(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018690
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】物品搬送装置とそれを使用した組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
G01G19/387 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121978
(22)【出願日】2020-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(72)【発明者】
【氏名】小口 泰巨
(72)【発明者】
【氏名】早川 照生
(72)【発明者】
【氏名】阿那 秀昭
(57)【要約】
【課題】軽い物を支持する安価な力センサでもって物品の堆積量を検知し、それによって物品の搬送を制御することができる新たな物品搬送装置と、それを使用した組合せ計量装置とを提供することを課題とする。
【解決手段】物品を搬送する第1搬送部と、前記第1搬送部から排出される物品を滑落させて物品受取面へ排出するシュートと、前記シュートに作用する力を検出する力センサと、
前記力センサの出力に基づいて、前記第1搬送部を制御する制御部と、を備え、前記シュートは、前記第1搬送部と前記物品受取面とから絶縁され、かつ、前記物品受取面に留まる物品から力を受ける位置に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部から排出される物品を滑落させて物品受取面へ排出するシュートと、
前記シュートに作用する力を検出する力センサと、
前記力センサの出力に基づいて、前記第1搬送部を制御する制御部と、を備え、
前記シュートは、前記第1搬送部と前記物品受取面とから絶縁され、かつ、前記物品受取面に留まる物品から力を受ける位置に配置されている、
物品搬送装置。
【請求項2】
前記物品受取面は、前記シュートから排出される物品を受け取って下流へ搬送する第2搬送部の物品搬送面である、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記力センサは、ロードセルであり、前記シュートは、前記ロードセルの可動端部から吊り下げられている、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記第2搬送部には、物品の層厚を制御する層厚調整部が設けられている、請求項2に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の物品搬送装置と、その下流側に配置され、前記物品搬送装置から供給される物品を受け取って計量する計量装置と、を備えたラインが、前記物品の搬送方向と直交する方向に複数配列されている、
組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、力センサでもって物品の搬送を制御する物品搬送装置とそれを使用した組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
振動フィーダによる物品の搬送制御には、種々の方式のものがある。その中でも、下記特許文献1に記載の発明では、振動フィーダにおける物品の詰まりを検出するために、振動フィーダから排出された物品が溜まる位置に、物品検知センサを設け、そのセンサが所定時間、物品を検知しない場合は、振動フィーダで物品の詰まりが発生しているとして、振動フィーダの振動強度を強めるようにしている。
【0003】
また、振動フィーダ等の搬送手段を計量装置に載荷し、搬送手段上の物品の質量の変化に基づいて、搬送手段の搬送量を制御するようにしたものもある。特許文献2に記載の発明は、そうした搬送手段の一例を開示するが、この特許文献2では、上段に秤量手段を、中段に粉体搬送路(ベルトコンベヤ)を、下段にスクリューフィーダーを配置して、粉体を定量供給する装置であるが、特に中段の粉体搬送路を、上段の秤量手段から吊り下げて粉体搬送路からこぼれ落ちる粉体が、秤量手段上に積もらないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-094946号公報
【特許文献2】特開2012-063252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1のように、物品の有無を検知するセンサでは、物品がどの程度堆積しているかは検出できない問題がある。
