(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186738
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】撮像素子実装基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20221208BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20221208BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H05K1/02 D
H05K3/00 X
H01L23/12 F
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158201
(22)【出願日】2022-09-30
(62)【分割の表示】P 2017207237の分割
【原出願日】2017-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】柴田 周作
(72)【発明者】
【氏名】高倉 隼人
(72)【発明者】
【氏名】河邨 良広
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】若木 秀一
(57)【要約】
【課題】変形を抑制して、取扱性に優れ、撮像素子を精度よく実装することのできる撮像素子実装基板を提供すること。
【解決手段】撮像素子実装基板1は、1つの撮像素子が実装される基板30が配置されている基板エリア2と、基板エリア2の周囲に配置される複数の補強部4とを備える。複数の補強部4のそれぞれは、互いに独立する。基板エリア2は、面方向に互いに間隔を隔てて複数配置される。補強部4は、前記基板エリア2と重ならない
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの撮像素子が実装される基板が配置されている基板エリアと、
前記基板エリアの周囲に配置される複数の補強部とを備え、
前記複数の補強部のそれぞれは、互いに独立し、
前記基板エリアは、面方向に互いに間隔を隔てて複数配置され、
前記補強部は、前記基板エリアと重ならないことを特徴とする、撮像素子実装基板。
【請求項2】
前記複数の補強部は、厚み方向に直交する面方向において前記基板エリアを挟んで互いに対向する補強部を含むことを特徴とする、撮像素子実装基板。
【請求項3】
前記基板エリアは、厚み方向に直交する面方向に複数の前記基板が整列配置されている複数基板エリアであることを特徴とする、請求項1または2に記載の撮像素子実装基板。
【請求項4】
前記複数基板エリアは、略矩形状を有し、
前記複数の補強部は、前記複数基板エリアの各辺に対応して配置されることを特徴とする、請求項3に記載の撮像素子実装基板。
【請求項5】
前記複数基板エリアの内側に配置される補助補強部をさらに備えることを特徴とする、
請求項3または4に記載の撮像素子実装基板。
【請求項6】
前記基板エリアは、単数の前記基板が配置されている単数基板エリアであることを特徴とする、請求項1または2に記載の撮像素子実装基板。
【請求項7】
前記単数基板エリアは、略矩形状を有し、
前記複数の補強部は、前記単数基板エリアの各辺に対応して配置されることを特徴とする、請求項6に記載の撮像素子実装基板。
【請求項8】
前記複数の補強部のそれぞれは、略直線形状を有しており、
前記複数の補強部は、前記複数の補強部のそれぞれを通過する仮想線が交点を有するように、配置されており、
前記交点に対応する部分には、前記補強部が形成されていないことを特徴とする、請求項4、5および7の少なくともいずれか一項に記載の撮像素子実装基板。
【請求項9】
前記複数の補強部の材料は、金属であり、
前記基板エリアは、樹脂フィルムを含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の撮像素子実装基板。
【請求項10】
前記基板エリアの厚みが、50μm以下であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の撮像素子実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像用半導体を搭載するための撮像装置用半導体搭載用基板が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、撮像装置用半導体搭載用基板には、薄型化(低背化)が要求される。しかし、薄型化が図られた撮像装置用半導体搭載用基板は、それが樹脂基板である場合には、とくに、取り扱い時に、折れやしわなどを生じ易いという不具合がある。
【0005】
そこで、撮像用半導体が搭載されるエリアの周囲に枠状の金属補強部を設けることが試案される。
【0006】
このような金属補強部を形成するには、まず、ベタの金属層に樹脂基板を積層し、その後、外形加工により、金属層の中央部を除去する。
【0007】
しかるに、樹脂基板は、金属層との収縮率の相違に起因して、収縮力が生じるが、金属層がベタ形状であるとき(外形加工前)には、金属層の支持力によって、変形が防止される。しかし、上記した外形加工によって、中央部が除去されると、金属層の支持力が低減され、そのため、樹脂基板が収縮力によって撓む(変形する)。そうすると、その後の取扱性に低下し、さらには、半導体を精度よく実装することができないという不具合がある。
【0008】
