(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186860
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】熱輸送デバイスおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
F28F 3/08 20060101AFI20221208BHJP
F28F 1/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
F28F3/08 301B
F28F1/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170251
(22)【出願日】2022-10-25
(62)【分割の表示】P 2020526782の分割
【原出願日】2018-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】307009034
【氏名又は名称】株式会社WELCON
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100160864
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 政治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 真吾
(57)【要約】
【課題】一方の流路が蛇行していて2つの流路の間隔がおおむね一定に保たれているために熱通過率が高く、その結果、小型化、軽量化または薄型化等を達成することができる熱輸送デバイスの提供。
【解決手段】第1流体が流通する第1流路および第2流体が流通する第2流路を有する熱輸送デバイスであって、下記[要件1]~[要件3]を満たす断面Aを得ることができる熱輸送デバイスによって上記課題を解決する。[要件1]断面Aは第2流路に対して直角の断面である。[要件2]第2流路の孔が左右方向に並んでおり、上下方向に層をなすように配置されていて、加えて、上下方向に隣り合う孔の層を対比したときに第2流路の孔は左右方向では同じ位置に配置されていない。[要件3]上下方向に隣り合う孔の層の間に第1流路が存在し、第1流路は上下方向から挟まれる孔の層における第2流路の孔を回避するように上下方向に蛇行している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流体が流通する第1流路および第2流体が流通する第2流路を有する熱輸送デバイスであって、
下記[要件1]~[要件3]を満たす断面Aを得ることができる、熱輸送デバイス。
[要件1]前記断面Aは、前記第2流路に対して直角の断面である。断面A内は連続一体性があり、金属からなる。
[要件2]前記断面Aにおいて、前記第1流体が蛇行しながら流通している方向を左右方向とした場合に、前記第2流路の孔が左右方向に列状に並んでおり、かつ、列状の孔が上下方向に層をなすように配置されていて、加えて、上下方向に隣り合う列状の孔の層を対比したときに前記第2流路の孔は左右方向では同じ位置に配置されていない。
[要件3]上下方向に隣り合う列状の孔の層の間に前記第1流路が存在し、前記第1流路と前記第2流路とは繋がっておらず、前記第1流路は上下方向から挟まれる列状の孔の層における前記第2流路の孔を回避するように上下方向に蛇行している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱輸送デバイスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2流体間にて熱交換させることで機能を果たす熱輸送デバイスとして、熱交換器、蒸発器、凝縮器、エアコン等の室外機、室内機、ラジエーター、反応器、燃料電池関連部品、インクジェット用部品などが挙げられる。
例えば特許文献1には、
図16に示す熱交換器が示されている。
図16は従来の熱交換器の概略斜視図である。
図16に示す熱交換器101は拡散接合によって形成されたものであり、熱交換される異なる2種類の冷媒を流通させる第1の流体通路102を一主面に形成したプレートと、この第1の流体通路102と直交する方向に形成された第2の流体通路104を一主面に形成したプレートとを重ね合わせ、これらを真空中で加圧および加熱することにより接合一体化されて形成されている。このように構成された熱交換器101は、上下に積層された各プレートの第1の流体通路102を流れる第1の冷媒と、第2の流体通路104を流れる第2の冷媒とが熱交換するようになっている。また、熱交換器101内を流れる冷媒の流体通路102、104は、
図16に示すように、その積層方向において交互に組み合わせるのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は2流体間の熱通過率を高める方法を検討した。
