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特開2022-186596データ検証方法、装置、機器および記憶媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186596
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】データ検証方法、装置、機器および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/082 20060101AFI20221208BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G08G1/082
G08G1/01 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059933
(22)【出願日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】202110620461.9
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101, 1st Floor, Building 1, Yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】史 林涛
(72)【発明者】
【氏名】曲 海▲竜▼
(72)【発明者】
【氏名】梅 雨
(72)【発明者】
【氏名】▲顔▼ 滔
(72)【発明者】
【氏名】▲竇▼ ▲暁▼▲欽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 武▲帥▼
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB13
5H181CC04
5H181DD02
5H181DD04
5H181JJ02
5H181JJ12
(57)【要約】
【課題】 データ検証方法、装置、機器および記憶媒体を提供する。
【解決手段】 本開示は、データ検証方法、装置、機器および記憶媒体を提供し、人工知能の技術分野に関し、更にインテリジェント交通技術に関する。具体的な実現形態として、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの評価指標の実際値を確定することと、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、およびグリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、評価指標の理論値を確定することと、評価指標の理論値および実際値に基づき、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証することとを含み、評価指標は、交差点停止率指標、リンク速度指標、幹線速度指標、および幹線停止回数指標のうちの少なくとも1つを含む。本開示の技術により、タイミング協調データの合理性の検証に改善された新たな考え方を提供する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点停止率指標、リンク速度指標、幹線速度指標、および幹線停止回数指標のうちの少なくとも1つを含む評価指標の実際値であって、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの評価指標の実際値を確定することと、
グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、グリーンウェーブ協調幹線における交差点の位置データ、および前記グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、前記評価指標の理論値を確定することと、
前記評価指標の理論値および実際値に基づき、前記グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証することとを含む、
データ検証方法。
【請求項2】
前記グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、および前記グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、前記評価指標の理論値を確定することは、
グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、および前記グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、グリーンウェーブ協調幹線における隣接する交差点のうちの下流交差点の車両通行状況および/またはグリーンウェーブ協調幹線における車両通行状況を確定することと、
前記下流交差点の車両通行状況および/またはグリーンウェーブ協調幹線における車両通行状況、グリーンウェーブ協調速度、前記タイミング協調データ、および隣接する交差点間の距離に基づき、前記評価指標の理論値を確定することとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記下流交差点の車両通行状況、グリーンウェーブ協調速度、前記タイミング協調データ、および隣接する交差点間の距離に基づき、前記評価指標の理論値を確定することは、
前記下流交差点の車両通行状況が、上流交差点から下流交差点へ走行している車両のうちに下流交差点で通行を待つ必要のある車両が存在するという状況である場合、隣接する交差点間の距離、グリーンウェーブ協調速度、および前記タイミング協調データのうちの隣接する交差点信号機データに基づき、交差点停止率指標の理論値および/またはリンク速度指標の理論値を確定することを含み、
前記隣接する交差点信号機データは、隣接する交差点のうちの上流交差点信号機の青信号になっている第1時間長、隣接する交差点のうちの下流交差点信号機の青信号になっている第2時間長、隣接する交差点信号機間の位相差、および下流交差点信号機の周期を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記隣接する交差点間の距離、グリーンウェーブ協調速度、および前記タイミング協調データのうちの隣接する交差点信号機データに基づき、交差点停止率指標の理論値を確定することは、
前記第1時間長、隣接する交差点間の距離、およびグリーンウェーブ協調速度に基づき、上流交差点を通過する末尾の車両が下流交差点に到達する時間を確定することと、
確定した時間、前記第2時間長、および隣接する交差点信号機間の位相差に基づき、上流交差点信号機に対する下流交差点信号機の赤信号の時間長を確定することと、
前記赤信号の時間長と前記第1時間長との比を交差点停止率指標の理論値とすることとを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記隣接する交差点間の距離、グリーンウェーブ協調速度、および前記タイミング協調データのうちの隣接する交差点信号機データに基づき、交差点停止率指標の理論値を確定することは、
隣接する交差点信号機間の位相差、隣接する交差点間の距離、およびグリーンウェーブ協調速度に基づき、上流交差点信号機に対する下流交差点信号機の赤信号の時間長を確定することと、
前記赤信号の時間長と前記第1時間長との比を交差点停止率指標の理論値とすることとを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記隣接する交差点間の距離、グリーンウェーブ協調速度、および前記タイミング協調データのうちの隣接する交差点信号機データに基づき、リンク速度指標の理論値を確定することは、
隣接する交差点信号機間の位相差、隣接する交差点間の距離、グリーンウェーブ協調速度、下流交差点信号機の周期、および前記第1時間長に基づき、上流交差点から下流交差点へ走行している車両が上流交差点から下流交差点を通過する平均時間長を確定することと、
隣接する交差点間の距離および前記平均時間長に基づき、リンク速度指標の理論値を確定することとを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記幹線の車両通行状況、グリーンウェーブ協調速度、前記タイミング協調データ、および隣接する交差点間の距離に基づき、評価指標の理論値を確定することは、
前記幹線の車両通行状況が、前記グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両のうちに通行を待っている車両が存在するという状況である場合、前記タイミングデータのうちの隣接する交差点信号機間の位相差、交差点信号機の周期、交差点信号機の青信号になっている時間長、隣接する交差点間の距離、およびグリーンウェーブ協調速度に基づき、車両がグリーンウェーブ協調幹線における開始交差点から走行して末尾交差点を通過するまでの走行時間長および/または幹線停止回数指標の理論値を確定することと、
グリーンウェーブ協調幹線における開始交差点と末尾交差点との間の距離および前記走行時間長に基づき、幹線速度指標の理論値を確定することとを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項8】
交差点停止率指標、リンク速度指標、幹線速度指標、および幹線停止回数指標のうちの少なくとも1つを含む評価指標の実際値であって、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの評価指標の実際値を確定することに用いられる実際値確定モジュールと、
グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、および前記グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、前記評価指標の理論値を確定することに用いられる理論値確定モジュールと、
