(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186464
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/50 20210101AFI20221208BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20221208BHJP
H01G 11/08 20130101ALI20221208BHJP
H01M 50/249 20210101ALN20221208BHJP
H01M 50/251 20210101ALN20221208BHJP
H01M 50/209 20210101ALN20221208BHJP
【FI】
H01M50/50 101
H01M50/296
H01G11/08
H01M50/249
H01M50/251
H01M50/209
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094697
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】小西 敦之
【テーマコード(参考)】
5E078
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AB01
5E078BA26
5E078DA02
5E078FA02
5E078FA12
5E078FA13
5E078HA02
5E078HA05
5E078JA02
5E078JA04
5E078JA05
5H040AS01
5H040AS04
5H040AS05
5H040AS06
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040DD06
5H040DD07
5H040DD22
5H040GG01
5H043AA13
5H043AA14
5H043AA15
5H043AA17
5H043BA11
5H043BA17
5H043BA19
5H043BA20
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA08
5H043CA12
5H043CA13
5H043CA14
5H043CA21
5H043DA06
5H043FA06
5H043HA02F
5H043JA07E
5H043JA13F
5H043KA08D
5H043KA09D
5H043KA44F
5H043LA21F
5H043LA22F
(57)【要約】
【課題】外部端子の位置を変更可能な蓄電装置を提供する。
【解決手段】蓄電素子400を備える蓄電装置1であって、蓄電素子400の主電流経路上に配置され、第一外部端子41と接続可能な第一導電部材920と、第一導電部材920に電気的に接続可能、かつ、第一外部端子41と同極性の外部端子であって蓄電装置1の長手方向の一端部に配置される第二外部端子22と接続可能な第二導電部材930と、蓄電装置1の長手方向の他端部に配置される接続部材40であって、第一導電部材920に接続され第二導電部材930には接続されない第一外部端子41、及び、第一導電部材920と第二導電部材930とを電気的に接続させる接続部43のいずれか一方を有する接続部材40と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子を備える蓄電装置であって、
前記蓄電素子の主電流経路上に配置され、第一外部端子と接続可能な第一導電部材と、
前記第一導電部材に電気的に接続可能、かつ、前記第一外部端子と同極性の外部端子であって前記蓄電装置の長手方向の一端部に配置される第二外部端子と接続可能な第二導電部材と、
前記蓄電装置の前記長手方向の他端部に配置される接続部材であって、前記第一導電部材に接続され前記第二導電部材には接続されない前記第一外部端子、及び、前記第一導電部材と前記第二導電部材とを電気的に接続させる接続部のいずれか一方を有する接続部材と、
を備える蓄電装置。
【請求項2】
さらに、前記蓄電素子が収容される外装体を備え、
前記接続部材は、前記外装体を貫通した状態で配置される
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記接続部材は、前記接続部を有し、
前記蓄電装置は、前記第二導電部材に接続される前記第二外部端子を、前記蓄電装置の前記長手方向の前記一端部に備える
請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第二外部端子は、前記第二導電部材に着脱可能に接続される
請求項3に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子と外部端子とを備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電素子と外部端子とを備える蓄電装置が知られている。例えば、特許文献1には、電池セル(蓄電素子)とLOAD端子等(外部端子)とを備える組電池(蓄電装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電装置は、狭いスペースに配置される等により、レイアウトが制約されることが多く、外部端子の位置を状況に応じて変更したい場合がある。しかしながら、上記従来の蓄電装置では、外部端子の位置が固定されており、外部端子の位置を変更することができない。
【0005】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目してなされたものであり、外部端子の位置を変更可能な蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子を備える蓄電装置であって、前記蓄電素子の主電流経路上に配置され、第一外部端子と接続可能な第一導電部材と、前記第一導電部材に電気的に接続可能、かつ、前記第一外部端子と同極性の外部端子であって前記蓄電装置の長手方向の一端部に配置される第二外部端子と接続可能な第二導電部材と、前記蓄電装置の前記長手方向の他端部に配置される接続部材であって、前記第一導電部材に接続され前記第二導電部材には接続されない前記第一外部端子、及び、前記第一導電部材と前記第二導電部材とを電気的に接続させる接続部のいずれか一方を有する接続部材と、を備える。
【0007】
これによれば、蓄電装置は、第一外部端子と接続可能な第一導電部材と、第一導電部材及び第二外部端子と接続可能な第二導電部材と、第一外部端子、及び、第一導電部材と第二導電部材とを接続させる接続部のいずれか一方を有する接続部材と、を備えている。第二外部端子は、蓄電装置の長手方向の一端部に配置され、接続部材は、蓄電装置の長手方向の他端部に配置される。これにより、接続部材が第一外部端子を有する場合には、第一導電部材に第一外部端子が接続されるため、第一導電部材に接続された第一外部端子が蓄電装置の外部端子となる。接続部材が接続部を有する場合には、第一導電部材と、第二外部端子が接続された第二導電部材とが接続されるため、第二導電部材に接続された第二外部端子が蓄電装置の外部端子となる。つまり、接続部材が第一外部端子を有する場合には、第一導電部材との接続位置(蓄電装置の長手方向の他端部)に、外部端子としての第一外部端子が配置されることとなる。接続部材が接続部を有する場合には、第二導電部材との接続位置(蓄電装置の長手方向の一端部)に、外部端子としての第二外部端子が配置されることとなる。このように、外部端子を第一外部端子または第二外部端子に変更することができるため、外部端子の位置を変更する(蓄電装置の長手方向の一端部と他端部とで切り替え可能とする)ことができる。
