(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186743
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】通電装置
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20221208BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221208BHJP
A63F 13/98 20140101ALI20221208BHJP
H01M 10/46 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G06F1/16 312K
H02J7/00 301B
A63F13/98
H01M10/46 101
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159575
(22)【出願日】2022-10-03
(62)【分割の表示】P 2019072715の分割
【原出願日】2018-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 佑哉
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 新治
(72)【発明者】
【氏名】生田 紘樹
(57)【要約】
【課題】コネクタに不要な負荷がかかる可能性を低減することができる、通電装置を提供する。
【解決手段】この通電装置は、コネクタ挿入口が形成された所定面を有する電子機器を支持し、当該電子機器と通電を行うことが可能な通電装置であって、前側及び後側を有するハウジングと、前記ハウジングから突出し、前記コネクタ挿入口に挿入可能なコネクタと、前記コネクタよりも前記後側に位置する第1軸線周りに、当該コネクタを回動させる回動機構と、を備えている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ挿入口が形成された所定面を有する電子機器を支持し、当該電子機器と通電を行うことが可能な通電装置であって、
前側及び後側を有するハウジングと、
前記ハウジングから突出し、前記コネクタ挿入口に挿入可能なコネクタと、
前記コネクタよりも前記後側に位置する第1軸線周りに、当該コネクタを回動させる回動機構と、
を備える、通電装置。
【請求項2】
前記回動機構は、
前記コネクタが前記電子機器の前記コネクタ挿入口に挿入されている場合において、前記所定面の後端から延びる当該電子機器の背面に対向する対向面をさらに備え、
前記対向面は、前記コネクタよりも前記後側に配置され、前記コネクタの突出方向と実質的に平行に延びる、請求項1に記載の通電装置。
【請求項3】
前記対向面は、前記回動機構によって、前記コネクタとともに回動可能に構成されている、請求項2に記載の通電装置。
【請求項4】
前記電子機器は、
前記所定面及び前記背面の交差部分から、上方に延びる凹部を有し、
前記回動機構は、
前記対向面を有し、前記凹部に少なくとも一部が挿入可能なガイド部を備える、請求項2または3に記載の通電装置。
【請求項5】
前記電子機器は、
前記所定面及び前記背面の交差部分から、上方に延びる凹部を有し、
前記回動機構は、
前記対向面から前記前側に突出し、前記凹部に少なくとも一部が挿入可能なガイド部を有する、請求項2または3に記載の通電装置。
【請求項6】
前記コネクタと通電する基板と、
前記基板における前記後側の後端部から延びるケーブルと、
をさらに備えており、
前記基板は、前記回動機構により、前記コネクタとともに回動可能に支持されており、
前記第1軸線は、前記基板の後端部近傍に位置している、請求項1から5のいずれかに記載の通電装置。
【請求項7】
前記回動機構は、前記コネクタ挿入口に対する前記コネクタの挿入方向に向かって、前記コネクタを付勢するように構成された弾性部材を備えている、請求項1から6のいずれかに記載の通電装置。
【請求項8】
前記電子機器は、前記所定面の前端から延びる前面を有しており、
前記ハウジングは、前記電子機器の所定面と対向する支持面を有し、
前記支持面は、前記コネクタ挿入口に挿入された前記コネクタを当該コネクタ挿入口から取り外す場合に、前記電子機器の前記所定面及び前記前面の交差部分が当接可能に構成されている、請求項1から7のいずれかに記載の通電装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、
前記電子機器の所定面と対向する面を有する基台部と、
前記基台部の前記面から延びる前面を有する延在部と、
を有し、
前記基台部と前記延在部とが側面視で交差するように構成され、
前記コネクタが、前記基台部の前記面の前端と前記前面の上端とを結ぶ仮想面よりも前記ハウジング側に配置されている、請求項1から7のいずれかに記載の通電装置。
【請求項10】
前記基台部と前記延在部とは、側面視でL字状をなすように構成されている、請求項9に記載の通電装置。
【請求項11】
前記ハウジングは、
前記電子機器の所定面と対向する面を有する基台部と、
前記基台部の前記面から延びる前面、及び当該前面とは反対側の背面を有する延在部と、
を備え、
前記通電装置は、
前記延在部の背面側に取り付けられたスタンド部材と、
前記ハウジングに対して前記スタンド部材を、第2軸線周りに回動可能に連結し、前記スタンド部材と前記ハウジングとの角度を調整可能とする連結機構と、
をさらに備えている、請求項1から10のいずれかに記載の通電装置。
【請求項12】
前記連結機構は、
前記スタンド部材と前記ハウジングとを着脱自在に連結し、
前記スタンド部材と前記ハウジングとの間の角度が所定角度以上となったときに、前記スタンド部材を前記ハウジングから離脱するように構成されている、請求項11に記載の通電装置。
【請求項13】
前記スタンド部材には、当該スタンド部材と前記ハウジングとの間の角度が前記所定角度となった場合、前記第2軸線より上方の部位が、前記ハウジングに当接するように構成されている、請求項12に記載の通電装置。
【請求項14】
前記連結機構は、
前記ハウジングに設けられた連結部と、
前記スタンド部材に設けられ、前記連結部の前記第2軸線方向における両端部を挟むように、当該連結部に着脱可能に固定される一対の固定部と、
を備えている、請求項11から13のいずれかに記載の通電装置。
【請求項15】
前記連結機構は、前記スタンド部材において、前記一対の固定部の間に設けられ、前記連結部に係合可能な係合部をさらに備えている、請求項14に記載の通電装置。
【請求項16】
前記各固定部及び前記連結部の固定状態において、互いに接する部分の少なくとも一方には、傾斜部が形成されており、
前記各固定部及び前記連結部は、前記傾斜部をスライドした後、固定状態となるように構成されている、請求項14または15に記載の通電装置。
【請求項17】
前記連結機構は、
前記延在部に設けられる第1部位と、
前記連結部を有する第2部位と、
前記第1部位と前記第2部位とを連結し、当該前記第1部位及び第2部位を互いに前記第2軸線周りに回動可能とするヒンジ部と、
を備えている、請求項14から16のいずれかに記載の通電装置。
【請求項18】
前記第1部位及び第2部位を形成する材料は、前記ハウジングを形成する材料よりも剛性が高い、請求項17に記載の通電装置。
【請求項19】
前記第1部位及び第2部位は、ガラス繊維を含む樹脂材料で形成され、少なくとも一部が前記ハウジングに収容されている、請求項18に記載の通電装置。
【請求項20】
前記電子機器のコネクタ挿入口に前記コネクタが挿入された場合に、前記電子機器の充電が可能であるように構成されている、請求項1から19のいずれかに記載の通電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ挿入口が形成された所定面を有する電子機器を支持し、当該電子機器と通電を行うことが可能な通電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯用のゲームシステムは、例えば、特許文献1に記載のようなクレードルと称する通電装置に支持されるように構成されている。このクレードルは、上方に突出するコネクタを有しており、このコネクタが、ゲームシステムの下面に形成されたコネクタ挿入口に挿入されることで、通電が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コネクタがコネクタ挿入口に挿入された状態から、ゲームシステムを通電装置から取り外すには、ゲーム装置をコネクタの挿入方向と平行に引き上げればよい。しかしながら、例えば、もしゲームシステムを前方に傾けるようにして通電装置から取り外せることができるような場合には、コネクタに不要な負荷がかかる可能性もある。なお、このような問題は、ゲームシステムに限られるものではなく、通電装置とコネクタを介して通電を行う種々の電子機器にも生じうる問題である。
【0005】
本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、コネクタに不要な負荷がかかる可能性を低減することができる、通電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この通電装置は、コネクタ挿入口が形成された所定面を有する電子機器を支持し、当該電子機器と通電を行うことが可能な通電装置であって、前側及び後側を有するハウジングと、前記ハウジングから突出し、前記コネクタ挿入口に挿入可能なコネクタと、前記コネクタよりも前記後側に位置する第1軸線周りに、当該コネクタを回動させる回動機構と、を備えるように構成することができる。
【0007】
なお、前側、後側とはハウジングを基準に設定されるものであり、ハウジングが傾斜して配置されたとしても、その位置関係が変るものではない。
【0008】
この構成によれば、コネクタが、これよりも後側に位置する第1軸線周りに回動可能に支持されている。そのため、例えば、コネクタ挿入口にコネクタが挿入された状態で、ユーザが電子機器を前側に傾斜させながら、通電装置から取り外そうとすると、電子機器の傾斜とともに、コネクタが回動する。そして、コネクタは回動の過程で、電子機器とともに前側に傾斜しつつ下方(すなわち、コネクタの挿入方向とは反対方向)に移動するため、コネクタはコネクタ挿入口から離脱していく。そのため、電子機器を前側に傾斜させて取り外す場合であっても、コネクタに不要な負荷がかかる可能性を低減することができる。
【0009】
上記通電装置において、前記回動機構は、前記コネクタが前記電子機器の前記コネクタ挿入口に挿入されている場合において、前記所定面の後端から延びる前記通電装置の背面に対向する対向面をさらに備え、前記対向面は、前記コネクタよりも前記後側に配置され、前記コネクタの突出方向と実質的に平行に延びるように構成することができる。
【0010】
この構成によれば、コネクタ挿入口にコネクタが挿入されるときに、対向面を電子機器に当接させることができるため、これによって、コネクタの回動を規制することができる。したがって、コネクタ挿入口にコネクタをスムーズに挿入させることができる。
【0011】
また、上記通電装置において、前記対向面は、前記回動機構によって、前記コネクタとともに回動可能に構成することができる。
【0012】
この構成によれば、例えば、コネクタが回動したとしても、対向面がコネクタとともに回動するため、コネクタと対向面との位置関係は変化しない。したがって、対向面を基準として電子機器を移動させれば、コネクタをコネクタ挿入口に容易に挿入することができる。
【0013】
なお、実質的に平行とは完全な平行でなくてもよく、コネクタ挿入口へのコネクタの挿入をスムーズに行える程度に平行であればよい。
【0014】
前記電子機器が、前記所定面及び前記背面の交差部分から、上方に延びる凹部と、を有する場合、上記回動機構は、種々の構成が可能である。例えば、回動機構は、前記対向面を有し、前記凹部に少なくとも一部が挿入可能なガイド部を備えるように構成できる。
【0015】
このように、電子機器の凹部内の両側面に、ガイド部の一対の所定面が当接することで、コネクタ挿入時に、電子機器の第1軸線方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0016】
あるいは、前記回動機構は、前記対向面から前記前側に突出し、前記凹部に少なくとも一部が挿入可能なガイド部を有することができる。
【0017】
この構成によっても、電子機器の凹部内の両側面に、ガイド部の一対の所定面が当接することで、コネクタ差込時に、電子機器の第1軸線方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0018】
