(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186539
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】頭付棒材分離装置
(51)【国際特許分類】
B23P 19/06 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
B23P19/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094816
(22)【出願日】2021-06-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1) 1)販売日;令和3年6月2日 2)販売場所;株式会社藤商事 名古屋事業所(愛知県一宮市) 3)公開者;株式会社 セザキ 4)販売した物の内容 頭付棒材分離装置を販売 (2) 1)販売日;令和3年6月1日 2)販売場所;九州市光工業株式会社(大分県中津市) 3)公開者;株式会社 セザキ 4)販売した物の内容;頭付棒材分離装置を販売 (3) 1)販売日;令和3年4月30日 2)販売場所;有限会社中央産業(愛知県弥富市楠1-36) 3)公開者;株式会社 セザキ 4)販売した物の内容;頭付棒材分離装置を販売 (4) 1)販売日;令和3年3月17日 2)販売場所;市光工業株式会社 伊勢原製造所(神奈川県伊勢原市) 3)公開者;株式会社 セザキ 4)販売した物の内容 頭付棒材分離装置を販売 (5) 1)販売日;令和3年3月17日 2)販売場所;パナソニック株式会社 アプライアンス社(滋賀県草津市) 3)公開者;株式会社 セザキ 4)販売した物の内容 頭付棒材分離装置を販売 (6) 1)販売日;令和3年1月25日 2)販売場所;市光工業株式会社 厚木製造所(神奈川県厚木市) 3)公開者;株式会社 セザキ 4)販売した物の内容;頭付棒材分離装置を販売 (7) 1)販売日;令和2年12月14日 2)販売場所;恵那東海理化株式会社(岐阜県恵那市) 3)公開者;株式会社 セザキ 4)販売した物の内容;頭付棒材分離装置を販売
(71)【出願人】
【識別番号】593045019
【氏名又は名称】株式会社セザキ
(74)【代理人】
【識別番号】100096437
【弁理士】
【氏名又は名称】笹原 敏司
(72)【発明者】
【氏名】荒金 博
(72)【発明者】
【氏名】荒金 将
(57)【要約】
【課題】シュートレール12dに水平方向に振動を与え、ネジ等の頭付棒材30を分離装置20側に送るが、振動のために、シュートレールの先端のネジ30と分離するネジ30が絡み合って、かみ込みトラブルが発生する。
【解決手段】スライダ22にはジュートレール12dから受け渡されるネジ等の頭部30aを吊るす係止孔22cを備えている。スライダ22には係止孔から後方部にかけて、ネジの軸部が非接触で自由な状態で吊るされるよう空間部22eが形成されている。スライダ22には、ネジ等を送給孔24A側に打ち出して落とし込むためのハンマー部材25を備えている。ハンマー部材は、ネジ等の頭部を送給孔側に打ち出すハンマー25aと、送給孔の半分を構成する送給孔半部材25bとから構成され、ハンマーがネジ等を送給孔側に打ち出すと、半円筒形の送給孔半部材と半送給孔とが合体して円筒形の送給孔を構成し、その送給孔にネジ等が落とし込まれる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体のベースとなる基台と、頭付棒材をパーツフィーダのジュートレールから分離して次工程に送るために前記基台の長手方向を往復移動するスライダと、前記基台上のスライダを往復移動させるアクチュエータと、前記分離されて送給孔に落とし込まれた頭付棒材をエアーで次工程に圧送するエアーノズルと、を備えた頭付棒材分離装置であって、
前記スライダは、ジュートレールから受け渡される頭付棒材の頭部を自由な状態で吊るす係止孔を一側部に備え、
前記スライダの前記係止孔周縁部から後方部近傍にかけて、前記自由な状態で係止孔に吊るされた頭付棒材の軸部にシュートレールの次の頭付棒材の軸部が接触しても絡み合うことがないように空間部が形成され、
さらに、前記スライダには、係止孔に吊るされた頭付棒材を前記送給孔側に打ち出して落とし込むハンマーを備えた、
ことを特徴とする頭付棒材分離装置。
【請求項2】
前記スライダの空間部は、シュートレールの先端が対向する前記スライダの一側部分が凹状に切り欠かれ、前記凹状に切欠かれた部分の上部を跨ぐように、頭付棒材の頭部を自由な状態で吊るす係止孔が形成されたスライド受板が架け渡されて、前記係止孔に吊るされた頭付棒材の軸部が前記凹状に切欠かれた空間部により、次の頭付棒材の軸部が接触しても絡み合うことがないように作用している、ことを特徴とする請求項1に記載の頭付棒材分離装置。
【請求項3】
前記送給孔は二分割され、二分割された送給孔の一方は前記ハンマーと一体の送給孔半部材であって、前記ハンマーと送給孔半部材とが一体となったハンマー部材がスライダの幅方向の一側方向にスライドすると、前記ハンマーが、係止孔に吊るされた頭付棒材の頭部を一側方向に打ち出すと共に、前記送給孔半部材は、エアーノズルに設けられた他方の半分割の半送給孔と合体して完全な送給孔を構成し、この送給孔にハンマーで打ち出された頭付棒材が落下して次工程に送られる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の頭付棒材分離装置。