ここで、
図16におけるa-a'線断面の一部の概略図である
図17を示す。
図17に示すように、第1の流体通路102において第2の流体通路104に最も近い位置にある点αと、最も遠い位置にある点βを比較した場合、点αにおいては熱通過率が高く、点βにおいて熱通過率が低くなる。なお、熱交換器の強度を保つために、点αと流体通路104との距離に下限値がある。
そこで、本願発明者は、流体通路102の点αと流体通路104との距離を保持したまま、流体通路102の点βと流体通路104との距離を短くすることができれば、熱交換器全体の熱通過率を高めることができると考えた。そして、第1の流体通路が
図17に示すような直線的なものではなく、
図1に示すような蛇行した流体流路とすることができれば、これを実現することができると考えた。
ただし、熱交換器全体の強度を保ちつつ、かつ低コストを実現しながら、流体流路を
図1に示すような複雑な流路構造とすることは極めて困難である。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決することを目的とする。
すなわち、一方の流路が蛇行していて2つの流路の間隔が小さく、かつ、おおむね一定に保たれているために熱通過率が高く、その結果、小型化、軽量化または薄型化等を達成することができる熱輸送デバイスを提供することを目的とする。また、そのようなそのような熱輸送デバイスであって、強度が高い熱輸送デバイスを低コストで製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は以下の(1)~(7)である。
(1)第1流体が流通する第1流路および第2流体が流通する第2流路を有する熱輸送デバイスであって、
下記[要件1]~[要件3]を満たす断面Aを得ることができる、熱輸送デバイス。
[要件1]前記断面Aは、前記第2流路に対して直角の断面である。
[要件2]前記断面Aにおいて、前記第1流体が蛇行しながら流通している方向を左右方向とした場合に、前記第2流路の孔が左右方向に列状に並んでおり、かつ、列状の孔が上下方向に層をなすように配置されていて、加えて、上下方向に隣り合う列状の孔の層を対比したときに前記第2流路の孔は左右方向では同じ位置に配置されていない。
[要件3]上下方向に隣り合う列状の孔の層の間に前記第1流路が存在し、前記第1流路と前記第2流路とは繋がっておらず、前記第1流路は上下方向から挟まれる列状の孔の層における前記第2流路の孔を回避するように上下方向に蛇行している。
(2)平板Pの主面の少なくとも一部を除去加工して、その主面に凹みを形成し、その凹みが形成されている部分である加工部を前記主面内に含む加工平板Qを得る平板加工工程と、
上面平板Rと前記加工平板Qとの間に第1流体が流通する前記加工部からなる第1流路が形成されるように、前記上面平板Rと前記加工平板Qとの主面同士を密着させ、前記上面平板Rおよび前記加工平板Qの主面同士を接合して第1流路プレートを得る第1接合工程と、
前記第1流路が変形するように、前記第1流路プレートの主面の少なくとも一部を塑性加工し、その主面に凹みを形成することで、その凹みが形成されている部分である塑性変形部を主面内に含む、第2流路プレートを得る塑性加工工程と、
複数の前記第2流路プレートを重ね、前記第2流路プレートと別の前記第2流路プレートとの間に前記第1流路と平行ではない第2流体が流通する複数の第2流路が形成されるように、複数の前記第2流路プレートの主面同士が接するように接合する第2接合工程と、
を備える熱輸送デバイスの製造方法。
(3)平板Pの主面の少なくとも一部を塑性加工して、その主面に凹みを形成し、その凹みが形成されている部分である加工部を前記主面内に含む加工平板Qを得る平板加工工程と、
前記加工平板Qと主面同士を密着させても前記加工部と接する部分がないように加工された平板状のスペーサーXを用意し、前記加工平板Qと前記スペーサーXとの主面同士を接触させ、上面平板Rおよび下面平板Sによって前記スペーサーXと共に前記加工平板Qを挟み、その後、前記上面平板Rと前記下面平板Sとの間に前記加工部はなく前記スペーサーXのみが存在している部分においては、前記上面平板Rと前記下面平板Sとの間に隙間がなく、前記上面平板Rと前記下面平板Sとの間に前記加工部はあり前記スペーサーXは存在しない部分においては、前記上面平板Rと前記下面平板Sとの間に第1流体が流通する第1流路が形成されるように、前記上面平板R、前記加工平板Q、前記スペーサーXおよび前記下面平板Sの主面同士を接合して第1流路プレートを得る第1接合工程と、
前記第1流路が変形するように、前記第1流路プレートの主面の少なくとも一部を塑性加工し、その主面に凹みを形成することで、その凹みが形成されている部分である塑性変形部を主面内に含む、第2流路プレートを得る塑性加工工程と、
