(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186459
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】表示プログラム、表示方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20221208BHJP
【FI】
G06Q10/10 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094692
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 太一
(72)【発明者】
【氏名】阿部 泰典
(72)【発明者】
【氏名】内田 剛志
(72)【発明者】
【氏名】近藤 浩和
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA12
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】支援依頼先として適したメンバーを検索しやすくさせること。
【解決手段】情報処理装置101は、複数のメンバー(例えば、メンバーA,B,C)のそれぞれの作業量に基づく複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定する。情報処理装置101は、特定した複数のメンバーのそれぞれの勤務状態に基づいて、支援依頼先としての複数のメンバーのそれぞれの優先度を決定する。情報処理装置101は、決定した複数のメンバーのそれぞれの優先度に基づいて、支援依頼先の候補(例えば、支援依頼先候補110)として複数のメンバーを表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメンバーのそれぞれの作業量に基づく前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定し、
特定した前記それぞれの勤務状態に基づいて、支援依頼先としての前記複数のメンバーのそれぞれの優先度を決定し、
決定した前記それぞれの優先度に基づいて、前記支援依頼先の候補として前記複数のメンバーを表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表示プログラム。
【請求項2】
前記特定する処理は、前記複数のメンバーのそれぞれの生体情報に応じて特定されるストレス状態に基づいて、前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定する処理を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の表示プログラム。
【請求項3】
前記特定する処理は、前記複数のメンバーのそれぞれを撮像した顔画像に基づき分析される感情に応じて、前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定する処理を含む、ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示プログラム。
【請求項4】
前記表示する処理は、前記複数のメンバーのそれぞれと対応付けて、前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態に応じたアイコンを表示する処理を含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の表示プログラム。
【請求項5】
前記作業量は、ブラウザを利用中のページ移動量と前記ブラウザとは異なる他のソフトウェアを利用中の入力装置の操作量とのうち少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の表示プログラム。
【請求項6】
前記複数のメンバーのそれぞれの属性情報と、支援対象となるメンバーの属性情報とに基づいて、前記複数のメンバーのそれぞれの前記支援対象となるメンバーとの関連度を算出する、処理を前記コンピュータに実行させ、
前記表示する処理は、前記関連度と前記優先度とに基づいて、前記支援依頼先の候補として前記複数のメンバーを表示する処理を含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の表示プログラム。
【請求項7】
支援対象となるメンバーのディスプレイ画像に基づいて、前記支援対象となるメンバーがプログラム開発に関連する作業を行っているか否かを判断し、
前記作業を行っていると判断した場合、前記支援対象となるメンバーのディスプレイ画像に基づいて、前記支援対象となるメンバーが使用中の開発言語を特定し、
メンバー群から前記開発言語の使用実績のある前記複数のメンバーを検索する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の表示プログラム。
【請求項8】
前記作業を行っていないと判断した場合、前記メンバー群のそれぞれのメンバーの属性情報と、前記支援対象となるメンバーの属性情報とに基づいて、前記メンバー群から、前記支援対象となるメンバーと所属が同じである前記複数のメンバーを検索する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項7に記載の表示プログラム。
【請求項9】
複数のメンバーのそれぞれの作業量に基づく前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定し、
特定した前記それぞれの勤務状態に基づいて、支援依頼先としての前記複数のメンバーのそれぞれの優先度を決定し、
決定した前記それぞれの優先度に基づいて、前記支援依頼先の候補として前記複数のメンバーを表示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする表示方法。
【請求項10】
複数のメンバーのそれぞれの作業量に基づく前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定し、
特定した前記それぞれの勤務状態に基づいて、支援依頼先としての前記複数のメンバーのそれぞれの優先度を決定し、
決定した前記それぞれの優先度に基づいて、前記支援依頼先の候補として前記複数のメンバーを表示する、
処理を実行する制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示プログラム、表示方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレワークの推進により、リモートワークを行う作業者が大幅に増加している。例えば、あるプロジェクトを実行するチームのメンバーそれぞれが異なる場所でリモートワークを行う場合がある。このような場合、リモートワーク中に、あるメンバーが作業に詰まって、他のメンバーに支援を求めることがある。
【0003】
先行技術としては、入力装置の操作のほかに、ディスプレイの画面の状況、カメラで撮影した作業者の映像を作業端末で解析し、複数のモニタリング特徴を解析することで、作業者の作業の停滞の状況を検出するものがある。また、対象人物の業務活動の結果を示す情報に基づいて業務活動との関連性が数値化された関連度を作成し、対象人物を示す人物オブジェクトと、複数の業務活動の内容を示す業務活動オブジェクトとの間を、数値化された関連度を反映する態様で関連付けした関連図を表示する技術がある。
【0004】
また、社員3D画像、部屋と設備品の3D画像を記憶する画像記憶部、VR情報と社員、部屋および設備品の3D画像に基づきVR画像を合成して表示装置に表示する技術がある。また、作業者の作業状況情報および作業者のタスクに関するタスク情報に基づき判定されたタスクに関与する関与者をタスク情報から取得し、作業状況情報およびタスク情報に基づき作業者のタスクに関する状況情報を生成し、関与者に対しタスクの状況情報を開示する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-140164号公報
【特許文献2】特開2014-119856号公報
【特許文献3】特開2019-128683号公報
【特許文献4】特開2006-65436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、あるメンバーが作業に詰まったときなどに、そのメンバーの支援を依頼するのに適したメンバーを検索することが難しい。例えば、人材検索を実行する際に、メンバーの過去の経歴や能力をもとに検索した場合、メンバーの勤務状態によっては、ヘルパーとして適さないメンバーがヒットしてしまう可能性がある。
【0007】
一つの側面では、本発明は、支援依頼先として適したメンバーを検索しやすくさせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの実施態様では、複数のメンバーのそれぞれの作業量に基づく前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定し、特定した前記それぞれの勤務状態に基づいて、支援依頼先としての前記複数のメンバーのそれぞれの優先度を決定し、決定した前記それぞれの優先度に基づいて、前記支援依頼先の候補として前記複数のメンバーを表示する、表示プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面によれば、支援依頼先として適したメンバーを検索しやすくさせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態にかかる表示方法の一実施例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、検索表示システム200のシステム構成例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、検索表示装置201のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、クライアント端末Tiのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、メンバー管理DB220の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、作業量管理DB230の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、重みテーブル240の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、勤務状態分類テーブル250の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図9】
図9は、管理ポータル画面の画面例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、検索表示装置201の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、ディスプレイ画像の具体例を示す説明図である。
【
図12】
図12は、表示ポータル画面の画面例を示す説明図(その1)である。
【
図13】
図13は、表示ポータル画面の画面例を示す説明図(その2)である。
【
図14】
図14は、表示ポータル画面の画面例を示す説明図(その3)である。
【
図15】
図15は、表示ポータル画面の画面例を示す説明図(その4)である。
【
図16】
