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  • 特開-撮影装置、撮影方法、プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186729
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】撮影装置、撮影方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/05 20210101AFI20221208BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221208BHJP
   H04N 5/235 20060101ALI20221208BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20221208BHJP
   G06V 40/16 20220101ALI20221208BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20221208BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20221208BHJP
   G03B 15/03 20210101ALI20221208BHJP
【FI】
G03B15/05
H04N5/232 190
H04N5/235 400
G06T7/00 510F
G06V40/16 A
G03B15/00 Q
G03B15/02
G03B15/03 F
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156129
(22)【出願日】2022-09-29
(62)【分割の表示】P 2021503659の分割
【原出願日】2020-03-06
(31)【優先権主張番号】P 2019041795
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 帝人
(72)【発明者】
【氏名】竹田 政敏
(72)【発明者】
【氏名】蜂屋 諒
(57)【要約】
【課題】カメラに向かって進行している撮影対象者を顔認証するために適した画像を撮影することができる撮影装置を提供する。
【解決手段】第1の態様で発光デバイスを制御し、撮影対象者を撮影する際、第1の態様よりも発光強度が高くカメラのフラッシュとして機能する第2の態様に発光デバイスを制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、
発光デバイスと、
第1の態様で前記発光デバイスを制御し、撮影対象者を撮影する際、前記第1の態様よりも発光強度が高く前記カメラのフラッシュとして機能する第2の態様に前記発光デバイスを制御する制御部と、
を備える撮影装置。
【請求項2】
カメラと、
発光デバイスと、
撮影対象者の注意を前記カメラに向けさせる第1の態様から、前記第1の態様よりも発光強度が高く前記カメラのフラッシュとして機能する第2の態様に前記発光デバイスを制御する制御部と、
を備える撮影装置。
【請求項3】
前記発光デバイスは、前記カメラの近傍に設けられ、
撮影対象者を検知する人感センサを備え、
前記制御部は、
前記撮影対象者が検知された際に、前記発光デバイスを前記第1の態様にしたがって発光制御する第一発光制御手段と、
前記第1の態様にしたがって前記カメラによって生成される画像上の前記撮影対象者の目間距離が所定距離に達した場合に、撮影タイミングであることを検知する検知手段と、
前記撮影タイミングに、前記発光デバイスを前記第1の態様よりも発光強度の高い前記第2の態様にしたがって発光制御する第二発光制御手段と、
を備える請求項1または請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記撮影タイミングに前記カメラが撮影して生成した画像を、顔認証に用いるために取得する撮影制御手段と、
を備える請求項3に記載の撮影装置。
【請求項5】
前記第二発光制御手段は、前記カメラのフラッシュとして機能する前記第2の態様にしたがって、前記発光デバイスを発光制御する
請求項3または請求項4に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記第一発光制御手段は、前記撮影対象者の注意を前記カメラに向けさせる前記第1の態様にしたがって、前記発光デバイスを発光制御する
請求項3から請求項5の何れか一項に記載の撮影装置。
【請求項7】
第1の態様で発光デバイスを制御し、撮影対象者を撮影する際、前記第1の態様よりも発光強度が高くカメラのフラッシュとして機能する第2の態様に前記発光デバイスを制御する
