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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186719
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】解体システム
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/35 20220101AFI20221208BHJP
   B25J 11/00 20060101ALI20221208BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20221208BHJP
   B66F 7/28 20060101ALI20221208BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20221208BHJP
   B09B 101/05 20220101ALN20221208BHJP
【FI】
B09B3/35
B25J11/00 Z
B25J5/00 B
B66F7/28 J
B09B5/00 M
B09B101:05
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155118
(22)【出願日】2022-09-28
(62)【分割の表示】P 2018158740の分割
【原出願日】2018-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 精一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 共史
(72)【発明者】
【氏名】高村 玲央奈
(57)【要約】
【課題】オペレーターの身体感に合わせた作業部位の見えかたを改善できる解体システムを提供する。
【解決手段】被解体物を解体する解体システムは、被解体物を動かすべく動作する被解体物移動手段と、被解体物を解体するための解体手段と、を有する。解体手段は、被解体物と解体手段とを視認するための視座の位置である視座位置と被解体物との相対的な動きに基づいて移動する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被解体物を解体する解体システムであって、
前記被解体物を動かすべく動作する被解体物移動手段と、
前記被解体物を解体するための解体手段を有する解体機と、
前記被解体物に対する視座位置を提供する視点提供手段と、
前記視点提供手段により提供される前記視座位置からの視野に対して、前記被解体物に対して前記解体手段を操作する解体操作手段と、
前記被解体物移動手段を操作する被解体物移動操作手段と、を有することを特徴とする解体システム。
【請求項2】
前記視点提供手段は前記被解体物を撮像する撮像手段を有し、前記視野は前記撮像手段の撮像視野であることを特徴とする請求項1に記載の解体システム。
【請求項3】
前記視野は、前記解体手段の動作を操るオペレーターからの視野であることを特徴とする請求項1に記載の解体システム。
【請求項4】
前記被解体物移動手段は、前記被解体物を1の軸周りに回転させる回転手段を含むことを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の解体システム。
【請求項5】
前記被解体物移動操作手段は、前記回転手段の回転動作に対する回転操作を受け付ける回転操作受付手段を有することを特徴とする、請求項4に記載の解体システム。
【請求項6】
前記被解体物移動手段は、前記被解体物を並進移動させる装置を有することを特徴とする、請求項5に記載の解体システム。
【請求項7】
前記被解体物移動手段は、前記被解体物を傾動させる装置を有することを特徴とする、請求項4又は6に記載の解体システム。
【請求項8】
前記被解体物移動手段は、前記被解体物を前記解体手段の周囲を円弧状に移動させる装置を有することを特徴とする、請求項4乃至7の何れか一項に記載の解体システム。
【請求項9】
前記被解体物移動手段は、前記被解体物を前記回転手段に固定する固定装置を有することを特徴とする、請求項4乃至8の何れか一項に記載の解体システム。
【請求項10】
前記解体手段の位置及び姿勢と前記被解体物の位置及び姿勢との関係性を、前記被解体物移動手段及び前記解体手段の動作を操るオペレーターに提示する映像表示手段をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至9の何れか一項に記載の解体システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被解体物を解体する解体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示されるように、廃棄自動車等の被解体物をロボットを用いて解体する解体システムが提案されている。