上記通電装置においては、前記コネクタと通電する基板と、前記基板における前記後側の後端部から延びるケーブルと、をさらに備えることができ、前記基板は、前記回動機構により、前記コネクタとともに回動可能に支持されており、前記第1軸線は、前記基板の後端部近傍に位置するように構成できる。
【0019】
この構成によれば、コネクタと通電する基板の後端部からケーブルが延び、さらに基板の後端部近傍に第1軸線が位置している。すなわち、コネクタとケーブルとの接続部分付近に第1軸線が位置しているため、基板がコネクタとともに回動しても、基板とケーブルとの接続部分はほとんど移動しない。したがって、ケーブルが過度に動いて不要な負荷がかかる可能性を低減することができる。
【0020】
上記通電装置において、前記回動機構は、前記コネクタ挿入口に対する前記コネクタの挿入方向に向かって、前記コネクタを付勢するように構成された弾性部材を備えることができる。
【0021】
これにより、コネクタが挿入方向に向かって常時押圧されるため、コネクタをコネクタ挿入口に挿入しやすい位置に付勢することができる。
【0022】
上記通電装置において、前記電子機器は、前記所定面の前端から延びる前面を有しており、前記ハウジングは、前記電子機器の所定面と対向する支持面を有し、前記支持面は、前記コネクタ挿入口に挿入された前記コネクタを当該コネクタ挿入口から取り外す場合に、前記電子機器の前記所定面及び前記前面の交差部分が当接可能に構成することができる。
【0023】
この構成によれば、電子機器を前側に傾けて取り外す場合、電子機器の上記交差部分がハウジングの支持面に当接するため、この当接部分が支点となって電子機器を前側に安定的に回動させることができる。したがって、コネクタもこれに伴ってスムーズに回動するため、コネクタ挿入口からコネクタを容易に離脱させることができる。
【0024】
上記通電装置において、前記ハウジングは、前記電子機器の所定面と対向する面を有する基台部と、前記基台部の前記面から延びる前面を有する延在部と、を有することができ、前記基台部と前記延在部とが側面視で交差するように構成することができ、前記コネクタが、前記基台部の前記面の前端と前記前面の上端とを結ぶ仮想面よりも前記ハウジング側に配置されるように構成することができる。
【0025】
この構成によれば、例えば、基台部の面の前端と前面の上端とが設置面に接するように上記通電装置を配置した場合に、コネクタは設置面には接触しないようにすることができる。そのため、このような配置をしたとしても、コネクタが設置面に接触して損傷する可能性を低減することができる。なお、基台部と延在部とは、例えば、側面視でL字状をなすように構成することができる。
【0026】
上記通電装置において、前記ハウジングは、前記電子機器の所定面と対向する面を有する基台部と、前記基台部の前記面から延びる前面、及び当該前面とは反対側の背面を有する延在部と、を備えることができ、前記通電装置は、前記延在部の背面側に取り付けられたスタンド部材と、前記ハウジングに対して前記スタンド部材を、第2軸線周りに回動可能に連結し、前記スタンド部材と前記ハウジングとの角度を調整可能とする連結機構と、をさらに備えることができる。
【0027】
これにより、スタンド部材のハウジングに対する角度を調整することができ、ハウジングをユーザの所望の角度に傾けて設置することができる。
【0028】
上記通電装置において、前記連結機構は、前記スタンド部材と前記ハウジングとを着脱自在に連結し、前記スタンド部材と前記ハウジングとの間の角度が所定角度以上となったときに、前記スタンド部材を前記ハウジングから離脱するように構成することができる。
【0029】
この構成により、例えば、ハウジングに対するスタンド部材の角度を無理に広げようとしたとき、その角度が所定角度以上になると、スタンド部材がハウジングから離脱するため、スタンド部材やハウジングが損傷する可能性を低減することができる。
【0030】
上記通電装置において、前記スタンド部材には、前記スタンド部材と前記ハウジングとの間の角度が前記所定角度となったときに、前記ハウジングにおいて前記第2軸線よりも上方の部位が、前記ハウジングに当接するように構成することができる。
【0031】
この構成により、ハウジングに対するスタンド部材の角度を所定角度以上に広げようとすると、スタンド部材の上記の部位がハウジングに接するため、これが支点となって、スタンド部材をハウジングから容易に離脱させることができる。
【0032】
上記通電装置において、前記連結機構は、前記ハウジングに設けられた連結部と、前記スタンド部材に設けられ、前記連結部の前記第2軸線方向における両端部を挟むように、当該連結部に着脱可能に固定される一対の固定部と、を備えることができる。
【0033】
この構成によれば、ハウジングからのスタンド部材の離脱をスムーズに行うことができ、離脱時に固定部等の連結機構が損傷する可能性を低減することができる。
【0034】
上記通電装置において、前記連結機構は、前記スタンド部材において、前記一対の固定部の間に設けられ、前記連結部に係合可能な係合部をさらに備えることができる。
【0035】
固定部と連結部との固定に加え、このような係合部を設けると、スタンド部材とハウジングとの連結をより強固にすることができる。
【0036】
上記通電装置では、前記各固定部及び前記連結部の固定状態において、互いに接する部分の少なくとも一方には、傾斜部を形成することができ、前記各固定部及び前記連結部は、前記傾斜面をスライドした後、固定状態となるように構成することができる。
【0037】
この構成によれば、固定部を連結部の傾斜部をスライドさせれば固定状態にできるため、固定部の連結部への取付を容易に行うことができる。
【0038】
上記通電装置において、前記連結機構は、前記延在部に設けられる第1部位と、前記連結部を有する第2部位と、前記第1部位と前記第2部位とを連結し、当該前記第1部位及び第2部位を互いに前記第2軸線周りに回動可能とするヒンジ部と、を備えることができる。
【0039】
この構成は連結機構の一例であるが、例えば、ヒンジ部として、トルクヒンジなどの回動にトルクを要する部材を用いることで、スタンド部材を回動させるときに、トルク部によって回動に要する力を強くすることができる。その結果、ハウジングに対するスタンド部材の角度を無段階で調整することができ、ハウジングの設置角度の微妙な調整が可能となる。
【0040】
上記通電装置において、前記第1部位及び第2部位を形成する材料は、前記ハウジングを形成する材料よりも剛性を高くすることができる。
【0041】
この構成により、ヒンジ部によって連結されている第1部位及び第2部位の剛性を高めることができ、スタンド部材の回動によって繰り返し力が作用しても、第1部位及び第2部位が損傷する可能性を低減することができる。
【0042】
第1部位及び第2部位を構成する材料は特には限定されないが、例えば、ガラス繊維を含む樹脂材料で形成することができ、この場合、少なくとも一部が前記ハウジングに収容することができる。
【0043】
ガラス繊維を含む樹脂材料は、強度は高いものの、所望の色に着色するのが難しい場合がある。したがって、第1部位及び第2部位の美観を高めることができない可能性があるため、これらの部位の少なくとも一部をハウジングに収容すれば、外部から視認しがたくすることができる。
【0044】
上記通電装置においては、前記電子機器のコネクタ挿入口に前記コネクタが挿入された場合に、前記電子機器の充電が可能であるように構成することができる。
【発明の効果】
【0045】
上記通電装置によれば、コネクタに不要な負荷がかかる可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本体装置に左コントローラおよび右コントローラ装着した状態のゲームシステムの一例を示す図である。
【
図2】本体装置から左コントローラおよび右コントローラをそれぞれ外した状態のゲームシステムの一例を示す図である。
【
図4】
図1の左コントローラの一例を示す六面図である。
【
図5】
図1の右コントローラの一例を示す六面図である。
【
図6】
図1の本体装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図1の本体装置と左コントローラおよび右コントローラとの内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る充電装置の斜視図である。
【
図9】
図8の充電装置を背面側から見た斜視図である。
【
図10】
図9においてスタンド部材を回動させた状態を示す斜視図である。
【
図12】傾けた状態で設置面に設置した充電装置の側面図である。
【
図13】ハウジング、連結機構、及びスタンド部材の分解斜視図である。
【
図17】第1固定具と第2固定具とが固定された状態を示す断面図である。
【
図18】スタンド部材を上方へ回動した状態を示す側面図である。
【
図22】ハウジング内の電気構造をコネクタ支持体とともに示した斜視図である。
【
図23】ゲームシステムを充電装置に取り付ける方法を示す断面図である。
【
図24】ゲームシステムを充電装置に取り付ける方法を示す断面図である。
【
図25】ゲームシステムを充電装置に取り付ける方法を示す断面図である。
【
図26】スタンド部材の角度の調整方法を示す断面図である。
【
図27】スタンド部材の角度の調整方法を示す断面図である。
【
図28】充電装置からゲームシステムの取り外す方法を示す断面図である。
【
図29】充電装置からゲームシステムの取り外す方法を示す断面図である。
【
図30】ハウジングとコネクタの位置関係による効果を示す側面図である。
【
図31】ハウジングからのスタンド部材の離脱を説明する側面図である。
【
図32】ガイド部材の他の例を説明する充電装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明に係る通電装置を、ゲームシステムの充電装置に適用した場合の一実施形態について説明する。以下では、まず、充電対象となるゲームシステムについて説明し、その後、通電装置について説明する。
【0048】
<1.ゲームシステムの概要>
以下、本実施形態の一例に係るゲームシステムについて説明する。本実施形態におけるゲームシステム1の一例は、本体装置(情報処理装置;本実施形態ではゲーム装置本体として機能する)2と左コントローラ3および右コントローラ4とを含む。本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4がそれぞれ着脱可能である。つまり、ゲームシステム1は、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ本体装置2に装着して一体化された装置として利用できる。また、ゲームシステム1は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4とを別体として利用することもできる(
図2参照)。以下では、本実施形態のゲームシステム1のハードウェア構成について説明し、その後に本実施形態のゲームシステム1の制御について説明する。
【0049】
<1-1.本体装置>
図1は、本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図である。
図1に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、それぞれ本体装置2に装着されて一体化されている。本体装置2は、ゲームシステム1における各種の処理(例えば、ゲーム処理)を実行する装置である。本体装置2は、ディスプレイ12を備える。左コントローラ3および右コントローラ4は、ユーザが入力を行うための操作部を備える装置である。
【0050】
図2は、本体装置2から左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図である。
図1および
図2に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、本体装置2に着脱可能である。なお、以下において、左コントローラ3および右コントローラ4の総称として「コントローラ」と記載することがある。
【0051】
図3は、本体装置2の一例を示す六面図である。
図3に示すように、本体装置2は、略板状のハウジング11を備える。本実施形態において、ハウジング11の主面(換言すれば、表側の面、すなわち、ディスプレイ12が設けられる面)は、大略的には矩形形状である。
【0052】