複数の前記第2流路プレートを重ね、前記第2流路プレートと別の前記第2流路プレートとの間に前記第1流路と平行ではない第2流体が流通する複数の第2流路が形成されるように、複数の前記第2流路プレートの主面同士が接するように接合する第2接合工程と、
を備える熱輸送デバイスの製造方法。
(4)前記第2接合工程において、
前記第2流路プレートと主面同士を密着させても前記塑性変形部と接する部分がないように加工されている平板状のスペーサーYを用意し、
1枚目の前記第2流路プレート、1枚目のスペーサーY、2枚目の前記第2流路プレート、3枚目の前記第2流路プレート、2枚目の前記スペーサーY、および4枚目の前記第2流路プレートをこの順に重ね、各々の主面同士を接合する操作を含む、上記(2)または(3)に記載の熱輸送デバイスの製造方法。
(5)前記第2接合工程において、
平板Tを用意し、
1枚目の前記第2流路プレート、1枚目の前記スペーサーY、1枚目の平板T、2枚目の前記第2流路プレート、2枚目の前記スペーサーY、および2枚目の平板Tをこの順に重ね、各々の主面同士を接合する操作を含む、上記(2)または(3)に記載の熱輸送デバイスの製造方法。
(6)前記第1接合工程において、
前記上面平板R、前記加工平板Q、前記下面平板Sおよび前記スペーサーXからなる群から選ばれる少なくとも2つの主面同士を拡散接合によって接合する、上記(2)~(5)のいずれかに記載の熱輸送デバイスの製造方法。
(7)前記第2接合工程において、
前記第2流路プレートおよび別の前記第2流路プレート、前記第2流路プレートおよび前記スペーサーY、前記第2流路プレートおよび前記平板T、ならびに、前記スペーサーYおよび前記平板T、からなる群から選ばれる少なくとも1つの主面同士を拡散接合によって接合する、上記(2)~(6)のいずれかに記載の熱輸送デバイスの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一方の流路が蛇行していて2つの流路の間隔が小さく、かつ、おおむね一定に保たれているために熱通過率が高く、その結果、小型化、軽量化または薄型化等を達成することができる熱輸送デバイスを提供することができる。また、そのような熱輸送デバイスであって、強度が高い熱輸送デバイスを低コストで製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】従来の熱交換器に対する本発明のデバイスの特徴を説明するための概略図である。
【
図2】
図2(a)は本発明のデバイスの概略斜視図(例示)であり、
図2(b)は
図2(a)におけるb-b'線断面図である。
【
図3】
図3(a)は別の本発明のデバイスの概略斜視図(例示)であり、
図3(b)は
図3(a)におけるc-c'線断面図である。
【
図4】
図4(a)はさらに別の本発明のデバイスの概略斜視図(例示)であり、
図4(b)は
図4(a)におけるd-d'線断面図である。
【
図5】本発明のデバイスを上方から見たときに、第1流路のみが透過して見えたと仮定した場合の第1流路の構成例を示す図である。
【
図6】本発明のデバイスを上方から見たときに、第2流路のみが透過して見えたと仮定した場合の第2流路の構成例を示す図である。
【
図7】本発明のデバイスの概略断面図(例示)である。
【
図8】本発明のデバイスの概略斜視図(例示)である。
【
図9】本発明の製造方法における平板加工工程を説明するための概略図である。
【
図10】本発明の製造方法における別の平板加工工程を説明するための概略図である。
【
図11】本発明の製造方法における第1接合工程を説明するための概略図である。
【
図12】本発明の製造方法における別の第1接合工程を説明するための概略図である。
【
図13】本発明の製造方法における塑性加工工程を説明するための概略図である。
【
図14】本発明の製造方法における第2接合工程を説明するための概略図である。
【
図15】本発明の製造方法における別の第2接合工程を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明について説明する。
本発明は、第1流体が流通する第1流路および第2流体が流通する第2流路を有する熱輸送デバイスであって、下記[要件1]~[要件3]を満たす断面Aを得ることができる、熱輸送デバイスである。
[要件1]前記断面Aは、前記第2流路に対して直角の断面である。
[要件2]前記断面Aにおいて、前記第1流体が蛇行しながら流通している方向を左右方向とした場合に、前記第2流路の孔が左右方向に列状に並んでおり、かつ、列状の孔が上下方向に層をなすように配置されていて、加えて、上下方向に隣り合う列状の孔の層を対比したときに前記第2流路の孔は左右方向では同じ位置に配置されていない。
[要件3]上下方向に隣り合う列状の孔の層の間に前記第1流路が存在し、前記第1流路と前記第2流路とは繋がっておらず、前記第1流路は上下方向から挟まれる列状の孔の層における前記第2流路の孔を回避するように上下方向に蛇行している。