当該解体システムは、廃棄自動車の種類を検知するための製品検知手段と、廃棄自動車を解体するための解体工具を備えた複数台の解体ロボットと、これら解体ロボットを個別的に制御するためのロボット制御手段と、複数台の解体ロボットを全体的に制御するためのシステム制御手段とを備えている。システム制御手段には、解体する廃棄自動車に関連する特定機種解体情報が記憶され、ロボット制御手段には、解体する廃棄自動車に関連する一般的解体情報が記憶され、各ロボット制御手段において特定機種解体情報と一般的解体情報とが組み合わされる。前記システム制御手段は、前記製品検知手段からの検知情報に基づいて解体する廃棄自動車に対応する前記特定機種解体情報を前記複数台のロボットの前記ロボット制御手段に送給し、前記複数台のロボットは、それぞれ、前記システム制御手段から送給された前記特定機種解体情報と対応する前記ロボット制御手段に記憶された前記一般的解体情報とを組み合わせて廃棄自動車に対する解体作業を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-156775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の解体システムにおいては、前記複数台のロボットは、それぞれ、前記システム制御手段から送給された前記特定機種解体情報と対応する前記ロボット制御手段に記憶された前記一般的解体情報とを組み合わせて廃棄自動車に対する解体作業を行う故に、オペレーターが当該解体作業を行う行為は含まれていない。
【0005】
一方、オペレーターが解体機を用いて当該解体作業を行う場合を考えると、一般的に、解体機の先端アタッチメントで掴みたい又は壊したい廃棄自動車の作業部位が操縦席のオペレーターから見えにくい場合があるという問題が一例として挙げられる。
【0006】
また、廃棄自動車を移動させられた場合に、廃棄自動車と解体機の先端アタッチメントとが離れすぎてオペレーターの視野に収まりきらなくなる等、両者の位置関係が変化することで、作業が困難になる場合があるという問題が一例として挙げられる。
【0007】
本発明は、以上の従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、オペレーターへの作業部位の見えかたを改善できる解体システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解体システムは、被解体物を解体する解体システムであって、
前記被解体物を動かすべく動作する被解体物移動手段と、
前記被解体物を解体するための解体手段を有する解体機と、
前記被解体物に対する視座位置を提供する視点提供手段と、
前記視点提供手段により提供される前記視座位置からの視野に対して、前記被解体物に対して前記解体手段を操作する解体操作手段と、
前記被解体物移動手段を操作する被解体物移動操作手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の解体システムによれば、前記視点提供手段により提供される前記視座位置からの視野に対して前記被解体物に対して前記解体手段を操作する解体操作手段と、前記被解体物移動手段を操作する被解体物移動操作手段と、を有する故に、解体手段の位置又は姿勢を、常に被解体物と視座の位置に対して作業しやすい適切な位置又は姿勢に保つことができ、オペレーターへの作業部位の見えかたを改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による実施例の解体システムを説明する概略線図である。
図2】実施例の解体システムおける廃棄自動車の作業部位と解体機の先端アタッチメントとを映すモニターの画像を示す概略線図である。
図3】実施例の解体システムにおけるターンテーブル上の廃棄自動車の周り全周囲に亘ってこれを撮影できる単一のビデオカメラを含む撮影装置の構成を示す概略斜視図である。
図4】実施例の解体システムにおける廃棄自動車を担うターンテーブルの動きを説明する概略斜視図である。
図5】実施例の解体システムにおける被解体物移動操作部(ターンテーブル操作用リモコン)と解体操作部(先端アタッチメント操作用リモコン)とモニターを備えた制御卓を示す概略斜視図である。
図6】実施例の解体システムにおける廃棄自動車を担うターンテーブルの並進運動を行うレールを説明する概略上面図である。
図7】実施例の解体システムにおける廃棄自動車を担うターンテーブルが傾く傾動を説明する概略側面図である。
図8】実施例の解体システムにおける廃棄自動車を担うターンテーブルが解体機周りを回る回転運動を説明する概略上面図である。
図9】実施例の解体システムにおけるターンテーブル上の廃棄自動車を横転させる反転装置を説明する概略側面図である。
図10】本発明による実施例の解体システムを示すブロック図である。
図11】実施例の解体システムにおけるターンテーブルの操作を説明するフロー図である。
図12】実施例の解体システムにおける先端アタッチメントの操作を説明するフロー図である。
図13】実施例の解体システムにおける廃棄自動車に対して正対視できる視座位置を獲得する操作を説明するフロー図である。