図16は、検索表示装置201の勤務状態表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、検索表示装置201の検索表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して、本発明にかかる表示プログラム、表示方法および情報処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる表示方法の一実施例を示す説明図である。
図1において、情報処理装置101は、支援依頼先のメンバーの検索を支援するコンピュータである。メンバーは、例えば、企業、部署、プロジェクトチーム、学校、グループなどの集団に属する人である。
【0013】
ここで、リモートワーク中に、あるメンバーが作業に詰まって、他のメンバーに支援を求めることがある。リモートワークとは、勤労形態の一種であり、例えば、情報通信技術などを利用して、自宅などの職場以外のところで業務を行うことである。他のメンバーに支援を依頼するにあたり、メンバーの過去の経歴や能力をもとに、支援の依頼先を検索することが考えられる。
【0014】
しかし、メンバーの勤務状態によっては、ヘルパー(支援者)として適さないメンバーがヒットしてしまう可能性がある。さらに、検索のためのパラメータは、手作業で入力する必要がある。メンバーの勤務状態は、例えば、メンバーの作業の進捗、体調、感情などによって左右される。他のメンバーに支援を依頼する場合、勤務状態が良いメンバーに依頼するのが好ましい。
【0015】
リモートワーク中に、他のメンバーの状況を知る手段としては、例えば、ビデオ通話やチャットがある。ところが、ビデオ映像だけでは、例えば、支援を依頼するメンバーが、他のメンバーの作業の進捗、体調などを確認することが難しく、他のメンバーの勤務状態を判断することができない場合がある。
【0016】
さらに、ビデオ通話の場合、画面を複数人で分割して各メンバーの映像が表示されるため、メンバーの人数が増えると、各メンバーの画像が小さくなり、勤務状態を確認しづらいという問題がある。また、チャットの場合は、1対1の会話でしかメンバーの状態を確認することができないという問題がある。
【0017】
そこで、本実施の形態では、例えば、あるメンバーが作業に詰まって他のメンバーに支援を依頼する場合などに、複数のメンバーから支援依頼先として適したメンバーを検索しやすくさせる表示方法について説明する。ここで、情報処理装置101の処理例について説明する。
【0018】
(1)情報処理装置101は、複数のメンバーのそれぞれの作業量に基づく複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定する。メンバーの作業量は、例えば、ブラウザを利用中のページ移動量や、入力装置(キーボード、マウスなど)の操作量などである。
【0019】
図1の例では、複数のメンバーを「メンバーA,B,C」とする。この場合、情報処理装置101は、例えば、メンバーA,B,Cのそれぞれの作業量d1,d2,d3に基づいて、メンバーA,B,Cのそれぞれの勤務状態を特定する。ここでは、メンバーAの勤務状態として「普通」が特定され、メンバーBの勤務状態として「良い」が特定され、メンバーCの勤務状態として「悪い」が特定された場合を想定する。
【0020】
なお、情報処理装置101は、例えば、メンバーA,B,Cのそれぞれの作業量d1,d2,d3に基づく勤務状態を示す情報を他のコンピュータから取得することによって、メンバーA,B,Cのそれぞれの勤務状態を特定することにしてもよい。
【0021】
(2)情報処理装置101は、特定した複数のメンバーのそれぞれの勤務状態に基づいて、支援依頼先としての複数のメンバーのそれぞれの優先度を決定する。具体的には、例えば、情報処理装置101は、メンバーの勤務状態が良いほど、支援依頼先として高い優先度に決定する。
【0022】
図1の例では、メンバーAの優先度が「2」に決定され、メンバーBの優先度が「1」に決定され、メンバーCの優先度が「3」に決定される。優先度は、値が小さいほど、優先度が高いことを表す。
【0023】
(3)情報処理装置101は、決定した複数のメンバーのそれぞれの優先度に基づいて、支援依頼先の候補として複数のメンバーを表示する。具体的には、例えば、情報処理装置101は、決定した優先度が高い順に複数のメンバーをソートし、支援依頼先の候補として、ソート後の複数のメンバーを表示する。
【0024】
図1の例では、メンバーA,B,Cが優先度の高い順にソートされた結果、支援依頼先候補110が表示されている。支援依頼先候補110は、優先度が高い順にソートされた支援依頼先の候補「(1)メンバーB、(2)メンバーA、(3)メンバーC」を示す。
【0025】
このように、情報処理装置101によれば、複数のメンバーのそれぞれの作業量に基づく勤務状態から決定した支援依頼先としての優先度に基づいて、支援依頼先の候補として複数のメンバーを表示することができる。これにより、情報処理装置101は、支援依頼先として適したメンバーを検索しやすくさせることができる。
【0026】
図1の例では、あるメンバーが作業に詰まって、メンバーA,B,Cから支援依頼先を検索する際に、メンバーBが支援依頼先として適していると判断することができる。
【0027】
(検索表示システム200のシステム構成例)
つぎに、実施の形態にかかる検索表示システム200のシステム構成例について説明する。以下の説明では、
図1に示した情報処理装置101を、検索表示装置201に適用した場合を例に挙げて説明する。検索表示システム200は、例えば、作業者の勤務状態を監視するコンピュータシステムに適用される。
【0028】
以下の説明では、勤務状態の監視対象となるメンバーを「メンバーM1~Mn」と表記し(n:2以上の自然数)、メンバーM1~Mnのうちの任意のメンバーを「メンバーMi」と表記する場合がある(i=1,2,…,n)。また、メンバーMiが使用するクライアント端末を「クライアント端末Ti」と表記し、メンバーMiが使用するセンシングデバイスを「センシングデバイスCi」と表記する場合がある。
【0029】
図2は、検索表示システム200のシステム構成例を示す説明図である。
図2において、検索表示システム200は、検索表示装置201と、クライアント端末T1~Tnと、センシングデバイスC1~Cnと、を含む。検索表示システム200において、検索表示装置201、クライアント端末T1~TnおよびセンシングデバイスC1~Cnは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、インターネット、LAN、WAN(Wide Area Network)などである。
【0030】
ここで、検索表示装置201は、メンバー管理DB(Database)220、作業量管理DB230、重みテーブル240および勤務状態分類テーブル250を有し、支援依頼先のメンバーの検索を支援する。検索表示装置201は、例えば、サーバである。各種DB等220,230,240,250の記憶内容については、
図5~
図8を用いて後述する。
【0031】
クライアント端末Tiは、メンバーMiが使用するコンピュータである。メンバーM1~Mnは、例えば、同じ企業の従業員や、同じプロジェクトチームのメンバーなどである。クライアント端末Tiは、例えば、PC(Personal Computer)、タブレットPC、スマートフォンなどである。
【0032】
メンバーM1~Mnには、例えば、検索表示システム200の管理者が含まれる。管理者は、例えば、他のメンバーの勤務状態を監視する。なお、管理者が使用するコンピュータとして、クライアント端末Tiとは異なる専用端末を用いることにしてもよい。
【0033】
センシングデバイスCiは、メンバーMiに装着され、メンバーMiの生体情報を測定する生体センサである。生体情報は、例えば、心拍数、体温などである。センシングデバイスCiは、例えば、メンバーMiの腕などに装着されるリストバンド型のウェアラブル端末である。
【0034】
なお、センシングデバイスCiは、例えば、クライアント端末Tiと近距離無線通信可能(例えば、無線LAN、Bluetoothなど)であってもよい。Bluetoothは、登録商標である。この場合、センシングデバイスCiは、例えば、クライアント端末Tiを介して、検索表示装置201と通信可能である。
【0035】
検索表示システム200において、検索表示装置201は、例えば、勤務状態計算エンジン201-1と、関連度計算エンジン201-2と、管理ポータル201-3と、表示ポータル201-4とを含む。勤務状態計算エンジン201-1は、メンバーの勤務状態を計算するプログラムである。
【0036】
関連度計算エンジン201-2は、メンバー間の関連度を計算するプログラムである。管理ポータル201-3は、例えば、後述の
図9に示すような管理ポータル画面900を表示するプログラムである。表示ポータル201-4は、例えば、後述の
図12に示すような表示ポータル画面1200を表示するプログラムである。
【0037】
なお、ここでは、クライアント端末TiとセンシングデバイスCiとを別体に設けることにしたが、これに限らない。例えば、クライアント端末Tiは、メンバーの生体情報を測定する生体センサ(センシングデバイスCiに相当)を有することにしてもよい。
【0038】
(検索表示装置201のハードウェア構成例)
つぎに、検索表示装置201のハードウェア構成例について説明する。
【0039】
図3は、検索表示装置201のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3において、検索表示装置201は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ディスクドライブ303と、ディスク304と、通信I/F(Interface)305と、可搬型記録媒体I/F306と、可搬型記録媒体307と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
【0040】
ここで、CPU301は、検索表示装置201の全体の制御を司る。CPU301は、複数のコアを有していてもよい。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOSのプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0041】
ディスクドライブ303は、CPU301の制御に従ってディスク304に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク304は、ディスクドライブ303の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク304としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
【0042】
通信I/F305は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して外部のコンピュータ(例えば、
図2に示したクライアント端末Ti、センシングデバイスCiなど)に接続される。そして、通信I/F305は、ネットワーク210と装置内部とのインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F305には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0043】
可搬型記録媒体I/F306は、CPU301の制御に従って可搬型記録媒体307に対するデータのリード/ライトを制御する。可搬型記録媒体307は、可搬型記録媒体I/F306の制御で書き込まれたデータを記憶する。可搬型記録媒体307としては、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
