(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186668
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】自己配向回転ステントリーバ挟持セル
(51)【国際特許分類】
A61B 17/221 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
A61B17/221
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022090757
(22)【出願日】2022-06-03
(31)【優先権主張番号】17/338,830
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515248931
【氏名又は名称】ニューラヴィ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・オマリー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE22
4C160EE28
4C160MM33
(57)【要約】
【課題】身体血管から血塊を除去するための血塊除去装置を提供すること。
【解決手段】血塊除去装置は、血管系を横断するようにサイズ決めされ、近位端及び遠位端を有する細長部材であって、長手方向軸を備える、細長部材と、細長部材の遠位端に接続された係合構造体であって、互いに接続された複数の挟持セルを備える、係合構造体と、を備え、少なくとも1つの挟持セルが、拡張された展開構成において血塊と係合し、かつ血塊挟持構成への作動時に血塊を挟持するように構成されており、複数の挟持セルのうちの第1の挟持セルが、複数の挟持セルのうちの第2の挟持セルに接続されており、それにより、第2の挟持セルが、実質的に長手方向軸を中心に第1の挟持セルに対して回転可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血塊を身体血管から除去するための血塊除去装置であって、前記血塊除去装置は、
血管系を横断するようにサイズ決めされ、近位端及び遠位端を有する細長部材であって、長手方向軸を備える、細長部材と、
前記細長部材の前記遠位端に接続された係合構造体であって、互いに接続された複数の挟持セルを備える、係合構造体と、
を備え、
前記複数の挟持セルが、拡張された展開構成において血塊と係合し、かつ血塊挟持構成への作動時に前記血塊を挟持するように構成されており、
前記複数の挟持セルのうちの第1の挟持セルが、前記複数の挟持セルのうちの第2の挟持セルに接続されており、それにより、前記第2の挟持セルが、実質的に前記長手方向軸を中心に前記第1の挟持セルに対して回転可能である、血塊除去装置。
【請求項2】
前記係合構造体が、非管状である、請求項1に記載の血塊除去装置。
【請求項3】
前記複数の挟持セルのうちの少なくとも1つが、二重挟持セルを含む、請求項1に記載の血塊除去装置。
【請求項4】
前記第2の挟持セルが、前記第1の挟持セルに対して完全に回転可能である、請求項1に記載の血塊除去装置。
【請求項5】
前記第2の挟持セルが、前記第1の挟持セルに対して約180度の角度にわたって回転可能である、請求項1に記載の血塊除去装置。
【請求項6】
前記第2の挟持セルが、前記第1の挟持セルに対して約90度の角度にわたって回転可能である、請求項1に記載の血塊除去装置。
【請求項7】
前記第1の挟持セルの前記第2の挟持セルへの接続部が、前記第1の挟持セルと前記第2の挟持セルとの間の回転オフセットを付勢する、請求項1に記載の血塊除去装置。
【請求項8】
前記第1の挟持セルと前記第2の挟持セルとの間の前記付勢された回転オフセットが、約30~約150度である、請求項7に記載の血塊除去装置。
【請求項9】
前記第1の挟持セルが、カラーを備え、前記第2の挟持セルが、前記カラーと回転可能に接続するように構成された嵌合コネクタを備える、請求項1に記載の血塊除去装置。
【請求項10】
前記嵌合コネクタが、前記カラーに挿入するための折り畳み可能な指部を備える、請求項9に記載の血塊除去装置。
【請求項11】
前記複数の挟持セルが、交互にカラー挟持セルと接合物挟持セルとを備え、前記カラー挟持セルが、前記カラー挟持セルの第1の端部及び第2の端部にカラーを備え、前記接合物挟持セルが、前記接合物挟持セルの第1の端部及び第2の端部で前記カラーと回転可能に接続するように構成された嵌合コネクタを備える、請求項1に記載の血塊除去装置。
【請求項12】
前記複数の挟持セルのそれぞれが、第1の端部における嵌合コネクタと、第2の端部におけるカラーとを備え、前記嵌合コネクタが、前記カラーと回転可能に接続するように構成されている、請求項1に記載の血塊除去装置。
【請求項13】
前記複数の挟持セルのうちの第3の挟持セルが、前記第3の挟持セルが前記第2の挟持セルに対して回転可能であるように、前記第2の挟持セルに接続されている、請求項1に記載の血塊除去装置。
【請求項14】
前記第2の挟持セルに対する前記第3の挟持セルの回転度が、前記第1の挟持セルに対する前記第2の挟持セルの回転度よりも小さい、請求項13に記載の血塊除去装置。
【請求項15】
前記第2の挟持セルに対する前記第3の挟持セルの回転度が、前記第1の挟持セルに対する前記第2の挟持セルの回転度よりも大きい、請求項13に記載の血塊除去装置。
【請求項16】
前記第1の挟持セルが、前記第1の挟持セルが前記細長部材に対して回転可能であるように、前記細長部材の前記遠位端に接続されている、請求項1に記載の血塊除去装置。
【請求項17】
