(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186739
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】ユーザー認証装置、ユーザー認証装置の制御方法および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/45 20130101AFI20221208BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221208BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20221208BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20221208BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G06F21/45
H04N1/00 838
B41J29/42 F
B41J29/00 Z
B41J29/38 203
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158480
(22)【出願日】2022-09-30
(62)【分割の表示】P 2018199237の分割
【原出願日】2018-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】久保田 和久
(57)【要約】
【課題】複数の認証方法を有する場合にユーザーの操作ミスを低減するユーザー認証装置を提供する。
【解決手段】予め定められた複数の認証方法について有効か無効かを設定するユーザー認証設定部と、前記ユーザー認証設定部によって有効に設定された前記認証方法によりユーザーの認証を受け付けるユーザー認証部と、前記ユーザー認証設定部および前記ユーザー認証部を制御する制御部とを備え、前記ユーザー認証設定部が前記複数の認証方法のうちの一の認証方法を有効にすべき旨の設定を受け付けた場合、前記制御部は、前記ユーザー認証設定部に前記一の認証方法以外の他の認証方法をすべて無効に設定させ、前記ユーザー認証部は、前記一の認証方法によるユーザーの認証のみを受け付けることを特徴とするユーザー認証装置。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー認証に用いる認証方法を設定するユーザー認証設定部と、
前記ユーザー認証設定部によって設定された前記認証方法によりユーザー認証を受け付けるユーザー認証部と、
ユーザー認証後に利用可能な機能について、前記認証方法に応じた機能制限を設定するユーザー機能制限部と、
ユーザーに各種の画面を表示する表示部と、
前記ユーザー認証設定部、前記ユーザー認証部、前記ユーザー機能制限部および前記表示部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記ユーザー認証部が前記ユーザー認証設定部によって設定された前記認証方法によるユーザー認証を受け付けた場合、前記ユーザー機能制限部によって設定された前記認証方法に応じた機能制限に基づいて、ユーザー認証後に表示する画面を変更して前記表示部に表示させることを特徴とするユーザー認証装置。
【請求項2】
前記表示部は、ユーザー認証後に表示する画面において、利用可能な機能と利用不可能な機能とを識別可能に表示する請求項1に記載のユーザー認証装置。
【請求項3】
前記表示部は、ユーザー認証後に表示する画面において、利用不可能な機能を非表示にする請求項1に記載のユーザー認証装置。
【請求項4】
前記表示部は、利用不可能な機能の選択または操作を受け付けできないようにグレー表示する請求項2に記載のユーザー認証装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記ユーザー認証部が前記ユーザー機能制限部によって機能制限がないと設定された前記認証方法によりユーザー認証を受け付けた場合は、ユーザー認証後に表示する画面において、すべての機能を利用可能に表示する、請求項1に記載のユーザー認証装置。
【請求項6】
ユーザー認証に用いる認証方法を設定し、
設定された前記認証方法によりユーザー認証を受け付け、
ユーザー認証後に利用可能な機能について、前記認証方法に応じた機能制限を設定し、
ユーザーに各種の画面を表示するユーザー認証装置の制御方法であって、
設定された前記認証方法によるユーザー認証を受け付けた場合、設定された前記認証方法に応じた機能制限に基づいて、ユーザー認証後に表示する画面を変更して表示することを特徴とするユーザー認証装置の制御方法。
【請求項7】
前記請求項1~5のいずれか1つのユーザー認証装置と、
画像データを処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって処理された画像データに基づき画像を形成する画像形成部とを備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザー認証装置および画像形成装置に関し、より詳細には、複数の認証方法を有するユーザー認証装置および前記ユーザー認証装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機やパーソナルコンピュータ、スマートフォン等の電子機器のユーザー認証方法として、ICカード認証やログイン認証、クイック認証など、さまざまな認証方法が知られている。