前記評価指標の理論値および実際値に基づき、前記グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証することに用いられる検証モジュールと、を備える、
データ検証装置。
【請求項9】
前記理論値確定モジュールは、
グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、および前記グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、グリーンウェーブ協調幹線における隣接する交差点のうちの下流交差点の車両通行状況および/またはグリーンウェーブ協調幹線における幹線の車両通行状況を確定することに用いられる通行状況確定ユニットと、
前記下流交差点の車両通行状況および/または幹線の車両通行状況、グリーンウェーブ協調速度、前記タイミング協調データ、および隣接する交差点間の距離に基づき、前記評価指標の理論値を確定することに用いられる理論値確定ユニットと、を備える、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記理論値確定ユニットは、具体的に、
前記下流交差点の車両通行状況が、上流交差点から下流交差点へ走行している車両のうちに下流交差点で通行を待つ必要のある車両が存在するという状況である場合、隣接する交差点間の距離、グリーンウェーブ協調速度、および前記タイミング協調データのうちの隣接する交差点信号機データに基づき、交差点停止率指標の理論値および/またはリンク速度指標の理論値を確定することに用いられ、
前記隣接する交差点信号機データは、隣接する交差点のうちの上流交差点信号機の青信号になっている第1時間長、隣接する交差点のうちの下流交差点信号機の青信号になっている第2時間長、隣接する交差点信号機間の位相差、および下流交差点信号機の周期を含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記理論値確定ユニットは、具体的に、
前記第1時間長、隣接する交差点間の距離、およびグリーンウェーブ協調速度に基づき、上流交差点を通過する末尾の車両が下流交差点に到達する時間を確定することと、
確定した時間、前記第2時間長、および隣接する交差点信号機間の位相差に基づき、上流交差点信号機に対する下流交差点信号機の赤信号の時間長を確定することと、
前記赤信号の時間長と前記第1時間長との比を交差点停止率指標の理論値とすることとに用いられる、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記理論値確定ユニットは、具体的に、
隣接する交差点信号機間の位相差、隣接する交差点間の距離、およびグリーンウェーブ協調速度に基づき、上流交差点信号機に対する下流交差点信号機の赤信号の時間長を確定することと、
前記赤信号の時間長と前記第1時間長との比を交差点停止率指標の理論値とすることとに用いられる、
請求項10に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されているメモリと、を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~7のいずれか1項に記載のデータ検証方法を実行可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
電子機器。
【請求項14】
コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ命令は、請求項1~7のいずれか1項に記載のデータ検証方法をコンピュータに実行させることに用いられる、
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
プロセッサにより実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載のデータ検証方法を実現する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータ技術分野に関し、特に、インテリジェント交通等の人工知能技術に関し、具体的には、データ検証方法、装置、機器および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
インテリジェント交通技術の発展に伴い、幹線グリーンウェーブ協調技術は、道路交通の渋滞問題を解決するために、各都市および地域に適用されて普及されている。ここで、幹線グリーンウェーブ協調技術における信号機の切替時間は動的に変化してる。
【0003】
信号機の動的時間が合理的であるか否か、渋滞問題を真に解決できるか否かをどのように評価するかは、極めて重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、データ検証方法、装置、機器および記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、
交差点停止率指標、リンク速度指標、幹線速度指標、および幹線停止回数指標のうちの少なくとも1つを含む評価指標の実際値であって、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの評価指標の実際値を確定することと、
グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、および前記グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、前記評価指標の理論値を確定することと、
前記評価指標の理論値および実際値に基づき、前記グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証することとを含む、
データ検証方法を提供する。
【0006】
本開示の別の態様によれば、
交差点停止率指標、リンク速度指標、幹線速度指標、および幹線停止回数指標のうちの少なくとも1つを含む評価指標の実際値であって、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの評価指標の実際値を確定することに用いられる実際値確定モジュールと、
グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、および前記グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、前記評価指標の理論値を確定することに用いられる理論値確定モジュールと、
前記評価指標の理論値および実際値に基づき、前記グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証することに用いられる検証モジュールとを備える、
データ検証装置を提供する。
【0007】
本開示の別の態様によれば、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されているメモリと、を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが本開示のいずれかの実施例に記載のデータ検証方法を実行可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
電子機器を提供する。
【0008】
本開示の別の態様によれば、コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ命令は、本開示のいずれかの実施例に記載のデータ検証方法をコンピュータに実行させることに用いられる、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0009】
本開示の別の態様によれば、プロセッサにより実行されると、本開示のいずれかの実施例に記載のデータ検証方法を実現する、コンピュータプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の技術によれば、タイミング協調データの合理性の検証に改善された新たな考え方を提供する。
【0011】
本開示に記載された内容は、本開示の実施例のキーとなるまたは重要な特徴を標識するためのものではなく、本開示の範囲を限定するものでもないことが理解されるべきである。本開示の他の特徴は、以下の明細書により容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面は本形態をより良く理解するためのものであり、本開示を限定するものではない。
【0013】
図1A】本開示の実施例によるデータ検証方法のフローチャートである。
図1B】本開示の実施例による幹線グリーンウェーブ図の模式図である。
図1C】本開示の実施例による軌跡-グリーンウェーブ図の模式図である。
図2】本開示の実施例による別のデータ検証方法のフローチャートである。
図3A】本開示の実施例によるまた別のデータ検証方法のフローチャートである。
図3B】本開示の実施例による交差点のシーンの模式図である。
図3C】本開示の実施例による交差点のシーンの模式図である。
図3D】本開示の実施例による交差点のシーンの模式図である。
図4A】本開示の実施例によるまたさらに別のデータ検証方法のフローチャートである。
図4B】本開示の実施例による幹線の交差点のシーンの模式図である。
図5】本開示の実施例によるデータ検証装置の構造模式図である。
図6】本開示の実施例のデータ検証方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本開示の例示的な実施例を詳細に説明する。ここで、理解の便宜上、本開示の実施例に係る様々な細かい内容まで含まれているが、例示的なものに過ぎないと理解すべきである。従って、当業者であれば理解するであろうが、本開示の範囲および主旨から逸脱しない限り、ここで説明する実施例に対して様々な変更や修正を行うことができる。同様に、以下の説明において、公知されている機能および構造の説明は、明確且つ簡潔にするために省略している。