図14】実施例の解体システムにおける廃棄自動車の作業部位と廃棄自動車の位置及び姿勢とを映すモニターの画像を示す概略線図である。
図15】実施例の解体システムにおけるターンテーブル上の廃棄自動車と解体機とを映すモニターの第三者視座映像を示す概略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例の解体システムを、図面を参照しながら説明する。
【0012】
[解体機]
図1は、実施例の解体システムにおける被解体物である廃棄自動車SCVを担って1の軸周りに回転させる回転手段としての自転可能なターンテーブル11と、廃棄自動車SCVを解体する先端アタッチメントを含む解体機12とを示す。なお、以下の説明における前後、左右及び上下の方向の記載は、図面における双方向矢印に示すように、左右方向、前面背面方向、上下方向とする。
【0013】
解体機12は下部の履帯装置等からなる走行基部12aと、当該走行基部12a上に設けられ当該走行基部12aと相対的に回転可能な旋回体12bを備えている。すなわち、解体機12において、走行基部12aは旋回体12bを旋回可能に支持するとともに、履帯装置等により自走可能である。
【0014】
旋回体12bには、解体機12の操作を行うオペレーターための操作室12cが設けられている。また、旋回体12bの上には、油圧駆動され作動を行うブーム、アーム及びバケットからなるアタッチメント12d(作業腕)が各支持軸周りに回動自在に取り付けられている。解体機12は、ターンテーブル11上の廃棄自動車SCVがオペレーターに正対視(オペレーターの視線方向と対象の廃棄自動車の略中心を通る線方向が同一線上)されるようにアタッチメント12d(作業腕)が廃棄自動車SCVへ延び届くように配置される。
【0015】
また、アタッチメント12dの先端には、可動歯対を有する先端アタッチメント12e(解体手段)が揺動自在かつ旋回自在に取り付けられている。アタッチメント12d(作業腕)は、オペレーターの操作に従う先端アタッチメント12eの可動歯対が、3次元的に任意の方向から廃棄自動車SCVの一部を挟持し、引っ張ったり、破断したり、折り曲げたりして、廃棄自動車SCVを解体することができるように構成されている。オペレーターのアタッチメント操作は、例えば、先端アタッチメント操作用リモコン(図示せず)を介して行うことができる。アタッチメント操作は、部分的に制御部(図示せず)で実行される所定プログラムに従い行われることもできる。
【0016】
アタッチメント12dの下方の走行体12aの前側には押さえ腕部材12fが設けられている。押さえ腕部材12fはアーム状部の先端に押さえ部が設けられ、該アーム状部は解体機側にて支持軸周りに回動自在となっている。押さえ腕部材12fは、オペレーターの操作に従い、先端の押さえ部で被解体物である廃棄自動車SCVの一部を押さえて固定して、先端アタッチメント12eによる作業を容易化させる。
【0017】
[撮像装置]
図1に示すように、実施例の解体システムは、ターンテーブル11上の廃棄自動車SCVと解体機12との間に配置されたビデオカメラ13を含む撮像装置をも有する。撮像装置のビデオカメラ13は、廃棄自動車SCVに対する視座位置と該視座位置からの視野を提供する視点提供手段の一部として機能する。ビデオカメラ13は、カメラの焦点を自身の制御系の下のセンサー及びモーターを利用して自動的に合わせるオートフォーカスシステムを備え、対象画像とともに焦点位置を検出してフォーカス位置信号等の撮像信号を、制御部(図示せず)へ送信する。
【0018】
ビデオカメラ13は、廃棄自動車SCVの作業部位と解体機12の先端アタッチメント12eとを撮影すると同時にこれらを視認するための視点である視点位置(フォーカス位置)を検出する視点検出部としても機能する。例えば、オペレーターは、作業中、モニター(図示せず)を介して図2に示すような廃棄自動車SCVの作業部位と解体機12の先端アタッチメント12eとを視認することができる。該モニターは、廃棄自動車SCVの視点位置を含む視野をオペレーターに提供する視点提供手段の一部として機能する。
【0019】
ビデオカメラ13は、さらに、先端アタッチメント認識システムを備えている。先端アタッチメント認識システムは、撮影された画像の中から解体機の先端アタッチメント12eを検出し、その先端アタッチメントの固有形状等を識別するシステムである。先端アタッチメント認識システムでは、先端アタッチメントの輪郭やビス配置といった先端アタッチメントのパーツの位置関係から先端アタッチメント形状を識別する。
【0020】
図3に示すように、ビデオカメラ13は、オペレーターの操作(例えばカメラ操作用リモコン(図示せず))又は制御部(図示せず)で実行される所定プログラムに従い、ターンテーブル11の上の撮影対象となる廃棄自動車SCVの周りで移動可能であり、パン、チルト及びズーム可能であり、かつ、全体がロール回転可能となるように構成されている全周囲画像撮影装置としてもよい。
【0021】
図3は、単一のビデオカメラ13を含み廃棄自動車SCVの周り全周囲に亘ってこれを撮影できる全周囲画像撮影装置の構成を示す概略斜視図である。
【0022】