これに対し、特許文献2のように、搬送手段を秤量手段に載荷して被搬送物の質量を検出する場合には、被搬送物の堆積量を推定することができる。しかし、重量物である搬送手段を秤量手段の荷重センサに負荷しなければならないから、剛性を持たせた荷重センサが必要になり、それだけ装置が高価になる問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するために、軽い物を支持する安価な力センサでもって物品の堆積量を検知し、それによって物品の搬送を制御することができる新たな物品搬送装置と、それを使用した組合せ計量装置とを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る物品搬送装置は、
物品を搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部から排出される物品を滑落させて物品受取面へ排出するシュートと、
前記シュートに作用する力を検出する力センサと、
前記力センサの出力に基づいて、前記第1搬送部を制御する制御部と、を備え、
前記シュートは、前記第1搬送部と前記物品受取面とから絶縁され、かつ、前記物品受取面に留まる物品から力を受ける位置に配置されていることを特徴とする。
【0008】
ここで用いる搬送部は、物品を搬送する振動フィーダやベルトコンベヤであるが、これらには限定されない。また、第1搬送部から排出される物品は、シュートを介して物品受取面に排出されるが、その排出量が多すぎると、物品受取面に物品が堆積し、それがシュートに触れて力センサの出力が変化する。力センサは、それを検出して制御部に伝達し、
制御部は、その出力変化から、物品受取面に物品が堆積していると判断して第1搬送部を制御する。この場合の制御は、例えば、第1搬送部の搬送量を減らしたり、駆動を停止させたりする制御である。また、第1搬送部からの排出量が減ったり、増加したりすると、シュートを滑落するときに受けるセンサの出力も変化する。制御部は、そうした変化に基づいて、第1搬送部の搬送量を調整しても良い。
【0009】
これにより、振動フィーダやベルトコンベア等の全体を剛性の強い計量装置で計量しなくても、堆積した物品がシュートに作用する力を検出するだけで、第1搬送部からの物品の排出を制御することができる。しかも、特許文献1の物品センサと違って、物品の有無を検知するだけでなく、物品受取面の堆積量も検知することができるから、種々の物品に適用できる汎用性の高い搬送装置とすることができる。
【0010】
前記物品搬送装置において、前記物品受取面は、前記シュートから排出される物品を受け取って下流へ搬送する第2搬送部の物品搬送面である。
【0011】
これにより、第1搬送部から排出された物品は、第2搬送部によって下流側へと搬送されるから、下流の第2搬送部の搬送量が減少したり、上流の第1搬送部からの排出量が過多になったりすると、第2搬送部に物品が堆積し、それが、正常時とは異なる圧力となって力センサに作用する。制御部は、力センサに作用した力に基づいて、第1搬送部の駆動を制御するから、第2搬送部上には、常に適度な量の物品が蓄積されることになる。したがって、蓄積した物品をランダムなタイミングで計量装置に供給しなければならない組合せ計量装置用の供給装置として使用することができる。
【0012】
前記物品搬送装置において、前記力センサは、ロードセルであり、前記シュートは、前記ロードセルの可動端部から吊り下げられていることを特徴とする。
【0013】
この場合のロードセルは、重量物を支持する剛性を必要としないから、小型で安価な構成とすることができる。しかも、シュートを支持するロードセルを第1搬送部や第2搬送部の上方に配置することができるから、第1搬送部や第2搬送部を計量装置に載荷する方式に比べて、スペース的によりコンパクトな装置とすることができる。
【0014】
前記物品搬送装置において、前記第2搬送部には、物品の層厚を制御する層厚調整部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この層厚調整部は、物品の搬送方向と直交する方向の、前記物品搬送面と並行な回転軸の回りを回転する回転体で構成される。また、この回転体に代えて、物品の層厚を調整するスクレーパであっても良い。また、この場合の回転体の下半分の回転方向は、前記搬送方向と対向する方向である。これにより、第2搬送部で搬送される物品の層厚を一定にすることができるから、第2搬送部を一定時間駆動するだけで、略一定量の物品を下流へ供給することができる。
【0016】
前記物品搬送装置と、その下流側に配置され、前記物品搬送装置から供給される物品を受け取って計量する計量装置とを備えたラインが、前記物品の搬送方向と直交する方向に複数配列されている組合せ計量装置であることを特徴とする。
【0017】