【0044】
なお、検索表示装置201は、上述した構成部のほかに、例えば、入力装置、ディスプレイなどを有することにしてもよい。
【0045】
(クライアント端末Tiのハードウェア構成例)
つぎに、クライアント端末Tiのハードウェア構成例について説明する。
【0046】
図4は、クライアント端末Tiのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4において、クライアント端末Tiは、CPU401と、メモリ402と、通信I/F403と、カメラ404と、ディスプレイ405と、入力装置406と、スピーカ407と、マイクロフォン408と、を有する。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続される。
【0047】
ここで、CPU401は、クライアント端末Tiの全体の制御を司る。CPU401は、複数のコアを有していてもよい。メモリ402は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する記憶部である。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
【0048】
通信I/F403は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して外部のコンピュータ(例えば、検索表示装置201、センシングデバイスCi)に接続される。そして、通信I/F403は、ネットワーク210と自装置内部とのインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。
【0049】
カメラ404は、画像(静止画または動画)を撮影して画像データを出力する撮影装置である。カメラ404は、例えば、クライアント端末Tiを利用するユーザ(メンバーMi)の顔を撮影可能な位置に設置される。
【0050】
ディスプレイ405は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する表示装置である。ディスプレイ405には、例えば、ロボットの顔が出力されることにしてもよい。ディスプレイ405としては、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどを採用することができる。
【0051】
入力装置406は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを有し、データの入力を行う。入力装置406は、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよく、また、キーボードやマウスなどであってもよい。スピーカ407は、電気信号を音声に変換して、音声を出力する。マイクロフォン408は、音声を受音して電気信号に変換する。
【0052】
なお、クライアント端末Tiは、上述した構成部のうち、例えば、スピーカ407、マイクロフォン408を有していなくてもよい。また、クライアント端末Tiは、上述した構成部のほかに、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、近距離無線通信I/F、可搬型記録媒体I/F、可搬型記録媒体などを有することにしてもよい。また、
図2に示したセンシングデバイスCiについても、クライアント端末Tiと同様のハードウェアにより実現することができる。ただし、センシングデバイスCiは、上述した構成部のほかに、例えば、メンバーMiの生体情報を測定するセンサを有する。
【0053】
(各種DB220,230,240,250の記憶内容)
つぎに、
図5~
図8を用いて、検索表示装置201が有する各種DB220,230,240,250の記憶内容について説明する。各種DB220,230,240,250は、例えば、
図3に示した検索表示装置201のメモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。
【0054】
図5は、メンバー管理DB220の記憶内容の一例を示す説明図である。
図5において、メンバー管理DB220は、ID、名前、年齢、入社年度、性別、所属部署および開発経験言語のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、メンバー管理情報(例えば、メンバー管理情報500-1~500-3)をレコードとして記憶する。
【0055】
ここで、IDは、メンバーMiを一意に識別する識別子を示す。名前は、メンバーMiの名前を示す。年齢は、メンバーMiの年齢を示す。入社年度は、メンバーMiの入社年度を示す。性別は、メンバーMiの性別を示す。所属部署は、メンバーMiの所属部署を示す。開発経験言語は、メンバーMiの使用実績のある開発言語を示す。Javaは、登録商標である。
【0056】
メンバー管理情報のうち、例えば、年齢、入社年度、性別、所属部署および開発経験言語は、メンバーMiの属性を表す属性情報の一例である。
【0057】
図6は、作業量管理DB230の記憶内容の一例を示す説明図である。
図6において、作業量管理DB230は、ID、名前、ページ移動平均、キーボード入力平均、マウス移動量平均および前日心拍数平均のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、作業量管理情報(例えば、作業量管理情報600-1~600-3)をレコードとして記憶する。
【0058】
ここで、IDは、メンバーMiを一意に識別する識別子を示す。名前は、メンバーMiの名前を示す。ページ移動平均、キーボード入力平均およびマウス移動量平均は、メンバーMiの過去の作業量平均の一例である。ページ移動平均は、30秒間でのメンバーMiのページの移動回数の平均を示す(単位:回)。キーボード入力平均は、30秒間でのメンバーMiのキーボードの入力回数の平均を示す(単位:回)。
【0059】
マウス移動量平均は、30秒間でのメンバーMiのマウスの移動量(距離)の平均を示す(単位:m)。前日心拍数平均は、前日のメンバーMiの心拍数の平均を示す(単位:bpm)。なお、ページ移動平均、キーボード入力平均およびマウス移動量平均は、過去の期間(例えば、直近1ヶ月)におけるメンバーMiのページ移動回数、キーボード入力回数、マウス移動量をもとに設定される。また、前日心拍数平均は、前日のメンバーMiの心拍数をもとに設定される。
【0060】
図7は、重みテーブル240の記憶内容の一例を示す説明図である。
図7において、重みテーブル240は、感情、ストレスおよび重みのフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、重み情報700-1~700-4をレコードとして記憶する。
【0061】
感情は、喜怒哀楽の感情を示す。感情「哀・怒」は、哀または怒を示す。感情「喜・楽」は、喜または楽を示す。ストレスは、精神的な緊張度合いを示す。ストレスは、例えば、「高」または「普通」によって表される。ストレス「高」は、精神的な緊張度合いが高いことを示す。ストレス「普通」は、精神的な緊張度合いが高くないことを示す。
【0062】
重みは、作業進行度に対して、感情、ストレスを考慮して重み付けするための数である。メンバーMiの勤務状態は、例えば、メンバーMiの作業進行度に対して、メンバーMiの感情、ストレスに応じた重みを乗算することにより算出される。例えば、重み情報700-1は、感情「哀・怒」、ストレス「高」の場合の重み「0」を示す。
【0063】
図8は、勤務状態分類テーブル250の記憶内容の一例を示す説明図である。
図8において、勤務状態分類テーブル250は、勤務状態と勤務状態値とアイコンとの対応関係を示す。勤務状態は、メンバーの勤務状態であり、例えば、良い、普通、悪いによって分類される。勤務状態値は、メンバーの勤務状態を数値化した値である。ここでは、「0~0.49…」は、0以上0.5未満を示す。また、「0.5~1.0」は、0.5以上1.0未満を示す。また、「1.0…1~」は、1以上を示す。
【0064】
アイコンは、メンバーMiの勤務状態を表す画像である。アイコンとしては、例えば、メンバーの勤務状態が良いのかどうかを直感的に判断可能なアイコンが設定される。例えば、勤務状態「良い」は、笑顔の顔アイコン(顔文字)によって表される。また、勤務状態「普通」は、無表情の顔アイコンによって表される。また、勤務状態「悪い」は、への字口の顔アイコンによって表される。
【0065】
(管理ポータル画面の画面例)
つぎに、
図9を用いて、クライアント端末Tiのディスプレイ405に表示される管理ポータル画面の画面例について説明する。管理ポータル画面は、例えば、検索表示システム200の管理者によって操作される。管理ポータル画面は、例えば、検索表示装置201の管理ポータル201-3(
図2参照)により表示される。
【0066】
図9は、管理ポータル画面の画面例を示す説明図である。
図9において、管理ポータル画面900は、各メンバーMiについての事前パラメータの入力や、勤務状態の計算に用いる値(重み)の設定を行うための操作画面である。ただし、
図9では、管理ポータル画面900の一部を抜粋して表示している。
【0067】
管理ポータル画面900において、例えば、
図4に示した入力装置406を用いたユーザ(管理者)の操作入力により、ボックス901を選択すると、メンバーMiの名前を入力することができる。また、管理ポータル画面900において、ボックス902を選択すると、メンバーMiの所属部署を入力することができる。
【0068】
また、管理ポータル画面900において、ボックス903を選択すると、メンバーMiの年齢を入力することができる。また、管理ポータル画面900において、ボックス904を選択すると、メンバーMiの入社年度を入力することができる。また、管理ポータル画面900において、ボックス905を選択すると、メンバーMiの性別を入力することができる。
【0069】
また、管理ポータル画面900において、ボックス906を選択すると、メンバーMiが使用実績のある開発言語を入力することができる。ボックス906には、例えば、カンマで区切って複数の開発言語を入力することが可能である。
【0070】
管理ポータル画面900において、各ボックス901~906に各種情報を入力した状態で、決定ボタン908を選択すると、各ボックス901~906に入力された情報に応じて、新たなメンバー管理情報がメンバー管理DB220に新規登録される。
【0071】
また、管理ポータル画面900において、ボックス907を選択すると、勤務状態の計算に用いる設定値(重み)を入力することができる。ボックス907には、例えば、カンマで区切って、感情とストレスとの組み合わせに対応する重みを入力することができる。管理ポータル画面900において、ボックス907に情報を入力した状態で、決定ボタン908を選択すると、ボックス907に入力された情報に応じて、重みテーブル240の記憶内容が更新される。
【0072】
(検索表示装置201の機能的構成例)
図10は、検索表示装置201の機能的構成例を示すブロック図である。
図10において、検索表示装置201は、取得部1001と、特定部1002と、表示制御部1003と、受付部1004と、検索部1005と、算出部1006と、決定部1007と、を含む。取得部1001~決定部1007は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、
