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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186606
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078444
(22)【出願日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0071974
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、カンハ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ユーナ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジンスー
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウン-ジン
(72)【発明者】
【氏名】カン、ヨン ソン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ミュン ジュン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082GG10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】厚さを減らし、曲げ強度を保証する積層型キャパシタを提供する。
【解決手段】積層型キャパシタは、第1、第2内部電極121、122とそれぞれ接続される第1、第2外部電極とを含む。第1、第2外部電極は、キャパシタ本体の第3及び第4面に第1、第2内部電極とそれぞれ接続されるようにそれぞれ配置される第1、第2導電層131、141と、第1、第2導電層上に夫々配置され、キャパシタ本体の第1、第2、第5及び第6面の一部に向かって延長される第1、第2導電性樹脂層133、143と、第1、第2導電性樹脂層上にそれぞれ配置され、上部又は下部カバー領域で第1、第2導電層とそれぞれ接触する第1、第2めっき層134、144と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層と複数の第1内部電極及び複数の第2内部電極を含む活性領域と、前記活性領域の上下にそれぞれ配置される上部カバー領域及び下部カバー領域を含み、第1方向に互いに対向する第1面及び第2面と、前記第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3面及び第4面と、前記第1方向に垂直な第3方向に互いに対向する第5面及び第6面を含むキャパシタ本体と、
前記第2方向に前記キャパシタ本体の両端部にそれぞれ配置され、前記第1内部電極及び前記第2内部電極とそれぞれ接続される第1外部電極及び第2外部電極と、を含み、
前記第1外部電極は、前記キャパシタ本体の第3面に前記第1内部電極と接続されるように配置される第1導電層と、
前記第1導電層上に配置され、前記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第1導電性樹脂層と、
前記第1導電性樹脂層上に配置され、前記上部カバー領域または前記下部カバー領域において、前記第1導電層と接触する第1めっき層と、を含み、
前記第2外部電極は、前記キャパシタ本体の第4面に前記第2内部電極と接続されるように配置される第2導電層と、
前記第2導電層上に配置され、前記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第2導電性樹脂層と、
前記第2導電性樹脂層上に配置され、前記上部カバー領域または前記下部カバー領域において、前記第2導電層と接触する第2めっき層と、を含む、積層型キャパシタ。
【請求項2】
前記キャパシタ本体の第3面と第1面または第2面が連結される部分において、前記第1導電層と前記第1めっき層が互いに接触し、
前記キャパシタ本体の第4面と第1面または第2面が連結される部分において、前記第2導電層と前記第2めっき層が互いに接触する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記第1導電層が前記キャパシタ本体の第3面に配置される第1内部導電層と前記第1内部導電層上に配置される第1外部導電層を含み、
前記第2導電層が前記キャパシタ本体の第4面に配置される第2内部導電層と前記第2内部導電層上に配置される第2外部導電層を含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記第1導電層及び前記第2導電層が銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、及び銀(Ag)のうち少なくとも一つを含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記第1導電層は、前記第1内部導電層と前記第1外部導電層に含まれる金属成分が相違し、
前記第2導電層は、前記第2内部導電層と前記第2外部導電層に含まれる金属成分が相違する、請求項3に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記第1外部電極は、前記キャパシタ本体の第3面上に配置される第1接続部と、前記第1接続部から前記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第1バンド部を含み、
前記第1接続部は、前記第1導電層、前記第1導電層上に配置される第1-1導電性樹脂層及び前記第1-1導電性樹脂層上に配置される第1-1めっき層を含み、
前記第1バンド部は、前記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に配置される第1-2導電性樹脂層及び前記第1-2導電性樹脂層を覆うように前記第1-1めっき層から延長される第1-2めっき層を含み、
前記第2外部電極は、前記キャパシタ本体の第4面上に配置される第2接続部と、前記第2接続部において、前記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第2バンド部を含み、
前記第2接続部は、前記第2導電層、前記第2導電層上に配置される第2-1導電性樹脂層及び前記第2-1導電性樹脂層上に配置される第2-1めっき層を含み、
