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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186782
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】耐水性紙および液体容器
(51)【国際特許分類】
   D21H 19/42 20060101AFI20221208BHJP
   D21H 21/14 20060101ALI20221208BHJP
   D21H 19/20 20060101ALI20221208BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
D21H19/42
D21H21/14 Z
D21H19/20 A
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163971
(22)【出願日】2022-10-12
(62)【分割の表示】P 2021075180の分割
【原出願日】2021-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2021028817
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002620
【氏名又は名称】弁理士法人大谷特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多田 光里
(72)【発明者】
【氏名】清水 陵
(72)【発明者】
【氏名】磯崎 友史
(72)【発明者】
【氏名】松本 郁加
(72)【発明者】
【氏名】山崎 実紅
(57)【要約】
【課題】耐水性に優れるとともに、耐ブロッキング性およびヒートシール性に優れた耐水性紙を提供すること。
【解決手段】紙基材の少なくとも一方の面の最上層に耐水性層を有する耐水性紙であり、該耐水性層が、エチレン-メタクリル酸共重合体、および有機粒子を含有し、該有機粒子の融点または軟化点が100℃以上であり、耐水性層中の有機粒子の含有量が40質量%以下である、耐水性紙。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙基材の少なくとも一方の面の最上層に耐水性層を有する耐水性紙であり、
該耐水性層が、エチレン-メタクリル酸共重合体、および有機粒子を含有し、
該有機粒子の融点または軟化点が100℃以上であり、
耐水性層中の有機粒子の含有量が40質量%以下である、
耐水性紙。
【請求項2】
有機粒子の平均粒径が0.01μm以上50μm以下である、請求項1に記載の耐水性紙。
【請求項3】
有機粒子がポリオレフィン粒子である、請求項1または2に記載の耐水性紙。
【請求項4】
有機粒子がポリプロピレン粒子、ポリエチレン粒子、およびプロピレン-エチレン共重合樹脂粒子よりなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか1項に記載の耐水性紙。
【請求項5】
耐水性層中の有機粒子の含有量が0.5質量%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の耐水性紙。
【請求項6】
有機粒子が水分散性の有機粒子である、請求項1~5のいずれか1項に記載の耐水性紙。
【請求項7】
耐水性層の塗工量が0.1g/m以上20g/m以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の耐水性紙。
【請求項8】
紙基材の少なくとも一方の面に、少なくとも1層の下塗り層、および耐水性層をこの順に有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の耐水性紙。
【請求項9】
前記下塗り層が、エチレン-メタクリル酸共重合体を含有する、請求項8に記載の耐水性紙。
【請求項10】
透気度が1,000秒以上である、請求項1~9のいずれか1項に記載の耐水性紙。
【請求項11】
耐水性層を設けた面の測定時間30分間における20℃の水に対するCobb吸水度が40g/m以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の耐水性紙。
【請求項12】
耐水性層を設けた面の測定時間30分間における90℃の水に対するCobb吸水度が100g/m以下である、請求項1~11のいずれか1項に記載の耐水性紙。
【請求項13】
ヒートシール性を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の耐水性紙。
【請求項14】
液体容器、またはその蓋用である、請求項1~13のいずれか1項に記載の耐水性紙。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の耐水性紙を用いてなる、液体容器、またはその蓋。
【請求項16】
液体容器が紙コップである、請求項15に記載の液体容器、またはその蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐水性紙、およびこれを用いてなる液体容器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料、食品等の各種容器として、従来プラスチック製品が使用されてきたが、環境負荷低減を目的として、紙製品への転換が望まれている。
従来、基紙の片面にポリエチレンフィルムをラミネートしたポリエチレンラミネート紙が、飲料、食品等の各種容器に使用されてきたが、再生時にポリエチレンフィルムの除去が困難であり、再生利用性に劣るという問題があった。
このような問題に対応するために、抄紙工程での性能の付与や、塗工による性能の付与により、耐水性等を付与することが行われてきた。
特許文献1には、耐水性、ヒートシール性、トップカール適性、グラビア印刷適性等の加工適性がポリエチレンラミネート紙と同等であり、かつ資源の有効利用のための再生性に優れたカップ原紙、カップ蓋原紙、紙皿原紙等の紙器原紙を提供することを目的として、基紙の少なくとも片面に目止め用の下塗り層、耐水耐油層からなる上塗り層を設けた紙器原紙において、下塗り層が顔料/バインダー樹脂層からなり塗工量が片面当り4~15g/m、上塗り層の耐水耐油層の樹脂塗工量が片面当り2g/m以上であり、かつ下記A~Dの要件を満足することを特徴とする紙器原紙が記載されている。
A.基紙のコッブの吸水度が50g/m以下、平滑度が10秒以上である。
B.下塗り層の使用顔料がアスペクト比5~30、平均粒子径が0.5~30μmである。
C.下塗り層の配合比率が顔料100質量部に対してバインダー樹脂が10~100質量部である。
D.上塗り層に使用する耐水耐油樹脂がゲル分率70%以上を有し、塗工層の臨界表面張力が25dyn/cm以上である水分散系樹脂を使用する。
【0003】
また、特許文献2には、プラスチックの使用量を低減することができる包装用紙を提供することを目的として、紙基材の少なくとも一方の面に少なくとも1層のヒートシール層を有する包装用紙であって、前記ヒートシール層がアイオノマーを含み、前記ヒートシール層の乾燥塗工量が全層で2~10g/mであり、前記ヒートシール層が少なくとも一方の面に2層以上形成されていることを特徴とする包装用紙が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-158089公報
【特許文献2】特許第6580291号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
耐水性紙は、連続的に製造する場合、ロールに巻き取りながら製造されるが、その際に、巻き取られた耐水性紙の塗工面が、耐水性紙の裏面に貼り付き、剥がれが生じる(ブロッキングする)という問題があった。このような問題について、特許文献1および2では改善の余地がある。
本発明は、耐水性に優れるとともに、耐ブロッキング性およびヒートシール性に優れた耐水性紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、耐水性層にエチレン-メタクリル酸共重合体を配合するとともに、さらに特定の融点または軟化点を有する有機粒子を、特定量配合することにより、耐水性に優れるとともに、耐ブロッキング性およびヒートシール性に優れる耐水性紙が得られることを見出した。本発明は以下の<1>~<16>に関する。
<1> 紙基材の少なくとも一方の面の最上層に耐水性層を有する耐水性紙であり、該耐水性層が、エチレン-メタクリル酸共重合体、および有機粒子を含有し、該有機粒子の融点または軟化点が100℃以上であり、耐水性層中の有機粒子の含有量が40質量%以下である、耐水性紙。
<2> 有機粒子の平均粒径が0.01μm以上50μm以下である、<1>に記載の耐水性紙。
<3> 有機粒子がポリオレフィン粒子である、<1>または<2>に記載の耐水性紙。
<4> 有機粒子がポリプロピレン粒子、ポリエチレン粒子、およびプロピレン-エチレン共重合樹脂粒子よりなる群から選択される少なくとも1つである、<1>~<3>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<5> 耐水性層中の有機粒子の含有量が0.5質量%以上である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<6> 有機粒子が水分散性の有機粒子である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<7> 耐水性層の塗工量が0.1g/m以上20g/m以下である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<8> 紙基材の少なくとも一方の面に、少なくとも1層の下塗り層、および耐水性層をこの順に有する、<1>~<7>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<9> 前記下塗り層が、エチレン-メタクリル酸共重合体を含有する、<8>に記載の耐水性紙。
<10> 透気度が1,000秒以上である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<11> 耐水性層を設けた面の測定時間30分間における20℃の水に対するCobb吸水度が40g/m以下である、<1>~<10>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<12> 耐水性層を設けた面の測定時間30分間における90℃の水に対するCobb吸水度が100g/m以下である、<1>~<11>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<13> ヒートシール性を有する、<1>~<12>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<14> 液体容器、またはその蓋用である、<1>~<13>のいずれか1つに記載の耐水性紙。
<15> <1>~<14>のいずれか1つに記載の耐水性紙を用いてなる、液体容器、またはその蓋。