【0008】
また、さらに、前記蓄電素子が収容される外装体を備え、前記接続部材は、前記外装体を貫通した状態で配置されることにしてもよい。
【0009】
これによれば、接続部材が、外装体を貫通した状態で配置されることにより、外装体の外方から接続部材を着脱することができる。これにより、外装体の外方から、接続部材としての第一外部端子を着脱したり接続部を着脱したりすることで、外部端子を第一外部端子または第二外部端子に容易に変更することができるため、外部端子の位置を容易に変更することができる。
【0010】
また、前記接続部材は、前記接続部を有し、前記蓄電装置は、前記第二導電部材に接続される前記第二外部端子を、前記蓄電装置の前記長手方向の前記一端部に備えることにしてもよい。
【0011】
これによれば、接続部材が接続部を有し、第二導電部材に第二外部端子が接続されることにより、外部端子として、第一外部端子ではなく第二外部端子が用いられている。つまり、外部端子の位置が、第一導電部材に接続される位置(接続部材の位置)ではなく、第二導電部材に接続される位置(蓄電装置の長手方向の一端部)に変更されている。このように、外部端子の位置を容易に変更することができる。
【0012】
また、前記第二外部端子は、前記第二導電部材に着脱可能に接続されることにしてもよい。
【0013】
これによれば、第二外部端子が第二導電部材に対して着脱可能に構成されているため、第二外部端子の形状を容易に変更したり、第二外部端子のメンテナンスまたは交換等を容易に行うことができる。
【0014】
なお、本発明は、蓄電装置として実現することができるだけでなく、第一導電部材と第二導電部材と接続部材との組み合わせとしても実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明における蓄電装置によれば、外部端子の位置を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る蓄電ユニットが有する各構成要素を分解して示す分解斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る蓄電ユニットが有する各構成要素を分解して示す分解斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る蓄電素子を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。
【
図5】実施の形態に係る接続部材及びその周囲の構成を示す斜視図である。
【
図6】実施の形態に係る第一外装体と導電部材と接続部材の外部端子との位置関係を示す斜視図である。
【
図7】実施の形態に係る第一外装体の取付台と導電部材と外部端子(及び接続部)との位置関係を示す斜視図である。
【
図8】実施の形態に係る蓄電装置が接続部材を備える場合の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。さらに、各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0018】
以下の説明及び図面中において、蓄電装置(の外装体)の長手方向、第一蓄電素子及び第二蓄電素子等の複数の蓄電素子の配列方向、蓄電ユニットと制御ユニットとの並び方向、蓄電素子の容器の短側面の対向方向、または、1つの蓄電素子における一対の電極端子の並び方向を、X軸方向と定義する。蓄電素子とバスバーとの並び方向、または、蓄電素子の容器の本体と蓋との並び方向を、Y軸方向と定義する。外装体の本体と蓋との並び方向、蓄電素子と拘束体との並び方向、蓄電素子とスペーサとの並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、蓄電素子の電極体の極板の積層方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0019】
また、以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。また、以下では、Z軸方向を第一方向とも呼び、Y軸方向を第二方向とも呼び、X軸方向を第三方向とも呼ぶ場合がある。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0020】
(実施の形態)
[1 蓄電装置1の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電装置1の概略構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。
図2及び
図3は、本実施の形態に係る蓄電ユニット10が有する各構成要素を分解して示す分解斜視図である。具体的には、
図2は、蓄電ユニット10において外装体100から第二外装体120等を分離し、かつ、第二外装体120から接続部材40を分離した構成を示している。
図3は、
図2に示した蓄電ユニット10が有する第一外装体110に固定された各構成要素を分解して示している。
【0021】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置1は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。また、蓄電装置1は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0022】
図1~
図3に示すように、蓄電装置1は、蓄電ユニット10と、制御ユニット20と、を備えている。以下では、蓄電装置1のうちの蓄電素子400を有する部分を蓄電ユニット10と称し、蓄電素子400を制御する制御機器を有する部分を制御ユニット20と称する。蓄電装置1は、X軸方向に長い形状を有しているため、以下では、蓄電装置1のX軸プラス方向の端部を、蓄電装置1の長手方向の一端部とも呼び、蓄電装置1のX軸マイナス方向の端部を、蓄電装置1の長手方向の他端部とも呼ぶ。蓄電ユニット10は、外装体100と、接続部材40と、第一補強部材200とを有し、外装体100の内方には、蓄電素子400、スペーサ500、拘束体600、バスバーフレーム700、バスバー800、導電部材900、及び、制御ユニット20等が収容されている。外装体100には、一対(正極側及び負極側)の外部端子21及び22と、コネクタ23とが配置されている。各構成要素について、以下に詳細に説明する。
【0023】
[1.1 外装体100の説明]
外装体100は、蓄電装置1の外装体を構成する箱形(略直方体形状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体100は、蓄電素子400等の外方に配置され、これら蓄電素子400等を所定の位置で固定し、衝撃等から保護する。外装体100は、第一外装体110と、第二外装体120と、固定部材130と、第二補強部材300とを有している。
【0024】
第一外装体110は、外装体100の本体を構成する扁平な矩形状の部材であり、蓄電素子400等が載置されて固定される。第二外装体120は、外装体100の蓋体を構成する有底矩形筒状の部材であり、第一外装体110のZ軸プラス方向に配置され、かつ、第一外装体110と接続されて蓄電素子400等を覆う。つまり、第二外装体120には、Z軸マイナス方向側に開口が形成されており、第一外装体110は、第二外装体120の当該開口を塞ぐように配置される。
【0025】