撮影方法。
【請求項8】
撮影対象者の注意をカメラに向けさせる第1の態様から、前記第1の態様よりも発光強度が高く前記カメラのフラッシュとして機能する第2の態様に発光デバイスを制御する
撮影方法。
【請求項9】
撮影装置のコンピュータに、
第1の態様で発光デバイスを制御し、撮影対象者を撮影する際、前記第1の態様よりも発光強度が高くカメラのフラッシュとして機能する第2の態様に前記発光デバイスを制御する
処理を実行させるプログラム。
【請求項10】
撮影装置のコンピュータに、
撮影対象者の注意をカメラに向けさせる第1の態様から、前記第1の態様よりも発光強度が高く前記カメラのフラッシュとして機能する第2の態様に発光デバイスを制御する
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、撮影装置、撮影方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
歩行中の撮影対象者に対し、光、音等を発することにより、カメラ設置位置に顔を向けさせ、顔認証を行う際の認証効率を向上させる技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-086350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、カメラから撮影対象者までの距離や周囲の明るさによっては顔認証に適した画像を撮影することができないという問題がある。
【0005】
そこでこの発明は、上述の課題を解決する撮影装置、撮影方法、プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の第1の態様によれば、撮影装置は、カメラと、前記カメラの近傍に設けられた発光デバイスと、撮影対象者を検知する人感センサと、前記撮影対象者が検知された際に、前記発光デバイスを第一の態様にしたがって発光制御する第一発光制御手段と、前記第一の態様にしたがって前記カメラによって生成される画像上の前記撮影対象者の目間距離が所定距離に達した場合に撮影タイミングであることを検知する検知手段と、前記撮影タイミングに、前記発光デバイスを前記第一の態様よりも発光強度の高い第二の態様にしたがって発光制御する第二発光制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この開示の第2の態様によれば、撮影方法は、人感センサが撮影対象者を検知した際に、カメラの近傍に設けられた発光デバイスを第一の態様にしたがって発光制御し、前記第一の態様にしたがって前記カメラによって生成される画像上の前記撮影対象者の目間距離が所定距離に達した場合に撮影タイミングであることを検知し、前記撮影タイミングに、前記発光デバイスを前記第一の態様よりも発光強度の高い第二の態様にしたがって発光制御することを特徴とする。
【0008】
この開示の第3の態様によれば、記憶媒体に記憶されたプログラムは、撮影装置のコンピュータを、人感センサが撮影対象者を検知した際に、カメラの近傍に設けられた発光デバイスを第一の態様にしたがって発光制御し、前記第一の態様にしたがって前記カメラによって生成される画像上の前記撮影対象者の目間距離が所定距離に達した場合に撮影タイミングであることを検知し、前記撮影タイミングに、前記発光デバイスを前記第一の態様よりも発光強度の高い第二の態様にしたがって発光制御する、処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この開示によれば、カメラに向かって進行している撮影対象者を顔認証するために適した画像を撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態による撮影装置の外観を示す斜視図である。
図2】本実施形態による撮影装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態による制御装置の機能構成図である。
図4】本実施形態による制御装置及び顔認証装置のハードウェア構成図である。
図5】本実施形態による撮影装置の処理フローを示す図である。
図6】本実施形態による撮影装置の最小構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この開示の一実施形態による撮影装置を図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による撮影装置の外観を示す斜視図である。
撮影装置100は、例えば顔認証により人の入退場を管理する入退場管理システム等に導入される装置である。撮影装置100は、入場または退場する人を撮影する。撮影装置100は、例えば建物や敷地等の出入口において、入場または退場する人の顔が撮影可能な位置に設置される。
