(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186709
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0487 20130101AFI20221208BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20221208BHJP
G04G 21/02 20100101ALI20221208BHJP
G04G 9/00 20060101ALI20221208BHJP
G06F 15/02 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G06F3/0487
G06F3/01 510
G04G21/02 Z
G04G9/00 305
G06F15/02 315C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154290
(22)【出願日】2022-09-28
(62)【分割の表示】P 2018059665の分割
【原出願日】2018-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 博明
(57)【要約】
【課題】利便性に優れた表示制御を行う。
【解決手段】電子機器が、制御部と、制御部からの出力に基づいて、該出力に応じた内容を表示する状態と、何も表示しない状態とが切り替わる表示部と、電子機器の姿勢を検知する姿勢センサとを有している。制御部は、姿勢センサによる電子機器の姿勢の検出結果の変化と、電子機器の姿勢が変化する前の制御部からの出力に基づく表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、制御部からの出力に基づく表示部の表示の状態を切り替えるか否かを決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
制御部と、
前記制御部からの出力に基づいて、該出力に応じた内容を表示する状態と、何も表示しない状態とが切り替わる表示部と、
前記電子機器の姿勢を検知する姿勢センサと、を備え、
前記制御部は、
前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かを決定する、
電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、さらに、
前記表示部の表示の状態を切り替えると決定した場合、該表示部の表示の状態を、前記電子機器の前記姿勢が変化する前とは異なる状態へ切り替えて、
前記表示部の表示の状態を切り替えないと決定した場合、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該表示の状態を、前記表示部によって保持させる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器は、ユーザーが操作可能な入力部をさらに備え、
前記制御部は、さらに、
前記入力部に対し、操作が行われたか否かを検知し、
前記入力部に対し、ある時間、無操作であったことを検知した場合に、
前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果と、前記無操作であったことを検知する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かを決定する、
請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、
前記表示部の表示の状態を切り替える処理を実行すると決定した場合、該表示部の表示の状態を、前記無操作であったことを検知する前とは異なる状態へ切り替えて、
前記表示部の表示の状態を切り替えないと決定した場合、前記無操作であったことを検知する前の該表示の状態を、前記表示部によって保持させる、
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記電子機器は、前記制御部に給電する給電源である電池および発電部をさらに備え、
前記制御部は、さらに、
前記入力部に対し、ある時間、無操作であったことを検知した場合に、前記電子機器を前記発電部のみにより駆動できるか否かを決定し、
前記発電部のみにより駆動できると決定した場合であって、かつ、前記無操作であったことを検知する前の前記表示部の表示の状態が、前記制御部からの出力に基づいて前記表示部が表示可能な複数の内容のうちいずれかの内容を表示する状態であった場合に、
前記表示部の表示の状態を、何も表示しない状態へ切り替えせずに、
前記姿勢の検出結果と、前記無操作であったことを検知する前に前記表示部が表示している前記いずれかの内容と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を、前記無操作であったことを検知する前とは異なる状態へ切り替える、
請求項3又は4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、さらに、
前記異なる表示の出力を継続することを優先する設定を、ユーザー操作に応じて登録し、
前記設定が登録されている場合に、前記表示部の表示の状態を何も表示しない状態にはせずに、前記無操作であったことを検知する前とは異なる状態へ切り替えるか、又は、前記無操作であったことを検知する前の該表示の状態を、前記表示部によって保持させる、
請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、さらに、
前記無操作であったことを検知する前とは異なる状態として、該制御部からの出力に基づいて前記表示部が表示可能な前記複数の内容のうち、時計、カレンダー、温度、および、湿度のうちのいずれかを、該表示部によって表示させる状態へ切り替える、
請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、さらに、
前記入力部に対し、ある時間、無操作であったことを検知し、かつ、前記発電部のみにより駆動できないと決定した場合に、
前記姿勢の検出結果と、前記無操作であったことを検知する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替える処理を実行するか否かを決定する、
請求項5乃至7の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記姿勢センサは、
水平面又は前記電子機器の設置面に対する、前記電子機器の表示部および入力部の少なくともいずれかの傾き方を、前記電子機器の前記姿勢として検知する、
請求項1乃至8の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記電子機器は、ユーザーが操作可能な入力部をさらに備え、
前記姿勢センサは、
前記制御部が実行可能な複数の機能のうちの第1の機能に係わる入力操作をユーザーが前記入力部に対して行うのに適した前記電子機器の前記入力部の傾き方、及び、前記複数の機能のうちの前記第1の機能とは異なる第2の機能に係わる内容が表示された前記表示部をユーザーが視認するのに適した前記電子機器の前記表示部の傾き方、のいずれかの傾き方であるか否かを検知可能である、
請求項1乃至9の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記第1の機能は、演算機能であり、
前記第2の機能は、時計表示機能、カレンダー表示機能、温度表示機能、湿度表示機能、又はこれらの組合せを含む、請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記制御部は、
前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替える際に、
演算機能に係わる内容と、時計表示機能、カレンダー表示機能、温度表示機能および湿度表示機能のいずれかの機能係わる内容とを、切り替える、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項13】
前記制御部は、
前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かについての設定を登録する操作を受け付け、
登録する操作を受け付けた前記設定に基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かを決定する、
請求項1乃至12の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項14】
電子機器の制御部が実行する制御方法であって、
前記電子機器は、
制御部と、前記制御部からの出力に基づいて、該出力に応じた内容を表示する状態と、何も表示しない状態とが切り替わる表示部と、前記電子機器の姿勢を検知する姿勢センサと、を備え、
前記制御方法は、
前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かを決定する、
ことを含む、制御方法。
【請求項15】
制御部と、前記制御部からの出力に基づいて、該出力に応じた内容を表示する状態と、何も表示しない状態とが切り替わる表示部と、電子機器の姿勢を検知する姿勢センサと、を備える電子機器の制御部に、
前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かを決定させる、
ためのプログラム。
【請求項16】
電子機器であって、
制御部と、
前記制御部からの出力に基づいて、該出力に応じた内容を表示する状態と、何も表示しない状態とが切り替わる表示部と、を備え、
前記表示部は、前記制御部からの出力に基づいて、
前記電子機器の姿勢の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該表示部の表示の状態と、の組合せに応じて、表示の状態が、前記電子機器の前記姿勢が変化する前とは異なる表示の状態へ切り替わるか、または、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の表示の状態が保持される、