【0015】
図1Aは、本開示の実施例によるデータ検証方法のフローチャートである。本開示の実施例は、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号のタイミング協調データの合理性をどのように検証するか、即ち、グリーンウェーブ協調幹線に設定されたグリーンウェーブ帯(green wave band)の合理性をどのように検証するかに適用される。ここで、いわゆるグリーンウェーブ協調幹線は、実際のシーンでの任意の道路であり、該道路は、幹線グリーンウェーブ協調技術を用いて該道路における全ての交差点信号機を統一的に管理制御する。いわゆるグリーンウェーブ帯は、リンク間の交差点信号機が青信号となっている時間の交点である。該方法は、データ検証装置で実行でき、該装置は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアの方式で実現でき、データ検証機能を持つ計算機器に集積できる。図1Aに示すように、本実施例に係るデータ検証方法は、以下のステップを含む。
【0016】
S101において、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの評価指標の実際値を確定する。
【0017】
本実施例において、いわゆる交差点信号機は、交差点(例えば、辻)に位置する信号機(信号ランプと呼ばれてもよい)である。タイミング協調データは、交差点信号機を統一的に管理制御するデータであり、グリーンウェーブ協調幹線におけるいずれかの交差点信号機の周期およびグリーンウェーブとなっている時間長を含んでもよいし、グリーンウェーブ協調幹線における隣接する2つの交差点信号機間の位相差等を含んでもよい。
【0018】
好ましくは、評価指標は、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証(または、評価)するための指標であり、更に、本実施例における評価指標は、交差点停止率指標、交差点並び数指標、リンク速度指標、幹線速度指標、幹線停止回数指標、およびオーバーラップ度指標等のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0019】
ここで、交差点停止率指標は、交差点停止確率を統計するための手段であり、いわゆる交差点停止率は、隣接する交差点のうちの上流交差点の車両が下流交差点を通過する際に、停止する必要のある車両の総車両(即ち、上流交差点から下流交差点へ走行している車両)に占める割合である。上流交差点および下流交差点は、車両の走行方向に対するものであり、車両が先に通過する交差点は上流交差点であり、後に通過する交差点は下流交差点である。交差点並び数は、交差点で並んで通行を待っている車両の数である。それに対応し、幹線停止回数指標は、幹線次元から車両停止確率を統計する手段であり、いわゆる幹線停止回数は、幹線の開始交差点の車両が幹線の末尾交差点を通過する際の平均停止回数である。
【0020】
リンク速度指標は、リンク次元から車両通行速度を統計する手段であり、いわゆるリンク速度は、上流交差点の車両が下流交差点を通過する際に走行している平均速度である。それに対応し、幹線速度指標は、幹線次元から車両通行速度を統計する手段であり、いわゆる幹線速度は、幹線の開始交差点の車両が幹線の末尾交差点を通過する際の平均走行速度である。更に、オーバーラップ度指標は、グリーンウェーブ協調幹線におけるグリーンウェーブ帯と車両軌跡とのオーバーラッピングする程度を表すための指標である。
【0021】
例示的には、本実施例において、任意のグリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データを検証する必要がある場合、地図アプリケーションのバックオフィスサーバから該グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの評価指標の実際値を取得することができる。更に、他の方式により評価指標の実際値を取得することもでき、例えば、交差点に設けられた収集機器により収集されたシーン画像により、交差点並び数指標の実際値を確定することができ、または、地図アプリケーションからグリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データを取得し、取得した軌跡データおよび交差点の位置データ等に基づいて交差点停止率指標の実際値等を確定することができる。具体的には、取得した軌跡データにより車両の軌跡を描画し、描画した軌跡および交差点の位置データ等と合わせ、交差点停止率指標の実際値を確定することができる。または、地図アプリケーションからグリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の任意のリンクでの走行時間長および該リンクの長さを取得することができ、更にリンク速度指標の実際値を確定することができる。例えば、該リンクの長さを該リンクで走行している各車両の走行時間長で除算すると、各車両の速度を取得でき、全ての車両の速度を平均化すると、リンク速度指標の実際値を取得することができる。
【0022】
更に、実際のシーンにおいて、通常、期間分割の方式で幹線に対してグリーンウェーブの調整制御を行い、例えば、朝晩のピーク期間で幹線における交差点信号機を調整制御し、他の期間で交差点信号機を管理制御しない。更に、該グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機を管理制御する期間から任意の期間を選択し、該期間のグリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの評価指標の実際値を取得することもできる。好ましくは、正確度を確保するために、選択した期間の時間長は設定された値の範囲内にあるべきであり、設定された値の範囲は、実際のシーンにおけるグリーンウェーブ協調幹線の長さ、一方・双方通行等に基づいて予め確定されるものであってもよい。
【0023】
また、本実施例において、履歴の評価指標の実際値を取得してもよいし、現在時刻の評価指標の実際値等をリアルタイムに取得してもよいことが理解できる。
【0024】
S102において、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、およびグリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、評価指標の理論値を確定する。
【0025】
好ましくは、本実施例において、地図アプリケーションからグリーンウェーブ協調幹線における全ての交差点の位置データを取得することができ、更に、任意の交差点の位置データは、該交差点の座標を含んでもよい。それと同時に、地図アプリケーションからグリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データを取得することもできる。本実施例において、グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両は、グリーンウェーブ協調幹線で走行している全ての車両であることが好ましい。
【0026】
例示的には、評価指標の理論値を確定する好ましい実施形態は、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データおよび交差点の位置データに基づいて幹線グリーンウェーブ図を描画し、図1Bに示すように、ここで、黒色で充填された領域は、交差点信号機が赤色となっている時間長を表し、充填されていない領域は、交差点信号機が青色となっている時間長を表し、リンク間の交差点信号機が青信号となっている時間の交点がグリーンウェーブ帯を構成し、且つ、図1Bは、一方通行道路の幹線グリーンウェーブ図を示すが、本実施例において、双方通行道路を同時に示す幹線グリーンウェーブ図が更にある。取得された軌跡データを処理し、軌跡点の緯度経度座標を経時的に変化する変位データに切り替え、処理後のデータを幹線グリーンウェーブ図に描画し、軌跡-グリーンウェーブ図を取得し、図1Cに示すように、本実施例において、グリーンウェーブ協調幹線における車両が複数で、ひいては関わる軌跡が複数であり、図1Cは、1つの車両の軌跡を例とするが、これに限定するものではない。交差点の隣接関係に基づき、得られた軌跡-グリーンウェーブ図を分割し(例えば、隣接する2つの交差点間の図を1つのサブ図とする)、複数のサブ図を得ることができる。各サブ図に対し、予め設定された隣接する交差点の走行シーン図から該サブ図にマッチングするシーン図を選択し、選択したシーン図の交差点停止率指標の数値を、該サブ図に対応する交差点停止率指標の理論値とするとともに、選択したシーン図のリンク速度指標の数値を、該サブ図に対応するリンク速度指標の理論値とする。ここで、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、および毎秒車両が走行していると仮定すること等のデータに基づいて複数種の隣接交差点の走行シーン図を描画する。
【0027】
更に、描画された軌跡-グリーンウェーブ図と、予め設定された該グリーンウェーブ協調幹線に関連する軌跡-グリーンウェーブ図とをマッチングし、マッチングした軌跡-グリーンウェーブ図の関連評価指標の数値、例えば、幹線停止回数指標の数値を幹線停止回数指標の理論値とし、オーバーラップ度指標の数値をオーバーラップ度指標の理論値等とする。
【0028】
例示的には、他の方式で評価指標の理論値を確定することができ、具体的には、下記詳細な実施例を参照することができる。
【0029】
S103において、評価指標の理論値および実際値に基づき、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証する。
【0030】