【請求項4】
装置本体のベースとなる基台は肉厚のL字形をしており、前記L字形の基台上に直方体形状のスライダが長手方向にスライド可能に載置され、
前記スライダの中央部の幅方向に段部が切欠き形成され、ハンマー部材の送給孔半部材が、前記段部にスライド可能に嵌め込まれ、
基台の他側上部に取付けられたガイドレールプレートにより、前記スライダと送給孔半部材を上部からスライド可能に押えて保持し、
前記ガイドレールプレートに穿設され、ハンマー部材を幅方向に導くためのガイド孔にガイドピンの軸部が嵌り込み、前記ガイドピンの下部がハンマー部材の送給孔半部材に挿着されると共に、ガイドピンの頭部が、前記ガイドレールプレート上に位置するハンマーに固定され、
前記スライダがアクチュエータにより先端側にスライドすると、ガイドピンが前記ガイド孔に従って導かれ、前記ハンマー部材のハンマーと送給孔半部材をスライダの一側方向に打ち出す、
ことを特徴とする請求項3に記載の頭付棒材分離装置。
【請求項5】
ハンマー部材のハンマーがアクチュエータによりスライダの一側方向に打ち出されると、スライド受板の表面より下方に突出したハンマー先端の突起が、係止孔方向に刻設されたスライド受板上の当て溝内を移動し、係止孔に吊るされた頭付棒材の頭部下側端を一側方向に打ち出して、頭付棒材を直立状態で送給孔に落とし込む、
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の頭付棒材分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネジ、ビス、ボルト、リベット等の頭付棒材をパーツフィーダのシュートレールから分離してネジ締め装置等に供給する頭付棒材分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図12は、特許文献1に係る締結部品搬送装置の使用状態図であって、同図(A)は要部の平面図、同図(B)は同図(A)におけるVII-VII 線断面図である。特許文献1は、パーツフィーダのシュートレールによって供給される頭部2aを有するネジ2およびリベット等の締結部品を一つずつ直立させた状態で所定の位置まで搬送する締結部品搬送装置に関するものである。
【0003】
特許文献1の締結部品搬送装置は、ネジ2等を送り出すときにネジ2等の倒れ込みを防止し、直立状態を保持することによってネジ2等が部品供給通路7内で詰まることがない締結部品搬送装置を提供することを目的とする。
【0004】
特許文献1の締結部品搬送装置は、パーツフィーダのシュートレールから締結部品としてのネジ2が1個ずつ供給される保持部材3と、この保持部材3を矢印A-B方向に移動させる第1のエアーシリンダ(図示せず)と、この第1のエアーシリンダによって移動した保持部材3からネジ2を送り出す送り出し部材5と、この送り出し部材5を矢印C-D方向に移動させる第2のエアーシリンダ(図示せず)と、送り出されたネジ2を自重によって落下させる部品供給通路としての貫通孔7を有する基台(図示せず)とによって概ね構成されている。
【0005】
前記締結部品搬送装置の送り出し部材5は、略直方体状に形成されており、矢印C方向に開口した凹部5aが設けられている。この凹部5aは平面視半円状に形成されており、径がネジ2の頭部2aの径よりもわずかに大きい径に形成され、内周面5bがネジ2の頭部2aに押し当てられる頭部押し当て部を形成している。また、この凹部5aの高さはネジ2の頭部2aの高さhよりもわずかに大きく形成されており、この凹部5aにネジ2の頭部2aが嵌入されたとき、頭部2aの上面が凹部5aの上面5cに対向し、この上面5cが対向部を形成している。
【0006】
4は、送り出し部材5に取り付けられた押し当て片であって、凹部5aの中央部に対応するように送り出し部材5の下端から突設している。この押し当て片4の幅は保持部材3の保持溝3aの幅よりもわずかに小さく形成されており、ネジ2の軸部2Bに押し当てられる軸部押し当て部4aが設けられている。この軸部押し当て部4aの上部には、保持部材3の保持溝3aに保持されたネジ2の頭部2aがこの軸部押し当て部4aに対向しないように切欠き4bが設けられており、この切欠き4bの底部4cは下方に傾斜する傾斜面が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1の締結部品搬送装置は、ネジ2等が部品供給通路の貫通孔7内で詰まることがないよう、ネジ2等を送り出すときにネジ2等の倒れ込みを防止し、直立状態を保持するため、ネジ2の軸部2Bに押し当てられる軸部押し当て部4aが設けられている。しかし、前記軸部押し当て部4aが設けられていることにより、パーツフィーダのシュートレール8からネジ2が受け渡される際にネジ2同士が絡まるトラブルが起こるおそれがある。
図13は、そのような状態を例示的に示したもので、シュートレール8からネジ2が締結部品搬送装置の送り出し部材5側へ受け渡される状態を示している。
【0009】
シュートレール8は水平方向に振動が与えられて、送り出し部材5側へネジ2を送るが、ネジ2は垂直に直立状態で吊るされた姿勢で送られるとは限らず、
