IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タニカ電器販売株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ティーサーバー 図1
  • 特開-ティーサーバー 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186557
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】ティーサーバー
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20221208BHJP
   G16Y 10/80 20200101ALI20221208BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20221208BHJP
   G16Y 40/40 20200101ALI20221208BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
G16Y10/80
G16Y20/20
G16Y40/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021115993
(22)【出願日】2021-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】596150541
【氏名又は名称】タニカ電器販売株式会社
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雄史
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082BB04
3E082FF07
(57)【要約】
【課題】インターネットに接続し、IoT機能を備えることで、ティーサーバーの基本的な機能である飲料物の供給以外の多機能を実現することができるティーサーバーを提供すること。
【解決手段】インターネットに接続し、IoT機能を備えることで、ティーサーバーの基本的な機能である飲料物の供給以外の多機能を実現することができるティーサーバー10であって、ティーサーバー10前扉部分にタッチパネル20と、カラー液晶ディスプレイ30を備えており、ティーサーバー10内部にコントロール基板40と、スピーカー50を備えており、さらに、ティーサーバー10内部に無線モジュール60を設置し、ティーサーバー10外部にルーター70を設置することで、ルーター70を介してインターネットに接続することで外部とのデータ通信や制御をすることができるティーサーバー10とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットに接続し、IoT機能を備えることで、ティーサーバーの基本的な機能である飲料物の供給以外の多機能を実現することができるティーサーバーであって、
ティーサーバー前扉部分にタッチパネルと、カラー液晶ディスプレイを備えており、
ティーサーバー内部にコントロール基板と、スピーカーを備えており、
さらに、ティーサーバー内部に無線モジュールを設置し、
ティーサーバー外部にルーターを設置することで、
即ち、ルーターを介してインターネットに接続することで外部とのデータ通信や制御をすることができるティーサーバー。
【請求項2】
管理者識別キーとしても機能するデータ移動用のUSBメモリを備えることを特徴とする請求項1に記載のティーサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティーサーバーの前扉部分にタッチパネル付きTFT液晶を内蔵することでスマートフォンのような直接的な操作が可能なティーサーバーに関する。さらに言えば、スピーカーも搭載し、液晶ディスプレイで動画再生にも対応し、無線モジュール(Wi-Fiモジュール)を搭載してインターネットに接続することができるティーサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
ティーサーバーとは、食堂や休憩施設、オフィス・商業施設等に設置して、お茶・コーヒー、冷水・湯等の飲み物を提供する装置である。給茶機とも呼ばれる。一方、モノのインターネット(物のインターネット、Internet of Things:IoT)とは、様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みである。
【0003】
特許文献1には、「各シロップの適切な補充時期を容易に把握することができる飲料供給装置を提供する(特許文献1:要約:課題そのまま)」ことを課題として、「飲料供給装置は、シロップを希釈して飲料を供給する飲料供給装置であって、複数種類の飲料から選択された飲料を所定のノズルから吐出させる制御部と、表示部(タッチパネル)と、を備え、前記制御部は、前記複数種類の飲料の前記シロップの各々の残量と、前記複数種類の飲料から選択された飲料の売り切れまでの期間を前記表示部に表示する(特許文献1:要約:解決手段から抜粋)」飲料供給装置(特許文献1:発明の名称)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-011319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係る発明は、表示部(タッチパネル)を備えているので、スマートフォンのような直接的な操作が可能である。さらに、異なるシロップを用いて各飲料を製造する場合、各シロップの残量表示を見ても、各シロップの適切な補充時期(シロップタンクの交換時期)を把握しにくいという問題を解決する発明であり、各シロップの適切な補充時期を容易に把握することができるものである。しかしながら、商品の管理(原料の管理)、商材の発注、メンテナンス作業における情報管理等はできない。
