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特開2022-186616頭部装着型電子視覚支援デバイスおよびその自動画像拡大方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186616
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】頭部装着型電子視覚支援デバイスおよびその自動画像拡大方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022083239
(22)【出願日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】202110619230.6
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522201451
【氏名又は名称】アルテイア テクノロジーズ(スーチョウ) シーオー.,エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ハオティアン
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA27
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC08
5E555BE08
5E555BE17
5E555CA42
5E555DA08
5E555DB18
5E555DC26
5E555DC43
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】視覚障害ユーザに関心目標対象物の自動倍率をオンデマンドで実現する頭部装着型電子視覚支援デバイス及びその自動画像拡大方法を提供する。
【解決手段】頭部装着型電子視覚支援デバイス100は、ユーザの関心目標対象物と頭部装着型電子視覚支援デバイスの間の距離データ及び/又はその関心目標対象物の3次元プロファイル・データを獲得し、かつ、そのデータを処理ユニットへ出力する測距ユニット105と、距離データと画像ズーミング・ユニットの倍率の間の対応テーブルをストアするメモリ・ユニット102と、ユーザの関心目標対象物を確認し、距離データ及び/又は関心目標対象物の3次元プロファイル・データに関する演算を行い、かつ、対応テーブルに従って距離データと整合する倍率を画像ズーミング・ユニットへ出力する処理ユニット103と、整合する倍率に対して自動調整することが可能である画像ズーミング・ユニット104からなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ・ユニットと、処理ユニットと、画像ズーミング・ユニットとを包含する頭部装着型電子視覚支援デバイスであって、
前記頭部装着型電子視覚支援デバイスが、さらに、少なくとも1つの測距ユニットを包含し、前記測距ユニットが、ユーザの関心目標対象物と前記頭部装着型電子視覚支援デバイスの間の距離データおよび/または前記関心目標対象物の3次元プロファイル・データを獲得し、かつ前記処理ユニットへ前記データを出力するべく構成されることと、
前記メモリ・ユニットが、前記距離データと前記画像ズーミング・ユニットの倍率の間の対応関係テーブルのテーブルをストアするべく構成されることと、
前記処理ユニットが、前記ユーザの関心目標対象物を識別し、前記距離データおよび/または前記関心目標対象物の前記3次元プロファイル・データに関する演算を行い、かつ対応テーブルに従って前記距離データと整合する倍率を前記画像ズーミング・ユニットへ出力するべく構成されることと、
前記画像ズーミング・ユニットが、前記整合する倍率に対して自動調整するべく構成されることと、
を特徴とする、頭部装着型電子視覚支援デバイス。
【請求項2】
さらに、表示ユニットを包含し、それにおいて前記ユーザの関心目標対象物が、ユーザに表示される前記表示ユニットのチェックボックス内に設定されること、を特徴とする、請求項1に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイス。
【請求項3】
前記チェックボックスが、前記処理ユニットによって自動的に選択されるか、または前記ユーザによってオンデマンドで選択されるべく構成可能であること、を特徴とする、請求項2に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイス。
【請求項4】
前記整合する倍率が設定値より大きいときは、前記表示ユニット上の前記チェックボックスが自動的に消滅するか、またはフェードすること、を特徴とする、請求項2に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイス。
【請求項5】
前記対応テーブルの前記距離データが、1つ以上の距離間隔を包含し、前記1つ以上の距離間隔は、それぞれプリセット倍率に対応すること、を特徴とする、請求項1に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイス。
【請求項6】
さらに、前記頭部装着型電子視覚支援デバイスとのユーザ・インタラクションのための調整セクションを包含するユーザ調整ユニットを包含し、前記調整セクションが、前記処理ユニットへ倍率調整信号を出力することが可能であり、前記処理ユニットが、前記倍率調整信号に従って前記対応テーブル内の前記倍率を修正し、前記メモリ・ユニットが、前記修正した対応テーブルをストアし、かつ自動的に更新すること、を特徴とする、請求項1に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイス。