図3に示したメモリ302、ディスク304、可搬型記録媒体307などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、通信I/F305により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置に記憶される。
【0073】
取得部1001は、メンバーMiの作業量を取得する。取得されるメンバーMiの作業量は、例えば、単位時間当たりのメンバーMiの作業量である。単位時間は、任意に設定可能であり、例えば、30秒~60秒程度の時間に設定される。具体的には、例えば、取得部1001は、メンバーM1~Mnの各メンバーMiについて、メンバーMiの作業量を取得する。
【0074】
ここで、メンバーMiの作業量は、例えば、ブラウザを利用中のページ移動量である。ブラウザは、ウェブページを閲覧するためのソフトウェアである。ページ移動量は、例えば、ブラウザでURL(Uniform Resource Locator)が変更された回数によって表されてもよい。
【0075】
また、ページ移動量は、スクロール等によって同一ページにおいて移動された回数(ページ内の表示内容が変更された回数)によって表されてもよい。また、ページ移動量は、ブラウザでURLが変更された回数と同一ページにおいて移動された回数との合計によって表されてもよい。
【0076】
一例として、単位時間を「30秒」とし、直近30秒間でのメンバーMiの作業量を取得する場合を想定する。この場合、取得部1001は、例えば、5秒ごとに、クライアント端末Tiからディスプレイ画像を取得する。ディスプレイ画像は、クライアント端末Tiのディスプレイ405(
図4参照)に表示された内容を表す。
【0077】
クライアント端末Tiは、例えば、スクリーンショット(スクリーンキャプチャ)により、ディスプレイ405(
図4参照)に表示された内容を静止画像として記録することによって、ディスプレイ画像を取得する。そして、クライアント端末Tiは、取得したディスプレイ画像を検索表示装置201に送信する。
【0078】
つぎに、取得部1001は、今回取得したディスプレイ画像と前回取得したディスプレイ画像とを比較し、ディスプレイ画像が異なると判定した場合に、ページ移動量(例えば、ページの移動回数に相当)をインクリメントする。そして、取得部1001は、30秒間でのページ移動量(最大6回)を、単位時間当たりのメンバーMiの作業量として取得する。
【0079】
なお、30秒間でのページ移動量(移動回数)が「0」の場合、取得部1001は、例えば、直前の30秒間のページ移動量を含めて、メンバーMiのページ移動量を取得する。
【0080】
例えば、今回の30秒間での移動回数を「0回」とし、前回の30秒間での移動回数を「2回」とする。この場合、取得部1001は、直近60秒間でのページ移動量「2」に基づいて、30秒間当たりのメンバーMiのページ移動量「1(=2回÷(60秒÷30秒)」を取得する。また、例えば、今回の30秒間での移動回数を「0回」とし、前回の30秒間での移動回数を「0回」とし、前々回の30秒間での移動回数を「2回」とする。この場合、取得部1001は、直近90秒間でのページ移動回数「2」に基づいて、30秒間当たりのメンバーMiの作業量「0.7(≒2回÷(90秒÷30秒)」を取得する。
【0081】
単位時間当たり(例えば、30秒間)の各メンバーMiのページ移動量は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置に蓄積される。作業量管理DB230内の各メンバーMiのページ移動平均は、例えば、一定期間(例えば、1ヶ月)ごとに、蓄積された単位時間当たりの各メンバーMiのページ移動量をもとに更新される。
【0082】
また、メンバーMiの作業量は、例えば、クライアント端末Tiの入力装置406(
図4参照)を用いて行われた操作量であってもよい。入力装置406は、例えば、キーボードとマウスである。入力装置406の操作量は、例えば、マウスの移動量によって表されてもよい。また、入力装置406の操作量は、例えば、キーボードの入力量(入力回数)によって表されてもよい。また、入力装置406の操作量は、例えば、マウスの移動量とキーボードの入力量とによって表されてもよい。
【0083】
具体的には、例えば、取得部1001は、メンバーMiについて、ブラウザとは異なる他のソフトウェアを利用中の操作ログを取得する。他のソフトウェアとしては、例えば、プログラム開発用ソフト、文書作成ソフト、表計算ソフトなどがある。そして、取得部1001は、取得した操作ログを解析することによって、直近30秒間でのマウス移動量とキーボード入力量とを、単位時間(30秒間)当たりのメンバーMiの作業量として取得する。
【0084】
メンバーMiがブラウザを利用中であるか否かは、例えば、クライアント端末Tiのディスプレイ画像を分析することにより判断される。例えば、取得部1001は、クライアント端末Tiのディスプレイ画像から、予め決められたパターンが検出された場合に、メンバーMiがブラウザを利用中であると判断することにしてもよい。また、取得部1001は、機械学習等の技術を利用して、ディスプレイ画像がブラウザを利用中の画像であるか否かを判別することにしてもよい。
【0085】
なお、メンバーMiの単位時間当たりのページ移動量の計算や、メンバーMiの単位時間当たりの入力装置406の操作量の計算は、例えば、クライアント装置Tiにおいて行われてもよい。この場合、取得部1001は、クライアント端末Tiから計算結果を受信することにより、単位時間当たりのメンバーMiのページ移動量や、単位時間当たりのメンバーMiの入力装置406の操作量を取得する。
【0086】
取得部1001によるメンバーMiの作業量の取得処理は、例えば、30秒~60秒程度の間隔で定期的に実行される。これにより、直近の単位時間当たりのメンバーMiの作業量を定期的に取得することができる。
【0087】
また、取得部1001は、メンバーMiの生体情報を取得することにしてもよい。メンバーMiの生体情報は、例えば、メンバーMiの心拍数、体温などである。具体的には、例えば、取得部1001は、
図2に示したセンシングデバイスCiから、センシングデバイスCiによって測定されたメンバーMiの生体情報を取得する。また、取得部1001は、クライアント端末Tiを介して、センシングデバイスCiによって測定されたメンバーMiの生体情報を取得してもよい。
【0088】
また、取得部1001は、メンバーMiを撮像した画像を取得することにしてもよい。メンバーMiを撮像した画像は、例えば、メンバーMiの顔画像を含む。メンバーMiの顔画像は、例えば、クライアント端末Tiのカメラ404(
図4参照)によって撮像される。具体的には、例えば、取得部1001は、クライアント端末Tiから、カメラ404によって撮像されたメンバーMiの撮像画像(顔画像)を取得する。
【0089】
特定部1002は、取得されたメンバーMiの作業量に基づいて、メンバーMiの勤務状態を特定する。具体的には、例えば、特定部1002は、メンバーM1~Mnの各メンバーMiについて、各メンバーMiの作業量に基づいて、各メンバーMiの勤務状態を特定する。例えば、特定部1002は、ブラウザを利用中のページ移動量に基づいて、メンバーMiの勤務状態を特定することにしてもよい。また、特定部1002は、入力装置406の操作量に基づいて、メンバーMiの勤務状態を特定することにしてもよい。
【0090】
より詳細に説明すると、例えば、特定部1002は、メンバーMiがブラウザを利用中の場合、
図6に示した作業量管理DB230を参照して、メンバーMiのページ移動平均を特定する。ページ移動平均は、過去の単位時間当たりのメンバーMiの平均的なページ移動量(作業量)に相当する。
【0091】
つぎに、特定部1002は、取得された単位時間当たりのメンバーMiのページ移動量(作業量)と、特定したメンバーMiのページ移動平均とに基づいて、メンバーMiの作業進行度を算出する。ただし、メンバーMiのページ移動平均として、予め用意された設定値を用いることにしてもよい。
【0092】
作業進行度は、メンバーMiの作業の進行度合いを示す指標値である。単位時間当たりのメンバーMiのページ移動量に基づく作業進行度は、例えば、下記式(1)を用いて求めることができる。ここでは、ブラウザを利用中は、直近のページ移動量が少ないほど、情報の調べ作業などが進んでおり、作業の進行度合いが高いと判断する。
【0093】
作業進行度=メンバーMiのページ移動平均/メンバーMiのページ移動量
・・・(1)
【0094】
また、特定部1002は、メンバーMiがブラウザとは異なる他のソフトウェアを利用中の場合、作業量管理DB230を参照して、メンバーMiのキーボード入力平均およびマウス移動平均を特定する。キーボード入力平均およびマウス移動平均は、過去の単位時間当たりのメンバーMiの平均的なキーボード入力量およびマウス移動量に相当する。ただし、メンバーMiのキーボード入力平均およびマウス移動平均として、予め用意された設定値を用いることにしてもよい。
【0095】
つぎに、特定部1002は、取得された単位時間当たりのメンバーMiのキーボード入力量およびマウス移動量と、特定したメンバーMiのキーボード入力平均およびマウス移動平均とに基づいて、メンバーMiの作業進行度を算出する。ここで、入力装置406の操作は、例えば、キーボードとマウスとの複合操作である。
【0096】
このため、特定部1002は、例えば、マウスの移動割合とキーボードの入力割合とに基づいて、メンバーMiの作業進行度を算出する。マウスの移動割合は、例えば、単位時間当たりの過去のマウス移動量に対する直近のマウス移動量の割合であり、「メンバーMiのマウス移動量/メンバーMiのマウス移動平均」によって表される。
【0097】
キーボードの入力割合は、例えば、単位時間当たりの過去のキーボード入力量に対する直近のキーボード入力量の割合であり、「メンバーMiのキーボード入力量/メンバーMiのキーボード入力平均」によって表される。マウスの移動割合とキーボードの入力割合は、過去の操作量に対して、現在の操作量がどの程度増加しているか、あるいは、減少しているかを表しており、作業の進行度合いを判断する指標となる。
【0098】
また、キーボードとマウスとの複合操作の場合、入力装置406の操作時間は、マウスの入力時間とキーボードの入力時間とに分かれる。このため、特定部1002は、取得された操作ログを参照して、単位時間当たりにおけるマウス入力時間とキーボード入力時間とを算出する。
【0099】
具体的には、例えば、特定部1002は、マウスが操作されると、つぎにキーボードが操作されるまで、マウスの操作時間とする。また、特定部1002は、キーボードが操作されると、つぎにマウスが操作されるまで、キーボードの操作時間とする。特定部1002は、単位時間当たりにおける、マウスの合計操作時間をマウス入力時間とし、キーボードの合計操作時間をキーボード入力時間として算出する。
【0100】
そして、特定部1002は、例えば、マウスの移動割合とキーボードの入力割合とマウス入力時間とキーボード入力時間とに基づいて、下記式(2)を用いて、メンバーMiの作業進行度を算出する。ここでは、ブラウザ以外のソフトウェアを利用中は、過去の操作量に比べて現在の操作量(マウス移動量、キーボード入力量)が多いほど、作業の進行度合いが高いと判断する。
【0101】
作業進行度={(マウス入力時間/単位時間)×マウスの移動割合+(キーボード入力時間/単位時間)×キーボードの入力割合} ・・・(2)
【0102】
そして、特定部1002は、算出した作業進行度に基づいて、メンバーMiの勤務状態を特定する。具体的には、例えば、特定部1002は、算出した作業進行度に応じて、メンバーMiの勤務状態として、「良い」、「普通」および「悪い」のいずれかの状態を特定することにしてもよい。
【0103】
より詳細に説明すると、例えば、特定部1002は、