本発明は、折れやしわの発生を抑制しつつ、変形を抑制して、取扱性に優れ、撮像素子を精度よく実装することのできる撮像素子実装基板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明(1)は、基板が配置されている基板エリアと、前記基板エリアの周囲に配置される複数の補強部とを備え、前記複数の補強部のそれぞれは、互いに独立する、撮像素子実装基板を含む。
【0010】
この撮像素子実装基板では、複数の補強部で基板エリアを補強することにより、折れやしわの発生を低減しつつ、複数の補強部のそれぞれは、互いに独立するので、複数の補強部の間は、補強部がなく、そのため、基板エリアで生じる収縮力を逃がす(分散させる)ことができる。そのため、収縮力に起因する変形を抑制することができる。その結果、この撮像素子実装基板は、折れやしわの発生を低減しつつ、取扱性に優れ、撮像素子を精度よく実装することができる。
【0011】
本発明(2)は、前記複数の補強部は、厚み方向に直交する面方向において前記基板エリアを挟んで互いに対向する補強部を含む、撮像素子実装基板を含む。
【0012】
この撮像素子実装基板では、複数の補強部は、面方向において基板エリアを挟んで互いに対向する補強部を含むので、取り扱い時の折れやしわの発生を抑制しながら、収縮力に起因する変形を抑制することができる。
【0013】
本発明(3)は、前記基板エリアは、複数の前記基板が整列配置されている複数基板エリアである、(1)または(2)に記載の撮像素子実装基板を含む。
【0014】
この撮像素子実装基板では、基板エリアは、厚み方向に直交する面方向に複数の基板が整列配置されている複数基板エリアであるので、複数の基板をまとめて補強することができる。
【0015】
本発明(4)は、前記複数基板エリアは、略矩形状を有し、前記複数の補強部は、前記複数基板エリアの各辺に対応して配置される、(3)に記載の撮像素子実装基板を含む。
【0016】
この撮像素子実装基板では、複数の補強部は、複数基板エリアの各辺に対応して配置されるので、複数の基板を効率よく補強することができる。
【0017】
本発明(5)は、前記複数基板エリアの内側に配置される補助補強部をさらに備える、(3)または(4)に記載の撮像素子実装基板を含む。
【0018】
この撮像素子実装基板では、補助補強部によって、複数基板エリア内の基板を補強しつつ、補強部によって、複数の基板をまとめて補強することができる。
【0019】
本発明(6)は、前記基板エリアは、単数の前記基板が配置されている単数基板エリアである、(1)または(2)に記載の撮像素子実装基板を含む。
【0020】
この撮像素子実装基板では、基板エリアは、単数の基板が整列配置されている単数基板エリアであるので、各基板を確実に補強することができる。
【0021】
本発明(7)は、前記単数基板エリアは、略矩形状を有し、前記複数の補強部は、前記単数基板エリアの各辺に対応して配置される、(6)に記載の撮像素子実装基板を含む。
【0022】
この撮像素子実装基板では、複数の補強部は、単数基板エリアの各辺に対応して配置されるので、各基板を効率よく補強することができる。
【0023】
本発明(8)は、前記複数の補強部のそれぞれは、略直線形状を有しており、前記複数の補強部は、前記複数の補強部のそれぞれを通過する仮想線が交点を有するように、配置されており、前記交点に対応する部分には、前記補強部が形成されていない、(4)、(5)および(7)の少なくともいずれか一項に記載の撮像素子実装基板を含む。
【0024】
この撮像素子実装基板では、交点に対応する部分には、補強部が形成されていないので、基板エリアで生じる収縮力を、交点に対応し、略直線形状を有する少なくとも2つの補強部に沿って少なくとも2方向に逃がすことができる。
【0025】
本発明(9)は、前記複数の補強部の材料は、金属であり、前記基板エリアは、樹脂フィルムを含む、(1)~(8)のいずれか一項に記載の撮像素子実装基板を含む。
【0026】
この撮像素子実装基板では、複数の補強部の材料は、金属であり、基板エリアは、樹脂フィルムを含むので、金属の収縮率と、樹脂の収縮率の差が大きく、そのため、上記した収縮力を発生し易い。
【0027】
しかし、上記したように、複数の補強部のそれぞれが互いに独立するので、かかる収縮力を逃がすことができる。その結果、収縮力に起因する変形を抑制することができる。従って、この撮像素子実装基板は、取扱性に優れ、撮像素子を精度よく実装することができる。
【0028】
本発明(10)は、前記基板エリアの厚みが、50μm以下である、(1)~(7)のいずれか一項に記載の撮像素子実装基板を含む。
【0029】
この撮像素子実装基板は、基板エリアの厚みが、50μm以下と薄いので、薄型化を図ることができる。
【0030】
一方、薄い基板エリアでは、収縮力を発生し易い。しかし、この撮像素子実装基板では、上記したように、かかる収縮力を逃がすことができる。そのため、収縮力に起因する変形を抑制することができる。その結果、この撮像素子実装基板は、取扱性に優れ、撮像素子を精度よく実装することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の撮像素子実装基板は、折れやしわの発生を低減しつつ、取扱性に優れ、撮像素子を精度よく実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態である撮像素子実装基板を備える長尺基板の平面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示す撮像素子実装基板における複数基板エリアの拡大平面図を示す。