このような熱輸送デバイスを、以下では「本発明のデバイス」ともいう。
【0010】
また、本発明は、平板Pの主面の少なくとも一部を除去加工して、その主面に凹みを形成し、その凹みが形成されている部分である加工部を前記主面内に含む加工平板Qを得る平板加工工程と、上面平板Rと前記加工平板Qとの間に第1流体が流通する前記加工部からなる第1流路が形成されるように、前記上面平板Rと前記加工平板Qとの主面同士を密着させ、前記上面平板Rおよび前記加工平板Qの主面同士を接合して第1流路プレートを得る第1接合工程と、前記第1流路が変形するように、前記第1流路プレートの主面の少なくとも一部を塑性加工し、その主面に凹みを形成することで、その凹みが形成されている部分である塑性変形部を主面内に含む、第2流路プレートを得る塑性加工工程と、複数の前記第2流路プレートを重ね、前記第2流路プレートと別の前記第2流路プレートとの間に前記第1流路と平行ではない第2流体が流通する複数の第2流路が形成されるように、複数の前記第2流路プレートの主面同士が接するように接合する第2接合工程と、を備える熱輸送デバイスの製造方法である。
このような熱輸送デバイスの製造方法を、以下では「本発明の第1の製造方法」ともいう。
【0011】
また、本発明は、平板Pの主面の少なくとも一部を塑性加工して、その主面に凹みを形成し、その凹みが形成されている部分である加工部を前記主面内に含む加工平板Qを得る平板加工工程と、前記加工平板Qと主面同士を密着させても前記加工部と接する部分がないように加工された平板状のスペーサーXを用意し、前記加工平板Qと前記スペーサーXとの主面同士を接触させ、上面平板Rおよび下面平板Sによって前記スペーサーXと共に前記加工平板Qを挟み、その後、前記上面平板Rと前記下面平板Sとの間に前記加工部はなく前記スペーサーXのみが存在している部分においては、前記上面平板Rと前記下面平板Sとの間に隙間がなく、前記上面平板Rと前記下面平板Sとの間に前記加工部はあり前記スペーサーXは存在しない部分においては、前記上面平板Rと前記下面平板Sとの間に第1流体が流通する第1流路が形成されるように、前記上面平板R、前記加工平板Q、前記スペーサーXおよび前記下面平板Sの主面同士を接合して第1流路プレートを得る第1接合工程と、前記第1流路が変形するように、前記第1流路プレートの主面の少なくとも一部を塑性加工し、その主面に凹みを形成することで、その凹みが形成されている部分である塑性変形部を主面内に含む、第2流路プレートを得る塑性加工工程と、複数の前記第2流路プレートを重ね、前記第2流路プレートと別の前記第2流路プレートとの間に前記第1流路と平行ではない第2流体が流通する複数の第2流路が形成されるように、複数の前記第2流路プレートの主面同士が接するように接合する第2接合工程と、を備える熱輸送デバイスの製造方法である。
このような熱輸送デバイスの製造方法を、以下では「本発明の第2の製造方法」ともいう。
【0012】
以下において単に「本発明の製造方法」と記した場合、「本発明の第1の製造方法」および「本発明の第2の製造方法」のいずれをも意味しているものとする。
【0013】
本発明のデバイスは、本発明の製造方法によって好ましく製造することができる。
【0014】
<本発明のデバイス>
初めに、本発明のデバイスについて説明する。
本発明のデバイスは第1流体が流通する第1流路および第2流体が流通する第2流路を有する熱輸送デバイスであり、例えば、冷凍機器や空調機器に含まれる熱交換器として好ましく用いることができる。その他、コンピューター等の電子機器を冷却するために用いられる冷却デバイスとしても、用いることができる。
【0015】
第1流体および第2流体は特に限定されず、例えば従来公知の冷媒を用いることができる。具体的には水(純水等)、アルコール(エタノール等)、フロン、代替フロン等を用いることができる。
【0016】
第1流路および第2流路の断面形状や直径等は特に限定されない。例えば断面が略円形で、その直径(等面積円相当径)が0.05~5mmであってよく、0.2~2mmであることが好ましい。
【0017】
第1流路と第2流路との最短距離が短いほど、熱通過率を高めることができるため好ましいが、逆に長いほど、本発明のデバイスの強度を高めることができるため好ましい。本発明のデバイスに求められる性能によって、第1流路と第2流路との距離の最適値を選択することができる。例えば、第1流路と第2流路との最短距離は0.05~1mmであってよく、0.1~0.3mmであることが好ましい。
【0018】
本発明のデバイスについて、概略図を用いて説明する。
図2(a)は、本発明のデバイスの概略斜視図を示しており、
図2(b)は
図2(a)おけるb-b'線断面図を示している。
図2に例示した本発明のデバイス1では、