【0006】
本発明の目的は、インターネットに接続し、IoT機能を備えることで、ティーサーバーの基本的な機能である飲料物の供給以外の多機能を実現することができるティーサーバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願請求項1に記載した発明は、インターネットに接続し、IoT機能を備えることで、ティーサーバーの基本的な機能である飲料物の供給以外の多機能を実現することができるティーサーバーであって、ティーサーバー前扉部分にタッチパネルと、カラー液晶ディスプレイを備えており、ティーサーバー内部にコントロール基板と、スピーカーを備えており、さらに、ティーサーバー内部に無線モジュールを設置し、ティーサーバー外部にルーターを設置することで、 即ち、ルーターを介してインターネットに接続することで外部とのデータ通信や制御をすることができるティーサーバーであることを特徴とするものである。
【0008】
本願請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、管理者識別キーとしても機能するデータ移動用のUSBメモリを備えることを特徴とする請求項1に記載のティーサーバーであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、インターネットに接続し、IoT機能を備えることで、ティーサーバーの基本的な機能である飲料物の供給以外の多機能を実現することができるティーサーバーである。ティーサーバー前扉部分にタッチパネルと、カラー液晶ディスプレイを備えており、ティーサーバー内部にコントロール基板と、スピーカーを備えており、さらに、ティーサーバー内部に無線モジュール(Wi-Fiモジュール)を設置し、ティーサーバー外部にルーターを設置することで、ルーターを介してインターネットに接続することで外部とのデータ通信や制御をすることができる。
【0010】
従って、単に飲料を供給する機能のみならず、商品(原料)表示の情報管理ができ、使い方動画・メンテナンス動画・取扱い説明書表示をすることができ、ユーザーが液晶画面上からカップや原料等の商材発注をすることができ、メンテナンスコールをすることができ、メンテナンス記録(メンテナンス時に何時、誰が、何を行ったか)を残すことができ、電子広告機能を備え、さらに、待機中(飲料を供給しない間)であっても、天気予報等の気象に関する情報(例えば、熱中症警告等)や時間を表示することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るティーサーバーのシステム概要を説明するための図である。
図2】ティーサーバーのシステム図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<ティーサーバーのシステム概要>
以下、本発明に係るティーサーバー10について、図1図2を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明に係るティーサーバーのシステム概要を説明するための図である。
【0013】
本発明に係るティーサーバー10は、ティーサーバー10の前扉部分にタッチパネル20付きカラー液晶ディスプレイ30(TFT液晶:タッチパネルは表示装置をタッチしているように見えるが、タッチパネルと表示装置は別々の部品であり、2つのモジュール部品を張り合わせている)を内蔵することで、スマートフォンのような直接的な操作が可能なティーサーバー10である。そして、スピーカー50を搭載することで音声を発し、液晶ディスプレイ30で動画再生にも対応することができる。
【0014】
また、本発明に係るティーサーバー10は、国際標準規格IEEE802.11規格を使用した無線モジュール60を搭載しており、アクセスポイントとしてのルーター70を介してインターネットに接続することができる。なお、無線モジュール60とは、無線チップと周辺回路を小型基板に実装し、さらにソフトウェアまで搭載した無線通信に必要な機能を備えた電子部品である。
【0015】
図1に記載したように、ティーサーバー10は、タッチパネル20、カラー液晶ディスプレイ30、コントロール基板40,スピーカー50、無線モジュール60(Wi-Fiモジュール)を内蔵し、(アクセスポイントとしての)ルーター70を介してインターネットに接続することができるようになっている。さらに、管理者識別キーとしての機能も備えた(データ移動用)USBメモリ80を備えている。
【0016】
図2は、本発明に係るティーサーバー10のシステム図である。ティーサーバー10の基本的な機能は飲料の抽出であるが、ここでは、ティーサーバー10の特徴と言える(飲料を提供する機能以外の)機能について記述する。ユーザーが機能を発揮するために行う入力は、ティーサーバー10前扉部分に設置されたタッチパネル20に指先で触れることで行う。タッチパネル20から入力された情報(具体的には画面の選択)は、制御部(コントロール基板40)を通じて、カラー液晶ディスプレイ30による出力(動画)、及びスピーカー50による出力(音声)が行われる。
【0017】
一方、記憶部(メモリー)には、予め種々のデータが保存されているが、通信機能を備えているので、インターネットを通じてティーサーバー10外部からデータ(情報)を記憶部(メモリー)に取り込むこともできる。逆に、ユーザー側が、タッチパネル20から入力した情報(記憶部(メモリー)に入力され保存された情報)は、(コントロール基板40に搭載された)無線モジュール60(Wi-Fiモジュール)から(アクセスポイントである)ルーター70を介してインターネット接続され、外部に向けて発信することができる。さらに、データはUSBメモリ80から直接記録部(メモリー)に記憶させることもできる。尚、USBメモリ80は管理者識別キーとしての機能を持たせることもできる。
