(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186857
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 333Z
A63F7/02 326Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169706
(22)【出願日】2022-10-24
(62)【分割の表示】P 2018187996の分割
【原出願日】2018-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100188086
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 五郎
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 一輝
(72)【発明者】
【氏名】廣田 誠
(72)【発明者】
【氏名】藤本 篤
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 尚弘
(72)【発明者】
【氏名】谷口 尚央
(72)【発明者】
【氏名】加藤 靖生
(57)【要約】
【課題】遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】所定回数の大当たりが発生する毎に必ず特別図柄の大当たり確率を低確率状態にする所謂リミット機能を有するパチンコ機10において、遊技者にとって不利な大当たり種別の当選回数がリミット回数に近づく程、「設定示唆演出」に当選し易いように構成されている。また、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選している状況において、改めて大当たりに当選することで、「設定示唆演出」の実行抽選の当選確率、及び、該「設定示唆演出」におけるパチンコ機10の確率設定値の内容がより具体的に示唆され易いように構成されている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の第1遊技状態と、
該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態と、を発生可能であり、
所定条件の成立に基づいて判定情報を取得する判定情報取得手段と、
該判定情報取得手段により取得された前記判定情報を判定する判定手段と、
該判定手段によって所定の抽選結果が導出されることに基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態を発生する特別遊技発生手段と、を備えた遊技機において、
前記所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第1遊技状態へ移行する第1移行手段と、
前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第2遊技状態へ移行する第2移行手段と、
前記所定の抽選結果が導出された導出回数を計数する計数手段と、
該計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、該計数手段の計数結果を更新する計数更新手段と、
遊技機に関する遊技機情報を示唆する遊技機情報示唆手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段と、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達した場合には、前記所定の抽選結果として、前記第2抽選結果以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段と、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記到達時判定手段によって前記第2抽選結果以外の抽選結果が導出されたことによって移行された前記第1遊技状態中に前記所定の抽選結果が導出された場合に、それ以前より前記遊技機情報を導出し易くする導出易化手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、所定の始動条件の成立に基づいて当たり等の抽選が行われ、例えば、当たりに当選した場合には、所定の獲得条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技媒体を払い出す遊技機がある。
【0003】
この遊技機では、少なくとも、所定の第1遊技状態(例えば、特別図柄の低確率状態)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、特別図柄の高確率状態)とを発生可能に構成され、所定回数の当たりが発生するまでは、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第2遊技状態へ遷移可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に到達する場合に、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第1遊技状態へ遷移する機能(所謂、リミッタ機能)を有するものもある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような遊技機に対して、遊技の興趣を向上して、遊技者の遊技意欲の増進を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態と、を発生可能であり、所定条件の成立に基づいて判定情報を取得する判定情報取得手段と、該判定情報取得手段により取得された前記判定情報を判定する判定手段と、該判定手段によって所定の抽選結果が導出されることに基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態を発生する特別遊技発生手段と、を備えており、前記所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第1遊技状態へ移行する第1移行手段と、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第2遊技状態へ移行する第2移行手段と、前記所定の抽選結果が導出された導出回数を計数する計数手段と、該計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、該計数手段の計数結果を更新する計数更新手段と、遊技機に関する遊技機情報を示唆する遊技機情報示唆手段と、を備え、前記判定手段は、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段と、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達した場合には、前記所定の抽選結果として、前記第2抽選結果以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段と、を備え、前記遊技機情報示唆手段は、前記到達時判定手段によって前記第2抽選結果以外の抽選結果が導出されたことによって移行された前記第1遊技状態中に前記所定の抽選結果が導出された場合に、それ以前より前記遊技機情報を導出し易くする導出易化手段、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の遊技機によれば、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態と、を発生可能であり、所定条件の成立に基づいて判定情報を取得する判定情報取得手段と、該判定情報取得手段により取得された前記判定情報を判定する判定手段と、該判定手段によって所定の抽選結果が導出されることに基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態を発生する特別遊技発生手段と、を備えており、前記所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第1遊技状態へ移行する第1移行手段と、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第2遊技状態へ移行する第2移行手段と、前記所定の抽選結果が導出された導出回数を計数する計数手段と、該計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、該計数手段の計数結果を更新する計数更新手段と、遊技機に関する遊技機情報を示唆する遊技機情報示唆手段と、を備え、前記判定手段は、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段と、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達した場合には、前記所定の抽選結果として、前記第2抽選結果以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段と、を備え、前記遊技機情報示唆手段は、前記到達時判定手段によって前記第2抽選結果以外の抽選結果が導出されたことによって移行された前記第1遊技状態中に前記所定の抽選結果が導出された場合に、それ以前より前記遊技機情報を導出し易くする導出易化手段、を備えている。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
【
図4】(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
【
図5】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】各種カウンタ、各保留球格納エリア、保留球実行エリアの構成を模式的に示した図である。
【
図7】大当たり乱数テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図8】特
図1大当たり種別テーブルを模式的に示した図である。
【
図9】特
図2大当たり種別テーブルを模式的に示した図である。
【
図10】パチンコ機におけるゲームフローを模式的に示した図である。
【
図11】保留数テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図12】(a)は、停止パターンテーブルのAテーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、停止パターンテーブルのBテーブルの一例を模式的に示した図であり、(c)は、停止パターンテーブルのCテーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図13】(a)は、特
図1ハズレ用変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、特
図1大当たり用変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図14】(a)は、特
図2ハズレ用変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、特
図2大当たり用変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図15】大当たり開放テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図16】主に音声ランプ制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図17】設定示唆抽選テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図18】示唆内容抽選テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図19】保有情報格納エリアおよび実行情報格納エリアの構成を模式的に示した図である。
【
図20】主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
【
図21】主制御装置内のMPUにより実行される設定変更処理を示すフローチャートである。
【
図22】主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【
図23】主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【
図24】主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
【
図25】主制御装置内のMPUにより実行される特図変動処理を示すフローチャートである。
【
図26】主制御装置内のMPUにより実行される変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図27】主制御装置内のMPUにより実行されるリミット処理を示すフローチャートである。
【
図28】主制御装置内のMPUにより実行される当たり処理を示すフローチャートである。
【
図29】主制御装置内のMPUにより実行される大入賞口開閉制御処理を示すフローチャートである。
【
図30】主制御装置内のMPUにより実行される開放中処理を示すフローチャートである。
【
図31】主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。
【
図32】主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
【
図33】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
【
図34】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【
図35】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示すフローチャートである。
【
図36】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たりコマンド処理を示すフローチャートである。
【
図37】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される設定示唆抽選処理を示すフローチャートである。
【
図38】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり演出処理を示すフローチャートである。
【
図39】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動演出処理を示すフローチャートである。
【
図40】「設定示唆演出」の実行タイミングとして「ラウンド一致」が選定された場合を示した図であって、(a)は、第3図柄表示装置における変動演出において大当たり結果が導出された状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から大当たり遊技が開始されて5ラウンド目が行われている状態を示した図であり、(c)は、(b)の状態から大当たり遊技が進行して6ラウンド目において「設定示唆演出」が実行されている状態を示した図であり、(d)は、(c)の状態から大当たり遊技が進行して7ラウンド目が行われている状態を示した図である。
【
図41】「設定示唆演出」の実行タイミングとして「他ラウンド」が選定された場合を示した図であって、(a)は、第3図柄表示装置における変動演出において大当たり結果が導出された状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から大当たり遊技が開始されて4ラウンド目が行われている状態を示した図であり、(c)は、(b)の状態から大当たり遊技が進行して5ラウンド目において「設定示唆演出」が実行されている状態を示した図であり、(d)は、(c)の状態から大当たり遊技が進行して6ラウンド目が行われてる状態を示した図である。
【
図42】「設定示唆演出」の実行タイミングとして「ラウンド一致」が選定された場合を示した図であって、(a)は、第3図柄表示装置における変動演出において大当たり結果が導出された状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から大当たり遊技が開始されて5ラウンド目が行われている状態を示した図であり、(c)は、(b)の状態から大当たり遊技が進行して6ラウンド目において「設定示唆演出」が実行されている状態を示した図であり、(d)は、(c)の状態から大当たり遊技が進行して7ラウンド目が行われている状態を示した図である。
【
図43】(a)は、第2実施形態の特
図1大当たり乱数テーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、第2実施形態の特
図2大当たり乱数テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図44】第3実施形態の特
図1大当たり種別テーブルを模式的に示した図である。
【
図45】第3実施形態の音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり演出処理を示すフローチャートである。
【
図46】第4実施形態の音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり演出処理を示すフローチャートである。
【
図47】第4実施形態の「設定示唆演出」の実行タイミングとして「ラウンド一致」が選定された場合を示した図であって、(a)は、第4実施形態の第3図柄表示装置における変動演出において大当たり結果が導出された状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から大当たり遊技が開始されて1ラウンド目が始まることを示す「ラウンド開始表示」が表示された状態を示した図であり、(c)は、(b)の状態から1ラウンド目が行われている状態を示した図であり、(d)は、(c)の状態から大当たり遊技が進行して6ラウンド目が始まることを示す「ラウンド開始表示」が表示された状態を示した図であり、(e)は、(d)の状態から6ラウンド目が行われて、該6ラウンド目において「設定示唆演出」が実行されている状態を示した図であり、(f)は、(e)の状態から7ラウンド目が始まることを示す「ラウンド開始表示」が表示された状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1~
図42を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、
図2はパチンコ機10の背面図であり、
図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
【0011】
パチンコ機10は、
図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
【0012】
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64a,64b,65a等を有する遊技盤13(
図3参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(
図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
【0013】
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。なお、パチンコ機10には、内枠12及び前面枠14のいずれかが開錠されて開放された(扉が開放された)ことを検出する扉開放スイッチ(図示せず)が設けられている。
【0014】
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
【0015】
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(
図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
【0016】
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(
図3参照)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、変動演出の一態様である所謂スーパーリーチでの演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
【0017】
変動演出とは、第3図柄表示装置81にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(後述の第1始動口64a又は第2始動口64b。
図3参照。)へ入球(始動入賞)したことを契機として実行され、図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動表示された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該始動入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。
【0018】
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動演出や、変動演出中に実行されるリーチ演出などの、各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
【0019】
ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や、第3図柄が遊技者に視認不能に高速に変動表示される高速変動中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
【0020】
また、第3図柄表示装置81にて行われる変動演出において後述する「ノーマルリーチ」の演出要素が開始された場合に、「ノーマルリーチ」の演出要素から、同じく後述する「スーパーリーチ」の演出要素に発展されるときは、「ノーマルリーチ」の演出要素中に「スーパーリーチ」の演出要素の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている。
【0021】
選択画面では、「スーパーリーチ」の演出要素として選択可能な複数の演出要素候補が表示され、演出要素候補のうち1つが選択された状態となっている。その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作されると、選択された演出要素候補が変更される。そして、「スーパーリーチ」の演出要素へ発展するとき(即ち、選択画面終了時)に選択されていた演出要素候補に基づいて、「スーパーリーチ」の演出要素の内容が決定され、その内容に従って「スーパーリーチ」の演出要素が第3図柄表示装置81にて実行される。
【0022】
なお、本実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、「スーパーリーチ」の演出要素が選択されたりしてもよい。
【0023】
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
【0024】
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(
図3参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
【0025】
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
【0026】
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
【0027】
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
【0028】
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。球発射ユニット112aにおける球の発射間隔は、約0.6秒と定められている。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51a及び打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
【0029】
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
【0030】
次に、
図2に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
【0031】
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
【0032】
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
【0033】
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
【0034】
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(
図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
【0035】
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(
図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。
【0036】
主制御装置110を構成する主基板上には、ホール関係者等が、設定された確率設定値を変更する場合や設定されている確率設定値を確認する場合に使用される設定キー501と、設定変更中に操作されることにより確率設定値を更新する場合に使用される設定変更スイッチ502と、パチンコ機10(主制御装置110)を初期化したい場合、若しくは、設定変更中に確率設定値を確定(決定)する場合に使用されるRAM消去スイッチ503と、確率設定値を表示可能な確率表示装置504とが設けられている。
【0037】
この設定キー501と設定変更スイッチ502とRAM消去スイッチ503とは、基板ボックス100に設けられた孔から主基板より突出して設けられ、基板ボックス100を開封しなくても、ホール関係者等によって操作可能になっている。一方、確率表示装置504は、基板ボックス100によって被覆された主基板上に設けられている。
【0038】
設定キー501は、ホール関係者等によって管理される専用の鍵を設定キー501に設けられた鍵穴に挿入することによって、「OFF」で示されたオフ側と「ON」で示されたオン側との2つの位置の間を回動可能に構成されている。設定キー501は、オフ側に位置している場合にオフ状態となり、オン側に位置している場合にオン状態となり、一度、各状態に回動操作された場合、改めて管理者等によって回動操作されない限り、それぞれの状態が維持されるように構成されている。
【0039】
設定変更スイッチ502は、確率設定値の変更時(即ち、後述する「設定変更モード」)に操作されることにより、確率設定値を更新するためのスイッチである。設定変更スイッチ502は、通常オフ信号を出力し、押下操作されることによってオン信号を出力する。
【0040】
RAM消去スイッチ503は、パチンコ機10の電源投入時に操作されることにより、パチンコ機10に記憶されるバックアップデータを消去(初期状態)等するためのスイッチである。また、このRAM消去スイッチ503は、確率設定値の変更時(即ち、後述する「設定変更モード」)において、確率設定値の更新を終了(即ち、「設定変更モード」を終了)する場合に使用される。
【0041】
第1実施形態では、パチンコ機10の電源投入時(即ち、電源スイッチオン時)にこのRAM消去スイッチ503が押下されていた場合、設定キー501がオフ状態であることを条件に、主制御装置110へバックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号を出力する。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてもバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
【0042】
また、MPU201は、確率設定値の更新可能状態(即ち、後述する「設定変更モード」)において、RAM消去スイッチ503が押下された場合、確率設定値の更新を終了させることを認識し、確率設定値の更新可能状態を終了して、通常の遊技状態へと移行する。
【0043】
確率表示装置504は、確率設定値の確認時(即ち、後述する「設定確認モード」)や確率設定値の変更時(即ち、後述する「設定変更モード」)において、確率設定値が表示されるように構成されている。この確率表示装置504は、通常の状態(例えば、遊技可能状態や電源オフ時)では消灯して、確率設定値が非表示となっている一方、確率設定値を表示すべき状態(即ち、後述する「設定変更モード」や「設定確認モード」)において、現在の確率設定値が点灯して表示される。
【0044】
ここで、第1実施形態のパチンコ機10における電源立ち上げ時の立ち上げモードについて説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、該パチンコ機10の電源がオンされたときに、RAM消去スイッチ503と、設定キー501との状態に応じて、パチンコ機10の立ち上げモードを決定するように構成されている。
【0045】
パチンコ機10の立ち上げモードには、「RAMクリアモード」と、「設定変更モード」と、「設定確認モード」と、「通常モード」との4モードが用意されている。
【0046】
「RAMクリアモード」は、パチンコ機10を初期状態に戻すためにRAM203に格納されたデータを消去(クリア)するためのモードである。
【0047】
「設定変更モード」は、設定された確率設定値を変更するためのモードである。この「設定変更モード」でパチンコ機10が立ち上った場合、確率表示装置504に現在の確率設定値が表示されるとともに、設定変更スイッチ502が操作される毎に確率設定値が更新される。
【0048】
第1実施形態のパチンコ機10では、この「設定変更モード」中に設定変更スイッチ502が押下操作されることにより、パチンコ機10における確率設定値が更新され、確率設定値の更新に伴って確率表示装置504の表示も変更される。
【0049】
「設定確認モード」は、設定されている確率設定値を確認するためのモードである。この「設定確認モード」でパチンコ機10が立ち上った場合、確率表示装置504に現在の確率設定値が表示される。
【0050】
「通常モード」は、これら「RAMクリアモード」、「設定変更モード」、「設定確認モード」以外の立ち上げモードであり、電源断の発生情報がRAM203に格納されていない場合や、RAM203に格納されたデータが壊れている場合を除いて、RAM203に格納されたデータを保持したまま、種々の立ち上げ処理を実行して電源断前の状態からパチンコ機10の遊技を再開するためのモードである。
【0051】
第1実施形態では、RAM消去スイッチ503をオンすることなく(即ち、オフ状態のまま)、また、設定キー501をオフ状態にしたまま、パチンコ機10の電源をオンにすると、パチンコ機10は「通常モード」で立ち上がる。また、設定キー501をオフ状態のままRAM消去スイッチ503をオンにしてパチンコ機10の電源をオンにすると、パチンコ機10は「RAMクリアモード」で立ち上がる。
【0052】
一方、設定キー501をオン状態にしつつ、RAM消去スイッチ503をオンにして、パチンコ機10の電源をオンにすると、パチンコ機10は「設定変更モード」で立ち上がる。また、設定キー501をオン状態にして、RAM消去スイッチ503をオフしたままパチンコ機10の電源をオンにすると、パチンコ機10は「設定確認モード」で立ち上がる。
【0053】
なお、「RAMクリアモード」においてデータが消去された場合や、「設定変更モード」において確率設定値の更新を終了して設定キー501がオフ状態になった場合、或いは、「設定確認モード」において設定キー501がオフ状態になった場合に、各モードを終了させて「通常モード」へ移行し、パチンコ機10の遊技が開始可能な状態となる。
【0054】
このように、パチンコ機10の電源をオンする場合に、設定キー501をオフ状態にしておけば、ホール関係者等は、RAM消去スイッチ503をオンするか否かに応じて、パチンコ機10の立ち上げモードとして、確率設定値に関係しない立ち上げモードである「RAMクリアモード」とするか「通常モード」とするかを選択できる。
【0055】
一方、パチンコ機10の電源をオンする場合に、設定キー501をオン状態にしておけば、ホール関係者等は、RAM消去スイッチ503をオンするか否かに応じて、パチンコ機10の立ち上げモードとして、確率設定値に関係のある「設定変更モード」とするか「設定確認モード」とするかを選択できる。
【0056】
即ち、設定キー501をオフ状態とするかオン状態とするかに応じて、確率設定値に関係のない立ち上げモードと、確率設定値に関係のある立ち上げモードとを選択できる。そして、確率設定値に関係のない立ち上げモードとするときには、RAM消去スイッチ503をオンするか否かに応じて、その立ち上げモードを「RAMクリアモード」とするか「通常モード」とするかを選択できる一方、確率設定値に関係のある立ち上げモードとするときには、RAM消去スイッチ503をオンするか否かに応じて、立ち上げモードを「設定変更モード」とするか「設定確認モード」とするかを選択できる。
【0057】
ここで、確率設定値の変更が行われた場合、遊技における大当たり確率が変更されるので、電源断前の遊技状態を引き継いで遊技を継続すると、例えば、保留中の変動演出における大当たり確率と、これから取得される変動演出の大当たり確率との齟齬が生じてしまったり、後述するリミット回数として計数される大当たりが、それぞれ大当たり確率が異なるなかで積算されてしまう等、パチンコ機10が所定の遊技性能を発揮できないおそれがある。このため、パチンコ機10は、「設定変更モード」で確率設定値の変更を行うと、RAM203に格納されたデータを消去(クリア)する。一方、「設定確認モード」は、確率設定値を確認するだけの立ち上げモードであるため、電源断前の遊技状態を引き継いで遊技を継続できるよう、RAM203に格納されたデータを保持させる(クリアしない)。
【0058】
そこで、第1実施形態では、RAM203のデータがクリアされる「設定変更モード」にてパチンコ機10を立ち上げる場合は、設定キー501をオン状態にしつつRAM消去スイッチ503をオンにしてパチンコ機10の電源をオンすることとし、RAM203のデータがクリアされない「設定確認モード」にてパチンコ機10を立ち上げる場合は、設定キー501をオン状態にしつつRAM消去スイッチ503をオフのままパチンコ機10の電源をオンすることとした。
【0059】
このように、確率設定値に関係する「設定変更モード」又は「設定確認モード」でパチンコ機10を立ち上げる場合は、パチンコ機10の電源を入れる前に、設定キー501をオン状態にしておく。そして、RAM203に格納されたデータをクリアする「RAMクリアモード」又は「設定変更モード」でパチンコ機10を立ち上げる場合は、RAM消去スイッチ503を押しながら(オンしながら)、パチンコ機10の電源をオンする。つまり、ホール関係者等は、各々の立ち上げモードの意味合いを理解すれば、これから立ち上げる立ち上げモードに必要なパチンコ機10への操作として、どのような操作が必要かを容易に理解できる。
【0060】
また、「設定変更モード」又は「設定確認モード」でパチンコ機10を立ち上げるためには、設定キー501に挿入可能な専用の鍵が必要となり、その鍵はホールが管理することとなる。よって、遊技者が勝手に確率設定値を確認して大当たり確率が高確率のパチンコ機10を探したり、勝手に確率設定値を高確率(高設定)に変更したりすることを抑制できる。また、RAM消去スイッチ503は、通常遊技者が容易に触れない位置に設けられているので、その点においても、遊技者が勝手に確率設定値を高確率に変更することを抑制できる。
【0061】
さらに、同時に操作すべきスイッチ等は「設定変更モード」で立ち上げる場合であっても2つであり、両手で十分に操作可能であるので、操作性がよい。以上より、ホール関係者等は、RAM消去スイッチ503と設定キー501とのオン/オフを使い分けることで、パチンコ機10の立ち上げモードを容易に且つ簡単に選択できる。
【0062】
なお、「設定変更モード」又は「設定確認モード」で立ち上げる場合、パチンコ機10の電源がオンされるときに、内枠12が開放されているか否かを検知する扉開放スイッチ(図示せず)がオンであること、即ち、内枠12が開放されていることを条件としてもよい。
【0063】
これは、確率設定値の変更や確認を行うためには、パチンコ機10の背面側にある確率表示装置504に表示された確率設定値をホール関係者等が視認する必要があるため、内枠12が開放されている必要があるためである。そこで、設定キー501がオン状態にあるにもかかわらず内枠12が開放されずにパチンコ機10の電源がオンされた場合は、「設定変更モード」又は「設定確認モード」で立ち上げず、設定キー501がオフ状態の場合と同様に、RAM消去スイッチ503がオフであれば「通常モード」でパチンコ機10を立ち上げ、RAM消去スイッチ503がオンであれば「RAMクリアモード」でパチンコ機10を立ち上げる。これにより、設定キー501がオン状態のまま内枠12が閉じられているにも関わらず、パチンコ機10の電源がオンされて、「設定変更モード」又は「設定確認モード」で立ち上がり、パチンコ機10において遊技が開始されないことを抑制できる。また、内枠12を開放するためには、ホール側が管理する専用の鍵が必要となる。よって、遊技者が勝手に内枠12を開放して、確率設定値を確認して大当たり確率が高確率のパチンコ機10を探したり、勝手に確率設定値を高確率に変更したりすることを抑制できる。
【0064】
次いで、
図3に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1始動口64a、第2始動口64b、普通電役64c、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成される。
【0065】
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(
図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
【0066】
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(
図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(
図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(
図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
【0067】
一般入賞口63、第1始動口64a、第2始動口64b、普通電役64c、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(
図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。
【0068】
遊技盤13の遊技領域には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。
【0069】
また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口64aへの入球(始動入賞)又は第2始動口64bへの入球(始動入賞)をトリガとして、特別図柄表示装置37における第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示と同期させながら、第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして普通図柄を変動表示(以下、普通図柄の変動表示を「可変表示」という)するLEDで構成される普通図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
【0070】
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(
図5参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列(図示せず)が表示される。
【0071】
各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。パチンコ機10では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が特別図柄表示装置37で行われるのに対して、その特別図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が第3図柄表示装置81にて行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
【0072】
ここで、
図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。
図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、
図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、
図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
【0073】
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
【0074】
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(
図5参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が有効ラインL1上に揃う変動表示(変動演出)が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が有効ラインL1上に揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が有効ラインL1上に揃う変動表示が行われる。
【0075】
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄(主図柄)を変動表示(変動演出)する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。また、第3図柄表示装置81の表示画面における下底辺側中央部分には、保留球数を表示するコクピット表示領域Dbが設けられている。
【0076】
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1~Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に図柄列Z3が表示される。
【0077】
各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
【0078】
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1~Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
【0079】
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、更に左右方向に3つの小領域Ds1~Ds3に等区分されている。小領域Ds1~Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1~Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動表示の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。コクピット表示領域Dbは、第1始動口64a及び第2始動口64bに入球された球のうち変動表示(変動演出)が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。
【0080】
実際の表示画面では、
図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左の小領域Ds1、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
【0081】
一方、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が第1始動口64aへ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第1特別図柄に対応する第1保留図柄表示領域Db1の特
図1第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dおいても示される。特
図1第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dには、第1特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特
図1第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dに表示された保留図柄の表示数に応じて、第1特別図柄の変動演出の保留球数が表示される。
【0082】
即ち、特
図1第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dにおいて、特
図1第1保留図柄表示領域Db1aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特
図1第1・第2保留図柄表示領域Db1a,Db1bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特
図1第1~第3保留図柄表示領域Db1a~Db1cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特
図1第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特
図1第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dに保留図柄が表示されていない場合は、第1特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
【0083】
また、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が第2始動口64bへ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第2特別図柄に対応する第2保留図柄表示領域Db2の特
図2第1~第4保留図柄表示領域Db2a~Db2dおいても示される。特
図2第1~第4保留図柄表示領域Db2a~Db2dには、第2特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特
図2第1~第4保留図柄表示領域Db2a~Db2dに表示された保留図柄の表示数に応じて、第2特別図柄の変動演出の保留球数が表示される。
【0084】
即ち、特
図2第1~第4保留図柄表示領域Db2a~Db2dにおいて、特
図2第1保留図柄表示領域Db2aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特
図2第1・第2保留図柄表示領域Db2a,Db2bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特
図2第1~第3保留図柄表示領域Db2a~Db2cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特
図2第1~第4保留図柄表示領域Db2a~Db2dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特
図2第1~第4保留図柄表示領域Db2a~Db2dに保留図柄が表示されていない場合は、第2特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
【0085】
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とが同時に実行されず、いずれか一方の抽選遊技のみが実行されるように構成されている。また、第1実施形態のパチンコ機10では、実行中のいずれかの抽選遊技が終了した場合に、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とがそれぞれ記憶されている場合には、第2特別図柄の第2抽選遊技を第1特別図柄の第1抽選遊技より優先的に実行(所謂、特
図2優先変動)するように構成されている。なお、入賞した順で抽選遊技を実行(所謂、入賞順変動)してもよいし、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とを同時に実行(所謂、特
図1特
図2同時変動)させるように構成してもよい。
【0086】
コクピット表示領域Dbの中央部分には、主表示領域Dmで変動演出が実行されていることを示す実行図柄が表示される実行図柄表示領域Db0が設けられている。この実行図柄表示領域Db0は、コクピット表示領域Dbの中央部分、即ち、特
図1第1保留図柄表示領域Db1aの右側であって、特
図2第1保留図柄表示領域Db2aの左側に設けられ、各保留図柄表示領域Db1a~Db1d,Db2a~Db2dに表示される各保留図柄より大きい実行図柄が表示されるように構成されている。また、この実行図柄表示領域Db0は、特
図1第1保留図柄表示領域Db1a又は特
図2第1保留図柄表示領域Db2aに表示されていた保留図柄が移動(シフト)して実行図柄として表示される。
【0087】
実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、変動演出が終了すると消去され、その実行図柄の消去に伴って、表示されている保留図柄が下位側(第1特別図柄であれば右側、第2特別図柄であれば左側)の保留図柄として移動して表示される。具体的には、例えば、第2特別図柄の保留図柄が存在しない状況であって第1特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特
図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた保留図柄が、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特
図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示されていた保留図柄が、特
図1第1保留図柄表示領域Db1aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特
図1第3保留図柄表示領域Db1cに表示されていた保留図柄が、特
図1第2保留図柄表示領域Db1bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特
図1第4保留図柄表示領域Db1dに表示されていた保留図柄が、特
図1第3保留図柄表示領域Db1cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
【0088】
また、例えば、第2特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特
図2第1保留図柄表示領域Db2aに表示されていた保留図柄が、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特
図2第2保留図柄表示領域Db2bに表示されていた保留図柄が、特
図2第1保留図柄表示領域Db2aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特
図2第3保留図柄表示領域Db2cに表示されていた保留図柄が、特
図2第2保留図柄表示領域Db2bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特
図2第4保留図柄表示領域Db2dに表示されていた保留図柄が、特
図2第3保留図柄表示領域Db2cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
【0089】
なお、第1実施形態においては、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球に基づく変動演出の保留球数は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、それぞれ3回以下、又は、それぞれ5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、コクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させなくてもよい。さらに、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを第1特別図柄および第2特別図柄の最大保留数分の4つそれぞれ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
【0090】
図3に戻って、説明を続ける。普通図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(普通図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、普通図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第1実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第2始動口64bの正面視上方の普通電役64cが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
【0091】
スルーゲート67の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した特別図柄表示装置37により表示されると共に普通図柄保留ランプ84においても点灯表示される。普通図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。そして、普通図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
【0092】
なお、普通図柄の可変表示は、第1実施形態のように、普通図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、特別図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、普通図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の通過は、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、普通図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
【0093】
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1始動口64aが配設されている。この第1始動口64aへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1始動口スイッチのオンに起因して後述する主制御装置110(
図5参照)で第1特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が特別図柄表示装置37の特別LED群37bの上方LED群37b1で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出が実行される。なお、第1始動口64aは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
【0094】
遊技盤13の正面視右側側方であって、後述するスルーゲート67の下方には、普通電役64cが開放状態である場合にのみ球が入球し得る第2始動口64bが配設されている。この第2始動口64bへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2始動口スイッチのオンに起因して後述する主制御装置110(
図5参照)で第2特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が特別図柄表示装置37の特別LED群37bの下方LED群37b2で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出が実行される。なお、第2始動口64bは、球が入球すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
【0095】
上述したように、第2始動口64bの正面視上方には、その第2始動口64bへ球が入球する開口部を覆う1枚の板状の普通電役64cが設けられている。普通電役64cは、遊技盤13の盤面から突出することで第2始動口64bへの開口部を覆う閉鎖状態と、遊技盤13の盤面に没入することで第2始動口64bの開口部を開放する開放状態とに変位可能に構成されている。第2始動口64bは、通常時において、普通電役64cが盤面より突出した閉鎖状態となっており、球が第2始動口64bへ入球できない(または、入球し難い)状態となっている。
【0096】
一方、普通図柄表示装置83における可変表示が「○」の図柄で停止すると、第2始動口64bの普通電役64cが所定時間だけ作動される。普通電役64cが作動されている間、普通電役64cが盤面から突出した状態から、盤面に没入した状態となり、第2始動口64bが開放状態となる。第2始動口64bが開放状態になると、球が第2始動口64bへ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。つまり、普通図柄表示装置83における可変表示の結果として「○」の図柄で停止して当たりとなり、第2始動口64bが開放状態とすることで、第2始動口64bへ球が入球して大当たり抽選が多く行える状態とすることができる。
【0097】
第1始動口64aの下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の大入賞口(大開放口、特定入賞口とも言う)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう特別図柄表示装置37の特別LED群37bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、予め定められた所定回数(16回又は4回)、通常時には閉鎖されている大入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
【0098】
この大入賞口65aは、開放された場合に、開放から所定時間が経過、又は、所定数の入賞を検知すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その大入賞口65aが開放される。この大入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、球を該大入賞口65aに入賞させることで、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
【0099】
可変入賞装置65は、具体的には、大入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大入賞口ソレノイド(図示せず)とを備えている。大入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大入賞口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が大入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
【0100】
可変入賞装置65は、左打ち遊技および右打ち遊技のいずれでも球が大入賞口65aへ入賞し得る位置に配設されており、大入賞口65aへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる大入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その大入賞口スイッチがオンとなった回数をカウントすることで、大入賞口65aに入賞した球の数がカウントされ、大入賞口65aの閉鎖条件が判断される。また、大入賞口スイッチのオンに起因して、15個の球が賞球として払い出される。そして、大当たりにより大入賞口65aの開状態と閉状態とが繰り返されることによって、多くの球が大入賞口65aに入賞し易い状態となり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。この状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態である。
【0101】
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口と、その特定入賞口とは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、特別図柄表示装置37において大当たりに対応した特別LED群37bが点灯した場合に、特定入賞口が所定時間開放され、その特定入賞口の開放中に、球が特定入賞口内へ入賞することを契機として大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
【0102】
可変表示装置ユニット80の正面視右側には、スルーゲート67が設けられている。スルーゲート67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。遊技領域に発射された球が、スルーゲート67を通過すると、貫通孔に設けられたスルーゲートスイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で、普通図柄の当たり抽選が行われる。
【0103】
スルーゲート67を通過した球に対して行われた普通図柄の抽選の結果、当たりと判定された場合には、普通図柄表示装置83における普通図柄の可変表示を経て「○」の図柄が停止表示された後に、第2始動口64bの正面視上方に設けられた普通電役64cが作動する。これにより、第2始動口64bへ球が入球することを困難としている普通電役64cの板が第2始動口64bを閉鎖したした状態から遊技盤13の盤面内に没入可動して、所定時間だけ球が第2始動口64bへ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。
【0104】
遊技領域の正面視右側上部(
図3の右側上部)には、発光手段である複数のLEDで構成された状態LED群37aと特別LED群37bとが設けられた特別図柄表示装置37が配設されている。特別図柄表示装置37は、主制御装置110(
図2参照)で行われる各制御に応じた第1特別図柄(以下、第1特別図柄を「特
図1」と称する場合がある)および第2特別図柄(以下、第2特別図柄を「特
図2」と称する場合がある)の各変動表示(以下、両特別図柄の変動表示を「動的表示」と称する場合がある)がなされると共に、パチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
【0105】
状態LED群37aは、後述する第1始動口64a又は第2始動口64bに入賞(入球)した球のうち、変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たりのラウンド数やエラー表示も、該状態に対応する状態LED群37aの点灯状態により示される。なお、状態LED群37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
【0106】
なお、大当たりにおける「ラウンド」とは、大当たりの賞球個数を区切るために後述する大入賞口65aが開放されてから閉鎖されるまでのことをいい、第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口65aが開放開始されてから「30秒」経過するか、大入賞口65aの開放中に球が10個入賞することで1回の「ラウンド」が実行されるように構成されている。
【0107】
特別LED群37bは、6個のLEDで構成された上方LED群37b1と、同じく6個のLEDで構成された下方LED群37b2との計12個のLEDで構成されている。上方LED群37b1は、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が動的表示される。また、下方LED群37b2は、第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄が動的表示される。
【0108】
具体的には、上方LED群37b1には、遊技盤13の盤面中央に設けられた第1始動口64aへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第1実施形態では、上方LED群37b1の最も上方のLEDから下方のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
【0109】
また、下方LED群37b2には、遊技盤13の右側側方に設けられた第2始動口64bへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第1実施形態では、下方LED群37b2の最も上方のLEDから下方のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
【0110】
いずれのLED群37b1,37b2においても、判定結果がハズレである場合には、最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、該大当たりの種類(種別)に対応した点灯パターンで各LED群が点灯表示される。各LED群の停止パターンの詳細については、後述する。
【0111】
なお、本パチンコ機10では、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。
【0112】
ここで判定される大当たり種別としては、「16ラウンド(以下、単に「R」と称する場合がある)確変大当たり」に対応する「確変A」、「4R確変大当たり」に対応する「確変B」、「4R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確変A」、「4R時短有り大当たり」に対応する「時短A」、「4R時短無し大当たり」に対応する「突通A」、が用意されている(
図8及び
図9参照)。
【0113】
ここで、「16R確変大当たり」に対応する「確変A」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりの後に、各特別図柄の大当たり確率が、次のいずれかの大当たり(以下、「次回大当たり」と称する場合がある)の発生まで「通常遊技状態」と比べて高確率状態となり、かつ、普通図柄の当たり確率も次回大当たりの発生まで「通常遊技状態」と比べて高確率状態となる「確率変動状態」へ移行する大当たりのことである。
【0114】
また、「4R確変大当たり」に対応する「確変B」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、各特別図柄の大当たり確率が次回大当たりの発生まで高確率状態となる一方、普通図柄の当たり確率は各特別図柄の動的表示が100回実行されるまで「確率変動状態」へ移行する大当たりのことである。なお、大当たり種別「確変B」に基づく「確率変動状態」において、各特別図柄の動的表示が100回実行された以降は、後述する「潜伏確率変動状態」となる。
【0115】
さらに、「4R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確変A」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、各特別図柄の大当たり確率が次回大当たりの発生まで高確率状態となる一方、普通図柄の当たり確率は「通常遊技状態」と同等(所謂、「電サポ無し」状態)の低確率状態となる遊技状態(以下、「潜伏確率変動状態」と称する場合がある)へ移行する大当たりのことである。
【0116】
また、「4R時短有り大当たり」に対応する「時短A」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、各特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同等となる低確率状態となる一方、普通図柄の当たり確率が特別図柄の動的表示が100回実行されるまで高確率状態となる遊技状態(以下、「時間短縮状態」と称する場合がある)へ移行する大当たりのことである。
【0117】
さらに、「4R時短無し大当たり」に対応する「突通A」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、各特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同等となる低確率状態となり、かつ、普通図柄の当たり確率も「通常遊技状態」と同等となる低確率状態となる遊技状態(即ち、「通常遊技状態」)へ移行する大当たりのことである。
【0118】
ここで、各遊技状態についてより詳細に説明する。第1実施形態のパチンコ機10において、「通常遊技状態」とは、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」又は「時間短縮状態」でない遊技状態の時をいい、各特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常の状態(即ち、低確率状態)かつ普通電役64cの開放が短時間である状態(所謂、非開放延長状態)をいう。即ち、「通常遊技状態」は、「確率変動状態」および「潜伏確率変動状態」の時より各特別図柄の大当たり確率が低く、また、「確率変動状態」および「時間短縮状態」の時より普通図柄の当たり確率が低い状態であって、普通電役64cの開放時間も短時間であるので、所謂右打ち遊技をした場合に第2始動口64bへ球が入賞し易い遊技状態(以下、第2始動口64bへ球が入賞し易い状態のことを、「入賞補助状態」という場合がある)ではなく、遊技者にとって最も不利な(有利度が低い)遊技状態である。
【0119】
なお、右打ち遊技とは、返しゴム69に当たる勢いで球を発射して、該球を可変表示装置ユニット80の正面視右側を通過させる行為をいい、可変表示装置ユニット80の遊技盤13正面視右側に配置されたスルーゲート67、可変入賞装置65、第2始動口64bに球が入賞し得る。また、左打ち遊技とは、発射した球が可変表示装置ユニット80の正面視左側を通過させる行為をいい、一般入賞口63、第1始動口64a又は可変入賞装置65に球が入賞し得る。以下、右打ち遊技又は左打ち遊技と称した場合は、それぞれ上述した発射態様で球が発射されている状態をいう。
【0120】
また、第1実施形態において、右打ち遊技は「確率変動状態」又は「時間短縮状態」でのみ許容され、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において右打ち遊技された場合には、該右打ち遊技を遊技者に行わせないために、所定の警報機能を有している。具体的には、左打ち遊技が奨励される「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において、遊技盤13正面視右側に配置されたスルーゲート67によって球の通過を検知した場合には、右打ち遊技が実行されていると判別し、音声出力装置226(
図6参照)から警報音を出力するように構成する一方、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」および「時間短縮状態」において、スルーゲート67を球が通過しても、上記警報音を出力しないように構成されている。このように構成することで、右打ち遊技が奨励されていない「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において遊技者による右打ち遊技の実行を抑制することができる。
【0121】
次いで、「時間短縮状態」では、各特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低確率状態となるが、普通図柄の当たり確率がアップし、かつ、普通電役64cの開放時間が長時間となって第2始動口64bへ球を入賞させ易い状態(以下、普通図柄の当たり確率がアップし、かつ、普通電役64cの開放時間が長時間となる機能を、「入賞補助機能」と称する場合がある。また、普通図柄の当たり確率がアップし、かつ、普通電役64cの開放時間が長時間となって第2始動口64bへ球を入賞させ易い状態のことを、「入賞補助機能が作動した状態」と称する場合がある。)となる。即ち、「時間短縮状態」は、特別図柄による大当たりが「通常遊技状態」と同等であるものの、普通図柄による当たりが導出され易く、また、普通電役64cの開放状態が長くなる状態である。よって、「時間短縮状態」では、右打ち遊技により発射された球を第2始動口64bへ入賞させ易いため、特
図2の動的表示を連続的に実行させることが可能となり、該第2始動口64bへの入賞に基づく賞球(例えば、1個/入賞)を得て持ち球の減少を抑えながらの遊技を行うことが可能となる。
【0122】
第1実施形態のパチンコ機10では、「時間短縮状態」は、上述したように、大当たり種別「時短A」(
図8又は
図9参照)の大当たり後に、該大当たり毎に予め定められた規定回数(第1実施形態では、100回)の特別図柄の動的表示が実行されるまで維持される。そして、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後(即ち、「電サポ終了」後)は、「時間短縮状態」から上記「通常遊技状態」に移行するように構成されている(
図10参照)。
【0123】
次いで、「潜伏確率変動状態」では、大当たり終了後に付加価値としてその後の各特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態となる一方、普通図柄の当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低確率状態となる。即ち、「潜伏確率変動状態」は、特別図柄による大当たり結果が導出され易い状態である一方、普通図柄による当たりが「通常遊技状態」と同等となる状態である。よって、「潜伏確率変動状態」では、入賞補助機能が作動しておらず、右打ち遊技を行った場合でも第2始動口64bへ入賞し難いため、遊技者は、「通常遊技状態」と同様、左打ち遊技により第1始動口64aに球を入賞させるように遊技を行う。
【0124】
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別「潜伏確変A」(
図8参照)の大当たり後、或いは、大当たり種別「確変B」の大当たり後の「確率変動状態」において特別図柄の動的表示が100回実行された以降に、「潜伏確率変動状態」に突入する。そして、この「潜伏確率変動状態」は、次回大当たりまで各特別図柄の大当たり確率の高確率状態、及び、普通図柄の当たり確率の低確率状態が維持される。即ち、一旦、「潜伏確率変動状態」に突入した場合は、次の特別図柄による大当たり遊技が発生するまで、該「潜伏確率変動状態」が継続することとなる。さらに、この「潜伏確率変動状態」では、特別図柄の大当たり確率が高確率状態となっているため、第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり遊技(特別遊技状態)が発生し易い状態で遊技を行うことが可能となる。
【0125】
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、この「潜伏確率変動状態」において実行される演出は、「通常遊技状態」と同等の演出を実行するように構成されている。よって、遊技者は、演出内容からは「通常遊技状態」で遊技を行っているのか、「潜伏確率変動状態」で遊技を行っているのか判別できず、いずれの遊技状態で遊技を行っているか否かを推測しながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上できる。
【0126】
次いで、「確率変動状態」では、大当たり終了後に付加価値としてその後の各特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態であるとともに、普通図柄の当たり確率がアップし、かつ、普通電役64cの入賞補助機能が作動した状態となる。即ち、「確率変動状態」は、特別図柄による大当たり結果が導出され易い状態であるとともに、普通図柄による当たり結果が導出され易く、さらに、普通電役64cの開放状態が長くなる状態となる。よって、「確率変動状態」では、入賞補助機能が作動しており、右打ち遊技により発射されたほぼすべての球が第2始動口64bへと入賞するため、特
図2の動的表示を連続的に実行できるとともに、該第2始動口64bへの入賞に基づく賞球(例えば、1個/入賞)を得て持ち球の減少を抑えながら遊技を行うことができ、さらに、特
図2の動的表示に基づく大当たり遊技(特別遊技状態)が発生し易い状態で遊技を行うことが可能となる。
【0127】
第1実施形態のパチンコ機10では、「確率変動状態」は、上述したように、大当たり種別「確変A」又は「確変B」(
図8又は
図9参照)の大当たり後に発生し得て、大当たり種別「確変A」の場合は次回大当たりが発生するまで、大当たり種別「確変B」の場合は規定回数(第1実施形態では、100回)の特別図柄の動的表示が実行されるまで維持される。なお、大当たり種別「確変B」に基づく「確率変動状態」の場合、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後(即ち、「電サポ終了」後)は、「確率変動状態」から「潜伏確率変動状態」に移行するように構成されている(
図10参照)。
【0128】
ここで、各大当たり種別毎の特別LED群37bの表示態様について説明する。第1特別図柄用の上方LED群37b1の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「確変A」に対応する表示パターンは13種類、大当たり種別「確変B」に対応する表示パターンは13種類、大当たり種別「潜伏確変A」に対応する表示パターンは13種類、大当たり種別「時短A」に対応する表示パターンは12種類、大当たり種別「突通A」に対応する表示パターンは12種類、の計64種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、大当たり種別毎に特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が上方LED群37b1の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示が停止されたことを認識することができる一方、大当たり種別「確変A」、「確変B」、「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」のいずれの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
【0129】
また、第2特別図柄用の下方LED群37b2の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「確変A」に対応する表示パターンは32種類、大当たり種別「時短A」に対応する表示パターンは31種類、の計64種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、大当たり種別毎に特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が下方LED群37b2の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示が停止されたことを認識することができる一方、大当たり種別「確変A」又は「時短A」のいずれかの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
【0130】
このように構成することで、特別図柄表示装置37の特別LED群37bの停止表示において各大当たり種別を表示した場合であっても、各停止表示に対応する大当たり種別を全て把握していないければ、当選した大当たり種別を遊技者が認識することが困難となる。よって、例えば、第1特別図柄の抽選において、「潜伏確変A」に当選していた場合であっても、第3図柄表示装置81において仮表示として「突通A」に対応する大当たり結果を表示しつつ、大当たり遊技の終了後も「突通A」と同等の演出を実行することで、いずれの遊技状態か否かを判別し難くすることができる。また、第2特別図柄の抽選において、「確変A」に当選していた場合であっても、第3図柄表示装置81において仮表示として「時短A」に対応する大当たり結果を表示しつつ、大当たり遊技の終了後も「時短A」と同等の演出を実行することで、いずれの遊技状態か否かを判別し難くすることができる。その結果、遊技者にいずれの遊技状態で遊技を行っているか否かを推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
【0131】
なお、普通図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第2始動口64bに付随する後述の普通電役64cが開放される時間や、普通図柄による1回の当たりで普通電役64cが開放される回数を変更するものとしても良い。具体的には、「時間短縮状態」等において、第2始動口64bに付随する普通電役64cが開放される時間を「通常遊技状態」の場合よりも長くしたり、1回の当たりで普通電役64cが開放される回数を「通常遊技状態」の場合よりも多くしたりしてもよい。また、「時間短縮状態」において、普通図柄の当たり確率のアップと、普通電役64cの開放時間の長時間化と、普通電役64cの開放回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
【0132】
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(
図1参照)を通じて視認することができる。
【0133】
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64a,64b,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。また、入賞口63,64a,64b,65aに入球した球は、各入賞口毎に設けられた球の入球を検出するためのスイッチを通過後、その球排出路へと案内される。球排出路へ案内された球は、その案内された球を検出するためのアウトスイッチ(図示せず)を通過後、パチンコ機10が設置された島設備(図示せず)に排出される。
【0134】
なお、遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0135】
次に、
図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図であって、主に、主制御装置110の電気的構成を示すブロック図である。
【0136】
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0137】
MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(
図32参照)が即座に実行される。
【0138】
MPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、特別図柄表示装置37、普通図柄表示装置83、普通図柄保留ランプ84、大入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大入賞口ソレノイド(図示せず)や普通電役64cを駆動するための普通電役ソレノイドなどからなる各種ソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
【0139】
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
【0140】
主制御装置110では、各特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37における動的表示の設定、第3図柄表示装置81における変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203cが設けられている。
【0141】
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、保留数テーブル202c、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202e、大当たり開放テーブル202fを少なくとも格納している。主制御装置110は、RAM203に格納された各種カウンタ等と、ROM202に格納された各種テーブルとによって、上記の主要な制御を実行する。
【0142】
ここで、
図6を参照して、第1実施形態の主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、第3図柄表示装置81の変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、
図7から
図15を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
【0143】
第1実施形態では、大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1ととが用いられる。
【0144】
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(
図23参照)の実行間隔である4ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(
図22参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203cに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1特別図柄に関する4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)からなる第1保留球格納エリア203dと、第2特別図柄に関する4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)からなる第2保留球格納エリア203eとが設けられている。第1保留球格納エリア203dには、第1始動口64aへの入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。また、第2保留球格納エリア203eには、第2始動口64bへの入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
【0145】
ここで、
図7を参照して、第1実施形態における各特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。
図7は、ROM202に記憶される第1特別図柄および第2特別図柄における大当たり抽選で共通的に使用される大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。
【0146】
第1実施形態の大当たり乱数テーブル202aは、各設定値毎にそれぞれ、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」である特別図柄の低確率状態の場合に使用される低確率状態用と、遊技状態が特別図柄の低確率状態より大当たりとなる確率の高い特別図柄の高確率状態である「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」の場合に使用される高確率状態用との2種類ずつに分けられる。
【0147】
そして、各設定値毎に、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たり乱数値の個数が異なって設定されている。また、低確率状態から高確率状態に変位させるために必要となる大当たり乱数値の個数の増加分を、ハズレに対応するハズレ乱数値の個数から補填するように構成されている。このように、遊技状態に応じて大当たり乱数値の個数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
【0148】
図7で示すように、第1実施形態の大当たり乱数テーブル202aでは、設定値が「1」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は50個で、その値「0~49」が、大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における大当たり確率は、50/10000=0.5/100(即ち、0.5%)となるように設定されている。
【0149】
一方で、設定値が「1」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は500個で、その値「0~499」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)における大当たり確率は、500/10000=5/100(即ち、5%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【0150】
よって、設定値が「1」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値以外の残りの9950個で、その値「50~9999」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値以外の残りの9500個で、その値「500~9999」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)におけるハズレ確率は、9950/10000=99.5/100(即ち、99.5%)となるように設定され、各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)におけるハズレ確率は、9500/10000=95/100(即ち、95%)となるように設定されている。
【0151】
次いで、設定値が「2」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は52個で、その値「0~51」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における大当たり確率は、52/10000=0.52/100(即ち、0.52%)となるように設定されている。
【0152】
一方で、設定値が「2」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は520個で、その値「0~519」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)における大当たり確率は、520/10000=5.2/100(即ち、5.2%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【0153】
従って、設定値が「2」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値以外の残りの9948個で、その値「52~9999」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値以外の残りの9480個で、その値「520~9999」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)におけるハズレ確率は、9948/10000=99.48/100(即ち、99.48%)となるように設定され、各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)におけるハズレ確率は、9480/10000=94.8/100(即ち、94.8%)となるように設定されている。
【0154】
よって、大当たり乱数テーブル202aにおける設定値「2」は、設定値「1」と比べて、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.5%→0.52%、高確率状態:5%→5.2%)、設定値「1」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定である。
【0155】
次いで、設定値が「3」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は54個で、その値「0~53」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における大当たり確率は、54/10000=0.54/100(即ち、0.54%)となるように設定されている。
【0156】
一方で、設定値が「3」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は540個で、その値「0~539」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)における大当たり確率は、540/10000=5.4/100(即ち、5.4%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【0157】
従って、設定値が「3」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値以外の残りの9946個で、その値「54~9999」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値以外の残りの9460個で、その値「540~9999」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)におけるハズレ確率は、9946/10000=99.46/100(即ち、99.46%)となるように設定され、各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)におけるハズレ確率は、9460/10000=94.6/100(即ち、94.6%)となるように設定されている。
【0158】
よって、大当たり乱数テーブル202aにおける設定値「3」は、設定値「2」と比べて、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.52%→0.54%、高確率状態:5.2%→5.4%)、設定値「2」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定である。
【0159】
次いで、設定値が「4」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は56個で、その値「0~55」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における大当たり確率は、56/10000=0.56/100(即ち、0.56%)となるように設定されている。
【0160】
一方で、設定値が「4」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は560個で、その値「0~559」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)における大当たり確率は、560/10000=5.6/100(即ち、5.6%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【0161】
従って、設定値が「4」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値以外の残りの9944個で、その値「56~9999」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値以外の残りの9440個で、その値「560~9999」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)におけるハズレ確率は、9944/10000=99.44/100(即ち、99.44%)となるように設定され、各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)におけるハズレ確率は、9440/10000=94.4/100(即ち、94.4%)となるように設定されている。
【0162】
よって、大当たり乱数テーブル202aにおける設定値「4」は、設定値「3」と比べて、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.54%→0.56%、高確率状態:5.4%→5.6%)、設定値「3」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定である。
【0163】
次いで、設定値が「5」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は58個で、その値「0~57」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における大当たり確率は、58/10000=0.58/100(即ち、0.58%)となるように設定されている。
【0164】
一方で、設定値が「5」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は580個で、その値「0~579」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)における大当たり確率は、580/10000=5.8/100(即ち、5.8%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【0165】
従って、設定値が「5」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値以外の残りの9942個で、その値「58~9999」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値以外の残りの9420個で、その値「580~9999」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)におけるハズレ確率は、9942/10000=99.42/100(即ち、99.42%)となるように設定され、各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)におけるハズレ確率は、9420/10000=94.2/100(即ち、94.2%)となるように設定されている。
【0166】
よって、大当たり乱数テーブル202aにおける設定値「5」は、設定値「4」と比べて、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.56%→0.58%、高確率状態:5.6%→5.8%)、設定値「4」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定である。
【0167】
次いで、設定値が「6」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は60個で、その値「0~59」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「6」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における大当たり確率は、60/10000=0.6/100(即ち、0.6%)となるように設定されている。
【0168】
一方で、設定値が「6」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は600個で、その値「0~599」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「6」の各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)における大当たり確率は、600/10000=6/100(即ち、6%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【0169】
従って、設定値が「6」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値以外の残りの9940個で、その値「60~9999」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値以外の残りの9400個で、その値「600~9999」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「6」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)におけるハズレ確率は、9940/10000=99.4/100(即ち、99.4%)となるように設定され、各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」)におけるハズレ確率は、9400/10000=94/100(即ち、94%)となるように設定されている。
【0170】
よって、大当たり乱数テーブル202aにおける設定値「6」は、設定値「5」と比べて、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.58%→0.6%、高確率状態:5.8%→6%)、設定値「5」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定である。
【0171】
このように、確率設定値ごとに大当たりの当選確率を変更して大当たりの当選し易さを変更することで、確率設定値ごとに出玉率を変更することが可能となり、遊技者に付与され得る遊技価値の多寡を変更できる。よって、パチンコ機10において行われる遊技の遊技性のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0172】
図6に戻って、説明を続ける。大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0~99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0~99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(
図23参照)毎に1回)更新される。
【0173】
そして、球が第1始動口64aに入賞したタイミングで、第1始動口64aに対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1~第4エリアのうち、大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアと同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納される。また、球が第2始動口64bに入賞したタイミングで、第2始動口64bに対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eの第2保留第1~第4エリアのうち、大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアと同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納される。
【0174】
ここで、例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数(大当たり乱数値)でなければ、即ち、ハズレとなる乱数(ハズレ乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。一方で、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数(大当たり乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
【0175】
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10における大当たり種別カウンタC2の値は、「0~99」の範囲のループカウンタとして構成されて、該大当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。この大当たり種別テーブル202bには、第1特別図柄の第1抽選遊技で参照される特
図1大当たり種別テーブル202b1と、第2特別図柄の第2抽選遊技で参照される特
図2大当たり種別テーブル202b2とが設けられている。
【0176】
ここで、
図8及び
図9を参照して、特
図1大当たり種別テーブル202b1及び特
図2大当たり種別テーブル202b2について説明する。
図8は、ROM202に記憶される第1特別図柄に対応する特
図1大当たり種別テーブル202b1の一例を模式的に示した図であり、
図9は、同じくROM202に記憶される第2特別図柄に対応する特
図2大当たり種別テーブル202b2の一例を模式的に示した図である。
【0177】
第1実施形態のパチンコ機10では、本パチンコ機10のRAMクリアによる初期化以降において、特別図柄の大当たり回数が所定回数(第1実施形態では、6回。以下、該回数を「リミット回数」と称する場合がある)に到達する毎に、該所定回数到達時における大当たり終了後の遊技状態を、必ず特別図柄の低確率状態へ移行して、特別図柄の高確率状態への移行を禁止する機能(所謂、リミット(リミッタ)機能)が搭載されている。即ち、パチンコ機10のRAMクリアによる初期化以降、特別図柄の大当たり回数が6回に到達するごと(以下、特別図柄の大当たり回数がリミット回数に到達することを、「リミット到達時」と称する場合がある)には、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態となる大当たり種別が選定されず(以下、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態となる大当たり種別が選定されない事象を、「リミッタが作動」と称する場合がある)、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態となる大当たり種別のみが選定され得るように構成されている。
【0178】
一方、特別図柄の大当たり回数がリミットに到達していない場合、即ち、大当たり回数が1回~5回まで(以下、特別図柄の大当たり回数が1回~5回までを、「リミット到達前」と称する場合がある)は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態となる大当たり種別が選定され得るように構成されている。
【0179】
このように構成することで、所定回数の大当たりが発生する毎に必ず特別図柄の低確率状態にすることができ、特別図柄の高確率状態が継続し続けて過度な大当たりの「連荘」が発生することを抑制することができる。その結果、遊技者が該パチンコ機10において継続的に遊技を行った場合に得られる球数の割合等(払出球数(セーフ球数)をアウト球数で割った数。所謂、機械割。以下、「出玉率」と称する場合がある)からかけ離れた遊技結果が現出するような事態を抑制することができ、遊技者に付与される遊技価値が高くなり過ぎないように構成できる。また、本パチンコ機10における出玉率を、リミッタ機能を有さない通常のパチンコ機の出玉率と同等にするために、「連荘」回数の制限による出玉率の低下分を、特別図柄の大当たりを発生し易くして補ったり、リミット到達前において特別図柄の高確率状態の継続率を高継続にしたりして補うことが可能となり、リミッタ機能を有さない通常のパチンコ機では為しえない多用な遊技性を実現することができる。
【0180】
なお、「連荘」とは、遊技者にとって明確に有利な状態から、再び有利な状態が発生することであり、第1実施形態では、右打ち遊技が行われる「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、再度、いずれかの大当たりに当選した場合をいう。従って、右打ち遊技が行われ得る「確率変動状態」又は「時間短縮状態」中において大当たりに当選した場合は、「連荘」に該当し、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」が終了した後の「通常遊技状態」や、「確率変動状態」か否かを報知されておらず、入賞補助機能も作動していない「潜伏確率変動状態」時、即ち、左打ち遊技時においていずれかの大当たりに当選した場合は、所謂「連荘」には該当しない(所謂「初回」の大当たりに該当する)。
【0181】
図8及び
図9に示すように、大当たり種別テーブル202bは、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで分けられ、その中でさらに、大当たり回数のリミット到達前かリミット到達時かで分けられ、その中でさらに、該大当たりが発生した遊技状態とのグループに分けられ、そのグループの中で、特別図柄の種別(即ち、第1特別図柄か第2特別図柄か)と、該特別図柄の種別に応じた大当たり種別と、大当たり種別カウンタC2の値とが対応付けられたテーブルである。
【0182】
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別として、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たり後に、次回大当たりまでの間、特別図柄の大当たり確率および普通図柄の当たり確率がともに高確率状態となる「確率変動状態」に対応する「確変A」と、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、次回大当たりまで特別図柄の大当たり確率が高確率状態となる一方、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となる「確率変動状態」に対応する「確変B」と、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄の大当たり確率が高確率状態となる一方、普通図柄の当たり確率が低確率状態となる「潜伏確率変動状態」に対応する「潜伏確変A」と、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄の大当たり確率は低確率状態であるものの、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となる「時間短縮状態」に対応する「時短A」と、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄の大当たり確率および普通図柄の当たり確率がともに低確率状態となる「突通A」とがある。
【0183】
特
図1大当たり種別テーブル202b1及び特
図2大当たり種別テーブル202b2では、大当たりが発生した時点におけるリミット到達有無および遊技状態に基づいて選択され得る大当たり種別が異なるように構成され、それぞれ、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する大当たり種別カウンタC2の取り得る値が対応付けられている。
【0184】
図8で示す特
図1大当たり種別テーブル202b1の例では、リミット到達前であって、かつ、「通常遊技状態」において第1特別図柄の大当たりが発生した場合は、「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0~9」が対応付けられ、「確変B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「10~29」が対応付けられ、「潜伏確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「30~89」が対応付けられ、「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「90~99」が対応付けられている。また、リミット到達前であって、かつ、「潜伏確率変動状態」(「確率変動状態」及び「時間短縮状態」も同様)において第1特別図柄の大当たりが発生した場合は、「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0~9」が対応付けられ、「確変B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「10~19」が対応付けられ、「潜伏確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「20~89」が対応付けられ、「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「90~99」が対応付けられている。
【0185】
即ち、リミット到達前の「通常遊技状態」における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特
図1大当たり種別テーブル202b1から決定され、例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」であれば、大当たり種別として「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「25」であれば、大当たり種別として「確変B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「43」であれば、大当たり種別として「潜伏確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「時短A」が決定される。
【0186】
一方、リミット到達前の「潜伏確率変動状態」における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特
図1大当たり種別テーブル202b1から決定され、例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」であれば、大当たり種別として「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「12」であれば、大当たり種別として「確変B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「25」であれば、大当たり種別として「潜伏確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「時短A」が決定される。
【0187】
従って、「通常遊技状態」において、リミット到達前に第1特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、「確変A」の大当たり種別が10%、「確変B」の大当たり種別が20%、「潜伏確変A」の大当たり種別が60%、「時短A」の大当たり種別が10%、の割合で当選することとなる。また、「潜伏確率変動状態」において、リミット到達前に第1特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合には、「確変A」の大当たり種別が10%、「確変B」の大当たり種別が10%、「潜伏確変A」の大当たり種別が70%、「時短A」の大当たり種別が10%、の割合で当選することとなる。
【0188】
よって、リミット到達前における「通常遊技状態」と「潜伏確率変動状態」とでは、大当たり種別「確変A」及び「時短A」の選択割合はそれぞれ同等(ともに10%)であるものの、「通常遊技状態」の方が「潜伏確率変動状態」より大当たり種別「確変B」が選択され易く(20%>10%)、大当たり種別「潜伏確変A」が選択され難く(60%<70%)構成されている。遊技状態として、入賞補助機能を有さない「潜伏確率変動状態」より、入賞補助機能を有する「確率変動状態」の方が、遊技者にとって有利な遊技状態であるため、「潜伏確率変動状態」は「通常遊技状態」より特別図柄の大当たりが発生し易い一方、「潜伏確率変動状態」より「通常遊技状態」の方が、遊技者にとって有利な大当たり種別が選定されるように構成されている。
【0189】
次いで、
図8で示す特
図1大当たり種別テーブル202b1の例では、リミット到達時において第1特別図柄の大当たりが発生した場合は、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」を含むいずれの遊技状態であっても、「突通A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0~89」が対応付けられ、「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「90~99」が対応付けられている。
【0190】
即ち、リミット到達時のすべての遊技状態における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特
図1大当たり種別テーブル202b1から決定され、例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」であれば、大当たり種別として「突通A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「時短A」が決定される。
【0191】
従って、すべての遊技状態において、リミット到達時に第1特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、「突通A」の大当たり種別が90%、「時短A」の大当たり種別が10%、の割合で当選することとなる。
【0192】
よって、リミット到達前において第1特別図柄の当否抽選において特別図柄の高確率状態を発生する大当たり種別(即ち、大当たり種別「確変A」、「確変B」および「潜伏確変A」)が、リミット到達時には、特別図柄及び普通図柄の低確率状態を発生する大当たり種別(即ち、大当たり種別「突通A」)に置き換わるように構成されている。このため、次の大当たりが発生するとリミットに到達するという状況で、左打ち遊技を行って第1特別図柄の動的表示を実行させる状態(即ち、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」)であった場合、大当たりに当選したとしても「通常遊技状態」へと移行される可能性が高く、遊技者にとって不利な(有利度が低い。以下、同様。)遊技結果が導出され易い構成となっている。
【0193】
次に、
図9で示す特
図2大当たり種別テーブル202b2の例では、リミット到達前であって、かつ、「確率変動状態」および「時間短縮状態」を含むすべての遊技状態において第2特別図柄の大当たりが発生した場合は、「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0~89」が対応付けられ、「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「90~99」が対応付けられている。
【0194】