図13に示すように、ネジ2が傾いた状態で送られる場合がある。特に、シュートレール8の振動とネジ2の振動が共振した時に大きく傾き、シュートレール8の先端のネジ2Xと、送り出し部材5の凹部5aに嵌り込んだネジ2Yとが絡み合う可能性がある。ネジ2Xとネジ2Yが絡み合った瞬間に送り出し部材5が矢印A方向にスライドした場合、かみ込みトラブルが発生する可能性がある。その場合でも、ネジ2Yがネジ2Xから退避できれば、このようなかみ込みトラブルが回避できるが、軸部押し当て部4aがそれを邪魔するため、このようなトラブルが起こる可能性がある。
【0010】
また、特許文献1の締結部品搬送装置は、送り出し部材5の頭部押し当て部5bと軸部押し当て部4aとによって、ネジ2の頭部2aと軸部2Bとのそれぞれの外周面を同時に押し当てながら、ネジ2を保持部材3から部品供給部へ送り出すようにしているため、ネジ2を送り出すときにネジ2の倒れ込みが防止され直立状態が保持されるからネジ2が部品供給通路7内で詰まるようなことがないとする(「発明効果」の欄)。しかし、ネジ2は貫通孔7に押し出された時点で自重により落下を開始するので、ネジ2の頭部2aは内周面5bから外れ、ネジ2の軸部2bだけが軸部押し当て部4aによって押し出される可能性がある。このため、ネジ2が貫通孔7の上部で倒れ込んで直立状態が保持できない場合もありうるので、ネジ2の頭部2aが貫通孔7の上縁に引っ掛かり、ネジ2が詰まるおそれがある。
【0011】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、頭付棒材同士の絡み合いによるかみ込みトラブルが発生せず、頭付棒材が送給孔の縁部に引っかかることがない頭付棒材分離装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の頭付棒材分離装置は、装置本体のベースとなる基台と、頭付棒材をパーツフィーダのジュートレールから分離して次工程に送るために前記基台の長手方向を往復移動するスライダと、前記基台上のスライダを往復移動させるアクチュエータと、前記分離されて送給孔に落とし込まれた頭付棒材をエアーで次工程に圧送するエアーノズルと、を備えた頭付棒材分離装置であって、前記スライダは、ジュートレールから受け渡される頭付棒材の頭部を自由な状態で吊るす係止孔を一側部に備え、前記スライダの前記係止孔周縁部から後方部近傍にかけて、前記自由な状態で係止孔に吊るされた頭付棒材の軸部にシュートレールの次の頭付棒材の軸部が接触しても絡み合うことがないように空間部が形成され、さらに、前記スライダには、係止孔に吊るされた頭付棒材を前記送給孔側に打ち出して落とし込むハンマーを備えた、ことを特徴とする。
前記空間部により、自由な状態で係止孔に吊るされた頭付棒材の軸部が非接触で吊るされて、シュートレールに吊るされた次の頭付棒材の軸部が接触しても絡み合うことがない。
さらに、本発明の頭付棒材分離装置は、前記送給孔は二分割され、二分割された送給孔の一方は前記ハンマーと一体の送給孔半部材であって、前記ハンマーと送給孔半部材とが一体となったハンマー部材がスライダの幅方向の一側方向にスライドすると、前記ハンマーが、係止孔に吊るされた頭付棒材の頭部を一側方向に打ち出すと共に、前記送給孔半部材は、エアーノズルに設けられた他方の半分割の半送給孔と合体して完全な送給孔を構成し、この送給孔にハンマーで打ち出された頭付棒材が落下して次工程に送られる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、前記構成により、頭付棒材をシュートレールから分離する際に、頭付棒材同士の絡み合いによるかかみ込みトラブルが発生せず、頭付棒材を次工程に送る際に、頭付棒材が送給孔の縁部に引っかかることがない頭付棒材分離装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図7】本発明の頭付棒材分離装置の使用状態の平面図とA-A断面図
【
図8】本発明の頭付棒材分離装置の使用状態の平面図とB-B断面図
【
図9】本発明の頭付棒材分離装置の使用状態の平面図とC-C断面図
【
図11】本発明の頭付棒材の分離効果を説明する解説図
【
図12】特許文献1の締結部品搬送装置の平面図とVII―VII線断面図
【
図13】特許文献1の締結部品搬送装置の課題を解説する解説図
【発明を実施するための形態】
【0015】
(頭付棒材供給ユニット)
図1は、本発明の頭付棒材分離装置を備え付けた頭付棒材供給ユニットの全体斜視図である。この頭付棒材供給ユニット10は、脚部11aを備えた逆U字形のテーブル11に、パーツフィーダ12と本発明の頭付棒材分離装置20が備え付けられている。前記パーツフィーダ12は、頭付棒材を攪拌するドラム12aと、ドラム12aに頭付棒材を投入するホッパー12bと、振動機構12cの振動で頭付棒材を頭付棒材分離装置20側に送るシュートレール12dと、を備えている。12eは、振動機構12cやシュートレール12dを覆う安全カバーである。
【0016】
