IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マジック リープ, インコーポレイテッドの特許一覧

特開2022-186849吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス
<>
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図1
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図2
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図3
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図4
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図5
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図6
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図7
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図8
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図9A
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図9B
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図9C
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図10A
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図10B
  • 特開-吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186849
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20221208BHJP
   G02B 26/10 20060101ALN20221208BHJP
   G02B 5/22 20060101ALN20221208BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B26/10 C
G02B26/10 109Z
G02B5/22
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022169013
(22)【出願日】2022-10-21
(62)【分割の表示】P 2019543944の分割
【原出願日】2018-03-06
(31)【優先権主張番号】62/471,285
(32)【優先日】2017-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マウロ メッリ
(57)【要約】
【課題】好適な吸光膜を有する導波管およびそれを形成するためのプロセスを提供すること。
【解決手段】いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスは、蒸着された吸光膜を導波管の縁上に有する、1つ以上の導波管を含み、残影画像を軽減させる。いくつかの実施形態では、膜は、蒸発堆積プロセス等の蒸着によって、導波管の縁の直ぐ上に形成される。いくつかの実施形態では、吸光膜は、炭素、例えば、フラーレン等の炭素の1つ以上の同素体の形態における炭素、またはブラックシリコンを含んでもよい。
【選択図】図10B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本願は、2017年3月14日に出願された米国仮出願第62/471,285号の35 U.S.C. § 119(e)のもとでの優先権の利益を主張するものである。この優先権ドキュメントの全体の開示は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(参照による援用)
本願は、以下の特許出願の各々の全体を参照により援用するものである:米国出願第14/555,585号(出願日2014年11月27日);米国出願第14/690,401号(出願日2015年4月18日);米国出願第14/212,961号(出願日2014年3月14日);および米国出願第14/331,218号(出願日2014年7月14日)。
【0003】
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、光学要素のための吸光体に関する。
【背景技術】
【0004】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実または「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実または「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオは、実世界内のオブジェクトによってブロックされて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される、AR画像コンテンツを含んでもよい。
【0005】
図1を参照すると、拡張現実場面1が、描写されている。AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、およびコンクリートプラットフォーム1120を特徴とする、実世界公園状設定1100が見える。ユーザはまた、実世界プラットフォーム1120上に立っているロボット像1110、およびマルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ1130等の「仮想コンテンツ」を「見ている」と知覚する。これらの要素1130、1110は、実世界には存在しないという点で、「仮想」である。ヒトの視知覚系は、複雑であるため、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術の生産は、困難である。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARまたはVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの側面によると、光学デバイスが、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、光学デバイスは、第1の表面を備える、光学導波管と、少なくとも第1の表面の直ぐ上の吸光体であって、炭素の同素体およびブラックシリコンのうちの少なくとも1つを含む膜を備える、吸光体とを備えてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、炭素の同素体は、カーボンナノチューブ、非晶質炭素、およびフラーレンのうちの1つ以上のものを含む。いくつかの実施形態では、炭素の同素体は、フラーレンを含む。いくつかの実施形態では、フラーレンは、C60である。いくつかの実施形態では、光学導波管は、導波管スタックの一部である。いくつかの実施形態では、光学導波管はさらに、内部結合光学要素および外部結合光学要素を導波管の1つ以上の主要表面上に備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、光学デバイスは、頭部搭載型拡張現実ディスプレイシステムであり、該システムは、画像コンテンツを有する光を出力するように構成される、空間光変調器と、画像コンテンツを有する光を導波管の中に内部結合光学要素を通して投入するように構成される、画像投入デバイスとをさらに備え、外部結合光学要素は、導波管内を伝搬する光を吐出するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、膜は、約100nmを上回る厚さを有する。いくつかの実施形態では、光学導波管は、上部主要表面と、底部主要表面と、少なくとも1つの縁表面とを備え、光学導波管の第1の表面は、少なくとも1つの縁表面である。いくつかの実施形態では、光学導波管は、吸光体を第1の表面に面した導波管の第2の表面上に備える。いくつかの実施形態では、第1および第2の表面は、導波管の縁である。
【0011】
いくつかの側面によると、ディスプレイデバイスが、提供される。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスは、第1および第2の主要表面と、その間に延在する縁表面とを備える、光学導波管と、空間光変調器、空間光変調器からの光を導波管の中に投入するように構成される、画像投入デバイスと、少なくとも1つの縁表面上の吸光体とを備えてもよく、吸光体は、炭素の同素体およびシリコンのうちの少なくとも1つを含む膜を備え、吸光体は、波長350~850nmを有する入射光の少なくとも70%を吸収する。
【0012】
いくつかの実施形態では、膜は、カーボンナノチューブ、非晶質炭素、フラーレン、またはブラックシリコンのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、吸光体は、波長350~850nmを有する入射光の少なくとも90%を吸収する。
【0013】
いくつかの側面によると、吸光体を光学導波管上に形成するためのプロセスが、提供される。いくつかの実施形態では、プロセスは、光学導波管を反応チャンバ内に提供することであって、導波管は、第1の表面を備える、ことと、吸光膜を第1の表面上に形成することであって、吸光膜を形成することは、第1の表面と空中浮遊前駆体種とを反応チャンバ内で接触させ、前駆体種の薄膜を第1の表面の直ぐ上に堆積させることを含み、薄膜は、炭素の同素体およびシリコンのうちの少なくとも1つを含み、堆積された薄膜は、波長350~850nmを有する入射光の少なくとも70%を吸収する、こととを含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、堆積された薄膜は、フラーレンを含む。いくつかの実施形態では、炭素薄膜は、少なくとも約100nmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、堆積された薄膜は、ブラックシリコンを含む。いくつかの実施形態では、薄膜を蒸着させることは、原材料を蒸発させ、原材料の種を含む蒸気を形成することと、少なくとも1つの光学要素の少なくとも第1の表面と蒸気とを接触させることとを含む。いくつかの実施形態では、蒸気は、粉末を含む。いくつかの実施形態では、粉末は、フラーレンを含む。いくつかの実施形態では、吸光膜を形成することはさらに、吸光膜をエッチングし、ナノ構造を膜内に形成することを含む。
【0015】
種々の付加的実施形態が、下記に提供される。
【0016】
1.光学デバイスであって、
第1の表面を備える光学導波管と、
少なくとも第1の表面の直ぐ上の吸光体であって、該吸光体は、炭素の同素体およびブラックシリコンのうちの少なくとも1つを含む膜を備える、吸光体と