図3の全周囲画像撮影装置における単一のビデオカメラ13は、カメラ用マニピュレータ(図示せず)のアーム先端に固定され、所定の軌道(撮影対象となる廃棄自動車SCV(ターンテーブル11)を中心とした円周軌道)上で移動するように制御される。
【0023】
カメラ用マニピュレータ(図示せず)は、例えば多関節及び多軸制御のマニピュレータであって、ビデオカメラ13と共に制御部(図示せず)により制御されている。そして、全周囲画像撮影装置では、カメラ用マニピュレータによって、廃棄自動車SCVを中心とした円周上に所定の空間位置(ビデオカメラ13a~13g)に連続的に位置できる先端のビデオカメラ13により、廃棄自動車SCVを撮影する。
【0024】
また、ビデオカメラ13によって撮影された画像信号及びそのフォーカス位置信号の撮像信号は、撮影毎に逐次、制御部(図示せず)に送信される。これにより、廃棄自動車SCVの全周囲からこれを撮影することが可能となる。
【0025】
また、全周囲画像撮影装置においては、撮影の対象となる廃棄自動車SCVに対するビデオカメラ13の位置の制限はなく、図1に示すようにターンテーブル11上の廃棄自動車SCVと解体機12との間でもよいし、図示しないが廃棄自動車SCVとの間で解体機12を挟んでビデオカメラ13を配置してもよい。
【0026】
なお、他の変形例として、複数のビデオカメラを上記所定の空間位置(ビデオカメラ13、13a~13g)にそれぞれ配置して、全周囲の廃棄自動車SCVの自由視座映像を得ることもできる。この場合、複数のビデオカメラ13、13a~13gは、円周状又は半球状の支持枠(図示せず)の所定の空間位置、撮影対象となる廃棄自動車SCV(ターンテーブル11)を中心とした円周上に所定の間隔をおいて固定される。複数のビデオカメラ13、13a~13gは、制御部(図示せず)に接続されて、制御されるように構成してもよい。この場合、複数のビデオカメラの数は制限されない。
【0027】
[ターンテーブル]
図4は、廃棄自動車SCVを動かす被解体物移動部の一部であるターンテーブル11の動きを説明する概略斜視図である。図示のように、廃棄自動車SCVを担うターンテーブル11は、その回転軸(-Z+Z)を中心に自転可能となるように構成されている。ターンテーブル11は、オペレーターの操作に従う制御部(図示せず)により制御されている。例えば、図4に示すターンテーブル11は、担持する廃棄自動車SCVを-C+C方向にヨー回転させることができる。さらに、制御部(図示せず)により制御されるターンテーブル11は、その-X+X軸方向に並進可能となるように、また、-A+A方向に傾動可能となるように、構成されている。
【0028】
図5は、制御部(図示せず)に接続されている被解体物移動操作部TBC(卓の下方に突出しているターンテーブル操作用リモコン)と解体操作部NBC(卓の上に配置された先端アタッチメント操作用リモコン)とモニターMOTを備えた制御卓CLTを示す。オペレーターは、モニターMOTを見ながら、左手による被解体物移動操作部TBC(ターンテーブル操作用リモコン)の操作によってターンテーブル11を動かして、廃棄自動車SCVを図4に示す-C+C方向にヨー回転の他に、-X+X軸方向に並進移動、-A+A方向に傾動回転させることができる。オペレーターは、モニターMOTを見ながら、右手による解体操作部NBC(先端アタッチメント操作用リモコン)の操作によってターンテーブル11を動かして、廃棄自動車SCVを解体する。
【0029】
また、オペレーターは、解体機から作業現場を直接見て、ターンテーブル11を操作してもよい。この場合、視座位置は、操作室からオペレーターが、解体現場を目視するときの視座位置である。視座位置は操作室においてオペレーターが先端アタッチメント12eで廃棄自動車SCVを解体する解体現場を目視するときの視座位置である。当該視座位置は、例えば、オペレーターが装着するメガネ型ウェアラブル検出デバイスにより、オペレーターの視線移動や頭部の動きを基にして検出できる。
【0030】
図6は、廃棄自動車SCVを担うターンテーブル11の並進運動を行うレール11aを説明する概略上面図である。図示のように、廃棄自動車SCVを担うターンテーブル11は、その下部に台車(図示せず)にて担持され、該台車ごとレール11a上でターンテーブル11を左右にスライド可能となるように構成されている。なお、並進運動はレールに限らず、ベルト駆動でも可能である。オペレーターは、モニター(図示せず)を見ながら、ターンテーブル操作用リモコン(図示せず)で該台車を操作して、廃棄自動車SCVを並進移動させることができる。この構成では、ターンテーブル11を回転させつつ移動させることができる。
【0031】
