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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186553
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】調味料粉砕機
(51)【国際特許分類】
   A47J 42/24 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
A47J42/24
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021115315
(22)【出願日】2021-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】599114106
【氏名又は名称】株式会社諏訪田製作所
(72)【発明者】
【氏名】袖山 義一
(72)【発明者】
【氏名】井村 航
(57)【要約】      (修正有)
【課題】調味料等の被粉砕物を粉砕した後に、簡単に好みの量で食材に振りかけることができる、低コストで手入れが容易な粉砕機を提供すること。
【解決手段】調味料等の被粉砕物を投入する容器4と着脱可能な蓋2を有し、粉砕物Sを排出するための粉砕物排出口10を有し、粉砕物排出口10に係る着脱可能に装着された排出口用蓋3からなる外観容器1を有し、外観容器内上面9と外観容器内下面8に凹部が形成され、外観容器1内において外観容器内上面9と外観容器内下面8の間を移動する打撃部材5とを備えたことからなる粉砕機であり、外観容器1を振ることで粉砕物Sを、外観容器内上面9と打撃部材の一端部7、外観容器内下面8と打撃部材の他端面6の間で粉砕可能にし、且つ粉砕物排出口10より任意で粉状になった粉砕物Sを適量食材又は料理に振りかけることができるよう構成した。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩や胡椒のような調味料を挽くための装置であって、
前記調味料前記調味料を被粉砕物として導入するための開口部を有した容器と、
前記開口部を塞ぐように着脱できる蓋と、からなる筒状の外観容器を有し、
前記外観容器内の上面又は下面の少なくとも一方に凹部が形成され、
前記外観容器内において、前記外観容器内の上面と下面間を移動可能な打撃部材を備え、
前記凹部に前記被粉砕物を導入した状態で前記凹部に前記打撃部材を衝突させることで当該打撃部材と前記凹部との間で前記被粉砕物を粉砕可能に構成したことを特徴とする粉砕機。
【請求項2】
前記凹部は、すり鉢状又はおわん状に形成された請求項1記載の粉砕機。
【請求項3】
前記打撃部材は、柱状体もしくは球状体であって、
前記凹部側の端部は、前記凹部の形状に倣った錐体状または砲弾状であり、
その頂部に丸みを持たせた形状としてなる請求項1又は請求項2の何れかに記載の粉砕機。
【請求項4】
前記凹部の底部には、前記外観容器内の粉砕物を外部に排出するための粉砕物排出口が設けられている請求項1~3の何れかに記載の粉砕機。
【請求項5】
前記粉砕物排出口を塞ぐ排出口用蓋が着脱可能に装着されている請求項1~4の何れかに記載の粉砕機。
【請求項6】
前記外観容器内上面と下面間を移動する前記打撃部材の移動距離は、10mm以上100mm以下であることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の粉砕機。
【請求項7】
前記打撃部材の重さは、10g以上150g以下であることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の粉砕機。
【請求項8】
前記打撃部材と外観容器内側面の隙間は、横断平面から見た前記外観容器内側面の面積に対し10%以上60%以下であることを特徴とする請求項1~7の何れかに記載の粉砕機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食卓で食事をする際に、胡椒、又は岩塩等の調味料の被粉砕物を所望の粒度に粉砕し、食材又は料理に直接振りかけるために使用される粉砕器に関するものである。
【技術背景】
【0002】
上記粉砕器として、例えば、香辛料の被粉砕物を収納可能な中空円筒容器と、この容器の上方に回転自在に嵌合されたノブと、このノブの回転に伴って一体回転するように前記容器の中心を通る駆動軸と、この駆動軸の下端に一体回転自在に連結され、かつ、前記容器の下方に配置された内側粉砕ヘッドと、この内側粉砕ヘッドとの相対回転によって前記被粉砕物を粉砕するために前記容器の下方に取り付けられた外側シェルとを備え、前記内側粉砕ヘッドと前記外側シェルとの相対回転により粉砕された粉砕物を底部放出開口から放出するものがある(特許文献1参照)。