即ち、リミット到達前の「確率変動状態」および「時間短縮状態」を含むすべての遊技状態における第2特別図柄の当否抽選において、第2保留球格納エリア203eのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特
図2大当たり種別テーブル202b2から決定され、例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」であれば、大当たり種別として「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「時短A」が決定される。
【0195】
従って、「確率変動状態」および「時間短縮状態」を含むすべての遊技状態において、リミット到達前に第2特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、「確変A」の大当たり種別が90%、「時短A」の大当たり種別が10%、の割合で当選することとなる。
【0196】
よって、リミット到達前における「確率変動状態」と「時間短縮状態」とでは、第2特別図柄における大当たり種別「確変A」の選択割合は同等(ともに90%)に構成されるとともに、大当たり種別「時短A」の選択割合も同等(ともに10%)に構成される。これにより、リミット到達前における「確率変動状態」および「時間短縮状態」では、多くの遊技価値が付与(即ち、16ラウンドの大当たり)され、かつ、大当たり状態後の遊技状態が、次回大当たりまで入賞補助機能が作動する大当たりである大当たり種別「確変A」が付与され易い遊技状態となる。
【0197】
次いで、
図9で示す特
図2大当たり種別テーブル202b2の例では、リミット到達時において第2特別図柄の大当たりが発生した場合は、「確率変動状態」および「時間短縮状態」を含むいずれの遊技状態であっても、「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0~99」が対応付けられている。
【0198】
即ち、リミット到達時のすべての遊技状態における第2特別図柄の当否抽選において、第2保留球格納エリア203eのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特
図2大当たり種別テーブル202b2から決定され、大当たり種別カウンタC2の値がいずれの値であっても、大当たり種別として「時短A」が決定される。
【0199】
従って、「確率変動状態」および「時間短縮状態」を含むすべての遊技状態において、リミット到達時に第2特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、「時短A」の大当たり種別が100%の割合で当選することとなる。
【0200】
よって、リミット到達前において第2特別図柄の当否抽選において特別図柄の高確率状態を発生する大当たり種別(即ち、大当たり種別「確変A」)が、リミット到達時には、普通図柄の高確率状態のみを発生する大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」)に置き換わるように構成されている。このため、次の大当たりが発生するとリミットに到達するという状況で、右打ち遊技を行って第2特別図柄の動的表示を実行させる状態(即ち、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)であった場合、大当たりに当選した場合は少なくとも「時間短縮状態」へと移行されるため、リミット到達時には、第1特別図柄において大当たりに当選するより、第2特別図柄において大当たりに当選した方が遊技者にとって有利な結果となる。このため、リミット到達時には、右打ち遊技を行う遊技状態に滞在しているかで遊技結果が左右するため、遊技者は、如何にして右打ち遊技の遊技状態を継続させ続けるかという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0201】
なお、第1実施形態のパチンコ機10において、所謂、左打ち遊技の実行が奨励される「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」では、入賞補助機能が作動していないため、右打ち遊技を行って第2始動口64bに球を入賞させるより、左打ち遊技を行って第1始動口64aへ球を入賞させる方が容易に構成されている。このため、遊技者は、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」では、左打ち遊技を行って第1特別図柄の動的表示に基づく遊技を実行し得るように構成されているが、右打ち遊技を行って第2特別図柄の動的表示に基づく遊技も実行し得るように構成されている。また、所謂、右打ち遊技の実行が奨励される「確率変動状態」及び「時間短縮状態」では、入賞補助機能が作動しているため、左打ち遊技を行って第1始動口64aに球を入賞させるより、右打ち遊技を行って第2始動口64bへ球を入賞させる方が容易に構成されている。このため、遊技者は、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、右打ち遊技を行って第2特別図柄の動的表示に基づく遊技を実行し得るように構成されているが、左打ち遊技を行って第1特別図柄の動的表示に基づく遊技も実行し得るように構成されている。従って、特
図1大当たり種別テーブル202b1及び特
図2大当たり種別テーブル202b2では、上記事象に対応すべく、各遊技状態のそれぞれに対して大当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。
【0202】
ここで、
図10を参照して、第1実施形態におけるパチンコ機10における遊技状態における遊技態様(発射態様)と、各遊技状態において当選した各大当たり種別等に基づく遊技状態の変遷(所謂、ゲームフロー)について説明する。
図10は、パチンコ機10における大当たり当選等に基づくゲームフローを模式的に示した図である。なお、
図10は、各遊技状態において奨励されている発射態様に基づく遊技状態の遷移を図示しており、各遊技状態において奨励されていない発射態様(例えば、「確率変動状態」における左打ち遊技による第1特別図柄の変動演出)に基づく遊技状態の遷移は、イレギュラーなケースであるため、その図示および説明を省略する。
【0203】
第1実施形態のパチンコ機10では、上述したように、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」および「時間短縮状態」の4つの遊技状態が設けられている。遊技者は、滞在している遊技状態において、入賞し得る、或いは、入賞し易い入賞口64a,64bに対して球を発射し、いずれかの入賞口64a,64bに球を入賞させた場合に実行される特別図柄の動的表示において大当たりが発生するか否かに注目しながら遊技を行う。
【0204】
第1実施形態のパチンコ機10の初期状態では、まず、「通常遊技状態」において遊技が開始される。この「通常遊技状態」では、特別図柄の大当たり確率が低確率状態となっており、大当たりが発生し難い状態となっている。また、「通常遊技状態」では、入賞補助機能が作動しておらず(所謂、電サポ無し状態)、第2始動口64bへ球を入賞させ難い状態となっている。このため、遊技者は、「通常遊技状態」において、左打ち遊技を行って第1始動口64aに向けて球を発射して、第1特別図柄の動的表示において大当たりを発生させることを目指して遊技を行う。そして、第1始動口64aへ球が入賞し、該入賞に基づく第1特別図柄の動的表示において大当たりが発生した場合、該大当たりの大当たり種別に応じて移行先の遊技状態が決定される。
【0205】
ここで、「通常遊技状態」において、リミット到達前に大当たり種別「確変A」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、次回大当たりまで入賞補助機能が作動する「確率変動状態」へと移行する。また、リミット到達前に大当たり種別「確変B」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、入賞補助機能が作動する「確率変動状態」へと移行する。さらに、リミット到達前において大当たり種別「潜伏確変A」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、「潜伏確率変動状態」へと移行する。また、リミット到達前若しくはリミット到達時において大当たり種別「時短A」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、入賞補助機能が作動する「時間短縮状態」へと移行する。また、リミット到達時に大当たり種別「突通A」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、再び「通常遊技状態」となる。
【0206】
なお、第1実施形態のパチンコ機10において、特別図柄の動的表示に基づく各大当たり状態では、特別図柄の動的表示の実行が禁止されて、その実行が保留された状態となる一方、普通図柄の可変表示が実行可能な状態となる。この状態における普通図柄の当たり確率や普通電役64cの動作態様は、「通常遊技状態」と同等の状態(即ち、低確率状態であって、非開放延長状態)となるように構成されている。
【0207】
次いで、「潜伏確率変動状態」に移行した場合、該「潜伏確率変動状態」では、「通常遊技状態」と同様、入賞補助機能が作動しておらず(所謂、電サポ無し状態)、第2始動口64bへ球を入賞させ難い状態となっている。一方、「潜伏確率変動状態」では、特別図柄の大当たり確率が高確率状態となっており、「通常遊技状態」より大当たりが発生し易い状態となっている。このため、遊技者は、「潜伏確率変動状態」において、「通常遊技状態」と同様、左打ち遊技を行って第1始動口64aに向けて球を発射して、第1特別図柄の動的表示において大当たりを発生させることを目指して遊技を行う。そして、第1始動口64aへ球が入賞し、該入賞に基づく第1特別図柄の動的表示において大当たりが発生した場合、該大当たりの大当たり種別に応じて移行先の遊技状態が決定される。
【0208】
また、第1実施形態では、「潜伏確率変動状態」は、「通常遊技状態」と同等の演出が行われるように構成されている。具体的には、例えば、移行契機となった変動演出の大当たり態様(大当たり種別「確変A」若しくは「確変B」、大当たり種別「潜伏確変A」若しくは「突通A」、又は、大当たり種別「確変B」若しくは「時短A」の大当たり図柄等)や、大当たり状態中における演出、或いは、滞在時における変動演出の態様等が「潜伏確率変動状態」と「通常遊技状態」とで同等又は略同等の内容が実行される。このように構成することで、遊技者に「潜伏確率変動状態」で遊技を行っているのか、「通常遊技状態」で遊技を行っているのかを判別困難にし、いずれの遊技状態か否かを推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図っている。
【0209】
ここで、「潜伏確率変動状態」において、リミット到達前に大当たり種別「確変A」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、次回大当たりまで入賞補助機能が作動する「確率変動状態」へと移行する。また、リミット到達前に大当たり種別「確変B」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、入賞補助機能が作動する「確率変動状態」へと移行する。さらに、リミット到達前に大当たり種別「潜伏確変A」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、再び「潜伏確率変動状態」となる。また、リミット到達前若しくはリミット到達時に大当たり種別「時短A」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、入賞補助機能が作動する「時間短縮状態」へと移行する。さらに、リミット到達時に大当たり種別「突通A」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、「通常遊技状態」へと移行する。
【0210】
次いで、「時間短縮状態」に移行した場合、該「時間短縮状態」では、「通常遊技状態」と同等、特別図柄の大当たり確率が低確率状態となっている。一方、「時間短縮状態」では、大当たり終了後から特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、入賞補助機能が作動しており(所謂、電サポ有り状態)、普通図柄の可変表示で当たりに当選することで、第2始動口64bへ球を入賞させ易い状態となっている。このため、遊技者は、「時間短縮状態」の間、右打ち遊技を行ってスルーゲート67および第2始動口64bに向けて球を発射して、第2特別図柄の動的表示において大当たりを発生させることを目指して遊技を行う。そして、第2始動口64bへ球が入賞し、該入賞に基づく第2特別図柄の動的表示において大当たりが発生した場合、該大当たりの大当たり種別に応じて移行先の遊技状態が決定される。
【0211】
ここで、「時間短縮状態」において、リミット到達前に大当たり種別「確変A」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、次回大当たりまで入賞補助機能が作動する「確率変動状態」へと移行する。また、リミット到達前若しくはリミット到達時に大当たり種別「時短A」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、入賞補助機能が作動する「時間短縮状態」に留まる。
【0212】
即ち、右打ち遊技が推奨される「時間短縮状態」では、右打ち遊技を行っている限り、第2始動口64bへの入賞に基づいて大当たり種別「潜伏確変A」が選択されないことから、第2特別図柄の大当たりに当選した場合に「時間短縮状態」→「潜伏確率変動状態」へは移行しないように構成されている。また、同じく「時間短縮状態」では、右打ち遊技を行っている限り、第2始動口64bへの入賞に基づいて大当たり種別「突通A」が選択されないことから、第2特別図柄の大当たりに当選した場合に「時間短縮状態」→「通常遊技状態」へは移行しないように構成されている。よって、「時間短縮状態」において第2特別図柄の大当たりに当選した場合には、リミット到達前およびリミット到達時のいずれの場合であっても入賞補助機能を有する大当たり種別に当選するため、「時間短縮状態」と同等又は優位(特別図柄の大当たり確率が、低確率状態→高確率状態)な遊技状態へ移行するように構成されている。従って、「時間短縮状態」において大当たりに当選した場合は、該「時間短縮状態」より不利な(有利度が低い)遊技状態へは移行せず、大当たり状態を含めて継続して右打ち遊技を実行することが可能となる。
【0213】
また、「時間短縮状態」では、第2始動口64bへの入賞に基づいて大当たり種別「確変B」が選択されないことから、「確率変動状態」を発生させる大当たりに当選した場合には、必ず、大当たり種別「確変A」、即ち、『次回大当たりまで入賞補助機能が作動する「確率変動状態」』となる。よって、「時間短縮状態」において、如何にして「確率変動状態」が発生する大当たりに当選させるかという遊技性が創出される。よって、例えば、「確率変動状態」が継続している最中にリミッタが作動することで「時間短縮状態」に突入した場合であっても、該「時間短縮状態」中に、再び右打ち遊技が実行(継続)される大当たり(即ち、大当たり種別「確変A」)に当選(所謂、引き戻し)させることで、大当たりのリミッタ(回数制限)が初期化された状態で、かつ、次回大当たりまで入賞補助機能が作動する状態となる。そして、特別図柄の高確率状態となる「確率変動状態」になった場合は、該「確率変動状態」において、大当たりのリミット回数まで大当たり種別「確変A」を連荘させ得ることが可能となり、該引き戻しによって付与され得る遊技価値を増大させることが可能となる。その結果、「時間短縮状態」における遊技者の遊技意欲を駆り立てて、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0214】
第1実施形態のパチンコ機10では、「時間短縮状態」は、特別図柄の動的表示において大当たりが発生せずに該動的表示が所定回数(第1実施形態では、100回)実行された場合(所謂、電サポ終了)、入賞補助機能の作動が停止(終了)し、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であって入賞補助機能を有さない遊技状態、即ち、「通常遊技状態」へ移行する。この場合、入賞補助機能が作動しなくなることから、遊技者に対して左打ち遊技の実行示唆を行って、右打ち遊技を左打ち遊技に変更させるように構成されている。
【0215】
次いで、「確率変動状態」に移行した場合、該「確率変動状態」では、「潜伏確率変動状態」と同様、特別図柄の大当たり確率が高確率状態となり、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」より大当たりが発生し易い状態となっている。また、「確率変動状態」では、「時間短縮状態」と同様、入賞補助機能が作動しており(所謂、電サポ有り状態)、普通図柄の可変表示で当たりに当選することで、第2始動口64bへ球を入賞させ易い状態となっている。このため、遊技者は、「確率変動状態」において、右打ち遊技を行ってスルーゲート67および第2始動口64bに向けて球を発射して、第2特別図柄の動的表示において大当たりを発生させることを目指して遊技を行う。そして、第2始動口64bへ球が入賞し、該入賞に基づく第2特別図柄の動的表示において大当たりが発生した場合、該大当たりの大当たり種別に応じて移行先の遊技状態が決定される。
【0216】
ここで、「確率変動状態」において、リミット到達前において大当たり種別「確変A」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、再び、次回大当たりまで入賞補助機能が作動する「確率変動状態」となる。また、リミット到達前若しくはリミット到達時において大当たり種別「時短A」に当選した場合には、該大当たりに基づく大当たり状態を経た後、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、入賞補助機能が作動する「時間短縮状態」へと移行する。
【0217】
即ち、右打ち遊技が推奨される「確率変動状態」では、「時間短縮状態」と同様、第2始動口64bへの入賞に基づいて大当たり種別「潜伏確変A」が選択されないことから、大当たりに当選した場合に「確率変動状態」→「潜伏確率変動状態」へは移行しないように構成されている。また、同じく「確率変動状態」では、第2始動口64bへの入賞に基づいて大当たり種別「突通A」が選択されないことから、大当たりに当選した場合に「確率変動状態」→「通常遊技状態」へは移行しないように構成されている。よって、「確率変動状態」において第2特別図柄の大当たりに当選した場合には、リミット到達前およびリミット到達時のいずれの場合であっても入賞補助機能を有する大当たり種別に当選するため、大当たり状態を含めて継続して右打ち遊技を実行することが可能となる。
【0218】
また、「確率変動状態」では、右打ち遊技を行っている限り、第2始動口64bへの入賞に基づいて大当たり種別「確変B」が選択されないことから、第2特別図柄の大当たりに当選した場合に、『次回大当たりまで入賞補助機能が作動する「確率変動状態」』→『動的表示が所定回数実行されるまで入賞補助機能が作動する「確率変動状態」』へは移行しないように構成されている。即ち、「確率変動状態」において、再び「確率変動状態」が発生する大当たり種別に当選した場合には、必ず、入賞補助機能が次回大当たりまで継続する大当たり種別に当選するため、現状の「確率変動状態」と同等の遊技状態へ移行(を維持)するように構成されている。従って、「確率変動状態」において、リミッタが作動する前に如何にして再び「確率変動状態」が発生する大当たりに当選させるかという遊技性が創出される。よって、「確率変動状態」における遊技者の遊技意欲を駆り立てて、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0219】
第1実施形態のパチンコ機10では、入賞補助機能の回数制限を有する「確率変動状態」、即ち、大当たり種別「確変B」を契機とする「確率変動状態」は、「時間短縮状態」と同等の演出が行われるように構成されている。具体的には、例えば、移行契機となった変動演出の大当たり態様(大当たり図柄等)や、大当たり状態中における演出、或いは、大当たり終了後の変動演出の態様等が、大当たり種別「確変B」を契機とする「確率変動状態」と「時間短縮状態」とで同等又は略同等の内容が実行される。このように構成することで、少なくとも(第2)特別図柄の動的表示が所定回数行われている間、遊技者に「確率変動状態」で遊技を行っているのか、「時間短縮状態」で遊技を行っているのかを判別困難にし、いずれの遊技状態か否かを推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図っている。
【0220】
また、入賞補助機能の回数制限を有する「確率変動状態」、即ち、大当たり種別「確変B」を契機とする「確率変動状態」は、特別図柄の動的表示において大当たりが発生せずに該動的表示が所定回数(第1実施形態では、100回)実行された場合(所謂、電サポ終了)、入賞補助機能の作動が停止(終了)し、特別図柄の大当たり確率が高確率状態ではあるものの入賞補助機能を有さない遊技状態、即ち、「潜伏確率変動状態」へ移行する。この場合、入賞補助機能が作動しなくなることから、遊技者に対して左打ち遊技の実行示唆を行って、右打ち遊技を左打ち遊技に変更させるように構成されている。
【0221】
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「確率変動状態」と「時間短縮状態」、又は、「潜伏確率変動状態」と「通常遊技状態」とを遊技者に判別し難くする場合がある。このように構成することで、例えば、遊技者に、リミッタが作動したことによる大当たり種別「時短A」の当選なのか、リミッタ到達前における大当たり種別「確変B」の当選なのか、或いは、リミッタが作動したことによって大当たり種別「突通A」の当選なのか、リミッタ到達前における大当たり種別「潜伏確変A」の当選なのか、を判別困難にすることができる。その結果、リミッタに到達しているのか否かを遊技者に認識困難にし、リミットに到達しているか否かを推測させる遊技性を創出して、遊技の継続意欲を高め、遊技の興趣向上を図っている。
【0222】
なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる大当たり種別カウンタC2の値が規定される。
【0223】
また、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける大当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
【0224】
図6に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0~99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。
【0225】
第1実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(ロング)」演出態様又は「非リーチ(ショート)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の変動要素のみが実行される「ノーマルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「スーパーリーチ」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「スペシャルリーチ」演出態様との5つの演出態様が選択される。
【0226】
ここで、各演出態様について詳細に説明する。演出態様の中で、「非リーチ(ロング)」演出態様と「非リーチ(ショート)」演出態様(以下、「非リーチ(ロング)」演出態様と「非リーチ(ショート)」演出態様とを総称して、『「非リーチ」演出態様』と称する場合がある)とは、特別図柄の変動演出として3つの図柄列(図示せず)が変動する第3図柄表示装置81にて、各図柄列を高速でシャッフルする「高速変動」の変動要素が行われた後に、先に停止する2の図柄列において同一の第3図柄が停止せず、「リーチ表示」を発生しない演出態様である。
【0227】
なお、「高速変動」の変動要素とは、例えば、第3図柄表示装置81で行われる第3図柄の変動演出において、各図柄列に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている変動要素をいう。この「高速変動」では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出が実行される。
【0228】
第1実施形態のパチンコ機10では、「高速変動」の変動要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(ショート)」演出態様)を除いて「低速変動」の変動要素が行われるように構成されている。
【0229】
「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81で行われる第3図柄の変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている変動要素をいう。この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、各図柄列を順に停止表示する。先に停止表示する2の図柄列(例えば、左図柄列と右図柄列)において同一の第3図柄が停止した場合は「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、該先に停止表示する2の図柄列において異なる第3図柄が停止した場合は、残りの図柄列を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている。なお、「高速変動」の変動要素、又は、「低速変動」の変動要素を含む各変動要素の詳細については、後述する。
【0230】
従って、「非リーチ(ロング)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われて、各図柄列がそれぞれ順番に停止し、先に停止する2つの図柄列に異なる第3図柄が停止し、残りの1の図柄列が停止して、1の変動演出が終了する。一方、「非リーチ(ショート)」演出態様では、「高速変動」が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われず、該「高速変動」の変動要素の終了後、各図柄列が同時に停止し、2の図柄列(例えば、「非リーチ(ロング)」演出態様で先に停止する2の図柄列)に異なる第3図柄が停止するとともに、他の図柄列も停止し、1の変動演出が終了する。
【0231】
演出態様の中で、「ノーマルリーチ」演出態様とは、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出において、先に停止表示する2の図柄列に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、他の「リーチ表示」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展しない「リーチ表示」の演出態様の1つである。
【0232】
演出態様の中で、「スーパーリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。
【0233】
演出態様の中で、「スペシャルリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。
【0234】
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(
図23参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64aに入賞したタイミングで、第1始動口64aに対応する第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3に格納される。また、球が第2始動口64bに入賞したタイミングで、第2始動口64bに対応する第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3に格納される。
【0235】
第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在保留中の両特別図柄の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202dが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202dは、複数種類設けられ、待機中の両特別図柄の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。
【0236】
また、第1実施形態では、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202cに基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202dが選択される。そして、選択された停止パターンテーブル202dと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな態様である演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
【0237】
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202dは、各停止パターンテーブル202d毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202dが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるか、及び、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
【0238】
これは、第1の理由として、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、停止パターン、即ち、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、及び、「スペシャルリーチ」演出態様の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させる。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。
【0239】
このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出若しくは大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
【0240】
第1実施形態のパチンコ機10では、具体的には、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の大まかな内容である演出態様(停止パターン)を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様(停止パターン)を選択するように構成する。これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様(停止パターン)ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
【0241】
また、第2の理由として、第1特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第1始動口64aへの入球、又は、第2特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第2始動口64bへの入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による特別図柄の無抽選)を極力削減するためである。
【0242】
具体的に説明すると、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の待機回数はそれぞれ最大4回と上限が設けられていると共に、変動演出は少なくとも一定時間が実行されることから、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」および「時間短縮状態」における第2始動口64bへ球が入球し易い遊技状態では、第2特別図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の変動演出を選択すると、第2特別図柄の最大保留球数に到達した状態での第2始動口64bへの入球が頻発し、折角、第2始動口64bへ入球したにもかかわらず、第2特別図柄の抽選契機を取得できない。また、「通常遊技状態」においても、第1特別図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第1特別図柄の保留球数が消化されないため、その間に第1始動口64aへの入球が発生しても、第1特別図柄の抽選契機を取得できない。このような状態になると、遊技者は、第1始動口64aへ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。遊技が中断されると、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技場の経営に影響を与えてしまう。
【0243】
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数に到達している状態での第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球を抑制することができる。
【0244】
さらに、第3の理由として、実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに第1始動口64a又は第2始動口64bのいずれかに球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、第1始動口64a又は第2始動口64bへ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
【0245】
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
【0246】
ここで、
図11を参照して、保留数テーブル202cの詳細について説明する。
図11は、保留数テーブル202cを模式的に示した図である。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、第1始動口64a又は第2始動口64bに球が入球したことに基づいて変動演出を行う場合に、該変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、同じくその時点における特
図1及び特
図2の変動演出の合計保留数とに基づいて保留数テーブル202cを参照し、いずれかの停止パターンテーブル202d1~202d3を選択するように構成されている。そして、選択された停止パターンテーブル202d1~202d3のいずれかと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様が決定される。
【0247】
具体的には、
図11の保留数テーブル202cで示すように、左打ち遊技が行われる「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」のハズレ抽出時であって合計保留球数が「1個~3個」の場合、又は、右打ち遊技が行われる「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって合計保留球数が「1個」の場合には、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1(
図12(a)参照)が選択される。
【0248】
また、左打ち遊技が行われる「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「4個~8個」の場合、又は、右打ち遊技が行われる「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「2個~8個」の場合には、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2(
図12(b)参照)が選択される。
【0249】
さらに、大当たりの当選時には、いずれの遊技状態(即ち、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」)、及び、いずれの保留球数(即ち、1個~8個)であっても、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3(
図12(c)参照)が選択される。
【0250】
即ち、いずれかの大当たりに当選した場合は、その時点での保留球数や遊技状態に関係なく、大当たりの種別のみに基づいて停止パターンテーブル202d(Cテーブル202d3)が選択され、大当たりに当選しなかった場合(即ち、ハズレ時)にのみ、その時点での保留球数や遊技状態に基づいて停止パターンテーブル202d(Aテーブル202d1又はBテーブル202d2)が選択される。
【0251】
なお、大当たりに当選した場合においても、保留球数に応じて停止パターンテーブル202dが異なるように構成してもよい。例えば、大当たりに当選した場合に保留球数が多いとき、比較的短い変動パターンが選ばれ易い停止パターンテーブル202d(例えば、「高速変動」の変動要素が5秒間の「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様等)を選択し得るように構成してもよい。
【0252】
この場合、「リーチ表示」が実行される各演出態様において、「高速変動」の変動要素の部分の時間のみが10秒間から5秒間のみに変更された演出態様を選択するように構成する。このように構成することで、例えば、第1特別図柄の最大保留球数が4回ある状態で変動演出を開始する場合に、「高速変動」の変動要素が5秒間で行われたとしても、該5秒間の「高速変動」の変動要素が終了した時点(5秒間の「高速変動」の変動要素と認識した時点)では、その変動演出において「リーチ表示」が発生することがある。そのため、5秒間の「高速変動」の変動要素が行われた場合であっても、「非リーチ(ショート)」演出態様以外の「リーチ表示」が実行される演出態様が実行されるように構成することで、5秒間の「高速変動」の変動要素の実行時点では該変動演出が大当たりとなるかハズレとなるか分からなくできる。
【0253】
ここで、
図12を参照して、各停止パターンテーブル202dについて説明する。
図12(a)は、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1の一例を模式的に示した図であり、
図12(b)は、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2の一例を模式的に示した図であり、
図12(c)は、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3の一例を模式的に示した図である。
【0254】
図12(a)で示すように、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様別に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」~「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」~「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」~「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98」,「99」に設定されている。なお、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ショート)」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(ショート)」演出態様は選択されないように設定されている。
【0255】
次に、
図12(b)で示すように、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2では、「非リーチ(ショート)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」~「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」~「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」~「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98,99」に設定されている。なお、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ロング)」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(ロング)」演出態様は選択されないように設定されている。
【0256】
即ち、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。また、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ショート)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。
【0257】
よって、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様が選択され、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ロング)」演出態様の代わりに「非リーチ(ショート)」演出態様が選択されるように構成されている。
【0258】
従って、Aテーブル202d1は、Bテーブル202d2と比べて選択される変動演出の変動時間が比較的長くなり易いと言える。換言すれば、Bテーブル202d2は、Aテーブル202d1と比べて選択される変動演出の変動時間が短くなり易いといえる。
【0259】
なお、Aテーブル202d1及びBテーブル202d2との「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様及び「スペシャルリーチ」演出態様の選択割合は同等に設定されている。
【0260】
このように、ハズレの抽選結果が抽出された場合に、保留中の変動演出の保留球数に基づいて、変動演出の演出態様を選択するように構成する。例えば、変動演出の保留球数が多い場合には、変動演出時間が短い「非リーチ(ショート)」演出態様を選択する。これにより、変動演出の保留球数が多い場合に、実行される変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高めることができる。
【0261】
また、例えば、変動演出の保留球数が少ない場合には、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球時間を確保するために、「非リーチ(ショート)」演出態様より変動演出時間が長い「非リーチ(ロング)」演出態様を選択する。これにより、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択される場合より変動演出時間の長い「非リーチ(ロング)」演出態様を行うことができるので、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球時間を確保し易くなり、第3図柄表示装置81における変動演出の実行時間中に新たな始動入賞が発生する可能性を高くすることで、変動演出が実行されている状況を維持することができる。
【0262】
なお、第1実施形態では、ハズレの変動演出における演出態様に選択において、変動演出の保留球数に基づいて選択される停止パターンテーブル202dが異なるように構成されているが、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球時に基づく変動演出の決定と、該入球に基づく変動演出の開始時に基づく変動演出の決定とで、実質的に同一の演出態様が選択されるように構成されている。
【0263】
具体的には、ハズレの変動演出である場合は、変動演出の保留球数に基づいて、Aテーブル202d1又はBテーブル202d2のいずれか一方が選択されるように構成されているが、Aテーブル202d1とBテーブル202d2とでは、「非リーチ(ロング)」演出態様又は「非リーチ(ショート)」演出態様に割り振られた停止パターンカウンタC3の値が同一であり、また、他の演出態様に割り振られた停止パターンカウンタC3の値もそれぞれ同一に設定されている。
【0264】
即ち、変動演出の保留球数に基づいて、「非リーチ(ロング)」演出態様が選択されるか、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択されるかが異なるのみであるので、実質的同一の演出態様が選択される。よって、始動入賞時に選択される演出態様と、変動開始時に選択される演出態様とは、遊技状態が遷移(例えば、保留球数が増加)した場合であっても、実質的に同一の演出態様が選択される。その結果、始動入賞時に選択された演出態様に基づいて先読み予告を行った場合であっても、該先読み予告の対象となった変動演出において、該先読み予告の内容に対して齟齬が発生しない演出を実行することができる。
【0265】
次に、
図12(c)で示すように、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3では、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」~「4」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「5」~「39」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「40」~「99」に設定されている。なお、Cテーブル202d3では、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dであり、必ず「リーチ表示」が発生するので、各「非リーチ」演出態様は選択されない。
【0266】
即ち、Cテーブル202d3では、「ノーマルリーチ」演出態様が5%、「スーパーリーチ」演出態様が35%、「スペシャルリーチ」演出態様が60%、の選択割合となるように設定されている。
【0267】
よって、大当たり当選時の変動演出において、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順で選択割合が高く、ハズレ時の変動演出において、「ノーマルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「スペシャルリーチ」演出態様の順で選択割合が高くなるように設定されている。従って、各「リーチ表示」の現出時における大当たり期待度は、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順に大当たりの表示結果が現出する可能性が高くなるように構成される。これにより、変動演出の演出態様の種類によって遊技者に大当たりへの期待度を示すことができ、遊技者が実行された変動演出の演出態様に応じて大当たりへの高揚感を味わうことができる。
【0268】
以上より、変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、その時点における変動演出の保留球数とに基づいて、実行する変動演出の演出態様を決定することにより、遊技が行われている状況に基づいて変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高める演出態様を選択することができる。
【0269】
なお、変動演出の保留球数が多い場合(例えば、「4」個)に、「リーチ表示」が選択されたとき、各「リーチ表示」の「高速変動」の演出要素が短縮された停止パターンテーブル202dを設けてもよい。また、変動演出の保留球数が多い場合に、各演出態様において「低速変動」の演出要素を省略した停止パターンテーブル202dを設けてもよい。さらに、変動演出の保留球数に応じて、各演出態様の選択率が全く異なる停止パターンテーブル202dを設けてもよい。ただし、変動演出の保留球数に応じて各演出態様の選択率が異なるような場合は、先読み予告を行う上で、先読み予告実行決定時における保留球数と、該先読み予告の対象となった変動演出の実行時における保留球数とが異なる場合がある。このような場合、先読み予告の内容と変動演出の内容との整合性を保つ処理が必要となるため、処理が煩雑となる。
【0270】
図6に戻って、説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば「0~9」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「9」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(
図23参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(
図22参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、球が第1始動口64aに入賞したタイミングで、第1始動口64aに対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納される。また、球が第2始動口64bに入賞したタイミングで、第2始動口64bに対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4に格納される。
【0271】
この変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動パターンの決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202d及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202eとによって、詳細な変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、変動演出の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
【0272】
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
【0273】
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高めるができる。さらに、遊技状態が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
【0274】
ここで、
図13及び
図14を参照して、変動パターンテーブル202eの詳細について説明する。本パチンコ機10は、変動パターンテーブル202eとして、第1特別図柄のハズレ時であってすべての遊技状態で共通的に用いられる特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1と、第1特別図柄の大当たり時であってすべての遊技状態で共通的に用いられる特
図1大当たり用変動パターンテーブル202e2と、第2特別図柄のハズレ時であってすべての遊技状態で共通的に用いられる特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3と、第2特別図柄の大当たり時であってすべての遊技状態で共通的に用いられる特
図2大当たり用変動パターンテーブル202e4とが用意されている。
【0275】
図13(a)は、ROM202に記憶される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1の一例を模式的に示した図であり、
図13(b)は、ROM202に記憶される特
図1大当たり用変動パターンテーブル202e2の一例を模式的に示した図であり、
図14(a)は、ROM202に記憶される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3の一例を模式的に示した図であり、
図14(b)は、ROM202に記憶される特
図2大当たり用変動パターンテーブル202e4の一例を模式的に示した図である。
図13及び
図14に示すように、各変動パターンテーブル202e1~202e4は、選択された演出態様に基づいてグループ分けされている。
【0276】
具体的には、ハズレ時の演出態様として、「非リーチ(ロング)」演出態様が決定された場合に参照される「E0:非リーチ(ロング)」用と、「非リーチ(ショート)」演出態様が決定された場合に参照される「E1:非リーチ(ショート)」用と、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E2:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E3:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スペシャルリーチ」用とに区分けされている。また、大当たり時の演出態様として、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E6:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スペシャルリーチ」用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
【0277】
第1実施形態では、第1特別図柄に対応する第1保留球格納エリア203dのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない場合、即ち、ハズレとなる値であった場合に、保留数テーブル202cを参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1の中で参照するグループ(群)を決定する。その特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
【0278】
ここで、変動パターンを構成する各変動要素について説明する。変動要素とは、1の変動演出の一部分を構成するものであり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第1実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素および「再変動」の変動要素が設けられている。
【0279】
「高速変動」の変動要素とは、上述したように、遊技者によって第3図柄の内容を明確に認識できないように高速にスクロール変動する変動要素である。この「高速変動」の変動要素は、「非リーチ(ショート)」演出態様等が選択された場合は、変動演出の冒頭に「5秒」行われ(以下、「高速変動(短)」と称する場合がある)、「非リーチ(ロング)」演出態様等が選択された場合は、変動演出の冒頭に「10秒」行われる(以下、「高速変動(長)」と称する場合がある)。なお、この「高速変動」の変動要素が終了した場合、後述する「低速変動」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
【0280】
「低速変動」の変動要素とは、「5秒」又は「10秒」の「高速変動」の変動要素の実行後に開始され、第3図柄を視認可能にスクロール変動して「リーチ表示」を発生するか否かを見せる変動要素である。この「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合は実行されず、「非リーチ(ショート)」演出態様以外の演出態様(例えば、「非リーチ(ロング)」演出態様)が選択された場合は、「高速変動」の変動要素の後に「5秒」行われる。
【0281】
即ち、「非リーチ(ロング)」演出態様では、「低速変動」の変動要素が行われることで、第3図柄表示装置81の最終停止図柄列(第1実施形態では、中図柄列Z2(
図4参照))が減速しながら停止する一方、「非リーチ(ショート)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後、第3図柄表示装置81の各図柄列が「低速変動」の変動要素を経由せずに急速に停止(所謂、ビタ止まり)するように構成されている。なお、この「低速変動」の変動要素が終了した場合は、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
【0282】
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、「非リーチ(ロング)」演出態様は、「10秒」の「高速変動」の変動要素と「5秒」の「低速変動」の変動要素とを含む変動パターンで変動演出が構成される。また、「非リーチ(ショート)」演出態様は、「5秒」の「高速変動」の変動要素のみの変動パターンで変動演出が構成される。
【0283】
「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素において先に停止する2の図柄列に同一の図柄(以下、「リーチ形成図柄」と称する場合がある)が停止表示した場合に、残りの図柄列の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に「5秒」行われる。
【0284】
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の変動要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
【0285】
「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに残りの図柄列の変動が継続された場合に発展して実行され、第3図柄表示装置81において所定演出(例えば、「バトル演出」)を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「10秒」行われる。
【0286】
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
【0287】
「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに残りの図柄列の変動が継続された場合に発展して実行され、第3図柄表示装置81において上記所定演出と異なる特殊演出(例えば、「競争演出」)を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「20秒」行われる。
【0288】
第1実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」するパターンと、が用意されている。
【0289】
なお、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素を経由せず、いきなり「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「スペシャルリーチ」の変動要素が行われるように構成してもよい。
【0290】
「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する変動要素である。この「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に「5秒」行われる。
【0291】
第1実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンが用意されている。
【0292】
また、この「再変動」の変動要素は、大当たり遊技に当選した場合にのみ発生するように構成されている。即ち、「ハズレ表示」の場合には、「再変動」の変動要素は実行されないように構成されている。これは、「再変動」の変動要素は、仮に停止表示された「ハズレ表示」をいずれかの「大当たり表示」に変更する変動要素であるため、大当たりに当選していない「ハズレ表示」の場合に行ってしまうと、演出上の齟齬が発生してしまう。よって、この「再変動」の変動要素は、大当たり用変動パターンテーブル202e2,202e4(
図13(b)及び
図14(b)参照)でのみ選定され、ハズレ用変動パターンテーブル202e1,202e3(
図13(a)及び
図14(a)参照)では選定されないように構成されている。
【0293】
図13(a)で示すように、第1特別図柄のハズレ時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E0:非リーチ(ロング)」には、全体の変動時間が「15秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターン(変動時間。以下、「変動パターン」を「変動時間」と置き換えることは当然に可能である。)が用意されている。
【0294】
図13(a)で示す例では、「E0:非リーチ(ロング)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』に対して「0~9」となっており、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』のみを選択可能に設定されている。
【0295】
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(ロング)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「非リーチ(ロング)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が選択される。
【0296】
次いで、特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E1:非リーチ(ショート)」には、全体の変動時間が「5秒」の『「高速変動(短)」の変動要素のみ』の1つの変動パターンが用意されている。
【0297】
図13(a)で示す例では、「E1:非リーチ(ショート)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素のみ』に対して「0~9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素のみ』だけを選択可能に設定されている。
【0298】
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素のみ』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「非リーチ(ショート)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素のみ』が選択される。
【0299】
次いで、特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E2:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0300】
図13(a)の示す例では、「E2:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0~9」となっており、該『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
【0301】
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1において「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「ノーマルリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』が選択される。
【0302】
次いで、特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E3:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0303】
図13(a)の示す例では、「E3:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0~9」となっており、該『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
【0304】
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1において「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「スーパーリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』が選択される。
【0305】
次いで、特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E4:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0306】
図13(a)の示す例では、「E4:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0~9」となっており、該『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
【0307】
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202e1において「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「スペシャルリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』が選択される。
【0308】
なお、特
図1のハズレ時の変動パターンは、演出態様がそのまま変動パターンとして決定されるため、変動種別カウンタCS1を使用せずに変動パターンを決定するように構成してもよい。また、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。
【0309】
次に、
図13(b)を参照して、第1特別図柄の大当たり時に参照される特
図1大当たり用変動パターンテーブル202e2について説明する。第1実施形態では、第1特別図柄に対応する第1保留球格納エリア203dのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値である場合に、保留数テーブル202cを参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて特
図1大当たり用変動パターンテーブル202e2の中で参照するグループ(群)を決定する。その特
図1大当たり用変動パターンテーブル202e2のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
【0310】
特
図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E5:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「25秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0311】
図13(b)の示す例では、「E5:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0~2」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「3~9」、となっている。
【0312】
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが70%、の割合で選択されるように設定されている。
【0313】
従って、特
図1の大当たり時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の70%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、いずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0314】
次いで、特
図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E6:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0315】
図13(b)の示す例では、「E6:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0~3」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「4~9」、となっている。
【0316】
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが40%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが60%、の割合で選択されるように設定されている。
【0317】
従って、特
図1の大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の60%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、いずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0318】
次いで、特
図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E7:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0319】
図13(b)の示す例では、「E7:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0~4」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「5~9」、となっている。
【0320】
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが50%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。
【0321】
従って、特
図1の大当たり時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンと『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンとが均等に選択されるように(50%ずつ)なっている。その結果、いずれの変動パターンでも同等に大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0322】
このように、大当たりに当選している場合には、比較的長い変動パターンが選択され易いように構成することで、大当たりが発生する変動演出の演出内容を充実させることで遊技の興趣を向上することができる。また、大当たりに当選していない場合、即ち、ハズレの場合には、比較的短い変動パターンが選択され易いように構成することで、ハズレ時の変動演出の演出内容を短くして、変動演出を効率よく消化することができる。
【0323】
次に、
図14(a)を参照して、第2特別図柄のハズレ時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3について説明する。第1実施形態では、第2特別図柄に対応する第2保留球格納エリア203eのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値でない場合、即ち、ハズレとなる値である場合に、保留数テーブル202cを参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3の中で参照するグループ(群)を決定する。その特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
【0324】
図14(a)で示すように、第2特別図柄のハズレ時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3において、「E0:非リーチ(ロング)」には、全体の変動時間が「8秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0325】
図14(a)で示す例では、「E0:非リーチ(ロング)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』に対して「0~9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』のみを選択可能に設定されている。
【0326】
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3において「非リーチ(ロング)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「非リーチ(ロング)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が選択される。
【0327】
次いで、特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3において、「E1:非リーチ(ショート)」には、全体の変動時間が「3秒」の『「高速変動(短)」の変動要素のみ』の1つの変動パターンが用意されている。
【0328】
図14(a)で示す例では、「E1:非リーチ(ショート)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素のみ』に対して「0~9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素のみ』だけを選択可能に設定されている。
【0329】
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3において「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素のみ』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「非リーチ(ショート)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素のみ』が選択される。
【0330】
次いで、特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3において、「E2:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「13秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0331】
図14(a)で示す例では、「E2:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0~9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
【0332】
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3において「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「ノーマルリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』が選択される。
【0333】
次いで、特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3において、「E3:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「23秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0334】
図14(a)で示す例では、「E3:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0~9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
【0335】
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3において「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「スーパーリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』が選択される。
【0336】
次いで、特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3において、「E4:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「33秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0337】
図14(a)で示す例では、「E4:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0~9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
【0338】
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202e3において「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「スペシャルリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』が選択される。
【0339】
このように、主に「確率変動状態」又は「時間短縮状態」の右打ち遊技時に実行され易い第2特別図柄の変動演出の変動時間は、第1特別図柄の変動演出の変動時間と比べて短い時間が選択されるように構成されており、遊技の時間効率が高い(良い)設定となっている。
【0340】
次に、
図14(b)を参照して、第2特別図柄の大当たり時に参照される特
図2大当たり用変動パターンテーブル202e4について説明する。第1実施形態では、第2特別図柄に対応する第2保留球格納エリア203eのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値である場合に、保留数テーブル202cを参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて特
図2大当たり用変動パターンテーブル202e4の中で参照するグループ(群)を決定する。その特
図2大当たり用変動パターンテーブル202e4のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
【0341】
特
図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において、「E5:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「13秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「18秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0342】
図14(b)の示す例では、「E5:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0~2」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「3~9」、となっている。
【0343】
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが70%、の割合で選択されるように設定されている。
【0344】
従って、特
図2の大当たり時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の70%)なっている。また、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、時間効率良く遊技を行いつついずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0345】
次いで、特
図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において、「E6:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「23秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「28秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0346】
図14(b)の示す例では、「E6:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0~3」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「4~9」、となっている。
【0347】
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが40%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが60%、の割合で選択されるように設定されている。
【0348】
従って、特
図2の大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の60%)なっている。また、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、時間効率良く遊技を行いつついずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0349】
次いで、特
図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において、「E7:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「33秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「38秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0350】
図14(b)の示す例では、「E7:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0~4」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「5~9」、となっている。
【0351】
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが50%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。
【0352】
従って、特
図2の大当たり時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンと『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンとが均等に選択されるように(50%ずつ)なっている。その結果、時間効率良く遊技を行いつついずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0353】
図6に戻って、説明を続ける。普図当たり乱数カウンタC4は、例えば「0~99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、普図当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普図当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
【0354】
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、普図当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0~99」)、タイマ割込処理(
図23参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(
図22参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
【0355】
普図当たり乱数カウンタC4の値は、例えば定期的(第1実施形態では、タイマ割込処理(
図23参照)毎に1回)更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知されたタイミングで、RAM203の普図保留球格納エリア(図示せず)に設けられた普図保留第1~第4エリアのいずれかの普図保留エリアに格納される。そして、普図保留球格納エリアに格納された順に順次普図保留球実行エリア(図示せず)にデータをシフトし、該普図保留球実行エリアに格納されている普図当たり乱数カウンタC4の値に対して当たり判定を行う。
【0356】
普通図柄の当たりとなる乱数の値は、遊技状態毎に主制御装置110のROM202に格納される普図当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定(例えば、低確率状態で1/100、高確率状態で50/100等)されており、RAM203の普図保留球実行エリア(図示せず)に格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、当たりと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動テーブル(図示せず)が参照されて、普通図柄の可変表示時間が設定(例えば、入賞補助機能非作動時は30秒、入賞補助機能作動時は3秒等)され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。その後、遊技状態に応じて電役開放テーブル(図示せず)が参照されて、普通電役64cの開放時間が設定(例えば、入賞補助機能非作動時は0.1秒、入賞補助機能作動時は5秒等)され、該開放時間の間、普通電役64cが開放作動し、その間、第2始動口64bへ球が入賞可能に構成される。
【0357】
一方、普図保留エリアに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定された当たりとなる乱数の値と一致しない場合には、ハズレと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動テーブル(図示せず)が参照されて可変表示時間が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「×」の図柄が点灯表示される。
【0358】
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、
図6に図示したカウンタ用バッファ203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
【0359】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(
図22参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(
図20参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(
図32参照)が即座に実行される。
【0360】
RAM203は、さらに、第1保留球数カウンタ203a、第2保留球数カウンタ203b、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、保留球実行エリア203f、確変フラグ203g、リミットカウンタ203h、ラウンドカウンタ203i、入賞カウンタ203j、時短カウンタ203k、時短無限フラグ203mを少なくとも有している。
【0361】
第1保留球数カウンタ203aは、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(
図23参照)の中で検出される第1始動口64aへの入球(以下、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球を「始動入賞」という場合がある)に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第1特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
【0362】
この第1保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(
図20のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第1始動口64aへの始動入賞が検出されて第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(
図24のS303参照)。一方、第1保留球数カウンタ203aは、第1特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(
図25のS408参照)。
【0363】
第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(
図23参照)の中で検出される第2始動口64bへの始動入賞に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第2特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
【0364】
この第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(
図20のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第2始動口64bへの始動入賞が検出されて第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(
図24のS307参照)。一方、第2保留球数カウンタ203bは、第2特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(
図25のS405参照)。
【0365】
この第1保留球数カウンタ203aの値(即ち、第1特別図柄の保留球数)又は第2保留球数カウンタ203bの値(即ち、第2特別図柄の保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(
図24のS310参照)。この保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドであり、第1保留球数カウンタ203aの値に関するデータと、第2保留球数カウンタ203bの値に関するデータとがそれぞれ含まれている。
【0366】
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
【0367】
また、第1実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して保留球数コマンドを送信する場合、その保留球数コマンドにおいて、1加算された第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値だけでなく、その第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ203c(
図6参照)より取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
【0368】
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
【0369】
音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドにより伝えられた大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示される保留図柄(実行図柄)を変化させる「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)等を決定できるようになっている。
【0370】
なお、変動演出の保留球数を示す保留球数コマンドと、大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。保留球数コマンドとは別の大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球タイミングで保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。
【0371】
第1保留球格納エリア203dは、上述したように、第1始動口64aへの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(
図23参照)の中で、球が第1始動口64aへ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1~C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203dに格納する。第1保留球格納エリア203dは、第1特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1~C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)を有している(
図6参照)。
【0372】
第2保留球格納エリア203eは、上述したように、第2始動口64bへの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(
図23参照)の中で、球が第2始動口64bへ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1~C3,CS1の値を取得し、第2保留球格納エリア203eに格納する。第2保留球格納エリア203eは、第2特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1~C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)を有している(
図6参照)。
【0373】
保留球実行エリア203fは、上述したように、実行を開始する、或いは、実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1~C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
【0374】
MPU201は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1~C3,CS1の各値)のうち、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。一方、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dに第1特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が優先的に実行され、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)は、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が保留されていないことを条件に実行されるように構成されている。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
【0375】
ここで、再び
図6を参照して、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fの詳細について説明する。第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
【0376】
上述したように、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。第1保留球格納エリア203dは、球が第1始動口64aへ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1~C3,CS1の各値をそれぞれ記憶し、第2保留球格納エリア203eは、球が第2始動口64bへ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1~C3,CS1の各値を記憶する。
【0377】
第1保留球格納エリア203dは、4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)にはそれぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203d2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203d4とが設けられている。
【0378】
また、第2保留球格納エリア203eは、第1保留球格納エリア203dと同様、4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)にはそれぞれ、第1保留球格納エリア203dと同様、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203e2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203e4とが設けられている。
【0379】
なお、第1実施形態では、大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1と、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2,203e2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3,203e3と、変動種別カウンタ格納エリア203d4,203e4とを1つの保留球格納エリア203d,203eの中にそれぞれまとめて設けているが、各カウンタC1~C3,CS1毎に保留球格納エリアを複数設けるようにしてもよい。
【0380】
上述した通り、第1保留球格納エリア203dには、球がいずれかの第1始動口64aへ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1~C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第1始動口64aへの始動入賞に対応するデータが記憶され、第1保留第1エリアには、時間的に最も古い第1始動口64aへの始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
【0381】
また、第2保留球格納エリア203eには、球が第2始動口64bへ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1~C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第2始動口64bへの始動入賞に対応するデータが記憶され、第2保留第1エリアには、時間的に最も古い第2始動口64bへの始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
【0382】
一方、保留球実行エリア203fは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203fには、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eと同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203f2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203f4とが設けられている。
【0383】
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータ(各カウンタC1~C3,CS1の各値)が記憶されている場合は、該第2保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1~203f4にそれぞれシフトする。一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが記憶されているとき、該第1保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1~203f4にそれぞれシフトする。
【0384】
そして、保留球実行エリア203fにシフトされたデータを、変動開始処理(
図26参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。特別図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
【0385】
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
【0386】
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第2保留第1エリアにデータが格納されていると判断された場合は、第2保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第2保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第2保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第2保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
【0387】
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第2保留第1エリアが空き状態となるため、第2保留球格納エリア203eの各エリア(第2~第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第2保留球格納エリア203eにおいて、データが記憶(保留)されている第2保留エリア(第1~第4)についてのみデータのシフトを行う。
【0388】
ここで、第2保留球格納エリア203e内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であり、第2保留球格納エリア203eの全エリア(第1~第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第2保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第2保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2~第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)にシフトする。すなわち、第2保留第2エリアのデータを、第2保留第1エリアへシフトし、第2保留第3エリアのデータを、第2保留第2エリアへシフトし、第2保留第4エリアのデータを、第2保留第3エリアへシフトする。
【0389】
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば、MPU201は、第2保留第2エリアのデータのみを、第2保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第2保留エリア(第3~第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
【0390】
なお、データの有無に関わらず、第2保留エリア(第2~第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2保留エリア(第2~第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
【0391】
一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったときに、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されていないと判断された場合は、次いで、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第1保留第1エリアにデータが格納されていれば、該第1保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第1保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第1保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第1保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
【0392】
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第1保留第1エリアが空き状態となるため、第1保留球格納エリア203dの各エリア(第2~第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第1保留球格納エリア203dにおいて、データが記憶(保留)されている第1保留エリア(第1~第4)についてのみデータのシフトを行う。
【0393】
ここで、第1保留球格納エリア203d内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、第1保留球格納エリア203dの全エリア(第1~第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第1保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第1保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2~第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)にシフトする。すなわち、第1保留第2エリアのデータを、第1保留第1エリアへシフトし、第1保留第3エリアのデータを、第1保留第2エリアへシフトし、第1保留第4エリアのデータを、第1保留第3エリアへシフトする。
【0394】
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、第1保留第2エリアのデータのみを、第1保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第1保留エリア(第3~第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
【0395】
なお、データの有無に関わらず、第1保留エリア(第2~第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留エリア(第2~第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
【0396】
図5に戻って、説明を続ける。上述したように、主制御装置110のROM202には、第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選遊技において大当たりに当選した場合に、可変入賞装置65の大入賞口65aの開放制御のために参照される大当たり開放テーブル202fが格納されている。
【0397】
ここで、
図15を参照して、大当たり開放テーブル202fについて説明する。
図15は、ROM202に記憶される大当たり開放テーブル202fの一例を模式的に示した模式図である。大当たり開放テーブル202fは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり時に参照され、各特別図柄の大当たりを発生した大当たり種別に基づいて、大入賞口65aの開放態様(回数、最大開放時間、最大入賞個数)が規定されている。
【0398】
第1実施形態の大当たり開放テーブル202fは、大当たりに当選した大当たり種別に基づいて区分けされている。具体的には、大当たり種別「確変A」に当選した場合に参照される「確変A」用と、大当たり種別「確変B」に当選した場合に参照される「確率変動B」用と、大当たり種別「潜伏確変A」に当選した場合に参照される「潜伏確変A」用と、大当たり種別「時短A」に当選した場合に参照される「時短A」用と、大当たり種別「突通A」に当選した場合に参照される「突通A」用とで、大入賞口65aの開放態様が変更される。
【0399】
図15で示すように、大当たり種別「確変A」に当選した場合に設定される大入賞口65aの開放回数は「16回」であり、該大入賞口65aの1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、大入賞口65aへの球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「15個」となるように規定されている。
【0400】
また、該大当たり種別「確変A」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、「特図:高確率、普図:高確率」であって、次回大当たりまで入賞補助機能が作動する「確率変動状態」へと移行する。
【0401】
次いで、大当たり種別「確変B」に当選した場合に設定される大入賞口65aの開放回数は「4回」であり、該大入賞口65aの1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、大入賞口65aへの球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「15個」となるように規定されている。
【0402】
また、該大当たり種別「確変B」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、「特図:高確率、普図:高確率」であって、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、入賞補助機能が作動する「確率変動状態」へと移行する。
【0403】
次いで、大当たり種別「潜伏確変A」に当選した場合に設定される大入賞口65aの開放回数は「4回」であり、該大入賞口65aの1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、大入賞口65aへの球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「15個」となるように規定されている。
【0404】
また、該大当たり種別「潜伏確変A」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、「特図:高確率、普図:低確率」であって、入賞補助機能が作動しない「潜伏確率変動状態」へと移行する。
【0405】
次いで、大当たり種別「時短A」に当選した場合に設定される大入賞口65aの開放回数は「4回」であり、該大入賞口65aの1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、大入賞口65aへの球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「15個」となるように規定されている。
【0406】
また、該大当たり種別「時短A」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、「特図:低確率、普図:高確率」であって、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、入賞補助機能が作動する「時間短縮状態」へと移行する。
【0407】
次いで、大当たり種別「突通A」に当選した場合に設定される大入賞口65aの開放回数は「4回」であり、該大入賞口65aの1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、大入賞口65aへの球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「15個」となるように規定されている。
【0408】
また、該大当たり種別「突通A」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、「特図:低確率、普図:低確率」であって、入賞補助機能が作動しない「通常遊技状態」へと移行する。
【0409】
このように、当選した大当たり種別毎に払い出され得る賞球数が異なることで、当選した大当たり種別に応じて直接的に付与される遊技価値に違いを生じさせることができる。また、当選した大当たり種別毎に、大当たり遊技後に移行する遊技状態が変化することで、当選した大当たり種別に基づく大当たりの終了後の遊技性に違いを生じさせることができる。その結果、特別図柄の抽選遊技において、いずれの大当たり種別に当選するか否かの遊技性を生み、遊技の興趣を向上することができる。
【0410】
なお、大当たり種別に基づく大入賞口65aの開放態様等(回数、最大開放時間、最大入賞個数、賞球数および移行遊技状態)は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。具体的には、大当たり種別毎に開放回数を同一に構成してもよいし、大当たり種別毎に最大開放時間を変更するように構成してもよいし、最大入賞個数を変更するように構成してよい。また、大当たり種別毎に別々の遊技状態に移行する必要はなく、複数の大当たり種別で共通的な遊技状態に移行するように構成してもよい。
【0411】
また、大当たり遊技中は、一旦「通常遊技状態」に遷移(移行)するように構成されている。このように構成することで、大当たり遊技中は、大入賞口65aの開放以外による遊技価値の付与(例えば、普通電役64cの長い開放)が行われ難くすることができ、各遊技状態と大当たり中との出玉率の計算を分けて計算することが可能となる。その結果、遊技仕様の設計時における出玉率の計算が容易になり、遊技仕様の設計工数を削減することができる。
【0412】
さらに、大当たり遊技における1のラウンドにおいて、大入賞口65aの開放および閉鎖が複数回行われるように構成してもよい。具体的には、例えば、1のラウンドにおいて、大入賞口65aの開放が開始された後、最大開放時間未満の所定秒数(例えば、「5秒」)で一旦閉鎖され、所定の閉鎖時間(例えば、「1秒」)後に、再び、大入賞口65aが開放され、最大開放時間の経過又は最大入賞個数の入賞によって再び閉鎖するように構成してもよい。このように構成することで、大当たり遊技における遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
【0413】
図5に戻り、説明を続ける。主制御装置110のRAM203に設けられた確変フラグ203gは、特別図柄の高確率状態か否かを判別するためのフラグである。この確変フラグ203gがオンか否かに応じて、特別図柄の当否抽選において参照される大当たり乱数テーブル202a(
図7参照)が異なるように構成されている。具体的には、特別図柄の当否抽選において、確変フラグ203gがオフに設定されている場合は、確率設定値に基づいて低確率状態用の大当たり乱数テーブル202aが参照される一方、確変フラグ203gがオンに設定されている場合は、確率設定値に基づいて高確率状態用の大当たり乱数テーブル202aが参照される。
【0414】
この確変フラグ203gは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、大当たりの終了時において、大当たり終了後の遊技状態を特別図柄の高確率状態に移行する大当たり種別(即ち、大当たり種別「確変A」、「確変B」又は「潜伏確変A」)に当選していた場合に、オンに設定される(
図31のS552参照)。一方、大当たりの終了時において、大当たり終了後の遊技状態を特別図柄の低確率状態に移行する大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」又は「突通A」)に当選していた場合に、オフに設定される(
図31のS553参照)。
【0415】
リミットカウンタ203hは、本パチンコ機10の初期化若しくは該リミットカウンタ203hの初期化(即ち、0クリア)以降において、特別図柄の大当たり回数が所定回数(第1実施形態では、6回)に到達したか否かを計数するためのカウンタである。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、本パチンコ機10の初期化以降において、特別図柄の大当たり回数が所定回数(第1実施形態では、6回)に到達する毎に、該所定回数到達時における大当たり終了後の遊技状態を、必ず特別図柄の低確率状態へ移行して、特別図柄の高確率状態への移行を禁止するリミッタ機能が搭載されている。主制御装置110のMPU201は、上記所定回数を計数するために、このリミットカウンタ203hの値を参照するように構成されている。
【0416】
このリミットカウンタ203hは、電源投入時に初期値として「0」が設定され、その後、特別図柄の大当たりが発生する毎に、1ずつ加算される(
図27のS471参照)。そして、該リミットカウンタ203hの値が「6」より小さい値ではなくなった場合、即ち、リミットカウンタ203hの値が「6」以上となった場合に、所定回数の大当たりが発生して予め定められたリミット回数に到達したと判断して、該リミットカウンタ203hの値が初期化(即ち、0クリア)されるように構成されている(
図31のS561参照)。
【0417】
主制御装置110のMPU201は、特別図柄の大当たりに当選した場合に、このリミットカウンタ203hの値を確認して、該リミットカウンタ203hの値が「6」より小さい値である場合には、特別図柄の高確率状態へ移行し得る大当たり種別を含む大当たり種別の中から、大当たり種別テーブル202b及び大当たり種別カウンタC2の値に基づいて1の大当たり種別を選定する。一方、リミットカウンタ203hの値が「6」より小さい値でない場合、即ち、「6」以上の場合には、特別図柄の高確率状態へ移行し得る大当たり種別を含まない大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」又は「突通A」)の中から、大当たり種別テーブル202b及び大当たり種別カウンタC2の値に基づいて1の大当たり種別を選定する。このように構成することで、大当たりの回数が上記所定回数に到達する毎に、該大当たり終了後の遊技状態を、必ず特別図柄の低確率状態へ移行することが可能となる。よって、特別図柄の高確率状態が継続し続けて過度な大当たりの「連荘」が発生することを抑制し、遊技者が該パチンコ機10において継続的に遊技を行った場合に得られる出玉率を平準化することができ、遊技者に付与される遊技価値が高くなり過ぎないように構成できる。
【0418】