を備える、光学デバイス。
【0017】
2.炭素の同素体は、カーボンナノチューブ、非晶質炭素、およびフラーレンのうちの1つ以上のものを含む、実施形態1に記載の光学デバイス。
【0018】
3.炭素の同素体は、フラーレンを含む、実施形態2に記載の光学デバイス。
【0019】
4.フラーレンは、C60である、実施形態3に記載の光学デバイス。
【0020】
5.光学導波管は、導波管スタックの一部である、実施形態1に記載の光学デバイス。
【0021】
6.光学導波管はさらに、内部結合光学要素および外部結合光学要素を導波管の1つ以上の主要表面上に備える、実施形態1に記載の光学デバイス。
【0022】
7.光学デバイスは、頭部搭載型拡張現実ディスプレイシステムであり、
画像コンテンツを有する光を出力するように構成される、空間光変調器と、
画像コンテンツを有する光を導波管の中に内部結合光学要素を通して投入するように構成される画像投入デバイスと
をさらに備え、外部結合光学要素は、導波管内を伝搬する光を吐出するように構成される、実施形態6に記載の光学デバイス。
【0023】
8.膜は、約100nmを上回る厚さを有する、実施形態1に記載の光学デバイス。
【0024】
9.光学導波管は、上部主要表面と、底部主要表面と、少なくとも1つの縁表面とを備え、光学導波管の第1の表面は、少なくとも1つの縁表面である、実施形態1に記載の光学デバイス。
【0025】
10.光学導波管は、吸光体を第1の表面に面した導波管の第2の表面上に備える、実施形態1に記載の光学デバイス。
【0026】
11.第1および第2の表面は、導波管の縁である、実施形態10に記載の光学デバイス。
【0027】
12.ディスプレイデバイスであって、
第1および第2の主要表面と、その間に延在する縁表面とを備える光学導波管と、
空間光変調器と、
空間光変調器からの光を導波管の中に投入するように構成される画像投入デバイスと、
少なくとも1つの縁表面上の吸光体と
を備え、吸光体は、炭素の同素体およびシリコンのうちの少なくとも1つを含む膜を備え、吸光体は、波長350~850nmを有する入射光の少なくとも70%を吸収する、光学デバイス。
【0028】
13.膜は、カーボンナノチューブ、非晶質炭素、フラーレン、またはブラックシリコンのうちの少なくとも1つを含む、実施形態12に記載の光学デバイス。
【0029】
14.吸光体は、波長350~850nmを有する入射光の少なくとも90%を吸収する、実施形態12に記載の光学デバイス。
【0030】
15.吸光体を光学導波管上に形成するためのプロセスであって、該プロセスは、
光学導波管を反応チャンバ内に提供することであって、導波管は、第1の表面を備える、ことと、
吸光膜を第1の表面上に形成することであって、吸光膜を形成することは、
第1の表面と空中浮遊前駆体種とを反応チャンバ内で接触させ、前駆体種の薄膜を第1の表面の直ぐ上に堆積させることを含み、
薄膜は、炭素の同素体およびシリコンのうちの少なくとも1つを含み、堆積された薄膜は、波長350~850nmを有する入射光の少なくとも70%を吸収する、ことと、
を含む、プロセス。
【0031】
16.堆積された薄膜は、フラーレンを含む、実施形態15に記載のプロセス。
【0032】
17.炭素の薄膜は、少なくとも約100nmの厚さを有する、実施形態16に記載のプロセス。
【0033】
18.堆積された薄膜は、ブラックシリコンを含む、実施形態15に記載のプロセス。
【0034】
19.薄膜を蒸着させることは、
原材料を蒸発させ、原材料の種を含む蒸気を形成することと、
少なくとも1つの光学要素の少なくとも第1の表面と蒸気とを接触させることと
を含む、実施形態15に記載のプロセス。
【0035】
20.蒸気は、粉末を含む、実施形態19に記載のプロセス。
【0036】
21.粉末は、フラーレンを含む、実施形態20に記載のプロセス。
【0037】
22.吸光膜を形成することはさらに、
吸光膜をエッチングし、ナノ構造を膜内に形成すること
を含む、実施形態15に記載のプロセス。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
光学デバイスであって、
第1の表面を備える光学導波管と、
少なくとも前記第1の表面の直ぐ上の吸光体であって、前記吸光体は、炭素の同素体およびブラックシリコンのうちの少なくとも1つを含む膜を備える、吸光体と
を備える、光学デバイス。
(項目2)
前記炭素の同素体は、カーボンナノチューブ、非晶質炭素、およびフラーレンのうちの1つ以上のものを含む、項目1に記載の光学デバイス。
(項目3)
前記炭素の同素体は、フラーレンを含む、項目2に記載の光学デバイス。
(項目4)
前記フラーレンは、C60である、項目3に記載の光学デバイス。
(項目5)
前記光学導波管は、導波管スタックの一部である、項目1に記載の光学デバイス。
(項目6)
前記光学導波管はさらに、内部結合光学要素および外部結合光学要素を前記導波管の1つ以上の主要表面上に備える、項目1に記載の光学デバイス。
(項目7)
前記光学デバイスは、頭部搭載型拡張現実ディスプレイシステムであり、
画像コンテンツを有する光を出力するように構成される空間光変調器と、
画像コンテンツを有する前記光を前記導波管の中に前記内部結合光学要素を通して投入するように構成される画像投入デバイスと
をさらに備え、前記外部結合光学要素は、前記導波管内を伝搬する光を吐出するように構成される、項目6に記載の光学デバイス。
(項目8)
前記膜は、約100nmを上回る厚さを有する、項目1に記載の光学デバイス。
(項目9)
前記光学導波管は、上部主要表面と、底部主要表面と、少なくとも1つの縁表面とを備え、前記光学導波管の前記第1の表面は、前記少なくとも1つの縁表面である、項目1に記載の光学デバイス。
(項目10)
前記光学導波管は、吸光体を前記第1の表面に面した前記導波管の第2の表面上に備える、項目1に記載の光学デバイス。
(項目11)
前記第1および第2の表面は、前記導波管の縁である、項目10に記載の光学デバイス。
(項目12)
ディスプレイデバイスであって、
第1および第2の主要表面と、その間に延在する縁表面とを備える光学導波管と、
空間光変調器と、
前記空間光変調器からの光を前記導波管の中に投入するように構成される画像投入デバイスと、
少なくとも1つの縁表面上の吸光体と
を備え、前記吸光体は、炭素の同素体およびシリコンのうちの少なくとも1つを含む膜を備え、前記吸光体は、波長350~850nmを有する入射光の少なくとも70%を吸収する、光学デバイス。
(項目13)
前記膜は、カーボンナノチューブ、非晶質炭素、フラーレン、またはブラックシリコンのうちの少なくとも1つを含む、項目12に記載の光学デバイス。
(項目14)
前記吸光体は、波長350~850nmを有する入射光の少なくとも90%を吸収する、項目12に記載の光学デバイス。
(項目15)
吸光体を光学導波管上に形成するためのプロセスであって、前記プロセスは、
前記光学導波管を反応チャンバ内に提供することであって、前記導波管は、第1の表面を備える、ことと、
吸光膜を前記第1の表面上に形成することであって、前記吸光膜を形成することは、
前記第1の表面と空中浮遊前駆体種とを前記反応チャンバ内で接触させ、前記前駆体種の薄膜を前記第1の表面の直ぐ上に堆積させることを含み、
前記薄膜は、炭素の同素体およびシリコンのうちの少なくとも1つを含み、前記堆積された薄膜は、波長350~850nmを有する入射光の少なくとも70%を吸収する、ことと
を含む、プロセス。
(項目16)
前記堆積された薄膜は、フラーレンを含む、項目15に記載のプロセス。
(項目17)
前記炭素の薄膜は、少なくとも約100nmの厚さを有する、項目16に記載のプロセス。
(項目18)
前記堆積された薄膜は、ブラックシリコンを含む、項目15に記載のプロセス。
(項目19)
前記薄膜を蒸着させることは、
原材料を蒸発させ、前記原材料の種を含む蒸気を形成することと、
前記少なくとも1つの光学要素の少なくとも前記第1の表面と前記蒸気とを接触させることと
を含む、項目15に記載のプロセス。
(項目20)
前記蒸気は、粉末を含む、項目19に記載のプロセス。
(項目21)
前記粉末は、フラーレンを含む、項目20に記載のプロセス。
(項目22)
前記吸光膜を形成することはさらに、
前記吸光膜をエッチングし、ナノ構造を前記膜内に形成すること
を含む、項目15に記載のプロセス。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0039】
図2図2は、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0040】
図3図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0041】
図4図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0042】
図5図5A-5Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0043】
図6図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【0044】
図7図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【0045】
図8図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【0046】
図9A図9Aは、それぞれが内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【0047】
図9B図9Bは、図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図を図示する。
【0048】
図9C図9Cは、図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【0049】
図10A図10Aは、いくつかの実施形態による、光学要素および吸光体を含む、導波管の実施例を図示する。
【0050】
図10B図10Bは、いくつかの実施形態による、光学要素および複数の縁表面上の吸光体を含む、導波管の実施例を図示する。
【0051】
図11図11は、いくつかの実施形態による、吸光体を光学要素の表面上に形成するためのプロセスのフロー図である。
【0052】
図面は、例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0053】
光学導波管は、例えば、導波管の本体内の光の全内部反射(TIR)によって、光を伝搬するために使用されてもよい。いくつかの用途では、導波管は、画像情報を含有する光をディスプレイを横断して分散させ、光をユーザに出力し、ユーザによって見られる画像を形成するために使用されてもよい。例えば、導波管は、導波管の内側を伝搬する光をユーザに向かって外に再指向する、外部結合光学要素を含んでもよい。出力される光内の画像情報は、画像内の特徴またはビデオのフレームが、画像毎に変化し、運動をシミュレートする、ビデオコンテンツであってもよいことを理解されたい。その結果、ユーザへの画像情報の出力は、異なるフレームが、好ましくは、ユーザによって、特定の時間に、特定の時間シーケンスにおいて受信され、そうでなければ、ビデオ内の運動の知覚が、悪影響を及ぼされ得るという意味において、時間的に制約される。