【0003】
従来の粉砕機(例えば特許文献1)の挽き装置の構成は、そのほとんどが塩や胡椒または香辛料を挽くために様々な素材でできた、回転させる刃又はシェルを有している。そのため、使用しているうちに切れ味が落ち、刃の交換等の手入れが必要となっていた。
【0004】
また、前記回転させる刃又はシェルを有している粉砕機は、その構造上回転軸と刃との部品間、または粉砕機構内部での不都合な接触等で刃こぼれを起こした際、材料の粒子が作られ、塩や香辛料または薬味の粉に混じって発見される可能性があり、したがって美的観点からも質的観点からも粉を汚染し得るからである。そのうえ、材料の粒子は摂取した場合に有害であると判明する可能性がある。
【0005】
上記を解決するために、回転する刃やシェルを有せずに香辛料の被粉砕物を好みに粉砕できるものがある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5-253083号公報(図1-2)
【特許文献2】特開2007-236913公報(図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これは次のような欠点があった。特許文献2による構成によれば、部品点数が多くなることで、組み立て性が悪いために高コスト化を招き、その形状の複雑さから洗浄などの手入れに手間がかかるうえ、開口部が大きいがために、食材又は料理などに直接適量を振りかけにくい構造になっていた。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の構成は、塩や胡椒のような調味料を挽くための装置であって、前記調味料前記調味料を被粉砕物として導入するための開口部を有した容器と、前記開口部を塞ぐように着脱できる蓋と、からなる筒状の外観容器を有し、前記外観容器内の上面又は下面の少なくとも一方に凹部が形成され、前記外観容器内において、前記外観容器内の上面と下面間を移動可能な打撃部材を備え、前記凹部に前記被粉砕物を導入した状態で前記凹部に前記打撃部材を衝突させることで当該打撃部材と前記凹部との間で前記被粉砕物を粉砕可能に構成したものである。
【0009】
また、前記凹部はすり鉢状又はおわん状に形成さている。
【0010】
さらに、前記打撃部材は、柱状体もしくは球状体であって、前記凹部側の端部は、前記凹部の形状に倣った錐体状または砲弾状であり、その頂部に丸みを持たせた形状である。
【0011】
前記凹部の底部には、粉砕物を排出するための粉砕物排出口が設けられており、粉砕された被粉砕物は、前記容器内上部又は下部に施されたすり鉢形状またはおわん状の凹部により、粉砕物排出口へと誘導される構成である。
【0012】
また、前記粉砕物排出口には、粉砕された粉砕物が飛び出すことを防ぐとともに、直接前記粉砕物排出口を素手等で触れることを防ぐ、排出口用蓋が着脱可能に装着されている
【0013】
ここで、前記排出口用蓋をシリコーンゴム製としてなると好ましい。
【0014】
また、前記記載の構成で、前記外観容器内上面と前記外観容器内下面間を移動する前記打撃部材の移動距離は、10mm以上100mm以下である
【0015】
さらに、前記打撃部材の粉砕装置の重さは、10g以上150g以下である。
【0016】
さらにまた、前記打撃部材と外観容器内側面の隙間は、横断平面から見た外観容器内側面の面積に対し10%以上60%以下である。
本発明は以上の構成よりなる粉砕機である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1係る発明によれば、塩や香辛料または薬味のような調味料を挽くための粉砕機であって、前記調味料の被粉砕物を入れる開口部を有した容器と、前記開口部を塞ぐように着脱できる蓋と、からなる円筒状等の外観容器を有し、前記外観容器内の上面又は下面の少なくとも一方に凹部が形成され、前記外観容器内において、前記外観容器内の上面と下面間を移動する撃部材を備え、前記外観容器を振ることにより、前記打撃部材が前記外観容器内の上面及下面との間を往復し、かつ、その際に前記容器内の上面と打撃部材の一端部、前記容器内の下面と打撃部材の他端部との間に存在する被粉砕物が、前記外観容器内の上面と打撃部材の一端部、前記外観容器内の下面と打撃部材の他端部に衝突する際の衝撃により押し潰されて粉砕される。
【0018】
また、簡素な機構であるが故に、部品点数の削減及び組み立て性の向上により、製造コストを低減することができる。さらに、洗浄等も容易に行うことができる。
【0019】
請求項2~3に係る発明によれば、前記外観容器内上面又は下面の少なくとも一方に形成された凹部は、すり鉢状又はおわん状のものであり、前記打撃部材は柱状体もしくは球状体であり、前記打撃部材の一端部及び他端部は、前記外観容器内上面又は下面の形状に倣った錐体状または砲弾状でその頂部に丸みを持たせた形状とすることで、前記被粉砕物を効率よく粉砕することができる。
