(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186684
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】物品供給器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/06 20060101AFI20221208BHJP
B43L 19/00 20060101ALI20221208BHJP
A63H 33/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
B65D83/06 J
B43L19/00 A
A63H33/00 304C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130669
(22)【出願日】2022-08-18
(62)【分割の表示】P 2018216031の分割
【原出願日】2017-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(71)【出願人】
【識別番号】392023865
【氏名又は名称】キクチ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鴨川 あゆみ
(72)【発明者】
【氏名】楡井 鉄夫
(57)【要約】
【課題】柱状物品、特に長さが異なる柱状物品を選択的に供給できる物品供給器を提供する。
【解決手段】物品供給器10は、物品を収容可能な第1の可動部16と物品を収容可能で、かつ、第1の可動部16に隣接して配置される第2の可動部17とを備えている。第1の可動部16と第2の可動部17は、物品の供給が阻止される第1の位置と、第1の可動部16及び第2の可動部17からの物品の供給が許容される第2の位置と、前記第1の可動部からの前記物品の供給が許容され、かつ、前記第2の可動部からの前記物品の供給が阻止される第3の位置と、をとり得るように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の可動部と、
前記第1の可動部に隣接して配置される第2の可動部と、
前記第1の可動部及び前記第2の可動部を操作可能な操作部と、
を備える物品供給器であって、
前記第1の可動部と前記第2の可動部は、物品供給方向において前記第1の可動部及び前記第2の可動部の少なくとも何れかよりも長い第1の長さを有する第1の物品を収容可能であり、
前記第1の可動部及び前記第2の可動部の少なくとも何れかは、前記物品供給方向において前記第1の長さよりも短い第2の長さを有する第2の物品を収容可能であり、
前記操作部は、前記第1の可動部と前記第2の可動部の両方を動作可能とする第1の状態と、前記第1の可動部のみを動作可能とする第2の状態と、を選択可能であり、
前記第1の可動部及び前記第2の可動部は、前記第1の状態における前記操作部の操作により前記第1の物品の供給が許容される第1の位置と、前記第2の状態における前記操作部の操作により前記第2の物品の供給が許容される第2の位置と、をとり得るように構成される、
物品供給器。
【請求項2】
前記操作部は、前記第1の状態において、前記第1の可動部と前記第2の可動部の両方を押圧でき、前記第2の状態において、前記第1の可動部のみを押圧できるように構成される、
請求項1に記載の物品供給器。
【請求項3】
前記第1の可動部は、前記第1の物品及び前記第2の物品が移動可能な第1の通路を有し、
前記第2の可動部は、前記第1の物品及び前記第2の物品が移動可能な第2の通路を有し、
前記第1の位置をとる場合において、前記第1の通路と前記第2の通路は、連通し、
前記第2の位置をとる場合において、前記第1の通路と前記第2の通路は、連通しない、
請求項1または2に記載の物品供給器。
【請求項4】
前記第1の通路と前記第2の通路は、前記第1の位置をとる場合において、前記第1の物品及び第2の物品が移動可能である一方、前記第2の位置をとる場合において、前記第1の物品及び前記第2の物品が移動不可である、
請求項3に記載の物品供給器。
【請求項5】
前記第1の可動部と前記第2の可動部は、前記第1の物品及び前記第2の物品の供給が阻止される第3の位置をさらにとり得るように構成され、
前記第1の位置をとる場合において、前記第1の可動部及び前記第2の可動部は、前記第3の位置から移動し、
前記第2の位置をとる場合において、前記第1の可動部は前記第3の位置から移動し、前記第2の可動部は前記第3の位置から移動しない、
請求項3または4に記載の物品供給器。
【請求項6】
前記第2の可動部に収容される前記第2の物品は、前記第2の位置をとる場合において、前記第1の可動部によって移動が阻止される、
請求項3~5のいずれか1項に記載の物品供給器。
【請求項7】
前記第2の通路と連通可能な第3の通路をさらに備え、
前記第2の通路は、前記第3の位置をとる場合において、前記第1の物品及び前記第2の物品が移動可能に前記第3の通路と連通する、
請求項5に記載の物品供給器。
【請求項8】
前記第3の通路は、前記第1の物品及び前記第2の物品を複数収容可能である、
請求項7に記載の物品供給器。
【請求項9】
前記第3の通路に収容された複数の前記第1の物品及び前記第2の物品は、一列に整列した状態で収容される、
請求項8に記載の物品供給器。
【請求項10】
前記第1の通路と連通可能な第4の通路をさらに備え、
前記第1の通路は、前記第1の位置と前記第2の位置をとる場合において、第1の物品及び前記第2の物品が移動可能に前記第4の通路と連通する、
請求項9に記載の物品供給器。
【請求項11】
前記第1乃至第4の通路の何れかの通路内にある前記第1の物品及び前記第2の物品は、前記第1乃至第4の通路内における前記第1の物品及び前記第2の物品の移動面が傾斜面となることを条件として、自重により移動可能である、
請求項10に記載の物品供給器。
【請求項12】
前記第1の可動部が前記第3の位置をとり得るよう付勢する第1の付勢部材と、前記第2の可動部が前記第3の位置をとり得るよう付勢する第2の付勢部材とをさらに備える、
請求項5に記載の物品供給器。
【請求項13】
前記第1の可動部と前記第2の可動部が前記第1の位置をとる場合において、前記第1の通路と前記第2の通路の内部に挿入可能な挿入部をさらに備える、
請求項3に記載の物品供給器。
【請求項14】
前記第1の物品と、前記第2の物品は、断面が略同じであり、
前記第1の可動部の前記第1の通路の長さと前記第2の可動部の前記第2の通路の長さとの和は、前記第1の物品の長さに対応し、前記第1の可動部の前記第1の通路の長さと前記第2の可動部の前記第2の通路の各々の通路の長さは、前記第2の物品の長さに対応する、
請求項3または13に記載の物品供給器。
【請求項15】
前記第1の物品と前記第2の物品は、合成樹脂を主成分とした消しゴムである、
請求項1~14のいずれか1項に記載の物品供給器。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の物品供給器と、前記第1の物品及び前記第2の物品を種類別に収容するための複数の物品収容器との組み合わせから成り、
前記物品供給器は、前記物品収容器を着脱可能に構成される、
物品供給器セット。
【請求項17】
前記物品収容器は、有底筒状の収容器本体と、前記収容器本体に対し開閉可能に設けられる蓋部とから構成される、
請求項16に記載の物品供給器セット。
【請求項18】
前記物品収容器は、前記蓋部を開いた状態において、前記物品供給器に装着される、
請求項17に記載の物品供給器セット。
【請求項19】
請求項1~15のいずれか1項に記載の物品供給器と、前記第1の物品及び前記第2の物品を載置するための物品載置器との組み合わせから成り、
前記物品載置器は、前記第1の物品及び前記第2の物品を並べて載置するための物品載置部を備える、
物品供給器セット。
【請求項20】
請求項1~15のいずれか1項に記載の物品供給器と、請求項16~18のいずれか1項に記載の物品収容器と、請求項19に記載の物品載置器との組み合わせから成る、
物品供給器セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品供給器と、この物品供給器と物品収容器との組み合わせ等から成る物品供給器セットに関する。
【背景技術】
【0002】
後記特許文献1には、小球体供給具と、小球体が収納された瓶と、小球体を載置するための基板とから成る点画作成玩具が開示されている。この点画作成玩具は、瓶内の小球体を小球体供給具の保持孔に入れた後、小球体供給具のボタンを押圧して保持孔内の小球体を排出孔に受け渡すことにより、小球体供給具の排出孔から供給された小球体を基板に載置して当該基板に点画を作成するものである。
【0003】
しかしながら、後記特許文献1に開示されている小球体供給具は小球体を供給対象とするものであるため、柱状物品、特に長さが異なる柱状物品を選択的に供給することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、柱状物品、特に長さが異なる柱状物品を選択的に供給できる物品供給器と、この物品供給器と物品収容器との組み合わせ等から成る物品供給器セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る物品供給器は、第1の可動部と、前記第1の可動部に隣接して配置される第2の可動部と、前記第1の可動部及び前記第2の可動部を操作可能な操作部と、を備えており、前記第1の可動部と前記第2の可動部は、物品供給方向において前記第1の可動部及び前記第2の可動部の少なくとも何れかよりも長い第1の長さを有する第1の物品を収容可能であり、前記第1の可動部及び前記第2の可動部の少なくとも何れかは、前記物品供給方向において前記第1の長さよりも短い第2の長さを有する第2の物品を収容可能であり、前記操作部は、前記第1の可動部と前記第2の可動部の両方を動作可能とする第1の状態と、前記第1の可動部のみを動作可能とする第2の状態と、を選択可能であり、前記第1の可動部及び前記第2可動部は、前記第1の状態における前記操作部の操作により前記第1の物品の供給が許容される第1の位置と、前記第2の状態における前記操作部の操作により前記第2の物品の供給が許容される第2の位置と、をとり得るように構成される。
【0007】