【0054】
導波管の表面は、反射性であり得るため、導波管内を伝搬する光は、その光が外部結合されるまで、導波管の内側で往復して反射し続け得る。導波管の内側で往復して反射する本光は、再循環光と称され得る。例えば、再循環光は、導波管の縁間において往復して反射し得る。しかしながら、再循環光は、前のビデオフレームに関する画像情報を含有し得る。その結果、再循環光が前のフレームからのコンテンツを正しい現在のフレームとともにユーザに提示させる、残影と称される現象が、生じ得る。加えて、再循環光は、例えば、光の出力をより少ない光出力が意図される画像の部分に生じさせることによって、コントラスト比を減少させ得る。
【0055】
光再循環を低減させるいくつかの提案される方法は、吸光構造をそこからの反射が所望されない導波管の縁等の表面に取り付けることを含む。例えば、吸光材料、吸光インク、吸光塗料のストリップが、吸光体として提案されている。しかしながら、これらの取り付けられた材料を有する導波管は、依然として、有意な量の残影を呈し、低コントラスト比を有することが見出されている。
【0056】
いくつかの実施形態では、導波管は、導波管の縁等の1つ以上の表面上に堆積された1つ以上の吸光体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、吸光体は、炭素およびシリコンのうちの1つ以上のものを含んでもよい。例えば、吸光体は、炭素、例えば、カーボンナノチューブ、非晶質炭素、および/またはバックミンスターフラーレン(C60)およびC60以外のフラーレンを含む、フラーレン等の炭素の1つ以上の形態または同素体を含む、薄膜を備えてもよい。いくつかの実施形態では、薄膜は、炭素の混合相を含む。いくつかの実施形態では、吸光体は、シリコン、例えば、複数のナノ構造をその上に備える表面を有する、シリコン薄膜、例えば、ブラックシリコンを含む、薄膜を備えてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、吸光体は、導波管の表面と直接接触する。いくつかの実施形態では、吸光体は、入射光の少なくとも80%、入射光の少なくとも90%、入射光の少なくとも95%、または入射光の少なくとも96%、97%、98%、99%、またはより高い割合を吸収する。
【0058】
好ましくは、吸光体は、表面に接触し、その上に堆積する、空中浮遊前駆体種を使用して、導波管表面上に蒸着される。例えば、前駆体種は、気相種、すなわち、小(例えば、微視的)粒子の蒸気であってもよい。蒸着プロセスの実施例は、物理蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、および原子層堆積(ALD)プロセスを含む。いくつかの実施形態では、PVDは、蒸発堆積プロセス、例えば、熱蒸発堆積プロセスであってもよい。
【0059】
有利には、導波管が画像情報を含有する光を伝搬させるためにディスプレイ内で利用される、いくつかの実施形態では、吸光体は、表示される画像の品質を増加させる役割を果たし得る。例えば、吸光体を伴う導波管は、より高いコントラスト比および低減された残影の発生を提供し得る。理論によって限定されるわけではないが、吸光体は、導波管内の再循環光の量を低減させると考えられる。
【0060】
ここで、図面を参照するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の特徴を指す。
(例示的ディスプレイシステム)
【0061】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステム80の実施例を図示する。ディスプレイシステム80は、ディスプレイ62と、ディスプレイ62の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ62は、フレーム64に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者60によって装着可能であって、ディスプレイ62をユーザ60の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ62は、いくつかの実施形態では、アイウェアと見なされ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ66が、フレーム64に結合され、ユーザ60の外耳道に隣接して位置付けられる(示されない別のスピーカが、随意にユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供してもよい)。ディスプレイシステムはまた、1つ以上のマイクロホン67または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが、入力またはコマンド(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)をシステム80に提供することを可能にするように構成され、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。
【0062】
図2を継続して参照すると、ディスプレイ62は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク68によって、ローカルデータ処理モジュール70に動作可能に結合され、これは、フレーム64に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、または別様にユーザ60に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成において搭載されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール70は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、その両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。データは、a)センサ(画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ(例えば、フレーム64に動作可能に結合される、または別様にユーザ60に取り付けられ得る))から捕捉されたデータ、および/またはb)可能性として処理または読出後にディスプレイ62への通過のための遠隔処理モジュール72および/または遠隔データリポジトリ74(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して入手および/または処理されるデータを含む。ローカル処理およびデータモジュール70は、これらの遠隔モジュール72、74が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール70に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンク等を介して、通信リンク76、78によって、遠隔処理モジュール72および遠隔データリポジトリ74に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール70は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つ以上のものは、フレーム64に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール70と通信する、独立構造であってもよい。
【0063】
図2を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール72は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る、デジタルデータ記憶設備を備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、1つ以上の遠隔サーバを含んでもよく、これは、情報、例えば、拡張現実コンテンツをローカル処理およびデータモジュール70および/または遠隔処理モジュール72に生成するための情報を提供する。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての計算は、ローカル処理およびデータモジュールにおいて実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。
【0064】
ここで図3を参照すると、「3次元」または「3-D」としての画像の知覚は、視認者の各眼への画像の若干異なる提示を提供することによって達成され得る。図3は、ユーザに関する3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。眼4、6毎に1つの2つの明確に異なる画像5、7が、ユーザに出力される。画像5、7は、視認者の視線と平行な光学軸またはz-軸に沿って距離10だけ眼4、6から離間される。画像5、7は、平坦であって、眼4、6は、単一の遠近調節された状態をとることによって、画像上に合焦し得る。そのようなシステムは、ヒト視覚系に依拠し、画像5、7を組み合わせ、組み合わせられた画像の深度および/または尺度の知覚を提供する。
【0065】