前記ドラム12aは、テーブル11の一端部に取付けられた縦板に軸支された一対の棒ローラ12fに回転可能に支持されている。前記棒ローラ12fの後端は、タイミングベルト12gを介してDCモータ12hと連結しており、DCモータ12hの回転力がベルト12gを介してローラに伝達され、前記棒ローラ12f上に支持されているドラム12aが回転する。前記ドラム12a上部に、取付プレートに支持されたホッパー12bが配置されており、このホッパー12bからネジ、ビス、ボルト、リベット等の頭付棒材がドラム12a内に投入される。
【0017】
シュートレール12dは、テーブル11上の振動機構12cに取付けられ、テーブル11の一側上部に配置されている。前記シュートレール12dの一端部は、ドラム12aの開口部内に挿入されており、他端部は本発明の頭付棒材分離装置20に接合している。ドラム12aがDCモータ12hにより回転すると、ドラム12a内の多数の頭付棒材が攪拌され、頭付棒材の頭部がシュートレール一12dの端部に係止して吊り下げられる。シュートレール12dに吊り下げられた頭付棒材は振動機構12cの振動によりシュートレール12dの他端側に送られ本発明の頭付棒材分離装置20に供給される。
【0018】
(頭付棒材分離装置)
次に、本発明の頭付棒材分離装置20について説明する。
図2は頭付棒材分離装置の斜視図、
図3は正面図、
図4は平面図、
図5は右側面図である。以下において、この頭付棒材分離装置20を説明するに際し、基台21上のスライダ22が往復移動する方向を「長手方向」とし、この長手方向に対して交差する方向を幅方向とする。また、アクチュエータ23であるエアーシリンダ23が取付けられている端部を「後端」「後端部」「後端側」とし、エアーシリンダ23が取付けられていない端部を「先端」「先端部」「先端側」として説明する。また、基台21の幅方向の一側で頭付棒材30がシュートレール12dから供給される側を「一側」「一側部」「一側方」とし、反対側を「他側」「他側部」「他側方」として説明する。
【0019】
本発明の頭付棒材分離装置20の基本的な構造は、装置本体のベースとなる基台21と、頭付棒材30をジュートレール12dから分離して次工程に送るために前記基台21上で長手方向に往復移動するスライダ22と、前記基台21上のスライダ22を往復移動させるアクチュエータ23と、前記分離された頭付棒材30を落とし込む送給孔24Aを有し、この送給孔24Aに落とし込まれた頭付棒材30をエアーで次工程に圧送するエアーノズル24と、を備えている。
【0020】
前記装置本体のベースとなる基台21は、側面視、肉厚のL字形をした鋼材で、長方形状の底部21aと、この底部21aの他側部に底部21aの約2倍の厚みの垂直な側部21bとから構成されている。
図7のA-A断面図に示すように、底部21aの他側部には浅いガイド溝21cが形成され、このガイド溝21cに後述するスライダ22の底面の嵌合部22aが嵌り込み、スライダ22が長手方向にスライド可能に載置され、幅方向にはスライドできないよう構成されている。
【0021】
基台21の後端部には、取付板21dが取付られており、この取付板21dの一側部にアクチュエータ23の一例であるエアーシリンダ23が取付けられている。このエアーシリンダ23のピストンロッド23aが前記取付板21dから先端側に突き出て前記スライダ22の後端と接合し、このピストンロッド23aの伸縮によりスライダ22が基台21上を長手方向に往復移動する。なお、アクチュエータ23はエアーシリンダ23に限定されるものではなく、リニアスライダやモータによる駆動機構等であってもよい。なお、この取付板21dには、スライダ22の後端側への移動を規制するストッパ21eが取付けられている。
【0022】
前記基台21の先端部の一側に、頭付棒材30をエアーで次工程に圧送するエアーノズル24が備え付けられている。このエアーノズル24の本体部24bは台形柱状をしており、この本体部24bの他側に、分離された頭付棒材30を落とし込む送給孔24Aを縦に半分割した半送給孔24aが形成されている。即ち、送給孔24Aは二分割され、本体部24bに形成された半送給孔24aは、他側方に開口する半円筒形状をしており、半円筒状の欠損部に後述する送給孔半部材25bが合体して完全な送給孔24Aとなる(
図9、C-C線断面図参照)。前記送給孔24Aの下部には、頭付棒材30を次工程に圧送する圧送ホース24cが取付けられ、この圧送ホース24cの外周に金属通過センサー24dを設けている(
図1参照)。
【0023】
前記本体部24bの上部には、頭用カベ部24eが六角穴付ボルトにより取付けられている。頭用カベ部24eには、前記半送給孔24aの上端と重なり、他側方に開口した平面視、略U字状の凹部24fが形成されている。前記凹部24fは、ハンマー部材25のハンマー25aで頭付棒材30が送給孔24A側に打ち込まれる際、凹部24fの内壁に頭付棒材30の頭部30aが当接して頭付棒材30の姿勢が垂直に保持される(
図9参照)。なお、
図4に示すように、凹部24fは完全なU字形をしておらず、後方側が少し斜めに傾斜しており、その後方側の先端は僅かに短く形成されている。前記のように凹部24fが形成されることにより、スライダ22の係止孔22cに吊るされた頭付棒材30が移動する際に、頭部30aが干渉せず、送給孔24Aにスムーズに導かれる。(
図8の平面図参照)。
【0024】