これにより、安価な力センサでもって各ラインの搬送量を安定化させることができるから、組合せ計量装置の計量精度と稼働率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第1搬送部から排出される物品をシュートで滑落させ、そのときに受けるシュートに作用する力や、物品受取面に堆積した物品がシュートに乗り上げたときに受けるシュートに作用する力を力センサでもって検出するようにしたから、種々の物品の搬送制御に適用できる汎用性の高い搬送装置とすることができる。
【0019】
また、力センサは、シュートに作用する僅かな力を検出するだけであるから、従来装置のように、剛性の強いロードセルで搬送装置全体を支持する必要がなく、安価なロードセルで構成することができる。また、シュートを、搬送部と干渉しない上方から吊り下げているから、装置をコンパクトに設計することができる。
【0020】
さらに、第1搬送部からの物品の排出量が過多になったり、排出された物品が下流へ流れなくなって、シュート下部の物品受取面に物品が堆積したりすると、それを検出することができるから、制御部は、物品受取面の堆積量を適度に調整して、物品受取面を構成する第2搬送部の搬送面に適度な量の物品を蓄えることができる。したがって、第2搬送部に蓄積された物品を組合せ演算結果に応じてランダムに供給するような組合せ計量装置に適用できるメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る組合せ計量装置の一実施形態の主要部の側面図。
【
図2】シュートから第1搬送部を見た第1搬送部の部分正面図。
【
図3】第2搬送部の排出端からシュートを見た部分正面図。
【
図4】上記組合せ計量装置の制御系の構成ブロック図。
【
図5】組合せ計量装置の一要素を構成する計量装置の制御系のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る物品搬送装置と、それを使用した組合せ計量装置の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0023】
図1~
図3において、組合せ計量装置CWは、下流側の計量装置Wと、その計量装置Wに物品を供給する上流側の物品搬送装置Fとを有するラインを、紙面と直交する方向に複数ライン配置した構成である。
【0024】
計量装置Wは、2つの開閉ゲートG1、G2を有するプールホッパPHと、その下段に各開閉ゲートG1、G2から排出される物品を受けて計量する2つの計量ホッパWH1、WH2とを備えたもので、これらのプールホッパPHと計量ホッパWH1、WH2の各ゲートG1~G4は、破線で示す位置まで開閉するが、これらを開閉させるリンク機構は、周知であるため、ここでは、それを省略している。
【0025】
プールホッパPHは、左右方向に選択的に開閉する一対のゲートG1,G2を備え、それらのゲートG1,G2は、どちらか一方のみが開閉するようになっている。また、プールホッパPHの下方には、各ゲートG1,G2に対応させて、二つの計量ホッパWH1、WH2が背中合わせに配置されている。また、各計量ホッパWH1、WH2には、
図5に示すように、それぞれのホッパWH1,WH2の質量を検出するロードセルLC1、LC2が設けられている。なお、両計量ホッパWH1,WH2に挟まれた上方の空間には、プールホッパPHから排出された物品を左右の計量ホッパWH1、WH2に振り分ける側面視三角形の振分板Dが配置されている。
【0026】
プールホッパPHに物品を供給する物品搬送装置Fは、上流側の第1搬送部1と、下流側の第2搬送部2と、それらの間に配置されたシュート3と、を備えている。このシュート3は、第1搬送部1の排出端と、第2搬送部2の物品受取面(物品搬送面)28との間に、これらと非接触状態で上方から吊り下げられている。
【0027】
シュート3の上方には、ロードセルLCからなる力センサ4が配置されている。このロードセルLCは、平衡ビーム形の歪受感部に歪ゲージを貼付した周知構成のものである。また、ロードセルLCの可動端部には、吊下フレーム5が取り付けられ、その吊下フレーム5の二股に別れた下端部50(
図2、
図3参照)に、取付位置を上下できる調整板51を介してシュート3が、着脱可能に取り付けられている。
【0028】
具体的には、調整板51の上部には、長孔52が設けられ、その長孔52を下端部50に対し、上下に位置決めしてから、その長孔52に挿入した図示しないネジでもって、調整板51を吊下フレーム5の下端部50に固定するようになっている。これにより、シュート3の上下位置が適度な高さで位置決めできるようになっている。
【0029】
また、左右の調整板51の外側の面には、上下に離れた二つのピン53、54がそれぞれ埋め込まれ、それらのピン53、54には、シュート3を吊り下げる吊り下げ板30がそれぞれ引っ掛けられるようになっている。