また、本発明に係る物品供給器セットは、前掲の物品供給器と、前記第1の物品及び前記第2の物品を種類別に収容するための複数の物品収容器との組み合わせから成り、前記物品収容器は、前記物品収容器を着脱可能に構成される。さらに、本発明に係る物品供給器セットは、前掲の物品供給器と、前記第1の物品及び前記第2の物品を載置するための物品載置器との組み合わせから成り、前記物品載置器は、前記第1の物品及び前記第2の物品を並べて載置するための物品載置部を有する。さらに、本発明に係る物品供給器セットは、前掲の物品供給器と、前掲の物品収容器と、前掲の物品載置器との組み合わせから成る。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、柱状物品、特に長さが異なる柱状物品を選択的に供給できる物品供給器と、この物品供給器と物品収容器との組み合わせ等から成る物品供給器セットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1(A)は本発明に係る物品供給器の側面図、
図1(B)は
図1(A)の要部拡大縦断面図、
図1(C)は
図1(B)のS1-S1線拡大断面図である。
【
図2】
図2(A)は
図1(B)に示した操作部の外観斜視図、
図2(B)は
図1(B)に示した第1の可動部の外観斜視図、
図2(C)は
図1(B)に示した第2の可動部の外観斜視図である。
【
図3】
図3(A)は本発明に係る第1の柱状物品の外観斜視図、
図3(B)は本発明に係る第2の柱状物品の外観斜視図である。
【
図4】
図4は本発明に係る物品収容器の蓋部開放の外観斜視図である。
【
図5】
図5(A)は本発明に係る物品載置器の側面図、
図5(B)は
図5(A)のS2-S2線断面図である。
【
図6】
図6は
図1に示した物品供給器による第1の柱状物品の供給操作の説明図である。
【
図7】
図7は
図1に示した物品供給器による第1の柱状物品の供給操作の説明図である。
【
図8】
図8は
図1に示した物品供給器による第2の柱状物品の供給操作の説明図である。
【
図9】
図9は
図1に示した物品供給器による第2の柱状物品の供給操作の説明図である。
【
図10】
図10は物品載置部への物品の載置操作の説明図である。
【
図11】
図11は
図1に示した物品供給器における物品の詰まり解消操作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
《物品供給器10:
図1および
図2》
まず、
図1および
図2を用いて、本発明に係る物品供給器10について説明する。なお、この説明では、便宜上、
図1(A)の左側を前、右側を後、上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれらに準じて向きを表記する。
【0011】
物品供給器10は、供給器本体11と、供給器本体11の前端に設けられた物品供給部12と、供給器本体11の後端に設けられた物品誘導部13と、物品誘導部13の後端に着脱可能に設けられた物品収容部14と、供給器本体11の上部に設けられた操作部15と、供給器本体11の内部に設けられた第1の可動部16および第2の可動部17と、供給器本体11の下部に設けられた挿入部18とを有している。この物品供給器10は、内部が透けて見えるように、少なくとも供給器本体11と物品供給部12と物品誘導部13と物品収容部14と第1の可動部16および第2の可動部17とを透明または半透明とすることが好ましい。これは、物品供給器10内に収容されている物品の長さや色等の種類の違いを物品供給器10の外観上から把握し易くするためである。
【0012】
なお、
図1には、図示の便宜上、供給器本体11と物品供給部12と物品誘導部13とを一体化したものを示したが、第1の可動部16および第2の可動部17等の組み込みのために供給器本体11を複数の部品から構成して適宜結合しても良く、物品供給部12と物品誘導部13を供給器本体11と別部品として当該供給器本体11に取り付けるようにしても良い。
【0013】
供給器本体11は、その前端部を除く外形が円柱状を成し、前端部が丸みを帯びている。また、供給器本体11の内部には、その後端から第2の可動部17の後端に及ぶ物品整列通路(第3の通路)11aが設けられている。物品整列通路11aは例えば4角柱状であり、相対する2つの内面が上下方向で平行に向き合い、かつ、残りの2つの内面がこれらと直交する方向で平行に向き合っている。物品整列通路11aは、物品が自重により移動可能に収容できのであれば、その他の形状にすることも可能である。ちなみに、物品整列通路11aの中心線CL11aは、供給器本体11の中心線(図示省略)と一致しておらず上側にシフトしている。
【0014】
さらに、供給器本体11の上部前側には、操作部15の脚部15bを前後方向に案内する矩形状の第1のスライド孔11bが設けられている。さらに、供給器本体11の下部には、挿入部18の挿入操作部18aを前後方向に案内する細長い第2のスライド孔11cが設けられている。さらに、供給器本体11の内部前側には、第1の可動部16と第2の可動部17を上下方向に案内するガイド部11dが対向して設けられている。
【0015】
物品供給部12は、その前部が供給器本体11の前端から突出しており、当該突出部分の外形は先細りのノズル状を成している。また、物品供給部12の後端は、第1の可動部16の前端に及んでいる。さらに、物品供給部12の内部には、物品整列通路11aと同じ縦断面形を有する物品供給通路(第4の通路)12aがその前端から後端に及んで設けられている。ちなみに、物品供給通路12aの中心線CL12aは、供給器本体11の中心線(図示省略)と一致している。すなわち、物品供給通路12aと物品整列通路11aとは上下方向にずれている。
【0016】
物品誘導部13は、その前部の外形が例えば円錐状を成し、その後部の外形が例えば円柱状を成している。また、物品誘導部13の内部には、物品整列通路11aの後端に向かって内径が減少することで滑らかに物品整列通路11aの後端に繋がるやや歪な円錐状を成す物品誘導室13aが、物品整列通路11aの後端と連通するように設けられている。さらに、物品誘導部13の後端部には、物品収容部14を着脱可能に嵌め込むための環状凸部13bが設けられている。
【0017】
物品収容部14は、例えば有底円筒状を成し、物品収容室14aをその内部に有している。また、物品収容部14の前端部には、物品誘導部13の環状凸部13bに着脱可能に嵌め込むための環状凹部14bが設けられている。物品収容部14の環状凹部14bを物品誘導部13の環状凸部13bに嵌め込んだ状態では、当該物品収容部14の物品収容室14aは物品誘導部13の物品誘導室13aと連通し、複数の物品を収容可能な一体的な空間を形成する。
【0018】
操作部15は、矩形板状の操作部本体15aの下側に、外形が直方体状を成す脚部15bを有している。また、脚部15bの下面には、縦断面形がT字状を成すスライド溝15cがその前端から後方に向かって設けられている。さらに、脚部15bの下部は供給器本体11の第1のスライド孔11b内に位置し、操作部本体15aは外部に露出している。ちなみに、脚部15bの前後方向寸法は第1の可動部16の前後方向寸法と第2の可動部17の前後方向寸法の和よりも小さく、スライド溝15cの前後方向寸法は脚部15bの前後方向寸法よりも小さい。
【0019】
第1の可動部16は、その外形が例えば直方体状を成しており、その下面側に設けられた圧縮コイルバネ等の第1の付勢部材CS1によって上方に付勢されている。また、第の1可動部16の内部には、物品整列通路11aと同じ縦断面形を有する第1の通路16aがその前端から後端に及んで設けられている。さらに、第1の可動部16の上面には、縦断面形がT字状を成すスライド突起16bがその前端から後方に向かって設けられており、当該スライド突起16bは操作部15のスライド溝15cに前後方向に相対移動ができるように挿入されている。ちなみに、スライド突起16bの前後方向寸法は、第1の可動部16の前後方向寸法よりも小さく、かつ、スライド溝15cの前後方向寸法よりも小さい。
【0020】
第2の可動部17は、その外形が例えば直方体状を成しており、第1の可動部16の後側に隣接して配置され、その下面側に設けられた圧縮コイルバネ等の第2の付勢部材CS2によって上方に付勢されている。また、第2の可動部17の内部には、物品整列通路11aと同じ縦断面形を有する第2の通路17aがその前端から後端に及んで設けられている。ちなみに、第2の可動部17の前後方向寸法は第1の可動部16の前後方向寸法と略同じである。
【0021】
ここで、操作部15と第1の可動部16と第2の可動部17の結合関係および基本動作について、
図1と
図6~
図9を引用して詳述する。
【0022】
図1および
図6に示した状態において、操作部15は操作部本体15aを露出し、脚部15bの下部を供給器本体11の第1のスライド孔11bに前後方向に移動できるように配置されている。また、操作部15の脚部15bはその後端を第1のスライド孔11bの後端に接し、当該脚部15bのスライド溝15cには第1の可動部16のスライド突起16bが前後方向に相対移動ができるように挿入されている。
【0023】
同状態において、第1の可動部16は第1の付勢部材CS1によって上方に付勢され、スライド突起16bを除く上面を操作部15の脚部15bの前部下面に接しており、第2の可動部17は第2の付勢部材CS2によって上方に付勢され、その上面を操作部15の脚部15bの後部下面に接している。また、第1の可動部16の第1の通路16aと第2の可動部17の第2の通路17aは前後方向に連通していて、第2の通路17aの後端は物品整列通路11aの前端と向き合い、第2の通路17aは、物品が移動可能に物品整列通路11aと連通する。
【0024】
図1および
図6に示した状態で指先等によって操作部15の操作部本体15aを下方に押圧すると、
図7に示したように、当該操作部15の脚部15cによって第1の可動部16と第2の可動部17の両方が各付勢部材CS1およびCS2の付勢力に抗して押圧されて下方に移動する。このときの移動方向は供給器本体11のガイド部11dによって案内され、移動量は操作部15の操作部本体15aが供給器本体11の外面に接することによって制限される。すなわち、第1の通路16aと第2の通路17aとが連通した状態のまま第1の可動部16と第2の可動部17の両方が下方移動して、第1の通路16aの前端が物品供給通路12aの後端と向き合い、第1の通路16aは、物品が移動可能に物品供給通路12aと連通する。
【0025】
一方、