図7は、廃棄自動車SCVを担うターンテーブル11が傾く傾動を説明する概略側面図である。図示のように、廃棄自動車SCVを担うターンテーブル11は、その下部にヨー回転可能な回転板11bを有するにように形成して、回転板11bの上部前面側にターンテーブル11を枢支する枢支軸PVTを設け、同上部背面下側にジャッキJCKを設け、ターンテーブル11を+A方向に傾動可能となるように構成されている。これにより、ターンテーブル11は、廃棄自動車SCVへ向かう正対視線に対して、傾動可能となり、例えば、廃棄自動車SCVのボンネットを下げる方向に廃棄自動車を傾けると、解体作業がやりやすくなる効果が得られる。さらに、ターンテーブル11には、廃棄自動車SCVの傾動時に滑落を防止するために例えば廃棄自動車SCVのフェンダーを固定するフック等の固定装置FXが設けられている。なお、廃棄自動車SCVがタイヤ装着のままである場合には、固定装置FXとして、例えば、ターンテーブル11にタイヤロック等を設けてもよい。オペレーターは、モニター(図示せず)を見ながら、ターンテーブル操作用リモコン(図示せず)で該ジャッキJCKを操作して、廃棄自動車SCVを傾動させることができる。
【0032】
図8は、廃棄自動車SCVを担うターンテーブル11が解体機12の周りを円弧状に回る回転又は回動運動を説明する概略上面図である。図示のように、廃棄自動車SCVを担うターンテーブル11は、その下部に台車(図示せず)にて担持され、該台車ごと円形のレール(図示せず)上で解体機12の周りを回転又は回動可能となるように構成されていてもよい。なお、回転又は回動運動はレールに限らず、ベルト駆動でも可能である。オペレーターは、モニター(図示せず)を見ながら、ターンテーブル操作用リモコン(図示せず)で該台車を操作して、廃棄自動車SCVを回転又は回動させることができる。この構成では、ターンテーブル11を回転させつつ回転又は回動移動させることができる。
【0033】
図9は、ターンテーブル11上の廃棄自動車SCVを横転させる反転装置を説明する概略側面図である。図示のように、廃棄自動車SCVを担うターンテーブル11上に、L字断面の枠体FLの角辺部を枢支する枢支軸PVT2を設け、枠体FLの立設部の枢支軸PVT2近傍にジャッキJCK2を設け、ターンテーブル11を-A方向に横転可能となるように構成されている。これにより、廃棄自動車SCVの下面側に対して先端アタッチメント12eのアクセス可能となり、解体作業がやりやすくなる効果が得られる。さらに、ターンテーブル11には、廃棄自動車SCVの横転時に廃棄自動車SCVの天井を固定するフック等の固定装置FX2が設けられている。これにより、廃棄自動車SCVの姿勢を安定化する効果が得られる。オペレーターは、モニター(図示せず)を見ながら、ターンテーブル操作用リモコン(図示せず)で固定装置FX2及び該ジャッキJCK2を操作して、廃棄自動車SCVを傾動させることができる。
【0034】
[解体システムの全体構成]
図10に実施例の解体システムのブロック図を示す。解体システムは、被解体物移動部TB(図1のターンテーブル11等を含む)と解体部NB(図1の先端アタッチメント12eを含む)と撮像装置PH(図1のビデオカメラ13を含む)とモニターMOT(上述のモニター)とメイン制御部CL(上述の制御部)とを有している。
【0035】
解体システムは、さらに、被解体物移動操作部TBC(ターンテーブル操作用リモコン)と解体操作部NBC(先端アタッチメント操作用リモコン)と撮像操作部CAC(カメラ操作用リモコン)とを有している。これらは、オペレーターがメイン制御部CLを介して、被解体物移動部TB(ターンテーブル11)と解体部NB(先端アタッチメント12e)と撮像装置PH(ビデオカメラ13)をそれぞれ遠隔操作するために使用される。
【0036】
被解体物移動操作部TBCのターンテーブル操作用リモコンは、ターンテーブル移動操作部TBM(ターンテーブル回転操作部TBM1(回転操作受付手段)、ターンテーブル傾動操作部TBM2、ターンテーブルスライド操作部TBM3)と入力信号変換部TBS及び送信部TBTとを備えている。ターンテーブル回転操作部TBM1、ターンテーブル傾動操作部TBM2及びターンテーブルスライド操作部TBM3は、オペレーターの手指にて操作できる操作部(図示せず)を含み、それぞれの操作によりそれぞれの制御信号を生成する。
【0037】
被解体物移動操作部TBCの入力信号変換部TBSは、ターンテーブル回転操作部TBM1、ターンテーブル傾動操作部TBM2及びターンテーブルスライド操作部TBM3からの入力信号を、それぞれ送信信号に変換し、被解体物移動操作部TBCの送信部TBT介してメイン制御部CLの受信部CTBRへ送信する。
【0038】
解体操作部NBC(先端アタッチメント操作用リモコン)は、先端アタッチメント操作部NBM(先端ATT操作部:先端ATT移動操作部NBM1、先端ATT把持操作部NBM2、先端ATT解放操作部NBM3)と入力信号変換部NBS及び送信部NBTとを備えている。先端ATT移動操作部NBM1、先端ATT把持操作部NBM2及び先端ATT解放操作部NBM3は、オペレーターの手指にて操作できる操作部(図示せず)を含み、それぞれの操作によりそれぞれの制御信号を生成する。
【0039】
解体操作部NBCの入力信号変換部NBSは、先端ATT移動操作部NBM1、先端ATT把持操作部NBM2、先端ATT解放操作部NBM3からの入力信号を、それぞれ送信信号に変換し、解体操作部NBCの送信部NBTを介してメイン制御部CLの受信部CTBRへ送信する。
【0040】