【0030】
シュート3は、
図1~
図3に示すように、物品を滑落させる傾斜板31と、その傾斜板31の両側面から立ち上がる側壁32と、この両側壁32に溶接された吊り下げ板30とで構成されている。また、吊り下げ板30の上部には、ピン53に引っ掛けるフック33が形成され、そのフック33を上部のピン53に引っ掛けて吊下げ、下部のピン54で吊り下げ板30の回動を規制するようになっている。したがって、吊り下げ板30を持ち上げてフック33をピン53に掛けたり、外したりすれば、シュート3が調整板51から脱着できるようになっている。
【0031】
なお、左右の吊り下げ板30は、それらの上部において、水平な上下の連結棒34でもって連結されて、補強されている。
【0032】
第1搬送部1は、振動フィーダで構成されている。具体的には、物品搬送面が平坦な搬送トラフ10と、その搬送トラフ10を斜め前方に往復運動させて、物品を搬送する振動装置11と、振動装置11の振動端部12を搬送トラフ10のベース部13に連結して、振動を伝達する連結部14と、振動装置11を支持する台座15とを備えている。
【0033】
搬送トラフ10は、
図2に示すように、横並びに均等に4列配置され、それぞれの搬送トラフ10内に、上方のホッパHの下端排出口6が臨まされている。また、ホッパHは、上部が一つの収容室に形成され、その収容室の下部に4つの排出口6が下向きに形成されており、それらの排出口6が搬送トラフ10の搬送面から所定距離離れた高さに取り付けられている。したがって、排出口6から排出される物品は、搬送トラフ10の搬送面にのしかかり、その状態で搬送トラフ10が振動すると、物品は、シュート3の方向に搬送されるとともに、ホッパHからは、新たに物品が搬送トラフ10に供給されるようになっている。
【0034】
この実施形態では、隣接する2つの搬送トラフ10が一つの振動装置11に取り付けられて、隣接する2つの搬送トラフ10が一つの振動装置11で同時に振動するようになっているが、これに代えて、搬送トラフ10毎に個別に駆動される振動装置11を取り付けても良い。
【0035】
第2搬送部2も振動フィーダで構成されている。具体的には、物品搬送面が下流側へ向けて段階的に狭くなる搬送トラフ20と、その搬送トラフ20を斜め前方へ往復運動させて、物品を搬送する振動装置21と、振動装置21の振動を搬送トラフ20へ伝達する前記連結部14と同様な連結部22とを備えている。また、各搬送トラフ20には、それぞれ個別に駆動される振動装置21が取り付けられている。
【0036】
搬送トラフ20は、上流側の広幅トラフ23と、下流側へ向けて、広幅トラフ23の幅のサイズから、幅が漸次狭くなる緩衝トラフ24と、それに続く下流側の狭幅トラフ25とで構成されている。また、広幅トラフ23と緩衝トラフ24の物品搬送面は平坦であるが、狭幅トラフ25の物品搬送面は、途中に段差部26が設けられ、その段差部26より下流側は、
図3に示すように、横断面がV字形の狭幅トラフ25に形成されて、物品が整列状態で搬送されるようになっている。
【0037】
また、狭幅トラフ25の上流部には、搬送される物品の層厚を一定にする回転体27が配置されている。この回転体27は、3枚の羽根を120度のピッチで配置したもので、これを反時計方向に回転させることで、狭幅トラフ25に送り込まれる物品を均したり、その層厚を調整したりするようになっている。ただし、物品によっては、この回転体27を使用しない場合もある。
【0038】
隣接する二つの第2搬送部2は、一つの第1搬送部1に接続されている。これにより、一つの第1搬送部1から、同時に二つの第2搬送部2へ物品が搬送されるようになっている。そのため、シュート3は、二つの広幅トラフ23に跨って配置され、それを許容するように、隣接する広幅トラフ23の側壁は、
図3の矢印Pで示すように、一段低くなり、それらの一方の側壁が他方の側壁にオーバーラップして、物品の漏出が防止されるようになっている。また、シュート3は、一段低くなった側壁から若干浮かせた位置に保持されている。したがって、一方の第2搬送部2が停止して、その物品搬送面に物品が堆積しても、堆積した物品は、一段低くなった側壁を乗り越えて、稼働している隣の第2搬送部2へ移動するようになっている。この場合、堆積した物品がシュート3に接触すると、それがシュート3を介して力センサ4に伝わり、そのときに作用する力が所定値を超えるか、その状態が所定時間継続すると、
図4の制御部7は、第1搬送部1を停止させるようになっている。
【0039】
なお、この構成に代えて、第1搬送部1と第2搬送部2とを一対一で対応させ、シュート3も、第2搬送部2毎に配置する構成であっても良い。この場合には、下流の第2搬送部2の搬送状況に応じて、上流の第1搬送部1を細かく制御することができる。
【0040】
