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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186720
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】画像形成装置及び音声出力方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20221208BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20221208BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20221208BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221208BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221208BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/01 510
G06F3/16 680
G06F3/16 530
G03G21/00 386
B41J29/38 203
B41J29/38 801
B41J29/46 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155281
(22)【出願日】2022-09-28
(62)【分割の表示】P 2018198448の分割
【原出願日】2018-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 健二
(57)【要約】
【課題】特定ユーザに、特定ユーザに対するメッセージを音声出力する。
【解決手段】ユーザのログイン情報を取得する取得部と、前記ログイン情報と、ユーザ特定情報と、から、前記ユーザを特定する制御部と、前記特定されたユーザに対するメッセージを取得し、当該メッセージを音声出力する音声出力部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、音声出力部とを備えた画像形成装置であって、
前記制御部は、前記画像形成装置を操作しているユーザに対するメッセージが取得できたときは、当該ユーザに向けて前記音声出力部からメッセージに基づく音声を出力する
画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記取得したメッセージが、前記画像形成装置を操作しているユーザ宛でないときは、前記前記画像形成装置の周囲に存在するユーザから、前記メッセージの宛先となるユーザを特定する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記メッセージの宛先となるユーザが特定できたときは、前記特定されたユーザに向けて前記音声出力部から前記メッセージに基づく音声を出力する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記メッセージに対する対処履歴のあるユーザに向けて前記音声出力部から前記メッセージに基づく音声を出力する
請求項1から3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、メッセージの種類に応じて、メッセージに基づく音声を出力する対象となるユーザの範囲を変更する
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記メッセージの種類がユーザ全員に関わる事項であれば対処履歴の有無にかかわらず全ユーザに対して前記メッセージ基づく音声を出力する
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記メッセージの種類が対処に技術を有するときは、対処履歴に加えて優先度に基づいて特定されたユーザに対して前記メッセージに基づく音声を出力する
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成装置における音声出力方法であって、
前記画像形成装置を操作しているユーザに対するメッセージが取得できたときは、当該ユーザに向けて前記音声出力部からメッセージに基づく音声を出力する音声出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置等にかかり、特に、音声でユーザにメッセージを出力する画像形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
特定のユーザに対してのみ再生可能な音声メッセージの投稿が可能であるとともに、音声メッセージの声質を変えて匿名性を持たせることが可能な音声メッセージ掲示板システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-373075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術においては、音声メッセージ掲示板に投稿するユーザは、音声メッセージおよびそのタイトルを再生許可情報とともにサーバへ送信し、サーバは、これらを記憶する。サーバは、音声メッセージの聴取を要求するユーザの端末に対して、メニュー情報を送信する。このメニューに基づいてユーザから特定の音声メッセージが選択されると、サーバは当該音声メッセージを要求したユーザを認識し、このユーザが再生許可情報で指定されたユーザか否かに応じてその音声メッセージの送信の可否を決定する。また、再生許可情報に応じて、全ユーザまたは特定のユーザに対しては声質を変更した後、音声メッセージを送信する。
