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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186662
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/24 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
B65D5/24 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090534
(22)【出願日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】P 2021093456
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100206139
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 匡
(72)【発明者】
【氏名】大根田 真也
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB20
3E060BA22
3E060BB01
3E060BC02
3E060DA21
3E060EA03
(57)【要約】
【課題】 一枚のシートから組み立てられる箱であって、組み立てが容易であり、また、取扱に便利な箱を得る。
【解決手段】 底部2の四辺に設けた隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に外方に二つ折りされ三角形となって第1側壁部4および/または第2側壁部6の外面側に折り込まれる折込部10を設け、折込部10の2つの開放辺に突片部11a,11bを設け、また、第1側壁部4および/または第2側壁部6の開放辺に第6折線14を介して連接する係止片部15を設け、係止片部15と第1側壁部4および/または第2側壁部6の間に折込部10に設けた突片部11a,11bを嵌合する嵌合口16a,16bを形成し、係止片部15を第6折線14から山折りすることにより、嵌合口16a,16bに第1側壁部4および/または第2側壁部6の外面側に折り込まれた折込部10の開放辺に設けられた突片部11a,11bを嵌合するようにした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のシートから組み立てられる箱であって、矩形状の底部の相対向する二辺にそれぞれ第1折線を介して連接する第1側壁部が設けられ、前記底部の他の相対向する二辺にそれぞれ第2折線を介して連接する第2側壁部が設けられ、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に、両側端縁にそれぞれ第3折線、第4折線を介して連接し、前記両側端縁を2辺とする四角形に形成され、第3折線、第4折線の間の対角線を第5折線として外方に二つ折りされ三角形となって前記第1側壁部および/または第2側壁部の外面側に折り込まれる折込部が設けられ、
前記折込部の2つの開放辺には突片部が設けられ、また、前記第1側壁部および/または第2側壁部の開放辺に第6折線を介して連接する係止片部が設けられ、前記係止片部と第1側壁部および/または前記第2側壁部の間には前記折込部に設けられた突片部が嵌合する嵌合口が形成されており、
前記係止片部を第6折線から山折りすることにより、前記嵌合口に前記第1側壁部および/または第2側壁部の外面側に折り込まれた折込部の開放辺に設けられた突片部が嵌合するようにしたことを特徴とする箱。
【請求項2】
前記折込部の2つの開放辺に設けられた前記突片部にあっては、前記折込部の2つの開放辺にシート厚を超える深さに切り取られて凹部が形成され、前記凹部の両側の突部を前記突片部としており、前記折込部の2つの開放辺に形成された前記凹部と前記突部は、前記折込部を第5折線から二つ折りしたとき重なるように形成されており、また、前記第1側壁部および/または第2側壁部の開放辺に設けられている前記係止片部は、前記重なり合う2つの突部からなる一方の前記突片部が嵌合する穴状の前記嵌合口が形成され、その両側に他方の前記突片部が嵌合する溝状の前記嵌合口が両側に形成され、穴状の前記嵌合口と溝状の前記嵌合口との間が前記第1側壁部および/または第2側壁部に連接している連接部となり、前記連接部は前記折込部の2つの開放辺に形成された前記凹部に嵌合可能な幅となっており、さらに前記第1側壁部および/または第2側壁部には、前記凹部の深さを超えない範囲で前記連接部の一部を形成する切り込みが設けられ、前記切り込みの先端を結ぶ線が前記第6折線となっていることを特徴とする特徴とする請求項1に記載の箱。
【請求項3】
前記シートは、少なくとも内面となる一面に耐液体性加工が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載の箱。
【請求項4】
前記シートの少なくとも内面となる一面のコッブ吸水度が、120秒で3g/m2以下であるか、30分で25g/m2以下であることを特徴とする請求項3に記載の箱。
【請求項5】
前記シートは、紙製であることを特徴とする請求項4に記載の箱。
【請求項6】
前記シートは、段ボールシートであることを特徴とする請求項4に記載の箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一枚のシートから組み立てられる箱であって、特に粉体や液状物の収容に適した箱に関する。
【背景技術】
【0002】