前記第2バンド部は、前記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に配置される第2-2導電性樹脂層及び前記第2-2導電性樹脂層を覆うように前記第2-1めっき層から延長される第2-2めっき層を含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
前記第1-2導電性樹脂層の最大厚さが前記第1-1導電性樹脂層の最大厚さと前記第1導電層の最大厚さの合計よりも小さく、
前記第2-2導電性樹脂層の最大厚さが前記第2-1導電性樹脂層の最大厚さと前記第2導電層の最大厚さの合計よりも小さい、請求項6に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
前記第1導電性樹脂層及び前記第2導電性樹脂層が金属粒子及び樹脂を含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
前記第1めっき層及び前記第2めっき層がニッケル(Ni)めっき層であり、前記第1めっき層及び前記第2めっき層上にそれぞれ配置され、スズ(Sn)めっき層である第3めっき層及び第4めっき層をさらに含む、請求項1から8の何れか1つに記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
誘電体層と複数の第1内部電極及び複数の第2内部電極を含み、第1方向に互いに対向する第1面及び第2面と、前記第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3面及び第4面と、前記第1方向に垂直な第3方向に互いに対向する第5面及び第6面を含むキャパシタ本体と、
前記第2方向に前記キャパシタ本体の両端部にそれぞれ配置され、前記第1内部電極及び前記第2内部電極とそれぞれ接続される第1外部電極及び第2外部電極と、を含み、
前記第1外部電極は、前記キャパシタ本体の第3面に前記第1内部電極と接続されるように配置される第1導電層と、前記第1導電層を覆い、前記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第1導電性樹脂層と、を含み、
前記第2外部電極は、前記キャパシタ本体の第4面に前記第2内部電極と接続されるように配置される第2導電層と、前記第2導電層を覆い、前記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第2導電性樹脂層と、を含み、
前記キャパシタ本体の最上段に位置した内部電極と最下段に位置した内部電極との間を前記第1方向に均等に4等分し、前記キャパシタ本体の第3面において、それぞれの境界点を第1地点~第5地点と定義するとき、前記第1導電層の厚さに対する前記第1導電性樹脂層の厚さが第1地点及び第5地点でそれぞれ0.25以下であり、第2地点及び第4地点でそれぞれ0.3以下であり、第3地点で0.35以下である、積層型キャパシタ。
【請求項11】
前記第1外部電極の第1導電層は、前記第1地点及び前記第5地点での平均厚さが12μm以下であり、前記第2地点~前記第4地点での平均厚さが15μm以下である、請求項10に記載の積層型キャパシタ。
【請求項12】
前記キャパシタ本体の最上段に位置した内部電極と最下段に位置した内部電極との間を前記第1方向に均等に4等分し、前記キャパシタ本体の第4面において、それぞれの境界点を第6地点~第10地点と定義するとき、前記第2導電層の厚さに対する前記第2導電性樹脂層の厚さが第6地点及び第10地点でそれぞれ0.25以下であり、第7地点及び第9地点でそれぞれ0.3以下であり、第8地点で0.35以下である、請求項10に記載の積層型キャパシタ。
【請求項13】
前記第2外部電極の第2導電層は、前記第6地点及び第10地点での平均厚さが12μm以下であり、前記第7地点~前記第9地点での平均厚さが15μm以下である、請求項12に記載の積層型キャパシタ。
【請求項14】
前記第1導電性樹脂層及び前記第2導電性樹脂層上にそれぞれ配置される第1めっき層及び第2めっき層をさらに含む、請求項10から13の何れか1つに記載の積層型キャパシタ。
【請求項15】
前記キャパシタ本体の第3面と第1面または第2面が連結される部分において、前記第1導電層と前記第1めっき層が互いに接触し、
前記キャパシタ本体の第4面と第1面または第2面が連結される部分において、前記第2導電層と前記第2めっき層が互いに接触する、請求項14に記載の積層型キャパシタ。
【請求項16】
前記第1導電層が前記キャパシタ本体の第3面に配置される第1内部導電層と前記第1内部導電層上に配置される第1外部導電層を含み、
前記第2導電層が前記キャパシタ本体の第4面に配置される第2内部導電層と前記第2内部導電層上に配置される第2外部導電層を含む、請求項10に記載の積層型キャパシタ。
【請求項17】
前記第1導電層及び前記第2導電層が銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、及び銀(Ag)のうち少なくとも一つを含む、請求項10に記載の積層型キャパシタ。
【請求項18】
前記第1導電層は、前記第1内部導電層と前記第1外部導電層に含まれる金属成分が相違し、
前記第2導電層は、前記第2内部導電層と前記第2外部導電層に含まれる金属成分が相違する、請求項16に記載の積層型キャパシタ。
【請求項19】
前記第1外部電極は、前記キャパシタ本体の第3面上に配置される第1接続部と、前記第1接続部から前記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第1バンド部を含み、
前記第1接続部は、前記第1導電層、前記第1導電層上に配置される第1-1導電性樹脂層及び前記第1-1導電性樹脂層上に配置される第1-1めっき層を含み、
前記第1バンド部は、前記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に配置される第1-2導電性樹脂層及び前記第1-2導電性樹脂層を覆うように前記第1-1めっき層から延長される第1-2めっき層を含み、
前記第2外部電極は、前記キャパシタ本体の第4面上に配置される第2接続部と、前記第2接続部から前記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第2バンド部を含み、
前記第2接続部は、前記第2導電層、前記第2導電層上に配置される第2-1導電性樹脂層及び前記第2-1導電性樹脂層上に配置される第2-1めっき層を含み、