<16> 液体容器が紙コップである、<15>に記載の液体容器、またはその蓋。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耐水性に優れるとともに、耐ブロッキング性およびヒートシール性に優れた耐水性紙を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[耐水性紙]
本実施形態の耐水性紙は、紙基材の少なくとも一方の面の最上層に耐水性層を有する耐水性紙であり、該耐水性層が、エチレン-メタクリル酸共重合体、および有機粒子を含有し、該有機粒子の融点または軟化点が100℃以上であり、耐水性層中の有機粒子の含有量が40質量%以下である。
実施形態によれば、耐水性に優れるとともに、耐ブロッキング性およびヒートシール性に優れた耐水性紙を提供することができる。
上述した効果が得られる詳細な理由は不明であるが、一部は以下のように考えられる。本実施形態では、耐水性層にエチレン-メタクリル酸共重合体が配合されており、これにより、優れた耐水性およびヒートシール性を有するものと考えられる。また、耐水性層にさらに特定の融点または軟化点を有する有機粒子を、特定量配合することにより、耐水性およびヒートシール性を劣化させることなく、耐水性層の表面が粗面化され、耐水性紙を重ね合わせた際に、耐水性層の耐水性紙の裏面への貼り付きを抑制し、耐ブロッキング性に優れた耐水性紙が得られたものと考えられる。
また、耐水性紙の製造工程において、紙基材の表面および裏面に塗工層を設ける場合、片面に塗工、乾燥して塗工層を設けて、巻き取った後、巻き出して、もう一方の面に塗工、乾燥して塗工層を設けることが一般的である。この時、後段の塗工、乾燥工程において、前段で塗工された塗工層が、金属ロールで摩擦されることにより、ロール汚れが発生するという問題があった。本実施形態において、前段で設ける塗工層の最上層を耐水性層とすることによって、両面塗工時のロール汚れの発生を抑制することができるという効果をも有する。
以下、本実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0009】
<耐水性層>
本実施形態において、耐水性紙は、紙基材の少なくとも一方の面の最上層に、エチレン-メタクリル酸共重合体および有機粒子を含有する耐水性層を有する。
なお、本実施形態の耐水性紙は、耐水性層を紙基材の両方の面に有していてもよい。
【0010】
〔エチレン-メタクリル酸共重合体〕
本実施形態において、耐水性層は、エチレン-メタクリル酸共重合体を含有する。
本発明者等は、鋭意検討した結果、耐水性層がエチレン-メタクリル酸共重合体を含有することにより、優れた耐水性が得られることを見出した。また、他の効果としてエチレン-メタクリル酸共重合体を配合することにより、ヒートシール性にも優れた耐水性紙が得られる。
ここで、エチレン-メタクリル酸共重合体は、アイオノマーとして配合されていてもよい。なお、「アイオノマーとして配合される」とは、少なくとも耐水性層を作製する際に、その原料としてアイオノマーが使用されていることを意味し、製造後において、耐水性層がアイオノマーの形で樹脂を含有していなくてもよい。
アイオノマーとは、高分子を陽イオンで中和したものである。すなわち、エチレン-メタクリル酸共重合体を陽イオンで中和した樹脂は、全てアイオノマーに該当する。陽イオンとしては、金属イオンの他、アンモニウムイオン(NH )、有機アンモニウムイオンが例示される。金属イオンとしては、リチウムイオン(Li)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)等のアルカリ土類金属イオン、亜鉛イオン(Zn2+)、銅イオン(Cu2+)等の遷移金属イオン等が例示される。これらの中でも、入手容易性等の観点から、金属イオンとしては、ナトリウムイオンが好ましい。
【0011】
エチレン-メタクリル酸としては、市販されている製品を使用してもよく、例えば、三井化学のケミパールシリーズ(S-100、S-300、S-500)、丸芳化学株式会社製のMYE-30ER、MYE-30MAZ、デュポン社製のサーリンシリーズ、三井・デュポン・ポリケミカル社製のハイミランシリーズ、東邦化学工業株式会社製のハイテックSC-100、中央理化工業株式会社製のアクアテックスAC-3100が例示される。
【0012】
エチレン-メタクリル酸の耐水性層中での含有量は、耐水性、特に熱水に対する耐水性、およびヒートシール性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、そして、耐ブロッキング性の観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、さらに好ましくは97質量%以下である。
【0013】
〔有機粒子〕
本実施形態において、耐水性層は、上記エチレン-メタクリル酸共重合体に加えて、有機粒子を含有する。
有機粒子は、融点または軟化点が100℃以上である。有機粒子の融点または軟化点が100℃以上であると、乾燥時に有機粒子が溶融または軟化することなく、優れたブロッキング性が得られる。さらに、上記のロール汚れを抑制することができる。また、融点または軟化点が100℃以上である有機粒子を含有させると、耐水性が向上する。その理由は不明であるが、エチレン-メタクリル酸共重合体と有機粒子の融点(または軟化点)差により、エチレン-メタクリル酸共重合体の成膜時に生じる亀裂が、後から溶融する有機粒子で埋まり、耐水性層のクラックおよびピンホールが低減するためと考えられる。ただし、本発明の効果は、上記メカニズムによって制限されるものではない。
融点または軟化点は、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは125℃以上であり、上限は特に限定されないが、好ましくは240℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは160℃以下である。
有機粒子の融点または軟化点は、環球法軟化点、JIS K2207:2006により測定される。
【0014】
有機粒子は、耐水性層用塗工液を水系塗工液とすることが好ましい観点から、水分散性の有機粒子であることが好ましい。すなわち、有機粒子は、水分散液として耐水性層用塗工液に配合されることが好ましい。また、ヒートシール性、耐水性を向上させる観点から、有機粒子の水分散液は、界面活性剤、分散剤等の使用が少ない、または使用されていないことが好ましい。
有機粒子は、例えば、ポリエステル粒子、アクリル粒子、ポリスチレン粒子、ナイロン粒子、シリコーン粒子、ポリオレフィン粒子等が挙げられるが、上記の観点から、ポリオレフィン粒子であることが好ましい。
ポリオレフィン粒子を構成するポリオレフィン樹脂としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセンなどのオレフィンの重合体を挙げることができる。ポリオレフィン樹脂は、上記例示したオレフィンの単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。また、ポリオレフィン樹脂は変性されていてもよい。なお、変性としては、例えば、アニオン変性、カチオン変性などが例示され、変性による水への分散性が向上したポリオレフィン粒子を使用することも好ましい。
ポリオレフィン粒子は、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、およびプロピレン-エチレン共重合体樹脂粒子よりなる群から選択される少なくとも1つであることがより好ましい。
ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンであってもよく、ポリプロピレンは高密度ポリプロピレン、低密度ポリプロピレンであってもよく、特に限定されない。
【0015】
有機粒子の形状は特に限定されないが、球状であることが好ましい。
有機粒子の平均粒径は、耐ブロッキング性の観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.02μm以上、さらに好ましくは0.03μm以上であり、そして、ヒートシール性維持の観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは15μm以下、よりさらに好ましくは10μm以下である。
なお、有機粒子の平均粒径が耐水性層の膜厚よりも大きいか、同程度であると、塗膜表面に凹凸が形成され、その結果、耐ブロッキング性に優れ、また、ロール汚れが抑制される。上記理由からは、有機粒子の平均粒径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。
また、有機粒子の平均粒径が膜厚よりも小さく、例えば、1.0μm未満であると、耐水性層を設ける際に、耐水性層用塗工液に含まれる水分の蒸発とともに有機粒子が塗膜表面に配向し、耐水性層表面を保護するため、耐ブロッキング性に優れ、また、ロール汚れが抑制される。上記理由からは、有機粒子の平均粒径は、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である。
有機粒子の平均粒径は、レーザー回折法の原理によるレーザー回折式粒度分布測定装置やコールカウンター法により測定される。
【0016】
耐水性層中の有機粒子の含有量は、耐ブロッキング性の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上であり、そして、ヒートシール性の観点から、40質量%以下であり、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、よりさらに好ましくは15質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
耐水性層中のエチレン-メタクリル酸共重合体と有機粒子の含有量の質量比(エチレン-メタクリル酸共重合体/有機粒子)は、耐ブロッキング性および耐水性に向上の観点から、好ましくは60/40以上、より好ましくは70/30以上、さらに好ましくは75/25以上であり、そして、好ましくは99.5/0.5以下、より好ましくは99/1以下、さらに好ましくは98/2以下である。
【0017】
耐水性層には、上述したエチレン-メタクリル酸共重合体および有機粒子に加えて、他の成分を添加してもよい。
他の成分としては、例えば、消泡剤;粘度調整剤;界面活性剤、アルコール等のレベリング剤;着色染料等の着色剤などが例示される。
これらの中でも、泡立ちによる層内への気泡の混入を抑制する観点から、他の成分として消泡剤を含有することが好ましい。消泡剤は市販されている製品の中から適宜選択してもよく、具体的には、株式会社日新化学研究所製の各種消泡剤が例示される。
消泡剤の添加量は特に限定されないが、エチレン-メタクリル酸共重合体(固形分量)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上3.0質量部以下である。