【0018】
<ティーサーバーの効果>
本発明に係るティーサーバー10は、単に飲料を供給する機能のみならず、商品(原料)表示、及びその情報管理ができ、使い方動画・メンテナンス動画・取り扱い説明書表示をすることができ、ユーザーが液晶画面上からカップや原料等の商材発注をすることができ、メンテナンスコールをすることができ、メンテナンス記録(メンテナンス時に何時、誰が、何を行ったか)を残すことができ、電子広告機能を備えることができる。以下に、それぞれの機能について詳細する。
【0019】
<商品(原料)表示、及びその情報管理>
従来のティーサーバーの商品(原料)表示は、前面扉裏側より、フレーバーカード(紙製)を差し込んで表示していたが、本発明に係るティーサーバー10は、カラー液晶ディスプレイ30に商品を表示することができる。ユーザーが、(カラー液晶ディスプレイ30を見て位置を確認しつつ)タッチパネル20にタッチすると、カラー液晶ディスプレイ30の画面は、商品(原料)表示から商品情報画面に切り替わり、原料の紹介、産地、栄養成分表示、アレルギー情報を表示させることができる。尚、この設定は、使用する原料に合わせて、ユーザー側からでも簡単に変更することができる。商品画像や情報は記憶部(メモリー)に保存することができ、必要に応じてインターネットからダウンロードすることもできる。
【0020】
<使い方動画・メンテナンス動画・取り扱い説明書表示>
ティーサーバー10は、ティーサーバー10の機械内部に使い方やメンテナンス(日常お手入れ手順)をわかりやすく解説した動画を内蔵し、タッチパネル20を操作することにより、カラー液晶ディスプレイ30画面上に呼び出して再生することができる。そして、取扱い説明書も画面上から閲覧することができる。さらに、トラブルシューティング機能を搭載しており、ティーサーバー10のカラー液晶ディスプレイ30画面上に表示された症状に関する質問(例えば、不具合の症状を4者択一するような形式)について回答すると、対処方法をカラー液晶ディスプレイ30画面上から案内することができるようになっている。従って、日常メンテナンスや簡単なトラブルは、ユーザー側で対応することができる。
【0021】
<商材(カップ、飲料物の原料)の発注>
ユーザーは、ティーサーバー10の機械内部を確認して、商材(カップ、飲料物の原料)の残量が少なくなってきたのを確認すると、カラー液晶ディスプレイ30画面上からタッチパネル20を操作することにより、商材(カップや飲料物の原料)の発注をすることができる。発注は、メール送信により行われる。即ち、発注先は注文情報をメールで受け取り、宅配便でユーザーに届けることになる。そして、商材の単価、及び発注先等は客先、商品ごとに変更することが出来る。さらに、ユーザーがティーサーバー10の機械内部を確認しなくても良い、発注作業を自動化するオプションも用意されている。このオプションについて説明すると、商材(カップ、飲料物の原料)の残量を重さセンサにて検知し、商材(カップ、飲料物の原料)の残量分の重さが所定の重さ以下になると、自動的に外部にメールを送信し発注することもできる。
【0022】
<機械の情報管理:メンテナンスコール、メンテナンス記録>
カラー液晶ディスプレイ30画面上からタッチパネル20を操作することにより、ユーザーがメンテナンスコールを行うと、そのユーザーのティーサーバー10が使用している飲料物の原料やティーサーバー10の設定、使用回数、エラー情報、ティーサーバー10の機体番号等のメンテナンス情報がメールでコールセンター等の遠隔地に送信される。コールセンターからユーザーに連絡し、メンテナンス動画(カラー液晶ディスプレイ30画面に流れる)等を活用して対応の説明を行う。コールセンターのみで対応できるので、わざわざサービスマンが出動し対応する必要が無い。なお、前回のメンテナンス時からの使用量(何杯使用したか)、前回のメンテナンス時からの経過日数等の情報をサービスマンに送信するような設定を追加することもできる。さらに、メンテナンス時の記録(何時、誰が、何を行ったか)をティーサーバー10内部の記憶部(メモリー)に記録することができる。メンテナンスの履歴やフィルターの交換に関する履歴についても記録することができる。
【0023】
<電子広告機能、その他の機能>
ティーサーバー10は、設置先(店舗)のPRや商品のCM,外部の広告動画等をティーサーバー10の待機中(飲料物を提供していない時間帯)や抽出中に再生することが出来る。特に、飲料物抽出中は、飲料物を飲もうとする人は必ず機械の前に立っているので直視による宣伝効果は大きいと言える。その他の活用法としては、待機中に社内連絡や時計を表示させることができる。そして、気温を計測し、熱中症の警告をして水分補給を促すことができる。さらに、飲料物抽出前にカラー液晶ディスプレイ30画面上にてアンケートを行い、飲料物を飲もうとしている人から直接データ収集を行うことができる。
【0024】
<ティーサーバーの変更例>
本発明に係るティーサーバーは、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、タッチパネル、カラー液晶ディスプレイ、コントロール基板、スピーカー、Wi-Fiモジュール、ルーター、USBメモリ等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明に係るティーサーバーは、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、飲料を提供する機械に関する分野等で好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0026】
10・・ティーサーバー
20・・タッチパネル
30・・カラー液晶ディスプレイ
40・・コントロール基板
50・・スピーカー
60・・無線モジュール
70・・ルーター
80・・USBメモリ
図1
図2