一枚のシートから組み立てられる箱として、図22に示すように、箱本体の四辺形の底壁50の四周側辺にそれぞれ側壁51、51、52、52が連接され、隣接する側壁51、52の側辺間に跨がって外方に2つ折りされる連結片53が連接され、箱本体の各側壁51、51、52、52の上縁および連結片53の外側片部上縁に外方に折り返される折り返し片54、55が連接されていると共に、この外側片部の折り返し片56が一対の対向側壁の折り返し片54の両端に連接され、他の一対の対向側壁の折り返し片55の先端に連結片と側壁との間に折り込まれる折り込み片57が連接され、この折り込み片57が折り返し片56、連結片53と側壁52との間に折り込まれた状態のもとで、一対の対向側壁上部に手掛け部が形成されるものとする段ボール箱が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-273131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている段ボール箱は、底壁50の四周側辺から側壁51、51、52、52を立ち上げ、隣接する側壁51、52の側辺間に跨がって連接されている連結片53を外方に2つ折りし、各側壁51、51、の上縁に連接されている折り返し片54と、連結片53の外側片部上縁に連接されている折り返し片56を外方に折り返し、外方に2つ折りされた連結片53、53と、連結片53の外側片部上縁に連接され外方に折り返される折り返し片56を側壁52,52の外面に重ね、その上から側壁52、52の上縁に連接されている折り返し片55を外方に折り返して重ね、折り返し片55の先端に連接されている折り込み片57を折り返し片56、連結片53と側壁52との間に折り込むようにして組み立てられるので、組み立てが非常に面倒であるといった問題があった。
【0005】
本発明の目的は、一枚のシートから組み立てられる箱であって、組み立てが容易であり、また、取扱に便利な箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一枚のシートから組み立てられる箱であって、矩形状の底部の相対向する二辺にそれぞれ第1折線を介して連接する第1側壁部が設けられ、前記底部の他の相対向する二辺にそれぞれ第2折線を介して連接する第2側壁部が設けられ、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に、両側端縁にそれぞれ第3折線、第4折線を介して連接し、前記両側端縁を2辺とする四角形に形成され、第3折線、第4折線の間の対角線を第5折線として外方に二つ折りされ三角形となって前記第1側壁部および/または第2側壁部の外面側に折り込まれる折込部が設けられ、前記折込部の2つの開放辺には突片部が設けられ、また、前記第1側壁部および/または第2側壁部の開放辺に第6折線を介して連接する係止片部が設けられ、前記係止片部と第1側壁部および/または前記第2側壁部の間には前記折込部に設けられた突片部が嵌合する嵌合口が形成されており、前記係止片部を第6折線から山折りすることにより、前記嵌合口に前記第1側壁部および/または第2側壁部の外面側に折り込まれた折込部の開放辺に設けられた突片部が嵌合するようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に設けられている前記折込部を、前記第3折線を谷折り、前記第4折線を山折りし前記第5折線を谷折りして外方に二つ折りしながら、前記底部から前記第1側壁部と前記第2側壁部を前記第1折線、前記第2折線から谷折りして立ち上げ、二つ折りした前記折込部を前記第2側壁部の外面側に折り込み前記第2側壁部の外面に重ね、この状態から、前記第2側壁部の開放辺に設けられている前記係止片部を前記第6折線から山折りして、前記係止片部と前記第2側壁部の間に形成されている前記嵌合口に前記第2側壁部の外面側に折り込まれた前記折込部の開放辺に設けられた前記突片部を嵌合するといった簡単な作業で一枚のシートから箱を組み立てることができる。
また、組み立てられた箱の前記第1側壁部と前記第2側壁部の内面には障害となるような出っ張り部を生じさせるようなことは無いので、内容物の出し入れ等において取扱に便利な箱を得ることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記折込部の2つの開放辺に設けられた前記突片部にあっては、前記折込部の2つの開放辺にシート厚を超える深さに切り取られて凹部が形成され、前記凹部の両側の突部を前記突片部としており、前記折込部の2つの開放辺に形成された前記凹部と前記突部は、前記折込部を第5折線から二つ折りしたとき重なるように形成されており、また、前記第1側壁部および/または第2側壁部の開放辺に設けられている前記係止片部は、前記重なり合う2つの突部からなる一方の前記突片部が嵌合する穴状の前記嵌合口が形成され、その両側に他方の前記突片部が嵌合する溝状の前記嵌合口が両側に形成され、穴状の前記嵌合口と溝状の前記嵌合口との間が前記第1側壁部および/または第2側壁部に連接している連接部となり、前記連接部は前記折込部の2つの開放辺に形成された前記凹部に嵌合可能な幅となっており、さらに前記第1側壁部および/または第2側壁部には、前記凹部の深さを超えない範囲で前記連接部の一部を形成する切り込みが設けられ、前記切り込みの先端を結ぶ線が前記第6折線となっていることを特徴とする特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、前記折込部の開放辺に形成された前記凹部の深さがシート厚を超える深さとなっているので、前記係止片部の前記連接部を前記第6折線から山折りし、前記折込部の前記凹部に嵌合したとき、前記係止片部の前記連接部の山折りによって前記係止片部に形成されている前記嵌合口に嵌合した前記折込部の前記突片部の先端が前記係止片部の上面から突出した状態となるので、前記突片部と前記係止片部との間に確実な係止状態が得られ、前記第2側壁部と、前記第2側壁部の外面側に折り込まれた前記折込部を確実に固定することができ、堅牢な箱を得ることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記シートは、少なくとも内面となる一面に耐液体性加工が施されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