄における「無」は次の状態が確認された場合である。落下した包装体10の蓋30に破れた部分が無い。図中の「落下試験」の欄における「有」は次の状態が確認された場合である。落下した蓋30に破れた部分が有る。従来の包装体を試料として用いて第5測定試験を実施した結果、袋に破れた部分が有ることが確認された。
【0165】
なお、本発明に関する容器および包装体が取り得る形態は上記各実施形態に記載の説明に制限されない。本発明に関する容器および包装体は各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その例として、各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、各実施形態に新たな構成を付加した形態が挙げられる。
【符号の説明】
【0166】
10 :包装体
11 :内容物
100 :本体
20 :容器
30 :蓋
40 :通蒸部
200 :フランジ
202 :外周部
210 :辺
210A:第1辺
210B:第2辺
210C:第3辺
210D:第4辺
211 :第1端部
212 :第2端部
220 :節
221 :第1節
222 :第2節
223 :第3節
224 :第4節
230 :シール面
300 :突出構造
310 :リブ
310A:第1リブ
310B:第2リブ
310C:第3リブ
P :優先部
PA :第1種優先部
PB :第2種優先部
Q :非優先部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17