好ましくは、評価指標の理論値および実際値を確定した後、評価指標の理論値と実際値とを比較し、いずれかの評価指標の実際値と評価指標の理論値との間の差が設定範囲内にあれば、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データが合理的であることを確定する。逆に、いずれかの評価指標の理論値と実際値との間の差が設定範囲内になければ、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データが合理的ではなく、即ち、グリーンウェーブ協調幹線に設けられたグリーンウェーブ帯が合理的ではないことを確定する。
【0031】
更に、交差点信号機のタイミング協調データが合理的であるか否かを直観的に判断しやすいために、本実施例で描画された軌跡-グリーンウェーブ図において、青色を用いて車両の軌跡とグリーンウェーブとが一致することを示し、赤色を用いて車両が交差点で青信号を待っていることを示す。それと同時に、各評価指標の理論値および実際値は、軌跡-グリーンウェーブ図と共にユーザに示される。また、評価指標の実際値と理論値との間が設定範囲内になければ、ユーザが直観的に位置決めしやすいように、該評価指標の実際値をハイライトの形式で示してもよい。
【0032】
例示的には、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データが合理的ではないことを確定した場合、更に関連する調整提案を提供することもできる。例えば、ある交差点停止率指標の実際値が理論値よりも遥かに大きい場合、該交差点信号機の青信号になっている時間長を延長し、即ち、交差点間のグリーンウェーブ帯を広げると提案することができる。
【0033】
本開示の実施例に係る技術案は、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、およびグリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、評価指標の理論値を確定することができ、且つ、評価指標の理論値および取得した評価指標の実際値に基づき、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証する。上記形態は、交差点、リンクおよび幹線という3つの次元からタイミング協調データを全面的に評価することにより、交差点信号機のタイミング協調データの合理性を直観的、真実的かつ正確に確定することができるとともに、本形態は、グリーンウェーブ協調幹線で走行している全ての車両の軌跡データ、即ち、豊かなデータ量に基づき、交差点信号機のタイミング協調データの合理性を確定する正確度を大幅に向上させ、タイミング協調データの合理性の検証に改善された新たな考え方を提供する。
【0034】
図2は、本開示の実施例による別のデータ検証方法のフローチャートである。本開示の実施例は、上記実施例の基に、更に評価指標の理論値をどのように確定するかについて解釈して説明する。図2に示すように、本実施例に係るデータ検証方法は、以下のステップを含む。
【0035】
S201において、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの評価指標の実際値を確定する。
【0036】
ここで、評価指標は、交差点停止率指標、リンク速度指標、幹線速度指標、および幹線停止回数指標のうちの少なくとも1つを含む。
【0037】
S202において、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、およびグリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、グリーンウェーブ協調幹線における隣接する交差点のうちの下流交差点の車両通行状況および/またはグリーンウェーブ協調幹線における幹線の車両通行状況を確定する。
【0038】
本実施例において、隣接する交差点のうちの下流交差点の車両通行状況は、交差点次元から統計された車両の通行状況であり、即ち、上流交差点から下流交差点へ走行している車両の通行状況であり、具体的には、上流交差点から下流交差点へ走行している車両のうちに下流交差点で通行を待つ必要のある車両が存在するという状況であってもよいし、上流交差点から下流交差点へ走行している車両が下流交差点で通行を待つ必要がないという状況であってもよい。それに対応し、幹線の車両通行状況は、幹線次元から統計された車両の通行状況であり、即ち、グリーンウェーブ協調幹線の開始交差点から末尾交差点へ走行している車両の通行状況であり、具体的には、グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両に通行を待っている車両が存在するという状況であってもよいし、グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両に通行を待っている車両が存在しないという状況であってもよい。
【0039】
好ましくは、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データおよび交差点の位置データに基づき、幹線グリーンウェーブ図を描画する。取得された軌跡データを処理し、軌跡点の緯度経度座標を経時的に変化する変位データに切り替え、処理後のデータを幹線グリーンウェーブ図に描画し、軌跡-グリーンウェーブ図を取得する。取得した軌跡-グリーンウェーブ図を分析し、グリーンウェーブ協調幹線における任意の隣接する2つの交差点のうちの下流交差点の車両通行状況および/またはグリーンウェーブ協調幹線における幹線の車両通行状況を取得することができる。
【0040】
S203において、下流交差点の車両通行状況および/または幹線の車両通行状況、グリーンウェーブ協調速度、タイミング協調データ、および隣接する交差点間の距離に基づき、評価指標の理論値を確定する。
【0041】
本実施例において、いわゆるグリーンウェーブ協調速度は、グリーンウェーブ協調幹線の設計速度であり、理想的な速度と呼ばれてもよく、即ち、理想的な場合、ユーザがグリーンウェーブ協調速度にてグリーンウェーブ協調幹線で走行すれば、常に青信号で通行することができる。いわゆる隣接する交差点間の距離は、隣接する2つの交差点のうちの上流交差点と下流交差点との間の距離であり、隣接する交差点間の距離は、直接地図アプリケーションから取得してもよいし、交差点の位置データにより確定してもよく、本実施例はこれについて限定しない。
【0042】
好ましくは、下流交差点の車両通行状況、グリーンウェーブ協調速度、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、および隣接する交差点間の距離に基づき、交差点停止率指標の理論値、交差点並び数指標の理論値、およびリンク速度指標の理論値を確定することができる。例えば、下流交差点の車両通行状況が、上流交差点から下流交差点へ走行している車両のうちに下流交差点で通行を待つ必要のある車両が存在するという状況である場合、タイミング協調データのうちの上流交差点および下流交差点の関連データ、隣接する交差点間の距離、およびグリーンウェーブ協調速度に基づき、車両が上流交差点から下流交差点まで走行するのに必要な平均走行時間長を確定することができ、隣接する交差点間の距離を確定した平均走行時間長で除算すると、リンク速度指標の理論値を取得することができる。
【0043】
更に、幹線の車両通行状況、グリーンウェーブ協調速度、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、および隣接する交差点間の距離に基づき、幹線速度指標の理論値、幹線停止回数指標の理論値、およびオーバーラップ度指標の理論値等を確定することができる。例えば、グリーンウェーブ協調幹線における任意の隣接する交差点間の距離に基づき、グリーンウェーブ協調幹線における開始交差点と末尾交差点との間の距離を確定することができ、更に、幹線の車両通行状況、グリーンウェーブ協調速度、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、およびグリーンウェーブ協調幹線における開始交差点と末尾交差点との間の距離に基づき、幹線速度指標の理論値を確定することができる。
【0044】
更に、下流交差点の車両通行状況、幹線の車両通行状況、グリーンウェーブ協調速度、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、および隣接する交差点間の距離に基づき、任意の評価指標の理論値を確定することができる。
【0045】
S204において、評価指標の理論値および実際値に基づき、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証する。
【0046】
本開示の実施例に係る技術案は、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データ、およびグリーンウェーブ協調速度等の多次元データを導入することにより全面的に分析し、交差点、リンクおよび幹線等の異なる次元の評価指標の理論値を正確に確定することができ、後続で行われるタイミング協調データの合理性の検証にデータサポートを提供し、その後、評価指標の理論値および取得した評価指標の実際値に基づき、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性の検証を実現することができる。
【0047】
図3Aは、本開示の実施例によるまた別のデータ検証方法のフローチャートである。本開示の実施例は、上記実施例の基に、更に評価指標の理論値をどのように確定するかについて解釈して説明する。図3Aに示すように、本実施例に係るデータ検証方法は、以下のステップを含む。
【0048】
S301において、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの評価指標の実際値を確定し、ここで、評価指標は、交差点停止率指標、リンク速度指標、幹線速度指標、および幹線停止回数指標のうちの少なくとも1つを含む。