なお、これらの他の成分は、耐水性およびヒートシール性を悪化させる傾向があることから、他の成分の含有量の合計は、耐水性層の固形分中、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
【0018】
耐水性層は、エチレン-メタクリル酸共重合体および有機粒子を含有する耐水性層用塗工液を調製し、これを、紙基材の少なくとも一方の面に塗工することにより得られる。
耐水性層用塗工液は、自己乳化型ディスパーションであることが好ましい。すなわち、耐水性層用塗工液は、界面活性剤等の乳化剤、分散剤を含有しないことが好ましい。
【0019】
耐水性層用塗工液を塗工する方法としては、特に限定されず、一般に使用されている塗工装置から適宜選択して使用すればよい。例えば、エアナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、チャンプレックスコーター、メータリングブレード式のサイズプレスコーター、ショートドウェルコーター、スプレーコーター、ゲートロールコーター、リップコーター等の公知の各種塗工装置が挙げられる。
【0020】
〔耐水性層の好ましい態様〕
本実施形態の耐水性紙は、紙基材の少なくとも一方の面の最上層に耐水性層を有していればよく、紙基材の両面に有することも好ましい。
耐水性層を両面に有することにより、例えば、結露が生じるような用途(例えば、冷水用紙コップ等)にも好適に適用可能となる。
【0021】
耐水性紙は、少なくとも一方の面の最上層に耐水性層を有する。紙基材の最上層にエチレン-メタクリル酸共重合体および顔料を含有する耐水性層を有することにより、耐水性およびヒートシール性が付与されるともに、耐ブロッキング性を付与することができる。
耐水性層の塗工量は、耐水性、ヒートシール性および耐ブロッキング性に優れる耐水性層とする観点から、好ましくは0.1g/m以上、より好ましくは0.5g/m以上、さらに好ましくは1.0g/m以上、よりさらに好ましくは3.0g/m以上であり、そして、好ましくは20g/m以下、より好ましくは15g/m以下、さらに好ましくは10g/m以下である。
耐水性層の膜厚は、耐水性、ヒートシール性および耐ブロッキング性に優れる耐水性層とする観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1.0μm以上、よりさらに好ましくは3.0μm以上であり、そして、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
【0022】
<その他の層>
本実施形態において、耐水性紙は、耐水性をより向上させる観点から、耐水性層の下層に、下塗り層を有することが好ましい。すなわち、耐水性紙は、紙基材上に、下塗り層および耐水性層をこの順で有することが好ましい。下塗り層を設けることにより、耐水性をより向上させることができるとともに、ヒートシール性をも向上させることができるので好ましい。また、下塗り層を設けることにより、紙基材との密着性の向上も期待される。
下塗り層としては、耐水性やヒートシール性の付与を目的とする下塗り耐水性層、目止めや印刷適性の向上を目的として付与する顔料塗工層が例示される。
【0023】
〔下塗り耐水性層〕
下塗り耐水性層は、エチレン-メタクリル酸共重合体を含有することが好ましく、エチレン-メタクリル酸共重合体としては、耐水性層の成分として上述したものが例示される。すなわち、下塗り耐水性層に配合されるエチレン-メタクリル酸は、エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーであってもよく、例えば、エチレン-メタクリル酸共重合体の金属塩、エチレン-メタクリル酸共重合体のアンモニウム塩であってもよい。
下塗り耐水性層は、エチレン-メタクリル酸に加えて、上記耐水性層で例示したその他の成分が配合されていてもよい。
下塗り耐水性層は、上記耐水性層から有機粒子を除いた配合であることも好ましいが、その場合、べたつきが悪いことから、ロールが汚れ、塗工が困難になる可能性がある。上記の現象を抑制し、操業の安定性を向上させる観点からは、下塗り耐水性層には、エチレン-メタクリル酸共重合体に加えて、有機粒子を配合することも好ましい。下塗り耐水性層に配合される有機粒子としては、耐水性層の成分として上述したものが例示される。有機粒子の平均粒径、融点または軟化点の好ましい範囲も上述の通りである。下塗り耐水性層にエチレン-メタクリル酸共重合体および有機粒子が配合されている場合において、下塗り耐水性層中のエチレン-メタクリル酸共重合体および有機粒子の配合量の質量比(エチレン-メタクリル酸共重合体/有機粒子)は、耐水性および耐ブロッキング性の観点からは、耐ブロッキング性および耐水性向上の観点から、好ましくは60/40以上、より好ましくは70/30以上、さらに好ましくは75/25以上であり、そして、好ましくは99.5/0.5以下、より好ましくは99/1以下、さらに好ましくは98/2以下である。
【0024】
下塗り耐水性層の塗工量は、耐水性向上および耐水性層の塗工量減少の観点から、好ましくは1.0g/m以上、より好ましくは2.0g/m以上、さらに好ましくは2.5g/m以上であり、そして、好ましくは20g/m以下、より好ましくは15g/m以下、さらに好ましくは10g/m以下、よりさらに好ましくは8.0g/m以下である。
【0025】
〔顔料塗工層〕
本実施形態の耐水性紙は、紙基材と耐水性層との間、または紙基材と下塗り耐水性層との間に、顔料塗工層を有していてもよい。紙基材を目止めし、平滑化させることができる。これにより、均一な下塗り耐水性層および耐水性層を形成でき、耐水性およびヒートシール性が向上する。
【0026】
前記顔料塗工層は、主に顔料およびバインダーから構成される。なお、「顔料塗工層が主に顔料およびバインダーから構成される」とは、顔料塗工層中の顔料およびバインダーの合計含有量が、例えば50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であることを意味する。上限は、特に限定されないが、100質量%以下である。なお、顔料塗工層は、顔料およびバインダー以外に、任意の成分をさらに含んでいてもよい。
顔料塗工層に含まれる顔料としては、特に限定されないが、カオリン、タルク、マイカなどが挙げられる。
顔料の平均粒径は特に限定されないが、好ましくは0.03μm以上、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上であり、そして、好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは4μm以下である。顔料の平均粒径は、沈降法によって測定される値を採用するものとする。顔料が層状無機化合物であるとき、平均粒径は、平均長径を意味する。
顔料のアスペクト比は、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、さらに好ましくは30以上である。上限は、特に限定されないが、好ましくは10,000以下である。アスペクト比は、電子顕微鏡による観察やX線回折測定によって測定することができる。
顔料塗工層中の顔料の含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
【0027】
顔料塗工層に含まれるバインダーとしては、特に限定されないが、スチレン-ブタジエン系樹脂;アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル共重合体、スチレン-メタクリル共重合体等のアクリル系樹脂;エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体等のオレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体;などが挙げられ、スチレン-ブタジエン系樹脂がより好ましい。
顔料塗工層中のバインダーの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下である。
顔料塗工層の塗工量は、特に限定されないが、固形分で、好ましくは1g/m以上、より好ましくは2g/m以上であり、そして、好ましくは10g/m以下、より好ましくは5g/m以下である。
顔料塗工層の形成方法は、特に限定されないが、顔料およびバインダーを含む分散液を紙基材上に塗工し、乾燥することで形成する方法が好ましい。
顔料および樹脂バインダーを含む分散液としては、水性分散液が好ましい。
顔料塗工層は、顔料およびバインダーに加えて、耐水性層において他の成分として例示した成分を含有していてもよく、消泡剤を含有することが好ましい。
【0028】
本実施形態の耐水性紙は、紙基材の両面に耐水性層を有していてもよく、例えば、第1の耐水性層、下塗り耐水性層、顔料塗工層、紙基材および第2の耐水性層がこの順に積層してなる構成を有していてもよい。
また、樹脂粒子を含有せず、耐水性およびヒートシール性を有する層を耐水性層を有する側とは反対面に有していてもよい。
【0029】
<紙基材>
本実施形態の耐水性紙は、紙基材上の少なくとも一方の面の最上層に耐水性層を有する。
耐水性紙を食品容器用に使用する場合には、表層、裏層、および少なくとも1層以上の中層を有する多層紙とすることが好ましい。
紙基材を構成するパルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等の化学パルプ;砕木パルプ(GP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミメカニカルパルプ(CMP)、ケミグランドパルプ(CGP)等の機械パルプ;古紙パルプ;ケナフ、バガス、竹、コットン等の非木材繊維パルプ;合成パルプ等が挙げられる。これらのパルプは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0030】
パルプの叩解度は、特に限定するものではないが、カナダ標準濾水度(CSF)として、200mL以上650mL以下が好ましく、350mL以上600mL以下がより好ましい。パルプのCSFが前記範囲内であれば、耐水性紙を液体容器原紙として使用する場合に、必要な紙力が得られやすい。200mL以上であれば、繊維間結合が高くなりすぎず、成形加工での折り曲げ工程で、圧縮、引張などの応力が折り部の最表層に集中し、樹脂層が破壊される現象の発生を抑えることができ、良好な加工適性を維持することができる。また、650mL以下であれば、紙表面の平滑性が良好となり、印刷適性を維持することができる。
CSFは、JIS P 8121-2:2012「パルプ-ろ水度試験方法-第2部:カナダ標準ろ水度法」に従って測定される。
【0031】
紙基材への添加剤としては、例えばpH調整剤(炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム等)、乾燥紙力剤(ポリアクリルアミド、澱粉等)、湿潤紙力剤(ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂のいずれか)、内添サイズ剤(ロジン系、アルキルケテンダイマー等)、濾水歩留り向上剤、消泡剤、填料(炭酸カルシウム、タルク等)、染料等が挙げられる。これらの添加剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