撮像操作部CAC(カメラ操作用リモコン)は、カメラ操作部CAM(パン・チルト・ズーム・ロール操作部CAM1、カメラ移動操作部CAM2)と入力信号変換部CAS及び送信部CATとを備えている。パン・チルト・ズーム・ロール操作部CAM1及びカメラ移動操作部CAM2は、オペレーターの手指にて操作できる操作部(図示せず)を含み、それぞれの操作によりそれぞれの制御信号を生成する。
【0041】
撮像操作部CACの入力信号変換部CASは、パン・チルト・ズーム・ロール操作部CAM1及びカメラ移動操作部CAM2からの入力信号を、それぞれ送信信号に変換し、撮像操作部CACの送信部CAT介してメイン制御部CLの受信部CCARへ送信する。
【0042】
ビデオカメラ13を含む撮像装置PHは、カメラでの撮像を行う撮像部PHIと、該撮像部PHIからの入力信号を変換する入力信号変換部PHSと、該入力信号変換部PHSから撮像信号をメイン制御部CLの受信部CPHRへ送信する送信部PHTと、メイン制御部CLからカメラ制御信号を受信する受信部PHRと、駆動部PHDと、を有する。撮像装置PHの駆動部PHDは、メイン制御部CLからのカメラ制御信号に基づいてビデオカメラ13全体の移動、カメラのパン、チルト及びズームを行う。
【0043】
メイン制御部CLは、被解体物移動操作部TBCと解体操作部NBCと撮像操作部CACとからのそれぞれの送信信号を受信する受信部CTBRと受信部CNBRと受信部CCARとを備え、それぞれの送信信号を処理するターンテーブル制御部TBCLと先端アタッチメ ント制御部NBCL(先端ATT制御部)とカメラ制御部CACLとを備えている。メイン制御部CLは、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置、ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)等のメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置及びI/O(Input/Output)デバイス等により構成されている。メイン制御部CLは、所定のプログラムを読み込んで実行することにより、ターンテーブル制御部TBCL、先端ATT制御部NBCL、カメラ制御部CACLとして機能する。
【0044】
ターンテーブル制御部TBCLは、被解体物移動操作部TBCからの信号に基づいてターンテーブル11の回転、傾動、スライド及び昇降を制御する制御信号を生成して、該ターンテーブル制御信号を、送信部TBCLTを介して被解体物移動部TBへ送信する。
【0045】
先端ATT制御部NBCLは、解体操作部NBCからの信号に基づいて先端アタッチメント12eを制御する先端アタッチメント制御信号、又は、ターンテーブル制御部TBCLとカメラ制御部CACLとからのターンテーブルとカメラの位置信号に基づく廃棄自動車SCVとの相対的な動きに基づいて先端アタッチメント12eを移動させるように制御する先端アタッチメント制御信号を生成して、該先端アタッチメント制御信号を、送信部NBCLTを介して解体部NBへ送信する。
【0046】
カメラ制御部CACLは、撮像操作部CACからの信号に基づいて撮像装置PHの動作や移動等を制御するカメラ制御信号、又は、撮像装置PHから受信部CPHRを介して取得した撮像信号に基づいて廃棄自動車SCVと先端アタッチメント12eとを視認するための視座である視座位置を生成するようにカメラを制御するカメラ制御信号を生成して、該カメラ制御信号を、送信部CACLTを介して撮像装置PHへ送信する。また、カメラ制御部CACLは、カメラ位置(視座位置)を示すカメラ制御信号を生成して、該カメラ制御信号を、先端ATT制御部NBCLへ供給する。
【0047】
図10の被解体物移動部TBは、その受信部TBRを介してメイン制御部CLの送信部TBCLTから受信した信号に基づいて、図1のターンテーブル11の回転・傾動・スライド・昇降の制御を行う駆動部TBDを備える。
【0048】
図10の解体部NBは、その受信部NBRを介してメイン制御部CLの送信部NBCLTから受信した信号に基づいて、図1の先端アタッチメント12eの移動・把持・解放の制御を行う駆動部NBDを備える。
【0049】
図10のモニターMOTは、その受信部NBRを介してメイン制御部CLの送信部CACLTから受信した信号に基づいて、廃棄自動車の作業部位及び解体機の先端アタッチメント等の映像を映す映像表示部DSPを備える。
【0050】
上述の説明においては、ターンテーブル移動操作部TBCとカメラ操作部CACが独立している例について説明したが、これらの操作部は統合されていてもよい。例えば、図5に示した被解体物移動操作部TBCによってターンテーブル11とカメラ13の両方又は何れかが移動するように制御がなされてもよい。
【0051】
具体的には、例えば、被解体物移動操作部TBCの把持部を鉛直軸回りの1の方向に回転させることで、ターンテーブル11を当該回転と順方向に回転させるようにしてもよい。また、被解体物移動操作部TBCの把持部を鉛直方向軸回りに1の方向に回転させることで、カメラ13をターンテーブル11又は廃棄自動車SCVの周りを当該回転と逆方向に回動させるようにしてもよい。