しかしながら、ヒト視覚系は、より複雑であって、深度の現実的知覚を提供することは、より困難であることを理解されたい。例えば、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くの視認者は、そのようなシステムが不快であることを見出す、または深度の感覚を全く知覚しない場合がある。理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動(vergence)と遠近調節(accmmodation)の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」として知覚し得ると考えられる。相互に対する2つの眼の輻輳・開散運動(すなわち、瞳孔が、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視させるために相互に向かって、またはそこから離れるように移動する、眼の転動)は、眼の水晶体および瞳孔の合焦(または「遠近調節」)と緊密に関連付けられる。通常条件下、眼の水晶体の焦点を変化させる、または眼を遠近調節し、1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに焦点を変化させることは、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」および瞳孔拡張または収縮として知られる関係下、輻輳・開散運動の整合変化を同一距離に自動的に生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動における変化は、通常条件下、水晶体形状および瞳孔サイズの遠近調節における整合変化を誘起するであろう。本明細書に記載されるように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、3次元視点がヒト視覚系によって知覚されるように、各眼への若干異なる提示(したがって、若干異なる画像)を使用して、場面を表示する。しかしながら、そのようなシステムは、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供するが、眼が全画像情報を単一の遠近調節された状態において視認すると、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に対抗して機能するため、多くの視認者にとって不快である。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供するディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0066】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。図4を参照すると、z-軸上の眼4、6からの種々の距離におけるオブジェクトは、それらのオブジェクトが合焦するように、眼4、6によって遠近調節される。眼(4および6)は、特定の遠近調節された状態をとり、オブジェクトをz-軸に沿った異なる距離に合焦させる。その結果、特定の遠近調節された状態は、特定の深度平面におけるオブジェクトまたはオブジェクトの一部が、眼がその深度平面に対して遠近調節された状態にあるとき、合焦するように、関連付けられた焦点距離を有する、深度平面14のうちの特定の1つと関連付けられると言え得る。いくつかの実施形態では、3次元画像は、眼4、6毎に画像の異なる提示を提供することによって、また、深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによってシミュレートされてもよい。例証を明確にするために、別個であるように示されるが、眼4、6の視野は、例えば、z-軸に沿った距離が増加するにつれて重複し得ることを理解されたい。加えて、例証を容易にするために、平坦であるように示されるが、深度平面の輪郭は、深度平面内の全ての特徴が特定の遠近調節された状態における眼と合焦するように、物理的空間内で湾曲され得ることを理解されたい。
【0067】
オブジェクトと眼4または6との間の距離はまた、その眼によって視認されるようなそのオブジェクトからの光の発散の量を変化させ得る。図5A-5Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼4との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。図5A-5Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率は、オブジェクトと眼4との間の距離の減少に伴って増加する。その結果、異なる深度平面では、光線の発散度もまた、異なり、発散度は、深度平面と視認者の眼4との間の距離の減少に伴って増加する。単眼4のみが、例証を明確にするために、図5A-5Cおよび本明細書の種々の他の図に図示されるが、眼4に関する議論は、視認者の両眼4および6に適用され得ることを理解されたい。
【0068】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。異なる提示は、視認者の眼によって別個に集束され、それによって、異なる深度平面上に位置する場面のための異なる画像特徴に合焦させるために要求される眼の遠近調節に基づいて、および/または焦点がずれている異なる深度平面上の異なる画像特徴の観察に基づいて、ユーザに深度合図を提供することに役立ててもよい。
【0069】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム1000は、複数の導波管182、184、186、188、190を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ178を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム1000は、図2のシステム80であって、図6は、そのシステム80のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、導波管アセンブリ178は、図2のディスプレイ62の一部であってもよい。ディスプレイシステム1000は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされてもよいことを理解されたい。
【0070】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ178はまた、複数の特徴198、196、194、192を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、1つ以上のレンズであってもよい。導波管182、184、186、188、190および/または複数のレンズ198、196、194、192は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス200、202、204、206、208は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管182、184、186、188、190の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼4に向かって出力するために各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス200、202、204、206、208の出力表面300、302、304、306、308から出射し、導波管182、184、186、188、190の対応する入力表面382、384、386、388、390の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面382、384、386、388、390はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界144または視認者の眼4に直接面する導波管表面のうちの一方または両方)であってもよい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力してもよく、これは、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼4に向かって指向される。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管182、184、186、188、190と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208はそれぞれ、各々が対応する導波管182、184、186、188、190の中への投入のための画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して、画像投入デバイス200、202、204、206、208のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス200、202、204、206、208によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含んでもよいことを理解されたい。
【0072】
いくつかの実施形態では、導波管182、184、186、188、190の中に投入される光は、光プロジェクタシステム2000によって提供され、これは、光モジュール2040を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含んでもよい。光モジュール2040からの光は、ビームスプリッタ2050を介して、光変調器2030、例えば、空間光変調器に指向され、それによって修正されてもよい。光変調器2030は、導波管182、184、186、188、190の中に投入される光の知覚される強度を変化させるように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、液晶ディスプレイ(LCD)を含み、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム1000は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管182、184、186、188、190の中に、最終的には、視認者の眼4に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス200、202、204、206、208は、光を1つまたは複数の導波管182、184、186、188、190の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス200、202、204、206、208は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管182、184、186、188、190のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール2040から1つ以上の導波管182、184、186、188、190に透過するように構成されてもよいことを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバ(1つまたは複数)と、1つ以上の導波管182、184、186、188、190との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管182、184、186、188、190の中に再指向してもよいことを理解されたい。
【0074】
コントローラ210は、画像投入デバイス200、202、204、206、208、光源2040、および光モジュール2030の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ178のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ210は、ローカルデータ処理モジュール70の一部である。コントローラ210は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管182、184、186、188、190への画像情報のタイミングおよび提供を調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一の一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ210は、いくつかの実施形態では、処理モジュール70または72(図1)の一部であってもよい。
【0075】