【請求項7】
前記調整セクションが、前記頭部装着型電子視覚支援デバイス上に備えられたタッチ操作パネルであるか、または音声モジュール、ジェスチャ認識モジュール、EEGセンシング・モジュールおよび筋電センシング・モジュールであり、コントロール・コマンドを入力して前記画像ズーミング・ユニットの前記倍率を自動的に調整することが可能であること、を特徴とする、請求項6に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイス。
【請求項8】
前記測距ユニットが、マイクロ電気機械システムMEMSセンサ、超音波センサ、レーザ測距センサ、ミリ波センサ、レーダ測距センサ、立体照明センサ、光学測距センサ、カメラのうちの1つ、またはそれらのうちの1つ以上の組み合わせを包含すること、を特徴とする、請求項1に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイス。
【請求項9】
前記画像ズーミング・ユニットが、カメラ、マイクロディスプレイ、および/またはマイクロプロジェクタを包含すること、を特徴とする、請求項1に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイス。
【請求項10】
前記測距ユニットの数が2以上であり、前記処理ユニットが、前記関心目標対象物と前記頭部装着型電子視覚支援デバイスの間における最適な距離データを獲得するために、複数の前記測距ユニットによって測定された前記距離データの分類、重み割り当て、または平均のうちの1つ以上の演算を行うこと、を特徴とする、請求項1に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイス。
【請求項11】
頭部装着型電子視覚支援デバイスの自動画像拡大のための方法であって、前記頭部装着型電子視覚支援デバイスが、メモリ・ユニットと、処理ユニットと、画像ズーミング・ユニットと、測距ユニットとを包含し、前記方法が、
ユーザの関心目標対象物を決定するステップと、
前記メモリ・ユニットによって、距離データと前記画像ズーミング・ユニットの倍率の間の対応テーブルをストアするステップと、
前記測距ユニットによって、前記ユーザの関心目標対象物と前記頭部装着型電子視覚支援デバイスの間の距離データおよび/または前記関心目標対象物の3次元プロファイル・データを獲得し、前記データを前記処理ユニットへ出力するステップと、
前記処理ユニットによって、前記距離データに対する演算を行い、前記対応テーブルに従って前記距離データと整合する倍率を前記画像ズーミング・ユニットへ出力するステップと、
前記画像ズーミング・ユニットによって、前記整合する倍率に対して自動的に調整するステップと、
を包含することを特徴とする、頭部装着型電子視覚支援デバイスの自動画像拡大のための方法。
【請求項12】
前記ユーザの関心目標対象物を決定するステップにおいて、前記ユーザに表示されるチェックボックスの範囲内に前記ユーザの関心目標対象物を設定すること、を特徴とする、請求項11に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイスの自動画像拡大のための方法。
【請求項13】
前記対応テーブルの前記距離データが、プリセット倍率に対応する1つ以上の距離間隔を包含し、前記処理ユニットが、前記測距ユニットによって獲得された前記距離データが複数の前記距離間隔のうちのいずれの間隔に入るかを決定し、かつ前記間隔に対応する前記倍率を前記画像ズーミング・ユニットへ出力すること、を特徴とする、請求項11に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイスの自動画像拡大のための方法。
【請求項14】
前記頭部装着型電子視覚支援デバイスが、さらに、前記頭部装着型電子視覚支援デバイスとのユーザ・インタラクションのための調整セクションを包含するユーザ調整ユニットを包含し、前記調整セクションが、前記処理ユニットへ倍率調整信号を出力することが可能であり、前記処理ユニットが、前記倍率調整信号に従って前記対応テーブル内の前記倍率を修正し、前記メモリ・ユニットが、前記修正した対応テーブルをストアし、かつ自動的に更新すること、を特徴とする、請求項11に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイスの自動画像拡大のための方法。
【請求項15】
前記測距ユニットの数が2以上であり、前記処理ユニットが、前記関心目標対象物と前記頭部装着型電子視覚支援デバイスの間における最適な距離データを獲得するために、複数の前記測距ユニットによって測定された前記距離データの分類、重み割り当て、または平均のうちの1つ以上の演算を行うこと、を特徴とする、請求項11に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイスの自動画像拡大のための方法。
【請求項16】
前記処理ユニットが前記ユーザ調整ユニットによって出力された前記倍率調整信号を受信したときに、前記処理ユニットが、前記倍率調整信号に従って前記対応テーブル内の前記倍率を即座に修正し、前記メモリ・ユニットが、前記修正された対応テーブルをストアし、かつ自動的に更新すること、を特徴とする、請求項14に記載の頭部装着型電子視覚支援デバイスの自動画像拡大のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテリジェント医療機器の分野、特に、頭部装着型電子視覚支援デバイスおよびそれの自動画像拡大のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