【0052】
また、被解体物移動操作部TBCの把持部を水平方向の1の方向にスライド移動させることで、ターンテーブル11を当該スライド移動方向と順方向に移動させるようにしてもよい。また、被解体物移動操作部TBCの把持部を水平方向の1の方向にスライド移動させることで、カメラ13をターンテーブル11又は廃棄自動車SCVに対して当該スライド移動方向と反対の方向に並進移動させるようにしてもよい。
【0053】
また、被解体物移動操作部TBCの把持部を水平方向軸周りの1の方向に回動させて傾けることで、ターンテーブル11を当該回転と順方向に回動させて傾けるようにしてもよい。また、被解体物移動操作部TBCの把持部を水平方向軸回りの1の方向に回動させて傾けることで、カメラ13をターンテーブル11又は廃棄自動車SCVの周りを、水平方向軸回りに当該回動と逆方向に回動させるようにしてもよい。
【0054】
このようにすることにより、オペレーターは、被解体物移動操作部TBCのような操作装置を用いて、まるで廃棄自動車SCVを手に取って回しているかの如く、廃棄自動車SCVを見回すような視界を得ることが可能になる。
【0055】
[ターンテーブルの操作の一例]
図11は、解体システムにおける被解体物移動部であるターンテーブルの操作の一例を説明するフロー図である。
【0056】
図11/STEP001):開始では、システムは、廃棄自動車SCVと先端アタッチメント12eとを視認するための視座からの正対視視点を生成した映像をモニターMOT(図10)に出力する。
【0057】
図11/STEP002):オペレーターは、モニターMOTを見ながら(なお、解体機に実搭乗して、作業現場を直接、目視てもよい)、ターンテーブル操作用リモコンTBC(図10)(被解体物移動操作部TBC)でターンテーブル11を操作する(ヨー回転等)。
【0058】
図11/STEP003):オペレーターは、モニターMOTを見ながら(なお、解体機に実搭乗して、作業現場を直接、目視てもよい)、ターンテーブル操作用リモコンTBC(図10)でジャッキJCK(図7)を操作する。なお、ジャッキはターンテーブルの上にあっても下にあってもよい。
【0059】
図11/STEP004):ターンテーブル11は、ターンテーブル操作用リモコンTBCの入力を基にヨー回転する。ジャッキは、同リモコンの入力を基に上下運動する。そして、終了する。
【0060】
[先端アタッチメントの操作の一例]
図12は、実施例の解体システムにおける先端アタッチメントの操作を説明するフロー図である。
【0061】
図12/STEP101):開始では、システムは、廃棄自動車SCVと先端アタッチメント12eとを視認するための視座からの正対視視点を生成した映像をモニターMOT(図10)に出力する。
【0062】
図12/STEP102):オペレーターは、モニターMOTを見ながら(なお、解体機に実搭乗して、作業現場を直接、目視てもよい)、解体操作部NBC(先端アタッチメント操作用リモコン)(図10)で先端アタッチメント12eを操作する。
【0063】
図12/STEP103):先端アタッチメント12eは廃棄自動車SCVとの相対的な動きに基づいて移動する。
【0064】
図12/STEP104):オペレーターは、廃棄自動車SCVの解体作業を行う。そして、終了する。なお、それぞれの対応リモコンにおいて、先端アタッチメント12eは右手で動かし、ビデオカメラ13とターンテーブル11は左手で操作するように設定できる。そして、終了する。
【0065】
[正対視できる視座位置を獲得する操作の一例]
図13は、実施例の解体システムにおける廃棄自動車SCVに対して正対視できる視座位置を獲得する操作を説明するフロー図である。
【0066】
図13/STEP201):開始では、メイン制御部CLは、その送信部CACLTから送信した信号を基に撮影した映像をモニターMOTに出力する。
【0067】
図13/STEP202):メイン制御部CLは、ターンテーブル操作の入力があるか無いか判別する。
【0068】
図13/STEP203):メイン制御部CLは、そのターンテーブル制御部TBCLにより、ターンテーブル11を、ターンテーブル操作用リモコンTBCの入力を基に移動させる。
【0069】
図13/STEP204):メイン制御部CLは、そのカメラ制御部CACLにより、廃棄自動車SCVと先端アタッチメント12eとを視認するための視座である視座位置(正対視視点用)を生成するようにビデオカメラ13を制御する。
【0070】
図13/STEP205):メイン制御部CLは、その先端ATT制御部NBCLにより、廃棄自動車SCVとの相対的な動きに基づいて先端アタッチメント12eを移動させるように制御する。そして、終了する。
【0071】
[正対視視点位置を示す画像の一例]
図14は、解体システムにおける廃棄自動車SCVの作業部位と廃棄自動車の位置及び姿勢とを映すオペレーターに提示する映像表示手段としてのモニターMOTの画像を示す概略線図である。メイン制御部CLは、そのカメラ制御部CACLにより、図14の左中程に映像表示手段としてのサブ表示部SUBを表示する。この例では、サブ表示部SUBは、図右の廃棄自動車SCVと解体機とが正対している状態を基準に、どの程度廃棄自動車SCVの向きが変化した程度を表示している。