添加剤の含有量は、特に限定されず、通常用いられている範囲であってよい。
【0032】
紙基材の坪量は、特に限定されないが、例えば紙コップ用途であれば、200g/m以上350g/m以下が好ましい。
紙基材の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。
紙基材の紙厚は、特に限定されないが、例えば紙コップ用途であれば、250μm以上450μm以下が好ましい。
紙基材の紙厚は、JIS P 8118:2014に準拠して測定される。
【0033】
〔紙基材の製造方法〕
紙基材を製造する方法としては、パルプを含有する紙料を抄紙する方法が挙げられる。なお、紙料は、添加剤をさらに含有してもよい。添加剤としては、例えば前記で挙げた添加剤が挙げられる。
紙料は、パルプスラリーに添加剤を添加することにより調製できる。
パルプスラリーは、パルプを水の存在下で叩解することにより得られる。パルプの叩解方法、叩解装置は特に限定されず、公知の叩解方法、叩解装置と同様であってよい。
紙料におけるパルプの含有量は、特に限定されず、通常用いられている範囲であってよい。例えば、紙料(固形分)の総質量に対して、60質量%以上100質量%未満である。
【0034】
紙料の抄紙は定法により実施できる。例えば、紙料をワイヤ等に流延させ、脱水して湿紙を得て、必要に応じて複数の湿紙を重ね、この単層または多層の湿紙をプレスし、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、複数の湿紙を重ねない場合は単層抄きの紙が得られ、複数の湿紙を重ねる場合は多層抄きの紙が得られる。
複数の湿紙を重ねる際に、湿紙の表面(他の湿紙を重ねる面)に接着剤を塗布してもよい。
【0035】
<耐水性紙の物性>
本実施形態の耐水性紙は、透気度が1,000秒以上であることが好ましく、より好ましくは10,000秒以上、さらに好ましくは25,000秒以上、よりさらに好ましくは99,999秒以上である。透気度の上限は、特に限定されないが、例えば1,000,000秒以下である。
透気度を上記範囲内とすることにより、空気を遮断する意味での遮断性が高くなり、耐水性にさらに優れる耐水性紙が得られる。特に、耐水性層を2層以上有する場合や、耐水性層の下層として顔料層を設けた場合には、透気度を高くすることができる。
透気度は、JIS P 8117:2009に準拠して測定される。
【0036】
本実施形態の耐水性紙は、冷水への耐水性の観点から、耐水性層を設けた面の測定時間30分における20℃の水に対するCobb吸水度が、好ましくは40g/m以下、より好ましくは20g/m以下、さらに好ましくは15g/m以下、よりさらに好ましくは10g/m以下である。下限は特に限定されない。
Cobb吸水度は、JIS P 8140:1998に準拠して測定される。
【0037】
本実施形態の耐水性紙は、熱水への耐水性の観点から、耐水性層を設けた面の測定時間30分における90℃の水に対するCobb吸水度が、好ましくは100g/m以下、より好ましくは60g/m以下、さらに好ましくは30g/m以下、よりさらに好ましくは20g/m以下である。下限は特に限定されない。
Cobb吸水度は、JIS P 8140:1998に準拠して測定される。
【0038】
本実施形態の耐水性紙は、耐ブロッキング性に優れることが好ましく、65℃において30分間加熱後、圧力0.5kg/cmで30分間加圧し、冷却後に耐水性紙を剥離した際に、僅かに抵抗があるか、または抵抗なく剥がれることが好ましく、抵抗なく剥がれることがより好ましい。
【0039】
本実施形態の耐水性紙は、耐水性層がヒートシール性を有することが好ましい。
ヒートシールの条件は特に限定されないが、ヒートシール時の温度は例えば、60℃以上300℃以下であり、ヒートシール時の圧力は例えば0.05MPa以上10MPa以下であり、加圧時間は、例えば0.1秒以上15秒以下である。
【0040】
本実施形態の耐水性紙は、紙コップ等の液体容器またはその蓋、その他の耐水性が求められる紙器(例えば、紙トレー)に用いることが好ましい。液体容器に使用する場合には、耐水性層がヒートシール性を有することが成形性の観点から好ましい。
液体容器の成形の一例を挙げると、必要に応じて耐水性紙の表面、または裏面に印刷を施し、製造する液体容器の形状に対応した形状に打抜き加工し、折り曲げ加工し、重なり部分をヒートシールにより貼り合わせて液体容器とされる。
本実施形態の耐水性紙は、耐水性、ヒートシール性に優れるため、成形加工性にも優れる。
【実施例0041】
以下に実施例と比較例を挙げて本実施形態の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、%は、特に断りのない限り、質量%を意味する。
【0042】
実施例および比較例で使用した原材料は、以下の通りである。
[樹脂成分]
・エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマー:エチレン-メタクリル酸共重合物の金属塩の水系分散液、商品名「ケミパールS-300」、三井化学株式会社製、固形分濃度35.0質量%
・エチレン-アクリル酸共重合体アイオノマー:エチレン-アクリル酸共重合体アンモニウム塩の水系分散液、商品名「ザイクセンAC」、住友精化株式会社製、固形分濃度29.3質量%、アクリル酸の共重合比率21.1質量%
【0043】
[粒子成分(有機粒子、無機粒子(顔料))]
・カオリン/SBR=4/6、商品名「VB2160」、カオリンの粒径=0.1~4μm、マイケルマンジャパン合同会社製
・高密度PE(HDPE)、商品名「ME61335P(MICHEM EMULSION 61335P)」、マイケルマンジャパン合同会社製、粒径30~60nm
・低分子量PE+変性PO(変性ポリオレフィン、低分子量PO)、商品名「ケミパールW310」、三井化学株式会社製、粒径9.5μm
・エンジニアードカオリン、商品名「バリサーフHX」、株式会社イメリスミネラルズ・ジャパン製、平均粒径2.0μm、アスペクト比100
[その他]
・消泡剤:商品名「ビスマーKS38-E」、株式会社日新化学研究所製
【0044】
[実施例1]
(a)顔料層塗工液Aの作製
カオリン/SBR=4/6のVB2160に、消泡剤を配合して、固形分中のVB2160の含有量が98.9質量%、消泡剤の含有量が1.1質量%であり、固形分濃度40.0質量%の顔料層塗工液A(塗工液A)を調製した。
(b)塗工液Bの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、HDPEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が75.8質量%、HDPEの含有量が22.7質量%であり、消泡剤の含有量が1.5質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Bを調製した。
【0045】
<耐水性紙の作製>
坪量が224g/m、紙厚が268μmの紙基材の片面(表面)に、上記塗工液Aを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、顔料塗工層(以下、表顔料層と称する)を形成したのち、同じ面に、塗工液Bを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、表1層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Bを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、表2層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成した。同じ面に、上記塗工液Bを、塗工量(固形分)が5.0g/mとなるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層(以下、表3層目と称する、膜厚約5.0μm)を形成し、1層の顔料塗工層と、2層の下塗り耐水性層と、1層の耐水性層をこの順で紙基材上に形成させた。
【0046】
[実施例2]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
(c)塗工液Cの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、HDPEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が94.3質量%、HDPEの含有量が3.8質量%であり、消泡剤の含有量が1.9質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Cを調製した。
【0047】
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(c)の塗工液Cに変更した以外は実施例1と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0048】
[実施例3]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液A、(b)塗工液Bを作製した。
(d)塗工液Dの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が98.0質量%、消泡剤の含有量が2.0質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Dを調製した。
【0049】
<耐水性紙の作製>
坪量が224g/m、紙厚が268μmの紙基材の片面(表面)に、上記塗工液Aを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、顔料塗工層(以下、表顔料層と称する)を形成したのち、同じ面に、塗工液Dを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、表1層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Dを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、表2層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成した。同じ面に、上記塗工液Bを、塗工量(固形分)が5.0g/mとなるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層(以下、表3層目と称する、膜厚約5.0μm)を形成し、1層の顔料塗工層と、2層の下塗り耐水性層と、1層の耐水性層とをこの順で基材上に形成させた。
【0050】
[実施例4]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例2と同様に(c)塗工液Cを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(c)の塗工液Cに変更した以外は実施例3と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0051】