【0005】
すなわち、特許文献1の技術においては、特定のユーザがサーバに対して音声メッセージの聴取を要求して、メッセージが通知されるので、特定のユーザは、サーバに対してアクセス(ログイン)し、音声メッセージの聴取を要求しなければ、メッセージを入手することができない。
【0006】
本発明は、ユーザに画像形成装置を操作することを許可する状態になる前であっても、メッセージを出力する、画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、ユーザのログイン情報を取得する取得部と、前記ログイン情報と、ユーザ特定情報と、から、前記ユーザを特定する制御部と、前記特定されたユーザに対するメッセージを取得し、当該メッセージを音声出力する音声出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の制御方法は、ユーザのログイン情報を取得し、前記ログイン情報と、ユーザ特定情報と、から、前記ユーザを特定し、前記特定されたユーザに対するメッセージを取得し、当該メッセージを音声出力することを特徴とする。
【0009】
本発明のプログラムは、コンピュータにユーザのログイン情報を取得する機能と、前記ユーザのログイン情報と、ユーザ特定情報と、から、前記ユーザを特定する機能と、前記特定されたユーザに対するメッセージを取得し、当該メッセージを音声出力する機能を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザに画像形成装置を操作することを許可する状態になる前であっても、メッセージを出力することができるという、効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の画像形成装置10を中心としたシステム1の構成例を示す図である。
図2】本発明の画像形成装置10の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の画像形成装置10の第1実施形態における、表1:ログイン情報の登録状況と、表2:登録ユーザに出力するメッセージのメッセージテーブルである。
図4】本発明の画像形成装置10の第1実施形態における、処理の流れを示すフロー図である。
図5】本発明の画像形成装置10の第1実施形態における、検出した人間を特定するステップのフロー図である。
図6】本発明の画像形成装置10の第2実施形態における、表3:ログイン情報の登録状況と、表4:登録ユーザに出力するメッセージのメッセージテーブルである。
図7】本発明の画像形成装置10の第2実施形態における、処理の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1は、画像形成装置10を中心としたシステム1の構成例を示す図である。
【0013】
画像形成装置10は、直結又はネットワークNWを介して、外部入力機器200から取得される情報であるログイン情報を取得する。外部入力機器とはカメラ(撮影部)及び/又は位置検知機器である。また、ログイン情報としては、外部入力機器200としてカメラを用いる場合は、カメラによって撮影される画像情報である。また、外部入力機器200として位置検知機器を用いる場合は、ユーザが所持する端末装置の端末装置ID、ビーコンの識別情報等である。
【0014】
情報端末装置20は、ユーザによって操作可能な情報処理装置であり、例えば、PC(Personal Computer)や、タブレット、スマートフォンといった装置である。画像形成装置10のユーザは、ネットワークNWに接続されたPC等の情報端末装置20を操作して、画像形成装置10にジョブ(例えば印刷ジョブ)を実行させる。又は直接、画像形成装置10を操作してジョブを実行する。
【0015】
画像形成装置10は、画像形成装置10を使用するユーザを、ログインIDとパスワードといった情報によって認証して、ログイン管理をしてもよい。また、画像形成装置10を使用するユーザのうち、ユーザ特定情報が画像形成装置10に記憶されているユーザを「登録ユーザ」という。ここで、ユーザ特定情報とは、ログイン情報に基づき、画像形成装置10が、ユーザが登録ユーザであるか否かを判定するために用いる情報である。
【0016】
ユーザ特定情報は、ログイン情報に基づいてユーザを特定するための情報である。例えば、ログイン情報が画像情報であれば、登録ユーザの顔画像や、登録ユーザの顔の特徴を示すデータをユーザ特定情報とする。また、ログイン情報が、ユーザが操作する端末装置の端末装置ID、ビーコンの識別情報等である場合は、登録ユーザの端末装置の端末装置ID、登録ユーザのビーコンの識別情報等をユーザ特定情報とする。このようにすることで、ログイン情報と、ユーザ特定情報とを比較して、ログイン情報に登録ユーザを示す情報が含まれるか否か、ログイン情報に登録ユーザを示す情報が含まれる場合は、ログイン情報に含まれる登録ユーザが誰であるかを特定することができる。なお、画像形成装置10は、ログイン情報と、ユーザ特定情報とに基づいて、登録ユーザと特定する処理は、ログインをしていない状態で行ってもよい。このようにすることで、登録ユーザは、画像形成装置10にログインしなくても、画像形成装置10によって登録ユーザであることが特定される。
【0017】
(1.第1実施形態)
(1.1 機能構成)