記シートは、少なくとも内面となる一面に耐液体性加工が施されているので、内容物が液状物であっても内容物が漏れたり、また箱が脆弱化してしまうといったことが起こりにくくなる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の、前記シートの少なくとも内面となる一面のコッブ吸水度が、120秒で3g/m2以下であるか、30分で25g/m2以下であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記シートは、内面が吸水しにくい素材であるため、内容物に直接液体を入れて長期間保管しても内容物が漏れたり、また箱が脆弱化してしまうといったことが起こりにくくなる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の、前記シートは、紙製であることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記シートは紙製であるので、使用後の廃棄が容易で有り、また資源としての再利用が可能となる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の、前記シートは、段ボールシートであることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、前記シートは、段ボールシートであるので、軽量で且つ堅牢な箱を得ることができ、また、取扱や製造が容易である。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明に係る箱によれば、組み立てが容易であり、また、内面に出っ張り部がない箱であることから、内容物の出し入れ等において取扱に便利な箱を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る箱の実施の形態の第1例を示す斜視図である。
図2図1に示す箱の展開図である。
図3図1に示す箱を組み立てる過程を示す説明図である。
図4図1に示す箱を組み立てる過程を示す説明図である。
図5図1に示す箱を組み立てる過程を示す説明図である。
図6図1に示す箱の開口部に取り付ける内蓋の一例を示す平面図である。
図7図1に示す箱の開口部に内蓋を取り付けた状態を示す平面図である。
図8】本発明に係る箱の実施の形態の第2例を示す斜視図である。
図9図8に示す箱の展開図である。
図10】本発明に係る箱の実施の形態の第3例を示す斜視図である。
図11図10に示す箱の展開図である。
図12】本発明に係る箱の実施の形態の第4例を示す斜視図である。
図13図12に示す箱の展開図である。
図14図12に示す箱を組み立てる過程を示す説明図である。
図15図12に示す箱を組み立てる過程を示す説明図である。
図16図12に示す箱を組み立てる過程を示す説明図である。
図17図12に示す箱の利用例を示す説明図である。
図18図12に示す箱の開口部に取り付ける内蓋の一例を示す平面図である。
図19図12に示す箱の開口部に内蓋を取り付けた状態を示す平面図である。
図20】外蓋の一例を示す平面図である。
図21図20に示す外蓋を図1に示す箱に被せた状態を示す説明図である。
図22】従来の箱を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る箱の形態の一例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1図7は本発明に係る箱の実施の形態の第1例を示すものであり、図1は第1例の箱の斜視図、図2図1に示す箱の展開図、図3図4図5図1に示す箱を組み立てる過程を示す説明図、図6図1に示す箱の開口部に取り付ける内蓋の一例を示す平面図、図7図1に示す箱の開口部に内蓋を取り付けた状態を示す平面図である。
【0021】
第1例の箱1は、一枚のシートから組み立てられる。
使用されるシートとしてはシート状の材料であれば特に限定されないが、例えば、紙製シート、プラスチック製シート等が使用される。紙製シートとしては厚紙シート、白板紙シート、紙段ボールシート等があり、またプラスチック製シートとしては、プラスチック板状シート、プラスチック段ボールシート等がある。
【0022】
また、シートには、少なくとも箱の内面となる一面に耐液体性加工が施されているものを使用することができる。耐液体性加工にあっては、厚紙シート、白板紙シート、紙段ボールシート等の紙製シートに、耐液体性のフィルムをラミネートし、或いは耐液体性の塗料をコーティングしてもよく、また、紙層に耐液性剤を含有させてもよい。本発明の箱において、防水性を重視する目的で紙製シートを用いる場合、少なくとも内面となる一面のコッブ吸水度が、120秒で3g/m2以下であるか、30分で25g/m2以下であるシートを用いることが好ましい。
第1例では、箱1を組み立てるシートとして、箱1の内面となる一面に耐液体性の塗料がコーティングされた紙製の段ボールシートが使用されている。
なお、利用する用途に応じて箱1の外面となる一面に耐液体性の塗料がコーティングされていてもよい。
【0023】
このような段ボールシートで形成される第1例の箱1は、図2の展開図で示すように、矩形状の底部2の相対向する二辺にそれぞれ第1折線3を介して第1側壁部4が設けられ、底部2の他の相対向する二辺にそれぞれ第2折線5を介して第2側壁部6が設けられている。
【0024】
隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間には、両側端縁にそれぞれ第3折線7、第4折線8を介して連接し、両側端縁を2辺とする四角形に形成され、第3折線7、第4折線8の間の対角線を第5折線9として外方に二つ折りされ三角形となって第2側壁部6の外面側に折り込まれる折込部10が設けられている。折込部10を形づくる四角形は、本例では正方形となっているが、第4折線8に対し、第3折線7の長さを第4折線8より若干短くした四角形であってもよい。