図6を継続して参照すると、導波管182、184、186、188、190は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管182、184、186、188、190はそれぞれ、主要上部表面および主要底部表面およびそれらの主要上部表面と底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管182、184、186、188、190はそれぞれ、光を再指向させ、各個別の導波管内で伝搬させ、導波管から画像情報を眼4に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素282、284、286、288、290を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、外部結合光学要素光はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力される。外部結合光学要素282、284、286、288、290は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管182、184、186、188、190の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、本明細書にさらに議論されるように、上部主要表面および/または底部主要表面に配置されてもよく、および/または導波管182、184、186、188、190の容積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、透明基板に取り付けられ、導波管182、184、186、188、190を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管182、184、186、188、190は、モノリシック材料部品であってもよく、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、その材料部品の表面上および/または内部に形成されてもよい。
【0076】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管182、184、186、188、190は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管182は、そのような導波管182の中に投入されるにつれて、眼4にコリメートされた光を送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管184は、眼4に到達し得る前に、第1のレンズ192(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ192は、眼/脳が、その次の上方の導波管184から生じる光を光学無限遠から眼4に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管186は、眼4に到達する前に、その出力光を第1のレンズ192および第2のレンズ194の両方を通して通過させる。第1のレンズ192および第2のレンズ194の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管186から生じる光が次の上方の導波管184からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0077】
他の導波管層188、190およびレンズ196、198も同様に構成され、スタック内の最高導波管190は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ178の他側の世界144から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ198、196、194、192のスタックを補償するために、補償レンズ層180が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック198、196、194、192の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、導波管182、184、186、188、190のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有してもよい。例えば、複数の導波管182、184、186、188、190が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管182、184、186、188、190の複数のサブセットが、深度平面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0079】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をそれらの個別の導波管から外へ再指向することと、本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力することの両方を行うように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素282、284、286、288、290の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、体積特徴または表面特徴であってもよく、これは、具体的角度で光を出力するように構成されてもよい。例えば、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、立体ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサであってもよい(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)。
【0080】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差部で眼4に向かって偏向される一方、残りが、全内部反射を介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼4に向かって非常に均一なパターンの出射放出となる。
【0081】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0082】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ500(例えば、可視光および赤外線光カメラを含む、デジタルカメラ)が、眼4および/または眼4の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出するために提供されてもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ500は、画像捕捉デバイスと、光源であって、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、該光が、次いで、眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ500は、フレーム64(図2)に取り付けられてもよく、カメラアセンブリ500からの画像情報を処理し得る、処理モジュール70および/または72と電気通信してもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ500が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0083】
ここで図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ178(図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ178は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光400が、導波管182の入力表面382において導波管182の中に投入され、TIRによって導波管182内を伝搬する。光400がDOE282上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム402として出射する。出射ビーム402は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管182と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビーム形成)において眼4に伝搬するように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼4からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットは、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼4がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼4に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0084】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれにおける画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成されてもよい。図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面14a-14fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、それと関連付けられた3つの原色画像、すなわち、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を有してもよい。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度平面の正確な場所は、変動してもよい。例えば、所与の深度平面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度平面は、それと関連付けられた複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供されてもよく、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面と関連付けられた導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0086】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられた他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに加えて使用されてもよい、またはそれらに取って代わってもよい。