図2は第1実施形態における画像形成装置10の構成を示すブロック図である。第1実施形態の画像形成装置10は、図2に示すように、主に、制御部100と、記憶部110と、画像形成部140と、給紙部150と、表示部160と、操作部180と、通信部170と、音声出力部190とを備えて構成されている。記憶部110は、記憶領域としてユーザ情報記憶領域112、メッセージ記憶領域114、及びジョブ記憶領域116が確保されている。また、制御部100は記憶部110からプログラムを読み出して実行することによりユーザ特定部102、認証部104が実現される。さらに、ユーザ特定部102が情報を取得する、外部入力機器200が直接又はネットワークを介して画像形成装置10と接続されている。
【0018】
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部110に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Processing Unit)等により構成されて
いる。また、制御部100は、記憶部110に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、ユーザ特定部102及び認証部104として機能する。
【0019】
ユーザ特定部102はユーザを特定する。すなわち画像形成装置10に接続した外部入力機器200から取得されるログイン情報と、後述するユーザ情報記憶領域112に記憶されたユーザ情報に含まれるユーザ特定情報とから、ユーザ(登録ユーザ)を特定する。例えば、ユーザ特定部102は、カメラを通じて入力されるユーザの顔画像に基づく顔認証によりユーザを特定する。また、ユーザ特定部102は、ユーザが持ち歩く端末装置からのID信号受信機、ビーコン信号受信機といった位置検知機器により入力される端末装置IDやビーコンの識別番号である識別情報に基づき、ユーザを特定する。
【0020】
認証部104は、ログインIDとパスワードを入力してログインしたユーザに、画像形成装置10の操作許可を行う。操作許可は、ユーザが画像形成装置10の機能を制限なく使用するための許可である。制御部100がユーザ特定部102として機能して登録ユーザを特定したときに、さらに、認証部104として機能して、登録ユーザに操作許可を行ってもよいし、操作許可の部分的な開放を行ってもよい。又は、操作許可を行わなくてもよい。
【0021】
記憶部110は、画像形成装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部110は、例えば、SSD(Solid State Drive)、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。また、記憶部110はネットワーク上の外部記憶装置に構成されていてもよい。
【0022】
ユーザ情報記憶領域112には、ユーザのユーザ情報が記憶される。ユーザ情報は、ユーザを識別するID(例えば、「user1」)と、パスワード(例えば、「pwd1」)と、ユーザ特定情報(例えば、「有り」)とが記憶される。なお、ユーザ特定情報が有るユーザは、登録ユーザである。
【0023】
ユーザ特定情報の具体的な情報(例えば、顔画像のデータや、端末装置ID)は、ユーザ情報に含まれていてもよいし、記憶部110に、ユーザ特定情報を記憶する領域を確保して、ユーザと対応可能な形式で、ユーザ特定情報を記憶してもよい。ユーザ特定情報の具体的な情報をユーザ情報に含めない場合は、ユーザ情報におけるユーザ特定情報としては、ユーザ特定情報が記憶されているか否かを示す情報(「有り」または「無し」)を記憶してもよい。
【0024】
メッセージ記憶領域114には、ユーザに対する通知メッセージが記憶される。メッセージとは、トナー切れ、用紙切れ、紙詰まりといった、画像形成装置10に生じているトラブルや、ネットワークを介してユーザあてに、画像形成装置10に届いたメッセージ等が含まれる。ここで、ユーザは、登録ユーザだけでなく画像形成装置10にログインできる者が含まれる。
【0025】
ジョブ記憶領域116には、画像形成装置10が行うジョブに関する情報が記憶される。具体的にはジョブのキューに関する情報、ジョブの対象である文書ファイル等も含めて、ジョブに関する情報とする。
【0026】
画像形成部140は、画像データを記録媒体(例えば記録用紙)に形成するための機能部である。画像形成部140は、例えば電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成されている。
【0027】
給紙部150は画像形成部140に記録媒体である、紙を供給する。給紙部150はA4用紙用のトレイ1:152、A3用紙用のトレイ2:154を備えている。なお、本発明において画像形成部140と、給紙部150は機能部というよりは、機能の対象である。
【0028】
表示部160は、使用者が画像形成装置10を使用するためのガイド、利用する各種コンテンツ、さらに装置管理者へ画像形成装置10の各部の状態やその変化等を表示する機能部である。例えば、LCD(liquid crystal display:液晶ディスプレイ)や、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等により構成されている。
【0029】
操作部180は、使用者からの操作入力を受け付ける機能部である。たとえば、表示部160と一体に形成されたタッチパネルによるソフトウェアキーや、ハードウェアキーで実現される。なお、操作部180は、外部装置(例えば、外付けのキーボードやマウス等)により実現されてもよい。
【0030】
音声出力部190は、音声やアラーム音、音楽等が出力可能な機能部である。例えば、スピーカや、外部スピーカを接続可能な外部出力端子により構成される。或いは、無線通信機能を用いる無線接続スピーカで構成してもよい。
【0031】