図4は、組合せ計量装置CWの制御系の構成ブロック図である。この図において、物品搬送装置Fの制御系は、主として制御部7と、その制御部7と電気的に接続された力センサ4並びに第1搬送部の振動装置11とで構成されている。また、組合せ計量装置CWの制御系は、主として組合せ用の制御部8と、その制御部8と電気的に接続された第2搬送部2の振動装置21と、この実施形態では、8つの計量装置W1~W8とで構成されている。
【0041】
それぞれの計量装置Wは、
図5に示すように、プールホッパPHの二つのゲートG1,G2をそれぞれ開閉する駆動部D1、D2と、各計量ホッパWH1、WH2のそれぞれの質量を検出するロードセルLC1,LC2と、各計量ホッパWH1、WH2のゲートG3、G4をそれぞれ開閉する駆動部D3、D4とを備え、これらが制御部8と電気的に接続されている。
【0042】
制御部7、8は、マイクロコンピュータで構成され、そこに組み込まれた所定のプログラムを実行することにより、周知の組合せ演算を実行する。なお、各搬送部1、2に対する制御は、後述する。また、この実施形態では、物品搬送装置Fの制御部7と、組合せ計量装置の制御部8とを分けているが、これらを一体にした制御部であっても良い。
【0043】
物品搬送装置Fの制御部7には、力センサ4の検出信号が入力され、制御部7は、それをモニタして、第1搬送部1の制御や、ホッパHへの物品の追加供給を指示する。例えば第1搬送部1を駆動して、シュート3に物品が正常に流れているときの力センサ4の出力の平均値を記憶しておく。そして、力センサ4の検出出力が、記憶した平均値以下になると、ホッパH内の物品の減少によって、シュート3に流れる排出量が低下したと推定されるので、ホッパHへの物品の追加供給を報知する。そして、ホッパHへ物品が追加供給されるまでの間は、シュート3に作用する力に応じ、第1搬送部1の振動強度を強めたり、振動時間を長くしたりして、排出量が一定になるように制御する。
【0044】
また、下流の第2搬送部2が停止し、第1搬送部1から排出された物品が、物品受取面28で堆積するようになると、堆積した物品がシュート3に乗り上げ、それによって力センサ4の出力が変化する。制御部7は、その変化を捉えて第1搬送部1を停止させる。また、第2搬送部2の搬送が再開されて、シュート3に乗り上げた物品が無くなり、力センサ4がシュート3の風袋を検出するようになると、制御部7は、再び第1搬送部1を駆動させて第2搬送部2に物品を供給する。制御部7は、力センサ4の出力に基づいて、こうした制御を実行することにより、第2搬送部2の搬送トラフ20に、一定量の物品を蓄えるようにする。これにより、計量装置Wからランダムなタイミングで物品供給が要求されても、それに応えられるようにしている。
【0045】
一方、組合せ計量装置の制御部8は、合計16個の計量ホッパWH1~16のロードセルLCから入力した計量ホッパWH毎の物品の質量に基づいて、組合せ演算を実行し、所定質量に最も近い計量ホッパWHの組合せを選択する。このとき、背中合わせに配置されたペアの計量ホッパWH1、WH2を同時に選ばないような組合せが実行される。続いて制御部8は、選択された計量ホッパWHのゲートG3(G4)の駆動部D3(D4)を駆動させて、選択された計量ホッパWHから物品を排出させる。排出された物品は、図示しない集合シュートを介して包装機等に投入され、袋詰めにされる。
【0046】
続いて制御部8は、物品を排出することによって空になった計量ホッパWHの、対応するプールホッパPHに対し、対応する一方のケートG1(G2)を駆動させて、空になった計量ホッパWHに物品を供給する。続いて空になったプールホッパPHには、それに対応する第2搬送部2を駆動させて、空のプールホッパPHに物品を供給する。こうした一連の制御を、制御部8は、一定サイクルで繰り返していく。
【0047】
また、第2搬送部2の駆動時間と振動強度は、組合せ計量を毎回成立させることのできる適度な搬送量に設定されている。これにより、組合せ計量の可動率を向上させ、組合せ計量精度を向上させている。
【0048】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の実施形態も採用可能である。例えば、上記実施形態では、組合せ計量装置として構成したが、単体の物品搬送装置を、通常の計量装置に物品を供給する供給装置として構成しても良い。また、この組合せ計量装置では、一つのプールホッパPHから二つの計量ホッパWHに選択的に物品を供給するようにしたが、一つのプールホッパPHと、一つの計量ホッパWHとを、一対一で対応させる構成であっても良い。
【符号の説明】
【0049】
1 第1搬送部
2 第2搬送部
3 シュート
4 力センサ
27 層厚調整部
28 物品受取面
W 計量装置
F 物品搬送装置
CW 組合せ計量装置