図8に示した勤務状態分類テーブル250を参照して、算出した作業進行度を勤務状態値として、当該勤務状態値に対応する勤務状態を、メンバーMiの勤務状態として特定する。また、特定部1002は、算出した作業進行度そのものを、メンバーMiの勤務状態として特定してもよい。
【0104】
また、メンバーMiの勤務状態は、メンバーMiのストレス状態によって変化する場合がある。このため、特定部1002は、さらに、メンバーMiの生体情報に応じて特定されるストレス状態に基づいて、メンバーMiの勤務状態を特定することにしてもよい。
【0105】
具体的には、例えば、特定部1002は、作業量管理DB230を参照して、メンバーMiに対応する前日心拍数平均を特定する。また、特定部1002は、取得されたメンバーMiの生体情報を参照して、メンバーMiの心拍数を特定する。つぎに、特定部1002は、特定した心拍数と前日心拍数平均とを比較して、心拍数が前日心拍数平均よりも高いか否かを判断する。
【0106】
ここで、心拍数が前日心拍数平均よりも高い場合、特定部1002は、メンバーMiのストレス状態「ストレス高」を特定する。ストレス「高」は、精神的な緊張度合いが高いことを示す。一方、心拍数が前日心拍数平均以下の場合、特定部1002は、メンバーMiのストレス状態「ストレス普通」を特定する。ストレス「普通」は、精神的な緊張度合いが高くないことを示す。
【0107】
そして、特定部1002は、特定したメンバーMiのストレス状態に応じて、算出した作業進行度に重み付けを行うことにしてもよい。具体的には、例えば、特定部1002は、メンバーMiのストレス状態が「ストレス高」の場合、算出した作業進行度に1未満の値を乗算することにより、作業進行度に重み付けを行うことにしてもよい。
【0108】
また、特定部1002は、メンバーMiのストレス状態が「ストレス普通」の場合、算出した作業進行度に1以上の値を乗算することにより、作業進行度に重み付けを行うことにしてもよい。これにより、特定部1002は、メンバーMiの作業量だけでなく、メンバーMiのストレス状態を考慮して、メンバーMiの勤務状態を特定することができる。
【0109】
なお、ここでは、メンバーMiの心拍数を例に挙げて、メンバーMiのストレス状態を特定することにしたが、これに限らない。例えば、特定部1002は、メンバーMiの体温や運動量などを前日平均と比較して、メンバーMiのストレス状態を特定してもよい。
【0110】
また、メンバーMiの勤務状態は、メンバーMiの感情によって変化する場合がある。このため、特定部1002は、さらに、メンバーMiを撮像した画像に基づき分析される感情に基づいて、メンバーMiの勤務状態を特定することにしてもよい。
【0111】
具体的には、例えば、特定部1002は、取得されたメンバーMiの撮像画像(顔画像)を分析して、メンバーMiの感情を特定する。感情としては、例えば、喜、怒、哀、楽のいずれかの感情が特定される。感情は、例えば、顔の表情筋の動き(状態)などから分析される。ただし、顔画像から感情を分析する手法としては、既存のいかなる技術を用いることにしてもよい。
【0112】
そして、特定部1002は、特定したメンバーMiの感情に応じて、算出した作業進行度に重み付けを行うことにしてもよい。具体的には、例えば、特定部1002は、メンバーMiの感情が「怒」または「哀」の場合、算出した作業進行度に1未満の値を乗算することにより、作業進行度に重み付けを行うことにしてもよい。
【0113】
また、特定部1002は、メンバーMiの感情が「喜」または「楽」の場合、算出した作業進行度に1以上の値を乗算することにより、作業進行度に重み付けを行うことにしてもよい。これにより、特定部1002は、メンバーMiの作業量だけでなく、メンバーMiの感情を考慮して、メンバーMiの勤務状態を特定することができる。
【0114】
より詳細に説明すると、例えば、特定部1002は、
図7に示した重みテーブル240を参照して、特定したメンバーMiの感情とストレス状態とに応じた重みを特定する。つぎに、特定部1002は、算出した作業進行度に、特定した重みを乗算することにより、作業進行度に重み付けを行う。そして、特定部1002は、勤務状態分類テーブル250を参照して、重み付けした作業進行度を勤務状態値として、当該勤務状態値に対応する勤務状態を、メンバーMiの勤務状態として特定する。
【0115】
これにより、特定部1002は、メンバーMiの作業量だけでなく、メンバーMiのストレス状態および感情を考慮して、メンバーMiの勤務状態を特定することができる。なお、メンバーMiの勤務状態の特定例については後述する。
【0116】
表示制御部1003は、メンバーM1~Mnの各メンバーMiについて特定された勤務状態に基づいて、メンバーM1~Mnを表示する。具体的には、例えば、表示制御部1003は、勤務状態分類テーブル250を参照して、各メンバーMiの勤務状態に対応するアイコン(顔アイコン)を特定する。
【0117】
そして、表示制御部1003は、各メンバーMiと対応付けて、特定したアイコン(顔アイコン)を表示する。より詳細に説明すると、例えば、表示制御部1003は、後述の
図12に示すような表示ポータル画面1200を、各クライアント端末Tiに表示することにしてもよい。
【0118】
受付部1004は、支援依頼先の候補の検索要求を受け付ける。ここで、支援依頼先とは、支援対象メンバーMj(j=1,2,…,n)への支援を依頼する依頼先である。支援対象メンバーMjは、支援対象となるメンバーである。支援依頼先の候補の検索要求は、支援対象メンバーMjへの支援を依頼する依頼先の候補となる他のメンバーの検索を要求するものである。
【0119】
具体的には、例えば、受付部1004は、支援対象メンバーMjのクライアント端末Tjから支援依頼先の候補の検索要求を受け付ける。また、受付部1004は、検索表示システム200の管理者のクライアント端末Tiから、支援依頼先の候補の検索要求を受け付けることにしてもよい。支援依頼先の候補の検索要求には、例えば、支援対象メンバーMjのIDが含まれる。
【0120】
検索部1005は、メンバーM1~Mnから、支援依頼先の候補を検索する。具体的には、例えば、検索部1005は、支援依頼先の候補の検索要求に応じて、メンバーM1~Mnの各メンバーMiの属性情報に基づいて、支援対象メンバーMjへの支援を依頼する支援依頼先の候補を検索することにしてもよい。メンバーMiの属性情報は、例えば、メンバーMiの年齢、性別、入社年度、所属部署、開発経験言語などを特定する情報である。
【0121】
例えば、検索部1005は、クライアント端末Tjからディスプレイ画像を取得する。つぎに、検索部1005は、取得したディスプレイ画像に基づいて、支援対象メンバーMjがプログラム開発に関連する作業を行っているか否かを判断する。例えば、検索部1005は、機械学習等の技術を利用して、ディスプレイ画像がプログラム開発に関連する作業中の画像か否かを判別することにしてもよい。
【0122】
ただし、クライアント端末Tjには、後述の
図12に示すような表示ポータル画面1200が表示されている場合がある。この場合、検索部1005は、クライアント端末Tjから、例えば、表示ポータル画面1200を閉じた状態のディスプレイ画像を取得する。
【0123】
なお、支援対象メンバーMjがプログラム開発に関連する作業を行っているか否かの判断例については、
図11を用いて後述する。
【0124】
ここで、プログラム開発に関連する作業を行っている場合、検索部1005は、取得したディスプレイ画像に基づいて、支援対象メンバーMjが使用中の開発言語を特定する。開発言語とは、例えば、プログラミング言語である。具体的には、例えば、検索部1005は、入力されたプログラムコードを解析して、支援対象メンバーMjが使用中の開発言語を特定する。
【0125】
そして、検索部1005は、メンバーM1~Mn(監視対象のメンバー)から、特定した開発言語の使用実績のあるメンバーを、支援対象メンバーMjの支援依頼先の候補として検索する。具体的には、例えば、検索部1005は、
図5に示したメンバー管理DB220を参照して、特定した開発言語が開発経験言語に含まれるメンバー(支援対象メンバーMjを除く)を検索する。
【0126】
これにより、支援対象メンバーMjが使用中の開発言語について、使用実績のあるメンバーを支援依頼先の候補として検索することができる。
【0127】
また、プログラム開発に関連する作業を行っていない場合、検索部1005は、メンバーM1~Mn(監視対象のメンバー)から、支援対象メンバーMjと所属が同じであるメンバーを、支援対象メンバーMjの支援依頼先の候補として検索する。具体的には、例えば、検索部1005は、メンバー管理DB220を参照して、支援対象メンバーMjと所属部署が同じメンバー(支援対象メンバーMjを除く)を検索する。
【0128】
これにより、支援対象メンバーMjと所属部署が同じメンバーを支援依頼先の候補として検索することができる。
【0129】
また、プログラム開発に関連する作業を行っていない場合、検索部1005は、メンバーM1~Mnから、支援対象メンバーMjと入社年度が同じメンバーを、支援対象メンバーMjの支援依頼先の候補として検索してもよい。また、プログラム開発に関連する作業を行っていない場合、検索部1005は、メンバーM1~Mnから、支援対象メンバーMjと性別が同じメンバーを、支援対象メンバーMjの支援依頼先の候補として検索してもよい。
【0130】
なお、支援対象メンバーMjがプログラム開発に関連する作業を行っている場合に、支援対象メンバーMjが使用中の開発言語を特定できないことがある。この場合、検索部1005は、メンバーM1~Mnから、支援対象メンバーMjと所属(または、入社年度、性別など)が同じメンバーを、支援対象メンバーMjの支援依頼先の候補として検索することにしてもよい。
【0131】
算出部1006は、検索されたメンバーと支援対象メンバーMjとの関連度を算出する。ここで、関連度は、支援対象メンバーMjとの関連度合いの高さを示す指標値である。具体的には、例えば、算出部1006は、支援依頼先の候補として複数のメンバーが検索された場合に、複数のメンバーのそれぞれの属性情報と、支援対象メンバーMjの属性情報とに基づいて、複数のメンバーのそれぞれの支援対象メンバーMjとの関連度を算出する。
【0132】
より詳細に説明すると、例えば、算出部1006は、メンバー管理DB220を参照して、検索された複数のメンバーのそれぞれの年齢と、支援対象メンバーMjの年齢とを特定する。そして、算出部1006は、複数のメンバーのそれぞれの年齢と支援対象メンバーMjの年齢と年齢差(差分)を、複数のメンバーのそれぞれと支援対象メンバーMjとの関連度として算出することにしてもよい。また、年齢と同様に、例えば、入社年度について、算出部1006は、入社年度の差分を求めて、複数のメンバーのそれぞれと支援対象メンバーMjとの関連度として算出してもよい。
【0133】
また、算出部1006は、メンバー管理DB220を参照して、検索された複数のメンバーのそれぞれの性別と、支援対象メンバーMjの性別とを特定する。そして、算出部1006は、支援対象メンバーMjと性別が同じメンバーについて、算出した年齢差(差分)に重み付けして関連度を算出することにしてもよい。また、性別と同様に、例えば、所属部署や開発経験言語について、算出部1006は、支援対象メンバーMjと所属部署や開発経験言語が同じメンバーについて、算出した年齢差等(差分)に重み付けして関連度を算出することにしてもよい。
【0134】
以下の説明では、支援依頼先の候補として検索された複数のメンバーを「メンバーM[1]~[m]」と表記する場合がある(m:2以上の自然数)。また、メンバーM[1]~[m]のうちの任意のメンバーを「メンバーM[k]」と表記する場合がある(k=1,2,…,m)。