【0025】
折込部10の2つの開放辺には突片部11a,11bが設けられている。第1例では、折込部10の2つの開放辺の中央部位が、シート厚を超える深さに切り取られて凹部12が形成され、凹部12の両側の突部13a,13bを突片部11a,11bとしており、折込部10の2つの開放辺に形成された凹部12同士が、そして突部13a,13b同士が折込部10を第5折線9から二つ折りしたとき重なるように形成されている。
【0026】
折込部10の2つの開放辺の中央部位を切り取って形成される凹部12の切り取り深さは、シート厚の2倍から3倍の深さが好ましい。凹部12の切り取り深さがシート厚の2倍から3倍の深さであると、突片部11a,11bを後述する係止片部の嵌合口に嵌合したとき、突片部11a,11bの先端が係止片部の嵌合口から少なくともシート厚以上の幅で突出するので、突片部11a,11bと係止片部との間に確実な係止状態が得られる。また、後述する内蓋を組み立てられた箱1の開口部にしっかりと被せることができる。第1例では、凹部12の切り取り深さはシート厚の3倍の深さとなっている。
【0027】
また、第2側壁部6の開放辺に第6折線14を介して連接する係止片部15が設けられ、係止片部15と第2側壁部6の間に折込部10に設けられた突片部11a,11bが嵌合する嵌合口16a,16bが形成されており、係止片部15を第6折線14から山折りすることにより、嵌合口16a,16bに第2側壁部6の外面側に折り込まれた折込部10に設けられた突片部11a,11bが嵌合するようになっている。
【0028】
第2側壁部6の開放辺に設けられている係止片部15にあっては、第1例では、係止片部15の中央に第2側壁部6の開放辺に沿って、重なり合う2つの突部13a,13aからなる突片部11a,11aが嵌合する穴状の嵌合口16aが中央に形成され、係止片部15の両側に第2側壁部6の開放辺に沿って、重なり合う2つの突部13b,13bからなる突片部11b,11bが嵌合する溝状の嵌合口16bが形成されている。
【0029】
そして、穴状の嵌合口16aと溝状の嵌合口16bとの間が第2側壁部6に連接している連接部17となり、連接部17は折込部10の2つの開放辺に形成された凹部12に嵌合可能な幅となっている。さらに第2側壁部6には、凹部12の深さを超えない範囲で連接部17の一部を形成する切り込み18が設けられ、切り込み18の先端を結ぶ線が前記した第6折線14となっている。そして、連接部17の係止片部15との間に第7折線19が形成されている。
【0030】
なお、嵌合口16a,16bの高さ方向の間隔、すなわち係止片部15の第2側壁部6の開放辺側の辺と第2側壁部6の開放辺との間隔にあっては、嵌合口16a,16bへの突片部11a,11bの嵌合が確実に行われるのであれば特に限定されないが、箱1の組み立てに際し、係止片部15を第6折線14から山折りしたとき、第6折線14は第2側壁部6に設けられた連接部17の一部を形成する切り込み18の先端を結ぶ線となっていることから、この切り込み18の分だけ嵌合口16a,16bの高さ方向の間隔が広がるので、嵌合口16a,16bの高さ方向の間隔をシート厚さの2倍以下とすることが好ましい。
【0031】
このような展開構造を有する第1例の箱1は、次のようにして組み立てられる。
先ず、底部2の相対向する二辺に設けられている第1側壁部4を第1折線3から谷折りして立ち上げるとともに、底部2の他の相対向する二辺に設けられている第2側壁部6を第2折線5から谷折りして立ち上げ、この第1側壁部4と第2側壁部6の立ち上げと同期して、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられている四角形の折込部10を、対角線となる第5折線9を谷折りし、第3折線7を谷折りに、第4折線8を山折りして外方に二つ折りして三角形とし、第2側壁部6の外面側に折り込む(図3図4参照。)。
折込部10を内方に二つ折りして三角形としたとき、折込部10の2つの開放辺に形成された凹部12同士と、突部13a,13b同士が重なり、重なった突部13a,13bが折込部10の開放辺に設けられる突片部11a,11bとなる(図4参照。)。
【0032】
次に、第2側壁部6の開放辺に設けられている係止片部15を第6折線14から山折りして外方に倒し、係止片部15と第2側壁部6の間に形成されている嵌合口16a,16bに折込部10に設けられた突片部11a,11bを嵌合させる。
【0033】
第1例では、係止片部15にあっては、係止片部15の中央に第2側壁部6の開放辺に沿って、重なり合う2つの突部13a,13aからなる一方の突片部11aが嵌合する穴状の嵌合口16aが係止片部15と第2側壁部6の間における中央に形成され、係止片部15の両側に第2側壁部6の開放辺に沿って、重なり合う2つの突部13b,13bからなる他方の突片部11bが嵌合する溝状の嵌合口16bが形成されており、穴状の嵌合口16aと溝状の嵌合口16bとの間が第2側壁部6に連接している連接部17となり、連接部17は折込部10の2つの開放辺に形成された凹部12に嵌合可能な幅となっており、さらに第2側壁部6には、凹部12の深さを超えない範囲で連接部17の一部を形成する切り込み18が設けられ、切り込み18の先端を結ぶ線が前記した第6折線14となっており、そして、連接部17の係止片部15との間に第7折線19が形成されており、係止片部15を第6折線14から山折りして外方に倒し、連接部17を凹部12に嵌合することにより、折込部10に設けられた突片部11a,11bを係止片部15と第2側壁部6の間に形成されている嵌合口16a,16bに嵌合させ、さらに第7折線19から山折りし第2側壁部6と重ねる(図5参照。)。
このようにして箱1の組み立てが完了する。
【0034】