黄斑変性症は一般的な内科的疾患であり、高齢者においては特に一般的である。黄斑変性症を煩っている人々は、一般に網膜(特に、網膜の黄斑)の損傷または機能障害を有する。黄斑は、一般に目の中でもっとも高い分解能を有する。一般に、損傷した、または機能障害性の黄斑は、人の正面からの光に対して正常に応答することができない。その結果として、疾患者は、かすみ目を有するか、または視野の中心もしくはそれの周りの特定の領域の視力を失うことがある。黄斑変性症は、顔識別、運転、読書の能力、およびそのほかの人間的な側面が制限されるおそれがある。黄斑の機能低下は、網膜の中心から外向きに広がることがあるが、網膜の周辺領域に影響を及ぼす可能性は低い。
【0003】
AR/VRウェアラブル・デバイスのテクノロジの発展に伴って、ユーザを取り囲むシーンの画像を取り込み、AR表示システムを通じて取り込んだシーンをリアルタイムで表示し、かつ表示されるシーンの拡大または修正が可能な頭部装着型デバイス(HMD)の設計が次第次第に増えてきている。頭部装着型デバイス(HMD)は、一般に、カメラによって取り込まれた内容をユーザが拡大し、分解能の不足を補償することを可能にする画像ズーミング・ユニットを包含する。従来技術においては、HMD倍率の調整が、普通はユーザによって、リモート・コントローラまたはデバイス自体の上のボタンを通じて、またはタッチおよびスライドによってマニュアルで実装される。ユーザが、視野内にあるが距離が異なるいくつかの目標対象物に関心を有するとき、ユーザが、それらの目標対象物をはっきりと見ようとする間中絶えずそれらの目標対象物の間で倍率をマニュアル調整しなければならないことは想像に難くない。低視力のユーザにとっては、こういったマニュアル調整段階が煩雑になる。それに加えて、2つのプリセット倍率の間を切り換える必要があるとき(たとえば、読書中の装着者が、テーブルを挟んで座っている人と時折会話するとき)、一般に倍率のマニュアル調整が不正確になり、かつ手間取る。特に、視覚障害ユーザは、しばしば、特定の距離内にある対象物に必要とされる倍率を直観的に決定することが可能でない。したがって、従来技術の不足を解決する改善された頭部装着型電子視覚支援デバイスを求める喫緊の必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術におけるユーザによる倍率の、煩雑であり、不正確であり、かつ速度の遅いマニュアル調整の技術的問題を解決するために、本発明は、ユーザの要求に従って目標対象物の画像を正確に、直観的に、かつ迅速に自動拡大することが可能な頭部装着型電子視覚支援デバイスを提供することをねらいとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上に述べられている本発明の目的のうちの1つを達成するために、本発明の1つの実施態様は、メモリ・ユニットと、処理ユニットと、画像ズーミング・ユニットとを含み、かつさらに、ユーザの関心目標対象物と前記デバイスの間の距離データおよび/または前記対象物の3次元プロファイル・データを獲得し、かつ前記処理ユニットへ前記データを出力するべく構成された少なくとも1つの測距ユニットを含む頭部装着型電子視覚支援デバイスを提供し、
前記メモリ・ユニットは、前記距離データと前記画像ズーミング・ユニットの倍率の間の対応テーブルをストアするべく構成され;
前記処理ユニットは、前記ユーザの関心目標対象物を確認し、前記距離データおよび/または前記対象物の前記3次元プロファイル・データに関する演算を行い、かつ前記対応テーブルに従って前記距離データと整合する倍率を前記画像ズーミング・ユニットへ出力するべく構成され;
前記画像ズーミング・ユニットは、前記整合する倍率に対して自動調整するべく構成される。
【0006】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記頭部装着型電子視覚支援デバイスは、さらに表示ユニットを包含し、前記ユーザの関心目標対象物が、ユーザに表示される前記表示ユニットのチェックボックスの範囲内に設定される。
【0007】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記チェックボックスは、前記処理ユニットによって自動的に選択されるか、または前記ユーザによってオンデマンドで選択されるべく構成することが可能である。
【0008】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記整合する倍率が設定値より大きいときには、前記表示ユニット上の前記チェックボックスが自動的に消滅するか、またはフェードする。
【0009】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記対応テーブルの前記距離データは、1つ以上の距離間隔を包含し、前記1つ以上の距離間隔が、それぞれプリセット倍率に対応する。
【0010】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記頭部装着型電子視覚支援デバイスは、さらに、前記デバイスとのユーザ・インタラクションのための調整セクションを含むユーザ調整ユニットを包含し、前記調整セクションは、前記処理ユニットへ倍率調整信号を出力することが可能であり、前記処理ユニットは、前記調整信号に従って前記対応テーブル内の前記倍率を修正し、前記メモリ・ユニットは、前記修正した対応テーブルをストアし、かつ自動的に更新する。