前記複数の挟持セルが、挟持セルのチェーン内に3つ以下の挟持セルを有する、請求項1に記載の血塊除去装置。
【請求項18】
前記複数の挟持セルが、前記挟持セルのチェーン内に2つ以下の挟持セルを有する、請求項17に記載の血塊除去装置。
【請求項19】
血塊を身体血管から除去するための血塊除去装置であって、前記血塊除去装置は、
血管系を横断するようにサイズ決めされ、近位端及び遠位端を有する細長部材であって、長手方向軸を画定する、細長部材と、
前記細長部材の前記遠位端に接続された係合構造体であって、拡張された展開構成において前記血塊に係合し、血塊挟持構成への作動時に前記血塊を挟持するように構成された挟持セルを備える、係合構造体と、
を備え、
前記挟持セルが、実質的に前記長手方向軸を中心に前記細長部材に対して回転可能であるように、前記挟持セルが前記細長部材に接続されている、血塊除去装置。
【請求項20】
血塊除去装置を製造するための方法であって、
複数の挟持セルを形成することであって、前記複数の挟持セルのそれぞれが、前記複数の挟持セルのうちの少なくとも1つの他の挟持セルに回転可能に接続するための接続手段を備える、形成することと、
前記複数の挟持セルのうちの第1の挟持セルを、血管系を横断するようにサイズ決めされた細長部材に接続することであって、前記細長部材が、長手方向軸を画定する、接続することと、
前記複数の挟持セルのうちの第2の挟持セルを、前記第1の挟持セル及び前記第2の挟持セルの前記それぞれの接続手段を介して、前記第1の挟持セルに接続することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、血塊回収装置、並びに自己配向挟持セル及びそれを含むステントリーバに関する。
【背景技術】
【0002】
世界保健機関は、毎年15,000,000回の血液凝塊が発生すると推定している。血塊は、解放されずに塞栓の形態で発達して血管を局所的に閉鎖することがあり、この機構は、冠状動脈の閉鎖の形成において一般的である。急性の障害物としては、血液凝塊、誤配置された装置、移動した装置、大きな塞栓などを挙げることができる。血栓塞栓症は、血栓の一部又は全てが血管壁から剥離したときに発生する。この血塊は次いで、血流の方向に運ばれる。血塊は、広範な形態及び粘度を含む可能性がある。長い紐状のより軟質の血塊物質は、二分岐又は三分岐で詰まる傾向があり得、その結果、複数の血管が相当な長さにわたって同時に閉塞する。
【0003】
毎年発生する15,000,000回の血塊のうち、患者の三分の一が死亡し、また別の三分の一が身体障害となる。現在、多くの機械的再疎通装置が臨床で使用されている。第1世代の装置には、Merciリトリーバ装置が含まれる。「ステントリーバ」又は「ステントリトリーバ」と呼ばれるステント様技術を基準とする近年の装置は、急性虚血性脳卒中における再疎通のための第1世代の血栓摘出装置に取って代わりつつある。
【0004】
高レベルの性能を提供することができる血塊除去装置の設計と関連する重大な課題が存在する。また、デバイスの送達を困難にする複数のアクセス上の難題が存在する。例えば、血塊が詰まっている可能性がある領域内の血管系は、しばしば脆弱で、繊細であり、神経血管は、身体の他の部分の同様のサイズの血管よりも脆弱であり、軟部組織床にある。これらの血管に加えられる過剰な引張力は、穿孔及び出血をもたらす可能性がある。肺血管は脳血管系の血管よりも大きいが、本質的に繊細でもあり、特により遠位の肺血管は繊細である。
【0005】
ステント様血塊レトリーバ装置は、急性脳卒中患者の脳血管から血塊を除去するために、ますます使用されるようになっているが、そのような装置に欠点がないわけではない。ステント様血塊レトリーバは、血塊を把持する外向きの径方向の力に依存する。径方向の力が小さすぎる場合、装置は、血塊上の把持を失う。径方向の力が大きすぎる場合、装置は血管壁を損傷する可能性があり、回収するのに過度の力を必要とし得る。全ての血塊タイプに対処するのに十分な径方向力を有するそのような装置は、血管外傷及び重篤な患者損傷を引き起こし得るものであり、非外傷性を維持するために適切な径方向力を有するレトリーバは、全ての血塊タイプを効果的に取り扱うことができない可能性がある。この点で、レトリーバは、上述のように、サイズ、形状、径方向力などの物理的特性、展開の容易さ、摩擦、放射線不透過性、及び容器壁との相互作用が異なり得る。Loh Y、Jahan R、McArthur D.「血栓摘出の試みが増えるにつれて、再疎通速度が低下する」。American Journal.2010年5月;31(5):935-9、及びArai D、Ishii A、Chihara H、Ikeda H、Miyamoto S.「ステントリトリーバ血栓摘出デバイスによって引き起こされる血管損傷の組織学的検査」、J Neurointerv Surg.2016 Oct; 8(10):992-5を参照されたい。いくつかの設計はまた、脳卒中患者から回収された広範囲のヒト血塊を表す動物血液由来の現実的な血塊類似体を組み込んだインビトロ脳卒中モデルに基づいている。Eugene F、Gauvrit J-Y、FerreJ-C、Gentric J-C、Besseghir A、Ronziere T, et alを参照されたい。「ステントリトリーバを使用する機械的血栓摘出後の1年間のMR血管造影及び臨床追跡」、AJNR Am J Neuroradiol.2015 Jan;36(1):126-32(18)を参照されたい。この全文を参照により本明細書に組み込む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