【0087】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、その所与の色として視認者によって知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されると理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含んでもよい。
【0088】
ここで図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。図9Aは、それぞれが内部結合光学要素を含む、複数またはセット1200のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つ以上の異なる波長または1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック1200は、スタック178(図6)に対応してもよく、スタック1200の図示される導波管は、複数の導波管182、184、186、188、190の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス200、202、204、206、208のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0089】
スタックされた導波管の図示されるセット1200は、導波管1210、1220、および1230を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素1212は、導波管1210の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素1222は、導波管1220の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素1232は、導波管1230の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232のうちの1つ以上のものは、個別の導波管1210、1220、1230の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、その個別の導波管1210、1220、1230の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232は、個別の導波管1210、1220、1230の本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、他の光の波長を透過させながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するように波長選択的である。その個別の導波管1210、1220、1230の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素1212、1222、1232は、いくつかの実施形態では、その個別の導波管1210、1220、1230の他の面積内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0090】
図示されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、光が別の内部結合光学要素を通して通過せずに、その光を受光するようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素1212、1222、1232は、光を異なる画像投入デバイス1213、1223、1233から受光するように構成されてもよく、光を内部結合光学要素1212、1222、1232の他のものから実質的に受光しないように、他の内部結合光学要素1212、1222、1232から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0091】
各導波管はまた、関連付けられた光分散要素を含み、例えば、光分散要素1214は、導波管1210の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素1224は、導波管1220の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素1234は、導波管1230の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、関連付けられた導波管1210、1220、1230の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、関連付けられた導波管1210、1220、1230の上部および底部両方の主要表面上に配置されてもよい、または光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管1210、1220、1230内の上部主要表面および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0092】
導波管1210、1220、1230は、例えば、材料のガス、液体および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層1218aは、導波管1210および1220を分離してもよく、層1218bは、導波管1220および1230を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層1218aおよび1218bは、低屈折率材料(すなわち、導波管1210、1220、1230のうちの直接隣接するものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層1218a、1218bを形成する材料の屈折率は、導波管1210、1220、1230を形成する材料の屈折率よりも0.05以上または0.10以上小さい。有利には、より低い屈折率層1218a、1218bは、導波管1210、1220、1230を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部主要表面および底部主要表面の間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層1218a、1218bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット1200の上部および底部は、直近クラッディング層を含んでもよいことを理解されたい。
【0093】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管1210、1220、1230を形成する材料は、類似または同一であって、層1218a、1218bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管1210、1220、1230を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なってもよい、および/または層1218a、1218bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なってもよい。
【0094】
図9Aを継続して参照すると、光線1240、1242、1244が、導波管のセット1200に入射する。光線1240、1242、1244は、1つ以上の画像投入デバイス200、202、204、206、208(図6)によって導波管1210、1220、1230の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0095】
いくつかの実施形態では、光線1240、1242、1244は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素1212、1222、1232はそれぞれ、光が、TIRによって、導波管1210、1220、1230のうちの個別の1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232はそれぞれ、他の波長を下層導波管および関連付けられた内部結合光学要素に透過させながら、光の1つ以上の特定の波長を選択的に偏向させる。
【0096】
例えば、内部結合光学要素1212は、それぞれ、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する、光線1242および1244を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する、光線1240を選択的に偏向させるように構成されてもよい。透過された光線1242は、次いで、第2の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素1222に衝突し、それによって偏向される。光線1244は、内部結合光学要素1222によって透過され、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素1232に衝突し、それによって偏向され続ける。
【0097】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線1240、1242、1244は、対応する導波管1210、1220、1230を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素1212、1222、1232は、光をその対応する導波管1210、1220、1230の中に偏向させ、光をその対応する導波管の中に内部結合する。光線1240、1242、1244は、光をTIRによって個別の導波管1210、1220、1230を通して伝搬させる角度で偏向される。光線1240、1242、1244は、導波管の対応する光分散要素1214、1224、1234に衝突するまで、TIRによって個別の導波管1210、1220、1230を通して伝搬する。
【0098】
ここで図9Bを参照すると、図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。前述のように、内部結合された光線1240、1242、1244は、それぞれ、内部結合光学要素1212、1222、1232によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管1210、1220、1230内でTIRによって伝搬する。光線1240、1242、1244は、次いで、それぞれ、光分散要素1214、1224、1234に衝突する。光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、外部結合光学要素1250、1252、1254に向かって伝搬するように、光線1240、1242、1244を偏向させる。
【0099】