図1に示した状態で操作部15の操作部本体15aを前方にスライドさせると、
図8に示したように、操作部15の脚部15bの後部下面が第2の可動部17の上面から外れて、当該脚部15bの後部下面が第1の可動部16のスライド突起16bを除く上面のみに接する位置に変化する。このときのスライド方向は供給器本体11の第1のスライド孔11bによって案内され、スライド量は操作部15の脚部15bの前端が第1のスライド孔11bの前端に接することによって制限される。
【0026】
図8に示した状態で指先等によって操作部15の操作部本体15aを下方に押圧すると、
図9に示したように、当該操作部15の脚部15cによって第1の可動部16のみが第1の付勢部材CS1の付勢力に抗して押圧されて下方に移動する。このときの移動方向は供給器本体11のガイド部11dによって案内され、移動量は操作部15の操作部本体15が供給器本体11の外面に接することによって制限される。すなわち、第1の通路16aと第2の通路17aとの連通を解きつつ第1の可動部16のみが下方移動して、第1の通路16aの前端が物品供給通路12aの後端と向き合い、第1の通路16aは物品供給通路12aと物品が移動可能に連通する。ここで、第1の通路16aと第2の通路17aとの連通が解かれるため、第2の通路17aから第1の通路16aへの物品の移動はできなくなる。即ち、第2の可動部17に物品が収容されていても、第1の可動部16によって該物品の移動が阻止される。
【0027】
つまり、第1の可動部16と第2の可動部17の両方を動作可能とする第1の操作状態と、第1の可動部16のみを動作可能とする第2の操作状態と、を選択可能であり、第1の操作状態においては、第1の可動部16と第2の可動部17の両方を押圧でき、第2の操作状態においては、第1の可動部16のみを押圧でき、操作部15は、第1の操作状態と第2の操作状態とを切り替えられるようになっている。また、第1の可動部16と第2の可動部17は、操作部15に対する操作に基づいて、(P3)第1の可動部16及び第2の可動部17からの物品の供給が阻止される第3の位置(
図1および
図6を参照)と、(P1)第1の可動部16及び第2の可動部17からの物品の供給が許容される第1の位置(
図7を参照)と、(P2)第1の可動部16からの物品の供給が許容され、かつ第2の可動部17からの物品の供給が阻止される第2の位置(
図9を参照)と、をとり得るように構成される。第3の位置をとる場合においては、第1の可動部16及び第2の可動部17は移動していない。このとき、第1の通路16aと第2の通路17aは物品が移動可能に連通し、第1の通路16aと物品供給通路12aは物品が移動可能に連通せず、第1の通路16a及び第2の通路17aから物品供給通路12aへ物品が移動することはできない。したがって、第1の可動部16及び第2の可動部17からの物品の供給が阻止される。第1の位置をとる場合においてでは、第1の可動部16及び第2の可動部17が第3の位置から移動する。このとき、第1の通路16aと第2の通路17aと物品供給通路12aは物品が移動可能に連通し、第1の通路16a及び第2の通路17aから物品供給通路12aへ物品が移動することが可能である。したがって、第1の可動部16及び第2の可動部17からの物品の供給が許容される。第2の位置をとる場合においては、第1の可動部16のみが第3の位置から移動し、第2の可動部17は第3の位置から移動しない。このとき、第1の通路16aと物品供給通路12aは物品が移動可能に連通し、第1の通路16aから物品供給通路12aへ物品が移動することができる一方、第1の通路16aと第2の通路17aは物品が移動可能に連通せず、第2の通路17aから第1の通路16aへ物品が移動することはできない。したがって、第1の可動部16からの物品の供給が許容され、第2の可動部1からの物品の供給が阻止される。
【0028】
なお、
図1には物品整列通路11aと物品供給通路12aとのずれ量を各通路12aおよび物品整列通路11aの上下方向寸法よりも若干小さくしたものを示したが、当該ずれ量は、各通路12aおよび11aの上下方向寸法と同じであっても良いし、若干大きくても良い。また、
図1には、操作部本体15aを下方に押圧したときの移動量を当該操作部本体15aが供給器本体11の外面に接することによって制限したものを示したが、当該移動量は、第1の可動部16と第2の可動部17の下方移動を抑止する突起等によって制限することもできる。さらに、
図1には操作部15の操作部本体15aを前後方向にスライドさせたときのスライド量を操作部15の脚部15bの前後端が供給器本体11の第1のスライド孔11bの前後端に接することによって制限したものを示したが、当該スライド量は、操作部15の脚部15bの前後方向移動を抑止する突起等によって制限することもできる。
【0029】
挿入部18は、矩形板状の解消部本体15aの上端に、外形が例えば角柱状または略円柱状を成す棒状部18bを有している。また、挿入操作部18aは、供給器本体11の第2のスライド孔11cに前後方向に移動できるように配置されていてその下端部は外部に露出するため、遊戯者の指先等で操作可能になっている。棒状部18bは図示省略のガイド部によって供給器本体11の物品整列通路11aの下側に配置される。
図7に示す第3の位置P3においては、棒状部18bの前端は、第2の可動部17の後端より後側で第2の通路17aから上下方向においてずれた位置に配置されることより、挿入操作部18aの露出部分を指先等で前方にスライドさせたとしても、第2の可動部の第2の通路17aからずれた位置でスライド移動が阻止されることにより、棒状部18b前端の第2の可動部17の後端より前方への移動ができないようになっている。これにより、操作部15へ操作し、第2可動部17を移動させない限り、所定距離以上に挿入部18を前方に移動させることができず、遊戯者が意図しないときの挿入部18の移動を防止可能となる。
【0030】
挿入部18は、
図11に示す第1の位置P1(
図7を参照)において、挿入操作部18aの露出部分を指先等で前方にスライドさせることにより、棒状部18bを、第2の可動部17の第2の通路17aの後端から当該第2の通路17aおよび第1の可動部16の第1の通路16aに挿入できるようになっている。棒状部18bは、第2の通路17aおよび第1の通路16aに加えて、物品供給通路12aに挿入されてもよい。
【0031】
《第1の柱状物品21と第2の柱状物品22:
図3を参照》
次に、
図3を用いて、前記物品供給器10で供給可能な物品について説明する。前記物品供給器10で供給可能な物品は、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を含む。
【0032】
図3(A)に示した第1の柱状物品21は、例えば長さL21>幅W21=高さH21の関係を有する直方体状を成し、
図3(B)に示した第2の柱状物品22は、例えば長さL22>幅W21=高さH22の関係を有する直方体状を成している。第1の柱状物品21の幅W21と高さH21と第2の柱状物品22の幅W22と高さH22はとそれぞれ同じである。即ち、柱状物品の断面形状と断面積が略同じである。また、第1の柱状物品21の長さL21は第2の柱状物品22の長さL22の約2倍である。なお、第1の柱状物品21の幅W21と高さH21は公差範囲内で僅かに異なっていても良いし、第2の柱状物品21の幅W22と高さH22は公差範囲内で僅かに異なっていても良い。
【0033】
また、第1の柱状物品21の長さL21は、第1の可動部16の第1の通路16aの前後方向寸法(長さ)と第2の可動部17の第2の通路17aの前後方向寸法(長さ)との和に対応している。さらに、第2の柱状物品22の長さL22は、第1の可動部16の第1の通路16aの前後方向寸法(長さ)と第2の可動部17の第2の通路17aの前後方向寸法(長さ)のそれぞれに対応している。さらに、第1の柱状物品21の縦断面形と第2の柱状物品22の縦断面形は、物品供給器10の物品整列通路11aと物品供給通路12aと第1の可動部16の第1の通路16aと第2の可動部17の第2の通路17aのそれぞれの縦断面形よりも僅かに小さい。
【0034】
すなわち、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22は、物品供給器10の物品整列通路11aと物品供給通路12aのそれぞれに長さ向きで挿入することができ、かつ、第1の通路16a、第2の通路17a、物品整列通路11a、及び物品供給通路12a内における移動面が傾斜面となることを条件として、長さ向きで自重移動させることができる。また、第1の物品21は、第1の可動部16の第1の通路16aと第2の可動部17の第2の通路17aとが連通した状態において、連通した第1の通路16aおよび第2の通路17aの両方に亘って収容することができる。さらに、第2の柱状物品22は、第1の通路16aと第2の通路17aのそれぞれに1つずつ収容することができる。
【0035】
第1の柱状物品21と第2の柱状物品22は、例えば合成樹脂を主成分とする消しゴムであり、好ましくはTPS(スチレン系熱可塑性エラストマー)等を主成分とした熱融着可能な消しゴムである。また、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22のそれぞれには色が異なるものがそれぞれ用意される。
【0036】
《物品収容器30:
図4》
次に、
図4を用いて、前記第1の柱状物品21と前記第2の柱状物品22を物品の長さや色の種類別に収容するために物品収容器30ついて説明する。なお、この説明では、便宜上、
図4の上側を上、下側を下収容と表記する。
【0037】
物品収容器30は、物品収容室41aをその内部に有する例えば有底円筒状の収容器本体31と、収容器本体31に開閉可能に設けられた蓋部32とを有している。蓋部32は、収容器本体31から着脱可能としてもよい。この物品収容器30は、内部が透けて見えるように、少なくとも収容器本体31を透明または半透明とすることが好ましい。また、収容器本体31の上端部には、蓋部32の環状凸部32aを着脱可能に嵌め込むための環状凹部31bが設けられている。
【0038】
物品収容器30の収容器本体31の態様を物品供給器10の物品収容部14の態様と同じにしておけば、収容器本体31を物品収容部14として利用することができる。例えば、第1の柱状物品21を色別に収容した物品器30と第2の柱状物品22を色別に収容した物品収容器30を用意しておき、物品供給器10の物品誘導部13から物品収容部14を外した後に好みの物品収容器30の収容器本体31を当該物品誘導部13に嵌め込むことによって、物品供給器10によって供給される物品の種類を簡単に変えることができる。