【0049】
S302において、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、およびグリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、グリーンウェーブ協調幹線における隣接する交差点のうちの下流交差点の車両通行状況を確定する。
【0050】
S303において、下流交差点の車両通行状況が、上流交差点から下流交差点へ走行している車両のうちに下流交差点で通行を待つ必要のある車両が存在するという状況である場合、隣接する交差点間の距離、グリーンウェーブ協調速度、およびタイミング協調データのうちの隣接する交差点信号機データに基づき、交差点停止率指標の理論値および/またはリンク速度指標の理論値を確定する。
【0051】
ここで、隣接する交差点信号機データは、隣接する交差点のうちの上流交差点信号機の青信号になっている第1時間長、隣接する交差点のうちの下流交差点信号機の青信号になっている第2時間長、隣接する交差点信号機間の位相差、および下流交差点信号機の周期を含む。本実施例において、第1時間長および第2時間長は、同じであってもよいし、異なってもよい。
【0052】
好ましくは、上流交差点から下流交差点へ走行している車両のうちに存在する下流交差点で通行を待つ必要のある車両は、上流交差点を通過する時間(または、順序とも言える)が異なると、下流交差点で通行を待つ時間が異なり、交差点停止率指標の理論値および/またはリンク速度指標の理論値を確定する方式も異なる。
【0053】
例示的には、上流交差点から下流交差点へ走行している車両のうちに存在する下流交差点で通行を待つ必要のある車両は、上流交差点信号機が青信号になってから上流交差点を通過した最初のn個の車両(図3Bに示すように、黒色で充填された領域は、交差点信号機が赤色となっている時間長を表し、充填されていない領域は、交差点信号機が青色となっている時間長を表し、AおよびBという2つの交差点のうち、A交差点は上流交差点であり、B交差点は下流交差点であり、A交差点を通過した最初の車両Q1は、B交差点で通行を待つ必要があり、A交差点を通過した最後の車両Q2は、B交差点で待つ必要ながく、車両Q1と車両Q2との間に他の車両(図3Bに示されていない)が更にあり、これらの車両は、B交差点に到達した際に待つ必要もない)である場合、隣接する交差点信号機間の位相差、隣接する交差点間の距離、およびグリーンウェーブ協調速度に基づき、上流交差点信号機に対する下流交差点信号機の赤信号の時間長を確定し、赤信号の時間長と第1時間長との比を、交差点停止率指標の理論値とする。
【0054】
グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の速度がグリーンウェーブ協調速度Vであり、隣接する交差点間の距離をSで表し、隣接する交差点信号機間の位相差をMで表し、第1時間長をG1で表し、B交差点信号機の周期をCで表すと仮定する。具体的には、本実施例において、隣接する交差点間の距離Sをグリーンウェーブ協調速度Vで除算すると、任意の車両がA交差点からB交差点まで走行しているのに必要な走行時間長であるS/Vを取得することができる。車両Q1がB交差点で通行を待つ必要があるため、A交差点信号機とB交差点信号機との間の位相差Mが走行時間長S/Vよりも大きいことを意味し、従い、A交差点信号機とB交差点信号機との間の位相差Mから走行時間長S/Vを減算すると、上流交差点信号機に対する下流交差点信号機の赤信号の時間長であるM-S/Vを取得することができる。その後、取得した赤信号の時間長と第1時間長G1との比である(M-S/V)/G1を、交差点停止率指標の理論値とする。
【0055】
それと同時に、このシーンにおいて、更に隣接する交差点信号機間の位相差、隣接する交差点間の距離、グリーンウェーブ協調速度、下流交差点信号機の周期、および第1時間長に基づき、上流交差点から下流交差点へ走行している車両が下流交差点を通過する平均時間長を確定し、隣接する交差点間の距離および平均時間長に基づき、リンク速度指標の理論値を確定することもできる。本実施例において、下流交差点信号機の周期をCで表すことができる。
【0056】
本実施例において、隣接する交差点間の距離Sをグリーンウェーブ協調速度Vで除算すると、任意の車両がA交差点からB交差点まで走行するのに必要な走行時間長であるS/Vを取得することができる。車両Q1がB交差点で通行を待つ必要があるため、A交差点信号機とB交差点信号機との間の位相差Mが走行時間長S/Vよりも大きいことを意味し、従い、A交差点信号機とB交差点信号機との間の位相差Mから走行時間長S/Vを減算すると、上流交差点信号機に対する下流交差点信号機の赤信号の時間長であるM-S/Vを取得することができる。((M-S/V)/2+S/V)に交差点停止率指標の理論値である(M-S/V)/G1を乗算すると、赤信号の時間長内でA交差点からB交差点へ走行している車両がB交差点を通過する平均時間長L1を取得することができる。更に、上記記述に基づき、交差点停止率指標の理論値が(M-S/V)/G1であることを知ることができ、更に、交差点通行率が1-(M-S/V)/G1であることを知ることができるため、(1-(M-S/V)/G1)にS/Vを乗算すると、B交差点が青信号になっている第2時間長G2内でA交差点からB交差点へ走行している車両がB交差点を通過する平均時間長L2を取得することができる。その後、隣接する交差点間の距離Sを、平均時間長の和(即ち、L1+L2)で除算すると、リンク速度指標の理論値を取得することができる。
【0057】
更に、上流交差点から下流交差点へ走行している車両のうちに存在する下流交差点で通行を待つ必要のある車両は、上流交差点信号機が青信号になってから上流交差点を通過した最後のn個の車両(図3Cに示すように、AおよびBという2つの交差点のうち、A交差点は上流交差点であり、B交差点は下流交差点であり、A交差点を通過した車両Q1、車両Q2、および車両Q1と車両Q2との間に更に存在する他の車両(図3Cに示されていない)は、直接B交差点を通過することができ、A交差点を通過した車両Q3、車両Q4、および車両Q3と車両Q4との間に更に存在する他の車両(図3Cに示されていない)は、B交差点で通行を待つ必要がある)である場合、第1時間長、隣接する交差点間の距離、およびグリーンウェーブ協調速度に基づき、上流交差点を通過した末尾の車両が下流交差点に到達する時間を確定し、確定した時間、第2時間長、および隣接する交差点信号機間の位相差に基づき、上流交差点信号機に対する下流交差点信号機の赤信号の時間長を確定し、赤信号の時間長と第1時間長との比を、交差点停止率指標の理論値とする。
【0058】
具体的には、隣接する交差点間の距離Sをグリーンウェーブ協調速度Vで除算すると、任意の車両がA交差点からB交差点まで走行しているのに必要な走行時間長であるS/Vを取得することができる。車両Q4(即ち、上流交差点を通過した末尾の車両)がB交差点に到達する時間は、第2時間長G1に走行時間長S/Vを加算する時間であり、確定した時間(即ち、G1+S/V)から第2時間長G2およびA交差点信号機とB交差点信号機との間の位相差Mを減算すると、上流交差点信号機(即ち、A交差点信号機)に対する下流交差点信号機(即ち、B交差点信号機)の赤信号の時間長である(G1+S/V)-G2-Mを取得することができる。その後、取得した赤信号の時間長と第1時間長G1との比である((G1+S/V)-G2-M)/G1を、交差点停止率指標の理論値とする。
【0059】
それと同時に、このシーンにおいて、更に隣接する交差点信号機間の位相差M、隣接する交差点間の距離S、グリーンウェーブ協調速度V、下流交差点信号機の周期C、および第1時間長G1に基づき、上流交差点から下流交差点へ走行している車両が下流交差点を通過する平均時間長を確定し、隣接する交差点間の距離Sおよび平均時間長に基づき、リンク速度指標の理論値を確定することもできる。
【0060】
具体的には、以下の通りであってもよい。隣接する交差点間の距離Sをグリーンウェーブ協調速度Vで除算すると、任意の車両がA交差点からB交差点まで走行しているのに必要な走行時間長であるS/Vを取得することができる。車両Q1がB交差点で通行を待つ必要がないため、A交差点信号機とB交差点信号機との間の位相差Mが走行時間長S/Vよりも小さいことを意味し、即ち、車両Q1がA交差点からB交差点まで走行しているのに必要な走行時間長は、車両Q1がB交差点に到達する時間であることを意味する。車両Q1の走行時間長S/V-Mを用い、B交差点が青信号になってから発生する可能性がある車両の通行がない状況の時間長を取得することができ、且つ、下流交差点信号機の周期Cから計算された時間長(即ち、S/V-M)を減算すると、A交差点からB交差点に到達した全ての車両がB交差点を通行するのに必要な時間長であるC-(S/V-M)を取得することができる。更に、A交差点からB交差点に到達した全ての車両がB交差点を通行するのに必要な時間長C-(S/V-M)に第1時間長G1を加算し、平均値を取ると、上流交差点から下流交差点へ走行している車両が下流交差点を通過する平均時間長である(C-(S/V-M)+G1)/2を取得することができる。更に、隣接する交差点間の距離Sを平均時間長(C-(S/V-M)+G1)/2で除算すると、リンク速度指標の理論値であるS/((C-(S/V-M)+G1)/2)を取得することができる。
【0061】