【0011】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記調整セクションは、前記デバイス上に備えられたタッチ操作パネルであるか、または音声モジュール、ジェスチャ認識モジュール、EEGセンシング・モジュールおよび筋電センシング・モジュールであり、コントロール・コマンドを入力して前記画像ズーミング・ユニットの前記倍率を自動的に調整することが可能である。
【0012】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記測距ユニットは、マイクロ電気機械システムMEMSセンサ、超音波センサ、レーザ測距センサ、ミリ波センサ、レーダ測距センサ、立体照明センサ、光学測距センサ、およびカメラのうちの1つ、またはそれらのうちのいくつかの組み合わせを包含する。
【0013】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記画像ズーミング・ユニットは、カメラ、マイクロディスプレイ、および/またはマイクロプロジェクタを包含する。
【0014】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記測距ユニットの数は2以上であり、前記処理ユニットは、前記目標対象物と前記デバイスの間における最適な距離データを獲得するために、前記複数の測距ユニットによって測定された前記距離データの分類、重み割り当て、または平均のうちの1つ以上の演算を行う。
【0015】
さらに、本発明は、頭部装着型電子視覚支援デバイスの自動画像拡大のための方法を提供し、前記デバイスは、メモリ・ユニットと、処理ユニットと、画像ズーミング・ユニットと、測距ユニットとを含み、前記方法は:
ユーザの関心目標対象物を決定するステップと、
前記メモリ・ユニットによって、前記距離データと前記画像ズーミング・ユニットの前記倍率の間の対応テーブルをストアするステップと、
前記測距ユニットによって、前記ユーザの関心目標対象物と前記デバイスの間の距離データおよび/または前記対象物の3次元プロファイル・データを獲得し、前記データを前記処理ユニットへ出力するステップと、
前記処理ユニットによって、前記距離データに対する演算を行い、前記対応テーブルに従って前記距離データと整合する倍率を前記画像ズーミング・ユニットへ出力するステップと、
前記画像ズーミング・ユニットによって、前記整合する倍率に対して自動的に調整するステップと、を含む。
【0016】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記ユーザの関心目標対象物を決定するステップにおいては、前記ユーザに表示されるチェックボックスの範囲内に前記ユーザの関心目標対象物が設定される。
【0017】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記チェックボックスは、前記処理ユニットによって自動的に選択されるか、または前記ユーザによってオンデマンドで選択される。
【0018】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記対応テーブルの前記距離データは、それぞれプリセット倍率に対応する1つ以上の距離間隔を包含し、前記処理ユニットは、前記測距ユニットによって獲得された前記距離データが前記複数の距離間隔のうちのいずれの間隔に入るかを決定し、かつ前記間隔に対応する前記倍率を前記画像ズーミング・ユニットへ出力する。
【0019】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記デバイスは、さらに、前記デバイスとのユーザ・インタラクションのための調整セクションを含むユーザ調整ユニットを包含し、前記調整セクションは、前記処理ユニットへ倍率調整信号を出力することが可能であり、前記処理ユニットは、前記調整信号に従って前記対応テーブル内の前記倍率を修正し、前記メモリ・ユニットは、前記修正した対応テーブルをストアし、かつ自動的に更新する。
【0020】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記測距ユニットは、マイクロ電気機械システムMEMSセンサ、超音波センサ、レーザ測距センサ、ミリ波センサ、レーダ測距センサ、立体照明センサ、光学測距センサ、およびカメラのうちの1つ、またはそれらのうちのいくつかの組み合わせを包含する。
【0021】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記画像ズーミング・ユニットは、カメラ、マイクロディスプレイ、および/またはマイクロプロジェクタを包含する。
【0022】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記測距ユニットの数は2以上であり、前記処理ユニットは、前記目標対象物と前記デバイスの間における最適な距離データを獲得するために、前記複数の測距ユニットによって測定された前記距離データの分類、重み割り当て、または平均のうちの1つ以上の演算を行う。
【0023】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記処理ユニットが前記ユーザ調整ユニットによって出力された前記倍率調整信号を受信した後に、前記処理ユニットは、前記調整信号に従って前記対応テーブル内の前記倍率を即座に修正し、前記メモリ・ユニットは、前記修正された対応テーブルをストアし、かつ自動的に更新する。
【0024】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記ユーザ調整ユニットによって出力された前記調整信号がプリセット時間を超えて保持される場合に、前記処理ユニットは、前記調整信号に従って前記対応テーブル内の前記倍率を修正し、前記メモリ・ユニットは、前記修正された対応テーブルをストアし、かつ自動的に更新する。