なお、ハウジング11の形状および大きさは、任意である。一例として、ハウジング11は、携帯可能な大きさであってよい。また、本体装置2単体または本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4が装着された一体型装置は、携帯型装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が手持ち型の装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が可搬型装置となってもよい。
【0053】
図3に示すように、本体装置2は、ハウジング11の主面に設けられるディスプレイ12を備える。ディスプレイ12は、本体装置2が生成した画像を表示する。本実施形態においては、ディスプレイ12は、液晶表示装置(LCD)とする。ただし、ディスプレイ12は任意の種類の表示装置であってよい。
【0054】
また、本体装置2は、ディスプレイ12の画面上にタッチパネル13を備える。本実施形態においては、タッチパネル13は、マルチタッチ入力が可能な方式(例えば、静電容量方式)のものである。ただし、タッチパネル13は、任意の種類のものであってよく、例えば、シングルタッチ入力が可能な方式(例えば、抵抗膜方式)のものであってもよい。
【0055】
本体装置2は、ハウジング11の内部においてスピーカ(すなわち、
図6に示すスピーカ88)を備えている。
図3に示すように、ハウジング11の主面には、スピーカ孔11aおよび11bが形成される。そして、スピーカ88の出力音は、これらのスピーカ孔11aおよび11bからそれぞれ出力される。
【0056】
また、本体装置2は、本体装置2が左コントローラ3と有線通信を行うための端子である左側端子17と、本体装置2が右コントローラ4と有線通信を行うための右側端子21を備える。
【0057】
図3に示すように、本体装置2は、スロット23を備える。スロット23は、ハウジング11の上側面に設けられる。スロット23は、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲームシステム1およびそれと同種の情報処理装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、本体装置2で利用されるデータ(例えば、アプリケーションのセーブデータ等)、および/または、本体装置2で実行されるプログラム(例えば、アプリケーションのプログラム等)を記憶するために用いられる。また、本体装置2は、電源ボタン28を備える。
【0058】
本体装置2の下面(所定面)には、下側端子27を備える。下側端子27は、本体装置2がクレードルと通信を行ったり、後述する充電装置により充電を行うための端子である。本実施形態において、下側端子27は、USBコネクタ(より具体的には、メス側コネクタ)であり、このメス側コネクタ(コネクタ挿入口)27に、後述する充電装置1000のオス側コネクタが挿入される。上記一体型装置または本体装置2単体をクレードルに載置した場合、ゲームシステム1は、本体装置2が生成して出力する画像を据置型モニタに表示することができる。また、本実施形態においては、クレードルは、載置された上記一体型装置または本体装置2単体を充電する機能を有する。また、クレードルは、ハブ装置(具体的には、USBハブ)の機能を有する。
【0059】
また、本体装置2の左右方向の中央には、下面と背面との連結部分から上方に向かって正面視矩形状の溝部(凹部)29が形成されている。この凹部29は、底面291とその左右の両側の側壁面292により断面矩形状に形成されている。また、この溝部29は、左右方向において、メス側コネクタ27と対応する位置に形成されており、メス側コネクタ27よりも後方に形成されている。したがって、メス側コネクタ27と溝部29の底面291とは、所定距離だけ離れている。
【0060】
<1-2.左コントローラ>
図4は、左コントローラ3の一例を示す六面図である。
図4に示すように、左コントローラ3は、ハウジング31を備える。本実施形態においては、ハウジング31は、縦長の形状、すなわち、上下方向(すなわち、
図1および
図4に示すy軸方向)に長い形状である。左コントローラ3は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング31は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に左手で把持可能な形状および大きさをしている。また、左コントローラ3は、横長となる向きで把持されることも可能である。左コントローラ3が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0061】
左コントローラ3は、アナログスティック32を備える。
図4に示すように、アナログスティック32は、ハウジング31の主面に設けられる。アナログスティック32は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、アナログスティック32を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。なお、左コントローラ3は、方向入力部として、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、本実施形態においては、アナログスティック32を押下する入力が可能である。
【0062】
左コントローラ3は、各種操作ボタンを備える。左コントローラ3は、ハウジング31の主面上に4つの操作ボタン33~36(具体的には、右方向ボタン33、下方向ボタン34、上方向ボタン35、および左方向ボタン36)を備える。さらに、左コントローラ3は、録画ボタン37および-(マイナス)ボタン47を備える。左コントローラ3は、ハウジング31の側面の左上に第1Lボタン38およびZLボタン39を備える。また、左コントローラ3は、ハウジング31の側面の、本体装置2に装着される際に装着される側の面に第2Lボタン43および第2Rボタン44を備える。これらの操作ボタンは、本体装置2で実行される各種プログラム(例えば、OSプログラムやアプリケーションプログラム)に応じた指示を行うために用いられる。
【0063】
また、左コントローラ3は、左コントローラ3が本体装置2と有線通信を行うための端子42を備える。
【0064】
<1-3.右コントローラ>
図5は、右コントローラ4の一例を示す六面図である。
図5に示すように、右コントローラ4は、ハウジング51を備える。本実施形態においては、ハウジング51は、縦長の形状、すなわち、上下方向に長い形状である。右コントローラ4は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング51は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に右手で把持可能な形状および大きさをしている。また、右コントローラ4は、横長となる向きで把持されることも可能である。右コントローラ4が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。ここで、説明の便宜のため、右コントローラ4のハウジング51の外面を次のように規定することする。すなわち、ハウジング51は概ね直方体状に形成されており、上下方向を長手方向とする長方形状の第1主面、及びこれとは反対側の第2主面を備えている。そして、ハウジング51において、これら主面の長手方向の上端面が第1端面を構成し、下端面が第2端面を構成する。また、両主面の短手方向の右側面が第1側端面を構成し、左側面が第2側端面を構成する。但し、第1端面は、左端部に長手方向の上方を向く平坦な面を有しているが、右側にいくにしたがって下方に湾曲するように構成され、第1側端面の上端に連結されている。そして、この第1端面には、後述するように、湾曲した第1Rボタン60が配置されている。同様に、第2端面は、左端部に長手方向の下方を向く平坦な面を有しているが、右側にいくにしたがって上方に湾曲するように構成され、第1側端面の下端に連結されている。そして、この第2端面に後述する赤外撮像部123及び赤外発光部124が配置されている。
【0065】
右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、方向入力部としてアナログスティック52を備える。本実施形態においては、アナログスティック52は、左コントローラ3のアナログスティック32と同じ構成である。また、右コントローラ4は、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、ハウジング51の主面上に4つの操作ボタン53~56(具体的には、Aボタン53、Bボタン54、Xボタン55、およびYボタン56)を備える。さらに、右コントローラ4は、+(プラス)ボタン57およびホームボタン58を備える。これら右コントローラ4の第1主面に設けられたる操作ボタン53~58及びアナログスティック32が、本発明の第1操作部の一例となる。また、右コントローラ4は、ハウジング51の第1端面に湾曲した第1Rボタン60を備える。また、第1Rボタン60の背面側には、背面側に突出するとともに、上方から押し込み可能なZRボタン61が設けられている。そして、このZRボタン61の下方には隆起部500が形成されている。この隆起部500は、第2主面から膨出する部位でありZRボタン61から下方にいくにしたがって第2主面に向かう傾斜面を有している。ここで、第1Rボタン60が本発明の第2操作部の一例となり、ZRボタン61及び隆起部500が第3操作部の一例となる。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、第2Lボタン65および第2Rボタン66を備える。
【0066】
また、ハウジング51の第2端面には、窓部68が設けられる。詳細は後述するが、右コントローラ4は、ハウジング51の内部に配置される赤外撮像部123および赤外発光部124を備えている。赤外撮像部123は、右コントローラ4の下方向(
図5に示すy軸負方向)を撮像方向として、窓部68を介して右コントローラ4の周囲を撮像する。赤外発光部124は、右コントローラ4の下方向(
図5に示すy軸負方向)を中心とする所定範囲を照射範囲として、赤外撮像部123が撮像する撮像対象に窓部68を介して赤外光を照射する。窓部68は、赤外撮像部123のカメラのレンズや赤外発光部124の発光体等を保護するためのものであり、当該カメラが検知する波長の光や当該発光体が照射する光を透過する材質(例えば、透明な材質)で構成される。なお、窓部68は、ハウジング51に形成された孔であってもよい。なお、本実施形態においては、カメラが検知する光(本実施形態においては、赤外光)以外の波長の光の透過を抑制するフィルタ部材を赤外撮像部123自身が有する。ただし、他の実施形態においては、窓部68がフィルタの機能を有していてもよい。
【0067】
また、詳細は後述するが、右コントローラ4は、NFC通信部122を備える。NFC通信部122は、NFC(Near Field Communication)の規格に基づく近距離無線通信を行う。NFC通信部122は、近距離無線通信に用いられるアンテナ122aと、アンテナ122aから送出すべき信号(電波)を生成する回路(例えばNFCチップ)とを有する。なお、NFC通信部122は、NFCの規格に基づく近距離無線通信を行う代わりに、任意の近接通信(非接触通信とも言う)で近距離無線通信を行うようにしてもよい。ここで、NFCの規格は、近接通信(非接触通信)に用いることができるものであり、「任意の近接通信で近距離無線通信を行うようにしてもよい」とは、NFCの規格による近接通信を除いた他の近接通信で近距離無線通信を行ってもよいことを意図している。
【0068】
また、右コントローラ4は、右コントローラ4が本体装置2と有線通信を行うための端子64を備える。
【0069】
<1-4.本体装置の内部構成>
図6は、本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。本体装置2は、
図3に示す構成の他、
図6に示す各構成要素81~91、97、および98を備える。これらの構成要素81~91、97、および98のいくつかは、電子部品として電子回路基板上に実装されてハウジング11内に収納されてもよい。
【0070】
本体装置2は、プロセッサ81を備える。プロセッサ81は、本体装置2において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ81は、記憶部(具体的には、フラッシュメモリ84等の内部記憶媒体、あるいは、スロット23に装着される外部記憶媒体等)に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。
【0071】