【0039】
《物品載置器40:
図5》
次に、
図5を用いて、前記第1の柱状物品21と前記第2の柱状物品22を載置するための物品載置器40について説明する。この説明では、便宜上、
図5(A)の上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれらに準じて向きを表記する。
【0040】
物品載置器40は、載置器本体41の上面に、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を並べて載置するための物品載置部42を有している。物品載置部42は、底面を除く2つの内面が90度を成し、かつ、残りの2つの内面が平行に向き合う凹部から成り、その深さは少なくとも第2の柱状物品22の長さL22よりも大きい。なお、物品載置部42の外形は前記に限らず、正方形状や1つの角が90度を成す2等辺三角形状等であっても良い。
【0041】
《遊戯方法例:
図1および
図6~
図11》
次に、
図1および
図6~
図11を用いて、前記物品供給器10と前記第1の柱状物品21と前記第2の柱状物品22と前記物品収容器30と前記物品載置器40を用いた遊戯方法について説明する。なお、ここで説明する遊戯方法はあくまでも一例であって、当該遊戯方法に制限されるものではなく、遊戯者によって適宜遊戯方法が選択されてよい。また、この説明では、便宜上、
図1(A)の左側を前、右側を後、上側を上、下側を下と表記し、他の図(
図10を除く)についてもこれらに準じて向きを表記する。
【0042】
第1の柱状物品21と第2の柱状物品22が熱融着可能な消しゴムの場合を例に挙げると、遊戯に際しては、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22が入っていない空の物品供給器10(
図1を参照)と、第1の柱状物品21を色別に収容した物品収容器30と第2の柱状物品22を色別に収容した物品収容器30と、物品載置器40を用意して、物品載置器40を物品載置部42が上を向くように卓上等に置く。
【0043】
第1の柱状物品21を物品載置器40の物品載置部42に載置するときには、好みの色の第1の柱状物品21が収納された物品収容器30を選んで蓋部32開くとともに、物品供給器10の物品誘導部13から物品収容部14を外して、当該物品収容器30の収容器本体31を物品誘導部13に嵌め込み、そして、物品供給器10を物品供給部12が下方にくる状態で揺り動かす。
【0044】
これにより、
図6に示したように、収容器本体31(物品収容部14)に収容されている第1の柱状物品21が、物品誘導部13の物品誘導室13aにより誘導されつつ、物品整列通路11aに長さ向きで順次挿入され、物品整列通路11a内の移動面を傾斜面とすることで第1の柱状物品21は下方に自重移動する。
図6に示されるように、複数の第1の柱状物品21は、物品誘導部13によって誘導されることで、物品整列通路11aにおいて長さ向きで一列に整列した状態で収容可能となる。
図6では、第1の可動部16と第2の可動部17は第3の位置P3(第1の通路16aと第2の通路17aとが第1の柱状物品21が移動可能に連通し、第2の通路17aと物品整列通路11aが第1の柱状物品21が移動可能に連通する位置)にあるため、物品整列通路11aを自重移動する先頭の第1の柱状物品21は、連通した第1の通路16aおよび第2の通路17aに長さ向きで挿入される。また、
図6では、連通した第1の通路16aおよび第2の通路17aに長さ向きで挿入された第1の柱状物品21は、第1の可動部16の前側に位置する物品供給部12の後端に接するため、それ以上の自重移動が阻止され、第1の柱状物品21が、連通した第1の通路16aおよび第2の通路17aに収容され、第1の可動部16及び前記第
2の可動部17からの第1の柱状物品21の供給が阻止された状態となる。
【0045】
続いて、物品供給部12の前端を物品載置器40の物品載置部42の底面に向けて、指先等によって操作部15の操作部本体15aを下方に押圧する。
【0046】
これにより、
図7に示したように、第1の可動部16と第2の可動部17が第3の位置P3から第1の位置P1(第1の通路16aと第2の通路17aとが第1の柱状物品21が移動可能に連通し、第1の可動部16と第2の可動部17の両方が第3の位置P3から下方に移動し、第1の通路16aと物品供給通路12aとが第1の柱状物品21が移動可能に連通する位置)に変化し、連通した第1の通路16aおよび第2の通路17aに収容されている第1の物品21が物品供給通路12aに挿入されて下方に自重移動し、当該物品供給通路12aから供給された第1の柱状物品21が物品載置部42に載置される(
図10を参照)。
【0047】
一方、第2の柱状物品22を物品載置器40の物品載置部42に載置するときには、好みの色の第2の柱状物品22が収容された物品収容器30を選んで蓋部32を開くとともに、物品供給器10の物品誘導部13から物品収容部14を外して、当該物品収容器30の収容器本体31を物品誘導部13に嵌め込み、そして、物品供給器10を物品供給部12が下方にくる状態で揺り動かす。
【0048】
これにより、
図8に示したように、収容器本体31(物品収容部14)に収容されている第2の物品22が、物品誘導部13の物品誘導室13aにより誘導されつつ、物品整列通路11aに長さ向きで順次挿入されて、物品整列通路11a内の移動面を傾斜面とすることで第2の柱状物品22は下方に自重移動する。
図8に示されるように、複数の第2の柱状物品22は、物品誘導部13によって誘導されることで、物品整列通路11aにおいて、長さ向きで一列に整列した状態で収容可能となる。
図8では、第1の可動部16と第2の可動部17は第3の位置P3(第1の通路16aと第2の通路17aとが第2の柱状物品22が移動可能に連通し、第2の通路17aと物品整列通路11aとが第2の柱状物品22が移動可能に連通する位置)にあるため、物品整列通路11aを自重移動する先頭の第2の柱状物品22は、第1の柱状通路16aに長さ向きで挿入され、2番目の第2の柱状物品22は、第2の通路17aに長さ向きで挿入される。また、
図8では、第1の通路16aに長さ向きで挿入された第1の柱状物品22は、第1の可動部16の前側に位置する物品供給部12の後端に接するため、それ以上の自重移動が抑止され、第2の柱状物品22が、第1の通路16aと第2の通路17aのそれぞれに1つずつ収容された状態となる。
【0049】
続いて、指先等によって操作部15の操作部本体15aを前方にスライドさせて、操作部15の脚部15bの後部下面が第1の可動部16のスライド突起16bを除く上面のみに接する位置に変化させ(
図8を参照)、この後、物品供給部12の前端を物品載置器40の物品載置部42の底面に向けて、指先等によって操作部15の操作部本体15aを下方に押圧する。
【0050】
これにより、
図9に示したように、第1の可動部16と第2の可動部17が第3の位置P3から第2の位置P2(第1の通路16aと第2の通路との連通が解かれ、第1の可動部16のみが第3の位置P3から下方にずれていて、第1の通路16aと物品供給通路12aが連通する位置)に変化し、第1の通路16aに収容されている第2の柱状物品22のみが物品供給通路12aに挿入されて下方に自重移動し、当該物品供給通路12aから供給された第2の柱状物品22が物品載置部42に載置される(
図10を参照)。
【0051】
前記の供給操作の途中で、万が一、第1の可動部16の第1の通路16aと第2の可動部17の第2の通路17aと物品供給部12の物品供給通路12aのいずれかに第1の柱状部品21または第2の柱状物品22が自重では動かない状態(詰まった状態)になった場合には、
図11に示したように、第1の可動部16と第2の可動部17を第3の位置P3から第1の位置P1(
図7を参照)に変化させた後、挿入部18の挿入操作部15aの露出部分を指先等で前方にスライドさせて、棒状部18bを、第2の通路17aの後端から当該第2の通路17aおよび第1の通路16a、必要に応じて物品供給通路12aにまで挿入して、詰まっていた第1の柱状部品21または第2の柱状物品22を物品供給通路12aから物品供給通路12a外へ移動させる。
【0052】
物品載置器40の物品載置部42への第1の柱状部品21と第2の柱状物品22の載置は、前記の供給操作を適宜繰り返すことによって行われる。つまり、遊戯者は、好みの色の第1の柱状部品21と第2の柱状物品22を物品載置器40の物品載置部42に並べて載置することにより、色によって文字や記号や絵や図形等が描かれ、かつ、長さの違いによって立体感が表現された消しゴム母体(図示省略)を作製する。
【0053】
物品載置器40の物品載置部42上に消しゴム母体を作製した後は、当該消しゴム母体に少量の水を加えて専用蓋またはフィルム等で覆ってから物品載置器40ごと電子レンジに入れて1分程度加熱する。これにより、消しゴム母体を構成する第1の柱状部品21と第2の柱状物品22が相互に熱融着して一体化されるため、やけどしない程度に温度が下がってから物品載置器40の物品載置部42から一体化された消しゴムを取り出し、余分な水分を拭き取る。
【0054】
《作用効果:図無し》
前記物品供給器10によれば、柱状物品、特に長さが異なる第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を選択的に1つずつ供給することができる。また、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22の選択的な供給を操作部15の位置切り替えによって簡単に行うことができる。さらに、供給操作途中で、第1の柱状通路16aや第2の柱状通路17a等に物品が詰まった場合でも、当該詰まりを挿入部によって簡単に解消することができる。
【0055】
前記物品収容器30によれば、収容器本体31を物品供給器10の物品収容部14として利用できるため、物品供給器10によって供給される物品の種類を簡単に変えることができる。
【0056】
《部品供給器セット:図無し》