[実施例5]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
(e)塗工液Eの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、低分子量PEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が94.3質量%、低分子量PEの含有量が3.8質量%であり、消泡剤の含有量が1.9質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Eを調製した。
【0052】
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(e)の塗工液Eに変更した以外は実施例1と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0053】
[実施例6]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
(f)塗工液Fの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、低分子量PEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が96.2質量%、低分子量PEの含有量が1.9質量%であり、消泡剤の含有量が1.9質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Fを調製した。
【0054】
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(f)の塗工液Fに変更した以外は実施例1と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0055】
[実施例7]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
実施例5と同様に(e)塗工液Eを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(e)の塗工液Eに変更した以外は実施例3と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0056】
[実施例8]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
実施例6と同様に(f)塗工液Fを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(f)の塗工液Fに変更した以外は実施例3と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0057】
[実施例9]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
(k)塗工液Kの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が98.9質量%、消泡剤の含有量が1.1質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Kを調製した。
(l)塗工液Lの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、低分子量PEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が95.2質量%、低分子量PEの含有量が3.8質量%であり、消泡剤の含有量が1.0質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Lを調製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Dを上記(k)の塗工液Kに、塗工液Eを上記(l)の塗工液Lに、変更した以外は実施例7と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0058】
[実施例10]
坪量が246g/m、紙厚が274μmの紙基材に変更した以外は、実施例9と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0059】
[実施例11]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
(m)塗工液Mの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、低分子量PEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が91.7質量%、低分子量PEの含有量が7.3質量%であり、消泡剤の含有量が1.0質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Mを調製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Lを上記(m)の塗工液Mに変更した以外は実施例9と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0060】
[実施例12]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
(n)塗工液Nの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、低分子量PEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が82.6質量%、低分子量PEの含有量が16.5質量%であり、消泡剤の含有量が0.9質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Nを調製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Lを上記(n)の塗工液Nに変更した以外は実施例9と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0061】
[実施例13]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
実施例1と同様に(b)塗工液Bを作製した。
<耐水性紙の作製>
裏面に、塗工液Bを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、裏1層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Bを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、裏2層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成した。同じ面に、上記塗工液Bを、塗工量(固形分)が5.0g/mとなるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層(以下、裏3層目と称する、膜厚約5.0μm)を形成した。
また、その反対面(表面)に、塗工液Bを上記(d)の塗工液Dに変更した以外は実施例1と同様にして、表面に耐水性を有する層を形成した。片面(裏面)に2層の下塗り耐水性層および1層の耐水性層、および反対面(表面)に1層の顔料塗工層と3層の耐水性を有する層を形成させた。
【0062】
[実施例14]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
実施例2と同様に(c)塗工液Cを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(c)の塗工液Cに変更した以外は実施例13と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0063】
[実施例15]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
実施例2と同様に(b)塗工液Bを作製した。
<耐水性紙の作製>
裏面に、塗工液Dを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、裏1層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Dを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、裏2層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成した。同じ面に、上記塗工液Bを、塗工量(固形分)が5.0g/mとなるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層(以下、裏3層目と称する、膜厚約5.0μm)を形成した。
また、その反対面(表面)に、塗工液Bを上記(d)の塗工液Dに変更した以外は実施例1と同様にして、表面に耐水性を有する層を形成した。片面(裏面)に2層の下塗り耐水性層および1層の耐水性層、反対面(表面)に1層の顔料塗工層と3層の耐水性を有する層を形成させた。
【0064】
[実施例16]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
実施例2と同様に(c)塗工液Cを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(c)の塗工液Cに変更した以外は実施例15と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0065】
[実施例17]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
実施例5と同様に(e)塗工液Eを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(e)の塗工液Eに変更した以外は実施例13と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0066】
[実施例18]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
実施例6と同様に(f)塗工液Fを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(f)の塗工液Fに変更した以外は実施例13と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0067】
[実施例19]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