電子機器。
【請求項17】
前記表示部は、前記制御部からの出力に基づいて、さらに、
前記電子機器の姿勢と、前記電子機器の入力部に対し、ある時間、無操作であったことが検知されたときの該表示部の表示の状態と、の組合せに応じて、表示の状態が、前記無操作であったことが検知されたときとは異なる表示の状態へ切り替わるか、または、前記無操作であったことが検知されたときの表示の状態が保持される、
請求項16に記載の電子機器。
【請求項18】
前記表示部は、前記制御部からの出力に基づいて、さらに、
前記電子機器の入力部に対し、ある時間、無操作であったことが検知されたときに、前記電子機器に給電する給電源である電池および発電部のうちの前記発電部のみにより前記電子機器を駆動できる場合であって、かつ、該表示部が前記制御部からの出力に応じた内容を表示している場合に、
何も表示しない状態へ切り替わらずに、
前記電子機器の姿勢と、前記無操作であったことが検知されたときの該表示部の表示の内容と、の組合せに基づいて、前記無操作であったことを検知したときに該表示部が表示している内容とは異なる内容を表示する状態へ切り替わる、
請求項16又は17に記載の電子機器。
【請求項19】
前記表示部は、前記制御部からの出力に基づいて、さらに、
演算機能に係わる内容と、時計表示機能、カレンダー表示機能、温度表示機能および湿度表示機能のいずれかの機能に係わる内容とを、切り替えて表示する、
請求項16乃至18の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項20】
前記表示部は、
水平面又は前記電子機器の設置面に対する、前記電子機器の表示部および入力部の少なくともいずれかの傾き方を、前記電子機器の姿勢として、前記制御部からの出力に基づいて、表示を行う、
請求項16乃至19の何れか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、電子機器の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
メイン機能とサブ機能とを備えた電子機器が一般に知られている。例えば、特許文献1には、メモモードと通常表示モードとを備える電子メモ装置が開示されている。電子メモ装置は、装置本体の傾斜を検出する検出スイッチと、検出スイッチの出力によりモードの切替えを制御する制御回路とを有している。制御回路は、装置本体を寝かせたときと立てかけたときとの検出スイッチの出力により、メモモードと通常表示モードとを切り替える。電子メモ装置は、装置本体を寝かせたときにメモモードをとり、装置本体を立てかけたときに通常表示モードをとる。
【0003】
特許文献1に記載の電子メモ装置は、主に本体装置を寝かせた姿勢で使用するメイン機能(メモ入力機能)と、主に本体装置を立てかけた姿勢で使用するサブ機能(時計等表示機能)とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子機器の姿勢変化に応じた、より利便性に優れた表示制御を行うことが求められる。
【0006】
そこで、本発明は、利便性に優れた表示制御を行う電子機器、電子機器の制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、電子機器である。電子機器は、制御部と、前記制御部からの出力に基づいて、該出力に応じた内容を表示する状態と、何も表示しない状態とが切り替わる表示部と、前記電子機器の姿勢を検知する姿勢センサと、を備える。前記制御部は、前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かを決定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態の電子機器の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、立てて置かれた状態で表示装置に時計及びカレンダー表示をしている電子機器の一例を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、立てて置かれた状態で表示装置に温度及び湿度表示をしている電子機器の一例を示す図である。
【
図2C】
図2Cは、寝かせて置かれた状態で電卓として使用されている電子機器の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、電子機器の状態遷移の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、電子機器の状態遷移の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、電子機器の状態遷移の一例を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、電子機器の遷移検出処理、オートパワーオフ(APO)/ガジェット表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6B】
図6Bは、電子機器の遷移検出処理、APO/ガジェット表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、電子機器のキー入力処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器1の構成の一例を示すブロック図である。電子機器1は、メイン機能(第1の機能)として四則演算などの計算機能、すなわち電卓(演算)機能を有している。電子機器1は、サブ機能(第2の機能)として、時計表示機能、カレンダー表示機能、温度表示機能、湿度表示機能などのガジェット表示機能を有している。電子機器1は、電卓としてのメイン機能とガジェット表示装置としてのサブ機能とを併せ持つデバイスである。電子機器1は、ガジェット表示機能付の電卓であってよい。
【0010】
電子機器1は、CPU10と、RAM12と、ROM14と、時計モジュール16と、温度センサ18と、湿度センサ20と、姿勢センサ22と、電池24と、ソーラー電池26と、入力装置28と、表示駆動部(DD)30と、表示装置32とを有している。
【0011】
CPU10は、電子機器1の各種動作を制御するプロセッサである。RAM12は、データメモリである。ROM14には、各種計算機能を実行するための電卓制御プログラム、時計表示プログラム等の各種プログラム、後述する各種モード等が記憶されている。CPU10は、ROM14に記憶されたプログラムに従って電子機器1の動作を制御し、入力装置28からの入力を受け付けて入力に応じた各種機能等を実行する。CPU10以外のプロセッサ、例えば、ASIC(Application Specification Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0012】
時計モジュール16は、現在の年、月、日、時、分、秒を計時する計時回路を含む。時計モジュール16は、年、月、日、時、分、秒を示す計時信号をCPU10に出力する。
【0013】
温度センサ18は、温度を検出する。湿度センサ20は、湿度を検出する。姿勢センサ22は、電子機器1の水平面又は電子機器1の設置面に対する姿勢、例えば後述する「起」又は「寝」の姿勢を検出する。姿勢センサ22は、電子機器1の加速度を検出する加速度センサであってよい。加速度センサは、互いに直交する3軸に沿ったそれぞれの加速度を検出することで、電子機器1の姿勢を検出する。姿勢センサ22は、電子機器1の角速度を検出する角速度センサであってもよい。角速度センサは、互いに直交する3軸に沿ったそれぞれの角速度を検出し、電子機器1の姿勢の変化から姿勢を推定する。
【0014】
さらに、姿勢センサ22は、物理スイッチの変位を検知することにより、2状態のうち1つの状態を特定可能に構成された変位センサであってもよい。この場合、変位センサとして、例えば、筐体34の底面38に、一部が底面38から突出する基準位置へ位置されるように付勢された物理スイッチを設ける。そして、底面38を鉛直下方へ向けて、つまり、該底面38が略水平方向に沿い、第1の面36が略鉛直方向に沿うように、電子機器1を載置面へ載置したときに、物理スイッチのうち筐体34の底面38から突出した一部が載置面により押下されて、該一部の端部が筐体34の底面38とほぼ面一となる位置まで、物理スイッチが変位する。姿勢センサ22は、この変位を検知しているときに、電子機器1が「起」の姿勢であり、この変位が検知されない場合、すなわち、物理スイッチが基準位置に位置しているときに、電子機器1が「寝」の姿勢であると検知するものであってよい。
【0015】
姿勢センサ22としての同様の物理スイッチは、筐体34の第1の面36の反対側の第2の面48に設けられていてもよい。この場合、姿勢センサ22は、この変位を検知しているときに、電子機器1が「寝」の姿勢であり、この変位が検知されない場合、すなわち、物理スイッチが基準位置に位置しているときに、電子機器1が「起」の姿勢であると検知する。なお、姿勢センサ22としての同様の物理スイッチは、筐体34に少なくとも1つ設けられていればよい。筐体34の各面については、後述する。
【0016】
温度センサ18、湿度センサ20及び姿勢センサ22は、それぞれ、センサによる検出データをデジタル信号化してCPU10に出力する。
【0017】
電池24及びソーラー電池26は、電子機器1に電力を供給する。通常はCPU10の給電源としてボタン電池などの電池24が使用される。例えば電池24の消費を節約する場合などに、電池24に代わってソーラー電池26が使用される。電池24は、1次電池又は2次電池であってよい。
【0018】
入力装置28は、例えば入力キーである。表示装置32は、例えば液晶ディスプレイである。表示装置32は、CPU10により動作を制御されるDD30を介して、CPU10からの出力に応じた電卓表示、時計表示、カレンダー表示、温度表示、湿度表示などをする。表示装置32は、CPU10からの出力に基づいて、出力に応じた内容を表示する状態と、何も表示しない状態とが切り替わる。