このように第1例の箱1は、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられている折込部10を外方に二つ折りしながら、底部2から第1側壁部4と第2側壁部6を立ち上げ、二つ折りした折込部10を第2側壁部6の外面側に折り込んで第2側壁部6の外面に重ね、この状態から、第2側壁部6の開放辺に設けられている係止片部15を第6折線14から山折りして、係止片部15と第2側壁部6の間に形成されている嵌合口16a,16bに第2側壁部6の外面側に折り込まれた折込部10の開放辺に設けられた突片部11a,11bを嵌合させるといった簡単な作業で容易に組み立てることができる。
【0035】
また、第1例では、折込部10の2つの開放辺に設けられている突片部11a,11bは、折込部10の2つの開放辺の中央部位が、シート厚を超える深さに切り取られて凹部12が形成され、凹部12の両側の突部13a,13bを突片部11a,11bとしており、折込部10の2つの開放辺に形成された凹部12同士が、そして突部13a,13b同士が折込部10を第5折線9から二つ折りしたとき重なるように形成されている。
【0036】
そして、係止片部15にあっては、係止片部15の中央に第2側壁部6の開放辺に沿って、重なり合う2つの突部13a,13aからなる一方の突片部11aが嵌合する穴状の嵌合口16aが中央に形成され、係止片部15の両側に第2側壁部6の開放辺に沿って、重なり合う2つの突部13b,13bからなる他方の突片部11bが嵌合する溝状の嵌合口16bが形成されており、穴状の嵌合口16aと溝状の嵌合口16bとの間が第2側壁部6に連接している連接部17となり、連接部17は折込部10の2つの開放辺に形成された凹部12に嵌合可能な幅にとなっており、さらに第2側壁部6には、凹部12の深さを超えない範囲で連接部17の一部を形成する切り込み18が設けられ、切り込み18の先端を結ぶ線が前記した第6折線14となっており、そして、連接部17の係止片部15との間に第7折線19が形成されているので、第2側壁部6の開放辺に設けられている係止片部15を第6折線14から山折りして外方に倒し、連接部17を凹部12に嵌合させることにより、折込部10に設けられた突片部11a,11bが係止片部15と第2側壁部6の間に形成されている嵌合口16a,16bに嵌合し、嵌合口16a,16bに嵌合した突片部11a,11bは、その先端が係止片部15の嵌合口16a,16bから突出した状態となることから、突片部11a,11bと係止片部15との間に確実な係止状態が得られ、第2側壁部6と、第2側壁部6の外面側に折り込まれた折込部10を確実に固定することができ、堅牢な箱1を得ることができる。
【0037】
特に、第1例では、凹部12の切り取り深さはシート厚の3倍の深さとなっているので、嵌合口16a,16bに嵌合した突片部11a,11bは、その先端が係止片部15の嵌合口から少なくともシート厚以上の幅で突出することから、突片部11a,11bと係止片部15との間に一層確実な係止状態が得られ、一層堅牢な箱1を得ることができる。
【0038】
また、組み立てられた箱1の第1側壁部4と第2側壁部6の内面には障害となるような出っ張り部を生じさせるようなことは無いので、内容物の出し入れ等において取扱に便利な箱を得ることができる。
また、得られた箱の用途は特に問わず、輸送用途のみならず保管用途としても好適に使用可能である。また、内面に防水性を有するシートを用いた場合は、簡易の水バケツやゴミ箱等として使用可能である。
【0039】
また、第1例の箱にあっては、その組立において箱の構造、内側の形状、および強度を損なわない範囲であれば、図示しないが、係止片部15を第6折線14から山折りして外方に倒し、折込部10の開放辺に設けられた突片部11a,11bを係止片部15と第2側壁部6の間に形成されている嵌合口16a,16bに嵌合させ、さらに第7折線19から山折りする際、四角形が二つ折りされて三角形となった折込部10の内側の片の開放辺に設けられている突片部11a,11bを係止片部15と第2側壁部6の間に形成されている嵌合口16a,16bに嵌合させ、二つ折りされている折込部10の二つの片の間に係止片部15を入れ込むようにして箱1を組み立ててもよい。
このようにして組み立てられた箱1は第2側壁部6の外面の開放端近傍にも係止片部15に由来し障害となるような出っ張り部を生じさせるようなことは無いので、後述する外蓋を用いる際にスムーズに外蓋を開け閉めすることが可能な箱を得ることができる。
【0040】
また、第1例の箱1は、着脱可能に取り付けられる内蓋30を備えている。
内蓋30は、箱1の開口部の内側に納まる矩形状の板状体からなり、内蓋30の第2側壁部6側の辺には、係止片部15に形成された穴状の嵌合口16aと溝状の嵌合口16bに嵌合し、係止片部15から突出している折込部10の開放辺に設けられた突片部11aと突片部11bの間に嵌合する嵌合片31が形成されている(図6参照。)。板状体は箱1の用途に応じて箱1と同じシート状の材料を使用してもよく、箱1とは異なる材質のシート状の材料を使用してもよい。
【0041】
このように構成された内蓋30を箱1の開口部へ取り付けて閉じる場合、内蓋30を箱1の開口部へ嵌め込む(図7参照。)。
箱1の開口部へ嵌め込まれた内蓋30は、その内面が箱1の外側面方に折り曲げられている係止片部15に当接するとともに、内蓋30の第2側壁部6側の辺に形成されている嵌合片31が折込部10の開放辺に形成された凹部12に嵌合し、この凹部12に嵌合している係止片部15の連接部17に当接する。このようにして箱1の開口部に内蓋30が取り付けられ、箱1の開口部が閉じられる。
【0042】
このように箱1の開口部を閉じる場合、箱1の開口部に内蓋30を嵌合するといった簡単な作業で箱1の開口部に内蓋30を取り付け、箱1の開口部を閉じることができる。
また、箱1の開口部を閉じている内蓋30を取り外す場合は、凹部12に嵌合し、第2側壁部6の外面に現れている内蓋30の嵌合片31の端部に指を掛け、引き上げるといった簡単な作業で箱1の開口部から内蓋30を取り外し、箱1の開口部を開けることができる。
【0043】