前記スライダ22は、直方体形状をした鋼材で出来ており、このスライダ22の一側部中央上部に、ジュートレール12dから分離した頭付棒材30の頭部30aを吊るす係止孔22cを備えている。前記係止孔22cの周縁部から後方部近傍にかけてのスライダ22一側下部に空間部22eが形成され、自由な状態で係止孔22cに吊るされた頭付棒材30の軸部30bが非接触で吊るされて、シュートレール12dに吊るされた次の頭付棒材30の軸部30bが接触しても絡み合うことがないように構成されている。
【0025】
本実施の形態の空間部22eについて、さらに説明すると、前記スライダ22の前記係止孔22c周縁部から後方部近傍にかけての一側部が凹状に切欠かれ、前記凹状に切欠かれた部分の上部を跨ぐように、長方形状のスライド受板22bが架け渡されて、六角穴付ボルトでスライダ22の一側部上面に固定されている。前記空間部22eは、少なくとも、頭付棒材30をシュートレール12dから分離し、送給孔24Aに落とし込むまでの間にシュートレール12dの先端が対向する、スライダ22の一側部を凹状に切欠いている。前記空間部22eの役割は、前記のように係止孔22cに吊るされた頭付棒材30の軸部30bと、シュートレール12dの先端に吊るされた隣接する次の頭付棒材30の軸部30bが絡み合ってかみ込むトラブルを起こさないようにするためであるが、この点は、後ほど頭付棒材30を分離する分離工程の図面を用いて説明する。
【0026】
前記空間部22eの長手方向の寸法は、少なくとも、スライダ22が頭付棒材30をシュートレール12dから分離し、送給孔24Aに落とし込むまでの間としたが、スライド受板22bの係止孔22cに吊るされた頭付棒材30の軸部30bと、シュートレール12dの先端の頭付棒材30の軸部30bが絡み合わないような寸法であればよい。また、空間部22eの幅方向の寸法も頭付棒材33が絡み合わないような奥行きがあればよい。
【0027】
前記スライド受板22bには、頭付棒材30の頭部30aを吊るす係止孔22cが形成されているが、
図6に示す係止孔22cの寸法A及びスライド受板22bの厚み寸法Bは、吊るされた頭付棒材30が拘束されずにぶらぶらと自由な状態で吊るされる寸法である必要がある。前記係止孔22cの寸法A及びスライド受板22bの厚み寸法Bは、頭付棒材30の軸部30bの直径等を考慮しながれ設計する。さらに、前記係止孔22cは、スライド受板22bの一側方に開口して形成されており、かつ、シュートレール12dの先端の頭付棒材30の首部が嵌り込みやすいように、斜め45度に接合したシュートレール12dから頭付棒材30を受け入れやすいように斜めに切欠かれている(
図9の平面図を参照)。なお、係止孔22cの上部は、頭付棒材33の首部が嵌り込みやすいように、すり鉢状に形成してもよい。
【0028】
前記のように、スライダ22には、前記係止孔22cに吊るされた頭付棒材30を前記送給孔24Aに打ち出して落とし込むためのハンマー部材25を備えている。前記ハンマー部材25は、頭付棒材30の頭部30aを一側方向に打ち出して頭付棒材30を送給孔24Aに落とし込むハンマー25aと、前記送給孔24Aの半分を構成する送給孔半部材25bとから構成されている。前記送給孔半部材25bは、前記スライダ22の中央部で、前記空間部22eの先端部と直角に交差して切欠き形成された段部22fに(
図7のA-A断面図参照)、スライド可能に嵌め込まれている。送給孔半部材25bの全体形状は、逆L字形をしており、一側部に送給孔24Aの半分を構成する半円筒部25cを垂直に備えている。他側部は段部22fの段22gにスライド可能に載置されており、半円筒部25cが一側方に安定的にスライドする。
【0029】
前記スライダ22と送給孔半部材25bの上面は、厚板状の鋼材で出来たガイドレールプレート26でスライド可能に押えて保持されている。なお、ガイドレールプレート26は、基台21の側部21b上に、六角穴付ボルトにより水平に固定されている。このガイドレールプレート26には、前記ハンマー部材25のハンマー25aが幅方向にスライド可能に乗っている。前記ハンマー25aの先端部は、幅が細くなっており、この細くなった先端部の裏面に、細幅の突起25eが下方に突出しており、この突起25eは、スライド受板22bの表面より下方に位置している。この突起25eは後述するスライド受板22b上の係止孔22c方向に刻設された当て溝22d内を移動する(
図6参照)。さらに、ハンマー25aの中央部には後述する前記ガイドピンの頭部27aが嵌り込む嵌合孔が形成されている。
【0030】
前記ガイドレールプレート26には、ハンマー部材25を幅方向に導くための平面視、逆「へ」の字形のガイド孔26aが穿設され、このガイド孔26aに、垂直なガイドピン27の軸部27bの上部がベアリング27cを介して嵌り込んでいる。前記ガイドピン27の頭部27aがハンマー25aの嵌合孔に挿入されて、2本の六角穴付きボルトで固定され、ガイドピン27の下部がハンマー部材25aの送給孔半部材25bに挿着されている。
【0031】
スライダ22がエアーシリンダ23で先端側にスライドすると、ガイドピン27がガイドレールプレート26のガイド孔26aによって導かれ、送給孔半部材25bがエアーノズルに設けられた他方の半分割の半送給孔24a側に打ち出されて半送給孔24aの半円筒状の欠損部と合体して完全な円筒形の送給孔24Aが構成される。
【0032】