【0019】
図2Aは、電子機器1の外観の一例を示す図である。電子機器1の上述の各部は、筐体34に収容されている。筐体34の面のうち最も大きな面の一つである第1の面36に、ソーラー電池26、入力装置28としての入力キー、及び表示装置32が配置されている。
【0020】
筐体34は、平坦な底面38を有している。底面38は、第1の面36と共有する辺と、その共有する辺よりもかなり短い共有しない辺とを有する細長い長方形であり、第1の面36よりも面積がかなり小さい。
図2Aでは、電子機器1は、底面38を机又はテーブルなどの台2の上に立てて置いた状態で示されている。これを、水平面又は電子機器1の設置面に対する、電子機器1の「起」の姿勢と定義する。電子機器1は、例えば自立型である。すなわち、電子機器1は、電子機器1以外の支えなしで「起」の姿勢をとることができる。電子機器1を「起」の姿勢で保持するための補助的な脚部が電子機器1に設けられてもよい。また、自立型でなくても、別体のスタンドや筐体34に一体型のスタンド等を用いて立てて置くことにより「起」の姿勢を保持できればよい。
【0021】
電子機器1は、入力装置28として、複数の入力キー(入力部)を有している。複数の入力キーは、「0」から「9」までの数字が付された数字キー、「+」、「-」、「×」、「÷」が付された加減乗除の演算キー、「=」が付されたイコールキー、「AC」が付されたACキー40、「OFF」が付されたOFFキー42、時計マークが付された時計キー44、各種機能キー46などを含む。入力装置28の各入力キーによる入力操作は、入力信号としてCPU10に伝達される。
【0022】
図2Aでは、表示装置32には時計及びカレンダーが表示されている。ここでは、一例として、14時23分を表す「14-23」と、11月5日を表す「11-05」とが示されている。時計としての時分表示、カレンダーとしての月日表示以外にも、時計としての時分秒表示、カレンダーとしての年月日表示、あるいは曜日表示がされてよい。時計キー44には、時計表示への切替え機能が割り当てられている。例えば、ユーザーが時計キー44を押下すると、CPU10は表示装置32に時計を表示させる。
【0023】
図2Bは、「起」の姿勢での電子機器1の他の表示の一例を示す図である。
図2Bでは、表示装置32には温度及び湿度が表示されている。各種機能キー46に、温度及び湿度表示への切替え機能が割り当てられてよい。例えば、ユーザーが機能キー46を押下すると、CPU10は表示装置32に温度及び湿度を表示させる。
【0024】
なお、
図2Bに示されるX、Y及びZ方向は、台2に固定された3軸方向である。台2の水平面がXY平面である。
【0025】
電子機器1の「起」の姿勢における推奨機能はサブ機能である。「起」の姿勢では、表示装置32は、主に、サブ機能に基づく表示、例えば時計表示をする。すなわち、
図2A及び
図2Bに示されるように、電子機器1が台2に立てて置かれた状態では、電子機器1は、主に、サブ機能によるガジェット表示装置として使用される。
【0026】
図2Cは、電子機器1が電卓として使用されている状態の一例を示す図である。
図2Cでは、電子機器1は、第1の面36の反対側の第2の面48を台2の上に寝かせて置かれた状態で示されている。これを、水平面又は電子機器1の設置面に対する、電子機器1の「寝」の姿勢と定義する。
【0027】
電子機器1は、メイン機能で使用される場合、すなわち電卓として使用される場合には、
図2Cに示されるように、通常、台2の上に寝かせて置いた状態で使用される。電卓として使用される場合には入力装置28の入力キーが頻繁に押下されるため、第1の面36が台2と略平行(略水平)となるように電子機器1を台2の上に寝かせて置くのが最も使いやすい。つまり、電子機器1をメイン機能として使用する場合の推奨姿勢は「寝」である。電子機器1の「寝」の姿勢における推奨機能はメイン機能であってよい。
【0028】
電子機器1は、メイン機能である電卓として使用される場合以外には、
図2A及び
図2Bに示されるように、第1の面36が台2と略直交(略鉛直)となるように、台2の上に立てて置かれてよい。台2の上に立てて置かれたとき、電子機器1は、サブ機能で使用されてよい。電子機器1をサブ機能として使用する場合の推奨姿勢は「起」である。
【0029】
電子機器1の使用態様として、以下のものが挙げられる。
例えば、電子機器1を電卓として使用するとき、ユーザーは、
図2Cに示されるように、電子機器1の第2の面48を台2の上に置いて寝かせた状態で使用する。そして、ユーザーは、電子機器1を電卓として使い終えると、電子機器1の底面38を台2の上に立てて置く。電子機器1は、立てて置かれた状態で
図2Aに示されるように時計及びカレンダー表示をする。
【0030】
このように、電子機器1は、メイン機能では「寝」の姿勢で使用されることができ、メイン機能で使用しない場合には「起」の姿勢とされてよい。メイン機能で使用しない「起」の姿勢の場合には、電子機器1は、さらに、サブ機能に係わる表示をしてよい。
【0031】
電卓機能のみを備える通常の電卓では、ユーザーは、使用時には電卓を台2に寝かせて置いた状態で使用し、非使用時には表示を切って電卓を台2にそのまま寝かせて置いたり引き出し等にしまったりする。台2にそのまま寝かせて置く場合には台2の上で第1の面36の面積分のスペースを占有して邪魔になりうる。引き出し等にしまう場合にはしまう動作及び使用時にまた取り出す動作が生じる。
【0032】
これに対して、電子機器1では、ユーザーは、メイン機能使用時には電子機器1を「寝」の姿勢で電卓として使用し、メイン機能非使用時には電子機器1を「起」の姿勢でガジェット表示装置として使用できる。非使用時に電子機器1を台2の上に自立させることで台2の上で第1の面36よりもかなり小さい底面38の面積分のみのスペース占有で済み、引き出しにしまわなくても邪魔にならない。さらに、メイン機能非使用時には種々の情報を表示するガジェット表示装置として実用的に用いることが可能である。
【0033】
上述の使用態様は一例である。CPU10は、「起」の姿勢で表示装置32に電卓表示をさせてもよいし、「寝」の姿勢で表示装置32に時計表示、カレンダー表示、温度表示、湿度表示などをさせてもよい。上述したように、電子機器1をメイン機能として使用する場合の推奨姿勢は「寝」、サブ機能として使用する場合の推奨姿勢は「起」であるが、推奨姿勢とは異なる姿勢であっても、電子機器1をメイン機能又はサブ機能で使用することが可能である。電子機器1は、ユーザーの設定に応じて、さまざまな使用態様が可能である。
【0034】
ここで、
図2A乃至2Cに示すように、本実施形態の入力装置28及び表示装置32は、電子機器1に対し変位不能に固定されて、設けられている。したがって、電子機器1が「起」の姿勢であるときには、入力装置28及び表示装置32も「起」の姿勢であり、電子機器1が「寝」の姿勢であるときには、入力装置28及び表示装置32も「寝」の姿勢である。
【0035】
したがって、本実施形態では、電子機器1が「寝」の姿勢であるときには、入力装置28も「寝」の姿勢であり、このとき、入力装置28は、電子機器1が実行可能な複数の機能のうちのメイン機能としての計算機能に係わる入力操作を、ユーザーが入力装置28に対して行うのに適した傾き方である。また、電子機器1が「起」の姿勢であるときには、表示装置32も「起」の姿勢であり、このとき、表示装置32は、電子機器1が実行可能な複数の機能のうちのサブ機能としてのガジェット表示機能に係わる表示が出力された表示装置32をユーザーが視認するのに適した傾き方である。つまり、姿勢センサ22は、メイン機能に係わる入力操作をユーザーが入力装置28に対して行うのに適した傾き方、および、サブ機能に係わる表示が出力された表示装置32をユーザーが視認するのに適した傾き方、のいずれかの傾き方であるか否かを区別して検知可能である。
【0036】
なお、本実施形態の入力装置28及び表示装置32は、それぞれ独立に、電子機器1に対し相対的に変位可能に設けられてよい。つまり、入力装置28及び表示装置32は、電子機器1が「起」の姿勢であるときに、ユーザー操作に基づいてあるいは自動で、「起」及び「寝」の姿勢のいずれかの姿勢となるように変位可能に、電子機器1に対して設けられてよい。そして、姿勢センサ22は、入力装置28の姿勢が「起」及び「寝」の姿勢のいずれの姿勢であるかと、表示装置32の姿勢が「起」及び「寝」の姿勢のいずれの姿勢であるかと、を個別に検出可能であってよい。姿勢センサ22は、入力装置28の姿勢と、表示装置32の姿勢を、それぞれ個別に検知可能な複数のセンサ部を含んでよい。
【0037】
この場合、電子機器1の姿勢にかかわらず、電子機器1の入力装置28が「寝」の姿勢であることが、姿勢センサ22により検知された場合、入力装置28は、電子機器1が実行可能な複数の機能のうちのメイン機能としての計算機能に係わる入力操作を、ユーザーが入力装置28に対して行うのに適した傾き方である。また、電子機器1の姿勢にかかわらず、電子機器1の表示装置32が「起」の姿勢であることが、姿勢センサ22により検知された場合、表示装置32は、電子機器1が実行可能な複数の機能のうちのサブ機能としてのガジェット表示機能に係わる表示が出力された表示装置32を、ユーザーが視認するのに適した傾き方である。このように、姿勢センサ22は、電子機器1の姿勢にかかわらず、メイン機能に係わる入力操作をユーザーが入力装置28に対して行うのに適した傾き方、および、サブ機能に係わる表示が出力された表示装置32をユーザーが視認するのに適した傾き方、のいずれかの傾き方であるか否かを、区別して検知可能に構成されてよい。
【0038】
本実施形態に係る電子機器1では、電子機器1の現在の状態に対する種々の遷移条件が設定されている。CPU10は、電子機器1の姿勢の変化等が遷移条件を満たしたとき、電子機器1を遷移後の状態(表示)へと遷移させる。つまり、CPU10は、姿勢センサ22による電子機器1の姿勢の検出結果の変化と、電子機器1の姿勢が変化する前のCPU10からの出力に基づく表示装置32の表示の状態と、の組合せに基づいて、CPU10からの出力に基づく表示装置32の表示の状態を切り替えるか否かを決定する。
【0039】