通信部170は、ネットワークNWに接続する機能部である。各ユーザから、画像形成装置10に送られてくる、文書の印刷命令やデータなども、通信部170を通して制御部100が受信する。LTE(Long Term Evolution)や5G(5th Generation)等の移動
体通信網や、Wi-Fi等の無線LAN、有線LAN等によりネットワークNWに接続することができる。
【0032】
外部入力機器200は、例えば画像を入力するカメラや、ユーザが所持する端末やビーコンなど位置検知機器等からなる信号受信機であり、ログイン情報を取得する取得部である。画像形成装置10と直結してもよいし、ネットワークを介して接続していてもよい。画像形成装置10に直結している場合でも、画像形成装置10と離れて設置されていてもよい。
【0033】
ユーザ特定情報がある登録ユーザについては、ユーザ特定情報に基づいて、制御部100がユーザ特定部102として機能し、自動的に登録ユーザであることを特定する。このとき、さらに制御部100が認証部104として機能し登録ユーザはログイン成立したと認証して、画像形成装置10の操作許可を出してもよいし、操作許可の部分的な開放を行ってもよい。或いは操作許可を出さなくてもよい。ユーザ特定情報がないユーザについては、ユーザが画像形成装置10に直接アクセスしてIDとパスワード入力すると、制御部100が認証部104として機能し、ログイン成立と認証して画像形成装置10の操作許可を出す。
【0034】
(1.2 処理の流れ)
第1実施形態では、処理の流れは、図4に示すように、ステップS100において、制御部100が認証部104として機能し、ユーザが画像形成装置10にログインして直接操作していると判定したら最初に戻る。なお、「ログインして直接操作している」とは、ユーザが、画像形成装置10の操作部からログインして、例えば、コピー機として使用していることを指しており、ネットワーク上で画像形成装置10と接続されている情報端末装置20から受信した文書のプリントジョブに基づいてジョブを実行するといった場合とは異なる。ユーザが画像形成装置10にログインして直接操作している状態であれば、画像形成装置10は、音声でメッセージを通知できる範囲内にユーザがいることは確定して
おり、ユーザがログインしていれば、どのユーザかまで確定している。該ユーザがメッセージを通知するべき相手なのか、そうでないのかは判定できるので、第1実施形態での処
理を行う必要のある場面ではない。
【0035】
以下のステップにおいて、制御部100はユーザ特定部102として機能しているものとする。ステップS100で、ユーザ特定部102はユーザがログインして直接操作していないと判定したら、ステップS110に進む。ステップS110でユーザ特定部102は、外部入力機器200から、ログイン情報を取得する。
【0036】
例えば、ログイン情報を取得する取得部である外部入力機器200がカメラであれば、定点固定されているカメラの視野内の画像に変化があれば、少なくとも移動体、恐らく人間が視野内に入ったことは検出できる。
【0037】
又、ログイン情報を取得する取得部である外部入力機器200が位置検知機器からの信号受信機である場合、特定範囲からの信号が登録ユーザの情報である。或いは、外部入力機器200の構成要素として、カメラや位置検知機器からの信号受信機に加えて、別途、人感センサを備え、人感センサで人間の接近を検出した信号を、概ね人間であると考えられる移動体の情報としてもよい。人感センサでまず人間と考えられる移動体を検知してから、以後のステップの実行のために、カメラや位置検知機器からの信号受信機を作動させてもよい。
【0038】
ステップS120で、ユーザ特定部102が外部入力機器200からの情報を解析する。さらにステップS140で、ユーザ特定部102が外部入力機器200からの情報から人間がいるか判定する。具体的には、外部入力機器200がカメラの場合、例えば、ユーザ特定部102はカメラから、常時送られてくる画像、移動体の検出後、取得を始めた画像、又は、人感センサでの移動体検出による報知で取得を始めた画像のいずれであってもよいが、カメラからの画像に人間の顔があるかを判定し、真であれば人間を検出したことになる。外部入力機器200が位置検知機器からの信号受信機である場合、位置検知機器からの信号が受信できていれば、登録ユーザである、人間を検出したことになる。ユーザ特定部102が人間を検出しなかった場合、最初に戻る。ユーザ特定部102が人間を検出した場合、ステップS150に進む。
【0039】
ステップS150で、ユーザ特定部102が検出した人間の情報、例えば、外部入力機器200がカメラの場合、顔の画像を取得する。外部入力機器200が位置検知機器からの信号受信機である場合、信号受信機が受信した信号を取得する。ステップS160で、ユーザ特定部102が検出した人間の情報から登録ユーザかどうかを特定する。
ステップS180で登録ユーザと特定できていればステップS190に進む。登録ユーザでなければ最初に戻る。
【0040】
ステップS190で制御部100が記憶部110のメッセージ記憶領域114に、ステップS160で特定した、登録ユーザ向けのメッセージはないと判定した場合は最初に戻る。具体的には、メッセージテーブルにメッセージがあるかを判定する。ステップS190で制御部100が登録ユーザ向けのメッセージがあると判定した場合はステップS200に進む。ステップS200で、制御部100が音声出力部190を制御し、特定した登録ユーザ向けメッセージを音声出力して終了する。
【0041】