例示的には、上流交差点から下流交差点へ走行している車両のうちに存在する下流交差点で通行を待つ必要のある車両は、上流交差点信号機が青信号になってから上流交差点を通過した最初のn個および最後のn個の車両(図3Dに示すように、AおよびBという2つの交差点のうち、A交差点は上流交差点であり、B交差点は下流交差点であり、A交差点を通過した最初の車両Q1は、B交差点で通行を待つ必要があり、A交差点を通過した車両Q3、車両Q4、および車両Q3と車両Q4との間に更に存在する他の車両(図3Dに示されていない)も、B交差点で通行を待つ必要があり、A交差点を通過した車両Q2、車両Q1と車両Q2との間の他の車両(図3Dに示されていない)、および車両Q2と車両Q3との間の他の車両(図3Dに示されていない)は、直接B交差点を通過することができる)である場合、直接第2時間長G2を第1時間長G1で除算すると、交差点青信号通過率であるG2/G1を取得することができ、更に、1からG2/G1を減算すると、交差点停止率指標の理論値を取得することができる。
【0062】
それと同時に、このシーンにおいて、更に隣接する交差点信号機間の位相差、隣接する交差点間の距離、グリーンウェーブ協調速度、下流交差点信号機の周期、および第1時間長に基づき、上流交差点から下流交差点へ走行している車両が下流交差点を通過する平均時間長を確定し、隣接する交差点間の距離および平均時間長に基づき、リンク速度指標の理論値を確定することもできる。
【0063】
具体的には、以下の通りであってもよい。隣接する交差点間の距離Sをグリーンウェーブ協調速度Vで除算すると、任意の車両がA交差点からB交差点まで走行しているのに必要な走行時間長であるS/Vを取得することができる。車両Q1がB交差点で通行を待つ必要があるため、A交差点信号機とB交差点信号機との間の位相差Mが走行時間長S/Vよりも大きいことを意味し、従い、A交差点信号機とB交差点信号機との間の位相差Mから走行時間長S/Vを減算すると、上流交差点信号機に対する下流交差点信号機の赤信号の時間長であるM-S/Vを取得することができる。下流交差点信号機の周期Cに赤信号の時間長M-S/Vを加算すると、A交差点からB交差点に到達した全ての車両がB交差点を通行するのに必要な時間長であるC+(M-S/V)を取得することができる。更に、A交差点からB交差点に到達した全ての車両がB交差点を通行するのに必要な時間長であるC+(M-S/V)に第1時間長G1を加算し、平均値を取ると、上流交差点から下流交差点へ走行している車両が下流交差点を通過する平均時間長である(C+(M-S/V)+G1)/2を取得することができる。更に、隣接する交差点間の距離Sを平均時間長(C+(M-S/V)+G1)/2で除算すると、リンク速度指標の理論値であるS/((C+(M-S/V)+G1)/2)を取得することができる。
【0064】
なお、グリーンウェーブ協調幹線における各交差点に対し、該交差点の車両通行状況に応じ、対応する方式を選択して該交差点の交差点停止率指標の理論値を確定することができる。更に、交差点停止率は、車両が上流交差点から下流交差点まで走行する通行状況に応じて確定されるものであるため、ひいては、グリーンウェーブ協調幹線が一方通行道路である場合、グリーンウェーブ協調幹線の開始交差点の交差点停止率指標は無視できる。また、グリーンウェーブ協調速度が理想的な速度であるため、直接グリーンウェーブ協調速度と実際の速度(即ち、リンク速度指標の実際値)とを比較してタイミング協調データの合理性を確定すれば、正確度は低い。一方、本開示は、実際のシーンに存在する可能性がある複数のシーンと合わせ、グリーンウェーブ協調データ、隣接する交差点間の距離、およびタイミング協調データ等の多次元データに基づき、リンク速度指標の理論値を確定し、且つ、確定した理論値と取得した実際値とを比較することにより、速度次元からタイミング協調データの合理性を真実的かつ正確に確定することができる。また、本実施例は、実際のシーンに存在する可能性のある複数のシーンと合わせ、様々な交差点停止率指標の理論値の計算方式を提供し、形態の使用シーンを大幅に広げるとともに、交差点次元からタイミング協調データの合理性を全面的に分析することができる。
【0065】
S304において、交差点停止率指標の理論値と実際値、および/または、リンク速度指標の理論値と実際値に基づき、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証する。
【0066】
本開示の実施例に係る技術案は、下流交差点の車両通行状況を導入することにより、グリーンウェーブ協調データ、隣接する交差点間の距離、およびタイミング協調データ等の多次元データに基づき、交差点停止率指標の理論値およびリンク速度指標の理論値を確定し、交差点停止率指標の理論値およびリンク速度指標の理論値に好ましい形態を提供し、更に、後続で行われるタイミング協調データの合理性の検証にデータサポートを提供する。それと同時に、交差点次元からタイミング協調データを分析し、ある具体的な交差点指標に合理的でない現象があることまで直接位置決めすることができ、指向的に調整しやすく、調整効率を節約する。
【0067】
図4Aは、本開示の実施例によるまたさらに別のデータ検証方法のフローチャートである。本開示の実施例は、上記実施例の基に、更に評価指標の理論値をどのように確定するかについて解釈して説明する。図4Aに示すように、本実施例に係るデータ検証方法は、以下のステップを含む。
【0068】
S401において、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの評価指標の実際値を確定し、ここで、評価指標は、交差点停止率指標、リンク速度指標、幹線速度指標、および幹線停止回数指標のうちの少なくとも1つを含む。
【0069】
S402において、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、およびグリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、グリーンウェーブ協調幹線における幹線の車両通行状況を確定する。
【0070】
S403において、幹線の車両通行状況が、グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両に通行を待っている車両が存在するという状況である場合、タイミングデータのうちの隣接する交差点信号機間の位相差、交差点信号機の周期、交差点信号機の青信号になっている時間長、隣接する交差点間の距離、およびグリーンウェーブ協調速度に基づき、車両がグリーンウェーブ協調幹線における開始交差点から走行して末尾交差点を通過するまでの走行時間長および/または幹線停止回数指標の理論値を確定する。
【0071】
具体的には、グリーンウェーブ協調幹線における開始交差点から走行して末尾交差点を通過する各車両に対し、タイミングデータのうちの隣接する交差点信号機間の位相差M、交差点信号機の周期C、交差点信号機の青信号になっている時間長L、隣接する交差点間の距離S、およびグリーンウェーブ協調速度Vに基づき、該車両がグリーンウェーブ協調幹線における開始交差点から走行して末尾交差点を通過するまでの走行時間長を確定することができる。
【0072】
図4Bに示すように、グリーンウェーブ協調幹線に合計4つの交差点があり、開始交差点はA交差点であり、末尾交差点はD交差点であり、A交差点信号機とB交差点信号機との間の位相差はM1であり、B交差点信号機とE交差点信号機との間の位相差はM2であり、E交差点信号機とD交差点信号機との間の位相差はM3であり、A交差点信号機の青信号になっている時間長はG1であり、B交差点信号機の青信号になっている時間長はG2であり、E交差点信号機の青信号になっている時間長はG3であり、D交差点信号機の青信号になっている時間長はG4であり、A交差点信号機の周期はC1であり、B交差点信号機の周期はC2であり、E交差点信号機の周期はC3であり、D交差点信号機の周期はC4であり、A交差点とB交差点との間の距離はS1であり、B交差点とE交差点との間の距離はS2であり、E交差点とD交差点との間の距離はS3である。
【0073】
車両Q1に対し、S1をグリーンウェーブ協調速度Vで除算すると、該車両Q1がA交差点からB交差点を通過するまで使用する時間長L1を取得することができ、S2をグリーンウェーブ協調速度Vで除算すると、該車両Q1がB交差点からE交差点を通過するまで使用する時間長L2を取得することができ、S3をグリーンウェーブ協調速度Vで除算すると、該車両Q1がE交差点からD交差点に到達するまで使用する時間長L3を取得することができ、D交差点信号機の周期C4、D交差点信号機の青信号になっている時間長G4、および該車両Q1がE交差点からD交差点に到達するまで使用する時間長L3と合わせ、該車両Q1がE交差点からD交差点を通過するまで使用する時間長L4を確定し、更に、L1とL2とL4とを加算すると、車両Q1がA交差点から走行してD交差点を通過するまでの走行時間長を取得することができる。
【0074】
車両Q2に対し、S1をグリーンウェーブ協調速度Vで除算すると、該車両Q2がA交差点からB交差点を通過するまで使用する時間長L5を取得することができ、S2をグリーンウェーブ協調速度Vで除算すると、該車両Q2がB交差点からE交差点を通過するまで使用する時間長L6を取得することができ、S3をグリーンウェーブ協調速度Vで除算すると、該車両Q2がE交差点からD交差点を通過するまで使用する時間長L7を取得することができ、更に、L5とL6とL7とを加算すると、車両Q2がA交差点から走行してD交差点を通過するまでの走行時間長を取得することができる。
【0075】
更に、車両Q3に対し、グリーンウェーブ協調速度V、A交差点信号機とB交差点信号機との間の位相差はM1、B交差点信号機とE交差点信号機との間の位相差M2、E交差点信号機とD交差点信号機と間の位相差M3、B交差点信号機の青信号になっている時間長G2、E交差点信号機の青信号になっている時間長G3、D交差点信号機の青信号になっている時間長G4、B交差点信号機の周期C2、E交差点信号機の周期C3、D交差点信号機の周期C4、A交差点とB交差点との間の距離S1、B交差点とE交差点との間の距離S2、およびE交差点とD交差点と間の距離S3等と合わせ、車両Q3がA交差点から走行してD交差点を通過するまでの走行時間長を確定することができる。
【0076】