本体装置2は、自身に内蔵される内部記憶媒体の一例として、フラッシュメモリ84およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)85を備える。フラッシュメモリ84およびDRAM85は、プロセッサ81に接続される。フラッシュメモリ84は、主に、本体装置2に保存される各種のデータ(プログラムであってもよい)を記憶するために用いられるメモリである。DRAM85は、情報処理において用いられる各種のデータを一時的に記憶するために用いられるメモリである。
【0072】
本体装置2は、スロットインターフェース(以下、「I/F」と略記する。)91を備える。スロットI/F91は、プロセッサ81に接続される。スロットI/F91は、スロット23に接続され、スロット23に装着された所定の種類の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)に対するデータの読み出しおよび書き込みを、プロセッサ81の指示に応じて行う。
【0073】
プロセッサ81は、フラッシュメモリ84およびDRAM85、ならびに上記各記憶媒体との間でデータを適宜読み出したり書き込んだりして、上記の情報処理を実行する。
【0074】
本体装置2は、ネットワーク通信部82を備える。ネットワーク通信部82は、プロセッサ81に接続される。ネットワーク通信部82は、ネットワークを介して外部の装置と通信(具体的には、無線通信)を行う。本実施形態においては、ネットワーク通信部82は、第1の通信態様としてWi-Fiの規格に準拠した方式により、無線LANに接続して外部装置と通信を行う。また、ネットワーク通信部82は、第2の通信態様として所定の通信方式(例えば、独自プロトコルによる通信や、赤外線通信)により、同種の他の本体装置2との間で無線通信を行う。なお、上記第2の通信態様による無線通信は、閉ざされたローカルネットワークエリア内に配置された他の本体装置2との間で無線通信可能であり、複数の本体装置2の間で直接通信することによってデータが送受信される、いわゆる「ローカル通信」を可能とする機能を実現する。
【0075】
本体装置2は、コントローラ通信部83を備える。コントローラ通信部83は、プロセッサ81に接続される。コントローラ通信部83は、左コントローラ3および/または右コントローラ4と無線通信を行う。本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との通信方式は任意であるが、本実施形態においては、コントローラ通信部83は、左コントローラ3との間および右コントローラ4との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信を行う。
【0076】
プロセッサ81は、上述の左側端子17、右側端子21、および下側端子27に接続される。プロセッサ81は、左コントローラ3と有線通信を行う場合、左側端子17を介して左コントローラ3へデータを送信するとともに、左側端子17を介して左コントローラ3から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、右コントローラ4と有線通信を行う場合、右側端子21を介して右コントローラ4へデータを送信するとともに、右側端子21を介して右コントローラ4から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、クレードルと通信を行う場合、下側端子27を介してクレードルへデータを送信する。このように、本実施形態においては、本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4との間で、それぞれ有線通信と無線通信との両方を行うことができる。また、左コントローラ3および右コントローラ4が本体装置2に装着された一体型装置または本体装置2単体がクレードルに装着された場合、本体装置2は、クレードルを介してデータ(例えば、画像データや音声データ)を据置型モニタ等に出力することができる。
【0077】
ここで、本体装置2は、複数の左コントローラ3と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。また、本体装置2は、複数の右コントローラ4と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。したがって、複数のユーザは、左コントローラ3および右コントローラ4のセットをそれぞれ用いて、本体装置2に対する入力を同時に行うことができる。一例として、第1ユーザが左コントローラ3および右コントローラ4の第1セットを用いて本体装置2に対して入力を行うと同時に、第2ユーザが左コントローラ3および右コントローラ4の第2セットを用いて本体装置2に対して入力を行うことが可能となる。
【0078】
本体装置2は、タッチパネル13の制御を行う回路であるタッチパネルコントローラ86を備える。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13とプロセッサ81との間に接続される。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13からの信号に基づいて、例えばタッチ入力が行われた位置を示すデータを生成して、プロセッサ81へ出力する。
【0079】
また、ディスプレイ12は、プロセッサ81に接続される。プロセッサ81は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像および/または外部から取得した画像をディスプレイ12に表示する。
【0080】
本体装置2は、コーデック回路87およびスピーカ(具体的には、左スピーカおよび右スピーカ)88を備える。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に接続されるとともに、プロセッサ81に接続される。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に対する音声データの入出力を制御する回路である。
【0081】
また、本体装置2は、加速度センサ89を備える。本実施形態においては、加速度センサ89は、所定の3軸(例えば、
図1に示すxyz軸)方向に沿った加速度の大きさを検出する。なお、加速度センサ89は、1軸方向あるいは2軸方向の加速度を検出するものであってもよい。
【0082】
また、本体装置2は、角速度センサ90を備える。本実施形態においては、角速度センサ90は、所定の3軸(例えば、
図1に示すxyz軸)回りの角速度を検出する。なお、角速度センサ90は、1軸回りあるいは2軸回りの角速度を検出するものであってもよい。
【0083】
加速度センサ89および角速度センサ90は、プロセッサ81に接続され、加速度センサ89および角速度センサ90の検出結果は、プロセッサ81へ出力される。プロセッサ81は、上記の加速度センサ89および角速度センサ90の検出結果に基づいて、本体装置2の動きおよび/または姿勢に関する情報を算出することが可能である。
【0084】
本体装置2は、電力制御部97およびバッテリ98を備える。電力制御部97は、バッテリ98およびプロセッサ81に接続される。また、図示しないが、電力制御部97は、本体装置2の各部(具体的には、バッテリ98の電力の給電を受ける各部、左側端子17、および右側端子21)に接続される。電力制御部97は、プロセッサ81からの指令に基づいて、バッテリ98から上記各部への電力供給を制御する。
【0085】
また、バッテリ98は、下側端子27に接続される。外部の充電装置(例えば、クレードル)が下側端子27に接続され、下側端子27を介して本体装置2に電力が供給される場合、供給された電力がバッテリ98に充電される。
【0086】
<1-5.コントローラの内部構成>
図7は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図である。なお、本体装置2に関する内部構成の詳細については、
図6で示しているため
図7では省略している。
【0087】
左コントローラ3は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部101を備える。
図7に示すように、通信制御部101は、端子42を含む各構成要素に接続される。本実施形態においては、通信制御部101は、端子42を介した有線通信と、端子42を介さない無線通信との両方で本体装置2と通信を行うことが可能である。通信制御部101は、左コントローラ3が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。すなわち、左コントローラ3が本体装置2に装着されている場合、通信制御部101は、端子42を介して本体装置2と通信を行う。また、左コントローラ3が本体装置2から外されている場合、通信制御部101は、本体装置2(具体的には、コントローラ通信部83)との間で無線通信を行う。コントローラ通信部83と通信制御部101との間の無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)の規格に従って行われる。
【0088】
また、左コントローラ3は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ102を備える。通信制御部101は、例えばマイコン(マイクロプロセッサとも言う)で構成され、メモリ102に記憶されるファームウェアを実行することによって各種の処理を実行する。
【0089】
左コントローラ3は、各ボタン103(具体的には、ボタン33~39、43、44、および47)を備える。また、左コントローラ3は、アナログスティック(
図7では「スティック」と記載する)32を備える。各ボタン103およびアナログスティック32は、自身に対して行われた操作に関する情報を、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力する。
【0090】
左コントローラ3は、慣性センサを備える。具体的には、左コントローラ3は、加速度センサ104を備える。また、左コントローラ3は、角速度センサ105を備える。本実施形態においては、加速度センサ104は、所定の3軸(例えば、
図4に示すxyz軸)方向に沿った加速度の大きさを検出する。なお、加速度センサ104は、1軸方向あるいは2軸方向の加速度を検出するものであってもよい。本実施形態においては、角速度センサ105は、所定の3軸(例えば、
図4に示すxyz軸)回りの角速度を検出する。なお、角速度センサ105は、1軸回りあるいは2軸回りの角速度を検出するものであってもよい。加速度センサ104および角速度センサ105は、それぞれ通信制御部101に接続される。そして、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力される。
【0091】
通信制御部101は、各入力部(具体的には、各ボタン103、アナログスティック32、各センサ104および105)から、入力に関する情報(具体的には、操作に関する情報、またはセンサによる検出結果)を取得する。通信制御部101は、取得した情報(または取得した情報に所定の加工を行った情報)を含む操作データを本体装置2へ送信する。なお、操作データは、所定時間に1回の割合で繰り返し送信される。なお、入力に関する情報が本体装置2へ送信される間隔は、各入力部について同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0092】
上記操作データが本体装置2へ送信されることによって、本体装置2は、左コントローラ3に対して行われた入力を得ることができる。すなわち、本体装置2は、各ボタン103およびアナログスティック32に対する操作を、操作データに基づいて判別することができる。また、本体装置2は、左コントローラ3の動きおよび/または姿勢に関する情報を、操作データ(具体的には、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果)に基づいて算出することができる。
【0093】
左コントローラ3は、振動によってユーザに通知を行うための振動子107を備える。本実施形態においては、振動子107は、本体装置2からの指令によって制御される。すなわち、通信制御部101は、本体装置2からの上記指令を受け取ると、当該指令に従って振動子107を駆動させる。ここで、左コントローラ3は、コーデック部106を備える。通信制御部101は、上記指令を受け取ると、指令に応じた制御信号をコーデック部106へ出力する。コーデック部106は、通信制御部101からの制御信号から振動子107を駆動させるための駆動信号を生成して振動子107へ与える。これによって振動子107が動作する。