ログイン情報を取得する取得部である外部入力機器200がカメラであれば、ステップS150から、ステップS160での検出した人間の特定は、図5のように進められる。すなわち、ステップS150で検出した人間の情報を外部入力機器200から取得するがその情報は、顔を含む画像である。ユーザ特定部102は、ステップS1000で顔画像を検出し、ステップS1020で顔認証のための情報、顔の特徴となる情報を数値として抽出する。ステップS1040で記憶部110、ユーザ情報記憶領域112から登録ユーザの情報として登録されている、ユーザ特定情報である顔画像を呼び出し、ステップS1020で抽出した情報を検索する。ステップS1060で一致した情報があれば、ステップS1080で登録ユーザが特定となる。図4のフローに戻ると、ステップS180の判定で真の方に進む。一致したユーザ特定情報である顔画像がなければ、ステップS1100でユーザが特定できないということになり、図4のフローに戻ると、ステップS180の判定で偽の方に進む。
【0042】
ログイン情報を取得する取得部である外部入力機器200が位置検知機器からの信号受信機である場合、ステップS110からステップS140までの間、信号が取得できなければ、ユーザである人間もいないということになる。位置検知機器からの信号を受信したら、発信機を持った、人間を検出したということになり、ステップS190まで自動的に進む。
【0043】
(1.3 動作例)
次に、第1実施形態における動作例について、例を挙げて説明する。まず、ユーザ特定情報の有無について図3の表1のような状況であることを前提とする。ユーザ1と4はユーザ特定情報が有るので、登録ユーザである。ユーザ2と3は登録ユーザではないが、ユーザではある。また、画像形成装置10の状態として、給紙部150において、トレイ1:152にはA4用紙が十分供給されており、トレイ2:154ではA3用紙が切れているものとする。また、外部入力機器200として、カメラが画像を制御部100に送り続けているものとする。
【0044】
図4のフローチャートの流れで処理が始まる前の段階が以下の様な状況であるとする。ユーザ1は画像形成装置10にネットワークを介してつながっている、PCで作業中である。ユーザ2は画像形成装置10にログインして直接操作中である。ユーザ1がPCから画像形成装置10へネットワークを介して、A3用紙5枚のプリントジョブを送る。画像形成装置10の側では、通信部170を介して、プリントジョブを受信し、制御部100が、記憶部110のジョブ記憶領域116に、プリントジョブを記憶する。しかしながら、ユーザ2が給紙部150のトレイ1:152に供給されている、A4用紙でコピージョブを実行中である。制御部100は、ユーザ1から送られた、プリントジョブをすぐには
実行できず、ジョブ記憶領域116に、プリントジョブを記憶したところまでで一旦保留する。制御部100はユーザ2のコピージョブの合間に、ジョブ記憶領域116に記憶した、ユーザ1からのプリントジョブの内容を実行前に解析する。ユーザ1からのプリントジョブはA3用紙へのプリントである。上記、前提条件に照らし合わせてみれば、A3用紙用のトレイ2:154は、用紙切れなので、このままではジョブが実行できないと判定する。制御部100は、ユーザ1へA3用紙補充を要求するメッセージを、メッセージ記憶領域114に表2のような、メッセージテーブルを作成し記憶する。以上の過程そのものは、第1実施形態に含まれるものではない。
【0045】
引き続き図4のフローチャートの流れで処理が始まると、まずステップS100で制御部100が認証部104として機能し、人間が画像形成装置10を直接操作しているかを判定する。ユーザ2がコピージョブを実行中の間は、認証部104はユーザが画像形成装置10で直接操作していると判定し、最初に戻る。ユーザ2のコピージョブが終了し、ユーザ2がログアウトすると、ステップS100で、制御部100は画像形成装置10で直接操作しているユーザがいないと判定し、ステップS110に進む。ユーザ特定部102はステップS110で外部入力機器200であるカメラから情報を取得し、ステップS120で情報を解析している。しかしながら、ステップS140で、ユーザ特定部102が、人間を検出できないので、フローの最初に戻り、ステップS100-S140を繰り返すループになる。
【0046】
次に、ユーザ3が画像形成装置10の前を通ったとする。ステップS100-S140を繰り返していた、ユーザ特定部102はステップS110で外部入力機器200であるカメラから画像の情報を取得する。さらにステップS120で、ユーザ特定部102は外部入力機器200であるカメラからの情報を解析する。S140でカメラからの情報である画像に顔が見出され、すなわち人間を検出と判定してステップS150に進む。ステップS150で、制御部100は人間であるユーザ3の顔画像を取得する。ステップS160で、制御部100はステップS150で取得したユーザ3の顔の画像から、顔認証を行う。図3、表1のようにユーザ3は顔画像を登録していないので、ユーザ特定部102は、ユーザを特定できず、ステップS180で登録ユーザでないと判断して、ステップS100の前、最初に戻る。
【0047】
次にユーザ4が画像形成装置10の前を通ったとする。ステップS100-S140を繰り返していた、ユーザ特定部102はユーザ3の場合と同様にして、ステップS160まで進む。図3、表1のようにユーザ4は顔画像を登録しているので、ユーザ特定部102はユーザ4と特定でき、ステップS180に進む。ステップS180で、ユーザ4は登録ユーザと判定され、ステップS190にすすむ。ステップS190で、制御部100が記憶部110のメッセージ記憶領域114のメッセージテーブルを参照して、ユーザ4にはメッセージはないと判定し、ステップS100の前、すなわち最初に戻る。
【0048】