機械的血栓摘出を利用するときの成功率は高いが、確実に、一部には、血塊が回収されないため、十分な再灌流を達成できない患者の割合が依然として存在する。セルの配向は、マイクロカテーテル及びステントリーバで挟持を成功させる主な影響因子である。本開示の解決策は、当該技術のこれら及びその他の問題点を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の必要性を満たす装置及び方法を提供することが、本設計の目的である。設計は、回転挟持セルの利用から血塊を除去することができる血塊回収装置のためのものであり得る。
【0008】
いくつかの実施例では、身体血管から血塊を除去するための血塊除去装置が提供され、血塊除去装置は、血管系を横断するようにサイズ決めされ、近位端及び遠位端を有する細長部材であって、長手方向軸を備える、細長部材と、細長部材の遠位端に接続された係合構造体であって、互いに接続された複数の挟持セルを備える、係合構造体と、を含む。
【0009】
いくつかの実施例では、複数の挟持セルは、拡張された展開構成で血塊と係合し、血塊挟持構成への作動時に血塊を挟持するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施例では、複数の挟持セルのうちの第1の挟持セルは、第2の挟持セルが、第1の挟持セルを実質的に長手方向軸の周りで回転可能であるように、複数の挟持セルのうちの第2の挟持セルに接続されている。
【0011】
いくつかの実施例では、係合構造体は非管状である。
【0012】
いくつかの実施例では、複数の挟持セルのうちの少なくとも1つは、二重挟持セルを含む。
【0013】
いくつかの実施例では、第2の挟持セルは、第1の挟持セルに完全に回転可能である。
【0014】
いくつかの実施例では、第2の挟持セルは、約180度の角度にわたって第1の挟持セルをそれぞれ回転可能である。
【0015】
いくつかの実施例では、第2の挟持セルは、約90度の角度にわたって第1の挟持セルをそれぞれ回転可能である。
【0016】
いくつかの実施例では、第1の挟持セルの第2の挟持セルへの接続部は、第1の挟持セルと第2の挟持セルとの間の回転オフセットを付勢する。
【0017】
いくつかの実施例では、第1の挟持セルと第2の挟持セルとの間の付勢された回転オフセットは、約30~約150度である。
【0018】
いくつかの実施例では、第1の挟持セルは、カラーを備え、第2の挟持セルは、カラーと回転可能に接続するように構成された嵌合コネクタを備える。
【0019】
いくつかの実施例では、嵌合コネクタは、カラーに挿入するための折り畳み可能な指部を備える。
【0020】
いくつかの実施例では、複数の挟持セルは、交互のカラー挟持セル及び接合物挟持セルを含み、カラー挟持セルは、カラー挟持セルの第1の端部及び第2の端部にカラーを備え、接合物挟持セルは、接合物挟持セルの第1の端部及び第2の端部でカラーと回転可能に接続するように構成された嵌合コネクタを備える。
【0021】
いくつかの実施例では、複数の挟持セルのそれぞれは、第1の端部における嵌合コネクタ及び第2の端部におけるカラーを備え、嵌合コネクタは、カラーと回転可能に接続するように構成されている。
【0022】
いくつかの実施例では、複数の挟持セルのうちの第3の挟持セルは、第3の挟持セルが第2の挟持セルにそれぞれ回転可能であるように、第2の挟持セルに接続されている。
【0023】
いくつかの実施例では、第3の挟持セルのそれぞれの回転度は、第2の挟持セルの第1の挟持セルに対する第2の挟持セルの回転度よりも小さい。
【0024】
いくつかの実施例では、第3の挟持セルのそれぞれの回転度は、第2の挟持セルの第1の挟持セルに対する第2の挟持セルの回転度よりも大きい。
【0025】
いくつかの実施例では、第1の挟持セルは、細長部材の遠位端に接続され、その結果、第1の挟持セルは、細長部材にそれぞれ回転可能である。
【0026】
いくつかの実施例では、複数の挟持セルは、挟持セルのチェーン内に3つ以下の挟持セルを有する。
【0027】
いくつかの実施例では、複数の挟持セルは、挟持セル内のチェーンに2つ以下の挟持セルを有する。
【0028】
いくつかの実施例では、身体血管から血塊を除去するための血塊除去装置が提供され、血塊除去装置は、血管系を横断するようにサイズ決めされ、近位端及び遠位端を有する細長部材であって、長手方向軸を画定する、細長部材と、細長部材の遠位端に接続された係合構造体であって、拡張された展開構成において血塊に係合し、血塊挟持構成への作動時に血塊を挟持するように構成された挟持セルを備える、係合構造体と、を含む。
【0029】
いくつかの実施例では、挟持セルが、実質的に長手方向軸を中心に細長部材に対して回転可能であるように、挟持セルが細長部材に接続されている。
【0030】
いくつかの実施例では、血塊除去装置を製造するための方法が提供され、本方法は、複数の挟持セルを形成することであって、複数の挟持セルのそれぞれが、複数の挟持セルのうちの少なくとも1つの他の挟持セルに回転可能に接続するための接続手段を備える、形成することと、複数の挟持セルのうちの第1の挟持セルを、血管系を横断するようにサイズ決めされ、長手方向軸を画定する細長部材に接続することと、複数の挟持セルのうちの第2の挟持セルを、第1の挟持セル及び第2の挟持セルのそれぞれの接続手段を介して第1の挟持セルに接続することと、を含む。
【0031】