このリミットカウンタ203hの値は、更新(0クリア含む)される毎に、リミット回数コマンド又はリミットクリアコマンドが音声ランプ制御装置113に送信され、音声ランプ制御装置113側でも特別図柄の大当たり回数及びリミット回数の初期化を把握可能に構成されている。また、主制御装置110から送信されたリミット回数コマンド又はリミットクリアコマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、後述するサブリミットカウンタ223e(
図16参照)の値を更新するように構成されている。
【0419】
ここで、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり回数がリミット回数に到達したことを遊技者に報知しないように構成されているとともに、大当たり回数がリミット回数に到達する以前であってもリミット回数到達時に選定され得る大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」又は「突通A」)が選択され得るように構成されている。即ち、大当たりのリミット回数に到達したか否かを遊技者が判別し難くなるように構成されている。また、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりの残りリミット回数を遊技者に報知しないように構成されている。即ち、大当たりのリミット回数に到達するまでの残り大当たり回数を遊技者が判別し難くなるように構成されている。
【0420】
これは、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりがリミット回数に到達した場合、強制的に「確率変動状態」を発生し得ない大当たり種別(即ち、「時短A」又は「突通A」)に当選するように構成されている一方、大当たり回数がリミット回数に到達するまでは、「確率変動状態」を発生する大当たり種別(即ち、「確変A」、「確変B」又は「潜伏確変A」)に当選し得るように構成されているため、大当たりのリミット回数に到達した直後は、大当たりの残りリミット回数が最大となっている。この状態で遊技を行った場合に、「確率変動状態」を発生する大当たり種別に当選した際には、「確率変動状態」を発生する大当たり種別の当選回数を最大化(即ち、5回)することができる一方、大当たりのリミット回数に到達した直後以外のタイミング、即ち、大当たりのリミット回数に到達した後、少なくとも1以上の大当たりに当選した後は、大当たりの残りリミット回数が最大ではなく、大当たりのリミット回数に到達した直後より「確率変動状態」を発生する大当たり種別の当選回数が少なくなってしまう。よって、遊技を行うパチンコ機10の選定時に、大当たりのリミット回数に到達した直後以外のタイミングであることを認識した遊技者は、得られる遊技価値が減少していると判断して、該パチンコ機10における遊技を敬遠し、該パチンコ機10の稼働率が低下してしまうおそれがある。
【0421】
そこで、大当たり回数がリミット回数に到達したことを遊技者に報知しないように構成するとともに、大当たり回数がリミット回数に到達する以前であってもリミット回数到達時に選定され得る大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」又は「突通A」)が選択され得るように構成して、大当たりのリミット回数に到達したか否かを遊技者が判別し難くなるように構成する。また、大当たりの残りリミット回数を遊技者に報知しないように構成し、大当たりのリミット回数に到達するまでの残り大当たり回数を遊技者が判別し難くなるように構成する。このように構成することで、大当たりのリミット回数に到達した直後か否か、および、大当たりの残りリミット回数を遊技者に判別し難くして、大当たりのリミット回数に到達した直後以外のタイミングであっても該パチンコ機10における遊技を敬遠され難くして、該パチンコ機10の稼働率の低下を抑制できる。
【0422】
ラウンドカウンタ203iは、大当たりにおける大入賞口65aの開放回数を計数するためのカウンタである。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別毎に、該大当たり状態中における大入賞口65aの開放回数が異なるように構成されており、当選した大当たり種別に応じてこのラウンドカウンタ203iの値が設定される。そして、MPU201は、設定されたラウンドカウンタ203iの値に基づいて大当たり時における大入賞口65aの開閉を制御する。
【0423】
このラウンドカウンタ203iの値は、電源投入時に初期値として「0」が設定され、大当たりの当選時に、当選した大当たり種別に応じた値が設定される。具体的には、16ラウンドの大当たりである大当たり種別「確変A」に当選した場合には、ラウンドカウンタ203iの値に「16」が設定される(
図28のS505参照)。一方、4ラウンドの大当たりである大当たり種別(即ち、大当たり種別「確変B」、「潜伏確変B」、「時短A」又は「突通A」)に当選した場合には、ラウンドカウンタ203iの値に「4」が設定される(
図28のS506参照)。
【0424】
MPU201は、大当たり状態において、大入賞口65aの閉鎖条件(第1実施形態では、大入賞口65aの開放から30秒経過、若しくは、大入賞口65aに球が10個入賞のいずれか)が成立した場合に、このラウンドカウンタ203iの値を1減算する。そして、減算されたラウンドカウンタ203iの値が「0」より大きければ、大当たり状態を継続し、減算されたラウンドカウンタ203iの値が「0」より大きくなければ、大当たり状態を終了するように構成されている。
【0425】
入賞カウンタ203jは、大当たり状態における大入賞口65aの開放中に、該大入賞口65aに入賞した球数を計数するためのカウンタである。MPU201は、この入賞カウンタ203jの値に基づいて、大入賞口65aの閉鎖条件の1つである大入賞口65aへの球の入賞数を判定するように構成されている。
【0426】
この入賞カウンタ203jの値は、電源投入時に初期値として「0」が設定され、大当たり状態において大入賞口65aが開放されるタイミング(オープニング時間経過またはインターバル時間経過)で「10」が設定される(
図29のS523参照)。そして、大入賞口65aの開放中に大入賞口65a内に設けられた大入賞口スイッチ(図示せず)によって球が検知(オン)された場合に、この入賞カウンタ203jの値を1減算する(
図30のS534参照)。
【0427】
MPU201は、減算された入賞カウンタ203jの値が「0」より大きいか否かを判別し、減算された入賞カウンタ203jの値が「0」より大きい値であれば、未だ大入賞口65aに球が10個入球しておらず、入賞個数に基づく大入賞口65aの閉鎖条件が成立していないと判別して、大入賞口65aを開放し続ける。一方、減算された入賞カウンタ203jの値が「0」より大きい値でない状態、即ち、入賞カウンタ203jの値が「0」以下であれば、大入賞口65aに球が10個以上入球して、入賞個数に基づく大入賞口65aの閉鎖条件が成立したと判別し、大入賞口65aを閉鎖するように構成されている。
【0428】
時短カウンタ203kは、大当たり終了後からの特別図柄の実行回数を計数して、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」における第2始動口64bへの入賞補助機能(即ち、普通図柄の高確率状態等)を作動させるか否かを判別するためのカウンタである。MPU201は、この時短カウンタ203kの値に基づいて、第2始動口64bへの入賞補助機能を作動させるか否かを判別し、普通図柄の可変表示および普通電役64cの動作態様を決定するように構成されている。
【0429】
この時短カウンタ203kの値は、電源投入時に初期値として「0」が設定され、大当たりが終了した場合に、該大当たりを発生した大当たり種別に基づいて値が設定される。具体的には、大当たり種別「確変B」又は「時短A」に基づく大当たりであった場合は、該大当たりの終了時にこの時短カウンタ203kの値に「100」を設定する一方(
図31のS555参照)、それ以外の大当たり種別(即ち、大当たり種別「確変A」、「潜伏確変A」又は「突通A」)に基づく大当たりであった場合には、該大当たりの終了後にこの時短カウンタ203kの値を「0」クリアする(
図31のS556参照)。また、この時短カウンタ203kの値が「0」より大きい場合に、特別図柄の動的表示が1回実行されるごとに、該時短カウンタ203kの値が1減算される(
図25のS418参照)。
【0430】
時短無限フラグ203mは、大当たり終了後から次回大当たりが発生するまでの間、第2始動口64bへの入賞補助機能を作動させるか否かを判別するためのフラグである。MPU201は、この時短無限フラグ203mの設定状況に基づいて、第2始動口64bへの入賞補助機能を作動させるか否かを判別し、普通図柄の可変表示および普通電役64cの動作態様を決定するように構成されている。
【0431】
この時短無限フラグ203mは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、大当たりが終了した場合に、該大当たりを発生した大当たり種別が「確変A」であったときにオンに設定される一方(
図31のS558参照)、「確変A」以外の大当たり種別であったときにオフに設定される(
図31のS559参照)。
【0432】
MPU201は、時短カウンタ203kの値が「0」より大きい値である場合、又は、時短無限フラグ203mがオンに設定されている場合に、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において第2始動口64bへの入賞補助機能を作動させ、スルーゲート67への球の通過に起因する普通図柄の可変表示時間を「通常遊技状態」よりも短時間で実行するとともに、普通図柄の可変表示の当たり確率を高確率状態とする。そして、普通図柄の可変表示において当たりに当選した場合には、普通電役64cを「通常遊技状態」より長時間開放するように駆動させて、右打ち遊技において発射された球が第2始動口64bへ入賞し易くする。なお、時短カウンタ203kの値が「0」となった場合、入賞補助機能の作動を停止し、「時間短縮状態」であった場合には「通常遊技状態」に、「確率変動状態」であった場合には「潜伏確率変動状態」に、遊技状態がそれぞれ移行する。
【0433】
入出力ポート205には、入力側として、各入賞口63,64a,64b,65aに入賞した球や、アウト口66を通って球排出路へ案内された球をそれぞれ検出するためのスイッチを含むスイッチ群並びにセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源投入時の立ち上げモードを設定するための設定キー501、「設定変更モード」時に押下操作されることにより確率設定値を更新するための設定変更スイッチ502、RAM203に記憶されているデータを消去するためのRAM消去スイッチ503が接続される。また、入出力ポート205には、出力側として、大入賞口ソレノイド(図示せず)等からなる各種ソレノイド209や、特別図柄表示装置37、普通図柄表示装置83、普通図柄保留ランプ84、確定設定値を表示するための確率表示装置504が接続されている。MPU201は、各種スイッチ208,502,503から出力される信号や、設定キー501の状態に基づいて各種処理を実行するとともに、各種処理の実行結果の1つとして確率表示装置504の表示内容等を設定する。
【0434】
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
【0435】
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、全てバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(
図32参照)が即座に実行される。
【0436】
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
【0437】
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、約0.6秒間隔で、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
【0438】
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や連続予告演出といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
【0439】
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。このROM222及びRAM223の詳細については、後述する。
【0440】
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。第1実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成され、音声ランプ制御装置113から主制御装置110へコマンド送信ができないように構成されている。一方、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とは、互いにコマンドの送受信が可能に構成されている。
【0441】
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」演出態様等の背面画像を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御すると共に、表示制御装置114へ枠ボタン22の押下に基づいた表示を第3図柄表示装置81に表示させるように指示する。
【0442】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出や、連続予告演出を制御するものである。
【0443】
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
【0444】
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(
図32参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
【0445】
ここで、
図16を参照して、音声ランプ制御装置113の詳細な電気的構成について説明する。
図16は、主に音声ランプ制御装置113の電気的構成を示すブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、MPU221にて実行される各種制御プログラムの他、固定値データとして、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222c、変動パターンテーブル222d、設定示唆抽選テーブル222e、示唆内容抽選テーブル222fが少なくとも格納されている。これらのテーブル222a~222fのうち、テーブル222a~222dは、いずれも主制御装置110のROM202に設けられた大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202eと同じものである。
【0446】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222cおよび変動パターンテーブル222dとに基づいて、先読み処理を実行可能に構成されている。
【0447】
そして、この先読み処理によって、その先読み処理の対象となった保留中の変動演出が、結果としてどのような演出となるか(大当たりとなるか否か、「リーチ表示」となるか否か等)をその変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄の表示態様を変化させる「保留変化予告」の演出内容(及び実行時期(タイミング))を決定したりする制御を実行する。
【0448】
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110によって送信されたリミット回数コマンド等によって送信された大当たり回数のリミット回数、同じく主制御装置110によって送信された設定値コマンドによって送信された設定確率値の設定値、後述する設定示唆抽選カウンタ223f、及び、同じく後述する引き戻しカウンタ223h等に基づいて、設定示唆抽選テーブル222eや示唆内容抽選テーブル222fを参照し、「設定示唆演出」の実行抽選や、該「設定示唆演出」の内容(種類およびタイミング)を抽選するように構成されている。なお、設定示唆抽選テーブル222eおよび示唆内容抽選テーブル222fの詳細については、後述する。
【0449】
RAM223には、変動開始フラグ223a、サブ第1保留球数カウンタ223b、サブ第2保留球数カウンタ223c、設定値メモリ223d、サブリミットカウンタ223e、設定示唆抽選カウンタ223f、不利当たりフラグ223g(以下、遊技者にとって有利度が低い、又は、遊技価値が低いことを、「不利」と称する場合がある。以下の説明において、該「不利」との表現は、遊技者に不利益を被らせるわけではなく、有利度が低いことや、遊技価値が低いことを意味する。)、引き戻しカウンタ223h、示唆内容抽選カウンタ223i、設定示唆内容メモリ223j、大当たり演出フラグ223k、サブラウンドカウンタ223m、エンディングフラグ223n、第1保留情報格納エリア223o、第2保留情報格納エリア223p、実行情報格納エリア223qが少なくとも設けられている。
【0450】
変動開始フラグ223aは、オン状態で変動演出を開始すべきことを示すフラグである。この変動開始フラグ223aは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(
図35のS1206参照)。そして、第3図柄表示装置81における変動演出の設定がなされるときにオフされる(
図39のS1402参照)。
【0451】
音声ランプ制御装置113のMPU221は、この変動開始フラグ223aがオンされたことを契機として、待機中の変動演出が存在する場合に、該待機中の変動演出を実行させるための変動演出の設定処理(
図39のS1402~S1413参照)を行う。
【0452】
サブ第1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同様に、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)で行われる第1特別図柄の変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
【0453】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンド(保留球煤コマンド)に基づいて保留球数を格納・更新し、サブ第1保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
【0454】
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1始動口64aへの入球によって第1特別図柄の変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において第1保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄の変動演出の保留球数)をサブ第1保留球数カウンタ223bに格納する(
図35のS1211参照)。
【0455】
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において第1保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される第1特別図柄の変動演出に対応する変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信し、それらの受信に伴って第3図柄表示装置81における第1特別図柄の変動演出の態様を設定する場合に、サブ第1保留球数カウンタ223bの値を1減算(更新)する(
図39のS1406参照)。このように、第1保留球数カウンタ203aの更新にあわせて主制御装置110から送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ第1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同期させながら、サブ第1保留球数カウンタ223bの値を更新することができる。
【0456】
サブ第2保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同様に、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)で行われる第2特別図柄の変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている第2特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
【0457】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第2保留球数カウンタ203bの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数を格納・更新し、サブ第2保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を管理するようになっている。
【0458】
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第2始動口64bへの入球によって第2特別図柄の変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において第2保留球数カウンタ203bの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第2特別図柄の変動演出の保留球数)をサブ第2保留球数カウンタ223cに格納する(
図35のS1211参照)。
【0459】
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において第2保留球数カウンタ203bの値が減算される場合に主制御装置110から送信される第2特別図柄の変動演出に対応する変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信し、それらの受信に伴って第3図柄表示装置81における第2特別図柄の変動演出の態様を設定する場合に、サブ第2保留球数カウンタ223cの値を1減算(更新)する(
図39のS1409参照)。このように、第2保留球数カウンタ203bの更新にあわせて主制御装置110から送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ第2保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同期させながら、サブ第2保留球数カウンタ223cの値を更新することができる。
【0460】
サブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留図柄及び実行図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数をサブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cに格納したり(
図35のS1211参照)、変動パターンコマンド及び停止種別コマンドの受信に応じてサブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値を更新したりするタイミングで(
図39のS1406又はS1409参照)、格納後もしくは更新後のサブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
【0461】
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cの値分の保留図柄と、実行中の変動演出を示す実行図柄とを第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(
図4(b)参照)に表示するように、画像の描画を制御する。
【0462】
上述したように、サブ第1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更され、また、サブ第2保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(
図4(b)参照)に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a及び第2保留球数カウンタ203bの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動演出が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
【0463】
設定値メモリ223dは、パチンコ機10の電源投入時に主制御装置110において設定された確率設定値に関するデータを、音声ランプ制御装置113側でも記憶(格納)しておくためのメモリである。音声ランプ制御装置113は、この設定値メモリ223dの値を判別することで、主制御装置110で設定された確率設定値を認識可能となる。
【0464】
この設定値メモリ223dは、電源投入時に音声ランプ制御装置113で行われる立ち上げ処理(
図33参照)において、主制御装置110から確率設定値を示す設定値コマンドを受信した場合に、該設定値コマンドが示す確率設定値が設定値メモリ223dに設定される。
【0465】
具体的には、立ち上げ処理の実行時に音声ランプ制御装置113にて受信した設定値コマンドが、確率設定値「1」を示すものであった場合には、設定値メモリ223dの値が「1」に設定され、確率設定値「2」を示すものであった場合には、設定値メモリ223dの値が「2」に設定され、確率設定値「3」を示すものであった場合には、設定値メモリ223dの値が「3」に設定され、確率設定値「4」を示すものであった場合には、設定値メモリ223dの値が「4」に設定され、確率設定値「5」を示すものであった場合には、設定値メモリ223dの値が「5」に設定され、確率設定値「6」を示すものであった場合には、設定値メモリ223dの値が「6」に設定される。
【0466】
第1実施形態では、音声ランプ制御装置113は、この設定値メモリ223dの値、後述する引き戻しカウンタ223hの値、及び、示唆内容抽選カウンタ223iの値に基づいて、遊技者に対して主制御装置110で設定されている確率設定値を示唆する演出(以下、「設定示唆演出」と称する場合がある)の内容を決定し、決定された「設定示唆演出」を大当たり遊技中に実行可能に構成されている。
【0467】
ここで、「設定示唆演出」について説明する。「設定示唆演出」とは、主制御装置110において設定されている確率設定値の設定値に関する情報を遊技者に示唆する演出である。第1実施形態のパチンコ機10では、「設定示唆演出」実行抽選に当選した場合には、該「設定示唆演出」の内容を決定して、大当たり遊技中に第3図柄表示装置81において決定された「設定示唆演出」を実行するように構成されている。
【0468】
第1実施形態では、「設定示唆演出」として、確率設定値が偶数又は奇数のいずれかを遊技者に示唆可能な「偶奇示唆」演出と、確率設定値が最低設定である設定値「1」とは異なる設定値(即ち、設定値「2~6」)であることを遊技者に示唆可能な「1否定示唆」演出と、確率設定値が所謂高設定である設定値「4~6」の何れかであることを遊技者に示唆可能な「456示唆」演出と、確率設定値の設定値そのもの(以下、「直値」と称する場合がある)を遊技者に示唆可能な「直値示唆」演出との4種類の演出を実行可能に構成されている。
【0469】
「偶奇示唆」演出では、例えば、確率設定値が奇数(即ち、設定値「1,3,5」)である場合は、「奇」という言葉を連想可能な演出(例えば、キャラクタ図柄が「事実は小説よりも奇なり」というセリフを喋ったり、奇襲攻撃を仕掛ける等)が実行される。また、確率設定値が偶数(即ち、設定値「2,4,6」)である場合は、「偶」という言葉を連想可能な演出(例えば、土偶キャラクタ図柄の現出や、キャラクタ図柄同士が偶然出会う演出等)が第3図柄表示装置81において実行される。
【0470】
「1否定示唆」演出では、例えば、「1」という数字(言葉)を連想可能なキャラクタ図柄(例えば、一角獣を模したキャラクタ図柄)を、他のキャラクタ図柄が退治(消去)する演出が第3図柄表示装置81において実行される。
【0471】
「456示唆」演出では、例えば、「4」と「5」と「6」との数字(言葉)を連想可能なキャラクタ図柄(例えば、国道456号線の看板図柄、4時56分を指し示す時計図柄等)を現出させる演出が第3図柄表示装置81において実行される。
【0472】
「直値示唆」演出では、確率設定値の設定値そのものを直接的に連想可能なキャラクタ図柄を現出させる演出が第3図柄表示装置81において実行される。具体的には、例えば、確率設定値が設定値「3」の場合は、「3」という数字(言葉)を連想可能なキャラクタ図柄(例えば、三角形を模したキャラクタ図柄)を現出させ、確率設定値が設定値「4」の場合は、「4」という数字(言葉)を連想可能なキャラクタ図柄(例えば、四角形を模したキャラクタ図柄)を現出させ、確率設定値が設定値「5」の場合は、「5」という数字(言葉)を連想可能なキャラクタ図柄(例えば、五角形の星を模したキャラクタ図柄)を現出させ、確率設定値が設定値「6」の場合は、「6」という数字(言葉)を連想可能なキャラクタ図柄(例えば、六角形の集合体で出来たハチの巣を模したキャラクタ図柄)を現出させる。
【0473】
なお、第1実施形態では、「直値示唆」演出において、確率設定値が低設定(即ち、設定値「1」又は「2」)の場合は、「直値示唆」演出が実行されないように構成されている。これは、確率設定値が低設定であった場合に、遊技者がその設定値を一義的に認識してしまったとき、そのパチンコ機10で得られる遊技価値が低いことを把握することで、遊技の継続意欲が薄れ、遊技を中断してしまうおそれがある。よって、確率設定値が低設定の場合には、「直値示唆」演出を実行しないように構成して、遊技者の遊技意欲が減退してしまう事態を抑制している。
【0474】
このように、上述した各「設定示唆演出」を実行して遊技者にパチンコ機10における確率設定値を示唆し、該パチンコ機10の確率設定値がいずれか否かを推測させる遊技性を創出することで、遊技の興趣向上を図っている。また、確率設定値が高設定であることを示唆する「設定示唆演出」を実行し、遊技者にパチンコ機10の確率設定値が遊技価値が付与され易い高設定であることを認識させることで、遊技の継続意欲を向上させ、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
【0475】
サブリミットカウンタ223eは、主制御装置110のリミットカウンタ203hと同様、特別図柄の大当たり回数を音声ランプ制御装置113側でも記憶(計数)しておくためのカウンタである。
【0476】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されているリミットカウンタ203hの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される大当たり回数に関するコマンド(リミット回数コマンド又はリミットクリアコマンド)に基づいて特別図柄の大当たり回数を格納・更新し、サブリミットカウンタ223eにて、パチンコ機10における大当たり回数を管理するようになっている。
【0477】
具体的には、音声ランプ制御装置113は、いずれかの特別図柄の大当たりが発生して、主制御装置110においてリミットカウンタ203hの値が1加算(更新)された場合に送信されるリミット回数コマンドを受信した場合には、サブリミットカウンタ223eの値を1加算し(
図35のS1213参照)、主制御装置110においてリミットカウンタ203hの値が「0」クリア(初期化)された場合に送信されるリミットクリアコマンドを受信した場合には、サブリミットカウンタ223eの値を「0」クリアする(
図35のS1215参照)。
【0478】
第1実施形態では、音声ランプ制御装置113は、このサブリミットカウンタ223eの値、後述する引き戻しカウンタ223hの値、同じく後述する不利当たりフラグ223gの設定値、及び、同じく後述する設定示唆抽選カウンタ223fの値に基づいて、大当たり遊技中に遊技者に対して「設定示唆演出」を実行するか否かの抽選が行われる。なお、「設定示唆演出」に関する抽選の詳細については、後述する。
【0479】
設定示唆抽選カウンタ223fは、「設定示唆演出」を実行するか否かを抽選するために用いられるカウンタである。
【0480】
この設定示唆抽選カウンタ223fの値は、電源投入時に初期値として「0」が設定され、その後、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(
図34のS1112参照)において、所定の範囲(例えば、「0~99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0~99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。設定示唆抽選カウンタ223fの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回更新(例えば、1加算)される。
【0481】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、大当たりの発生時(即ち、主制御装置110から大当たりの発生を示すオープニングコマンドを受信した場合)に、後述する引き戻しカウンタ223h、同じく後述する不利当たりフラグ223g、サブリミットカウンタ223e及び設定値メモリ223dの値に基づいて、現在の大当たり回数や引き戻し状況等を把握し、その状況に基づいて設定示唆抽選カウンタ223f及び設定示唆抽選テーブル222eによって「設定示唆演出」を行うか否かを抽選する(
図37のS1241参照)。
【0482】
不利当たりフラグ223gは、当選した大当たりが、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である「確変A」より、遊技者にとって有利度が低い大当たり(即ち、大当たり種別「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」。これらの大当たりにおいて遊技価値が付与され得るため、必ずしも遊技者に不利なわけではないが、説明の便宜上、「遊技者にとって有利度が低い」ことを、「不利」と表現する。)か否かを判別するためのフラグである。
【0483】
この不利当たりフラグ223gは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、大当たりの開始時において、大当たり種別「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」に当選していると判別された場合に、オンに設定される(
図36のS1224参照)。一方、大当たり開始時において、大当たり種別「確変A」又は「確変B」に当選していると判別された場合に、オフに設定される(
図36のS1225参照)。
【0484】
第1実施形態では、この不利当たりフラグ223gがオンされていることにより、大当たり種別「確変A」又は「確変B」より遊技者にとって不利な大当たり種別(即ち、大当たり種別「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」)の大当たりに当選していると判断し、上述した「設定示唆演出」の実行抽選において遊技者にとって有利な抽選結果が導出され易くなるように構成されている。具体的には、「設定示唆演出」の実行抽選において、不利当たりフラグ223gがオフに設定されている場合は、「設定示唆演出」が実行される抽選結果が導出され難い一方、不利当たりフラグ223gがオンに設定されている場合は、「設定示唆演出」が実行される抽選結果が導出され易いように構成されている。なお、「設定示唆演出」に関する抽選の詳細については、後述する。
【0485】
引き戻しカウンタ223hは、大当たり回数が所定回数(第1実施形態では、6回)に到達している状況(即ち、リミット到達時)における大当たりに基づく「時間短縮状態」中(以下、「引き戻し期間」と称する場合がある)に、再び大当たりに当選する所謂引き戻しが発生した回数を計数するためのカウンタである。
【0486】
この引き戻しカウンタ223hは、「0~2」の範囲内で更新可能に構成されており、電源投入時に初期値として「0」が設定され、その後、大当たり回数がリミットに到達している状況、かつ、「時間短縮状態」中における大当たりが発生する毎に、1ずつ加算される。そして、この引き戻しカウンタ223hの値が最大値(即ち、「2」)に達した場合は、それ以上の値に更新されずに、その最大値(即ち、「2」)を維持する。一方、この引き戻しカウンタ223hの値は、所謂引き戻し期間の終了、即ち、「時間短縮状態」が終了する場合に、「0」クリアされる(
図35のS1209参照)。
【0487】
即ち、パチンコ機10の初期状態から特別図柄の大当たりのリミット回数(即ち、大当たり回数が6回。以下同様。)に到達し、かつ、該大当たり後の遊技状態が「時間短縮状態」である間(以下、リミット回数に到達し、かつ、該大当たり後の遊技状態が「時間短縮状態」である間を、「引き戻し期間中」と称する場合がある)に、いずれかの大当たりに当選した場合(実質的には、右打ち遊技中なので第2特別図柄における大当たり種別「確変A」又は「時短A」に当選した場合。以下同様。)、引き戻し期間中の1回目の引き戻しと判断して、この引き戻しカウンタ223hの値を1加算(即ち、「1」に設定)する。その後、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」が終了せずに継続しながら大当たりの回数を重ね、再び、特別図柄の大当たりのリミット回数に到達し、かつ、該大当たり後の遊技状態が「時間短縮状態」である間に、いずれかの大当たりに当選した場合、再度の引き戻し期間中の2回目の引き戻しと判断して、この引き戻しカウンタ223hの値を1加算(即ち、「2」に設定)する。なお、その後、再々度の引き戻し期間中に追加的な引き戻しが発生した場合であっても、「時間短縮状態」が終了して「通常遊技状態」に移行しない限り、この引き戻しカウンタ223hの値は「2」に維持される。
【0488】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から大当たりの発生を示すオープニングコマンドを受信した場合に、この引き戻しカウンタ223hの値と、上述した不利当たりフラグ223g、サブリミットカウンタ223e及び設定値メモリ223dの値とに基づいて、現在の大当たり回数や引き戻し状況等を把握し、その状況に基づいて設定示唆抽選カウンタ223f及び設定示唆抽選テーブル222eによって「設定示唆演出」を行うか否かが抽選される(
図37のS1241参照)。
【0489】
また、音声ランプ制御装置113は、上記「設定示唆演出」の実行抽選に当選した場合に、この引き戻しカウンタ223h及び設定値メモリ223dの値に基づいて、引き戻し状況や確率設定値を把握し、その内容に基づいて後述する示唆内容抽選カウンタ223i及び示唆内容抽選テーブル222fによって実行する「設定示唆演出」の内容が選定される(
図37のS1243参照)。
【0490】
示唆内容抽選カウンタ223iは、「設定示唆演出」が実行されることが決定された場合に、該「設定示唆演出」の内容を決定するために用いられるカウンタである。「設定示唆演出」の内容が少ない(1つのみの)場合や、実行するタイミングが固定的(例えば、エンディング演出時のみ)であった場合、演出にメリハリがなく興趣の乏しいものになってしまう。そこで、「設定示唆演出」の内容にバリエーションを設けるとともに、「設定示唆演出」の実行タイミングを豊富にすることで、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0491】
この示唆内容抽選カウンタ223iの値は、電源投入時に初期値として「0」が設定され、その後、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(
図34のS1112参照)において、所定の範囲(例えば、「0~9」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0~9」の値を取り得るカウンタの場合は「9」)に達した後「0」に戻る構成となっている。示唆内容抽選カウンタ223iの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回更新(例えば、1加算)される。
【0492】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から大当たりの発生を示すオープニングコマンドを受信した場合に、サブリミットカウンタ223e、不利当たりフラグ223g、引き戻しカウンタ223h、設定示唆抽選カウンタ223f及び設定値メモリ223dの値に基づいて、設定示唆抽選テーブル222eを参照して、「設定示唆演出」を実行するか否かの抽選を行う。そして、該抽選結果として「設定示唆演出」の実行が決定された場合、音声ランプ制御装置113は、上記引き戻しカウンタ223hの値と、設定値メモリ223dの値とに基づいて引き戻し回数や確率設定値を把握し、その内容に基づいて示唆内容抽選カウンタ223i及び示唆内容抽選テーブル222fによっていずれの「設定示唆演出」を実行するか否かと、その報知(実行)タイミングを決定する(
図37のS1243参照)。なお、「設定示唆演出」の抽選の詳細については、後述する。
【0493】
設定示唆内容メモリ223jは、上記示唆内容抽選カウンタ223i等によって決定された「設定示唆演出」の内容とその報知(実行)タイミングとを記憶しておくためのメモリである。音声ランプ制御装置113は、この設定示唆内容メモリ223jに記憶されるデータに基づいて、「設定示唆演出」を実行するように構成されている。
【0494】
この設定示唆内容メモリ223jは、電源投入時に初期化(例えば、Nullデータの書き込み)され、音声ランプ制御装置113のMPU221により、「設定示唆演出」の内容およびその報知タイミングが決定された場合に、その決定された内容に応じたデータが記憶される(
図37のS1244参照)。そして、大当たりの演出が終了するタイミングにて、この設定示唆内容メモリ223jが再び初期化される。
【0495】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、この設定示唆内容メモリ223jに記憶されたデータに基づいて「設定示唆演出」を実行するように構成されている。具体的には、設定示唆内容メモリ223jには、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出、「456示唆」演出、又は、「直値示唆」演出のいずれの「設定示唆演出」であるかを示す情報(設定示唆種類情報)が記憶されるとともに、確率設定値と大当たりのラウンド数が一致するタイミングで実行される「ラウンド一致」、確率設定値と大当たりのラウンド数が異なるタイミングで実行される「他ラウンド」、又は、大当たりエンディングのタイミングで実行される「エンディング」のいずれの報知(実行)タイミングで「設定示唆演出」を実行するかを示す情報(タイミング情報)が記憶される。なお、設定示唆内容メモリ223jに記憶されているデータが初期値(例えば、Nullデータ)である場合は、「設定示唆演出」が実行されないことを示す。また、「他ラウンド」の選定方法は、該大当たりで実行され得るラウンド数を把握し、確率設定値の数字と異なるラウンド以外の中から抽選によっていずれか1のラウンドを選定して、該ラウンド情報を設定示唆内容メモリ223jに設定するように構成される。
【0496】
ここで、
図17及び
図18を参照して、設定示唆抽選テーブル222eおよび示唆内容抽選テーブル222fについて説明する。
図17は、設定示唆抽選テーブル222eの一例を模式的に示した図であり、
図18は、示唆内容抽選テーブル222fの一例を模式的に示した図である。
【0497】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から大当たりの発生を示すオープニングコマンドを受信した場合に、サブリミットカウンタ223e、不利当たりフラグ223g、引き戻しカウンタ223h及び設定値メモリ223dの値に基づいて、現在の大当たり回数や引き戻し状況等を把握し、その状況に基づいて設定示唆抽選カウンタ223f及び設定示唆抽選テーブル222eによって「設定示唆演出」を行うか否かを抽選する(
図37のS1241参照)。そして、その抽選結果として、「設定示唆演出」の実行が決定された場合、音声ランプ制御装置113は、上記引き戻しカウンタ223hの値と、設定値メモリ223dの値とに基づいて、引き戻し回数や確率設定値を把握し、その内容に基づいて示唆内容抽選カウンタ223i及び示唆内容抽選テーブル222fによっていずれの「設定示唆演出」を実行するか否かと、その報知(実行)タイミングとを決定する(
図37のS1243参照)。
【0498】
まず、
図17で示すように、設定示唆抽選テーブル222eは、引き戻しカウンタ223hの値と、不利当たりフラグ223gの設定値と、サブリミットカウンタ223eの値とに基づいてグループ分けされ、該グループごとに、「設定示唆演出」の実行抽選に当選することとなる設定示唆抽選カウンタ223fの値が対応付けられている。
【0499】
具体的には、まず、引き戻しカウンタ223hの値が「0」~「2」ごとに区分けされ、その中で、不利当たりフラグ223gの設定値が「オン」又は「オフ」のいずれであるかに区分けされ、さらにその中で、サブリミットカウンタ223eの値が「1」~「6」ごとに区分けされる。そして、区分けされたグループに対してそれぞれ「設定示唆演出」の実行抽選に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が対応付けられている。
【0500】
図17で示す例では、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって不利当たりフラグ223gが「オフ」の場合、サブリミットカウンタ223eの値が「1」~「5」までは、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が割り振られていない一方、サブリミットカウンタ223eの値が「6」の場合にのみ、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~4」、となっている。
【0501】
即ち、引き戻し期間中において1回も引き戻しの大当たりをしていない状況であって、かつ、当選した大当たりの大当たり種別が「確変A」又は「確変B」である場合は、大当たり回数が1回から5回までは「設定示唆演出」の実行抽選に当選することがなく(即ち、当選確率0%)、大当たり回数が6回の状況(即ち、大当たり回数のリミット到達時)でのみ、5%の確率で「設定示唆演出」の実行抽選に当選するように構成されている。
【0502】
一方、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であっても不利当たりフラグ223gが「オン」の場合、サブリミットカウンタ223eの値ごとに「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が割り振られている。具体的には、サブリミットカウンタ223eの値が「1」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~4」、サブリミットカウンタ223eの値が「2」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~9」、サブリミットカウンタ223eの値が「3」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~14」、サブリミットカウンタ223eの値が「4」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~19」、サブリミットカウンタ223eの値が「5」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~24」、サブリミットカウンタ223eの値が「6」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~29」、となっている。
【0503】
即ち、引き戻し期間中において1回も引き戻しの大当たりをしていない状況であって、かつ、当選した大当たりの大当たり種別が「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」である場合、大当たり回数が1回の場合(即ち、あと5回大当たりした場合にリミット回数に到達する状況。以下、あとn(nは自然数)回の大当たりでリミット回数に到達することを、「残りリミット回数n回」と称する場合がある。)は5%の確率、大当たり回数が2回の場合(即ち、残りリミット回数4回)は10%の確率、大当たり回数が3回の場合(即ち、残りリミット回数3回)は15%の確率、大当たり回数が4回の場合(即ち、残りリミット回数2回)は20%の確率、大当たり回数が5回の場合(即ち、残りリミット回数1回)は25%の確率、大当たり回数が6回の場合(即ち、リミット到達時)は30%の確率で、「設定示唆演出」の実行抽選に当選するように構成されている。
【0504】
従って、引き戻し期間中に1回も引き戻しの大当たりをしていない状況では、当選した大当たり種別が遊技者にとって有利な大当たり種別(即ち、大当たり種別「確変A」又は「確変B」)より、不利な大当たり種別(即ち、大当たり種別「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」)の方が「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易いように構成されている。また、引き戻し期間中に1回も引き戻しの大当たりをしていない状況では、大当たりのリミット回数(即ち、サブリミットカウンタ223eが「6」)に近づく程、「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易いように構成されている。特に、不利当たりフラグ223gが「オン」の場合(即ち、当選した大当たり種別が「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」である場合)は、サブリミットカウンタ223eの値が上昇する毎に5%ずつ当選確率が上昇するように構成されている。
【0505】
よって、例えば、大当たり種別「潜伏確変A」に連続して当選した場合に、連続回数がリミット回数に近づく程、「設定示唆演出」に当選し易くなる。つまり、遊技者にとって不利な大当たり種別の当選であっても、有利な大当たり種別の当選時より該パチンコ機10の確率設定値の設定内容を把握できる可能性を上昇させることで、遊技者に該パチンコ機10での遊技の継続可否の判断要素を認識し易くすることができる。このため、不利な大当たり種別の当選した場合でも、大当たり回数のリミット回数に近づく程、遊技者に確率設定値の設定内容の示唆を実行し易くして、パチンコ機10の確率設定値を知り易くなるというメリットを付与し、不利な大当たり種別の当選が連続することによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0506】
次いで、
図17で示す例では、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって不利当たりフラグ223gが「オフ」の場合、サブリミットカウンタ223eの値が「1」~「4」までは、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が割り振られていない一方、サブリミットカウンタ223eの値が「5」の場合に、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~4」、サブリミットカウンタ223eの値が「6」の場合に、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~9」、となっている。
【0507】
即ち、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況であって、かつ、当選した大当たりの大当たり種別が「確変A」又は「確変B」である場合は、大当たり回数が1回から4回までは「設定示唆演出」の実行抽選に当選することがなく(即ち、当選確率0%)、大当たり回数が5回の状況(即ち、残りリミット回数1回)で5%の確率、6回の状況(即ち、大当たり回数のリミット到達時)で10%の確率で、「設定示唆演出」の実行抽選に当選するように構成されている。
【0508】
一方、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であっても不利当たりフラグ223gが「オン」の場合、サブリミットカウンタ223eの値ごとに「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が割り振られている。具体的には、サブリミットカウンタ223eの値が「1」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~34」、サブリミットカウンタ223eの値が「2」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~39」、サブリミットカウンタ223eの値が「3」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~44」、サブリミットカウンタ223eの値が「4」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~49」、サブリミットカウンタ223eの値が「5」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~54」、サブリミットカウンタ223eの値が「6」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~59」、となっている。
【0509】
即ち、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況であって、かつ、当選した大当たりの大当たり種別が「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」である場合、大当たり回数が1回の場合(即ち、残りリミット回数5回)は35%の確率、大当たり回数が2回の場合(即ち、残りリミット回数4回)は40%の確率、大当たり回数が3回の場合(即ち、残りリミット回数3回)は45%の確率、大当たり回数が4回の場合(即ち、残りリミット回数2回)は50%の確率、大当たり回数が5回の場合(即ち、残りリミット回数1回)は55%の確率、大当たり回数が6回の場合(即ち、リミット到達時)は60%の確率で、「設定示唆演出」の実行抽選に当選するように構成されている。
【0510】
従って、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況では、引き戻し期間中に1回も引き戻しの大当たりをしていない状況に比べて、「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易いように構成されている。特に、当選した大当たり種別が「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」である場合は、「設定示唆演出」の当選確率が、引き戻し期間中に1回も引き戻しの大当たりをしていない状況から飛躍的に上昇(例えば、サブリミットカウンタ223eが「1」の場合は、5%→35%)するように構成されている。なお、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況において、大当たりのリミット回数に近づく程、「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易い構成、及び、当選した大当たり種別が遊技者にとって有利な大当たり種別より、不利な大当たり種別の方が「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易い構成は、引き戻し期間中に1回も引き戻しの大当たりをしていない状況の構成と同様である。
【0511】
よって、例えば、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況において、連続回数がリミット回数に近づく程、「設定示唆演出」に当選し易くなる。つまり、引き戻し期間中に大当たりに当選し、さらに大当たりの連荘が発生した場合には、引き戻し期間中に1回も引き戻しの大当たりをしていない状況より該パチンコ機10の確率設定値の設定内容を把握できる可能性を上昇させることで、遊技者に該パチンコ機10での遊技の継続可否の判断要素を知らせ易くすることができる。このため、不利な大当たり種別が当選した場合でも、大当たり回数のリミット回数に近づく程、遊技者に確率設定値の設定内容の示唆を実行し易くして、パチンコ機10の確率設定値を知り易くなるというメリットを付与し、不利な大当たり種別の当選が連続することによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0512】
次いで、
図17で示す例では、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって不利当たりフラグ223gが「オフ」の場合、サブリミットカウンタ223eの値が「1」~「3」までは、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が割り振られていない一方、サブリミットカウンタ223eの値が「4」の場合に、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~4」、サブリミットカウンタ223eの値が「5」の場合に、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~9」、サブリミットカウンタ223eの値が「6」の場合に、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~14」、となっている。
【0513】
即ち、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選し、その後、大当たり回数のリミットに到達したことに基づく再度の引き戻し期間中にもう1度大当たりに当選している状況であって、かつ、当選した大当たりの大当たり種別が「確変A」又は「確変B」である場合は、大当たり回数が1回から3回までは「設定示唆演出」の実行抽選に当選することがなく(即ち、当選確率0%)、大当たり回数が4回の状況(即ち、残りリミット回数2回)で5%の確率、大当たり回数が5回の状況(即ち、残りリミット回数1回)で10%の確率、6回の状況(即ち、大当たり回数のリミット到達時)で15%の確率で、「設定示唆演出」の実行抽選に当選するように構成されている。
【0514】
一方、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であっても不利当たりフラグ223gが「オン」の場合、サブリミットカウンタ223eの値ごとに「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が割り振られている。具体的には、サブリミットカウンタ223eの値が「1」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~64」、サブリミットカウンタ223eの値が「2」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~69」、サブリミットカウンタ223eの値が「3」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~74」、サブリミットカウンタ223eの値が「4」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~79」、サブリミットカウンタ223eの値が「5」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~89」、サブリミットカウンタ223eの値が「6」の場合は、「設定示唆演出」の実行に当選する設定示唆抽選カウンタ223fの値が「0~99」、となっている。
【0515】
即ち、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選し、その後、大当たり回数のリミットに到達したことに基づく再度の引き戻し期間中にもう1度大当たりに当選している状況であって、かつ、当選した大当たりの大当たり種別が「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」である場合、大当たり回数が1回の場合(即ち、残りリミット回数5回)は65%の確率、大当たり回数が2回の場合(即ち、残りリミット回数4回)は70%の確率、大当たり回数が3回の場合(即ち、残りリミット回数3回)は75%の確率、大当たり回数が4回の場合(即ち、残りリミット回数2回)は80%の確率、大当たり回数が5回の場合(即ち、残りリミット回数1回)は90%の確率、大当たり回数が6回の場合(即ち、リミット到達時)は100%の確率で、「設定示唆演出」の実行抽選に当選するように構成されている。
【0516】
従って、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選し、その後、大当たり回数のリミットに到達したことに基づく再度の引き戻し期間中にもう1度大当たりに当選している状況では、引き戻し期間中に1回も引き戻しの大当たりをしていない状況、若しくは、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況に比べて、「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易いように構成されている。特に、不利当たりフラグ223gが「オン」の場合、即ち、当選した大当たり種別が「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」である場合は、「設定示唆演出」の当選確率が、引き戻し期間中に1回も引き戻しの大当たりをしていない状況、若しくは、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況から飛躍的に上昇(例えば、サブリミットカウンタ223eが「1」の場合は、5%又は35%→65%)するように構成されている。また、引き戻しカウンタ223hの値が「2」、不利当たりフラグ223gが「オン」、かつ、サブリミットカウンタ223eの値が「6」である場合は、100%の確率で「設定示唆演出」の実行が決定されるように構成されている。
【0517】
なお、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選し、その後、大当たり回数のリミットに到達したことに基づく再度の引き戻し期間中にもう1度大当たりに当選している状況において、大当たりのリミット回数に近づく程、「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易い構成、及び、当選した大当たり種別が遊技者にとって有利な大当たり種別より、不利な大当たり種別の方が「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易い構成は、引き戻し期間中に1回も引き戻しの大当たりをしていない状況、若しくは、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況の構成と同様である。
【0518】
よって、例えば、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選し、その後、大当たり回数のリミット回数に到達したことに基づく再度の引き戻し期間中にもう1度大当たりに当選している状況において、遊技者にとって不利な大当たり種別の当選回数がリミット回数に近づく程、「設定示唆演出」に当選し易くなる。つまり、引き戻し期間中に大当たりに当選し、さらに大当たりの連荘が発生し、その後、再度の引き戻し期間中に再度大当たりに当選した場合には、引き戻し期間中に1回も引き戻しの大当たりをしていない状況、若しくは、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況より、該パチンコ機10の確率設定値の設定内容を把握できる可能性を上昇させることで、遊技者に該パチンコ機10での遊技の継続可否の判断要素を知らせ易くすることができる。このため、不利な大当たり種別の当選し、大当たりの残りリミット回数が減少してしまった場合でも、大当たり回数のリミット回数に近づく程、遊技者に確率設定値の設定内容の示唆を実行し易くして、パチンコ機10の確率設定値を知り易くなるというメリットを付与し、不利な大当たり種別の当選が連続することによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0519】
また、第1実施形態では、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選し、その後、大当たり回数のリミット回数に到達したことに基づく再度の引き戻し期間中にもう1度大当たりに当選している状況において、遊技者にとって不利な大当たり種別に当選させることで、パチンコ機10の確率設定値の内容がより具体的に示唆され易いように構成されている。このため、複数回の引き戻しの大当たりに当選しているような状況では、例えば、遊技者にとって有利な大当たり種別に当選し易い第2始動口64bへ入賞させるための右打ち遊技ではなく、遊技者にとって不利な大当たり種別に当選し易い第1始動口64aへ入賞させるために左打ち遊技を行い、敢えて不利な大当たり種別に当選し易い第1特別図柄による抽選遊技を実行させて、「設定示唆演出」を実行させ得るという遊技性を創出できる。その結果、遊技者は、いくつかの引き戻しの大当たりに当選した後、未だ「設定示唆演出」が実行されていないような状況において、大当たり回数がリミット回数と差があると予測した場合(例えば、残りリミット回数5回~3回)は、右打ち遊技を行って第2特別図柄による抽選遊技を行い、遊技者にとって有利な大当たり種別に当選(連荘)させて、直接的な遊技価値である多量の賞球の獲得を目指すことが可能となる。一方、遊技者は、リミット回数に近いと予測した場合には、左打ち遊技を行って第1特別図柄による抽選遊技を行い、敢えて遊技者にとって不利な大当たり種別に当選させて、間接的な遊技価値である「設定示唆演出」の実行を目指すことが可能となる。このように構成することで、大当たり回数と引き戻し回数とに基づいて球の発射態様を打ち分けるという遊技性を創出し、大当たり回数のリミット回数と「設定示唆演出」の実行とを組み合わせた多様な遊技性によって、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0520】
さらに、第1実施形態では、リミット回数に近づく程、「設定示唆演出」が実行され易いように構成されている。換言すると、「設定示唆演出」が実行された場合は、大当たりした回数とリミット回数との差が少ない又は無い可能性が高いように構成されている。よって、リミット回数に応じて「設定示唆演出」の実行確率を変更することで、「設定示唆演出」が実行された場合においてリミット回数やリミット到達有無を遊技者に推測させる遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0521】
次に、
図18を参照して、示唆内容抽選テーブル222fについて説明する。
図18で示す例では、示唆内容抽選テーブル222fは、引き戻しカウンタ223hの値と、設定値メモリ223dの値(設定値)とに基づいてグループ分けされ、該グループごとに、「設定示唆演出」の報知(実行)タイミングが複数区分けされている。そして、区分けされた報知タイミングに対して、それぞれ、「設定示唆演出」の内容(即ち、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出、「456示唆」演出又は「直値示唆」演出のいずれか)と示唆内容抽選カウンタ223iの取り得る値とが対応付けられている。即ち、「設定示唆演出」の実行が決定された場合、引き戻しカウンタ223hの値と、設定値メモリ223dの値と、示唆内容抽選カウンタ223iの値とに基づいて、「設定示唆演出」の報知タイミングとその内容とが一括して決定される。
【0522】
具体的には、まず、引き戻しカウンタ223hの値が「0」~「2」のいずれかに区分けされ、その中で、設定値メモリ223dの値(設定値)ごとにそれぞれ区分けされ、さらにその中で、「設定示唆演出」の報知タイミングごとに区分けされる。そして、区分けされたグループに対してそれぞれ「設定示唆演出」の種類と示唆内容抽選カウンタ223iの値とが対応付けられている。
【0523】
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、設定値メモリ223dの設定値と「設定示唆演出」を実行する大当たり中のラウンド数が一致する「ラウンド一致」(即ち、大当たりの1ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0524】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、設定値メモリ223dの設定値と「設定示唆演出」を実行する大当たり中のラウンド数が一致しない「他ラウンド」(即ち、大当たりの2~16ラウンド)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「1~4」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「他ラウンド」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0525】
さらに、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、大当たりの終了時のエンディング演出中を示す「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「5~9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0526】
つまり、引き戻し期間中において1回も引き戻しの大当たりをしていない状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」)であって、かつ、確率設定値が設定値「1」である場合は、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングが10%、「他ラウンド」のタイミングが40%、「エンディング」のタイミングが50%の割合で選定される。
【0527】
上述したように、第1実施形態では、確率設定値が設定値「1」である場合、「1否定示唆」演出、「456示唆」演出および「直値示唆」演出を選定しないように構成されている。
【0528】
これは、まず、「1否定示唆」演出は、確率設定値が設定値「1」であることを否定する示唆演出であるため、確率設定値が設定値「1」である場合に「1否定示唆」を実行してしまうと、演出内容の齟齬が生じてしまい、遊技者を混乱させるおそれがある。よって、確率設定値が設定値「1」である場合は、「設定示唆演出」として「1否定示唆」演出を選択しないように構成し、適正な演出を実行して、遊技者に無用な混乱を生じさないようにすることができる。
【0529】
また、「456示唆」演出は、確率設定値が「4~6」のいずれかであることを示唆する演出であるため、確率設定値が設定値「4~6」ではない設定値(例えば、設定値「1」)である場合に「456示唆」演出を実行してしまうと、演出内容の齟齬が生じてしまい、遊技者を混乱させるおそれがある。よって、確率設定値が設定値「1」である場合は、「設定示唆演出」として「456示唆」演出を選択しないように構成し、適正な演出を実行して、遊技者に無用な混乱を生じさないようにすることができる。
【0530】
さらに、「直値示唆」演出は、確率設定値の設定値を直接的に遊技者に示唆する演出であるため、得られる遊技価値が低い低設定(即ち、設定値「1」や「2」)である場合に「直値示唆」演出を実行してしまうと、そのパチンコ機10で得られる遊技価値が低いことを遊技者が把握し、遊技の継続意欲が薄れ、遊技を中止(中断)してしまうおそれがある。よって、確率設定値が低設定の場合には、「直値示唆」演出を実行しないように構成して、遊技者の遊技意欲が減退してしまう事態を抑制できる。
【0531】
また、「直値示唆」演出は、引き戻しカウンタ223hの値が「2」の場合のみ選定され得て、引き戻しカウンタ223hの値が「0」又は「1」の場合には選定されないように構成されている。このように構成することで、引き戻し期間中に引き戻しの大当たりを重ねるほど、「設定示唆演出」において直接的な示唆内容を実行させることが可能となり、引き戻しの大当たりに当選することによる遊技価値以外のメリットを遊技者に付与することができる。
【0532】
なお、第1実施形態では、「設定示唆演出」の報知タイミングとして、「他ラウンド」の報知タイミングが選定された場合は、確率設定値と異なる数のラウンドで「設定示唆演出」が実行される。この『確率設定値と異なる数のラウンド』の決定は、固定的なラウンド(例えば、大当たりにおける最終ラウンド等)で実行しても良いし、他のカウンタ等によって実行されるラウンドがランダムに選定されるように構成してもよい。
【0533】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの2ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0,1」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0534】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「他ラウンド」(即ち、大当たりの1,3~16ラウンド)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「2~4」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「他ラウンド」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0535】
さらに、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「5~8」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「456示唆」演出および「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0536】
つまり、引き戻し期間中において1回も引き戻しの大当たりをしていない状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」)であって、かつ、確率設定値が設定値「2」である場合は、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が20%、「他ラウンド」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が30%、「エンディング」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が40%、同じく「エンディング」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%の割合で選定される。
【0537】
なお、上述したように、第1実施形態では、確率設定値が設定値「2」である場合、「456示唆」演出および「直値示唆」演出を選定しないように構成されており、その理由は、確率設定値が設定値「1」である場合と同様である。
【0538】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの3ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0~2」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0539】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「他ラウンド」(即ち、大当たりの1,2,4~16ラウンド)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「3,4」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「他ラウンド」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0540】
さらに、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「5~8」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「456示唆」演出および「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0541】
つまり、引き戻し期間中において1回も引き戻しの大当たりをしていない状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」)であって、かつ、確率設定値が設定値「3」である場合は、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が30%、「他ラウンド」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が20%、「エンディング」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が40%、同じく「エンディング」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%の割合で選定される。
【0542】
なお、上述したように、第1実施形態では、確率設定値が設定値「3」である場合、「456示唆」演出を選定しないように構成されており、その理由は、確率設定値が設定値「1」である場合と同様である。
【0543】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの4ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0~3」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0544】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「他ラウンド」(即ち、大当たりの1~3,5~16ラウンド)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「4,5」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「他ラウンド」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0545】
さらに、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「6,7」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「8」、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0546】
つまり、引き戻し期間中において1回も引き戻しの大当たりをしていない状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」)であって、かつ、確率設定値が設定値「4」である場合は、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が40%、「他ラウンド」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が20%、「エンディング」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が20%、同じく「エンディング」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「456示唆」演出が10%の割合で選定される。
【0547】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの5ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0~4」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0548】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「他ラウンド」(即ち、大当たりの1~4,6~16ラウンド)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「5,6」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「他ラウンド」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0549】
さらに、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「7」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「8」、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0550】
つまり、引き戻し期間中において1回も引き戻しの大当たりをしていない状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」)であって、かつ、確率設定値が設定値「5」である場合は、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が50%、「他ラウンド」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が20%、「エンディング」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「456示唆」演出が10%の割合で選定される。
【0551】
ここで、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり時に実行されるラウンド数として、16回のラウンド遊技が実行される大当たり種別「確変A」(以下、大当たり種別「確変A」を、「16R大当たり」と称する場合がある)と、4回のラウンド遊技が実行される大当たり種別「確変B」、「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」(以下、大当たり種別「確変B」、「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」の大当たり種別を総称して、「4R大当たり」と称する場合がある。)とが設けられている。このため、16R大当たりに当選した場合には、「ラウンド一致」又は「他ラウンド」のいずれのタイミングでも「設定示唆演出」を実行することができる一方、4R大当たりに当選した場合において、「設定示唆演出」の報知タイミングとして5ラウンド目以降が選定された場合、当該大当たりでは決定された報知タイミングにおいて「設定示唆演出」を実行することができない。
【0552】
大当たり遊技におけるラウンド数等の出玉率に関係する遊技仕様は、パチンコ機10の開発過程において、映像開発やソフト制御開発より後発に行われ易く、また、検定試験の不合格等によって、機種開発の工程における比較的後期で変更され得る場合がある。従って、開発当初、想定していた大当たりのラウンド数を、機種開発の工程における比較的後期で減少させた場合、機種開発の当初に想定していた遊技仕様では実行可能であったラウンド演出を実行できなくなることがある。その結果、本実施形態のように、『確率設定値の設定値に対応するラウンドにおいて「設定示唆演出」を実行する』、という遊技性を搭載した場合、確率設定値の設定可能範囲より少ないラウンド数の大当たり種別が存在するとき、折角「設定示唆演出」の実行抽選に当選したとして、当選した大当たりのラウンド数を超える確率設定値に対応するラウンドでの「設定示唆演出」を実行できなくなってしまう。
【0553】
そこで、第1実施形態は、「設定示唆演出」の報知タイミングとして選定されたラウンドが実行されない場合、該報知タイミングを変更して、いずれの大当たりでも実行されるエンディング演出中での報知タイミングにて「設定示唆演出」を実行するように構成されている。このように、報知タイミングの変更処理を実行することで、「設定示唆演出」の実行抽選に当選した場合、当初当選した報知タイミングに対応するラウンドが存在しない場合であっても、すべての大当たり種別において実行され得るエンディング演出において確実に「設定示唆演出」を実行することができる。よって、仮に、遊技仕様が変更された場合であっても、機種開発時における映像開発又はソフトウェア開発を変更することなく、『確率設定値の設定値に対応するラウンドにおいて「設定示唆演出」を実行する』という遊技性を実行しつつ、仮に該当ラウンドが存在しない場合であっても、エンディング演出で「設定示唆演出」を実行することで、当選した「設定示唆演出」を確実に実行して、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、「ラウンド一致」の場合も「他ラウンド」の場合も、報知タイミングとして選定されたラウンドが存在しないとき、上記変更処理を実行するように構成されている。
【0554】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの6ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0~5」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選択され得ない。
【0555】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「他ラウンド」(即ち、大当たりの1~5,7~16ラウンド)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「6」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「他ラウンド」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選択され得ない。
【0556】
さらに、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「7」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「8」、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0557】
つまり、引き戻し期間中において1回も引き戻しの大当たりをしていない状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「0」)であって、かつ、確率設定値が設定値「6」である場合は、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が60%、「他ラウンド」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、「エンディング」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「456示唆」演出が10%の割合で選定される。
【0558】
このように、引き戻し期間中において1回も引き戻しの大当たりをしていない状況において、確率設定値が高いほど「設定示唆演出」を実行する報知タイミングとして「ラウンド一致」が選定され易いとともに、確率設定値が低いほど「設定示唆演出」を実行する報知タイミングとして「エンディング」が選定され易いように構成されている。このように確率設定値に応じて該設定値が報知され得るタイミングを異ならせることで、「設定示唆演出」の実行タイミングによって遊技者に確率設定値を推測させる遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0559】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの1ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0,1」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0560】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「他ラウンド」(即ち、大当たりの2~16ラウンド)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「2~7」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「他ラウンド」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0561】
さらに、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「8,9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0562】
つまり、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」)であって、かつ、確率設定値が設定値「1」である場合は、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングが20%、「他ラウンド」のタイミングが60%、「エンディング」のタイミングが20%の割合で選定される。
【0563】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの2ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0~2」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「3」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「456示唆」演出および「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0564】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「他ラウンド」(即ち、大当たりの1,3~16ラウンド)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「4~6」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「7」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「他ラウンド」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「456示唆」演出および「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0565】
さらに、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「8」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「456示唆」演出および「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0566】
つまり、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」)であって、かつ、確率設定値が設定値「2」である場合は、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が30%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、「他ラウンド」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が30%、同じく「他ラウンド」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、「エンディング」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%の割合で選定される。
【0567】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの3ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0~3」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「4」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「456示唆」演出および「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0568】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「他ラウンド」(即ち、大当たりの1,2,4~16ラウンド)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「5,6」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「7」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「他ラウンド」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「456示唆」演出および「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0569】
さらに、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「8」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「456示唆」演出および「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0570】
つまり、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」)であって、かつ、確率設定値が設定値「3」である場合は、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が40%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、「他ラウンド」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が20%、同じく「他ラウンド」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、「エンディング」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%の割合で選定される。
【0571】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの4ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0,1」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「2」、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「3」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0572】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「他ラウンド」(即ち、大当たりの1~3,5~16ラウンド)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「4」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「5」、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「6」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「他ラウンド」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0573】
さらに、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「7」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「8」、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0574】
つまり、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」)であって、かつ、確率設定値が設定値「4」である場合は、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が20%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「456示唆」演出が10%、「他ラウンド」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、同じく「他ラウンド」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、同じく「他ラウンド」のタイミングでの「456示唆」演出が10%、「エンディング」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「456示唆」演出が10%の割合で選定される。
【0575】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの5ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「1,2」、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「3」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0576】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「他ラウンド」(即ち、大当たりの1~4,6~16ラウンド)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「4」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「5」、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「6」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「他ラウンド」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0577】
さらに、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「7」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「8」、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0578】
つまり、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」)であって、かつ、確率設定値が設定値「5」である場合は、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「1否定示唆」演出が20%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「456示唆」演出が10%、「他ラウンド」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、同じく「他ラウンド」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、同じく「他ラウンド」のタイミングでの「456示唆」演出が10%、「エンディング」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「456示唆」演出が10%の割合で選定される。
【0579】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの6ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「1」、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「2,3」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0580】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「他ラウンド」(即ち、大当たりの1~5,7~16ラウンド)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「4」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「5」、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「6」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「他ラウンド」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0581】
さらに、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「7」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「8」、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0582】
つまり、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「1」)であって、かつ、確率設定値が設定値「6」である場合は、「偶奇示唆」演出、「1否定示唆」演出又は「456示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「456示唆」演出が20%、「他ラウンド」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、同じく「他ラウンド」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、同じく「他ラウンド」のタイミングでの「456示唆」演出が10%、「エンディング」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「1否定示唆」演出が10%、同じく「エンディング」のタイミングでの「456示唆」演出が10%の割合で選定される。
【0583】
このように、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況では、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回も当選していない状況と比べて、確率設定値の内容をより具体的に遊技者に示唆する「設定示唆演出」が選定され易いように構成されている。具体的には、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況では、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回も当選していない状況と比べて、確率設定値の内容を遊技者に推測させ易い「1否定示唆」演出や「456示唆」演出が実行され易く構成されている。よって、仮に、確率設定値が高設定であったとき、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに1回当選している状況において「設定示唆演出」の実行抽選に当選して高設定であることを示唆する「設定示唆演出」が実行された場合には、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選することによる直接的な遊技価値を付与するとともに、パチンコ機10の確率設定値の示唆という間接的な遊技価値を付与し易くし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0584】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの1ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0~2」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0585】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「3~9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「1」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出のみが選定され得て、他の「設定示唆演出」には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0586】
つまり、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選し、その後、大当たり回数のリミットに到達したことに基づく再度の引き戻し期間中にもう1度大当たりに当選している状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」)であって、かつ、確率設定値が設定値「1」である場合は、「偶奇示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が30%、「エンディング」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が70%の割合で選定される。
【0587】
なお、第1実施形態では、引き戻しカウンタ223hの値が「2」である場合、「他ラウンド」での報知タイミングにおける示唆内容抽選カウンタ223iの値が割り振られていない。即ち、確率設定値の内容と報知タイミングのラウンド数とが一致しない「他ラウンド」の報知タイミングでの「設定示唆演出」が実行されないことから、「設定示唆演出」の報知タイミングのみで確率設定値を遊技者に推測させることが可能となる。よって、遊技者に確率設定値を推測し易くし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0588】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの2ラウンド目のタイミング)において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0,1」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「2,3」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「456示唆」演出又は「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0589】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「エンディング」において、「偶奇示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「4~6」、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「7~9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「2」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「456示唆」演出又は「直値示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0590】
つまり、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選し、その後、大当たり回数のリミットに到達したことに基づく再度の引き戻し期間中にもう1度大当たりに当選している状況(即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」)であって、かつ、確率設定値が設定値「2」である場合は、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が20%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「1否定示唆」演出が20%、「エンディング」のタイミングでの「偶奇示唆」演出が30%、同じく「エンディング」のタイミングでの「1否定示唆」演出が30%の割合で選定される。
【0591】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの3ラウンド目のタイミング)において、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0~4」、「直値示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「5」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「1否定示唆」演出又は「直値示唆」演出が選定され得て、「偶奇示唆」演出又は「456示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0592】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「エンディング」において、「1否定示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「6~8」、「直値示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「3」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「1否定示唆」演出又は「直値示唆」演出が選定され得て、「偶奇示唆」演出又は「456示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0593】
つまり、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選し、その後、大当たり回数のリミットに到達したことに基づく再度の引き戻し期間中にもう1度大当たりに当選している状況であって、かつ、確率設定値が設定値「3」である場合は、「1否定示唆」演出又は「直値示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「1否定示唆」演出が50%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「直値示唆」演出が10%、「エンディング」のタイミングでの「1否定示唆」演出が30%、同じく「エンディング」のタイミングでの「直値示唆」演出が10%の割合で選定される。
【0594】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの4ラウンド目のタイミング)において、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0~3」、「直値示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「4」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「456示唆」演出又は「直値示唆」演出が選定され得て、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0595】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「エンディング」において、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「5~8」、「直値示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「4」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「456示唆」演出又は「直値示唆」演出が選定され得て、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0596】
つまり、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選し、その後、大当たり回数のリミットに到達したことに基づく再度の引き戻し期間中にもう1度大当たりに当選している状況であって、かつ、確率設定値が設定値「4」である場合は、「456示唆」演出又は「直値示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「456示唆」演出が40%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「直値示唆」演出が10%、「エンディング」のタイミングでの「456示唆」演出が40%、同じく「エンディング」のタイミングでの「直値示唆」演出が10%の割合で選定される。
【0597】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの5ラウンド目のタイミング)において、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0~2」、「直値示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「3,4」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「456示唆」演出又は「直値示唆」演出が選定され得て、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0598】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「エンディング」において、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「5~7」、「直値示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「8,9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「5」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「456示唆」演出又は「直値示唆」演出が選定され得て、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0599】
つまり、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選し、その後、大当たり回数のリミットに到達したことに基づく再度の引き戻し期間中にもう1度大当たりに当選している状況であって、かつ、確率設定値が設定値「5」である場合は、「456示唆」演出又は「直値示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「456示唆」演出が30%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「直値示唆」演出が20%、「エンディング」のタイミングでの「456示唆」演出が30%、同じく「エンディング」のタイミングでの「直値示唆」演出が20%の割合で選定される。
【0600】
次いで、
図18で示すように、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「ラウンド一致」(即ち、大当たりの6ラウンド目のタイミング)において、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「0,1」、「直値示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「2~4」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「ラウンド一致」のタイミングでは、「456示唆」演出又は「直値示唆」演出が選定され得て、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0601】
また、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「エンディング」において、「456示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「5,6」、「直値示唆」演出の実行に当選する示唆内容抽選カウンタ223iの値が「7~9」、となっている。即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」であって、かつ、設定値メモリ223dの値が「6」であった場合、「エンディング」のタイミングでは、「456示唆」演出又は「直値示唆」演出が選定され得て、「偶奇示唆」演出又は「1否定示唆」演出には示唆内容抽選カウンタ223iの値が対応付けられておらず選定され得ない。
【0602】
つまり、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選し、その後、大当たり回数のリミットに到達したことに基づく再度の引き戻し期間中にもう1度大当たりに当選している状況であって、かつ、確率設定値が設定値「6」である場合は、「456示唆」演出又は「直値示唆」演出が選定され得て、「ラウンド一致」のタイミングでの「456示唆」演出が20%、同じく「ラウンド一致」のタイミングでの「直値示唆」演出が30%、「エンディング」のタイミングでの「456示唆」演出が20%、同じく「エンディング」のタイミングでの「直値示唆」演出が30%の割合で選定される。