前記第2バンド部は、前記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に配置される第2-2導電性樹脂層及び前記第2-2導電性樹脂層を覆うように前記第2-1めっき層から延長される第2-2めっき層を含む、請求項14に記載の積層型キャパシタ。
【請求項20】
前記第1-2導電性樹脂層の最大厚さが前記第1-1導電性樹脂層の最大厚さと前記第1導電層の最大厚さの合計よりも小さく、
前記第2-2導電性樹脂層の最大厚さが前記第2-1導電性樹脂層の最大厚さと前記第2導電層の最大厚さの合計よりも小さい、請求項19に記載の積層型キャパシタ。
【請求項21】
前記第1導電性樹脂層及び前記第2導電性樹脂層が金属粒子及び樹脂を含む、請求項10に記載の積層型キャパシタ。
【請求項22】
前記第1めっき層及び前記第2めっき層がニッケル(Ni)めっき層であり、前記第1めっき層及び前記第2めっき層上にそれぞれ配置され、スズ(Sn)めっき層である第3めっき層及び第4めっき層をさらに含む、請求項14に記載の積層型キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型キャパシタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、IT製品の小型化及び高機能化に伴い、IT製品に取り入れられる積層型キャパシタも小型化及び高容量化が求められている。
【0003】
それだけでなく、フォルダブルスマートフォン(foldable smart phone)及びウェアラブルデバイス(wearable device)の技術能力の増加及び需要の増加に伴い、電装用積層型キャパシタに主に要求されていた曲げ強度特性がIT用積層型キャパシタにも求められている。
【0004】
したがって、次世代IT装置の安定した作動のためには、最小限の厚さ及び高容量を有しながら曲げ強度を保証することができる積層型キャパシタが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2010-0020314号
【特許文献2】韓国公開特許第2020-0102319号
【特許文献3】韓国登録特許第10-2004776号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、厚さを減らし、曲げ強度を保証することができる積層型キャパシタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面は、誘電体層と複数の第1第2内部電極及び複数の第2内部電極を含む活性領域と、上記活性領域の上下にそれぞれ配置される上部カバー領域及び下部カバー領域を含み、第1方向に互いに対向する第1面及び第2面と、上記第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3面及び第4面と、上記第1方向に垂直な第3方向に互いに対向する第5面及び第6面を含むキャパシタ本体と、上記第2方向に上記キャパシタ本体の両端部にそれぞれ配置されて上記第1内部電極及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1外部電極及び第2外部電極と、を含み、上記第1外部電極は、上記キャパシタ本体の第3面に上記第1内部電極と接続されるように配置される第1導電層と、上記第1導電層上に配置され、上記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第1導電性樹脂層と、上記第1導電性樹脂層上に配置され、上記上部カバー領域または下部カバー領域において、上記第1導電層と接触する第1めっき層と、を含み、上記第2外部電極は、上記キャパシタ本体の第4面に上記第2内部電極と接続されるように配置される第2導電層と、上記第2導電層上に配置され、上記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第2導電性樹脂層と、上記第2導電性樹脂層上に配置され、上記上部または下部カバー領域において、上記第2導電層と接触する第2めっき層と、を含む積層型キャパシタを含む。
【0008】
本発明の一実施形態において、上記キャパシタ本体の第3面と第1面または第2面が連結される部分で、上記第1導電層と上記第1めっき層が互いに接触することができ、上記キャパシタ本体の第4面と第1面または第2面が連結される部分で、上記第2導電層と上記第2めっき層が互いに接触することができる。
【0009】
本発明の一実施形態において、上記第1導電層が上記キャパシタ本体の第3面に配置される第1内部導電層と上記第1内部導電層上に配置される第1外部導電層を含むことができ、上記第2導電層が上記キャパシタ本体の第4面に配置される第2内部導電層と上記第2内部導電層上に配置される第2外部導電層を含むことができる。
【0010】
本発明の一実施形態において、上記第1導電層及び第2導電層が銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、及び銀(Ag)のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0011】
本発明の一実施形態において、上記第1導電層は、上記第1内部導電層と上記第1外部導電層に含まれる金属成分が相違することができ、上記第2導電層は、上記第2内部導電層と上記第2外部導電層に含まれる金属成分が相違することができる。
【0012】
本発明の一実施形態において、上記第1外部電極は、上記キャパシタ本体の第3面上に配置される第1接続部と、上記第1接続部から上記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第1バンド部を含み、上記第1接続部は、上記第1導電層、上記第1導電層上に配置される第1-1導電性樹脂層及び上記第1-1導電性樹脂層上に配置される第1-1めっき層を含み、上記第1バンド部は、上記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に配置される第1-2導電性樹脂層及び上記第1-2導電性樹脂層を覆うように上記第1-1めっき層から延長される第1-2めっき層を含み、上記第2外部電極は、上記キャパシタ本体の第4面上に配置される第2接続部と、上記第2接続部から上記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第2バンド部を含み、上記第2接続部は、上記第2導電層、上記第2導電層上に配置される第2-1導電性樹脂層及び上記第2-1導電性樹脂層上に配置される第2-1めっき層を含み、上記第2バンド部は、上記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に配置される第2-2導電性樹脂層及び上記第2-2導電性樹脂層を覆うように上記第2-1めっき層から延長される第2-2めっき層を含むことができる。