実施例5と同様に(e)塗工液Eを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(e)の塗工液Eに変更した以外は実施例15と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0068】
[実施例20]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
実施例6と同様に(f)塗工液Fを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(f)の塗工液Fに変更した以外は実施例15と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0069】
[実施例21]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例9と同様に(l)塗工液Lを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Dを上記(k)の塗工液Kに、塗工液Bを上記(l)の塗工液Lに、変更した以外は実施例15と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0070】
[実施例22]
坪量が246g/m、紙厚が274μmの紙基材に変更した以外は、実施例21と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0071】
[実施例23]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例11と同様に(m)塗工液Mを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Lを上記(m)の塗工液Mに変更した以外は実施例21と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0072】
[実施例24]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例12と同様に(n)塗工液Nを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Lを上記(n)の塗工液Nに変更した以外は実施例21と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0073】
[実施例25]
(o)塗工液Oの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、HDPEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が76.3質量%、HDPEの含有量が22.9質量%であり、消泡剤の含有量が0.8質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Oを調製した。
<耐水性紙の作製>
坪量が224g/m、紙厚が268μmの紙基材の片面(表面)に、上記塗工液Oを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、表1層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Oを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、表2層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成した。同じ面に、上記塗工液Oを、塗工量(固形分)が5.0g/mとなるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層(以下、表3層目と称する、膜厚約5.0μm)を形成し、2層の下塗り耐水性層と、1層の耐水性層をこの順で紙基材上に形成させた。
【0074】
[実施例26]
(p)塗工液Pの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、HDPEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が95.2質量%、HDPEの含有量が3.8質量%であり、消泡剤の含有量が1.0質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Pを調製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(p)の塗工液Pに変更した以外は実施例25と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0075】
[実施例27]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例25と同様に(o)塗工液Oを作製した。
<耐水性紙の作製>
坪量が224g/m、紙厚が268μmの紙基材の片面(表面)に、塗工液Kを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、表1層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Kを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、表2層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成した。同じ面に、上記塗工液Oを、塗工量(固形分)が5.0g/mとなるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層(以下、表3層目と称する、膜厚約5.0μm)を形成し、2層の下塗り耐水性層と、1層の耐水性層とをこの順で基材上に形成させた。
【0076】
[実施例28]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例26と同様に(p)塗工液Pを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(p)の塗工液Pに変更した以外は実施例27と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0077】
[実施例29]
実施例9と同様に(l)塗工液Lを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(l)の塗工液Lに変更した以外は実施例25と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0078】
[実施例30]
(q)塗工液Qの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、低分子量PEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が97.0質量%、低分子量PEの含有量が1.9質量%であり、消泡剤の含有量が1.1質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Pを調製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(q)の塗工液Qに変更した以外は実施例25と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0079】
[実施例31]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例9と同様に(l)塗工液Lを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(l)の塗工液Lに変更した以外は実施例27と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0080】
[実施例32]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例30と同様に(q)塗工液Qを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(q)の塗工液Qに変更した以外は実施例27と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0081】
[実施例33]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例11と同様に(m)塗工液Mを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(m)の塗工液Mに変更した以外は実施例27と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0082】
[実施例34]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例12と同様に(n)塗工液Nを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(n)の塗工液Nに変更した以外は実施例27と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0083】
[実施例35]
坪量が246g/m、紙厚が274μmの紙基材に変更した以外は、実施例31と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0084】
[実施例36]
実施例25と同様に(o)塗工液Oを作製した。
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
<耐水性紙の作製>
裏面に、塗工液Oを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、裏1層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Oを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、裏2層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成した。同じ面に、上記塗工液Oを、塗工量(固形分)が5.0g/mとなるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層(以下、裏3層目と称する、膜厚約5.0μm)を形成した。
また、その反対面(表面)に、塗工液Oを上記(k)の塗工液Kに変更した以外は実施例25と同様にして、表面に耐水性を有する層を形成した。片面(裏面)に2層の下塗り耐水性層および1層の耐水性層、および反対面(表面)に3層の耐水性を有する層を形成させた。
【0085】
[実施例37]
実施例26と同様に(p)塗工液Pを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(p)の塗工液Pに変更した以外は実施例36と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0086】