遊戯者に対し好適な部品供給器セットとしては、(C1)物品供給器10と、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を種類別に収容するための物品収容器30との組み合わせと、(C2)物品供給器10と、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を載置するための物品載置器40との組み合わせと、(C3)物品供給器と、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を種類別に収容するための物品収容器30と、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を載置するための物品載置器40との組み合わせ、を挙げることができる。
【0057】
部品供給器セットC1は物品載置器40を既に所持している遊戯者にとって有用であり、部品供給器セットC2は物品収容器30を必要としない遊戯者にとって有用であり、部品供給器セットC3は初めて遊戯を行う遊戯者にとって有用である。勿論、物品供給器10と、種々色の第1の柱状物品21および第2の柱状物品22と、物品収納器30と、物品載置器40は、単品で販売することによって遊戯者のニーズに答えることも可能である。
【符号の説明】
【0058】
10…物品供給器、11…供給器本体、11a…物品整列通路(第3の通路)、11b…第1のスライド孔、11c…第2のスライド孔、11d…ガイド部、12…物品供給部、12a…物品供給通路(第4の通路)、13…物品誘導部、13a…物品遊動室、14…物品収容部、14a…物品収容室、15…操作部、15a…操作部本体、15b…脚部、15c…スライド溝、16…第1の可動部、16a…第1の通路、16b…スライド突起、17…第2の可動部、17a…第2の通路、CS1…第1の付勢部材、CS2…第2の付勢部材、18…挿入部、21…第1の柱状物品、22…第2の柱状物品、30…物品収容器、31…収容器本体、31a…物品収容室、32…蓋部、40…物品載置器、41…載置器本体、42…物品載置部。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の可動部と、
前記第1の可動部に隣接して配置される第2の可動部と、
前記第1の可動部及び前記第2の可動部を操作可能な操作部と、
を備える物品供給器であって、
前記第1の可動部と前記第2の可動部は、物品供給方向において前記第1の可動部及び前記第2の可動部の少なくとも何れかよりも長い第1の長さを有する第1の物品を収容可能であり、
前記第1の可動部及び前記第2の可動部の少なくとも何れかは、前記物品供給方向において前記第1の長さよりも短い第2の長さを有する第2の物品を収容可能であり、
前記操作部は、前記第1の可動部と前記第2の可動部の両方を動作可能とする第1の状態と、前記第1の可動部のみを動作可能とする第2の状態と、を選択可能であり、
前記第1の可動部及び前記第2の可動部は、前記第1の状態における前記操作部の操作により前記第1の物品の供給が許容される第1の位置と、前記第2の状態における前記操作部の操作により前記第2の物品の供給が許容される第2の位置と、をとり得るように構成される、
物品供給器。
【請求項2】
前記操作部は、前記第1の状態において、前記第1の可動部と前記第2の可動部の両方を押圧でき、前記第2の状態において、前記第1の可動部のみを押圧できるように構成される、
請求項1に記載の物品供給器。
【請求項3】
前記第1の可動部は、前記第1の物品及び前記第2の物品が移動可能な第1の通路を有し、
前記第2の可動部は、前記第1の物品及び前記第2の物品が移動可能な第2の通路を有し、
前記第1の位置をとる場合において、前記第1の通路と前記第2の通路は、連通し、
前記第2の位置をとる場合において、前記第1の通路と前記第2の通路は、連通しない、
請求項1または2に記載の物品供給器。
【請求項4】
前記第1の通路と前記第2の通路は、前記第1の位置をとる場合において、前記第1の物品及び第2の物品が移動可能である一方、前記第2の位置をとる場合において、前記第1の物品及び前記第2の物品が移動不可である、
請求項3に記載の物品供給器。
【請求項5】
前記第1の可動部と前記第2の可動部は、前記第1の物品及び前記第2の物品の供給が阻止される第3の位置をさらにとり得るように構成され、
前記第1の位置をとる場合において、前記第1の可動部及び前記第2の可動部は、前記第3の位置から移動し、
前記第2の位置をとる場合において、前記第1の可動部は前記第3の位置から移動し、前記第2の可動部は前記第3の位置から移動しない、
請求項3または4に記載の物品供給器。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状物品が移動可能な第1の通路を有する可動部と、
前記柱状物品が移動可能な第2の通路を有し、該第2の通路の一方の端部から該柱状物品を供給する物品供給部と、
前記可動部を操作可能な操作部と、
前記第1の通路および前記第2の通路の内部に挿入可能な長さの棒状部を有する挿入部と、
を備え、
前記可動部は、前記操作部の操作により、前記第1の通路と前記第2の通路とが連通せず前記柱状物品が該第1の通路から該第2の通路へ移動不可能な第1の状態と、該第1の通路と該第2の通路とが連通し該柱状物品が該第1の通路から該第2の通路へ移動可能な第2の状態と、をとり得るように構成され、
前記挿入部は、前記第2の状態になったことに応じて、前記第1の通路および前記第2の通路の内部に挿入可能な状態となる、
物品供給器。
【請求項2】
前記第1の状態においては、前記第1の通路と前記第2の通路とが前記柱状物品の供給方向とは異なる方向にずれることで、該第1の通路と該第2の通路とは連通せず、
前記可動部は、前記操作部の操作により該可動部が前記所定方向に移動したことに応じて、前記第1状態の状態から前記第1の通路と前記第2の通路とが連通する前記第2の状態へ変化する、
請求項1に記載の物品供給器。
【請求項3】
前記第1の通路を挟んで前記第2の通路の反対側に位置する第3の通路をさらに備え、
前記第1の通路は、前記第1の状態において、前記柱状物品が移動可能に前記第3の通路と連通する、
請求項1または2に記載の物品供給器。
【請求項4】
前記挿入部は、前記第1の状態においては、前記可動部に挿入不可能である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の物品供給器。
【請求項5】
前記挿入部は、前記第1の状態においては、前記可動部の一部により所定以上の移動が阻止される、
請求項1~4のいずれか1項に記載の物品供給器。
【請求項6】
前記柱状物品は、合成樹脂を主成分とした消しゴムである、
請求項1~5のいずれか1項に記載の物品供給器。
【請求項7】
前記可動部は、前記柱状物品の長さ向きが前記物品供給方向になる状態で該柱状物品を収容する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の物品供給器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品供給器に関する。
【背景技術】
【0002】
後記特許文献1には、小球体供給具と、小球体が収納された瓶と、小球体を載置するための基板とから成る点画作成玩具が開示されている。この点画作成玩具は、瓶内の小球体を小球体供給具の保持孔に入れた後、小球体供給具のボタンを押圧して保持孔内の小球体を排出孔に受け渡すことにより、小球体供給具の排出孔から供給された小球体を基板に載置して当該基板に点画を作成するものである。
【0003】
しかしながら、後記特許文献1に開示されている小球体供給具は小球体を供給対象とするものであるため、柱状物品の供給に適したものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、柱状物品、柱状物品の供給に適した物品供給器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る物品供給器は、第1の可動部と、前記第1の可動部に隣接して配置される第2の可動部と、前記第1の可動部及び前記第2の可動部を操作可能な操作部と、を備えており、前記第1の可動部と前記第2の可動部は、物品供給方向において前記第1の可動部及び前記第2の可動部の少なくとも何れかよりも長い第1の長さを有する第1の物品を収容可能であり、前記第1の可動部及び前記第2の可動部の少なくとも何れかは、前記物品供給方向において前記第1の長さよりも短い第2の長さを有する第2の物品を収容可能であり、前記操作部は、前記第1の可動部と前記第2の可動部の両方を動作可能とする第1の状態と、前記第1の可動部のみを動作可能とする第2の状態と、を選択可能であり、前記第1の可動部及び前記第2可動部は、前記第1の状態における前記操作部の操作により前記第1の物品の供給が許容される第1の位置と、前記第2の状態における前記操作部の操作により前記第2の物品の供給が許容される第2の位置と、をとり得るように構成される。また、本発明に係る物品供給器は、柱状物品が移動可能な第1の通路を有する可動部と、前記柱状物品が移動可能な第2の通路を有し、該第2の通路の一方の端部から該柱状物品を供給する物品供給部と、前記可動部を操作可能な操作部と、前記第1の通路および前記第2の通路の内部に挿入可能な長さの棒状部を有する挿入部と、を備え、前記可動部は、前記操作部の操作により、前記第1の通路と前記第2の通路とが連通せず前記柱状物品が該第1の通路から該第2の通路へ移動不可能な第1の状態と、該第1の通路と該第2の通路とが連通し該柱状物品が該第1の通路から該第2の通路へ移動可能な第2の状態と、をとり得るように構成され、前記挿入部は、前記第2の状態になったことに応じて、前記第1の通路および前記第2の通路の内部に挿入可能な状態となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1(A)は本発明に係る物品供給器の側面図、
図1(B)は
図1(A)の要部拡大縦断面図、
図1(C)は
図1(B)のS1-S1線拡大断面図である。
【
図2】
図2(A)は
図1(B)に示した操作部の外観斜視図、
図2(B)は
図1(B)に示した第1の可動部の外観斜視図、
図2(C)は
図1(B)に示した第2の可動部の外観斜視図である。
【
図3】
図3(A)は本発明に係る第1の柱状物品の外観斜視図、
図3(B)は本発明に係る第2の柱状物品の外観斜視図である。
【
図4】
図4は本発明に係る物品収容器の蓋部開放の外観斜視図である。
【
図5】
図5(A)は本発明に係る物品載置器の側面図、
図5(B)は
図5(A)のS2-S2線断面図である。
【
図6】
図6は
図1に示した物品供給器による第1の柱状物品の供給操作の説明図である。