図2(a)に示すように、第1流体が流通する第1流路2と、第2流体が流通する第2流路4とがおおむね直交している。
しかしながら、本発明のデバイスでは、第1流体が流通する第1流路2と、第2流体が流通する第2流路4とが直交していなくてもよい。
例えば、
図3に例示する本発明のデバイスのように、第2流路4に対して、第1流路2が直交しない方向に形成されていてもよい。
また、例えば、
図4に例示する本発明のデバイスのように、第2流路4がジグザグであってもよい。
なお、
図2~4において「2p」は第1流路の入口もしくは出口の孔または断面に現れた第1流路の孔を示しており、「4p」は第2流路の入口もしくは出口の孔を示している。
【0019】
本発明のデバイスは、下記[要件1]~[要件3]を満たす断面Aを得ることができる、熱輸送デバイスである。
【0020】
[要件1]
図2~4に例示するような本発明のデバイスは、本発明のデバイスを第2流路に対して直角の方向にて切断することで、
図2(b)、
図3(b)および
図4(b)に例示するような断面Aを得ることができる。
なお、断面Aは、本発明のデバイスにおける全ての第2流路に対して直角の方向の断面でなくてもよい。第2流路の構成によっては、全ての第2流路に対して直角の断面を得ることができない場合もありえる。そのような場合は、本発明のデバイスにおける第2流路の一部に対して(本発明のデバイスにおける、できるだけ多くの第2流路に対して)直角の方向の断面を、本発明のデバイスにおける断面Aとする。
【0021】
例えば
図2に示した本発明のデバイス1の場合であれば、第2流路4は直線的に形成されているので、この流路に対して直角の方向の断面、すなわち、
図2(a)におけるb-b'線断面が断面Aとなり、これを図示すれば
図2(b)のようになる。
また、例えば
図3に示した本発明のデバイス1の場合も第2流路4は直線的に形成されているので、この流路に対して直角の方向の断面、すなわち、
図3(a)におけるc-c'線断面が断面Aとなり、これを図示すれば
図3(b)のようになる。なお、
図3(a)に示すように第1流路2が第2流路4に対して斜め方向に形成されている場合、
図3(b)に示すように、断面Aにおいては第1流路の孔2pが複数個現れる可能性がある。また、理解を容易にするために
図3(b)には第1流路2の位置(または第1流路2が断面Aから透けて見えたと仮定した場合の線)を点線で示しているが、
図3(b)の場合、実際は
図3(b)に第1流路2の孔2pのみが現れるはずである。
また、例えば
図4に示した本発明のデバイス1の場合、第2流路4は直線的に形成されていないが、この流路に対して直角の方向の断面を得ることは可能である。すなわち、
図4(a)におけるd-d'線断面が断面Aとなり、これを図示すれば
図4(b)のようになる。
図4(a)では第2流路の方向変更箇所(曲がっている箇所)にて本発明のデバイスを切断しているが、その他の箇所にて切断することもできる。
【0022】
なお、
図2~
図4における第1流路および第2流路は理解を容易にするために極めて単純な構成の流路を図示している。例えば本発明のデバイスを上方から見たときに、第1流路のみが透過して見えたとすると、
図5のような流路を構成している場合もある。また、例えば本発明のデバイスを上方から見たときに、第2流路のみが透過して見えたとすると、
図6のような流路を構成している場合もある。
その他、第1流路および第2流路の形状等は、コルゲートパターン(平行波型)、ヘリンボーン型(ニシンの骨型)、ダブルヘリンボーン型などもあり得る。
【0023】
[要件2]
要件2について
図7を用いて説明する。
図7は
図2(b)と同様の断面Aを示している。また、
図2(b)では第2流路の孔を「4p」と示していたが、
図7では「P
mk」(mおよびkは1以上の整数とする)と示している。
本発明のデバイスでは、
図7に例示するように、断面Aにおいて第1流体が蛇行しながら流通している方向を左右方向とした場合に、第2流路の孔(P
mk)が左右方向に列状に並んでおり、かつ、列状の孔が上下方向に層をなすように配置されている。
図7では、左右方向に列状に孔(P
mk)が並んでおり、列状の孔が上下方向に孔の層が3層存在している。そして、それらの列状の孔の層を下方から上方へ第1層、第2層および第3層とし、第1層の孔を「P
1k」、第2層の孔を「P
2k」、第3層の孔を「P
3k」とする。つまり、mを層の番号とする。また、各層において孔は左から右へ「P
m1」、「P
m2」、「P
m3」・・・「P
mk」とする。つまり、kは同一層内の孔の番号(連番)とする。ここで、第1層に存在する「P
1k」の孔の直上には、第3層の「P
3k」の孔が存在するものとする。例えば、第1層に存在する「P
13」の孔の直上には、第3層の「P
33」の孔が存在するものとする。また、第1層に存在する「P
1k」の孔の左上には第2層の「P