第一外装体110は、例えば、安全性(耐圧壊性)確保の観点等から、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鋼板等の金属部材、または、絶縁塗装等の絶縁処理が施された当該金属部材等の高剛性の部材で形成されている。第二外装体120は、例えば、軽量化の観点等から、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の樹脂部材(絶縁部材)で形成されている。なお、第一外装体110は、第二外装体120と同様の樹脂部材で形成されていてもよいが、剛性の高い部材で形成されているのが好ましい。また、第二外装体120は、第一外装体110と同様の金属部材で形成されていてもよい。
【0026】
第一外装体110は、第一接続部111と、取付台113、114、115及び117と、外装体凸部116とを有している。第二外装体120は、第二接続部121と、開口部122を有している。
【0027】
第一接続部111は、第一外装体110の外周部分に配置される、上面視で(Z軸方向から見て)角環状の部位(フランジ部)であり、第二外装体120の第二接続部121と対向する位置に配置され、第二接続部121に重ねられて第二接続部121に接続される。同様に、第二接続部121は、第二外装体120の外周部分に配置される上面視で角環状の部位(フランジ部)であり、第一接続部111と対向する位置に配置され、第一接続部111に重ねられて第一接続部111に接続される。つまり、第一接続部111及び第二接続部121は、Z軸方向(第一方向)に重ねられて互いに接続される接続部であって、Y軸方向(第一方向と交差する第二方向)及びX軸方向(第一方向及び第二方向と交差する第三方向)に延設されて配置されている。
【0028】
取付台113及び114は、拘束体600が取り付けられる部材である。具体的には、取付台113は、第一外装体110のY軸マイナス方向の端部に配置され、拘束体600の後述する第一拘束体610のY軸マイナス方向側の部位が取り付けられる。取付台114は、第一外装体110のY軸プラス方向の端部に配置され、第一拘束体610のY軸プラス方向側の部位が取り付けられる。さらに具体的には、取付台113及び114は、ボルト部を有しており、当該ボルト部がナットと螺合することにより、取付台113及び114に拘束体600(第一拘束体610)が取り付けられる。
【0029】
取付台115及び117は、導電部材900が取り付けられる部材である。具体的には、取付台115は、第一外装体110のX軸方向中央部かつY軸プラス方向の端部に配置され、導電部材900の後述する取付部913及び933が取り付けられる(
図6参照)。取付台117は、第一外装体110のX軸マイナス方向かつY軸プラス方向の端部に配置され、導電部材900の後述する接続部921及び932が取り付けられる(
図6参照)。さらに具体的には、取付台115及び117は、ボルト部を有しており、当該ボルト部がナットと螺合することにより、取付台115及び117に導電部材900(取付部913及び933、並びに、接続部921及び932)が取り付けられる。
【0030】
外装体凸部116は、蓄電素子400に向けて突出する凸部である。具体的には、外装体凸部116は、第一外装体110のY軸方向中央部に配置され、Z軸プラス方向に向けて突出する上面視矩形状かつ膨出状の凸部(膨出部)である。X軸方向に並ぶ4つの蓄電素子400に対応して、X軸方向に4つの外装体凸部116が並んで配置されている。それぞれの外装体凸部116は、蓄電素子400の後述する長側面411aの中央部に対向する位置に配置されて、蓄電素子400の当該中央部を押圧する。
【0031】
開口部122は、第二外装体120のX軸マイナス方向かつY軸プラス方向の角部に形成された、第二外装体120の当該角部をZ軸方向に貫通する貫通孔であり、接続部材40によって閉塞される。つまり、開口部122に接続部材40が挿入された状態で、接続部材40が第二外装体120に取り付けられることにより、開口部122が閉塞される。
【0032】
第二外装体120内にて、蓄電素子400の電圧または温度等の情報を伝達する制御用電線(通信線、制御線、通信ケーブル、制御ケーブルともいう)が、制御ユニット20と接続されることにより、制御ユニット20との間で、蓄電素子400の電圧または温度等の情報が伝達される。また、制御ユニット20がコネクタ23と電気的に接続され、これにより、外部との間で当該情報が伝達される。
【0033】
第二補強部材300は、第一外装体110とで第二外装体120を挟む位置に配置され、第一外装体110及び第二外装体120の外周部分に沿って延設される部材である。つまり、第二補強部材300は、第一接続部111とで第二接続部121を挟む位置に配置され、X軸方向またはY軸方向(第三方向または第二方向)に延設される。本実施の形態では、4つの第二補強部材300が、第一外装体110及び第二外装体120の外周部分のほぼ全体に亘って配置される。言い換えると、第二補強部材300は、複数の固定部材130に亘って、延設されて配置される。第二補強部材300は、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鋼板等の金属部材、または、絶縁塗装等の絶縁処理が施された当該金属部材等の高剛性の部材で形成されている。このため、第二外装体120(第二接続部121)は、第一外装体110(第一接続部111)及び第二補強部材300の少なくとも一方(本実施の形態では、双方)よりも剛性が低い。
【0034】
固定部材130は、第一外装体110と第二外装体120とを接続(接合)する部材である。具体的には、第一接続部111及び第二接続部121に、複数の固定部材130が略等間隔で並んで配置され、第一接続部111及び第二接続部121が、第二補強部材300とともに接続(接合)される。本実施の形態では、固定部材130は、ボルトと、当該ボルトが螺合するナットとで形成されている。第一接続部111には貫通孔111aが形成され、第二接続部121及び第二補強部材300にも貫通孔(図示せず)が形成されており、これらの貫通孔に固定部材130のボルトが挿入されてナットと螺合される。これにより、固定部材130は、第一接続部111及び第二補強部材300で第二接続部121を挟んだ状態で、第二接続部121に向けて第二補強部材300を押圧して、第一接続部111及び第二接続部121を接続(固定)する。なお、第一外装体110と第二外装体120とを接続(接合)する手法は、他の手法でもよく、例えば、リベットによる接合、かしめ接合、クリップによる挟み込み、接着、溶接、ヒートシール、超音波溶着等であってもよい。
【0035】
[1.2 接続部材40及び第一補強部材200の説明]
接続部材40は、外装体100を貫通した状態で配置される部材である。具体的には、接続部材40は、第二外装体120の開口部122を貫通した状態で第二外装体120に着脱可能に取り付けられて、開口部122を塞ぐ。接続部材40は、蓄電装置1の長手方向(X軸方向)の他端部(X軸マイナス方向の端部)に配置される部材である。ここで、
図1及び
図2に示した接続部材40を、接続部材40aとも呼ぶ。接続部材40(40a)は、外部端子41と、カバー部材42とを有している。
【0036】
外部端子41は、蓄電装置1のモジュール端子(総端子)になり得る部材である。外部端子41は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属製の導電部材で形成されている。カバー部材42は、開口部122と対応する形状に形成されて、開口部122を閉塞する部材である。カバー部材42は、第二外装体120に使用可能ないずれかの樹脂材料等の絶縁部材等で形成されている。カバー部材42には、外部端子41がZ軸方向に貫通した状態でインサート成形等によって取り付けられている。つまり、カバー部材42が開口部122を閉塞した状態では、外部端子41のZ軸プラス方向の端部が第二外装体120の外方(Z軸プラス方向)に突出し、外部端子41のZ軸マイナス方向の端部が第二外装体120の内方(Z軸マイナス方向)に配置される。接続部材40の構成の詳細な説明については、後述する。