【0003】
このような複数の認証方法が利用可能な電子機器の認証方法に関する発明としては、従来、アイコンを選択するユーザー認証(クイック認証)と、カードを読み取ることでユーザーが特定されるユーザー認証(ICカード認証)とのいずれのユーザー認証にも適応してログイン処理を動的に切り替えることができる画像形成装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、機密保持やセキュリティ等の理由から、認証方法によってユーザーが利用可能な項目が限定されていることがある。
また、同じユーザーであっても、認証方法によって異なる設定がなされていることもある。
【0006】
それゆえ、1つの電子機器に対して複数の認証方法が有効になっている場合、ユーザーはしばしば、どの認証方法でログインしており、また、どの項目が利用可能であるのか分からずに混乱してしまうという問題があった。
【0007】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、複数の認証方法を有する場合にユーザーの操作ミスを低減するユーザー認証装置および前記ユーザー認証装置を備えた画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)この発明は、予め定められた複数の認証方法について有効か無効かを設定するユーザー認証設定部と、前記ユーザー認証設定部によって有効に設定された前記認証方法によりユーザーの認証を受け付けるユーザー認証部と、前記ユーザー認証設定部および前記ユーザー認証部を制御する制御部とを備え、前記ユーザー認証設定部が前記複数の認証方法のうちの一の認証方法を有効にすべき旨の設定を受け付けた場合、前記制御部は、前記ユーザー認証設定部に前記一の認証方法以外の他の認証方法をすべて無効に設定させ、前記ユーザー認証部は、前記一の認証方法によるユーザーの認証のみを受け付けることを特徴とするユーザー認証装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、複数の認証方法のうち一の認証方法が有効に設定された場合、前記
一の認証方法以外の認証方法を自動的に無効に設定して前記一の認証方法のみを受け付けるため、複数の認証方法を有する場合にユーザーの操作ミスを低減するユーザー認証装置を実現できる。
【0010】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
【0011】
(2)この発明によるユーザー認証装置において、前記複数の認証方法に係るユーザー認証画面を切替可能に表示する表示部をさらに備え、前記制御部は、前記他の認証方法に係る認証画面を前記表示部に表示させないものであってもよい。
【0012】
このようにすれば、ユーザーによって選択されなかった他の認証方法に係る認証画面を表示部に表示しないため、複数の認証方法を有する場合にユーザーの操作ミスを低減するユーザー認証装置を実現できる。
【0013】
(3)この発明によるユーザー認証装置において、前記複数の認証方法は、アイコン画像の選択に係る入力、ログイン名の入力、パスワードの入力およびICカードの入力のうち、各入力の任意の組み合わせからなるものであってもよい。
【0014】
この発明において、「各入力の任意の組み合わせ」は、例えば、第1の認証方法として、アイコン画像の選択に係る入力およびパスワードの入力、第2の認証方法として、ログイン名の入力およびパスワードの入力、第3の認証方法として、ICカード認証のように、各入力を任意に組み合わせたものである。
【0015】
なお、認証のもとになる入力として、指紋や顔面、虹彩、声紋等の生体特徴の入力を含むものであってもよい。
【0016】
このようにすれば、アイコン画像の選択に係る入力、ログイン名の入力、パスワードの入力およびICカードの入力のうち、各入力の任意の組み合わせからなる複数の認証方法を有する場合にユーザーの操作ミスを低減するユーザー認証装置を実現できる。
【0017】
(4)この発明によるユーザー認証装置において、ユーザーの認証後に利用可能な機能について、前記認証方法に応じた制限を設けるユーザー機能制限部をさらに備えたものであってもよい。
【0018】
この発明において、「認証方法に応じた制限を設ける」は、例えば、アイコン画像の選択のみで認証可能な認証方法のように、ログイン名およびパスワードの入力を要求する通常の認証方法よりもセキュリティレベルが低い認証方法でユーザーが認証された場合は、通常の認証方法で認証された場合よりもユーザーが利用できる機能を制限することである。
【0019】
このようにすれば、認証方法に応じた機能制限が設けられた場合にユーザーの操作ミスを低減するユーザー認証装置を実現できる。
【0020】