【0012】
図1で示すように撮影装置100は、人感センサ3と発光デバイス4とカメラ5とスロープLED(Light Emitting Diode)6とディスプレイ7とを含んで構成される。
人感センサ3は、例えば赤外線センサ等により撮影装置100の正面にいる撮影対象者を検知する。撮影装置100の正面はカメラの撮影方向である。
カメラ5は撮影装置100の正面にいる撮影対象者を撮影する。
発光デバイス4はカメラ5近傍に設けられる。例えば、発光デバイス4は、カメラ5のレンズの円周方向に沿ってリンク状に設置される、複数の発光体(例えば、LED)である。発光デバイス4は、撮影対象者の注意をカメラ5に向けさせる機能及びカメラ5のフラッシュとしての機能を有する。
スロープLED6は撮影装置100にある左右のスロープそれぞれに設置される1又は複数の発光体である。スロープLED6は顔認証の結果を通知する。
ディスプレイ7は液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。ディスプレイ7はカメラ5が撮影する画像を表示する。
【0013】
図2は撮影装置の構成を示すブロック図である。
撮影装置100は、制御装置1、顔認証装置2、人感センサ3、発光デバイス4、カメラ5、スロープLED6、及びディスプレイ7、を少なくとも備える。
【0014】
顔認証装置2は、撮影タイミングにカメラ5が撮影した撮影対象者の顔写真の画像と、予め記憶している登録者の顔写真の画像とを照合して、顔認証を実行する顔認証エンジンである。登録者は例えば入退場を許可された人である。
【0015】
図3は制御装置の機能構成図である。
制御装置1は発光デバイス4やスロープLED6における発光制御を実行する。制御装置1は電源が投入されると起動し、予め記憶する撮影プログラムを実行する。これにより制御装置1には、第一発光制御部11、検知部12、第二発光制御部13、撮影制御部14、表示制御部15、及び通知部16を少なくとも備える。
【0016】
第一発光制御部11は、撮影対象者が検知された際に、撮影対象者の注意をカメラ5に向けさせる第一の態様にしたがって発光デバイス4を発光制御する。例えば第一の態様は青色の点滅である。
検知部12は、第一の態様にしたがってカメラ5が生成した画像上の撮影対象者の目間距離が所定距離に達した場合に、撮影タイミングであることを検知する。
第二発光制御部13は、撮影タイミングに発光デバイス4を第一の態様よりも発光強度の高い第二の態様にしたがって発光制御する。例えば第二の態様はカメラ5のフラッシュとして機能する、第一の態様よりも輝度の大きい白色の点灯である。
【0017】
撮影制御部14は、撮影タイミングにカメラ5が撮影した画像を、顔認証に用いるために取得し、取得した画像を顔認証装置2に出力する。
表示制御部15はディスプレイ7における表示を制御する。
通知部16は、スロープLED6を発光制御して、顔認証装置2における顔認証の認証結果を通知する。
【0018】
図4は制御装置及び顔認証装置のハードウェア構成図である。
この図が示すように制御装置1(顔認証装置2)はCPU(Central Processing Unit)101(201)、ROM(Read Only Memory)102(202)、RAM(Random Access Memory)103(203)、大容量記憶装置104(204)、通信モジュール105(205)等の各ハードウェアを備えたコンピュータである。
【0019】
図5は撮影装置の処理フローを示す図である。
次に撮影装置の処理フローについて順を追って説明する。
まず撮影装置100の第一発光制御部11は、人感センサ3が撮影対象者を検知したか否かを判定する(ステップS101)。第一発光制御部11は、人感センサ3が撮影対象者を検知していない場合(ステップS101;No)、ステップS101の処理を繰り返す。
一方、第一発光制御部11は、人感センサ3が撮影対象者を検知した場合(ステップS101;Yes)、発光デバイス4を青色で点滅させる(第一の態様で発光制御する)(ステップS102)。これにより撮影対象者の注意をカメラ5に向けさせ、撮影対象者の顔の向きや視線をカメラ5の方向に向けさせることができる。撮影制御部14は、第一の態様にしたがって発光制御された際にカメラ5に撮影を指示する。撮影制御部14は、複数回、カメラ5に撮影を指示してもよい。これにより、撮影対象者の注意をカメラ5に向けさせた状態で、撮影対象者の画像を含む1つまたは複数の画像データを生成することができる。換言すると、カメラ5に対して正面を向いた状態の撮影対象者の画像データを取得することができる。
【0020】