【0037】
第一補強部材200は、Z軸方向(第一方向)において蓄電素子400と並び、かつ、外装体100に沿って配置される板状の部材である。第一補強部材200は、外装体100の外面に取り付けられている。具体的には、第一補強部材200は、蓄電素子400及び第一外装体110のZ軸マイナス方向に、第一外装体110に沿ってX軸方向に延設されて配置される矩形状かつ波板状の部材である。そして、第一補強部材200は、第一外装体110のZ軸マイナス方向側の外面に当接し、かつ、当該外面に取り付けられる。第一補強部材200は、板状部材を波板状に折り曲げることで形成してもよいし、鋳造(ダイカスト)等で形成してもよい。本実施の形態では、第一補強部材200は、X軸方向両端部において、固定部材130によって、第二接続部121及び第二補強部材300とともに、第一接続部111に取り付けられる。
【0038】
[1.3 外装体100内の各構成要素の説明]
蓄電素子400は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子400は、扁平な直方体形状(角形)を有しており、本実施の形態では、8個の蓄電素子400が横置き(横倒し)にされた状態で(蓄電素子400の後述する長側面411aがZ軸方向に向いた状態で)、Z軸方向及びX軸方向に配列されている。具体的には、2つの第一蓄電素子401がZ軸方向に積層(平積み)され、2つの第二蓄電素子402がZ軸方向に積層(平積み)され、2つの第三蓄電素子403がZ軸方向に積層(平積み)され、2つの第四蓄電素子404がZ軸方向に積層(平積み)されている。そして、2つの第一蓄電素子401、2つの第二蓄電素子402、2つの第三蓄電素子403、及び、2つの第四蓄電素子404が、X軸マイナス方向からX軸プラス方向に向けて、X軸方向に並んで配列されている。
【0039】
なお、蓄電素子400の個数は特に限定されず、何個の蓄電素子400がZ軸方向に配置(積層)されていてもよいし、何個の蓄電素子400がX軸方向に配置(配列)されていてもよい。蓄電素子400の形状は、上記角形には限定されず、それ以外の多角柱形状、円柱形状、楕円柱形状、長円柱形状等であってもよい。蓄電素子400は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子400は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。蓄電素子400は、固体電解質を用いた電池であってもよい。蓄電素子400は、パウチタイプの蓄電素子であってもよい。蓄電素子400の構成の詳細な説明については、後述する。
【0040】
スペーサ500は、蓄電素子400に隣接して配置される矩形状かつ平板状のスペーサである。スペーサ500は、蓄電素子400の長側面411aに対向して、蓄電素子400のZ軸プラス方向またはZ軸マイナス方向に配置される。スペーサ500は、第二外装体120に使用可能ないずれかの樹脂材料等の絶縁部材、または、ダンマ材等の断熱性が高い部材等で形成されている。
【0041】
本実施の形態では、スペーサ500として、中間スペーサ510と、一対のエンドスペーサ520とが配置されている。中間スペーサ510は、2つの蓄電素子400の間に配置されるスペーサ500であり、エンドスペーサ520は、蓄電素子400と第一外装体110または拘束体600との間に配置されるスペーサ500である。つまり、中間スペーサ510及び一対のエンドスペーサ520が、蓄電素子400をZ軸方向で挟むように配置されて、蓄電素子400同士の間、及び、蓄電素子400と第一外装体110及び拘束体600との間を電気的に絶縁する。本実施の形態では、X軸方向に並んで第一蓄電素子401~第四蓄電素子404が配置されているため、第一蓄電素子401~第四蓄電素子404のそれぞれに対して、中間スペーサ510及び一対のエンドスペーサ520が配置されている。なお、スペーサ500に代えて、または、スペーサ500に加えて、蓄電素子400の側面に、絶縁シートが配置されていてもよい。
【0042】
Z軸プラス方向側に配置されるエンドスペーサ520のそれぞれには、Y軸マイナス方向の端部に、X軸方向に並ぶ2つの突起521が形成されている。突起521は、後述の拘束体600の第一拘束体610に形成された円形状の貫通孔611及び第二拘束体620に形成された円形状の貫通孔621に挿入される、Z軸プラス方向に突出した円柱状の突起である。これにより、スペーサ500(及び蓄電素子400)に対して拘束体600の位置決めを行うことができる。
【0043】
拘束体600は、第一外装体110とで、Z軸方向において第一蓄電素子401及び第二蓄電素子402等の複数の蓄電素子400を挟む部材である。具体的には、第一外装体110及び拘束体600は、互いに接合されて、複数の蓄電素子400を挟み込む。これにより、第一外装体110及び拘束体600は、Z軸方向において複数の蓄電素子400を拘束する(複数の蓄電素子400にZ軸方向における拘束力を付与する)。つまり、第一外装体110は、第一蓄電素子401~第四蓄電素子404を跨ぐようにX軸方向に延設されて配置されており、拘束体600は、第一蓄電素子401~第四蓄電素子404のそれぞれを第一外装体110とで個別に拘束する。拘束体600は、第一外装体110に使用可能な金属部材等で形成されている。
【0044】
拘束体600は、第一拘束体610と、第二拘束体620とを有している。第一拘束体610は、第二拘束体620のZ軸プラス方向に配置され、第一外装体110に接合される、X軸方向から見て逆U字状の板状部材である。第二拘束体620は、蓄電素子400及びスペーサ500(エンドスペーサ520)のZ軸プラス方向において、これらのZ軸プラス方向側の側面のほぼ全面を覆うように配置される板状部材である。なお、第一拘束体610及び第二拘束体620には、強度向上等のために、Y軸方向に延びる凸部(膨出部)が形成されているが、凸部(膨出部)の位置、形状及び個数は特に限定されず、また、凸部(膨出部)が形成されていない構成でもよい。さらに、第一拘束体610及び第二拘束体620は、一体に形成されていてもよいし、拘束体600は第二拘束体620を有していなくてもよい。
【0045】
第一蓄電素子401~第四蓄電素子404は互いに離間して配置されており、X軸方向に並ぶ拘束体600についても、互いに離間して配置されている。このため、例えば、第一蓄電素子401と第二蓄電素子402との間で熱が伝わるのを抑制することができるため、第一蓄電素子401及び第二蓄電素子402が互いに熱影響を及ぼすのを抑制することができる。第一蓄電素子401と第二蓄電素子402との間の隙間に断熱材を配置してもよく、これによって、第一蓄電素子401及び第二蓄電素子402が互いに熱影響を及ぼすのをさらに抑制することができる。
【0046】
バスバーフレーム700は、バスバー800と他の部材との電気的な絶縁、及び、バスバー800の位置規制を行うことができる扁平な矩形状の絶縁部材である。バスバーフレーム700は、例えば、第二外装体120に使用可能ないずれかの樹脂材料等で形成されている。バスバーフレーム700は、複数の蓄電素子400のY軸マイナス方向に配置され、複数の蓄電素子400に対して位置決めされることにより、バスバー800が、複数の蓄電素子400に対して位置決めされて、当該複数の蓄電素子400が有する電極端子に接合される。