【0013】
本発明の一実施形態において、上記第1導電性樹脂層は、上記第1-2導電性樹脂層の最大厚さが上記第1-1導電性樹脂層の最大厚さよりもさらに薄いことができ、上記第2導電性樹脂層は、上記第2-2導電性樹脂層の最大厚さが上記第2-1導電性樹脂層の最大厚さよりもさらに薄くすることができる。
【0014】
本発明の一実施形態において、上記第1導電性樹脂層及び第2導電性樹脂層が金属粒子と樹脂を含むことができる。
【0015】
本発明の一実施形態において、上記第1めっき層及び第2めっき層がニッケルめっき層であることができ、上記第1めっき層及び第2めっき層上にそれぞれ配置され、スズ(Sn)めっき層である第3めっき層及び第4めっき層をさらに含むことができる。
【0016】
本発明の他の側面は、誘電体層と複数の第1及び第2内部電極を含み、第1方向に互いに対向する第1面及び第2面と、上記第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3面及び第4面と、上記第1方向に垂直な第3方向に互いに対向する第5面及び第6面を含むキャパシタ本体と、上記第2方向に上記キャパシタ本体の両端部にそれぞれ配置されて上記第1内部電極及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1外部電極及び第2外部電極と、を含み、上記第1外部電極は、上記キャパシタ本体の第3面に上記第1内部電極と接続されるように配置される第1導電層と、上記第1導電層を覆い、上記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第1導電性樹脂層と、を含み、上記第2外部電極は、上記キャパシタ本体の第4面に上記第2内部電極と接続されるように配置される第2導電層と、上記第2導電層を覆い、上記キャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面の一部に向かって延長される第2導電性樹脂層と、を含み、上記キャパシタ本体の最上段に位置した内部電極と最下段に位置した内部電極との間を上記第1方向に均等に4等分して上記キャパシタ本体の第3面からそれぞれの境界点を第1地点~第5地点に定義するとき、上記第1導電層の厚さに対する上記第1導電性樹脂層の厚さが第1地点及び第5地点でそれぞれ0.25以下であり、第2地点及び第4地点でそれぞれ0.3以下であり、第3地点で0.35以下である、積層型キャパシタを提供する。
【0017】
本発明の一実施形態において、上記第1外部電極の第1導電層は、上記第1地点及び第5地点での平均厚さが12μm以下であり、上記第2地点~第4地点での平均厚さが15μm以下であることができる。
【0018】
本発明の一実施形態において、上記キャパシタ本体の最上段の内部電極と最下段の内部電極との間を上記第1方向に均等に4等分し、上記キャパシタ本体の第4面において、それぞれの境界点を第6~第10地点と定義するとき、上記第2導電層の厚さに対する上記第2導電性樹脂層の厚さが第6地点及び第10地点でそれぞれ0.25以下であり、第7地点及び第9地点でそれぞれ0.3以下であり、第8地点で0.35以下であることができる。
【0019】
本発明の一実施形態において、上記第2外部電極の第2導電層は、上記第6地点及び第10地点での平均厚さが12μm以下であり、上記第7地点~第9地点での平均厚さが15μm以下であることができる。
【0020】
本発明の一実施形態において、上記積層型キャパシタは、上記第1導電性樹脂層及び第2導電性樹脂層上にそれぞれ配置される第1めっき層及び第2めっき層をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態によると、積層型キャパシタの厚さを減らすことができ、曲げ強度を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタを概略的に示した斜視図である。
図2】(a)及び(b)は、図1の積層型キャパシタに適用される第1及び第2内部電極をそれぞれ示した分離斜視図である。
図3図1のI-I'線に沿った断面図である。
図4図3のA及びBを拡大して示した図面である。
図5】本発明の他の実施形態による積層型キャパシタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。また、類似した機能及び作用をする部分に対しては、図面全体にわたって同一の符号を用いる。
【0024】
また、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0025】
以下、本発明の実施形態を明確に説明するために、キャパシタ本体110の方向を定義すると、図面に示されたX、Y、及びZはそれぞれキャパシタ本体110の長さ方向、幅方向、及び厚さ方向を示す。
【0026】
また、本実施形態において、Z方向は、誘電体層111が積層される積層方向と同一概念で用いられることができる。
【0027】
また、本実施形態において、X、Y、及びZ方向は、第2方向、第3方向、及び第1方向にそれぞれ定義されることができる。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタを概略的に示した斜視図であり、図2(a)及び(b)は、図1の積層型キャパシタに適用される第1及び第2内部電極をそれぞれ示した分離斜視図であり、図3は、図1の断面図であり、図4は、図3のA及びBを拡大して示した図面である。
【0029】
図1図4を参照すると、本実施形態に係る積層型キャパシタ100は、キャパシタ本体110と、第1外部電極130及び第2外部電極140を含む。
【0030】
キャパシタ本体110は、複数の誘電体層111をZ方向に積層した後、焼成したものであり、キャパシタ本体110の互いに隣接する誘電体層111間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認し難いほど一体化することができる。
【0031】
この時、キャパシタ本体110は、概ね六面体状であることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。また、キャパシタ本体110の形状、寸法、及び誘電体層111の積層数が本実施形態の図面に示されたものに限定されるものではない。
【0032】