2k」の孔が存在するものとする。例えば、第1層に存在する「P
13」の孔の左上には第2層の「P
23」の孔が存在するものとする。
なお、断面Aは、本発明のデバイスを第2流路に対して直角の方向にて切断して得られるものであるから、
図3(b)のように第1流路2が第2流路4に対して斜め方向に形成されている場合、三次元で考えれば、断面Aと第1流体が蛇行しながら流通している方向とは平行にならない。このような場合、第1流体が蛇行しながら流通している方向は、断面Aにおいては(すなわち、二次元で考えて)、第1流体が断面Aに投影されたと仮定した場合の方向を、第1流体が蛇行しながら流通している方向とし、これを左右方向とする。
【0024】
このような場合、上下方向に隣り合う列状の孔の層は第1層と第2層、および第2層と第3層となるが、隣り合う第1層と第2層とにおいて、第2流路の孔は左右方向では同じ位置に配置されていない。すなわち、第1層の孔の中心の直上に第2層の孔の中心は存在しない。第2層の孔は第1層における2つの孔の間に存在する。同様に、隣り合う第2層と第3層とにおいて、第2流路の孔は左右方向では同じ位置に配置されていない。すなわち、第2層の孔の中心の直上に第3層の孔の中心は存在しない。第3層の孔は、第2層における2つの孔の間に存在する。
【0025】
[要件3]
本発明のデバイスでは、
図2(b)、
図3(b)、
図4(b)および
図7に示したように、上下方向に隣り合う列状の孔の層の間に第1流路2が存在する。
また、第1流路2と第2流路4は繋がっていない。
そして、第1流路2は上下方向から挟まれる列状の孔の層における第2流路の孔(4p、P
mk)を回避するように上下方向に蛇行している。
例えば
図7において、第2流路の孔(P
11、P
12、P
13、P
14)からなる第1層と、第2流路の孔(P
21、P
22、P
23、P
24、P
25)からなる第2層との間に第1流路2が存在しており、その第1流路は、第1層の孔(P
11、P
12、P
13、P
14)と第2層の孔(P
21、P
22、P
23、P
24、P
25)とを回避するように上下方向に蛇行している。
ここで、
図7に示すように、第1層と第2層との境界となっている帯状の部分が上下に蛇行しており、第1流路はその帯状の部分の形状に沿って蛇行している。
【0026】
このような本発明のデバイスは、第1流路が蛇行していて第2流路との間隔がおおむね一定に保たれているために熱通過率が高く、その結果、小型化、軽量化または薄型化等を達成することができる。
【0027】
本発明のデバイスは板状であってもよいが、板状の本発明のデバイスを変形させて、例えば
図8のような筒状のものとすることもできる。
【0028】
<本発明の製造方法>
次に本発明の製造方法について説明する。
前述の本発明のデバイスは、本発明の製造方法によって好ましく製造することができる。
【0029】
本発明の製造方法は、平板加工工程と、第1接合工程と、塑性加工工程と、第2接合工程と、を備える。
【0030】
<平板加工工程>
本発明の製造方法における平板加工工程について、
図9、
図10を用いて説明する。
平板加工工程では、初めに、平板Pを用意する(
図9(a)、
図10(a))。
平板Pは金属製の平板であることが好ましく、ステンレス、アルミ、鉄、鋼、銅、チタン、インコネル、ハステロイからなる平板であることがより好ましい。
大きさや厚さは特に限定されないが、厚さは0.05~5mm程度であることが好ましく、0.2~2mm程度であることがより好ましい。
【0031】
次に、平板Pの主面の少なくとも一部を加工して、その主面に凹みを形成する。
例えば
図9(b)、
図10(b)に示すように、平板Pの主面10の少なくとも一部を加工して、その主面10に凹み12を形成する。
そして、その凹みが形成されている部分である加工部14を主面10内に含む加工平板Qを得る。
【0032】
ここで、本発明の第1の製造方法では、平板Pの主面の少なくとも一部を除去加工して、その主面に凹みを形成する。
ここで除去加工は、平板Pの主面の少なくとも一部を除去することで、その主面に凹みを形成することができる手段であれば特に限定されない。除去加工は、エッチング加工または切削加工であることが好ましい。
図9(b)に示した凹み12は、除去加工した場合の凹みを示している。
【0033】
また、本発明の第2の製造方法では、平板Pの主面の少なくとも一部を塑性加工して、その主面に凹みを形成する。
ここで塑性加工は、平板Pの主面の少なくとも一部を塑性変形することで、その主面に凹みを形成することができる手段であれば特に限定されない。塑性加工は、プレス加工またはギアロールを用いた加工であることが好ましい。ギアロールを用いた加工とは、2つのギアロールの間に板状または帯状の金属等を挟み込んで加工する方法であり、特開平11-147149号公報、特開2004-025257号公報に示されている方法が例示される。