なお、第1例では、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられた折込部10は第2側壁部6の外面側に折り込まれるようになっているが、図示しないが、第1側壁部4の外面側に折り込むようにすることもできる。この場合、第2側壁部6の開放辺に設けられている係止片部15は、第1側壁部4の開放辺に設けるようにする。
【0044】
図8図9は本発明に係る箱の実施の形態の第2例を示すものであり、図8は第2例の箱の斜視図、図9図8に示す箱の展開図である。
第2例の箱1は、第1例の箱1と基本構成において変わるところはなく、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
【0045】
第2例と第1例との違いは、第2例の箱1は第1例の構成にない内蓋部32が設けられているところにある。
第2例では、底部2の相対向する二辺にそれぞれ設けられた第1側壁部4の開放辺に、第8折線33を介して連接する内蓋部32が設けられている。内蓋部32は中央で2分割した形状となっている。第8折線33にあっては、第1側壁部4と折込部10が連接している第3折線7に凹部12の深さを超えない範囲で切り込み34が設けられ、切り込み34の先端を結ぶ線が第8折線33となっている。
【0046】
また、内蓋部32における第2側壁部6側の開放辺には、隣接する折込部10の開放辺に形成された凹部12に嵌合可能な嵌合片35が形成されている。
その他の構成は、第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
【0047】
このように構成された第2例の箱1は、第1例の箱1と同様に組み立てられる。そして、組み立てられた箱1の開口部を閉じる場合、内蓋部32を第8折線33から谷折りして内方に折り曲げ、嵌合片35を折込部10の開放辺に形成された凹部12に嵌合させる(図8参照。)。
【0048】
このようにして、それぞれの第1側壁部4の開放辺に設けられている内蓋部32を内方へ折り曲げ、嵌合片35を折込部10の開放辺に形成された凹部12に嵌合させることにより、箱1の開口部が閉じられる。
【0049】
このように第2例の箱1によれば、箱1の開口部を閉じる場合、それぞれの第1側壁部4の開放辺に設けられている内蓋部32を内方へ折り曲げ、嵌合片35を折込部10の開放辺に形成された凹部12に嵌合するといった簡単な作業で箱1の開口部を閉じることができる。また、内蓋部32は箱1と一体となって設けられているので、別途内蓋を用意する必要が無い。
【0050】
なお、第2例では、内蓋部32はそれぞれの第1側壁部4に設けているが、図示しないが、いずれか一方の第1側壁部4に設けてもよい。この場合、内蓋部32は図8に示す内蓋部32の2倍の大きさとする。
また、第2例では内蓋部32は中央部で2分割しているが、蓋の機能を損なわない範囲であれば分割する位置は特に限定されず、中央部以外の部分にて2分割してもよい。
その他の作用効果は第1例と同様である。
【0051】
図10図11は本発明に係る箱の実施の形態の第3例を示すものであり、図10は第3例の箱の斜視図、図11図10に示す箱の展開図である。
第3例の箱1は、第1例の箱1と基本構成において変わるところはなく、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
【0052】
第3例と第1例との違いは、第3例の箱1は第1例の構成にない外蓋部36が設けられているところにある。
第3例では、底部2の相対向する二辺にそれぞれ設けられた第1側壁部4の開放辺に、第8折線33を介して連接する外蓋部36が設けられている。外蓋部36は中央で2分割した形状となっている。また、外蓋部36の第2側壁部6側の開放辺が、第1側壁部4より僅かに出ている。
その他の構成は、第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
【0053】
このように構成された第3例の箱1は、第1例の箱1と同様に組み立てられる。そして、組み立てられた箱1の開口部を閉じる場合、外蓋部36を第8折線33から谷折りして内方に折り曲げ、第2側壁部6側の開放辺を第2側壁部6の開放側先端に当接させる(図10参照。)。
【0054】
このようにして、それぞれの第1側壁部4の開放辺に設けられている外蓋部36を内方へ折り曲げ、第2側壁部6側の開放辺を第2側壁部6の開放側先端に当接させることにより、箱1の開口部が閉じられる。
【0055】
このように第3例の箱1によれば、箱1の開口部を閉じる場合、それぞれの第1側壁部4の開放辺に設けられている外蓋部36を内方へ折り曲げ、第2側壁部6側の開放辺を第2側壁部6の開放側先端に当接させるといった簡単な作業で箱1の開口部を閉じることができる。また、外蓋部36は箱1と一体となって設けられているので、別途外蓋を用意する必要が無い。
【0056】
なお、第3例では、外蓋部36はそれぞれの第1側壁部4に設けているが、図示しないが、いずれか一方の第1側壁部4に設けてもよい。この場合、外蓋部36は図10に示す外蓋部36の2倍の大きさとする。
また、第3例では外蓋部36は中央部で2分割しているが、蓋の機能を損なわない範囲であれば分割する位置は特に限定されず、中央部以外の部分にて2分割してもよい。
その他の作用効果は第1例と同様である。
【0057】
図12図19は本発明に係る箱の実施の形態の第4例を示すものであり、図12は第4例の箱の斜視図、図13図12に示す箱の展開図、図14図15図16図12に示す箱を組み立てる過程を示す説明図、図17図12に示す箱の利用例を示す説明図、図18図12に示す箱の開口部に取り付ける内蓋の一例を示す平面図、図19図12に示す箱の開口部に内蓋を取り付けた状態を示す平面図である。
第4例の箱1は、第1例の箱1と基本構成において変わるところはなく、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
【0058】