【0047】
バスバー800は、複数の蓄電素子400のY軸マイナス方向に配置され、当該複数の蓄電素子400及び導電部材900に接続(接合)される平板状の部材である。バスバー800は、バスバー810、820及び830を有している。バスバー810は、隣り合う蓄電素子400が有する後述の電極端子420同士を接続する。バスバー820及び830は、蓄電素子400の電極端子420と導電部材900の後述する接続部912及び922とを接続して、蓄電素子400と、正極側及び負極側の外部端子21及び外部端子41または22とを電気的に接続する。
【0048】
本実施の形態では、バスバー800と蓄電素子400の電極端子420とは、溶接によって接続(接合)されるが、ボルト締結等によって接続(接合)されてもよい。バスバー800と導電部材900の接続部912及び922とは、ボルト締結によって接続(接合)されるが、溶接等によって接続(接合)されてもよい。バスバー800は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル等の金属製の導電部材若しくはそれらの組み合わせ、または、金属以外の導電性の部材で形成されている。本実施の形態では、バスバー800は、蓄電素子400を2個ずつ並列に接続して4セットの蓄電素子群を構成し、当該4セットの蓄電素子群を直列に接続するが、バスバー800は、8個の蓄電素子400を全て直列に接続してもよいし、その他の構成であってもよい。
【0049】
導電部材900は、バスバー800、接続部材40及び制御ユニット20に接続されて、蓄電素子400と、外部端子21及び外部端子41または22とを電気的に接続する導電性の部材である。つまり、導電部材900は、蓄電素子400の主電流経路上に配置される導電部材(電源線、電力線、主回路ケーブル、電源ケーブル、電力ケーブルともいう)である。蓄電素子400の主電流経路とは、蓄電素子400の主電流、つまり、蓄電素子400が有する後述の電極体460を流れる電流(充放電電流)の経路である。言い換えると、導電部材900は、蓄電素子400と外部端子40(41及び42)との間の経路上に配置されて、蓄電装置1を充放電する際の充放電電流が流れる部材である。導電部材900は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル等の金属製の導電部材若しくはそれらの組み合わせ、または、金属以外の導電性の部材で形成されている。
【0050】
導電部材900は、導電部材910、920及び930を有している。導電部材910は、接続部911及び912と、取付部913とを有している。導電部材920は、接続部921及び922を有している。導電部材930は、接続部931及び932と、取付部933とを有している。
【0051】
上述の通り、接続部912は、バスバー820に接続される部位であり、接続部922は、バスバー830に接続される部位である。取付部913及び933は、上述の通り、第一外装体110の取付台115に取り付けられる部位である。接続部921は、外部端子41、または、後述する接続部43に接続可能な部位であり、接続部932は、接続部43に接続可能な部位である(
図7参照)。
【0052】
本実施の形態では、導電部材910は、接続部911から取付部913に亘って板状部材が延設され、かつ、取付部913から接続部912に亘って電線が延設された構成を有している。導電部材920は、接続部921から接続部922に亘って電線が延設された構成を有している。導電部材930は、接続部931から取付部933に亘って板状部材が延設され、かつ、取付部933から接続部932に亘って電線が延設された構成を有している。
【0053】
[1.4 その他の構成要素の説明]
制御ユニット20は、蓄電ユニット10内の蓄電素子400を制御する制御機器(図示せず)を有する装置であり、具体的には、蓄電素子400を制御するBMS(Battery Management System)である。制御ユニット20内に配置される当該制御機器は、蓄電素子400の主電流経路に接続されて蓄電素子400を制御する機器であり、例えば、蓄電素子400の充放電を制御する回路基板、ヒューズ、リレー、FET(Field Effect Transistor)等の半導体スイッチ、シャント抵抗等である。制御ユニット20は、外装体100に収容されている。
【0054】
外装体100には、X軸プラス方向及びY軸マイナス方向の端部に外部端子21が配置され、X軸プラス方向及びY軸プラス方向の端部に外部端子22が配置されている。つまり、外部端子22は、蓄電装置1の長手方向(X軸方向)の一端部(X軸プラス方向の端部)に配置されている。外部端子21は、蓄電ユニット10の蓄電素子400と電気的に接続される、正極側及び負極側の一方のモジュール端子(総端子)である。外部端子22は、蓄電素子400と電気的に接続可能に構成される、正極側及び負極側の他方のモジュール端子(総端子)になり得る部材である。外部端子21及び22は、接続部911及び931と電気的に接続される。
【0055】
蓄電装置1は、外部端子21及び41、または、外部端子21及び22を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。例えば、外部端子21は、正極側の外部端子である正極外部端子であり、外部端子41または22は、負極側の外部端子である負極外部端子である。外部端子21及び22は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属製の導電部材で形成されている。
【0056】
[2 蓄電素子400の構成の説明]
次に、蓄電素子400の構成について、さらに詳細に説明する。なお、蓄電ユニット10が備える8個の蓄電素子400(2つの第一蓄電素子401、2つの第二蓄電素子402、2つの第三蓄電素子403、及び、2つの第四蓄電素子404)は、全て同様の構成を有するため、以下では、1つの蓄電素子400の構成についての説明を行う。
【0057】
図4は、本実施の形態に係る蓄電素子400を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。具体的には、
図4は、
図3に示した蓄電素子400を縦置きにした(立てた)状態で、各部を分解した図を示している。
【0058】
図4に示すように、蓄電素子400は、容器410と、一対(正極側及び負極側)の電極端子420と、一対(正極側及び負極側)のガスケット430と、を備えている。また、容器410の内方には、一対(正極側及び負極側)のガスケット440と、一対(正極側及び負極側)の集電体450と、電極体460とが収容されている。なお、容器410の内方には、電解液(非水電解質)が封入されているが、図示は省略している。当該電解液としては、蓄電素子400の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。上記の構成要素の他、電極体460の側方または下方等に配置されるスペーサ、電極体460等を包み込む絶縁フィルム、または、容器410の外面を覆う絶縁シート等が配置されていてもよい。
【0059】
容器410は、開口が形成された容器本体411と、容器本体411の当該開口を閉塞する容器蓋体412と、を有する直方体形状(角形または箱形)のケースである。このような構成により、容器410は、電極体460等を容器本体411の内部に収容後、容器本体411と容器蓋体412とが溶接等されることにより、内部を密封することができる構造となっている。容器本体411及び容器蓋体412の材質は特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能な金属であるのが好ましい。