【0025】
本発明の1つの実施態様のさらなる改善として述べるが、前記調整セクションは、前記デバイス上に備えられたタッチ操作パネルであるか、または音声モジュール、ジェスチャ認識モジュール、EEGセンシング・モジュールおよび筋電センシング・モジュールであり、コントロール・コマンドを入力して前記画像ズーミング・ユニットの前記倍率を自動的に調整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】頭部装着型電子視覚支援デバイスの1つの実施態様のハードウエア・モジュールを示した概略図である。
図2】頭部装着型電子視覚支援デバイスの1つの実施態様のソフトウエア・フローを示した概略図である。
図3】頭部装着型電子視覚支援デバイスの1つの実施態様を示した概略構造図である。
図4】頭部装着型電子視覚支援デバイスにおけるユーザの関心目標対象物の決定のチェックボックス示した概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図において、100は頭部装着型電子視覚支援デバイスであり、101はウェアラブル・ブラケットであり、102はメモリ・ユニットであり、103は処理ユニットであり、104は画像ズーミング・ユニットであり、105は測距ユニットであり、106は調整セクションであり、107は表示ユニットであり、108はチェックボックスである。
【0028】
以下、本発明の実施態様を詳細に説明する。実施態様の例は、図面に示されており、それにおいて、同じであるかまたは類似する参照記号は、同じであるかまたは類似する機能を伴う同じであるかまたは類似する1つまたは複数の要素を示す。以下に図面を参照して述べる実施態様は、本発明を説明することが意図された例示であり、本発明を限定するとして解釈することは可能でない。
【0029】
本発明の技術的解決策を、図面および具体的な実施態様との関連からさらに以下に述べる。
【0030】
図1を参照すると、本発明の1つの実施態様は、処理ユニット103と接続されたメモリ・ユニット102と、測距ユニット105と、画像ズーミング・ユニット104とを含む頭部装着型電子視覚支援デバイス100を提供する。測距ユニット105は、ユーザの関心目標対象物と頭部装着型電子視覚支援デバイス100の間の距離データおよび/またはその関心目標対象物の3次元プロファイル・データを獲得し、かつ処理ユニット103へ向けてそのデータを出力するべく構成されている。メモリ・ユニット102は、距離データと画像ズーミング・ユニット104の倍率の間における対応テーブルをストアするべく構成可能であり;処理ユニット103は、ユーザの関心目標対象物を確認し、測距ユニット105によって獲得された関心目標対象物の距離データおよび/または3次元プロファイル・データに関する演算を行い、かつ対応テーブルに従って、距離データと整合する倍率を画像ズーミング・ユニット104へ出力する。処理ユニット103から信号を受信した後、画像ズーミング・ユニット104は、それの倍率を整合する倍率に自動的に調整することが可能である。特に、視覚障害ユーザのための、正確で直観的、かつ迅速な関心目標対象物の自動倍率がオンデマンドで実現される。従来技術と比較すると、反復的かつ面倒なマニュアル調整が回避される。
【0031】
ユーザの関心目標対象物が、ユーザに表示される表示ユニット107のチェックボックス108の範囲内に設定され、ユーザは、拡大を必要とするユーザの関心目標対象物を非常に直観的な態様で確認することが可能になる。この実施態様においてはチェックボックス108が、高いコントラストを有し、たとえば、ユーザの関心目標対象物が、色の対比、明瞭性、およびこれらの類の点から見て優位性を有するように、ユーザの関心目標対象物が表示ユニットの赤いチェックボックス内に配される。当然のことながら、異なるスクリーン表示パラメータに従って、高いコントラストを伴うそのほかの異なる色にチェックボックス108を設定することも可能である。
【0032】
メモリ・ユニット102は、コンピュータ・プログラム・インストラクションおよびそのほかのデータの長期記憶を可能にすることが意図されている。メモリ・ユニット102は、フラッシュ・メモリ・モジュール、ハード・ディスク・ドライブ、またはソリッド・ステート・ドライブ等の多様なタイプの不揮発性情報メモリ・デバイスを包含することが可能である。頭部装着型電子視覚支援デバイス100は、さらに、本体内に配置され、頭部装着型電子視覚支援デバイス100の多様な構成要素へ電力を供給する電源を包含する。いくつかの具体的な実施態様においては、電源が、再充電可能バッテリ等の任意の適切なタイプのバッテリを包含することが可能である。バッテリを含む具体的な実施態様においては、頭部装着型電子視覚支援デバイス100が、有線または無線再充電を容易にする構成要素を包含することが可能である。
【0033】
測距ユニット105は、マイクロ電気機械システムMEMSセンサ、超音波センサ、レーザ測距センサ、ミリ波センサ、レーダ測距センサ、立体照明センサ、光学測距センサ、およびカメラのうちの1つまたはいくつかの組み合わせとすることが可能である。測距ユニットは、頭部装着型電子視覚支援デバイス100のユーザの目と実質的に平行な平面上に取り付けることが可能である。好ましい実施態様においては、測距ユニットの数が2以上であり、処理ユニット103は、目標対象物と頭部装着型電子視覚支援デバイス100の間における最適距離データを獲得するために、複数の測距ユニット105によって測定された距離データの分類、重み割り当て、または平均のうちの1つ以上の演算を行う。画像ズーミング・ユニット104は、カメラ、マイクロディスプレイ、および/またはマイクロプロジェクタとすることが可能であり、それにおいてマイクロプロジェクタは、導波タイプのミニチュア投影システムまたは反射タイプのミニチュア投影システムとすることが可能である。この実施態様における画像ズーミング・ユニット104は、カメラである。