また、スライダ22が先端側にスライドすると、ハンマー25aは、ガイドピン27によりガイドレールプレート26上を移動する。前記したようにハンマー25aが一側方に移動すると、頭付棒材30の先端下部の突起25eがスライド受板22bに刻設された当て溝22d内を移動し、係止孔22cに吊り下げられた頭付棒材30の頭部30aの下側端を一側方向に打ち出して頭付棒材30を送給孔24Aに落とし込む。このように、ハンマー25aの先端下部の突起25eで頭付棒材30の頭部30aの下側端を打ち出すことにより、打ち出された際に頭付棒材30が傾くことがなく、倒れ込みが防止され直立状態が保持される。
【0033】
頭付棒材30の頭部30aは色々な形態のものがあるが、頭部30aの下側端を打ち出せば、通常、頭付棒材30を直立状態で送給孔24Aに落とし込むことができる。仮に、突起25eが頭部30aの下側端より上を打ち出すと、頭付棒材30の水平方向へ打ち出すベクトルが異なる方向となり頭付棒材30の倒れ込みが発生し、頭付棒材30が送給孔24Aの縁部に引っかかるトラブルが発生するおそれがある。スライド受板22bの係止孔22c方向に当て溝22dを刻設したのは、突起25eをスライド受板22bの表面より下方に位置させ、頭付棒材30の頭部30aの下側端を打ち出して前記のようなトラブルの発生を防止するためである。
【0034】
なお、前記ハンマー25aの先端部の突起25eがガイドレールプレート26の表面より下方に突き出ているので(
図7のA-A断面図参照)、ハンマー25aがスライダ22と共に、先端方向に移動する際に、突起25eがガイドレールプレート26と干渉しないように、ガイドレールプレート26の一側部に浅い切れ込み26bが入れられている。
【0035】
(頭付棒材分離装置の使用状態)
次に、前記実施の形態の頭付棒材分離装置20の使用状態について説明する。
図10は、本発明の頭付棒材分離装置20の使用状態を説明する平面図と断面図である。この
図10は、
図7,
図8,
図9を簡略化したものである。
【0036】
図10(A)は、シュートレール12dからスライダ22の係止孔22cに分離された頭付棒材30が吊るされた状態を示している。スライダ22は、基台21の最も後端側に位置し、ハンマー部材25が他側方に退避した状態である。
【0037】
図11に示すように、シュートレール12dは、振動機構12cにより前後方向に振動が与えられて頭付棒材30を係止孔22c側に送っているが、シュートレール12dに吊るされた頭付棒材30は絶えず振動が与えられているので、斜めに傾いた姿勢になることがある。即ち、シュートレール12dの振動と頭付棒材30の揺れの振動が共振現象を起こすことによって、シュートレール12dの先端の頭付棒材30が大きく揺れて、係止孔22cに吊されられた頭付棒材30と絡み合うことがある。しかし、本発明の頭付棒材分離装置20は、係止孔22cに吊されられた頭付棒材30が空間部22eにより自由な状態を維持してぶらぶらした状態で障害となるものがないので、シュートレール12dの先端の次の頭付棒材30が絡もうとしても係止孔22cの頭付棒材30は逃げて、絡み合うことがない。このため、頭付棒材30の絡み合いによるかみ込みのトラブルが発生しない。
【0038】
次に、
図10(B)に示すように、エアーシリンダ23が作動してピストンロッド23aが伸長し、スライダ22を先端方向にスライドさせる。ガイドピン27は、ガイド孔26aの傾斜しかかった位置に移動している。頭付棒材30の頭部30aは頭用カベ部24eの壁部と接触しながら先端側に移動する。ハンマー25aの先端下部の突起25eは当て溝22d内を移動しつつあるが、頭付棒材30の頭部30a側に移動する途中である。
【0039】
さらに、
図10(C)に示すように、ピストンロッド23aが最も伸長し、スライダ22が基台21の先端から突き出ると、ガイドピン27は、ガイド孔26aの最も一側方に移動する。このため、ハンマー25aの先端下部の突起25eが頭付棒材30の頭部30aの下側端を一側方向に打ち出すと同時に、送給孔半部材25bがエアーノズル24の半送給孔24a側にスライドし、送給孔半部材25bの半円筒部25cが半送給孔24aと合体して完全な円筒形状の送給孔24Aが構成される。このように、ハンマー25aの突起25eが頭付棒材30の頭部30aの下側端を送給孔24A側に打ち出すので、頭付棒材30の倒れ込みが無く直立状態で送給孔24Aに落とし込まれ、頭付棒材30が送給孔24Aの縁部に引っかかることがない。しかも、送給孔半部材25bが半送給孔24a側に打ち出されて半送給孔24Aの欠損部に嵌り込んで完全な送給孔24Aが構成されるので、頭付棒材30が落下する際に、頭付棒材30の頭部30aが送給孔24Aの上縁部に引っ掛かることがなくなる。
【0040】
(他の実施の形態)
前記スライダ22の一側下部が凹状に切り欠かれ、前記凹状に切欠かれた部分の上部を跨ぐように、長方形状のスライド受板22bが架け渡されて、空間部22eが形成されたが、この空間部22eは、かかる構造に限定されない。例えば、スライド受板22bを用いることなく、直方体形状のスライダの一側下部に空洞を穿いて、空間部22eとし、空間部22eの上部に頭付棒材30を吊り下げる係止孔を形成してもよい。
【0041】
また、前記実施の形態では、ハンマー部材25を、スライダ22の幅方向にスライドさせるために、ガイドレールプレート26に穿設されたガイド孔26aにガイドピン27を移動させることにより、ハンマー部材25を一側方に打ち出したが、エアーシリンダのようなアクチュエータを用いて幅方向にスライドさせてもよい。