【0603】
このように、引き戻し期間中に引き戻しの大当たりに当選している場合において、「設定示唆演出」の実行に当選したとき、引き戻し回数が多ければ多い程、「設定示唆演出」における示唆内容が具体的に(直接的に、又は、遊技者が推測し易く)なるように構成されている。このため、引き戻し回数が多くなるほど、遊技者に確率設定値の設定内容を認識させ易くして、パチンコ機10の確率設定値を知り易くなるというメリットを付与することができる。その結果、引き戻し期間中における引き戻しの大当たりという直接的な遊技価値の付与と、確率設定値の示唆という間接的な遊技価値の付与とを実現し、引き戻し期間中における遊技の興趣向上を図ることができる。
【0604】
また、第1実施形態では、引き戻し回数に応じて「設定示唆演出」の実行タイミングが、確率設定値そのものと関連するタイミング(即ち、「ラウンド一致」のタイミング)で実行され易くなるように構成されている。即ち、引き戻しの回数(状況)と「設定示唆演出」の実行タイミングとによって確率設定値を推測することが可能となるため、引き戻し回数と「設定示唆演出」との実行タイミングを把握することで、遊技者に確率設定値を推測させる遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0605】
図16に戻って、説明を続ける。大当たり演出フラグ223kは、オン状態で大当たりの実行中であることを示して、第3図柄表示装置81等において大当たりに関する演出を実行すべきことを示すフラグである。
【0606】
この大当たり演出フラグ223kは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力されたオープニングコマンドを受信した場合にオンされる(
図36のS1222参照)。そして、大当たり状態が終了するタイミングにオフされる(
図38のS1309参照)。MPU221は、この大当たり演出フラグ223kがオンされたことを契機として、大当たりに関する演出を実行させるための大当たり演出処理における大当たり演出の設定処理を実行する(
図38のS1302~S1311参照)。
【0607】
サブラウンドカウンタ223mは、主制御装置110のラウンドカウンタ203iと同様、大当たりにおけるラウンド(大入賞口65aの開放回数)を音声ランプ制御装置113側でも計数するためのカウンタである。
【0608】
このサブラウンドカウンタ223mの値は、電源投入時に初期値として「0」が設定され、大当たりに当選し、主制御装置110から大入賞口65aの開放開始を示す開放コマンドを受信する毎に、1加算される(
図36のS1231参照)。即ち、大当たりの1ラウンド目には、サブラウンドカウンタ223mの値が「1」に設定され、大当たりの2ラウンド目には、サブラウンドカウンタ223mの値が「2」に設定され、・・・、大当たりの16ラウンド目には、サブラウンドカウンタ223mの値が「16」に設定される(
図36のS1231参照)。そして、主制御装置110から大当たり状態の終了を示すエンディングコマンドを受信した場合に、このサブラウンドカウンタ223mの値を「0」クリアする(
図36のS1234参照)。
【0609】
音声ランプ制御装置113は、このサブラウンドカウンタ223mの値を参照することで大当たりにおけるラウンド数を把握し、サブラウンドカウンタ223mの値と、決定された「設定示唆演出」の報知タイミングとが一致した場合に(
図38のS1302:Yes参照)、設定示唆内容メモリ223jに記憶されている「設定示唆演出」の内容を実行するように構成されている(
図38のS1303参照)。
【0610】
エンディングフラグ223nは、オン状態で大当たり状態におけるエンディング期間であることを示して、第3図柄表示装置81等において「エンディング」のタイミングにおける「設定示唆演出」等の大当たりのエンディング演出を実行すべきことを示すフラグである。
【0611】
このエンディングフラグ223nは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力されたエンディングコマンドを受信した場合にオンされる(
図36のS1233参照)。そして、「エンディング」のタイミングでの「設定示唆演出」を設定するタイミングにオフされる(
図38のS1305参照)。MPU221は、このエンディングフラグ223nがオンされたことを契機として、大当たり演出におけるエンディング期間中の演出設定を実行する(
図38のS1303,S1305~S1307参照)。
【0612】
音声ランプ制御装置113は、このエンディングフラグ223nの値を参照することで大当たりにおけるエンディング演出のタイミグを把握し、該エンディングフラグ223nの設定値と、決定された「設定示唆演出」の報知タイミングとが一致した場合に(
図38のS1302:Yes参照)、設定示唆内容メモリ223jに記憶されている「設定示唆演出」の内容を実行するように構成されている(
図38のS1303参照)。
【0613】
第1保留情報格納エリア223oは、保留されている第1特別図柄の変動演出等を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、保留球数コマンドによって送信された第1特別図柄の変動演出に関する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
【0614】
音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223oに格納された各カウンタC1~C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a~222dとを用いて、第1特別図柄の変動演出を実行するように構成されている。
【0615】
第2保留情報格納エリア223pは、保留されている第2特別図柄の変動演出等を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、保留球数コマンドによって送信された第2別図柄の変動演出に関する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
【0616】
音声ランプ制御装置113は、第2保留情報格納エリア223pに格納された各カウンタC1~C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a~222dとを用いて、第2特別図柄の変動演出を実行するように構成されている。
【0617】
実行情報格納エリア223qは、第3図柄表示装置81で実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
【0618】
音声ランプ制御装置113のMPU221は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の設定等を実行するために、上述した第1保留情報格納エリア223oの第1保留情報格納第1エリア、又は、第2保留情報格納エリア223pの第2保留情報格納第2エリアに記憶されている変動演出を行うための情報(カウンタC1~C3,CS1等の各値)を、この実行情報格納エリア223qへシフトする。
【0619】
ここで、
図19を参照して、第1保留情報格納エリア223o、第2保留情報格納エリア223p及び実行情報格納エリア223qの詳細について説明する。
図19は、第1保留情報格納エリア223o、第2保留情報格納エリア223p及び実行情報格納エリア223qの構成を模式的に示す模式図である。
【0620】
第1保留情報格納エリア223oは、第1保留情報格納第1~第4エリアの4つのエリアを有している。各第1保留情報格納第1~第4エリアには、それぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223o1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223o2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223o3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223o4とが少なくとも設けられている。
【0621】
また、第2保留情報格納エリア223pは、第1保留情報格納エリア223oと同様、第2保留情報格納第1~第4エリアの4つのエリアを有している。各第2保留情報格納第1~第4エリアには、それぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223p1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223p2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223p3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223p4とが少なくとも設けられている。
【0622】
さらに、実行情報格納エリア223qには、現在実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223q1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223q2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223q3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223q4とが少なくとも設けられている。
【0623】
具体的には、実行情報格納エリア223qが、現在実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出に対応するエリアである。また、第1保留情報格納第1エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第2エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第3エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第4エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアである。さらに、第2保留情報格納第1エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第2エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第3エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第4エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアである。
【0624】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より保留球数コマンドを受信すると、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値と、対応する特別図柄とを、保留球数コマンドより抽出する。そして、音声ランプ制御装置113は、抽出した各カウンタC1~C3,CS1の値をそれぞれ、対応する第1保留情報格納第1~第4エリア又は第2保留情報格納第1~第4エリアのうち該保留球数コマンドに含まれる保留球数に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア223o1,223p1、大当たり種別カウンタ格納エリア223o2,223p2、停止パターン選択カウンタ格納エリア223o3,223p3、変動種別カウンタ格納エリア223o4,223p4に格納する。
【0625】
具体的には、保留球数コマンドに含まれる保留球数がX(1≦X≦4)であって、第1特別図柄に対応するものであれば、その時点で保留されている第1特別図柄の変動演出の数はXであり、その保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1~C3,CS1の値は、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的にX番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応したものとなるので、第1保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223o1~223o4に対応するカウンタC1~C3,CS1の値を格納する。このとき、主制御装置110では、保留球数コマンドに含めた各カウンタC1~C3,CS1の値を第1保留球格納エリア203dの第1保留第Xエリアに格納する。つまり、主制御装置110の第1保留第Xエリアに格納された各カウンタC1~C3,CS1と同じ値が、第1保留情報格納第Xエリアに格納されることになる。
【0626】
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を意味する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信すると、第1保留情報格納エリア223o又は第2保留情報格納エリア223pに格納された情報を、実行情報格納エリア223qに対してシフトする処理を実行する。つまり、第2特別図柄に関する保留情報が存在する場合は、時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された第2特別図柄の変動演出に対応する第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223p1~223p4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223qの各格納エリア223q1~223q4に移動させる。一方、第2特別図柄に関する保留情報が存在せず、第1特別図柄に関する保留情報のみが存在する場合は、時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応する第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223o1~223o4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223qの各格納エリア223q1~223q4に移動させる。
【0627】
また、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223p1~223p4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を実行情報格納エリア223qの各格納エリア223q1~223q4に移動させた場合は、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223p1~223p4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223p1~223p4に移動させ、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223p1~223p4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223p1~223p4に移動させ、第2保留情報格納第4エリアの各格納エリア223p1~223p4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223p1~223p4に移動させる。
【0628】
さらに、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223o1~223o4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を実行情報格納エリア223qの各格納エリア223q1~223q4に移動させた場合は、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223o1~223o4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223o1~223o4に移動させ、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223o1~223o4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223o1~223o4に移動させ、第1保留情報格納第4エリアの各格納エリア223o1~223o4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223o1~223o4に移動させる。
【0629】
これにより、実行情報格納エリア223qには、主制御装置110の保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1~C3,CS1と同じ値が格納されることになる。また、第1保留情報格納第1~第4エリア及び第2保留情報格納第1~第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1~第4エリア、及び、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1~第4エリアに格納された各カウンタC1~C3,CS1と同じ値が格納されることになる。つまり、音声ランプ制御装置113には、主制御装置110にて実行中および保留中の第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出に対応する各カウンタC1~C3,CS1が、実行情報格納エリア223q並びに第1保留情報格納エリア223o及び第2保留情報格納エリア223pに格納される。
【0630】
音声ランプ制御装置113では、先読み処理(図示せず)を行う場合に、サブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cから保留されている第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の数(保留球数)を把握する。そして、その保留球数に基づき、第1保留情報格納第1~第4エリア及び第2保留情報格納第1~第4エリアのうち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出が保留されているエリアに格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を先読みし、その変動演出において大当たりとなるか否かや、変動時間等が判定される。例えば、サブ第1保留球数カウンタ223bの値が「1」であって、サブ第2保留球数カウンタ223cの値が「0」であれば、第1特別図柄の変動演出の保留球数が1回であって第2特別図柄の変動演出の保留球数が0回であるので、第1保留情報格納第1エリアについて、格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。また、サブ第1保留球数カウンタ223bの値が「0」であって、サブ第2保留球数カウンタ223cの値が「4」であれば、第1特別図柄の変動演出の保留球数が0回であって第2特別図柄の変動演出の保留球数が4回であるので、第2保留情報格納第4エリアについて、格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。
【0631】
パチンコ機10は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成されており、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110のRAM203等にアクセスすることはできない。これに対し、音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223o及び第2保留情報格納エリア223pを設けて、主制御装置110にて保留された第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出に対応する各カウンタC1~C3,CS1を音声ランプ制御装置113にも格納するので、この第1保留情報格納エリア223o及び第2保留情報格納エリア223pに格納された各カウンタC1~C3,CS1を参照することで、先読み処理を音声ランプ制御装置113にて実行できるようになっている。即ち、保留された第1特別図柄又は/及び第2特別図柄の変動演出が実行された場合に、その変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定することができる。
【0632】
なお、第1保留情報格納エリア223o又は第2保留情報格納エリア223p、および、実行情報格納エリア223qにおける上述のシフト処理は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの保留球数(変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドの受信に基づく更新が行われる前のサブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cの値)に基づいて、第1保留情報格納第1~第4エリア及び第2保留情報格納第1~第4エリアのうち保留されている変動演出に対応するエリアについてのみデータの移動(シフト)を行う。
【0633】
例えば、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ第1保留球数カウンタ223bの値が「4」であり、第1保留情報格納エリア223oの全エリア(第1保留情報格納第1~第4エリア)にデータが記憶されているとする。この場合、第1保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223qへシフトし、第2保留情報格納第2エリアのデータを第1保留情報格納第1エリアへシフトし、第1保留情報格納第3エリアのデータを第1保留情報格納第2エリアへシフトし、第1保留情報格納第4エリアのデータを第1保留情報格納第3エリアへシフトする。
【0634】
一方、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ第1保留球数カウンタ223bの値が「2」であれば、第1保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223qへシフトし、第1保留情報格納第2エリアのデータを第1保留情報格納第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施形態では、変動演出が保留されていない第1保留情報格納第3,第4エリアについては、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
【0635】
なお、データの有無に関わらず、第1保留情報格納第1~第4エリア又は第2保留情報格納第1~第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリア(実行情報格納エリア223q又は第1保留情報格納第1~第3エリア若しくは第2保留情報格納第1~第3エリア)にそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留情報格納第1~第4エリア又は第2保留情報格納第1~第4エリアの各々のエリアについて、データが記憶(保留)されているか否かの判定を不用とするので、プログラムの作成を容易とすることができる。
【0636】
図16に戻って説明を続ける。RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。
【0637】
コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(
図35参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
【0638】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における特別図柄の変動演出や連続予告演出を制御するものである。
【0639】
次に、
図20から
図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。
【0640】
図16は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
【0641】
この立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期値設定処理を実行する(S101)。例えば、RAM203へのアクセス許可を設定し、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では、「1秒」)を実行する(S102)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
【0642】
その後は、主制御装置110に設けたRAM消去スイッチ503(
図5参照)がオンされているか否かを判別する(S104)。判別の結果、RAM消去スイッチ503がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S105)。そして、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合は、RAM203の初期化を行うため、処理をS116へ移行する。
【0643】
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS116へ移行する。
【0644】
なお、
図22のS156の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
【0645】
一方、RAM消去スイッチ503がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次いで、設定キー501がオンされているか否かを判別する(S109)。
【0646】
S109の処理において、設定キー501がオンされていると判別された場合(S109:Yes)、電源投入時においてRAM消去スイッチ503:オフ、かつ、設定キー501:オンに操作されているので、立ち上げモードを「設定確認モード」で立ち上げるべく、まず、確率表示装置504において確率設定値の表示を開始し(S110)、その後、設定キー501がオフされたか否かを判別し(S111)、設定キー501がオフされるまで該「設定確認モード」を維持する(S111:No)。一方、設定キー501がオフされた場合は(S111:Yes)、確率表示装置504における確率設定値の表示を終了して(S112)、「設定確認モード」を終了して、処理をS113へ移行する。なお、S109の処理において、設定キー501がオンされていなければ(S109:No)、立ち上げモードを「通常モード」で立ち上げるべく、S110~S112の処理をスキップして、処理をS113へ移行する。
【0647】
S113の処理では、確率設定値に基づいて設定値コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S113)、その後、割込みを許可する(S114)。そして、後述するメイン処理(
図22参照)に移行する。
【0648】
ここで設定された設定値コマンドは、後述するタイマ割込処理の外部出力処理(
図23のS201参照)において、音声ランプ制御装置113へと送信される。音声ランプ制御装置113は、この設定値コマンドを受信すると、RAM223に設けられた設定値メモリ223dに該設定値コマンドが示す確率設定値を格納(記憶)するように構成されている(
図33のS1013参照)。
【0649】
一方、S104の処理において、RAM消去スイッチ503がオンされていると判別された場合は(S104:Yes)、立ち上げモードを「RAMクリアモード」か「設定変更モード」のいずれで立ち上げるかを判別すべく、設定キー501がオンされているか否かを判別する(S115)。
【0650】
S115の処理において、設定キー501がオンされていないと判別された場合は(S115:No)、立ち上げモードを「RAMクリアモード」で立ち上げるべく、処理をS116へ移行する。
【0651】
S116の処理では、RAM203の初期化処理(S116,S117)を実行する。
【0652】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、設定変更の如何を問わず電源投入時にRAMデータを初期化する場合には、RAM消去スイッチ503を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ503が押されていれば、RAMの初期化処理(S116,S117)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合(S105:No)や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合(S107:No)も同様に、RAM203の初期化処理(S116,S117)を実行する。
【0653】
RAMの初期化処理(S116,S117)、即ち、「RAMクリアモード」では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S116)、その後、RAM203に初期値(例えば、第1保留球数カウンタ203aの「0」クリア等)を設定する(S117)。RAM203の初期化処理の実行後は、S113の処理へ移行する。
【0654】
一方、S115の処理において、設定キー501がオンされていると判別された場合は(S115:Yes)、立ち上げモードを「設定変更モード」にするべく、設定変更処理を行う(S118)。
【0655】
ここで、
図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される設定変更処理(S118)について説明する。
図21は、この設定変更処理(S118)を示すフローチャートである。この設定変更処理(S118)は、立ち上げモードが「設定変更モード」である場合に実行される処理であり、ホール関係者等からの確率設定値の変更(更新)を受け付け、確定されるための処理である。
【0656】
この設定変更処理(S118)では、まず、確率表示装置504において現在の確率設定値の表示の開始を設定し(S121)、処理をS122へ移行する。この確率設定値の表示の開始設定により、確率表示装置504に確率設定値の表示が開始される。
【0657】
なお、ここで表示される確率設定値は、電源断前に設定されていた確率設定値ではなく、必ず特定の値に固定されるようにしてもよい。即ち、立ち上げモードが「設定変更モード」となった場合、確率表示装置504には、必ず特定の確率設定値で表示が開始されるようにしてもよい。特定の確率設定値としては、例えば、確率設定値(「1」~「6」)の最小値である「1」であってもよいし、確率設定値の中間値である「3」又は「4」であってもよいし、確率設定値の最大値である「6」であってもよい。これにより、電源断される前に設定されていた確率設定値にかかわらず、ホール関係者等は確率設定値を特定の確率設定値から変更できる。
【0658】
一方で、立ち上げモードが「設定変更モード」となった場合、確率表示装置504には、電源断される前に設定されていた確率設定値をそのままで表示が開始されるようにしてもよい。これにより、ホール関係者等は、電源断される前に設定されていた確率設定値を考慮しながら、確率設定値を変更できる。
【0659】
また、立ち上げモードが「設定変更モード」となった場合、確率表示装置504には、電源断される前に設定されていた確率設定値が「3」以上であれば、確率設定値を「3」として表示を開始し、電源断される前に設定されていた確率設定値が「3」未満であれば、その電源断される前に設定されていた確率設定値をそのままで表示が開始されるようにしてもよい。例えば、電源断される前に設定された確率設定値が「5」や「6」などの高い場合、確率設定値を少しだけ(例えば1だけ)小さくしたい場合が多々生じ得る。このような場合において、確率設定値を、電源断される前に設定された確率設定値そのままで表示を開始すると、次のような問題が生じる。即ち、確率設定値の更新は、RAM消去スイッチ503をオンする毎に1ずつ加算され、確率設定値が「6」の場合にRAM消去スイッチ503がオンされた場合には、確率設定値を「1」に戻すことで行われる。よって、例えば、確率設定値を「6」から「5」に変更したい場合、RAM消去スイッチ503のオンを繰り返しながら、ほぼ確率設定値を1周させなければならない。これに対し、電源断される前に設定された確率設定値が高い場合に、確率設定値を「3」で表示を開始することで、RAM消去スイッチ503をオンする回数を抑えながら、確率設定値の更新を行うことができる。
【0660】
次に、S122の処理では、確率設定値が「1」~「6」の範囲にあるか否かを判断し(S122)、所定の範囲内にない、即ち、異常な確率設定値となっている場合は(S122:No)、確率設定値を初期値に変更し(S123)、S124の処理へ移行する。この初期値としては、確率設定値(「1」~「6」)の最小値である「1」であってもよいし、確率設定値の中間値である「3」又は「4」であってもよいし、確率設定値の最大値である「6」であってもよい。一方、S122の処理の結果、確率設定値が「1」~「6」の範囲内にあると判断される場合は(S122:Yes)、確率設定値は正常な値であるので、S123の処理をスキップして、S124の処理へ移行する。
【0661】
S124の処理では、RAM消去スイッチ503がオンになったか否かを判断する(S124)。その結果、RAM消去スイッチ503がオンになっていないと判断される場合は(S124:No)、次いで、設定変更スイッチ502がオンになったか否かを判断する(S125)。
【0662】
S125の結果、設定変更スイッチ502がオンされていないと判断されれば(S125:No)、S122の処理へ戻る一方、設定変更スイッチ502がオンされたと判断されれば(S125:Yes)、確率設定値を更新して(S126)、S122の処理に戻る。
【0663】
S126の処理である確率設定値の更新は、それまでの確率設定値が「1」~「5」である場合は、その確率設定値に1を加算し、それまでの確率設定値が「6」である場合は、確率設定値を「1」に戻すことで行われる。S126の処理により更新された確率設定値は、確率表示装置504に表示される。
【0664】
S122→S123→S124:No→S125(及びS126)→S122のループ処理は、S124の処理において、RAM消去スイッチ503がオンとなったと判断されるまで(S124:Yes)実行され続ける。そして、S124の処理により、RAM消去スイッチ503がオンとなったと判断される場合は(S124:Yes)、確率表示装置504に表示されている確率設定値を、これからの遊技で使用する確率設定値として確定し(S127)、該確率設定値に応じた大当たり乱数テーブル202aを設定する(S128)。
【0665】
S128の処理の後、次いで、設定キー501がオフ状態となったか否かを判断する(S129)。S129の処理では、設定キー501から出力される信号のレベルがオン状態からオフ状態へと遷移したことを検出した場合に、設定キー501がオフ状態になったと判断してもいし、設定キー501から出力される信号のレベルがオフ状態にあることを検出することで、設定キー501がオフ状態になったと判断してもよい。
【0666】
S129の処理の結果、設定キー501がオフ状態になっていないと判断される間は(S129:No)、S129の処理を繰り返し実行する。そして、S129の処理の結果、設定キー501がオフ状態になったと判断される場合は(S129:Yes)、確率表示装置504における確率設定値の表示の終了を設定し(S130)、この設定変更処理(S118)を終了する。
【0667】
なお、設定変更処理の終了後は、立ち上げ処理(
図20参照)に戻り、処理をS116へ移行し、RAM203初期化処理を実行(S116,S117)し、RAM203のデータを消去(クリア)する。このように、S124の処理においてホール関係者等にRAM消去スイッチ503をオンさせて確率設定値を確定させることにより、その後、RAM203のデータの消去が行われることを、ホール関係者等に強く認識させることができる。
【0668】
また、S124の処理において、RAM消去スイッチ503のオン検出によって確率設定値を確定させていたが、設定キー501のオフ検出によって確率設定値を確定するように構成してもよい。
【0669】
次に、
図22を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。
図22は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
【0670】
メイン処理では、まず、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S151)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S151:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S152,S153)。
【0671】
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S152)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では「9999」、「99」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203cにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、後述するタイマ割込処理のS207(
図23参照)の処理と同一の方法によって実行し(S153)、S151の処理へ移行する。
【0672】
ここで、このメイン処理が実行されている間、後述するタイマ割込処理(
図23参照)が所定時間間隔(本実施形態では2ミリ秒)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、大入賞口65aの開閉を制御する実行が行われ、スルーゲート67への球の通過があれば、普通図柄表示装置83による普通図柄の表示制御が行われる。また、特別図柄表示装置37での変動表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した大当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
【0673】
メイン処理の一処理である上記のS152,S153の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値、普図当たり乱数カウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する大当たり乱数カウンタC1及び普図当たり乱数カウンタC4の更新に、ランダム性を持たせることができる。
【0674】
S151の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S151:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、
図32において後述するNMI割込処理が実行されたということなので、S154以降の電源遮断時の処理が実行される。
【0675】
S154の処理では、各割込処理の発生を禁止し(S154)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S155)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S156)、RAM203のアクセスを禁止して(S157)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
【0676】
なお、S151の処理は、タイマ割込処理(
図23参照)の残余時間内に行われるS152とS153の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS151の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS151の処理から開始することができる。
【0677】
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S151の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
【0678】
次に、
図23を参照して、第1実施形態に係るパチンコ機10の主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。
図23は、第1実施形態のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【0679】
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S201)。タイマ割込処理やメイン処理(
図22参照)では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113、ホールコンピュータ(図示せず)等へ送信すべきコマンド又は信号等を生成し、コマンドが生成された場合はRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに一旦記憶し、信号が生成された場合は該信号に対応する装置(例えば、ホールコンピュータとパチンコ機10とを接続するための外部出力端子板(図示せず)等)に信号を出力する。S201の外部出力処理では、上記コマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信するとともに、上記信号を各種装置へ出力する。
【0680】
S201の処理の後は、次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S202)、次いで、各特別図柄の当たり時における処理を実行する当たり処理を実行する(S203)。この当たり処理(S203)については、
図28において後述する。
【0681】
S203の後は、次に、普通電役64cの駆動制御処理を実行する普通電役制御処理を実行する(S204)。簡単に説明すると、球がスルーゲート67を通過したことを条件に普通図柄表示装置83にて普通図柄の可変表示が実施され、普通図柄の可変表示の結果、普通図柄の当たり図柄(例えば、「○」図柄)が現出して当たり状態となると、普通電役64cを所定時間開放状態とする一方、普通図柄のハズレ図柄(例えば、「×」図柄)が現出した場合は、普通電役64cの閉鎖状態を維持する。
【0682】
S204の処理の後は、次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S205)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチ208の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(S201)によって、所定の賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
【0683】
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S206)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「9999」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「99」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
【0684】
次いで、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S207)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、それぞれ、「9999」,「99」,「99」,「9」,「99」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
【0685】
次に、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S208)。なお、この始動入賞処理(S208)の詳細は、
図24を参照して後述する。
【0686】
次いで、スルーゲート67への球の通過有無を判断するゲート通過処理を実行する(S209)。このゲート通過処理(S209)においてスルーゲート67を球が通過したと判別された場合に、普図当たりカウンタC4の値がカウンタ用バッファ203cから取得され、その普図当たりカウンタC4の値が普図保留球格納エリア(図示せず)に格納されるとともに普通図柄保留ランプ84に普通図柄の可変表示の保留数が表示等される。
【0687】
ゲート通過処理(S209)を実行した後は、上記始動入賞処理(S208)の処理内容に基づいて特別図柄表示装置37による特別図柄の動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特図変動処理を実行する(S210)。なお、特図変動処理(S210)の詳細は
図25を参照して後述する。
【0688】
次いで、上記ゲート通過処理(S209)の処理内容に基づいて、普通図柄の当否判別を行うとともに、該判別結果に基づく普通図柄の可変表示を普通図柄表示装置83において行うための設定処理である普図変動処理を実行する(S211)。この普図変動処理(S211)では、上述した時短カウンタ203k又は時短無限フラグ203mの値または設定値に応じて、普通図柄の当たり確率が、高確率(例えば、9/10)か低確率(1/10)のいずれかで行われる。そして、当否結果に基づいて普通図柄の可変表示を行うとともに、該当否結果に応じた表示結果を普通図柄表示装置83に表示する。
【0689】
普図変動処理(S211)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S212)、さらに、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S213)、このタイマ割込処理を終了する。
【0690】
なお、発射制御処理(S212)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(S201)によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
【0691】
また、本実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(
図23参照)で実行し、メイン処理において、タイマ割込処理の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理の中で所定時間(例えば、2ミリ秒)毎に実行するように構成してもよい。例えば、本実施形態においてタイマ割込処理にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S202)、当たり処理(S203)、普通電役制御処理(S204)及びスイッチ読み込み処理(S205)の一部または全部を、タイマ割込処理ではなく、メイン処理の中で2ミリ秒毎に実行するように構成してもよい。
【0692】
この場合、メイン処理の中で所定時間(2ミリ秒)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
【0693】
次に、
図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(
図23参照)の一処理である始動入賞処理(S208)を説明する。
図24は、この始動入賞処理(S208)を示すフローチャートである。
【0694】
始動入賞処理(S208)は、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入賞の有無を判断し、入賞があった場合は、各カウンタC1~C3,CS1の値を入賞した入賞口64a,64bに対応する第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1~C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
【0695】
MPU201は、この始動入賞処理(S208)において、まず、球が第1始動口64aに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S301)。ここでは、スイッチ読み込み処理(
図23のS205参照)において読み込んだ、第1始動口64aへの入球(入賞)を検出する特
図1入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第1始動口64aへの入球を3回のタイマ割込処理(
図23参照)にわたって検出する。
【0696】
球が第1始動口64aに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S301:Yes)、次いで、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S302)。そして、第1始動口64aへの入賞があっても作動保留球数N1<4でなければ(S302:No)、この始動入賞処理(S208)を終了し、タイマ割込処理(
図23参照)へ戻る。
【0697】
一方、作動保留球数N1<4であれば(S302:Yes)、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1加算する(S303)。そして、今回、第1特別図柄に対応する第1始動口64aへの入賞であるので、第1保留球格納エリア203dを各乱数値C1~C3,CS1の格納先として設定し(S304)、処理をS309へ移行する。
【0698】
S301の処理において、球が第1始動口64aへ入賞していないと判別された場合(S301:No)、次いで、球が第2始動口64bに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S305)。ここでは、第1始動口64aと同様、スイッチ読み込み処理(
図23のS205参照)において読み込んだ、第2始動口64bへの入球(入賞)を検出する特
図2入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第2始動口64bへの入球を3回のタイマ割込処理(
図23参照)にわたって検出する。
【0699】
球が第2始動口64bに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S305:Yes)、次いで、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S306)。そして、第2始動口64bへの入賞がないか(S305:No)、或いは、第2始動口64bへの入賞があっても作動保留球数N2<4でなければ(S306:No)、この始動入賞処理(S208)を終了して、タイマ割込処理(
図23参照)へ戻る。
【0700】
一方、作動保留球数N2<4であれば(S306:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1加算する(S307)。そして、今回、第2特別図柄に対応する第2始動口64bへの入賞であるので、第2保留球格納エリア203eを各乱数値C1~C3,CS1の格納先として設定し(S308)、処理をS309へ移行する。
【0701】
S309の処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ203c(
図6参照)から読み出し、S304又はS308で格納先として設定された第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに設けられた第1保留第1~第4エリア又は第2保留第1~第4エリアのうち、第1保留球格納エリア203dが格納先として指定されている場合は第1保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3及び変動種別カウンタ格納エリア203d4に各々保留(格納)する(S309)。また、第2保留球格納エリア203eが格納先として指定されている場合は第2保留球数カウンタ203bで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1、大当たり種別カウンタ格納エリア203e2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3及び変動種別カウンタ格納エリア203e4に各々保留(格納)する(S309)。
【0702】
具体的には、例えば、第1始動口64aへの入賞に基づくS304の処理において第1保留球格納エリア203dが格納先として設定され、また、S303の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、第1保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1~C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば第1保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば第1保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば第1保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1~C3,CS1の値が保留される。
【0703】
また、例えば、第2始動口64bへの入賞に基づくS308の処理において第2保留球格納エリア203eが格納先として設定され、また、S307の処理による加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「1」であれば、第2保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1~C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば第2保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「3」であれば第2保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であれば第2保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1~C3,CS1の値が保留される。
【0704】
次に、S303又はS307の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)と、S309の処理により第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する(S310)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図23のS201参照)によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S310の処理を終えると、この始動入賞処理(S208)を終了し、タイマ割込処理(
図23参照)に戻る。
【0705】
なお、S310の処理において保留球数コマンドに含める各カウンタC1~C3,CS1の値は、S309の処理によりカウンタ用バッファ203cから読み出した値そのものを用いてもよいし、S309の処理において第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
【0706】
また、S301及びS305の処理において、第1始動口64a及び第2始動口64bに同時に球が入賞した場合は、第1始動口64aへの球の入賞処理を優先的に実行し、第2始動口64bへの球の入賞処理を待機し、次のタイマ割込処理(
図23参照)における始動入賞処理(S208)において、該待機した第2始動口64bへの球の入賞処理を実行するように構成してもよい。
【0707】
次に、
図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(
図23参照)の一処理である特図変動処理(S210)について説明する。
図25は、この特図変動処理(S210)を示すフローチャートである。
【0708】
この特図変動処理(S210)は、第1特別図柄および第2特別図柄に関する特別図柄表示装置37における動的表示や、第3図柄表示装置81にて行う変動演出に関する制御を行うものである。
【0709】
MPU201は、この特図変動処理(S210)において、まず、今現在、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれか一方が大当たり中であるか否かを判別する(S401)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び特別図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と、大当たり遊技開始前(即ち、大当たりオープニング)の所定時間の最中と、大当たり遊技終了後(即ち、大当たりエンディング)の所定時間の最中とが含まれる。S401における判別の結果、いずれかの特別図柄の大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま特図変動処理(S210)を終了し、タイマ割込処理(
図23参照)に戻る。
【0710】
S401の処理において、大当たり中でないと判別された場合は(S401:No)、次に、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であるか否かを判別し(S402)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中でなければ(S402:No)、次いで、特別図柄表示装置37における動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S403)。その結果、動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S403:No)、タイマ割込処理(
図23参照)へ戻る。これにより、動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
【0711】
一方、S403の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S403:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S404)。その結果、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」でなければ(S404:Yes)、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1減算する(S405)。これは、後述する変動開始処理(S410)によって、保留されていた第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、第2特別図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
【0712】
次いで、第2保留球格納エリア203eに格納されたデータをシフト処理する(S406)。このデータシフト処理(S406)は、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1~第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第2保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第2保留第2エリア→第2保留第1エリア、第2保留第3エリア→第2保留第2エリア、第2保留第4エリア→第2保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
【0713】
一方、S404の処理において、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」であると判別されると(S404:No)、次に、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S407)。その結果、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」でなければ(S407:Yes)、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1減算する(S408)。これは、後述する変動開始処理(S410)によって、保留されていた第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
【0714】
次いで、第1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S409)。このデータシフト処理(S409)は、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1~第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第1保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第1保留第2エリア→第1保留第1エリア、第1保留第3エリア→第1保留第2エリア、第1保留第4エリア→第1保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
【0715】
S406又はS409のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S410)、タイマ割込処理(
図23参照)に戻る。なお、変動開始処理(S410)については、
図26を参照して後述する。
【0716】
S407の処理において、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」であると判別されると(S407:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S411)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)のいずれかの値が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
【0717】
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S411:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S412)、タイマ割込処理(
図23参照)に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S411:Yes)、そのままタイマ割込処理(
図23参照)に戻る。S412の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図23のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【0718】
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
【0719】
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動演出が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
【0720】
なお、S411の処理においてデモ中ではない(S411:No)と判断された場合に、さらに、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS412の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
【0721】
S402の処理において、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であると判別されると(S402:Yes)、動的表示時間(変動時間)が経過したか否かを判別する(S413)。特別図柄表示装置37の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この動的表示時間(変動時間)が経過していなければ(S413:No)、特別図柄表示装置37の表示を更新して(S414)、タイマ割込処理(
図23参照)に戻る。
【0722】
第1実施形態では、特別図柄表示装置37の特別LED群37bにおいて、動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、変動している特別図柄に対応する特別LED群37b(即ち、上方LED群37b1又は下方LED群37b2)が所定の点灯パターンで点灯又は消灯する表示態様が設定される。
【0723】
一方、特別図柄表示装置37における動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していれば(S413:Yes)、特別図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S415)。停止図柄は、
図26を参照して後述する変動開始処理(S410)によって予め設定される。変動開始処理(S410)では、S406又はS409の処理によって保留球実行エリア203fに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、大当たり種別カウンタC2の値により、大当たり種別に対応する図柄が決定される。
【0724】
第1実施形態では、判定結果がハズレである場合には、最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、該大当たりの種類(種別)に対応した点灯パターンで各LED群が点灯表示される。
【0725】
S415の処理で停止図柄に対応した特別図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、特別図柄表示装置37における特別LED群37bの表示と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S416)、処理をS417へ移行する。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。
【0726】
音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
【0727】
S417の処理では、「時間短縮状態」又は入賞補助機能が有限(即ち、特別図柄の動的表示が100回実行されるまで)である「確率変動状態」か否かを判別するために、RAM203に設けられた時短カウンタ203kの値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S417)。
【0728】
S417の処理において、時短カウンタ203kの値が「0」でなければ(S417:Yes)、「時間短縮状態」又は入賞補助機能が有限である「確率変動状態」であって、その状態においていずれかの特別図柄の動的表示(変動演出)が1回終了したので、時短カウンタ203kの値を1減算し(S418)、この特図変動処理(S210)を終了し、タイマ割込処理(
図23参照)に戻る。
【0729】
一方、S417の処理において、時短カウンタ203kの値が「0」であれば(S417:No)、「時間短縮状態」又は入賞補助機能が有限である「確率変動状態」ではなく、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」又は入賞補助機能が無限である「確率変動状態」であるので、S418の処理をスキップして、この特図変動処理(S210)を終了し、タイマ割込処理(
図23参照)に戻る。
【0730】
次に、
図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(S210)の一処理である変動開始処理(S410)について説明する。
図26は、変動開始処理(S410)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S410)は、遊技状態に応じて保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づき、遊技状態に応じて大当たり又はハズレの抽選(大当たり抽選)を行うと共に、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる動的表示および変動演出の動的パターン(変動パターン及び停止種別)等を決定する。また、大当たりに当選した場合に、大当たり回数がリミットに到達しているか否かに応じて、大当たり種別を決定する。
【0731】
変動開始処理(S410)では、まず、遊技状態を判別するために、RAM203に設けられた確変フラグ203gがオンされているか否かを判別する(S451)。判別の結果、確変フラグ203gがオンでない(即ち、オフ)と判別された場合(S451:No)、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であり、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であるので、低確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S452)、処理をS454へ移行する。一方、確変フラグ203gがオンであると判別された場合は(S451:Yes)、遊技状態が「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」であり、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるので、高確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S453)、処理をS454へ移行する。
【0732】
S454の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、S452又はS453において設定された大当たり乱数テーブル202aとに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S454)。
【0733】
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かは、確率設定値に基づいて設定された大当たり乱数テーブル202aを参照して、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態(モード)との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)にある場合には、大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たり確率が設定値「1」で50/10000、設定値「6」で60/10000となるように大当たり乱数値が規定されている。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」)にある場合には、大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たり確率が設定値「1」で500/10000、設定値「6」で600/10000となるように大当たり乱数値が規定されている。
【0734】
S454の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S454の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S454:Yes)、次いで、今回の大当たりの当選回数が、パチンコ機10の初期化以降または前回のリミット到達以降、リミット回数に到達しているか否かを判別するべく、リミット処理を行う(S455)。
【0735】
ここで、
図27を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(
図26参照)の一処理であるリミット処理(S455)について説明する。
図27は、このリミット処理(S455)を示すフローチャートである。
【0736】
このリミット処理(S455)では、上述したように、パチンコ機10の初期化以降または前回のリミット到達以降、大当たり回数が6回に到達するまで(即ち、リミット到達前)は、特別図柄が高確率状態となる大当たり種別を含む大当たり種別の中から、当該大当たりにおける大当たり種別を選定可能な大当たり種別テーブル202bを設定する。一方、パチンコ機10の初期化以降または前回のリミット到達以降、大当たり回数が6回に到達する毎に、該大当たりの大当たり種別を特別図柄の高確率状態を発生しない大当たり種別の中から、当該大当たりの大当たり種別を選定可能な大当たり種別テーブル202bを設定する。
【0737】
リミット処理(S455)では、まず、変動開始処理(
図26参照)のS454の処理において、大当たりに当選していると判別されているため、リミットカウンタ203hの値に1を加算する(S471)。そして、リミットカウンタ203hが1加算されたことを示すリミット回数コマンドを生成して、該リミット回数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する(S472)。S472で設定されたリミット回数コマンドは、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図23のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【0738】
音声ランプ制御装置113は、リミット回数コマンドを受信すると、大当たりが1回発生したことを認識し、サブリミットカウンタ223eの値を1加算する(
図35のS1213参照)。そして、音声ランプ制御装置113は、該サブリミットカウンタ223eの値に基づいて大当たり回数を把握して、「設定示唆演出」に関する制御を実行する。
【0739】
S472の処理の後は、次いで、S471で1加算されたリミットカウンタ203hの値が「6」未満であるか否かを判別する(S473)。判別の結果、リミットカウンタ203hの値が「6」未満であれば(S473:Yes)、今回の大当たりではリミット回数に到達していないので、リミット到達前における大当たり種別テーブル202bを設定して(S474)、このリミット処理(S455)を終了する。リミット処理(S455)の終了後は、変動開始処理(
図26参照)に戻る。
【0740】
一方、S473の処理において、リミットカウンタ203hの値が「6」未満でないと判別された場合、即ち、リミットカウンタ203hの値が「6」以上であると判別された場合は(S473:No)、今回の大当たりでリミット回数に到達したということなので、リミット到達時における大当たり種別テーブル202bを設定して(S475)、このリミット処理(S455)を終了する。リミット処理(S455)の終了後は、変動開始処理(
図26参照)に戻る。
【0741】
このように、大当たりの発生毎にリミットカウンタ203hの値を更新し、該リミットカウンタ203hの値に応じて、特別図柄の高確率状態を発生し得る大当たり種別の中から大当たり種別を決定するか、特別図柄の高確率状態を発生し得ない大当たり種別の中から大当たり種別を決定するかで、大当たりのリミット回数毎に必ず特別図柄の低確率状態にすることができ、特別図柄の高確率状態が継続し続けて過度な大当たりの「連荘」が発生することを抑制することができる。
【0742】
図26に戻って、説明を続ける。上記リミット処理(S455)で設定されたリミット到達前若しくはリミット到達時における第1特別図柄に対応する特
図1大当たり種別テーブル202b1(
図8参照)、又は、リミット到達前若しくはリミット到達時における第2特別図柄に対応する特
図2大当たり種別テーブル202b2(
図9参照)と、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S456)。
【0743】
この処理では、大当たり種別テーブル202b1,202b2によって、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たり後に、次回大当たりまで特別図柄が高確率状態となるとともに入賞補助機能が継続する「確率変動状態」へ移行する「確変A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄が高確率状態であるとともに特別図柄が100回変動するまで入賞補助機能が有効な「確変B」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、次回大当たりまで特別図柄のみが高確率状態となる「潜伏確変A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄が低確率状態であるが特別図柄が100回変動するまで入賞補助機能が有効な「時短A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後、特別図柄が低確率状態であるとともに入賞補助機能も有さない「突通A」か、が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、特別図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(特別LED群37bの表示態様)が設定される。
【0744】
具体的には、保留球実行エリア203fに格納されているデータが、第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータか第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータかを保留球実行エリア203fのシフト元バッファ(図示せず)に記憶しておき、第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、上記S474又はS475で設定された特
図1大当たり種別テーブル202b1(
図8参照)から大当たり種別が決定される。また、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、上記S474又はS475で設定された特
図2大当たり種別テーブル202b2(
図9参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。
【0745】
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S457)、S460の処理へ移行する。具体的には、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、大当たり時の表示態様(停止種別)と、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて演出態様を選択し、その選択された演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たりの停止種別に応じて、使用する停止パターンテーブル202d(
図12参照)を選択する。
【0746】
具体的には、S457の処理では、大当たり用に設けられた停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。そして、選択された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202eにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
【0747】
一方、S454の処理で大当たりではないと判別された場合には(S454:No)、ハズレ時の表示態様を設定する(S458)。S458の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第1保留球数カウンタ203a又は(及び)第2保留球数カウンタ203bの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。第1実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」であるか、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202dが設定されている。
【0748】
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S459)、S460の処理へ移行する。S459の処理では、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。具体的には、S458の処理において決定されたハズレ時の表示態様(演出態様)毎に設けられた変動パターンテーブル202eにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
【0749】
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
【0750】
S460の処理では、S457及びS459の処理によって決定された変動パターンの応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S460)。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選し、該大当たりが「確変A」であって、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、大当たり・「確変A」・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。また、大当たり抽選にハズレて、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、ハズレ・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。
【0751】
このように、変動演出が同じ変動時間であっても、変動パターンコマンドに変動演出の当否と大まかな変動パターンの内容も併せて設定することで、音声ランプ制御装置113は、当否を含む演出態様の内容と変動時間とを把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の変動パターンを決定することができる。
【0752】
また、S456又はS458の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S461)、特図変動処理(
図25参照)へ戻る。
【0753】
具体的には、例えば、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「確変A」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「7」図柄等)は特定せずに、「確変A」であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「時短A」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「4」図柄等)は特定せずに、「時短A」であることを示す停止種別コマンドを設定する。
【0754】
一方、大当たりに当選せず、さらに、「スーパーリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「787」等)は特定せずに、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選せず、さらに、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「737」等)は特定せずに、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。さらに、大当たりに当選せず、さらに、「非リーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「258」等)は特定せずに、ハズレ時の「非リーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。
【0755】
このように、停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
【0756】
これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図23のS201参照)で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
【0757】
次に、
図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(
図23参照)の一処理である当たり処理(S203)について説明する。
図28は、この当たり処理(S203)を示したフローチャートである。
【0758】
この当たり処理(S203)は、特別図柄の大当たりが発生する場合に、大当たりの種類に応じて大入賞口65aの開放回数(ラウンド数)を設定すると共に、大入賞口65aの開放時間を設定する。そして、大当たり状態である場合において、大入賞口65aを開放又は閉鎖するための大入賞口開閉制御処理(S509)を実行し、大当たり状態が終了するタイミングで、大当たり状態の終了を設定する大当たり終了処理(S511)を実行する。
【0759】
当たり処理(S203)では、まず、大当たり中か否かを判別する(S501)。判別の結果、大当たり中でない場合には(S501:No)、次に、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了したか否かを判別する(S502)。判別の結果、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了していなければ(S502:No)、この当たり処理(S203)を終了して、タイマ割込処理(
図23参照)へ戻る一方、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了していれば(S502:Yes)、次いで、該動的表示(変動演出)において大当たりに当選したか否かを判別する(S503)。
【0760】
S503における判別の結果、動的表示(変動演出)において大当たりに当選していないと判別された場合は(S503:No)、この当たり処理(S203)を終了して、タイマ割込処理(
図23参照)へ戻る。一方、動的表示(変動演出)において大当たりに当選していると判別された場合は(S503:Yes)、当選した大当たりに関する制御を実行するために、まず、当選した大当たりのラウンド数は16Rか否か、即ち、大当たり種別「確変A」に当選したか否かを判別する(S504)。
【0761】
S504における判別の結果、当選した大当たりのラウンド数が16Rであれば(S504:Yes)、本大当たりにおいて大入賞口65aの開放制御を16回行うべく、ラウンドカウンタに「16」をセットして(S505)、処理をS507へ移行する。一方、当選した大当たりのラウンド数が16Rでない場合、即ち、当選した大当たりのラウンド数が4Rである場合は(S504:No)、本大当たりにおいて大入賞口65aの開放制御を4回行うべく、ラウンドカウンタに「4」をセットして(S506)、処理をS507へ移行する。MPU201は、該ラウンドカウンタの値を確認して、ラウンドカウンタに値が設定されている場合(即ち、「1」以上)は、大入賞口65aを開放制御しつつ、該ラウンドカウンタの値を1減算する。そして、ラウンドカウンタの値が「0」になった場合に、実行中の大当たりを終了するように構成されている。
【0762】
S507の処理では、該大当たりのオープニング時間(例えば、「10秒」)を設定し(S507)、次いで、大当たりの開始を意味するオープニングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、オープニングコマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定し(S508)、この当たり処理(S203)を終了して、タイマ割込処理(
図23参照)に戻る。
【0763】
S501の処理において、既に大当たり中であると判別された場合は(S501:Yes)、大入賞口65aの開閉制御を実行する大入賞口開閉制御処理(S509)を実行する。
【0764】
ここで、
図29を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される当たり処理(S203)の一処理である大入賞口開閉制御処理(S509)について説明する。
図29は、大入賞口開閉制御処理(S509)を示したフローチャートである。上述したように、この大入賞口開閉制御処理(S509)では、当たり処理(S203)で設定された大入賞口65aの開放回数に基づいて、大入賞口65aの開閉制御を実行する。
【0765】
この大入賞口開閉制御処理(S509)では、まず、当たり処理(S203)のS507で設定されたオープニング時間、又は、後述する開放中処理(S527)のS540(
図30参照)で設定されたインターバル時間が経過したか否かを判別する(S521)。判別の結果、オープニング時間又はインターバル時間が経過していなければ(S521:No)、大入賞口65aの開放タイミングではないため、該大入賞口65aを閉鎖し続けるため、S522~S525の処理をスキップして、処理をS526へ移行する。
【0766】
一方、S521の処理において、オープニング時間又はインターバル時間が経過していれば(S521:Yes)、大入賞口65aの開放タイミングなので、大入賞口65aの開放設定を行い(S522)、次いで、入賞カウンタ203jに「10」をセットする(S523)。そして、大入賞口65aの最大開放時間(第1実施形態では、「30秒」)を設定して(S524)、大入賞口65aが開放されたことを示す開放コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S525)、処理をS526に移行する。
【0767】
S526の処理では、大入賞口65aが開放中であるか否かを判別する(S526)。判別の結果、大入賞口65aが開放中でなければ(S526:No)、大入賞口65aが開放中ではなく、オープニング時間中又はインターバル時間中であるので、S527の処理をスキップして、この大入賞口開閉制御処理(S509)を終了し、当たり処理(
図28参照)に戻る。一方、S526の処理において、大入賞口65aが開放中であると判別された場合は(S526:Yes)、開放中の大入賞口65aの閉鎖条件を判別するべく、開放中処理を行い(S527)、この大入賞口開閉制御処理(S509)を終了し、当たり処理(
図28参照)に戻る。
【0768】
ここで、
図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大入賞口開閉制御処理(S509)の一処理である開放中処理(S527)について説明する。
図30は、開放中処理(S527)を示したフローチャートである。この開放中処理(S527)では、開放中の大入賞口65aの閉鎖条件が成立するか否かを判別する処理を実行する。
【0769】
この開放中処理(S527)では、まず、上述した大入賞口開閉制御処理(S509)のS524において設定された開放時間が経過したか否かを判別する(S531)。判別の結果、大入賞口65aの開放時間が経過したタイミングであれば(S531:Yes)、大入賞口65aの閉鎖条件が成立し、そのラウンドにおける大入賞口65aの閉鎖タイミングであるため、入賞カウンタ203jの値を「0」クリアして(S532)、大入賞口65aを閉鎖させるために、処理をS536へ移行する。S536からの大入賞口65aの閉鎖処理については、後述する。
【0770】
一方、S531の処理において、大入賞口65aの開放時間が経過したタイミングでなければ(S531:No)、次いで、大入賞口スイッチ(図示せず)がオンされたか否か、即ち、大入賞口65aへ球が入賞したか否かを判断する(S533)。
【0771】
S533の処理において、大入賞口65aへ球が入賞していれば(S533:Yes)、入賞カウンタ203jの値を1減算して(S534)、次いで、1減算した入賞カウンタ203jの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S535)。入賞カウンタ203jの値が「0」より大きい値でない場合(S535:No)、即ち、入賞カウンタ203jの値が「0」以下である場合は、大入賞口65aに球が10個以上入賞して大入賞口65aの閉鎖条件が成立しているので、大入賞口65aを閉鎖させるために、処理をS536へ移行する。
【0772】
なお、S533の処理において、大入賞口65aへ球が入賞していないと判別された場合(S533:No)、又は、S535の処理において、入賞カウンタ203jの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S535:Yes)、大入賞口65aの閉鎖条件が成立しておらず、大入賞口65aの開放を継続するために、S536~S540の処理をスキップして、この開放中処理(S527)を終了する。この開放中処理(S527)の終了後は、大入賞口開閉制御処理(
図29参照)へ戻る。
【0773】
S536からの大入賞口65aの閉鎖処理では、まず、大入賞口65aの閉鎖設定を行い(S536)、次いで、音声ランプ制御装置113に対して大入賞口65aが閉鎖されたことを示す閉鎖コマンドを設定して(S537)、処理をS538へ移行する。なお、S537の処理で設定された閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図23のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【0774】
次いで、S538の処理では、大入賞口65aの1のラウンドが消化されたことから、ラウンドカウンタ203iの値を1減算し(S538)、1減算したラウンドカウンタ203iの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S539)。ラウンドカウンタ203iの値が「0」より大きい値である場合(S539:Yes)、該大当たりにおけるラウンド回数(大入賞口65aの残り開放回数)が残存している状態であるので、次の大入賞口65aを開放させるまでのインターバル時間(例えば、「2秒」)を設定し(S540)、この開放中処理(S527)を終了し、大入賞口開閉制御処理(
図29参照)に戻る。
【0775】
一方、S539の処理において、ラウンドカウンタ203iの値が「0」より大きい値でない場合(S539:No)、即ち、ラウンドカウンタ203iの値が「0」以下である場合は、この大当たりにおける大入賞口65aの開放動作がすべて終了したので、大当たり状態を終了させるために、インターバル時間を設定せず(即ち、S540をスキップして)、この開放中処理(S527)を終了して、大入賞口開閉制御処理(
図29参照)に戻る。
【0776】
図28の当たり処理(S203)に戻って、説明を続ける。S509の大入賞口開閉制御処理(
図29参照)の終了後は、次いで、ラウンドカウンタ203iの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S510)。判別の結果、ラウンドカウンタ203iが「0」より大きい値であれば(S510:Yes)、大当たり状態を継続するため、大当たりの終了設定処理であるS511の処理をスキップして、この当たり処理(S203)を終了する。
【0777】
一方、S510の処理において、ラウンドカウンタ203iの値が「0」より大きい値でない場合(S510:No)、即ち、ラウンドカウンタ203iの値が「0」以下である場合は、この大当たりにおける大入賞口65aの開放動作がすべて終了しているので、大当たり状態を終了させるために、大当たり終了処理を行い(S511)、この当たり処理(S203)を終了する。
【0778】
ここで、
図31を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される当たり処理(S203)の一処理である大当たり終了処理(S511)について説明する。
図31は、この大当たり終了処理(S511)を示したフローチャートである。この大当たり終了処理(S511)では、当選した大当たり種別に基づいて、確変フラグ203g、時短カウンタ203k又は時短無限フラグ203mの設定を行うとともに、大当たり回数がリミット回数に到達していた場合に、該リミット回数を「0」クリアして、大当たりのリミット回数を初期化する処理を実行する。
【0779】
この大当たり終了処理(S511)では、まず、今回の大当たりが大当たり種別「確変A」、「確変B」又は「潜伏確変A」であったか否かを判別する(S551)。判別の結果、大当たり種別「確変A」、「確変B」又は「潜伏確変A」であれば(S551:Yes)、該大当たり終了後の遊技状態を、次回大当たりが発生するまで特別図柄の高確率状態とするべく、確変フラグ203gをオンに設定して(S552)、処理をS554へ移行する。一方、大当たり種別「確変A」、「確変B」又は「潜伏確変A」でなければ(S551:No)、大当たり種別「時短A」又は「突通A」の当選であって、該大当たり終了後の遊技状態を、次回大当たりが発生するまで特別図柄の低確率状態とするべく、確変フラグ203gをオフに設定して(S553)、処理をS554へ移行する。
【0780】
次いで、S554の処理では、当選した大当たりが大当たり種別「確変B」又は「時短A」か否かを判別する(S554)。判別の結果、当選した大当たりが大当たり種別「確変B」又は「時短A」であれば(S554:Yes)、該大当たり終了後の遊技状態として、特別図柄が100回変動するまで入賞補助機能を作動させるべく、時短カウンタ203kの値に「100」を設定して(S555)、処理をS557へ移行する。一方、大当たり種別「確変B」又は「時短A」でなければ(S554:No)、大当たり種別「確変A」、「潜伏確変A」又は「突通A」の当選であって、有限である入賞補助機能を非作動状態にすべく、時短カウンタ203kの値を「0」クリアして(S556)、処理をS557へ移行する。
【0781】
S557の処理では、当選した大当たりが大当たり種別「確変A」か否かを判別する(S557)。判別の結果、当選した大当たりが大当たり種別「確変A」であれば(S557:Yes)、該大当たり終了後の遊技状態として、次回大当たりが発生するまで入賞補助機能を作動させるべく、時短無限フラグ203mをオンに設定して(S558)、処理をS560へ移行する。一方、大当たり種別「確変A」でなければ(S557:No)、大当たり種別「確変B」、「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」の当選であるので、時短無限フラグ203mをオフに設定して(S559)、処理をS560へ移行する。
【0782】
このように、大当たり終了処理(S511)において、当選した大当たり種別に基づいて、確変フラグ203g、時短カウンタ203k及び時短無限フラグ203mを設定することで、大当たり終了を契機として各種遊技状態を開始することができる。
【0783】
次いで、S560の処理では、リミットカウンタ203hの値が「6」未満か否かを判別する(S560)。リミットカウンタ203hの値は、大当たりに当選した場合の変動開始時に更新(1加算)されており(
図27のS471参照)、そこで更新されたリミットカウンタ203hの値が「6」未満でない場合、即ち、「6」以上であってリミット回数に到達している場合は(S560:Yes)、大当たりのリミット回数を初期化すべく、リミットカウンタ203hの値を「0」クリアして(S561)、リミットカウンタ203hの値が初期化されたこと(即ち、リミット回数が初期化されたこと)を示すリミットクリアコマンドを生成して、該リミットクリアコマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S562)、処理をS563へ移行する。S562で設定されたリミットクリアコマンドは、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図23のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【0784】
音声ランプ制御装置113は、リミットクリアコマンドを受信すると、大当たりのリミット回数が初期化されたことを認識し、サブリミットカウンタ223eの値を「0」クリアする(
図35のS1215参照)。そして、音声ランプ制御装置113は、該サブリミットカウンタ223eの値に基づいて大当たり回数を把握して、「設定示唆演出」に関する制御を実行する。
【0785】
なお、S560の処理において、リミットカウンタ203hの値が「6」未満である場合は(S560:Yes)、未だリミット回数に到達していないので、S561及びS562の処理をスキップして、処理をS563へ移行する。
【0786】
このように、大当たり終了処理(S511)において、大当たりのリミット回数に到達していた場合には、該リミット回数を初期化することで、該大当たりの実行中はリミット到達時の演出を実行可能に構成しつつ、該大当たりの終了後以降、リミット回数の初期値から大当たり回数を計数することができる。
【0787】
S563の処理では、音声ランプ制御装置113に対して大当たりのエンディング演出の開始を示すエンディングコマンドを設定する(S563)。S563の処理で設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図23のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【0788】
音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、大当たりのエンディング演出を実行すべく、エンディングフラグ223nをオンに設定する(
図36のS1233参照)。そして、音声ランプ制御装置113は、該エンディングフラグ223nの設定値に基づいて、大当たりのエンディング期間における演出を実行する。
【0789】
S563の処理の終了後は、エンディング時間等を設定する大当たりの終了設定処理を行い(S564)、この大当たり終了処理(S511)を終了して、当たり処理(
図28参照)に戻る。
【0790】
次いで、
図32を参照して、停電等の発生した場合に主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。
図32は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
【0791】
NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S601)、NMI割込処理を終了する。
【0792】
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
【0793】
次に、
図33から
図39を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(
図33参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(
図34参照)とがある。
【0794】
まず、
図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。
図33は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
【0795】
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1116の電源断処理(
図34参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。
図34を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(
図34のS1113参照)、S1116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1116の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
【0796】
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
【0797】
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
【0798】
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1008へ移行する。
【0799】
また、S1002の処理において、電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1116の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
【0800】
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が「0」クリアされる。
【0801】
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0802】
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1116の電源断処理の実行時にオンされる(
図34のS1115参照)。つまり、電源断フラグは、S1116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、処理をS1012へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
【0803】
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、処理をS1012へ移行する。
【0804】
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
【0805】
S1012の処理では、主制御装置110から設定値コマンドを受信したか否かを判別し(S1012)、該設定値コマンドを受信するまでS1012の処理を繰り返し実行して待機する(S1012:No)。そして、主制御装置110から設定値コマンドを受信した場合に(S1012:Yes)、該設定値コマンドが示す確率設定値を設定値メモリ223dに格納し、メイン処理(
図34参照)へ移行する。
【0806】
このように、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理において、主制御装置110の立ち上げ処理(
図20参照)の終盤で生成される設定値コマンドを受信するまでメイン処理(
図34参照)への移行を待機することで、主制御装置110で設定された確率設定値を音声ランプ制御装置113側で確実に把握し、該確率設定値に基づいてメイン処理以降の処理を実行できる。また、主制御装置110から設定値コマンドを受信しない場合、主制御装置110の立ち上げ処理の終盤まで到達しておらず、主制御装置110の立ち上げ処理が正常に終了していないので、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理も正常に終了させず、メイン処理へ移行させない。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側で主制御装置110の立ち上げ処理が正常に実行されたか否かを把握することが可能となるとともに、主制御装置110が正常に立ち上がっていない状態における音声ランプ制御装置113の暴走を未然に防止できる。
【0807】
なお、S1012の処理において、主制御装置110から設定値コマンドを受信するまで待機する処理を行っているが、この場合において、瞬間的な停電(所謂、瞬停)によって、音声ランプ制御装置113のみが電源断し、主制御装置110は電源オンを維持し続けた場合、音声ランプ制御装置113は、S1012の処理を繰り返し実行してしまい、正常な制御に復帰できないおそれがある。よって、S1012の処理において、例えば、所定期間の間、主制御装置110から設定値コマンドを受信しない場合は、設定値に関する制御を実行せず、その他の制御を開始するセーフモードで音声ランプ制御装置113を立ち上げるように構成してもよい。
【0808】
次に、
図34を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。
図34は、このメイン処理を示したフローチャートである。
【0809】
メイン処理が実行されると、まず、前回S1101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1101:No)、S1102~S1109の処理を行わずにS1110の処理へ移行する。S1101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1102~S1109が短い周期(1ミリ秒以内)で処理する必要がないものであるのに対して、S1110の変動演出処理やS1111のコマンド判定処理は、短い周期で実行する方が好ましい処理であるからである。具体的には、S1111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1110の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
【0810】
S1101の処理において、前回S1101の処理が実行されてから1ミリ秒以上経過していると判断される場合は(S1101:Yes)、S1102の処理へ移行する。なお、S1101の処理が、
図34に示す立ち上げ処理の後初めて実行された場合は、そのままS1102の処理へ移行する。
【0811】
S1102の処理では、S1103~S1112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1103)、その後電源投入報知処理を実行する(S1104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、この電源投入報知処理による報知は行わずに、S1105の処理へ移行する。
【0812】
次いで、S1105の処理では、後述するS1111のコマンド判定処理によって設定される大当たりに関する演出を実行する大当たり演出処理を行い(S1105)、S1106の処理へ移行する。この大当たり演出処理については、
図38において後述する。
【0813】
次いで、S1106の処理では、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
【0814】
また、変動演出が未実行の期間や、「高速変動」の変動要素の期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、枠ボタン操作コマンドに代えて、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動演出開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、「リーチ表示」中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1106の処理は省略(スキップ)される。
【0815】
枠ボタン入力監視・演出処理(S1106)が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1107)、その後音編集・出力処理を実行する(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
【0816】
S1108の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理が実行され、また、S1108の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間で実行される。
【0817】
S1110の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに基づいて変動演出を開始するための処理である変動演出処理を実行する。この変動演出処理の詳細については、
図39を参照して後述する。そして、変動演出処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行い(S1111)、S1112の処理へ移行する。このコマンド判定処理の詳細については、
図35を参照して後述する。
【0818】
S1112では、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた設定示唆抽選カウンタ223fや示唆内容抽選カウンタ223i等の各種カウンタを更新するカウンタ更新処理を実行する(S1112)。具体的には、設定示唆抽選カウンタ223f及び示唆内容抽選カウンタ223iをそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では、設定示唆抽選カウンタ223fは「99」、示唆内容抽選カウンタ223iは「9」)に達した際、それぞれ「0」クリアする。
【0819】
ここで更新された設定示唆抽選カウンタ223fは、大当たり中における「設定示唆演出」の実行有無の選定に使用され、示唆内容抽選カウンタ223iは、該「設定示唆演出」の実行抽選に当選した場合に、該「設定示唆演出」の内容(種類および報知タイミング)の選定に使用される。
【0820】
S1112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1115)、電源断処理を実行する(S1116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1117)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
【0821】
一方、S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1114)、RAM223が破壊されていなければ(S1114:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
【0822】
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼び、パチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
【0823】
次に、
図35を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1111)について説明する。
図35は、このコマンド判定処理(S1111)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(
図34参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
【0824】
コマンド判定処理(S1111)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域に、主制御装置110からのコマンドを受信しているか否かを判別する(S1201)。判別の結果、主制御装置110からコマンドを受信していれば(S1201:Yes)、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1202)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S1202:Yes)、該変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S1203)。
【0825】
ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動演出処理(
図39参照)において、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。その後、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【0826】
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1202:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1204)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1204:Yes)、該停止種別コマンドから停止種別を抽出する(S1205)。
【0827】
ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述する変動演出処理(
図39参照)において、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定する場合に用いられる。その後、変動演出が開始されることを示す変動開始フラグ223aをオンに設定して(S1206)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【0828】
なお、停止種別コマンドは、変動演出を開始する場合に主制御装置110が変動パターンコマンドを送信後、その変動パターンコマンドによって変動パターンが示された変動演出の停止種別を示すものとして、主制御装置110より必ず送信されるコマンドである。S1206の処理によって変動開始フラグ223aをオンに設定することにより、後に実行される変動演出処理(
図39参照)において、先に保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された変動演出の変動パターン種別と、受信した変動パターンコマンドより抽出した変動演出の変動パターン種別とが一致するか否かの判定を行う。また、先に保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された変動演出の停止種別と、受信した停止種別コマンドより抽出した変動演出の停止種別とが一致するか否かの判定を行う。それらの判定の結果、1の変動演出において、保留球数コマンドに基づく変動パターンと変動パターンコマンドに基づく変動パターンとが一致していない場合、又は、保留球数コマンドに基づく停止種別と停止種別コマンドに基づく停止種別とが一致していない場合は、何らかの異常(例えば、ノイズによるコマンド受信異常)が発生していると判断し、異常を示すためのエラー処理を行うように構成されている。
【0829】