【0034】
この実施態様においては、対応テーブルの距離データが、1つ以上の距離間隔のセットを包含し、当該1つ以上の距離間隔は、それぞれプリセット倍率に対応する。処理ユニット103が目標対象物とデバイスの間の距離が0.5mであると計算すると、対応テーブルに従って、カメラの自動倍率が1.5に自動調整されるべきであるとの結論がもたらされる。
【0035】
図3を参照するが、本発明の1つの実施態様においては、頭部装着型電子視覚支援デバイス100がさらにウェアラブル・ブラケット101を包含し、メモリ・ユニット102と、測距ユニット105と、画像ズーミング・ユニット104とをウェアラブル・ブラケット101上に配することが可能であり、処理ユニット103は、ウェアラブル・ブラケット101上に配することが可能であるが、リモート・コントローラ等のウェアラブル・ブラケット101以外のデバイス上に、またはスマートフォン等の外部モバイル端末デバイス上に配することも可能である。頭部装着型電子視覚支援デバイス100は、さらにユーザ調整ユニットを包含し、ユーザ調整ユニットは、頭部装着型電子視覚支援デバイス100とのユーザ・インタラクションのための調整セクション106を包含し、調整セクション106は、処理ユニット103へ倍率調整信号を出力することが可能であり、処理ユニット103は、その調整信号に従って対応テーブル内の倍率を修正し、メモリ・ユニット102は、修正済みの対応テーブルをストアし、自動的に更新する。
【0036】
好ましい実施態様においては、ユーザ調整ユニットの調整セクション106が、ウェアラブル・ブラケット101上に一体的に配されるタッチ操作パネルであり、画像倍率の調整は、ユーザによるタッチ操作パネルの操作によって実現される。測距ユニット105が目標対象物とデバイスの間において測定した距離(たとえば、0.5m)を処理ユニット103へ入力した後、処理ユニット103が、対応テーブル内の距離と倍率の間における対応関係に従って、その倍率が1.5であることを得る。この時点において、ユーザが倍率をさらに修正することが必要であると感じた場合に、ユーザは、タッチ操作パネルを使用してその倍率をさらにマニュアル調整すること、たとえば、この時点において、倍率を1.4に修正することが可能であり、メモリ・ユニット102は、以前のプリセット倍率の1.5を修正後の倍率の1.4に置き換えることになる。このようにして対応テーブルは、異なるユーザの実際の必要性に対応テーブルがより良好に適合するように、ユーザの必要性に従って絶えず、自動的に最適化される。
【0037】
別の好ましい実施態様においては、調整セクション106を音声モジュールとすることも可能であり、当該音声モジュールは、処理ユニットへ音声インストラクションを入力し、画像ズーミング・ユニットの倍率を自動的に調整することが可能である。たとえば、音声モジュールが、ユーザによって求められている拡大または縮小倍率の音声インストラクションを処理ユニットへ入力し、ユーザのマニュアル調整を伴うことなく画像ズーミング・ユニットの倍率を自動的に調整することが可能である。このほかの好ましい実施態様においては、調整セクション106を、コントロール・コマンドを入力して画像ズーミング・ユニットの倍率を自動的に調整することが可能な、ジェスチャ認識モジュール、EEGセンシング・モジュールおよび筋電センシング・モジュールとすることも可能である。
【0038】
チェックボックス108は、処理ユニット103によって自動的に選択されるか、またはユーザによってオンデマンドで選択される構成とすることが可能である。処理ユニット103によって自動的に選択されるときには、システムによるデフォルトによって、表示ユニット107の中央領域内にチェックボックス108を常時配しておくことが可能である。ユーザが関心目標対象物の拡大を必要とするとき、ユーザは、表示ユニットの赤いチェックボックス内に常に関心目標対象物があるように頭を回転してHMDを動かすことが可能である。ユーザによってオンデマンドでチェックボックスが選択されたとき、ユーザは、調整セクション106、たとえばタッチ操作パネルを通じて関心目標対象物を選択することが可能であり、また音声モジュール入力を通じてユーザの関心目標対象物を選択することも可能である。
【0039】
たとえば、ユーザの視野内に人間の顔および水の入ったコップといった複数の対象物が異なる距離で存在する場合に、ユーザは、チェックボックス108を使用し、異なる方法で関心目標対象物を選択することが可能である。1つの実施態様においては、ユーザが、タッチ操作パネルを通じて水の入ったコップを選択するチェックボックス108の操作を行うことが可能であり;別の実施態様においては、ユーザが、音声入力を通じてその水の入ったコップを選択するチェックボックス108のコントロールを行うことが可能であり;別の実施態様においては、ユーザが、クラウドにストアされているユーザの過去の使用データを使用することによってその水の入ったコップを選択するチェックボックス108のコントロールを行うことが可能である。チェックボックス108がユーザの関心目標対象物を決定した後は、測距ユニット105が距離データを測定し、距離データと倍率の対応テーブルに従って倍率を自動的に獲得し、ユーザによるマニュアル調整の必要性を伴うことなく、かつ関心目標対象物を失うことなく、画像ズーミング・ユニットの倍率を自動調整し、ズーミング・ユニットが水の入ったコップをその倍率まで自動的に拡大してユーザを支援する。好ましくは、対象物の拡大画像が不適切に拡大されることを防止するために、自動的な整合による倍率が設定値より大きいときには、表示ユニット上のチェックボックスが自動的に消滅するか、またはフェードし、浅くなる(ここでは、カラー・フェードまたは低コントラストがユーザの視野内におけるチェックボックスの区別を困難にすることを含意する)。