【0042】
また、前記実施の形態では、ハンマー25aが頭付棒材30の頭部30aを打ち出すタイミングと、送給孔半部材25bを半送給孔24a側に打ち出して完全な送給孔24Aを構成するタイミングが同時となるように記載したが、両者のタイミングを僅かにずらせて、例えば、送給孔半部材25bと半送給孔24aが完全な送給孔24Aを構成するタイミングよりも、係止孔22cに吊るされた頭付棒材30の頭部30aをハンマー25aが打ち出して送給孔24Aに落とし込むタイミングを僅かに早くして、頭付棒材30の頭部30aが送給孔24Aの開口部に引っ掛かるタイミングを完全に外すようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、ネジ、ビス、ボルト、リベット等の頭付棒材をパーツフィーダのシュートレールから分離してネジ締め装置等に供給する分離装置として有用である。
【符号の説明】
【0044】
12 パーツフィーダ
12d シュートレール
20 頭付棒材分離装置
21 基台
21a 底部
21b 側部
21c ガイド溝
21d 取付板
21e ストッパ
22 スライダ
22a 嵌合部
22b スライド受板
22c 係止孔
22d 当て溝
22e 空間部
22f 段部
22g 段
23 アクチュエータ(エアーシリンダ)
23a ピストンロッド
24 エアーノズル
24A 送給孔
24a 半送給孔
24b 本体部
24c 圧送ホース
24d 金属通過センサー
24e 頭用カベ部
24f 凹部
25 ハンマー部材
25a ハンマー
25b 送給孔半部材
25c 半円筒部
25e 突起
26 ガイドレールプレート
26a ガイド孔
26b 切れ込み
27 ガイドピン
27a 頭部
27b 軸部
27c ベアリング
30 頭付棒材
30a 頭部
30b 軸部
【手続補正書】
【提出日】2022-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
装置本体のベースとなる基台と、頭付棒材をパーツフィーダのジュートレールから分離して次工程に送るために前記基台の長手方向を往復移動するスライダと、前記基台上のスライダを往復移動させるアクチュエータと、分離されて送給孔に落とし込まれた頭付棒材をエアーで次工程に圧送するエアーノズルと、を備えた頭付棒材分離装置であって、
前記スライダは、ジュートレールから受け渡される頭付棒材の頭部を自由な状態で吊るす係止孔が形成された部位と、前記部位の下方に位置し、長手方向の寸法及び幅方向の寸法が、少なくとも、シュートレールの先端に吊るされた頭付棒材の軸部が、係止孔に吊るされた頭付棒材の軸部に絡もうとしても、前記係止孔の頭付棒材の軸部が逃げられる寸法の空間部が形成された部位と、を有し、
さらに、前記スライダには、係止孔に吊るされた頭付棒材を前記送給孔側に打ち出して落とし込むハンマーを備えた、
ことを特徴とする頭付棒材分離装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
装置本体のベースとなる基台は肉厚のL字形をしており、前記L字形の基台上に直方体形状のスライダが長手方向にスライド可能に載置され、
前記スライダの中央部の幅方向に段部が切欠き形成され、ハンマー部材の送給孔半部材が、前記段部にスライド可能に嵌め込まれ、
基台の他側上部に取付けられたガイドレールプレートにより、前記スライダと送給孔半部材を上部からスライド可能に押えて保持し、
前記ガイドレールプレートに穿設され、ハンマー部材を幅方向に導くためのガイド孔にガイドピンの軸部が嵌り込み、前記ガイドピンの下部がハンマー部材の送給孔半部材に挿着されると共に、ガイドピンの頭部が、前記ガイドレールプレート上に位置するハンマーに固定され、
前記スライダの前記係止孔周縁部から後方部近傍にかけて空間部が形成され、前記空間部は、少なくとも、スライダが基台の後端側に位置してハンマー部材が他側方に退避した状態では、係止孔に吊るされた頭付棒材が自由な状態を維持し、シュートレールの先端の頭付棒材の軸部が絡もうとしても前記係止孔の頭付棒材の軸部は逃げて、絡み合わない寸法に形成され、
前記スライダがアクチュエータにより先端側にスライドすると、ガイドピンが前記ガイド孔に従って導かれ、前記ハンマー部材のハンマーと送給孔半部材をスライダの一側方向に打ち出して、前記送給孔半部材がエアーノズルの半送給孔と合体して頭付棒材を落とし込む送給孔が構成される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の頭付棒材分離装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明の頭付棒材分離装置は、装置本体のベースとなる基台と、頭付棒材をパーツフィーダのジュートレールから分離して次工程に送るために前記基台の長手方向を往復移動するスライダと、前記基台上のスライダを往復移動させるアクチュエータと、分離されて送給孔に落とし込まれた頭付棒材をエアーで次工程に圧送するエアーノズルと、を備えた頭付棒材分離装置であって、前記スライダは、ジュートレールから受け渡される頭付棒材の頭部を自由な状態で吊るす係止孔が形成された部位と、前記部位の下方に位置し、長手方向の寸法及び幅方向の寸法が、少なくとも、シュートレールの先端に吊るされた頭付棒材の軸部が、係止孔に吊るされた頭付棒材の軸部に絡もうとしても、前記係止孔の頭付棒材の軸部が逃げられる寸法の空間部が形成された部位と、を有し、さらに、前記スライダには、係止孔に吊るされた頭付棒材を前記送給孔側に打ち出して落とし込むハンマーを備えた、ことを特徴とする。