いくつかの実施例では、血塊を回収するための方法が提供され、本方法は、血塊回収装置の挟持部を血管内の折り畳まれた状態から拡張状態に展開して血塊に近接させることを含み、血塊回収装置は、遠位端を有し、長手方向軸を画定する細長部材と、遠位端に近接して配置され、複数の挟持セルを備える挟持部と、を備え、複数の挟持セルが、遠位端に近接して配置された第1の挟持セルと、実質的に長手方向軸を中心に第1の挟持セルに回転可能に接続された第2の挟持セルと、を含み、挟持部が、拡張された展開構成から挟持構成へ移行するときに血塊を挟持するように動作可能である。
【0032】
いくつかの実施例では、本方法は、複数の挟持セルのうちの少なくとも1つがマイクロカテーテルの管腔内に少なくとも部分的に折り畳まれるように、マイクロカテーテルの管腔を前進させることと、血塊の一部が挟持部とマイクロカテーテルとの間で圧縮されるまで、挟持構成への作動時に血塊の一部と接触している挟持部を挟持することと、を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本明細書は、本明細書に記載の主題を特に指摘し、かつ明確にその権利を主張する特許請求の範囲で終了するが、その主題は、添付の図面と併せて取られた特定の実施例の以下の説明からよりよく理解されると考えられ、図面において、同様の参照番号は同じ要素を特定する。
【
図1】本開示の態様による、ステントリーバ及びマイクロカテーテルを示す図である。
【
図2A】本開示の態様による、例示的な挟持セルを示す図である。
【
図2B】本開示の態様による、例示的な挟持セルを示す図である。
【
図2C】本開示の態様による、例示的な挟持セルを示す図である。
【
図3A】本開示の態様による、例示的な挟持セルを示す図である。
【
図3B】本開示の態様による、例示的な挟持セルを示す図である。
【
図4A】本開示の態様による、例示的な挟持セル接続構成を示す図である。
【
図4B】本開示の態様による、例示的な挟持セル接続構成を示す図である。
【
図4C】本開示の態様による、例示的な挟持セル接続構成を示す図である。
【
図4D】本開示の態様による、例示的な挟持セル接続構成を示す図である。
【
図4E】本開示の態様による、例示的な挟持セル接続構成を示す図である。
【
図4F】本開示の態様による、例示的な挟持セル接続構成を示す図である。
【
図5A】本開示の態様による、例示的な挟持セル接続構成を示す図である。
【
図5B】本開示の態様による、例示的な挟持セル接続構成を示す図である。
【
図5C】本開示の態様による、例示的な挟持セル接続構成を示す図である。
【
図6A】例示的な実施形態による例示的な挟持セルのチェーンを示す図である。
【
図6B】例示的な実施形態による例示的な挟持セルのチェーンを示す図である。
【
図6C】例示的な実施形態による例示的な挟持セルのチェーンを示す図である。
【
図6D】例示的な実施形態による例示的な挟持セルのチェーンを示す図である。
【
図6E】例示的な実施形態による例示的な挟持セルのチェーンを示す図である。
【
図7A】本開示の態様による、マイクロカテーテル及びステントリーバの動作を示す図である。
【
図7B】本開示の態様による、マイクロカテーテル及びステントリーバの動作を示す図である。
【
図8】本開示の態様による、ステントリーバ及びマイクロカテーテルを示す図である。
【
図9A】本開示の態様による、マイクロカテーテル及びステントリーバの動作を示す図である。
【
図9B】本開示の態様による、マイクロカテーテル及びステントリーバの動作を示す図である。
【
図10A】本開示の態様による、隣接セルの接続を示す図である。
【
図10B】本開示の態様による、隣接セルの接続を示す図である。
【
図11】本開示の一態様による、ステントリーバの製造のフローチャートである。
【
図12】本開示の態様による、例示的な血塊除去装置を組み込んだ治療のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
開示された技術の例示的な実施形態が本明細書に詳述されるが、他の実施形態が企図されることを理解すべきである。したがって、以下の説明に記載される又は図面に示される構成要素の構造及び配置の詳細に開示された技術の範囲が限定されることを意図するものではない。開示した技術は、他の実施形態が可能であり、様々な方式で実施又は実行されることが可能である。
【0035】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上そうではないと明白に指示していない限り、複数の指示対象も含むことにもまた留意されたい。「を備える(comprising)」又は「を含有する(containing)」又は「を含む(including)」は、少なくとも言及された化合物、要素、粒子、又は方法工程が、組成物若しくは物品又は方法において存在することを意味するが、他の化合物、材料、粒子、方法工程の存在を、他のかかる化合物、材料、粒子、方法工程が言及されたものと同じ機能を有する場合であっても、除外するものではない。
【0036】
例示的な実施形態の説明では、明確性を期すために専門用語を用いる。各用語は、当業者によって理解されるその最も広義の意味を有することが企図されており、類似の目的を実現するために同様に作用する全ての技術的な均等物を含むことが意図される。方法の1つ以上のステップへの言及は、追加の方法ステップ又は明示的に識別されたそれらのステップ間に介在する方法ステップの存在を排除しないことも理解されたい。方法の工程は、開示した技術の範囲から逸脱することなく、本明細書で述べた順序と異なる順序で実行され得る。同様に、デバイス又はシステムにおける1つ以上の構成要素への言及は、追加の構成要素の存在又は明示的に識別されたそれらの構成要素間に介在する構成要素の存在を排除しないことも理解されたい。