続いて、検知部12は、第一の態様にしたがってカメラ5が撮影して生成された画像に撮影対象者の両黒目と認識される部分が存在する場合に、撮影対象者の顔の向きがカメラ5に対し正面であると判定する。検知部12は、両黒目と認識される部分が存在する当該画像における撮影対象者の目間距離を算出する。目間距離は左黒目と右黒目との間の距離である。検知部12は算出した、画像における目間距離が所定距離に達したか否かを判定する(ステップS103)。
カメラ5が撮影している画像において目間距離が所定距離に達した場合には、次のように推定することができる。すなわち、撮影対象者がカメラ5に対して正面を向いており、かつ撮影対象者がカメラ5に向かって進行しており、かつカメラ5から撮影対象者までの距離が顔認証を行う画像(顔写真)を撮影するのに適した距離(例えば60センチメートルから120センチメートル等)であると推定することができる。検知部12は、例えば、目間距離の統計情報等に基づいて、画像における目間距離に対応した、カメラ5から撮影対象者までの距離を推定することができる。したがって、検知部12は、目間距離が所定距離に達した場合の、カメラ5から撮影対象者までの距離を推定することができる。検知部12は、目間距離が所定距離に達した場合、撮影対象者の自装置からの距離が撮影するために適した距離になったと判定する。よって検知部12は目間距離が所定距離に達した場合(ステップS103;Yes)、撮影タイミングであることを検知する。
一方、検知部12は目間距離が所定距離に達していない場合(ステップS103;No)、ステップS103の処理を繰り返す。
【0021】
第二発光制御部13は、撮影タイミングに発光デバイス4を第一の態様より輝度の大きい白色で点灯して、カメラ5のフラッシュとして機能させる(第一の態様よりも発光強度の高い第二の態様で発光制御する)(ステップS104)。これにより撮影対象者の顔を明るくして顔認証に適した顔写真を撮影することができる。撮影制御部14は、顔認証に用いるために、撮影タイミングにカメラ5が撮影した撮影対象者の顔写真の画像を取得する(ステップS105)。すなわち、撮影制御部14は、撮影タイミングに、第二の態様にしたがって発光制御された際に、カメラ5に撮影を指示する。これにより、カメラ5から所定距離の範囲に位置しカメラ5に対して正面を向いた撮影対象者が、発光強度が高い状態で撮影された画像データを取得できる。撮影制御部14は、生成された画像データを取得する。表示制御部15は、カメラ5が撮影タイミングに撮影して生成した顔写真の画像をディスプレイ7に表示する(ステップS106)。
【0022】
撮影制御部14は取得した顔写真の画像(顔画像を含む画像データ)を顔認証装置2に出力する。顔認証装置2は入力された画像と、予め記憶している登録者の顔写真の画像とを照合することにより、撮影対象者が登録者であるか否かを認証する顔認証処理を実行する(ステップS107)。すなわち、顔認証装置2は撮影対象者の顔画像を含む画像データと、予め記憶された登録者の顔画像を含む画像データとを照合し、撮影対象者が登録者と同一人物であるか否かを判定する。
【0023】
顔認証装置2は認証結果を制御装置1に出力する。認証結果は、撮影対象者が登録者である場合にはOKであり、撮影対象者が登録者でない場合にはNGである。制御装置1の通知部16は、顔認証装置2から入力された認証結果がOKであるかNGであるか否かを判定する(ステップS108)。
通知部16は認証結果がOKである場合、スロープLED6を緑色で点灯させる(ステップS109)。これにより認証結果がOKであることを撮影対象者に通知することができる。その後処理を終了する。一方、通知部16は認証結果がNGである場合、スロープLED6を赤色で点灯させる(ステップS110)。これにより認証結果がNGであることを撮影対象者に通知することができる。その後処理を終了する。
【0024】
上述の処理において通知部16は、スピーカ(不図示)から認証結果を音声で出力することにより認証結果を通知してもよい。
また上述の処理において第一発光制御部11は、発光デバイス4を青色で点滅させることにより撮影対象者の注意をカメラ5に向けさせているが、この発光態様に限定されるものではない。撮影対象者の注意をカメラ5に向けさせるものであれば他の発光態様であってもよい。
また上述の処理において検知部12は、目間距離が所定距離に達した場合に撮影タイミングであることを検知している。ただし、これに加えて更に撮影対象者の視線の向きがカメラ5に対して正面である場合に撮影タイミングであると判定してもよい。
【0025】
上述の処理によれば、撮影対象者の顔がカメラ5に対して正面を向いており、かつ撮影対象者のカメラ5からの距離が所定距離になったときに、撮影対象者の顔を明るくして撮影することができる。よって、カメラ5に向かって進行している撮影対象者を顔認証するために適した画像を、撮影することができる。顔認証に適した画像とは、撮影対象者の顔が明るく写っており、影がなく、顔や視線が正面を向いている所定の大きさの顔写真の画像である。