【0020】
請求項4係る発明によれば、粉砕された粉砕物は、前記外観容器内の上面、又は下面に施された前記すり鉢形状またはおわん状の凹部に誘導され、前記凹部の何れかの底部には、粉砕物排出口が設けられており、前記粉砕物排出口より粉砕物を排出することができる。
【0021】
また、前記打撃部材の自重により、前記粉砕物を押さえることで、前記粉砕物が排出される量が抑えられ、一度に多くの前記粉砕物が前記外観容器外に排出されずに、任意で適量の前記粉砕物を食材または料理に振りかけることができる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、前記粉砕物排出口には粉砕物が飛びだすことを防ぐとともに、直接前記粉砕物排出口に素手等で触れることを防ぐための外観容器に着脱可能な排出口用蓋を装着している。さらに、前記排出用蓋がシリコーンゴムであると、温度変化等に対しても極めて安定しているシリコーンゴムにより、蓋としての機能を長期間にわたって維持することができる。その上、シリコーンゴムは透明又は白色等にすることが容易であるため、特に食品分野で要求される清潔感を向上することができる。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、前記外観容器内上面と前記外観容器内下面間を移動する前記打撃部材の移動距離を指定した経緯として、前記外観容器内部の全長は長くしすぎると、粉砕機自体も長くなりすぎ、直立させたときに不安定になるうえ、重量が増えることで使用者の手元に伝わる衝撃が大きくなり操作感が悪く、短すぎると前記外観容器内に有している前記打撃部材の移動距離が制限され、上手く被粉砕物を粉砕することができなくなるためである。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、前記打撃部材の重量を規定することで、操作感の悪化を防ぎ、また、軽すぎて被粉砕物を粉砕処理しにくくなることを制御するためである。
【0025】
請求項8に係る発明によれば、横断平面上からみた前記打撃部材と外観容器内部側面の隙間を規定した背景には、粉砕物は上下に前記打撃部材と前記外観容器内側面との隙間を案内され通るためのものである。そのため、小さな隙間では案内されにくく、大きな隙間では前記打撃部材が不安定になりすぎ、前述外観容器の内部上面又は下面と、前記打撃部材の一端部又は他端部とのズレによる接触不良で起こる、粉砕不良を避けるためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実地の形態1の外観斜視図である。
図2】同じく縦断正面図である。
図3】同じく横断平面図である
図4】本発明の実地の形態2に係る縦断正面図である。
図5】本発明の実地の形態3係る粉砕機の縦断正面図である。
図6】本発明の実地の形態4に係る粉砕機を示し、(a)は打撃部材の斜視図、(b)は横断平面図である。
図7】本発明の実地の形態5に係る粉砕機の横断平面図である。
図8】本発明の実地の形態6に係る粉砕機の横断平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の粉砕機の一実施形態を図面を参照しながら説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
【0028】
実地の形態1.
図1図3を参照すれば分かるように、本実施形態における外観容器1は、容器4と、容器4に着脱できる蓋2と、粉砕物排出口10を塞ぐための排出口用蓋3からなっており、外観容器1の内部には、すり鉢状またはおわん状に形成された凹部外観容器内上面9と外観容器内下面8を有し、前記外観容器内上面9,外観容器内下面8間を移動する打撃部材5で構成されている。
【0029】
また、前記打撃部材5は柱状体もしくは球状体であり、前記打撃部材5の一端部6及び打撃部材の他端部7の形状は、互いに相対する外観容器内上面9又は外観容器内下面8に形成された前記凹部の形状に倣った錐体状または砲弾状からなり、その頂部に丸みを持たせた形状を有している。
【0030】
使用する際は、非粉砕物を容器4に設けられた開口部12から投入し、蓋2を装着し、使用者が外観容器1を振ることで打撃部材5が外観容器内上面9,外観容器内下面8間を移動し、その際に打撃部材一端部6と外観容器内下部8、打撃部材他端部7と外観容器内上部9との間で非粉砕物S,…が衝撃で押し潰され粉砕することができる。すなわち、凹部に非粉砕物Sを導入した状態で凹部に打撃部材5を衝突させることで当該打撃部材5と凹部との間で被粉砕物Sが粉砕される。なお、外観容器1を振る強さ及び回数を変更するだけで、粉砕物の大きさ(粒度)を調節することができる。
【0031】
図2に示すように外観容器1は、打撃部材5の衝撃によって容器4より蓋2が外れることが無いように、容器4と蓋2とが螺合させることが好ましい。