【
図3】
図3は、
図2に示す撮像素子実装基板のA-A線に沿う断面図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の撮像素子実装基板の変形例の平面図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の撮像素子実装基板の変形例の平面図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の撮像素子実装基板の変形例の平面図を示す。
【
図7】
図7は、本発明の撮像素子実装基板の変形例の平面図を示す。
【
図8】
図8は、本発明の撮像素子実装基板の変形例の平面図を示す。
【
図9】
図9は、本発明の撮像素子実装基板における単数基板エリアの変形例の平面図を示す。
【
図10】
図10は、本発明の撮像素子実装基板における単数基板エリアの変形例の平面図を示す。
【
図11】
図11は、本発明の撮像素子実装基板における単数基板エリアの変形例の平面図を示す。
【
図12】
図12は、本発明の撮像素子実装基板の変形例の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1の左上図および
図2に示すように、撮像素子実装基板1は、厚み方向と直交する第1方向に延びる平板形状を有し、具体的には、所定の厚みを有し、平坦な表面および平坦な裏面を有している。なお、撮像素子実装基板1は、第1方向に延び(長尺であり)、上記した撮像素子実装基板1が整列配置された長尺基板17を、第1方向および第2方向(厚み方向および第1方向に直交する方向)に沿って切断して得られる。また、撮像素子実装基板1は、次に説明する1つの撮像素子を実装する基板30を複数備える。なお、上記した第1方向および第2方向は、面方向に含まれる。
【0034】
撮像素子実装基板1は、撮像装置(図示せず)ではなく、撮像装置(図示せず)の一部品、すなわち、撮像装置(図示せず)を作製するための部品であり、撮像素子(図示せず)を含まず、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
【0035】
図1の左上図に示すように、撮像素子実装基板1は、複数の複数基板エリア3を備える。
【0036】
複数基板エリア3は、平面視略矩形状のエリアであって、1つの撮像素子実装基板1に、複数個、具体的には、第1方向に沿って2列、第2方向に沿って2列の合計4(=2×2)個、第1方向および第2方向のそれぞれに互いに間隔を隔てて整列配置される。
【0037】
複数の複数基板エリア3のそれぞれは、複数の基板30が集合したエリアである。
【0038】
基板30は、平面視略矩形状を有し、1つの複数基板エリア3に、複数個、具体的には、第1方向に沿って2列、第2方向に沿って3列の合計6(=2×3)個、第1方向および第2方向のそれぞれに互いに間隔を隔てて整列配置される。
【0039】
そして、複数基板エリア3は、上記した基板30を確保する(を仕切る)基板エリア2を複数含んでいる。
【0040】
図2に示すように、また、基板30の面方向中央部には、実装エリア10(破線)が仕切られる。実装エリア10は、1つの撮像素子(図示せず)を実装する平面視略矩形状のエリアである。
【0041】
図2および
図3に示すように、基板30は、絶縁層5と、端子7とを備える。絶縁層5および端子7は、後で詳述する。
【0042】
複数基板エリア3の内側であって、基板エリア2の外側には、補助補強部18が設けられている。補助補強部18は、絶縁層5中に埋設される補助補強層19からなる。補助補強層19は、端子7と独立して設けられており、面方向に延びる略シート形状を有する。
補助補強部18は、複数の基板エリア2間において、平面視略格子形状を有する。補助補強部18は、補強部4による基板30(複数基板エリア3)の補強を補助する。
【0043】
なお、補助補強層19は、撮像素子実装基板1において、複数基板エリア3の外側においても、後述する補強部4以外のエリア全体に配置されている。補助補強層19の厚みおよび材料などは、後で詳述する。
【0044】
そして、この撮像素子実装基板1は、複数の複数基板エリア3のそれぞれの周囲に配置される複数の補強部4を備える。
【0045】
補強部4は、複数基板エリア3の各辺に対応して設けられている。具体的には、補強部4は、1つの複数基板エリア3の4辺に対応して4つ設けられている。4つの補強部4は、1つの複数基板エリア3の4辺の面方向外側に微小な間隔を隔てて対向配置されている。4つの補強部4は、互いに独立している。
【0046】
4つの補強部4は、第1方向において対向する第1補強部11および第2補強部12と、第2方向に対向する第3補強部13および第4補強部14とからなる。
【0047】
第1補強部11は、1つの複数基板エリア3の第1方向一方側に間隔を隔てて対向配置される。第1補強部11は、第2方向に沿って延びる略直線形状を有する。つまり、第1補強部11は、第2方向にわたって同一幅W1を有する。第1補強部11の第2方向両端縁のそれぞれは、第1方向に投影したときに、複数基板エリア3の第2方向両端縁のそれぞれと重複する。
【0048】
第2補強部12は、1つの複数基板エリア3の第1方向他方側に間隔を隔てて対向配置される。第2補強部12は、第2方向に沿って延びる略直線形状を有する。つまり、第2補強部12は、第2方向にわたって、上記と同一の幅W1を有する。第2補強部12の第2方向両端縁のそれぞれは、第1方向に投影したときに、複数基板エリア3の第2方向両端縁のそれぞれと重複する。