以下、電子機器1の姿勢の変化があったこと又は所定時間操作入力がないことに基づく電子機器1の状態遷移について、
図3乃至
図5を参照して説明する。
図3乃至
図5及び以下の説明では、No.1~15の15のモードを、電子機器1のメイン機能に係わる表示を「電卓」、サブ機能に係わる表示を「時計」と称して例示する。つまり、
図3の「時計」は、「カレンダー」、「温度」、「湿度」又はこれらの組合せと読み替えてもよい。なお、No.1~15のモードは電子機器1が備える全てのモードではなく、例示にすぎない。他のモードがあってもよい。
【0040】
図3は、電子機器1の状態遷移の一例を示す図である。
モードNo.1~8は、姿勢センサ22が電子機器1の姿勢の変化を検出したことによる電子機器1の表示の遷移の一例を示している。姿勢センサ22は、電子機器1の姿勢の変化を検出したことをCPU10に伝達し、CPU10は、表示装置32の表示を変更させたり保持したりする。
【0041】
モードNo.1では、電子機器1の現在の姿勢は「寝」であり、電子機器1は電卓として使用されている。すなわち、表示装置32の表示は電卓である。この状態からユーザーが電子機器1を起こす、すなわち電子機器1の姿勢を「寝」から「起」にすると、表示が時計に切り替わる。なお、
図3の「遷移条件」の項目において、上向きの矢印(「↑」)は電子機器1の姿勢を「寝」から「起」にする動作を表している。
【0042】
電子機器1を電卓として使用する場合、「寝」の姿勢で使用するのが常態である。それ故、ユーザーが電卓表示中の電子機器1の姿勢を「寝」から「起」にするのは、電卓として使用しない場合であると考えられる。したがって、モードNo.1では、姿勢センサ22が電子機器1の「寝」から「起」への姿勢変化を検出したことを遷移条件として、CPU10は、表示を電卓から時計に切り替えさせる。
【0043】
モードNo.2では、電子機器1の現在の姿勢は「寝」であり、表示装置32の表示は時計である。この状態からユーザーが電子機器1を起こしても、時計表示が保持される。
【0044】
電子機器1の姿勢が「寝」であって時計が表示されている場合、ユーザーは電子機器1を時計として使用していると考えられる。それ故、ユーザーが時計表示中の電子機器1の姿勢を「寝」から「起」にしても、ユーザーは電子機器1を時計として使用し続けたいものとし、姿勢センサ22が電子機器1の「寝」から「起」への姿勢変化を検出しても、電子機器1は時計表示を保持する。
【0045】
モードNo.3では、電子機器1の現在の姿勢は「寝」であり、表示装置32の表示は時計である。モードNo.3では、
図3の「現在の状態に至る経緯」の項目にあるように、ユーザーが時計キー44を押下したことによって時計表示がされている。この状態からユーザーが電子機器1を起こしても、時計表示が保持される。
【0046】
電子機器1の姿勢が「寝」であって時計キー44の押下により時計が表示されている場合、ユーザーは電子機器1を自ら望んで時計として使用していると考えられる。それ故、ユーザーが時計表示中の電子機器1の姿勢を「寝」から「起」にしても、ユーザーは電子機器1を時計として使用し続けたいものとし、姿勢センサ22が電子機器1の「寝」から「起」への姿勢変化を検出しても、電子機器1は時計表示を保持する。
【0047】
モードNo.4では、電子機器1の現在の姿勢は「寝」であり、表示装置32の表示はOFFである。この状態からユーザーが電子機器1を起こすと、時計が表示されるか、表示OFFが保持される。いずれとなるかは、ユーザーが予め設定可能であり、その設定による。
【0048】
「寝」の姿勢の電子機器1の表示がOFFである場合、ユーザーは電子機器1を電卓としてもガジェット表示装置としても使用していない。姿勢センサ22が電子機器1の「寝」から「起」への姿勢変化を検出することで電子機器1がガジェット表示装置として使用するように、ユーザーが設定していた場合、姿勢変化検出に応じて、時計が表示されてよい。これにより、例えば、電子機器1が「起」の姿勢では必ずガジェット表示装置として使用することを所望するユーザーにとっての利便性を高めることができる。また、姿勢センサ22が電子機器1の「寝」から「起」への姿勢変化を検出することで電子機器1がガジェット表示装置として使用するように、ユーザーが設定していない(表示OFFを保持するように設定している)場合、姿勢変化検出に応じて、表示OFFが保持されてよい。これにより、例えば、電池24の節約(省電力)を重視するユーザーにとっての利便性を高めることができる。
【0049】
モードNo.5では、電子機器1の現在の姿勢は「起」であり、表示装置32の表示は電卓である。この状態からユーザーが電子機器1を寝かせても、電卓表示が保持される。なお、
図3の「遷移条件」の項目において、下向きの矢印(「↓」)は電子機器1の姿勢を「起」から「寝」にする動作を表している。
【0050】
電子機器1は「寝」の姿勢では主に電卓として使用される。したがって、モードNo.5では、姿勢センサ22が電子機器1の「起」から「寝」への姿勢変化を検出しても、電子機器1は電卓表示を保持する。
【0051】
モードNo.6では、電子機器1の現在の姿勢は「起」であり、表示装置32の表示は時計である。この状態からユーザーが電子機器1を寝かせると、表示が電卓に切り替わる。
【0052】
電子機器1は「寝」の姿勢では主に電卓として使用される。したがって、ユーザーが時計表示中の電子機器1の姿勢を「起」から「寝」にしたら電子機器1を電卓として使用する意思があるものとし、姿勢センサ22が電子機器1の「起」から「寝」への姿勢変化を検出したことを遷移条件として、CPU10は、表示を時計から電卓に切り替えさせる。
【0053】
モードNo.7では、電子機器1の現在の姿勢は「起」であり、表示装置32の表示は時計である。モードNo.7では、
図3の「現在の状態に至る経緯」の項目にあるように、ユーザーが時計キー44を押下したことによって時計表示がされている。この状態からユーザーが電子機器1を寝かせても、時計表示が保持される。
【0054】
電子機器1は「寝」の姿勢では主に電卓として使用される。しかしながら、ユーザーが電子機器1の時計キー44を押下することにより時計表示となっている場合には、たとえユーザーが電子機器1の姿勢を「起」から「寝」にしたとしても、ユーザーは電子機器1を時計として使用し続けたいものとし、姿勢センサ22が電子機器1の「起」から「寝」への姿勢変化を検出しても、電子機器1は時計表示を保持する。
【0055】
モードNo.8では、電子機器1の現在の姿勢は「起」であり、表示装置32の表示はOFFである。この状態からユーザーが電子機器1を寝かせると、電卓が表示されるか、表示OFFが保持される。いずれとなるかは、ユーザーが予め設定可能であり、その設定による。
【0056】
「起」の姿勢の電子機器1の表示がOFFである場合、ユーザーは電子機器1を電卓としてもガジェット表示装置としても使用していない。姿勢センサ22が電子機器1の「起」から「寝」への姿勢変化を検出することで電子機器1のメイン機能(電卓機能)を使用するように、ユーザーが設定していた場合、姿勢変化検出に応じて、電卓が表示されてよい。これにより、例えば、電子機器1が「寝」の姿勢では必ず電卓を使用することを所望するユーザーにとっての利便性を高めることができる。また、姿勢センサ22が電子機器1の「起」から「寝」への姿勢変化を検出することで電子機器1のメイン機能(電卓機能)を使用するように、ユーザーが設定していない(表示OFFを保持するように設定している)場合、姿勢変化検出に応じて、表示OFFが保持されてよい。これにより、例えば、電池24の節約(省電力)を重視するユーザーにとっての利便性を高めることができる。
【0057】
モードNo.9~15は、ユーザーが電子機器1を所定時間操作しないことによる電子機器1の表示の遷移の一例を示している。ここで、ユーザーが電子機器1を所定時間操作しない(
図3では遷移条件として「所定時間無操作」と表している)とは、ユーザーが所定時間入力キーを押下しないことを指す。
【0058】
モードNo.9では、電子機器1の現在の姿勢は「寝」であり、表示装置32の表示は電卓である。この状態でユーザーが電子機器1を所定時間操作しないと、表示がOFFに切り替わる。これは、いわゆるオートパワーオフ(APO)と呼ばれる制御である。
【0059】
ユーザーが電子機器1を電卓として使用している「寝」の姿勢において、ユーザーが電子機器1を所定時間操作しなかったときは、電池24を節約するため、CPU10は、電子機器1の表示をOFFに切り替えさせる。
【0060】
モードNo.10では、電子機器1の現在の姿勢は「起」であり、表示装置32の表示は電卓である。この状態でユーザーが電子機器1を所定時間操作しないと、表示が時計に切り替わるか、OFFに切り替わる(APO)。いずれとなるかは、ユーザーが予め設定可能であり、その設定による。
【0061】
電子機器1の姿勢が「起」であれば、ユーザーは通常電子機器1を電卓として使用しない。このため、電子機器1の姿勢が「起」であって電卓表示のまま所定時間無操作の場合には、電子機器1はガジェット表示に切り替えられてよい。その場合、例えば、電子機器1が「起」の姿勢では必ずガジェット表示装置として使用することを所望するユーザーにとっての利便性を高めることができる。あるいは、ユーザーの設定に応じて、表示をOFFとしてもよい。その場合、例えば、電池24の節約(省電力)を重視するユーザーにとっての利便性を高めることができる。
【0062】
モードNo.11では、電子機器1の現在の姿勢は「寝」であり、表示装置32の表示は電卓である。モードNo.11では、
図3の「現在の状態に至る経緯」の項目にあるように、電子機器1の姿勢が「寝」であって表示がOFFのときにユーザーがACキー40を押下したことによって電卓表示がされている。この状態でユーザーが電子機器1を所定時間操作しないと、表示がOFFに切り替わる(APO)。
【0063】
ユーザーが電子機器1を電卓として使用している「寝」の姿勢において、ユーザーが電子機器1を所定時間操作しなかったときには、電池24を節約するため、CPU10は、電子機器1の表示をOFFに切り替えさせる。
【0064】
モードNo.12では、電子機器1の現在の姿勢は「起」であり、表示装置32の表示は時計である。モードNo.12では、