本実施形態においては、説明の便宜のために、キャパシタ本体110のZ方向に互いに対向する両面を第1面1及び第2面2と、第1面1及び第2面2と連結され、Z方向に垂直であり、X方向に互いに対向する両面を第3面3及び第44と、第1面1及び第2面2と連結され、第3面3及び第4面4と連結され、且つZ方向に垂直なY方向に互いに対向する両面を第5面5及び第6面6と定義する。
【0033】
また、本実施形態において、積層型キャパシタ100の実装面は、キャパシタ本体110の第1面1であることができる。
【0034】
誘電体層111は、高誘電率のセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO)系セラミック粉末などを含むことができるが、十分な静電容量が得られる限り、本発明がこれに限定されるものではない。
【0035】
また、誘電体層111には、上記セラミック粉末とともに、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、及び分散剤などがさらに添加されることができる。
【0036】
上記セラミック添加剤は、例えば、遷移金属酸化物または遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)などを用いることができる。
【0037】
このようなキャパシタ本体110は、誘電体層111と第1内部電極121及び第2内部電極122を含み、キャパシタの容量形成に寄与する部分としての活性領域と、上下マージン部としてZ方向に上記活性領域の上下部にそれぞれ配置される上部カバー領域112及び下部カバー領域113を含むことができる。
【0038】
上部カバー領域112及び下部カバー領域113は、内部電極を含まないことを除いては、誘電体層111と同様の材料及び構成を有することができる。
【0039】
このような上部カバー領域112及び下部カバー領域113は、単一誘電体層または2つ以上の誘電体層を上記活性領域の上下面にそれぞれZ方向に積層して形成することができ、基本的には物理的または化学的ストレスによる第1内部電極121及び第2内部電極122の損傷を防止する役割を実行することができる。
【0040】
第1部電極121及び第2内部電極122は、互いに異なる極性を印加する電極であって、誘電体層111を間に挟んでZ方向に沿って交互に配置され、一端がキャパシタ本体110の第3面3及び第4面4を介してそれぞれ露出することができる。
【0041】
この時、第1内部電極121及び第2内部電極122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に絶縁することができる。
【0042】
このように、キャパシタ本体110の第3面3及び第4面4を介して交互に露出する第1内部電極121及び第2内部電極122の端部は、後述するキャパシタ本体110の第3面3及び第4面4に配置される第1外部電極130及び第2外部電極140とそれぞれ接続されて電気的に連結されることができる。
【0043】
上記のような構成により、第1外部電極130及び第2外部電極140に所定の電圧を印加すると、第1内部電極121及び第2内部電極122間に電荷が蓄積される。
【0044】
この時、積層型キャパシタ100の静電容量は、活性領域においてZ方向に沿って互いに重なる第1内部電極121及び第2内部電極122の重なり面積と比例するようになる。
【0045】
また、第1内部電極121及び第2内部電極122を形成する材料は、特に制限されず、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、パラジウム-銀(Pd-Ag)合金などの貴金属材料及びニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち1つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成することができる。
【0046】
この時、上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0047】
第1外部電極130は、キャパシタ本体110のX方向の一方の端部に配置され、第1導電層131、第1導電性樹脂層133、及び第1めっき層134を含む。
【0048】
第1導電層131は、曲げクラックを防止することができるように、キャパシタ本体110の第3面3のみに配置され、第1内部電極121の露出する部分と接続されて電気的に連結される。
【0049】
この時、第1導電層131は、キャパシタ本体110の第1面1、第2面2、第5面5、及び第6面6には形成されない。
【0050】
また、第1導電層131は、焼成電極層に形成されるベース電極として、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、及びスズ(Sn)などの金属のうち少なくとも一つを含むことができ、これとともにガラス(Glass)などをさらに含むことができる。
【0051】
第1めっき層134は、キャパシタ本体110の一方の端部に第1導電性樹脂層133を覆うように配置される。
【0052】
この時、第1めっき層134は、キャパシタ本体110の上部カバー領域112または下部カバー領域113において第1導電層131の一部と直接接触する部分を有する。
【0053】
そして、第1めっき層134は、ニッケル(Ni)めっき層で形成されることができ、第1めっき層134上に第3めっき層135がさらに配置されることができる。このとき、第3めっき層135は、スズ(Sn)めっき層で形成されることができる。
【0054】
第1導電性樹脂層133は、キャパシタ本体110の一方の端部において第1導電層131上に配置される。
【0055】
この時、第1導電性樹脂層133は、キャパシタ本体110の上部カバー領域112または下部カバー領域113においてキャパシタ本体110の第3面3と、第1面1または第2面2が連結される部分に未形成の部分が設けられ、このように第1導電性樹脂層133が形成されていない部分において、第1導電層131の一部が第1めっき層134と直接接触することができる。
【0056】
このような構造により、第1導電性樹脂層133は、第1導電層131上に配置される第1-1導電性樹脂層133aとキャパシタ本体110の第1面1、第2面2、第5面5、及び第6面6の一部に配置される第1-2導電性樹脂層133bを含むことができる。
【0057】
また、第1導電性樹脂層133は、複数の金属粒子及び複数の金属粒子を囲み、第1導電層131と接触する樹脂を含むことができる。