(5)この発明によるユーザー認証装置において、前記複数の認証方法は、セキュリティレベルの高さが予め定められており、現在有効になっている認証方法よりも前記セキュリティレベルが低い認証方法を有効にすべき旨の入力を前記入力部が受け付けた場合、前記制御部は、セキュリティレベルが低い認証方法に切り替わる旨を前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0021】
このようにすれば、認証方法のセキュリティレベルが低い認証方法に切り替える場合、
その旨をユーザーに通知することにより、複数の認証方法を有する場合にユーザーの操作ミスを低減するユーザー認証装置を実現できる。
【0022】
(6)この発明によるユーザー認証装置において、前記表示部が、セキュリティレベルが低い認証方法に切り替わる旨を表示した後、認証方法の切替を承認する旨の入力を前記入力部が受け付けた場合、前記制御部は、前記ユーザー認証設定部に前記認証方法を有効に設定させるものであってもよい。
【0023】
このようにすれば、認証方法のセキュリティレベルが低い認証方法に切り替える場合、その旨をユーザーに通知し、ユーザーから認証方法の切替の承認があった場合に認証方法を切り替えることにより、複数の認証方法を有する場合にユーザーの操作ミスを低減するユーザー認証装置を実現できる。
【0024】
(7)また、前記ユーザー認証装置と、画像データを処理する画像処理部と、前記画像処理部によって処理された画像データに基づき画像を形成する画像形成部とを備えた画像形成装置であってもよい。
【0025】
このようにすれば、ユーザーによって選択された一の認証方法以外の認証方法を自動的に無効に設定することにより、複数の認証方法を有する場合にユーザーの操作ミスを低減する画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】この発明の実施形態1に係るデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すデジタル複合機によるログイン画面の一例を示す説明図である。
【
図4】
図1に示すデジタル複合機によるクイック認証画面の一例を示す説明図である。
【
図5】
図1に示すデジタル複合機によるクイック認証のユーザー登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図1に示すデジタル複合機によるクイック認証画面の別の一例を示す説明図である。
【
図7】
図1に示すデジタル複合機によるクイック認証のログイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図1に示すデジタル複合機による一の認証を有効にする際の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図1に示すデジタル複合機の認証方法の一例と有効・無効設定との関係を示す表である。
【
図10】実施形態2に係るデジタル複合機による認証切替処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態2に係るデジタル複合機の認証方法の一例とセキュリティレベルの高さとの関係を示す表である。
【
図12】実施形態3に係るデジタル複合機による認証切替処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態3に係るデジタル複合機の認証方法の一例と機能制限との関係を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。
なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0028】
〔実施形態1〕
図1および
図2に基づき、この発明の画像形成装置の一実施形態であるデジタル複合機1について説明する。
図1は、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1の外観を示す斜視図である。
図2は、
図1に示すデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0029】
なお、この発明は、デジタル複合機1に限定されるものではなく、ログイン機能を有するすべての機器に適用可能である。
【0030】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有するMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの装置である。
【0031】
また、デジタル複合機1は、入力部172や通信部15を介して受付けたユーザーからの指示に基づき、スキャナ、印刷、コピーまたは画像送信(Scan to Email, Scan to Ftp)等のジョブを実行する。
【0032】
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像読取部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、給紙部16、パネルユニット17、ユーザー認証部18、ユーザー認証設定部19およびカードインターフェース部20を備える。