図3の「現在の状態に至る経緯」の項目にあるように、電子機器1の姿勢が「起」であって表示がOFFのときにユーザーが入力キーのうちのいずれかのキー(Anyキーと称する)を押下したことによって時計表示がされている。この状態でユーザーが電子機器1を所定時間操作しないと、表示がOFFに切り替わる(APO)か、時計表示が保持される。いずれとなるかは、ユーザーが予め設定可能であり、その設定による。
【0065】
電子機器1が時計表示している「起」の姿勢にあって、ユーザーが電子機器1を所定時間操作しなかったときには、電池24を節約するため、電子機器1の表示がOFFに切り替えられてよい。あるいは、ユーザーの設定に応じて、時計表示を保持してよい。つまり、電子機器1が「起」の姿勢では必ずガジェット表示装置として使用したいか、それよりも、省電力を優先したいかによって、それぞれに応じた設定を予め行っておくことにより、ユーザーが所望の動作を選定することができる。
【0066】
なお、
図3のモードNo.11、12の「現在の状態に至る経緯」及び「現在の状態」については、
図7を参照して後述する。
【0067】
モードNo.13では、電子機器1の現在の姿勢は「起」であり、表示装置32の表示は時計である。モードNo.13では、
図3の「現在の状態に至る経緯」の項目にあるように、電子機器1はモードNo.4の遷移を経て現在の状態に至っている。すなわち、表示OFFの状態の電子機器1が「寝」から「起」に姿勢変化されることで、表示装置32に時計表示がされている。この状態でユーザーが電子機器1を所定時間操作しないと、表示がOFFに切り替わる(APO)か、時計表示が保持される。いずれとなるかは、ユーザーが予め設定可能であり、その設定による。
【0068】
電子機器1が時計表示している「起」の姿勢にあって、ユーザーが電子機器1を所定時間操作しなかったときには、電池24を節約するため、電子機器1の表示がOFFに切り替えられてよい。あるいは、ユーザーの設定に応じて、時計表示を保持してよい。つまり、所定時間操作しなかったときであっても、電子機器1が「起」の姿勢では必ずガジェット表示装置として使用したいか、それよりも、所定時間操作しなかったときには、省電力を優先したいかによって、それぞれに応じた設定を予め行っておくことにより、ユーザーが所望の動作を選定することができる。
【0069】
モードNo.14では、電子機器1の現在の姿勢は「起」であり、表示装置32の表示は時計である。モードNo.14では、電子機器1は、
図3の「現在の状態に至る経緯」の項目にあるように、モードNo.1~3のいずれかの遷移を経て現在の状態に至っている。すなわち、電卓又は時計表示の状態の電子機器1が「寝」から「起」に姿勢変化されることで、表示装置32に時計表示がされている。この状態でユーザーが電子機器1を所定時間操作しないと、表示がOFFに切り替わる(APO)か、時計表示が保持される。いずれとなるかは、ユーザーが予め設定可能であり、その設定による。
【0070】
電子機器1が時計表示している「起」の姿勢にあって、ユーザーが電子機器1を所定時間操作しなかったときには、電池24を節約するため、電子機器1の表示がOFFに切り替えられてよい。あるいは、ユーザーの設定に応じて、時計表示を保持してよい。つまり、所定時間操作しなかったときであっても、電子機器1が「起」の姿勢では必ずガジェット表示装置として使用したいか、それよりも、所定時間操作しなかったときには、省電力を優先したいかによって、それぞれに応じた設定を予め行っておくことにより、ユーザーが所望の動作を選定することができる。
【0071】
モードNo.15では、電子機器1の現在の姿勢は「寝」(モードNo.15-1)又は「起」(モードNo.15-2)であり、表示装置32の表示は時計である。モードNo.15では、
図3の「現在の状態に至る経緯」の項目にあるように、電子機器1が「寝」又は「起」の姿勢でユーザーが時計キー44を押下したことによって時計表示がされている。この状態でユーザーが電子機器1を所定時間操作しないと、表示は時計を保持するか、表示がOFFに切り替わる(APO)。いずれとなるかは、ユーザーが予め設定可能であり、その設定による。
【0072】
電子機器1が時計表示している「寝」の姿勢であっても「起」の姿勢であっても、ユーザーが時計キー44を押下して時計表示となっている場合には、ユーザーが電子機器1を所定時間操作しなくても、ユーザーは電子機器1を時計として使用し続けたいものとし、時計表示を保持してよい。あるいは、ユーザーの設定に応じて、電池24を節約するため、電子機器1の表示がOFFに切り替えられてよい。つまり、所定時間操作しなかったときであっても、時計キー44を押下して時計表示とした場合には必ずガジェット表示装置として使用したいか、それよりも、所定時間操作しなかったときには、時計キー44を押下して時計表示とした場合でも省電力を優先したいかによって、それぞれに応じた設定を予め行っておくことにより、ユーザーが所望の動作を選定することができる。
【0073】
モードNo.9~15では、
図3の「ソーラー判定」の項目に○で示したように、CPU10がソーラー電池26の使用可否の判定をして、使用可能な場合には、電池24を給電源とするかしないかにかかわらず、ソーラー電池26も給電源としてよい。電子機器1の使用環境の照度が十分明るく、ソーラー電池26が使用可能であった場合、電子機器1は、例えば、モードNo.10、12~15において給電源として少なくともソーラー電池26を使用する「ソーラーフル活用モード」で動作してよい。モードNo.10、12~15のソーラーフル活用モードでは、
図3の「遷移後の状態」の「表示」が時計に設定される。ソーラーフル活用モードでは、所定時間無操作であってもAPOとはせず、ソーラー電池26を給電源としてガジェット表示に切り替える、又はガジェット表示を継続させる。これにより、電子機器1が「起」の姿勢か「寝」の姿勢かにかかわらず、電池24の消耗を気にせず必ずガジェット表示装置として使用することで、電子機器1をガジェット表示装置として使用したいユーザーだけでなく、省電力を優先したいユーザーの利便性も高めることができる。
【0074】
あるいは、電子機器1の使用環境の照度が十分でなく、ソーラー電池26が使用可能でなかった場合、電子機器1は、モードNo.10、12~15において給電源としてソーラー電池26を使用せず電池24を使用する「電池節約モード」で動作してよい。モードNo.10、12~15の電池節約モードでは、
図3の「遷移後の状態」の「表示」がOFFで動作してよい。すなわち、電池節約モードでは、所定時間無操作であればAPOとして電池24を節約する。これにより、電池24の節約(省電力)を重視するユーザーにとっての利便性を高めることができる。
【0075】
図4は、
図3に示されるモードNo.9~15を電子機器1の現在の状態の観点から整理した図である。
【0076】
電子機器1の現在の姿勢が「寝」であり、表示が電卓である場合、ソーラー電池26が使用可能であるかどうかにかかわらず、所定時間無操作であった場合に遷移条件が満たされて、表示がOFFに切り替わる(モードNo.9、11)。
【0077】
電子機器1の現在の姿勢が「寝」であり、表示が時計である場合、所定時間無操作であった場合に遷移条件が満たされて、「ソーラーフル活用モード」では、時計表示が保持され、「電池節約モード」では、表示がOFFに切り替わる(モードNo.15-1)。
【0078】
電子機器1の現在の姿勢が「起」であり、表示が電卓である場合、所定時間無操作であった場合に遷移条件が満たされて、「ソーラーフル活用モード」では、時計表示に切り替えられ、「電池節約モード」では、表示がOFFに切り替わる(モードNo.10)。
【0079】
電子機器1の現在の姿勢が「起」であり、表示が時計である場合、所定時間無操作であった場合に遷移条件が満たされて、「電池節約モード」では、表示がOFFに切り替えられ、「ソーラーフル活用モード」では、時計表示が保持される(モードNo.12~14、15-2)。
【0080】
なお、ソーラー電池26が内蔵された電子機器1において、無操作のまま所定時間が経過したときに、電子機器1の使用環境の照度が十分でなく、ソーラー電池26が使用可能でなかった場合であっても、モードNo.10、12~15において、
図3の「遷移後の状態」の「表示」が時計に設定されて、かつ、継続的に電池24を使用する「ガジェット表示優先モード」を、ユーザーが設定できてもよい。これにより、電子機器1が「起」の姿勢か「寝」の姿勢かにかかわらず、かつ、ソーラー電池26が使用可能であるかどうかにかかわらず、電子機器1を必ずガジェット表示装置として使用することを所望するユーザーにとっての利便性を高めることができる。
【0081】
図5は、
図3に示されるモードのうち、現在の状態が時計表示であるものの一部を抜粋した図である。各モードの利点は、前述の通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0082】
時計キー44の押下により時計表示をしている「寝」の姿勢の電子機器1が起こされても、電子機器1は時計表示を保持する(モードNo.3)。
【0083】
時計キー44の押下により時計表示をしている「寝」又は「起」の姿勢の電子機器1が所定時間操作されないと、電子機器1は時計表示を保持するか、表示OFFに切り替えられる(モードNo.15)。
【0084】
時計表示をしている「起」の姿勢の電子機器1が寝かせられると、電子機器1は電卓表示に切り替えられる(モードNo.6)。
【0085】
時計キー44の押下により時計表示をしている「起」の姿勢の電子機器1が寝かせられると、電子機器1は時計表示を保持する(モードNo.7)。
【0086】
本実施形態では、CPU10は、モードNo.1~15に従い、電子機器1の姿勢及び無操作の経過時間に応じた最適な制御を行う。CPU10は、姿勢センサ22が検出する第1の姿勢(電子機器1を台2の支持面上に寝かせた「寝」の姿勢)及び第2の姿勢(電子機器1を台2の支持面上に立てた「起」の姿勢)と、メイン機能に係わる表示及びサブ機能に係わる表示との組合せに基づいて、表示を出力しないこと又は出力する表示を選択する。
【0087】