【0032】
このような簡素な構成により外観容器1は成しており、部品点数の削減と、組み立て性が上がることにより、製造コストを低減することができる。また前記の簡素な構成は洗浄等の手入れも容易にでき、いつも清潔に保つことができる。
【0033】
さらに、容器4並びに蓋2を、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリプロピレン、ナイロン又はABS樹脂等の合成樹脂からなる成形品とすれば、さらに低コスト化及び軽量化できる。また、容器4並びに蓋2を、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリサルフォン等の透明性樹脂又は半透明の樹脂により製作すれば、外観容器1の内部が外側から見えるため、粉砕物S,…の粉砕状況を確認することができる。
【0034】
図2図3に示すように、打撃部材5と外観容器内側面13との間には、容器と打撃部材との空間11がある。したがって、使用者が外観容器1を持って振り、打撃部材5が外観容器1内で外観容器内上面9,外観容器内下面8間を移動している際に、粉砕物S,…も前記容器と打撃部材との空間11を通って前記外観容器内上面9,外観容器内下面8間を移動することができる。よって、外観容器内上面9と打撃部材他端部7、外観容器内下面8と打撃部材一端部6により、粉砕物S,…を効率的に粉砕することができる。
【0035】
粉砕処理を行った後に、食材又は料理に粉砕物S,…を振りかける際は、容器4に装着してある排出口用蓋3を外し、粉砕物排出口10を下にして外観容器1を振ることで振りかけることができる。その際、打撃部材5の自重により粉砕物S,…は押さえられ、一度に多くの粉砕物S,…が排出されることはなく、好みの量の粉砕物S,…を適量振りかけることが可能である。
【0036】
なお、前記打撃部材5の材質としては、金属が好ましく、防錆の観点からはステンレス又はチタン等が好ましい。ここで、粉砕物S,…の粉砕処理を効率的に行うためには打撃部材5の質量が大きい方が好ましいこと、衝撃を受けるため打撃部材5の強度が大きい方が好ましいことから、特に打撃部材5の材質をステンレスとするのが好ましい実施態様である。
【0037】
また、本発明においては、以下に説明するように、外観容器内上面9から外観容器内下面8を移動する打撃部材5の移動距離と、打撃部材5の重量及び容器4と打撃部材の空間11を規定することによって、美的観点と操作感の向上及び効率の良い粉砕処理の両立を図っている。
【0038】
上記において、外観容器内上面8~外観容器内下面9間を移動する打撃部材5の移動距離は10mm以上100mm以下の範囲内である。前記外観容器内上面8~外観容器内下面9間を移動する打撃部材5の移動距離を規定した理由として、移動距離が10mm未満であると粉砕するための空間が小さすぎ、打撃部材5による粉砕効果が減少してしまい、100mm以上であると円筒状等の外観容器1の全長が長くなりすぎ重量が増えてしまう上、使用する際の衝撃が大きくなりすぎて、良好な操作感を得られなくなってしまうためである。
【0039】
また、打撃部材5の重さは、10g以上150g以下の範囲内である。前記打撃部材5の重量を前記の範囲内に規定した理由は、150g以上であると重すぎることで衝撃による良好な操作感を得ることができず、10g未満であると軽すぎて上手く粉砕処理を行えないためである。
【0040】
さらに、前記打撃部材5と外観容器内側面13との隙間11は、平面横断から見た外観容器内側面13の面積に対し10%以上60%以下である。前記の範囲内とした理由として、粉砕物S,…が外観容器上面9と外観容器下面8間を移動する際に、10%以下であると十分に移動することができず、また60%以上であれば打撃部材一端部6及び打撃部材の他端部7の面積が小さくなるうえ、打撃部材5と外観容器上面9と外観容器下面8との接触が不安定になり、良好な粉砕処理が行いにくくなるためのものである。
【0041】
実地の形態2.
図4、は本発明の実地の形態2に係る粉砕機の構成を示す縦断正面図である。
【0042】
図4において、外観容器下面8のみの形状がすり鉢状の凹部又はお椀状の凹部を成していることを示している。その場合の効果は、実地の形態1と変わることはない。
【0042】
実地の形態3.
図5、は本発明の実地の形態3に係る粉砕機の構成を示す縦断正面図である。
【0043】
図5において、外観容器上面9のみが、すり鉢状の凹部又はお椀状の凹部を成していることを示している。この場合の効果も前述同様、実地の形態1と変わることはない。また、粉砕物排出口10は外観容器内上面9又は外観容器内下面8に形成された凹部の何れかの底部に設けられていれば良いので、粉砕物排出口10は外観容器1の上部であっても良い。
【0044】
実地の形態4.