[実施例38]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例25と同様に(o)塗工液Oを作製した。
<耐水性紙の作製>
裏面に、塗工液Kを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、裏1層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成したのち、同じ面に、再度塗工液Kを、塗工量(固形分)が2.5g/mとなるように、グラビアコーターを用いて塗工して、乾燥させ、下塗り耐水性層(以下、裏2層目と称する、膜厚約2.5μm)を形成した。同じ面に、上記塗工液Oを、塗工量(固形分)が5.0g/mとなるように、エアナイフコーターを用いて塗工して、乾燥させ、耐水性層(以下、裏3層目と称する、膜厚約5.0μm)を形成した。
また、その反対面(表面)に、塗工液Oを上記(k)の塗工液Kに変更した以外は実施例25と同様にして、表面に耐水性を有する層を形成した。片面(裏面)に2層の下塗り耐水性層および1層の耐水性層、反対面(表面)に3層の耐水性を有する層を形成させた。
【0087】
[実施例39]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例26と同様に(p)塗工液Pを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(p)の塗工液Pに変更した以外は実施例38と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0088】
[実施例40]
実施例9と同様に(l)塗工液Lを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(l)の塗工液Lに変更した以外は実施例36と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0089】
[実施例41]
実施例30と同様に(q)塗工液Qを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(q)の塗工液Qに変更した以外は実施例36と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0090】
[実施例42]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例9と同様に(l)塗工液Lを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(l)の塗工液Lに変更した以外は実施例38と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0091】
[実施例43]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例30と同様に(q)塗工液Qを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(q)の塗工液Qに変更した以外は実施例38と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0092】
[実施例44]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例11と同様に(m)塗工液Mを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(m)の塗工液Mに変更した以外は実施例38と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0093】
[実施例45]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
実施例12と同様に(n)塗工液Nを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(n)の塗工液Nに変更した以外は実施例38と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0094】
[実施例46]
坪量が246g/m、紙厚が274μmの紙基材に変更した以外は、実施例42と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0095】
[比較例1]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(d)の塗工液Dに変更した以外は実施例1と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0096】
[比較例2]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
(g)塗工液Gの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、HDPEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が54.9質量%、HDPEの含有量が44.0質量%であり、消泡剤の含有量が1.1質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Gを調製した。
【0097】
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(g)の塗工液Gに変更した以外は実施例1と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0098】
[比較例3]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
比較例2と同様に(g)塗工液Gを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(g)の塗工液Gに変更した以外は実施例3と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0099】
[比較例4]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
(h)塗工液Hの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、カオリンと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が78.7質量%、カオリンの含有量が19.7質量%であり、消泡剤の含有量が1.6質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Hを調製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(h)の塗工液Hに変更した以外は実施例3と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0100】
[比較例5]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
(r)塗工液Rの作製
エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーに、低分子量PEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が58.4質量%、低分子量PEの含有量が41.0質量%であり、消泡剤の含有量が0.6質量%であり、固形分濃度30質量%の塗工液Rを調製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Lを上記(r)の塗工液Rに変更した以外は実施例9と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0101】
[比較例6]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
(i)塗工液Iの作製
エチレン-アクリル酸共重合体アイオノマーに、HDPEと消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-アクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が94.3質量%、HDPEの含有量が3.8質量%であり、消泡剤の含有量が1.9質量%であり、固形分濃度20質量%の塗工液Iを調製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(i)の塗工液Iに変更した以外は実施例1と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0102】
[比較例7]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
比較例6と同様に(i)塗工液Iを作製した。
(j)塗工液Jの作製
エチレン-アクリル酸共重合体アイオノマーに、消泡剤を配合して、固形分中のエチレン-アクリル酸共重合体アイオノマーの含有量が98.0質量%、消泡剤の含有量が2.0質量%であり、固形分濃度20質量%の塗工液Jを調製した。
【0103】
<耐水性紙の作製>
塗工液Dを上記(j)の塗工液Jに、塗工液Bを上記(i)の塗工液Iに変更した以外は実施例3と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0104】
[比較例8]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(d)の塗工液Dに変更した以外は実施例13と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0105】
[比較例9]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
実施例3と同様に(g)塗工液Gを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(g)の塗工液Gに変更した以外は実施例13と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0106】
[比較例10]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
実施例3と同様に(g)塗工液Gを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(g)の塗工液Gに変更した以外は実施例15と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0107】
[比較例11]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