図6A及び
図6Bは、電子機器1における遷移検出処理、APO/ガジェット表示処理の一例のフローチャートである。
【0088】
ステップS11において、CPU10は、入力キーによる入力があったか否かを判定する。入力があったと判定された場合には(Yes)、処理はステップS12に進む。入力がないと判定された場合には(No)、処理はステップS21に進む。
【0089】
ステップS12において、CPU10は、所定時間無操作であるかを判定するためのカウンタをクリアする処理を行う。
【0090】
ステップS13において、CPU10は、入力キーによる入力に基づく処理を行う。例えば、数字キーや演算キーが入力された場合には演算処理を行い、時計キー44が入力された場合には時計表示処理を行う。ステップS13の後、処理はステップS14に進む。
【0091】
ステップS14において、CPU10は、姿勢センサ22が電子機器1の「寝」から「起」への姿勢変化を検出したか否かを判定する。姿勢変化を検出したと判定された場合には(Yes)、処理はステップS15に進む。姿勢変化を検出しなかったと判定された場合には(No)、処理はステップS16に進む。
【0092】
ステップS15において、CPU10は、電子機器1の「寝」から「起」への姿勢変化の検出があった場合の各モード(モードNo.1~4)に従う状態設定を行う。ステップS15の後、処理はステップS18に進む。
【0093】
ステップS16において、CPU10は、姿勢センサ22が電子機器1の「起」から「寝」への姿勢変化を検出したか否かを判定する。姿勢変化を検出したと判定された場合には(Yes)、処理はステップS17に進む。姿勢変化を検出しなかったと判定された場合には(No)、処理はステップS11に戻る。
【0094】
ステップS17において、CPU10は、電子機器1の「起」から「寝」への姿勢変化の検出があった場合の各モード(モードNo.5~8)に従う状態設定を行う。ステップS17の後、処理はステップS18に進む。
【0095】
ステップS18において、CPU10は、ステップS15又はS17での状態設定に基づく表示処理を行う。なお、ここでの状態設定はAPOを除く。ステップS18の後、ステップS19において、CPU10は、所定時間無操作であるかを判定するためのカウンタをクリアする処理を行う。その後、処理はステップS11に戻る。
【0096】
ステップS11において入力がないと判定された場合には(No)、処理はステップS21に進む。ステップS21において、CPU10は、カウンタを更新する。
【0097】
ステップS22において、CPU10は、カウンタのカウント数に基づいて、所定時間無操作であるか、すなわち無操作のまま所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過したと判定されなかった場合には(No)、処理はステップS14に進む。所定時間経過したと判定された場合には(Yes)、処理はステップS23に進む。
【0098】
ステップS23において、CPU10は、電子機器1がソーラー駆動の可否を、すなわち給電源をソーラー電池26とすることができるか否かを判定する。既にソーラー駆動中である場合には、CPU10は、ソーラー駆動可能であると判定してよい。ソーラー駆動不可であると判定された場合には(No)、処理はステップS24に進む。ソーラー駆動可能であると判定された場合には(Yes)、処理はステップS27に進む。なお、電子機器1がソーラー電池26を備えない場合は、ソーラー駆動不可であると判定してもよいし、ステップS23の判定処理を省略して、処理がステップS24に進んでもよい。
【0099】
ステップS24において、CPU10は、無操作のまま所定時間が経過したときに、ソーラー駆動が不可であった場合の各モード(モードNo.9~15(ソーラー駆動不可))に従う状態設定を行う。
【0100】
ステップS25において、CPU10は、ステップS24での状態設定がAPOであるか否かを判定する。APOでないと判定された場合には(No)、処理はステップS18に進む。その後の処理は、前述した通りであるので、説明を省略する。
【0101】
ステップS25において、APOであると判定された場合には(Yes)、処理はステップS26に進む。ステップS26において、CPU10は、表示装置32の表示をOFFとする(APO)。ステップS26の後、処理は終了する。
【0102】
一方、ステップS23において、ソーラー駆動可能であると判定された場合には(Yes)、処理はステップS27に進む。ステップS27において、CPU10は、「ガジェット表示優先モード」が設定されているかどうかを判定する。
【0103】
ステップS27において、「ガジェット表示優先モード」が設定されていると判定された場合には(Yes)、処理はステップS28に進む。ステップS28において、CPU10は、表示装置32にサブ機能に係わるガジェット表示をさせる。ここでは、
図3に示されるモードNo10、12~15の「遷移後の状態」の「表示」として「時計」が設定されているものとしている。ステップS28の後、処理はステップS19に進み、CPU10は、所定時間無操作であるかを判定するためのカウンタをクリアする処理を行う。その後、処理はステップS11に戻る。
【0104】
一方、ステップS27において、「ガジェット表示優先モード」が設定されていると判定されなかった場合には(No)、処理はステップS29に進む。ステップS29において、CPU10は、無操作のまま所定時間が経過したときに、ソーラー駆動が可能であった場合の各モード(モードNo.9~15(ソーラー駆動可能))に従う状態設定を行う。
【0105】
なお、電子機器1は「ガジェット表示優先モード」を設定できないものであってもよい。その場合、ステップS23において、ソーラー駆動可能であると判定された場合には(Yes)、CPU10は、ステップS27の処理を実行せず、ステップS29に処理を進めてもよい。
【0106】
ステップS29の後、処理はステップS25に進む。その後の処理は、前述した通りであるので、説明を省略する。
【0107】
また、ステップS22において、CPU10は、カウンタのカウント数に基づいて、所定時間経過したと判定された場合に(Yes)、処理をステップS27へ進めてもよい。この場合、ステップS27において、「ガジェット表示優先モード」が設定されていると判定された場合には、処理はステップS28に進む。一方、ステップS27において、「ガジェット表示優先モード」が設定されていると判定されなかった場合には(No)、処理はステップS23に進む。ステップS23において、ソーラー駆動不可であると判定された場合には(No)、処理はステップS24に進み、ソーラー駆動可能であると判定された場合には(Yes)、処理はステップS29に進む。ステップS24、S28、S29の各処理より後の処理は、前述した通りであるので、説明を省略する。
【0108】
このように、本実施形態では、メイン機能に係わる表示又はサブ機能に係わる表示をしているときに所定時間入力を受け付けなかった場合(ステップS22-Yes)、ソーラー電池26の使用可否を判定する(ステップS23)。そして、ソーラー電池26が使用可能な場合(ステップS23-Yes)であってガジェット表示優先設定の場合には(ステップS27-Yes)、ソーラー電池26を給電源として選択し、サブ機能に係わる表示を出力中であればそのままサブ機能に係わる表示を保持する(ステップS28;例えばモードNo.12~15の「遷移後の状態」の「表示」の「時計」)。
【0109】
また、CPU10は、ソーラー電池26の使用可否の判定(ステップS23)において使用不可の場合(ステップS23-No)、表示を出力しない(ステップS26;例えばモードNo.9~15の「遷移後の状態」の「表示」の「OFF」)、又は、状態設定に基づく表示処理(APOを除く)をする(ステップS18;例えばモードNo.10、12~15の「遷移後の状態」の「表示」の「時計」)。あるいは、CPU10は、ソーラー電池26が使用可能(ステップS23-Yes)であるがガジェット表示優先設定でない場合には(ステップS27-No)、表示を出力しない(ステップS26;例えばモードNo.9~15の「遷移後の状態」の「表示」の「OFF」)。
【0110】
図7は、キー入力処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示される処理は、例えば、
図6のステップS24又はS29のAPOの後の処理であってよい。もちろん、ユーザーがOFFキー42を押下した後の処理であってもよい。すなわち、ステップS31における電子機器1の表示はOFFである。
図7に示される処理は、モードNo.11又は12の「現在の状態に至る経緯」及び「現在の状態」に対応している。
【0111】
ステップS31において、CPU10は、姿勢センサ22による姿勢検出により、電子機器1の姿勢が「寝」であるか「起」であるかを判定する。「寝」であると判定された場合には、処理はステップS32に進む。「起」であると判定された場合には、処理はステップS33に進む。
【0112】
ステップS32において、CPU10は、ACキー40の入力があったか否かを判定する。入力がなかったと判定された場合には(No)、処理はステップS31に戻る。入力があったと判定された場合には(Yes)、処理はステップS34に進む。ステップS34において、CPU10は、表示装置32に電卓表示をさせる。ステップS34の後、処理は終了する。
【0113】
一方、ステップS33において、CPU10は、Anyキー入力があったか否かを判定する。入力がなかったと判定された場合には(No)、処理はステップS31に戻る。入力があったと判定された場合には(Yes)、処理はステップS35に進む。ステップS35において、CPU10は、表示装置32にガジェット表示をさせる。ステップS35の後、処理は終了する。
【0114】