前記空間部により、自由な状態で係止孔に吊るされた頭付棒材の軸部が非接触で吊るされて、シュートレールに吊るされた次の頭付棒材の軸部が接触しても絡み合うことがない。
さらに、本発明の頭付棒材分離装置は、前記送給孔は二分割され、二分割された送給孔の一方は前記ハンマーと一体の送給孔半部材であって、前記ハンマーと送給孔半部材とが一体となったハンマー部材がスライダの幅方向の一側方向にスライドすると、前記ハンマーが、係止孔に吊るされた頭付棒材の頭部を一側方向に打ち出すと共に、前記送給孔半部材は、エアーノズルに設けられた他方の半分割の半送給孔と合体して完全な送給孔を構成し、この送給孔にハンマーで打ち出された頭付棒材が落下して次工程に送られる、ことを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明は、前記構成により、頭付棒材をシュートレールから分離する際に、頭付棒材同士の絡み合いによるかみ込みトラブルが発生せず、頭付棒材を次工程に送る際に、頭付棒材が送給孔の縁部に引っかかることがない頭付棒材分離装置を提供する。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
装置本体のベースとなる基台と、頭付棒材をパーツフィーダのジュートレールから分離して次工程に送るために前記基台の長手方向を往復移動するスライダと、前記基台上のスライダを往復移動させるアクチュエータと、分離されて送給孔に落とし込まれた頭付棒材をエアーで次工程に圧送するエアーノズルと、を備えた頭付棒材分離装置であって、
前記スライダは、ジュートレールから受け渡される頭付棒材の頭部を自由な状態で吊るす係止孔を一側部に備えるとともに、当該部位の下方に空間部が形成され、
シュートレール進行方向の奥側において、係止孔の内壁より遠い位置に、前記空間部の内壁があり、
さらに、前記スライダには、係止孔に吊るされた頭付棒材を前記送給孔側に打ち出して落とし込むハンマーを備えた、
ことを特徴とする頭付棒材分離装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
装置本体のベースとなる基台は肉厚のL字形をしており、前記L字形の基台上に直方体形状のスライダが長手方向にスライド可能に載置され、
前記スライダの中央部の幅方向に段部が切欠き形成され、ハンマー部材の送給孔半部材が、前記段部にスライド可能に嵌め込まれ、
基台の他側上部に取付けられたガイドレールプレートにより、前記スライダと送給孔半部材を上部からスライド可能に押えて保持し、
前記ガイドレールプレートに穿設され、ハンマー部材を幅方向に導くためのガイド孔にガイドピンの軸部が嵌り込み、前記ガイドピンの下部がハンマー部材の送給孔半部材に挿着されると共に、ガイドピンの頭部が、前記ガイドレールプレート上に位置するハンマーに固定され、
前記スライダがアクチュエータにより先端側にスライドすると、ガイドピンが前記ガイド孔に従って導かれ、前記ハンマー部材のハンマーと送給孔半部材をスライダの一側方向に打ち出して、前記送給孔半部材がエアーノズルの半送給孔と合体して頭付棒材を落とし込む送給孔が構成される、
ことを特徴とする請求項3に記載の頭付棒材分離装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明の頭付棒材分離装置は、装置本体のベースとなる基台と、頭付棒材をパーツフィーダのジュートレールから分離して次工程に送るために前記基台の長手方向を往復移動するスライダと、前記基台上のスライダを往復移動させるアクチュエータと、分離されて送給孔に落とし込まれた頭付棒材をエアーで次工程に圧送するエアーノズルと、を備えた頭付棒材分離装置であって、前記スライダは、ジュートレールから受け渡される頭付棒材の頭部を自由な状態で吊るす係止孔を一側部に備えるとともに、当該部位の下方に空間部が形成され、シュートレール進行方向の奥側において、係止孔の内壁より遠い位置に、前記空間部の内壁があり、さらに、前記スライダには、係止孔に吊るされた頭付棒材を前記送給孔側に打ち出して落とし込むハンマーを備えた、ことを特徴とする。
前記空間部により、自由な状態で係止孔に吊るされた頭付棒材の軸部が非接触で吊るされて、シュートレールに吊るされた次の頭付棒材の軸部が接触しても絡み合うことがない。
さらに、本発明の頭付棒材分離装置は、前記送給孔は二分割され、二分割された送給孔の一方は前記ハンマーと一体の送給孔半部材であって、前記ハンマーと送給孔半部材とが一体となったハンマー部材がスライダの幅方向の一側方向にスライドすると、前記ハンマーが、係止孔に吊るされた頭付棒材の頭部を一側方向に打ち出すと共に、前記送給孔半部材は、エアーノズルに設けられた他方の半分割の半送給孔と合体して完全な送給孔を構成し、この送給孔にハンマーで打ち出された頭付棒材が落下して次工程に送られる、ことを特徴とする。