【0094】
振動子107は、より具体的にはリニア振動モータである。リニア振動モータは、回転運動をする通常のモータと異なり、入力される電圧に応じて所定方向に駆動されるため、入力される電圧の波形に応じた振幅および周波数で振動をさせることができる。本実施形態において、本体装置2から左コントローラ3に送信される振動制御信号は、単位時間ごとに周波数と振幅とを表すデジタル信号であってよい。別の実施形態においては、本体装置2から波形そのものを示す情報を送信するようにしてもよいが、振幅および周波数だけを送信することで通信データ量を削減することができる。また、さらにデータ量を削減するため、そのときの振幅および周波数の数値に替えて、前回の値からの差分だけを送信するようにしてもよい。この場合、コーデック部106は、通信制御部101から取得される振幅および周波数の値を示すデジタル信号をアナログの電圧の波形に変換し、当該波形に合わせて電圧を入力することで振動子107を駆動させる。したがって、本体装置2は、単位時間ごとに送信する振幅および周波数を変えることによって、そのときに振動子107を振動させる振幅および周波数を制御することができる。なお、本体装置2から左コントローラ3に送信される振幅および周波数は、1つに限らず、2つ以上送信するようにしてもよい。その場合、コーデック部106は、受信された複数の振幅および周波数それぞれが示す波形を合成することで、振動子107を制御する電圧の波形を生成することができる。
【0095】
左コントローラ3は、電力供給部108を備える。本実施形態において、電力供給部108は、バッテリおよび電力制御回路を有する。図示しないが、電力制御回路は、バッテリに接続されるとともに、左コントローラ3の各部(具体的には、バッテリの電力の給電を受ける各部)に接続される。
【0096】
図7に示すように、右コントローラ4は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部111を備える。また、右コントローラ4は、通信制御部111に接続されるメモリ112を備える。通信制御部111は、端子64を含む各構成要素に接続される。通信制御部111およびメモリ112は、左コントローラ3の通信制御部101およびメモリ102と同様の機能を有する。したがって、通信制御部111は、端子64を介した有線通信と、端子64を介さない無線通信(具体的には、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信)との両方で本体装置2と通信を行うことが可能であり、右コントローラ4が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。
【0097】
右コントローラ4は、左コントローラ3の各入力部と同様の各入力部を備える。具体的には、各ボタン113、アナログスティック52、慣性センサ(加速度センサ114および角速度センサ115)を備える。これらの各入力部については、左コントローラ3の各入力部と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0098】
また、右コントローラ4は、振動子117およびコーデック部116を備える。振動子117およびコーデック部116は、左コントローラ3の振動子107およびコーデック部106と同様に動作する。すなわち、通信制御部111は、本体装置2からの指令に従って、コーデック部116を用いて振動子117を動作させる。
【0099】
右コントローラ4は、NFCの規格に基づく近距離無線通信を行うNFC通信部122を備える。NFC通信部122は、いわゆるNFCリーダ・ライタの機能を有する。ここで、本明細書において近距離無線通信とは、一方の装置(ここでは、右コントローラ4)からの電波によって(例えば電磁誘導によって)他方の装置(ここでは、アンテナ122aと近接する装置)に起電力を発生させる通信方式が含まれる。他方の装置は、発生した起電力によって動作することが可能であり、電源を有していてもよいし有していなくてもよい。NFC通信部122は、右コントローラ4(アンテナ122a)と通信対象とが接近した場合(典型的には、両者の距離が十数センチメートル以下となった場合)に当該通信対象との間で通信可能となる。通信対象は、NFC通信部122との間で近距離無線通信が可能な任意の装置であり、例えばNFCタグやNFCタグの機能を有する記憶媒体である。ただし、通信対象は、NFCのカードエミュレーション機能を有する他の装置であってもよい。
【0100】
また、右コントローラ4は、第2端面に赤外撮像部123を備える。赤外撮像部123は、右コントローラ4の周囲を撮像する赤外線カメラを有する。一例として、本体装置2および/または右コントローラ4は、撮像された情報(例えば、撮像された撮像画像における少なくとも一部の領域全体を分割した複数のブロックの輝度に関連する情報等)を算出し、当該情報に基づいて、右コントローラ4の周囲変化を判別する。また、赤外撮像部123は、環境光によって撮像を行ってもよいが、本実施形態においては、赤外線を照射する赤外発光部124を有する。赤外発光部124は、例えば、赤外線カメラが画像を撮像するタイミングと同期して、赤外線を照射する。そして、赤外発光部124によって照射された赤外線が撮像対象によって反射され、当該反射された赤外線が赤外線カメラによって受光されることで、赤外線の画像が取得される。これによって、赤外撮像部123は、より鮮明な赤外線画像を得ることができる。なお、赤外撮像部123と赤外発光部124とは、それぞれ別のデバイスとして右コントローラ4内に設けられてもよいし、同じパッケージ内に設けられた単一のデバイスとして右コントローラ4内に設けられてもよい。また、本実施形態においては、赤外線カメラを有する赤外撮像部123が用いられるが、他の実施形態においては、撮像手段として、赤外線カメラに代えて可視光カメラ(可視光イメージセンサを用いたカメラ)が用いられてもよい。
【0101】
右コントローラ4は、処理部121を備える。処理部121は、通信制御部111に接続される。また、処理部121は、NFC通信部122、赤外撮像部123、および赤外発光部124に接続される。処理部121は、本体装置2からの指令に応じて、NFC通信部122に対する管理処理を実行する。例えば、処理部121は、本体装置2からの指令に応じてNFC通信部122の動作を制御する。また、処理部121は、NFC通信部122の起動を制御したり、通信対象(例えば、NFCタグ)に対するNFC通信部122の動作(具体的には、読み出しおよび書き込み等)を制御したりする。また、処理部121は、通信制御部111を介して通信対象に送信されるべき情報を本体装置2から受信してNFC通信部122へ渡したり、通信対象から受信された情報をNFC通信部122から取得して通信制御部111を介して本体装置2へ送信したりする。
【0102】
また、処理部121は、CPUやメモリ等を含み、右コントローラ4に備えられた図示しない記憶装置(例えば、不揮発性メモリ等)に記憶された所定のプログラム(例えば、画像処理や各種演算を行うためのアプリケーションプログラム)に基づいて、本体装置2からの指令に応じて赤外撮像部123に対する管理処理を実行する。例えば、処理部121は、赤外撮像部123に撮像動作を行わせたり、撮像結果に基づく情報(撮像画像の情報、あるいは、当該情報から算出される情報等)を取得および/または算出して通信制御部111を介して本体装置2へ送信したりする。また、処理部121は、本体装置2からの指令に応じて赤外発光部124に対する管理処理を実行する。例えば、処理部121は、本体装置2からの指令に応じて赤外発光部124の発光を制御する。なお、処理部121が処理を行う際に用いるメモリは、処理部121内に設けられてもいいし、メモリ112であってもよい。
【0103】
右コントローラ4は、電力供給部118を備える。電力供給部118は、左コントローラ3の電力供給部108と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0104】
<2.充電装置>
次に、本実施形態に係る通電装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、
図8に示す方向に基づいて説明を行うこととし、他の図面についても
図8の方向に基づいて説明を行う。但し、充電装置は、後述する
図12に示すように、傾いて配置されることもあるが、この向きに関わらず、本明細書を通じては、ハウジングにおいて延在部の前面がある側が「前」、これとは反対の延在部の背面がある側を「後」とし、これを本実施形態に係る充電装置を説明するときの方向とする。
【0105】
<2-1.充電装置の概要>
図8は充電装置の斜視図である。
図8に示すように、この充電装置1000は、主として、側面視L字状に形成されたハウジング100と、このハウジング110の前面側に取り付けられたコネクタ支持体120と、このハウジング110の背面に取り付けられた板状のスタンド部材130と、を備えている。以下、これら部材及びこれらの部材に内蔵された付属部材について、詳細に説明する。
【0106】
<2-1-1.ハウジング>
次に、ハウジング100について、
図9も参照しつつ説明する。
図9は充電装置を背面側から見た斜視図、
図10は
図9においてスタンド部材を回動させた状態を示す斜視図、
図11はハウジングの分解斜視図である。
図8~
図10に示すように、このハウジング100は、前後方向に延びる直方体状の基台部71と、この基台部71の後端部から上方に延びる直方体状の延在部72と、を備え、これら基台部71と延在部72とが組み合わさることで側面視L字状に形成されている。基台部71の上面(支持面とも言う)711は長方形状に形成され、ゲームシステム1を支持可能となっている。また、延在部72の前面721は基台部71の上面711と連続しつつ上方に延びており、これら基台部71の上面711と延在部72の前面721との連結部分は側面視円弧状に湾曲している。また、基台部71の上面711の中央付近と、延在部72の前面721の中央付近とに亘って、ハウジング100の内部空間に通じる前部開口73が形成されている。この前部開口73は、基台部71の上面711に形成された矩形状の貫通孔と、延在部72の前面721に形成された矩形状の貫通孔とが連結するように形成されている。そして、この前部開口73には、上述したコネクタ支持体120がはめ込まれている。
【0107】
ハウジング100における延在部72の下面722は、基台部71の下面712と延在部72の背面723とを連結する側面視円弧状に形成された湾曲面により形成されている。そして、この下面722の両側には、それぞれ帯状の滑り止め部材731が取り付けられており、これらが滑り止めの役割を果たす。なお、滑り止め部材731は、ゴム、シリコーンなどで形成することができる。
【0108】
また、
図11に示すように、ハウジング100は、延在部72の背面723、延在部72の下面722、及び基台部71の下面を構成する後部パネル100Aと、この後部パネル100A以外の外面を構成する前部パネル100Bを組み合わせることで構成されている。
【0109】
<2-1-2.スタンド部材、及びハウジングとスタンド部材との連結機構>
次に、スタンド部材130、及びハウジング100とスタンド部材130とを連結する連結機構について、
図12も参照しつつ説明する。
図12は、傾けた状態で設置面に設置した充電装置の側面図である。
【0110】
図9及び
図10に示すように、スタンド部材130は、長方形状に板状に形成され、ハウジング100の背面、つまり延在部72の背面723に取り付けられている。より詳細に説明すると、スタンド部材130の上端部付近が、ハウジング100の背面723の上端部付近に、左右方向に延びる軸線S1(第2軸線)に沿って回動可能に取り付けられている。これにより、
図12に示すように、ハウジング100の下面722と、スタンド部材130の下端部131とが設置面Dに接触した状態で、ハウジング100に対するスタンド部材130の角度を変えることができる。すなわち、ハウジング100の設置角度を変更することができる。
【0111】
このスタンド部材130は、延在部72の背面723と概ね同じ大きさに形成されており、その下端部131が、前方に向かってやや湾曲している。例えば、ハウジング100に対するスタンド部材の角度を変えて、
図8に示すように、スタンド部材130をハウジング100の背面723に接触させたときには、スタンド部材130の下端部が延在部72の下面722に沿うように形成されている。
【0112】
一方、スタンド部材130の前面の上部付近には、連結機構の一部である固定具140が設けられている。
【0113】