例示的には、1つの好ましい実施形態は、グリーンウェーブ協調幹線における開始交差点から走行して末尾交差点を通過する各車両に対し、更にタイミングデータのうちの隣接する交差点信号機間の位相差M、交差点信号機の周期C、交差点信号機の青信号になっている時間長L、隣接する交差点間の距離S、およびグリーンウェーブ協調速度Vに基づき、該車両がグリーンウェーブ協調幹線における開始交差点から走行して末尾交差点を通過するまでの停止回数を確定することができる。例えば、グリーンウェーブ協調速度および隣接する交差点間の距離に基づき、該車両が隣接する交差点のうちの上流交差点から下流交差点まで走行しているのに必要な走行時間長を確定することができ、その後、確定した走行時間長、上流交差点信号機の青信号になっている時間長、下流交差点信号機の青信号になっている時間長、および隣接する交差点信号機間の位相差等に基づき、該車両が下流交差点に到達する際に下流交差点信号機が青信号になっているか否かを確定することができ、青信号になっていない場合、該車両は下流交差点で停止して待つ必要があることを確定し、この場合、該車両の停止回数に1を加算する。該車両がグリーンウェーブ協調幹線における開始交差点から走行して末尾交差点を通過するまでの停止回数を統計できるまで、上記過程を繰り返す。
【0077】
更に、各車両がグリーンウェーブ協調幹線における開始交差点から走行して末尾交差点を通過するまでの停止回数を取得した後、全ての車両の停止回数を平均化し、平均値を幹線停止回数指標の理論値とすることができる。
【0078】
S404において、グリーンウェーブ協調幹線における開始交差点と末尾交差点との間の距離および走行時間長に基づき、幹線速度指標の理論値を確定する。
【0079】
本実施例において、開始交差点と末尾交差点との間の距離は、開始交差点の位置データおよび末尾交差点の位置データで確定されてもよいし、直接地図アプリケーションから取得されてもよく、本実施例はこれについて限定しない。
【0080】
具体的には、グリーンウェーブ協調幹線における開始交差点から走行して末尾交差点を通過する各車両に対し、該車両の走行時間長を確定した後、グリーンウェーブ協調幹線における開始交差点と末尾交差点との間の距離を該車両の走行時間長で除算すると、該車両のグリーンウェーブ協調幹線での走行速度を取得することができる。
【0081】
更に、各車両のグリーンウェーブ協調幹線での走行速度を取得した後、全ての車両の走行速度を平均化し、平均値を幹線速度指標の理論値とすることができる。
【0082】
S405において、幹線速度指標の理論値と実際値、および/または、幹線停止回数指標の理論値と実際値に基づき、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証する。
【0083】
本開示の実施例に係る技術案は、幹線の車両通行状況を導入することにより、グリーンウェーブ協調データ、隣接する交差点間の距離、およびタイミング協調データ等の多次元データに基づき、幹線停止回数指標の理論値および幹線速度指標の理論値を確定し、幹線停止回数指標の理論値および幹線速度指標の理論値に好ましい形態を提供し、更に、後続で行われるタイミング協調データの合理性の検証にデータサポートを提供する。
【0084】
図5は、本開示の実施例によるデータ検証装置の構造模式図である。該装置は、本開示の実施例に記載のデータ検証方法を実現することができる。該装置は、データ検証機能を持つ計算機器に集積できる。該データ検証装置500は、具体的に、
グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの評価指標の実際値を確定することに用いられる実際値確定モジュール501と、
グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、およびグリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、前記評価指標の理論値を確定することに用いられる理論値確定モジュール502と、
評価指標の理論値および実際値に基づき、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証することに用いられる検証モジュール503とを備え、
評価指標は、交差点停止率指標、リンク速度指標、幹線速度指標、および幹線停止回数指標のうちの少なくとも1つを含む。
【0085】
本開示の実施例に係る技術案は、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、およびグリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、評価指標の理論値を確定し、評価指標の理論値および取得した評価指標の実際値に基づき、グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データの合理性を検証することができる。上記形態は、交差点、リンクおよび幹線という3つの次元から、タイミング協調データを全面的に評価し、交差点信号機のタイミング協調データの合理性を直観的、真実的かつ正確に確定することができるとともに、本形態は、グリーンウェーブ協調幹線で走行している全ての車両の軌跡データ、即ち、豊かなデータ量に基づき、交差点信号機のタイミング協調データの合理性を確定する正確度を大幅に向上させ、タイミング協調データの合理性の検証に改善された新たな考え方を提供する。
【0086】
例示的には、理論値確定モジュール502は、
グリーンウェーブ協調幹線における交差点信号機のタイミング協調データ、交差点の位置データ、およびグリーンウェーブ協調幹線で走行している車両の軌跡データに基づき、グリーンウェーブ協調幹線における隣接する交差点のうちの下流交差点の車両通行状況および/またはグリーンウェーブ協調幹線における幹線の車両通行状況を確定することに用いられる通行状況確定ユニットと、
下流交差点の車両通行状況および/または幹線の車両通行状況、グリーンウェーブ協調速度、タイミング協調データ、および隣接する交差点間の距離に基づき、評価指標の理論値を確定することに用いられる理論値確定ユニットとを備える。
【0087】
例示的には、理論値確定ユニットは、具体的に、
下流交差点の車両通行状況が、上流交差点から下流交差点へ走行している車両のうちに下流交差点で通行を待つ必要のある車両が存在するという状況である場合、隣接する交差点間の距離、グリーンウェーブ協調速度、およびタイミング協調データのうちの隣接する交差点信号機データに基づき、交差点停止率指標の理論値および/またはリンク速度指標の理論値を確定することに用いられる。
【0088】
ここで、隣接する交差点信号機データは、隣接する交差点のうちの上流交差点信号機の青信号になっている第1時間長、隣接する交差点のうちの下流交差点信号機の青信号になっている第2時間長、隣接する交差点信号機間の位相差、および下流交差点信号機の周期を含む。
【0089】
例示的には、理論値確定ユニットは、具体的に、
第1時間長、隣接する交差点間の距離、およびグリーンウェーブ協調速度に基づき、上流交差点を通過する末尾の車両が下流交差点に到達する時間を確定することと、
確定した時間、第2時間長、および隣接する交差点信号機間の位相差に基づき、上流交差点信号機に対する下流交差点信号機の赤信号の時間長を確定することと、
赤信号の時間長と第1時間長との比を交差点停止率指標の理論値とすることとに用いられる。
【0090】
例示的には、理論値確定ユニットは、具体的に、
隣接する交差点信号機間の位相差、隣接する交差点間の距離、およびグリーンウェーブ協調速度に基づき、上流交差点信号機に対する下流交差点信号機の赤信号の時間長を確定することと、
赤信号の時間長と第1時間長との比を交差点停止率指標の理論値とすることとに用いられる。
【0091】
例示的には、理論値確定ユニットは、具体的に、
隣接する交差点信号機間の位相差、隣接する交差点間の距離、グリーンウェーブ協調速度、下流交差点信号機の周期、および第1時間長に基づき、上流交差点から下流交差点へ走行している車両が下流交差点を通過する平均時間長を確定することと、
隣接する交差点間の距離および平均時間長に基づき、リンク速度指標の理論値を確定することとに用いられる。
【0092】
例示的には、理論値確定ユニットは、具体的に、
幹線の車両通行状況が、グリーンウェーブ協調幹線で走行している車両に通行を待っている車両が存在するという状況である場合、タイミングデータのうちの隣接する交差点信号機間の位相差、交差点信号機の周期、交差点信号機の青信号になっている時間長、隣接する交差点間の距離、およびグリーンウェーブ協調速度に基づき、車両がグリーンウェーブ協調幹線における開始交差点から走行して末尾交差点を通過するまでの走行時間長および/または幹線停止回数指標の理論値を確定することと、
グリーンウェーブ協調幹線における開始交差点と末尾交差点との間の距離および走行時間長に基づき、幹線速度指標の理論値を確定することとに用いられる。
【0093】
なお、本実施例において、データ検証方法の実行主体は、様々な開示された法律・規則に合致する方式により本開示の実施例におけるデータ検証の実行に使用されるデータ(例えば、車両の軌跡データ)を取得することができ、例えば、開示されたデータセットから取得されてもよいし、ユーザの許可を得てユーザから取得されてもよい。
【0094】
本開示の実施例によれば、本開示は、電子機器と、可読記憶媒体と、コンピュータプログラム製品とを更に提供する。
【0095】
図6は、本開示の実施例を実施するために使用可能な例示的な電子機器600の模式的なブロック図を示す。電子機器は、ラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、および他の適切なコンピュータのような様々な形式のデジタルコンピュータを表すことを目的とする。電子機器は、携帯端末、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル機器および他の類似する計算装置のような様々な形式の移動装置を表すこともできる。本開示に示されたコンポーネント、それらの接続、関係、およびそれらの機能は例示的なものに過ぎず、本開示に記載および/または要求される本開示の実現を限定するものではない。