【0049】
これにより、第1補強部11および第2補強部12は、第1方向において複数基板エリア3を挟んで対向する。第1補強部11の第2方向両端縁のそれぞれは、第1方向に投影したときに、第2補強部12の第2方向両端縁のそれぞれと重複する。
【0050】
第3補強部13は、1つの複数基板エリア3の第2方向一方側に間隔を隔てて対向配置される。第3補強部13は、第1方向に沿って延びる略直線形状を有する。つまり、第3補強部13は、第1方向にわたって、同一幅W2を有する。第3補強部13の第1方向両端縁のそれぞれは、第2方向に投影したときに、複数基板エリア3の第1方向両端縁のそれぞれと重複する。
【0051】
第4補強部14は、1つの複数基板エリア3の第2方向他方側に間隔を隔てて対向配置される。第4補強部14は、第1方向に沿って延びる略直線形状を有する。つまり、第4補強部14は、第2方向にわたって、上記と同一の幅W2を有する。第4補強部14の第1方向両端縁のそれぞれは、第2方向に投影したときに、複数基板エリア3の第1方向両端縁のそれぞれと重複する。
【0052】
これにより、第3補強部13および第4補強部14は、第2方向において複数基板エリア3を挟んで対向する。第3補強部13の第1方向両端縁のそれぞれは、第2方向に投影したときに、第4補強部14の第1方向両端縁のそれぞれと重複する。
【0053】
一方、互いに隣接する補強部4のそれぞれを通過する仮想線が交点ISを有するように、配置される一方、かかる交点ISに対応する部分(欠損部分20)には、補強部4が形成されていない。
【0054】
具体的には、第1補強部11および第3補強部13のそれぞれを通過する仮想線が交点IS1を有するように、配置される一方、かかる交点IS1に対応する部分(第1欠損部分21)には、補強部4が形成されていない。
【0055】
また、第1補強部11および第4補強部14のそれぞれを通過する仮想線が交点IS2を有するように、配置される一方、かかる交点IS2に対応する部分(第2欠損部分22)には、補強部4が形成されていない。
【0056】
さらに、第2補強部12および第3補強部13のそれぞれを通過する仮想線が交点IS3を有するように、配置される一方、かかる交点IS3に対応する部分(第3欠損部分23)には、補強部4が形成されていない。
【0057】
さらにまた、第2補強部12および第4補強部14のそれぞれを通過する仮想線が交点IS4を有するように、配置される一方、かかる交点IS4に対応する部分(第4欠損部分24)には、補強部4が形成されていない。
【0058】
要するに、4つの補強部4は、平面視略矩形枠状の4つの頂点部のみを形成せず、4つの頂点部以外の部分で形成した、周方向に不連続な不連続パターンを有する。4つの頂点部は、上記した4つの欠損部分20(第1欠損部分21、第2欠損部分22、第3欠損部分23および第4欠損部分24)に相当し、4つの頂点部以外の部分が、4つの補強部4に相当する。
【0059】
第1補強部11および第2補強部12のそれぞれの幅W1の、第1補強部11および第2補強部12間の距離L1に対する比(W1/L1)は、例えば、0.005以上、好ましくは、0.01以上であり、また、例えば、0.5以下、好ましくは、0.2以下である。第3補強部13および第4補強部14のそれぞれの幅W2の、第3補強部13および第4補強部14間の距離L2に対する比(W2/L2)は、例えば、0.005以上、好ましくは、0.01以上であり、また、例えば、0.5以下、好ましくは、0.2以下である。
【0060】
第1補強部11および第2補強部12間の距離L1の、複数基板エリア3の第1方向長さL3に対する比(L1/L3)は、例えば、1.001以上、好ましくは、1.005以上であり、また、例えば、1.2以下、好ましくは、1.1以下である。第3補強部13および第4補強部14間の距離L2の、複数基板エリア3の第2方向長さL4に対する比(L2/L4)は、例えば、1.001以上、好ましくは、1.005以上であり、また、例えば、1.2以下、好ましくは、1.1以下である。
【0061】
第1補強部11および第3補強部13の最短距離L5の、複数基板エリア3の第1方向長さL3および第2方向長さL4の総和(L3+L4)に対する比(L5/(L3+L4))は、例えば、0.005以上、好ましくは、0.008以上であり、また、例えば、0.5以下、好ましくは、0.3以下である。第2補強部12および第3補強部13の最短距離L6の、上記した総和(L3+L4)に対する比(L6/(L3+L4))と、第2補強部12および第4補強部14の最短距離L7の、上記した総和(L3+L4)に対する比(L7/(L3+L4))と、第1補強部11および第4補強部14の最短距離L8の、上記した総和(L3+L4)に対する比(L8/(L3+L4))とは、上記した比(L6/(L3+L4))と同様である。
【0062】
補強部4は、補強層15からなる。補強層15は、次に詳説する。
【0063】
図2および
図3に示すように、撮像素子実装基板1は、絶縁層5と、端子7および補助補強層19と、補強層15とを備える。
【0064】
絶縁層5は、シート(フィルム)形状を有しており、端子7を絶縁可能に支持する。絶縁層5は、ベース絶縁層6およびカバー絶縁層8を厚み方向一方側に向かって順に備える。絶縁層5の材料としては、例えば、ポリイミドなどの樹脂が挙げられる。つまり、絶縁層5として、可撓性を有する樹脂シート(樹脂フィルム)が挙げられる。絶縁層5の熱収縮率は、線膨張係数として表され、例えば、50ppm以下、好ましくは、30ppm以下であり、また、例えば、3ppm以上、好ましくは、10ppm以上である。絶縁層5の厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、50μm以下、好ましくは、20μm以下である。