【0060】
容器本体411は、容器410の本体を構成する矩形筒状で底を備える部材であり、Y軸マイナス方向側に開口が形成されている。つまり、容器本体411は、Z軸方向両側の側面に一対の矩形状かつ平面状の(平坦な)長側面411aを有し、X軸方向両側の側面に一対の矩形状かつ平面状の(平坦な)短側面411bを有し、Y軸プラス方向側に矩形状かつ平面状の(平坦な)底面411cを有している。容器蓋体412は、容器410の蓋体を構成する矩形状の板状部材であり、容器本体411のY軸マイナス方向側にX軸方向に延設されて配置されている。容器蓋体412には、容器410内方の圧力が上昇した場合に当該圧力を開放するガス排出弁412a、及び、容器410の内方に電解液を注液するための注液部(図示せず)等が設けられている。このように、容器410は、Y軸方向(第二方向)に並んで配置され、互いに接合される容器本体411及び容器蓋体412を有している。また、上述の通り、第一蓄電素子401~第四蓄電素子404は、容器蓋体412の長手方向であるX軸方向(第三方向)に並んで配置されている。
【0061】
電極体460は、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属からなる集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。負極板は、銅または銅合金等の金属からなる集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。正極活物質層及び負極活物質層に用いられる活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。本実施の形態では、電極体460は、極板(正極板及び負極板)がX軸方向に延びる巻回軸(X軸方向に平行な仮想軸)まわりに巻回されて形成された巻回型(いわゆる縦巻き型)の電極体である。
【0062】
ここで、電極体460の極板(正極板及び負極板)は、Z軸方向に積層されているため、Z軸方向を積層方向とも呼ぶ。つまり、電極体460は、極板が積層方向に積層されて形成されている。なお、電極体460は、極板が巻回されることで、Z軸方向に並ぶ一対の平坦部461と、Y軸方向に並ぶ一対の湾曲部462と、を有しているが、上記の積層方向は、平坦部461における極板の積層方向である。平坦部461は、一対の湾曲部462の端部同士を繋ぐ平坦な部位であり、湾曲部462は、Y軸方向に突出するように半円形状等に湾曲した部位である。平坦部461の平坦面の向く方向、または、一対の平坦部461の対向方向を、上記積層方向と定義することもできる。このため、複数の第一蓄電素子401は、当該積層方向に並んでいると言える。他の蓄電素子400についても同様である。第一蓄電素子401~第四蓄電素子404が配列されるX軸方向を、配列方向とも呼ぶ。つまり、第一蓄電素子401~第四蓄電素子404は、当該積層方向と交差する配列方向に配列されている。
【0063】
また、電極体460は、正極板と負極板とがX軸方向に互いにずらして巻回されているため、正極板及び負極板は、それぞれのずらされた方向の端部に、活物質が形成(塗工)されず基材層が露出した部分(活物質層非形成部)を有している。つまり、電極体460は、X軸方向の両端部に、平坦部461及び湾曲部462からX軸方向両側に突出し、かつ、正極板及び負極板の活物質層非形成部が積層されて集電体450と接続される端部463を有している。
【0064】
なお、電極体460は、Y軸方向に延びる巻回軸まわりに極板が巻回されて形成されたいわゆる横巻き型の電極体、複数の平板状の極板が積層されて形成された積層型(スタック型)の電極体、または、極板を蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体等、どのような形態の電極体でもよい。横巻き型の電極体の場合、湾曲部、及び、集電体との接続部(タブ)以外の平坦な部位が平坦部であり、積層型(スタック型)及び蛇腹型の電極体の場合、集電体との接続部(タブ)以外の平坦な部位が平坦部である。
【0065】
電極端子420は、蓄電素子400の端子(正極端子及び負極端子)であり、Y軸マイナス方向に突出するように容器蓋体412に配置されている。電極端子420は、集電体450を介して、電極体460の正極板及び負極板に電気的に接続されている。電極端子420は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属等の導電部材で形成されている。
【0066】
集電体450は、電極端子420と電極体460の端部463とに電気的に接続される導電性の部材(正極集電体及び負極集電体)である。集電体450は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金等で形成されている。ガスケット430及び440は、容器蓋体412と電極端子420及び集電体450との間に配置された、平板状の電気的絶縁性を有する封止部材である。ガスケット430及び440は、例えば、第二外装体120に使用可能ないずれかの電気的絶縁性の樹脂材料等で形成されている。
【0067】
[3 接続部材40及びその周囲の構成の説明]
次に、接続部材40及びその周囲の構成について、さらに詳細に説明する。
図5は、本実施の形態に係る接続部材40及びその周囲の構成を示す斜視図である。具体的には、
図5の(a)は、
図2に示した接続部材40a及び第二外装体120の開口部122周囲の構成を拡大して示し、
図5の(b)は、
図5の(a)の接続部材40aが有する外部端子41の構成を示している。
図5の(c)及び(d)は、
図5の(a)及び(b)をZ軸まわりに180°回転させた(反対側から見た)場合での構成を示している。
【0068】
図6は、本実施の形態に係る第一外装体110と導電部材900と接続部材40aの外部端子41との位置関係を示す斜視図である。具体的には、
図6は、
図3に示した第一外装体110及び導電部材910~930を分離させた状態でZ軸まわりに180°回転させ、かつ、
図5の(d)に示した外部端子41を加えた構成を示す斜視図である。
図7は、本実施の形態に係る第一外装体110の取付台117と導電部材920及び930と外部端子41(及び接続部43)との位置関係を示す斜視図である。具体的には、
図7の(a)は、
図6に示した取付台117と導電部材920及び930と外部端子41とを拡大して示し、
図7の(b)は、
図8に示す接続部材40bが有する接続部43の構成を示している。
【0069】
図8は、本実施の形態に係る蓄電装置1が接続部材40bを備える場合の構成を示す斜視図である。具体的には、
図8の(a)は、
図1に示した蓄電装置1において、接続部材40aを接続部材40bに変更した場合の構成を示し、
図8の(b)は、接続部材40bの構成を示している。
【0070】
なお、以下では、接続部材40aが有する外部端子41を第一外部端子41とも呼び、カバー部材42を第一カバー部材42とも呼ぶ。外部端子22を第二外部端子22とも呼ぶ。導電部材920を第一導電部材920とも呼び、導電部材930を第二導電部材930とも呼ぶ。接続部921を第一導電部材接続部921とも呼び、接続部932を第二導電部材接続部932とも呼ぶ。
【0071】