図6は実地の形態4に係る粉砕機であり、容器と打撃部材との空間11の変形例を示すものである。
【0045】
図6(a)、は打撃部材5の斜視図であり、図6(b)、は外観容器1の横断平面図であり、図1~3の同一記号は同一又は相当部分を示している。図6において、打撃部材5には、平面視において約120度等分の3条の、径方向に突出して上下方向(打撃部材5の移動方向)に延びる打撃部材の突条14,…が形成されている。また、打撃部材5には、前記打撃部材の突条14,…間に、平面視において円弧状の切欠部15,…が形成されている。
【0046】
したがって、容器内側面13と打撃部材の突状14先端との隙間が僅かであっても、切欠部15を有することで、粉砕物S,…は切欠部15と容器内側面13の間を通り容器4の内部を移動することができる。
【0047】
この場合、切欠部15は円弧状に限ることはない。また、少なくとも1本以上の切欠部15があれば良く、図7(b)で見たときに容器と打撃部材との隙間11は切欠部15の大きさや形状に関わらず横断平面から見た容器内部側面13の面積に対し、10%以上60%以下であれば良い。
【0048】
実地の形態5.
図7、は実地の形態5に係る粉砕機であり、容器と打撃部材との空間11のその他の変形例を示すものである。
【0049】
図7は外観容器1の横断平面図であり、図1~3の同一記号は同一又は相当部分を示している。図7において、容器内側面13には、平面視において約120度等分の3条の、径方向に突出して上下方向に延びる容器内突条16,…が形成されている。
【0050】
したがって、容器内面の突条16,…の先端と打撃部材5との隙間が小さくとも、その他の隙間があることで、粉砕物S,…は容器内を移動することができる。
【0051】
この場合、前記容器内面の突条16,…の本数は少なくとも2本以上あれば良く、横断平面から見たときに、容器と打撃部材との隙間11は横断平面から見た容器内部側面13の面積に対し、10%以上60%以下であれば良い。
【0052】
実地の形態6.
図8、は実地の形態6に係る粉砕機であり、打撃部材5の変形例を示すものである。
【0053】
図8は、外観容器1の横断平面図である。図8において、打撃部材5の断面形状は円形には限られず、四角形等の多角形を採用することもできる。この場合の打撃部材の一端部6と打撃部材の他端部7の形状は外観容器内下部8及び外観容器内上部9の形状に倣った錐体状または砲弾状である。
【0054】
この場合、打撃部材5の断面形状がいかなる多角形であっても、横断平面から見たときに、容器と打撃部材との隙間11は横断平面から見た容器内部側面13の面積に対し、10%以上60%以下であれば良い。
【符号の説明】
【0052】
1 外観容器
2 蓋
3 排出口用蓋
4 容器
5 打撃部材
6 打撃部材一端部
7 打撃部材他端部
8 外観容器内下部
9 技官容器内上部
10 粉砕物排出口
11 容器と打撃部材との空間
12 容器上部開口部
13 外観容器内側面
14 打撃部材の突条
15 切欠部
16 容器内面の突条
S 粉砕物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩や胡椒のような調味料を挽くための装置であって、
前記調味料を被粉砕物として導入するための開口部を有した容器と、
前記開口部を塞ぐように着脱できる蓋と、からなる筒状の外観容器を有し、
前記外観容器内の上面又は下面の少なくとも一方に凹部が形成され、
前記外観容器内において、前記外観容器内の上面と下面間を移動可能な打撃部材を備え、
前記凹部に前記被粉砕物を導入した状態で前記凹部に前記打撃部材を衝突させることで当該打撃部材と前記凹部との間で前記被粉砕物を粉砕可能に構成し
前記凹部の底部は前記外観容器と一体的に形成されており、
前記の底部には、前記外観容器内の粉砕物を外部に排出するための粉砕物排出口が設けら れていることを特徴とする粉砕機。
【請求項2】
前記凹部は、すり鉢状又はおわん状に形成された請求項1記載の粉砕機。
【請求項3】
前記打撃部材は、柱状体もしくは球状体であって、
前記凹部側の端部は、前記凹部の形状に倣った錐体状または砲弾状であり、
その頂部に丸みを持たせた形状としてなる請求項1又は請求項2の何れかに記載の粉砕機。
【請求項4】
前記粉砕物排出口を塞ぐ排出口用蓋が着脱可能に装着されている請求項1~3の何れかに記載の粉砕機。
【請求項5】
前記外観容器内上面と下面間を移動する前記打撃部材の移動距離は、10mm以上10 0mm以下であることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の粉砕機。