【
図7】
図7は
図1に示した物品供給器による第1の柱状物品の供給操作の説明図である。
【
図8】
図8は
図1に示した物品供給器による第2の柱状物品の供給操作の説明図である。
【
図9】
図9は
図1に示した物品供給器による第2の柱状物品の供給操作の説明図である。
【
図10】
図10は物品載置部への物品の載置操作の説明図である。
【
図11】
図11は
図1に示した物品供給器における物品の詰まり解消操作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
《物品供給器10:
図1および
図2》
まず、
図1および
図2を用いて、本発明に係る物品供給器10について説明する。なお、この説明では、便宜上、
図1(A)の左側を前、右側を後、上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれらに準じて向きを表記する。
【0009】
物品供給器10は、供給器本体11と、供給器本体11の前端に設けられた物品供給部12と、供給器本体11の後端に設けられた物品誘導部13と、物品誘導部13の後端に着脱可能に設けられた物品収容部14と、供給器本体11の上部に設けられた操作部15と、供給器本体11の内部に設けられた第1の可動部16および第2の可動部17と、供給器本体11の下部に設けられた挿入部18とを有している。この物品供給器10は、内部が透けて見えるように、少なくとも供給器本体11と物品供給部12と物品誘導部13と物品収容部14と第1の可動部16および第2の可動部17とを透明または半透明とすることが好ましい。これは、物品供給器10内に収容されている物品の長さや色等の種類の違いを物品供給器10の外観上から把握し易くするためである。
【0010】
なお、
図1には、図示の便宜上、供給器本体11と物品供給部12と物品誘導部13とを一体化したものを示したが、第1の可動部16および第2の可動部17等の組み込みのために供給器本体11を複数の部品から構成して適宜結合しても良く、物品供給部12と物品誘導部13を供給器本体11と別部品として当該供給器本体11に取り付けるようにしても良い。
【0011】
供給器本体11は、その前端部を除く外形が円柱状を成し、前端部が丸みを帯びている。また、供給器本体11の内部には、その後端から第2の可動部17の後端に及ぶ物品整列通路(第3の通路)11aが設けられている。物品整列通路11aは例えば4角柱状であり、相対する2つの内面が上下方向で平行に向き合い、かつ、残りの2つの内面がこれらと直交する方向で平行に向き合っている。物品整列通路11aは、物品が自重により移動可能に収容できのであれば、その他の形状にすることも可能である。ちなみに、物品整列通路11aの中心線CL11aは、供給器本体11の中心線(図示省略)と一致しておらず上側にシフトしている。
【0012】
さらに、供給器本体11の上部前側には、操作部15の脚部15bを前後方向に案内する矩形状の第1のスライド孔11bが設けられている。さらに、供給器本体11の下部には、挿入部18の挿入操作部18aを前後方向に案内する細長い第2のスライド孔11cが設けられている。さらに、供給器本体11の内部前側には、第1の可動部16と第2の可動部17を上下方向に案内するガイド部11dが対向して設けられている。
【0013】
物品供給部12は、その前部が供給器本体11の前端から突出しており、当該突出部分の外形は先細りのノズル状を成している。また、物品供給部12の後端は、第1の可動部16の前端に及んでいる。さらに、物品供給部12の内部には、物品整列通路11aと同じ縦断面形を有する物品供給通路(第4の通路)12aがその前端から後端に及んで設けられている。ちなみに、物品供給通路12aの中心線CL12aは、供給器本体11の中心線(図示省略)と一致している。すなわち、物品供給通路12aと物品整列通路11aとは上下方向にずれている。
【0014】
物品誘導部13は、その前部の外形が例えば円錐状を成し、その後部の外形が例えば円柱状を成している。また、物品誘導部13の内部には、物品整列通路11aの後端に向かって内径が減少することで滑らかに物品整列通路11aの後端に繋がるやや歪な円錐状を成す物品誘導室13aが、物品整列通路11aの後端と連通するように設けられている。さらに、物品誘導部13の後端部には、物品収容部14を着脱可能に嵌め込むための環状凸部13bが設けられている。
【0015】
物品収容部14は、例えば有底円筒状を成し、物品収容室14aをその内部に有している。また、物品収容部14の前端部には、物品誘導部13の環状凸部13bに着脱可能に嵌め込むための環状凹部14bが設けられている。物品収容部14の環状凹部14bを物品誘導部13の環状凸部13bに嵌め込んだ状態では、当該物品収容部14の物品収容室14aは物品誘導部13の物品誘導室13aと連通し、複数の物品を収容可能な一体的な空間を形成する。
【0016】
操作部15は、矩形板状の操作部本体15aの下側に、外形が直方体状を成す脚部15bを有している。また、脚部15bの下面には、縦断面形がT字状を成すスライド溝15cがその前端から後方に向かって設けられている。さらに、脚部15bの下部は供給器本体11の第1のスライド孔11b内に位置し、操作部本体15aは外部に露出している。ちなみに、脚部15bの前後方向寸法は第1の可動部16の前後方向寸法と第2の可動部17の前後方向寸法の和よりも小さく、スライド溝15cの前後方向寸法は脚部15bの前後方向寸法よりも小さい。
【0017】
第1の可動部16は、その外形が例えば直方体状を成しており、その下面側に設けられた圧縮コイルバネ等の第1の付勢部材CS1によって上方に付勢されている。また、第の1可動部16の内部には、物品整列通路11aと同じ縦断面形を有する第1の通路16aがその前端から後端に及んで設けられている。さらに、第1の可動部16の上面には、縦断面形がT字状を成すスライド突起16bがその前端から後方に向かって設けられており、当該スライド突起16bは操作部15のスライド溝15cに前後方向に相対移動ができるように挿入されている。ちなみに、スライド突起16bの前後方向寸法は、第1の可動部16の前後方向寸法よりも小さく、かつ、スライド溝15cの前後方向寸法よりも小さい。
【0018】
第2の可動部17は、その外形が例えば直方体状を成しており、第1の可動部16の後側に隣接して配置され、その下面側に設けられた圧縮コイルバネ等の第2の付勢部材CS2によって上方に付勢されている。また、第2の可動部17の内部には、物品整列通路11aと同じ縦断面形を有する第2の通路17aがその前端から後端に及んで設けられている。ちなみに、第2の可動部17の前後方向寸法は第1の可動部16の前後方向寸法と略同じである。
【0019】
ここで、操作部15と第1の可動部16と第2の可動部17の結合関係および基本動作について、
図1と
図6~
図9を引用して詳述する。
【0020】
図1および
図6に示した状態において、操作部15は操作部本体15aを露出し、脚部15bの下部を供給器本体11の第1のスライド孔11bに前後方向に移動できるように配置されている。また、操作部15の脚部15bはその後端を第1のスライド孔11bの後端に接し、当該脚部15bのスライド溝15cには第1の可動部16のスライド突起16bが前後方向に相対移動ができるように挿入されている。
【0021】
同状態において、第1の可動部16は第1の付勢部材CS1によって上方に付勢され、スライド突起16bを除く上面を操作部15の脚部15bの前部下面に接しており、第2の可動部17は第2の付勢部材CS2によって上方に付勢され、その上面を操作部15の脚部15bの後部下面に接している。また、第1の可動部16の第1の通路16aと第2の可動部17の第2の通路17aは前後方向に連通していて、第2の通路17aの後端は物品整列通路11aの前端と向き合い、第2の通路17aは、物品が移動可能に物品整列通路11aと連通する。
【0022】
図1および
図6に示した状態で指先等によって操作部15の操作部本体15aを下方に押圧すると、
図7に示したように、当該操作部15の脚部15cによって第1の可動部16と第2の可動部17の両方が各付勢部材CS1およびCS2の付勢力に抗して押圧されて下方に移動する。このときの移動方向は供給器本体11のガイド部11dによって案内され、移動量は操作部15の操作部本体15aが供給器本体11の外面に接することによって制限される。すなわち、第1の通路16aと第2の通路17aとが連通した状態のまま第1の可動部16と第2の可動部17の両方が下方移動して、第1の通路16aの前端が物品供給通路12aの後端と向き合い、第1の通路16aは、物品が移動可能に物品供給通路12aと連通する。
【0023】
一方、
図1に示した状態で操作部15の操作部本体15aを前方にスライドさせると、
図8に示したように、操作部15の脚部15bの後部下面が第2の可動部17の上面から外れて、当該脚部15bの後部下面が第1の可動部16のスライド突起16bを除く上面のみに接する位置に変化する。このときのスライド方向は供給器本体11の第1のスライド孔11bによって案内され、スライド量は操作部15の脚部15bの前端が第1のスライド孔11bの前端に接することによって制限される。
【0024】
図8に示した状態で指先等によって操作部15の操作部本体15aを下方に押圧すると、
図9に示したように、当該操作部15の脚部15cによって第1の可動部16のみが第1の付勢部材CS1の付勢力に抗して押圧されて下方に移動する。このときの移動方向は供給器本体11のガイド部11dによって案内され、移動量は操作部15の操作部本体15が供給器本体11の外面に接することによって制限される。すなわち、第1の通路16aと第2の通路17aとの連通を解きつつ第1の可動部16のみが下方移動して、第1の通路16aの前端が物品供給通路12aの後端と向き合い、第1の通路16aは物品供給通路12aと物品が移動可能に連通する。ここで、第1の通路16aと第2の通路17aとの連通が解かれるため、第2の通路17aから第1の通路16aへの物品の移動はできなくなる。即ち、第2の可動部17に物品が収容されていても、第1の可動部16によって該物品の移動が阻止される。
【0025】