S1204の処理の結果、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1204:No)、次いで、主制御装置110より確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1207)。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。この確定コマンドを受信したと判別された場合は(S1207:Yes)、「時間短縮状態」が終了したタイミングか否かを判別する(S1208)。この判別は、サブ時短カウンタ(図示せず)によって特別図柄の動的表示の実行回数を計数し、該動的表示が大当たり後に100回行われたか否かで判別してもよいし、主制御装置110から「時間短縮状態」の終了を示す状態コマンド等によって行ってもよい。判別の結果、「時間短縮状態」が終了したと判別された場合は(S1208:Yes)、遊技状態が「時間短縮状態」から「通常遊技状態」に遷移したということなので、所謂引き戻し期間が終了したということなので、引き戻しカウンタ223hの値を「0」クリアして(S1209)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。一方、「時間短縮状態」が終了したタイミングではないと判別された場合は(S1208:No)、S1209の処理をスキップして、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【0830】
このように、「時間短縮状態」が終了した場合に、引き戻しカウンタ223hを「0」クリアして、引き戻し回数を初期化するように構成されている。このように構成することで、引き戻しカウンタ223hが初期化されない状態(即ち、引き戻し期間中)の中で如何にして大当たりを引き戻して、該大当たりによる遊技価値を得つつ、「設定示唆演出」の実行確率およびその精度を高めるかという遊技性を創出し、引き戻し期間中の遊技の興趣向上を図ることができる。
【0831】
S1207の処理の結果、確定コマンドを受信していないと判別された場合(S1207:No)、次いで、保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1210)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1210:Yes)、保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a及び/又は第2保留球数カウンタ203b(
図5参照)の値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄及び/又は第2特別図柄の変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223b及び/又はサブ第2保留球数カウンタ223cに格納する(S1211)。そして、同じく保留球数コマンドに含まれる大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1の各値を、S1211で更新されたサブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値が示す第1保留情報格納エリア223oの第1保留情報格納第1~第4エリア、又は、第2保留情報格納エリア223pの第2保留情報格納第1~第4エリアに格納し(S1212)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【0832】
ここで、保留球数コマンドは、球が第1始動口64a又は第2始動口64bに入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1212の処理によって、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223b及び/又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値を、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223b及び/又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a及び/又は第2保留球数カウンタ203bの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223b及び/又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a及び/又は第2保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。
【0833】
また、音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223o又は第2保留情報格納エリア223pに格納された各カウンタC1~C3,CSを参照することで、先読み処理を実行できるようになっている。即ち、保留された変動演出が実行された場合にその変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定することができる。
【0834】
S1210の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S1210:No)、次いで、リミット回数コマンドを受信したか否かを判別する(S1213)。そして、リミット回数コマンドを受信していた場合は(S1213:Yes)、大当たりが1回発生したということなので、サブリミットカウンタ223eの値を1加算し(S1214)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【0835】
S1213の処理の結果、リミット回数コマンドを受信していないと判別された場合は(S1213:No)、次いで、リミットクリアコマンドを受信したか否かを判別する(S1215)。そして、リミットクリアコマンドを受信していた場合は(S1215:Yes)、大当たりのリミット回数がクリアされたということなので、サブリミットカウンタ223eの値を「0」クリアし(S1216)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【0836】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されているリミットカウンタ203hの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される大当たり回数に関するコマンド(リミット回数コマンド又はリミットクリアコマンド)に基づいて特別図柄の大当たり回数を格納・更新し、サブリミットカウンタ223eにて、パチンコ機10における大当たり回数を管理するようになっている。
【0837】
S1215の処理の結果、リミットクリアコマンドを受信していないと判別された場合(S1215:No)、次いで、大当たりに関するコマンド、即ち、オープニングコマンド、開放コマンド、閉鎖コマンド又はエンディングコマンド等を受信したか否かを判別する(S1217)。そして、大当たりに関する上記コマンドを受信していないと判別された場合は(S1217:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1219)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。ここで、受信したその他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。例えば、主制御装置110より受信したデモコマンドは、このS1219の処理によって、表示用デモコマンドとして設定され、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに一旦格納された後、メイン処理のコマンド出力処理(S1102)により表示制御装置114に対して送信される。
【0838】
一方、S1217の処理の結果、大当たりに関するコマンドを受信したと判別された場合(S1217:Yes)、それら大当たりに関するコマンドに応じた処理を実行するため、大当たりコマンド処理(S1218)へ移行する。この大当たりコマンド処理の終了後は、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【0839】
ここで、
図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たりコマンド処理(S1218)について説明する。
図36は、大当たりコマンド処理(S1218)を示したフローチャートである。この大当たりコマンド処理(S1218)では、上述したように、主制御装置110から受信した大当たりに関するコマンド(オープニングコマンド、開放コマンド、閉鎖コマンド又はエンディングコマンド等)に基づく処理を実行する。
【0840】
この大当たりコマンド処理(S1218)では、まず、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判別する(S1221)。判別の結果、主制御装置110からオープニングコマンドを受信していれば(S1221:Yes)、大当たり時の演出を開始すべく、大当たり演出フラグ223kをオンに設定し(S1222)、処理をS1223へ移行する。S1222において大当たり演出フラグ223kがオンされることで、後述する大当たり演出処理(
図38参照)において、大当たり時おける各種演出が実行可能となる。
【0841】
S1223の処理では、当該大当たりの大当たり種別が、大当たり種別「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」(以下、大当たり種別「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」の大当たりを総称して、「不利当たり」と称する場合がある)か否かを判別する(S1223)。判別の結果、当該大当たりの大当たり種別が不利当たりである場合には(S1223:Yes)、不利当たりフラグ223gをオンに設定し(S1224)、処理をS1226へ移行する。一方、当該大当たりの大当たり種別が不利当たりでない場合(S1223:No)、即ち、当選した大当たり種別が「確変A」又は「確変B」である場合には、不利当たりフラグ223gをオフに設定して(S1225)、処理をS1226へ移行する。
【0842】
次いで、S1226の処理では、当該大当たりが引き戻し期間中におけるリミット回数に到達した大当たりであるか否かを判別する(S1226)。この判別は、サブリミットカウンタ223eの値が「6」であって、かつ、音声ランプ制御装置113において時短回数を計数するサブ時短カウンタ(図示せず)の値が「時間短縮状態」を示す値(例えば、「時間短縮状態」に突入した場合に「100」がセットされ、特別図柄の変動演出の実行ごとに1減算される場合において、サブ時短カウンタの値が「0」より大きい値等)であった場合に、当該大当たりが引き戻し期間中におけるリミット回数に到達した大当たりであると判別され、それ以外の場合(例えば、サブリミットカウンタ223eの値が「6」以外、又は、サブ時短カウンタの値が「0」等)の場合は、当該大当たりが引き戻し期間中におけるリミット回数に到達した大当たりではないと判別される。
【0843】
S1226の判別の結果、当該大当たりが引き戻し期間中におけるリミット回数に到達した大当たりであると判別された場合は(S1226:Yes)、次いで、引き戻しカウンタ223hの値が「2」より小さい値であるか否かを判別し(S1227)、引き戻しカウンタ223hの値が「2」より小さい値であれば(S1227)、この引き戻しカウンタ223hの値を1加算して(S1228)、処理をS1229へ移行する。一方、引き戻しカウンタ223hの値が「2」より小さい値でない場合(S1227:No)、即ち、引き戻しカウンタ223hの値が「2」以上であれば、引き戻しカウンタ223hの値が既に最大値に達しているので、S1228の処理をスキップして、S1229へ移行する。
【0844】
なお、S1226の処理において、当該大当たりが引き戻し期間中におけるリミット回数に到達した大当たりでないと判別された場合は(S1226:No)、S1227及びS1228の処理をスキップして、処理をS1229へ移行する。
【0845】
S1229の処理では、上記S1224~S1228の処理において設定された不利当たりフラグ223g及び引き戻しカウンタ223hの各値と、それ以前の処理において設定されている設定値メモリ223d及びサブリミットカウンタ223eの各値とを使用して、「設定示唆演出」の実行抽選並びにその内容およびタイミング抽選を実行する設定示唆抽選処理を実行する(S1229)。なお、この設定示唆抽選処理(S1229)の実行後は、大当たりコマンド処理(S1218)を終了して、コマンド判定処理(
図35参照)に戻る。
【0846】
ここで、
図37を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される設定示唆抽選処理(S1229)について説明する。
図37は、この設定示唆抽選処理(S1229)を示したフローチャートである。この設定示唆抽選処理(S1229)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たりコマンド処理(
図36参照)の中で実行され、上述したように、「設定示唆演出」の実行抽選並びにその内容(種類および報知タイミング)の抽選を実行する。
【0847】
この設定示唆抽選処理(S1229)では、まず、引き戻しカウンタ223h、不利当たりフラグ223g、サブリミットカウンタ223e、及び、設定示唆抽選カウンタ223fの各値に基づいて、設定示唆抽選テーブル222e(
図17参照)を参照して、「設定示唆演出」の実行抽選を行い(S1241)、処理をS1242へ移行する。
【0848】
S1242の処理では、S1241の処理における「設定示唆演出」の実行抽選に当選したか否かを判別し(S1242)、「設定示唆演出」の実行抽選に当選していると判別された場合は(S1242:Yes)、続いて、引き戻しカウンタ223h、設定値メモリ223d、及び、示唆内容抽選カウンタ223iの各値に基づいて、示唆内容抽選テーブル222f(
図18参照)して、「設定示唆演出」の種類および報知タイミングを抽選する(S1243)。そして、S1243において決定された「設定示唆演出」の種類および報知タイミングに関するデータを、設定示唆内容メモリ223jに設定し(S1244)、この設定示唆抽選処理(S1229)を終了して、大当たりコマンド処理(
図36参照)に戻る。
【0849】
音声ランプ制御装置113は、S1244の処理で設定された設定示唆内容メモリ223jに基づいて、後述する大当たり演出処理(S1105。
図38参照。)において「設定示唆演出」を実行する。
【0850】
なお、S1242の処理において、「設定示唆演出」の実行抽選に当選していないと判別された場合は(S1242:No)、S1243及びS1244の処理をスキップして、この設定示唆抽選処理(S1229)を終了して、大当たりコマンド処理(
図36参照)に戻る。
【0851】
図36に戻って、説明を続ける。S1221の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合は(S1221:No)、次いで、開放コマンドを受信したか否かを判別する(S1230)。判別の結果、開放コマンドを受信していれば(S1230:Yes)、大当たり時におけるラウンド数が更新されたということなので、サブラウンドカウンタ223mの値を1加算し(S1231)、この大当たりコマンド処理(S1218)を終了して、コマンド判定処理(
図35参照)に戻る。音声ランプ制御装置113は、このサブラウンドカウンタ223mの値によって実行中の大当たりのラウンド数を把握し、各種演出(例えば、「設定示唆演出」等)を実行する。
【0852】
S1230の処理の結果、開放コマンドを受信していない場合は(S1230:No)、次いで、エンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S1232)。判別の結果、エンディングコマンドを受信していれば(S1232:Yes)、大当たりの終了演出を実行するために、エンディングフラグ223nをオンに設定して(S1233)、次いで、サブラウンドカウンタ223mの値を「0」クリアし(S1234)、この大当たりコマンド処理(S1218)を終了して、コマンド判定処理(
図35参照)に戻る。音声ランプ制御装置113は、このエンディングフラグ223nの設定値に基づいて、大当たり時のエンディングのタイミングか否かを把握して、各種演出(例えば、「設定示唆演出」等)を実行する。
【0853】
S1232の処理の結果、エンディングコマンドを受信していない場合は(S1232:No)、その他の大当たりに関するコマンド処理(例えば、閉鎖コマンドに対応する処理等)を実行し(S1235)、この大当たりコマンド処理(S1218)を終了して、コマンド判定処理(
図35参照)に戻る。
【0854】
次に、
図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり演出処理(S1105)について説明する。
図38は、この大当たり演出処理(S1105)を示したフローチャートである。この大当たり演出処理(S1105)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(
図34参照)において1ミリ秒ごとに実行され、オープニングコマンドの受信に基づいて大当たり演出フラグ223kがオンに設定されている場合に、大当たり時の演出に関する各処理が行われる。
【0855】
この大当たり演出処理(S1105)では、まず、大当たり演出フラグ223kがオンに設定されているか否かを判別する(S1301)。判別の結果、大当たり演出フラグ223kがオンに設定されていなければ(S1301:No)、大当たり中ではないため、この大当たり演出処理(S1105)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。一方、大当たり演出フラグ223kがオンに設定されている場合は(S1301:Yes)、大当たり中であるため、大当たりに関する演出を実行すべく、処理をS1302へ移行する。
【0856】
S1302の処理では、「設定示唆演出」の実行タイミングと大当たりのラウンド数とが一致するか否かを判別する(S1302)。この判別は、設定示唆内容メモリ223jに記憶される「設定示唆演出」の報知タイミングに関するデータが、サブラウンドカウンタ223mに対応する値(例えば、報知タイミングに関するデータが「3」である場合に、ラウンド数が3ラウンド等)であるか否かによって行われる。判別の結果、「設定示唆演出」の実行タイミングと大当たりのラウンド数とが一致すると判別された場合(S1302:Yes)、「設定示唆演出」の報知タイミングが到来したと判断して、設定示唆内容メモリ223jに記憶される「設定示唆演出」の種類(内容)に応じた「設定示唆演出」の実行を設定し(S1303)、この大当たり演出処理(S1105)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。なお、S1302の処理において、一度でもS1302:Yesの判定が行われた場合、当該大当たりにおける大当たり演出処理(S1105)において、再びS1302:Yesの判定を行わないように構成されている。
【0857】
一方、S1302の処理において、「設定示唆演出」の実行タイミングと大当たりのラウンド数とが一致していないと判別された場合は(S1302:No)、次いで、エンディングフラグ223nがオンされているか否かを判別する(S1304)。判別の結果、エンディングフラグ223nがオンされていれば(S1304:Yes)、エンディングフラグ223nをオフに設定し(S1305)、処理をS1306へ移行する。
【0858】
S1306の処理では、「設定示唆演出」の実行タイミングとして「エンディング」が設定されているか否かを判別する(S1306)。この判別は、設定示唆内容メモリ223jに記憶される「設定示唆演出」の報知タイミングに関するデータが、「エンディング」を示す値であるか否かによって行われる。判別の結果、「設定示唆演出」の実行タイミングとして「エンディング」が設定されていると判別された場合は(S1306:Yes)、処理をS1303へ移行し、「設定示唆演出」の報知タイミングが到来したと判断して、設定示唆内容メモリ223jに記憶される「設定示唆演出」の種類(内容)に応じた「設定示唆演出」を実行設定する(S1303)。
【0859】
一方、S1306の処理において、「設定示唆演出」の実行タイミングとして「エンディング」が設定されていなければ(S1306:No)、次に、「設定示唆演出」の実行抽選に当選はしているものの、設定示唆内容メモリ223jに設定されている報知タイミングとラウンド数とが一致するタイミングが到来しなかった(無かった)か否かを判別する(S1307)。
【0860】
この判別は、具体的には、例えば、「設定示唆演出」の報知タイミングとして、5ラウンドが設定されていたが、当選した大当たり種別が4R大当たりであったため、当該大当たりにおいて5ラウンド目が実行されなかった場合に、設定示唆内容メモリ223jに設定されている報知タイミングとラウンド数とが一致するタイミングが到来しなかった(無かった)と判別される。
【0861】
S1307の処理において、設定示唆内容メモリ223jに設定されている報知タイミングとラウンド数とが一致するタイミングが到来しなかったと判別された場合は(S1307:Yes)、「設定示唆演出」の報知タイミングを変更して、エンディング演出において「設定示唆演出」を実行すべく、処理をS1303へ移行し、「設定示唆演出」の報知タイミングが到来したとみなして、設定示唆内容メモリ223jに記憶される「設定示唆演出」の種類(内容)に応じた「設定示唆演出」を実行設定する(S1303)。なお、S1307の処理において、設定示唆内容メモリ223jに設定されている報知タイミングとラウンド数とが一致するタイミングが有った場合、又は、そもそも設定示唆内容メモリ223jに「設定示唆演出」が設定されていない(に当選していない)場合は(S1307:No)、この大当たり演出処理(S1105)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【0862】
このように、「設定示唆演出」の実行抽選に当選している場合であっても、当初設定されたラウンド数が実行されない大当たり種別の当選であったとき、「設定示唆演出」の報知タイミングの変更処理を実行して、すべての大当たり種別において実行され得るエンディング演出において確実に「設定示唆演出」を実行するように構成する。よって、機種開発時における映像開発又はソフトウェア開発を変更することなく、『確率設定値の設定値に対応するラウンドにおいて「設定示唆演出」を実行する』という遊技性を実行しつつ、仮に該当ラウンドが存在しない場合には、エンディング演出で「設定示唆演出」を実行することで、当選した「設定示唆演出」を確実に実行して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0863】
S1304の処理において、エンディングフラグ223nがオンされていないと判別された場合は(S1304:No)、次に、大当たり状態の終了タイミングか否か、即ち、エンディング期間が終了したか否かを判別する(S1308)。判別の結果、大当たり状態の終了タイミングであると判別された場合は(S1308:Yes)、大当たり演出フラグ223kをオフに設定し(S1309)、次いで、設定示唆内容メモリ223jの値を初期化(例えば、Nullデータの書き込み)し(S1310)、この大当たり演出処理(S1105)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【0864】
なお、S1308の処理において、大当たり状態の終了タイミングではないと判別された場合は(S1308:No)、その他の大当たり演出に関する処理を実行し(S1311)、この大当たり演出処理(S1105)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【0865】
次に、
図39を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S1110)について説明する。
図39は、この変動演出処理(S1110)を示したフローチャートである。この変動演出処理(S1110)は、メイン処理(
図34参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるための各種処理を実行する。
【0866】
変動演出処理(S1110)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223aがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223aがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1401:No)、主制御装置110より少なくとも停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動演出処理(S1110)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【0867】
一方、変動開始フラグ223aがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドをともに受信しているので、変動演出を開始すべく、変動開始フラグ223aをオフし(S1402)、次いで、今回実行する変動演出は第1特別図柄に関するものか否かを判別する(S1403)。判別の結果、第1特別図柄に関する変動演出であれば(S1403:Yes)、第1保留情報格納エリア223oに設けられた第1保留情報格納第1エリアに含まれるデータを実行情報格納エリア223qへシフトし(S1404)、さらに、第1保留情報格納エリア223oに設けられた第1保留情報格納第2~第4エリアに含まれるデータを第1保留情報格納第1~第3エリアへシフトして(S1405)、サブ第1保留球数カウンタ223bの値を1減算し(S1406)、処理をS1410へ移行する。
【0868】
つまり、この場合は、保留された第1特別図柄の変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する第1保留情報第1エリアの各格納エリア223o1~223o4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223qの各格納エリア223q1~223q4に移動させる。また、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223o1~223o4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223o1~223o4に移動させ、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223o1~223o4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223o1~223o4に移動させ、第1保留情報格納第4エリアの各格納エリア223o1~223o4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223o1~223o4に移動させる。
【0869】
これにより、実行情報格納エリア223qには、主制御装置110の保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1~C3,CS1と同じ値が格納されることになり、第1保留情報格納第1~第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1~第4エリアに格納された各カウンタC1~C3,CS1と同じ値が格納されることになる。
【0870】
一方、S1403の処理において、第1特別図柄に関する変動演出でないと判別された場合、即ち、第2特別図柄に関する変動演出であると判別された場合は(S1403:No)、第2保留情報格納エリア223pに設けられた第2保留情報格納第1エリアに含まれるデータを実行情報格納エリア223qへシフトし(S1407)、さらに、第2保留情報格納エリア223pに設けられた第2保留情報格納第2~第4エリアに含まれるデータを第2保留情報格納第1~第3エリアへシフトして(S1408)、サブ第2保留球数カウンタ223cの値を1減算し(S1409)、処理をS1410へ移行する。
【0871】
つまり、この場合は、保留された第2特別図柄の変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する第2保留情報第1エリアの各格納エリア223p1~223p4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223qの各格納エリア223q1~223q4に移動させる。また、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223p1~223p4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223p1~223p4に移動させ、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223p1~223p4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223p1~223p4に移動させ、第2保留情報格納第4エリアの各格納エリア223p1~223p4に格納された各カウンタC1~C3,CS1の値を、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223p1~223p4に移動させる。
【0872】
これにより、実行情報格納エリア223qには、主制御装置110の保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1~C3,CS1と同じ値が格納されることになり、第2保留情報格納第1~第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第2保留球格納エリア203eの第2保留第1~第4エリアに格納された各カウンタC1~C3,CS1と同じ値が格納されることになる。
【0873】
次いで、S1410の処理では、実行情報格納エリア223qに記憶される各カウンタC1~C3,CS1の値に基づいて、今から実行する変動演出の変動パターンを取得する(S1410)。その後、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、取得した変動パターンに基づいて表示用変動パターンコマンドを設定し(S1411)、処理をS1412へ移行する。
【0874】
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(
図34のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。
【0875】
次いで、S1412の処理において、実行情報格納エリア223qに記憶される各カウンタC1~C3,CS1の値に基づいて、今から実行する変動演出の停止種別を取得する(S1412)。その後、取得した変動演出の停止種別に基づいて表示用停止種別コマンドを設定し(S1413)、この変動演出処理(S1110)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【0876】
ここで設定された表示用停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(
図34のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、S1411の処理により設定された表示用変動パターンコマンドによって実行される変動演出を確定表示させる場合に、この表示用停止種別コマンドにて示される停止種別に対応する停止図柄を設定する。
【0877】
次に、
図40から
図42を参照して、第1実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81における「設定示唆演出」について説明する。
【0878】
まず、
図40を参照して、確率設定値が「6」に設定されている場合における「ラウンド一致」のタイミングで「直値示唆」の「設定示唆演出」が実行される場合について説明する。
図40は、「設定示唆演出」の実行タイミングとして「ラウンド一致」が選定された場合を示した図であって、
図40(a)は、第3図柄表示装置81における変動演出において大当たり結果が導出された状態を示した図であり、
図40(b)は、
図40(a)の状態から大当たり遊技が開始されて5ラウンド目が行われている状態を示した図であり、
図40(c)は、
図40(b)の状態から大当たり遊技が進行して6ラウンド目において「設定示唆演出」が実行されている状態を示した図であり、
図40(d)は、
図40(c)の状態から大当たり遊技が進行して7ラウンド目が行われている状態を示した図である。なお、
図40(a)~
図40(d)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している(以下、
図41、
図42及び
図47における説明についても同様)。
【0879】
図40(a)で示すように、主表示領域Dmの左表示領域Dm1(左図柄列Z1。以下、同様。)、中表示領域Dm2(中図柄列Z2。以下、同様。)、右表示領域Dm3(右図柄列Z3。以下、同様。)において、それぞれ「6」図柄の第3図柄が停止表示された状態を示している。即ち、変動演出において「6」図柄による大当たりが導出されたことを示している。
【0880】
このとき、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄において、大当たり結果が導出されたことを喜んでいるかのような態様で表示され、さらに、右小領域Ds3において該キャラクタ図柄が「やったね!」と遊技者を賞賛しているセリフ表示が表示されている。なお、左小領域Ds1には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
【0881】
次いで、
図40(b)では、
図40(a)の状況から大当たり遊技が開始されて大当たり遊技が進行し、主表示領域Dm全体が拡大されたことに伴って、副表示領域Ds等が消去されている。拡大された主表示領域Dmの中央部分では、大当たりが発生したことを変動演出等で現出した複数のキャラクタ図柄のいずれかが対応するラウンド毎に登場し、この
図40(b)では、おじさんキャラクタ図柄が現出しており、該おじさんキャラクタ図柄が大当たりが発生したことを喜んでいるかのような演出が実行される。
【0882】
また、主表示領域Dmの左上部分には、今回の大当たり遊技を発生させる要因となった第3図柄の種類を示す図柄表示が表示される大当たり図柄表示領域が形成されている。
図40(b)では、この大当たり図柄表示領域に「6」図柄が表示されている状態を示している。よって、遊技者は、この大当たり図柄表示領域に表示される図柄表示により、大当たり遊技中、大当たりを発生した第3図柄を確認することができ、大当たり遊技終了後の遊技状態を推測しながら遊技を行うことができる。
【0883】
さらに、主表示領域Dmの右上部分には、現在のラウンド数を表示するラウンド数表示領域が形成されている。
図40(b)では、このラウンド数表示領域にラウンド表示であることを示す「ラウンド」という文字表示と、該文字表示の直下に現在のラウンド数を示す「5」という数字表示とが表示されている。即ち、
図40(b)のラウンド数表示領域では、5ラウンド目の大当たり遊技が行われていることを示唆している。よって、遊技者は、このラウンド数表示領域におけるラウンド表示により、現在行われている大当たり遊技の進行状況を把握することができる。
【0884】
また、主表示領域Dmにおいて、ラウンド数表示領域の下方側には、この大当たり遊技中に獲得した賞球数、即ち、大入賞口65aへの入賞に基づく賞球のみならず、一般入賞口63、第1始動口64a及び第2始動口64b(ともに
図3参照)への入賞に基づく賞球の合計数を表示する賞球数表示領域が形成されている。
図40(b)では、この賞球数表示領域に「0643発」という4桁の数字を表示可能な総賞球数表示が表示されている。
【0885】
図40(b)における643発の賞球の内訳は、例えば、1ラウンド目から4ラウンド目までの大入賞口65aへの入賞数10個×賞球15個×4ラウンド=600発、5ラウンド目の大入賞口65aへの入賞数2個×賞球15個=30発、一般入賞口63への入賞数1個×賞球10個=10発、第2始動口64bへの入賞3個×賞球1個=3個、の合計643発となっている。
【0886】
このように、遊技者は、この賞球数表示領域に表示される総賞球数表示により、現在行われている大当たり遊技において獲得した賞球(遊技価値)を把握することができるとともに、獲得した賞球が随時増加していることに伴う高揚感及び達成感を感じることができる。なお、
図40(b)では、「設定示唆演出」が実行されていないため、上記賞球数表示領域に表示される総賞球数表示は、一般的なフォント(例えば、ゴシック体。以下、「一般フォント」と称する場合がある。)で表現されている。
【0887】
次いで、
図40(c)では、
図40(b)の状況から大当たり遊技が進行し、6ラウンド目の大当たり遊技が実行されている状態を示している。ここでは、主表示領域Dmの中央部分において、
図40(b)のキャラクタ図柄とは異なる女の子キャラクタ図柄が登場し、該女の子キャラクタ図柄が大当たりが発生したことを喜んでいるかのような演出が実行される。なお、主表示領域Dmの大当たり図柄表示領域では、
図40(b)と同様、「6」の図柄表示が表示されている状態を示している。
【0888】
また、主表示領域Dmのラウンド数表示領域では、
図40(b)からラウンドが1つ進み、「6」というラウンド表示が表示されている。即ち、
図40(c)のラウンド数表示領域では、「6」のラウンド表示により、6ラウンド目の大当たり遊技が行われていることを示唆している。
【0889】
さらに、主表示領域Dmの賞球数表示領域では、「0764発」という総賞球数表示が表示されている。このとき、確率設定値「6」における「設定示唆演出」の「直値示唆」として、「0764発」の総賞球数表示のうち、十の位を示す「6」のフォントのみ特殊書体フォントで表示されている。
【0890】
図40(c)における764発の賞球の内訳は、例えば、1ラウンド目から5ラウンド目までの大入賞口65aへの入賞数10個×賞球15個×5ラウンド=750発、6ラウンド目の大入賞口65aへの入賞数0個×賞球15個=0発、一般入賞口63への入賞数1個×賞球10個=10発、第2始動口64bへの入賞4個×賞球1個=4個、の合計764発となっている。
【0891】
第1実施形態のパチンコ機10では、「設定示唆演出」の「直値示唆」では、総賞球数表示において確率設定値と同一の数字のフォントを一般フォントから特殊書体フォントに変更するように構成されている。具体的には、例えば、確率設定値が「4」であった場合は、「4」の数字が現出する場合に、該数字のフォントを一般フォントから特殊書体フォントに変更し、確率設定値が「6」であった場合は、「6」の数字が現出する場合に、該数字のフォントを一般フォントから特殊書体フォントに変更する。
【0892】
また、「設定示唆演出」の「456示唆」では、確率設定値が「4」、「5」又は「6」であった場合、総賞球数表示において「4」、「5」及び「6」の数字のフォントを一般フォントから特殊書体フォントに変更するように構成されている。
【0893】
さらに、「設定示唆演出」の「1否定示唆」では、確率設定値が「1」以外である場合、即ち、確率設定値が「2」~「6」であった場合に、総賞球数表示において「2」~「6」の数字のフォントを一般フォントから特殊書体フォントに変更するように構成されている。
【0894】
また、「設定示唆演出」の「偶奇示唆」では、確率設定値が奇数(即ち、「1」、「3」又は「5」)であった場合には、総賞球数表示において「1」、「3」及び「5」の数字のフォントを一般フォントから特殊書体フォントに変更し、確率設定値が偶数(即ち、「2」、「4」又は「6」)であった場合には、総賞球数表示において「2」、「4」及び「6」の数字のフォントを一般フォントから特殊書体フォントに変更するように構成されている。
【0895】
このように構成することで、遊技者は、予め、大当たり遊技中に表示される総賞球数表示において特殊書体フォントが現出した場合に、該特殊書体フォントが確率設定値を示唆することを認識していることを条件に、この特殊書体フォントを視認することで、その特殊書体フォントが示す数字がパチンコ機10の確率設定値であることを把握又は推測することが可能となる。
【0896】
なお、「設定示唆演出」の「1否定示唆」及び「偶奇示唆」において、「0」、又は、「7」~「9」の数字も偶数若しくは奇数、又は、1より大きい数字を意味するが、第1実施形態のパチンコ機10では、確率設定値として使用される「1」~「6」の範囲の数字でのみ「設定示唆演出」を実行するように構成されている。換言すれば、確率設定値で使用されない数字は、一般フォントでのみ表現される。このように構成することで、「設定示唆演出」の表現範囲を制限し、「設定示唆演出」の希少性を高め、「設定示唆演出」の演出効果を高めることができる。
【0897】
図40(c)の示す状態では、6ラウンド目における「0764発」という総賞球数表示において十の位の「6」の部分のみが特殊書体フォントで表示され、他の数字は一般フォントで表示されている。このため、該特殊書体フォント及び一般フォントを見た遊技者は、まず、「設定示唆演出」の「1否定示唆」であれば、「0764発」との総賞球数表示のうち、「2」以上の数字、即ち、「6」と「4」とが共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図40(c)では「6」のみが特殊書体フォントであるので、「1否定示唆」ではないことを把握する。
【0898】
次いで、「設定示唆演出」の「偶奇示唆」であれば、「0764発」との総賞球数表示のうち、「6」と「4」との偶数が共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図40(c)では「6」のみが特殊書体フォントであるので、「偶奇示唆」ではないことを把握する。
【0899】
次いで、「設定示唆演出」の「456示唆」演出であれば、「0764発」との総賞球数表示のうち、「6」と「4」との数字が共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図40(c)では「6」のみが特殊書体フォントであるので、「456示唆」ではないことを把握する。
【0900】
次いで、「設定示唆演出」の「直値示唆」であれば、「0764発」との総賞球数表示のうち、いずれか1の数字のみが特殊書体フォントで表示され、
図40(c)では「6」の数字のみが特殊書体フォントで表示されているため、確率設定値「6」における「直値示唆」が暫定的に当てはまっていることを把握する。
【0901】
よって、
図40(c)の表示態様は、「設定示唆演出」として「直値示唆」のみが当てはまるため、遊技者は、該パチンコ機10の確率設定値が「6」であることを把握することができる。このように構成することで、いずれのラウンドで「設定示唆演出」が行われるか否かを遊技者に推測させながら遊技を行わせることができるとともに、特殊書体フォントが現出した場合であっても「設定示唆演出」の種類が如何様なものであるか否かを推測するとともに、その内容から確率設定値を推測する遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0902】
また、「設定示唆演出」が行われ得るラウンドにおいて、「設定示唆演出」の内容が的確に反映され易い総賞球数であることで、「設定示唆演出」の内容を把握し易くすることができる。具体的には、パチンコ機10で使用される確率設定値「1」~「6」とは関係のない数字、即ち、「0」、「7」~「9」の数字表示では、そもそも「設定示唆演出」が表現され得ない。
【0903】
そこで、総賞球数表示の数字表示の内容を確率設定値として使用されない「0」、「7」~「9」ではなく、確率設定値として使用される「1」~「6」のいずれかを含む総賞球数表示にしておくことで、総賞球数表示において「設定示唆演出」の内容を的確に反映させることが可能となる。例えば、「4」、「5」及び「6」を含む総賞球数表示(例えば、「0456発」や「0564発」、「0654発」等)が表示されている状態で「設定示唆演出」が実行された場合は、「4」、「5」及び「6」が特殊書体フォントで表示された場合は、「設定示唆演出」が「456示唆」又は「1否定示唆」であることが把握でき、「4」及び「6」が特殊書体フォントで表示された場合は、「偶奇示唆」であることが把握でき、いずれか1の数字のみ(例えば、「6」の数字のみ)が特殊書体フォントで表示された場合には、「直値示唆」であることが把握することができる。
【0904】
一方、「0」、「7」~「9」の数字表示を含む総賞球数表示である場合、「設定示唆演出」が実行された場合であっても、いずれの「設定示唆演出」が実行された場合であっても、該「設定示唆演出」の内容が表現され得ない場合がある。
【0905】
よって、遊技者は、如何にして「設定示唆演出」の内容が的確に反映され易い総賞球数表示にしておくか否かという遊技性が生まれ、例えば、大当たり中において大入賞口65a以外に、一般入賞口63、第1始動口64a又は/及び第2始動口64bに球を入賞させながら遊技を行わせることができ、「設定示唆演出」の内容が的確に反映され易い総賞球数表示に「1」~「6」の数字表示を含ませるか否かという遊技性により、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0906】
なお、
図40(c)における6ラウンド目の総賞球数表示は、一般入賞口63、第1始動口64a及び第2始動口64bへの入賞数が5ラウンド目から変化し得ない場合、大入賞口65aへの入賞が0個の場合に「0764発」、大入賞口65aへの入賞が1個の場合に「0779発」、大入賞口65aへの入賞が2個の場合に「0794発」、大入賞口65aへの入賞が3個の場合に「0809発」、大入賞口65aへの入賞が4個の場合に「0824発」、大入賞口65aへの入賞が5個の場合に「0839発」、大入賞口65aへの入賞が6個の場合に「0854発」、大入賞口65aへの入賞が7個の場合に「0869発」、大入賞口65aへの入賞が8個の場合に「0884発」、大入賞口65aへの入賞が9個の場合に「0899発」、大入賞口65aへの入賞が10個の場合に「0914発」が表示される。よって、確率設定値が「6」の場合において、6ラウンド目における「設定示唆演出」の「直値示唆」では、大入賞口65aへの入賞個数が0個のとき及び7個のときの場合に該「直値示唆」である特殊書体フォントの「6」が現出することとなる。
【0907】
また、大入賞口65aへの入賞が10個となった場合に、6ラウンド目の大当たり遊技が終了することとなるが、「設定示唆演出」として特殊書体フォントが現出している場合は、暫くの間(例えば、3秒間)、「設定示唆演出」としての特殊書体フォントの表示を維持するように構成する。このように構成することで、「設定示唆演出」に当選していたラウンドにおいて確実に「設定示唆演出」を実行することができる。
【0908】
次いで、
図40(d)では、
図40(c)の状況から大当たり遊技が進行し、7ラウンド目の大当たり遊技が実行されている状態を示している。ここでは、主表示領域Dmの中央部分において、
図40(b)及び
図40(c)のキャラクタ図柄とは異なる男の子キャラクタ図柄が登場し、該男の子キャラクタ図柄が大当たりが発生したことを喜んでいるかのような演出が実行される。なお、主表示領域Dmの大当たり図柄表示領域では、
図40(b)及び
図40(c)と同様、「6」の図柄表示が表示されている状態を示している。
【0909】
また、主表示領域Dmのラウンド数表示領域では、
図40(c)からラウンドが1つ進み、「7」というラウンド表示が表示されている。即ち、
図40(d)のラウンド数表示領域では、「7」のラウンド表示により、7ラウンド目の大当たり遊技が行われていることを示唆している。
【0910】
さらに、主表示領域Dmの賞球数表示領域では、「0914発」という総賞球数表示が表示されている。なお、
図40(d)では、「設定示唆演出」が実行されていないため、上記賞球数表示領域に表示される総賞球数表示は、一般フォントで表現されている。
【0911】
図40(d)における914発の賞球の内訳は、例えば、1ラウンド目から6ラウンド目までの大入賞口65aへの入賞数10個×賞球15個×6ラウンド=900発、7ラウンド目の大入賞口65aへの入賞数0個×賞球15個=0発、一般入賞口63への入賞数1個×賞球10個=10発、第2始動口64bへの入賞4個×賞球1個=4個、の合計914発となっている。
【0912】
次に、
図41を参照して、確率設定値が「6」に設定されている場合における「他ラウンド」のタイミングで「偶奇示唆」の「設定示唆演出」が実行される場合について説明する。
図41は、「設定示唆演出」の実行タイミングとして「他ラウンド」が選定された場合を示した図であって、
図41(a)は、第3図柄表示装置81における変動演出において大当たり結果が導出された状態を示した図であり、
図41(b)は、
図41(a)の状態から大当たり遊技が開始されて4ラウンド目が行われている状態を示した図であり、
図41(c)は、
図41(b)の状態から大当たり遊技が進行して5ラウンド目において「設定示唆演出」が実行されている状態を示した図であり、
図41(d)は、
図41(c)の状態から大当たり遊技が進行して6ラウンド目が行われている状態を示した図である。
【0913】
図41(a)で示すように、主表示領域Dmの左表示領域Dm1、中表示領域Dm2、右表示領域Dm3において、それぞれ「6」図柄の第3図柄が停止表示された状態を示している。即ち、変動演出において「6」図柄による大当たりが導出されたことを示している。
【0914】
このとき、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄において、大当たり結果が導出されたことを喜んでいるかのような態様で表示され、さらに、右小領域Ds3において該キャラクタ図柄が「やったね!」と遊技者を賞賛しているセリフ表示が表示されている。なお、左小領域Ds1には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
【0915】
次いで、
図41(b)では、
図41(a)の状況から大当たり遊技が開始されて大当たり遊技が進行し、主表示領域Dm全体が拡大されたことに伴って、副表示領域Ds等が消去されている。拡大された主表示領域Dmの中央部分では、変動演出等で現出した複数のキャラクタ図柄のいずれかが対応するラウンド毎に登場し、この
図41(b)では、男の子キャラクタ図柄が現出しており、該男の子キャラクタ図柄が大当たりが発生したことを喜んでいるかのような演出が実行される。
【0916】
また、大当たり図柄表示領域では、「6」図柄が表示されている状態を示している。さらに、ラウンド数表示領域では、「4」という数字表示が表示されており、4ラウンド目の大当たり遊技が行われていることを示唆している。
【0917】
また、賞球数表示領域に「0562発」という4桁の数字を表示可能な総賞球数表示が表示されている。
図41(b)における562発の賞球の内訳は、例えば、1ラウンド目から3ラウンド目までの大入賞口65aへの入賞数10個×賞球15個×3ラウンド=450発、4ラウンド目の大入賞口65aへの入賞数6個×賞球15個=90発、一般入賞口63への入賞数2個×賞球10個=20発、第2始動口64bへの入賞2個×賞球1個=2個、の合計562発となっている。
【0918】
なお、
図41(b)では、「設定示唆演出」が実行されていないため、上記賞球数表示領域に表示される総賞球数表示は、一般フォントで表現されている。
【0919】
次いで、
図41(c)では、
図41(b)の状況から大当たり遊技が進行し、5ラウンド目の大当たり遊技が実行されている状態を示している。ここでは、主表示領域Dmの中央部分において、
図41(b)のキャラクタ図柄とは異なるおじさんキャラクタ図柄が登場し、該おじさんキャラクタ図柄が大当たりが発生したことを喜んでいるかのような演出が実行される。なお、主表示領域Dmの大当たり図柄表示領域では、
図41(b)と同様、「6」の図柄表示が表示されている状態を示している。
【0920】
また、主表示領域Dmのラウンド数表示領域では、
図41(b)からラウンドが1つ進み、「5」というラウンド表示が表示されている。即ち、
図41(c)のラウンド数表示領域では、「5」のラウンド表示により、5ラウンド目の大当たり遊技が行われていることを示唆している。
【0921】
さらに、主表示領域Dmの賞球数表示領域では、「0652発」という総賞球数表示が表示されている。このとき、確率設定値「6」における「設定示唆演出」の「偶奇示唆」として、「0652発」の総賞球数表示のうち、偶数である百の位を示す「6」のフォントと一の位を示す「2」のフォントとが特殊書体フォントで表示されている。
【0922】
図41(c)における652発の賞球の内訳は、例えば、1ラウンド目から4ラウンド目までの大入賞口65aへの入賞数10個×賞球15個×4ラウンド=600発、5ラウンド目の大入賞口65aへの入賞数2個×賞球15個=30発、一般入賞口63への入賞数2個×賞球10個=20発、第2始動口64bへの入賞2個×賞球1個=2個、の合計652発となっている。
【0923】
図41(c)の示す状態では、5ラウンド目における「0652発」という総賞球数表示において百の位の「6」の部分と一の位の「2」の部分とが特殊書体フォントで表示され、他の数字は一般フォントで表示されている。このため、該特殊書体フォント及び一般フォントを見た遊技者は、まず、「設定示唆演出」の「1否定示唆」であれば、「0652発」との総賞球数表示のうち、「2」以上の数字、即ち、「2」と「5」と「6」とが共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図41(c)では「6」と「2」とが特殊書体フォントであって「5」が一般フォントであるので、「1否定示唆」ではないことを把握する。
【0924】
次いで、「設定示唆演出」の「偶奇示唆」であれば、「0652発」との総賞球数表示のうち、「6」と「2」との偶数が共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図41(c)では「6」と「2」とが共に特殊書体フォントで表示されているため、「偶奇示唆」の偶数表示が暫定的に当てはまっていることを把握する。
【0925】
次いで、「設定示唆演出」の「456示唆」演出であれば、「0652発」との総賞球数表示のうち、「6」と「5」との数字が共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図41(c)では「6」のみが特殊書体フォントであって「5」が特殊書体フォントではなく、さらに「2」が特殊書体フォントであることから、「456示唆」ではないことを把握する。
【0926】
次いで、「設定示唆演出」の「直値示唆」であれば、いずれか1の数字のみが特殊書体フォントで表示され、
図41(c)では「6」と「2」との複数の数字が特殊書体フォントで表示されることはないため、「直値示唆」ではないことを把握する。
【0927】
よって、
図41(c)の表示態様は、「設定示唆演出」として「偶奇示唆」の偶数表示のみが当てはまるため、遊技者は、該「偶数示唆」によってパチンコ機10の確率設定値が偶数であることを把握することができる。
【0928】
なお、
図41(c)における5ラウンド目の総賞球数表示は、一般入賞口63、第1始動口64a及び第2始動口64bへの入賞数が4ラウンド目から変化し得ない場合、大入賞口65aへの入賞が0個の場合に「0622発」、大入賞口65aへの入賞が1個の場合に「0637発」、大入賞口65aへの入賞が2個の場合に「0652発」、大入賞口65aへの入賞が3個の場合に「0667発」、大入賞口65aへの入賞が4個の場合に「0682発」、大入賞口65aへの入賞が5個の場合に「0697発」、大入賞口65aへの入賞が6個の場合に「0712発」、大入賞口65aへの入賞が7個の場合に「0727発」、大入賞口65aへの入賞が8個の場合に「0742発」、大入賞口65aへの入賞が9個の場合に「0757発」、大入賞口65aへの入賞が10個の場合に「0772発」が表示される。よって、5ラウンド目における「設定示唆演出」の「偶奇示唆」では、大入賞口65aへの入賞個数が0個、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、10個の場合(即ち、9個の場合以外)に該「偶奇示唆」である特殊書体フォントの「2」、「4」及び「6」が現出することとなる。
【0929】
次いで、
図41(d)では、
図41(c)の状況から大当たり遊技が進行し、6ラウンド目の大当たり遊技が実行されている状態を示している。ここでは、主表示領域Dmの中央部分において、
図41(b)及び
図41(c)のキャラクタ図柄とは異なる女の子キャラクタ図柄が登場し、該女の子キャラクタ図柄が大当たりが発生したことを喜んでいるかのような演出が実行される。なお、主表示領域Dmの大当たり図柄表示領域では、
図41(b)及び
図41(c)と同様、「6」の図柄表示が表示されている状態を示している。
【0930】
また、主表示領域Dmのラウンド数表示領域では、
図41(c)からラウンドが1つ進み、「6」というラウンド表示が表示されている。即ち、
図41(d)のラウンド数表示領域では、「6」のラウンド表示により、6ラウンド目の大当たり遊技が行われていることを示唆している。
【0931】
さらに、主表示領域Dmの賞球数表示領域では、「0764発」という総賞球数表示が表示されている。なお、
図41(d)では、「設定示唆演出」が実行されていないため、上記賞球数表示領域に表示される総賞球数表示は、一般フォントで表現されている。
【0932】
図41(d)における764発の賞球の内訳は、例えば、1ラウンド目から5ラウンド目までの大入賞口65aへの入賞数10個×賞球15個×5ラウンド=750発、6ラウンド目の大入賞口65aへの入賞数0個×賞球15個=0発、一般入賞口63への入賞数1個×賞球10個=10発、第2始動口64bへの入賞4個×賞球1個=4個、の合計764発となっている。
【0933】
次に、
図42を参照して、確率設定値が「6」に設定されている場合における「ラウンド一致」のタイミングで「456示唆」の「設定示唆演出」が実行される場合について説明する。
図42は、「設定示唆演出」の実行タイミングとして「ラウンド一致」が選定された場合を示した図であって、
図42(a)は、第3図柄表示装置81における変動演出において大当たり結果が導出された状態を示した図であり、
図42(b)は、
図42(a)の状態から大当たり遊技が開始されて5ラウンド目が行われている状態を示した図であり、
図42(c)は、
図42(b)の状態から大当たり遊技が進行して6ラウンド目において「設定示唆演出」が実行されている状態を示した図であり、
図42(d)は、
図42(c)の状態から大当たり遊技が進行して7ラウンド目が行われている状態を示した図である。
【0934】
図42(a)で示すように、主表示領域Dmの左表示領域Dm1、中表示領域Dm2、右表示領域Dm3において、それぞれ「6」図柄の第3図柄が停止表示された状態を示している。即ち、変動演出において「6」図柄による大当たりが導出されたことを示している。
【0935】
このとき、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄において、大当たり結果が導出されたことを喜んでいるかのような態様で表示され、さらに、右小領域Ds3において該キャラクタ図柄が「やったね!」と遊技者を賞賛しているセリフ表示が表示されている。なお、左小領域Ds1には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
【0936】
次いで、
図42(b)では、
図42(a)の状況から大当たり遊技が開始されて大当たり遊技が進行し、主表示領域Dm全体が拡大されたことに伴って、副表示領域Ds等が消去されている。拡大された主表示領域Dmの中央部分では、大当たりが発生したことを変動演出等で現出した複数のキャラクタ図柄のいずれかがラウンド毎に登場し、この
図41(b)では、おじさんキャラクタ図柄が現出しており、該おじさんキャラクタ図柄が大当たりが発生したことを喜んでいるかのような演出が実行される。
【0937】
また、大当たり図柄表示領域では、「6」図柄が表示されている状態を示している。さらに、ラウンド数表示領域では、「5」という数字表示が表示されており、5ラウンド目の大当たり遊技が行われていることを示唆している。
【0938】
また、賞球数表示領域に「0643発」という4桁の数字を表示可能な総賞球数表示が表示されている。
図42(b)における643発の賞球の内訳は、例えば、1ラウンド目から4ラウンド目までの大入賞口65aへの入賞数10個×賞球15個×4ラウンド=600発、5ラウンド目の大入賞口65aへの入賞数2個×賞球15個=30発、一般入賞口63への入賞数1個×賞球10個=10発、第2始動口64bへの入賞3個×賞球1個=3個、の合計643発となっている。
【0939】
なお、
図42(b)では、「設定示唆演出」が実行されていないため、上記賞球数表示領域に表示される総賞球数表示は、一般フォントで表現されている。
【0940】
次いで、
図42(c)では、
図42(b)の状況から大当たり遊技が進行し、6ラウンド目の大当たり遊技が実行されている状態を示している。ここでは、主表示領域Dmの中央部分において、
図42(b)のキャラクタ図柄とは異なる女の子キャラクタ図柄が登場し、該女の子キャラクタ図柄が大当たりが発生したことを喜んでいるかのような演出が実行される。なお、主表示領域Dmの大当たり図柄表示領域では、
図42(b)と同様、「6」の図柄表示が表示されている状態を示している。
【0941】
また、主表示領域Dmのラウンド数表示領域では、
図42(b)からラウンドが1つ進み、「6」というラウンド表示が表示されている。即ち、
図42(c)のラウンド数表示領域では、「6」のラウンド表示により、6ラウンド目の大当たり遊技が行われていることを示唆している。
【0942】
さらに、主表示領域Dmの賞球数表示領域では、「0764発」という総賞球数表示が表示されている。このとき、確率設定値「6」における「設定示唆演出」の「456示唆」として、「0764発」の総賞球数表示のうち、「4」、「5」又は「6」と一致する数字である十の位を示す「6」のフォントと一の位を示す「4」のフォントとが特殊書体フォントで表示されている。
【0943】
図42(c)における764発の賞球の内訳は、例えば、1ラウンド目から5ラウンド目までの大入賞口65aへの入賞数10個×賞球15個×5ラウンド=750発、6ラウンド目の大入賞口65aへの入賞数0個×賞球15個=0発、一般入賞口63への入賞数1個×賞球10個=10発、第2始動口64bへの入賞4個×賞球1個=4個、の合計764発となっている。
【0944】
図42(c)の示す状態では、6ラウンド目における「0764発」という総賞球数表示において十の位の「6」の部分と一の位の「4」の部分とが特殊書体フォントで表示され、他の位の数字は一般フォントで表示されている。このため、該特殊書体フォント及び一般フォントを見た遊技者は、まず、「設定示唆演出」の「1否定示唆」であれば、「0764発」との総賞球数表示のうち、「2」以上の数字、即ち、「6」と「4」とが共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図42(c)では「6」及び「4」が特殊書体フォントであることから、「1否定示唆」が暫定的に当てはまっていることを把握する。
【0945】
次いで、「設定示唆演出」の「偶奇示唆」であれば、「0764発」との総賞球数表示のうち、「6」と「4」との偶数が共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図42(c)では「6」及び「4」が特殊書体フォントであることから、「偶奇示唆」も暫定的に当てはまっていることを把握する。
【0946】
次いで、「設定示唆演出」の「456示唆」演出であれば、「0764発」との総賞球数表示のうち、「6」と「4」との数字が共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図42(c)では「6」及び「4」が特殊書体フォントであることから、「456示唆」も暫定的に当てはまっていることを把握する。
【0947】
次いで、「設定示唆演出」の「直値示唆」であれば、いずれか1の数字のみが特殊書体フォントでなければいけないが、
図42(c)では「6」と「4」との複数の数字が特殊書体フォントで表示されることはないため、「直値示唆」ではないことを把握する。よって、
図42(c)の表示態様は、「設定示唆演出」として、「1否定示唆」、「偶奇示唆」及び「456示唆」の複数の示唆が当てはまるため、遊技者は、この表示態様のみでは該パチンコ機10の確率設定値を推測することが困難であり、確率設定値を明確に把握することができない。
【0948】
次いで、
図42(d)では、
図42(c)の状況から同じ6ラウンド目の大当たり遊技中に大入賞口65aに球が4個入賞した状態を示している。ここでは、主表示領域Dmの中央部分において、
図42(c)のキャラクタ図柄と同一の女の子キャラクタ図柄が表示され続けている。なお、主表示領域Dmの大当たり図柄表示領域では、
図42(c)と同様、「6」の図柄表示が表示されている状態を示している。
【0949】
ここで、主表示領域Dmの賞球数表示領域では、「0824発」という総賞球数表示が表示されている。このとき、確率設定値「6」における「設定示唆演出」の「456示唆」として、「0824発」の総賞球数表示のうち、「4」、「5」又は「6」と一致する数字である一の位を示す「4」のフォントのみが特殊書体フォントで表示されている。
【0950】
図42(d)における824発の賞球の内訳は、例えば、1ラウンド目から5ラウンド目までの大入賞口65aへの入賞数10個×賞球15個×5ラウンド=750発、6ラウンド目の大入賞口65aへの入賞数4個×賞球15個=60発、一般入賞口63への入賞数1個×賞球10個=10発、第2始動口64bへの入賞4個×賞球1個=4個、の合計824発となっている。
【0951】
図42(d)の示す状態では、6ラウンド目における「0824発」という総賞球数表示において一の位の「4」の部分が特殊書体フォントで表示され、他の位の数字は一般フォントで表示されている。このため、該特殊書体フォント及び一般フォントを見た遊技者は、まず、「設定示唆演出」の「1否定示唆」であれば、「0824発」との総賞球数表示のうち、「2」以上の数字、即ち、「2」と「4」とが共に特殊書体フォントで表示されなければいけないが、
図42(d)では「4」のみが特殊書体フォントであるので、
図42(c)の状況とは異なり、「1否定示唆」ではないことを把握する。
【0952】
次いで、「設定示唆演出」の「偶奇示唆」であれば、「0824発」との総賞球数表示のうち、「2」と「4」との偶数が共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図42(d)では「4」のみが特殊書体フォントであることで、
図42(c)の状況とは異なり、「偶奇示唆」ではないことを把握する。
【0953】
次いで、「設定示唆演出」の「456示唆」演出であれば、「0824発」との総賞球数表示のうち、「4」、「5」及び「6」の数字と一致する数字が特殊書体フォントで表示されるため、一の位の「4」が特殊書体フォントであることから、
図42(d)では、
図42(c)と同様、「456示唆」が暫定的に当てはまっていることを把握する。
【0954】
次いで、「設定示唆演出」の「直値示唆」であれば、いずれか1の数字のみが特殊書体フォントでなければいけないが、
図42(d)では「4」の数字のみが特殊書体フォントで表示されているため、確率設定値「4」における「直値示唆」が暫定提起に当てはまっていることを把握する。しかし、
図42(c)において、複数の数字が特殊書体フォントで表示されていることを鑑み、既に「直値示唆」が当てはまらないことを把握しているため、「直値示唆」ではないことを把握する。
【0955】
よって、
図42(c)及び
図42(d)の複数の表示態様を確認することによって、「設定示唆演出」として「456示唆」のみが当てはまるため、遊技者は、「設定示唆演出」が行われる1のラウンドにおいて、大入賞口65a等に球が入賞する毎に変化する総賞球数表示の内容を随時確認することで、該パチンコ機10の確率設定値が「4」以上(即ち、「4」、「5」又は「6」のいずれか)であることを把握することができる。
【0956】
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10によれば、所謂リミット機能を有するパチンコ機10において、遊技者にとって不利な(有利度が低い)大当たり種別に当選したときの状況がリミット回数に近いほど、「設定示唆演出」に当選し易いように構成されている。このため、不利な大当たり種別の当選し、大当たりの残りリミット回数が減少してしまった場合でも、当選したときの大当たり回数がリミット回数に近いほど、遊技者に確率設定値の設定内容の示唆を実行し易くして、パチンコ機10の確率設定値を知り易くなるというメリットを付与し、不利な大当たり種別に当選したことによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0957】
また、第1実施形態のパチンコ機10では、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選している状況において、改めて大当たりに当選することで、「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成されている。このように構成することで、引き戻し期間中に大当たりに当選したという遊技価値に加え、確率設定値の内容を認識し易くなるというメリットを与え、如何にして引き戻し期間中に大当たりに当選させるかという遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる。また、例えば、遊技者は、引き戻しの大当たりに当選した後、未だ「設定示唆演出」が実行されていないような状況において、大当たり回数がリミット回数と差があると予測した場合(例えば、残りリミット回数5回~3回)は、右打ち遊技を行って第2特別図柄による抽選遊技を行い、遊技者にとって有利な大当たり種別に当選(連荘)させて、直接的な遊技価値である多量の賞球の獲得を目指すことが可能となる。一方、遊技者は、リミット回数に近いと予測した場合には、左打ち遊技を行って第1特別図柄による抽選遊技を行い、敢えて遊技者にとって不利な大当たり種別に当選させて、間接的な遊技価値である「設定示唆演出」の実行を目指すことが可能となる。その結果、大当たり回数と引き戻し回数とに基づいて球の発射態様を打ち分けるという遊技性を創出し、大当たり回数のリミット回数と「設定示唆演出」の実行とを組み合わせた多様な遊技性によって、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0958】
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、引き戻し期間中において引き戻しの大当たりに当選している状況において、改めて大当たりに当選することで、「設定示唆演出」におけるパチンコ機10の確率設定値の内容がより具体的に示唆され易いように構成されている。即ち、引き戻しの大当たりに当選させ、その状態で大当たりに当選し、特に、遊技者にとって不利な大当たり種別に当選することで、パチンコ機10の確率設定値を認識し易いように構成されている。このように構成することで、引き戻し期間中に大当たりに当選したという遊技価値に加え、確率設定値の内容を認識し易くなるというメリットを与え、如何にして引き戻し期間中に大当たりに当選させるかという遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる。また、例えば、遊技者は、引き戻しの大当たりに当選した後、未だ「設定示唆演出」が実行されていないような状況において、大当たり回数がリミット回数と差があると予測した場合(例えば、残りリミット回数5回~3回)は、右打ち遊技を行って第2特別図柄による抽選遊技を行い、遊技者にとって有利な大当たり種別に当選(連荘)させて、直接的な遊技価値である多量の賞球の獲得を目指すことが可能となる。一方、遊技者は、リミット回数に近いと予測した場合には、左打ち遊技を行って第1特別図柄による抽選遊技を行い、敢えて遊技者にとって不利な大当たり種別に当選させて、間接的な遊技価値である「設定示唆演出」の実行を目指すことが可能となる。その結果、大当たり回数と引き戻し回数とに基づいて球の発射態様を打ち分けるという遊技性を創出し、大当たり回数のリミット回数と「設定示唆演出」の実行とを組み合わせた多様な遊技性によって、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0959】
また、第1実施形態のパチンコ機10では、不利な大当たりに当選したときの状況がリミット回数に近いほど、「設定示唆演出」が実行され易いように構成されている。換言すると、「設定示唆演出」が実行された場合は、大当たりしたときの残りリミット回数が少ない又は無い可能性が高いように構成されている。よって、リミット回数に応じて「設定示唆演出」の実行確率を変更することで、「設定示唆演出」が実行された場合においてリミット回数やリミット到達有無を遊技者に推測させる遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0960】
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、確率設定値が高いほど「設定示唆演出」を実行する報知タイミングとして「ラウンド一致」が選定され易いとともに、確率設定値が低いほど「設定示唆演出」を実行する報知タイミングとして「エンディング」が選定され易いように構成されている。このように確率設定値に応じて該設定値が報知され得るタイミングを異ならせ、確率設定値が高いほど、ラウンド中に「設定示唆演出」が実行され易い一方、確率設定値が低いほど、エンディング中に「設定示唆演出」が実行され易いように構成することで、「設定示唆演出」の実行タイミングによって遊技者に確率設定値を推測させる遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0961】
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「設定示唆演出」の報知タイミングとして選定されたラウンドが実行されない場合、該報知タイミングを変更して、いずれの大当たりでも実行されるエンディング演出中での報知タイミングにて「設定示唆演出」を実行するように構成されている。このように、報知タイミングの変更処理を実行することで、「設定示唆演出」の実行抽選に当選した場合、当初当選した報知タイミングに対応するラウンドが存在しない場合であっても、すべての大当たり種別において実行され得るエンディング演出において確実に「設定示唆演出」を実行することができる。よって、仮に、機種開発時に遊技仕様が変更された場合であっても、機種開発時における映像開発又はソフトウェア開発を変更することなく、『確率設定値の設定値に対応するラウンドにおいて「設定示唆演出」を実行する』という遊技性を実行しつつ、仮に該当ラウンドが存在しない場合であっても、エンディング演出で「設定示唆演出」を実行することで、当選した「設定示唆演出」を確実に実行して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0962】
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、引き戻し期間中に引き戻しの大当たりに当選している場合において、「設定示唆演出」の実行に当選したとき、引き戻し回数が多ければ多い程、「設定示唆演出」における示唆内容が遊技者が確率設定値を推測し易くなるように構成されている。このため、引き戻し回数が多くなるほど、遊技者に確率設定値の設定内容を認識させ易くして、パチンコ機10の確率設定値を知り易くなるというメリットを付与することができる。その結果、引き戻し期間中における引き戻しの大当たりという直接的な遊技価値の付与と、確率設定値の示唆という間接的な遊技価値の付与とを実現し、引き戻し期間中における遊技の興趣向上を図ることができる。
【0963】
また、第1実施形態のパチンコ機10では、引き戻し期間中に引き戻しの大当たりに当選するほど「設定示唆演出」の実行タイミングが、確率設定値そのものと関連するタイミング(即ち、「ラウンド一致」のタイミング)で実行され易くなるように構成されている。即ち、引き戻しの回数と「設定示唆演出」の実行タイミングとによって確率設定値を推測することが可能となるため、引き戻し回数と「設定示唆演出」との実行タイミングを把握することで、遊技者に確率設定値を推測させる遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0964】
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、「時間短縮状態」が終了した場合に、引き戻しカウンタ223hを「0」クリアして、引き戻し回数を初期化するように構成されている。このように構成することで、引き戻しカウンタ223hが初期化されない状態(即ち、引き戻し期間中)に如何にして大当たりを引き戻して、該大当たりによる遊技価値を付与しつつ、「設定示唆演出」の実行確率およびその精度を高めるかという遊技性を創出し、引き戻し期間中の遊技の興趣向上を図ることができる。
【0965】
また、大当たり遊技における確率設定値で使用される数字に対応する複数のラウンド(即ち、ラウンド1~ラウンド6)のいずれかにおいて「設定示唆演出」を実行可能に構成することで、いずれのラウンドで「設定示唆演出」が行われるか否かを遊技者に推測させながら遊技を行わせることができるとともに、特殊書体フォントが現出した場合であっても「設定示唆演出」の種類が如何様なものであるか否かを推測するとともに、その内容から確率設定値を推測する遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0966】
さらに、「設定示唆演出」が行われ得るラウンドにおいて、「設定示唆演出」の内容が的確に反映され易い総賞球数であることで、「設定示唆演出」の内容を把握し易くすることができる。具体的には、確率設定値として使用される「1」~「6」のいずれかを含む総賞球数表示にしておくことで、総賞球数表示において「設定示唆演出」の内容を的確に反映させることが可能となる。よって、遊技者は、如何にして「設定示唆演出」の内容が的確に反映され易い総賞球数表示にしておくか否かという遊技性が生まれ、例えば、大当たり中において大入賞口65a以外に、一般入賞口63、第1始動口64a又は/及び第2始動口64bに球を入賞させながら遊技を行わせることができ、「設定示唆演出」の内容が的確に反映され易い総賞球数表示に「1」~「6」の数字表示を含ませるか否かという遊技性により、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0967】
また、各ラウンド遊技中において、大入賞口65aへの入賞が最大入賞個数(即ち、10個)となった場合に、各ラウンド目の大当たり遊技が終了することとなるが、「設定示唆演出」として特殊書体フォントが現出している場合は、暫くの間(例えば、3秒間)、「設定示唆演出」としての特殊書体フォントの表示を維持するように構成する。このように構成することで、「設定示唆演出」に当選していたラウンドにおいて確実に「設定示唆演出」を実行することができる。
【0968】
さらに、「設定示唆演出」を実行する総賞球数表示の内容を、該「設定示唆演出」が行われるラウンドにおいて随時更新し、更新した数字において「設定示唆演出」の内容が当てはまっている場合に、その数字が現出する毎に「設定示唆演出」である特殊書体フォントを表示して、確率設定値を示唆可能に構成する。このように構成することで、「設定示唆演出」が行われ得る1のラウンドにおいて、大入賞口65aや一般入賞口63等に球を入賞させて賞球が発生するタイミングで特殊書体フォントが現出するか否かを遊技者に確認させながら遊技を行わせることができ、1の入賞における賞球(遊技価値)の付与のみならず、1の入賞に基づく確率設定値の示唆という遊技性を付与することができる。よって、1の入賞が発生するそれぞれタイミングに遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0969】
<第2実施形態>
次いで、
図43を参照して、本発明を適用した第2実施形態のパチンコ機10について説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりに当選した場合に、該大当たりの大当たり種別が遊技者にとって不利な大当たり種別であったとき、「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成していた。これに対し、第2実施形態のパチンコ機10では、大当たり(遊技者にとって有利な大当たり、および、遊技者にとって不利な大当たり)より付与される遊技価値が少ない小当たりに当選した場合に、「設定示唆演出」に当選し易くなるように構成する。
【0970】
以下、第2実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第2実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0971】
図43(a)は、第2実施形態のパチンコ機10における第1特別図柄に対応する特
図1大当たり乱数テーブル202a1の一例を模式的に示した模式図であり、
図43(b)は、第2特別図柄に対応する特
図2大当たり乱数テーブル202a2の一例を模式的に示した模式図である。
【0972】
第2実施形態の特
図1大当たり乱数テーブル202a1及び特
図2大当たり乱数テーブル202a2は、各設定値毎にそれぞれ、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」である特別図柄の低確率状態(「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」ではない期間)の場合に使用される低確率状態用と、遊技状態が特別図柄の低確率状態より大当たりとなる確率の高い特別図柄の高確率状態である「確率変動状態」又は「潜伏確率変動状態」の場合に使用される高確率状態用との2種類ずつに分けられる。
【0973】
そして、各設定値毎に、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たり乱数値の個数が異なって設定されている。また、低確率状態から高確率状態に変位させるために必要となる大当たり乱数値の個数の増加分を、ハズレに対応するハズレ乱数値の個数から補填するように構成されている。このように、遊技状態に応じて大当たり乱数値の個数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
【0974】
一方、各特別図柄における小当たり確率がそれぞれ異なるものの、各特別図柄ごとの各設定値、並びに、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる小当たり乱数値の個数が同一となるように設定されている。このように小当たり乱数値の個数を各設定値毎、並びに、低確率状態用及び高確率状態で同一とすることにより、すべての設定値および遊技状態での小当たり遊技のみを考慮した遊技価値の付与割合が同等となる。
【0975】
このように、第2実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄および第2特別図柄の高確率状態における大当たり乱数値の増加分を、該第1特別図柄及び第2特別図柄の低確率状態におけるハズレ乱数値の個数から補うように構成しつつ、低確率状態におけるハズレ乱数値の個数の範囲内となるように構成する。また、小当たり乱数値の個数を、低確率状態と高確率状態とで変化させないように構成する。このように構成することで、設定値毎の出玉率の計算を、大当たり乱数値の増加分のみを考慮することで計算することが可能となり、遊技仕様の設計時における工数の増加を抑制することができる。
【0976】
図43(a)で示すように、第2実施形態の特
図1大当たり乱数テーブル202a1では、設定値が「1」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は50個で、その値「0~49」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第1特別図柄の低確率状態における第1特別図柄の大当たり確率は、50/10000=0.5/100(即ち、0.5%)となるように設定されている。
【0977】
一方で、設定値が「1」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は500個で、その値「0~499」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第1特別図柄の高確率状態における第1特別図柄の大当たり確率は、500/10000=5/100(即ち、5%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【0978】
また、設定値が「1」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、共に100個で、低確率状態の場合の値「50~149」、又は、高確率状態の場合の値「500~599」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第1特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても100/10000=1/100(即ち、1%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
【0979】
よって、設定値が「1」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9850個で、その値「150~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9400個で、その値「600~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第1特別図柄の低確率状態における第1特別図柄のハズレ確率は、9850/10000=98.5/100(即ち、98.5%)となるように設定され、第1特別図柄の高確率状態における第1特別図柄のハズレ確率は、9400/10000=94/100(即ち、94%)となるように設定されている。
【0980】
なお、すべての設定値(即ち、「1」~「6」)において、特別図柄の高確率状態における第1特別図柄の大当たり乱数値の増加分を、「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数から補うように構成しつつ、増加分の大当たり乱数値の個数が「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数の範囲内となるように構成されている。
【0981】
次いで、設定値が「2」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は52個で、その値「0~51」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第1特別図柄の低確率状態における第1特別図柄の大当たり確率は、52/10000=0.52/100(即ち、0.52%)となるように設定されている。
【0982】
一方で、設定値が「2」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は520個で、その値「0~519」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第1特別図柄の高確率状態における第1特別図柄の大当たり確率は、520/10000=5.2/100(即ち、5.2%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【0983】
また、設定値が「2」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」の場合と同様、共に100個で、低確率状態の場合の値「52~151」、又は、高確率状態の場合の値「520~619」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第1特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても100/10000=1/100(即ち、1%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
【0984】
従って、設定値が「2」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9848個で、その値「152~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9380個で、その値「620~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第1特別図柄の低確率状態における第1特別図柄のハズレ確率は、9848/10000=98.48/100(即ち、98.48%)となるように設定され、第1特別図柄の高確率状態における第1特別図柄のハズレ確率は、9380/10000=93.8/100(即ち、93.8%)となるように設定されている。
【0985】
よって、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における設定値「2」は、設定値「1」と比べて、小当たり確率は同等(ともに1%)であるものの、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.5%→0.52%、高確率状態:5%→5.2%)、設定値「1」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定であるといえる。
【0986】
次いで、設定値が「3」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は54個で、その値「0~53」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第1特別図柄の低確率状態における第1特別図柄の大当たり確率は、54/10000=0.54/100(即ち、0.54%)となるように設定されている。
【0987】
一方で、設定値が「3」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は540個で、その値「0~539」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第1特別図柄の高確率状態における第1特別図柄の大当たり確率は、540/10000=5.4/100(即ち、5.4%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【0988】
また、設定値が「3」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」及び設定値「2」の場合と同様、共に100個で、低確率状態の場合の値「54~153」、又は、高確率状態の場合の値「540~639」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第1特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても100/10000=1/100(即ち、1%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
【0989】
従って、設定値が「3」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9846個で、その値「154~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9360個で、その値「640~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第1特別図柄の低確率状態における第1特別図柄のハズレ確率は、9846/10000=98.46/100(即ち、98.46%)となるように設定され、第1特別図柄の高確率状態における第1特別図柄のハズレ確率は、9360/10000=93.6/100(即ち、93.6%)となるように設定されている。
【0990】
よって、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における設定値「3」は、設定値「2」と比べて、小当たり確率は同等(ともに1%)であるものの、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.52%→0.54%、高確率状態:5.2%→5.4%)、設定値「2」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定であるといえる。
【0991】
次いで、設定値が「4」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は56個で、その値「0~55」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の第1特別図柄の低確率状態における第1特別図柄の大当たり確率は、56/10000=0.56/100(即ち、0.56%)となるように設定されている。
【0992】
一方で、設定値が「4」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は560個で、その値「0~559」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の第1特別図柄の高確率状態における第1特別図柄の大当たり確率は、560/10000=5.6/100(即ち、5.6%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【0993】
また、設定値が「4」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」~「3」の場合と同様、共に100個で、低確率状態の場合の値「56~155」、又は、高確率状態の場合の値「560~659」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の第1特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても100/10000=1/100(即ち、1%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
【0994】
従って、設定値が「4」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9844個で、その値「156~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9340個で、その値「660~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の第1特別図柄の低確率状態における第1特別図柄のハズレ確率は、9844/10000=98.44/100(即ち、98.44%)となるように設定され、第1特別図柄の高確率状態における第1特別図柄のハズレ確率は、9340/10000=93.4/100(即ち、93.4%)となるように設定されている。
【0995】
よって、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における設定値「4」は、設定値「3」と比べて、小当たり確率は同等(ともに1%)であるものの、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.54%→0.56%、高確率状態:5.4%→5.6%)、設定値「3」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定であるといえる。
【0996】
次いで、設定値が「5」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は58個で、その値「0~57」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の第1特別図柄の低確率状態における第1特別図柄の大当たり確率は、58/10000=0.58/100(即ち、0.58%)となるように設定されている。
【0997】
一方で、設定値が「5」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は580個で、その値「0~579」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の第1特別図柄の高確率状態における第1特別図柄の大当たり確率は、580/10000=5.8/100(即ち、5.8%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【0998】
また、設定値が「5」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」~「4」の場合と同様、共に100個で、低確率状態の場合の値「58~157」、又は、高確率状態の場合の値「580~679」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の第1特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても100/10000=1/100(即ち、1%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
【0999】
従って、設定値が「5」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9842個で、その値「158~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9320個で、その値「680~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の第1特別図柄の低確率状態における第1特別図柄のハズレ確率は、9842/10000=98.42/100(即ち、98.42%)となるように設定され、第1特別図柄の高確率状態における第1特別図柄のハズレ確率は、9320/10000=93.2/100(即ち、93.2%)となるように設定されている。
【1000】
よって、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における設定値「5」は、設定値「4」と比べて、小当たり確率は同等(ともに1%)であるものの、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.56%→0.58%、高確率状態:5.6%→5.8%)、設定値「4」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定であるといえる。
【1001】
次いで、設定値が「6」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は60個で、その値「0~59」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「6」の第1特別図柄の低確率状態における第1特別図柄の大当たり確率は、60/10000=0.6/100(即ち、0.6%)となるように設定されている。
【1002】
一方で、設定値が「6」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は600個で、その値「0~599」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「6」の第1特別図柄の高確率状態における第1特別図柄の大当たり確率は、600/10000=6/100(即ち、6%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【1003】
また、設定値が「6」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」~「5」の場合と同様、共に100個で、低確率状態の場合の値「60~159」、又は、高確率状態の場合の値「600~699」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「6」の第1特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても100/10000=1/100(即ち、1%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
【1004】
従って、設定値が「6」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9840個で、その値「160~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9300個で、その値「700~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「6」の第1特別図柄の低確率状態における第1特別図柄のハズレ確率は、9840/10000=98.4/100(即ち、98.4%)となるように設定され、第1特別図柄の高確率状態における第1特別図柄のハズレ確率は、9300/10000=93/100(即ち、93%)となるように設定されている。
【1005】
よって、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における設定値「6」は、設定値「5」と比べて、小当たり確率は同等(ともに1%)であるものの、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.58%→0.6%、高確率状態:5.8%→6%)、設定値「5」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定であるといえる。
【1006】
次に、
図43(b)で示すように、第2実施形態の特
図2大当たり乱数テーブル202a2では、設定値が「1」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は、特
図1大当たり乱数テーブル202a1と同様、50個で、その値「0~49」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第2特別図柄の低確率状態における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、50/10000=0.5/100(即ち、0.5%)となるように設定されている。
【1007】
一方で、設定値が「1」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は、特
図1大当たり乱数テーブル202a1と同様、500個で、その値「0~499」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第2特別図柄の高確率状態における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、500/10000=5/100(即ち、5%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【1008】
ここで、設定値が「1」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、共に9400個で、低確率状態の場合の値「50~9449」、又は、高確率状態の場合の値「500~9899」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第2特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても9400/10000=94/100(即ち、94%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
【1009】
従って、設定値が「1」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの550個で、その値「9450~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの100個で、その値「9900~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第2特別図柄の低確率状態における第2特別図柄のハズレ確率は、550/10000=5.5/100(即ち、5.5%)となるように設定され、第2特別図柄の高確率状態における第2特別図柄のハズレ確率は、100/10000=1/100(即ち、1%)となるように設定されている。
【1010】
なお、すべての設定値(即ち、「1」~「6」)において、特別図柄の高確率状態における第2特別図柄の大当たり乱数値の増加分を、第1特別図柄と同様、「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数から補うように構成しつつ、増加分の大当たり乱数値の個数が「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数の範囲内となるように構成されている。
【1011】
このように、第2特別図柄の小当たり確率は、第1特別図柄の小当たり確率より大幅に上昇している(1%→94%)とともに、第2特別図柄におけるハズレ乱数値と比べても頗る選択され易い個数に設定されている。即ち、第2特別図柄における抽選遊技では、大当たりやハズレより、小当たりに当選し易い設定となっている。
【1012】
次いで、設定値が「2」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は、特
図1大当たり乱数テーブル202a1と同様、52個で、その値「0~51」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第2特別図柄の低確率状態における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、52/10000=0.52/100(即ち、0.52%)となるように設定されている。
【1013】
また、設定値が「2」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は、特
図1大当たり乱数テーブル202a1と同様、520個で、その値「0~519」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第2特別図柄の高確率状態における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、520/10000=5.2/100(即ち、5.2%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【1014】
ここで、設定値が「2」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」の場合と同様、共に9400個で、低確率状態の場合の値「52~9451」、又は、高確率状態の場合の値「520~9919」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第2特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても9400/10000=94/100(即ち、94%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
【1015】
従って、設定値が「2」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの548個で、その値「9452~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの80個で、その値「9920~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第2特別図柄の低確率状態における第2特別図柄のハズレ確率は、548/10000=5.48/100(即ち、5.48%)となるように設定され、第2特別図柄の高確率状態における第2特別図柄のハズレ確率は、80/10000=0.8/100(即ち、0.8%)となるように設定されている。
【1016】
よって、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における設定値「2」は、設定値「1」と比べて、小当たり確率は同等(ともに94%)であるものの、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.5%→0.52%、高確率状態:5%→5.2%)、設定値「1」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定であるといえる。
【1017】
次いで、設定値が「3」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は、特
図1大当たり乱数テーブル202a1と同様、54個で、その値「0~53」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第2特別図柄の低確率状態における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、54/10000=0.54/100(即ち、0.54%)となるように設定されている。
【1018】
一方で、設定値が「3」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は、特
図1大当たり乱数テーブル202a1と同様、540個で、その値「0~539」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第2特別図柄の高確率状態における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、540/10000=5.4/100(即ち、5.4%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【1019】
ここで、設定値が「3」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」及び「2」の場合と同様、共に9400個で、低確率状態の場合の値「54~9453」、又は、高確率状態の場合の値「540~9939」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第2特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても9400/10000=94/100(即ち、94%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
【1020】
従って、設定値が「3」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの546個で、その値「9454~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの60個で、その値「9940~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第2特別図柄の低確率状態における第2特別図柄のハズレ確率は、546/10000=5.46/100(即ち、5.46%)となるように設定され、第2特別図柄の高確率状態における第2特別図柄のハズレ確率は、60/10000=0.6/100(即ち、0.6%)となるように設定されている。
【1021】
よって、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における設定値「3」は、設定値「2」と比べて、小当たり確率は同等(ともに94%)であるものの、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.52%→0.54%、高確率状態:5.2%→5.4%)、設定値「2」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定であるといえる。
【1022】
次いで、設定値が「4」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は、特
図1大当たり乱数テーブル202a1と同様、56個で、その値「0~55」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の第2特別図柄の低確率状態における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、56/10000=0.56/100(即ち、0.56%)となるように設定されている。
【1023】
一方で、設定値が「4」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は、特
図1大当たり乱数テーブル202a1と同様、560個で、その値「0~559」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の第2特別図柄の高確率状態における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、560/10000=5.6/100(即ち、5.6%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【1024】
ここで、設定値が「4」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」から「3」の場合と同様、共に9400個で、低確率状態の場合の値「56~9455」、又は、高確率状態の場合の値「560~9959」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の第2特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても9400/10000=94/100(即ち、94%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
【1025】
従って、設定値が「4」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの544個で、その値「9456~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの40個で、その値「9960~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の第2特別図柄の低確率状態における第2特別図柄のハズレ確率は、544/10000=5.44/100(即ち、5.44%)となるように設定され、第2特別図柄の高確率状態における第2特別図柄のハズレ確率は、40/10000=0.4/100(即ち、0.4%)となるように設定されている。
【1026】
よって、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における設定値「4」は、設定値「3」と比べて、小当たり確率は同等(ともに94%)であるものの、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.54%→0.56%、高確率状態:5.4%→5.6%)、設定値「3」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定であるといえる。
【1027】
次いで、設定値が「5」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は、特
図1大当たり乱数テーブル202a1と同様、58個で、その値「0~57」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の第2特別図柄の低確率状態における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、58/10000=0.58/100(即ち、0.58%)となるように設定されている。
【1028】
一方で、設定値が「5」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は、特
図1大当たり乱数テーブル202a1と同様、580個で、その値「0~579」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の第2特別図柄の高確率状態における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、580/10000=5.8/100(即ち、5.8%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【1029】
ここで、設定値が「5」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」から「4」の場合と同様、共に9400個で、低確率状態の場合の値「58~9457」、又は、高確率状態の場合の値「580~9979」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の第2特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても9400/10000=94/100(即ち、94%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
【1030】
従って、設定値が「5」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの542個で、その値「9458~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの20個で、その値「9980~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の第2特別図柄の低確率状態における第2特別図柄のハズレ確率は、542/10000=5.42/100(即ち、5.42%)となるように設定され、第2特別図柄の高確率状態における第2特別図柄のハズレ確率は、20/10000=0.2/100(即ち、0.2%)となるように設定されている。
【1031】
よって、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における設定値「5」は、設定値「4」と比べて、小当たり確率は同等(ともに94%)であるものの、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.56%→0.58%、高確率状態:5.6%→5.8%)、設定値「4」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定であるといえる。
【1032】
次いで、設定値が「6」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は、特