第4例と第1例との主な違いは、第4例では、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられ、外方に二つ折りされ三角形となる4つの折込部10が、それぞれ同一方向に折られ第1側壁部4と第2側壁部6の外面側に折り込まれており、そして、係止片部15は、第1側壁部4と第2側壁部6のそれぞれの開放辺に設けられているところにある。
【0059】
先ず、第4例では、底部2は正方形となっており、第1側壁部4と第2側壁部6は、側辺が底部2の一辺の長さと同じ、あるいはそれより長い矩形状となっている。第4例では、第1側壁部4と第2側壁部6は、側辺が底部2の一辺の長さより長い長方形となっている。
【0060】
そして、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられている折込部10の2つの開放辺には、その両側に第1例と同様に突片部11a,11bが設けられ、第4例ではさらに、突片部11a,11bの間に突片部11cが設けられている。
【0061】
第4例では、折込部10の2つの開放辺に、シート厚を超える深さに切り取られて2つの凹部12a,12bが形成され、凹部12a,12bの外側の突部13a,13bを突片部11a,11bとしており、凹部12a,12bの内側、すなわち凹部12aと12bの間にある突部13cを突片部11cとしている。そして、折込部10の2つの開放辺に形成された凹部12a,12b同士が、そして突部13a,13b,13c同士が折込部10を第5折線9から二つ折りしたとき重なるように形成されている。
【0062】
折込部10の2つの開放辺の中央部位を切り取って形成される凹部12a,12bの切り取り深さはシート厚の2倍から3倍の深さが好ましい。第4例では、凹部12の切り取り深さは第1例と同様シート厚の3倍の深さとなっている。
【0063】
第4例では、第1側壁部4だけでなく、第2側壁部6の開放辺にも第6折線14を介して連接する係止片部15が設けられており、係止片部15と第1側壁部4および第2側壁部6の間には、折込部10に設けられた突片部11a,11b,11cが嵌合する嵌合口16a,16b,16cが形成されており、係止片部15を第6折線14から山折りすることにより、嵌合口16a,16b,16cに第1側壁部4および第2側壁部6の外面側に折り込まれた折込部10に設けられた突片部11a,11b,11cが嵌合するようになっている。
【0064】
第1側壁部4および第2側壁部6の開放辺に設けられている係止片部15にあっては、第4例では、係止片部15の中央に第1側壁部4および第2側壁部6の開放辺に沿って、重なり合う突部13cからなる突片部11cが嵌合する穴状の嵌合口16cが形成され、係止片部15の両側に第1側壁部4および第2側壁部6の開放辺に沿って、重なり合う2つの突部13a,13bからなる突片部11a,11bが嵌合する溝状の嵌合口16a,16bが形成されている。
【0065】
そして、穴状の嵌合口16cと溝状の嵌合口16a,16bとの間が第1側壁部4および第2側壁部6に連接している連接部17となり、連接部17は折込部10の2つの開放辺に形成された凹部12a,12bに嵌合可能な幅となっている。
【0066】
さらに第1側壁部4および第2側壁部6には、凹部12a,12bの深さを超えない範囲で連接部17の一部を形成する切り込み18が設けられ、切り込み18の先端を結ぶ線が前記した第6折線14となっている。そして、連接部17の係止片部15との間に第7折線19が形成されている。
【0067】
また、第4例では、第1側壁部4または第2側壁部6と、対角線上にある外方に二つ折りされ三角形となる4つの折込部10の三角面部に、それぞれ開口部20が形成されている。開口部20は、折込部10を二つ折りし、そして、二つ折りした折込部10を第1側壁部4または第2側壁部6の外面に重ねたとき、それぞれ一致し連通するように形成されている(図12図15参照。)。
その他の構成は、第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
【0068】
このように構成された第4例の箱1は、以下の通り組み立てられる。
先ず、第1例と同様に第1側壁部4および第2側壁部6を立ち上げる。この第1側壁部4と第2側壁部6の立ち上げと同期して、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられている四角形の折込部10を、対角線となる第5折線9を谷折りした後、第3折線7aおよび第4折線8bを山折りに、第3折線7bおよび第4折線8aを谷折りして外方に二つ折りして三角形とし、第3折線7aおよび第4折線8bを軸としてそれぞれ同一方向に折り曲げ(図14参照。)、第1側壁部4と第2側壁部6の外面側に折り込む(図15参照。)。
【0069】
次に、第1側壁部4および第2側壁部6の開放辺に設けられている係止片部15を第6折線14から山折りして外方に倒し、連接部17を凹部12a,12bに嵌合することにより、折込部10に設けられた突片部11a,11bを係止片部15と第2側壁部6の間に形成されている嵌合口16a,16bに、突片部11cを嵌合口16cに嵌合させ、さらに第7折線19から山折りし第1側壁部4および第2側壁部6と重ねる(図16参照。)。
このようにして箱1の組み立てが完了する。
【0070】
このように第4例の箱1は、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられている折込部10を外方に二つ折りしながら、底部2から第1側壁部4と第2側壁部6を立ち上げ、外方に二つ折りして三角形とし、第3折線7および第4折線8を軸としてそれぞれ同一方向に折り曲げ第1側壁部4および第2側壁部6の外面に重ね、この状態から、係止片部15を第6折線14から山折りして、折込部10に設けられた突片部11a,11b,11cを係止片部15と第2側壁部6の間に形成されている嵌合口16a,16b,16cに嵌合させるといった簡単な作業で容易に組み立てることができる。
【0071】