図5に示すように、接続部材40aの第一外部端子41は、第一外部端子本体41aと、第一外部端子接続部41bとを有している。第一外部端子本体41aは、第一外部端子41の本体を構成する部位であり、外部の導電部材(図示せず)に接続される。第一外部端子本体41aは、XY平面に平行な平板状の部位の中央部から、円柱状の部位がZ軸プラス方向に突出した形状を有している。第一外部端子接続部41bは、第一外部端子本体41aのY軸マイナス方向の端部(端縁)からZ軸マイナス方向に延設される、XZ平面に平行な平板状の部位である。第一外部端子接続部41bは、
図6等に示すように、取付台117に取り付けられることにより、第一導電部材920に電気的に接続される。
【0072】
接続部材40aの第一カバー部材42は、X軸マイナス方向及びY軸プラス方向の角部がZ軸マイナス方向に凹んだ形状を有しており、この凹んだ部分に、第一外部端子41の第一外部端子本体41aが配置されている。また、第一カバー部材42は、X軸マイナス方向の端部及びY軸プラス方向の端部に、Z軸マイナス方向に突出する2つの第一カバー部材取付部42aを有している。第一カバー部材取付部42aは、第二外装体120の開口部122の内方に設けられた第二外装体取付部122aに取り付けられる部位である。
【0073】
第一カバー部材取付部42aが第二外装体取付部122aに取り付けられることにより、第一カバー部材42が、第二外装体120に取り付けられて、第二外装体120の開口部122を閉塞する。このように、第一カバー部材42は、第二外装体120の一部(外装体100の一部)を構成しているとも言える。また、第一カバー部材42が第二外装体120に取り付けられると、第一外部端子41の第一外部端子接続部41bが、取付台117に取り付けられて、第一導電部材920に電気的に接続される。
【0074】
具体的には、
図7の(a)に示すように、第一導電部材920の第一導電部材接続部921は、取付台117の第一取付部117aに設けられたボルト部及びナットによって、第一取付部117aに取り付けられている。そして、第一外部端子接続部41bは、取付台117の第二取付部117bに設けられた隙間に挿入されることにより、第二取付部117bに取り付けられる。本実施の形態では、第一取付部117a及び第二取付部117bは、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属製の導電部材で形成され、かつ、一体に形成されている。これにより、第一外部端子接続部41bは、第一導電部材接続部921と電気的に接続される。なお、第一導電部材接続部921は、第一取付部117aに、溶接等によって取り付けられてもよいし、第一外部端子接続部41bの第二取付部117bへの取り付け手法も特に限定されない。
【0075】
また、第二導電部材930の第二導電部材接続部932は、取付台117の第三取付部117cに設けられたボルト部及びナットによって、第三取付部117cに取り付けられている。なお、第二導電部材接続部932は、第三取付部117cに、溶接等によって取り付けられてもよい。さらに、取付台117には、第二取付部117bをZ軸まわりに90°回転させたような形状の第四取付部117dが設けられている。第三取付部117c及び第四取付部117dは、第一取付部117a及び第二取付部117bと同様に、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属製の導電部材で形成され、かつ、一体に形成されている。
【0076】
なお、取付台117は、第一取付部117a、第二取付部117b、第三取付部117c及び第四取付部117d以外の部位は、樹脂等の絶縁部材で形成されている。このため、第一取付部117a及び第二取付部117bと、第三取付部117c及び第四取付部117dとは、絶縁されている。したがって、第一外部端子接続部41bが第二取付部117bに取り付けられた状態(第一カバー部材42が第二外装体120に取り付けられた状態)では、第一外部端子接続部41bは、第二導電部材接続部932とは電気的に接続されていない。つまり、外部端子41が取付台117に取り付けられた状態では、第一導電部材920と第二導電部材930とは導通しない。
【0077】
これに対し、
図7の(b)に示すように、取付台117に、外部端子41に代えて接続部43が取り付けられた場合、第一導電部材920と第二導電部材930とが導通する。接続部43は、外部端子41と同様に、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属製の導電部材で形成され、かつ、1枚の板状部材が折り曲げられたような形状を有している。
【0078】
具体的には、接続部43は、第一導電側接続部43aと、第二導電側接続部43bとを有している。第一導電側接続部43aは、第一外部端子接続部41bと同様に、Z軸方向に延設されるXZ平面に平行な平板状の部位であり、取付台117の第二取付部117bに設けられた隙間に挿入されることにより、第二取付部117bに取り付けられる。第二導電側接続部43bは、第一導電側接続部43aのX軸プラス方向の端部(端縁)からY軸プラス方向に突出し、かつ、Z軸方向に延設されるYZ平面に平行な平板状の部位である。第二導電側接続部43bは、取付台117の第四取付部117dに設けられた隙間に挿入されることにより、第四取付部117dに取り付けられる。
【0079】
これにより、接続部43は、第二取付部117b及び第四取付部117dを電気的に接続し、第一導電部材920と第二導電部材930とを導通させる。つまり、接続部43は、第一導電部材920と第二導電部材930とを電気的に接続するアダプタである。なお、第一導電側接続部43aの第二取付部117bへの取り付け手法、及び、第二導電側接続部43bの第四取付部117dへの取り付け手法は、特に限定されない。
【0080】
ここで、
図8に示すように、接続部43は、接続部材40bに設けられる部材である。つまり、接続部材40bは、接続部43と、第二カバー部材44とを有している。第二カバー部材44は、接続部材40aの第一カバー部材42と同様に、第二外装体120の開口部122と対応する形状に形成されて開口部122を閉塞する部材であり、第一カバー部材42と同様の絶縁部材等で形成されている。第二カバー部材44には、第一カバー部材42と同様に、第二外装体取付部122aに取り付けられる取付部(図示せず)が設けられている。第二カバー部材44には、接続部43がインサート成形等によって取り付けられており、第二カバー部材44が開口部122を閉塞した状態では、接続部43は第二外装体120の内方に配置される。つまり、第二カバー部材44が第二外装体120に取り付けられると、接続部43が、第一導電部材920と第二導電部材930とを導通させる。
【0081】
以上のように、接続部材40aが第二外装体120に取り付けられた場合には、第一外部端子41が、第二導電部材930には接続されることなく第一導電部材920に接続される。接続部材40bが第二外装体120に取り付けられた場合には、接続部43が、第一導電部材920と第二導電部材930とを電気的に接続させる。
【0082】
言い換えると、接続部材40は、第一導電部材920に接続され第二導電部材930には接続されない第一外部端子41、及び、第一導電部材920と第二導電部材930とを電気的に接続させる接続部43のいずれか一方を有している。つまり、第一導電部材920は、第一外部端子41と接続可能に構成され、第二導電部材930は、第一導電部材920に電気的に接続可能、かつ、第一外部端子41と同極性の第二外部端子22と接続可能に構成されている。
【0083】