次に、連結機構について詳細に説明する。
図13は、ハウジング、連結機構、及びスタンド部材の分解斜視図、
図14は
図8のA-A線断面図である。
図13に示すように、延在部72の背面723の上端付近には、矩形状に後部開口74が形成されており、ハウジング100の内部空間に通じている。そして、ハウジング100の内部空間には、連結機構を構成する支持部材(第1部位)75と、この支持部材75に取り付けられた一対のトルクヒンジ(ヒンジ部)76と、このトルクヒンジ76を介して支持部材75に取り付けられた回動部材(第2部位)77と、が収容されている。
【0114】
図13に示すように、支持部材75は、板状に連結板751と、この連結板751の左右の両側に取り付けられた一対の支持部752とを備えている。連結板751は、ハウジング100の背面723の後部開口74の一部を、内部空間側から塞ぐように配置される。各支持部752は、円筒状の取付空間753を有しており、この取付空間753にトルクヒンジ76がはめ込まれる。そして、両トルクヒンジ76は、互いに向き合うように、支持部752から突出するように配置される。
【0115】
トルクヒンジ76は、公知のものを用いることができ、円筒状の外筒761と、この外筒761にはめ込まれた円柱状の軸部762とを備えており、軸部762が、外筒761に対して回転可能に取り付けられている。このとき、軸部762は、所定のトルクを付与しなければ外筒761に対して回転できないようになっており、これによってスタンド部材130は、後述するように、ハウジング100に対する回動角度を無段階で調整可能となっている。(また、前記所定のトルク以下程度の力であれば、その角度を保持することができる。)そして、外筒761が、支持部材75の支持部752にはめ込まれるとともに、軸部762は外筒761から突出し、回動部材77にはめ込まれる。
【0116】
回動部材77は、支持部材75の両支持部752の間に配置される。より詳細に説明すると、回動部材77は、円筒状の回動部771と、この回動部771の外周面に取り付けられた第2固定具(連結部)772とを備えている。回動部771は、支持部材75の支持部752の間に配置され、支持部752から突出するトルクヒンジ76の軸部762が、回動部771の両側にはめ込まれている。また、
図14に示すように、回動部771は、上述したハウジング100の後部開口74の上部付近から露出するように配置され、第2固定具772は、後部開口74の下部付近から露出するように配置されている。そして、
図10に示すように、回動部771が支持部材75に対して回動すると、後部開口74内に収容されている第2固定具772が、後部開口74から外部に突出するようになっている。
【0117】
次に、第2固定具772について、
図15を参照しつつ説明する。
図15は回動部材の斜視図である。
図15に示すように、第2固定具772は、矩形の枠状に形成された枠部材773を有しており、この枠部材773は、第2固定具772が開口74内に収容された
図14の状態において、外部に向かって開口するように構成されている。枠部材773の内部には、左右方向の中央において前後方向に延びる板状の位置決め部774が形成されている。また、枠部材773の左右方向の各外側面775には、枠部材773の先端開口から内部側にいくにしたがって左右方向に延びるように傾斜する傾斜部776がそれぞれ形成されている。そして、各外側面775において、傾斜部776よりも内部側には、凹部777が形成されており、この凹部777に、後述する固定片141の突部142が嵌まるようになっている。
【0118】
次に、この第2固定具772に固定されるスタンド部材130の第1固定具140について、
図16及び
図17を参照しつつ説明する。
図16は、スタンド部材の斜視図、
図17は、第1固定具と第2固定具とが固定された状態を示す断面図である。
図17に示すように、第1固定具140は、スタンド部材130の前面の上端部付近に配置されており、第2固定具772の枠部材773を挟むように固定する一対の板状の固定片(固定部)141を備えている。各固定片141は、スタンド部材130の前面から互いに向き合うように突出している。そして、各固定片141の先端部において、互いに向き合う面には、突部142が形成されており、
図17に示すように、第2固定具772の凹部777に嵌まるようになっている。
【0119】
また、両固定片141の間には、第2固定具772の枠部材773に嵌まる複数の突出片143が形成されている。これら突出片143は、所定間隔をおいて左右方向に並ぶ板状に形成され、さらに左右方向に延びる連結部144により互いに連結されている。そして、突出片143の間には、上述した第2固定具772の位置決め部774が嵌まるようになっている。本実施形態では、4枚の突出片143が形成され、
図17に示すように、中央の2枚の突出片143の間に、位置決め部774が嵌まるようになっている。
【0120】
そして、第1固定具140の固定片141が、第2固定具772の枠部材773に固定されるときには、両固定具140,772を近接させ、固定片141の突部142を、枠部材773の傾斜部776で滑らせる。そして、固定片141の突部142が傾斜部776を超えると、枠部材773の凹部777に嵌まるようになっている。この過程で、第1固定具140の突出片143が枠部材773の内部に嵌まるようになっている。こうして、突部142が凹部777に嵌まると、両固定具140,772が固定状態となり、スタンド部材130のハウジング100への取り付けが完了する。
【0121】
なお、第1固定具140は、スタンド部材130の上端部付近に配置されているため、スタンド部材130は、第1固定具140よりもさらに上方に延びている。そして、
図18に示すように、回動部材77が最も上方まで回動したときには、スタンド部材130は、延在部72と概ね垂直となり、さらにスタンド部材130を上方へ回動したときには、スタンド部材130の上端132が、延在部72の上面724に接するようになっている。そして、スタンド部材130がさらに上方へ回動したときには、スタンド部材130の上端部133が、延在部72の上面724において支点となって回動し、第1固定具140と第2固定具772との連結状態が解除される。すなわち、両固定片141の突部142が、枠部材773の凹部777から離脱するとともに、突出片143が枠部材773から離脱する。その結果、スタンド部材130がハウジング100から離脱するようになっている。
【0122】
<2-1-3.コネクタ支持体>
次に、コネクタ支持体120について、
図19~
図21を参照しつつ説明する。
図19はコネクタ支持体の斜視図、
図20はコネクタ支持体の分解斜視図、
図21はコネクタ支持部の回動を示す断面図ある。
図19及び
図20に示すように、コネクタ支持体120は、ハウジング100の前部開口73にはめ込まれた側面視L字状の本体部121と、この本体部121から突出するコネクタ122と、このコネクタ122に接続された第1基板1231とを備えている。
【0123】
本体部121は、ハウジング100の基台部71の上面711の貫通孔から露出する平面視矩形状の第1部位1245と、延在部72の前面721の貫通孔から露出する正面視矩形状の第2部位125とを備え、これらが連結されてL字状に形成されている。第1部位1245の中央付近には、左右方向に延びる矩形状の貫通孔1241が形成されており、この貫通孔1241からコネクタ122が突出している。そして、本体部121が前部開口73にはめ込まれた
図8に示す初期位置では、第1部位1245の上面と基台部71の上面711とは略連続した面を形成するようになっており、第2部位125の前面と延在部72の前面721も略連続した面を形成するようになっている。また、第1部位1245の両側には、前後方向に延びる板状の抜け止め部126が形成されている。各抜け止め部126は、第1部位1245の上面よりも下側に設けられており、前部開口73の両側において、ハウジング100の内面に係合するように構成されている。したがって、抜け止め部126によって、本体部121は、前部開口73から上方に抜け出るのが規制されている。
【0124】
各抜け止め部126の後端には、それぞれ左右方向に突出する軸部(第1軸線)127が形成されており、この軸部127が基台部71の内面、つまり前部パネル100Bの内面に設けられた軸受(図示省略)に回動自在に取り付けられている。すなわち、軸部127は、コネクタ122よりも後方に配置されている。また、第1部位1245の下面の両端には、バネ(弾性部材)128が取り付けられており、各バネ128は、第1部位1245の下面と基台部71の内部空間の下部との間で支持されている。したがって、これらバネ128により、本体部121は上方に押し上げられるが、抜け止め部126がハウジング100の内面に係合することで、本体部121は初期位置に保持されている。そして、本体部121に対して下方に外力を加えると、コネクタ122は軸部127を回動中心として上記初期位置から下方に回動するようになっている。
【0125】
また、第1部位1245の下面には、上述した第1基板1231がネジ1232によって固定されており(
図20参照)、この第1基板1231にコネクタ122が固定されている。そして、第1基板に取り付けられたコネクタ122は、上記のように、第1部位の貫通孔1241から上方へ突出している。このコネクタ122は、上述したように、ゲームシステム1のメス側コネクタ27に挿入される。
【0126】
コネクタ122は、左右方向に延び、前後方向に厚みが薄く、前面及び背面1221(
図23参照)を有する扁平な直方体状に形成されており、第1基板1231に電気的に接続されている。そして、第1基板1231の後端部が、前後方向において、本体部121の軸部127と概ね同じ位置に配置されており、第1基板1231の後端部には、変形可能な帯状のケーブルが接続されている。なお、このようなコネクタ122としては、USB端子を採用することができる。
【0127】
また、第2部位125の前面には、第1部位1245と第2部位125との連結部分から上方に延びるガイド部129が形成されている。このガイド部129は、第2部位125の前面から前方に突出する直方体状に形成され、このガイド部129の前面が、コネクタ122の背面1221と平行な対向面1291(
図19のハッチング部分)を構成している。また、ガイド部129において、対向面1291の両側には、左右方向を向く側面(当接面)1292がそれぞれ形成されている。そして、このガイド部129が、上述したゲームシステム1の溝部29に嵌まるようになっている。
【0128】
より詳細には、ガイド部129の溝部29への挿入がガイドになって、コネクタ122がメス側コネクタ27に挿入されるようになっている。そのため、ゲームシステム1において説明したメス側コネクタ27と溝部29の底面291との距離は、コネクタ122と対向面1291との距離と同じかわずかに小さくなっている。また、第2部位125の前面からのガイド部129の突出高さは、溝部29の深さとほぼ同じであり、ガイド部129の左右方向の幅は、溝部29の幅と同じかわずかに小さくなっている。さらに、メス側コネクタ27とゲームシステム1の背面との距離は、コネクタ122と第2部位125の前面との距離とほぼ同じである。このような構成により、コネクタ122がメス側コネクタ27に挿入された場合には、ガイド部129はゲームシステム1の溝部29に嵌まる。これにより、対向面1291が溝部29の底面291、つまりゲームシステム1の背面と対向するようになっている。
【0129】
以上のような構成により、コネクタ122に下向きの外力が加わると、
図21に示すように、コネクタ122は、本体部121及び第1基板1231とともに回動する。このとき、軸部127は、コネクタ122よりも後方に配置されているため、コネクタ122の上端が前方に傾きつつ、コネクタ支持体120が基台部71の上面711から下方に沈むように、コネクタ122が回動する。
【0130】
また、
図12に示すように、コネクタ122が初期位置にあるとき、コネクタは、ハウジング100の基台部71の上面711の前端及び延在部72の前面721の上端を結ぶ仮想面Zから突出しないように配置されている。
【0131】
<2-1-4.充電のための構造>
続いて、充電のための構造について、
図22も参照しつつ説明する。
図22は、ハウジング内の電気構造をコネクタ支持体とともに示した斜視図である。
図8に示すように、延在部72の側面726には、外部機器を接続するための外部端子用の側面開口725が形成されている。そして、この側面開口725と対応するように、ハウジング100の内部には、
図22に示すように、外部端子78が設けられている。この外部端子78はメス型の端子であり、ハウジング100内に配置される第2基板781に固定されている。