【0033】
この発明の「ユーザー認証装置」(ユーザー認証装置2)は、表示部171、入力部172、ユーザー認証部18、ユーザー認証設定部19および制御部10の協働によって実現される。
また、「ユーザー機能制限部」は、制御部10によって実現される。
【0034】
なお、実施形態1において、ユーザー認証装置2は、デジタル複合機1の構成要素を一部共有しているが、デジタル複合機1と独立の構成要素からなる装置であってもよい。
【0035】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0036】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、パネルユニット17等、あらゆる負荷の監視・制御をおこなう。
【0037】
画像読取部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。また、外部の情報処理装置(不図示)またはファクシミリ装置(不図示)等で生成された画像データを取得する部分である。
【0038】
なお、画像データを外部の情報処理装置等から取得する場合、有線または無線ネットワークを経由して画像データを取得するものであっても、またはUSB等に記録された画像データを取得するものであってもよく、また、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0039】
画像形成部12は、画像処理部14によって生成された画像データを用紙上に印刷出力する部分であり、LSU121を備える。
LSU121は、画像読取部11によって取得されたデジタル信号からなる画像情報に対応するレーザー光を帯電状態にある感光体ドラムの表面に照射して、静電潜像を形成する装置である。
【0040】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0041】
画像処理部14は、画像読取部11によって読み取られた原稿画像を適正な電気信号に変換して画像データを生成し、画像読取部11から入力された画像データを入力部172からの指令に従い、拡大・縮小等の出力に適するように処理をおこなう部分である。
【0042】
通信部15は、ネットワーク等を介して、コンピュータや携帯情報端末、外部の情報処理装置やファクシミリ装置等との通信をおこない、電子メールやFAXなどの種々の情報をこれら外部の通信装置と送受信する部分である。
【0043】
給紙部16は、給紙カセット、手差トレイに格納された用紙を画像形成部12まで搬送する部分である。
【0044】
パネルユニット17は、表示部171および入力部172を備える。
【0045】
表示部171は、各種情報の表示をおこなう部分である。表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示をおこなう。
【0046】
入力部172は、タッチパネル1721および表示操作部1722を備え、ユーザーからの入力(指令)を受け付ける部分である。
【0047】
ユーザー認証部18は、入力部172から入力されたログイン名やパスワード等の情報、入力部172によって選択されたアイコン画像およびカードインターフェース部20を通じてユーザーのICカード3から読み取られたユーザーIDと、記憶部13に予め記録された対応情報とを比較することによって、当該ユーザーが正規ユーザーであるか否かの認証を行う部分である。
【0048】
また、ユーザー認証部18は、ICカード認証や、ユーザーのログイン認証、クイック認証など、予め定められた複数の認証方法のうち、ユーザーによって選択された認証方法にしたがって、ユーザー認証を行う。
【0049】
クイック認証は、ログイン名(またはアカウント)およびパスワードを要求する通常のログイン認証を簡略化した認証方法であり、
図4に示すように、該当するユーザーのアイコンを選択するだけでログインできる認証方法である。
【0050】
クイック認証は、ログイン認証と異なり、ログイン名やパスワードの設定が不要であるため、ユーザーが手軽にログインすることができ、出張などで急遽ログインが必要になったとき等に有用な認証方法である。
また、クイック認証は、各個人の設定を素早く呼び出すことができる利便性もある。
【0051】
なお、前記複数の認証方法は、アイコン画像の選択に係る入力、ログイン名の入力、パスワードの入力およびICカードの入力のうち、各入力の任意の組み合わせからなる認証方法であってもよい。
【0052】
ユーザー認証設定部19は、各認証方法について、有効か無効かを設定する部分である。
【0053】
カードインターフェース部20は、ユーザーID等を記録したユーザーのICカード3の読み取りを行う部分である。
【0054】
カードインターフェース部20の読み書き方法としては、例えば、NFC(Near Field
Communication)を用いる。
NFCは、13.56MHz帯の近距離無線通信規格であり、RFID技術(ICカード/ICタグ)の次世代標準規格として国際標準機関(ISO)に承認されたものである。
その通信プロトコルとしては、例えば、ISO14443 Type A,B,FeliCa(登録商標)、ISO15693などがあげられる。