【0065】
図2に示すように、端子7は、絶縁層5において設けられる貫通孔(図示せず)に充填される。端子7は、実装エリア10内において、複数整列配置されている。なお、端子7は、図示しない配線を介して、外部側端子(図示せず)と電気的に接続されている。なお、配線(図示せず)は、絶縁層5中に埋設されている。端子7および配線(図示せず)の材料としては、例えば、銅などの導体が挙げられる。端子7および配線(図示せず)の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、また、例えば、15μm以下、好ましくは、10μm以下である。
【0066】
補助補強層19は、絶縁層5中に埋設されている。具体的には、補助補強層19は、ベース絶縁層6の厚み方向一方面に、カバー絶縁層8に被覆されるように、配置されている。補助補強層19の厚み方向他方面は、ベース絶縁層6の厚み方向一方面に接触している。補助補強層19の厚み方向一方面および面方向両側面は、カバー絶縁層8と接触している。
【0067】
補助補強層19の材料としては、靱性を有する材料が挙げられ、例えば、銅、銀、金、ニッケルまたはそれらを含む合金、半田などの金属材料が挙げられ、好ましくは、銅が挙げられる。補助補強層19の材料が銅であれば、端子7および配線(図示せず)の材料が銅であれば、これらの形成と同時に、補助補強層19を形成することができる。
【0068】
なお、補助補強層19の剛性は、補助補強部18が補強部4による基板30の補強を補助することから、補強層15の剛性に比べて、低い。具体的には、補強層15の25℃におけるヤング率E2の、補強層15の25℃におけるヤング率E1に対する比(E2/E1)は、例えば、1超過、好ましくは、1.2以上、より好ましくは、1.3以上であり、また、例えば、10以下である。
【0069】
補助補強層19の厚みは、上記した配線(図示せず)の厚みと同一であり、0.5μm以上、好ましくは、2μm以上であり、また、例えば、20μm以下、好ましくは、12μm以下、より好ましくは、8μm以下である。
【0070】
なお、複数基板エリア3における厚みは、複数基板エリア3における最大厚みとして算出され、具体的には、絶縁層5および補助補強層19の総厚みに相当し、具体的には、例えば、50μm以下、好ましくは、40μm以下、より好ましくは、30μm以下であり、また、例えば、10μm以上である。
【0071】
上記した厚みが上記した上限以下であれば、薄型化を図ることができる。一方、上記した厚みが上記した上限以下であれば、後述する製造工程において、複数基板エリア3(基板エリア2)における撓み(変形)を生じ易いが、上記した欠損部分20に補強部4が形成されていないので、上記した撓み(変形)の発生を抑制できる。
【0072】
補強層15は、絶縁層5の下面に、補強部4を形成するパターンで配置されている。詳しくは、補強層15は、ベース絶縁層6の厚み方向他方面に接触している。一方、補強層15の面方向内側および外側からは、ベース絶縁層6の厚み方向他方面が露出している。
【0073】
補強層15の材料としては、剛性を有する材料が挙げられ、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅合金などの金属、例えば、樹脂、例えば、セラミックスなどが挙げられ、好ましくは、金属が挙げられる。
【0074】
補強層15の熱収縮率は、線膨張係数として表され、例えば、30ppm以下、好ましくは、20ppm以下であり、また、例えば、1ppm以上、好ましくは、5ppm以上である。
【0075】
補強層15の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。補強層15の厚みの、絶縁層5の厚みに対する比(補強層15の厚み/絶縁層5の厚み)は、例えば、0.3以上、好ましくは、1以上であり、また、例えば、10以下、好ましくは、5以下である。さらに、補強層15の厚みの、補助補強層19の厚みに対する比(補強層15の厚み/補助補強層19の厚み)は、例えば、1以上、好ましくは、2以上であり、また、例えば、10以下、好ましくは、5以下である。
【0076】
次に、この撮像素子実装基板1の製造方法を説明する。なお、撮像素子実装基板1を製造では、例えば、撮像素子実装基板1を第1方向(MD方向)に搬送するロールトゥロール法が用いられる。
【0077】
まず、この方法では、補強層15を形成するための補強板25(
図3の仮想線参照)を準備する。補強板25は、上記した補強層15と同様の物性を有し、第1方向に延びる長尺板形状を有する。また、補強板25は、絶縁層5の変形を防止する支持板である。
【0078】
次いで、ベース絶縁層6を、補強板25の厚み方向一方面全面に形成する。例えば、まず、感光成分および絶縁体を含有する感光絶縁組成物を調製し、続いて、感光絶縁組成物を、補強板25の厚み方向一方面に塗布し、その後、必要により乾燥して、皮膜を形成する。次いで、フォトマスクを介して皮膜を露光し、現像して、その後、露光後加熱する。
【0079】
なお、上記した露光後加熱によって、補強板25およびベース絶縁層6の熱収縮率の相違に起因して、それらの間に収縮力が生じるが、補強板25がベース絶縁層6の厚み方向他方面全面に配置されているので、補強板25の支持力によって、ベース絶縁層6の収縮力に起因する変形が抑制される。