【0037】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値の範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指し得る。
【0038】
本明細書にて議論されるように、「被験者」又は「患者」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であってよい。動物は、限定されるものではないが、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含む、種々の任意の該当する種類のものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であってもよい。対象は、例えば、任意の該当するヒト患者であってもよいことを理解するべきである。
【0039】
本明細書で論じられる場合、「オペレータ」には、血塊血管再生装置の被験者の血管系への送達に関連した医者、外科医、又は任意の他の個人若しくは送達器具が含まれてよい。
【0040】
本明細書で論じられる場合、「血栓」は、血管内の流れを妨害するか、又はそうでなければ閉塞する血管系の部位に留まる循環系内の血塊として理解することができる。「血塊」、「血栓」、「障害物」、「血管閉塞」、「閉塞」などの用語は、本開示を通して互換的に使用することができ、しばしば互換的に使用される。
【0041】
「血管再生装置」の送達は、典型的には、大腿動脈及び/又は橈骨動脈への1つ以上のカテーテルの送達を介して達成され、脳、血管バイパス、血管形成術、及び/又は同様のものの動脈内に誘導される。「血管再生装置」は、1つ以上のステント、ステントリーバ、血塊除去装置、血塊血管再生装置、吸引システム、それらの1つ以上の組み合わせ、及び/又は同様のものを含むことができ、それらのそれぞれは、本開示を通して互換的に使用されることが多いが、これらに限定されない。
【0042】
図1は、本開示の態様による、ステントリーバ及びマイクロカテーテル100(例えば、血塊除去装置100)を示す。血塊除去装置100は、マイクロカテーテル102及びステントリーバ110を含み得る。マイクロカテーテル102は、互いに反対側に配置される近位端105及び遠位端107を有する。マイクロカテーテル120は、近位端105から遠位端107へと延びる管腔109を含む。
【0043】
ステントリーバ110は、係合構造体140と、長手方向軸L-Lを画定する細長部材111(例えば、構造ねじ111)とを含み得る。係合構造体140は、少なくとも第1及び第2の挟持セル150を含み得る。例えば、係合構造体140は、構造ねじ144の遠位端112に接続された挟持セル150のチェーンを含み得る。送達構成では、係合構造体140は、マイクロカテーテル102内の管腔109内に配設され得る。送達されると、係合構造体140は、マイクロカテーテル102から(例えば、手動又はプッシュプル機構を介して)拡張され得る。挟持セル150のうちの少なくとも1つは、例えば、隣接するセル150及び/又は構造ねじ111から独立して回転するように構成され得る。例えば、挟持セル150の支柱が血塊内へ拡張するとき、挟持セル150は偏向し、挟持セル150の形成したケージを回転させて、血塊の挟持セル150への統合を改善する。これにより、挟持セル150による血塊の挟持を成功させる可能性が高くなり得る。
【0044】
図2A~
図2Cは、本開示の態様による、例示的な挟持セル250を示す図である。
図2Aを参照すると、挟持セル250は、互いに反対側に配置される第1の端部204及び第2の端部208と、そこに配置された略円筒形の捕捉部255とを有し得る。捕捉部255は、複数のアーム212a~212d(例えば、支柱)を含み、それらの間にケージを作成し得る。アーム212a~212dは、ケージ内の血塊を捕捉するように構成された実質的に弧状の形状を有してもよい。第1の端部204及び第2の端部208は、1つ以上の隣接する挟持セル及び/又は構造ねじ111に接続するように構成され得る。
【0045】
図2Bを参照すると、挟持セル250‘は、互いに反対側に配置される第1の端部204‘及び第2の端部208‘と、そこに配置された略平坦な捕捉部255‘とを有し得る。捕捉部255‘は、複数のアーム212a‘~212c‘(例えば、支柱)を含み、それらの間にケージを作成し得る。アーム212a‘~212c‘は、場合によっては、捕捉特性を向上することができる波状の形状を有してもよい。
【0046】
図2Cを参照すると、挟持セル250‘‘は、互いに反対側に配置される第1の端部204‘及び第2の端部208‘と、そこに配置された略円筒形の捕捉部255‘‘とを有し得る。捕捉部255‘‘は、複数のセル212a‘‘~212c‘‘(例えば、支柱)を含み、それらの間に複数のケージ空間を作成し得る。セル212a‘‘~212c‘‘はそれぞれ、実質的に卵状であり、アームを介して第1の端部204‘及び第2の端部208‘に接続され得る。
【0047】
図3A~
図3Bは、本開示の態様による、例示的な挟持セル350を示す。
図3Aを参照すると、挟持セル250は、互いに反対側に配置される第1の端部304及び第2の端部308と、そこに配置された略六角形の捕捉部355とを有し得る。捕捉部355は、複数のアーム312a~312c(例えば、支柱)を含み、それらの間にケージを作成し得る。アーム312a~312cは、ケージ内の血塊を捕捉するように構成された実質的に直線状の縁部を有し得る。
【0048】