つまり、第1の可動部16と第2の可動部17の両方を動作可能とする第1の操作状態と、第1の可動部16のみを動作可能とする第2の操作状態と、を選択可能であり、第1の操作状態においては、第1の可動部16と第2の可動部17の両方を押圧でき、第2の操作状態においては、第1の可動部16のみを押圧でき、操作部15は、第1の操作状態と第2の操作状態とを切り替えられるようになっている。また、第1の可動部16と第2の可動部17は、操作部15に対する操作に基づいて、(P3)第1の可動部16及び第2の可動部17からの物品の供給が阻止される第3の位置(
図1および
図6を参照)と、(P1)第1の可動部16及び第2の可動部17からの物品の供給が許容される第1の位置(
図7を参照)と、(P2)第1の可動部16からの物品の供給が許容され、かつ第2の可動部17からの物品の供給が阻止される第2の位置(
図9を参照)と、をとり得るように構成される。第3の位置をとる場合においては、第1の可動部16及び第2の可動部17は移動していない。このとき、第1の通路16aと第2の通路17aは物品が移動可能に連通し、第1の通路16aと物品供給通路12aは物品が移動可能に連通せず、第1の通路16a及び第2の通路17aから物品供給通路12aへ物品が移動することはできない。したがって、第1の可動部16及び第2の可動部17からの物品の供給が阻止される。第1の位置をとる場合においてでは、第1の可動部16及び第2の可動部17が第3の位置から移動する。このとき、第1の通路16aと第2の通路17aと物品供給通路12aは物品が移動可能に連通し、第1の通路16a及び第2の通路17aから物品供給通路12aへ物品が移動することが可能である。したがって、第1の可動部16及び第2の可動部17からの物品の供給が許容される。第2の位置をとる場合においては、第1の可動部16のみが第3の位置から移動し、第2の可動部17は第3の位置から移動しない。このとき、第1の通路16aと物品供給通路12aは物品が移動可能に連通し、第1の通路16aから物品供給通路12aへ物品が移動することができる一方、第1の通路16aと第2の通路17aは物品が移動可能に連通せず、第2の通路17aから第1の通路16aへ物品が移動することはできない。したがって、第1の可動部16からの物品の供給が許容され、第2の可動部1からの物品の供給が阻止される。
【0026】
なお、
図1には物品整列通路11aと物品供給通路12aとのずれ量を各通路12aおよび物品整列通路11aの上下方向寸法よりも若干小さくしたものを示したが、当該ずれ量は、各通路12aおよび11aの上下方向寸法と同じであっても良いし、若干大きくても良い。また、
図1には、操作部本体15aを下方に押圧したときの移動量を当該操作部本体15aが供給器本体11の外面に接することによって制限したものを示したが、当該移動量は、第1の可動部16と第2の可動部17の下方移動を抑止する突起等によって制限することもできる。さらに、
図1には操作部15の操作部本体15aを前後方向にスライドさせたときのスライド量を操作部15の脚部15bの前後端が供給器本体11の第1のスライド孔11bの前後端に接することによって制限したものを示したが、当該スライド量は、操作部15の脚部15bの前後方向移動を抑止する突起等によって制限することもできる。
【0027】
挿入部18は、矩形板状の解消部本体15aの上端に、外形が例えば角柱状または略円柱状を成す棒状部18bを有している。また、挿入操作部18aは、供給器本体11の第2のスライド孔11cに前後方向に移動できるように配置されていてその下端部は外部に露出するため、遊戯者の指先等で操作可能になっている。棒状部18bは図示省略のガイド部によって供給器本体11の物品整列通路11aの下側に配置される。図6に示す第3の位置P3においては、棒状部18bの前端は、第2の可動部17の後端より後側で第2の通路17aから上下方向においてずれた位置に配置されることより、挿入操作部18aの露出部分を指先等で前方にスライドさせたとしても、第2の可動部の第2の通路17aからずれた位置でスライド移動が阻止されることにより、棒状部18b前端の第2の可動部17の後端より前方への移動ができないようになっている。これにより、操作部15へ操作し、第2可動部17を移動させない限り、所定距離以上に挿入部18を前方に移動させることができず、遊戯者が意図しないときの挿入部18の移動を防止可能となる。
【0028】
挿入部18は、
図11に示す第1の位置P1(
図7を参照)において、挿入操作部18aの露出部分を指先等で前方にスライドさせることにより、棒状部18bを、第2の可動部17の第2の通路17aの後端から当該第2の通路17aおよび第1の可動部16の第1の通路16aに挿入できるようになっている。棒状部18bは、第2の通路17aおよび第1の通路16aに加えて、物品供給通路12aに挿入されてもよい。
【0029】
《第1の柱状物品21と第2の柱状物品22:
図3を参照》
次に、
図3を用いて、前記物品供給器10で供給可能な物品について説明する。前記物品供給器10で供給可能な物品は、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を含む。
【0030】
図3(A)に示した第1の柱状物品21は、例えば長さL21>幅W21=高さH21の関係を有する直方体状を成し、
図3(B)に示した第2の柱状物品22は、例えば長さL22>幅W21=高さH22の関係を有する直方体状を成している。第1の柱状物品21の幅W21と高さH21と第2の柱状物品22の幅W22と高さH22はとそれぞれ同じである。即ち、柱状物品の断面形状と断面積が略同じである。また、第1の柱状物品21の長さL21は第2の柱状物品22の長さL22の約2倍である。なお、第1の柱状物品21の幅W21と高さH21は公差範囲内で僅かに異なっていても良いし、第2の柱状物品21の幅W22と高さH22は公差範囲内で僅かに異なっていても良い。
【0031】
また、第1の柱状物品21の長さL21は、第1の可動部16の第1の通路16aの前後方向寸法(長さ)と第2の可動部17の第2の通路17aの前後方向寸法(長さ)との和に対応している。さらに、第2の柱状物品22の長さL22は、第1の可動部16の第1の通路16aの前後方向寸法(長さ)と第2の可動部17の第2の通路17aの前後方向寸法(長さ)のそれぞれに対応している。さらに、第1の柱状物品21の縦断面形と第2の柱状物品22の縦断面形は、物品供給器10の物品整列通路11aと物品供給通路12aと第1の可動部16の第1の通路16aと第2の可動部17の第2の通路17aのそれぞれの縦断面形よりも僅かに小さい。
【0032】
すなわち、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22は、物品供給器10の物品整列通路11aと物品供給通路12aのそれぞれに長さ向きで挿入することができ、かつ、第1の通路16a、第2の通路17a、物品整列通路11a、及び物品供給通路12a内における移動面が傾斜面となることを条件として、長さ向きで自重移動させることができる。また、第1の物品21は、第1の可動部16の第1の通路16aと第2の可動部17の第2の通路17aとが連通した状態において、連通した第1の通路16aおよび第2の通路17aの両方に亘って収容することができる。さらに、第2の柱状物品22は、第1の通路16aと第2の通路17aのそれぞれに1つずつ収容することができる。
【0033】
第1の柱状物品21と第2の柱状物品22は、例えば合成樹脂を主成分とする消しゴムであり、好ましくはTPS(スチレン系熱可塑性エラストマー)等を主成分とした熱融着可能な消しゴムである。また、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22のそれぞれには色が異なるものがそれぞれ用意される。
【0034】
《物品収容器30:
図4》
次に、
図4を用いて、前記第1の柱状物品21と前記第2の柱状物品22を物品の長さや色の種類別に収容するために物品収容器30ついて説明する。なお、この説明では、便宜上、
図4の上側を上、下側を下収容と表記する。
【0035】
物品収容器30は、物品収容室41aをその内部に有する例えば有底円筒状の収容器本体31と、収容器本体31に開閉可能に設けられた蓋部32とを有している。蓋部32は、収容器本体31から着脱可能としてもよい。この物品収容器30は、内部が透けて見えるように、少なくとも収容器本体31を透明または半透明とすることが好ましい。また、収容器本体31の上端部には、蓋部32の環状凸部32aを着脱可能に嵌め込むための環状凹部31bが設けられている。
【0036】
物品収容器30の収容器本体31の態様を物品供給器10の物品収容部14の態様と同じにしておけば、収容器本体31を物品収容部14として利用することができる。例えば、第1の柱状物品21を色別に収容した物品器30と第2の柱状物品22を色別に収容した物品収容器30を用意しておき、物品供給器10の物品誘導部13から物品収容部14を外した後に好みの物品収容器30の収容器本体31を当該物品誘導部13に嵌め込むことによって、物品供給器10によって供給される物品の種類を簡単に変えることができる。
【0037】
《物品載置器40:
図5》
次に、
図5を用いて、前記第1の柱状物品21と前記第2の柱状物品22を載置するための物品載置器40について説明する。この説明では、便宜上、
図5(A)の上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれらに準じて向きを表記する。
【0038】
物品載置器40は、載置器本体41の上面に、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を並べて載置するための物品載置部42を有している。物品載置部42は、底面を除く2つの内面が90度を成し、かつ、残りの2つの内面が平行に向き合う凹部から成り、その深さは少なくとも第2の柱状物品22の長さL22よりも大きい。なお、物品載置部42の外形は前記に限らず、正方形状や1つの角が90度を成す2等辺三角形状等であっても良い。
【0039】
《遊戯方法例:
図1および
図6~
図11》
次に、
図1および
図6~
図11を用いて、前記物品供給器10と前記第1の柱状物品21と前記第2の柱状物品22と前記物品収容器30と前記物品載置器40を用いた遊戯方法について説明する。なお、ここで説明する遊戯方法はあくまでも一例であって、当該遊戯方法に制限されるものではなく、遊戯者によって適宜遊戯方法が選択されてよい。また、この説明では、便宜上、
図1(A)の左側を前、右側を後、上側を上、下側を下と表記し、他の図(
図10を除く)についてもこれらに準じて向きを表記する。
【0040】