【0080】
次いで、端子7、配線(図示せず)、外部側端子(図示せず)および補助補強層19を、例えば、アディティブ法、サブトラクティブ法などで、ベース絶縁層6の厚み方向一方面に形成する。これにより、端子7、外部側端子(図示せず)および配線(図示せず)を形成するとともに、それらから独立し、補助補強層19からなる補助補強部18を形成する。
【0081】
次いで、カバー絶縁層8を、端子7および外部側端子(図示せず)の厚み方向一方面を露出する一方、配線(図示せず)を被覆するように、ベース絶縁層6の厚み方向一方面に形成する。例えば、まず、感光成分および絶縁体を含有する感光絶縁組成物を調製し、続いて、感光絶縁組成物を、補強板25の厚み方向一方面に、端子7、配線(図示せず)および補助補強部18を被覆するように塗布し、その後、必要により乾燥して、皮膜を形成する。次いで、端子7および外部側端子(図示せず)に対応するパターンを有するフォトマスクを介して皮膜を露光し、現像して、その後、露光後加熱する。
【0082】
なお、上記した露光後加熱によって、補強板25およびカバー絶縁層8の熱収縮率の相違に起因して、それらの間に収縮力が生じるが、補強板25がベース絶縁層6の厚み方向他方面全面に配置されているので、カバー絶縁層8は、ベース絶縁層6を介して補強板25に支持されることによって、カバー絶縁層8の変形が抑制される。
【0083】
その後、補強板25を外形加工して、補強層15からなる補強部4を形成する。補強板25の外形加工としては、特に限定されず、例えば、ウエットエッチング、ドライエッチングなどのエッチング、例えば、レーザー加工などが挙げられる。好ましくは、エッチング、より好ましくは、エッチングレジストを用いるウエットエッチングが挙げられる。
【0084】
補強板25の外形加工によって、複数基板エリア3における絶縁層5の支持が解除される(支持が失われる)。そのため、複数基板エリア3(における絶縁層5)が収縮力に起因して撓み(変形し)易い。
【0085】
しかし、互いに独立する複数の補強部4によって、上記した変形が抑制される。
【0086】
これによって、第1方向(MD方向)に沿って撮像素子実装基板1が複数配置される長尺基板17を得られる。
【0087】
その後、
図1の1点鎖線に示すように、長尺基板17を、ダイシングなどによって、第1方向(MD方向)および第2方向(TD方向)に沿って切断して、撮像素子実装基板1を個片化する。
【0088】
図1の左上図が参照されるように、これにより、複数の複数基板エリア3を含む撮像素子実装基板1を得る。
【0089】
その後、複数の複数基板エリア3のそれぞれにおける、複数の基板エリア2(実装エリア10)に撮像素子(図示せず)を実装する。
【0090】
その後、さらに、複数の撮像素子が実装された撮像素子実装基板1を、撮像素子および基板エリア2が個片化されるように、ダイシングなどによって、第1方向および第2方向に沿って切断する。
【0091】
そして、この撮像素子実装基板1では、複数の補強部4で基板エリア2を含む複数基板エリア3を補強することにより、複数基板エリア3における折れやしわの発生を低減することができる。同時に、複数の補強部4のそれぞれは、互いに独立するので、複数の補強部4の間(欠損部分20)には、補強部4がない。そのため、複数基板エリア3で生じる収縮力を欠損部分20から逃がす(分散させる)ことができる。
【0092】
そのため、複数基板エリア3における収縮力に起因する変形を抑制することができる。
【0093】
その結果、この撮像素子実装基板1は、複数基板エリア3における折れやしわの発生を低減しつつ、取扱性に優れ、撮像素子(図示せず)を精度よく実装することができる。
【0094】
また、この撮像素子実装基板1では、複数の補強部4は、面方向において基板エリア2を挟んで互いに対向する補強部4を含むので、複数基板エリア3の取り扱い時の折れやしわの発生を抑制しながら、収縮力に起因する変形を抑制することができる。
【0095】
また、この撮像素子実装基板1では、基板エリア2は、面方向に複数の基板30が整列配置されている複数基板エリア3であるので、複数の基板30をまとめて補強することができる。
【0096】
さらに、この撮像素子実装基板1では、複数の補強部4は、複数基板エリア3の各辺に対応して配置されるので、複数の基板30を効率よく補強することができる。
【0097】
また、この撮像素子実装基板1では、補助補強部18によって、複数基板エリア3内の基板30を補強しつつ、補強部4によって、複数の基板30をまとめて補強することができる。
【0098】
また、この撮像素子実装基板1では、交点ISに対応する欠損部分20には、補強部4が形成されていないので、複数基板エリア3で生じる収縮力を、交点ISに対応し、略直線形状を有する2つの補強部4に沿って、2方向、つまり、第1方向および第2方向の両方に逃がすことができる。
【0099】
具体的には、交点IS1に対応する第1補強部11および第3補強部13に沿って2方向に逃すことができる。交点IS2に対応する第1補強部11および第4補強部14に沿って2方向に逃すことができる。また、交点IS3に対応する第2補強部12および第3補強部13に沿って2方向に逃すことができる。さらに、交点IS4に対応する第2補強部12および第4補強部14に沿って2方向に逃すことができる。
【0100】
また、この撮像素子実装基板1では、複数の補強部4の材料は、金属であり、基板エリア2は、樹脂フィルムを含む場合には、金属の収縮率(熱膨張係数など)と、樹脂の収縮率(熱膨張係数など)の差が大きく、そのため、上記した収縮力を発生し易い。