【0072】
[俯瞰視点位置を示す画像の一例]
図15は、解体システムにおけるターンテーブル上の廃棄自動車SCVと解体機12とを映すモニターMOTの第三者視座映像(俯瞰図)を示す概略線図である。メイン制御部CLは、そのカメラ制御部CACLにより、廃棄自動車SCVと解体機12とを俯瞰視点映像として同時にモニターMOT表示することで、正対視視座のカメラ13に先端アタッチメント12eが映らなくなってしまったとしても、図15のような俯瞰視点を見れば全体の中で先端アタッチメント12eがどこに存在するのかオペレーターが分かるようになる効果がある。
【符号の説明】
【0073】
11…ターンテーブル(被解体物移動部TB)、12…先端アタッチメントe(解体部NB)、13…ビデオカメラ(撮像装置PH)、MOT…モニター、CL…メイン制御部、TBCL…ターンテーブル制御部、NBCL…先端アタッチメント制御部、CACL…カメラ制御部、SCV…廃棄自動車。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-09-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被解体物を解体する解体システムであって、
前記被解体物を解体するための解体手段を有する解体機と、
前記被解体物を撮像する撮像手段を有し、前記解体手段と前記被解体物とを視認することのできるように前記撮像手段の位置および姿勢を調節または制御することで視座位置を提供する視点提供手段と、
前記視点提供手段により提供される前記視座位置からの視野に対して、前記被解体物に対して前記解体手段を操作する解体操作手段と、を有し、
前記視野は前記撮像手段の撮像視野であることを特徴とする解体システム。
【請求項2】
被解体物を解体する解体システムであって、
前記被解体物を解体するための解体手段を有する解体機と、
オペレーターの視線移動や頭部の動きを基にして、前記被解体物に対する視座位置を提供する視点提供手段と、
前記視点提供手段により提供される前記視座位置からの視野に対して、前記被解体物に対して前記解体手段を操作する解体操作手段と、を有し、
前記視野は、前記解体手段の動作を操るオペレーターからの視野であることを特徴とする解体システム。
【請求項3】
前記被解体物を動かすべく動作する被解体物移動手段と、
前記被解体物移動手段を操作する被解体物移動操作手段と、を有していることを特徴とする
請求項1または2に記載の解体システム。
【請求項4】
前記被解体物移動手段は、前記被解体物を1の軸周りに回転させる回転手段を含むことを特徴とする、請求項に記載の解体システム。
【請求項5】
前記被解体物移動操作手段は、前記回転手段の回転動作に対する回転操作を受け付ける回転操作受付手段を有することを特徴とする、請求項4に記載の解体システム。
【請求項6】
前記被解体物移動手段は、前記被解体物を並進移動させる装置を有することを特徴とする、請求項5に記載の解体システム。
【請求項7】
前記被解体物移動手段は、前記被解体物を傾動させる装置を有することを特徴とする、請求項4又は6に記載の解体システム。
【請求項8】
前記被解体物移動手段は、前記被解体物を前記解体手段の周囲を円弧状に移動させる装置を有することを特徴とする、請求項4乃至7の何れか一項に記載の解体システム。
【請求項9】
前記被解体物移動手段は、前記被解体物を前記回転手段に固定する固定装置を有することを特徴とする、請求項4乃至8の何れか一項に記載の解体システム。
【請求項10】
前記解体手段の位置及び姿勢と前記被解体物の位置及び姿勢との関係性を、前記被解体物移動手段及び前記解体手段の動作を操るオペレーターに提示する映像表示手段をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至9の何れか一項に記載の解体システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の解体システムは、 被解体物を解体する解体システムであって
前記被解体物を解体するための解体手段を有する解体機と、
前記被解体物を撮像する撮像手段を有し、前記解体手段と前記被解体物とを視認することのできるように前記撮像手段を前記撮像手段の位置および姿勢を調節または制御することで視座位置を提供する視点提供手段と、
前記視点提供手段により提供される前記視座位置からの視野に対して、前記被解体物に対して前記解体手段を操作する解体操作手段と、を有し、
前記視野は前記撮像手段の撮像視野であることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の解体システムによれば、前記視点提供手段により提供される前記視座位置からの視野に対して前記被解体物に対して前記解体手段を操作する解体操作手段を有する故に、解体手段の位置又は姿勢を、常に被解体物と視座の位置に対して作業しやすい適切な位置又は姿勢に保つことができ、オペレーターへの作業部位の見えかたを改善できる。