[4 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1は、第一外部端子41と接続可能な第一導電部材920と、第一導電部材920及び第二外部端子22と接続可能な第二導電部材930と、を備えている。さらに、蓄電装置1は、第一外部端子41、及び、第一導電部材920と第二導電部材930とを接続させる接続部43のいずれか一方を有する接続部材40を備えている。第二外部端子22は、蓄電装置1の長手方向の一端部(X軸プラス方向の端部)に配置され、接続部材40は、蓄電装置1の長手方向の他端部(X軸マイナス方向の端部)に配置される。これにより、接続部材40が第一外部端子41を有する(蓄電装置1が接続部材40aを備える)場合には、第一導電部材920に第一外部端子41が接続されるため、第一導電部材920に接続された第一外部端子41が蓄電装置1の外部端子となる。接続部材40が接続部43を有する(蓄電装置1が接続部材40bを備える)場合には、第一導電部材920と、第二外部端子22が接続された第二導電部材930とが接続されるため、第二導電部材930に接続された第二外部端子22が蓄電装置1の外部端子となる。つまり、接続部材40が第一外部端子41を有する場合には、第一導電部材920との接続位置(蓄電装置1の長手方向の他端部)に、外部端子としての第一外部端子41が配置されることとなる。接続部材40が接続部43を有する場合には、第二導電部材930との接続位置(蓄電装置1の長手方向の一端部)に、外部端子としての第二外部端子22が配置されることとなる。このように、外部端子を第一外部端子41または第二外部端子22に変更することができるため、外部端子の位置を変更する(蓄電装置1の長手方向の一端部と他端部とで切り替え可能とする)ことができる。
【0084】
また、接続部材40が、外装体100を貫通した状態で配置されることにより、外装体100の外方から接続部材40を着脱することができる。これにより、外装体100の外方から、第一外部端子41を着脱したり接続部43を着脱したりすることで、外部端子を第一外部端子41または第二外部端子22に容易に変更することができるため、外部端子の位置を容易に変更することができる。
【0085】
また、蓄電装置1が接続部材40bを備える場合、接続部材40bが接続部43を有し、第二導電部材930に第二外部端子22が接続されることにより、外部端子として、第一外部端子41ではなく第二外部端子22が用いられる。つまり、外部端子の位置が、第一導電部材920に接続される位置(接続部材40の位置)ではなく、第二導電部材930に接続される位置(蓄電装置1の長手方向の一端部)に変更される。このように、外部端子の位置を容易に変更することができる。
【0086】
また、第二外部端子22が第二導電部材930に対して着脱可能に構成されているため、第二外部端子22の形状を容易に変更したり、第二外部端子22のメンテナンスまたは交換等を容易に行うことができる。
【0087】
[5 変形例の説明]
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0088】
例えば、上記実施の形態では、外装体100は、第二外装体120が、Z軸マイナス方向側に開口が形成された有底矩形筒状の部材であり、第一外装体110が、第二外装体120の当該開口を塞ぐ扁平な矩形状の部材であることとした。しかし、第一外装体110が、Z軸プラス方向側に開口が形成された有底矩形筒状の部材であり、第二外装体120が、第一外装体110の当該開口を塞ぐ扁平な矩形状の蓋であってもよいし、その他どのような形状であってもよい。
【0089】
上記実施の形態では、第一外装体110は、蓄電素子400のZ軸マイナス方向に配置され、拘束体600は、蓄電素子400のZ軸プラス方向に配置されて、互いに接合されることとした。しかし、第一外装体110が、蓄電素子400のZ軸プラス方向に配置され、拘束体600が、蓄電素子400のZ軸マイナス方向に配置されて、互いに接合されることにしてもよい。つまり、蓄電装置1において、上下が逆になったような構成を有していてもよい。
【0090】
上記実施の形態では、第一外装体110は、拘束体600が取り付けられて蓄電素子400を拘束することとした。しかし、第一外装体110には、拘束体600は取り付けられず、拘束体600は、他の部材に取り付けられて蓄電素子400を拘束することにしてもよい。
【0091】
上記実施の形態では、接続部材40は、外装体100に着脱可能に取り付けられることとした。しかし、接続部材40は、外装体100に着脱不能(取り外し不能)に固定されていてもよい。
【0092】
上記実施の形態では、接続部材40は、外装体100の第二外装体120を貫通した状態で配置されることとした。しかし、接続部材40は、第一外装体110を貫通した状態で配置されてもよいし、外装体100を貫通することなく、外装体100の内方に配置されてもよい。または、蓄電装置1は、外装体100を備えることなく、接続部材40を備えていてもよい。
【0093】
上記実施の形態において、蓄電ユニット10に外部端子21または22を設ける代わりに、外部端子21または22の電位(例えば負極電位)を外装体100(例えば第一外装体110)に落とすことにしてもよい。外部端子22(第二外部端子22)を設けずに電位を外装体100(例えば第一外装体110)に落とす場合には、外装体100(例えば第一外装体110)を第二外部端子と定義できる。
【0094】
上記実施の形態では、接続部材40bの接続部43は、第一導電部材920と第二導電部材930とを導通させる導電部材(アダプタ)であることとした。しかし、第一導電部材920と第二導電部材930とが直接接触可能な構成を有しており、接続部43は、例えば第二導電部材930を第一導電部材920に押し付けて、第一導電部材920と第二導電部材930とを直接接触させるような部材でもよい。
【0095】
上記実施の形態では、蓄電装置1が備える一方の極性の外部端子の位置を変更可能に構成されていることとしたが、蓄電装置1が備える双方の極性の外部端子の位置を変更可能に構成されていることにしてもよい。
【0096】
蓄電装置1は、上述した全ての構成要素を備えている必要はない。例えば、蓄電装置1は、第一補強部材200、第二補強部材300、スペーサ500、または、拘束体600等を備えていなくてもよい。
【0097】
上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0098】
本発明は、蓄電装置1として実現することができるだけでなく、第一導電部材920と第二導電部材930と接続部材40との組み合わせとしても実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。
【符号の説明】
【0100】
1 蓄電装置
10 蓄電ユニット
20 制御ユニット
21 外部端子
22 外部端子(第二外部端子)
43、911、912、922、931 接続部
800、810、820、830 バスバー
40、40a、40b 接続部材
41 外部端子(第一外部端子)
41a 第一外部端子本体
41b 第一外部端子接続部
42 カバー部材(第一カバー部材)
42a 第一カバー部材取付部
43a 第一導電側接続部
43b 第二導電側接続部
44 第二カバー部材
100 外装体
110 第一外装体
113、114、115、117 取付台
117a 第一取付部
117b 第二取付部
117c 第三取付部
117d 第四取付部
120 第二外装体
122 開口部
122a 第二外装体取付部
130 固定部材
200 第一補強部材
300 第二補強部材
400 蓄電素子
410 容器
420 電極端子
500 スペーサ
600 拘束体
900、910 導電部材
913、933 取付部
920 導電部材(第一導電部材)
921 接続部(第一導電部材接続部)
930 導電部材(第二導電部材)
932 接続部(第二導電部材接続部)