比較例4と同様に(h)塗工液Hを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Bを上記(h)の塗工液Hに変更した以外は実施例15と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0108】
[比較例12]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
比較例5と同様に(r)塗工液Rを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Lを上記(r)の塗工液Rに変更した以外は実施例21と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0109】
[比較例13]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
比較例7と同様に(j)塗工液Jを作製した。
比較例6と同様に(i)塗工液Iを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Dを上記(j)の塗工液Jに、塗工液Bを上記(i)の塗工液Iに変更した以外は実施例13と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0110】
[比較例14]
実施例1と同様に(a)顔料層塗工液Aを作製した。
比較例7と同様に(j)塗工液Jを作製した。
比較例6と同様に(i)塗工液Iを作製した。
<耐水性紙の作製>
表面の塗工液Dを上記(j)の塗工液Jに、裏面の塗工液Bを上記(i)の塗工液Iに変更した以外は実施例15と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0111】
[比較例15]
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(d)の塗工液Dに変更した以外は実施例25と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0112】
[比較例16]
比較例2と同様に(g)塗工液Gを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(g)の塗工液Gに変更した以外は実施例25と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0113】
[比較例17]
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
比較例2と同様に(g)塗工液Gを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Kを上記(d)の塗工液Dに、塗工液Oを上記(g)の塗工液Gに、変更した以外は実施例27と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0114】
[比較例18]
実施例3と同様に(d)塗工液Dを作製した。
比較例4と同様に(h)塗工液Hを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Kを上記(d)の塗工液Dに、塗工液Oを上記(h)の塗工液Hに、変更した以外は実施例27と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0115】
[比較例19]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
比較例5と同様に(r)塗工液Rを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(r)の塗工液Rに変更した以外は実施例27と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0116】
[比較例20]
比較例13と同様に(i)塗工液Iを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(i)の塗工液Iに変更した以外は実施例25と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0117】
[比較例21]
比較例6と同様に(i)塗工液Iを作製した。
比較例7と同様に(j)塗工液Jを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Kを上記(j)の塗工液Jに、塗工液Oを上記(i)の塗工液Iに、変更した以外は実施例27と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0118】
[比較例22]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(k)の塗工液Kに変更した以外は実施例36と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0119】
[比較例23]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
比較例2と同様に(g)塗工液Gを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(g)の塗工液Gに変更した以外は実施例36と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0120】
[比較例24]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
比較例2と同様に(g)塗工液Gを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(g)の塗工液Gに変更した以外は実施例38と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0121】
[比較例25]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
比較例4と同様に(h)塗工液Hを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(h)の塗工液Hに、変更した以外は実施例38と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0122】
[比較例26]
実施例9と同様に(k)塗工液Kを作製した。
比較例13と同様に(r)塗工液Rを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Oを上記(r)の塗工液Rに変更した以外は実施例38と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0123】
[比較例27]
比較例6と同様に(i)塗工液Iを作製した。
比較例7と同様に(j)塗工液Jを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Kを上記(j)の塗工液Jに、塗工液Oを上記(i)の塗工液Iに、変更した以外は実施例36と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0124】
[比較例28]
比較例6と同様に(i)塗工液Iを作製した。
比較例7と同様に(j)塗工液Jを作製した。
<耐水性紙の作製>
塗工液Kを上記(j)の塗工液Jに、塗工液Oを上記(i)の塗工液Iに、変更した以外は実施例38と同様にして、耐水性紙を作製した。
【0125】
[評価方法]
<透気度>
透気度は、JIS P 8117:2009に準拠して測定した。
【0126】
<粘着力>
裏面にタッキング試験機TAC-1000(株式会社レスカ製)のプローブを接触させ測定した。押付け速度0.5mm/s、押付け荷重200gf、押付け時間1s、引き上げ速度1mm/sとし、ステージ温度を90℃、プローブ温度を25℃とした。
なお、粘着力が高いと、製造時などにロールへの貼り付きが生じやすく、また、ロール汚れ発生の原因となりやすい。
A:測定の平均値が20gf以下 表面べたつきがない
B:測定の平均値が20gfを超え40gf以下 表面べたつきが少ない
C:測定の平均値が40gfを超え60gf以下 表面が少しべたつく
D:測定の平均値が60gfを超える 表面がべたつく
【0127】
<Cobb吸水度>
Cobb吸水度は、得られた耐水性紙を20℃の水、または90℃の温水に30分間接触させ、接触前後の質量差から、JIS P 8140:1998に準拠して測定した。
【0128】
<ヒートシール性>
サンプルを2.5cm×15cmにカットし、塗工面(表面)と塗工面(裏面)、または塗工面(表面)と紙基材面(裏面)が密着するように重ね合わせたのち、ヒートシールテスター(テスター産業株式会社製)を用いて、温度150℃または250℃、圧力0.2MPaで2秒間ヒートシールした後、室温まで冷却した。その後、重ねたサンプルを手で剥がした時の様子を下記評価基準に基づいて評価した。
A:完全に接着しており、手で簡単に剥がすことが困難である
B:接着しているが、接着強度が弱く、手で簡単に剥がすことができる
C:少なくとも一部に接着していない箇所がある
【0129】
<耐ブロッキング性>
サンプルを5cm角にカットし、表面と裏面(片面塗工の場合は紙基材)が密着するように重ね合わせ、ブロッキングテスターに挟んで65℃にて30分加熱後、圧力0.5kg/cmで30分加圧した。室温まで冷却後に下記の通り評価した。
A:抵抗なく剥がれる
B:僅かに抵抗がある
C:抵抗が大きく、塗工面が僅かに剥がれる
D:かなりの抵抗があり塗工面が剥がれる(紙剥けがある)
【0130】
【表1-1】
【0131】
【表1-2】
【0132】
【表1-3】
【0133】
【表1-4】
【0134】
【表1-5】
【0135】
【表1-6】
【0136】
【表1-7】
【0137】
【表1-8】
【0138】
エチレン-メタクリル酸共重合体および有機粒子を含有し、有機粒子の含有量40質量%以下である耐水性層を有する実施例1~46では、透気度が高く、耐水性に優れ、さらに、耐ブロッキング性にも優れ、ヒートシール性を有する耐水性紙が得られた。
一方、耐水性層が有機粒子を含有しない、比較例1、8、15、および22では、耐ブロッキング性および粘着力が悪化していた。また、有機粒子の含有量が40質量%を超える比較例2、3、5、9、10、12、16、17、19、23、24、および26では、十分なヒートシール性が得られなかった。さらに、有機粒子の代わりに、無機粒子であるカオリンを使用した比較例4、11、18、および25では、耐水性に劣り、特に90℃の熱水に対して、十分な耐水性が得られなかった。また、実施例に比べて、表面に粘着性があった。
樹脂成分としてエチレン-メタクリル酸共重合体の代わりにエチレン-アクリル酸共重合体を使用した比較例6、7、13、14、20、21、27、および28では、十分な耐ブロッキング性が得られなかった。