図10(b)に示した凹み12は、塑性加工した場合の凹みを示している。
【0034】
<第1接合工程>
次に、本発明の第1の製造方法における第1接合工程について、
図11を用いて説明する。
本発明の第1の製造方法における第1接合工程では、初めに上面平板Rを用意する(
図11(a))。
上面平板Rの材質、大きさ、厚さ等は特に限定されないが、前述の平板Pと同様のものであることが好ましい。
【0035】
次に、上面平板Rと加工平板Qとの主面同士を密着させる(
図11(b))。ここで、加工部14の凹みが形成されている加工平板Qの主面が上面平板Rに対向させる。
その後、上面平板Rと加工平板Qとの主面同士を接合することで、上面平板Rと加工平板Qとの間に加工部14からなる第1流路2を備える第1流路プレート20を得ることができる(
図11(c))。
【0036】
次に、本発明の第2の製造方法における第1接合工程について、
図12を用いて説明する。
本発明の第2の製造方法における第1接合工程では、初めに上面平板Rおよび下面平板Sを用意する(
図12(a))。
上面平板Rおよび下面平板Sの材質、大きさ、厚さ等は特に限定されないが、前述の平板Pと同様のものであることが好ましい。
【0037】
また、加工平板Qと主面同士を密着させても加工部14と接する部分がないように加工された平板状のスペーサーXを用意する(
図12(a))。
【0038】
スペーサーXは、例えば上面平板Rと同様の材質であって、上面平板Rよりもわずかに大きいサイズのものを用意し、それを打ち抜き加工して得ることができる。
ここで、加工平板Qの加工部14はプレス加工等の塑性加工によって形成されているため、加工平板Qにおける一方の主面に凹部(凹み12)が形成され、他方の主面には凸部γが形成されている。そこで、スペーサーXの厚さは、この加工平板Qの凸部γの程度によって調整する。すなわち、後述する
図12(b)の状態にしたときに、凸部γの山の先端が下面平板Sの主面と接するように加工平板Qの厚さを調整することが好ましい。その凸部γの山の先端と下面平板Sの主面とが接合することで、得られる熱輸送デバイスの強度がより高くなり、好ましい。
【0039】
次に、加工平板QとスペーサーXとの主面同士を接触させる。ここで、
図12(a)に示すように、加工平板Qの加工部14における凸部γの側の主面をスペーサーXの主面と接触させる。
そして、上面平板Rおよび下面平板SによってスペーサーXと共に加工平板Qを挟み、
図12(b)の状態とする。なお、
図12(b)は上面平板Rおよび下面平板Sの長手方向(図の左右方向)に平行であって主面に垂直な方向に切った場合の図を示している。
この場合、上面平板Rと下面平板Sとの間に前記加工部14は存在せずスペーサーXのみが存在している部分(
図12(b)において「δ」で示す部分)においては、上面平板Rと下面平板Sとの間に隙間がないことが好ましい。そして、上面平板R、加工平板Q、スペーサーXおよび下面平板Sの主面同士を接合すると、上面平板Rと下面平板Sとの間に加工部は存在しスペーサーXは存在しない部分(
図12(b)において「ε」で示す部分)においては上面平板Rと下面平板Sとの間に第1流体が流通する第1流路2を備える第1流路プレート20を得ることができる(
図12(c))。
【0040】
このような本発明の製造方法における第1接合工程において、上面平板R、加工平板Q、下面平板SおよびスペーサーXからなる群から選ばれる少なくとも2つの主面同士をろう付け等によって接合することは可能であるが、拡散接合によって接合することが好ましい。
本発明の第1の製造方法における第1接合工程では、上面平板Rと加工平板Qとの主面同士をろう付け等によって接合することは可能であるが、拡散接合によって接合することが好ましい。
本発明の第2の製造方法における第1接合工程では、上面平板R、加工平板Q、下面平板SおよびスペーサーXからなる群から選ばれる少なくとも2つの主面同士をろう付け等によって接合することは可能であるが、拡散接合によって接合することが好ましく、上面平板R、加工平板Q、下面平板SおよびスペーサーXの主面同士を拡散接合によって接合することがより好ましい。
得られる熱輸送デバイスの強度がより高くなるからである。
【0041】
<塑性加工工程>
次に、本発明の製造方法における塑性加工工程について、
図13を用いて説明する。
塑性加工工程では、第1流路プレートを用意する。ここでは
図12(c)に示した第1流路プレート20を例示したが、
図11(c)に示した第1流路プレート20であっても同様となる。
【0042】
次に、第1流路が変形するように、第1流路プレートの主面の少なくとも一部を塑性加工して、その主面に凹み32を形成する(
図13(b))。ここで、その凹み32が形成されている部分を塑性変形部34とする。
これによって、塑性変形部34を主面内に含む、第2流路プレート30を得ることができる。
【0043】