次に、ユーザ1が画像形成装置10の前を通ったとする。ステップS100-S140を繰り返していた、ユーザ特定部102はユーザ4の場合と同様にして、ステップS180まで進み、ユーザ1が登録ユーザであることまで、判定し、ステップS190に進む。ステップS190で、制御部100が記憶部110のメッセージ記憶領域114のメッセージテーブルを参照して、ユーザ1にメッセージがあると判定しステップS200に進む。ステップS200で、制御部100はメッセージ記憶領域114のメッセージテーブルに記憶されていた「A3用紙を補充してください」や「A3用紙切れで予約されたジョブが実行できない」といった旨のメッセージを、音声出力部190を制御してユーザ1に音声を出力し、フローの処理は完結する。また、制御部100は、メッセージをユーザ1に向って出力していることを明確にするために、「“ユーザ1”さん、A3用紙を補充してください」と呼びかけるメッセージを生成してもよい。
【0049】
以上の例では、ユーザ1のジョブに関わる、「A3用紙切れ」に対する対処の依頼のメッセージなので、制御部100はメッセージの内容そのもの、を音声出力部190を制御して、ユーザ1に音声で出力する。一方、画像形成装置10は通信部170を介してEメールファクシミリ(インターネットFAX)や、Eメールといった受信者が決まっているメッセージや文書を受信することもある。Eメールファクシミリや、Eメールの内容そのものは、衆人環境でメッセージを音声出力すると差し支えがあるが、Eメールファクシミリや、Eメールを受信しているというメッセージは音声出力しても差し支えないものであり、第1実施形態の範疇で、特定されたユーザに音声出力してもよい。
【0050】
この場合、ユーザ特定情報が有るユーザ1と4の場合は、ユーザ特定部102が登録ユーザとして特定する。さらに制御部100が音声出力部190を制御してメッセージを出力する。ユーザ1と4はログイン動作を行わなくても、自分にメッセージが届いていることを事前に知ることができ、利便性が向上する。一方、ユーザ特定情報がない、ユーザ2と3は、自ら画像形成装置10に対してログイン動作を行い、認証部104による認証を受けた後でしか、メッセージがあることが判らない。
【0051】
(2.第2実施形態)
第2実施形態においては、第1実施形態での動作に加え、制御部100が音声出力部190を制御して、メッセージを出力する対象であるユーザを、メッセージに基づく対処の履歴を判定して選択する。以下、メッセージを出力する対象であるユーザを、対象ユーザと記載する場合がある。
【0052】
(2.1 機能構成)
第2実施形態では、ユーザ特定情報に属性が追加され、属性には用紙やトナーの補充、紙詰まり解除などのメッセージに対して対処した履歴の情報があるものとする。属性が追加されたユーザ特定情報は、図6で示した表3のようになる。ユーザが画像形成装置10からのメッセージに対して対処したときには、制御部100は記憶部110のユーザ情報記憶領域112の、そのときログインしていたユーザ特定情報の属性に、対処がされた日付を記憶する。なお、ログインしていなくても、ユーザ特定部102が例えば顔認証により登録ユーザを特定できていれば、ユーザ特定情報の属性として追加し、記憶部110のユーザ情報記憶領域112に記憶してもよい。また、一定期間、例えば半年間、登録ユーザがメッセージに対処した履歴が無ければ属性はクリアされるようにしてもよい。
【0053】
(2.2 処理の流れ)
第2実施形態では、処理の流れは、図7に示すように、ステップS220において、制御部100が、記憶部110のメッセージ記憶領域114に記憶されている、図6、表4のメッセージテーブルを参照して、登録ユーザに出力するメッセージの有無を判定する。登録ユーザに出力するメッセージがあると判定したら、ステップS100に進む。ステップS100において、認証部104が、ユーザが画像形成装置10に直接ログインして操作していると判定したらステップS240に進む。ユーザ特定部102が、ユーザが画像形成装置10に直接ログインして操作していないと判定したら、ステップS110に進む。ステップS240において、制御部100が、画像形成装置10に直接ログインして操作しているユーザ向けのメッセージが、記憶部110のメッセージ記憶領域114に記憶されていると判定したら、ステップS200に進む。ステップS200において、制御部100が音声出力部190を制御し、画像形成装置10に直接ログインして操作しているユーザにメッセージを出力して終了する。
【0054】
ステップS240において、制御部100が、画像形成装置10に直接ログインして操作しているユーザ向けのメッセージがないと判定したら、ステップS110に進む。ステップS100からステップS110、又は、ステップS240からステップS110に進んできた場合、ステップS110からステップS180までは、ユーザ特定部102が、第1実施形態と同様に、ユーザを探す。ステップS180で、ユーザ特定部102がユーザを特定できたら、ステップS190に進む。
【0055】
ステップS190で、記憶部110のメッセージ記憶領域114に記憶されている、図6、表4のメッセージテーブルを参照して、ステップS180で特定した登録ユーザに対する、メッセージの有無を判定する。メッセージテーブルは、予め過去にメッセージに対して対処した履歴に基づいて、メッセージを出力する対象ユーザと、メッセージを合せたものとして、記憶している。すなわち、メッセージテーブルは、これから出力するメッセージと、前記メッセージに対する対象ユーザを組合わせたテーブルである。第2実施形態では、対象ユーザは、過去に前記メッセージと同じメッセージに対処したユーザである。メッセージがあれば制御部100が、ステップS200において、音声出力部190を制御し、ステップS180で特定した特定ユーザに通知メッセージを通知して終了する。メッセージがなければ最初に戻る。
【0056】
(2.3 動作例)
次に、図6、表3で示したユーザ情報の各ユーザの行動と、表4のメッセージテーブルの状況を例にとり、図7のフローに沿って、本実施形態の動作例を説明する。