また、非接触方式の読み取り方式に限られず、接触方式による読み取り方式を用いるものであってもよい。
【0055】
また、デジタル複合機1は、指紋や顔面、虹彩および声紋等のユーザーの生体特徴を入力する生体特徴入力部を備えたものであってもよい。
【0056】
また、デジタル複合機1は、通信部15を介してユーザーの携帯端末からユーザーIDを含むユーザー情報を入力できるようにしてもよい。
【0057】
<この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1のクイック認証のログイン処理の一例>
次に、
図3~
図9に基づき、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1によるクイック認証のログイン処理の一例について説明する。
図3は、
図1に示すデジタル複合機1によるログイン画面の一例を示す説明図である。また、
図4は、
図1に示すデジタル複合機1によるクイック認証画面の一例を示す説明図である。また、
図5は、
図1に示すデジタル複合機1によるクイック認証のユーザー登録処理の一例を示すフローチャートである。また、
図6は、
図1に示すデジタル複合機1によるクイック認証画面の別の一例を示す説明図である。また、
図7は、
図1に示すデジタル複合機1によるクイック認証のログイン処理の一例を示すフローチャートである。また、
図8は、
図1に示すデジタル複合機1による一の認証を有効にする際の処理の一例を示すフローチャートである。また、
図9は、
図1に示すデジタル複合機1の認証方法の一例と有効・無効設定との関係を示す表である。
【0058】
通常のログイン画面の一例を
図3に示す。
図3に示すように、ログイン画面においては、表示部171に「ログイン名とパスワードを入力してください。」というメッセージとともに、ログイン名およびパスワードの入力フォームと、ログインアイコンが表示される。
【0059】
ユーザーがログイン名とパスワードを入力してログインアイコンをタッチしたとき、ユーザー認証部18は、入力されたログイン名およびパスワードと、記憶部13に記憶されたログイン名およびパスワードを比較して一致した場合に、当該ユーザーが正規のユーザーであると認証する。
【0060】
次に、クイック認証画面の一例を
図4に示す。
図4に示すように、クイック認証画面として、各ユーザーA~Jに対応するアイコン画像A~Jが表示部171に表示されている。
【0061】
ユーザーは、自分のアイコンに該当するアイコン画像(
図4の例においては、アイコン画像G)を選択するだけでログインすることができるため、ログイン操作を簡略化し、また、個人の設定を素早く呼び出せる利便性がある。
【0062】
次に、
図5に基づき、クイックログインのユーザー登録処理について説明する。
【0063】
図5のステップS1において、入力部172がユーザーの追加/編集指令を受け付けた場合(ステップS1)、制御部10は、ステップS2において、未登録ユーザーの追加を示す[+]アイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS2)。
【0064】
次に、ステップS2において、[+]アイコンが選択された場合、すなわち、未登録ユー
ザーの追加が選択された場合(ステップS2の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS3において、ユーザーの新規登録処理を行う(ステップS3)。
その後、制御部10は、処理を終了する。
【0065】
図6に示すように、ユーザーが未登録のアイコンは、[+]アイコンで表示される。
ユーザーは、当該[+]アイコンを選択することで、新規登録処理を行うことができる。
【0066】
一方、
図5のステップS2において、[+]アイコンが選択されなかった場合、すなわち
、ユーザーの編集が選択された場合(ステップS2の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS4の判定を行う(ステップS4)。
【0067】
図6において、ユーザーA~Iのアイコンが選択された場合、ユーザーの編集処理が行われる。
【0068】
次に、
図5のステップS4において、制御部10は、ユーザーアイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS4)。
【0069】
ユーザーアイコンが選択された場合(ステップS4の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS5の判定を行う(ステップS5)。
一方、ユーザーアイコンが選択されなかった場合(ステップS4の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS2に戻す(ステップS2)。
【0070】
次に、ステップS5において、パスワードが設定されている場合(ステップS5の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS6の判定を行う(ステップS6)。
【0071】