いくつかの実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素1250、1252、1254に偏向または分散すること、そして、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させることの両方を行う。例えば、ビームサイズがすでに所望のサイズである、いくつかの実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、省略されてもよく、内部結合光学要素1212、1222、1232は、光を直接外部結合光学要素1250、1252、1254に偏向させるように構成されてもよい。例えば、図9Aを参照すると、光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、外部結合光学要素1250、1252、1254と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素1250、1252、1254は、光を視認者の眼4(図7)に指向させる、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。
【0100】
故に、図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット1200は、原色毎に、導波管1210、1220、1230と、内部結合光学要素1212、1222、1232と、光分散要素(例えば、OPE)1214、1224、1234と、外部結合光学要素(例えば、EP)1250、1252、1254とを含む。導波管1210、1220、1230は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素1212、1222、1232は、(異なる波長の光を受光する異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる。光は、次いで、個別の導波管1210、1220、1230内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線1240(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素1212によって偏光され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)1214、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)1250と相互作用する。光線1242および1244(例えば、それぞれ、緑色光および赤色光)は、導波管1210を通して通過し、光線1242は、内部結合光学要素1222上に衝突し、それによって偏向される。光線1242は、次いで、TIRを介して、導波管1220を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)1224、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)1252に進むであろう。最後に、光線1244(例えば、赤色光)は、導波管1220を通して通過し、導波管1230の光内部結合光学要素1232に衝突する。光内部結合光学要素1232は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)1234に、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)1254に伝搬するように、光線1244を偏向させる。外部結合光学要素1254は、次いで、最後に、光線1244を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管1210、1220からの外部結合した光も受光する。
【0101】
図9Cは、図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管1210、1220、1230は、各導波管の関連付けられた光分散要素1214、1224、1234および関連付けられた外部結合光学要素1250、1252、1254とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。(例示的吸光体)
【0102】
ここで、いくつかの実施形態による、吸光体1320を含む、導波管1310の実施例を示す、図10Aを参照する。いくつかの実施形態では、導波管1310は、本明細書に説明されるように、導波管182、184、186、188、190(図6)または1210、1220、1230(図9A-9B)のうちの1つであってもよい。いくつかの実施形態では、導波管1310は、スタックされた導波管アセンブリ178(図6)または導波管スタック1200(図9A-9B)等の導波管のスタックを形成する、複数の類似導波管のうちの1つであってもよい。
【0103】
導波管1310は、上部主要表面1311と、底部主要表面1312と、4つの縁表面1313、1314、1315、1316とを備えてもよい。主要表面は、主要表面間に延在する、縁表面より大きい面積を有することを理解されたい。図示されるように、導波管1310は、長方形プレートの形態をとってもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管1310は、断面図および/または上下図に見られるように、他の形状を有する。例えば、導波管1310は、4つを上回る縁または4つ未満の縁を有してもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、吸光体1320は、導波管1310の表面の直ぐ上に位置付けられ、または配置され(すなわち、それと接触して)、吸光体1320が、それが配置される導波管1310の表面の全部または実質的に全部を被覆するように、定寸されてもよい。いくつかの実施形態では、吸光体1320は、直接、導波管1310の表面の第1の部分、例えば、縁表面1313、1314、1315、1316上に配置されてもよく、1つ以上の付加的吸光体が、直接、導波管1310の同一表面または他の表面の1つ以上の付加的部分上に配置されてもよい。例えば、吸光体は、少なくとも縁表面1313、1314、1315、1316の一対の対向表面上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、全ての縁表面1313、1314、1315、1316が、図10Bに示されるように、対応する吸光体を提供される。導波管1310が、導波管のスタック(例えば、導波管スタック178(図6)または1200(図9A-9B))のうちの1つの導波管である、いくつかの実施形態では、導波管スタックの各導波管は、その1つ以上の対応する縁表面上に配置される、1つ以上の別個の吸光体を有してもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、吸光体1320は、導波管1310の表面と直接接触する、薄膜を備えてもよい。薄膜は、導波管1310の表面の直ぐ上に堆積されてもよい。好ましくは、薄膜は、所望の波長または波長のスペクトル、例えば、可視スペクトル内の光の非常に高パーセンテージを吸収することが可能である、またはそのように構成される。いくつかの実施形態では、波長または波長のスペクトルは、約250nm~約900nm、約300nm~約850nm、または約390nm~約700nmである。吸光体は、上記の波長または波長の範囲の入射光の少なくとも約50%、入射光の少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、またはそれよりも高い割合を吸収し得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、吸光体1310の薄膜は、炭素を含んでもよい。例えば、吸光体は、バックミンスターフラーレン(C60)等のフラーレンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、吸光体は、カーボンナノチューブ、非晶質炭素、炭素の混合相、および/またはC60を含むフラーレンおよびC60以外のフラーレン等の炭素の1つ以上の形態または同素体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、吸光体は、シリコンを含んでもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、薄膜は、光を吸収するように構成される、マイクロ構造またはナノ構造を備えてもよい。例えば、薄膜は、所望の波長または波長のスペクトル、例えば、可視スペクトル内の波長を有する光を吸収するように構成される、ナノ構造化された表面を有してもよい。ナノ構造は、膜が配置される導波管の表面から離れるように延在する方向に伸長される、複数のナノ構造であってもよい。いくつかの実施形態では、吸光体は、垂直に整合されたナノ管アレイ(VANTA)等の複数の略平行ナノ管を備えてもよく、垂直方向は、薄膜が配置される表面に対して法線方向に延在する方向であると理解される。いくつかの実施形態では、膜は、ブラックシリコンを含んでもよく、これは、シリコンから形成される複数のナノスケール錐体または針を備える。
【0108】
いくつかの実施形態では、吸光体は、蒸着プロセスを使用して、導波管1310を収容する反応チャンバ内において、薄膜を導波管1310の表面上に堆積または形成することによって、形成されてもよい。例えば、蒸着プロセスは、原子層堆積(ALD)プロセス、プラズマ増強ALD(PEALD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、プラズマ増強CVD(PECVD)プロセス、物理蒸着(PVD)プロセス、または他の蒸着プロセスであってもよい。いくつかの実施形態では、吸光体を形成または堆積させるためのプロセスは、蒸発プロセス、例えば、熱蒸発プロセス、電子ビームプロセス、分子ビームエピタキシ(MBE)プロセス、抵抗蒸発プロセス、フラッシュ蒸発プロセス、または他の蒸発プロセスを含んでもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、蒸着プロセスは、エネルギーが原材料に印加され、材料を気化させ、それを空中浮遊させる、蒸発プロセスであってもよい。例えば、蒸発プロセスは、熱蒸発プロセスであってもよく、エネルギーは、熱エネルギーであってもよい。原材料は、原材料の全部または一部が気化され、それによって、前駆体種を空中浮遊させるように、十分な温度まで加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、蒸発プロセスの間に形成される蒸気は、原材料の粒子を含む、気化された粉末を含んでもよい。
【0110】