【0101】
しかし、上記したように、複数の補強部4のそれぞれが互いに独立するので、かかる収縮力を逃がすことができる。その結果、収縮力に起因する変形を抑制することができる。
従って、この撮像素子実装基板1は、取扱性に優れ、撮像素子を精度よく実装することができる。
【0102】
この撮像素子実装基板1では、複数基板エリア3(基板エリア2)の厚みが、50μm以下と薄い場合には、薄型化を図ることができる。
【0103】
一方、薄い複数基板エリア3では、上記した収縮力を発生し易い。しかし、上記したように、かかる収縮力は、欠損部分20に補強部4が形成されていないので、逃がすことができる。そのため、収縮力に起因する変形を抑制することができる。その結果、この撮像素子実装基板1は、取扱性に優れ、撮像素子(図示せず)を精度よく実装することができる。
【0104】
[変形例]
変形例において、一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。さらに、変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0105】
ロールトゥロールにおいて製造される長尺基板17に代えて、枚葉方式で製造される1枚のシート(板)として、撮像素子実装基板1を構成(予め製造)することができる。
【0106】
撮像素子の実装順序は、上記に限定されず、例えば、撮像素子を、ダイシングする前の長尺基板17に実装することができる。さらには、撮像素子を、複数基板エリア3を個片化した複数の基板30のそれぞれに対して実装することもできる。
【0107】
補強部4は、複数基板エリア3の各辺に対応して配置されていればよく、例えば、各辺に複数設けられていてもよい。
【0108】
例えば、
図4に示すように、第1補強部11は、複数基板エリア3の第1方向一方側辺に対して、複数(例えば、3つ)設けられる。複数の第1補強部11は、第2方向に間隔を隔てて配置されている。複数の第1補強部11のそれぞれは、同一の仮想線上に位置する。複数の第1補強部11のそれぞれは、複数基板エリア3において第1方向一方側に配置される複数(例えば、3つ)の基板30に対応して設けられる。つまり、複数の第1補強部11のそれぞれは、複数基板エリア3において第1方向一方側に配置される複数の基板30のそれぞれと1対1対応で設けられる。
【0109】
第2補強部12は、複数基板エリア3の第1方向他方側辺に対して、複数(例えば、3つ)設けられる。複数の第3補強部13は、第2方向に間隔を隔てて配置されている。複数の第3補強部13のそれぞれは、同一の仮想線上に位置する。複数の第3補強部13のそれぞれは、複数基板エリア3において第1方向他方側に配置される複数(例えば、3つ)の基板30に対応して設けられる。つまり、複数の第2補強部12のそれぞれは、複数基板エリア3において第1方向他方側に配置される複数の基板30のそれぞれと1対1対応で設けられる。
【0110】
第3補強部13は、複数基板エリア3の第2方向一方側辺に対して、複数(例えば、2つ)設けられる。複数の第3補強部13は、第1方向に間隔を隔てて配置されている。複数の第3補強部13のそれぞれは、同一の仮想線上に位置する。複数の第3補強部13のそれぞれは、複数基板エリア3において第2方向一方側に配置される複数(例えば、2つ)の基板30に対応して設けられる。つまり、複数の第3補強部13のそれぞれは、複数基板エリア3において第2方向一方側に配置される複数の基板30のそれぞれと1対1対応で設けられる。
【0111】
第4補強部14は、複数基板エリア3の第2方向他方側辺に対して、複数(例えば、2つ)設けられる。複数の第4補強部14は、第1方向に間隔を隔てて配置されている。複数の第4補強部14のそれぞれは、同一の仮想線上に位置する。複数の第4補強部14のそれぞれは、複数基板エリア3において第2方向他方側に配置される(例えば、2つ)の基板30に対応して設けられる。つまり、複数の第4補強部14のそれぞれは、複数基板エリア3において第2方向他方側に配置される複数の基板30のそれぞれと1対1対応で設けられる。
【0112】
また、一実施形態では、
図2に示すように、補強部4を構成するための略枠状は、略矩形状である。しかし、図示しないが、複数の補強部4を、矩形を除く多角形状(例えば、三角形状、六角形状など)の枠形状の頂点部のみを形成しないパターンを有する補強部4とすることもできる。
【0113】
図5に示すように、また、撮像素子実装基板1は、複数基板エリア3の内側にも配置される複数の第1内側補強部16をさらに備えることもできる。複数の第1内側補強部16は、第1方向および第2方向に隣接する複数の基板エリア2間の間に挟まれる(挟まれる、あるいは、介装される)ように、配置されている。第1内側補強部16は、補強部4と同一の平面視形状を有する。第1内側補強部16の材料および層構成は、補強部4のそれらと同一である。
【0114】
これにより、第1内側補強部16と4つの補強部4とは、1つの基板エリア2の4辺に対応して4つ配置される。
【0115】
図6に示すように、欠損部分20は、交点ISではなく、複数基板エリア3の四辺のそれぞれの中央部のみに対応して設けられることもできる。つまり、交点ISには、欠損部分20ではなく、補強部4が設けられている。
【0116】
この変形例では、複数の補強部4のそれぞれは、平面視L字形状を有する。具体的には、複数の補強部4のそれぞれは、第1方向に沿って延びる第1直線部31と、第2方向に沿って延びる第2直線部32と、それらを連結する連結部33とを備える。連結部33は、第1直線部31および第2直線部32の交点IS上に配置される。