【0058】
この時、上記金属粒子は、銅(Cu)、銀(Ag)、スズ(Sn)のうち少なくとも1つまたは2つ以上の合金からなることができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0059】
そして、上記金属粒子は、球状またはフレーク(flake)状に形成されることができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0060】
また、上記樹脂は、エポキシ、アクリルなどの高分子レジンのいずれかであることができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0061】
第2外部電極140は、第1外部電極130と異なる極性の電圧が提供され、キャパシタ本体110のX方向の他方の端部に配置され、第2導電層141、第2導電性樹脂層143及び第2めっき層144を含む。
【0062】
第2導電層141は、曲げクラックを防止することができるように、キャパシタ本体110の第4面4のみに形成され、第2内部電極122の露出する部分と接続されて電気的に連結される。
【0063】
この時、第2導電層141は、キャパシタ本体110の第1面1、第2面2、第5面5、及び第6面6には形成されない。
【0064】
また、第2導電層141は、焼成電極層に形成されるベース電極として、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、及びスズ(Sn)などの金属のうち少なくとも一つを含むことができ、これとともにガラス(Glass)などをさらに含むことができる。
【0065】
第2めっき層144は、キャパシタ本体110の他方の端部に第2導電性樹脂層143を覆うように形成される。
【0066】
この時、第2めっき層144は、キャパシタ本体110の上部カバー領域112または下部カバー領域113において第2導電層141の一部と直接接触する部分を有する。
【0067】
そして、第2めっき層144は、ニッケル(Ni)めっき層144で形成されることができ、第2めっき層144上に第4めっき層145がさらに配置されることができる。このとき、第4めっき層145は、スズ(Sn)めっき層で形成されることができる。
【0068】
第2導電性樹脂層143は、キャパシタ本体110の他方の端部において第2導電層141上に配置される。
【0069】
この時、第2導電性樹脂層143は、キャパシタ本体110の上部カバー領域112または下部カバー領域113においてキャパシタ本体110の第4面4と、第1面1または第2面2が連結される部分に未形成の部分が設けられ、このように第2導電性樹脂層143が形成されていない部分において第2導電層141の一部が第2めっき層144と直接接触することができる。
【0070】
このような構造により、第2導電性樹脂層143は、第2導電層141上に配置される第2-1導電性樹脂層143aとキャパシタ本体110の第1面1、第2面2、第5面5、及び第6面6の一部に配置される第2-2導電性樹脂層143bを含むことができる。
【0071】
また、第2導電性樹脂層143は、複数の金属粒子及び複数の金属粒子を囲み、第2導電層141と接触する樹脂を含むことができる。
【0072】
この時、上記金属粒子は、銅(Cu)、銀(Ag)、スズ(Sn)のうち少なくとも1つまたは2つ以上の合金からなることができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0073】
そして、上記金属粒子は、球状またはフレーク(flake)状に形成されることができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0074】
また、上記樹脂は、エポキシ、アクリルなどの高分子レジンのいずれかであることができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0075】
本実施形態では、外部電極において、導電層の一部がめっき層と直接接触して回路に連結されることにより、導電性樹脂層によるESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)の増加を防止することができる。このとき、導電層及びめっき層は、内部電極が存在しないキャパシタ本体の上部または下部カバー領域で互いに直接接触することで信頼性の低下を防止することができる。
【0076】
一方、第1外部電極130は、キャパシタ本体110の第3面3上に配置される第1接続部と、上記第1接続部からキャパシタ本体110の第1面1、第2面2、第5面5、及び第6面6の一部に向かって延長される第1バンド部を含むことができる。
【0077】
上記第1接続部は、第1導電層131、第1導電層131上に配置される第1-1導電性樹脂層133a及び第1-1導電性樹脂層133a上に配置される第1-1めっき層134aを含むことができる。
【0078】
また、上記第1バンド部は、キャパシタ本体110の第1面1、第2面2、第5面5、及び第6面6の一部に配置される第1-2導電性樹脂層133b及び第1-2導電性樹脂層133bを覆うように第1-1めっき層134aから延長される第1-2めっき層134bを含むことができる。
【0079】
この時、第3めっき層135は、第1-1めっき層134a上に配置される第3-1めっき層135a及び第1-2めっき層134b上に配置される第3-2めっき層135bを含むことができる。
【0080】
そして、第2外部電極140は、キャパシタ本体110の第4面4上に配置される第2接続部と、上記第2接続部からキャパシタ本体110の第1面1、第2面2、第5面5、及び第6面6の一部に向かって延長される第2バンド部を含むことができる。
【0081】
上記第2接続部は、第2導電層141、第2導電層141上に配置される第2-1導電性樹脂層143a及び第2-1導電性樹脂層143a上に配置される第2-1めっき層144aを含むことができる。
【0082】
また、上記第2バンド部は、キャパシタ本体110の第1面1、第2面2、第5面5、及び第6面6の一部に配置される第2-2導電性樹脂層143b及び第2-2導電性樹脂層143bを覆うように第2-2めっき層144bから延長される第2-2めっき層144bを含むことができる。
【0083】
この時、第4めっき層145は、第2-1めっき層144a上に配置される第4-1めっき層145a及び第2-2めっき層144b上に配置される第4-2めっき層145bを含むことができる。
【0084】