図3Bを参照すると、挟持セル350‘は、互いに反対側に配置される第1の端部304‘及び第2の端部308‘と、そこに配置された捕捉部355‘とを有し得る。捕捉部355‘は、複数のアーム312a‘~312c‘(例えば、支柱)を含み、それらの間にケージを作成し得る。アーム312a‘~312c‘は、例えば、捕捉部355‘の中間部に近接して形成された1つ以上の凹みを有する略直線状の縁部を有し得る。
【0049】
特定のコネクタタイプを
図2A~
図3Bを参照して上述したが、当業者であれば、挟持セルは、本開示の範囲から逸脱することなく、同様の又は代替の挟持セルで置き換えられ得ることを認識するであろう。
【0050】
図4A~
図5Cは、本開示の態様による、挟持セル450及び550についての例示的な挟持セル接続構成を示す。
図4Aを参照すると、挟持セル450は、各端部にt型コネクタ452を含み得る(例えば、接合物挟持セル)。t型コネクタ452(
図4B)は、接続構造に対して約90度の回転を可能にするように構成され得る(例えば、接続挟持セル及び/又はねじ111)。t型コネクタ452は、中央部から延在する2つの指部を有し得る。
図4Cを参照すると、挟持セル450‘は、各端部にフック型コネクタ452‘を含み得る(例えば、接合物挟持セル)。フック型コネクタ452‘(
図4D)は、接続構造に対して約180度の回転を可能にするように構成され得る(例えば、接続挟持セル及び/又はねじ111)。フック型コネクタ452‘は、中央部から延在する単一の指部を有し得る。
図4Eを参照すると、挟持セル450‘‘は、各端部にフック型コネクタ452‘‘を含み得る(例えば、接合物挟持セル)。ボールジョイントコネクタ452‘‘(
図4F)は、接続構造に対して実質的に自由な回転(例えば、360度)を可能にするように構成され得る(例えば、接続挟持セル及び/又はねじ111)。ボールジョイントコネクタ452‘‘は、中央部の端部に形成されたボールジョイントを有し得る。
【0051】
図5Aを参照すると、挟持セル550は、各端部にカラーコネクタ556(例えば、カラー)を含み得る(例えば、カラー挟持セル550)。カラーコネクタ556は、例えば、接続構造のt型コネクタ452、フック型コネクタ452‘、及び/又はボールジョイントコネクタ452‘‘に接続するように構成され得る(例えば、接続挟持セル及び/又はねじ111)。カラーコネクタ556は、接続されたコネクタのタイプに基づいて異なる相対回転を可能にするように適合可能であり得る。
図5Bを参照すると、挟持セル550‘は、一端にカラーコネクタ556‘と、他端にt型コネクタ552と、を含み得る。カラーコネクタ556‘は、隣接する挟持セル及び/又はねじ111の嵌合コネクタに接続するように構成され得る。t型コネクタ552は、隣接する挟持セル及び/又はねじ111のカラーコネクタに接続するように構成され得る。このようにして、単一のタイプのセルを作製し、挟持セルのチェーンに接続させることができる。
図5Cを参照すると、挟持セル550‘‘は、一端にt型コネクタ552と、他端にボール型コネクタ552‘‘とを含み得る(例えば、接合物挟持セル)。このようにして、挟持セル550‘‘は、挟持セル550‘‘の反対側で隣接するセル及び/又はねじ111に異なる相対回転特性を有するように構成され得る。
【0052】
場合によっては、接続部は、隣接するセル150間で特定の回転オフセットを付勢し得る。例えば、場合によっては、第1の挟持セルと第2の挟持セルとの間に付勢される回転オフセットは、約30~約150度又は約150~210度であり得る。
図4A~
図5Cを参照して特定のコネクタタイプを上述したが、当業者であれば、それらのコネクタタイプは、本開示の範囲から逸脱することなく、同様の又は代替のコネクタと交換され得ることを認識するであろう。
【0053】
図6A~6Eは、例示的な実施形態による、例示的な挟持セル640のチェーンを示す。
図6Aを参照すると、挟持セル640のチェーンは、接続部660を中心に相対回転可能な2つの挟持セル650を有し得る。接続のタイプに応じて、セル650は、約90度、約180度、又は約360度だけ相対回転可能であり得るが、これらは単なる例である。
図6Bを参照すると、挟持セル640‘のチェーンは、接続部660‘を介して取り付けられた3つの挟持セル650‘を有し得る。接続部のタイプに応じて、セル650‘は、約90度、約180度、又は約360度だけ隣接するセルに対して相対回転可能であり得るが、これらは単なる例である。場合によっては、異なる隣接するセル650‘は、異なる回転特性を有し得る。例えば、第1及び第2のセル650‘は、180度だけ相対回転可能であり得るが、第2及び第3のセルは、90度だけ相対回転可能であり得るか、又は実質的に回転可能に固定され得る。
図6Bでは、隣接するセルは、例えば、150~210度の回転オフセットを付勢され得る。
図6Cを参照すると、挟持セル640‘‘のチェーンは、接続部660‘‘を介して取り付けられた4つ以上の挟持セル650を有し得る。接続部のタイプに応じて、セル650‘‘は、約90度、約180度、又は約360度だけ隣接するセルに対して相対回転可能であり得るが、これらは単なる例である。場合によっては、異なる隣接するセル650‘‘は、異なる回転特性を有し得る。
【0054】
図6Dを参照すると、挟持セル640‘‘‘のチェーンは、接続部660‘を介して結合された2つの二重セル挟持セル650‘‘‘を有し得る。接続部のタイプに応じて、セル650‘‘‘は、約90度、約180度、又は約360度だけ隣接するセルに対して相対回転可能であり得るが、これらは単なる例である。
図6Eを参照すると、挟持セル640‘‘‘‘のチェーンは、接続部660‘‘‘‘を介して取り付けられた2つの二重挟持セル650‘‘‘‘を有し得る。二重セル構造650‘‘の内部では、個々の挟持セル655はまた、接続部のタイプに応じて接続部665を介して相対回転可能であり得、セル650‘‘‘は、約90度、約180度、又は約360度だけ隣接するセルに対して相対回転可能であり得るが、これらは単なる例である。二重挟持セルの使用は、非管状係合構造体と見なすことができる。