図1大当たり乱数テーブル202a1と同様、60個で、その値「0~59」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「6」の第2特別図柄の低確率状態における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、60/10000=0.6/100(即ち、0.6%)となるように設定されている。
【1033】
一方で、設定値が「6」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は、特
図1大当たり乱数テーブル202a1と同様、600個で、その値「0~599」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「6」の第2特別図柄の高確率状態における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、600/10000=6/100(即ち、6%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から10倍大当たりし易いように設定されている。
【1034】
ここで、設定値が「6」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」から「5」の場合と同様、共に9400個で、低確率状態の場合の値「60~9459」、又は、高確率状態の場合の値「600~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「6」の第2特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても9400/10000=94/100(即ち、94%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
【1035】
従って、設定値が「6」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの540個で、その値「9460~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残り0個で、特
図2大当たり乱数テーブル202a2にハズレ乱数値に対応する値が格納されていない。つまり、設定値「6」の第2特別図柄の低確率状態における第2特別図柄のハズレ確率は、540/10000=5.4/100(即ち、5.4%)となるように設定され、第2特別図柄の高確率状態における第2特別図柄のハズレ確率は、0/10000=0/100(即ち、0%)となるように設定され、ハズレ役が現出しないように構成されている。
【1036】
よって、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における設定値「6」は、設定値「5」と比べて、小当たり確率は同等(ともに94%)であるものの、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.58%→0.6%、高確率状態:5.8%→6%)、設定値「5」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定であるといえる。
【1037】
このように、特
図1大当たり乱数テーブル202a1及び特
図2大当たり乱数テーブル202a2において、ともに高確率状態における大当たり乱数値の個数の増加分を、低確率状態におけるハズレ乱数値の個数から補うように構成しつつ、低確率状態におけるハズレ乱数値の個数の範囲内となるように構成する。また、小当たり乱数値の個数を、低確率状態と高確率状態とで変化させないように構成する。このように構成することで、設定値毎の出玉率の計算を、大当たり乱数値の増加分のみを考慮することで計算することが可能となり、遊技仕様の設計時における工数の増加を抑制することができる。
【1038】
また、第2実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時並列的に実行可能(所謂、同時変動機)に構成しつつ、小当たりに当選した場合に開放される専用の小入賞口(図示せず)が、遊技盤13の正面視右側、かつ、普通電役64cの下流側(遊技盤13正面視下方側)に配設されており、上記大当たり乱数テーブル202aを用いて、以下の遊技性を実行可能に構成される。具体的には、例えば、「通常遊技状態」では、遊技仕様として左打ち遊技が予め奨励されており、該左打ち遊技を行って、特
図1の動的表示において大当たり遊技に当選させて該大当たり遊技による遊技価値を得つつ、その大当たり種別に応じて、入賞補助機能が非作動の「確率変動状態」、入賞補助機能が作動する「確率変動状態」、又は、入賞補助機能が作動する「時間短縮状態」がいずれとなるかの遊技性を実現する。また、「時間短縮状態」では、遊技仕様として右打ち遊技が予め奨励されており、該右打ち遊技を行って、入賞補助状態が有効な状況の間に如何にして特
図2の動的表示において大当たり遊技に当選させるか否かの遊技性を実現する。さらに、入賞補助機能が作動する「確率変動状態」では、遊技仕様として右打ち遊技が予め奨励されており、該右打ち遊技を行って、入賞補助状態を維持しながら、次の大当たり遊技が如何様な大当たり種別となるか否かの遊技性を実現する。そして、入賞補助機能が非作動の「確率変動状態」では、遊技仕様として右打ち遊技が予め奨励されており、該右打ち遊技を行って、入賞補助状態はないものの、適度に(例えば、普通図柄の当選確率が1/2程度であることで、普通電役64cが開放されて)第2始動口64bへ球を入賞させつつ、該入賞に基づいて小当たり遊技に当選させて小入賞口へ球を入賞させることで持ち球を増加させるように構成され、第2始動口64bへの入賞に基づく大当たり遊技には当選させずに如何にして入賞補助機能が非作動の「確率変動状態」の期間を長く継続させて、小当たり遊技による遊技価値を長く得るかという遊技性を実現するように予め遊技仕様として設定されている。
【1039】
ここで、第2実施形態のパチンコ機10では、大当たりより得られる遊技価値が低い小当たりに当選した場合に、所定確率で「設定示唆演出」の実行抽選を行うように構成されているとともに、小当たりに連続して当選する程、「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成されている。具体的には、小当たり遊技に連続して当選した回数を計数し、該計数値が第1所定値(例えば、50回)以上となった場合には、「設定示唆演出」の当選確率を通常より上昇(例えば、2倍)するように構成する。そして、上記計数値が第1所定値より多い第2所定値(例えば、100回)以上となった場合には、「設定示唆演出」の当選確率をさらに上昇(例えば、5倍)するように構成する。このように構成することで、小当たり遊技に連続して当選すればするほど、該パチンコ機10の確率設定値の設定内容を把握できる可能性を上昇させることで、遊技者に該パチンコ機10での遊技の継続可否の判断要素を知らせ易くすることができる。このため、大当たりより不利な小当たりに当選し、大当たりの遊技価値が得られないような場合であっても、遊技者に確率設定値の設定内容の示唆を実行し易くして、パチンコ機10の確率設定値を知り易くなるというメリットを付与し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1040】
また、第2実施形態のパチンコ機10では、入賞補助機能が非作動である「確率変動状態」において、再び入賞補助機能が非作動である「確率変動状態」を発生する大当たり種別に当選した場合に、以降の遊技において小当たりに当選して実行され得る「設定示唆演出」にて、パチンコ機10の確率設定値の内容がより具体的に示唆され易いように構成する。具体的には、例えば、入賞補助機能が非作動である「確率変動状態」中に、再び入賞補助機能が非作動状態である「確率変動状態」を発生する大当たり種別に当選し、該「確率変動状態」中に小当たりの当選回数を重ねることで、「設定示唆演出」の内容をより具体化するように構成する。このように構成することで、入賞補助機能が非作動の「確率変動状態」を発生する大当たり種別の連続当選回数と、小当たりの連続当選回数とに基づいて、「設定示唆演出」の実行確率およびその示唆内容を変化させ、如何にして入賞補助機能が非作動の「確率変動状態」を発生させるかという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1041】
さらに、第2実施形態のパチンコ機10では、小当たりに当選した場合に、大当たりに当選したとき、又は、ハズレが抽出されるときとは異なる比較的長い変動パターンを選定するように構成する。具体的には、ハズレ時には、該ハズレ結果を導出する変動演出の変動パターンの選定時に、例えば、「3秒」~「120秒」の変動時間となるいずれかの変動パターンを選定するとともに、大当たり時には、該大当たり結果を導出する変動演出の変動パターンの選定時に、例えば、「25秒」~「130秒」の変動時間となるいずれかの変動パターンを選定する。一方、小当たり時には、該小当たり結果を導出する変動演出の変動パターンの選定時に、ハズレ時及び大当たり時に選定される変動時間より長い変動時間である「200秒」~「300秒」の変動時間となるいずれかの変動パターンを選定する。そして、小当たり時に選定され得る変動パターンでのみ、「設定示唆演出」が実行され得るように構成する。このように構成することで、大当たりより不利な小当たりに当選し、大当たりの遊技価値が得られないような場合であっても、小当たり時にしか選定され得ない変動パターンにおいて「設定示唆演出」を実行し、遊技者に確率設定値の設定内容の示唆し易くして、パチンコ機10の確率設定値を知り易くなるというメリットを付与し、遊技の興趣向上を図ることができる。この場合、小当たりに基づく変動演出において「設定示唆演出」を行う際、ハズレ時又は大当たり時で選定され得る最大変動時間(即ち、「120秒」又は「130秒」)を超えたタイミング(即ち、「120秒」以降、又は、「130秒」以降)で「設定示唆演出」を実行することで、ハズレ時や大当たり時には実行され得ないタイミングで「設定示唆演出」を行い、意外性のある演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1042】
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10によれば、大当たりより得られる遊技価値が低い小当たりに当選した場合に、所定確率で「設定示唆演出」の実行抽選を行うように構成されているとともに、小当たりに連続して当選する程、「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成されている。そして、第1特別図柄より第2特別図柄の方が小当たりに当選し易く、かつ、第1特別図柄は大当たりおよび小当たりよりハズレとなり易いとともに、第2特別図柄は大当たり及びハズレより小当たりに当選し易く構成されている。このように構成することで、小当たりに連続して当選し易い第2特別図柄が実行され得る遊技状態(即ち、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)での遊技が実行されることで、小当たり遊技に連続して当選することが可能となり、該小当たり遊技に連続して当選すればするほど、該パチンコ機10の確率設定値の設定内容を把握できる可能性を上昇させることで、遊技者に該パチンコ機10での遊技の継続可否の判断要素を知らせ易くすることができる。このため、大当たりより不利な小当たりに当選し、大当たりの遊技価値が得られないような場合であっても、遊技者に確率設定値の設定内容の示唆を実行し易くして、パチンコ機10の確率設定値を知り易くなるというメリットを付与し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1043】
そのほか、第1実施形態のパチンコ機10が有する構成と同一の構成によって、その構成によって得られる効果と同様の効果を奏することができる。
【1044】
<第3実施形態>
次いで、
図44及び
図45を参照して、本発明を適用した第3実施形態のパチンコ機10について説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、確率設定値の段階数(即ち、6段階)より少ないラウンド数(即ち、4ラウンド)の大当たり遊技が発生し得て、「設定示唆演出」の報知タイミングとして選定されたラウンドが実行されない大当たりであった場合、該報知タイミングを変更して、いずれの大当たりでも実行されるエンディング演出中での報知タイミングにて「設定示唆演出」を実行するように構成していた。これに対し、第3実施形態のパチンコ機10は、すべての大当たりのラウンド数が、確率設定値のラウンド数以上となるように構成し、「設定示唆演出」の報知タイミングを変更する必要がないように構成する。
【1045】
以下、第3実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態又は第2実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第3実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態又は第2実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態又は第2実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【1046】
ここで、
図44を参照して、特
図1大当たり種別テーブル202b1について説明する。
図44は、第3実施形態のROM202に記憶される第1特別図柄に対応する特
図1大当たり種別テーブル202b1の一例を模式的に示した図である。
【1047】
図44に示すように、第3実施形態の特
図1大当たり種別テーブル202b1は、大当たり回数のリミット到達前かリミット到達時か否かと、該大当たりが発生した遊技状態とのグループに分けられ、そのグループの中で、大当たり種別と大当たり種別カウンタC2の値とが対応付けられたテーブルである。
【1048】
第3実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別として、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たり後に、次回大当たりまでの間、特別図柄の大当たり確率および普通図柄の当たり確率がともに高確率状態となる「確率変動状態」に対応する「確変A」と、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たりの後に、次回大当たりまで特別図柄の大当たり確率が高確率状態となる一方、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となる「確率変動状態」に対応する「確変B」と、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり後に、特別図柄の大当たり確率が高確率状態となる一方、普通図柄の当たり確率が低確率状態となる「潜伏確率変動状態」に対応する「潜伏確変A」と、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり後に、特別図柄の大当たり確率は低確率状態であるものの、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となる「時間短縮状態」に対応する「時短A」と、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり後に、特別図柄の大当たり確率および普通図柄の当たり確率がともに低確率状態となる「突通A」とがある。
【1049】
特
図1大当たり種別テーブル202b1及び特
図2大当たり種別テーブル202b2では、大当たりが発生した時点におけるリミット到達有無および遊技状態に基づいて選択され得る大当たり種別が異なるように構成され、それぞれ、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する大当たり種別カウンタC2の取り得る値が対応付けられている。
【1050】
図44で示す特
図1大当たり種別テーブル202b1の例では、リミット到達前であって、かつ、「通常遊技状態」において第1特別図柄の大当たりが発生した場合は、「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0~9」が対応付けられ、「確変B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「10~29」が対応付けられ、「潜伏確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「30~89」が対応付けられ、「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「90~99」が対応付けられている。また、リミット到達前であって、かつ、「潜伏確率変動状態」(「確率変動状態」及び「時間短縮状態」も同様)において第1特別図柄の大当たりが発生した場合は、「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0~9」が対応付けられ、「確変B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「10~19」が対応付けられ、「潜伏確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「20~89」が対応付けられ、「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「90~99」が対応付けられている。
【1051】
即ち、リミット到達前の「通常遊技状態」における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特
図1大当たり種別テーブル202b1から決定され、例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」であれば、大当たり種別として「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「25」であれば、大当たり種別として「確変B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「43」であれば、大当たり種別として「潜伏確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「時短A」が決定される。
【1052】
一方、リミット到達前の「潜伏確率変動状態」における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特
図1大当たり種別テーブル202b1から決定され、例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」であれば、大当たり種別として「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「12」であれば、大当たり種別として「確変B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「25」であれば、大当たり種別として「潜伏確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「時短A」が決定される。
【1053】
従って、「通常遊技状態」において、リミット到達前に第1特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、「確変A」の大当たり種別が10%、「確変B」の大当たり種別が20%、「潜伏確変A」の大当たり種別が60%、「時短A」の大当たり種別が10%、の割合で当選することとなる。また、「潜伏確率変動状態」において、リミット到達前に第1特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合には、「確変A」の大当たり種別が10%、「確変B」の大当たり種別が10%、「潜伏確変A」の大当たり種別が70%、「時短A」の大当たり種別が10%、の割合で当選することとなる。
【1054】
次いで、
図44で示す特
図1大当たり種別テーブル202b1の例では、リミット到達時において第1特別図柄の大当たりが発生した場合は、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」を含むいずれの遊技状態であっても、「突通A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0~89」が対応付けられ、「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「90~99」が対応付けられている。
【1055】
即ち、リミット到達時のすべての遊技状態における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特
図1大当たり種別テーブル202b1から決定され、例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」であれば、大当たり種別として「突通A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「時短A」が決定される。
【1056】
従って、すべての遊技状態において、リミット到達時に第1特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、「突通A」の大当たり種別が90%、「時短A」の大当たり種別が10%、の割合で当選することとなる。
【1057】
なお、第3実施形態における第2特別図柄に対応する特
図2大当たり種別テーブル202b2は、第1実施形態における第2特別図柄に対応する特
図2大当たり種別テーブル202b2とはラウンド数が6R以上となる部分が異なるのみであり、他の内容(遊技仕様)は同一であるため、その説明は省略する。
【1058】
このように、すべての大当たり種別におけるラウンド数が、少なくとも確率設定数の段階数以上となるように設定されているので、『確率設定値に対応するラウンド数で「設定示唆演出」を実行する』という遊技性を実現することができる。
【1059】
次に、
図45を参照して、第3実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり演出処理(S1105)について説明する。
図45は、第3実施形態の大当たり演出処理(S1105)を示したフローチャートである。第3実施形態の大当たり演出処理(S1105)では、各大当たり種別のラウンド数が必ず確率設定値の段階数以上となり、当初設定した「設定示唆演出」の実行タイミングにおいて該「設定示唆演出」を実行することができるので、エンディング時において「設定示唆演出」が実行されていないか否かの判断処理(
図38のS1307参照)が不要となる。
【1060】
第3実施形態の大当たり演出処理(S1105)では、S1306の処理において、「設定示唆演出」の実行タイミングとして「エンディング」が設定されているか否かを判別し(S1306)、「設定示唆演出」の実行タイミングとして「エンディング」が設定されていなければ(S1306:No)、既に「設定示唆演出」は実行済みか、或いは、そもそも「設定示唆演出」の実行抽選に当選していないので、S1303の処理は行わず、この大当たり演出処理(S1105)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【1061】
以上、説明したように、第3実施形態のパチンコ機10によれば、『確率設定値に対応するラウンド数で「設定示唆演出」を実行する』という遊技性を採用した場合において、すべての大当たり種別のラウンド数を、確率設定値の段階数以上となるように構成することで、当初設定した報知タイミングで「設定示唆演出」を確実に実行させることができる。その結果、第1実施形態のように、当初設定されたラウンド数が存在しないことによって「設定示唆演出」の実行タイミングがエンディング時に偏ってしまうことを防止することができる。また、大当たりのエンディングにおいて「設定示唆演出」を実行済みか否かの判別処理が不要となり、制御負担を軽減することができる。
【1062】
そのほか、第1実施形態,第2実施形態のパチンコ機10が有する構成と同一の構成によって、その構成によって得られる効果と同様の効果を奏することができる。
【1063】
<第4実施形態>
次いで、
図46及び
図47を参照して、本発明を適用した第4実施形態のパチンコ機10について説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりに当選した場合に「確率変動状態」が付与されない状況となる「リミット到達時」までの残りリミット回数を遊技者に示唆させないように構成していた。これに対し、第4実施形態のパチンコ機10では、「設定示唆演出」を実行する対象ラウンドにおいて、該ラウンド遊技中では「設定示唆演出」を実行するとともに、残りリミット回数を示唆するか否かを判別し、その判別結果に応じて該ラウンドの開始時に残りリミット回数を遊技者に示唆(報知)する「残りリミット回数示唆演出」を実行するように構成する。
【1064】
以下、第4実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態乃至第3実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第4実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態乃至第3実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【1065】
まず、
図46を参照して、第4実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり演出処理(S1105)について説明する。
図46は、第4実施形態の大当たり演出処理(S1105)を示したフローチャートである。第4実施形態の大当たり演出処理(S1105)では、「設定示唆演出」を実行するラウンドと残りリミット回数とが一致するか否かを判別し、一致すると判別された場合に、当該ラウンドのラウンド開始時に表示される「ラウンド開始表示」を通常の表示態様から特殊態様に変更する「残りリミット回数示唆演出」を表示することで残りリミット回数を示唆する。そして、その後、当該ラウンドのラウンド遊技中において総賞球数表示の数字のフォントを変更することで「設定示唆演出」を実行する。
【1066】
第4実施形態の大当たり演出処理(S1105)では、S1302の処理において、「設定示唆演出」の実行タイミングと大当たりのラウンド数とが一致すると判別された場合(S1302:Yes)、次に、強制的に「確率変動状態」を発生させない大当たり種別に当選するまでの残り大当たり回数(即ち、「確率変動状態」を発生させる大当たり種別に当選可能であって、大当たりが発生し易い状態を維持できる期間)が、ラウンド数と一致するか否かを判別する(S1351)。この判別は、サブラウンドカウンタ223mの値とサブリミットカウンタ223eの値とを判別することにより行う。即ち、サブラウンドカウンタ223mの値が「6」であった場合に、サブリミットカウンタ223eの値が「0」であるか否かを判別する。
【1067】
S1351の処理において、ラウンド数と残りリミット回数とが一致すると判別された場合には(S1351:Yes)、「残りリミット回数示唆演出」の実行タイミングが到来したと判断して、該ラウンド遊技の開始時に表示される「ラウンド開始表示」において、最大残りリミット回数(即ち、「6」)からサブリミットカウンタ223eの値を減算した値(即ち、サブラウンドカウンタ223mの値)に応じた「残りリミット回数示唆演出」(
図47(d)参照)を実行設定し(S1352)、処理をS1353へ移行する。一方、S1351の処理において、ラウンド数と残りリミット回数とが一致していないと判別された場合は(S1351:No)、S1352の処理をスキップして、処理をS1353へ移行する。この場合、「ラウンド開始表示」は、「残りリミット回数示唆演出」が行われず、「通常表示態様」で実行される(
図47(b)及び
図47(f)参照)。
【1068】
S1353の処理では、「設定示唆演出」の報知タイミングが到来したと判断して、設定示唆内容メモリ223jに記憶される「設定示唆演出」の種類(内容)に応じた「設定示唆演出」を、ラウンド遊技中に行うように実行設定し(S1353)、この大当たり演出処理(S1105)を終了して、メイン処理(
図34参照)に戻る。
【1069】
このように、「設定示唆演出」を行う場合に、さらに、実行されるラウンド数と残りリミット回数とが一致しているときには、「残りリミット回数示唆演出」も併せて行うように構成する。そして、「設定示唆演出」と「残りリミット回数示唆演出」とが共に実行され得る場合に、ラウンド開始時において先に「残りリミット回数示唆演出」を実行し、その後、ラウンド遊技中において「設定示唆演出」を実行するように構成する。このように構成することで、遊技を継続するか否かの判断要素となる「設定示唆演出」と「残りリミット回数示唆演出」と共に実行されることによって、パチンコ機10において遊技を継続するか否かの判断要素を認識し易くなるというメリットを与え、如何にして「設定示唆演出」と「残りリミット回数示唆演出」とを実行させるかという遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1070】
また、「設定示唆演出」と「残りリミット回数示唆演出」とが共に実行され得る場合であっても、数字表示が変化することによってその内容を遊技者に示唆する「設定示唆演出」と「残りリミット回数示唆演出」とを同時に表示せず、いずれか一方の示唆演出を順に実行するように構成する。このように構成することで、重複した示唆演出が実行されることによるいずれか一方の示唆演出の見落としを予め予防するとともに、いずれの数字がいずれの示唆演出であるかを認識できず、示唆演出の内容に関して遊技者が錯綜してしまう事態を予防できる。
【1071】
次に、
図47を参照して、確率設定値が「6」に設定されている場合における「ラウンド一致」のタイミングで「直値示唆」の「設定示唆演出」と、当該ラウンドにおいて「残りリミット回数示唆演出」が実行される場合について説明する。
図47は、第4実施形態の「設定示唆演出」の実行タイミングとして「ラウンド一致」が選定された場合を示した図であって、
図47(a)は、第4実施形態の第3図柄表示装置81における変動演出において大当たり結果が導出された状態を示した図であり、
図47(b)は、
図47(a)の状態から大当たり遊技が開始されて1ラウンド目が始まることを示す「ラウンド開始表示」が表示された状態を示した図であり、
図47(c)は、
図47(b)の状態から1ラウンド目が行われている状態を示した図であり、
図47(d)は、
図47(c)の状態から大当たり遊技が進行して6ラウンド目が始まることを示す「ラウンド開始表示」が表示された状態を示した図であり、
図47(e)は、
図47(d)の状態から6ラウンド目が行われて、該6ラウンド目において「設定示唆演出」が実行されている状態を示した図であり、
図47(f)は、
図47(e)の状態から7ラウンド目が始まることを示す「ラウンド開始表示」が表示された状態を示した図である。
【1072】
図47(a)で示すように、主表示領域Dmの左表示領域Dm1、中表示領域Dm2、右表示領域Dm3において、それぞれ「6」図柄の第3図柄が停止表示された状態を示している。即ち、変動演出において「6」図柄による大当たりが導出されたことを示している。
【1073】
このとき、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄において、大当たり結果が導出されたことを喜んでいるかのような態様で表示され、さらに、右小領域Ds3において該キャラクタ図柄が「やったね!」と遊技者を賞賛しているセリフ表示が表示されている。なお、左小領域Ds1には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
【1074】
次いで、
図47(b)では、
図47(a)の状況から大当たり遊技が開始されて、1ラウンド目が開始されることを示す「ラウンド開始表示」が現出している状態を示している。この「ラウンド開始表示」では、主表示領域Dm全体が拡大されたことに伴って、副表示領域Ds等が消去されている。そして、拡大された主表示領域Dmの中央部分では、片仮名の「ラウンド」という黒色の文字表示と、数字の「1」という黒色の数字表示とが結合し、「ラウンド1」という表示オブジェクトが画面奥行方向から画面手前方向に迫ってくるような演出(動画)である「通常ラウンド開始演出」が実行される。第1実施形態では、「ラウンド開始表示」は、ラウンドが開始された段階から所定期間(例えば、「2秒」)行われ、その後、ラウンド遊技の演出(例えば、
図47(c)等)に切り替わる。
【1075】
次いで、
図47(c)では、
図47(b)の状況から1ラウンド目のラウンド遊技が開始されている状態を示している。ここでは、主表示領域Dmの中央部分において、変動演出等で現出した複数のキャラクタ図柄のいずれかが対応するラウンド毎に登場し、この
図47(c)では、男の子キャラクタ図柄が現出しており、該男の子キャラクタ図柄が大当たりが発生したことを喜んでいるかのような演出が実行される。
【1076】
また、大当たり図柄表示領域では、「6」図柄が表示されている状態を示している。さらに、ラウンド数表示領域では、「1」という数字表示が表示されており、1ラウンド目の大当たり遊技が行われていることを示唆している。
【1077】
また、賞球数表示領域に「0045発」という4桁の数字を表示可能な総賞球数表示が表示されている。
図47(c)における45発の賞球の内訳は、例えば、1ラウンド目の大入賞口65aへの入賞数3個×賞球15個=45発、一般入賞口63への入賞数0個×賞球10個=0発、第2始動口64bへの入賞0個×賞球1個=0個、の合計45発となっている。
【1078】
なお、
図47(c)では、「設定示唆演出」が実行されていないため、上記賞球数表示領域に表示される総賞球数表示は、一般フォントで表現されている。
【1079】
次いで、
図47(d)では、
図47(c)の状況から大当たり遊技が進行し、6ラウンド目が開始されることを示す「ラウンド開始表示」が現出している状態を示している。ここでは、「設定示唆演出」として、「直値示唆」の内容で、「ラウンド一致」のタイミングでの実行に当選しているため、確率設定値の「6」と同等のラウンド数のラウンド遊技中において「設定示唆演出」が実行されるとともに、確率設定値とラウンド数とが一致しているため、確率設定値の「6」と同等のラウンド数のラウンド開始時において「残りリミット回数示唆演出」が実行されることとなる。
【1080】
具体的には、まず、
図47(d)で示すように、6ラウンド目のラウンド開始時において実行される「ラウンド開始表示」において、「ラウンド6」を示す文字表示が、「通常ラウンド開始演出」と異なり、片仮名の「ラウンド」という金色の文字表示と、数字の「6」という金色の数字表示とが結合して「ラウンド6」という表示オブジェクトが画面に静止している映像と、数字の「6」の周りにキラキラした演出効果が加えられた演出とが組み合わされた「残りリミット回数示唆演出」が実行される。なお、この段階では、「設定示唆演出」である特殊書体フォントの文字表示は現出していない。よって、遊技者は、「ラウンド開始表示」において、「残りリミット回数示唆演出」に集中することが可能となる。また、「ラウンド開始表示」において、「残りリミット回数示唆演出」を実行することで、これから行われるラウンド遊技中に「設定示唆演出」が行われることを示唆することも可能となる。よって、「ラウンド開始表示」において、「残りリミット回数示唆演出」を見た遊技者は、これから行われるラウンド遊技において、「設定示唆演出」である特殊書体フォントが現出するか否かに着目し、遊技に集中させることができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1081】
次いで、
図47(e)では、
図47(d)の「ラウンド開始表示」が終了して画面内容が切り替わり、6ラウンド目の大当たり遊技が実行されている状態を示している。ここでは、主表示領域Dmの中央部分において、
図47(c)のキャラクタ図柄とは異なる女の子キャラクタ図柄が登場し、該女の子キャラクタ図柄が大当たりが発生したことを喜んでいるかのような演出が実行される。なお、主表示領域Dmの大当たり図柄表示領域では、
図47(c)と同様、「6」の図柄表示が表示されている状態を示している。
【1082】
また、主表示領域Dmのラウンド数表示領域では、「6」というラウンド表示が表示されている。即ち、
図47(e)のラウンド数表示領域では、「6」のラウンド表示により、「ラウンド開始表示」で示されたラウンド数で示した通り、6ラウンド目の大当たり遊技が行われていることを示唆している。
【1083】
さらに、主表示領域Dmの賞球数表示領域では、「0764発」という総賞球数表示が表示されている。このとき、確率設定値「6」における「設定示唆演出」の「直値示唆」として、「0764発」の総賞球数表示のうち、十の位を示す「6」のフォントのみ特殊書体フォントで表示されている。
【1084】
図47(e)における764発の賞球の内訳は、例えば、1ラウンド目から5ラウンド目までの大入賞口65aへの入賞数10個×賞球15個×5ラウンド=750発、6ラウンド目の大入賞口65aへの入賞数0個×賞球15個=0発、一般入賞口63への入賞数1個×賞球10個=10発、第2始動口64bへの入賞4個×賞球1個=4個、の合計764発となっている。
【1085】
図47(e)の示す状態では、6ラウンド目における「0764発」という総賞球数表示において十の位の「6」の部分のみが特殊書体フォントで表示され、他の数字は一般フォントで表示されている。このため、該特殊書体フォント及び一般フォントを見た遊技者は、まず、「設定示唆演出」の「1否定示唆」であれば、「0764発」との総賞球数表示のうち、「2」以上の数字、即ち、「6」と「4」とが共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図47(e)では「6」のみが特殊書体フォントであるので、「1否定示唆」ではないことを把握する。
【1086】
次いで、「設定示唆演出」の「偶奇示唆」であれば、「0764発」との総賞球数表示のうち、「6」と「4」との偶数が共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図47(e)では「6」のみが特殊書体フォントであるので、「偶奇示唆」ではないことを把握する。
【1087】
次いで、「設定示唆演出」の「456示唆」演出であれば、「0764発」との総賞球数表示のうち、「6」と「4」との数字が共に特殊書体フォントでなければいけないが、
図47(e)では「6」のみが特殊書体フォントであるので、「456示唆」ではないことを把握する。
【1088】
次いで、「設定示唆演出」の「直値示唆」であれば、「0764発」との総賞球数表示のうち、いずれか1の数字のみが特殊書体フォントで表示され、
図47(e)では「6」の数字のみが特殊書体フォントで表示されているため、確率設定値「6」における「直値示唆」が暫定的に当てはまっていることを把握する。
【1089】
よって、
図47(e)の表示態様は、「設定示唆演出」として「直値示唆」のみが当てはまるため、遊技者は、該パチンコ機10の確率設定値が「6」であることを把握することができる。このように構成することで、いずれのラウンドで「設定示唆演出」が行われるか否かを遊技者に推測させながら遊技を行わせることができるとともに、特殊書体フォントが現出した場合であっても「設定示唆演出」の種類が如何様なものであるか否かを推測するとともに、その内容から確率設定値を推測する遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1090】
このように、「設定示唆演出」と「残りリミット回数示唆演出」とが共に実行され得る場合であっても、数字表示が変化することによってその内容を遊技者に示唆する「設定示唆演出」と「残りリミット回数示唆演出」とを同時に表示せず、いずれか一方の示唆演出を順に実行するように構成する。このように構成することで、重複した示唆演出が実行されることによるいずれか一方の示唆演出の見落としを予め予防するとともに、いずれの数字がいずれの示唆演出であるかを認識できず、示唆演出の内容に関して遊技者が錯綜してしまう事態を予防できる。
【1091】
次いで、
図47(f)では、
図47(e)の状況から6ラウンド目のラウンド遊技が終了して、7ラウンド目が開始されることを示す「ラウンド開始表示」が現出している状態を示している。この「ラウンド開始表示」では、「ラウンド7」という表示オブジェクトが画面奥行方向から画面手前方向に迫ってくるような演出(動画)である「通常ラウンド開始演出」が実行される。
【1092】
以上、説明したように、第4実施形態のパチンコ機10では、「設定示唆演出」を行う場合に、さらに、実行されるラウンド数と残りリミット回数とが一致しているときには、「残りリミット回数示唆演出」も併せて行うように構成する。そして、「設定示唆演出」と「残りリミット回数示唆演出」とが共に実行され得る場合に、ラウンド開始時において先に「残りリミット回数示唆演出」を実行し、その後、ラウンド遊技中において「設定示唆演出」を実行するように構成する。このように構成することで、遊技を継続するか否かの判断要素となる「設定示唆演出」と「残りリミット回数示唆演出」と共に実行されることによって、パチンコ機10において遊技を継続するか否かの判断要素を認識し易くなるというメリットを与え、如何にして「設定示唆演出」と「残りリミット回数示唆演出」とを実行させるかという遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1093】
また、「設定示唆演出」と「残りリミット回数示唆演出」とが共に実行され得る場合であっても、数字表示が変化することによってその内容を遊技者に示唆する「設定示唆演出」と「残りリミット回数示唆演出」とを同時に表示せず、いずれか一方の示唆演出を順に実行するように構成する。このように構成することで、重複した示唆演出が実行されることによるいずれか一方の示唆演出の見落としを予め予防するとともに、いずれの数字がいずれの示唆演出であるかを認識できず、示唆演出の内容に関して遊技者が錯綜してしまう事態を予防できる。
【1094】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【1095】
<変形例1>
上記第1実施形態では、遊技者にとって不利な不利当たりに当選した場合に、不利当たりの連続性等を考慮せずに、残りリミット回数に応じて「設定示唆演出」に当選し易くなるように構成していた。例えば、不利当たりに当選した後に、不利当たりではない大当たり(即ち、大当たり種別「確変A」等。以下、「有利当たり」と称する。)に当選し、その後、再び不利当たりに当選した場合、上記3回の大当たりに基づいて大当たりの残りリミット回数が減少しているため、途中で有利当たりに当選して不利当たりが連続していない場合であっても、有利当たり後に再び不利当たりに当選したときには「設定示唆演出」が実行され易くなるように構成されていた。
【1096】
これに対し、不利当たりが連続することを条件に「設定示唆演出」に当選し易くなるように構成してもよい。具体的には、例えば、不利当たりが連続した状態で残りリミット回数が少なくなっていく程、「設定示唆演出」に当選し易くなる一方、リミット回数到達までに有利当たりに当選した場合には、「設定示唆演出」の当選確率を初期設定に戻すように構成する。このように構成することで、不利当たりが連続した場合であっても、パチンコ機10の確率設定値が知り易くなるというメリットを創出し、残りリミット回数が少なくなってしまう失望感や、不利当たりが連続することによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1097】
また、リミット回数到達までの不利当たりの積算回数に応じて「設定示唆演出」の内容(種類および報知タイミング)を決定するように構成してもよい。具体的には、不利当たりの連続性は考慮せず、リミット回数に到達するまで(即ち、大当たりが6回発生するまで)に、不利当たりの合計発生回数が多ければ多いほど、「設定示唆演出」に当選し易くしたり、「設定示唆演出」において確率設定値を具体的に(直接的に)示唆する演出を実行し易くするように構成してもよい。このように構成することで、途中で有利当たりが発生して不利当たりの連続性が途切れた場合であっても、単純に不利な事象が発生した回数
に応じてパチンコ機10の確率設定値が知り易くなるというメリットを創出し、残りリミット回数が少なくなってしまう失望感や、不利当たりが連続することによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる。この場合に、リミット回数到達毎に不利当たりの積算回数をクリアしてもよいし、リミット回数到達毎には不利当たりの積算回数をクリアせず、パチンコ機10の電源オンからの累積した不利当たりの回数を計数するように構成し、計数した回数が多ければ多いほど「設定示唆演出」を実行し易くしてもよい。
【1098】
<変形例2>
上記第1実施形態では、大当たりのラウンド中に「設定示唆演出」を実行するように構成していた。これに対し、大当たりのラウンド中以外のタイミング、即ち、大当たりのオープニング期間中やインターバル期間中、或いは、変動演出の実行中(例えば、所定の「リーチ表示」中や、特定の予告現出時等)、デモ演出中(例えば、RTCによる機種連動演出中や、遊技者によるボタン操作による遊技機カスタマイズ中等)に「設定示唆演出」を実行するように構成してもよい。
【1099】
<変形例3>
上記第1実施形態では、遊技者にとって不利な不利当たりに当選した場合に「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成していた。これに対し、一定の所定期間をあらかじめ設定し、該所定期間内に発生した遊技者にとって不利な他の事象に起因して「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成してもよい。具体的には、例えば、1の大当たり後、所定回数(例えば、1000回)以上の動的表示が実行されたにもかかわらず大当たりに当選していないような場合や、第1始動口64a等に球が入賞することなく特別図柄の抽選が受けられない一般入賞口63へ連続して球が入賞した場合、遊技価値が全く付与されないアウト口に所定数(例えば、10000発)の球数が流入した場合等に、「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成してもよい。
【1100】
<変形例4>
上記第1実施形態では、遊技者にとって不利な不利当たりに当選した場合に「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成していた。これに対し、所定期間内に発生した遊技者にとって有利な事象に起因して「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成してもよい。具体的には、例えば、所定回数(例えば、10回)の大当たりの「連荘」が発生した場合や、大当たりの「連荘」によって所定球数(例えば、10000発)の球が累計で払い出された場合、或いは、有利当たりに連続で当選した場合等に、「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成してもよい。このように構成することで、有利な事象が発生したという興趣に伴って、パチンコ機10の設定内容を把握することができるという興趣が相俟って、顕著に興趣向上を図ることができる。
【1101】
<変形例5>
上記第1実施形態では、遊技者にとって不利な不利当たりに当選した場合に「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成していた。これに対し、有利・不利に関係のない事象に起因して「設定示唆演出」の実行抽選に当選し得るように構成してもよい。具体的には、例えば、リアル・タイム・クロック(Real Time Clock。以下、「RTC」と略す)によって所定時間が計時される毎に「設定示唆演出」の実行抽選を行うように構成してもよいし、遊技を継続して所定時間継続して実行(例えば、連続して球を発射)している場合に、「設定示唆演出」の実行抽選を行うように構成してもよい。
【1102】
<変形例6>
上記第1実施形態では、不利当たりに当選することで確率設定値を示唆する「設定示唆演出」に当選し易くなるように構成していた。これに代えて、又は、これに加えて、リミット機能付きのパチンコ機10において、不利当たりに当選することで、残りリミット回数を示唆する「残り回数示唆演出」に当選し易くなるように構成してもよい。このように構成することで、大当たりに当選した場合に、リミット回数に到達する残り大当たり回数を遊技者に示唆可能に構成し、該パチンコ機10において遊技を継続するか否かの判断要素を提示して、遊技を継続するか否かの遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1103】
<変形例7>
上記第1実施形態では、大当たりに当選した場合に、パチンコ機10において設定されている確率設定値に基づき、その当日にパチンコ機10に設定されている確率設定値の示唆を行う「設定示唆演出」を実行するように構成していた。これに対し、前日の確率設定値から確率設定値の変更が行われたことを示唆する「変更示唆演出」や、前日の確率設定値を示唆する「前日設定示唆演出」を実行するように構成してもよい。このように構成することで、パチンコ機10の確率設定値の判断要素(推測要因)を増やし、確率設定値を推測する遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1104】
<変形例8>
上記第1実施形態では、「設定示唆演出」を第3図柄表示装置81において実行するように構成していた。これに対し、「設定示唆演出」を、遊技を行っている遊技者以外から判別(認識)困難な報知態様で実行するように構成してもよい。具体的には、パチンコ機10の正面側からのみ視認可能なLED等を設け、該LEDに確率設定値を表示したり、常時、第3図柄表示装置81を視認していなければ認識困難な態様(例えば、サブリミナル効果を有する演出等)で行ってもよい。このように構成することで、パチンコ機10で遊技を行っていない者が該パチンコ機10の確率設定値を認識困難にすることができるので、例えば、低設定である旨を遊技を行っていない者が認識して、パチンコ機10の稼働が低下してしまうといった事態を未然に防止できる。
【1105】
<変形例9>
上記第1実施形態では、示唆内容抽選テーブル222fと示唆内容抽選カウンタ223iとによって「設定示唆演出」の種類と報知タイミングとを同時に抽選するように構成していた。これに対し、「設定示唆演出」の種類と報知タイミングとをそれぞれ別々に抽選するように構成してもよい。具体的には、例えば、「設定示唆演出」の実行有無を抽選し、該抽選とは別に報知タイミングを抽選し、その後、「設定示唆演出」が実行される場合に、該「設定示唆演出」の種類を抽選するように構成してもよい。
【1106】
<変形例10>
上記第1実施形態では、「設定示唆演出」の報知タイミングを先に決定し、その後、該当するラウンド数が存在するか否かを判別し、該当するラウンド数が存在しない場合には、報知タイミングを変更(即ち、エンディング時に実行)するように構成していた。これに対し、「設定示唆演出」の報知タイミングを抽選する前に、大当たりのラウンド数を把握し、そのラウンド数を含めた報知タイミングの中から実行する報知タイミングを抽選するように構成してもよい。このように構成することで、該当するラウンドが存在しないことに基づく変更によって報知タイミングが所定時(即ち、エンディング時)への偏りをなくすことができ、バランスのとれた演出を実行することができる。
【1107】
<変形例11>
上記第1実施形態では、リミット到達時において入賞補助機能が作動している場合における大当たりの発生に基づいて、所謂引き戻し期間中の引き戻し大当たりであると判別して、以降の大当たりの当選に基づいて「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易いように構成していた。即ち、第1特別図柄の大当たりに基づくリミット到達であっても、第2特別図柄の大当たりに基づくリミット到達であっても、入賞補助機能が作動している場合であれば、引き戻しの大当たりと判断するように構成していた。これに対し、第2特別図柄における大当たりによってリミットに到達し、該大当たりに基づく「時間短縮状態」中に大当たりに当選した場合に、所謂引き戻しの大当たりと判別して、以降の大当たりの当選に基づいて「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易いように構成してもよい。即ち、所謂引き戻しの大当たりの達成条件をより困難にすることで、該引き戻しの大当たりに当選する達成感を増幅させ、引き戻し期間中における遊技の興趣向上を図ることができる。
【1108】
<変形例12>
上記第1実施形態では、リミット到達時には必ず不利当たりに当選し、該不利当たりの当選に基づいても「設定示唆演出」の実行抽選を行うように構成していた。これに対し、リミット到達時の不利当たりでは「設定示唆演出」の実行抽選を行わないように構成してもよい。リミット到達時における不利当たりは、必ず到来するものであるので、該リミット到達時の不利当たりにおいても「設定示唆演出」の実行抽選を行った場合には、該「設定示唆演出」が頻出してしまうおそれがある。そこで、リミット到達時における不利当たりにおいて「設定示唆演出」の実行抽選を行わないように構成することで、遊技者自身の引きによってのみ「設定示唆演出」の実行抽選を受けることが可能となり、「設定示唆演出」の実行抽選を受けることができるか否かの遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1109】
<変形例13>
上記第1実施形態では、大当たり種別「確変A」や「確変B」に当選した後、右打ち遊技を行って実行され得る第2特別図柄の動的表示において、リミット到達前であれば、有利当たりである大当たり種別「確変A」のほか、不利当たりである大当たり種別「時短A」にも当選し得るように構成していた。これに対し、右打ち遊技を行って実行され得る第2特別図柄の動的表示において、リミット到達前であれば、有利当たりのみに当選し、不利当たりに当選しないように構成してもよい。この場合、右打ち遊技を行い得る遊技状態の場合、リミット到達まで、有利当たりのみが発生するため、リミット到達まで不利な遊技状態に遷移せず、遊技者に安心して遊技を行わせながら得られる遊技価値を増大させることが可能となる。しかし、リミット到達までは、リミット回数までの大当たりを発生させるという消化作業となり、遊技の興趣が減退してしまうおそれがある。そこで、上記第1実施形態のように、引き戻しの大当たりに当選している状況であれば「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなる、という遊技性を付与することで、まず、引き戻し期間中に大当たりを引き戻すか否かという遊技性に加え、大当たりを引き戻した場合には、「設定示唆演出」に当選するか否かの遊技性を創出しつつ、得られる遊技価値を増大させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1110】
<変形例14>
上記第1実施形態又は第3実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との動的表示で発生し得る大当たりのラウンド数が一致(第1実施形態では16R又は4R、第3実施形態では16R又は6R)するように構成していた。これに対し、第1特別図柄の動的表示で発生する大当たりのラウンド数と、第2特別図柄の動的表示で発生する大当たりのラウンド数とを明確に異ならせるように構成してもよい。具体的には、例えば、第1特別図柄では、ラウンド数が必ず確率設定値の段階数以上となる大当たりに当選する(当選し易い)ように構成し、第2特別図柄では、ラウンド数が確率設定値の段階数未満となる大当たりに当選する(当選し易い)ように構成する。このように構成することで、左打ち遊技を行って大当たりに当選した場合には、確率設定値に対応するラウンドが必ず実行されることによる「ラウンド一致」の「設定示唆演出」の実行に基づく設定値の推測が可能となる一方、右打ち遊技を行って大当たりに当選した場合には、確率設定値に対応するラウンドが必ずしも実行されないことによる「ラウンド一致」の「設定示唆演出」の信ぴょう性に乏しい状態となる。よって、「設定示唆演出」の正確性を追求すべく球の発射態様を打ち分けるという遊技性を創出し、特別図柄の種類(大当たりのラウンド数)と「設定示唆演出」の実行タイミングとを組み合わせた多様な遊技性によって、遊技の興趣向上を図ることができる。また、第1実施形態において、第1特別図柄による大当たり種別の割合と、第2特別図柄による大当たり種別の割合とを入れ替えるように構成してもよい。
【1111】
<変形例15>
上記第2実施形態では、第2特別図柄の動的表示が実行され得る遊技状態(即ち、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)において、最も当選し易い小当たりに連続して当選することで「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成していた。これに対し、第2特別図柄の動的表示が実行され得る遊技状態において、小当たりより発生頻度が低いハズレが選定された場合に、以降の遊技において「設定示唆演出」の当選確率を上昇(例えば、2倍)させるように構成してもよい。
【1112】
<変形例16>
上記第2実施形態では、入賞補助機能が非作動である「確率変動状態」において、再び入賞補助機能が非作動である「確率変動状態」を発生する大当たり種別に当選した場合に、以降の遊技において小当たりに当選して実行され得る「設定示唆演出」の内容がより具体的に示唆され易いように構成していた。これに対し、第2特別図柄の動的表示が実行され得る遊技状態において、小当たりより発生頻度が低いハズレが選定された場合に、該ハズレに当選したことに基づいて、小当たりに当選して実行され得る「設定示唆演出」の内容がより具体的に示唆され易くなるように構成してもよい。
【1113】
<変形例17>
上記第2実施形態では、第2特別図柄の動的表示が実行され得る遊技状態(即ち、入賞補助機能が作動する「確率変動状態」、入賞補助機能が非作動の「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)において、最も当選し易い小当たりに連続して当選することで「設定示唆演出」の実行抽選に当選し易くなるように構成していた。これに対し、小当たり遊技に当選した場合に小入賞口(図示せず)に球が入賞し得る遊技状態である、入賞補助機能が非作動の「確率変動状態」における小当たり遊技に当選した場合にのみ、「設定示唆演出」の実行抽選を行うように構成してもよい。これにより、入賞補助機能が非作動の「確率変動状態」に当選することでより遊技者にとって有利な事象が発生し易くなるため、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1114】
<変形例18>
上記各実施形態では、不利当たりに当選することで、パチンコ機10に関する情報であって、遊技者が遊技を継続するか否かの判断材料となる確率設定値を示唆するように構成していた。これに対し、パチンコ機10の確率設定値以外の情報であって、遊技者にとって有利な情報を報知(示唆)するように構成してもよい。具体的には、パチンコ機10の出玉率であったり、第1始動口64aへの入賞頻度や、一般入賞口63への入賞頻度、大入賞口65aへの入賞効率等、パチンコ機10で遊技を行う遊技者にとって有益な情報を報知するように構成してもよい。
【1115】
<変形例19>
上記各実施形態では、「設定示唆演出」の実行が決定された場合に、第3図柄表示装置81に該「設定示唆演出」に関連する図柄を追加的に現出するように構成していた。これに対し、常時認識可能な表示物を経時的に変化させることで「設定示唆演出」を実行するように構成してもよい。具体的には、例えば、第3図柄表示装置81において常時表示されているキャラクタ図柄の内容を変化させて「設定示唆演出」を行ったり、遊技盤13に設けられた設定示唆表示器の表示内容を変化させて「設定示唆演出」を行ったり、常時視認されている表示物を駆動して、その背後に隠れていた表示物を視認可能にして該表示物において「設定示唆演出」を実行してもよい。
【1116】
<変形例20>
上記各実施形態では、確率設定値を「1」~「6」の6段階で変更可能として、大当たり確率及び/又は第2図柄の当たり確率を変更可能としたが、確率設定値が変更可能な段階は6段階に限らず、任意の段階に変更可能としてもよい。
【1117】
<変形例21>
上記各実施形態では、確率設定値を変更することにより、大当たり確率を変更する場合について説明したが、普通図柄の当たり確率や、小当たりの当選確率を変更するようにしてもよい。
【1118】
<変形例22>
また、立ち上げ処理の中で確率設定値が正常範囲内にないと判断された場合に、「1」~「6」の範囲の中から特定の確率設定値(例えば「1」)を確率設定値として強制的に設定するようにしてもよい。なお、遊技途中で(例えば、タイマ割込処理の中で)確率設定値が正常範囲内にないと判断された場合は、確率設定値を強制的に特定の確率設定値に設定しないほうがよい。これは、遊技途中で大当たり確率が突然変更さえることにより、遊技者が何らかの不利益を被ることを抑制するためである。
【1119】
<変形例23>
上記実施形態では、RAM判定値(チェックサム)の算出に、確率設定値を含める場合について説明したが、RAM判定値の算出から確率設定値を除いてもよい。この場合、RAM判定値が正常か否かの判定(
図20のS107)を行う前に、確率設定値が正常の範囲にあるか否かを判定し、正常の範囲内になければ、強制的に設定変更処理を実行してホール関係者等に確率設定値の変更を行わせたり、ホール関係者等にパチンコ機10を設定変更モードで再立ち上げさせるように促したり、確率設定値として正常範囲内の特定の確率設定値を強制的に設定してもよい。
【1120】
<変形例24>
上記実施形態では、RAM判定値(チェックサム)の算出に、確率設定値を含めない場合について説明したが、RAM判定値の算出から確率設定値を含めてもよい。
【1121】
<変形例25>
上記実施形態では、「設定変更モード」でパチンコ機10を立ち上げた場合に、RAM消去スイッチ503をオンすることによって、又は、設定変更スイッチをオンすることによって、確率設定値を更新する場合について説明したが、これを設定キー501にて行えるようにしてもよい。具体的には、設定キー501を、オン状態から更にオフ側とは反対方向に設けた設定変更位置まで回動可能にし、設定変更位置まで設定キー501が回されると、自動でオン状態に設定キー501が戻るように付勢して構成する。そして、設定キー501をオン状態から設定変更位置まで回動させる度に、確率設定値が更新されるようにする。これによっても、確率設定値の変更を容易に行うことができる。
【1122】
<変形例26>
上記実施形態では、「設定変更モード」でパチンコ機10を立ち上げた場合に、設定キー501をオフ状態にすることによって、又は、RAM消去スイッチ503をオンすることによって、確率設定値を確定する場合について説明したが、これを別に設けたスイッチ、例えば、設定確定スイッチが操作されることで行えるようにしてもよい。この設定確定スイッチは、例えば、「設定変更モード」中に操作されることにより、確率設定値を確定するためのスイッチであり、基板ボックス100に設けられた孔から主基板より突出して設けられ、基板ボックス100を開封しなくても、ホール関係者等によって操作可能にしてもよい。これによっても、確率設定値の確定を容易に行うことができる。
【1123】
<変形例27>
上記実施形態では、パチンコ機10の電源オン時に「設定変更モード」又は「設定確認モード」で立ち上げる場合に、RAM消去スイッチ503と設定キー501との検知態様に応じて、立ち上げモードを設定していた。これに対し、少なくとも内枠12の開放を必須条件とし、その他、RAM消去スイッチ503と設定キー501との検知態様に応じて、立ち上げモードを設定するように構成してもよい。また、内枠12の開放を設定変更又は設定確認の条件とするか否かをホールが選択可能に設定できるように構成してもよい。
【1124】
<変形例28>
上記各実施形態では、RAM消去スイッチ503を主制御装置110に搭載していた。これに対し、RAM消去スイッチ503を電源装置115や払出制御装置111に搭載するように構成してもよい。
【1125】
<変形例29>
上記各実施形態では、設定キー501により、大当たり確率等を変更可能に構成していた。これに対し、設定キー501により、1の入賞口に入賞した場合に払い出される賞球数(例えば、3個→5個への変更)や、入賞口への入賞を補助する可動役物の駆動時間(3秒→5秒への変更)や駆動幅(例えば、20mm→30mmへの変更)、或いは、球の流下態様に影響を与える部材(例えば、球が転動可能なステージやクルーン)の傾斜態様(例えば、1度から3度への変更)、パチンコ機10自体の傾斜態様(例えば、1度から3度への変更)等、遊技者に対する有利度合いに関する設定を複数段階に変更可能に構成してもよい。
【1126】
<変形例30>
上記各実施形態では、設定キー501の鍵孔をパチンコ機10の裏面側に向くように構成していた。これに対し、設定キー501の鍵孔の向きを、パチンコ機10の横方向(左方向又は右方向)や、パチンコ機10の斜め方向、或いは、パチンコ機10の前面側を向くように構成してもよい。
【1127】
<変形例31>
上記実施形態において、大当たり乱数値同士、小当たり乱数値同士、及び、ハズレ乱数値同士を連続的な値とし、大当たりか否かや、小当たりか否かを範囲判定(例えば、「0」以上「49」以下か否か)可能に構成し、主制御装置110の制御負担を軽減するように構成していた。これに対し、遊技価値を付与する各乱数値(即ち、大当たり乱数値および小当たり乱数値)を連続的な配置ではなく、分散(散逸)して配置するように構成してもよい。具体的には、例えば、「0~999」で更新される大当たり乱数カウンタC1の場合に、大当たり乱数値として「7,341,555,777,831」とし、小当たり乱数値として「77,175,223,315,415,526,634,717,845」としてもよい。
【1128】
ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値(例えば、低確率状態および高確率状態において、「0~50」であれば大当たり)が連続的に存在していた場合、その値が外部から予測され得る可能性があり、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなるおそれがある。よって、上記変形例のように構成することで、遊技価値を付与する各乱数値を外部から予測困難にし、不正に対する抑制効果を高め、パチンコ機10のセキュリティ性能を向上することができる。
【1129】
また、上述した変形例において、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定してもよい。このように構成することで、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、パチンコ機10のセキュリティ性能を向上することができる。
【1130】
<変形例32>
上記実施形態では、タイマ割込処理(
図23参照)等のソフトウェアの処理で大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別乱数C2等を更新するように構成していた(所謂、ソフト乱数)。これに対し、更新周期が上記ソフト乱数より速い乱数生成ICによって大当たり乱数カウンタC1等を更新するように構成してもよい(所謂、ハード乱数)。このように構成することで、外部から更新中の乱数値の把握を困難にし、セキュリティ性能を向上することができる。
【1131】
<変形例33>
上記実施形態では、設定値が増加するごとに均等に大当たり乱数値が増加するように構成していた。これに対し、設定値が増加するごとに不均等又は所定割合で大当たり乱数値(又は小当たり乱数値)を増加するように構成してもよい。具体的には、例えば、設定値「1」から「3」までは、大当たり乱数値を「2」ずつ増加させる一方、設定値「4」から「6」までは、大当たり乱数値を「5」ずつ増加させる。このように構成することで、設定差によって付与され得る遊技価値が大きく変化し、設定差による抑揚(メリハリ)のある遊技を提供可能に構成し、遊技の興趣を向上することができる。
【1132】
<変形例34>
上記実施形態では、設定値ごとに大当たり乱数カウンタC1の値における対応役を変化するように構成していた。これに対し、設定値ごとに大当たり種別カウンタC2又は小当たりの内容を決定する小当たり種別カウンタ(図示せず)の値に対応する大当たり種別を変化させ、大当たり種別又は小当たり種別の選択割合が変化することによる設定差が生じるように構成してもよい。
【1133】
<変形例35>
上記実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の時短カウンタ203kを用いて「時間短縮状態」における各特別図柄の実行回数を計数するように構成していた。これに対し、第2特別図柄の変動演出の回数のみを計数する特
図2時短カウンタ、及び、第1特別図柄および第2特別図柄の変動演出の合計回数を計数する合計時短カウンタを用いて「時間短縮状態」における各特別図柄の動的表示の実行回数を計数するように構成して、「時間短縮状態」の終了条件を判定してもよいし、第1特別図柄の変動演出の回数のみを計数する特
図1時短カウンタを設け、第1特別図柄の実行回数によって「時間短縮状態」を終了する場合があるように構成して、「時間短縮状態」の終了条件を判定してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
【1134】
<変形例36>
上記実施形態では、第2特別図柄の動的表示を第1特別図柄の動的表示より優先的に実行するように構成していた。これに対し、動的表示を取得した順(保留された順)で各特別図柄を実行するように構成してもよいし、第1特別図柄の動的表示を第2特別図柄の動的表示より優先的に実行するように構成してもよい。
【1135】
<変形例37>
上記実施形態では、設定変更に伴い、遊技価値を付与する乱数値(即ち、大当たり乱数値)を変更して、その変更分を遊技価値を付与しない乱数値(即ち、ハズレ乱数値)から補填するように構成していた。これに対し、設定変更に伴い、遊技価値を付与する乱数値(例えば、大当たり乱数値)を変更した場合に、その変更分を、他の遊技価値を付与する乱数値(例えば、小当たり乱数値)から補填するように構成してもよい。このように構成することで、設定毎に付与され得る遊技価値に差を設け、設定毎に抑揚(メリハリ)のある遊技を提供し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1136】
<変形例38>
上記第2実施形態では、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「大当たり乱数値の範囲」、「小当たり乱数値の範囲」、「ハズレ乱数値の範囲」の並びとなるように各乱数値を規定(設定)していた。これに対し、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「大当たり乱数値の範囲」、「小当たり乱数値の範囲」、「大当たり乱数値の範囲(以下、「再大当たり乱数値の範囲」と称する)」、「ハズレ乱数値の範囲」の並びとなるように各乱数値を規定(設定)するように構成してもよい。ここで、「再大当たり乱数値の範囲」として、設定変更に伴う大当たり乱数値の増加分が対応するように構成する。このように構成することで、設定差によって増加する乱数値(即ち、大当たり乱数値の増加分)を、設定差によって減少する乱数値(即ち、ハズレ乱数値)と隣接させ、設定変更に伴って変更されない乱数値(即ち、設定変更によっても変化しない大当たり乱数値と小当たり乱数値)の範囲を固定的にすることができる。これにより、例えば、当否判定の制御プログラムにおいて、固定的な乱数値の基本的な当否判定を全設定値で共通化しつつ、設定変更に伴う大当たり乱数値の増加分を設定値に応じて追加的に判定することができ、制御プログラムの設計を容易にし、開発工数を削減することができる。
【1137】
<変形例39>
上記実施形態では、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「大当たり乱数値の範囲」、「小当たり乱数値の範囲」、「ハズレ乱数値の範囲」の並びとなるように各乱数値を規定(設定)していた。これに対し、乱数値の個数が多い順(又は少ない順)に各乱数値を規定(設定)するように構成してもよい。
【1138】
<変形例40>
上記実施形態では、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「大当たり乱数値の範囲」、「小当たり乱数値の範囲」、「ハズレ乱数値の範囲」の並びとなるように各乱数値を規定(設定)していた。これに対し、設定変更に伴い増加される「大当たり乱数値の範囲」を、設定変更に伴い減少される「ハズレ乱数値の範囲」と隣接(隣り合う)ように大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)するように構成してもよい。具体的には、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「小当たり乱数値の範囲」、「大当たり乱数値の範囲」、「ハズレ乱数値の範囲」の並びとなるように各乱数値を規定(設定)する。このように構成することで、設定差によって増加する乱数値(即ち、大当たり乱数値の増加分)を、設定差によって減少する乱数値(即ち、ハズレ乱数値)と隣接させ、設定変更に伴って変更されない乱数値(即ち、小当たり乱数値)の範囲を固定的にすることができる。これにより、例えば、小当たりの当否判定の制御プログラムにおいて、小当たり乱数値の判定を全設定値で共通化しつつ、設定変更に伴う大当たり乱数値の増加分を設定値に応じて追加的に判定することができ、制御プログラムの設計を容易にし、開発工数を削減することができる。
【1139】
<変形例41>
上記実施形態では、「通常遊技状態」から「確率変動状態」に移行する場合、特別図柄の大当たり確率が向上(10倍アップ)するように構成されていた。これに対し、「通常遊技状態」から「確率変動状態」に移行する場合に、特別図柄の小当たり確率を向上するように構成してもよい。また、「通常遊技状態」から「確率変動状態」に移行する場合に、特別図柄の大当たり確率の上昇度合いを10倍以下(例えば、2倍)に設定してもよい。さらに、「通常遊技状態」から「確率変動状態」に移行する場合に、大当たり確率と小当たり確率とを共に向上(例えば、大当たり確率を5倍、小当たり確率も5倍)に設定してもよい。
【1140】
<変形例42>
上記第2実施形態では、第1特別図柄における小当たり遊技の当選確率より、第2特別図柄における小当たり遊技の当選確率が高くなるように構成されていた。これに対し、第1特別図柄における小当たり遊技の当選確率を、第2特別図柄における小当たり遊技の当選確率より高くなるように構成してもよいし、第1特別図柄と第2特別図柄とにおける小当たり遊技の当選確率を同等に構成してもよい。
【1141】
<変形例43>
上記実施形態では、「確率変動状態」に突入した場合に、次回の大当たりが発生するまで「確率変動状態」を維持する所謂ループタイプの遊技仕様で構成していた。これに対し、大当たり終了後に、いずれの大当たりに当選した場合でも、該大当たり終了後に所定回数の動的表示の実行を終了条件とする「確率変動状態」(所謂、STタイプ)が付与される遊技仕様で構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上に貢献することができる。
【1142】
<変形例44>
上記実施形態では、すべての設定値において、特別図柄の低確率状態から高確率状態に変化する場合に、大当たり確率を均等に増加(すべて10倍アップ)するように構成していた。これに対し、設定値ごとに大当たり確率の増加率を変更(例えば、設定値「1」は5倍、設定値「2」は6倍、・・・設定値「6」は10倍等)するように構成してもよい。このように構成することで、高設定ほど特別図柄の高確率状態で大当たりに当選し易くなることで、高確率状態において大当たり遊技に早く当選する現象自体が設定示唆となる。よって、高確率状態において如何に早く大当たりに当選するか否かという遊技性が生まれ、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1143】
<変形例45>
上記実施形態では、特別図柄の低確率状態および高確率状態とにおいて、いずれの状態でも大当たり確率において設定差が生じるように構成していた。これに対し、いずれか一方の状態(低確率状態又は高確率状態)における大当たり確率の設定差を無くし、他方の状態(高確率状態又は低確率状態)における大当たり確率に設定差を設けるように構成してもよい。
【1144】
<変形例46>
上記第2実施形態では、設定値ごとに大当たり乱数値を増加させて、その大当たり乱数値の増加分をハズレ乱数値から補填するように構成していた。これに対し、設定値ごとに大当たり乱数値を増加させ、その大当たり乱数値の増加分を小当たり乱数及びハズレ乱数値から補填するように構成してもよい。このように構成することで、設定変更に基づく大当たり乱数値の個数の変更分を、小当たり乱数値及びハズレ乱数値のそれぞれから補填することが可能となり、大当たり乱数値の変更分を固定的な1の所定乱数値から補填する必要がなくなる。よって、上記所定乱数値の個数を、大当たり乱数値の変更分、1の所定乱数値から確保する必要性がなくなるので、遊技仕様の設計時における制約がなくなり、遊技仕様の設計自由度を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1145】
<変形例47>
上記第1実施形態では、「設定示唆演出」の実行タイミングとして選定された大当たりラウンドが存在しない場合、「設定示唆演出」を他のタイミング(エンディング演出)で行うように構成していた。これに対し、「設定示唆演出」の実行タイミングとして選定された大当たりラウンドが存在しない場合、当該大当たりにおいて存在する他のラウンドで「設定示唆演出」を実行するように構成してもよい。この場合、確率設定値と一致しているラウンド以外で「設定示唆演出」を実行することが選定されたにもかかわらず、当該ラウンドが存在しない場合には、確率設定値と一致するラウンドを除いた他のラウンドで「設定示唆演出」を行うように構成してもよい。
【1146】
<変形例48>
上記実施形態では、複数段階に設定可能な確率設定値を示唆する演出として「設定示唆演出」を設け、確率設定値および抽選結果に基づいて「設定示唆演出」において遊技者に示唆するように構成していた。これに対し、パチンコ機10において生じ得る複数段階の事象を抽選結果に基づいて遊技者に示唆するように構成してもよい。例えば、複数段階設けられたパチンコ機10の遊技状態(例えば、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」)のいずれの状態(段階)であるを示唆してもよいし、複数段階の演出のいずれの状態(ステップ)であるかを示唆してもよいし、複数段階の大当たり期待度のいずれの状態であるかを示唆するように構成してもよい。
【1147】
<変形例49>
上記実施形態では、遊技者にとって有利な大当たり(即ち、大当たり種別「確変A」又は「確変B」)と、該有利な大当たりより遊技者にとって有利度が低い不利な大当たり(即ち、大当たり種別「潜伏確変A」、「時短A」又は「突通A」)とのいずれの大当たりであっても、大当たり回数を計数し、該大当たり回数がリミット回数に達する場合に、不利な大当たりが強制的に選択されるように構成していた。これに対し、特定の大当たりでのみリミット回数に加算されるように構成し、該特定の大当たり以外の他の大当たりではリミット回数を計数しないように構成してもよい。具体的には、例えば、遊技者にとって有利度が高い大当たりである大当たり種別「確変A」や大当たり種別「確変B」が発生した場合に、それらの大当たり回数を計数し、その合計数が所定のリミット回数に達する場合に、不利な大当たりが強制的に選択されるように構成する。一方、遊技者にとって有利度が低い大当たり(当たり)である大当たり種別「潜伏確変A」や大当たり種別「時短A」、大当たり種別「突通A」(或いは、小当たり)が発生した場合に、それらの大当たり回数は計数せず、リミット回数に影響を及ぼさないように構成する。このように構成することで、遊技者にとって有利度が低い大当たり種別に当選した場合には、リミット回数として計数せず、遊技者にとって有利な大当たりをリミット回数まで付与させることができる。よって、遊技者にとって有利度が低い大当たりが現出することによる遊技者の不満を抑制でき、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1148】
<変形例50>
上記第1実施形態では、大当たり回数がリミット回数に達した場合、100%の確率で不利な大当たり(即ち、大当たり種別「時短A」又は「突通A」)が選択されるように構成されていた。これに対し、大当たり回数がリミット回数に達した場合に、必ずしも不利な大当たりが選択される訳ではなく、リミット回数到達前における不利な大当たりの選択確率より、リミット回数到達時における不利な大当たりの選択確率を上昇させるように構成してもよい。具体的には、例えば、リミット到達前は、有利当たりの選択割合が80%、不利当たりの選択割合が20%である一方、リミット到達時には、有利当たりの選択割合が20%、不利当たりの選択割合が80%となるように構成する。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1149】
<変形例51>
上記第1実施形態では、「リミット到達時」として、特別図柄の大当たり回数が6回に到達する毎に、該6回目の大当たりにおいて「確率変動状態」を発生させない大当たり種別のみを選定するように構成していた。これに対し、「リミット到達時」として、特別図柄の大当たり回数が6回目の大当たりまで「確率変動状態」を発生させる大当たり種別を選定可能に構成し、次回の大当たり当選時、即ち、7回目の大当たり当選時の大当たり種別の選定において、「確率変動状態」を発生させない大当たり種別のみから選定するように構成してもよい。
【1150】
<変形例52>
上記実施形態では、大当たり遊技中に総賞球数表示に表示される表示内容を一般フォントで表示するか特殊書体フォントで表示するかで確率設定値の設定示唆を行っていた。これに対し、大当たり開始時、大当たり中、大当たり終了時に、表示される他の表示物、例えば、ラウンド数を示すラウンド数表示であったり、大当たり図柄を示す図柄表示であったり、ラウンド遊技中に現出するキャラクタ図柄の種類によって確率設定値の設定示唆を行うように構成してもよい。また、変動演出中に表示される表示物、例えば、キャラクタ図柄やカットイン画像、数字表示等によって確率設定値の設定示唆を行うように構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1151】
<変形例53>
上記第4実施形態では、大当たり時の「ラウンド開始表示」の表示態様を「通常ラウンド開始演出」から「残りリミット回数示唆演出」に変更して、リミット回数に到達するまでの大当たり回数を示唆するように構成していた。これに対し、大当たり開始時、大当たり中、大当たり終了時に、表示される他の表示物、例えば、ラウンド数を示すラウンド数表示であったり、大当たり図柄を示す図柄表示であったり、ラウンド遊技中に現出するキャラクタ図柄の種類によって残りリミット回数の示唆を行うように構成してもよい。また、変動演出中に表示される表示物、例えば、キャラクタ図柄やカットイン画像、数字表示等によって残りリミット回数の示唆を行うように構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1152】
<変形例54>
上記実施形態では、特定のイベント条件の成立、即ち、大当たり遊技中に入賞が発生する毎に、その特定のイベントの発生を示唆する表示内容を変化(即ち、総賞球数表示の表示内容を一般フォントで表示するか特殊書体フォントで表示)させることで確率設定値の設定示唆、又は、残りリミット回数の示唆を行っていた。これに対し、時間が経過するごとに変化する表示物の経時的な変化によって確率設定値又は残りリミット回数の示唆を行うように構成してもよい。具体的には、所謂朝一のデモ画面表示や、電源オンからリアル・タイム・クロック等によって所定時間が経過した場合に実行される特殊演出等で確率設定値又は残りリミット回数の示唆の示唆を行う。このように構成することで、特定のイベント条件が成立していなくても所定のタイミングで確率設定値の設定示唆又は残りリミット回数の示唆が行われるため、該示唆を確認した遊技者の遊技を行う動機付けを起こさせ、パチンコ機10の稼働を促進することができる。
【1153】
<変形例55>
上記実施形態では、所定条件の成立によって確率設定値の設定値情報、又は、「確率変動状態」を発生させる大当たり種別が選定され得る残りリミット回数を示唆するように構成していた。これに対し、所定条件の成立によって、遊技者にとって意味がある、又は、遊技者にとって有利な情報を示唆するように構成してもよい。例えば、「確率変動状態」であるにもかかわらずその旨を報知しない「潜伏確率変動状態」であることを示唆したり、保留球数内に連続する大当たりが存在することを示唆したり、残りST回数若しくは時短回数を示唆したり、出現頻度が低い希少性があるキャラクタ画像を現出したりするように構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1154】
<変形例56>
上記第4実施形態では、「設定示唆演出」が「ラウンド一致」のタイミングで実行される場合に、残りリミット回数とラウンド数とが一致しているとき、「ラウンド開始表示」において「残りリミット回数示唆演出」として残りリミット回数の直値を現出していた。これに対し、「残りリミット回数示唆演出」として、直値ではなく曖昧な表現で行うように構成してもよい。具体的には、「設定示唆演出」と同様、「偶奇示唆」や「1否定示唆」や「456示唆」等、直値以外の表現で残りリミット回数を表現するように構成してもよい。そして、所定条件の成立(例えば、連続不利当たり回数等)によって、「残りリミット回数示唆演出」の内容を順に具体化するように構成する。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1155】
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
【1156】
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113にて実行されるコマンド判定処理(S911)において、停止種別コマンドを受信すれば必ず変動開始フラグをオンに設定する場合について説明したが、変動パターンコマンドの受信があった上で停止種別コマンドを受信した場合に、変動開始フラグをオンに設定してもよい。これにより、変動パターンコマンドの受信がなく、停止種別コマンドを受信したような場合に、おかしな変動演出が実行されることを抑制できる。
【1157】
また、変動パターンコマンドを受信したタイミングで、変動開始フラグをオンに設定してもよい。この場合、音声ランプ制御装置113にて実行される変動表示処理(S910)では、変動開始フラグがオンされたことに基づいて、変動パターンコマンドにより抽出した変動パターンを表示制御装置114へ通知する表示用変動パターンコマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113にて停止種別コマンドの受信を待つことなく、表示制御装置114に対して、この表示用変動パターンコマンドに基づき、変動演出を第3図柄表示装置81に実行させることができる。なお、この場合、音声ランプ制御装置113では、停止種別コマンドを受信したタイミングで、該停止種別コマンドより抽出された停止種別を表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。そして、表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に実行させた変動演出の停止図柄を決定してもよい。
【1158】
上記実施形態では、画像コントローラ236が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ236は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
【1159】
上記実施形態において、デモ演出は、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させてもよい。また、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させてもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させてもよい。
【1160】
上記実施形態において、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出を実行してもよいし、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、連続予告演出を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29~33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
【1161】
これにより、第3図柄表示装置81(および特別図柄表示装置37)において変動演出が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29~33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29~33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるで、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29~33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
【1162】
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29~33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
【1163】
尚、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29~33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29~33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
【1164】
また、連続予告演出が行われる場合に、変動演出とは別の連続予告演出用の画像が第3図柄表示装置81に表示させてもよいし、連続予告演出を、変動演出が終了したときに表示される停止図柄として、所定の図柄の組み合わせである、所謂「チャンス目」を表示させることによって行ってもよい。この場合、表示制御装置114のMPU221で実行されるコマンド判定処理(
図27(c)のS1602)にて連続予告コマンドの受信を判断すると、チャンス目に対応する停止図柄判別フラグをオンにすると共に、その他の停止図柄判別フラグをオフに設定するようにしてもよい。コマンド判定処理では、停止識別コマンド処理の後にその他コマンド処理の中で連続予告コマンドに対応する処理を実行するので、表示用停止識別コマンドの受信によって設定された停止図柄に代えて、チャンス目が停止図柄として設定される。よって、変動停止時にチャンス目を確定表示させることができる。そして、第3図柄表示装置81において、変動演出ごとに停止図柄としてチャンス目が連続して表示されれば、遊技者に対して、最終的に大当たりが得られる期待感を持たせることができる。
【1165】
上記実施形態において、主制御装置110は、第1始動口64a,第2始動口64bへの入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得された各カウンタC1~C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1~C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられてもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する先読み情報第1~第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
【1166】
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、保留球数コマンドを受信した場合に、該保留球数コマンドにて示される各カウンタC1~C3,CS1の値そのものをRAM223に格納してもよいし、保留球数コマンド(又は、各カウンタの値が示されるコマンド)を受信した場合に、該コマンドにて示される各カウンタの値に基づいて、大当たりか否か、大当たりの場合の大当たり種別、外れの場合の外れ種別等の一部または全部を判定し、これらの判定結果を、該コマンドにて示される各カウンタの値に代えて、または、該カウンタの値の一部または全部とあわせて、RAM223に格納してもよい。
【1167】
また、例えば、第2始動口64bへの始動入賞に基づく変動演出が、第1始動口64aへの始動入賞に基づく変動演出に対して優先して行われるようにしてもよい。または、第1始動口64aへの始動入賞に基づく変動演出が、第2始動口64bへの始動入賞に基づく変動演出に対して優先して行われるようにしてもよい。これにより、優先して変動演出が行われる始動口を、遊技者に対してより注目させることができる。
【1168】
上記実施形態において、入球した場合に大当たりの抽選が開始される始動口として、第1始動口64a及び第2始動口64bと2つの始動口が遊技盤13に配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、始動口の数は1つであってもよいし、3つ以上の複数であってもよい。なお、始動口が2以上ある場合、各々の始動口に対して、対応する保留球数カウンタをRAM203に用意し、始動口毎に、対応する始動口への入賞に伴って保留された保留球数をカウントするようにしてもよい。また、始動口毎に、対応する始動口への始動入賞に伴って保留可能な最大保留球数を設定してもよい。
【1169】
また、始動口が2以上ある場合、始動口への入賞に伴って保留が行われたことを通知するために主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの始動口への入賞によって保留が行われたかものかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの始動口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、始動口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された始動口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された始動口に対する保留球数カウンタを1減らせば、始動口毎に保留球数をカウントすることができる。
【1170】
また、複数の始動口が遊技盤13に配設される場合、それぞれの始動口への入賞(始動入賞)に伴って取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113へ通知してもよい。この場合、主制御装置110が始動入賞に伴い取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113に対して通知するためのコマンドには、いずれの始動口への始動入賞に伴って取得されたものであるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの始動口への始動入賞に伴う変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。更に、音声ランプ制御装置113のRAM223において、始動口毎にそれぞれ先読み情報格納エリアを用意し、対応する始動口への始動入賞に伴って主制御装置110より送信された各カウンタ値を、対応する先読み情報格納エリアに格納してもよい。これにより、変動パターンコマンドを受信する毎に、その変動パターンコマンドで示される変動演出の実行契機となった始動入賞を検出した始動口に対応する先読み情報格納エリアに対してシフト処理を行うことができる。よって、始動口毎に保留中の変動演出に対応する各カウンタの値を、音声ランプ制御装置113においても保持させることができる。従って、始動入賞した始動口により、大当たりとなる確率や大当たり種別の振り分け確率、外れ種別の振り分け確率等が異なるような場合に、先読み処理において、それぞれの変動演出について、大当たりとなるか否か、大当たりとなる場合の大当たり種別、外れとなる場合の外れ種別などを、どの始動口への始動入賞かに基づいて正しく判定することができる。また、1の始動口への始動入賞に基づく変動演出が、他の始動口への始動入賞に基づく変動演出に優先して行われるような場合に、1の始動口への始動入賞に基づく変動演出に対応するカウンタの値から順番に先読み処理を行うことができ、直近で大当たりとなる変動演出の保留回数を正しく判断することができる。
【1171】
また、複数の始動口が設けられている場合、音声ランプ制御装置113は、始動口への始動入賞に基づいて取得された各カウンタの値をコマンドにより主制御装置110から受信した場合に連続予告演出の開始を決定すると、始動入賞があった始動口に関わらず、その時点で保留されている全ての変動演出(保留球)にわたって、連続予告演出を実行させてもよい。また、複数の始動口が設けられており、一の始動口への入賞に対する変動演出を、他の始動口への入賞に対する変動演出よりも優先的に実行するパチンコ機においては、その優先的に変動演出が実行される始動口への入賞に対して取得されたカウンタ値の先読み結果のみから、連続予告演出の開始を決定するようにしてもよい。これにより、優先度の低い始動口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されない。仮に、優先度の低い始動口への入賞に対応する変動演出に対して連続予告演出が開始され、優先度の高い始動口に絶え間なく変動演出が保留される場合に、連続予告演出がなかなか終了しないという事態が生じるおそれがある。これに対し、本変形例では、優先度の低い始動口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されないので、そのような事態が生じることを抑えることができる。
【1172】
上記実施形態においては、第1始動口64a及び第2始動口64bへの入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1始動口64a及び第2始動口64bへの入賞に対し、始動口によって別箇に最大保留球数を設定するようにしてもよく、各々の始動口における最大保留球数は「4」以外の任意の数であってもよい。また、各始動口における最大保留球数は必ずしも同一の値とする必要はなく、異なる値であってもよい。また、第1始動口64a及び第2始動口64bへの入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、特別図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
【1173】
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
【1174】
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1~Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1~Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1~Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
【1175】
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【1176】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【1177】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【1178】
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
【1179】
<A群:リミット到達前に不利当たりした場合に設定示唆を導出し易い>
従来より、所定の始動条件の成立に基づいて当たり等の抽選が行われ、例えば、当たりに当選した場合には、所定の獲得条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技媒体を払い出す遊技機がある。
【1180】
この遊技機では、少なくとも、所定の第1遊技状態(例えば、特別図柄の低確率状態)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、特別図柄の高確率状態)とを発生可能に構成され、所定回数の当たりが発生するまでは、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第2遊技状態へ遷移可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に到達する場合に、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第1遊技状態へ遷移する(又は遷移し易い)機能(所謂、リミッタ機能)を有するものもある。
【1181】
具体的には、例えば、当たりの種類として、当たり終了後の遊技状態を遊技者にとって有利な第1遊技状態に遷移する第1当たりと、当たり終了後の遊技状態を第1遊技状態より遊技者にとって有利度が高い第2遊技状態に遷移する第2当たりとを備え、いずれの当たりであっても当たりが発生した回数を計数する。そして、所定回数の当たりが発生するまでは、当たりの種類として第1当たり及び第2当たりをそれぞれ導出可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に達する場合には、当たりの種類として第2当たりを導出せず第1当たりのみを導出するように構成する。このように構成することで、当たり回数が所定回数に到達する場合に、必ず(強制的に)第1遊技状態へと遷移させることができる(例えば、特許文献1(特開2008-295672号公報))。
【1182】
このような遊技機において、第2当たりより遊技者にとって有利度が低い(不利な)第1当たりに当選した場合であっても、当たりが1回発生したとして計数され、当たり回数が所定回数に到達するまでの残り回数(以下、「残り当たり回数」と称する場合がある)が減少するように構成されている。このような場合、遊技者は、折角当たりに当選したにもかかわらず、遊技者にとって有利な第2当たりではなく遊技者にとって不利な第1当たりが発生したことによる失望感と、第2当たりが発生し得る残り当たり回数が減少して強制的に第1当たりが発生してしまう所定回数に近づいたことによる失望感とが相俟って、遊技意欲が減退し、該遊技機における遊技を中止してしまい、該遊技機の稼働が低下するおそれがある。
【1183】
A群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【1184】
所定の第1遊技状態(例えば、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」)と、
該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)と、を発生可能であり、
所定条件の成立(例えば、第1始動口64aへの入賞)に基づいて判定情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1の値)を取得する判定情報取得手段(例えば、第1始動口64a)と、
該判定情報取得手段により取得された前記判定情報を判定する判定手段(例えば、変動開始処理(S410))と、
該判定手段によって所定の抽選結果(例えば、大当たり当選)が導出されることに基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態(例えば、大当たり遊技)を発生する特別遊技発生手段(例えば、大入賞口開閉制御処理(S509))と、を備えた遊技機において、
前記所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果(例えば、大当たり種別「時短A」又は「潜伏確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第1遊技状態へ移行する第1移行手段(例えば、「時間短縮状態」への移行、又は、「潜伏確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果(例えば、大当たり種別「確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第2遊技状態へ移行する第2移行手段(例えば、「確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果が導出された導出回数を計数する計数手段(例えば、リミットカウンタ203h)と、
該計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が所定数(例えば、6回)計数される場合に、該計数手段の計数結果を更新(初期化)する計数更新手段(例えば、リミットカウンタ203hの「0」クリア)と、
遊技機に関する遊技機情報を遊技者に示唆する遊技機情報示唆手段(例えば、「設定示唆演出」)と、を備え、
前記判定手段は、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」未満の場合の当否判定)と、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達した場合には、前記所定の抽選結果として、前記第2抽選結果以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」以上の場合の当否判定)と、を備え、
前記遊技機情示唆知手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記第2抽選結果が導出されたときより前記遊技機情報の導出態様を変更する導出態様変更手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機A0。
【1185】
遊技機A0によれば、所定の第1遊技状態と、その第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とが発生可能に構成され、判定情報取得手段により、所定条件の成立に基づいて判定情報が取得され、その判定情報取得手段により取得された判定情報が、判定手段により判定される。そして、判定手段によって所定の抽選結果が導出されることに基づいて、特別遊技発生手段により、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態が発生される。ここで、所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果が導出された場合に、第1移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態へ移行される。また、所定の抽選結果として、第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果が導出された場合に、第2移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態へ移行される。そして、所定の抽選結果が導出された導出回数が計数手段により計数され、その計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、計数更新手段により、計数手段の計数結果が更新される。また、遊技機情報示唆手段により、遊技機に関する遊技機情報が導出される。ここで、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数未満の場合に、判定手段に設けられた通常時判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果又は第2抽選結果が導出され得て、また、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合には、判定手段に設けられた到達時判定手段により、所定の抽選結果として、第2抽選結果以外の抽選結果が導出され得る。そして、遊技機情報示唆手段に設けられた導出態様変更手段により、第1抽選結果が導出された場合には、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報の導出態様が変更される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が、第2遊技状態より有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報の導出態様を変更して実行する。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報が変更され、第2抽選結果が導出される場合と異なる情報を得ることができ、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1186】
遊技機A0において、
前記導出態様変更手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記第2抽選結果が導出されたときより前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機A1。
【1187】
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、導出態様変更手段により、第1抽選結果が導出された場合には、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が、第2遊技状態より有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1188】
遊技機A0又はA1において、
前記判定手段による前記所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定キー501)、を備え、
前記遊技機情報は、
前記設定手段によって設定された前記設定値を遊技者に示唆する示唆情報である
ことを特徴とする遊技機A2。
【1189】
遊技機A2によれば、遊技機A0又はA1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により、判定手段による所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値が変更可能に構成される。そして、遊技機情報が、設定手段によって設定された設定値を遊技者に示唆する示唆情報とされる。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が所定の抽選結果が導出される確率である設定値に関する情報を知り易くし、該遊技機における遊技を継続するか否かの判断要素が増えるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1190】
遊技機A0からA2のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が少ない若しくは無いときに、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機A3。
【1191】
遊技機A3によれば、遊技機A0からA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が少ない若しくは無いときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、所定の導出結果の計数値と、強制的に第2抽選結果以外の抽選結果(例えば、第1抽選結果)が導出される所定数との差が少ない若しくは無いとき、遊技機情報を導出し易くする。これにより、例えば、遊技者にとって不利な第1抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1192】
遊技機A0からA3のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記判定手段によって、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達し、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果が導出されたとき、前記遊技機情報を導出しない情報非導出手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機A4。
【1193】
遊技機A4によれば、遊技機A0からA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達し、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出されたとき、遊技機情報示唆手段に設けられた情報非導出手段により、遊技機情報を導出しないように構成される。即ち、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達する場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技者にとって不利な事象ではあるものの、必須の事象であるため、遊技機情報が導出されないように構成される。つまり、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果は到来するものであるので、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した際に導出される第1抽選結果においても遊技機情報を導出した場合には、該遊技機情報の導出が頻出してしまうおそれがある。そこで、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技機情報を導出しないように構成することで、遊技者自身の引きによってのみ遊技機情報が導出されることとなり、遊技機情報が導出されるか否かの遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1194】
遊技機A0からA4のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第2抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が大きいときに、前記遊技機情報を導出し難い
ことを特徴とする遊技機A5。
【1195】
遊技機A5によれば、遊技機A0からA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が大きいときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され難いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行される第2抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の計数値と、強制的に第1抽選結果が導出される所定数との差が大きいとき、遊技機情報を導出し難くする。これにより、遊技者にとって有利な第2抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に到達するまで余裕(例えば、少なくとも1回以上の所定の抽選結果の導出契機が存在)があるときは、遊技機情報を導出し難くし、遊技機情報の希少性を増加させることで、遊技機情報が導出されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1196】
遊技機A0からA5のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果が連続して導出されたか否かを判別する連続判別手段、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記連続判別手段によって前記第1抽選結果が連続して導出されていると判別されたとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機A6。
【1197】
遊技機A6によれば、遊技機A0からA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続判別手段により、第1抽選結果が連続して導出されたか否かが判別される。そして、第1抽選結果が導出された場合に、連続判別手段によって第1抽選結果が連続して導出されていると判別されたとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が連続して導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が連続して減少してしまった場合でも、遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第1抽選結果が連続して導出されて、強制的に第1抽選結果が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が連続して導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1198】
遊技機A0からA5のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果が導出された回数を計数する不利回数計数手段と、
前記計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数計数される場合に、前記不利回数計数手段の計数結果を更新(初期化)する不利回数更新手段と、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記不利回数計数手段における前記第1抽選結果の回数が所定数以上のとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機A7。
【1199】
遊技機A7によれば、遊技機A0からA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、不利回数計数手段により、第1抽選結果が導出された回数が計数され、計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、不利回数更新手段により、不利回数計数手段の計数結果が更新(初期化)される。そして、第1抽選結果が導出された場合に、不利回数計数手段における第1抽選結果の回数が所定数以上(例えば、3以上)のとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第1抽選結果の導出回数が所定数以上のとき遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第1抽選結果が多く導出されて、強制的に第1抽選結果が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が多く導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1200】