一方、ステップS5において、パスワードが設定されていない場合(ステップS5の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS7の処理を行う(ステップS7)。
【0072】
次に、ステップS6において、制御部10が、入力されたパスワードが正しいか否かを判定する(ステップS6)。
【0073】
入力されたパスワードが正しい場合(ステップS6の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS7の処理を行う(ステップS7)。
【0074】
一方、入力されたパスワードが正しくない場合(ステップS6の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS8において、警告通知を行う(ステップS8)。
その後、制御部10は、処理を終了する。
【0075】
次に、ステップS7において、制御部10は、表示部171に設定画面を表示させる(ステップS7)。
【0076】
続いて、ステップS9において、制御部10は、入力部172がユーザーからの再登録指令を受け付けたか否かを判定する(ステップS9)。
【0077】
入力部172がユーザーからの再登録指令を受け付けた場合(ステップS9の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS10において、ユーザーの再登録処理を行う(ステップS10)。
その後、制御部10は、処理を終了する。
【0078】
一方、入力部172がユーザーからの再登録指令を受け付けていない場合(ステップS9の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS11において、入力部172がユーザーからの登録の削除を受け付けたか否かを判定する(ステップS11)。
【0079】
入力部172がユーザーからの登録の削除指令を受け付けた場合(ステップS11の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS12において、ユーザー登録の削除処理を行う(ステップS12)。
その後、制御部10は、処理を終了する。
【0080】
一方、入力部172がユーザーからの登録の削除指令を受け付けていない場合(ステップS11の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS7に戻す(ステップS7)。
【0081】
次に、
図7に基づき、クイック認証のログイン処理について説明する。
【0082】
図7のステップS21において、クイック認証画面にてユーザーアイコンが選択された場合(ステップS21)、制御部10は、ステップS22の判定を行う(ステップS22)。
【0083】
次に、ステップS22において、制御部10は、パスワードが設定されているか否かを判定する(ステップS22)。
【0084】
パスワードが設定されている場合(ステップS22の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS23の判定を行う(ステップS23)。
【0085】
一方、パスワードが設定されていない場合(ステップS22の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS24において、ログインが成功したものとして、ログイン処理を行う(ステップS24)。
その後、制御部10は、処理を終了する。
【0086】
次に、ステップS23において、制御部10は、入力されたパスワードが正しいか否かを判定する(ステップS23)。
【0087】
入力されたパスワードが正しい場合(ステップS23の判定がYesの場合)、制御部10は、ログインが成功したものとして、ステップS24の処理を行う(ステップS24
)。
【0088】
一方、入力されたパスワードが正しくない場合(ステップS23の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS25において、ログインが失敗したものとして、警告通知を行う(ステップS25)。
その後、制御部10は、処理を終了する。
【0089】
次に、
図8に基づき、複数の認証方法のうち、一の認証方法を有効にする際の処理について説明する。
【0090】
図8のステップS31において、制御部10は、一の認証方法を有効にすべき旨の指令(入力)を入力部172が受け付けた場合(ステップS31)、制御部10は、ステップS32において、他の認証方法をすべて無効にする旨の表示を表示部171に表示させる(ステップS32)。
【0091】
続いて、ステップS33において、制御部10は、認証方法を切り替えるべき旨の指令を入力部172が受け付けたか否かを判定する(ステップS33)。
【0092】
認証方法を切り替えるべき旨の指令を入力部172が受け付けた場合(ステップS33の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS34において、認証方法の切替を実行する(ステップS34)。
【0093】
続くステップS35において、制御部10は、他の認証方法をすべて無効に設定する(ステップS35)。