【0096】
図6に示すように、電子機器600は、計算ユニット601を備え、読み出し専用メモリ(ROM)602に記憶されたコンピュータプログラム、または記憶ユニット608からランダムアクセスメモリ(RAM)603にロードされたコンピュータプログラムに基づき、様々な適当な動作および処理を実行することができる。RAM603には、電子機器600の操作に必要な様々なプログラムおよびデータが記憶されてもよい。計算ユニット601、ROM602およびRAM603は、バス604を介して互いに接続されている。入力/出力(I/O)インタフェース605もバス604に接続されている。
【0097】
電子機器600における複数のコンポーネントはI/Oインタフェース605に接続され、キーボード、マウス等のような入力ユニット606と、各種のディスプレイ、スピーカ等のような出力ユニット607と、磁気ディスク、光ディスク等のような記憶ユニット608と、ネットワークカード、モデム、無線通信送受信機等のような通信ユニット609とを備える。通信ユニット609は、電子機器600がインターネットのようなコンピュータネットワークおよび/または様々な電気通信ネットワークを介して他のデバイスと情報/データを交換することを許容する。
【0098】
計算ユニット601は、処理および計算能力を有する汎用および/または専用の処理アセンブリであってもよい。計算ユニット601のいくつかの例は、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、各種の専用の人工知能(AI)コンピューティングチップ、各種の機械学習モデルアルゴリズムを実行する計算ユニット、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、および任意の適当なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含んでもよいが、これらに限定されない。計算ユニット601は、上記様々な方法および処理、例えば、データ検証方法を実行する。例えば、いくつかの実施例において、データ検証方法は、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現でき、有形的に記憶ユニット608のような機器可読媒体に含まれている。いくつかの実施例において、コンピュータプログラムの一部または全ては、ROM602および/または通信ユニット609を介してデバイス600にロードおよび/またはインストールされ得る。コンピュータプログラムがRAM603にロードされて計算ユニット601により実行されると、上記データ検証方法の1つまたは複数のステップを実行することができる。あるいは、他の実施例において、計算ユニット601は、他の任意の適当な方式(例えば、ファームウェアを介して)により、データ検証方法を実行するように構成され得る。
【0099】
本開示に記載されたシステムおよび技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準パーツ(ASSP)、システムオンチップのシステム(SOC)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実現できる。これらの様々な実施形態は以下を含んでもよい。1つまたは複数のコンピュータプログラムに実施され、該1つまたは複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムで実行および/または解釈することができ、該プログラマブルプロセッサは、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置からデータおよび命令を受信し、且つデータおよび命令を、該ストレージシステム、該少なくとも1つの入力装置、および該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる専用または汎用のプログラマブルプロセッサであってもよい。
【0100】
本開示の方法を実施するためのプログラムコードは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせでコードできる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供でき、これにより、プログラムコードがプロセッサまたはコントローラにより実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図で規定された機能/操作が実施される。プログラムコードは、完全に機器で実行されてもよいし、一部が機器で実行されてもよいし、独立したソフトウェアパッケージとして一部が機器で実行されて一部がリモート機器で実行されてもよいし、完全にリモート機器またはサーバで実行されてもよい。
【0101】
本開示の明細書において、機器可読媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスに使用される、または命令実行システム、装置またはデバイスと合わせて使用されるプログラムを含有または記憶できる有形的な媒体であってもよい。機器可読媒体は、機器可読信号媒体または機器可読記憶媒体であってもよい。機器可読媒体は、電気的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線的、または半導体システム、装置またはデバイス、または上記内容の任意の適当な組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。機器可読記憶媒体の更なる具体的な例は、1つまたは複数の線による電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用ディスク(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または上記内容の任意の適当な組み合わせを含む。
【0102】
ユーザとのインタラクションを提供するために、ここで説明するシステムおよび技術をコンピュータで実施することができ、該コンピュータは、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、ユーザがそれにより入力をコンピュータに提供することができるキーボードおよび指向装置(例えば、マウスまたはトラックボール)とを有する。他の種類の装置は、更にユーザとのインタラクションを提供するために使用できる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であってもよく、且つ、任意の形式(音入力、音声入力または、触覚入力を含む)でユーザからの入力を受信することができる。
【0103】
ここで説明するシステムおよび技術を、バックグラウンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとする)、または中間コンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、またはフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、ユーザがそれによりここで説明するシステムおよび技術の実施形態とインタラクションできるグラフィカルユーザインタフェースまたはネットワークブラウザを有するユーザコンピュータ)、またはこのようなバックグラウンドコンポーネント、中間コンポーネント、またはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムに実施することができる。任意の形式または媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)により、システムのコンポーネントを互いに接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ブロックチェーンネットワーク、およびインターネットを含む。
【0104】
コンピュータシステムはクライアントおよびサーバを含んでもよい。クライアントとサーバとは、一般的に互いに離れ、且つ、通常、通信ネットワークを介してインタラクションを行う。対応するコンピュータで実行されて互いにクライアント-サーバ関係を持つコンピュータプログラムにより、クライアントとサーバとの関係を生成する。サーバはクラウドサーバであってもよく、クラウドコンピューティングサーバまたはクラウドホストとも呼ばれ、クラウドコンピューティングサービス体系における1つのホスト製品であり、従来の物理ホストおよびVPSサービスに存在する管理しにくく、トラフィックの拡張性が弱いという欠陥を解決するために使用される。
【0105】
上記に示す様々な形式のフローを用い、ステップを並べ替え、追加または削除することができることを理解すべきである。例えば、本開示に記載された各ステップは、並列に実行されてもよいし、順に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよく、本開示に開示された技術案の所望する結果を達成できる限り、本開示はここで限定しない。
【0106】
上記具体的な実施形態は、本開示の保護範囲を限定するものではない。当業者は、設計要求および他の要因に基づき、様々な修正、組み合わせ、サブ組み合わせおよび代替が可能であることを理解すべきである。本開示の精神および原則内で行われる任意の修正、均等置換および改良等は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれているべきである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
図6