第1の柱状物品21と第2の柱状物品22が熱融着可能な消しゴムの場合を例に挙げると、遊戯に際しては、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22が入っていない空の物品供給器10(
図1を参照)と、第1の柱状物品21を色別に収容した物品収容器30と第2の柱状物品22を色別に収容した物品収容器30と、物品載置器40を用意して、物品載置器40を物品載置部42が上を向くように卓上等に置く。
【0041】
第1の柱状物品21を物品載置器40の物品載置部42に載置するときには、好みの色の第1の柱状物品21が収納された物品収容器30を選んで蓋部32開くとともに、物品供給器10の物品誘導部13から物品収容部14を外して、当該物品収容器30の収容器本体31を物品誘導部13に嵌め込み、そして、物品供給器10を物品供給部12が下方にくる状態で揺り動かす。
【0042】
これにより、
図6に示したように、収容器本体31(物品収容部14)に収容されている第1の柱状物品21が、物品誘導部13の物品誘導室13aにより誘導されつつ、物品整列通路11aに長さ向きで順次挿入され、物品整列通路11a内の移動面を傾斜面とすることで第1の柱状物品21は下方に自重移動する。
図6に示されるように、複数の第1の柱状物品21は、物品誘導部13によって誘導されることで、物品整列通路11aにおいて長さ向きで一列に整列した状態で収容可能となる。
図6では、第1の可動部16と第2の可動部17は第3の位置P3(第1の通路16aと第2の通路17aとが第1の柱状物品21が移動可能に連通し、第2の通路17aと物品整列通路11aが第1の柱状物品21が移動可能に連通する位置)にあるため、物品整列通路11aを自重移動する先頭の第1の柱状物品21は、連通した第1の通路16aおよび第2の通路17aに長さ向きで挿入される。また、
図6では、連通した第1の通路16aおよび第2の通路17aに長さ向きで挿入された第1の柱状物品21は、第1の可動部16の前側に位置する物品供給部12の後端に接するため、それ以上の自重移動が阻止され、第1の柱状物品21が、連通した第1の通路16aおよび第2の通路17aに収容され、第1の可動部16及び前記第
2の可動部17からの第1の柱状物品21の供給が阻止された状態となる。
【0043】
続いて、物品供給部12の前端を物品載置器40の物品載置部42の底面に向けて、指先等によって操作部15の操作部本体15aを下方に押圧する。
【0044】
これにより、
図7に示したように、第1の可動部16と第2の可動部17が第3の位置P3から第1の位置P1(第1の通路16aと第2の通路17aとが第1の柱状物品21が移動可能に連通し、第1の可動部16と第2の可動部17の両方が第3の位置P3から下方に移動し、第1の通路16aと物品供給通路12aとが第1の柱状物品21が移動可能に連通する位置)に変化し、連通した第1の通路16aおよび第2の通路17aに収容されている第1の物品21が物品供給通路12aに挿入されて下方に自重移動し、当該物品供給通路12aから供給された第1の柱状物品21が物品載置部42に載置される(
図10を参照)。
【0045】
一方、第2の柱状物品22を物品載置器40の物品載置部42に載置するときには、好みの色の第2の柱状物品22が収容された物品収容器30を選んで蓋部32を開くとともに、物品供給器10の物品誘導部13から物品収容部14を外して、当該物品収容器30の収容器本体31を物品誘導部13に嵌め込み、そして、物品供給器10を物品供給部12が下方にくる状態で揺り動かす。
【0046】
これにより、
図8に示したように、収容器本体31(物品収容部14)に収容されている第2の物品22が、物品誘導部13の物品誘導室13aにより誘導されつつ、物品整列通路11aに長さ向きで順次挿入されて、物品整列通路11a内の移動面を傾斜面とすることで第2の柱状物品22は下方に自重移動する。
図8に示されるように、複数の第2の柱状物品22は、物品誘導部13によって誘導されることで、物品整列通路11aにおいて、長さ向きで一列に整列した状態で収容可能となる。
図8では、第1の可動部16と第2の可動部17は第3の位置P3(第1の通路16aと第2の通路17aとが第2の柱状物品22が移動可能に連通し、第2の通路17aと物品整列通路11aとが第2の柱状物品22が移動可能に連通する位置)にあるため、物品整列通路11aを自重移動する先頭の第2の柱状物品22は、第1の柱状通路16aに長さ向きで挿入され、2番目の第2の柱状物品22は、第2の通路17aに長さ向きで挿入される。また、
図8では、第1の通路16aに長さ向きで挿入された第1の柱状物品22は、第1の可動部16の前側に位置する物品供給部12の後端に接するため、それ以上の自重移動が抑止され、第2の柱状物品22が、第1の通路16aと第2の通路17aのそれぞれに1つずつ収容された状態となる。
【0047】
続いて、指先等によって操作部15の操作部本体15aを前方にスライドさせて、操作部15の脚部15bの後部下面が第1の可動部16のスライド突起16bを除く上面のみに接する位置に変化させ(
図8を参照)、この後、物品供給部12の前端を物品載置器40の物品載置部42の底面に向けて、指先等によって操作部15の操作部本体15aを下方に押圧する。
【0048】
これにより、
図9に示したように、第1の可動部16と第2の可動部17が第3の位置P3から第2の位置P2(第1の通路16aと第2の通路との連通が解かれ、第1の可動部16のみが第3の位置P3から下方にずれていて、第1の通路16aと物品供給通路12aが連通する位置)に変化し、第1の通路16aに収容されている第2の柱状物品22のみが物品供給通路12aに挿入されて下方に自重移動し、当該物品供給通路12aから供給された第2の柱状物品22が物品載置部42に載置される(
図10を参照)。
【0049】
前記の供給操作の途中で、万が一、第1の可動部16の第1の通路16aと第2の可動部17の第2の通路17aと物品供給部12の物品供給通路12aのいずれかに第1の柱状部品21または第2の柱状物品22が自重では動かない状態(詰まった状態)になった場合には、
図11に示したように、第1の可動部16と第2の可動部17を第3の位置P3から第1の位置P1(
図7を参照)に変化させた後、挿入部18の挿入操作部15aの露出部分を指先等で前方にスライドさせて、棒状部18bを、第2の通路17aの後端から当該第2の通路17aおよび第1の通路16a、必要に応じて物品供給通路12aにまで挿入して、詰まっていた第1の柱状部品21または第2の柱状物品22を物品供給通路12aから物品供給通路12a外へ移動させる。
【0050】
物品載置器40の物品載置部42への第1の柱状部品21と第2の柱状物品22の載置は、前記の供給操作を適宜繰り返すことによって行われる。つまり、遊戯者は、好みの色の第1の柱状部品21と第2の柱状物品22を物品載置器40の物品載置部42に並べて載置することにより、色によって文字や記号や絵や図形等が描かれ、かつ、長さの違いによって立体感が表現された消しゴム母体(図示省略)を作製する。
【0051】
物品載置器40の物品載置部42上に消しゴム母体を作製した後は、当該消しゴム母体に少量の水を加えて専用蓋またはフィルム等で覆ってから物品載置器40ごと電子レンジに入れて1分程度加熱する。これにより、消しゴム母体を構成する第1の柱状部品21と第2の柱状物品22が相互に熱融着して一体化されるため、やけどしない程度に温度が下がってから物品載置器40の物品載置部42から一体化された消しゴムを取り出し、余分な水分を拭き取る。
【0052】
《作用効果:図無し》
前記物品供給器10によれば、柱状物品、特に長さが異なる第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を選択的に1つずつ供給することができる。また、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22の選択的な供給を操作部15の位置切り替えによって簡単に行うことができる。さらに、供給操作途中で、第1の柱状通路16aや第2の柱状通路17a等に物品が詰まった場合でも、当該詰まりを挿入部によって簡単に解消することができる。
【0053】
前記物品収容器30によれば、収容器本体31を物品供給器10の物品収容部14として利用できるため、物品供給器10によって供給される物品の種類を簡単に変えることができる。
【0054】
《部品供給器セット:図無し》
遊戯者に対し好適な部品供給器セットとしては、(C1)物品供給器10と、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を種類別に収容するための物品収容器30との組み合わせと、(C2)物品供給器10と、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を載置するための物品載置器40との組み合わせと、(C3)物品供給器と、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を種類別に収容するための物品収容器30と、第1の柱状物品21と第2の柱状物品22を載置するための物品載置器40との組み合わせ、を挙げることができる。
【0055】
部品供給器セットC1は物品載置器40を既に所持している遊戯者にとって有用であり、部品供給器セットC2は物品収容器30を必要としない遊戯者にとって有用であり、部品供給器セットC3は初めて遊戯を行う遊戯者にとって有用である。勿論、物品供給器10と、種々色の第1の柱状物品21および第2の柱状物品22と、物品収納器30と、物品載置器40は、単品で販売することによって遊戯者のニーズに答えることも可能である。
【符号の説明】
【0056】
10…物品供給器、11…供給器本体、11a…物品整列通路(第3の通路)、11b…第1のスライド孔、11c…第2のスライド孔、11d…ガイド部、12…物品供給部、12a…物品供給通路(第4の通路)、13…物品誘導部、13a…物品遊動室、14…物品収容部、14a…物品収容室、15…操作部、15a…操作部本体、15b…脚部、15c…スライド溝、16…第1の可動部、16a…第1の通路、16b…スライド突起、17…第2の可動部、17a…第2の通路、CS1…第1の付勢部材、CS2…第2の付勢部材、18…挿入部、21…第1の柱状物品、22…第2の柱状物品、30…物品収容器、31…収容器本体、31a…物品収容室、32…蓋部、40…物品載置器、41…載置器本体、42…物品載置部。