【0040】
図2を参照すると、本発明の実施態様は、頭部装着型電子視覚支援デバイス100の自動画像拡大のための方法を提供する。頭部装着型電子視覚支援デバイス100は、ウェアラブル・ブラケット101と、メモリ・ユニット102と、処理ユニット103と、画像ズーミング・ユニット104と、測距ユニット105とを包含し、それらは、ウェアラブル・ブラケット101上に配され、この方法は:
ユーザの関心目標対象物を決定するステップ;特に、ユーザに表示されるチェックボックスの範囲内にユーザの関心目標対象物を配することによってユーザの関心目標対象物を選択し、かつ確認するステップを包含する。
【0041】
メモリ・ユニット102が、距離データと画像ズーミング・ユニット104の倍率の間の対応テーブルをストアし;
測距ユニット105が、ユーザの関心目標対象物と頭部装着型電子視覚支援デバイス100の間の距離データおよび/または対象物の3次元プロファイル・データを獲得し、そのデータを処理ユニット103へ出力し;
処理ユニット103が、距離データに対する演算を行い、対応テーブルに従って、その距離データと整合する倍率を画像ズーミング・ユニット104へ出力し;
画像ズーミング・ユニット104は、処理ユニット103の信号を受信した後に、整合する倍率に対してそれ自身の倍率を自動的に調整することが可能である。視覚障害ユーザのための、正確で直観的、かつ迅速な関心目標対象物の自動倍率がオンデマンドで実現される。従来技術と比較すると、反復的かつ面倒なマニュアル調整が回避される。
【0042】
測距ユニット105は、マイクロ電気機械システムMEMSセンサ、超音波センサ、レーザ測距センサ、ミリ波センサ、レーダ測距センサ、立体照明センサ、光学測距センサ、およびカメラのうちの1つまたはいくつかの組み合わせとすることが可能である。測距ユニットは、頭部装着型電子視覚支援デバイス100のユーザの目と実質的に平行な平面上に取り付けられる。好ましい実施態様においては、測距ユニットの数が2以上であり、処理ユニット103は、目標対象物と頭部装着型電子視覚支援デバイス100の間における最適距離データを獲得するために、複数の測距ユニット105によって測定された距離データの分類、重み割り当て、または平均のうちの1つ以上の演算を行う。
【0043】
画像ズーミング・ユニット104は、カメラ、マイクロディスプレイ、および/またはマイクロプロジェクタとすることが可能であり、それにおいてマイクロプロジェクタは、導波タイプのミニチュア投影システムまたは反射タイプのミニチュア投影システムとすることが可能である。この実施態様における画像ズーミング・ユニット104は、カメラである。測距ユニットの数は2以上であり、処理ユニットは、目標対象物とデバイスの間における最適かつもっとも正確な距離データを獲得するために、複数の測距ユニットによって測定された距離データの分類、重み割り当て、または平均のうちの1つ以上の演算を行う。
【0044】
この実施態様においては、対応テーブルの距離データが、1つ以上の距離間隔を包含し、当該1つ以上の距離間隔は、プリセット倍率に対応する。処理ユニットは、測距ユニットによって獲得された距離データが複数の距離間隔のうちのいずれの間隔に入るかを決定し、その間隔に対応する倍率を画像ズーミング・ユニットへ出力する。処理ユニット103が目標対象物とデバイスの間の距離が0.5mであると計算すると、対応テーブルに従って、カメラの自動倍率が1.5に自動調整されるべきであるとの結論がもたらされる。
【0045】
頭部装着型電子視覚支援デバイス100は、さらにユーザ調整ユニットを包含し、ユーザ調整ユニットは、頭部装着型電子視覚支援デバイス100とのユーザ・インタラクションのための調整セクション106を包含し、調整セクション106は、処理ユニット103へ倍率調整信号を出力することが可能であり、処理ユニット103は、その調整信号に従って対応テーブル内の倍率を修正し、メモリ・ユニット102は、修正済みの対応テーブルをストアし、自動的に更新する。
【0046】
好ましい実施態様においては、ユーザ調整ユニットの調整セクション106は、ウェアラブル・ブラケット101上に一体的に配されるタッチ操作パネルであり、画像倍率の調整は、ユーザによるタッチ操作パネルの操作によって実現される。測距ユニット105が目標対象物とデバイスの間において測定した距離(たとえば、0.5m)を処理ユニット103へ入力した後、処理ユニット103が、対応テーブル内の距離と倍率の間における対応関係に従って、その倍率が1.5であることを得る。この時点において、ユーザが倍率をさらに修正することが必要であると感じた場合に、ユーザは、タッチ操作パネルを使用して新しい倍率をマニュアル調整することが可能であり、処理ユニット103は、調整信号に従って新しい対応テーブル内の倍率として即座に倍率を修正すること、たとえば、この時点において、倍率を1.4に修正することが可能であり、メモリ・ユニット102は、以前のプリセット倍率の1.5を修正後の倍率の1.4に置き換えることになる。ほかの実施態様においては、処理ユニット103が、調整信号の保持時間がプリセット時間(たとえば、2秒、3秒、または5秒)を超えるか否かの判断を行うことも可能であり、保持時間がプリセット時間を超える場合には、対応テーブルの継続的な機械学習および自動最適化が、ユーザの要求に従って実現され、かつその後、対応テーブルが、異なるユーザの実際の必要性により良好に適合するように、処理ユニットは倍率をオリジナルの対応テーブル内のオリジナルの1.5から新しい対応テーブル内の1.4に調整する。別の好ましい実施態様においては、随時クラウドで対応テーブルを収集し、ストアすることも可能である。クラウド内にストアされ、更新されるユーザ・データを分析することによって、異なるユーザの習慣に応じたより適切な倍率を獲得し、それによってユーザ経験を大きく改善することが可能である。