【請求項6】
前記打撃部材の重さは、10g以上150g以下であることを特徴とする請求項1~の何れかに記載の粉砕機。
【請求項7】
前記打撃部材と外観容器内側面の隙間は、横断平面から見た前記外観容器内側面の面積 に対し10%以上60%以下であることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の粉砕機
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の構成は、塩や胡椒のような調味料を挽くための装置であって、前記調味料前記調味料を被粉砕物として導入するための開口部を有した容器と、前記開口部を塞ぐように着脱できる蓋と、からなる筒状の外観容器を有し、前記外観容器内の上面又は下面の少なくとも一方に凹部が形成され、前記外観容器内において、前記外観容器内の上面と下面間を移動可能な打撃部材を備え、前記凹部に前記被粉砕物を導入した状態で前記凹部に前記打撃部材を衝突させることで当該打撃部材と前記凹部との間で前記被粉砕物を粉砕可能にし、前記凹部の底部には、粉砕物を排出す るための粉砕物排出口が設けられており、粉砕された被粉砕物は、前記容器内上部又は下 部に施された凹部により、粉砕物排出口へと誘導される構成である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
請求項1係る発明によれば、塩や香辛料または薬味のような調味料を挽くための粉砕機であって、前記調味料の被粉砕物を入れる開口部を有した容器と、前記開口部を塞ぐように着脱できる蓋と、からなる円筒状等の外観容器を有し、前記外観容器内の上面又は下面の少なくとも一方に凹部が形成され、前記外観容器内において、前記外観容器内の上面と下面間を移動する撃部材を備え、前記外観容器を振ることにより、前記打撃部材が前記外観容器内の上面及下面との間を往復し、かつ、その際に前記容器内の上面と打撃部材の一端部、前記容器内の下面と打撃部材の他端部との間に存在する被粉砕物が、前記外観容器内の上面と打撃部材の一端部、前記外観容器内の下面と打撃部材の他端部に衝突する際の衝撃により押し潰されて粉砕される。さらに、粉砕された粉砕物は、前記外観容器内の上面 、又は下面に施された前記すり鉢形状またはおわん状の凹部に誘導され、前記凹部の何れ かの底部には、粉砕物排出口が設けられており、前記粉砕物排出口より粉砕物を排出する ことができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
請求項に係る発明によれば、前記粉砕物排出口には粉砕物が飛びだすことを防ぐとともに、直接前記粉砕物排出口に素手等で触れることを防ぐための外観容器に着脱可能な排出口用蓋を装着している。さらに、前記排出用蓋がシリコーンゴムであると、温度変化等に対しても極めて安定しているシリコーンゴムにより、蓋としての機能を長期間にわたって維持することができる。その上、シリコーンゴムは透明又は白色等にすることが容易であるため、特に食品分野で要求される清潔感を向上することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
請求項に係る発明によれば、前記外観容器内上面と前記外観容器内下面間を移動する前記打撃部材の移動距離を指定した経緯として、前記外観容器内部の全長は長くしすぎると、粉砕機自体も長くなりすぎ、直立させたときに不安定になるうえ、重量が増えることで使用者の手元に伝わる衝撃が大きくなり操作感が悪く、短すぎると前記外観容器内に有している前記打撃部材の移動距離が制限され、上手く被粉砕物を粉砕することができなくなるためである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
請求項に係る発明によれば、前記打撃部材の重量を規定することで、操作感の悪化を防ぎ、また、軽すぎて被粉砕物を粉砕処理しにくくなることを制御するためである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
請求項に係る発明によれば、横断平面上からみた前記打撃部材と外観容器内部側面の隙間を規定した背景には、粉砕物は上下に前記打撃部材と前記外観容器内側面との隙間を案内され通るためのものである。そのため、小さな隙間では案内されにくく、大きな隙間では前記打撃部材が不安定になりすぎ、前述外観容器の内部上面又は下面と、前記打撃部材の一端部又は他端部とのズレによる接触不良で起こる、粉砕不良を避けるためのものである。