【0055】
図7A及び7Bは、本開示の態様による、マイクロカテーテル102及びステントリーバ110の動作を示す。マイクロカテーテル102及びステントリーバ110は、血管1内で血塊2まで移動され得る。係合構造体140は、例えば、折り畳み構成でマイクロカテーテル102内に位置付けられ得る。正しく位置付けられると、係合構造体140は、マイクロカテーテル102から拡張され得る。係合構造体140は、血塊2と干渉し得る。次いで、係合構造体140は、例えば
図7Bに示されるように、マイクロカテーテル102内に部分的に引き込まれ得る。したがって、係合構造体140は、マイクロカテーテル102に当てて(例えば、挟持構成で)血塊2を挟持することができる。
【0056】
図8は、本開示の態様による、ステントリーバ及びマイクロカテーテル800(例えば、血塊除去装置800)を示す。血塊除去装置800は、マイクロカテーテル102及びステントリーバ110を含み得る。ステントリーバ110は、挟持セル150の単一のチェーンを含む係合構造体840を含み得る。挟持セル150のチェーンは、構造ねじ144の遠位端112に接続されている。送達構成では、係合構造体840は、マイクロカテーテル102内に配置され得る。送達されると、係合構造体840は、マイクロカテーテル102から(例えば、手動又はプッシュプル機構を介して)拡張され得る。挟持セル150のうちの少なくとも1つは、接続部860を介して、例えば、隣接するセル150及び/又は構造ねじ111から独立して回転するように構成され得る。例えば、挟持セル150の支柱が血塊内へ拡張するとき、挟持セル150は偏向し、挟持セル150のケージを回転させて、血塊の挟持セル150への統合を改善する。これにより、比較的固定された挟持セルと比較して、挟持セル150によって血塊の挟持成功させる可能性が高くなり得る。
【0057】
図9A及び
図9Bは、本開示の態様による、マイクロカテーテル102及びステントリーバ110の動作を示す。マイクロカテーテル102及びステントリーバ110は、血管1内で血塊2まで移動され得る。係合構造体840は、例えば、折り畳み構成で、マイクロカテーテル102内に位置付けられ得る。正しく位置付けられると、係合構造体840は、マイクロカテーテル102から拡張され得る。係合構造体840は、例えば、セル150が回転し、干渉を増加させることによって、血塊2に干渉し得る。次いで、係合構造体840は、例えば
図7Bに示されるように、マイクロカテーテル102内に部分的に引き込まれ得る。したがって、係合構造体840は、マイクロカテーテル102に当てて(例えば、挟持構成で)血塊2を挟持することができる。
【0058】
図10A及び10Bは、本開示の態様による、隣接セルの接続を示す図である。カラーコネクタ1056を有するセルとt型コネクタ1052を備えたセルが提供される(
図10A)。t型コネクタ1052は、カラーコネクタに挿入される。いったん第1のセルと第2のセルが組み合わされると、t型コネクタ1052の指部1054(例えば、折り畳み可能な指部)は変形し、拡張する(
図10B)。その後、t型コネクタは、第1及び第2のセルが独立して回転するように特定の回転自由度(例えば、90度超)を有し得る。t型及びカラーコネクタが論じられているが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な異なる又は代替のセルコネクタ及び接続機構を用いることができることを認識するであろう。
【0059】
図11は、本開示の一態様による、ステントリーバの製造のフローチャート1100である。本方法は、複数の挟持セル(例えば、挟持セル150)を形成することを含み得る1110。複数の挟持セルのそれぞれは、複数の挟持セルのうちの少なくとも1つの他の挟持セルに回転可能に接続するための接続手段を備える。複数の挟持セルのうちの第1の挟持セルは、血管系を横断するようにサイズ決めされた細長部材(例えば、ねじ111)に接続され得る1120。次いで、複数の挟持セルの第2の挟持セル(例えば、セル150)は、第1の挟持セル及び第2の挟持セルのそれぞれの接続手段を介して第1の挟持セルに接続され得る1130。追加のセル150は、所望の長さのチェーンが形成されるまで、130に接続され得る。
【0060】
図12は、本開示の態様による、例示的な血塊除去装置(例えば、ステントリーバとマイクロカテーテルの組み合わせ100又は800)を組み込んだ治療のフローチャート1200である。本方法は、血塊回収装置の挟持部140を血管1内の折り畳み状態から拡張状態に展開することを含み、挟持部は、第1の挟持セルを含み、第2の挟持セルは、第1の挟持セルに回転可能に接続されている。血塊除去装置は、マイクロカテーテル及びステントリーバ(例えば、100又は800)であり得、マイクロカテーテル(例えば、102)とステントリーバ(例えば、110)とを含み得る。マイクロカテーテルの管腔109は、複数の挟持セルのうちの少なくとも1つがマイクロカテーテル102の管腔109内に少なくとも部分的に折り畳まれるように、挟持部140上で前進させ得る1220。
【0061】
挟持部140は、血塊2の一部が挟持部140とマイクロカテーテル102との間で圧縮されるまで、展開構成から挟持構成への移動時に、血塊2の部分と接触して挟まれ得る1230。次いで、血塊除去装置は、血塊2と共に血管1から引き抜かれ得る。
【0062】