その後、制御部10は、処理を終了させる。
【0094】
ここで、
図9に示すように、認証方法1~4の4種類の認証方法が設定されている場合を想定する。
【0095】
認証方法1は、アイコン画像の選択を(パスワードが設定されている場合はパスワードの入力も)要求するクイック認証である。
認証方法2は、ログイン名およびパスワードの入力を要求するログイン認証である。
認証方法3は、ICカード3の入力を要求するICカード認証である。
認証方法4は、生体特徴の入力を要求する生体認証である。
【0096】
ここで、認証方法1が有効に設定された場合、他の認証方法2~4はすべて無効に設定される。
また、認証方法2が有効に設定された場合、他の認証方法1,3および4はすべて無効に設定される。
【0097】
一方、
図8のステップS33において、認証方法を切り替えるべき旨の指令を入力部172が受け付けていない場合(ステップS33の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS31に処理を戻す(ステップS31)。
【0098】
このように、他の認証方法への切り替え時に、その旨をユーザーに知らせた後で当該認証方法の切替を実行することにより、ユーザーの操作ミスを低減し、セキュリティの低下を防止することが可能なデジタル複合機1を実現することができる。
【0099】
(実施形態2)
次に、
図10および
図11に基づき、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1に
ついて説明する。
図10は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1による認証切替処理の一例を示すフローチャートである。また、
図11は、実施形態2に係るデジタル複合機1の認証方法の一例とセキュリティレベルの高さとの関係を示す表である。
【0100】
なお、
図10のステップS41およびステップS43~S46の処理は、それぞれ実施形態1の
図8のステップS31~S35の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、
図8に記載のないステップS42の判定について説明する。
【0101】
図10のステップS41において、一の認証方法を有効にすべき旨の指令を入力部172が受け付けた場合(ステップS41)、制御部10は、ステップS42において、当該認証方法の切替によりセキュリティが低下するか否かを判定する(ステップS42)。
【0102】
具体的には、
図11に示すように、各認証方法に応じてセキュリティレベルの高さを予め設定して、記憶部13に記憶させる。
【0103】
図11において、認証方法1~4の4種類の認証方法が設定されている。
以下、
図11に基づき、各認証方法とそのセキュリティレベルの高さについて説明する。
【0104】
認証方法1は、アイコン画像の選択に係る入力(パスワードが設定されている場合はパスワードの入力も)を要求するクイック認証であり、セキュリティレベルがもっとも低い1に設定されている。
【0105】
認証方法2は、ログイン名およびパスワードの入力を要求するログイン認証であり、セキュリティレベルが2に設定されている。
【0106】
認証方法3は、ICカード3の入力を要求するICカード認証であり、セキュリティレベルが3に設定されている。
【0107】
認証方法4は、生体特徴の入力を要求する生体認証であり、セキュリティレベルがもっとも高い4に設定されている。
【0108】
また、例えば、同じクイック認証であっても、パスワードの要求が設定されている場合は、パスワードの要求が設定されていない場合と比べて、セキュリティレベルを高く設定してもよい。
【0109】
制御部10は、記憶部13に記憶された各認証方法のセキュリティレベルを参照し、認証の切替によりセキュリティレベルが低下するか否かを判定する。
【0110】
セキュリティレベルが低下する場合(ステップS42の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS43において、他の認証方法をすべて無効にする旨の表示を表示部171に表示させる(ステップS43)。
【0111】
一方、セキュリティレベルが低下しない場合(ステップS42の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS45において、認証方法の切替を実行する(ステップS45)。
【0112】
このようにして、認証方法のセキュリティレベルが低い認証方法に切り替える場合、その旨をユーザーに通知することにより、複数の認証方法を有する場合にユーザーの操作ミ
スを低減するデジタル複合機1を実現できる。
【0113】
(変形例)
なお、実施形態2の変形例として、認証方法のセキュリティレベルが低い認証方法に切り替える場合、制御部10は、セキュリティレベルが低い認証方法に切り替わる旨および切替の承認ボタンを表示部171に表示させるようにしてもよい。
【0114】
ユーザーが認証方法の切替を承認する旨の入力を入力部172が受け付けた場合、制御部10は、ユーザー認証設定部19に前記認証方法を有効に設定させる。