上記第1バンド部は、X方向に1/2地点の付近で最大厚さを有することができ、上記第2バンド部は、X方向に1/2地点の付近で最大厚さを有することができる。
【0085】
そして、上記第1接続部は、Z方向に1/2地点の付近で最大厚さを有することができ、上記第2接続部は、Z方向に1/2地点の付近で最大厚さを有することができる。
【0086】
このような観点から、本実施形態では、第1-2導電性樹脂層133bの最大厚さが第1-1導電性樹脂層133aの最大厚さと第1導電層131の最大厚さの合計よりも小さいことができる。
【0087】
そして、第2-2導電性樹脂層143bの最大厚さが第2-1導電性樹脂層143aの最大厚さと第2導電層141の最大厚さの合計よりも小さいことができる。
【0088】
このような構成により、第1導電性樹脂層133及び第2導電性樹脂層143の厚さを最小限に抑えることができ、これにより、第1外部電極130及び第2外部電極140に加わる外部応力を解消して積層型キャパシタ100の曲げ強度を向上させることができる。
【0089】
そして、キャパシタ本体110の第3面3において最上段に位置する内部電極と最下段に位置する内部電極との間をZ方向に均等に4等分し、それぞれの境界点を第1地点P1~第5地点P5と定義したとき、第1導電層131の厚さに対する第1導電性樹脂層133の厚さは第1地点P1及び第5地点P5でそれぞれ0.25以下であり、第2地点P2及び第4地点P4でそれぞれ0.3以下であり、第3地点P3で0.35以下であることができる。
【0090】
この時、第1外部電極130の第1導電層131は、第1地点P1及び第5地点P5での平均厚さが12μm以下であることができ、第2地点P2、第3地点P3、第4地点P4での平均厚さが15μm以下であることができる。
【0091】
また、キャパシタ本体110の第4面4において最上段に位置する内部電極と最下段の内部電極との間をZ方向に均等に4等分し、それぞれの境界点を第6地点P6~第10地点P10と定義したとき、第2導電層141の厚さに対する第2導電性樹脂層143の厚さは第6地点P6及び第10地点P10で0.25以下であり、第7地点P7及び第9地点P9で0.3以下であり、第8地点P8で0.35以下であることができる。
【0092】
この時、第2外部電極140の第2導電層141は、第6及び第10地点P6、P10での平均厚さが12μm以下であることができ、第7地点P7、第8地点P8、第9地点P9での平均厚さが15μm以下であることができる。
【0093】
一方、図5のように、第1導電層は、キャパシタ本体110の第3面3に配置される第1内部導電層131'及び第1内部導電層131'上に配置される第1外部導電層132からなることができる。
【0094】
この時、第1内部導電層131'及び第1内部導電層132は、同様のメタルを含んで構成されることができ、場合によっては相違するメタルを含むこともできる。
【0095】
第2導電層は、キャパシタ本体110の第4面4に配置される第2内部導電層141'及び第2内部導電層141'上に配置される第2外部導電層142からなることができる。
【0096】
この時、第2内部導電層141'及び第2外部導電層142は、同様のメタルを含んで構成されることができ、場合によっては相違するメタルを含むこともできる。
【0097】
このように、第1及び第2導電層を2層構造でそれぞれ構成すると、外部衝撃からキャパシタ本体110を保護する効果を向上させることができ、積層型キャパシタの電気的特性によりESRの減少、放射クラック防止、及び高温信頼性の向上効果などをさらに向上させることができる。
【0098】
従来の積層型キャパシタは、曲げ強度の保証のために2種の導電性ペーストを用いて、1次電極及び2次電極を含む外部電極を構成する。
【0099】
内部電極と直接接触をして容量を実現する1次電極の場合、銅(Cu)、ニッケル(Ni)などの導電性金属を含み、2次電極は、1次電極上に樹脂と銅(Cu)、銀(Ag)などの金属及び樹脂を含む導電性ペーストで形成されることができる。
【0100】
また、1次電極のバンド部の長さが2次電極のバンド部の長さよりも短く形成され、1次電極のバンド部が2次電極のバンド部によって全て覆われるようにする。この時、外部応力(曲げ)に対する抵抗性は、樹脂を含む2次外部電極に起因するようになる。
【0101】
しかし、このように積層型キャパシタの曲げ強度の保証のために、2種の導電性ペーストで外部電極を構成する場合、1次電極及び2次電極がキャパシタ本体のX/Y/Zのすべての方向において厚さの増加を引き起こすため、積層型キャパシタの有効容量を確保することに制限がある。
【0102】
また、曲げ強度を保証するために導入された樹脂を含む2次電極は、めっき層を介して回路に連結されて電荷を積層型キャパシタに供給するゲート(gate)の役割を果たすようになるが、樹脂を含む2次電極の場合、1次電極に比べて電気的連結性が劣化し、積層型キャパシタのESRを増加させる主な原因として作用するおそれがある。
【0103】
また、外部電極が形成された積層型キャパシタは、回路との連結のためにめっき後のリフロー(reflow)過程を介してPCB基板などに実装される。
【0104】
このようなリフロー工程は、一般的に240℃以上の高温で行われ、セット(set)の構成により、複数回行うことができる。この過程で、樹脂を含む2次電極からガスが放出されるおそれがあり、この過程で、1次電極と2次電極との間に着脱(浮き)が起こることがある。
【0105】
したがって、発展するIT技術に対応する積層型キャパシタを実現するためには、厚さを最小限に抑えながら、曲げ強度を保証することができ、ESR及び浮きなどの副効果を防止することができる外部電極を形成する必要がある。
【0106】
従来の積層型キャパシタの外部電極は、バンド部に1次電極である導電層が形成され、これにより、曲げクラックの発生が増加することがある。
【0107】
本発明では、外部電極の導電層をキャパシタ本体の第3及び第4面のみに形成してキャパシタ本体の第1、第2、第5、及び第6面には形成しない。これにより、外部電極のバンド部に該当する部分の厚さを最小限に抑えることができ、曲げクラックの発生を抑制することができる。
【0108】
そして、樹脂及び金属を含む導電性ペーストを最大限薄くして、外部電極の導電性樹脂層をキャパシタ本体の第3及び第4面に最大限薄い厚さで形成することにより、制限された空間内で内部電極の積層空間をより多く確保することができる。
【0109】