図14に示すように、第2基板781は、延在部72の内部に固定されており、これによって、外部端子78の開口が、延在部72の側面開口725と一致するように支持される。また、
図22に示すように、外部端子78と第2基板781とは、電気的に接続されており、第2基板781と上述した第1基板1231とは、フレキシブルフラットケーブル(FFC)79によって電気的に接続されている。そのため、FFC79は、第1基板1231がコネクタ支持体120とともに回動されると、これに伴って変形するようになっている。
【0132】
本実施形態に係る充電装置1000は、外部端子78に接続されるケーブル(図示省略)によって、コネクタ122に接続されたゲームシステム1の充電を行うものである。そのため、上記第1基板1231及び第2基板781に配置された各種の電子回路によって充電のための処理が行われる。
【0133】
<3.充電装置の使用方法>
<3-1.ゲームシステムの取付方法>
次に、上記のように構成された充電装置1000の使用方法について、
図23~
図25を参照しつつ説明する。
図23~
図25は、ゲームシステムを充電装置に取り付ける方法を示す断面図である。まず、ゲームシステム1を充電装置1000に配置する方法について説明する。はじめに、
図12に示すように、スタンド部材130を回動させ、ハウジング100とスタンド部材130との角度を適当に決め、充電装置1000を設置面Dに設置する。すなわち、ハウジング100の下面722とスタンド部材130の下端部131とが設置面Dに接した状態にする。また、電源と接続されたケーブル(図示省略)を外部端子78に接続しておく。
【0134】
次に、
図23に示すように、ゲームシステム1の前面のディスプレイ12を前に向け、ゲームシステム1の背面と延在部72の前面721とが対向するように向きを決める。次に、ゲームシステム1のメス側コネクタ27に、コネクタ122が挿入されるように、ゲームシステム1を下向きに移動する。この過程においては、ゲームシステム1の背面を延在部72の前面721に沿うように、ゲームシステム1を下降させれば、溝部29に充電装置1000のガイド部129が嵌まる。これにより、ゲームシステム1は、充電装置1000に対して左右方向に位置決め(ガイド)される。そして、ゲームシステム1をさらに下降させると、ゲームシステム1は、ガイド部129にガイドされながら下降し、メス側コネクタ27にコネクタ122が挿入される。
【0135】
そして、コネクタ122の先端が、メス側コネクタ27の奥端部に達したときには、
図24に示すように、ゲームシステム1の下面と基台部71の上面711との間にはわずかに隙間Kが形成される。その後、ゲームシステム1の重量により、コネクタ支持体120は、コネクタ122がメス側コネクタ27に挿入された状態のままで、下方に押圧され、
図26に示すように、ゲームシステム1の下面が基台部71の上面711に接する。こうして、ゲームシステム1は、充電装置1000に支持される。この過程において、コネクタ支持体120は、ゲームシステム1により押圧されたとき、軸部127を回動中心として下方にわずかに回動する。
【0136】
その一方で、コネクタ支持体120は、バネ128によって上方に押し上げられているため、換言すれば、上方に付勢されているため、コネクタ122の先端は、依然としてメス側コネクタ27の奥端部に接した状態が維持される。こうして、ゲームシステム1の充電が行われる。
【0137】
<3-2.角度の調整方法>
続いて、スタンド部材の角度の調整方法について、
図26及び
図27も参照しつつ説明する。
図26及び
図27は、スタンド部材の角度の調整方法を示す断面図である。スタンド部材130の角度の調整は、スタンド部材130を手400で持って回動させることで行ってもよいし、あるいは、次のように角度の調整を行うこともできる。まず、
図26に示す状態において、ゲームシステム1の両側、つまり左右のコントローラ3,4を手で把持した状態で、ゲームシステム1を介してハウジング100を設置面Dに押しつけながら、ゲームシステムの上端部を後方に傾ける。これにより、ハウジング100の下面722の滑り止め部材731が支点となって、ハウジング100が後方に傾斜する。これに伴い、スタンド部材130の下端部131が設置面Dを滑り、スタンド部材130の下端部131とハウジング100の下面722との距離が広がっていく。すなわち、
図27に示すように、スタンド部材130は、ハウジング100に対して角度が広がるように回動していく。これにより、ハウジング100の傾きを調整することができる。このとき、ハウジング100の下面722の滑り止め部材731が支点となるため、ハウジング100は設置面D上を滑らず、スタンド部材130のみが滑り、角度が広がっていく。こうして、スタンド部材130が所望の角度になるまでゲームシステム1を押圧する。その後、ゲームを行うこともできる。
【0138】
なお、本実施形態に係るゲームシステムは、コントローラ3,4が本体装置2から取り外すことができるため、本体装置2のみを充電装置1000に配置し、コントローラ3,4を片方の手で持った状態で、もう片方の手で上記のようにハウジング100の角度を調整することもできる。
【0139】
<3-3.ゲームシステムの取り外し方法>
ゲームシステム1を充電装置1000から取り外すには、ゲームシステム1をコネクタ122の延びる方向に沿って上方に引き上げればよいが、次のようにすることもできる。すなわち、ゲームシステム1の上端を前方に傾斜させながら、コネクタ122から引き抜くこともできる。例えば、
図28に示すように、ゲームシステム1の上端部を把持して、前方に傾斜させると、ゲームシステム1の前面と下面との境界部分(すなわち、ゲームシステム1の前面と下面との交差部分)である角部150が基台部71の上面(支持面)の一部と当接し、当該角部150が支点となって傾斜する。このような支点を中心として傾斜することにより、ゲームシステム1は、滑ることなく安定的に傾斜する(回動する)。これに伴い、コネクタ支持体120は、軸部127を中心に前方に回動する。すなわち、ゲームシステム1にはコネクタ122が挿入されているため、コネクタ122はゲームシステム1とともに傾斜し、これに伴ってコネクタ支持体120が回動する。このとき、コネクタ支持体120は、基台部71の上面711からコネクタ122が沈むように回動する。そのため、コネクタ122は、ゲームシステム1の傾斜に伴って、メス側コネクタ27から徐々に抜け出していく。
【0140】
そして、ゲームシステム1の傾斜が進むと、
図29に示すように、コネクタ122が、メス側コネクタ27から概ね抜け出すため、ゲームシステム1をさらに傾斜させると、コネクタ122がメス側コネクタ27にほとんど引っかかることなく、ゲームシステム1を充電装置1000から取り外すことができる。
【0141】
<4.特徴>
本実施形態に係る充電装置によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)コネクタ支持体120は、コネクタ122よりも後方の軸部127を回動中心として回動するため、コネクタ122は上端部が前方に倒れるように傾斜しつつ、下方に移動するように構成されている。したがって、ゲームシステム1がコネクタ122に挿入された状態から、ユーザがゲームシステム1を前方に傾斜させながら、充電装置1000から取り外そうとすると、コネクタ122は、ゲームシステム1とともに傾斜しつつ、メス側コネクタ27から離脱していく。したがって、ゲームシステム1を前方に傾けながら充電装置1000から取り外そうとした場合でも、コネクタ122に不要な負荷がかかる可能性を低減することができる。
【0142】
(2)コネクタ122よりも後方に配置された対向面1291が、コネクタ122の突出方向と平行であるため、メス側コネクタ27にコネクタ122を挿入する際、ゲームシステム1の溝部29の底面291を対向面1291によって上下方向にガイドすることができる。このとき、コネクタ122と対向面1291との間の距離が、メス側コネクタ27と溝部29の底面291との距離に対応しているため、メス側コネクタ27に対するコネクタ122の前後方向の位置決めを容易に行うことができる。したがって、ゲームシステム1をコネクタ122と平行に下方に移動させることができるため、コネクタ122の挿入を容易に行うことができる。さらに、コネクタ122と第2部位125の前面との距離も、メス側コネクタ27とゲームシステム1の背面との距離に対応しているため、この点も、ゲームシステム1の前後方向の位置決めに寄与し、コネクタ122の挿入を容易にする。
【0143】
また、コネクタ122がメス側コネクタ27に挿入されると、挿入の過程でコネクタ122に力が作用し、コネクタ122が回動する可能性がある。このように、コネクタ122が回動してしまうと、コネクタ122がメス側コネクタ27の内部に引っかかり、挿入がスムーズに行えない可能性がある。しかしながら、本実施形態では、コネクタ122の挿入時にコネクタ122が回動しそうになると、コネクタ122の背面1221と平行な対向面1291がゲームシステム1の溝部29に当接し、コネクタ122の回動を規制する。したがって、コネクタ122の挿入をスムーズに行うことができる。
【0144】
また、ガイド部129もコネクタ支持体120に設けられているため、ガイド部129はコネクタ122とともに回動可能となっている。そのため、例えば、コネクタ122の挿入直前に、ゲームシステム1に押されてコネクタ122が回動したとしても、コネクタ122と対向面1291との位置関係は変化しない。したがって、対向面1291に合わせるようにゲームシステム1を移動させれば、コネクタ122が回動したとしても、コネクタ122をメス側コネクタ27に容易に挿入することができる。
【0145】
さらに、ガイド部129の両側面1292は、溝部29内の両側面292に当接するように構成されているため、ガイド部129によって、ゲームシステム1の左右方向の位置決め(ガイド)も行うことができる。したがって、これによっても、ゲームシステム1のメス側コネクタ27へのコネクタ122の挿入を容易に行うことができる。
【0146】
(3)上記実施形態では、コネクタ122がメス側コネクタ27に挿入されるとき、コネクタ122がメス側コネクタ27の奥端部に接した後に、ゲームシステムの重量などにより、コネクタ122が回動してゲームシステム1の下面が基台部71の上面711に接するように構成されている。したがって、例えば、コネクタ122とメス側コネクタ27とが通電する際の有効嵌合長が短い場合でも、コネクタ122とメス側コネクタ27とを確実に通電させることができる。
【0147】
特に、コネクタ支持体120は、バネ128によって上方に押し上げられているため、コネクタ122の先端がメス側コネクタ27の奥端部に接した状態が維持される。よって、コネクタ122とメス側コネクタ27との通電状態を維持することができる。
【0148】
(4)コネクタ122と通電する第1基板の後端部からFFC79が延び、さらに第1基板1231の後端部近傍に軸部127が位置している。すなわち、コネクタ122とFFC79との接続部分付近に回動中心である軸部127が位置しているため、第1基板1231が回動しても、第1基板1231とFFC79との接続部分はほとんど移動しない。したがって、FFC79が過度に動いて、第1基板1231から外れるなどの不具合を低減することができる。
【0149】
なお、FFC79の接続位置は特には限定されず、第1基板1231に直接接続されてもよいし、他の接続部材を介して第1基板1231の後端部に接続されてもよい。
【0150】
(5)ハウジング100の基台部71の上面711の前端及び延在部72の前面721の上端を結ぶ仮想面Zから、コネクタ122が突出しないように配置されているため、例えば、
図30に示すように、ハウジング100を、基台部71の上面711側が設置面Dを向くように配置した場合、コネクタ122は、設置面Dに接触しない。したがって、ハウジング100を
図30のように設置した場合でも、コネクタ122が設置面Dに接触して損傷するのを抑制することができる。
【0151】
(6)スタンド部材130はハウジング100から離脱するように構成されているため、スタンド部材130の角度を無理に広げようとした場合、あるいは、誤って充電装置を踏んでしまった場合、スタンド部材130やハウジング100が損傷する可能性を低減することができる。例えば、
図31の状態からハウジングの上端を踏んだ場合、その押圧力によって、スタンド部材130は、ハウジング100との角度が広がるように回動していく。そして、回動の角度が大きくなり、スタンド部材130の上端133がハウジング100の上面724に接すると、スタンド部材130はこれ以上回動できなくなる。そして、スタンド部材130の回動角度をさらに広げるように力が作用すると、スタンド部材130の上端部が支点となってスタンド部材130は回動し、これに伴って、スタンド部材130の固定片141が第2固定部772の枠部材773から離脱する。