本明細書に含まれる記述は、本発明の実施形態の例であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。本明細書に記載されるように、本発明は、カテーテル100の多くの変形及び修正、並びにそれを製造及び使用するための方法を企図する。追加の修正は、本発明が関連する当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲の範疇に含まれることを意図したものである。
【0063】
〔実施の態様〕
(1) 血塊を身体血管から除去するための血塊除去装置であって、前記血塊除去装置は、
血管系を横断するようにサイズ決めされ、近位端及び遠位端を有する細長部材であって、長手方向軸を備える、細長部材と、
前記細長部材の前記遠位端に接続された係合構造体であって、互いに接続された複数の挟持セルを備える、係合構造体と、
を備え、
前記複数の挟持セルが、拡張された展開構成において血塊と係合し、かつ血塊挟持構成への作動時に前記血塊を挟持するように構成されており、
前記複数の挟持セルのうちの第1の挟持セルが、前記複数の挟持セルのうちの第2の挟持セルに接続されており、それにより、前記第2の挟持セルが、実質的に前記長手方向軸を中心に前記第1の挟持セルに対して回転可能である、血塊除去装置。
(2) 前記係合構造体が、非管状である、実施態様1に記載の血塊除去装置。
(3) 前記複数の挟持セルのうちの少なくとも1つが、二重挟持セルを含む、実施態様1に記載の血塊除去装置。
(4) 前記第2の挟持セルが、前記第1の挟持セルに対して完全に回転可能である、実施態様1に記載の血塊除去装置。
(5) 前記第2の挟持セルが、前記第1の挟持セルに対して約180度の角度にわたって回転可能である、実施態様1に記載の血塊除去装置。
【0064】
(6) 前記第2の挟持セルが、前記第1の挟持セルに対して約90度の角度にわたって回転可能である、実施態様1に記載の血塊除去装置。
(7) 前記第1の挟持セルの前記第2の挟持セルへの接続部が、前記第1の挟持セルと前記第2の挟持セルとの間の回転オフセットを付勢する、実施態様1に記載の血塊除去装置。
(8) 前記第1の挟持セルと前記第2の挟持セルとの間の前記付勢された回転オフセットが、約30~約150度である、実施態様7に記載の血塊除去装置。
(9) 前記第1の挟持セルが、カラーを備え、前記第2の挟持セルが、前記カラーと回転可能に接続するように構成された嵌合コネクタを備える、実施態様1に記載の血塊除去装置。
(10) 前記嵌合コネクタが、前記カラーに挿入するための折り畳み可能な指部を備える、実施態様9に記載の血塊除去装置。
【0065】
(11) 前記複数の挟持セルが、交互にカラー挟持セルと接合物挟持セルとを備え、前記カラー挟持セルが、前記カラー挟持セルの第1の端部及び第2の端部にカラーを備え、前記接合物挟持セルが、前記接合物挟持セルの第1の端部及び第2の端部で前記カラーと回転可能に接続するように構成された嵌合コネクタを備える、実施態様1に記載の血塊除去装置。
(12) 前記複数の挟持セルのそれぞれが、第1の端部における嵌合コネクタと、第2の端部におけるカラーとを備え、前記嵌合コネクタが、前記カラーと回転可能に接続するように構成されている、実施態様1に記載の血塊除去装置。
(13) 前記複数の挟持セルのうちの第3の挟持セルが、前記第3の挟持セルが前記第2の挟持セルに対して回転可能であるように、前記第2の挟持セルに接続されている、実施態様1に記載の血塊除去装置。
(14) 前記第2の挟持セルに対する前記第3の挟持セルの回転度が、前記第1の挟持セルに対する前記第2の挟持セルの回転度よりも小さい、実施態様13に記載の血塊除去装置。
(15) 前記第2の挟持セルに対する前記第3の挟持セルの回転度が、前記第1の挟持セルに対する前記第2の挟持セルの回転度よりも大きい、実施態様13に記載の血塊除去装置。
【0066】
(16) 前記第1の挟持セルが、前記第1の挟持セルが前記細長部材に対して回転可能であるように、前記細長部材の前記遠位端に接続されている、実施態様1に記載の血塊除去装置。
(17) 前記複数の挟持セルが、挟持セルのチェーン内に3つ以下の挟持セルを有する、実施態様1に記載の血塊除去装置。
(18) 前記複数の挟持セルが、前記挟持セルのチェーン内に2つ以下の挟持セルを有する、実施態様17に記載の血塊除去装置。
(19) 血塊を身体血管から除去するための血塊除去装置であって、前記血塊除去装置は、
血管系を横断するようにサイズ決めされ、近位端及び遠位端を有する細長部材であって、長手方向軸を画定する、細長部材と、
前記細長部材の前記遠位端に接続された係合構造体であって、拡張された展開構成において前記血塊に係合し、血塊挟持構成への作動時に前記血塊を挟持するように構成された挟持セルを備える、係合構造体と、
を備え、
前記挟持セルが、実質的に前記長手方向軸を中心に前記細長部材に対して回転可能であるように、前記挟持セルが前記細長部材に接続されている、血塊除去装置。
(20) 血塊除去装置を製造するための方法であって、
複数の挟持セルを形成することであって、前記複数の挟持セルのそれぞれが、前記複数の挟持セルのうちの少なくとも1つの他の挟持セルに回転可能に接続するための接続手段を備える、形成することと、
前記複数の挟持セルのうちの第1の挟持セルを、血管系を横断するようにサイズ決めされた細長部材に接続することであって、前記細長部材が、長手方向軸を画定する、接続することと、
前記複数の挟持セルのうちの第2の挟持セルを、前記第1の挟持セル及び前記第2の挟持セルの前記それぞれの接続手段を介して、前記第1の挟持セルに接続することと、
を含む、方法。
【外国語明細書】