また、第4例では、第1側壁部4または第2側壁部6と、対角線上にある外方に二つ折りされ三角形となる4つの折込部10の三角面部に、それぞれ開口部20が形成されている。開口部20は、折込部10を二つ折りし、そして、二つ折りした折込部10を第1側壁部4または第2側壁部6の外面に重ねたとき、それぞれ一致し連通するように形成されているので、開口部20を取っ手21として使用することができる。
【0072】
また、第4例では、箱1は、第1側壁部4および第2側壁部6の開放辺に設けられ、嵌合口16a,16b,16cに第1側壁部4および第2側壁部6の外面に重ねられている折込部10の突片部11a,11b,11cを嵌合させている4つの係止片部15のうちの1つを折込部10から外すことにより、係止片部15から外れた折込部10を外方へ突出させ、突出した折込部10を注ぎ口22とする水差しとして利用することができる(図17参照。)。
【0073】
また、第4例の箱にあっては、その組立において箱の構造、内側の形状、および強度を損なわない範囲であれば、図示しないが、係止片部15を第6折線14から山折りして外方に倒し、折込部10の開放辺に設けられた突片部11a,11b、11cを係止片部15と第1側壁部4および第2側壁部6の間に形成されている嵌合口16a,16b、16cに嵌合させ、さらに第7折線19から山折りする際、四角形が二つ折りされて三角形となった折込部10の内側の片の開放辺に設けられている突片部11a,11b,11cを係止片部15と第2側壁部6の間に形成されている嵌合口16a,16bに嵌合させ、二つ折りされている折込部10の二つの片の間に係止片部15を入れ込むようにして箱1を組み立ててもよい。
このようにして組み立てられた箱1は第1側壁部4および第2側壁部6の外面の開放端近傍にも係止片部15に由来し障害となるような出っ張り部を生じさせるようなことは無いので、インテリア性の向上に加え、後述する外蓋を用いる際にスムーズに外蓋を開け閉めすることが可能な箱を得ることができる。
その他の作用効果は第1例と同様である。
【0074】
また、第4例の箱1は、第1例と同様、着脱可能に取り付けられる内蓋30を備えている。内蓋30は、箱1の開口部の内側に納まる正方形状の板状体からなり、内蓋30の第1側壁部4および第2側壁部6側の辺には、係止片部15に形成された16a,16b,16cに嵌合し、係止片部15から突出している折込部10の開放辺に設けられた突片部11a,11b,11cの間に嵌合する嵌合片31が形成されている(図18参照。)。板状体は箱1の用途に応じて箱1と同じシート状の材料を使用してもよく、箱1とは異なる材質のシート状の材料を使用してもよい。
【0075】
このように構成された内蓋30を箱1の開口部へ取り付けて閉じる場合、内蓋30を箱1の開口部へ嵌め込む(図19参照。)。箱1の開口部へ嵌め込まれた内蓋30は、その内面が箱1の外側面方に折り曲げられている係止片部15に当接するとともに、内蓋30の第1側壁部4および第2側壁部6側の辺に形成されている嵌合片31が折込部10の開放辺に形成された凹部12a,12bに嵌合し、この凹部12a,12bに嵌合している係止片部15の連接部17に当接する。このようにして箱1の開口部に内蓋30が取り付けられ、箱1の開口部が閉じられる。
【0076】
このように箱1の開口部を閉じる場合、箱1の開口部に内蓋30を嵌合するといった簡単な作業で箱1の開口部に内蓋30を取り付け、箱1の開口部を閉じることができる。
また、箱1の開口部を閉じている内蓋30を取り外す場合は、凹部12a,12bに嵌合し、第1側壁部4および/または第2側壁部6の外面に現れている内蓋30の嵌合片31の端部に指を掛け、引き上げるといった簡単な作業で箱1の開口部から内蓋30を取り外し、箱1の開口部を開けることができる。
【0077】
図20図21は、第1例、第4例の箱1に被せられる外蓋の一例を示すものであり、図20は外蓋の一例を示す平面図、図21図20に示す外蓋を図1に示す箱に被せた状態を示す説明図である。
【0078】
外蓋37は、箱1と同じく、一枚のシートで形成されている。使用されるシートとしては、本例では、箱1と同じシートが使用されている。一枚のシートで形成される本例の外蓋37は、図20の平面図で示すように、箱1の開口部外形と同じ大きさに形成された矩形状の天部38の4辺にそれぞれ第9折線39を介して側壁部40が設けられている。
【0079】
このように構成された外蓋37は、次のようにして箱1に被せられる、
天部38の4辺にそれぞれ設けられている側壁部40を第9折線39から山折りし、この状態で、側壁部40を箱1の第1側壁部4及び第2側壁部6の外面に重ねるようにして箱1に被せ、或いは、天部38を箱1の開口部に当ててから、側壁部40を第9折線39から山折りし、側壁部40を箱1の第1側壁部4および第2側壁部6の外面に重ねるようにして箱1に被せる(図21参照。)。
【0080】
このようにして箱1に被せた外蓋37の側壁部40に、粘着テープを巻き付け、箱1の第1側壁部4及び第2側壁部6の外面に重ねた側壁部40が拡がらないようにする。
【0081】
このように本例の外蓋37によれば、簡単な作業で箱1に被せることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 箱
2 底部
3 第1折線
4 第1側壁部
5 第2折線
6 第2側壁部
7 第3折線
8 第4折線
9 第5折線
10 折込部
11a,11b,11c 突片部
12,12a,12b 凹部
13a、13b、13c 突部
14 第6折線
15 係止片部
16a,16b,16c 嵌合口
17 連接部
18 切り込み
19 第7折線
20 開口部
21 取っ手
22 注ぎ口
30 内蓋
31 嵌合片
32 内蓋部
33 第8折線
34 切り込み
35 嵌合片
36 外蓋部
37 外蓋
38 天板
39 第9折線
40 側壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22