薄膜を堆積させることは、所望の厚さの薄膜を形成するために十分な材料を堆積させるために十分な持続時間にわたって、導波管の所望の表面を原材料から形成された気化された前駆体種等の前駆体種に暴露することを含んでもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、薄膜は、所望の厚さの膜が、サブ層の順次堆積によってサブ層毎に構築される、順次堆積プロセスにおいて堆積されてもよい。例えば、薄膜は、導波管の所望の表面をパルスとして前駆体種に暴露することによって、形成されてもよい。すなわち、いくつかの実施形態では、導波管の所望の表面は、第1の所望の持続時間にわたって、原材料から形成される蒸気と接触されてもよく、原材料から形成される蒸気は、次いで、例えば、反応チャンバを不活性ガスでパージすることによって、および/または反応チャンバを真空化し、続いて、第2の所望の持続時間にわたって、導波管の所望の表面と原材料から形成される蒸気とを接触させることによって、導波管の所望の表面から除去されてもよい。これらの接触および除去ステップは、所望の厚さの薄膜が導波管の所望の表面上に形成されるまで、任意の回数、繰り返されてもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、薄膜は、他の表面上への堆積を遮断することによって、所望の表面上に選択的に堆積される。例えば、他の表面は、材料の除去可能保護層を提供されてもよく、これは、薄膜を堆積後、除去される。いくつかの他の実施形態では、薄膜は、導波管の複数の表面にわたって堆積され、続いて、薄膜が所望されない表面から除去される。除去は、例えば、膜を膜が所望されないそれらの表面からエッチングおよび/または溶解することを伴ってもよい。
【0112】
図11を参照すると、かついくつかの実施形態によると、吸光体を導波管の表面上に形成するためのプロセス1400は、
ブロック1410において、少なくとも1つの導波管を反応チャンバ内に提供することであって、少なくとも1つの導波管は、少なくとも第1の表面を備える、ことと、
ブロック1420において、堆積プロセスを介して、反応チャンバ内において、所望の厚さの薄膜を少なくとも1つの導波管の第1の表面の直ぐ上に堆積させることと、
随意に、ブロック1430において、堆積された薄膜に堆積後処理プロセスを受けさせることと、
を含んでもよい。
【0113】
堆積された薄膜は、吸光体を形成することを理解されたい。導波管は、本明細書に説明されるように、個々の導波管であってもよい、または導波管スタックの一部であってもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、導波管の少なくとも第1の表面は、ブロック1410に先立って、後処理プロセスを受けてもよい。いくつかの実施形態では、後処理プロセスは、導波管の少なくとも第1の表面を清掃することを含んでもよい。
【0115】
再び図11を参照すると、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの導波管が、ブロック1410において、反応チャンバに提供され、プロセス1400は、少なくとも部分的に、反応チャンバ内で行われる。反応チャンバは、本明細書に説明されるように、蒸着のために構成される、反応チャンバであってもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの導波管は、本明細書に説明されるように、例えば、導波管スタックであってもよい。いくつかの実施形態では、スタックは、スタックの導波管を継合し、蒸気が導波管間の空間の中に流動することを防止する、気密スペーサ、接着剤、または他のシーラントを含む。有利には、堆積が、吸光膜をスタックの導波管の縁上に堆積させるために利用される場合、堆積は、膜をスタックの全部または複数の導波管上に同時に堆積させ得る一方、スペーサ間のシーラントは、導波管間の望ましくない堆積を防止する。
【0117】
いくつかの実施形態では、ブロック1420における薄膜を堆積させることは、蒸着プロセス等の堆積プロセスを含んでもよい。堆積プロセスは、原子層堆積(ALD)プロセス、プラズマ増強ALD(PEALD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、プラズマ増強CVD(PECVD)プロセス、物理蒸着(PVD)プロセス、または他の蒸着プロセスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、堆積プロセスは、蒸発プロセス、例えば、熱蒸発プロセス、電子ビームプロセス、分子ビームエピタキシ(MBE)プロセス、抵抗蒸発プロセス、フラッシュ蒸発プロセス、または他の蒸発プロセスを含んでもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、蒸発プロセスの間、原材料は、蒸発され、原材料の種を含む、蒸気を形成する。例えば、原材料は、例えば、るつぼ内において、直接または間接的に、原材料を加熱することによって、蒸発されてもよい。いくつかの実施形態では、原材料は、原材料を通して電気を提供することによって、蒸発されてもよい。いくつかの実施形態では、原材料は、真空または部分的真空内で蒸発されてもよい。いくつかの実施形態では、原材料は、導波管と同一チャンバ内で蒸発される。いくつかの他の実施形態では、原材料は、第2の異なるチャンバ内で蒸発され、次いで、導波管を収容する反応チャンバの中に流動されてもよい。いくつかの実施形態では、原材料は、反応チャンバとガス連通するコンテナ内に貯蔵される、気相材料である。
【0119】
いくつかの実施形態では、原材料は、炭素またはシリコンを含んでもよい。例えば、原材料は、グラファイト、非晶質炭素、ナノカーボン、または他の炭素の同素体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、原材料は、粉末を含んでもよい。いくつかの実施形態では、シリコン原材料は、シランを含んでもよく、例えば、CVDまたはALDによって、基板上に堆積されてもよい。
【0120】
再び図11を参照すると、少なくとも1つの導波管の少なくとも第1の表面が、所望の持続時間にわたって、原材料の種を含む、蒸気と接触される。いくつかの実施形態では、持続時間は、堆積される薄膜の所望の厚さに基づいて、選択されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの導波管の少なくとも第1の表面と原材料の種を含む蒸気とを接触させることは、本明細書に議論されるように、所望の表面をパルスとして接触させることを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管は、薄膜の堆積の間、蒸気に持続的に暴露されてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、ブロック1420において堆積された薄膜は、約10nmを上回る、約50nmを上回る、100mを上回る、または約500nmを上回る厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、薄膜は、波長300~850nm(可視範囲)を有する入射光の少なくとも80%、入射光の少なくとも90%、入射光の少なくとも95%、または入射光の少なくとも96%、97%、98%、99%、またはより高い割合を吸収してもよい。
【0122】
いくつかの実施形態では、プロセス1400は、ブロック1430において、随意の堆積後処理を含んでもよい。いくつかの実施形態では、随意の堆積後処理は、ブロック1420において堆積された薄膜の光学吸収を増加させるように構成される、処理プロセスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、随意の堆積後処理は、ブロック1420において堆積された薄膜の耐久性または硬度を増加させるように構成される、処理プロセスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、随意の堆積後処理は、焼鈍プロセスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、随意の堆積後処理プロセスは、エッチングプロセスを含んでもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、堆積後処理は、堆積された薄膜の物理的構造を改変し、薄膜の吸光性質を増加させる、プロセスであってもよい。例えば、堆積された薄膜は、シリコンから形成されてもよく、堆積後処理は、シリコン膜の表面を修正し、膜をブラックシリコンに変換してもよく、これは、光を高度に吸収する。シリコン膜の表面を修正するための好適なプロセスの実施例は、反応性イオンエッチング、電気化学エッチング、ステインエッチング、金属支援化学エッチング、およびレーザ処理等のエッチングまたは材料除去プロセスを含む。エッチング化学物質の実施例は、硝酸銅、亜リン酸、フッ化水素、および水の混合物を含む。材料除去プロセスは、シリコン材料の柱を形成し得、これは、ひいては、高度に吸光性の表面を形成することを理解されたい。
【0124】
前述の明細書では、種々の具体的実施形態が、説明されている。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなく、そこに成され得ることは、明白となるであろう。例えば、有利には、導波管に適用されるが、本明細書に開示される吸光体および方法は、吸光構造を任意の基板上に提供するために利用されてもよいことを理解されたい。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証的意味であると見なされるべきである。
【0125】
実際、本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されないことを理解されたい。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。
【0126】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一実施形態における組み合わせにおいて実装されてもよい。逆に、単一実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されてもよい。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されてもよく、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
【0127】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを示唆することを意図されない。用語「~を備える」、「~を含む」、「~を有する」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で実施されること、または連続的順序で実施されること、または全ての図示される動作が実施されることの必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれることができる。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施されることができる。加えて、動作は、他の実施形態において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0128】
故に、請求項は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
【外国語明細書】