これにより、外部電極が1次電極である導電層及び2次電極である導電性樹脂層からなり、導電層がキャパシタ本体の第1面、第2面、第5面、及び第6面に形成される従来の積層型キャパシタに対して積層型キャパシタの有効容量を8~10%のレベルに向上させることができる。
【0110】
また、このように構成される導電層及び導電性樹脂層を含む外部電極の構造により、本実施形態においては、キャパシタ本体の上部または下部カバー領域で導電層の一部が導電性樹脂層の外側に露出してめっき層と直接連結されることができる。
【0111】
これにより、積層型キャパシタのESRの増加を防止することができ、従来の外部電極の導電層がバンド部まで形成され、導電層とめっき層が直接連結されない構造の積層型キャパシタに対して積層型キャパシタのESRを50%以上減少させることができる。
【0112】
また、本実施形態の外部電極の構造は、リフロー時に導電性樹脂層から放出されるガス量を最小化し、外部電極の界面剥離(浮き)現象を防止することができる。本実施形態によると、5回のリフロー後にも導電層と導電性樹脂層の界面で剥離(浮き)現象が発生しない。
【0113】
一方、導電性樹脂層の厚さが過度に薄い場合、めっき液の浸透などにより積層型キャパシタの信頼性の低下が発生することがある。そして、このような信頼性の低下を防止するために導電性樹脂層の厚さを調整することができる。
【0114】
図3では、キャパシタ本体の第3面において、キャパシタ本体の最上段に位置する内部電極と最下段に位置する内部電極との間をZ方向に均等に4等分し、それぞれの境界点を第1地点P1~第5地点P5で示し、キャパシタ本体の第4面において、キャパシタ本体の最上段に位置する内部電極と最下段に位置する内部電極との間をZ方向に均等に4等分し、それぞれの境界点を第6P6~第10地点P10で示している。
【0115】
下記表1は、第1地点~第5地点での第1導電層の厚さに対する第1導電性樹脂層の厚さの割合を示したものである。
【0116】
第1導電層及び第1導電性樹脂層の厚さは、積層型キャパシタ10個を用意して、X-Z方向にキャパシタ本体の第3面が露出するようにし、用意したサンプルの第1地点~第5地点での第1外部電極の第1導電層及び第1導電性樹脂層の厚さをSEMを用いてそれぞれ測定する。このとき、各地点での第1外部電極の第1導電層及び第1導電性樹脂層の測定倍率は3000倍とする。
【0117】
一方、第1外部電極は、第1内部電極と電気的に接続され、第2外部電極は、第2内部電極と接続されるという違いがあるだけであって、第1外部電極と第2外部電極の構成は、概ね類似するため、第6地点~第10地点での第2導電層の厚さに対する第2導電性樹脂層の厚さに対する割合(値)は、第1地点~第5地点とそれぞれ対応するものとみなす。
【0118】
【表1】
【0119】
本実施形態において、第1導電層の厚さに対する第1導電性樹脂層の厚さの割合は、第1地点及び第5地点で0.25以下であり、第2地点及び第4地点で0.3以下であり、第3地点で0.35以下であることができる。
【0120】
表1を参照すると、第1導電層の厚さに対する第1導電性樹脂層の厚さの割合が上記好ましい閾値に近い#4の場合、ESRが#1~3に比べて2倍ほど増加し、第1導電層の厚さに対する第1導電性樹脂層の厚さが上記値を満たしていない#5~#10の場合、#4に比べてESRが3倍以上大きく増加したことが分かる。
【0121】
すなわち、導電層に対する導電性樹脂層の厚さが本発明の条件を満たしていない場合、積層型キャパシタのESRが増加し、めっき液の浸透による信頼性の低下の問題が発生することがある。
【0122】
この時、第1地点及び第5地点での第1導電層の平均厚さは12μm以下であることができ、第2地点及び第4地点での第1導電層の平均厚さは15μm以下であることができ、第3地点での第1導電層の平均厚さも15μm以下であることができる。第2導電層の場合にも、第1導電層と同様の特徴を有することができる。
【0123】
ここで、各地点での第1導電層及び第2導電層の平均厚さは、先の表1のように10個の積層型キャパシタのサンプルの第1導電層及び第2導電層の厚さを測定し、その平均とすることができる。
【0124】
第1導電層及び第2導電層の厚さが上記条件を満たさない場合、限られた空間内で内部電極の積層空間をさらに確保することができず、積層型キャパシタの有効容量が縮小される問題が発生することがある。
【0125】
一方、本実施形態のように、導電性樹脂層による積層型キャパシタのサイズの増加を防ぐために導電性樹脂層が最大限薄く形成されると、外部応力を解消させる役割を果たすことができ、これにより、積層型キャパシタの曲げ強度を保障することができる。
【0126】
この時、ESRの増加をより効果的に防止するためには、導電性樹脂層の第1面または第2面からバンド部のX方向に中間地点での厚さが、第3面または第4面からZ方向に中間地点での導電層と導電性樹脂層の総厚さよりも薄いことが好ましい。
【0127】
【表2】
【0128】
表2において、センターの厚さは、キャパシタ本体の第3面からZ方向に1/2地点での第1導電層と第1導電性樹脂層の厚さの合計を意味する。
【0129】
ここで、第1バンド部での第1導電性樹脂層の厚さは、X-Z方向に用意され、Y方向に1/2地点が露出するように用意されたチップからX方向への第1バンド部の長さの1/2地点での第1導電性樹脂層の厚さを測定する。このとき、測定倍率は3000倍とする。
【0130】
表2を参照すると、第1導電性樹脂層の第1面または第2面からのX方向への1/2地点での厚さが、キャパシタ本体の第3面からZ方向に1/2地点での第1導電層と第1導電性樹脂層の厚さの合計よりも厚い#3~#5の場合、#2に比べてESRが2倍以上大きく増加することが分かる。
【0131】
一方、第1外部電極は、第1内部電極と電気的に接続され、第2外部電極は、第2内部電極と接続されるという違いがあるだけであって、第1外部電極及び第2外部電極の構成は、概ね類似するため、第2外部電極でのセンターの厚さに対する第2バンド部の長さの1/2地点での第2導電性樹脂層の厚さの割合に関する説明を含むものとする。
【0132】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0133】
100 積層型キャパシタ
110 キャパシタ本体
111 誘電体層
112、113 カバー領域
121 第1内部電極
122 第2内部電極
130 第1外部電極
140 第2外部電極
131 第1導電層
141 第2導電層
133 第1導電性樹脂層
143 第2導電性樹脂層
134 第1めっき層
144 第2めっき層
135 第3めっき層
145 第4めっき層
図1
図2
図3
図4
図5