【0026】
また上述の処理によれば、第一発光制御部11が撮影対象者を検知した際に、発光デバイス4を第一の態様で発光制御する。このため、撮影対象者の注意をカメラ5に向けさせ、撮影対象者の顔の向きや視線の向きをカメラ5に向けさせることができる。
なお、例えばディスプレイ7等にカメラ5を指し示す矢印を表示して撮影対象者の注意をカメラ5に向けさせる方法等も考えられるが、この場合には撮影対象者が矢印に気付かない、または気付くのが遅れることが多々ある。またこの場合には撮影対象者がまず矢印を見た後にカメラ5を見るため、カメラ5に注意を向けるまで時間が掛かり、その時間だけ顔認証に遅れが生じる。
これに対し上述の撮影装置100では、カメラ5近傍に設けられた発光デバイス4を発光させている。このため、矢印に比べて撮影対象者が気付きやすく、また、すぐにカメラ5へ注意を向けさせることができる。
【0027】
また上述の処理によれば、検知部12は撮影対象者の自装置からの距離に基づいて、撮影対象者の目間距離が所定距離に達した場合に撮影タイミングであることを検知する。このため、撮影対象者の顔がカメラ5に対して正面を向いており、かつ撮影対象者の撮影装置100からの距離が顔認証に用いる画像を撮影するのに適した距離になったときを、撮影タイミングとすることができる。更に、例えば撮影装置100の前を横切って通過する人等の、撮影装置100に向かって進行している人以外を、顔認証の対象から外すことができる。
【0028】
また上述の処理によれば、第二発光制御部13は、撮影タイミングに発光デバイス4を、第一の態様よりも発光強度の高い第二の態様にしたがって発光制御する。このため、撮影対象者の顔を明るくして顔認証に適した顔写真の画像を撮影することができる。
【0029】
また上述の制御装置1によれば、撮影対象者の注意をカメラ5に向ける発光デバイス4をフラッシュとしても機能させている。このため、別途フラッシュ用の発光デバイスを設置する必要がなく、コストを削減することができる。すなわち撮影対象者の注意の引き付けと、顔認証に適した照明環境の構築とを一連の流れの中で一つの発光デバイス4で実現することができる。
【0030】
以上この開示の一実施形態について説明したが、この開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、この開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0031】
例えば、上述した実施形態では、発光デバイス4がカメラ5のレンズの円周方向に沿ってリング状に設置された複数の発光体である場合について説明したが、これに限定されるものではない。発光デバイス4はカメラ5近傍に設置されていればよく、例えばカメラ5のレンズを四角に囲うように複数の発光体が設置されているものでもよい。また発光デバイス4は1つの発光体により構成されていてもよい。
【0032】
図6は撮影装置の最小構成を示す図である。
撮影装置100は少なくともカメラ5、発光デバイス4、人感センサ3、第一発光制御部11、検知部12、及び第二発光制御部13を備えればよい。
発光デバイス4はカメラ5の近傍に設けられる。
人感センサ3は撮影対象者を検知する。
第一発光制御部11は、撮影対象者が検知された際に、第一の態様にしたがって発光デバイス4を発光制御する。
検知部12は、第一の態様にしたがってカメラ5によって生成された画像上の撮影対象者の目間距離が所定距離に達した場合に、撮影タイミングであることを検知する。
第二発光制御部13は、撮影タイミングに、第一の態様よりも発光強度の高い第二の態様にしたがって発光デバイス4を発光制御する。
【0033】
上述の制御装置1および顔認証装置2は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0034】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0035】
この出願は、2019年3月7日に日本出願された特願2019-041795号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0036】
この開示によれば、カメラに向かって進行している撮影対象者を顔認証するために適した画像を撮影することができる。
【符号の説明】
【0037】
100・・・撮影装置
1・・・制御装置
11・・・第一発光制御部
12・・・検知部
13・・・第二発光制御部
14・・・撮影制御部
15・・・表示制御部
16・・・通知部
2・・・顔認証装置
3・・・人感センサ
4・・・発光デバイス
5・・・カメラ
6・・・スロープLED
7・・・ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6