【0057】
図6の表3において、ユーザ2以外はユーザ特定情報が有る登録ユーザであり、ユーザ特定情報の属性では、以下の例示に関係がある、用紙補充についてはユーザ1、3、と4に対処履歴があるという状況である。
【0058】
画像形成装置10の状態として、給紙部150のトレイ1:152にはA4用紙が十分供給されており、トレイ2:154ではA3用紙が切れているものとする。
図7のフローチャートの流れで処理が始まる前の段階が以下の様な状況であるとする。ユーザ1がPCから画像形成装置10へネットワークを介して、A3用紙5枚のプリントジョブを送る。画像形成装置10の側では、通信部170を介して、プリントジョブを受信し、制御部100が、記憶部110のジョブ記憶領域116に、プリントジョブを記憶する。ユーザ2は画像形成装置10にログインし、直接操作して、給紙部150のトレイ1:152に供給されている、A4用紙でコピージョブを実行中である。制御部100は、ユーザ1から送られた、プリントジョブをすぐには実行できず、ジョブ記憶領域116に、プリントジョブを記憶したところまでで一旦保留する。制御部100はユーザ2のコピージョブの合間に、ジョブ記憶領域116に記憶した、ユーザ1からのプリントジョブの内容を実行前に解析する。ユーザ1からのプリントジョブはA3用紙へのプリントであ
る。上記、前提条件に照らし合わせてみれば、A3用紙用のトレイ2:154は、用紙切れなので、このままではジョブが実行できないと判定する。制御部100は、ユーザ1に対する用紙補充のメッセージをメッセージ記憶領域114に記憶する。又、第2実施形態では、ユーザ1に限らず、条件があった登録ユーザにメッセージを出力する実施形態である。したがって、用紙補充の対処履歴がある、ユーザ3と4にも用紙補充のメッセージを出すと、制御部100が決定する。以上の流れで、記憶部110のメッセージ記憶領域114のメッセージテーブルに、図6、表4のようなユーザ1、3、4にA3用紙補充を促すメッセージを記憶する。以上が、第2実施形態の動作に至るまでの状況である。
【0059】
図7のフローチャートの流れで第2実施形態での、処理が始まると、記憶部110のメッセージ記憶領域114に、A3用紙補充を促すメッセージが、メッセージテーブルとして記憶されているので、ステップS220において、制御部100がメッセージ記憶領域114に、メッセージがあると判定し、ステップS100に進む。ステップS100で認証部104が、ユーザが画像形成装置10で直接作業しているかを判定する。ユーザ2が
コピージョブを実行中の間は、認証部104はユーザが画像形成装置10で直接作業していると判定し、ステップS240に進む。
【0060】
ステップS240において、制御部100はメッセージ記憶領域114にあるメッセージテーブルに、ユーザ2向けのメッセージはないと判定し、ステップS110に進む。ユーザ2のコピージョブが終了し、ユーザ2がログアウトすると、ステップS100で、認証部104は画像形成装置10で直接作業しているユーザがいないと判定し、ステップS110に進む。
【0061】
制御部100はステップS110で外部入力機器200であるカメラから情報を取得し、S120でカメラからの情報を解析している。しかしながら、ステップS140で、ユーザ特定部102が、人間を検出できなければ、フローの最初に戻り、ステップS220-S140を繰り返すループになる。
【0062】
次に、ユーザ5が、画像形成装置10の前を通ったとする。ステップS220-S140を繰り返していた、ユーザ特定部102が、ステップS110で外部入力機器200であるカメラから情報を取得する。さらにステップS120で、制御部100は外部入力機器200であるカメラからの情報を解析する。ステップS140で人間、すなわちユーザ5であるが、この段階ではとにかく人間を検出と判定してステップS150に進む。ステップS150で、制御部100は人間すなわちユーザ5の顔画像を取得する。ステップS160で、図6のようにユーザ5はユーザ特定情報に、顔画像を登録している。ユーザ特定部102は、検出した人間をユーザ5と特定する。ステップS180で登録ユーザであるユーザ5と判定し、ステップS190に進む。ステップS190で制御部100は記憶部110のメッセージ記憶領域114に記憶されている、メッセージテーブルを参照し、ユーザ5へのメッセージはないと判定し、ステップS220以前(すなわち、最初)に戻る。
【0063】
次に、新たな条件として、ユーザ3が画像形成装置10の前を通ったとする。ユーザ5の場合と同様にステップS140からステップS180までを進み、登録ユーザであるユーザ3がいると判定し、ステップS190に進む。ステップS190で、制御部100は記憶部110のメッセージ記憶領域114に記憶されている、図6、表4のようなメッセージテーブルを参照し、ユーザ3に出力するメッセージがあると判定し、ステップS200に進む。ステップS200で、制御部100はメッセージ記憶領域114に記憶されていた「A3用紙を補充してください」や「A3用紙切れで予約されたジョブが実行できない」といった旨のメッセージを、音声出力部190を制御してユーザ3に音声で出力し、フローの処理は完結する。また、制御部100は、メッセージをユーザ3に向って出力していることを明確にするために、「“ユーザ3”さん、A3用紙を補充してください」と呼びかけるメッセージを生成してもよい。
【0064】
メッセージを出力する対象ユーザの基準を適宜変更して、対象ユーザの範囲を変えてもよい。対象ユーザの範囲は、ユーザ特定情報に含まれる、属性における過去の対処履歴を参考にするとしてもよい。「用紙切れ」への対処は、ジョブを予約したユーザ本人を始めとして、さらに、対処履歴のあるユーザをメッセージテーブルにリストアップしてもよい。「紙詰まり」のようないわば、ユーザ全員に関わる事項であれば、対処履歴のあるユーザをメッセージテーブルにリストアップしてもよい。あるいは、対処を期待できなくても対処履歴がないユーザも含めてユーザ全員をリストアップしてもよい。