【0135】
決定部1007は、検索されたメンバーM[1]~[m]の各メンバーM[k]について特定された勤務状態に基づいて、支援依頼先としての各メンバーM[k]の優先度を決定する。具体的には、例えば、決定部1007は、メンバーM[k]の勤務状態が良いほど、支援依頼先として高い優先度に決定する。
【0136】
より詳細に説明すると、例えば、決定部1007は、メンバーM[k]の勤務状態が「良い」の場合、メンバーM[k]の優先度を「1」に決定する。また、決定部1007は、メンバーM[k]の勤務状態が「普通」の場合、メンバーM[k]の優先度を「2」に決定する。また、決定部1007は、メンバーM[k]の勤務状態が「悪い」の場合、メンバーM[k]の優先度を「3」に決定する。優先度は、値が小さいほど、優先度が高いことを表す。
【0137】
表示制御部1003は、メンバーM[1]~[m]の各メンバーM[k]について決定された優先度に基づいて、支援依頼先の候補としてメンバーM[1]~[m]を表示する。具体的には、例えば、表示制御部1003は、決定された優先度が高い順にメンバーM[1]~[m]をソートする。そして、表示制御部1003は、支援依頼先の候補としてソート後のメンバーM[1]~[m]を、検索要求元のクライアント端末(例えば、支援対象メンバーMjのクライアント端末Tj)に表示する。
【0138】
また、表示制御部1003は、メンバーM[1]~[m]の各メンバーM[k]について決定された優先度と算出された関連度とに基づいて、支援依頼先の候補としてメンバーM[1]~[m]を表示することにしてもよい。具体的には、例えば、表示制御部1003は、優先度が高い順にメンバーM[1]~[m]をソートする際に、優先度が同じメンバーについて、関連度が高いメンバーを上位にすることにしてもよい。
【0139】
また、表示制御部1003は、例えば、関連度が高い順にメンバーM[1]~[m]をソートすることにしてもよい。この際、表示制御部1003は、関連度が同じメンバーについて、優先度が高いメンバーを上位にすることにしてもよい。
【0140】
また、表示制御部1003は、支援依頼先の候補としてメンバーM[1]~[m]を表示する際に、メンバーM[1]~[m]のそれぞれと対応付けて、メンバーM[1]~[m]のそれぞれの勤務状態に応じたアイコンを表示することにしてもよい。
【0141】
具体的には、例えば、表示制御部1003は、勤務状態分類テーブル250を参照して、メンバーM[1]~[m]のそれぞれの勤務状態に応じたアイコン(顔アイコン)を特定する。そして、表示制御部1003は、支援依頼先の候補としてソート後のメンバーM[1]~[m]を表示する際に、メンバーM[1]~[m]のそれぞれの撮像画像や名前と対応付けて、特定したアイコン(顔アイコン)を表示することにしてもよい。
【0142】
なお、支援依頼先の候補の表示例については、
図15を用いて後述する。
【0143】
また、受付部1004は、クライアント端末Tiから受付拒否設定を受け付けることにしてもよい。ここで、受付拒否設定は、メンバーMiの勤務状態に関わらず、他のメンバーへの支援の依頼を拒否するためのものである。また、表示制御部1003は、支援依頼先の候補としてメンバーM[1]~[m]を表示する際に、受付拒否設定されたメンバーを判別可能に表示することにしてもよい。
【0144】
なお、上述した検索表示装置201の機能部は、例えば、情報処理システム200内の複数のコンピュータ(例えば、検索表示装置201、クライアント端末Ti)により実現されることにしてもよい。また、検索表示装置201の機能部のうち、特定部1002は、例えば、勤務状態計算エンジン201-1により実現されてもよい。算出部1006は、例えば、関連度計算エンジン201-2により実現されてもよい。表示制御部1003は、例えば、表示ポータル201-4により実現されてもよい。
【0145】
(メンバーMiの勤務状態の特定例)
ここで、メンバーMiの勤務状態の特定例について説明する。
【0146】
まず、メンバーMiがブラウザを利用中である場合を想定する。この場合、取得部1001は、例えば、直近30秒間でのページ移動量を、メンバーMiの作業量として取得する。ここでは、メンバーMiのページ移動量を「4回」とする。また、メンバーMiのページ移動平均を「2.4回」とする。
【0147】
特定部1002は、上記式(1)を用いて、メンバーMiの作業進行度を算出する。ここでは、メンバーMiの作業進行度は、0.6(=2.4/4)となる。
【0148】
また、メンバーMiのストレス状態を「高」とし、メンバーMiの感情を「喜」とする。この場合、特定部1002は、重みテーブル240を参照して、メンバーMiの感情「喜」とストレス状態「高」とに応じた重み「1」を特定する。つぎに、特定部1002は、算出した作業進行度「0.6」に重み「1」を乗算することにより、勤務状態値「0.6」を算出する。
【0149】
そして、特定部1002は、勤務状態分類テーブル250を参照して、算出した勤務状態値「0.6」に対応する勤務状態「普通」を、メンバーMiの勤務状態として特定する。これにより、ブラウザを利用中のメンバーMiの勤務状態「普通」を特定することができる。
【0150】
つぎに、メンバーMiがブラウザとは異なる他のソフトウェアを利用中である場合を想定する。この場合、取得部1001は、例えば、直近30秒間でのマウス移動量とキーボード入力量とを、メンバーMiの作業量として取得する。ここでは、メンバーMiのマウス移動量を「0.2m」とし、キーボード入力量を「14回」とする。
【0151】
また、メンバーMiのマウス移動量平均を「0.4m」とし、キーボード入力平均を「10回」とする。この場合、マウスの移動割合は、「0.2/0.4」となる。また、キーボードの入力割合は「14/10」となる。また、直近30秒間でのマウス入力時間を「12秒」とし、キーボード入力時間「18秒」とする。
【0152】
特定部1002は、上記式(2)を用いて、メンバーMiの作業進行度を算出する。ここでは、メンバーMiの作業進行度は、1.12(=(12/30)×(0.2/0.4)+(18/30)×(14/10))となる。
【0153】
また、メンバーMiのストレス状態を「普通」とし、メンバーMiの感情を「怒」とする。この場合、特定部1002は、重みテーブル240を参照して、メンバーMiの感情「怒」とストレス状態「普通」とに応じた重み「0.3」を特定する。つぎに、特定部1002は、算出した作業進行度「1.12」に重み「0.3」を乗算することにより、勤務状態値「0.336」を算出する。
【0154】
そして、特定部1002は、勤務状態分類テーブル250を参照して、算出した勤務状態値「0.336」に対応する勤務状態「悪い」を、メンバーMiの勤務状態として特定する。これにより、ブラウザ以外のソフトウェアを利用中のメンバーMiの勤務状態「悪い」を特定することができる。
【0155】
(プログラム開発に関連する作業を行っているか否かの判断例)
ここで、
図11を用いて、支援対象メンバーMjがプログラム開発に関連する作業を行っているか否かの判断例について説明する。
【0156】
図11は、ディスプレイ画像の具体例を示す説明図である。
図11において、ディスプレイ画像1100は、支援対象メンバーMjのクライアント端末Tjのディスプレイ画像であり、表示ポータル画面(例えば、表示ポータル画面1200)を閉じた状態のディスプレイ405に表示された内容を表す。
【0157】
ディスプレイ画像1100には、エディタ画面1101が含まれる。エディタ画面1101は、プログラムコードを入力するための操作画面である。この場合、検索部1005は、例えば、ディスプレイ画像1100を画像分析して、何らかのプログラムコードが入力されたエディタ画面1101を検出した場合に、支援対象メンバーMjがプログラム開発に関連する作業を行っていると判断する。
【0158】
また、支援対象メンバーMjがブラウザを利用中の場合は、検索部1005は、例えば、検索ボックスに入力された特定のキーワードを検出した場合に、支援対象メンバーMjがプログラム開発に関連する作業を行っていると判断することにしてもよい。特定のキーワードは、例えば、予め設定されたプログラム開発に関連するキーワードである。
【0159】
(表示ポータル画面の画面例)
つぎに、
図12~
図15を用いて、クライアント端末Tiに表示される表示ポータル画面の画面例について説明する。ここでは、監視対象のメンバーM1~Mnを「メンバーM1~M10」とする。
【0160】
図12~
図15は、表示ポータル画面の画面例を示す説明図である。
図12において、表示ポータル画面1200は、各メンバーM1~M10のメンバー情報1201~1210と対応付けて、各メンバーM1~M10の勤務状態に対応する顔アイコンI1~I10を表示する操作画面の一例である。各メンバー情報1201~1210は、各メンバーM1~M10の名前と撮像画像とを含む。
【0161】
表示ポータル画面1200によれば、各メンバーMiは、顔アイコンI1~I10から、各メンバーM1~M10の勤務状態を直感的に判断することができる。これにより、例えば、管理者は、各メンバーM1~M10の勤務状態を管理しやすくなる。例えば、管理者は、アイコンI8からメンバーM8の勤務状態が悪いと判断することができる。この場合、管理者は、例えば、アイコンI1,I7から勤務状態の良いメンバーM1,M7を特定して、メンバーM1,M7に対してメンバーM8への支援を依頼するなどの対応を取ることができる。
【0162】
また、
図13に示すように、表示ポータル画面1200において、入力装置406を用いたメンバーMiの操作入力により、受付ボタンb1を選択すると、受付拒否設定を行うことができる。例えば、クライアント端末TiのメンバーMiを「メンバーM1」とする。この場合、表示ポータル画面1200において、メンバーM1の操作入力により、受付ボタンb1を選択すると、メンバーM1についての受付拒否設定を行うことができる。
【0163】
また、
図14に示すように、表示ポータル画面1200において、入力装置406を用いたメンバーMiの操作入力により、検索ボタンb2を選択すると、支援依頼先の候補の検索要求を行うことができる。例えば、クライアント端末TiのメンバーMiを「メンバーM8」とする。メンバーM8は、作業に詰まっており、勤務状態が悪いメンバーである。
【0164】
この場合、表示ポータル画面1200において、メンバーM8の操作入力により検索ボタンb2を選択すると、クライアント端末T8から検索表示装置201に支援依頼先の候補の検索要求が送信される。この結果、
図15に示すように、例えば、表示ポータル画面1200において、支援依頼先一覧1500がポップアップ表示される。
【0165】
図15において、支援依頼先一覧1500は、メンバーM8(支援対象メンバー)への支援を依頼する依頼先の候補の一覧である。ここでは、メンバーM8への支援依頼先の候補として、メンバーM1,M5,M7が検索された場合を想定する。
【0166】
支援依頼先一覧1500は、依頼先候補情報1501~1503を含む。依頼先候補情報1501~1503は、各メンバーM1,M5,M7の勤務状態、および、各メンバーM1,M5,M7のメンバーM8との関連度に基づいて、ソートされている。各依頼先候補情報1501~1503は、支援依頼先の候補となるメンバーM1,M5,M7の名前、撮像画像、顔アイコン、回答数および受付可否情報を含む。
【0167】
例えば、依頼先候補情報1501は、メンバーM1の名前「A男さん」、撮像画像1501-1、顔アイコンI1、回答数「18」および受付可否情報「×」を示す。受付可否情報「×」は、他のメンバーへの支援の依頼を拒否する受付拒否設定が行われていることを示す。なお、受付可否情報「○」は、受付拒否設定が行われていないことを示す。