【0115】
このように、認証方法のセキュリティレベルが低い認証方法に切り替える場合、セキュリティレベルが低い認証方法に切り替わる旨をユーザーに通知し、ユーザーからの承認を受けた場合に当該認証方法に切り替えることにより、複数の認証方法を有する場合にユーザーの操作ミスを低減するデジタル複合機1を実現できる。
【0116】
(実施形態3)
次に、
図12および
図13に基づき、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1について説明する。
図12は、実施形態3に係るデジタル複合機1による認証切替処理の一例を示すフローチャートである。また、
図13は、実施形態3に係るデジタル複合機1の認証方法の一例と機能制限との関係を示す表である。
【0117】
なお、
図12のステップS51~S55の処理は、それぞれ実施形態1の
図8のステップS31~S35の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、
図8に記載のないステップS56について説明する。
【0118】
図12のステップS55において、他の認証方法をすべて無効に設定した後(ステップS55)、制御部10は、続くステップS56において、一の認証方法に応じた機能制限を実行する(ステップS56)。
【0119】
具体的には、
図13に示すように、各認証方法に応じて機能制限を予め設定して、記憶部13に記憶させる。
【0120】
図13において、認証方法1~4の4種類の認証方法が設定されている。
以下、
図13に基づき、各認証方法とその機能制限について説明する。
【0121】
認証方法1は、アイコン画像の選択に係る入力を(パスワードが設定されている場合はパスワードの入力も)要求するクイック認証であり、機能制限としては、印刷枚数の制限、カラー印刷不可およびオプション使用不可の3つの機能制限が設定されている。
【0122】
また、使用可能なオプションの例としては、パンチ(穿穴)や複数枚の用紙を綴じて製本するステープル(綴じ)、ソート等のフィニッシャー(後処理)などがあげられる。
【0123】
認証方法2は、ログイン名およびパスワードの入力を要求するログイン認証であり、カラー印刷不可およびオプション使用不可の2つの機能制限が設定されている。
【0124】
認証方法3は、ICカード3の入力を要求するICカード認証であり、オプション使用不可の2つの機能制限が設定されている。
【0125】
認証方法4は、生体特徴の入力を要求する生体認証であり、機能制限はない。
【0126】
また、印刷枚数制限について、例えば、認証方法1の場合は月10枚まで、認証方法2の場合は月20枚まで、認証方法3の場合は月30枚まで、認証方法4の場合は枚数無制限のように、認証方法に応じて、印刷枚数制限の枚数を変化させるようにしてもよい。
【0127】
制御部10は、記憶部13に記憶された各認証方法の機能制限を参照して実行する。
【0128】
このようにして、複数の認証方法を有する場合で、かつ、認証方法に応じた機能制限が設けられた場合にユーザーの操作ミスを低減するデジタル複合機1を実現できる。
【0129】
(変形例1)
実施形態3の変形例1として、例えば、認証方法1で認証された場合は、カラー印刷ボタンが表示されない(または、グレー表示される)など、認証方法に応じて異なるユーザー画面を表示部171に表示させるようにしてもよい。
【0130】
このようにすれば、どの機能が使用可能かユーザー画面を見ただけで一目瞭然となるため、複数の認証方法を有する場合で、かつ、認証方法に応じた機能制限が設けられた場合にユーザーの操作ミスを低減するデジタル複合機1を実現できる。
【0131】
(変形例2)
実施形態3の変形例2として、ステップS52において、認証の切替を表示部171に表示させる場合(ステップS52)、制限が追加(または解除)される機能のリストを表示部171に表示するようにしてもよい。
【0132】
また、機能制限の追加(または解除)により追加(または削除)されるアイコンを表示部171の画面上に仮表示するようにしてもよい。
【0133】
このようにすれば、認証の切替によりどの機能が使用可能(または使用不能)になるか一目瞭然となるとめ、複数の認証方法を有する場合で、かつ、認証方法に応じた機能制限が設けられた場合にユーザーの操作ミスを低減するデジタル複合機1を実現できる。
【0134】
この発明の好ましい態様は、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含む。
前述した実施形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0135】
1:デジタル複合機、 2:ユーザー認証装置、 3:ICカード、 10:制御部、 11:画像読取部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:給紙部、 17:パネルユニット、 18:ユーザー認証部、 19:ユーザー認証設定部、 20:カードインターフェース部、 121:LSU、 171:表示部、 172:入力部、 1721:タッチパネル、 1722:表示操作部、 A~J:ユーザー(アイコン画像)