<第2接合工程>
次に、本発明の製造方法における第2接合工程について説明する。
第2接合工程では、複数の第2流路プレート30を重ね、第2流路プレート30と別の第2流路プレート30との間に第1流路2と平行ではない第2流体が流通する複数の第2流路4が形成されるように、複数の第2流路プレートの主面同士が接するように接合する。
【0044】
図14は第2接合工程の好適態様を示している。なお、本発明の製造方法における第2接合工程は、
図14を用いて説明する好適態様に限定されない。
この態様では、初めに、第2流路プレート30と主面同士を密着させても塑性変形部34と接する部分がないように加工されている平板状のスペーサーYを用意する。
スペーサーYは、例えば上面平板Rと同様の材質であって、上面平板Rよりもわずかに大きいサイズのものを用意し、それを打ち抜き加工して得ることができる。
ここで、第2流路プレート30の塑性変形部34は塑性加工によって形成されているため、第2流路プレート30における一方の主面に凹部(凹部ζ)が形成され、他方の主面には凸部ηが形成されている。そこで、スペーサーYの厚さは、この第2流路プレート30の凸部ηの程度によって調整する。すなわち、後述する
図14(b)の状態にしたときに、凸部ηの山の先端が別の第2流路プレートの凸部ηの山の先端と接するようにスペーサーYの厚さを調整することが好ましい。その凸部同士が接合することで、得られる熱輸送デバイスの強度がより高くなり、好ましい。
【0045】
次に、複数の第2流路プレート30を重ねる。具体的には、
図14(a)、(b)に示すように、1枚目の前記第2流路プレート30-1、1枚目のスペーサーY-1、2枚目の第2流路プレート30-2、3枚目の第2流路プレート30-3、2枚目のスペーサーY-2、および4枚目の第2流路プレート30-4をこの順に重ねる。
ここで、1枚目の前記第2流路プレート30-1と2枚目の第2流路プレート30-2とは、1枚目のスペーサーYを挟みつつ、各々の塑性変形部34における凸部η同士が接するように重ねることが好ましい。また、3枚目の前記第2流路プレート30-3と4枚目の第2流路プレート30-4とは、2枚目のスペーサーYを挟みつつ、各々の塑性変形部34における凸部η同士が接するように重ねることが好ましい。この場合、得られる熱輸送デバイスの強度がより高くなり、好ましい。
【0046】
その後、各々の主面同士をこれらが接するように接合する。また、同時に、2つの第2流路プレートの凸部η同士を接合することが好ましい。
そうすると、
図14(c)に示すような本発明のデバイス40を得ることができる。なお、
図14(c)において右側の面は断面を表している。
【0047】
次に、第2接合工程の別の好適態様について、
図15を用いて説明する。なお、本発明の製造方法における第2接合工程は、
図15を用いて説明する好適態様に限定されない。
【0048】
この態様では、前述のスペーサーYに加え、平板Tを用意する。
平板Tは特に限定されず、例えば前述の平板Pと同様のものであってよい。
【0049】
次に、複数の第2流路プレート30を重ねる。具体的には、
図15(a)、(b)に示すように、1枚目の第2流路プレート30'-1、1枚目のスペーサーY-1、1枚目の平板T-1、2枚目の第2流路プレート30'-2、2枚目のスペーサーY-2、および2枚目の平板T-2をこの順に重ねる。
【0050】
ここで、1枚目の第2流路プレート30'-1と1枚目の平板T-1とは、1枚目のスペーサーYを挟みつつ、塑性変形部34における凸部ηが平板T-1の主面に接するように重ねることが好ましい。また、2枚目の第2流路プレート30-2と2枚目の平板T-2とは、2枚目のスペーサーYを挟みつつ、塑性変形部34における凸部ηが平板T-2の主面に接するように重ねることが好ましい。この場合、得られる熱輸送デバイスの強度がより高くなり、好ましい。
【0051】
その後、各々の主面同士をこれらが接するように接合する
そうすると、
図15(c)に示すような本発明のデバイス40を得ることができる。なお、
図15(c)において右側の面は断面を表している。
【0052】
第2接合工程では、第2流路プレートおよび別の第2流路プレート、第2流路プレートおよびスペーサーY、第2流路プレートおよび平板T、ならびに、スペーサーYおよび平板T、からなる群から選ばれる少なくとも1つの主面同士を拡散接合によって接合することが好ましい。
この場合、得られる熱輸送デバイスの強度がより高くなるからである。
【符号の説明】
【0053】
1 本発明のデバイス
2 第1流路
2p 第1流路の入口または出口
4 第2流路
4p 第2流路の入口または出口
10 平板Pの主面
12 凹み
14 加工部
20 第1流路プレート
30 第2流路プレート
32 凹み
34 塑性変形部
40 本発明のデバイス
101 熱交換器
102 第1の流体通路
104 第2の流体通路