【0047】
別の好ましい実施態様においては、調整セクション106を音声モジュールとすることも可能であり、当該音声モジュールは、処理ユニットへ音声インストラクションを入力し、画像ズーミング・ユニットの倍率を自動的に調整することが可能である。たとえば、音声モジュールが、ユーザによって求められている拡大または縮小倍率の音声インストラクションを処理ユニットへ入力する。処理ユニット103が音声インストラクションを受信したとき、処理ユニット103は、ユーザによって修正された倍率に従って対応テーブル内の倍率を修正し、メモリ・ユニット102は、修正済みの対応テーブルをストアし、自動的に更新する。このようにしてユーザは、倍率を自分独自の必要性および視覚状態に従った適切な倍率に単独的に調整することが可能であり、画像拡大ユニットの倍率は、ユーザによるマニュアル調整を伴うことなく自動的に調整することが可能であり、頭部装着型電子視覚支援デバイス100は、使用がよりユーザ・フレンドリになり、かつ異なる低視力ユーザの必要性を満たすように、ユーザに適したより良好な対応テーブルを知的に記録し、かつ更新する。このほかの好ましい実施態様においては、調整セクション106を、コントロール・コマンドを入力して画像ズーミング・ユニットの倍率を自動的に調整することが可能な、ジェスチャ認識モジュール、EEGセンシング・モジュール、または筋電センシング・モジュールとすることも可能である。
【0048】
チェックボックス108は、処理ユニット103によって自動的に選択されるか、またはユーザによってオンデマンドで選択されるとすることが可能である。処理ユニット103によって自動的に選択されるときには、システムによるデフォルトによって、表示ユニット107の中央領域内にチェックボックス108を常時配しておくことが可能である。ユーザが関心目標対象物の拡大を必要とするとき、ユーザは、表示ユニットの赤いチェックボックス内に常に関心目標対象物があるように頭を回転してHMDを動かすことが可能である。ユーザによってオンデマンドでチェックボックスが選択されたとき、ユーザは、調整セクション106、たとえばタッチ操作パネルを通じて関心目標対象物を選択することが可能であり、また音声モジュール入力を通じてユーザの関心目標対象物を選択することも可能である。
【0049】
たとえば、ユーザの視野内に人間の顔および水の入ったコップといった複数の対象物が異なる距離で存在する場合に、ユーザは、チェックボックス108を使用し、異なる方法で関心目標対象物を選択することが可能である。1つの実施態様においては、ユーザが、タッチ操作パネルを通じて水の入ったコップを選択するチェックボックス108の操作を行うことが可能であり;別の実施態様においては、ユーザが、音声入力を通じてその水の入ったコップを選択するチェックボックス108のコントロールを行うことが可能であり;別の実施態様においては、ユーザが、クラウドにストアされているユーザの過去の使用データを使用することによってその水の入ったコップを選択するチェックボックス108のコントロールを行うことが可能である。チェックボックス108がユーザの関心目標対象物を決定した後は、測距ユニット105が距離データを測定し、距離データと倍率の対応テーブルに従って倍率を自動的に獲得し、ユーザによるマニュアル調整の必要性を伴うことなく、かつ関心目標対象物を失うことなく、画像ズーミング・ユニットの倍率を自動調整し、ズーミング・ユニットが水の入ったコップをその倍率まで自動的に拡大してユーザを支援する。好ましくは、対象物の拡大画像が不適切に拡大されることを防止するために、自動的な整合による倍率が設定値より大きいときには、表示ユニット上のチェックボックスが自動的に消滅するか、またはフェードし、浅くなる(ここでは、カラー・フェードまたは低コントラストがユーザの視野内におけるチェックボックスの区別を困難にすることを含意する)。
【0050】
この明細書は、実施態様に従って説明されているが、各実施態様単独で独立した技術的解決策が構成されているわけではないことを理解する必要がある。明細書内のこの説明は、明瞭性のためだけであって、当業者は、明細書を全体として捉える必要があり、多様な実施態様内の技術的解決策は、適切に組み合わされて当業者が理解可能なほかの実施態様を形成することも可能である。
【0051】
上にリストされている一連の詳細な説明は、本発明の実現可能な実施態様の具体的な説明に過ぎず、それらが本発明の保護範囲を限定することは意図されてなく、本発明の精神からの逸脱を伴うことなくなされたあらゆる均等な実施態様または修正は、本発明の保護の範囲内にすべて含まれるものとする。
【符号の説明】
【0052】
100 頭部装着型電子視覚支援デバイス
101 ウェアラブル・ブラケット
102 メモリ・ユニット
103 処理ユニット
104 画像ズーミング・ユニット
105 測距ユニット
106 調整セクション
107 表示ユニット
108 チェックボックス
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】