【0152】
したがって、ハウジング100に上記のような強い力が作用したときには、スタンド部材130がハウジング100から離脱するため、スタンド部材130や、ハウジング100とスタンド部材130との連結部分が割れるなどの損傷の可能性を低減することができる。そして、スタンド部材130がハウジング100から離脱しても、再び簡単に取り付けることができる。
【0153】
(7)連結機構の支持部材75及び回動部材77は、トルクヒンジ76により連結され、繰り返し回動するため、剛性の高い材料で形成することができる。このような剛性の高い材料としては、例えば、ガラス繊維をポリアミド樹脂、ポリカーボネートなどの樹脂に混合した樹脂材料がある。したがって、このような材料で、支持部材75及び回動部材77を形成すれば、これらの部材75,77の損傷の可能性を低減することができる。但し、このような材料は、塗装などの着色が容易ではないため、美観の高い外観にできないおそれがある。そこで、支持部材及75及び回動部材77のみを剛性の高い材料で形成し、外部に露出するハウジング100やスタンド部材130を形成する材料は、ABS樹脂、ポリカーボネート等、剛性は多少低いが、比較的美観の高い材料を用いることができる。これにより、支持部材及75及び回動部材77は、上記のようにハウジング100内に収容し、外部には一部しか露出しないようにしているため、ハウジング100の美観が低下するのを抑制している。なお、支持部材75や回動部材77を構成する剛性の高い材料としては、例えば、金属材料を採用することができる。
【0154】
<5.変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、適宜組み合わせることができる。
【0155】
(1)ハウジング100の形状は特には限定されず、上記実施形態の形状は一例である。したがって、ゲームシステム1を載置できるように形成であれば、上述した側面視L字状以外の形状であってもよく、あるいは、単に基台部と延在部とが交差するような形状など、種々の形状にすることができる。また、スタンド部材130は必ずしも必要ではなく、ハウジング100が設置面に設置できればよい。
【0156】
(2)コネクタ支持体120に設けられるガイド部129の構成は、特には限定されない。例えば、
図32に示すように、ガイド部129の突出高さが小さい場合には、ガイド部129の前面は、溝部29の底面291に接しないため、本発明の対向面としての機能を奏さない。
【0157】
この場合には、第2部位125の前面(ガイド部129が取り付けられている面)を、本発明の対向面とすることができ、コネクタ122に対するゲームシステム1の前後方向の位置決め等を行うことができる。すなわち、コネクタ122がメス側コネクタ27に挿入された場合には、第2部位125の前面がゲームシステム1の背面と対向するようになっている。但し、突出高さが低いガイド部129であっても、依然、溝部29の側面292には当接するため、左右方向の位置決め(ガイド)には用いられることになる。
【0158】
また、ガイド部は、上記のような対向面1291を有するものでなくてもよく、単に、コネクタ122がメス側コネクタ27に挿入するのをガイドするような各種の構成(凹部、凸部、溝など)であればよい。そして、このようなガイド部がコネクタ122とともに回動するように構成することもできる。
【0159】
(3)上記実施形態では、コネクタ支持体120にコネクタ122が支持され、コネクタ122が回動するように構成されている。すなわち、このコネクタ支持体120においてコネクタ122を回動させる部分が、本発明の回動機構に相当する。但し、コネクタ122を回動させる構成は特には限定されない。上記実施形態では、コネクタ支持体120の本体部121が回動するように構成され、コネクタ122は第1基板1231に支持され、第1基板1231が本体部121に固定されている。しかし、これ以外の構成として、例えば、コネクタ122が固定された部材をハウジング100に対して回動するように取り付けることもできる。
【0160】
また、回動中心(軸部127)の位置は、コネクタ122よりも後方であればよく、必ずしも初期位置においてコネクタ122においてハウジング100の外部に突出している部分よりも下方でなくてもよく、特には限定されない。例えば、コネクタ122においてハウジング100の外部に突出している部分よりも上方に回動中心(第1軸線)があってもよい。また、回動中心は、ハウジング100の外部に配置されていてもよい。さらに、回動中心は、上記実施形態のような軸部127であってもよいし、あるいは、部材としての回動中心を設けず、例えば、部材と部材との連結部分が回動中心となり、折れ曲がるように回動するように構成したり、または、レールなどによって回動するように構成されていてもよい。
【0161】
また、上記実施形態では、コネクタ122を本体部121、第1基板1231、FFC79とともに回動するように構成しているが、少なくともコネクタのみが回動するように構成されていればよい。したがって、コネクタのみを支持する部材によって回動するようになっていてもよい。この場合、第1基板は、FPC,導線などによってコネクタと接続してもよいし、第1基板1231を省略して、コネクタ122と他の基板、または外部端子78とを接続することもできる。
【0162】
また、コネクタ支持体120は、バネ(弾性部材)128を有しているが、これに限定されず、コネクタ122を上記初期位置に向けて付勢できるのであれば、他の部材であってもよい。
【0163】
(4)上記実施形態では、
図24に示すように、コネクタ122の挿入の過程で、コネクタ122の先端がメス側コネクタ27の奥端部に接したとき、ゲームシステム1の下面と基台部71の上面711との間に隙間Kが形成されるようにしているが、これに限定されるものではない。すなわち、コネクタ122の先端がメス側コネクタ27の奥端部に接したとき、ゲームシステム1の下面と基台部71の上面711が接してもよい。あるいは、有効嵌合長にもよるが、コネクタ122の先端がメス側コネクタ27の奥端部に接する前に、ゲームシステム1の下面と基台部71の上面711が接してもよい。
【0164】
(5)上記実施形態では、本発明に係る通電装置を充電装置とした例について説明したが、電子機器の充電以外にも使用することができる。すなわち、ハウジング100内の基板1231、781を適宜交換することで、外部装置と電気的に接続することができる。例えば、ゲームシステム1のディスプレイで表示させる画像を、外部端子78を介して接続した外部のディスプレイ装置で表示させることができる。また、単に給電を行うための給電装置であってもよい。このように、本発明に係る通電装置は、電子機器に対する充電以外の種々の目的の通電に用いることができる。
【0165】
したがって、ハウジング100内の電気構造についても特には限定されない。例えば、外部端子78の構造も特には限定されず、オス型の種々の端子であってもよい。また、第2基板781の位置、形状も特には限定されない。また、第1基板1231とFFC79のみで構成し、外部端子78とFFC79とを接続することもできる。また、FFCと第1基板との接続位置も上記のように後端部であれば、有利であるが、他の位置でもよい。さらに、FFC79に限られず、種々の形状のケーブルを用いることもできる。さらに、
【0166】
(6)また、上記実施形態で説明したゲームシステム1は、一例であり、他のゲームシステムであってもよい。また、ゲームシステム以外の各種の電子機器に対して、通電を行うことができる。すなわち、本発明が対象とする電子機器は、コネクタ挿入口が形成された所定面を有していればよく、特には限定されない。
【0167】
(7)上記実施形態の充電装置1000は、コネクタ122、基板1231等の電子部品ほか、コネクタ支持体120を取り外しても、機器の支持装置として使用することもできる。すなわち、少なくとも、上述したハウジング100、スタンド部材130、及び連結機構を有すれば、種々の機器の支持装置として使用することができる。この場合、スタンド部材130を無理に取り外そうとしたときに、スタンド部材130が離脱するように構成されているため、スタンド部材130の損傷の可能性を低減できるという利点を有する支持装置として使用することができる。この場合、支持装置に支持されるのは、電子機器でなくてもよく、各種の機器を支持することができる。支持装置は、例えば、以下のように表すことができる。
【0168】
この支持装置は、機器を支持する支持装置であって、
前記機器を載置可能な前部、及び前記前面部とは反対側の後部を有するハウジングと、
前記ハウジングの後部側に取り付けられたスタンド部材と、
前記ハウジングに対して前記スタンド部材を、水平に延びる軸線周りに回動するように着脱自在に連結し、前記スタンド部材と前記ハウジングとの角度を調整可能とする連結機構と、
を備え、
前記連結機構は、前記スタンド部材と前記ハウジングとの間の角度が所定角度以上となったときに、前記スタンド部材が前記ハウジングから離脱するように構成されている。
【0169】
この構成により、例えば、ハウジングに対するスタンド部材の角度を無理に広げようとしたとき、その角度が所定角度以上になると、スタンド部材がハウジングから離脱するため、スタンド部材やハウジングが損傷する可能性を低減することができる。その一方で、スタンド部材が離脱しても、その後、スタンド部材をハウジングに再び取り付けて使用することができる。
【0170】
(8)連結機構の構成も特には限定されず、スタンド部材130がハウジング100に対して回動し、さらに所定角度以上となったときに離脱するように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0171】
1 ゲームシステム(電子機器)
27 メス側コネクタ(コネクタ挿入口)
29 溝部(凹部)
71 基台部
711 上面(支持面または基台部の面)
72 延在部
75 支持部材(第1部位)
76 トルクヒンジ(ヒンジ部)
77 回動部材(第2部位)
100 ハウジング
120 コネクタ支持体(回動機構)
130 スタンド部材
122 コネクタ
1231 第1基板(基板)
128 バネ(弾性部材)
1291 対向面
141 固定片(固定部)
144 突出片(係合部)
79 フレキシブルフラットケーブル(ケーブル)
【手続補正書】
【提出日】2022-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ挿入口を有する底面と、当該底面に連なる背面とを備える電子機器を支持する通電装置であって、
ハウジングと、当該ハウジングに対して初期位置と前記初期位置よりも前方側の位置との間で回動可能なコネクタ支持体とを備え、
前記ハウジングは、
前記電子機器の底面に対向する第1上面と、
前記電子機器の背面に対向し、前記第1上面に連なる第1前面と、
前記第1上面と前記第1前面に跨って設けられる孔を有し、
前記コネクタ支持体は、前記孔に設けられ、
前記電子機器の底面に対向する第2上面と、
前記第2上面から離れる第1方向に突出するコネクタと、
前記電子機器の背面に対向し、前記コネクタ支持体が前記初期位置であるときに少なくともその周縁部が前記第1前面と面一となる、前記第2上面に連なり、前記コネクタが前記第1方向に突出する長さよりも前記第1方向に長く延びる第2前面とを有する、通電装置。
【請求項2】
前記第2上面は、
前記コネクタ支持体が前記初期位置であるときに少なくとも前記第2上面の周縁部が前記第1上面と面一となる、請求項1に記載の通電装置。
【請求項3】
前記通電装置は、
前記ハウジングに対して回動可能であって前記ハウジングを支持するスタンド部をさらに有する、請求項1または2に記載の通電装置。
【請求項4】
前記電子機器は、前記背面に設けられる溝部をさらに有し、
前記コネクタ支持体は、
前記第2前面の周縁部よりも内側の位置から前記コネクタがある方向に突出し、前記溝部と前記第2前面によって形成される孔に挿入可能な突出部をさらに有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の通電装置。
【請求項5】
前記突出部は、
前記第1方向側の端部が傾斜している、請求項4に記載の通電装置。
【請求項6】
前記通電装置は、
前記ハウジングと前記コネクタ支持体との回転軸をさらに有し、
前記回転軸は、前記ハウジングの前後方向において、前記第1前面と同じ位置または前記第1前面よりも前方の位置に設けられる、請求項1から5のいずれか1項に記載の通電装置。