遊技機A0からA7のいずれかにおいて、
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能であって、前記第1入球手段と異なる第2入球手段(例えば、スルーゲート67)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球し易い入球容易状態と、該入球容易状態より前記第1入球手段に遊技球が入球し難い若しくは入球不可な入球困難状態とに変化可能な可動手段(例えば、普通電役64c)と、
該可動手段を駆動する駆動手段(例えば、普通電役ソレノイド)と、を備え、
前記判定情報取得手段は、
前記第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第1判定情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1値)を取得する第1判定情報取得手段と、
前記第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第2判定情報(例えば、普図当たりカウンタC4値)を取得する第2判定情報取得手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記第1判定情報取得手段により取得された前記第1判定情報を判定する第1判定手段と、
前記第2判定情報取得手段により取得された前記第2判定情報を判定する第2判定手段と、を備え、
前記特別遊技発生手段は、
前記第1判定手段の判定結果に基づいて前記可変入球手段を変化させ、
前記駆動手段は、
前記第2判定手段の判定結果に基づいて前記可動手段を駆動し、
前記第2遊技状態における前記入球容易状態となる期間より、前記第1遊技状態における前記入球容易状態となる期間が短くなるように前記可動手段を駆動する
ことを特徴とする遊技機A8。
【1201】
遊技機A8によれば、遊技機A0からA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により、遊技球が発射され、その発射手段により発射された遊技球が、第1入球手段に入球可能に構成され、同じく発射手段により発射された遊技球が、第1入球手段と異なる第2入球手段に入球可能に構成される。また、可変入球手段が、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能に構成される。そして、可動手段が、第1入球手段に遊技球が入球し易い入球容易状態と、その入球容易状態より第1入球手段に遊技球が入球し難い若しくは入球不可な入球困難状態とに変化可能に構成され、駆動手段により、その可動手段が駆動される。ここで、第1入球手段への遊技球の入球に基づいて、判定情報取得手段に設けられた第1判定情報取得手段により、第1判定情報が取得され、第2入球手段への遊技球の入球に基づいて、判定情報取得手段に設けられた第2判定情報取得手段により、第2判定情報が取得される。そして、判定手段に設けられた第1判定手段により、第1判定情報取得手段により取得された第1判定情報が判定され、同じく判定手段に設けられた第2判定手段により、第2判定情報取得手段により取得された第2判定情報が判定される。さらに、特別遊技発生手段により、第1判定手段の判定結果に基づいて可変入球手段が変化される。ここで、駆動手段により、第2判定手段の判定結果に基づいて可動手段が駆動され、第2遊技状態における入球容易状態となる期間より、第1遊技状態における入球容易状態となる期間が短くなるように可動手段が駆動される。即ち、第1遊技状態では、第2遊技状態より第1入球手段へ遊技球が入球し易い期間が短いため、第1入球手段への遊技球の入球に基づく第1判定手段による判定機会が得難くなるように構成されている。これにより、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より第1判定手段による判定機会が得難い第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1遊技状態へ移行する第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1202】
遊技機A8において、
前記第2判定手段は、
前記第2遊技状態において前記駆動手段によって前記可動手段が駆動される確率より、前記第1遊技状態において前記駆動手段によって前記可動手段が駆動される確率が低くなるように構成されている
ことを特徴とする遊技機A9。
【1203】
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において駆動手段によって可動手段が駆動される確率より、第1遊技状態において駆動手段によって可動手段が駆動される確率が低くなるように、第2判定手段によって判定される。即ち、第1遊技状態では、第2遊技状態より可動手段が駆動される確率が低いため、第1入球手段への遊技球の入球に基づく第1判定手段による判定機会が得難くなるように構成されている。そこで、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より第1判定手段による判定機会が得難い第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1遊技状態へ移行する第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1204】
遊技機A0からA9のいずれかにおいて、
前記計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達したことを報知しない
ことを特徴とする遊技機A10。
【1205】
遊技機A10によれば、遊技機A0からA9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことが報知されないように構成される。即ち、導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者に判別できないように構成する。
【1206】
従来、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した場合、強制的に第2遊技状態に移行し得ない第1抽選結果に当選するように構成されている一方、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでは、第2遊技状態に移行する第2抽選結果に当選し得るように構成されている。このため、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後は、所定の抽選結果として第2抽選結果が導出され得る回数が最大となっている。この状態で遊技を行った場合に、第2抽選結果が導出され得る回数を最大化することができる一方、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミング、即ち、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した後、少なくとも1以上の所定の抽選結果が導出された後は、第2抽選結果が導出され得る回数が最大ではなく、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後より第2抽選結果が導出され得る回数が少なくなってしまう。このため、遊技を行う遊技機の選定時において、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであることを認識した遊技者は、得られる遊技価値が減少していると判断して、該遊技機における遊技を敬遠し、該遊技機の稼働率が低下してしまうおそれがある。
【1207】
そこで、遊技機A10によれば、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達したことを遊技者に報知しないように構成し、導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くなるように構成する。これにより、所定の抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1208】
遊技機A10において、
前記計数手段によって計数された前記所定の抽選結果の導出回数と前記所定数との差を報知しない
ことを特徴とする遊技機A11。
【1209】
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計数手段によって計数された所定の抽選結果の導出回数と所定数との差が報知されないように構成される。即ち、所定の抽選結果として第2抽選結果が導出され得る回数を遊技者に判別できないように構成する。これにより、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1210】
遊技機A8からA11のいずれかにおいて、
前記発射手段は、
前記第1遊技状態において、所定の第1発射態様で遊技球を発射する第1発射態様手段(例えば、左打ち遊技に関する制御)と、
前記第2遊技状態において、前記第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球を発射する第2発射態様手段(例えば、右打ち遊技に関する制御)と、を備え、
前記第1入球手段は、
前記第1発射態様で発射された遊技球が入球し得る第1発射態様入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第2発射態様で発射された遊技球が入球し得る第2発射態様入球手段(例えば、第2始動口64b)と、を備え、
前記第1判定手段は、
前記第1発射態様入球手段または前記第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満のとき、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る
ことを特徴とする遊技機A12。
【1211】
遊技機A12によれば、遊技機A8からA11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態において、発射手段に設けられた第1発射態様手段により、所定の第1発射態様で遊技球が発射され、第2遊技状態において、発射手段に設けられた第2発射態様手段により、第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球が発射される。また、第1発射態様で発射された遊技球が、第1入球手段としての第1発射態様入球手段に入球可能に構成され、第2発射態様で発射された遊技球が、第1入球手段としての第2発射態様入球手段に入球可能に構成される。そして、第1発射態様入球手段または第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数未満のとき、第1判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果または第2抽選結果が導出され得る。即ち、第2遊技状態において第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合において、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数未満のときであっても、第1抽選結果が導出され得て、第1遊技状態に移行され得るように構成する。これにより、第2遊技状態において、第2発射態様入球手段に遊技球が入球したことに基づいて導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くする。その結果、所定の抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1212】
遊技機A12において、
前記第1判定手段は、
前記第1発射態様入球手段または前記第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達したとき、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果を導出し得る
ことを特徴とする遊技機A13。
【1213】
遊技機A13によれば、遊技機A12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1発射態様入球手段または第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したとき、第1判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出され得る。即ち、第1遊技状態において第1発射態様入球手段に遊技球が入球した場合において、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したときであっても、第1抽選結果が導出され得て、第1遊技状態に移行され得るように構成する。これにより、第1遊技状態において、第1発射態様入球手段に遊技球が入球したことに基づいて導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くする。その結果、所定の抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1214】
<B群:リミット到達前に不利当たりした場合に設定示唆内容が具体化>
従来より、所定の始動条件の成立に基づいて当たり等の抽選が行われ、例えば、当たりに当選した場合には、所定の獲得条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技媒体を払い出す遊技機がある。
【1215】
この遊技機では、少なくとも、所定の第1遊技状態(例えば、特別図柄の低確率状態)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、特別図柄の高確率状態)とを発生可能に構成され、所定回数の当たりが発生するまでは、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第2遊技状態へ遷移可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に到達する場合に、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第1遊技状態へ遷移する機能(所謂、リミッタ機能)を有するものもある。
【1216】
具体的には、例えば、当たりの種類として、当たり終了後の遊技状態を第1遊技状態に遷移する第1当たりと、当たり終了後の遊技状態を第2遊技状態に遷移する第2当たりとを備え、いずれの当たりであっても当たりが発生した回数を計数する。そして、所定回数の当たりが発生するまでは、当たりの種類として第1当たり及び第2当たりをそれぞれ導出可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に達する場合には、当たりの種類として第2当たりを導出せず第1当たりのみを導出するように構成する。このように構成することで、当たり回数が所定回数に到達する場合に、第1遊技状態へと遷移させることができる(例えば、特許文献1(特開2008-295672号公報))。
【1217】
このような遊技機において、第2当たりより遊技者にとって不利な第1当たりに当選した場合であっても、当たりが1回発生したとして計数され、当たり回数が所定回数に到達するまでの残り回数(以下、「残り当たり回数」と称する場合がある)が減少するように構成されている。このような場合、遊技者は、折角当たりに当選したにもかかわらず、遊技者にとって有利な第2当たりではなく遊技者にとって不利な第1当たりが発生したことによる失望感と、第2当たりが発生し得る残り当たり回数が減少して強制的に第1当たりが発生してしまう所定回数に近づいたことによる失望感とが相俟って、遊技意欲が減退し、該遊技機における遊技を中止してしまい、該遊技機の稼働が低下するおそれがある。
【1218】
B群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【1219】
所定の第1遊技状態(例えば、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」)と、
該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)と、を発生可能であり、
所定条件の成立(例えば、第1始動口64aへの入賞)に基づいて判定情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1の値)を取得する判定情報取得手段(例えば、第1始動口64a)と、
該判定情報取得手段により取得された前記判定情報を判定する判定手段(例えば、変動開始処理(S410))と、
該判定手段によって所定の抽選結果(例えば、大当たり当選)が導出されることに基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態(例えば、大当たり遊技)を発生する特別遊技発生手段(例えば、大入賞口開閉制御処理(S509))と、を備えた遊技機において、
前記所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果(例えば、大当たり種別「時短A」又は「潜伏確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第1遊技状態へ移行する第1移行手段(例えば、「時間短縮状態」への移行、又は、「潜伏確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果(例えば、大当たり種別「確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第2遊技状態へ移行する第2移行手段(例えば、「確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果が導出された導出回数を計数する計数手段(例えば、リミットカウンタ203h)と、
該計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が所定数(例えば、6回)計数される場合に、該計数手段の計数結果を更新(初期化)する計数更新手段(例えば、リミットカウンタ203hの「0」クリア)と、
遊技機に関する遊技機情報を示唆する遊技機情報示唆手段(例えば、「設定示唆演出」)と、を備え、
前記判定手段は、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」未満の場合の当否判定)と、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達した場合には、前記所定の抽選結果として、前記第2抽選結果以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」以上の場合の当否判定)と、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が連続して導出された場合、前記第2抽選結果が導出されたときより前記遊技機情報を具体化し得る示唆具体化手段(例えば、示唆内容抽選テーブル222f)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B0。
【1220】
遊技機B0によれば、所定の第1遊技状態と、その第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とが発生可能に構成され、判定情報取得手段により、所定条件の成立に基づいて判定情報が取得され、その判定情報取得手段により取得された判定情報が、判定手段により判定される。そして、判定手段によって所定の抽選結果が導出されることに基づいて、特別遊技発生手段により、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態が発生される。ここで、所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果が導出された場合に、第1移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態へ移行される。また、所定の抽選結果として、第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果が導出された場合に、第2移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態へ移行される。そして、所定の抽選結果が導出された導出回数が計数手段により計数され、その計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、計数更新手段により、計数手段の計数結果が更新される。また、遊技機情報示唆手段により、遊技機に関する遊技機情報が導出される。ここで、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数未満の場合に、判定手段に設けられた通常時判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果または第2抽選結果が導出され得て、また、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合には、判定手段に設けられた到達時判定手段により、所定の抽選結果として、第2抽選結果以外の抽選結果が導出され得る。そして、遊技機情報示唆手段に設けられた示唆具体化手段により、第1抽選結果が導出された場合には、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報が具体化され得る。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が、第2遊技状態より有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報をより正確に認識し易くなる。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を正確に認識し易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1221】
なお、「遊技機情報を具体化し得る示唆具体化手段」とは、例えば、遊技機情報の内容を遊技者がより理解(認識)し易いように直接的な内容(例えば、「直値示唆」)で表示する場合や、遊技機情報の内容を遊技者がより理解(認識)し易いように抽象化した内容(例えば、「1否定示唆」)から具現化(詳細化)した内容(例えば、「直値示唆」)で導出する場合、遊技機情報からの推測困難な内容から推測可能な内容(例えば、「456示唆」)で表示する場合、遊技機情報を視認し難い状態から遊技機情報を視認し易い状態で導出する場合、遊技機情報が不正確な状態から遊技機情報をより正確に認識し易い状態で導出する場合等が例示される。
【1222】
遊技機B0において、
前記判定手段による前記所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定キー501)、を備え、
前記遊技機情報は、
前記設定手段によって設定された前記設定値を遊技者に示唆する示唆情報である
ことを特徴とする遊技機B1。
【1223】
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により、判定手段による所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値が変更可能に構成される。そして、遊技機情報が、設定手段によって設定された設定値を遊技者に示唆する示唆情報とされる。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が所定の抽選結果が導出される確率である設定値に関する情報を具体的に認識し易くし、該遊技機における遊技を継続するか否かの判断要素が増えるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1224】
遊技機B0又はB1において、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が少ない若しくは無いときに、前記遊技機情報を具体化する
ことを特徴とする遊技機B2。
【1225】
遊技機B2によれば、遊技機B0又はB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が少ない若しくは無いときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が具体化され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、所定の導出結果の計数値と、強制的に第1抽選結果が導出される所定数との差が少ない若しくは無いとき、遊技機情報をより正確に認識可能となる。これにより、遊技者にとって不利な第1抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を正確に認識し易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1226】
遊技機B0からB2のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記判定手段によって、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達し、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果が導出されたとき、前記遊技機情報を導出しない情報非導出手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B3。
【1227】
遊技機B3によれば、遊技機B0からB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達し、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出されたとき、遊技機情報示唆手段に設けられた情報非導出手段により、遊技機情報を導出しないように構成される。即ち、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達する場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技者にとって不利な事象ではあるものの、必須の事象であるため、遊技機情報が導出されないように構成される。所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果は到来するものであるので、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した際に導出される第1抽選結果においても遊技機情報を導出した場合には、該遊技機情報の導出が頻出してしまうおそれがある。そこで、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技機情報を導出しないように構成することで、遊技者自身の引きによってのみ遊技機情報が導出されることとなり、遊技機情報が導出されるか否かの遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1228】
遊技機B0からB3のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第2抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が大きいときに、前記遊技機情報を抽象化する
ことを特徴とする遊技機B4。
【1229】
遊技機B4によれば、遊技機B0からB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が大きいときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が抽象化されるように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行される第2抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の計数値と、強制的に第1抽選結果が導出される所定数との差が大きいとき、遊技機情報を正確に認識し難くする。これにより、遊技者にとって有利な第2抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に到達するまで余裕(例えば、少なくとも1回以上の所定の抽選結果の導出契機が存在)があるときは、遊技機情報を正確に認識し難くすることで、遊技機情報が正確に示唆されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1230】
なお、「遊技機情報を抽象化する」とは、例えば、遊技機情報の内容を遊技者がより理解(認識)し難いように間接的な内容(例えば、「偶奇示唆」)で表示する場合や、遊技機情報からの推測困難な内容(例えば、「1否定示唆」)で表示する場合、遊技機情報を視認し難い状態で示唆する場合等が例示される。
【1231】
遊技機B0からB4のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果が連続して導出されたか否かを判別する連続判別手段、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記連続判別手段によって前記第1抽選結果が連続して導出されていると判別されたとき、前記遊技機情報を具体化する
ことを特徴とする遊技機B5。
【1232】
遊技機B5によれば、遊技機B0からB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続判別手段により、第1抽選結果が連続して導出されたか否かが判別される。そして、第1抽選結果が導出された場合に、連続判別手段によって第1抽選結果が連続して導出されていると判別されたとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が具体化されるように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が連続して導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が連続して減少してしまった場合でも、遊技機情報をより正確に認識可能となる。これにより、遊技者にとって不利な第1抽選結果が連続して導出されて、強制的に第1抽選結果が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を正確に認識し易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が連続して導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1233】
遊技機B0からB4のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果が導出された回数を計数する不利回数計数手段と、
前記計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数計数される場合に、前記不利回数計数手段の計数結果を更新(初期化)する不利回数更新手段と、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記不利回数計数手段における前記第1抽選結果の回数が所定数以上のとき、前記遊技機情報を具体化する
ことを特徴とする遊技機B6。
【1234】
遊技機B6によれば、遊技機B0からB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、不利回数計数手段により、第1抽選結果が導出された回数が計数され、計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、不利回数更新手段により、不利回数計数手段の計数結果が更新(初期化)される。そして、第1抽選結果が導出された場合に、不利回数計数手段における第1抽選結果の回数が所定数以上(例えば、2回以上)のとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が具体化されるように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第1抽選結果の導出回数が所定数以上のとき遊技機情報をより正確に認識可能となる。これにより、遊技者にとって不利な第1抽選結果が多く導出されて、強制的に第1抽選結果が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を正確に認識し易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が多く導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1235】
遊技機B0からB6のいずれかにおいて、
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能であって、前記第1入球手段と異なる第2入球手段(例えば、スルーゲート67)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球し易い入球容易状態と、該入球容易状態より前記第1入球手段に遊技球が入球し難い若しくは入球不可な入球困難状態とに変化可能な可動手段(例えば、普通電役64c)と、
該可動手段を駆動する駆動手段(例えば、普通電役ソレノイド)と、を備え、
前記判定情報取得手段は、
前記第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第1判定情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1値)を取得する第1判定情報取得手段と、
前記第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第2判定情報(例えば、普図当たりカウンタC4値)を取得する第2判定情報取得手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記第1判定情報取得手段により取得された前記第1判定情報を判定する第1判定手段と、
前記第2判定情報取得手段により取得された前記第2判定情報を判定する第2判定手段と、を備え、
前記特別遊技発生手段は、
前記第1判定手段の判定結果に基づいて前記可変入球手段を変化させ、
前記駆動手段は、
前記第2判定手段の判定結果に基づいて前記可動手段を駆動し、
前記第2遊技状態における前記入球容易状態となる期間より、前記第1遊技状態における前記入球容易状態となる期間が短くなるように前記可動手段を駆動する
ことを特徴とする遊技機B7。
【1236】
遊技機B7によれば、遊技機B0からB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により、遊技球が発射され、その発射手段により発射された遊技球が、第1入球手段に入球可能に構成され、同じく発射手段により発射された遊技球が、第1入球手段と異なる第2入球手段に入球可能に構成される。また、可変入球手段が、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能に構成される。そして、可動手段が、第1入球手段に遊技球が入球し易い入球容易状態と、その入球容易状態より第1入球手段に遊技球が入球し難い若しくは入球不可な入球困難状態とに変化可能に構成され、駆動手段により、その可動手段が駆動される。ここで、第1入球手段への遊技球の入球に基づいて、判定情報取得手段に設けられた第1判定情報取得手段により、第1判定情報が取得され、第2入球手段への遊技球の入球に基づいて、判定情報取得手段に設けられた第2判定情報取得手段により、第2判定情報が取得される。そして、判定手段に設けられた第1判定手段により、第1判定情報取得手段により取得された第1判定情報が判定され、同じく判定手段に設けられた第2判定手段により、第2判定情報取得手段により取得された第2判定情報が判定される。さらに、特別遊技発生手段により、第1判定手段の判定結果に基づいて可変入球手段が変化される。ここで、駆動手段により、第2判定手段の判定結果に基づいて可動手段が駆動され、第2遊技状態における入球容易状態となる期間より、第1遊技状態における入球容易状態となる期間が短くなるように可動手段が駆動される。即ち、第1遊技状態では、第2遊技状態より第1入球手段へ遊技球が入球し易い期間が短いため、第1入球手段への遊技球の入球に基づく第1判定手段による判定機会が得難くなるように構成されている。これにより、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より第1判定手段による判定機会が得難い第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1遊技状態へ移行する第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1237】
遊技機B7において、
前記第2判定手段は、
前記第2遊技状態において前記駆動手段によって前記可動手段が駆動される確率より、前記第1遊技状態において前記駆動手段によって前記可動手段が駆動される確率が低くなるように構成されている
ことを特徴とする遊技機B8。
【1238】
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において駆動手段によって可動手段が駆動される確率より、第1遊技状態において駆動手段によって可動手段が駆動される確率が低くなるように、第2判定手段によって判定される。即ち、第1遊技状態では、第2遊技状態より可動手段が駆動される確率が低いため、第1入球手段への遊技球の入球に基づく第1判定手段による判定機会が得難くなるように構成されている。そこで、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より第1判定手段による判定機会が得難い第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1遊技状態へ移行する第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1239】
遊技機B0からB8のいずれかにおいて、
前記計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達したことを報知しない
ことを特徴とする遊技機B9。
【1240】
遊技機B9によれば、遊技機B0からB8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことが報知されないように構成される。即ち、導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者に判別できないように構成する。
【1241】
従来、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した場合、強制的に第2遊技状態に移行し得ない第1抽選結果に当選するように構成されている一方、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでは、第2遊技状態に移行する第2抽選結果に当選し得るように構成されている。このため、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後は、所定の抽選結果として第2抽選結果が導出され得る回数が最大となっている。この状態で遊技を行った場合に、第2抽選結果が導出され得る回数を最大化することができる一方、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミング、即ち、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した後、少なくとも1以上の所定の抽選結果が導出された後は、第2抽選結果が導出され得る回数が最大ではなく、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後より第2抽選結果が導出され得る回数が少なくなってしまう。このため、遊技を行う遊技機の選定時において、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであることを認識した遊技者は、得られる遊技価値が減少していると判断して、該遊技機における遊技を敬遠し、該遊技機の稼働率が低下してしまうおそれがある。
【1242】
そこで、遊技機B9によれば、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達したことを遊技者に報知しないように構成し、導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くなるように構成する。これにより、所定の抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1243】
遊技機B9において、
前記計数手段によって計数された前記所定の抽選結果の導出回数と前記所定数との差を報知しない
ことを特徴とする遊技機B10。
【1244】
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計数手段によって計数された所定の抽選結果の導出回数と所定数との差が報知されないように構成される。即ち、所定の抽選結果として第2抽選結果が導出され得る回数を遊技者に判別できないように構成する。これにより、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1245】
遊技機B7からB10のいずれかにおいて、
前記発射手段は、
前記第1遊技状態において、所定の第1発射態様で遊技球を発射する第1発射態様手段(例えば、左打ち遊技に関する制御)と、
前記第2遊技状態において、前記第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球を発射する第2発射態様手段(例えば、右打ち遊技に関する制御)と、を備え、
前記第1入球手段は、
前記第1発射態様で発射された遊技球が入球し得る第1発射態様入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第2発射態様で発射された遊技球が入球し得る第2発射態様入球手段(例えば、第2始動口64b)と、を備え、
前記第1判定手段は、
前記第1発射態様入球手段または前記第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満のとき、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る
ことを特徴とする遊技機B11。
【1246】
遊技機B11によれば、遊技機B7からB10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態において、発射手段に設けられた第1発射態様手段により、所定の第1発射態様で遊技球が発射され、第2遊技状態において、発射手段に設けられた第2発射態様手段により、第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球が発射される。また、第1発射態様で発射された遊技球が、第1入球手段としての第1発射態様入球手段に入球可能に構成され、第2発射態様で発射された遊技球が、第1入球手段としての第2発射態様入球手段に入球可能に構成される。そして、第1発射態様入球手段または第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数未満のとき、第1判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果または第2抽選結果が導出され得る。即ち、第2遊技状態において第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合であっても、第1抽選結果が導出され得て、第1遊技状態に移行され得るように構成する。これにより、第2遊技状態において、第2発射態様入球手段に遊技球が入球したことに基づいて導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くする。その結果、所定の抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1247】
遊技機B11において、
前記第1判定手段は、
前記第1発射態様入球手段または前記第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達したとき、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果を導出し得る
ことを特徴とする遊技機B12。
【1248】
遊技機B12によれば、遊技機B11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1発射態様入球手段または第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したとき、第1判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出され得る。即ち、第1遊技状態において第1発射態様入球手段に遊技球が入球した場合において、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したときであっても、第1抽選結果が導出され得て、第1遊技状態に移行され得るように構成する。これにより、第1遊技状態において、第1発射態様入球手段に遊技球が入球したことに基づいて導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くする。その結果、所定の抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1249】
<C群:リミット到達時における引き戻しで設定示唆内容を変化>
従来より、所定の始動条件の成立に基づいて当たり等の抽選が行われ、例えば、当たりに当選した場合には、所定の獲得条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技媒体を払い出す遊技機がある。
【1250】
この遊技機では、少なくとも、所定の第1遊技状態(例えば、特別図柄の低確率状態)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、特別図柄の高確率状態)とを発生可能に構成され、所定回数の当たりが発生するまでは、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第2遊技状態へ遷移可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に到達する場合に、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第1遊技状態へ遷移する機能(所謂、リミッタ機能)を有するものもある。
【1251】
具体的には、例えば、当たりの種類として、当たり終了後の遊技状態を第1遊技状態に遷移する第1当たりと、当たり終了後の遊技状態を第2遊技状態に遷移する第2当たりとを備え、いずれの当たりであっても当たりが発生した回数を計数する。そして、所定回数の当たりが発生するまでは、当たりの種類として第1当たり及び第2当たりをそれぞれ導出可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に達する場合には、当たりの種類として第2当たりを導出せず第1当たりのみを導出するように構成する。このように構成することで、当たり回数が所定回数に到達する場合に、第1遊技状態へと遷移させることができる(例えば、特許文献1(特開2008-295672号公報))。
【1252】
このような遊技機において、第2当たりより遊技者にとって不利な第1当たりに当選した場合であっても、当たりが1回発生したとして計数され、当たり回数が所定回数に到達するまでの残り回数(以下、「残り当たり回数」と称する場合がある)が減少するように構成されている。このような場合、遊技者は、折角当たりに当選したにもかかわらず、遊技者にとって有利な第2当たりではなく遊技者にとって不利な第1当たりが発生したことによる失望感と、第2当たりが発生し得る残り当たり回数が減少して強制的に第1当たりが発生してしまう所定回数に近づいたことによる失望感とが相俟って、遊技意欲が減退し、該遊技機における遊技を中止してしまい、該遊技機の稼働が低下するおそれがある。
【1253】
C群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【1254】
所定の第1遊技状態(例えば、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」)と、
該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)と、を発生可能であり、
所定条件の成立(例えば、第1始動口64aへの入賞)に基づいて判定情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1の値)を取得する判定情報取得手段(例えば、第1始動口64a)と、
該判定情報取得手段により取得された前記判定情報を判定する判定手段(例えば、変動開始処理(S410))と、
該判定手段によって所定の抽選結果(例えば、大当たり当選)が導出されることに基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態(例えば、大当たり遊技)を発生する特別遊技発生手段(例えば、大入賞口開閉制御処理(S509))と、を備えた遊技機において、
前記所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果(例えば、大当たり種別「時短A」又は「潜伏確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第1遊技状態へ移行する第1移行手段(例えば、「時間短縮状態」への移行、又は、「潜伏確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果(例えば、大当たり種別「確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第2遊技状態へ移行する第2移行手段(例えば、「確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果が導出された導出回数を計数する計数手段(例えば、リミットカウンタ203h)と、
該計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が所定数(例えば、6回)計数される場合に、該計数手段の計数結果を更新(初期化)する計数更新手段(例えば、リミットカウンタ203hの「0」クリア)と、
遊技機に関する遊技機情報を示唆する遊技機情報示唆手段(例えば、「設定示唆演出」)と、を備え、
前記判定手段は、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段と、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達した場合には、前記所定の抽選結果として、前記第2抽選結果以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段と、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記到達時判定手段によって前記第2抽選結果以外の抽選結果が導出されたことによって移行された前記第1遊技状態中に前記所定の抽選結果が導出された場合に、それ以前より前記遊技機情報を導出し易くする導出易化手段(例えば、引き戻しカウンタ223hを加算することによる「設定示唆演出」の当選確率アップ)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C0。
【1255】
遊技機C0によれば、所定の第1遊技状態と、その第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とが発生可能に構成され、判定情報取得手段により、所定条件の成立に基づいて判定情報が取得され、その判定情報取得手段により取得された判定情報が、判定手段により判定される。そして、判定手段によって所定の抽選結果が導出されることに基づいて、特別遊技発生手段により、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態が発生される。ここで、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出された場合に、第1移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態へ移行される。また、所定の抽選結果として、第1抽選結果と異なる第2抽選結果が導出された場合に、第2移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態へ移行される。そして、所定の抽選結果が導出された導出回数が計数手段により計数され、その計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、計数更新手段により、計数手段の計数結果が更新される。また、遊技機情報示唆手段により、遊技機に関する遊技機情報が導出される。ここで、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数未満の場合に、判定手段に設けられた通常時判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果または第2抽選結果が導出され得て、また、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合には、判定手段に設けられた到達時判定手段により、所定の抽選結果として、第2抽選結果以外の抽選結果が導出され得る。そして、到達時判定手段によって第2抽選結果以外の抽選結果が導出されたことによって移行された第1遊技状態中に所定の抽選結果が導出された場合、遊技機情報示唆手段に設けられた導出易化手段により、それ以前より遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、所定の抽選結果が所定数に到達した場合に移行される第1遊技状態中において、改めて所定の抽選結果を導出させた場合、以降の遊技において、遊技機情報が遊技者に対して導出され易くなる。これにより、所定の抽選結果が所定数に到達したときに実行される第1遊技状態において、改めて所定の抽選結果を導出させた場合には、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、如何にして所定の抽選結果が所定数に到達したときに実行される第1遊技状態において所定の抽選結果を導出させるかという遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1256】
遊技機C0において、
前記遊技機情報示唆手段は、
所定の第1条件の成立(例えば、所定の抽選結果の導出)に基づいて、所定確率で前記遊技機情報を導出するか否かを抽選する遊技機情報抽選手段(例えば、設定示唆抽選カウンタ223f)、を備え、
前記導出易化手段は、
前記遊技機情報抽選手段における前記所定確率を上昇させる確率上昇手段(例えば、引き戻しカウンタ223hの値の上昇に基づく「設定示唆演出」の当選確率アップ)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C1。
【1257】
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の第1条件の成立に基づいて、遊技機情報示唆手段に設けられた遊技機情報抽選手段により、所定確率で遊技機情報を導出するか否かが抽選される。そして、導出易化手段に設けられた確率情報手段により、遊技機情報抽選手段における所定確率が上昇される。これにより、所定の抽選結果が所定数に到達したときに実行される第1遊技状態において、改めて所定の抽選結果を導出させた場合には、遊技機情報の実行確率が上昇するため、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、如何にして所定の抽選結果が所定数に到達したときに実行される第1遊技状態において所定の抽選結果を導出させるかという遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1258】
遊技機C0又はC1において、
前記第1遊技状態より遊技者にとって不利な(有利度が低い)第3遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)を発生可能に構成され、
前記導出易化手段は、
前記第1遊技状態または前記第2遊技状態の間(が継続している間)、前記遊技機情報を導出し易い状態を維持する易化継続手段(例えば、引き戻しカウンタ223hの値を「1」以上に維持)と、
前記第3遊技状態に移行した場合に、前記遊技機情報を導出し易い状態を終了する易化終了手段(例えば、引き戻しカウンタ223hの「0」クリア)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C2。
【1259】
遊技機C2によれば、遊技機C0又はC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態より遊技者にとって不利な(有利度が低い)第3遊技状態が発生可能に構成され、導出易化手段に設けられた易化継続手段により、第1遊技状態または第2遊技状態の間(が継続している間)、遊技機情報が導出され易く状態が維持され、同じく導出易化手段に設けられた易化終了手段により、第3遊技状態に移行した場合に、遊技機情報を導出し易い状態が終了される。これにより、遊技機情報が導出され易い状態が終了する第3遊技状態に移行する前に、遊技機情報が導出され易い第1遊技状態または第2遊技状態において遊技機情報を導出させるかという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1260】
遊技機C0からC2のいずれかにおいて、
前記到達時判定手段の判定結果に基づく前記第1遊技状態中に前記所定の抽選結果が導出された回数を計数する引き戻し計数手段(例えば、引き戻しカウンタ223h)、を備え、
前記導出易化手段は、
前記引き戻し計数手段における前記到達時判定手段の判定結果に基づく前記第1遊技状態中に前記所定の抽選結果が導出された回数が所定数以上の場合に、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機C3。
【1261】
遊技機C3によれば、遊技機C0からC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、引き戻し計数手段により、到達時判定手段の判定結果に基づく第1遊技状態中に所定の抽選結果が導出された回数が計数される。そして、導出易化手段により、引き戻し回数手段における到達時判定手段の判定結果に基づく第1遊技状態中に所定の抽選結果が導出された回数が所定数以上の場合に、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、所定の抽選結果が所定数に到達した場合に実行される第1遊技状態中において、改めて所定の抽選結果を導出させた回数が所定数以上の場合に遊技機情報を導出し易くする。これにより、所定の抽選結果が所定数に到達したときに実行される第1遊技状態において、改めて所定の抽選結果を導出させた回数が所定数以上の場合に、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、如何にして所定の抽選結果が所定数に到達したときに実行される第1遊技状態において所定の抽選結果を導出させるかという遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1262】
遊技機C0からC3のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記第2抽選結果が導出されたときより前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機C4。
【1263】
遊技機C4によれば、遊技機C0からC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機情報示唆手段により、第1抽選結果が導出された場合には、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が、第2遊技状態より有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1264】
遊技機C0からC4のいずれかにおいて、
前記判定手段による前記所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定キー501)、を備え、
前記遊技機情報は、
前記設定手段によって設定された前記設定値を遊技者に示唆する示唆情報である
ことを特徴とする遊技機C5。
【1265】
遊技機C5によれば、遊技機C0からC4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により、判定手段による所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値が変更可能に構成される。そして、遊技機情報が、設定手段によって設定された設定値を遊技者に示唆する示唆情報とされる。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が所定の抽選結果が導出される確率である設定値に関する情報を知り易くし、該遊技機における遊技を継続するか否かの判断要素が増えるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1266】
遊技機C0からC5のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が少ない若しくは無いときに、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機C6。
【1267】
遊技機C6によれば、遊技機C0からC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が少ない若しくは無いときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、所定の導出結果の計数値と、強制的に第1抽選結果が導出される所定数との差が少ない若しくは無いとき、遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第1抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1268】
遊技機C0からC6のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記判定手段によって、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達し、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果が導出されたとき、前記遊技機情報を導出しない情報非導出手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機C7。
【1269】
遊技機C7によれば、遊技機C0からC6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達し、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出されたとき、遊技機情報示唆手段に設けられた情報非導出手段により、遊技機情報を導出しないように構成される。即ち、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達する場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技者にとって不利な事象ではあるものの、必須の事象であるため、遊技機情報が導出されないように構成される。所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果は、到来するものであるので、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した際に導出される第1抽選結果においても遊技機情報を導出した場合には、該遊技機情報の導出が頻出してしまうおそれがある。そこで、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技機情報を導出しないように構成することで、遊技者自身の引きによってのみ遊技機情報が導出されることとなり、遊技機情報が導出されるか否かの遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1270】
遊技機C0からC7のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第2抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が大きいときに、前記遊技機情報を導出し難い
ことを特徴とする遊技機C8。
【1271】
遊技機C8によれば、遊技機C0からC7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が大きいときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され難いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行される第2抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の計数値と、強制的に第1抽選結果が導出される所定数との差が大きいとき、遊技機情報を導出し難くする。これにより、遊技者にとって有利な第2抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に到達するまで余裕(例えば、少なくとも1回以上の所定の抽選結果の導出契機が存在)があるときは、遊技機情報を導出し難くし、遊技機情報の希少性を増加させることで、遊技機情報が導出されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1272】
遊技機C0からC8のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果が連続して導出されたか否かを判別する連続判別手段、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記連続判別手段によって前記第1抽選結果が連続して導出されていると判別されたとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機C9。
【1273】
遊技機C9によれば、遊技機C0からC8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続判別手段により、第1抽選結果が連続して導出されたか否かが判別される。そして、第1抽選結果が導出された場合に、連続判別手段によって第1抽選結果が連続して導出されていると判別されたとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が連続して導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が連続して減少してしまった場合でも、遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第1抽選結果が連続して導出されて、強制的に第1抽選結果が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が連続して導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1274】
遊技機C0からC8のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果が導出された回数を計数する不利回数計数手段と、
前記計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数計数される場合に、前記不利回数計数手段の計数結果を更新(初期化)する不利回数更新手段と、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記不利回数計数手段における前記第1抽選結果の回数が所定数以上のとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機C10。
【1275】
遊技機C10によれば、遊技機C0からC8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、不利回数計数手段により、第1抽選結果が導出された回数が計数され、計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、不利回数更新手段により、不利回数計数手段の計数結果が更新(初期化)される。そして、第1抽選結果が導出された場合に、不利回数計数手段における第1抽選結果の回数が所定数以上のとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第1抽選結果の導出回数が所定数以上のとき遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第1抽選結果が多く導出されて、強制的に第1抽選結果が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が多く導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1276】
遊技機C0からC10のいずれかにおいて、
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能であって、前記第1入球手段と異なる第2入球手段(例えば、スルーゲート67)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球し易い入球容易状態と、該入球容易状態より前記第1入球手段に遊技球が入球し難い若しくは入球不可な入球困難状態とに変化可能な可動手段(例えば、普通電役64c)と、
該可動手段を駆動する駆動手段(例えば、普通電役ソレノイド)と、を備え、
前記判定情報取得手段は、
前記第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第1判定情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1値)を取得する第1判定情報取得手段と、
前記第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第2判定情報(例えば、普図当たりカウンタC4値)を取得する第2判定情報取得手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記第1判定情報取得手段により取得された前記第1判定情報を判定する第1判定手段と、
前記第2判定情報取得手段により取得された前記第2判定情報を判定する第2判定手段と、を備え、
前記特別遊技発生手段は、
前記第1判定手段の判定結果に基づいて前記可変入球手段を変化させ、
前記駆動手段は、
前記第2判定手段の判定結果に基づいて前記可動手段を駆動し、
前記第2遊技状態における前記入球容易状態となる期間より、前記第1遊技状態における前記入球容易状態となる期間が短くなるように前記可動手段を駆動する
ことを特徴とする遊技機C11。
【1277】
遊技機C11によれば、遊技機C0からC10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により、遊技球が発射され、その発射手段により発射された遊技球が、第1入球手段に入球可能に構成され、同じく発射手段により発射された遊技球が、第1入球手段と異なる第2入球手段に入球可能に構成される。また、可変入球手段が、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能に構成される。そして、可動手段が、第1入球手段に遊技球が入球し易い入球容易状態と、その入球容易状態より第1入球手段に遊技球が入球し難い若しくは入球不可な入球困難状態とに変化可能に構成され、駆動手段により、その可動手段が駆動される。ここで、第1入球手段への遊技球の入球に基づいて、判定情報取得手段に設けられた第1判定情報取得手段により、第1判定情報が取得され、第2入球手段への遊技球の入球に基づいて、判定情報取得手段に設けられた第2判定情報取得手段により、第2判定情報が取得される。そして、判定手段に設けられた第1判定手段により、第1判定情報取得手段により取得された第1判定情報が判定され、同じく判定手段に設けられた第2判定手段により、第2判定情報取得手段により取得された第2判定情報が判定される。さらに、特別遊技発生手段により、第1判定手段の判定結果に基づいて可変入球手段が変化される。ここで、駆動手段により、第2判定手段の判定結果に基づいて可動手段が駆動され、第2遊技状態における入球容易状態となる期間より、第1遊技状態における入球容易状態となる期間が短くなるように可動手段が駆動される。即ち、第1遊技状態では、第2遊技状態より第1入球手段へ遊技球が入球し易い期間が短いため、第1入球手段への遊技球の入球に基づく第1判定手段による判定機会が得難くなるように構成されている。これにより、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より第1判定手段による判定機会が得難い第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1遊技状態へ移行する第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1278】
遊技機C11において、
前記第2判定手段は、
前記第2遊技状態において前記駆動手段によって前記可動手段が駆動される確率より、前記第1遊技状態において前記駆動手段によって前記可動手段が駆動される確率が低くなるように構成されている
ことを特徴とする遊技機C12。
【1279】
遊技機C12によれば、遊技機C11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において駆動手段によって可動手段が駆動される確率より、第1遊技状態において駆動手段によって可動手段が駆動される確率が低くなるように、第2判定手段によって判定される。即ち、第1遊技状態では、第2遊技状態より可動手段が駆動される確率が低いため、第1入球手段への遊技球の入球に基づく第1判定手段による判定機会が得難くなるように構成されている。そこで、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より第1判定手段による判定機会が得難い第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1遊技状態へ移行する第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1280】
遊技機C0からC12のいずれかにおいて、
前記計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達したことを報知しない
ことを特徴とする遊技機C13。
【1281】
遊技機C13によれば、遊技機C0からC12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことが報知されないように構成される。即ち、導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者に判別できないように構成する。
【1282】
従来、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した場合、強制的に第2遊技状態に移行し得ない第1抽選結果に当選するように構成されている一方、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでは、第2遊技状態に移行する第2抽選結果に当選し得るように構成されている。このため、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後は、所定の抽選結果として第2抽選結果が導出され得る回数が最大となっている。この状態で遊技を行った場合に、第2抽選結果が導出され得る回数を最大化することができる一方、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミング、即ち、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した後、少なくとも1以上の所定の抽選結果が導出された後は、第2抽選結果が導出され得る回数が最大ではなく、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後より第2抽選結果が導出され得る回数が少なくなってしまう。このため、遊技を行う遊技機の選定時において、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであることを認識した遊技者は、得られる遊技価値が減少していると判断して、該遊技機における遊技を敬遠し、該遊技機の稼働率が低下してしまうおそれがある。
【1283】
そこで、遊技機C13によれば、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達したことを遊技者に報知しないように構成し、導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くなるように構成する。これにより、所定の抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1284】
遊技機C13において、
前記計数手段によって計数された前記所定の抽選結果の導出回数と前記所定数との差を報知しない
ことを特徴とする遊技機C14。
【1285】
遊技機C14によれば、遊技機C13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計数手段によって計数された所定の抽選結果の導出回数と所定数との差が報知されないように構成される。即ち、所定の抽選結果として第2抽選結果が導出され得る回数を遊技者に判別できないように構成する。これにより、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1286】
遊技機C11からC14のいずれかにおいて、
前記発射手段は、
前記第1遊技状態において、所定の第1発射態様で遊技球を発射する第1発射態様手段(例えば、左打ち遊技に関する制御)と、
前記第2遊技状態において、前記第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球を発射する第2発射態様手段(例えば、右打ち遊技に関する制御)と、を備え、
前記第1入球手段は、
前記第1発射態様で発射された遊技球が入球し得る第1発射態様入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第2発射態様で発射された遊技球が入球し得る第2発射態様入球手段(例えば、第2始動口64b)と、を備え、
前記第1判定手段は、
前記第1発射態様入球手段または前記第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満のとき、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る
ことを特徴とする遊技機C15。
【1287】
遊技機C15によれば、遊技機C11からC14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態において、発射手段に設けられた第1発射態様手段により、所定の第1発射態様で遊技球が発射され、第2遊技状態において、発射手段に設けられた第2発射態様手段により、第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球が発射される。また、第1発射態様で発射された遊技球が、第1入球手段としての第1発射態様入球手段に入球可能に構成され、第2発射態様で発射された遊技球が、第1入球手段としての第2発射態様入球手段に入球可能に構成される。そして、第1発射態様入球手段または第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数未満のとき、第1判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果または第2抽選結果が導出され得る。即ち、第2遊技状態において第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合であっても、第1抽選結果が導出され得て、第1遊技状態に移行され得るように構成する。これにより、第2遊技状態において、第2発射態様入球手段に遊技球が入球したことに基づいて導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くする。その結果、所定の抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1288】
遊技機C15において、
前記第1判定手段は、
前記第1発射態様入球手段または前記第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達したとき、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果を導出し得る
ことを特徴とする遊技機C16。
【1289】
遊技機C16によれば、遊技機C15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1発射態様入球手段または第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したとき、第1判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出され得る。即ち、第1遊技状態において第1発射態様入球手段に遊技球が入球した場合において、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したときであっても、第1抽選結果が導出され得て、第1遊技状態に移行され得るように構成する。これにより、第1遊技状態において、第1発射態様入球手段に遊技球が入球したことに基づいて導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くする。その結果、所定の抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1290】
<D群:リミット到達時における引き戻しで設定示唆内容が具体化>
従来より、所定の始動条件の成立に基づいて当たり等の抽選が行われ、例えば、当たりに当選した場合には、所定の獲得条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技媒体を払い出す遊技機がある。
【1291】
この遊技機では、少なくとも、所定の第1遊技状態(例えば、特別図柄の低確率状態)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、特別図柄の高確率状態)とを発生可能に構成され、所定回数の当たりが発生するまでは、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第2遊技状態へ遷移可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に到達する場合に、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第1遊技状態へ遷移する機能(所謂、リミッタ機能)を有するものもある。
【1292】
具体的には、例えば、当たりの種類として、当たり終了後の遊技状態を第1遊技状態に遷移する第1当たりと、当たり終了後の遊技状態を第2遊技状態に遷移する第2当たりとを備え、いずれの当たりであっても当たりが発生した回数を計数する。そして、所定回数の当たりが発生するまでは、当たりの種類として第1当たり及び第2当たりをそれぞれ導出可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に達する場合には、当たりの種類として第2当たりを導出せず第1当たりのみを導出するように構成する。このように構成することで、当たり回数が所定回数に到達する場合に、第1遊技状態へと遷移させることができる(例えば、特許文献1(特開2008-295672号公報))。
【1293】
このような遊技機において、第2当たりより遊技者にとって不利な第1当たりに当選した場合であっても、当たりが1回発生したとして計数され、当たり回数が所定回数に到達するまでの残り回数(以下、「残り当たり回数」と称する場合がある)が減少するように構成されている。このような場合、遊技者は、折角当たりに当選したにもかかわらず、遊技者にとって有利な第2当たりではなく遊技者にとって不利な第1当たりが発生したことによる失望感と、第2当たりが発生し得る残り当たり回数が減少して強制的に第1当たりが発生してしまう所定回数に近づいたことによる失望感とが相俟って、遊技意欲が減退し、該遊技機における遊技を中止してしまい、該遊技機の稼働が低下するおそれがある。
【1294】
D群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【1295】
所定の第1遊技状態(例えば、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」)と、
該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)と、を発生可能であり、
所定条件の成立(例えば、第1始動口64aへの入賞)に基づいて判定情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1の値)を取得する判定情報取得手段(例えば、第1始動口64a)と、
該判定情報取得手段により取得された前記判定情報を判定する判定手段(例えば、変動開始処理(S410))と、
該判定手段によって所定の抽選結果(例えば、大当たり当選)が導出されることに基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態(例えば、大当たり遊技)を発生する特別遊技発生手段(例えば、大入賞口開閉制御処理(S509))と、を備えた遊技機において、
前記所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果(例えば、大当たり種別「時短A」又は「潜伏確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第1遊技状態へ移行する第1移行手段(例えば、「時間短縮状態」への移行、又は、「潜伏確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果(例えば、大当たり種別「確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第2遊技状態へ移行する第2移行手段(例えば、「確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果が導出された導出回数を計数する計数手段(例えば、リミットカウンタ203h)と、
該計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が所定数(例えば、6回)計数される場合に、該計数手段の計数結果を更新(初期化)する計数更新手段(例えば、リミットカウンタ203hの「0」クリア)と、
遊技機に関する遊技機情報を示唆する遊技機情報示唆手段(例えば、「設定示唆演出」)と、を備え、
前記判定手段は、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段と、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達した場合には、前記所定の抽選結果として、前記第2抽選結果以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段と、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記到達時判定手段の判定結果に基づく前記第1遊技状態中に前記所定の抽選結果が導出された場合に、それ以前より前記遊技機情報を具体化し得る示唆具体化手段(例えば、引き戻しカウンタ223hを加算することによる直接的な「設定示唆演出」の当選確率アップ)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D0。
【1296】
遊技機D0によれば、所定の第1遊技状態と、その第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とが発生可能に構成され、判定情報取得手段により、所定条件の成立に基づいて判定情報が取得され、その判定情報取得手段により取得された判定情報が、判定手段により判定される。そして、判定手段によって所定の抽選結果が導出されることに基づいて、特別遊技発生手段により、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態が発生される。ここで、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出された場合に、第1移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態へ移行される。また、所定の抽選結果として、第1抽選結果と異なる第2抽選結果が導出された場合に、第2移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態へ移行される。そして、所定の抽選結果が導出された導出回数が計数手段により計数され、その計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、計数更新手段により、計数手段の計数結果が更新される。また、遊技機情報示唆手段により、遊技機に関する遊技機情報が導出される。ここで、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数未満の場合に、判定手段に設けられた通常時判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果または第2抽選結果が導出され得て、また、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合には、判定手段に設けられた到達時判定手段により、所定の抽選結果として、第2抽選結果以外の抽選結果が導出され得る。そして、到達時判定手段の判定結果に基づく第1遊技状態中に所定の抽選結果が導出された場合、遊技機情報示唆手段に設けられた示唆具体化手段により、それ以前より遊技機情報が具体化され得る。即ち、所定の抽選結果が所定数に到達した場合に実行される第1遊技状態中において、改めて所定の抽選結果を導出させた場合、以降の遊技において、遊技機情報をより正確に認識し易くなる。これにより、所定の抽選結果が所定数に到達したときに実行される第1遊技状態において、改めて所定の抽選結果を導出させた場合には、遊技者が遊技機に関する情報を正確に認識し易くなるというメリットを付与し、如何にして所定の抽選結果が所定数に到達したときに実行される第1遊技状態において所定の抽選結果を導出させるかという遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1297】
なお、「遊技機情報を具体化する示唆具体化手段」とは、例えば、遊技機情報の内容を遊技者がより理解(認識)し易いように直接的な内容(例えば、「直値示唆」)で表示する場合や、遊技機情報の内容を遊技者がより理解(認識)し易いように抽象化した内容(例えば、「1否定示唆」)から具現化(詳細化)した内容(例えば、「直値示唆」)で示唆する場合、遊技機情報からの推測困難な内容から推測可能な内容(例えば、「456示唆」)で表示する場合、遊技機情報を視認し難い状態から遊技機情報を視認し易い状態で示唆する場合等が例示される。
【1298】
遊技機D0において、
所定の第1条件の成立(例えば、所定の抽選結果の導出)に基づいて、所定確率で前記遊技機情報を導出するか否かを抽選する遊技機情報抽選手段(例えば、設定示唆抽選カウンタ223f)と、
前記遊技機情報の実行抽選に当選した場合に、所定の通常遊技機情報(例えば、「偶奇示唆」演出)と、該通常遊技機情報より遊技機に関する情報が具体化した特別遊技機情報(例えば、「直値示唆」演出)とのいずれかを選定する情報選定手段(例えば、示唆内容抽選カウンタ223i)と、を備え、
前記示唆具体化手段は、
前記情報選定手段における前記特別遊技機情報の選定確率を上昇させる特別選定確率上昇手段(例えば、引き戻しカウンタ223hの値の上昇に基づく「直値示唆」演出の当選確率アップ)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D1。
【1299】
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の第1条件の成立に基づいて、遊技機情報示唆手段に設けられた遊技機情報抽選手段により、所定確率で遊技機情報を導出するか否かが抽選される。また、遊技機情報の実行抽選に当選した場合に、情報選定手段により、所定の通常遊技機情報と、その通常遊技機情報より遊技に関する情報が具体化した特別遊技機情報とのいずれかが導出される。そして、示唆具体化手段に設けられた特別選定確率上昇手段により、情報選定手段における特別遊技機情報の選定確率が上昇される。これにより、所定の抽選結果が所定数に到達したときに実行される第1遊技状態において、改めて所定の抽選結果を導出させた場合には、通常遊技機情報より遊技機に関する情報が具体的な特別遊技機情報の実行確率が上昇するため、遊技者が遊技機に関する情報を正確に認識し易くなるというメリットを付与し、如何にして所定の抽選結果が所定数に到達したときに実行される第1遊技状態において所定の抽選結果を導出させるかという遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1300】
遊技機D1において、
前記第1遊技状態より遊技者にとって不利な(有利度が低い)第3遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)を発生可能に構成され、
前記示唆具体化手段は、
前記第1遊技状態または前記第2遊技状態の間(が継続している間)、前記特別遊技機情報を導出し易い状態を維持する具体化継続手段(例えば、引き戻しカウンタ223hの値を「1」以上に維持)と、
前記第3遊技状態に移行した場合に、前記特別遊技機情報を導出し易い状態を終了する具体化終了手段(例えば、引き戻しカウンタ223hの「0」クリア)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D2。
【1301】
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態より遊技者にとって不利な(有利度が低い)第3遊技状態が発生可能に構成され、示唆具体化手段に設けられた具体化継続手段により、第1遊技状態または第2遊技状態の間(が継続している間)、特別遊技機情報が導出され易い状態が維持され、同じく示唆具体化手段に設けられた具体化終了手段により、第3遊技状態に移行した場合に、特別遊技機情報を導出し易い状態が終了される。これにより、特別遊技機情報が導出され易い状態が終了する第3遊技状態に移行する前に、特別遊技機情報が導出され易い第1遊技状態または第2遊技状態において特別遊技機情報を示唆させるかという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1302】
遊技機D1又はD2において、
前記到達時判定手段の判定結果に基づく前記第1遊技状態中に前記所定の抽選結果が導出された回数を計数する引き戻し計数手段(例えば、引き戻しカウンタ223h)、を備え、
前記示唆具体化手段は、
前記引き戻し計数手段における前記到達時判定手段の判定結果に基づく前記第1遊技状態中に前記所定の抽選結果が導出された回数が所定数以上の場合に、前記特別遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機D3。
【1303】
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、引き戻し計数手段により、到達時判定手段の判定結果に基づく第1遊技状態中に所定の抽選結果が導出された回数が計数される。そして、示唆具体化手段により、引き戻し回数手段における到達時判定手段の判定結果に基づく第1遊技状態中に所定の抽選結果が導出された回数が所定数以上の場合に、特別遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、所定の抽選結果が所定数に到達した場合に実行される第1遊技状態中において、改めて所定の抽選結果を導出させた回数が所定数以上の場合に特別遊技機情報を導出し易くする。これにより、所定の抽選結果が所定数に到達したときに実行される第1遊技状態において、改めて所定の抽選結果を導出させた回数が所定数以上の場合に、遊技者が遊技機に関する情報を正確に認識し易くなるというメリットを付与し、如何にして所定の抽選結果が所定数に到達したときに実行される第1遊技状態において所定の抽選結果を導出させるかという遊技性を創出して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1304】
遊技機D0からD3のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記第2抽選結果が導出されたときより前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機D4。
【1305】
遊技機D4によれば、遊技機D0からD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機情報示唆手段により、第1抽選結果が導出された場合には、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が、第2遊技状態より有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1306】
遊技機D0からD4のいずれかにおいて、
前記判定手段による前記所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定キー501)、を備え、
前記遊技機情報は、
前記設定手段によって設定された前記設定値を遊技者に示唆する示唆情報である
ことを特徴とする遊技機D5。
【1307】
遊技機D5によれば、遊技機D0からD4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により、判定手段による所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値が変更可能に構成される。そして、遊技機情報が、設定手段によって設定された設定値を遊技者に示唆する示唆情報とされる。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が所定の抽選結果が導出される確率である設定値に関する情報を知り易くし、該遊技機における遊技を継続するか否かの判断要素が増えるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1308】
遊技機D0からD5のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が少ない若しくは無いときに、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機D6。
【1309】
遊技機D6によれば、遊技機D0からD5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が少ない若しくは無いときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、所定の導出結果の計数値と、強制的に第1抽選結果が導出される所定数との差が少ない若しくは無いとき、遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第1抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1310】
遊技機D0からD6のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記判定手段によって、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達し、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果が導出されたとき、前記遊技機情報を導出しない情報非示唆手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機D7。
【1311】
遊技機D7によれば、遊技機D0からD6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達し、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出されたとき、遊技機情報示唆手段に設けられた情報非導出手段により、遊技機情報を導出しないように構成される。即ち、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達する場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技者にとって不利な事象ではあるものの、必須の事象であるため、遊技機情報が導出されないように構成される。所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果は、到来するものであるので、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した際に導出される第1抽選結果においても遊技機情報を導出した場合には、該遊技機情報の導出が頻出してしまうおそれがある。そこで、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技機情報を導出しないように構成することで、遊技者自身の引きによってのみ遊技機情報が導出されることとなり、遊技機情報が導出されるか否かの遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1312】
遊技機D0からD7のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第2抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が大きいときに、前記遊技機情報を導出し難い
ことを特徴とする遊技機D8。
【1313】
遊技機D8によれば、遊技機D0からD7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が大きいときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され難いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行される第2抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の計数値と、強制的に第1抽選結果が導出される所定数との差が大きいとき、遊技機情報を導出し難くする。これにより、遊技者にとって有利な第2抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に到達するまで余裕(例えば、少なくとも1回以上の所定の抽選結果の導出契機が存在)があるときは、遊技機情報を導出し難くし、遊技機情報の希少性を増加させることで、遊技機情報が導出されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1314】
遊技機D0からD8のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果が連続して導出されたか否かを判別する連続判別手段、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記連続判別手段によって前記第1抽選結果が連続して導出されていると判別されたとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機D9。
【1315】
遊技機D0からD8のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果が導出された回数を計数する不利回数計数手段と、
前記計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数計数される場合に、前記不利回数計数手段の計数結果を更新(初期化)する不利回数更新手段と、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記不利回数計数手段における前記第1抽選結果の回数が所定数以上のとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機D10。
【1316】
遊技機D10によれば、遊技機D0からD8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、不利回数計数手段により、第1抽選結果が導出された回数が計数され、計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、不利回数更新手段により、不利回数計数手段の計数結果が更新(初期化)される。そして、第1抽選結果が導出された場合に、不利回数計数手段における第1抽選結果の回数が所定数以上のとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第1抽選結果の導出回数が所定数以上のとき遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第1抽選結果が多く導出されて、強制的に第1抽選結果が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が多く導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1317】
遊技機D0からD10のいずれかにおいて、
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能であって、前記第1入球手段と異なる第2入球手段(例えば、スルーゲート67)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球し易い入球容易状態と、該入球容易状態より前記第1入球手段に遊技球が入球し難い若しくは入球不可な入球困難状態とに変化可能な可動手段(例えば、普通電役64c)と、
該可動手段を駆動する駆動手段(例えば、普通電役ソレノイド)と、を備え、
前記判定情報取得手段は、
前記第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第1判定情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1値)を取得する第1判定情報取得手段と、
前記第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第2判定情報(例えば、普図当たりカウンタC4値)を取得する第2判定情報取得手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記第1判定情報取得手段により取得された前記第1判定情報を判定する第1判定手段と、
前記第2判定情報取得手段により取得された前記第2判定情報を判定する第2判定手段と、を備え、
前記特別遊技発生手段は、
前記第1判定手段の判定結果に基づいて前記可変入球手段を変化させ、
前記駆動手段は、
前記第2判定手段の判定結果に基づいて前記可動手段を駆動し、
前記第2遊技状態における前記入球容易状態となる期間より、前記第1遊技状態における前記入球容易状態となる期間が短くなるように前記可動手段を駆動する
ことを特徴とする遊技機D11。
【1318】
遊技機D11によれば、遊技機D0からD10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により、遊技球が発射され、その発射手段により発射された遊技球が、第1入球手段に入球可能に構成され、同じく発射手段により発射された遊技球が、第1入球手段と異なる第2入球手段に入球可能に構成される。また、可変入球手段が、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能に構成される。そして、可動手段が、第1入球手段に遊技球が入球し易い入球容易状態と、その入球容易状態より第1入球手段に遊技球が入球し難い若しくは入球不可な入球困難状態とに変化可能に構成され、駆動手段により、その可動手段が駆動される。ここで、第1入球手段への遊技球の入球に基づいて、判定情報取得手段に設けられた第1判定情報取得手段により、第1判定情報が取得され、第2入球手段への遊技球の入球に基づいて、判定情報取得手段に設けられた第2判定情報取得手段により、第2判定情報が取得される。そして、判定手段に設けられた第1判定手段により、第1判定情報取得手段により取得された第1判定情報が判定され、同じく判定手段に設けられた第2判定手段により、第2判定情報取得手段により取得された第2判定情報が判定される。さらに、特別遊技発生手段により、第1判定手段の判定結果に基づいて可変入球手段が変化される。ここで、駆動手段により、第2判定手段の判定結果に基づいて可動手段が駆動され、第2遊技状態における入球容易状態となる期間より、第1遊技状態における入球容易状態となる期間が短くなるように可動手段が駆動される。即ち、第1遊技状態では、第2遊技状態より第1入球手段へ遊技球が入球し易い期間が短いため、第1入球手段への遊技球の入球に基づく第1判定手段による判定機会が得難くなるように構成されている。これにより、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より第1判定手段による判定機会が得難い第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1遊技状態へ移行する第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1319】
遊技機D11において、
前記第2判定手段は、
前記第2遊技状態において前記駆動手段によって前記可動手段が駆動される確率より、前記第1遊技状態において前記駆動手段によって前記可動手段が駆動される確率が低くなるように構成されている
ことを特徴とする遊技機D12。
【1320】
遊技機D12によれば、遊技機D11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において駆動手段によって可動手段が駆動される確率より、第1遊技状態において駆動手段によって可動手段が駆動される確率が低くなるように、第2判定手段によって判定される。即ち、第1遊技状態では、第2遊技状態より可動手段が駆動される確率が低いため、第1入球手段への遊技球の入球に基づく第1判定手段による判定機会が得難くなるように構成されている。そこで、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より第1判定手段による判定機会が得難い第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1遊技状態へ移行する第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1321】
遊技機D0からD12のいずれかにおいて、
前記計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達したことを報知しない
ことを特徴とする遊技機D13。
【1322】
遊技機D13によれば、遊技機D0からD12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことが報知されないように構成される。即ち、導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者に判別できないように構成する。
【1323】
従来、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した場合、強制的に第2遊技状態に移行し得ない第1抽選結果に当選するように構成されている一方、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでは、第2遊技状態に移行する第2抽選結果に当選し得るように構成されている。このため、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後は、所定の抽選結果として第2抽選結果が導出され得る回数が最大となっている。この状態で遊技を行った場合に、第2抽選結果が導出され得る回数を最大化することができる一方、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミング、即ち、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した後、少なくとも1以上の所定の抽選結果が導出された後は、第2抽選結果が導出され得る回数が最大ではなく、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後より第2抽選結果が導出され得る回数が少なくなってしまう。このため、遊技を行う遊技機の選定時において、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであることを認識した遊技者は、得られる遊技価値が減少していると判断して、該遊技機における遊技を敬遠し、該遊技機の稼働率が低下してしまうおそれがある。
【1324】
そこで、遊技機D13によれば、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達したことを遊技者に報知しないように構成し、導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くなるように構成する。これにより、所定の抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1325】
遊技機D13において、
前記計数手段によって計数された前記所定の抽選結果の導出回数と前記所定数との差を報知しない
ことを特徴とする遊技機D14。
【1326】
遊技機D14によれば、遊技機D13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計数手段によって計数された所定の抽選結果の導出回数と所定数との差が報知されないように構成される。即ち、所定の抽選結果として第2抽選結果が導出され得る回数を遊技者に判別できないように構成する。これにより、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1327】
遊技機D11からD14のいずれかにおいて、
前記発射手段は、
前記第1遊技状態において、所定の第1発射態様で遊技球を発射する第1発射態様手段(例えば、左打ち遊技に関する制御)と、
前記第2遊技状態において、前記第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球を発射する第2発射態様手段(例えば、右打ち遊技に関する制御)と、を備え、
前記第1入球手段は、
前記第1発射態様で発射された遊技球が入球し得る第1発射態様入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第2発射態様で発射された遊技球が入球し得る第2発射態様入球手段(例えば、第2始動口64b)と、を備え、
前記第1判定手段は、
前記第1発射態様入球手段または前記第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満のとき、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る
ことを特徴とする遊技機D15。
【1328】
遊技機D15によれば、遊技機D11からD14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態において、発射手段に設けられた第1発射態様手段により、所定の第1発射態様で遊技球が発射され、第2遊技状態において、発射手段に設けられた第2発射態様手段により、第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球が発射される。また、第1発射態様で発射された遊技球が、第1入球手段としての第1発射態様入球手段に入球可能に構成され、第2発射態様で発射された遊技球が、第1入球手段としての第2発射態様入球手段に入球可能に構成される。そして、第1発射態様入球手段または第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数未満のとき、第1判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果または第2抽選結果が導出され得る。即ち、第2遊技状態において第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合であっても、第1抽選結果が導出され得て、第1遊技状態に移行され得るように構成する。これにより、第2遊技状態において、第2発射態様入球手段に遊技球が入球したことに基づいて導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くする。その結果、所定の抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1329】
遊技機D15において、
前記第1判定手段は、
前記第1発射態様入球手段または前記第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達したとき、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果を導出し得る