このように、電子機器1では、表示装置32の表示がOFFであって電子機器1の姿勢が第1の姿勢(「寝」)の場合(ステップS32)には、ACキー40が押下されたときに電卓表示がされる。つまり、CPU10は、入力装置28の複数の入力キーのうちの一部のキーであるACキー40からの入力のみを表示装置32の表示をONにするための指示として受け付ける。一方、表示OFFであって電子機器1の姿勢が第2の姿勢(「起」)の場合(ステップS33)には、入力装置28の複数の入力キーのいずれが押下されても時計表示がされる。つまり、CPU10は、入力装置28のいずれかの入力キーからの入力を表示装置32の表示をONにするための指示として受け付ける。電子機器1の姿勢に応じて、表示(電源)をONにする指示部として機能するキーの種類が変えられ、さらに、電子機器1の姿勢に応じて、表示(電源)をONにした直後の表示も変えられる。
【0115】
電子機器1の姿勢が第2の姿勢(「起」)の場合、ユーザーは特定の入力キーを狙って押しづらいので、いずれの入力キーが押下されても、表示装置32の表示をONにするための指示として受け付ける。一方、電子機器1の姿勢が第1の姿勢(「寝」)の場合は、電子機器1が机上に置かれている場合が含まれるので、すべての入力キーの押下を受け付けると、例えば、電子機器1の入力装置28に誤って指が触れたり、物が落ちたりして、意図しない操作が実行される可能性が、電子機器1の姿勢が第2の姿勢(「起」)の場合に比べて、比較的高いと考えられる。また、電子機器1の姿勢が第1の姿勢(「寝」)の場合、電子機器1の姿勢が第2の姿勢(「起」)の場合に比べて、ユーザーは特定の入力キーを狙って押しやすいので、ACキー40からの入力のみを表示装置32の表示をONにするための指示として受け付ける。
【0116】
上述の例に限らず、表示OFFのときに、表示(電源)をONにするための指示として受け付けるキーの個数は、電子機器1の姿勢が第1の姿勢(「寝」)の場合(ステップS32)よりも、電子機器1の姿勢が第2の姿勢(「起」)の場合(ステップS33)に、多くなるように設定してよい。また、例えば、表示OFFのときに、表示(電源)をONにするための指示として受け付けるキーは、電子機器1の姿勢が第1の姿勢(「寝」)の場合(ステップS32)は、入力装置28の周縁部に配置された1つ以上のキーとし、電子機器1の姿勢が第2の姿勢(「起」)の場合(ステップS33)は、入力装置28の中央部に配置された複数のキーとしてもよい。
【0117】
つまり、電子機器1の姿勢が第1の姿勢(「寝」)の場合には、ユーザーがキーを意図せず操作し、誤って指示を与えないように、より少ない又は周縁部にある1以上の入力キーからの入力を、表示装置32の表示をONにするための指示として受け付ける。また、電子機器1の姿勢が第2の姿勢(「起」)の場合には、ユーザーが特定のキーを狙わなくとも指示を与えやすいように、より多い又は中央部にある複数の入力キーからの入力を、表示装置32の表示をONにするための指示として受け付ける。
【0118】
本実施形態によれば、電子機器1では、電子機器1の姿勢及び無操作の継続時間に応じて、メイン機能に係わる表示とサブ機能に係わる表示と表示OFFとが最適に切り替えられる。したがって、ユーザーにとってより使いやすく便利な電子機器1を提供することができる。
【0119】
本実施形態では、電子機器1は、所定の無操作時間が経過すると表示をOFFとする(APO)が、ソーラー駆動可の場合には、表示をOFFとせずサブ機能に係わる表示とし、CPU10の給電源をソーラー電池26として電池24を消費しないようにすることができる。したがって、電池24を消費することなく、表示をサブ機能に係わる表示に切り替える又はサブ機能に係わる表示を継続することができる。それ故、電子機器1をメイン機能として使用していない場合にサブ機能に係わるガジェット表示装置として使用し続けることができ、より便利である。
【0120】
また、ソーラー駆動不可の場合にも、通常のAPO処理をすることにより、電池24を節約することが可能である。
【0121】
本実施形態では、モードNo.11又は12について
図7を参照して説明したように、電子機器1の姿勢に応じて電子機器1の表示をONにするキーの種類を変え、さらに、ONにした際の表示も姿勢に応じて変えている。つまり、電子機器1の姿勢が「起」のときは、どのキーを押しても表示ONとなりガジェット表示がされ、「寝」のときは通常の電卓と同様に、ある特定のキー(例えばACキー40)を押した場合のみ表示ONとなる。
【0122】
時計等のガジェット表示機能を有する電子機器では、通常、電源ONとするための入力キーは電子機器1の姿勢によらず一定である。例えば、表示OFFであって電子機器1の姿勢が「起」であるときにユーザーが電子機器1にガジェット表示をさせたい場合、特定のキーを押す必要があった。しかしながら、「起」の姿勢ではその特定のキーを押しにくい場合がある。
【0123】
これに対して、本実施形態では、電子機器1の姿勢に応じて表示ONにするキーを変えている。例えば、表示OFFであって電子機器1の姿勢が「起」であるときにユーザーが電子機器1にガジェット表示させたい場合、ユーザーは、入力装置28の複数の入力キーのいずれかを押せば済む。どのキーを押してもガジェット表示がされるようにすることで、ユーザーにとってより使いやすい電子機器1を提供することができる。
【0124】
また、表示OFFであって電子機器1の姿勢が「寝」であるときにユーザーが電子機器1を電卓として使用したい場合には、従来通り特定のキーのみを有効としている。これにより、押し間違いによる表示ON操作を防ぐことができる。
【0125】
なお、電子機器1のメイン機能が電卓機能、サブ機能が時計表示、温度表示、湿度表示などの機能であるとして説明してきたが、メイン機能及びサブ機能はこれに限定されない。また、各機能の推奨姿勢も「寝」又は「起」に限定されない。
【0126】
図3に示されるモードのうち、モードNo.9~15では、姿勢センサ22がなくても遷移条件を識別可能である。モードNo.9~15のみを備える電子機器1であれば、姿勢センサ22は不要である。
【0127】
時計キー44を押下して時計表示をしているモード(モードNo.3、7、15)以外のモードでは、時計キー44は不要である。
【0128】
モードNo.1~8は、ソーラー電池26を備えず電池24のみを備える電子機器1にも適用可能である。さらに、モードNo.9~15も、ソーラー電池26を備えず電池24のみを備える電子機器1に対して適用可能である。その場合には、電池24を節約するために上述の電池節約モードを設定することが有効である。
【0129】
本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0130】
以下に、本出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]電子機器であって、
制御部と、
前記制御部からの出力に基づいて、該出力に応じた内容を表示する状態と、何も表示しない状態とが切り替わる表示部と、
前記電子機器の姿勢を検知する姿勢センサと、を備え、
前記制御部は、
前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かを決定する、電子機器。
[2]前記制御部は、さらに、
前記表示部の表示の状態を切り替えると決定した場合、該表示部の表示の状態を、前記電子機器の前記姿勢が変化する前とは異なる状態へ切り替えて、
前記表示部の表示の状態を切り替えないと決定した場合、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該表示の状態を、前記表示部によって保持させる、[1]に記載の電子機器。
[3]前記電子機器は、ユーザーが操作可能な入力部をさらに備え、
前記制御部は、さらに、
前記入力部に対し、操作が行われたか否かを検知し、
前記入力部に対し、ある時間、無操作であったことを検知した場合に、
前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果と、前記無操作であったことを検知する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かを決定する、[1]又は[2]に記載の電子機器。
[4]前記制御部は、さらに、
前記表示部の表示の状態を切り替える処理を実行すると決定した場合、該表示部の表示の状態を、前記無操作であったことを検知する前とは異なる状態へ切り替えて、
前記表示部の表示の状態を切り替えないと決定した場合、前記無操作であったことを検知する前の該表示の状態を、前記表示部によって保持させる、[3]に記載の電子機器。
[5]前記電子機器は、前記制御部に給電する給電源である電池および発電部をさらに備え、
前記制御部は、さらに、
前記入力部に対し、ある時間、無操作であったことを検知した場合に、前記電子機器を前記発電部のみにより駆動できるか否かを決定し、
前記発電部のみにより駆動できると決定した場合であって、かつ、前記無操作であったことを検知する前の前記表示部の表示の状態が、前記制御部からの出力に基づいて前記表示部が表示可能な複数の内容のうちいずれかの内容を表示する状態であった場合に、
前記表示部の表示の状態を、何も表示しない状態へ切り替えせずに、
前記姿勢の検出結果と、前記無操作であったことを検知する前に前記表示部が表示している前記いずれかの内容と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を、前記無操作であったことを検知する前とは異なる状態へ切り替える、[3]又は[4]に記載の電子機器。
[6]前記制御部は、さらに、
前記異なる表示の出力を継続することを優先する設定を、ユーザー操作に応じて登録し、
前記設定が登録されている場合に、前記表示部の表示の状態を何も表示しない状態にはせずに、前記無操作であったことを検知する前とは異なる状態へ切り替えるか、又は、前記無操作であったことを検知する前の該表示の状態を、前記表示部によって保持させる、[5]に記載の電子機器。
[7]前記制御部は、さらに、
前記無操作であったことを検知する前とは異なる状態として、該制御部からの出力に基づいて前記表示部が表示可能な前記複数の内容のうち、時計、カレンダー、温度、および、湿度のうちのいずれかを、該表示部によって表示させる状態へ切り替える、[6]に記載の電子機器。
[8]前記制御部は、さらに、
前記入力部に対し、ある時間、無操作であったことを検知し、かつ、前記発電部のみにより駆動できないと決定した場合に、