【0065】
「トナー切れ」、「故障」のように、ある程度、対処に経験、技術と責任を要する事項であれば、対処履歴のあるユーザに加え、さらに、優先して対処に当たるべきトラブルシュータたる管理者をメッセージテーブルにリストアップしてもよい。この場合、優先して
対処に当たるべきと判定するための判定基準として、ユーザ特定情報の属性に優先度情報が有ってもよい。
【0066】
各ユーザの対処履歴は、トラブルの種類・程度によっては、自ら対処した場合もあるかもしれないが、管理者に通報して、対処が行われた場合もある。対処履歴の元となる情報は、あるユーザに対し画像形成装置10からメッセージを音声出力したという事実と、その後、メッセージに対する対処がされたという事実である。制御部100は、前記2つの事実の関係を以って、メッセージを受けたユーザが何らかの対処をしたと結びつけ、ユーザの対処履歴とする。さらに、制御部100は前記ユーザの対処履歴を属性として記憶部110のユーザ情報記憶領域112に記憶する。登録ユーザの場合、ユーザ特定情報に基づいて、ユーザ特定部102が実際に対処したユーザを特定可能である。メッセージを音声出力されたユーザと管理者いずれが対処したのか区別して履歴に記憶してもよいし、区別しなくてもよい。
【0067】
(3.第3実施形態)
第3実施形態として、第1又は第2実施形態に加えて、制御部100が音声出力部190を制御して、メッセージを音声出力するステップS200の後、第1又は第2実施形態の動作を繰り返してもよい。すなわち、制御部100は、ステップS200の後、対処がされるまで、一定時間経過ごとに、第1実施形態に基づいて、ステップS100から、フローを再実行するように制御してもよい。又は、制御部100は、第2実施形態に基づいて、ステップS220から、フローを再実行するように制御してもよい。
【0068】
再実行の場合、制御部100が音声出力部190を制御して、メッセージを音声出力した後、さほど時間が経過していない。その間、対処が実行されなかったのであるから、制御部100がメッセージを出力する対象ユーザとして、先行の音声出力の対象であった同一ユーザへの出力を行うか否かは、制御部100が区別してもよい。普段、対処への貢献が高いユーザであっても、数分~数時間程度、多忙で対処していられないといった場合は考えられる。
【0069】
第2実施形態のフローである図7を用いて、制御部100が音声出力部190を制御して、ユーザ3に対して、メッセージを音声出力した後、給紙部150のトレイ2:154にA3用紙が補充されずに、一定時間が経過し、画像形成装置10の制御部100がステップS220からの処理を再実行する場合を、例にとって説明する。
【0070】
ユーザ4が画像形成装置10の前を通ったとする。ユーザ5の場合と同様にステップS140からステップS180までを進み、登録ユーザであるユーザ4がいると判定し、ステップS190に進む。ステップS190で、制御部100は記憶部110のメッセージ記憶領域114に記憶されている、図6、表4のようなメッセージテーブルを参照し、ユーザ4に出力するメッセージがあると判定し、ステップS200に進む。ステップS200で、制御部100はメッセージ記憶領域114に記憶されていた「A3用紙を補充してください」や「A3用紙切れで予約されたジョブが実行できない」といった旨のメッセージを、音声出力部190を制御してユーザ4に音声で出力し、フローの処理は完結する。また、制御部100は、メッセージをユーザ4に向って出力していることを明確にするために、「“ユーザ4”さん、A3用紙を補充してください」と呼びかけるメッセージを生成してもよい。
【0071】
(4.変形例)
以上の、実施形態では、画像形成装置10は、制御部100と、記憶部110と、画像形成部140と、給紙部150と、表示部160と、操作部180と、通信部170と、音声出力部190と、を備え、さらに外部入力機器200がある例を説明したが、本実施形態に開示した発明を実施するためには、他の方式であってもよい事は勿論である。例えば、音声出力部190としてLAN上に接続されている端末の音声出力機能を利用し、外部入力機器200として、端末のカメラを利用してもよい。そして画像形成部140、外部入力機器200に制御用のコンピュータを接続することにより、ユーザに対するメッセージを音声出力するシステムとして構成されていてもよい。
【0072】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0073】
このように、本明細書に記載した各実施形態は、矛盾の無い範囲で組み合わせて実行することができる。
【0074】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM(Random Access Memory))に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD、SSDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0075】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
10 画像形成装置
100 制御部
110 記憶部
112 ユーザ情報記憶領域
114 メッセージ記憶領域
190 音声出力部
200 外部入力機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7