【0168】
これにより、メンバーM8は、自身の作業の手助けとなる他のメンバーを検索することができる。例えば、メンバーM8は、支援依頼先一覧1500では支援依頼先の候補が勤務状態の良い順にソートされているため、自身の質問に対して回答できる状況にありそうなメンバーを容易に判断することができる。また、メンバーM8は、各依頼先候補情報1501~1503の受付可否情報から、A男さん(メンバーM1)が勤務状態に関わらず、他のメンバーへの支援の依頼を拒否する状態であることを把握することができる。
【0169】
また、メンバーM8は、勤務状態が同じF男さん(メンバーM6)およびI子さん(メンバーM9)について、F男さんのほうが上位に表示されているため、I子さん比べて自身との関連度が高く、F男さんのほうが自身の質問に対して回答できる可能性が高いと判断することができる。また、メンバーM8は、F男さんの回答数が他のメンバーに比べて多いことから、F男さんが質問に対して頻繁に回答実績のあるメンバーであることがわかる。なお、各メンバーMiの回答数は、例えば、検索表示装置201に記録されている。
【0170】
(検索表示装置201の各種処理手順)
つぎに、検索表示装置201の各種処理手順について説明する。まず、
図16を用いて、検索表示装置201の勤務状態表示処理手順について説明する。検索表示装置201の勤務状態表示処理は、例えば、クライアント端末T1~Tnの各クライアント端末Tiについて、30秒間隔で定期的に実行される。
【0171】
図16は、検索表示装置201の勤務状態表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16のフローチャートにおいて、まず、検索表示装置201は、クライアント端末Tiからディスプレイ画像を取得する(ステップS1601)。
【0172】
なお、クライアント端末Tiは、例えば、検索表示装置201からの要求に応じて、スクリーンショットにより、ディスプレイ405に表示された内容を静止画像として記録することによってディスプレイ画像を取得する。そして、クライアント端末Tiは、取得したディスプレイ画像を検索表示装置201に送信する。
【0173】
つぎに、検索表示装置201は、取得したディスプレイ画像に基づいて、メンバーMiがブラウザを利用中であるか否かを判断する(ステップS1602)。ここで、ブラウザを利用中の場合(ステップS1602:Yes)、検索表示装置201は、直近30秒間でのメンバーMiのページ移動量を取得する(ステップS1603)。
【0174】
そして、検索表示装置201は、作業量管理DB230を参照して、取得したメンバーMiのページ移動量と、メンバーMiのページ移動平均とに基づいて、メンバーMiの作業進行度を算出して(ステップS1604)、ステップS1607に移行する。
【0175】
また、ステップS1602において、ブラウザを利用中ではない場合(ステップS1602:No)、検索表示装置201は、直近30秒間でのメンバーMiのマウス移動量とキーボード入力量を取得する(ステップS1605)。
【0176】
つぎに、検索表示装置201は、作業量管理DB230を参照して、取得したメンバーMiのマウス移動量とキーボード入力量と、メンバーMiのマウス移動平均とキーボード入力平均とに基づいて、メンバーMiの作業進行度を算出する(ステップS1606)。
【0177】
つぎに、検索表示装置201は、クライアント端末TiからメンバーMiの顔画像を取得する(ステップS1607)。なお、クライアント端末Tiは、例えば、検索表示装置201からの要求に応じて、カメラ404によりメンバーMiを撮像することによって、メンバーMiの顔画像(撮像画像)を取得する。そして、クライアント端末Tiは、取得した顔画像(撮像画像)を検索表示装置201に送信する。
【0178】
そして、検索表示装置201は、取得したメンバーMiの顔画像を分析して、メンバーMiの感情を特定する(ステップS1608)。つぎに、検索表示装置201は、センシングデバイスCiからメンバーMiの心拍数を示す生体情報を取得する(ステップS1609)。
【0179】
そして、検索表示装置201は、作業量管理DB230を参照して、取得したメンバーMiの生体情報に基づいて、メンバーMiのストレス状態を特定する(ステップS1610)。なお、センシングデバイスCiは、例えば、検索表示装置201からの要求に応じて、測定した最新の生体情報を取得し、取得した生体情報を検索表示装置201に送信する。
【0180】
つぎに、検索表示装置201は、重みテーブル240を参照して、算出した作業進行度に、特定した感情とストレス状態とに応じた重みを乗算することにより、メンバーMiの勤務状態値を算出する(ステップS1611)。そして、検索表示装置201は、勤務状態分類テーブル250を参照して、算出した勤務状態値に対応する勤務状態を、メンバーMiの勤務状態として特定する(ステップS1612)。
【0181】
つぎに、検索表示装置201は、勤務状態分類テーブル250を参照して、特定した勤務状態に対応する顔アイコンを特定する(ステップS1613)。そして、検索表示装置201は、メンバーMiと対応付けて、特定した顔アイコンを表示して(ステップS1614)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0182】
これにより、検索表示装置201は、メンバーMiの作業量だけでなく、メンバーMiのストレス状態および感情を考慮して、メンバーMiの勤務状態を特定することができる。また、検索表示装置201は、メンバーMiと対応付けて、メンバーMiの勤務状態を直感的に判断可能に表示することができる。
【0183】
つぎに、
図17を用いて、検索表示装置201の検索表示処理手順について説明する。
【0184】
図17は、検索表示装置201の検索表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
図17のフローチャートにおいて、まず、検索表示装置201は、クライアント端末Tjから、支援依頼先の候補の検索要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS1701)。
【0185】
ここで、検索表示装置201は、支援依頼先の候補の検索要求を受け付けるのを待つ(ステップS1701:No)。そして、検索表示装置201は、支援依頼先の候補の検索要求を受け付けた場合(ステップS1701:Yes)、クライアント端末Tjからディスプレイ画像を取得する(ステップS1702)。
【0186】
つぎに、検索表示装置201は、取得したディスプレイ画像に基づいて、プログラム開発に関連する作業中であるか否かを判断する(ステップS1703)。ここで、プログラム開発に関連する作業中の場合(ステップS1703:Yes)、検索表示装置201は、取得したディスプレイ画像に基づいて、使用中の開発言語を特定する(ステップS1704)。
【0187】
そして、検索表示装置201は、メンバー管理DB220を参照して、特定した開発言語が開発経験言語に含まれるメンバー(支援対象メンバーMjを除く)を検索して(ステップS1705)、ステップS1707に移行する。
【0188】
また、ステップS1703において、プログラム開発に関連する作業中ではない場合(ステップS1703:No)、検索表示装置201は、メンバー管理DB220を参照して、支援対象メンバーMjと所属部署が同じメンバー(支援対象メンバーMjを除く)を検索する(ステップS1706)。
【0189】
ここでは、検索されたメンバーを「メンバーM[1]~[m]」と表記し、メンバーM[1]~[m]のうちの任意のメンバーを「メンバーM[k]」と表記する。
【0190】
そして、検索表示装置201は、メンバー管理DB220を参照して、検索されたメンバーM[1]~[m]の各メンバーM[k]と支援対象メンバーMjとの関連度を算出する(ステップS1707)。つぎに、検索表示装置201は、検索された各メンバーM[k]について特定された勤務状態に基づいて、支援依頼先としての各メンバーM[k]の優先度を決定する(ステップS1708)。
【0191】
そして、検索表示装置201は、各メンバーM[k]について算出した関連度が高い順に、メンバーM[1]~[m]をソートする(ステップS1709)。つぎに、検索表示装置201は、各メンバーM[k]について決定した優先度が高い順に、ソート後のメンバーM[1]~[m]をさらにソートする(ステップS1710)。
【0192】
そして、検索表示装置201は、支援依頼先の候補として、ソート後のメンバーM[1]~[m]をクライアント端末Tjに表示して(ステップS1711)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。この際、検索表示装置201は、メンバーM[1]~[m]のそれぞれと対応付けて、メンバーM[1]~[m]のそれぞれの勤務状態に応じた顔アイコンを表示することにしてもよい。
【0193】
これにより、検索表示装置201は、支援対象メンバーMjの支援依頼先として適したメンバーを検索しやすくさせることができる。
【0194】
なお、検索されたメンバーが一人の場合は、検索表示装置201は、例えば、ステップS1707~S1710の処理をスキップして、検索したメンバーを支援依頼先の候補としてクライアント端末Tjに表示する。
【0195】
以上説明したように、実施の形態にかかる検索表示装置201によれば、メンバーM[1]~[m]の各メンバーM[k]の作業量に基づいて、各メンバーM[k]の勤務状態を特定することができる。そして、検索表示装置201によれば、特定した各メンバーM[k]の勤務状態に基づいて、支援依頼先としての各メンバーM[k]の優先度を決定し、決定した各メンバーM[k]のの優先度に基づいて、支援依頼先の候補としてメンバーM[1]~[m]を表示することができる。
【0196】
これにより、検索表示装置201は、メンバーM[1]~[m]から、支援依頼先として適したメンバーを検索しやすくさせることができる。例えば、検索表示装置201は、メンバーM[1]~[m]のうち作業が順調なメンバーほど、支援依頼先の候補として優先して表示することができる。このため、管理者は、例えば、作業に詰まったメンバーの支援を誰かに依頼する際に、メンバーM[1]~[m]から対応できる可能性が高いメンバーM[k]を容易に検索することができる。また、検索表示装置201は、定期的に各メンバーM[k]の作業量を取得して、取得した作業量に基づく勤務状態を逐次特定することで、リアルタイムの各メンバーM[k]の勤務状態を特定することができる。
【0197】
また、検索表示装置201によれば、さらに、各メンバーM[k]の生体情報に応じて特定されるストレス状態に基づいて、各メンバーM[k]の勤務状態を特定することができる。生体情報は、例えば、各メンバーM[k]の心拍数を示す。例えば、検索表示装置201は、メンバーM[k]の心拍数を前日平均と比較して、メンバーM[k]のストレス状態を特定することができる。
【0198】
これにより、検索表示装置201は、メンバーM[k]の作業量だけでなく、メンバーM[k]のストレス状態を考慮して、メンバーM[k]の勤務状態を特定することができる。
【0199】
また、検索表示装置201によれば、さらに、各メンバーM[k]を撮像した顔画像に基づき分析される感情に応じて、各メンバーM[k]の勤務状態を特定することができる。感情は、例えば、喜、怒、哀、楽によって表される。
【0200】
これにより、検索表示装置201は、メンバーM[k]の作業量だけでなく、メンバーM[k]の感情を考慮して、メンバーM[k]の勤務状態を特定することができる。
【0201】