前記姿勢の検出結果と、前記無操作であったことを検知する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替える処理を実行するか否かを決定する、[5]乃至[7]の何れか1に記載の電子機器。
[9]前記姿勢センサは、
水平面又は前記電子機器の設置面に対する、前記電子機器の表示部および入力部の少なくともいずれかの傾き方を、前記電子機器の前記姿勢として検知する、[1]乃至[8]の何れか1に記載の電子機器。
[10]前記電子機器は、ユーザーが操作可能な入力部をさらに備え、
前記姿勢センサは、
前記制御部が実行可能な複数の機能のうちの第1の機能に係わる入力操作をユーザーが前記入力部に対して行うのに適した前記電子機器の前記入力部の傾き方、及び、前記複数の機能のうちの前記第1の機能とは異なる第2の機能に係わる内容が表示された前記表示部をユーザーが視認するのに適した前記電子機器の前記表示部の傾き方、のいずれかの傾き方であるか否かを検知可能である、
[1]乃至[9]の何れか1に記載の電子機器。
[11]前記第1の機能は、演算機能であり、
前記第2の機能は、時計表示機能、カレンダー表示機能、温度表示機能、湿度表示機能、又はこれらの組合せを含む、[10]に記載の電子機器。
[12]前記制御部は、
前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替える際に、
演算機能に係わる内容と、時計表示機能、カレンダー表示機能、温度表示機能および湿度表示機能のいずれかの機能係わる内容とを、切り替える、
[1]乃至[11]のいずれか1に記載の電子機器。
[13]前記制御部は、
前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かについての設定を登録する操作を受け付け、
登録する操作を受け付けた前記設定に基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かを決定する、
[1]乃至[12]の何れか1に記載の電子機器。
[14]電子機器の制御部が実行する制御方法であって、
前記電子機器は、
制御部と、前記制御部からの出力に基づいて、該出力に応じた内容を表示する状態と、何も表示しない状態とが切り替わる表示部と、前記電子機器の姿勢を検知する姿勢センサと、を備え、
前記制御方法は、
前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かを決定する、ことを含む、制御方法。
[15]制御部と、前記制御部からの出力に基づいて、該出力に応じた内容を表示する状態と、何も表示しない状態とが切り替わる表示部と、電子機器の姿勢を検知する姿勢センサと、を備える電子機器の制御部に、
前記姿勢センサによる前記電子機器の姿勢の検出結果の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態と、の組合せに基づいて、該制御部からの出力に基づく前記表示部の表示の状態を切り替えるか否かを決定させる、ためのプログラム。
[16]電子機器であって、
制御部と、
前記制御部からの出力に基づいて、該出力に応じた内容を表示する状態と、何も表示しない状態とが切り替わる表示部と、を備え、
前記表示部は、前記制御部からの出力に基づいて、
前記電子機器の姿勢の変化と、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の該表示部の表示の状態と、の組合せに応じて、表示の状態が、前記電子機器の前記姿勢が変化する前とは異なる表示の状態へ切り替わるか、または、前記電子機器の前記姿勢が変化する前の表示の状態が保持される、電子機器。
[17]前記表示部は、前記制御部からの出力に基づいて、さらに、
前記電子機器の姿勢と、前記電子機器の入力部に対し、ある時間、無操作であったことが検知されたときの該表示部の表示の状態と、の組合せに応じて、表示の状態が、前記無操作であったことが検知されたときとは異なる表示の状態へ切り替わるか、または、前記無操作であったことが検知されたときの表示の状態が保持される、[16]に記載の電子機器。
[18]前記表示部は、前記制御部からの出力に基づいて、さらに、
前記電子機器の入力部に対し、ある時間、無操作であったことが検知されたときに、前記電子機器に給電する給電源である電池および発電部のうちの前記発電部のみにより前記電子機器を駆動できる場合であって、かつ、該表示部が前記制御部からの出力に応じた内容を表示している場合に、
何も表示しない状態へ切り替わらずに、
前記電子機器の姿勢と、前記無操作であったことが検知されたときの該表示部の表示の内容と、の組合せに基づいて、前記無操作であったことを検知したときに該表示部が表示している内容とは異なる内容を表示する状態へ切り替わる、[16]又は[17]に記載の電子機器。
[19]前記表示部は、前記制御部からの出力に基づいて、さらに、
演算機能に係わる内容と、時計表示機能、カレンダー表示機能、温度表示機能および湿度表示機能のいずれかの機能に係わる内容とを、切り替えて表示する、[16]乃至[18]の何れか1に記載の電子機器。
[20]前記表示部は、
水平面又は前記電子機器の設置面に対する、前記電子機器の表示部および入力部の少なくともいずれかの傾き方を、前記電子機器の姿勢として、前記制御部からの出力に基づいて、表示を行う、[16]乃至[19]の何れか1に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0131】
1…電子機器、10…CPU(制御部)、12…RAM、14…ROM、16…時計モジュール、18…温度センサ、20…湿度センサ、22…姿勢センサ、24…電池、26…ソーラー電池(発電部)、28…入力装置、30…表示駆動部(DD)、32…表示装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一実施形態は、制御部と、表示部と、前記表示部を備えた電子機器の姿勢を検知する姿勢センサと、ユーザーが操作可能な入力部と、前記制御部に給電する給電源である電池および発電部と、を備え、前記制御部は、前記入力部に対する操作が所定時間において検出されず、且つ、前記発電部のみから前記電子機器に電力が供給されている場合、前記所定時間が経過する以前において前記表示部に所定の表示内容が表示されている状態だったときには、前記姿勢センサの検出結果と、前記所定時間が経過する以前における前記表示部の表示内容とに基づいて、前記表示部の表示の状態を何も表示しない状態に表示状態を切り替えることなく、前記所定の表示内容とは異なる表示内容へ表示状態を切り替えるよう制御する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、
表示部と、
前記表示部を備えた電子機器の姿勢を検知する姿勢センサと、
ユーザーが操作可能な入力部と、
前記制御部に給電する給電源である電池および発電部と、を備え、
前記制御部は、
前記入力部に対する操作が所定時間において検出されず、且つ、前記発電部のみから前記電子機器に電力が供給されている場合、前記所定時間が経過する以前において前記表示部に所定の表示内容が表示されている状態だったときには、前記姿勢センサの検出結果と、前記所定時間が経過する以前における前記表示部の表示内容とに基づいて、前記表示部の表示の状態を何も表示しない状態に表示状態を切り替えることなく、前記所定の表示内容とは異なる表示内容へ表示状態を切り替えるよう制御することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、さらに、
前記姿勢センサの検出結果により前記電子機器が「寝」の姿勢、または、「起」の姿勢のいずれかを検知し、
前記所定時間が経過する以前における前記電子機器が「寝」の姿勢あると検知した場合は前記表示部に所定の表示内容を表示させ、
前記入力部に対する操作が所定時間検出されなかった後に検知された前記電子機器の姿勢が「起」ある場合は、前記表示部の表示の状態を前記所定の表示内容とは異なる表示内容へ表示状態を切り替えるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記所定の表示内容とは前記制御部が備える演算機能に係わる表示内容であり、前記所定の表示内容とは異なる表示内容とは、該制御部からの出力に基づいて表示される、時計、カレンダー、温度、および、湿度のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記発電部はソーラー電池を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電子機器。
【請求項5】
表示部と、姿勢センサと、ユーザーが操作可能な入力部と、発電部と、を備えた電子機器の制御部が実行する制御方法であって、
前記入力部に対する操作が所定時間において検出されず、且つ、前記発電部のみから前記電子機器に電力が供給されている場合、前記所定時間が経過する以前において前記表示部に所定の表示内容が表示されている状態だったときには、前記姿勢センサの検出結果と、前記所定時間が経過する以前における前記表示部の表示内容とに基づいて、前記表示部の表示の状態を何も表示しない状態に表示状態を切り替えることなく、前記所定の表示内容とは異なる表示内容へ表示状態を切り替えるよう制御することを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
表示部と、姿勢センサと、ユーザーが操作可能な入力部と、発電部と、を備えた電子機器のコンピュータに、
前記入力部に対する操作が所定時間において検出されず、且つ、前記発電部のみから前記電子機器に電力が供給されている場合、前記所定時間が経過する以前において前記表示部に所定の表示内容が表示されている状態だったときには、前記姿勢センサの検出結果と、前記所定時間が経過する以前における前記表示部の表示内容とに基づいて、前記表示部の表示の状態を何も表示しない状態に表示状態を切り替えることなく、前記所定の表示内容とは異なる表示内容へ表示状態を切り替えるよう制御させるためのプログラム。