【0117】
欠損部分20は、第1方向において対向する2つの第1直線部31間と、第2方向において対向する2つの第2直線部32間とのそれぞれに独立して配置されている。複数の欠損部分20のそれぞれは、複数(4つ)の補強部4を分割している。
【0118】
好ましくは、
図2に示す一実施形態に示すように、欠損部分20は、交点ISに設けられる。
図6に示すように、欠損部分20が、対向する2つの第1直線部31間のそれぞれに設けられ、かつ、交点ISに補強部4(連結部33)が設けられれば、2つの第1直線部31間における欠損部分20では、第1方向に沿って延びる補強部4のみによってしか逃がすことができない。また、欠損部分20が、対向する2つの第2直線部32間のそれぞれに設けられ、2つの第2直線部32間における欠損部分20では、第2方向に沿って延びる補強部4のみによってしか逃がすことができない。
【0119】
他方、
図2に示すように、補強部4が、連結部33を有さず、欠損部分20が交点ISに設けられることにより、複数基板エリア3において生じる収縮力を、1つの交点ISにおいて、かかる交点ISを構成する2つの仮想線に対応する2つの補強部4に沿って逃がすことができる。
【0120】
図7および
図8に示すように、補強部4は、1つの複数基板エリア3に対して、2つのみからなっていてもよい。
【0121】
例えば、
図7に示すように、補強部4は、第1補強部11および第3補強部13を備えず、第2補強部12および第4補強部14のみからなる。あるいは、図示しないが、その逆、つまり、補強部4は、第2補強部12および第4補強部14を備えず、第1補強部11および第3補強部13のみからなることもできる。いずれの変形例も、交点ISを構成せず、2つの補強部4は、複数基板エリア3を挟んで対向配置される。
【0122】
図8に示すように、補強部4は、第2補強部12および第3補強部13を備えず、第1補強部11および第4補強部14のみからなることができる。さらには、図示しないが、補強部4は、第1補強部11および第3補強部13のみからなることができ、また、第2補強部12および第4補強部14のみからなることができ、さらには、第2補強部12および第4補強部14のみからなることができる。いずれの変形例でも、1つの交点ISのみを形成し、かかる交点ISに対応する欠損部分20に補強部4が形成されない。
【0123】
図7および
図8の変形例のうち、好ましくは、
図7に示すように、2つの補強部4は、複数基板エリア3を挟んで対向配置される。2つの補強部4が、複数基板エリア3を挟んで対向配置されれば、複数基板エリア3の取り扱い時の折れやしわの発生を抑制しながら、収縮力に起因する変形を抑制することができる。
【0124】
図9に示すように、基板エリア2が、単数(1つ)の基板30が配置されている平面視略矩形状の単数基板エリア35であり、補強部4は、かかる単数基板エリア35の各辺に対応して配置される。具体的には、補強部4は、1つの単数基板エリア35の4辺に対応して4つ配置される。
【0125】
例えば、
図10に示すように、補強部4は、1つの基板エリア2を挟むように、2つ配置される。
【0126】
図11に示すように、補強部4は、1つの基板エリア2において1つの頂点を構成する2辺に対応して2つ配置される。
【0127】
図9~
図11の変形例によれば、基板エリア2は、単数の基板2が整列配置されている単数基板エリア35であるので、各基板30を確実に補強することができる。
【0128】
図10および
図11の変形例のうち、好ましくは、
図10に示すように、2つの補強部4は、基板エリア2を挟んで対向配置される。2つの補強部4が、複数基板エリア3を挟んで対向配置されれば、複数基板エリア3の取り扱い時の折れやしわの発生を抑制しながら、収縮力に起因する変形を抑制することができる。
【0129】
【0130】
図9の変形例の撮像素子実装基板1では、複数の補強部4は、単数基板エリア35の各辺に対応して配置されるので、各基板30を効率よく補強することができる。
【0131】
一実施形態では、複数の補強部4のそれぞれは、それが延びる方向において同一幅Wを有する。しかし、
図12に示すように、幅狭部分41および幅広部分42を備えることができる。なお、この場合には、複数の補強部4の幅Wは、幅狭部分41および幅広部分42の幅の平均値とされ、上記した比(W/Lなど)が算出される。
【0132】
また、撮像素子実装基板1は、基板エリア2の内側に配置される第2内側補強部26を有する。第2内側補強部26は、1つの基板エリア2の内側において、実装エリア10の4辺の外側に、4つ配置される。第2内側補強部26は、補強部4と同一の平面視形状を有しており、その材料および層構成は、補強部4のそれらと同一である。
【0133】
さらに、撮像素子実装基板1は、1つの複数基板エリア3に対応して設けられる貫通孔28の周囲に設けられる第3補強層27を備えることもできる。
【0134】
貫通孔28は、絶縁層5を厚み方向に貫通する平面視略円形状を有する。貫通孔28は、例えば、アライメントマーク(撮像素子の実装に用いられる位置決めマーク)として機能する。
【0135】
第3補強層27は、平面視略円環形状を有する。第3補強層27の材料および層構成は、補強部4のそれらと同様である。第3補強層27は、貫通孔28の周囲の絶縁層5を補強する。
【符号の説明】
【0136】
1 撮像素子実装基板
2 基板エリア
3 複数基板エリア
4 補強部
18 補助補強部
30 基板
40 単数基板エリア
IS 交点