また、検索表示装置201によれば、支援依頼先の候補としてメンバーM[1]~[m]を表示する際に、各メンバーM[k]と対応付けて、各メンバーM[k]の勤務状態に応じたアイコンを表示することができる。アイコンは、例えば、顔アイコン(顔文字)である。例えば、検索表示装置201は、メンバーM[k]の勤務状態の良し悪しを、顔アイコン(顔文字)の表情の違いによって表すことができる。
【0202】
これにより、検索表示装置201は、支援依頼先の候補の数が多い場合であっても、各メンバーM[k]の勤務状態を直感的に把握しやすくさせることができる。
【0203】
また、検索表示装置201によれば、各メンバーM[k]のブラウザを利用中のページ移動量と、ブラウザとは異なる他のソフトウェアを利用中の入力装置406の操作量とのうち少なくとも1つを含む作業量に基づいて、各メンバーM[k]の勤務状態を特定することができる。例えば、検索表示装置201は、ブラウザを利用中のメンバーM[k]について、ブラウザを利用中のページ移動量に基づいて、メンバーM[k]の勤務状態を特定することができる。また、検索表示装置201は、ブラウザとは異なる他のソフトウェアを利用中のメンバーM[k]について、入力装置406の操作量に基づいて、メンバーM[k]の勤務状態を特定することができる。
【0204】
これにより、検索表示装置201は、ブラウザを利用中のメンバーM[k]について、ブラウザを利用中のページ移動量によって、作業が順調か、作業に詰まっているかといったメンバーM[k]の作業状況を判断して、メンバーM[k]の勤務状態を特定することができる。また、検索表示装置201は、ブラウザ以外のソフトウェアを利用中のメンバーM[k]について、入力装置406(例えば、マウス、キーボード)の操作量によって、作業が順調か、作業に詰まっているかといったメンバーM[k]の作業状況を判断して、メンバーM[k]の勤務状態を特定することができる。
【0205】
また、検索表示装置201によれば、各メンバーM[k]の属性情報と、支援対象メンバーMjの属性情報とに基づいて、各メンバーM[k]の支援対象メンバーMjとの関連度を算出し、算出した関連度と、決定した優先度とに基づいて、支援依頼先の候補としてメンバーM[1]~[m]を表示することができる。属性情報は、例えば、年齢、性別、入社年度、所属部署、開発経験言語などを特定する情報である。
【0206】
これにより、検索表示装置201は、支援対象メンバーMjとの関連度が高い、例えば、年齢が近い、入社年度が近い、性別が同じメンバーなどを優先して表示することができる。例えば、管理者は、メンバーM[1]~[m]から、支援対象メンバーMjにとって質問しやすいメンバーM[k]や、質問に対して回答できる可能性が高いメンバーM[k]を検索しやすくなる。
【0207】
また、検索表示装置201によれば、支援対象メンバーMjのディスプレイ画像に基づいて、支援対象メンバーMjがプログラム開発に関連する作業を行っているか否かを判断することができる。そして、検索表示装置201によれば、プログラム開発に関連する作業を行っていると判断した場合、支援対象メンバーMjのディスプレイ画像に基づいて、支援対象メンバーMjが使用中の開発言語を特定し、メンバーM[1]~[m]として、メンバーM1~Mn(監視対象のメンバー)から、特定した開発言語の使用実績のあるメンバーを検索することができる。
【0208】
これにより、検索表示装置201は、支援対象メンバーMjがプログラム開発に関連する作業中の場合は、支援依頼先の候補として、プログラム開発に関連する質問に対して回答できる可能性が高いメンバーM[1]~[m]を絞り込むことができる。
【0209】
また、検索表示装置201によれば、プログラム開発に関連する作業を行っていないと判断した場合、メンバーM1~Mnの各メンバーMiの属性情報と、支援対象メンバーMjの属性情報とに基づいて、メンバーM[1]~[m]として、メンバーM1~Mnから、支援対象メンバーMjと所属が同じであるメンバーを検索することができる。
【0210】
これにより、検索表示装置201は、支援対象メンバーMjがプログラム開発に関連する作業とは異なる他の作業中の場合は、支援依頼先の候補として、例えば、入社年度、所属部署などが同じで、同じような経験をしている可能性が高いメンバーM[1]~[m]を絞り込むことができる。
【0211】
これらのことから、検索表示装置201によれば、リモートワーク中にメンバーが作業に詰まったときなどに、支援依頼先として適したメンバーを検索しやすくさせることができる。例えば、管理者は、各メンバーMiの勤務状態を監視中に、勤務状態が悪くなっているメンバーがいれば、支援依頼先として適したメンバーを容易に検索して、支援を依頼することができる。また、メンバーMiは、作業に詰まったときなどに、自身の支援依頼先として適したメンバーを容易に検索して、支援を依頼することができる。
【0212】
なお、本実施の形態で説明した表示方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本表示プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本表示プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0213】
また、本実施の形態で説明した検索表示装置201(情報処理装置101)は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けICやFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。
【0214】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0215】
(付記1)複数のメンバーのそれぞれの作業量に基づく前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定し、
特定した前記それぞれの勤務状態に基づいて、支援依頼先としての前記複数のメンバーのそれぞれの優先度を決定し、
決定した前記それぞれの優先度に基づいて、前記支援依頼先の候補として前記複数のメンバーを表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表示プログラム。
【0216】
(付記2)前記特定する処理は、前記複数のメンバーのそれぞれの生体情報に応じて特定されるストレス状態に基づいて、前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定する処理を含む、ことを特徴とする付記1に記載の表示プログラム。
【0217】
(付記3)前記特定する処理は、前記複数のメンバーのそれぞれを撮像した顔画像に基づき分析される感情に応じて、前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定する処理を含む、ことを特徴とする付記1または2に記載の表示プログラム。
【0218】
(付記4)前記表示する処理は、前記複数のメンバーのそれぞれと対応付けて、前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態に応じたアイコンを表示する処理を含む、ことを特徴とする付記1~3のいずれか一つに記載の表示プログラム。
【0219】
(付記5)前記作業量は、ブラウザを利用中のページ移動量と前記ブラウザとは異なる他のソフトウェアを利用中の入力装置の操作量とのうち少なくとも1つを含む、ことを特徴とする付記1~4のいずれか一つに記載の表示プログラム。
【0220】
(付記6)前記特定する処理は、
前記ブラウザを利用中のメンバーについて、前記ブラウザを利用中のページ移動量に基づいて、前記メンバーの勤務状態を特定し、
前記ブラウザとは異なる他のソフトウェアを利用中のメンバーについて、前記入力装置の操作量に基づいて、前記メンバーの勤務状態を特定する、
処理を含むことを特徴とする付記5に記載の表示プログラム。
【0221】
(付記7)前記複数のメンバーのそれぞれの属性情報と、支援対象となるメンバーの属性情報とに基づいて、前記複数のメンバーのそれぞれの前記支援対象となるメンバーとの関連度を算出する、処理を前記コンピュータに実行させ、
前記表示する処理は、前記関連度と前記優先度とに基づいて、前記支援依頼先の候補として前記複数のメンバーを表示する処理を含む、ことを特徴とする付記1~6のいずれか一つに記載の表示プログラム。
【0222】
(付記8)支援対象となるメンバーのディスプレイ画像に基づいて、前記支援対象となるメンバーがプログラム開発に関連する作業を行っているか否かを判断し、
前記作業を行っていると判断した場合、前記支援対象となるメンバーのディスプレイ画像に基づいて、前記支援対象となるメンバーが使用中の開発言語を特定し、
メンバー群から前記開発言語の使用実績のある前記複数のメンバーを検索する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~7のいずれか一つに記載の表示プログラム。
【0223】
(付記9)前記作業を行っていないと判断した場合、前記メンバー群のそれぞれのメンバーの属性情報と、前記支援対象となるメンバーの属性情報とに基づいて、前記メンバー群から、前記支援対象となるメンバーと所属が同じである前記複数のメンバーを検索する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記8に記載の表示プログラム。
【0224】
(付記10)前記生体情報は、前記複数のメンバーのそれぞれの心拍数を示す、ことを特徴とする付記2に記載の表示プログラム。
【0225】
(付記11)複数のメンバーのそれぞれの作業量に基づく前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定し、
特定した前記それぞれの勤務状態に基づいて、支援依頼先としての前記複数のメンバーのそれぞれの優先度を決定し、
決定した前記それぞれの優先度に基づいて、前記支援依頼先の候補として前記複数のメンバーを表示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする表示方法。
【0226】
(付記12)複数のメンバーのそれぞれの作業量に基づく前記複数のメンバーのそれぞれの勤務状態を特定し、
特定した前記それぞれの勤務状態に基づいて、支援依頼先としての前記複数のメンバーのそれぞれの優先度を決定し、
決定した前記それぞれの優先度に基づいて、前記支援依頼先の候補として前記複数のメンバーを表示する、
処理を実行する制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【符号の説明】
【0227】
101 情報処理装置
110 支援依頼先候補
200 検索表示システム
201 検索表示装置
210 ネットワーク
220 メンバー管理DB
230 作業量管理DB
240 重みテーブル
250 勤務状態分類テーブル
300,400 バス
301,401 CPU
302,402 メモリ
303 ディスクドライブ
304 ディスク
305,403 通信I/F
306 可搬型記録媒体I/F
307 可搬型記録媒体
404 カメラ
405 ディスプレイ
406 入力装置
407 スピーカ
408 マイクロフォン
900 管理ポータル画面
1001 取得部
1002 特定部
1003 表示制御部
1004 受付部
1005 検索部
1006 算出部
1007 決定部
1100 ディスプレイ画像
1200 表示ポータル画面
1500 支援依頼先一覧
C1~Cn,Ci センシングデバイス
M1~Mn,Mi,M[1]~[m],M[k] メンバー
T1~Tn,Ti クライアント端末