ことを特徴とする遊技機D16。
【1330】
遊技機D16によれば、遊技機D15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1発射態様入球手段または第2発射態様入球手段に遊技球が入球した場合に、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したとき、第1判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出され得る。即ち、第1遊技状態において第1発射態様入球手段に遊技球が入球した場合において、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したときであっても、第1抽選結果が導出され得て、第1遊技状態に移行され得るように構成する。これにより、第1遊技状態において、第1発射態様入球手段に遊技球が入球したことに基づいて導出された第1抽選結果が、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くする。その結果、所定の抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1331】
<E群:ラウンド数が設定段階数より少ない場合、設定示唆タイミングを変更>
従来より、遊技機では、液晶表示装置等の表示装置に遊技仕様に対応する様々な演出画像を表示して遊技の興趣向上が図られている。また、遊技のさらなる興趣向上を図るために、表示装置に表示させるタイミングが多様化する傾向にある(例えば、特許文献1(特開2017-070451号公報))。
【1332】
しかしながら、演出を実行するタイミングに対応するように遊技仕様を設計する場合に、遊技仕様の設計に制約が生じ、設計自由度が低下してしまうおそれがある。
【1333】
E群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技機の設計自由度の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【1334】
遊技機が複数段階設けられたいずれの状態であるか示す遊技機情報(例えば、確率設定値)を導出する遊技機情報示唆手段(例えば、「設定示唆演出」)と、
前記遊技機情報示唆手段による前記遊技機情報の導出タイミングを選定するタイミング選定手段(例えば、示唆内容抽選カウンタ223i)と、
所定の特別演出(例えば、大当たり演出)を実行するか否かを抽選する特別演出抽選手段(例えば、大当たり乱数カウンタC1)と、
該特別演出抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特別演出を実行する特別演出実行手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、を備え、
前記特別演出実行手段は、
前記特別演出として、所定の第1演出態様(例えば、16ラウンド大当たり)を実行する第1演出態様実行手段と、
前記特別演出として、前記第1演出態様と異なる(演出内容、演出期間、演出回数等のいずれか1又は複数が異なる)第2演出態様(例えば、7ラウンド大当たり)を実行する第2演出態様実行手段と、を備え、
前記タイミング選定手段は、
前記遊技機情報の導出タイミングとして、前記特別演出のいずれかのタイミングを選定する特別演出時選定手段(例えば、大当たり演出の各演出タイミングにおける「設定示唆演出」)と、
前記特別演出時選定手段によって選定されたタイミングが到来しない場合に、前記特別演出において必ず到来するタイミングで前記遊技機情報を導出するタイミング調整手段(例えば、4ラウンド大当たりに当選した場合における確率設定値「6」の「設定示唆演出」をエンディング演出で実行)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E0。
【1335】
遊技機E0によれば、遊技機情報示唆手段により、遊技機が複数段階設けられたいずれの状態であるかを示す遊技機情報が導出され、タイミング選定手段により、遊技機情報示唆手段による遊技機情報の導出タイミングが選定される。そして、特別演出抽選手段により、所定の特別演出を実行するか否かが抽選され、その特別演出抽選手段の抽選結果に基づいて、特別演出実行手段により、特別演出が実行される。また、特別演出実行手段に設けられた第1演出態様実行手段により、特別演出として、所定の第1演出態様が実行され、同じく特別演出実行手段に設けられた第2演出態様実行手段により、特別演出として、第1演出態様と異なる第2演出態様が実行される。ここで、タイミング選定手段に設けらえれた特別演出時選定手段により、遊技機情報の導出タイミングとして、特別演出のいずれかのタイミングが選定され、その特別演出時選定手段によって選定されたタイミングが到来しない場合に、タイミング選定手段に設けられたタイミング調整手段により、特別演出において必ず到来するタイミングで遊技機情報が導出される。これにより、如何様な遊技仕様に基づく特別演出の実行時であって、遊技機情報を確実に導出することが可能となる。その結果、遊技機情報の導出タイミングを考慮することなく、遊技機の遊技仕様を設計することができるので、遊技仕様の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
【1336】
遊技機E0において、
前記特別演出実行手段は、
前記特別演出として、
その冒頭に実行される導入演出(例えば、オープニング演出)と、
該導入演出の実行後、複数段階に分けて前記特別演出の進行状況を報知する段階演出(例えば、各ラウンド演出)と、
該段階演出の実行後、前記特別演出から他の演出(例えば、変動演出)に移行することを示す移行演出(例えば、エンディング演出)と、を実行可能に構成され、
前記第2演出態様実行手段は、
前記第2演出態様として、前記第1演出態様実行手段による前記第1演出態様より、前記段階演出を少なく実行するように構成され、
前記タイミング調整手段は、
前記第2演出態様実行手段によって前記第2演出態様が実行される場合に、該第2演出態様において前記特別演出時選定手段によって選定されたタイミングが到来しないとき、前記導入演出、前記段階演出又は前記移行演出のいずれかのタイミングで前記遊技機情報を導出する
ことを特徴とする遊技機E1。
【1337】
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別演出実行手段が実行する特別演出として、特別演出の冒頭に実行される導入演出と、その導入演出の実行後、複数段階に分けて特別演出の進行状況を報知する段階演出と、その段階演出の実行後、特別演出から他の演出に移行することを示す移行演出と、が実行可能に構成されている。そして、第2演出態様実行手段により、第1演出態様実行手段による第1演出態様より、第2演出態様として段階演出が少なく実行されるように構成される。ここで、第2演出態様実行手段によって第2演出態様が実行される場合に、その第2演出態様において特別演出時選定手段によって選定されたタイミングが到来しないとき、タイミング調整手段により、導入演出、段階演出又は移行演出のいずれかのタイミングで遊技機情報が導出される。これにより、如何様な遊技仕様に基づく特別演出の実行時であって、特別演出の導入演出、段階選出又は移行演出のいずれかのタイミングで遊技機情報を確実に導出することが可能となる。その結果、遊技機情報の導出タイミングを考慮することなく、遊技機の遊技仕様を設計することができるので、遊技仕様の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
【1338】
遊技機E1において、
前記第1演出態様実行手段及び前記第2演出態様実行手段は、
少なくとも、前記導入演出又は前記移行演出のいずれか一方を実行するように構成され、
前記タイミング調整手段は、
前記特別演出時選定手段によって選定されたタイミングが到来しない場合、前記導入演出又は前記移行演出において前記遊技機情報を導出する
ことを特徴とする遊技機E2。
【1339】
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出態様実行手段および第2演出態様実行手段により、少なくとも、導入演出又は移行演出のいずれか一方が実行されるように構成される。ここで、特別演出時選定手段によって選定されたタイミングが到来しない場合、タイミング調整手段により、導入演出又は導出演出において遊技機情報が導出される。これにより、如何様な遊技仕様に基づく特別演出の実行時であって、特別演出において必ず到来する導入演出又は移行演出のいずれかで遊技機情報を確実に導出することが可能となる。その結果、遊技機情報の導出タイミングを考慮することなく、遊技機の遊技仕様を設計することができるので、遊技仕様の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
【1340】
遊技機E0からE2のいずれかにおいて、
前記遊技機情報を導出するか否かを抽選する導出抽選手段(例えば、設定示唆抽選カウンタ223f)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E3。
【1341】
遊技機E3によれば、遊技機E0からE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、導出抽選手段により、遊技機情報を導出するか否かが抽選される。これにより、遊技機情報が導出されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1342】
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記遊技機情報の段階に対応する前記段階演出の段階において前記遊技機情報を導出することにより、遊技機が複数段階設けられたいずれの状態であるかを示唆する段階一致時示唆手段(例えば、確率設定値「6」における6ラウンドによる「設定示唆演出」の実行)、を備え、
前記タイミング調整手段は、
前記段階一致時示唆手段によって、前記遊技機情報の段階に対応する前記段階演出の段階において前記遊技機情報を導出できない場合に、前記導入演出、他の前記段階演出又は前記移行演出のいずれかのタイミングで前記遊技機情報を導出する
ことを特徴とする遊技機E4。
【1343】
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機情報示唆手段に設けられた段階一致時示唆手段により、遊技機情報の段階に対応する段階演出の段階において、遊技機情報を導出することで、遊技機が複数段階設けられたいずれの状態であるかが示唆される。そして、その段階一致時示唆手段によって、遊技機情報の段階に対応する段階演出の段階において遊技機情報を導出できない場合に、タイミング調整手段により、導入演出、他の段階演出又は移行演出のいずれかのタイミングで遊技機情報が導出される。即ち、遊技機情報の段階に対応する段階演出の段階において遊技機情報を実行することにより、遊技機が複数段階設けられたいずれの状態であるかを示唆するように構成された遊技機において、遊技機情報を導出しようとする場合に、遊技機情報の段階に対応する段階演出が実行されないときであっても、特別演出における他の演出の実行時に遊技機情報を確実に導出することが可能となる。これにより、如何様な遊技仕様に基づく特別演出の実行時であって、特別演出において必ず到来する導入演出又は移行演出のいずれかで遊技機情報を確実に導出することが可能となる。その結果、遊技機情報の導出タイミングを考慮することなく、遊技機の遊技仕様を設計することができるので、遊技仕様の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
【1344】
遊技機E0からE4のいずれかにおいて、
前記特別演出抽選手段による前記特別演出が導出される確率に関する設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定キー501)と、を備え、
前記遊技機情報は、
前記設定手段によって設定された前記設定値を遊技者に示唆する示唆情報である
ことを特徴とする遊技機E5。
【1345】
遊技機E5によれば、遊技機E0からE4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により、特別演出抽選手段による特別演出が導出される確率に関する設定値が変更可能に構成される。そして、遊技機情報が、設定手段によって設定された設定値を遊技者に示唆する示唆情報とされる。これにより、遊技者が遊技機における遊技を継続するか否かの判断要素となり得る示唆情報を確実に遊技者に示唆することが可能となる。その結果、抽選により選定された演出を適切に行って遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1346】
遊技機E0からE5のいずれかにおいて、
所定の第1遊技状態(例えば、「確率変動状態」)と、
該第1遊技状態より遊技者にとって有利度が低い第2遊技状態(例えば、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」)と、を発生可能であり、
前記特別演出抽選手段の抽選結果に基づいて前記第1演出態様が導出された場合に、該第1演出態様後の遊技状態を前記第1遊技状態へ移行する第1移行手段(例えば、「時間短縮状態」への移行、又は、「潜伏確率変動状態」への移行)と、
前記特別演出抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2演出態様が導出された場合に、該第2演出態様後の遊技状態を前記第2遊技状態へ移行する第2移行手段(例えば、「確率変動状態」への移行)と、
前記特別演出が導出された導出回数を計数する計数手段(例えば、リミットカウンタ203h)と、
該計数手段によって前記特別演出の導出回数が所定数(例えば、6回)計数される場合に、該計数手段の計数結果を更新(初期化)する計数更新手段(例えば、リミットカウンタ203hの「0」クリア)と、を備え、
前記特別演出抽選手段は、
前記計数手段による前記特別演出の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記特別演出として、前記第1演出態様または前記第2演出態様を導出し得る通常時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」未満の場合の当否判定)と、
前記計数手段による前記特別演出の導出回数が前記所定数に達した場合には、前記特別演出として、前記第2演出態様以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」以上の場合の当否判定)と、を備え、
前記遊技機情示唆知手段は、
前記第2演出態様が導出された場合に、前記第1演出態様が導出されたときより前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機E6。
【1347】
遊技機E6によれば、遊技機E0からE5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の第1遊技状態と、その第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とが発生可能に構成される。ここで、特別演出抽選手段の抽選結果に基づいて第1演出態様が導出された場合に、第1移行手段により、第1演出態様後の遊技状態が第1遊技状態へ移行される。また、特別演出抽選手段の抽選結果に基づいて第2演出態様が導出された場合に、第2移行手段により、第2演出態様後の遊技状態が第2遊技状態へ移行される。そして、特別演出が導出された導出回数が計数手段により計数され、その計数手段によって特別演出の導出回数が所定数計数される場合に、計数更新手段により、計数手段の計数結果が更新される。ここで、計数手段による特別演出の導出回数が所定数未満の場合に、特別演出抽選手段に設けられた通常時判定手段により、特別演出として、第1演出態様または第2演出態様が導出され得て、また、計数手段による特別演出の導出回数が所定数に達した場合には、特別演出抽選手段に設けられた到達時判定手段により、特別演出として、第2演出態様以外の抽選結果が導出され得る。そして、遊技機情報示唆手段により、第2演出態様が導出された場合には、第1演出態様が導出されたときより遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別演出後の遊技状態が、第1遊技状態より有利ではない第2遊技状態に移行される第2演出態様が導出されて、計数手段による特別演出の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第1演出態様が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第2演出態様が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第1演出態様より不利な(有利度が低い)第2演出態様が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1348】
遊技機E6において、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第2演出態様が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が少ない若しくは無いときに、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機E7。
【1349】
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2演出態様が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が少ない若しくは無いときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別演出後の遊技状態が第1遊技状態より遊技者にとって有利ではない第2遊技状態に移行される第2演出態様が導出されて、計数手段による特別演出の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、特別演出の計数値と、強制的に第1演出態様以外の抽選結果(例えば、第2演出態様)が導出される所定数との差が少ない若しくは無いとき、遊技機情報を導出し易くする。これにより、例えば、遊技者にとって不利な第2演出態様が導出されて、さらに、強制的に第2演出態様が導出される状況に近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第1演出態様より不利な第2演出態様が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1350】
遊技機E6又はE7において、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記特別演出抽選手段によって、前記計数手段による前記特別演出の導出回数が前記所定数に達し、前記特別演出として、前記第2演出態様が導出されたとき、前記遊技機情報を導出しない情報非導出手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機E8。
【1351】
遊技機E8によれば、遊技機E6又はE7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別演出抽選手段によって、計数手段による特別演出の導出回数が所定数に達し、特別演出として、第2演出態様が導出されたとき、遊技機情報示唆手段に設けられた情報非導出手段により、遊技機情報を導出しないように構成される。即ち、特別演出の導出回数が所定数に達する場合に導出される第2演出態様の場合は、遊技者にとって不利な事象ではあるものの、必須の事象であるため、遊技機情報が導出されないように構成される。つまり、特別演出の導出回数が所定数に達した場合に導出される第2演出態様は到来するものであるので、特別演出の導出回数が所定数に達した際に導出される第2演出態様においても遊技機情報を導出した場合には、該遊技機情報の導出が頻出してしまうおそれがある。そこで、特別演出の導出回数が所定数に達した場合に導出される第2演出態様の場合は、遊技機情報を導出しないように構成することで、遊技者自身の引きによってのみ遊技機情報が導出されることとなり、遊技機情報が導出されるか否かの遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1352】
遊技機E6からE8のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1演出態様が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が大きいときに、前記遊技機情報を導出し難い
ことを特徴とする遊技機E9。
【1353】
遊技機E9によれば、遊技機E6からE8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出態様が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が大きいときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され難いように構成される。即ち、特別演出後の遊技状態が第1遊技状態より遊技者にとって有利な第1遊技状態に移行される第1演出態様が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の計数値と、強制的に第2演出態様が導出される所定数との差が大きいとき、遊技機情報を導出し難くする。これにより、遊技者にとって有利な第1演出態様が導出されて、さらに、強制的に第2演出態様が導出される状況に到達するまで余裕(例えば、少なくとも1回以上の特別演出の導出契機が存在)があるときは、遊技機情報を導出し難くし、遊技機情報の希少性を増加させることで、遊技機情報が導出されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1354】
遊技機E6からE9のいずれかにおいて、
前記第2演出態様が連続して導出されたか否かを判別する連続判別手段、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第2演出態様が導出された場合に、前記連続判別手段によって前記第2演出態様が連続して導出されていると判別されたとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機E10。
【1355】
遊技機E10によれば、遊技機E6からE9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続判別手段により、第2演出態様が連続して導出されたか否かが判別される。そして、第2演出態様が導出された場合に、連続判別手段によって第1特別演出が連続して導出されていると判別されたとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別演出後の遊技状態が第1遊技状態より遊技者にとって有利ではない第2遊技状態に移行される第2演出態様が連続して導出されて、計数手段による特別演出の導出回数が所定数に到達するまでの数が連続して減少してしまった場合でも、遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第2演出態様が連続して導出されて、強制的に第2演出態様が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第1演出態様より不利な第2演出態様が連続して導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1356】
遊技機E6からE10のいずれかにおいて、
前記第2演出態様が導出された回数を計数する不利回数計数手段と、
前記計数手段によって前記特別演出の導出回数が前記所定数計数される場合に、前記不利回数計数手段の計数結果を更新(初期化)する不利回数更新手段と、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第2演出態様が導出された場合に、前記不利回数計数手段における前記第2演出態様の回数が所定数以上のとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機E11。
【1357】
遊技機E11によれば、遊技機E6からE10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、不利回数計数手段により、第2演出態様が導出された回数が計数され、計数手段によって特別演出の導出回数が所定数計数される場合に、不利回数更新手段により、不利回数計数手段の計数結果が更新(初期化)される。そして、第2演出態様が導出された場合に、不利回数計数手段における第2演出態様の回数が所定数以上のとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別演出後の遊技状態が第1遊技状態より遊技者にとって有利ではない第2遊技状態に移行される第2演出態様が導出されて、計数手段による特別演出の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2演出態様の導出回数が所定数以上のとき遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第2演出態様が多く導出されて、強制的に第2演出態様が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第1演出態様より不利な第2演出態様が多く導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1358】
<F群:不利な事象と有利な事象、不利な事象の積み重ねで有利な現象>
従来より、所定の始動条件の成立に基づいて当たり等の抽選が行われ、例えば、当たりに当選した場合には、所定の獲得条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技媒体を払い出す遊技機がある。
【1359】
このような遊技機において、遊技者は、自身にとって有利な事象を求めながら遊技を行うものであるが、出玉率に基づく遊技仕様の設計上、遊技において遊技者にとって有利な事象より不利な事象の方が頻出するように構成されている。そのため、遊技者自身にとって不利な事象が頻出することによる失望感によって、遊技者の遊技意欲が減退し、該遊技機における遊技を中止してしまい、該遊技機の稼働が低下するおそれがある。
【1360】
F群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【1361】
所定条件の成立(例えば、第1始動口64aへの入賞)に基づいて判定情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1の値)を取得する判定情報取得手段(例えば、第1始動口64a)と、
該判定情報取得手段により取得された前記判定情報を判定する判定手段(例えば、変動開始処理(S410))と、を備えた遊技機において、
遊技者にとって有利な第1事象(例えば、16ラウンド大当たり)を発生させる第1事象発生手段と、
該第1事象発生手段による前記第1事象より遊技者にとって有利度が低い(不利な)第2事象(例えば、4ラウンド大当たり)を発生させる第2事象発生手段と、
少なくとも前記第2事象の導出回数を計数する計数手段(例えば、リミットカウンタ203h)と、
遊技機に関する遊技機情報を遊技者に示唆する遊技機情報示唆手段(例えば、「設定示唆演出」)と、
前記遊技機情報示唆手段によって前記遊技機情報を導出するか否かを抽選する示唆抽選手段(例えば、設定示唆抽選カウンタ223f)と、を備え、
前記示唆抽選手段は、
前記計数手段による前記第2事象の導出回数が所定回数以上の場合に、前記遊技機情報を導出し易い導出易化手段(例えば、設定示唆抽選テーブル222e)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F0。
【1362】
遊技機F0によれば、判定情報取得手段により、所定条件の成立に基づいて判定情報が取得され、その判定情報取得手段により取得された判定情報が、判定手段により判定される。また、第1事象発生手段により、遊技者にとって有利な第1事象が発生され、第2事象発生手段により、第1事象発生手段による第1事象より遊技者にとって有利度が低い第2事象が発生される。そして、計数手段により、少なくとも第2事象の導出回数が計数される。ここで、遊技機情報示唆手段により、遊技機に関する遊技機情報が遊技者に示唆され、示唆抽選手段により、遊技機情報示唆手段によって遊技機情報を導出するか否かが抽選される。そして、計数手段による第2事象の導出回数が所定回数以上の場合に、示唆抽選手段に設けられた導出易化手段により、遊技機情報が導出され易く構成される。即ち、第1事象より遊技者にとって不利な(遊技価値が低い、又は、有利度が低い)第2事象が導出されてしまった場合でも、第2事象が導出された導出回数が所定回数以上となった場合に遊技機情報を導出し易くする。これにより、第2事象が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第1事象より不利な第2事象が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1363】
遊技機F0において、
前記第1事象発生手段は、
前記判定手段による判定結果として所定の第1抽選結果(例えば、16ラウンド大当たり)が導出された場合に、第1遊技価値を遊技者に付与し得る第1遊技価値付与手段、を備え、
前記第2事象発生手段は、
前記判定手段による判定結果として前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果(例えば、4ラウンド大当たり又は小当たり)が導出された場合に、前記第1遊技価値より遊技者にとって有利度が低い第2遊技価値を遊技者に付与し得る第2遊技価値付与手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機F1。
【1364】
遊技機F1によれば、遊技機F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段による判定結果として第1抽選結果が導出された場合に、第1事象発生手段に設けられた第1遊技価値付与手段により、第1遊技価値が遊技者に付与され得る。また、判定手段による判定結果として第1抽選結果と異なる第2抽選結果が導出された場合に、第2事象発生手段に設けられた第2遊技価値付与手段により、第1遊技価値より遊技者にとって有利度が低い第2遊技価値が遊技者に付与され得る。これにより、第2遊技価値が遊技者に付与される場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第1遊技価値より有利度が低いぢ2遊技価値が付与されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1365】
遊技機F1において、
前記判定手段は、
前記計数手段による前記第2抽選結果の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」未満の場合の当否判定)と、
前記計数手段による前記第2抽選結果の導出回数が前記所定数に達した場合に、前記第1抽選結果以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」以上の場合の当否判定)と、を備え、
前記導出易化手段は、
前記第2抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が少ない若しくは無いときに、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機F2。
【1366】
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計数手段による第2抽選結果の導出回数が所定数未満の場合に、判定手段に設けられた通常時判定手段により、第1抽選結果または第2抽選結果が導出され得る。また、計数手段による第2抽選結果の導出回数が所定数に到達した場合に、判定手段に設けられた到達時判定手段により、第1抽選結果以外の抽選結果が導出され得る。そして、第2抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が少ない若しくは無いときに、導出易化手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、第1抽選結果より遊技者にとって不利な(遊技価値が低い、又は、有利度が低い)第2抽選結果が導出されてしまった場合でも、第2選結果が導出された導出回数が多い、かつ、第2抽選結果の導出結果の計数値と、強制的に第2抽選結果以外の抽選結果(例えば、ハズレ)が導出される所定数との差が少ない若しくは無いとき、遊技機情報を導出し易くする。これにより、例えば、遊技者にとって不利な第2抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第2抽選結果以外が導出される状況に近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第1抽選結果より不利な第2抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1367】
遊技機F0からF2のいずれかにおいて、
前記示唆抽選手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が大きいときに、前記遊技機情報を導出し難い導出困難手段(例えば、設定示唆抽選テーブル222e)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F3。
【1368】
遊技機F3によれば、遊技機F0からF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が大きいときに、示唆抽選手段に設けられた導出困難手段により、遊技機情報が導出され難いように構成される。即ち、計数手段による第1抽選結果の計数値と、強制的に第1抽選結果以外が導出される所定数との差が大きいとき、遊技機情報を導出し難くする。これにより、強制的に第1抽選結果以外の抽選結果が導出される状況に到達するまで余裕(例えば、少なくとも1回以上の所定の抽選結果の導出契機が存在)があるときは、遊技機情報を導出し難くし、遊技機情報の希少性を増加させることで、遊技機情報が導出されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1369】
遊技機F0からF3のいずれかにおいて、
前記第2抽選結果が連続して導出されたか否かを判別する連続判別手段(例えば、不利当たりフラグ223g)、を備え、
前記導出易化手段は、
前記第2抽選結果が導出された場合に、前記連続判別手段によって前記第2抽選結果が連続して導出されていると判別されたとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機F4。
【1370】
遊技機F4によれば、遊技機F0からF3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続判別手段により、第2抽選結果が連続して導出されたか否かが判別される。そして、第2抽選結果が導出された場合に、連続判別手段によって第2抽選結果が連続して導出されていると判別されたとき、導出易化手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、第1抽選結果より遊技者にとって有利ではない第2抽選結果が連続して導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が連続して減少してしまった場合でも、遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第2抽選結果が連続して導出されて、強制的に第2抽選結果以外が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第1抽選結果より不利な第2抽選結果が連続して導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1371】
遊技機F0からF4のいずれかにおいて、
前記計数手段は、
前記第2抽選結果が導出された回数を計数する不利回数計数手段、を備え、
前記導出易化手段は、
前記第2抽選結果が導出された場合に、前記不利回数計数手段における前記第2抽選結果の回数が所定数以上のとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機F5。
【1372】
遊技機F5によれば、遊技機F0からF4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計数手段に設けられた不利回数計数手段により、第2抽選結果が導出された回数が計数される。そして、第2抽選結果が導出された場合に、不利回数計数手段における第2抽選結果の回数が所定数以上のとき、導出易化手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、第1抽選結果より遊技者にとって有利ではない第2抽選結果が導出されて、計数手段による第2抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果の導出回数が所定数以上のとき遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第2抽選結果が多く導出されて、強制的に第2抽選結果が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第1抽選結果より不利な第2抽選結果が多く導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1373】
遊技機F0からF5のいずれかにおいて、
前記判定手段による前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果の少なくとも1の抽選結果が導出される確率に関する設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定キー501)、を備え、
前記遊技機情報は、
前記設定手段によって設定された前記設定値を遊技者に示唆する示唆情報である
ことを特徴とする遊技機F6。
【1374】
遊技機F6によれば、遊技機F0からF5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により、判定手段による第1抽選結果又は第2抽選結果の少なくとも1の抽選結果が導出される確率に関する設定値が変更可能に構成される。そして、遊技機情報が、設定手段によって設定された設定値を遊技者に示唆する示唆情報とされる。これにより、第2抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が第1抽選結果又は第2抽選結果が導出される確率である設定値に関する情報を知り易くし、該遊技機における遊技を継続するか否かの判断要素が増えるというメリットを付与し、遊技者にとって第1抽選結果より不利な第2抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1375】
遊技機F0からF6のいずれかにおいて、
前記計数手段によって前記第2抽選結果の導出回数が前記所定数に達したことを報知しない
ことを特徴とする遊技機F7。
【1376】
遊技機F7によれば、遊技機F0からF6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計数手段によって第2抽選結果の導出回数が所定数に達したことが報知されないように構成される。即ち、導出された第2抽選結果以外の抽選結果が、第2抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第2抽選結果以外の抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者に判別できないように構成する。
【1377】
第2抽選結果の導出回数が所定数に到達した場合、強制的に第1抽選結果以外の抽選結果に当選するように構成されている一方、第2抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでは、第1抽選結果に当選し得るように構成されている。このため、第2抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後は、抽選結果として第1抽選結果が導出され得る回数が最大となっている。この状態で遊技を行った場合に、第1抽選結果が導出され得る回数を最大化することができる一方、第2抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミング、即ち、第2抽選結果の導出回数が所定数に達した後、少なくとも1以上の第2抽選結果が導出された後は、第1抽選結果が導出され得る回数が最大ではなく、第2抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後より第1抽選結果が導出され得る回数が少なくなってしまう。このため、遊技を行う遊技機の選定時において、第2抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであることを認識した遊技者は、得られる遊技価値が減少していると判断して、該遊技機における遊技を敬遠し、該遊技機の稼働率が低下してしまうおそれがある。
【1378】
そこで、遊技機F7によれば、第2抽選結果の導出回数が所定数に到達したことを遊技者に報知しないように構成し、導出された第1抽選結果以外の抽選結果が、第2抽選結果の導出回数が所定数に達したことによって強制的に発生したものなのか、純粋に第1抽選結果以外の抽選結果を導出したことによって発生したものなのかを、遊技者が判別し難くなるように構成する。これにより、第2抽選結果の導出回数に達した直後のタイミングか否かを遊技者に判別し難くして、第2抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1379】
遊技機F7において、
前記計数手段によって計数された前記第2抽選結果の導出回数と前記所定数との差を報知しない
ことを特徴とする遊技機F8。
【1380】
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計数手段によって計数された第2抽選結果の導出回数と所定数との差が報知されないように構成される。即ち、第2抽選結果が導出され得る回数を遊技者に判別できないように構成する。これにより、第2抽選結果の導出回数が所定数に到達した直後以外のタイミングであっても該遊技機における遊技を敬遠され難くして、該遊技機の稼働率の低下を抑制できる、という効果がある。
【1381】
<G群:設定段階以上のラウンド数を設け、各ラウンドで設定示唆演出可能>
従来より、遊技機では、液晶表示装置等の表示装置に遊技仕様に対応する様々な演出画像を表示して遊技の興趣向上が図られている。また、遊技のさらなる興趣向上を図るために、表示装置に表示させるタイミングが多様化する傾向にある(例えば、特許文献1(特開2017-070451号公報))。
【1382】
しかしながら、上記遊技機では、選定された演出を適切に行って遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
【1383】
G群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、選定された演出を適切に行って遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。遊技機を提供することを目的とする。
【1384】
遊技機が複数段階(例えば、6段階)設けられたいずれの状態であるか示す遊技機情報(例えば、確率設定値)を遊技者に示唆する遊技機情報示唆手段(例えば、「設定示唆演出」)と、
前記遊技機情報を遊技者に示唆するか否かを抽選する示唆抽選手段(例えば、設定示唆抽選カウンタ223f)と、
該示唆抽選手段の抽選結果に基づいて前記遊技機情報を遊技者に示唆する場合に、前記遊技機情報の導出タイミングを選定するタイミング選定手段(例えば、示唆内容抽選カウンタ223i)と、
所定の特別演出(例えば、大当たり演出)を実行するか否かを抽選する特別演出抽選手段(例えば、大当たり乱数カウンタC1)と、
該特別演出抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特別演出を実行する特別演出実行手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、を備え、
前記特別演出実行手段は、
前記特別演出として、
その冒頭に実行される導入演出(例えば、オープニング演出)と、
該導入演出の実行後、複数段階に分けて前記特別演出の進行状況を報知する段階演出(例えば、各ラウンド演出)と、
該段階演出の実行後、前記特別演出から他の演出(例えば、変動演出)に移行することを示す移行演出(例えば、エンディング演出)と、を実行可能に構成され、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記遊技機情報の段階に対応する前記段階演出の段階において前記遊技機情報を実行することにより、遊技機が複数段階設けられたいずれの状態であるかを示唆する段階一致時示唆手段(例えば、確率設定値「6」における6ラウンドによる「設定示唆演出」の実行)、を備え、
前記特別遊技実行手段は、
前記段階演出の回数が異なる複数の前記特別演出をそれぞれ実行可能に構成されるとともに、すべての前記特別演出において、前記遊技機情報の段階数以上の数の前記段階演出を実行する
ことを特徴とする遊技機G0。
【1385】
遊技機G0によれば、遊技機情報示唆手段により、遊技機が複数段階設けられたいずれの状態であるかを示す遊技機情報が遊技者に導出され、示唆抽選手段により、遊技機情報を遊技者に示唆するか否かが抽選され、その示唆抽選手段の抽選結果に基づいて遊技機情報を遊技者に示唆する場合に、タイミング選定手段により、遊技機情報の導出タイミングが選定される。そして、特別演出抽選手段により、所定の特別演出を実行するか否かが抽選され、その特別演出抽選手段の抽選結果に基づいて、特別演出実行手段により、特別演出が実行される。ここで、特別演出実行手段が実行する特別演出として、特別演出の冒頭に実行される導入演出と、その導入演出の実行後、複数段階に分けて特別演出の進行状況を報知する段階演出と、その段階演出の実行後、特別演出から他の演出に移行することを示す移行演出と、が実行可能に構成されている。また、遊技機情報示唆手段に設けられた段階一致時示唆手段により、遊技機情報の段階に対応する段階演出の段階において、遊技機情報を実行することで、遊技機が複数段階設けられたいずれの状態であるかが示唆される。ここで、特別遊技実行手段により、段階演出の回数が異なる複数の特別演出がそれぞれ実行可能に構成されるとともに、すべての特別演出において、遊技機情報の段階数以上の数の段階演出が実行される。即ち、各特別演出が実行される場合、いずれの場合も遊技機情報の段階数以上の段階演出が実行されるため、如何様の抽選結果であっても遊技機情報の段階に対応する段階演出の段階において遊技機情報を実行することが可能となる。これにより、抽選によってどの段階での演出が選定されたとしても遊技機情報を確実に実行することができ、当初設定された段階演出が存在しないことによって遊技機情報が実行されない事象を未然に防止して、選定された演出を適切に行って遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。また、選定された遊技機情報の実行タイミングで確実に遊技機情報を実行することができるので、選定された遊技機情報の実行タイミングを他のタイミングに変更する処理が不要となり、制御負担を軽減することができる、という効果がある。特に、他のタイミングに変更する場合には、該他のタイミングに遊技機情報の実行が偏ってしまうため、遊技機情報が実行されるタイミングの偏りを未然に防止することができる、という効果がある。
【1386】
遊技機G0において、
前記特別演出抽選手段による前記特別演出が導出される確率に関する設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定キー501)と、を備え、
前記遊技機情報は、
前記設定手段によって設定された前記設定値を遊技者に示唆する示唆情報である
ことを特徴とする遊技機G1。
【1387】
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により、特別演出抽選手段による特別演出が導出される確率に関する設定値が変更可能に構成される。そして、遊技機情報が、設定手段によって設定された設定値を遊技者に示唆する示唆情報とされる。これにより、遊技者が遊技機における遊技を継続するか否かの判断要素となり得る示唆情報を確実に遊技者に示唆することが可能となる。その結果、抽選により選定された演出を適切に行って遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1388】
遊技機G0又はG1において、
前記特別遊技実行手段は、
所定の第1特別演出を実行する第1特別演出実行手段(例えば、6ラウンド大当たりの実行制御)と、
該第1特別演出実行手段によって実行される前記第1特別演出より遊技者にとって有利な第2特別演出を実行する第2特別演出実行手段(例えば、16ラウンド大当たりの実行制御)と、を備え、
所定の第1遊技状態(例えば、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」)と、
該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)と、を発生可能であり、
前記特別演出抽選手段の抽選結果に基づいて前記第1特別演出が導出された場合に、該第1特別演出後の遊技状態を前記第1遊技状態へ移行する第1移行手段(例えば、「時間短縮状態」への移行、又は、「潜伏確率変動状態」への移行)と、
前記特別演出抽選手段の抽選結果に基づいて前記第2特別演出が導出された場合に、該第2特別演出後の遊技状態を前記第2遊技状態へ移行する第2移行手段(例えば、「確率変動状態」への移行)と、
前記特別演出が導出された導出回数を計数する計数手段(例えば、リミットカウンタ203h)と、
該計数手段によって前記特別演出の導出回数が所定数(例えば、6回)計数される場合に、該計数手段の計数結果を更新(初期化)する計数更新手段(例えば、リミットカウンタ203hの「0」クリア)と、を備え、
前記特別演出抽選手段は、
前記計数手段による前記特別演出の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記特別演出として、前記第1特別演出または前記第2特別演出を導出し得る通常時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」未満の場合の当否判定)と、
前記計数手段による前記特別演出の導出回数が前記所定数に達した場合には、前記特別演出として、前記第2特別演出以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」以上の場合の当否判定)と、を備え、
前記遊技機情示唆知手段は、
前記第1特別演出が導出された場合に、前記第2特別演出が導出されたときより前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機G2。
【1389】
遊技機G2によれば、遊技機G0又はG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別演出実行手段に設けられた第1特別演出実行手段により、所定の第1特別演出が実行され、同じく特別演出実行手段に設けられた第2特別演出実行手段により、第1特別演出実行手段によって実行される第1特別演出より遊技者にとって有利な第2特別演出が実行される。また、所定の第1遊技状態と、その第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とが発生可能に構成される。ここで、特別演出抽選手段の抽選結果に基づいて第1特別演出が導出された場合に、第1移行手段により、第1特別演出後の遊技状態が第1遊技状態へ移行される。また、特別演出抽選手段の抽選結果に基づいて第2特別演出が導出された場合に、第2移行手段により、第2特別演出後の遊技状態が第2遊技状態へ移行される。そして、特別演出が導出された導出回数が計数手段により計数され、その計数手段によって特別演出の導出回数が所定数計数される場合に、計数更新手段により、計数手段の計数結果が更新される。ここで、計数手段による特別演出の導出回数が所定数未満の場合に、特別演出抽選手段に設けられた通常時判定手段により、特別演出として、第1特別演出または第2特別演出が導出され得て、また、計数手段による特別演出の導出回数が所定数に達した場合には、特別演出抽選手段に設けられた到達時判定手段により、特別演出として、第2特別演出以外の抽選結果が導出され得る。そして、遊技機情報示唆手段により、第1特別演出が導出された場合には、第2特別演出が導出されたときより遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別演出後の遊技状態が、第2遊技状態より有利ではない第1遊技状態に移行される第1特別演出が導出されて、計数手段による特別演出の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2特別演出が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1特別演出が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2特別演出より不利な(有利度が低い)第1特別演出が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1390】
遊技機G2において、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1特別演出が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が少ない若しくは無いときに、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機G3。
【1391】
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特別演出が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が少ない若しくは無いときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別演出後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1特別演出が導出されて、計数手段による特別演出の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、特別演出の計数値と、強制的に第2特別演出以外の抽選結果(例えば、第1特別演出)が導出される所定数との差が少ない若しくは無いとき、遊技機情報を導出し易くする。これにより、例えば、遊技者にとって不利な第1特別演出が導出されて、さらに、強制的に第1特別演出が導出される状況に近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2特別演出より不利な第1特別演出が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1392】
遊技機G2又はG3において、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記特別演出抽選手段によって、前記計数手段による前記特別演出の導出回数が前記所定数に達し、前記特別演出として、前記第1特別演出が導出されたとき、前記遊技機情報を導出しない
ことを特徴とする遊技機G4。
【1393】
遊技機G4によれば、遊技機G2又はG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別演出抽選手段によって、計数手段による特別演出の導出回数が所定数に達し、特別演出として、第1特別演出が導出されたとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報を導出しないように構成される。即ち、特別演出の導出回数が所定数に達する場合に導出される第1特別演出の場合は、遊技者にとって不利な事象ではあるものの、必須の事象であるため、遊技機情報が導出されないように構成される。つまり、特別演出の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1特別演出は到来するものであるので、特別演出の導出回数が所定数に達した際に導出される第1特別演出においても遊技機情報を導出した場合には、該遊技機情報の導出が頻出してしまうおそれがある。そこで、特別演出の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1特別演出の場合は、遊技機情報を導出しないように構成することで、遊技者自身の引きによってのみ遊技機情報が導出されることとなり、遊技機情報が導出されるか否かの遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1394】
遊技機G2からG4のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第2特別演出が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が大きいときに、前記遊技機情報を導出し難い
ことを特徴とする遊技機G5。
【1395】
遊技機G5によれば、遊技機G2からG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2特別演出が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が大きいときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され難いように構成される。即ち、特別演出後の遊技状態が第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行される第2特別演出が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の計数値と、強制的に第1特別演出が導出される所定数との差が大きいとき、遊技機情報を導出し難くする。これにより、遊技者にとって有利な第2特別演出が導出されて、さらに、強制的に第1特別演出が導出される状況に到達するまで余裕(例えば、少なくとも1回以上の特別演出の導出契機が存在)があるときは、遊技機情報を導出し難くし、遊技機情報の希少性を増加させることで、遊技機情報が導出されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1396】
遊技機G2からG5のいずれかにおいて、
前記第1特別演出が連続して導出されたか否かを判別する連続判別手段、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1特別演出が導出された場合に、前記連続判別手段によって前記第1特別演出が連続して導出されていると判別されたとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機G6。
【1397】
遊技機G6によれば、遊技機G2からG5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続判別手段により、第1特別演出が連続して導出されたか否かが判別される。そして、第1特別演出が導出された場合に、連続判別手段によって第1特別演出が連続して導出されていると判別されたとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別演出後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1特別演出が連続して導出されて、計数手段による特別演出の導出回数が所定数に到達するまでの数が連続して減少してしまった場合でも、遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第1特別演出が連続して導出されて、強制的に第1特別演出が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2特別演出より不利な第1特別演出が連続して導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1398】
遊技機G2からG6のいずれかにおいて、
前記第1特別演出が導出された回数を計数する不利回数計数手段と、
前記計数手段によって前記特別演出の導出回数が前記所定数計数される場合に、前記不利回数計数手段の計数結果を更新(初期化)する不利回数更新手段と、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1特別演出が導出された場合に、前記不利回数計数手段における前記第1特別演出の回数が所定数以上のとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機G7。
【1399】
遊技機G7によれば、遊技機G2からG6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、不利回数計数手段により、第1特別演出が導出された回数が計数され、計数手段によって特別演出の導出回数が所定数計数される場合に、不利回数更新手段により、不利回数計数手段の計数結果が更新(初期化)される。そして、第1特別演出が導出された場合に、不利回数計数手段における第1特別演出の回数が所定数以上のとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別演出後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1特別演出が導出されて、計数手段による特別演出の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第1特別演出の導出回数が所定数以上のとき遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第1特別演出が多く導出されて、強制的に第1特別演出が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2特別演出より不利な第1特別演出が多く導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1400】
<H群:有利当たりのみの回数でリミット計測>
従来より、所定の始動条件の成立に基づいて当たり等の抽選が行われ、例えば、当たりに当選した場合には、所定の獲得条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技媒体を払い出す遊技機がある。
【1401】
この遊技機では、少なくとも、所定の第1遊技状態(例えば、特別図柄の低確率状態)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、特別図柄の高確率状態)とを発生可能に構成され、所定回数の当たりが発生するまでは、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第2遊技状態へ遷移可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に到達する場合に、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第1遊技状態へ遷移する(又は遷移し易い)機能(所謂、リミッタ機能)を有するものもある。
【1402】
具体的には、例えば、当たりの種類として、当たり終了後の遊技状態を遊技者にとって有利な第1遊技状態に遷移する第1当たりと、当たり終了後の遊技状態を第1遊技状態より遊技者にとって有利度が高い第2遊技状態に遷移する第2当たりとを備え、いずれの当たりであっても当たりが発生した回数を計数する。そして、所定回数の当たりが発生するまでは、当たりの種類として第1当たり及び第2当たりをそれぞれ導出可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に達する場合には、当たりの種類として第2当たりを導出せず第1当たりのみを導出するように構成する。このように構成することで、当たり回数が所定回数に到達する場合に、必ず(強制的に)第1遊技状態へと遷移させることができる(例えば、特許文献1(特開2008-295672号公報))。
【1403】
このような遊技機において、第2当たりより遊技者にとって有利度が低い(不利な)第1当たりに当選した場合であっても、当たりが1回発生したとして計数され、当たり回数が所定回数に到達するまでの残り回数(以下、「残り当たり回数」と称する場合がある)が減少するように構成されている。このような場合、遊技者は、折角当たりに当選したにもかかわらず、遊技者にとって有利な第2当たりではなく遊技者にとって不利な第1当たりが発生したことによる失望感と、第2当たりが発生し得る残り当たり回数が減少して強制的に第1当たりが発生してしまう所定回数に近づいたことによる失望感とが相俟って、遊技意欲が減退し、該遊技機における遊技を中止してしまい、該遊技機の稼働が低下するおそれがある。
【1404】
H群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【1405】
所定の第1遊技状態(例えば、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」)と、
該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)と、を発生可能であり、
所定条件の成立(例えば、第1始動口64aへの入賞)に基づいて判定情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1の値)を取得する判定情報取得手段(例えば、第1始動口64a)と、
該判定情報取得手段により取得された前記判定情報を判定する判定手段(例えば、変動開始処理(S410))と、
該判定手段によって所定の抽選結果(例えば、大当たり当選)が導出されることに基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態(例えば、大当たり遊技)を発生する特別遊技発生手段(例えば、大入賞口開閉制御処理(S509))と、を備えた遊技機において、
前記所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果(例えば、大当たり種別「時短A」又は「潜伏確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第1遊技状態へ移行する第1移行手段(例えば、「時間短縮状態」への移行、又は、「潜伏確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果(例えば、大当たり種別「確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第2遊技状態へ移行する第2移行手段(例えば、「確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果のうち、前記第2抽選結果が導出された導出回数を計数する計数手段(例えば、リミットカウンタ203h)と、
該計数手段によって前記第2抽選結果の導出回数が所定数(例えば、6回)計数される場合に、該計数手段の計数結果を更新(初期化)する計数更新手段(例えば、リミットカウンタ203hの「0」クリア)と、
遊技機に関する遊技機情報を遊技者に示唆する遊技機情報示唆手段(例えば、「設定示唆演出」)と、を備え、
前記判定手段は、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」未満の場合の当否判定)と、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達した場合には、前記所定の抽選結果として、前記第2抽選結果以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」以上の場合の当否判定)と、を備え、
前記遊技機情示唆知手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記第2抽選結果が導出されたときより前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機H0。
【1406】
遊技機H0によれば、所定の第1遊技状態と、その第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とが発生可能に構成され、判定情報取得手段により、所定条件の成立に基づいて判定情報が取得され、その判定情報取得手段により取得された判定情報が、判定手段により判定される。そして、判定手段によって所定の抽選結果が導出されることに基づいて、特別遊技発生手段により、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態が発生される。ここで、所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果が導出された場合に、第1移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態へ移行される。また、所定の抽選結果として、第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果が導出された場合に、第2移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態へ移行される。そして、所定の抽選結果のうち、第2抽選結果が導出された導出回数が計数手段により計数され、その計数手段によって第2抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、計数更新手段により、計数手段の計数結果が更新される。また、遊技機情報示唆手段により、遊技機に関する遊技機情報が導出される。ここで、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数未満の場合に、判定手段に設けられた通常時判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果又は第2抽選結果が導出され得て、また、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合には、判定手段に設けられた到達時判定手段により、所定の抽選結果として、第2抽選結果以外の抽選結果が導出され得る。そして、遊技機情報示唆手段により、第1抽選結果が導出された場合には、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が、第2遊技状態より有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出された場合は、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少せず、さらに、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1407】
遊技機H0において、
前記判定手段による前記所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定キー501)、を備え、
前記遊技機情報は、
前記設定手段によって設定された前記設定値を遊技者に示唆する示唆情報である
ことを特徴とする遊技機H1。
【1408】
遊技機H1によれば、遊技機H0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により、判定手段による所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値が変更可能に構成される。そして、遊技機情報が、設定手段によって設定された設定値を遊技者に示唆する示唆情報とされる。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が所定の抽選結果が導出される確率である設定値に関する情報を知り易くし、該遊技機における遊技を継続するか否かの判断要素が増えるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1409】
遊技機H0又はH1において、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が少ない若しくは無いときに、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機H2。
【1410】
遊技機H2によれば、遊技機H0又はH1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が少ない若しくは無いときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出された場合でも、第2導出結果の計数値と、強制的に第2抽選結果以外の抽選結果(例えば、第1抽選結果)が導出される所定数との差が少ない若しくは無いとき、遊技機情報を導出し易くする。これにより、例えば、遊技者にとって不利な第1抽選結果が導出されてた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1411】
遊技機H0からH2のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記判定手段によって、前記計数手段による前記第2抽選結果の導出回数が前記所定数に達し、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果が導出されたとき、前記遊技機情報を導出しない情報非導出手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機H3。
【1412】
遊技機H3によれば、遊技機H0からH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって、計数手段による第2抽選結果の導出回数が所定数に達し、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出されたとき、遊技機情報示唆手段に設けられた情報非導出手段により、遊技機情報を導出しないように構成される。即ち、第2抽選結果の導出回数が所定数に達する場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技者にとって不利な事象ではあるものの、必須の事象であるため、遊技機情報が導出されないように構成される。つまり、第2抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果は到来するものであるので、第2抽選結果の導出回数が所定数に達した際に導出される第1抽選結果においても遊技機情報を導出した場合には、該遊技機情報の導出が頻出してしまうおそれがある。そこで、第2抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技機情報を導出しないように構成することで、遊技者自身の引きによってのみ遊技機情報が導出されることとなり、遊技機情報が導出されるか否かの遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1413】
遊技機H0からH3のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第2抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が大きいときに、前記遊技機情報を導出し難い
ことを特徴とする遊技機H4。
【1414】
遊技機H4によれば、遊技機H0からH3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が大きいときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され難いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行される第2抽選結果が導出されて、計数手段による第2抽選結果の計数値と、強制的に第1抽選結果が導出される所定数との差が大きいとき、遊技機情報を導出し難くする。これにより、遊技者にとって有利な第2抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に到達するまで余裕(例えば、少なくとも1回以上の所定の抽選結果の導出契機が存在)があるときは、遊技機情報を導出し難くし、遊技機情報の希少性を増加させることで、遊技機情報が導出されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1415】
<I群:リミット時に不利大当たりの導出確率を変更>
従来より、所定の始動条件の成立に基づいて当たり等の抽選が行われ、例えば、当たりに当選した場合には、所定の獲得条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技媒体を払い出す遊技機がある。
【1416】
この遊技機では、少なくとも、所定の第1遊技状態(例えば、特別図柄の低確率状態)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、特別図柄の高確率状態)とを発生可能に構成され、所定回数の当たりが発生するまでは、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第2遊技状態へ遷移可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に到達する場合に、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第1遊技状態へ遷移する(又は遷移し易い)機能(所謂、リミッタ機能)を有するものもある(例えば、特許文献1(特開2008-295672号公報))。
【1417】
しかしながら、上記遊技機において、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
【1418】
I群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【1419】
所定の第1遊技状態(例えば、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」)と、
該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)と、を発生可能であり、
所定条件の成立(例えば、第1始動口64aへの入賞)に基づいて判定情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1の値)を取得する判定情報取得手段(例えば、第1始動口64a)と、
該判定情報取得手段により取得された前記判定情報を判定する判定手段(例えば、変動開始処理(S410))と、
該判定手段によって所定の抽選結果(例えば、大当たり当選)が導出されることに基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態(例えば、大当たり遊技)を発生する特別遊技発生手段(例えば、大入賞口開閉制御処理(S509))と、を備えた遊技機において、
前記所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果(例えば、大当たり種別「時短A」又は「潜伏確変A」)を所定の第1確率で導出し得る第1確率導出手段と、
前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果(例えば、大当たり種別「確変A」)を所定の第2確率で導出し得る第2確率導出手段と、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第1遊技状態へ移行する第1移行手段(例えば、「時間短縮状態」への移行、又は、「潜伏確率変動状態」への移行)と、
前記第2抽選結果(例えば、大当たり種別「確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第2遊技状態へ移行する第2移行手段(例えば、「確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果が導出された導出回数を計数する計数手段(例えば、リミットカウンタ203h)と、
該計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が所定数(例えば、6回)計数される場合に、該計数手段の計数結果を更新(初期化)する計数更新手段(例えば、リミットカウンタ203hの「0」クリア)と、
遊技機に関する遊技機情報を遊技者に示唆する遊技機情報示唆手段(例えば、「設定示唆演出」)と、を備え、
前記判定手段は、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記所定の抽選結果として、前記第1導出確率で前記第1抽選結果を導出し得るとともに、前記第2導出確率で前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」未満の場合の当否判定)と、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達した場合には、前記所定の抽選結果として、前記第1導出確率及び前記第2導出確率より高い第3導出確率で前記第1抽選結果を導出し得る到達時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」以上の場合の当否判定)と、を備え、
前記遊技機情示唆知手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記第2抽選結果が導出されたときより前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機I0。
【1420】
遊技機I0によれば、所定の第1遊技状態と、その第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とが発生可能に構成され、判定情報取得手段により、所定条件の成立に基づいて判定情報が取得され、その判定情報取得手段により取得された判定情報が、判定手段により判定される。そして、判定手段によって所定の抽選結果が導出されることに基づいて、特別遊技発生手段により、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態が発生される。ここで、第1確率導出手段により、所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果が所定の第1確率で導出され得て、第2確率導出手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果と異なる第2抽選結果が所定の第2確率で導出され得る。そして、第1抽選結果が導出された場合に、第1移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態へ移行され、第2抽選結果が導出された場合に、第2移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態へ移行される。また、所定の抽選結果が導出された導出回数が計数手段により計数され、その計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、計数更新手段により、計数手段の計数結果が更新される。そして、遊技機情報示唆手段により、遊技機に関する遊技機情報が導出される。ここで、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数未満の場合に、判定手段に設けられた通常時判定手段により、所定の抽選結果として、第1導出確率で第1抽選結果が導出され得るとともに、第2導出確率で第2抽選結果が導出され又は第2抽選結果が導出され得る。また、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合には、判定手段に設けられた到達時判定手段により、所定の抽選結果として、第1導出確率及び第2導出確率より高い第3導出確率で第1抽選結果が導出され得る。そして、遊技機情報示唆手段により、第1抽選結果が導出された場合には、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が、第2遊技状態より有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1421】
遊技機I0において、
前記判定手段による前記所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定キー501)、を備え、
前記遊技機情報は、
前記設定手段によって設定された前記設定値を遊技者に示唆する示唆情報である
ことを特徴とする遊技機I1。
【1422】
遊技機I1によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により、判定手段による所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値が変更可能に構成される。そして、遊技機情報が、設定手段によって設定された設定値を遊技者に示唆する示唆情報とされる。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が所定の抽選結果が導出される確率である設定値に関する情報を知り易くし、該遊技機における遊技を継続するか否かの判断要素が増えるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1423】
遊技機I0又はI1において、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が少ない若しくは無いときに、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機I2。
【1424】
遊技機I2によれば、遊技機I0又はI1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が少ない若しくは無いときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、所定の導出結果の計数値と、強制的に第2抽選結果以外の抽選結果(例えば、第1抽選結果)が導出される所定数との差が少ない若しくは無いとき、遊技機情報を導出し易くする。これにより、例えば、遊技者にとって不利な第1抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1425】
遊技機I0からI2のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記判定手段によって、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達し、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果が導出されたとき、前記遊技機情報を導出しない情報非導出手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機I3。
【1426】
遊技機I3によれば、遊技機I0からI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達し、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出されたとき、遊技機情報示唆手段に設けられた情報非導出手段により、遊技機情報を導出しないように構成される。即ち、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達する場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技者にとって不利な事象ではあるものの、必須の事象であるため、遊技機情報が導出されないように構成される。つまり、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果は到来するものであるので、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した際に導出される第1抽選結果においても遊技機情報を導出した場合には、該遊技機情報の導出が頻出してしまうおそれがある。そこで、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技機情報を導出しないように構成することで、遊技者自身の引きによってのみ遊技機情報が導出されることとなり、遊技機情報が導出されるか否かの遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1427】
遊技機I0からI3のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第2抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が大きいときに、前記遊技機情報を導出し難い
ことを特徴とする遊技機I4。
【1428】
遊技機I4によれば、遊技機I0からI3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が大きいときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され難いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行される第2抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の計数値と、強制的に第1抽選結果が導出される所定数との差が大きいとき、遊技機情報を導出し難くする。これにより、遊技者にとって有利な第2抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に到達するまで余裕(例えば、少なくとも1回以上の所定の抽選結果の導出契機が存在)があるときは、遊技機情報を導出し難くし、遊技機情報の希少性を増加させることで、遊技機情報が導出されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1429】
<J群:複数の有利情報の導出タイミング>
従来より、所定の始動条件の成立に基づいて当たり等の抽選が行われ、例えば、当たりに当選した場合には、所定の獲得条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技媒体を払い出す遊技機がある。
【1430】
この遊技機では、少なくとも、所定の第1遊技状態(例えば、特別図柄の低確率状態)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、特別図柄の高確率状態)とを発生可能に構成され、所定回数の当たりが発生するまでは、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第2遊技状態へ遷移可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に到達する場合に、該当たり遊技の終了後の遊技状態を、第1遊技状態へ遷移する(又は遷移し易い)機能(所謂、リミッタ機能)を有するものもある。
【1431】
具体的には、例えば、当たりの種類として、当たり終了後の遊技状態を遊技者にとって有利な第1遊技状態に遷移する第1当たりと、当たり終了後の遊技状態を第1遊技状態より遊技者にとって有利度が高い第2遊技状態に遷移する第2当たりとを備え、いずれの当たりであっても当たりが発生した回数を計数する。そして、所定回数の当たりが発生するまでは、当たりの種類として第1当たり及び第2当たりをそれぞれ導出可能に構成する一方、当たり回数が所定回数に達する場合には、当たりの種類として第2当たりを導出せず第1当たりのみを導出するように構成する。このように構成することで、当たり回数が所定回数に到達する場合に、必ず(強制的に)第1遊技状態へと遷移させることができる(例えば、特許文献1(特開2008-295672号公報))。
【1432】
このような遊技機において、第2当たりより遊技者にとって有利度が低い(不利な)第1当たりに当選した場合であっても、当たりが1回発生したとして計数され、当たり回数が所定回数に到達するまでの残り回数(以下、「残り当たり回数」と称する場合がある)が減少するように構成されている。このような場合、遊技者は、折角当たりに当選したにもかかわらず、遊技者にとって有利な第2当たりではなく遊技者にとって不利な第1当たりが発生したことによる失望感と、第2当たりが発生し得る残り当たり回数が減少して強制的に第1当たりが発生してしまう所定回数に近づいたことによる失望感とが相俟って、遊技意欲が減退し、該遊技機における遊技を中止してしまい、該遊技機の稼働が低下するおそれがある。
【1433】
J群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【1434】
所定の第1遊技状態(例えば、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」)と、
該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)と、を発生可能であり、
所定条件の成立(例えば、第1始動口64aへの入賞)に基づいて判定情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1の値)を取得する判定情報取得手段(例えば、第1始動口64a)と、
該判定情報取得手段により取得された前記判定情報を判定する判定手段(例えば、変動開始処理(S410))と、
該判定手段によって所定の抽選結果(例えば、大当たり当選)が導出されることに基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態(例えば、大当たり遊技)を発生する特別遊技発生手段(例えば、大入賞口開閉制御処理(S509))と、を備えた遊技機において、
前記判定手段による前記所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定キー501)と、
前記所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果(例えば、大当たり種別「時短A」又は「潜伏確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第1遊技状態へ移行する第1移行手段(例えば、「時間短縮状態」への移行、又は、「潜伏確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果(例えば、大当たり種別「確変A」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記第2遊技状態へ移行する第2移行手段(例えば、「確率変動状態」への移行)と、
前記所定の抽選結果が導出された導出回数を計数する計数手段(例えば、リミットカウンタ203h)と、
該計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が所定数(例えば、6回)計数される場合に、該計数手段の計数結果を更新(初期化)する計数更新手段(例えば、リミットカウンタ203hの「0」クリア)と、
遊技機に関する遊技機情報を遊技者に示唆する遊技機情報示唆手段(例えば、「設定示唆演出」)と、を備え、
前記判定手段は、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数未満の場合に、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」未満の場合の当否判定)と、
前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達した場合には、前記所定の抽選結果として、前記第2抽選結果以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段(例えば、リミットカウンタ203hが「6」以上の場合の当否判定)と、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記設定手段によって設定された前記設定値に関する設定値情報を前記遊技機情報として示唆する設定情報示唆手段(例えば、「設定示唆演出」)と、
前記計数手段によって計数された前記導出回数に関する回数情報を前記遊技機情報として示唆する回数情報示唆手段(例えば、「残りリミット回数示唆演出」)と、
前記設定情報示唆手段による前記設定値情報の示唆開始タイミングと、前記回数情報示唆手段による前記回数情報の示唆開始タイミングとを、重複しないように実行する開始タイミング非重複手段(例えば、「ラウンド開始表示」における「残りリミット回数示唆演出」と、ラウンド遊技中の総賞球数表示における「設定示唆演出」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機J0。
【1435】
遊技機J0によれば、所定の第1遊技状態と、その第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とが発生可能に構成され、判定情報取得手段により、所定条件の成立に基づいて判定情報が取得され、その判定情報取得手段により取得された判定情報が、判定手段により判定される。そして、判定手段によって所定の抽選結果が導出されることに基づいて、特別遊技発生手段により、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態が発生される。ここで、設定手段により、判定手段による所定の抽選結果が導出される確率に関する設定値が設定可能に構成される。そして、所定の抽選結果として、所定の第1抽選結果が導出された場合に、第1移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態へ移行される。また、所定の抽選結果として、第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果が導出された場合に、第2移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態へ移行される。そして、所定の抽選結果が導出された導出回数が計数手段により計数され、その計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、計数更新手段により、計数手段の計数結果が更新される。また、遊技機情報示唆手段により、遊技機に関する遊技機情報が導出される。ここで、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数未満の場合に、判定手段に設けられた通常時判定手段により、所定の抽選結果として、第1抽選結果又は第2抽選結果が導出され得て、また、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合には、判定手段に設けられた到達時判定手段により、所定の抽選結果として、第2抽選結果以外の抽選結果が導出され得る。ここで、遊技機情報示唆手段に設けられた設定情報示唆手段により、設定手段によって設定された設定値に関する設定値情報が遊技機情報として示唆され、同じく遊技機情報示唆手段に設けられた回数情報示唆手段により、計数手段によって計数された導出回数に関する回数情報が遊技機情報として示唆される。そして、遊技機情報示唆手段に設けられた開始タイミング非重複手段により、設定情報示唆手段による設定値情報の示唆開始タイミングと、回数情報示唆手段による回数情報の示唆開始タイミングとが、重複しないように実行される。これにより、設定値情報および回数情報とが重複して実行されることによるいずれか一方の設定値情報又は回数情報の見落としを予め予防するとともに、設定値情報及び回数情報の内容に関して遊技者が錯綜してしまう事態を予防でき、遊技者の遊技意欲の向上を図ることができる、という効果がある。
【1436】
遊技機J0において、
前記遊技機情示唆知手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記第2抽選結果が導出されたときより前記遊技機情報の導出態様を変更する導出態様変更手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機J1。
【1437】
遊技機J1によれば、遊技機J0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機情報示唆手段に設けられた導出態様変更手段により、第1抽選結果が導出された場合には、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報の導出態様が変更される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が、第2遊技状態より有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報の導出態様を変更して実行する。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報が変更され、第2抽選結果が導出される場合と異なる情報を得ることができ、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1438】
遊技機J0又はJ1において、
前記導出態様変更手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記第2抽選結果が導出されたときより前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機J2。
【1439】
遊技機J2によれば、遊技機J0又はJ1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、導出態様変更手段により、第1抽選結果が導出された場合には、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が、第2遊技状態より有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報を導出し易くする。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1440】
遊技機J0からJ2のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が連続して導出された場合、前記第2抽選結果が導出されたときより前記遊技機情報を具体化し得る示唆具体化手段(例えば、示唆内容抽選テーブル222f)、を備えている
ことを特徴とする遊技機J3。
【1441】
遊技機J3によれば、遊技機J0からJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機情報示唆手段に設けられた示唆具体化手段により、第1抽選結果が導出された場合には、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報が具体化され得る。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が、第2遊技状態より有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第2抽選結果が導出されたときより遊技機情報をより正確に認識し易くなる。これにより、第1抽選結果が導出された場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を正確に認識し易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1442】
なお、「遊技機情報を具体化し得る示唆具体化手段」とは、例えば、遊技機情報の内容を遊技者がより理解(認識)し易いように直接的な内容(例えば、「直値示唆」)で表示する場合や、遊技機情報の内容を遊技者がより理解(認識)し易いように抽象化した内容(例えば、「1否定示唆」)から具現化(詳細化)した内容(例えば、「直値示唆」)で導出する場合、遊技機情報からの推測困難な内容から推測可能な内容(例えば、「456示唆」)で表示する場合、遊技機情報を視認し難い状態から遊技機情報を視認し易い状態で導出する場合、遊技機情報が不正確な状態から遊技機情報をより正確に認識し易い状態で導出する場合等が例示される。
【1443】
遊技機J0からJ3のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が少ない若しくは無いときに、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機J4。
【1444】
遊技機J4によれば、遊技機J0からJ3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が少ない若しくは無いときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、所定の導出結果の計数値と、強制的に第2抽選結果以外の抽選結果(例えば、第1抽選結果)が導出される所定数との差が少ない若しくは無いとき、遊技機情報を導出し易くする。これにより、例えば、遊技者にとって不利な第1抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1445】
遊技機J0からJ4のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記判定手段によって、前記計数手段による前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数に達し、前記所定の抽選結果として、前記第1抽選結果が導出されたとき、前記遊技機情報を導出しない情報非導出手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機J5。
【1446】
遊技機J5によれば、遊技機J0からJ4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に達し、所定の抽選結果として、第1抽選結果が導出されたとき、遊技機情報示唆手段に設けられた情報非導出手段により、遊技機情報を導出しないように構成される。即ち、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達する場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技者にとって不利な事象ではあるものの、必須の事象であるため、遊技機情報が導出されないように構成される。つまり、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果は到来するものであるので、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した際に導出される第1抽選結果においても遊技機情報を導出した場合には、該遊技機情報の導出が頻出してしまうおそれがある。そこで、所定の抽選結果の導出回数が所定数に達した場合に導出される第1抽選結果の場合は、遊技機情報を導出しないように構成することで、遊技者自身の引きによってのみ遊技機情報が導出されることとなり、遊技機情報が導出されるか否かの遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1447】
遊技機J0からJ5のいずれかにおいて、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第2抽選結果が導出された場合に、前記計数手段における計数値と前記所定数との差が大きいときに、前記遊技機情報を導出し難い
ことを特徴とする遊技機J6。
【1448】
遊技機J6によれば、遊技機J0からJ5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2抽選結果が導出された場合に、計数手段における計数値と所定数との差が大きいときに、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され難いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行される第2抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の計数値と、強制的に第1抽選結果が導出される所定数との差が大きいとき、遊技機情報を導出し難くする。これにより、遊技者にとって有利な第2抽選結果が導出されて、さらに、強制的に第1抽選結果が導出される状況に到達するまで余裕(例えば、少なくとも1回以上の所定の抽選結果の導出契機が存在)があるときは、遊技機情報を導出し難くし、遊技機情報の希少性を増加させることで、遊技機情報が導出されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1449】
遊技機J0からJ6のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果が連続して導出されたか否かを判別する連続判別手段、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記連続判別手段によって前記第1抽選結果が連続して導出されていると判別されたとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機J7。
【1450】
遊技機J7によれば、遊技機J0からJ6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続判別手段により、第1抽選結果が連続して導出されたか否かが判別される。そして、第1抽選結果が導出された場合に、連続判別手段によって第1抽選結果が連続して導出されていると判別されたとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が連続して導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が連続して減少してしまった場合でも、遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第1抽選結果が連続して導出されて、強制的に第1抽選結果が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が連続して導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1451】
遊技機J0からJ6のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果が導出された回数を計数する不利回数計数手段と、
前記計数手段によって前記所定の抽選結果の導出回数が前記所定数計数される場合に、前記不利回数計数手段の計数結果を更新(初期化)する不利回数更新手段と、を備え、
前記遊技機情報示唆手段は、
前記第1抽選結果が導出された場合に、前記不利回数計数手段における前記第1抽選結果の回数が所定数以上のとき、前記遊技機情報を導出し易い
ことを特徴とする遊技機J8。
【1452】
遊技機J8によれば、遊技機J0からJ6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、不利回数計数手段により、第1抽選結果が導出された回数が計数され、計数手段によって所定の抽選結果の導出回数が所定数計数される場合に、不利回数更新手段により、不利回数計数手段の計数結果が更新(初期化)される。そして、第1抽選結果が導出された場合に、不利回数計数手段における第1抽選結果の回数が所定数以上(例えば、3以上)のとき、遊技機情報示唆手段により、遊技機情報が導出され易いように構成される。即ち、特別遊技状態後の遊技状態が第2遊技状態より遊技者にとって有利ではない第1遊技状態に移行される第1抽選結果が導出されて、計数手段による所定の抽選結果の導出回数が所定数に到達するまでの数が減少してしまった場合でも、第1抽選結果の導出回数が所定数以上のとき遊技機情報を導出し易くする。これにより、遊技者にとって不利な第1抽選結果が多く導出されて、強制的に第1抽選結果が導出される状況により近づいた場合であっても、遊技者が遊技機に関する情報を知り易くなるというメリットを付与し、遊技者にとって第2抽選結果より不利な第1抽選結果が多く導出されることによる失望感を緩和することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【1453】
なお、上記遊技機A0~A13のいずれかの構成に対して、上記遊技機B0~B12,C0~C16,D0~D16,E0~E11,F0~F7,G0~G7,H0~H4,I0~I4,J0~J8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【1454】
なお、上記遊技機B0~B12のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A13,C0~C16,D0~D16,E0~E11,F0~F7,G0~G7,H0~H4,I0~I4,J0~J8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【1455】
なお、上記遊技機C0~C16のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A13,B0~B12,D0~D16,E0~E11,F0~F7,G0~G7,H0~H4,I0~I4,J0~J8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【1456】
なお、上記遊技機D0~D16のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A13,B0~B12,C0~C16,E0~E11,F0~F7,G0~G7,H0~H4,I0~I4,J0~J8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【1457】
なお、上記遊技機E0~E11のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A13,B0~B12,C0~C16,D0~D16,F0~F7,G0~G7,H0~H4,I0~I4,J0~J8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【1458】
なお、上記遊技機F0~F7のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A13,B0~B12,C0~C16,D0~D16,E0~E11,G0~G7,H0~H4,I0~I4,J0~J8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【1459】
なお、上記遊技機G0~G7のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A13,B0~B12,C0~C16,D0~D16,E0~E11,F0~F7,H0~H4,I0~I4,J0~J8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【1460】
なお、上記遊技機H0~H4のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A13,B0~B12,C0~C16,D0~D16,E0~E11,F0~F7,G0~G7,I0~I4,J0~J8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【1461】
なお、上記遊技機I0~I4のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A13,B0~B12,C0~C16,D0~D16,E0~E11,F0~F7,G0~G7,H0~H4,J0~J8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【1462】
なお、上記遊技機J0~J8の構成に対して、上記遊技機A0~A13,B0~B12,C0~C16,D0~D16,E0~E11,F0~F7,G0~G7,H0~H4,I0~I4のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【1463】
これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
【1464】
遊技機A0からA13、B0からB12、C0からC16、D0からD16、E0からE11、F0からF7、G0からG7、H0からH4、I0からI4、J0からJ8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【1465】
遊技機A0からA13、B0からB12、C0からC16、D0からD16、E0からE11、F0からF7、G0からG7、H0からH4、I0からI4、J0からJ8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【1466】
遊技機A0からA13、B0からB12、C0からC16、D0からD16、E0からE11、F0からF7、G0からG7、H0からH4、I0からI4、J0からJ8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【符号の説明】
【1467】
10 パチンコ機(遊技機)
64a 第1始動口(判定情報取得手段の一部、第1入球手段の一部、第1発射態様入球手段の一部)
64b 第2始動口(第2発射態様入球手段の一部)
64c 普通電役(可動手段の一部)
65 可変入賞装置(可変入球手段の一部)
67 スルーゲート(第2入球手段の一部)
81 第3図柄表示装置(遊技機情報示唆手段の一部、特別演出実行手段の一部)
112a 球発射ユニット(発射手段の一部)
203h リミットカウンタ(計数手段の一部)
222e 設定示唆抽選テーブル(導出易化手段の一部)
222f 示唆内容抽選テーブル(示唆具体化手段の一部)
223d 設定値メモリ(設定手段の一部)
223e サブリミットカウンタ(計数手段の一部)
223f 設定示唆抽選カウンタ(導出易化手段の一部、遊技機情報抽選手段の一部、示唆抽選手段の一部)
223g 不利当たりフラグ(連続判別手段の一部)
223h 引き戻しカウンタ(導出易化手段の一部、確率上昇手段の一部、易化継続手段の一部、引き戻し計数手段の一部、示唆具体化手段の一部、具体化継続手段の一部)
223i 示唆内容抽選カウンタ(情報選定手段の一部、タイミング選定手段の一部)
501 設定キー(設定手段の一部)
C1 大当たり乱数カウンタ(特別演出抽選手段の一部)
S410 変動開始処理(判定手段の一部)
S509 大入賞口開閉制御処理(特別遊技発生手段の一部)
S561 (計数更新手段の一部)
S1216 (易化終了手段の一部、具体化終了手段の一部)